(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-24
(54)【発明の名称】パーソナルビデオ録画のための外部チューナ及びメモリを備えたTV及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H04N 21/436 20110101AFI20220117BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20220117BHJP
H04N 21/432 20110101ALI20220117BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20220117BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/442
H04N21/432
H04N5/765
H04N5/92 010
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528939
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(85)【翻訳文提出日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 IB2019060010
(87)【国際公開番号】W WO2020104981
(87)【国際公開日】2020-05-28
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】クリフト グラハム
【テーマコード(参考)】
5C053
5C164
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA07
5C053LA11
5C053LA14
5C164FA11
5C164UA23S
5C164UA51S
5C164UB31S
5C164UB37S
5C164UB41P
5C164UB71P
5C164YA21
(57)【要約】
情報処理装置が、チューナ装置に接続するように構成された通信インターフェイスを含む。情報処理装置は、チューナ装置から、デジタル放送信号に含まれるATSC3.0サービスに対応するデータパケットを受信し、ATSC3.0サービスを一時停止する指示が受け取られたかどうかを判定し、並びに、ATSC3.0サービスを一時停止する指示が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置の第1のメモリからの、ATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットの読み込みを停止するように構成された処理回路をさらに含む。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
チューナ装置に接続するように構成された通信インターフェイスと、
処理回路と、
を備え、前記処理回路は、
前記チューナ装置からデジタル放送信号に含まれる高度テレビジョンシステムズ委員会(ATSC)3.0サービスに対応するデータパケットを受け取り、
前記ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたかどうかを判定し、
前記ATSC3.0サービスを一時停止するための前記指示が受け取られたとの判定に応答して、前記チューナ装置の第1のメモリから前記ATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットを読み取ることを停止する、
ように構成される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理回路は、
前記ATSC3.0サービスが一時停止されている間に、前記一時停止されたATSC3.0サービスを再開するための指示が受け取られたかどうかを判定し、
前記一時停止されたATSC3.0サービスを再開するための前記指示が受け取られたとの判定に応答して、前記一時停止されたATSC3.0サービスに対応する前記記憶された後続のデータパケットを前記チューナ装置に検索させる読み取りコマンドを前記チューナ装置に送信し、
前記検索された後続のデータパケットを前記チューナ装置から受け取り、
前記検索された後続のデータパケットを使用して、前記一時停止されたATSC3.0サービスを再開する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理回路は、前記ATSC3.0サービスを一時停止するための前記指示が受け取られたとの前記判定に応答して、前記チューナ装置に前記後続のデータパケットを前記第1のメモリに記憶させる書き込みコマンドを送信するようにさらに構成される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記書き込みコマンドは、前記情報処理装置と前記チューナ装置との間の通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイスを通じて提供される、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理回路は、
前記第1のメモリの記憶容量よりも大きな記憶容量を有する第2のメモリを検出し、
前記第2のメモリの前記検出に応答して、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリを使用して前記後続のデータパケットを記憶する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
チューナ装置であって、
情報処理装置に接続するように構成された通信インターフェイスと、
処理回路と、
を備え、前記処理回路は、
ATSC3.0サービスを含むデジタル放送ストリームを受け取り、
前記ATSC3.0サービスに対応するデータパケットを前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置から書き込みコマンドが受け取られたかどうかを判定し、
前記情報処理装置から前記書き込みコマンドが受け取られたとの判定に応答して、前記ATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットをメモリに記憶する、
ように構成される、
ことを特徴とするチューナ装置。
【請求項7】
前記処理回路は、
前記書き込みコマンドが受け取られた後に、前記情報処理装置から読み取りコマンドが受け取られたかどうかを判定し、
前記情報処理装置から前記読み取りコマンドが受け取られたとの判定に応答して、前記メモリから前記ATSC3.0サービスに対応する前記後続のデータパケットを検索し、
前記検索された後続のデータパケットを前記情報処理装置に送信する、
ようにさらに構成される、請求項6に記載のチューナ装置。
【請求項8】
前記読み取りコマンドは、前記情報処理装置と前記チューナ装置との間の通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイスを介して提供される、
請求項6に記載のチューナ装置。
【請求項9】
情報処理装置であって、
チューナ装置に接続するように構成された通信インターフェイスと、
処理回路と、
を備え、前記処理回路は、
前記チューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる選択されたATSC3.0サービスに対応するデータパケットを受け取り、
前記チューナ装置のメモリからデータパケットを検索するためのユーザ入力が受け取られたかどうかを判定し、
前記ユーザ入力が受け取られたとの判定に応答して、前記チューナ装置の前記メモリから前記ユーザ入力に対応するデータパケットを検索することを前記チューナ装置に行わせるコマンドを前記チューナ装置に送信する、
ように構成される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記ユーザ入力は、前記選択されたATSC3.0サービスのタイムシフト再生操作に対応し、
前記チューナ装置は、前記タイムシフト再生操作に応答して、前記選択されたATSC3.0サービスのためのデータパケットを前記タイムシフト再生操作に対応する期間にわたって検索する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記タイムシフト再生操作は巻戻し操作である、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記タイムシフト再生操作は早送り操作である、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記デジタル放送信号は、前記選択されたATSC3.0サービスを含む複数のATSC3.0サービスを含み、
前記ユーザ入力は、前記選択されたATSC3.0サービスから別のATSC3.0サービスへの変更を前記処理回路に行わせるATSC3.0サービス変更に対応し、
前記チューナ装置は、前記ATSC3.0サービス変更に応答して、前記別のATSC3.0サービスのためのデータパケットを検索する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記処理回路は、前記別のATSC3.0サービスのタイムシフト再生操作に対応する別のユーザ入力を受け取るようにさらに構成され、
前記チューナ装置は、前記タイムシフト再生操作に応答して、前記選択されたATSC3.0ためのデータパケットを前記タイムシフト再生操作に対応する期間にわたって検索する、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置であって、
メモリデバイスに接続するように構成された通信インターフェイスと、
処理回路と、
を備え、前記処理回路は、
デジタル放送ストリームにおいて提供されたATSC3.0サービスを表示し、
前記メモリデバイスを検出し、
前記メモリデバイスの前記検出に応答して、前記メモリデバイスがメモリ閾値以上の記憶容量を有するかどうかを判定し、
前記検出されたメモリの前記記憶容量が前記メモリ閾値以上であるとの判定に応答して、前記ATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画のために前記メモリを使用する許可をユーザが与えたかどうかを判定し、
前記ユーザが前記パーソナルビデオ録画のための許可を与えたとの判定に応答して、前記メモリを使用した前記ATSC3.0サービスに対応するデータパケットの前記パーソナルビデオ録画を有効にする、
ように構成される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
前記メモリの前記記憶容量が前記メモリ閾値以上ではないとの判定に応答して、前記メモリ閾値以上の記憶容量を有する別のメモリではパーソナルビデオ録画が利用可能である旨を前記ユーザに通知する、
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記処理回路は、前記パーソナルビデオ録画が有効になった後に、
前記メモリが前記通信インターフェイスから取り外されたかどうかを判定し、
前記メモリが前記通信インターフェイスから取り外されたとの判定に応答して、前記ATSC3.0サービスに対応する前記データパケットの前記パーソナルビデオ録画を無効にする、
ようにさらに構成される、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項18】
情報処理装置のプロセッサによって実行された時に前記プロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたチューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる高度テレビジョンシステムズ委員会(ATSC)3.0サービスに対応するデータパケットを受け取るステップと、
前記ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたかどうかを判定するステップと、
前記ATSC3.0サービスを一時停止するための前記指示が受け取られたとの判定に応答して、前記チューナ装置から前記ATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットを読み取ることを停止するステップと、
を含む、ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
情報処理装置のプロセッサによって実行された時に前記プロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたチューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる選択されたATSC3.0サービスに対応するデータパケットを受け取るステップと、
前記チューナ装置のメモリからデータパケットを検索するためのユーザ入力が受け取られたかどうかを判定するステップと、
前記ユーザ入力が受け取られたとの判定に応答して、前記チューナ装置の前記メモリから前記ユーザ入力に対応するデータパケットを検索することを前記チューナ装置に行わせるコマンドを前記チューナ装置に送信するステップと、
を含む、ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
情報処理装置のプロセッサによって実行された時に前記プロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
デジタル放送ストリームにおいて提供されたATSC3.0サービスを表示するステップと、
通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたメモリデバイスを検出するステップと、
前記メモリデバイスの前記検出に応答して、前記メモリデバイスがメモリ閾値以上の記憶容量を有するかどうかを判定するステップと、
前記検出されたメモリの前記記憶容量が前記メモリ閾値以上であるとの判定に応答して、前記ATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画のために前記メモリを使用する許可をユーザが与えたかどうかを判定するステップと、
前記ユーザが前記パーソナルビデオ録画のための許可を与えたとの判定に応答して、前記メモリを使用した前記ATSC3.0サービスに対応するデータパケットの前記パーソナルビデオ録画を有効にするステップと、
を含む、ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にTV及び電子装置にさらなるテレビ放送受信機とパーソナルビデオ録画(PVR)機能とを実装するためのアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
米国では、デジタルテレビが、高度テレビジョンシステムズ委員会(Advanced Television Systems Committee:ATSC)1.0標準に従うデジタルテレビ放送信号を受信することができる。ATSC3.0は、最新技術のサポートを提供する新たなデジタルテレビ(DTV)標準である。ATSC3.0標準の重要な特徴は、使用されるプロトコルがインターネットにおいて使用されるプロトコルにできるだけ近いことを設計目標にして、放送排出物(broadcast emissions)を介してシグナリング及びコンテンツの両方のためのインターネットプロトコル(IP)パケットを配信する点である。このアプローチの利点として、ATSC3.0標準は、放送経路を介して配信されるコンテンツの付属物としてのTVコンテンツ及びシグナリングのオーバーザトップ(OTT)配信をサポートする。OTT配信は、ユーザのブロードバンドインターネット接続を通じたテレビコンテンツの配信を含むことができる。いくつかのコンポーネントが放送によって配信され、他のコンテンツ(例えば、さらなる音声言語又はウェブベースのアプリケーションコンテンツ)がブロードバンドを介して配信される「ハイブリッド」サービスも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
標準的なテレビ受像機、タブレットコンピュータ及びパーソナルコンピュータを含む様々なタイプの消費者電子装置は、オーディオ、ビデオ及びグラフィックスを復号して表示する固有の性能を含む。放送局の中には、典型的にはスマートフォン及びタブレットであるモバイル装置上で視聴するための専用コンテンツを提供するアプリケーションを開発したところもある。この専用コンテンツは、サーバ又はサーバシステムからユニキャスト送信(すなわち、1対1)を通じて配信することができる。スマートフォン及びタブレットなどのプラットフォームは、ビデオストリーミングのためにインストールされたアプリケーションを有することができ、ラップトップ及びデスクトップなどの大画面コンピュータは、ウェブブラウザを介してビデオストリーミングを視聴することができるが、これらのタイプの電子装置内における、パーソナルビデオ録画(PVR)機能を提供する能力を含むATSC3.0受信機機能の実装を開発することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態によれば、チューナ装置に接続するように構成された通信インターフェイスを含む情報処理装置が提供される。情報処理装置は、デジタル放送信号に含まれる高度テレビジョンシステムズ委員会(ATSC)3.0サービスに対応するデータパケットをチューナ装置から受け取り、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたかどうかを判定し、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置の第1のメモリからATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットを読み取ることを停止するように構成された処理回路をさらに含む。
【0005】
本開示の実施形態によれば、情報処理装置に接続するように構成された通信インターフェイスを含むチューナ装置が提供される。チューナ装置は、ATSC3.0サービスを含むデジタル放送ストリームを受け取り、ATSC3.0サービスに対応するデータパケットを情報処理装置に送信し、情報処理装置から書き込みコマンドが受け取られたかどうかを判定し、情報処理装置から書き込みコマンドが受け取られたとの判定に応答して、ATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットをメモリに記憶するように構成された処理回路をさらに含む。
【0006】
本開示の実施形態によれば、チューナ装置に接続するように構成された通信インターフェイスを含む情報処理装置が提供される。情報処理装置は、デジタル放送信号に含まれる選択されたATSC3.0サービスに対応するデータパケットをチューナ装置から受け取り、チューナ装置のメモリからデータパケットを検索するためのユーザ入力が受け取られたかどうかを判定し、ユーザ入力が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置のメモリからユーザ入力に対応するデータパケットを検索することをチューナ装置に行わせるコマンドをチューナ装置に送信するように構成された処理回路をさらに含む。
【0007】
本開示の実施形態によれば、メモリデバイスに接続するように構成された通信インターフェイスを含む情報処理装置が提供される。情報処理装置は、デジタル放送ストリームにおいて提供されたATSC3.0サービスを表示し、メモリデバイスを検出し、メモリデバイスの検出に応答して、メモリデバイスがメモリ閾値以上の記憶容量を有するかどうかを判定し、検出されたメモリの記憶容量がメモリ閾値以上であるとの判定に応答して、ATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画のためにメモリを使用する許可をユーザが与えたかどうかを判定し、ユーザがパーソナルビデオ録画のための許可を与えたとの判定に応答して、メモリを使用したATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画を有効にするように構成された処理回路をさらに含む。
【0008】
本開示の実施形態によれば、情報処理装置のプロセッサによって実行された時にプロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたチューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる高度テレビジョンシステムズ委員会(ATSC)3.0サービスに対応するデータパケットを受け取るステップと、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたかどうかを判定するステップと、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置からATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットを読み取ることを停止するステップとを含む、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0009】
本開示の実施形態によれば、情報処理装置のプロセッサによって実行された時にプロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたチューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる選択されたATSC3.0サービスに対応するデータパケットを受け取るステップと、チューナ装置のメモリからデータパケットを検索するためのユーザ入力が受け取られたかどうかを判定するステップと、ユーザ入力が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置のメモリからユーザ入力に対応するデータパケットを検索することをチューナ装置に行わせるコマンドをチューナ装置に送信するステップとを含む、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0010】
本開示の実施形態によれば、情報処理装置のプロセッサによって実行された時にプロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、デジタル放送ストリームにおいて提供されたATSC3.0サービスを表示するステップと、通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたメモリデバイスを検出するステップと、メモリデバイスの検出に応答して、メモリデバイスがメモリ閾値以上の記憶容量を有するかどうかを判定するステップと、検出されたメモリの記憶容量がメモリ閾値以上であるとの判定に応答して、ATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画のためにメモリを使用する許可をユーザが与えたかどうかを判定するステップと、ユーザがパーソナルビデオ録画のための許可を与えたとの判定に応答して、メモリを使用したATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画を有効にするステップとを含む、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0011】
本開示のより完全な理解及びこれに付随する利点の多くは、添付図面と併せて検討する以下の詳細な説明を参照することによってこれらがより良く理解されるようになるにつれて容易に取得されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ATSC3.0標準に基づくDTVシステムの基本コンポーネントを示す概略図である。
【
図2B】外部チューナ装置を有する例示的な電子装置を示す図である。
【
図2C】外部チューナ装置及びフラッシュストレージを有する例示的な電子装置を示す図である。
【
図3】例示的なATSC3.0受信機のブロック図である。
【
図4】ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェイスを有する例示的なチューナ装置を示す図である。
【
図5】USB接続チューナを有するコンピュータ情報処理装置の例示的な構成を示す図である。
【
図6】USB接続チューナを用いたDTB受信のために情報処理装置を設定する例示的な画面を示す図である。
【
図7】テレビ受信機アプリケーションを起動させるプロセスの例示的なフローチャートである。
【
図8】チャネル走査を実行するプロセスの例示的なフローチャートである。
【
図9】例示的な物理層パイプ(PLP)を示す図である。
【
図10】チューナ装置を使用してPVR機能を提供するプロセスの例示的なフローチャートである。
【
図11】複数のサービスを記憶するチューナ装置を使用してPVR機能を提供するプロセスの例示的なフローチャートである。
【
図12】外部メモリの検出に応答してPVR機能を有効にするプロセスの例示的なフローチャートである。
【
図13】情報処理装置とチューナ装置との間で受け渡されるメッセージを示す例示的なブロック図である。
【
図14】アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を介して電子装置とチューナ装置との間で送信されるメッセージを示す例示的なシーケンス図である。
【
図15】アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を介して電子装置とチューナ装置との間で送信されるメッセージを示す例示的なシーケンス図である。
【
図16】アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を介して電子装置とチューナ装置との間で送信されるメッセージを示す例示的なシーケンス図である。
【
図17】アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を介して電子装置とチューナ装置との間で送信されるメッセージを示す例示的なシーケンス図である。
【
図18】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで複数の図全体を通じて同一の又は対応する部分を同じ参照数字によって示す図面を参照すると、以下の説明は、情報処理装置に接続できるATSC受信機に関する。いくつかの実施形態では、情報処理装置が、チューナ装置の形態のハードウェアアドオンと共に使用される専用Androidアプリケーションと共に動作する、スマートフォン、タブレットなどのAndroid装置、又は(セットトップボックスなどの)その他の消費者電子装置である。
【0014】
説明する実施形態の各機能は、1又は2以上の処理回路を含む処理回路によって実行することができる。処理回路は、プログラムされたプロセッサを含む。説明する実施形態では、プログラムされたプロセッサが、一般にAndroidベースのスマートフォン及びタブレットコンピュータで見られる、Androidオペレーティングシステムを実行する高度縮小命令セットコンピュータ(RISC)機械(ARM)プロセッサである。処理回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び列挙された機能を実行するように構成された従来の回路部品などの装置を含むこともできる。なお、回路(circuitry)とは、回路(circuit)又は回路系(system of circuits)を意味する。本明細書では、回路が1つのコンピュータシステム内に存在することも、又はコンピュータシステムのネットワーク全体を通じて分散することもできる。
【0015】
本開示におけるAndroidは、Google社によって維持されるモバイルオペレーティングシステムであり、主にタブレット及びスマートフォンなどのタッチ画面装置のために設計されたものである。アプリケーションソフトウェアは、オープンJDKに基づくJavaライブラリを含むアプリケーションフレームワーク上で動作する。本開示では、使用されるUSBのバージョンを、USB2.0、又は最大5Gbit/sのデータ転送速度に対応できるUSB3.0のいずれかとすることができる。最初に、ATSC3.0に基づく放送テレビシステムの基本アーキテクチャについて説明する。
【0016】
本開示の実施形態は、スマートフォン、タブレット、ラップトップなどの電子装置にATSC3.0機能を実装することに関する。これらのタイプの装置は、コンテンツをストリーミングできる一方で、さらなるハードウェア及びソフトウェアを使用することなくテレビ放送にチューニングする能力を有していないため、非TV装置とみなされる。さらに、他の実施形態では、既にTVなどの電子装置がATSC1.0放送を受信することはできるが、外部ハードウェアを使用せずにATSC3.0放送を受信することはできない。さらに、他の実施形態では、既に電子装置がATSC3.0チューナを含むが、PVR機能を実装するためのメモリを有していない。
【0017】
電子装置にATSC3.0TV機能を設けると、多くの著しく有利な特徴がもたらされる。例えば、ユーザは、標準的なDTV受像機に実装されたものであるか、それともスマートフォン又はタブレットなどの異なる装置内に実装されたものであるかにかかわらず、ATSC DTV受信機と相互作用する際に、視聴のための「サービス」を選択することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、ATSC「サービス」が、全体として受信機に配信されるメディアコンポーネント及び/又はメタデータの集合である。コンポーネントは、複数のメディアタイプのものとすることができる。サービスは、連続的又は断続的とすることができる。サービスはリアルタイム又は非リアルタイムとすることができ、リアルタイムサービスは一連のTV番組を含むことができる。
【0019】
ATSC3.0では、サービスが、ライブ放送ストリーミングオーディオ/ビデオコンテンツを有することも又は有さないこともできる。サービスは、ビデオオンデマンドなどの非リアルタイムコンテンツ、又はウェブページ上で見られることがあるような他の双方向コンテンツを含むこともできる。また、ATSC3.0サービスの一部又は全部のコンポーネントは、ブロードバンド(インターネット)経路を介して配信することができる。放送及びブロードバンドの両方からのコンポーネントを含むサービスは、「ハイブリッド」サービスと呼ばれる。
【0020】
図1は、ATSC3.0システムの基本コンポーネントの構成を示す図である。ビデオ技術は、高精細(HD)デジタルテレビから、4K(別名UHD)及び8K水平解像度、高ダイナミックレンジ(HDR)、広色域(wide color gamut)及び高フレームレートのビデオを含む先進技術へと移行しつつある。この結果、ATSC3.0システムは、場合によってはTV局105の信号を供給する移動送信ユニット103と遠隔的に連携して超高精細(UHD)ビデオを取り込むことができるデジタルビデオカメラ101を含むことができる。TV局105は、数ある中でも特に、テレビ番組製作及び放送制御のための設備を含む。エンコーダ及びマルチプレクサは、ATSC3.0を使用してテレビ放送のためのIPパケットを生成することができる。テレビ放送は、電子番組ガイド(EPG)と共に1又は2以上の送信機サイト107に送信することができる。ATSC3.0送信機サイトは、タワー送信アンテナ111を介して無線周波数(RF)信号を送信するATSC3.0波形送信機を含むことができる。ATSC3.0波形は、家庭、オフィスビル、図書館、店舗又はレストラン109において、ATSC3.0TV131、ATSC3.0ゲートウェイ又はコンバータ133、或いはATSC3.0対応モバイル装置121によって拾うことができる。タブレット又はスマートフォン135は、この放送信号を、ゲートウェイ又はコンバータから供給されたWiFi信号として取得することができる。或いは、事務所外又は家庭外では、タブレット、スマートフォン又はその他のモバイル装置121がタワー送信アンテナ111からの放送波形を拾うことができる。このようなモバイル装置121は、個人用車両内又は公共交通機関内で使用することができる。さらに、ATSC3.0ゲートウェイと、TV局105のネットワーク及びプレイアウトサーバとは、インターネット30を介して互いに通信することができる。
【0021】
Google社によって開発されたAndroidオペレーティングシステム又はApple Computer社によって開発されたiOSオペレーティングシステムなどのモバイルオペレーティングシステムは、電話機、タブレット、スマートウォッチ又はその他のモバイル装置のためのオペレーティングシステムであり、モバイル又はハンドヘルド使用のための特徴を含む。例えば、モバイル装置は、セルラー通信、全地球測位システム(GPS)ナビゲーション、ビデオ及び/又はシングルフレームカメラ、音声認識、及び典型的にはタッチ画面というモバイル特徴を含むことができる。他のモバイルオペレーティングシステムの例としては、Tizen、Windows10Mobileなどが挙げられる。とりわけ、Androidオペレーティングシステムは、主にタッチ画面装置用に設計されたものである。通常、Androidオペレーティングシステムのアプリケーションソフトウェアは、Open JDK(Java開発キット)に基づくJavaライブラリを含むアプリケーションフレームワーク上で動作する。
【0022】
本開示では、DTV放送局、又は本明細書で使用する単純に放送局が、電波を介して地上波テレビ送信としてコンテンツを送信するローカルテレビ局に関連する。
【0023】
ATSC3.0システムは、物理層、プロトコル層、管理層、並びにアプリケーション及び提示層として規定される階層化アーキテクチャを有する。ATSC3.0システムの詳細は、例えば2017、2017年10月19日付のATSC標準A/300-ATSC3.0システム(以下、A/300標準)に見出され、この文書の内容は全体が引用により組み入れられる。送信機側では、RFチャネルのシステムアーキテクチャが、入力フォーマッティング(Input Formatting)、ビットインターリーブド及びコード化変調(Bit Interleaved and Coded Modulation:BICM)、フレーミング及びインターリービング(Framing and Interleaving)、並びに波形生成(Waveform Generation)という少なくとも4つの主要部分を含むことができる。入力フォーマッティング及びBICM部分では、物理層パイプ(PLP)が、特定の変調、コードレート及び長さで符号化されたデータのストリームである。RFチャネルには、1つのPLPしか存在しないこともできる。各RFチャネルにおけるPLPの最大数は64である。コンテンツを搬送するフレーム内のPLPの最大数は4である。入力フォーマッティング部分は、入力データパケットをATSCリンク層プロトコル(ALP)パケットと呼ばれる出力パケットにフォーマットする。各ALPパケットの長さは可変である。入力フォーマッティング部分は、ALPパケットを、少なくともヘッダとALPパケットを含むペイロードとを含むベースバンドパケットにマッピングする。ベースバンドパケットは、標的PLPのために選択された外側コードタイプ、内側コードレート及びコード長によって決定された固定長を有する。
【0024】
ATSC3.0システムでは、特にATSC3.0がシグナリング及びコンテンツの「オーバーザトップ」(OTT)又はブロードバンド配信もサポートすることを考慮して、プロトコルが、インターネット及びワールドワイドウェブのために開発された標準と連携するように選択されたものである。いくつかのコンポーネントが放送経路を介して配信され、放送局によって運営されるブロードバンドサーバを介して他のコンポーネント(例えば、双方向型コンテンツ又は代替オーディオトラック)が配信される、ハイブリッドサービスも可能である。
【0025】
本開示の態様は、電子装置内でTV機能を提供するように構成されたテレビ受信機アプリケーションである。テレビ受信機アプリケーションは、例えばATSC3.0サービスを受け取るように構成することができる。テレビ受信機アプリケーションは、例えばAndroid OSの上位に構築されたネイティブAndroidアプリケーションとして実装することができる。テレビ受信機アプリケーションは、C/C++などの高水準プログラミング言語で書いてパーソナルコンピュータのハードウェア環境のためにコンパイルすることができ、或いはAndroidオペレーティングシステムを実行する他のハードウェア(タブレット、電話、又はセットトップボックスなど)への移植性を良好にするためにJavaプログラミング言語で書くことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、テレビ受信機アプリケーションが、ユーザがGoogleプレイストアからダウンロードしてATSC3.0TV受信機機能の享受を開始するATSC3.0Androidアプリケーションである。テレビ受信機アプリケーションは、ATSC3.0チューナ装置の存在又は不在を検出することができる。チューナ装置が接続された場合、テレビ受信機アプリケーションは、テレビ受信機アプリケーションがチューナ装置にアクセスして使用することを可能にするオプションをユーザに提供する。不在の場合、テレビ受信機アプリケーションは、テレビ受信機アプリケーションを介して放送TVを視聴できるようになるために購入又はインストールする必要があるハードウェア装置をユーザに示すことができる。
【0027】
チューナ装置が接続された場合、テレビ受信機アプリケーションは、チューナ装置と通信して、(i)チューニングするRFチャネルを選択し、(ii)選択されたRF周波数でATSC3.0(又はATSC1.0)放送排出物が見つかった場合にはその信号強度の指示を提供し、(iii)信号がATSC3.0信号である場合には、チューニング先の周波数からATSCリンク層プロトコル(ALP)パケット(全体が引用により本明細書に組み入れられる、ATSC標準:リンク層プロトコル(Link-Layer Protocol)(A/330)、文書A/330:2016、2016年9月19日付を参照)を受け取り、(iii)信号がATSC1.0信号である場合には、MPEG-2トランスポートストリームパケット(全体が引用により本明細書に組み入れられる、ATSC A/53:ATSCデジタルテレビ標準(ATSC Digital Television Standard)、第1部~第6部、2007、2007年1月3日付を参照)を受け取り、(iv)最大4つのPLP(物理層パイプ)を処理のために選択し(全体が引用により本明細書に組み入れられる、ATSC標準A/322-物理層プロトコル、2017年6月6日付を参照)、(vi)チューナ装置内の不揮発性メモリを使用して、内部に記憶されたファイルにアクセスすることを含めてTV番組を記憶し、(vii)1又は2以上のチューニングされたATSC3.0番組をチューナ装置の不揮発性メモリに録画するように要求することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、PLPが、データペイロードを搬送するためのデータ構造である。複数のPLPを使用して異なるデータストリームを搬送することができ、これらのデータストリームは、完全な配信製品(delivered product)を組み立てるために全て必要となり得る。また、複数の配信製品を組み立てるために必要なデータストリームを同じロバスト性レベルで搬送すべき場合には、これらのデータストリームがPLPを共有することもできる。
【0029】
A/322に記載されるように、放送局は、いずれかの所与のPLPの配信のために複数の時間インターリーバモードのうちの1つを選択することができる。これらのモードは、無時間インターリービング(no time interleaving)、畳み込み時間インターリービング(Convolutional Time Interleaving:CTI)、及びハイブリッド時間インターリービング(Hybrid Time Interleaving:HTI)を含む。受信機は、その設計に対する実用的制約により、CTIインターリーバモードを使用するいずれかのPLPを処理するには、その処理リソースを全て使用しなければならない。対照的に、HTIインターリーバモード(又は無時間インターリービング)を使用するPLPでは、実用的な受信機が、このようなPLPを4つ同時に処理できるほど十分なリソースを有する。
【0030】
テレビ受信機アプリケーションは、(i)利用可能なサービスの完全なマップを決定して保存できるように(ユーザ初期設定の一部として、又は後の時点で)チャネル走査動作をさらにサポートし、(ii)必要なATSC3.0トランスポートシグナリングの処理を組み込み、(iii)関心のあるATSC3.0サービス(電子サービスガイドの表示を含む)を選択できるようにユーザにナビゲーション体験を提供し、(iv)高速チャネル変更を実装し、(v)揮発性及び不揮発性メモリ、ユーザ入力、及び画面/ディスプレイスペースを含む(チューナを越えた)全てのリソースを管理し、(vi)全体が引用により本明細書に組み入れられる2017年12月18日付のATSC標準A/344-ATSC3.0双方向コンテンツ(ATSC3.0 Interactive Content)によって規定されるATSC3.0双方向サービス(アプリケーションランタイム)環境を実装し、(vi)チューナ装置の存在又は不在を検出して、これに従って応答し、(vii)ライブTVの録画、再生、一時停止、録画サービスの巻き戻し、停止及び早送り、並びにリアルタイムサービス(例えば、ライブTV番組)についての同様の機能の実行を含む、PVR機能などのユーザ特徴を実装することもできる。次に、電子装置の詳細について説明する。
【0031】
図2Aに、チューナ装置202を介してテレビコンテンツ(例えば、ATSC1.0放送)にアクセスするように構成された例示的な電子装置200を示す。電子装置200は、セットトップボックスなどの固定装置、或いは好適に装備されたスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ又はポータブルコンピュータなどのモバイル又はポータブル装置とすることができる。いくつかの実施形態では、電子装置が、チューナ202と、PSI、PSIP及びESGデータを出力するデマルチプレクサ204とを含んでおらず、従ってATSC1.0放送を受信することができない。
【0032】
チューナ装置202は、1又は2以上のサービスプロバイダからデータストリーム(例えば、放送ストリーム)を受け取るように構成された受信機回路を含む。電子装置200は、電子装置をテレビとして動作させるための様々な機能を実行するように構成された処理回路を含む。1つの実施形態では、チューナ装置202が、MPEG-2トランスポートストリーム(TS)パケットを含む放送排出物を受け取る。チューナ装置202は、各TSパケットに含まれるパケットID(PID)に基づいて多重分離されるTSパケットをデマルチプレクサ204に転送するように構成される。デマルチプレクサ204の出力は、別個のオーディオ及びビデオ(A/V)ストリームへの復号のためにメディアエンジン270に転送される。オーディオはオーディオデコーダ210によって復号され、ビデオはビデオデコーダ214によって復号される。
【0033】
一般に、電子装置200は、1又は2以上のバス(例えば、バス250)を介してワーキングメモリ240、プログラムメモリ242及びグラフィクスサブシステム244に結合されたCPU238などの少なくとも1つのプロセッサの制御下で動作する。グラフィクスサブシステム244によって出力されたグラフィクスは、ビデオディスプレイ上での表示に適した出力を生成する合成器及びビデオインターフェイス260によってビデオ画像と合成される。CPU238は、テレビ受信機アプリケーションを実行することなどの電子装置200の機能を実行するように動作する。電子装置200は、CPU238及び1又は2以上の外部ハードウェア装置がバス250を介して互いに通信することを可能にするUSBインターフェイス290-1及び290-2をさらに含む。
【0034】
図2Bに、電子装置200がチューナ装置200Aに接続された実施形態を示す。
図2Bに示す電子装置200は、
図2Aに示す電子装置に対応する。電子装置200は、USBインターフェイス290-1又はインターフェイス290-2を介してチューナ装置200Aに接続するように構成することができる。他の実施形態では、チューナ装置200Aが、他の無線(例えば、WiFi)又は有線インターフェイスを介して電子装置200に接続することができる。
【0035】
チューナ装置200Aは、1又は2以上のサービスプロバイダからデータストリーム(例えば、ATSC3.0放送ストリーム)を受け取るように構成されたATSC3.0チューナ202Aを含む。チューナ装置200Aには1つのATSC3.0チューナ202Aを示しているが、当業者であれば理解するように、チューナ装置200Aは複数のチューナを含むこともできる。1つの実施形態では、ATSC3.0チューナ202Aが、ATSC3.0放送ストリームを含む放送排出物を受け取り、この放送排出物が、放送ストリームをALPパケットに多重分離するデマルチプレクサ204Aに転送される。デマルチプレクサ204Aの出力は、ALPパケットをIPパケットに変換するATSC3.0リンク層プロトコル(ALP)-IPパケット変換器203Aに転送される。変換器203Aから出力されたIPパケットは、USBインターフェイス及びバス250Aを介して電子装置200に転送することができる。デマルチプレクサ204Aは、USBインターフェイス及びバス250Aを介してALPパケットを電子装置200に転送するように構成することもできる。
【0036】
一般に、チューナ装置200Aは、チューナ装置200Aの機能を実行するように動作する、CPU238Aなどの少なくとも1つのプロセッサの制御下で動作する。例えば、CPU238Aは、電子装置からUSBインターフェイスを介して受け取られたコマンドを実行するようにチューナ装置200Aを制御することができる。
【0037】
チューナ装置200Aは、受け取られた放送ストリームに含まれるデータパケット又はファイルを記憶するために使用できる永続ストレージ280Aを含む。例えば、チューナ装置200Aは、受け取られたATSC3.0放送ストリームに含まれる特定のサービスに対応するパケットを記憶するためのコマンドを電子装置200から受け取ることができる。永続ストレージに記憶されるデータは、ALPパケット又はIPパケットのいずれかとすることができる。IPパケットに対してALPパケットを記憶する1つの利点は、ALPは圧縮方法(例えば、IPヘッダ圧縮)であるため、ALPパケットが必要とするメモリ空間の方がIPパケットよりも少ない点である。
【0038】
1つの実施形態では、放送局アプリケーションを構成するファイルがUSBインターフェイスを越えて電子装置200に供給され、電子装置200は、これらを解釈してATSC3.0サービスとのユーザインタラクティビティを提供することができる。
【0039】
1つの実施形態では、放送局アプリケーションを構成する一群のファイルを、例えば2017年12月6日付のATSC標準A/331-シグナリング、配信、同期及び誤り保護(Signaling,Delivery,Synchronization, and Error Protection)に記載されているROUTEプロトコルを介して放送を通じてパッケージとして配信することができ、この文書はその全体が引用により組み入れられる。ATSC A/344には、例示的な放送局アプリケーションフレームワークが記載されている。
【0040】
図2Cに、電子装置200Aがチューナ装置200A及びフラッシュストレージ200B(或いは他の取り外し可能又は外部ストレージ)に接続された実施形態を示す。
図2Cに示す電子装置200は、
図2Aに示す電子装置に対応する。
図2Cに示すチューナ装置200Aは、
図2Bに示すチューナ装置200Aに対応する。チューナ装置200A及びフラッシュストレージ200Bは、2つの別個のUSBインターフェイスを介して電子装置200に接続することができる。他の実施形態では、フラッシュストレージ200Bが、チューナ装置200Aに含まれるUSBポートを介してチューナ装置200Aに接続することができる。他の実施形態では、チューナ装置200A及びフラッシュストレージ200Bが、他の無線(例えば、WiFi)又は有線インターフェイスを介して電子装置200に接続することができる。いくつかの実施形態では、受け取られたATSC3.0放送ストリームに含まれるデータパケット又はメディアファイル及びシグナリングを記憶するためにフラッシュストレージ200Bを使用することができる。いくつかの実施形態では、フラッシュストレージ200Bが、受け取られたATSC3.0放送ストリームに含まれるデータパケット又はメディアファイル及びシグナリングを記憶するためのストレージを含まない。このシナリオでは、受け取られたATSC3.0放送ストリームに含まれるサービスのコンテンツを記憶するためにフラッシュストレージ200Bを使用することができる。いくつかの実施形態では、チューナ装置200Aが永続ストレージ280Aを含む場合、フラッシュストレージ200Bは、永続ストレージ280Aが単独で提供する記憶容量を超えて拡張された記憶容量を提供するアップグレードされたメモリとしての役割を果たすことができる(例えば、フラッシュストレージ200Bは、PVR録画のための利用可能なメモリを拡張する)。いくつかの実施形態では、別のメモリ(例えば、電子装置200内のメモリ、永続ストレージ280A、別の外部フラッシュストレージからのメモリなど)からのPVR録画をフラッシュストレージ200Bに転送することができる。
【0041】
図3は、電子装置300内のATSC3.0テレビ受信機アプリケーションなどのテレビ受信機アプリケーション303を有する電子装置300の実施形態のブロック図である。電子装置300は、関連するAndroidアクティビティ301コンポーネントを含む。ユーザが「TV」入力を選択することによって、又はアプリケーショントレイから例えば「ATSC3.0TV」アイコン302を選択することによって電子装置300内のテレビ受信機アプリケーション303を作動させると、アクティビティ301が起動する。テレビ受信機アプリケーション303は、この時までに既に実行しており、電子装置300に接続されている場合には、チューナ装置305によってチューニングされたRFチャネルからIPパケットを収集し終えている予定である。さらに、テレビ受信機アプリケーション303は、放送からオーディオ、ビデオ及びキャプションパケットを検索し始めて、これらを復号及びレンダリングのためにメディアプレーヤ313に送信し終えていることもできる。メディアプレーヤ313は、ExoPlayerなどのAndroid用アプリケーションレベルメディアプレーヤとすることができる。メディアプレーヤ313は、Dynamic Adaptive Streaming over HTTP(DASH)及びCommon Encryptionをサポートすることもできる。
【0042】
アクティビティ301コンポーネントは、リモコン装置(RCU)又はキーパッドからのユーザ入力を受け入れて、「tune()」関数によって反映されるチャネルの変更又は選択をサポートすることができる。アクティビティ301が実行できる機能は、サービスに関連するビデオのビュー(「プレーヤサーフェス(Player Surface)」)と、放送局アプリケーション(例えば、HTML5ウェブアプリケーション)が生成できるオーバレイ(「オーバレイサーフェス(Overlay Surface)」)とをユーザに示す2つのビューイングサーフェス(viewing surfaces)を形成することである。プレーヤサーフェスは、メディアプレーヤ313によって取り扱うことができ、オーバレイサーフェスは、Webview315によって取り扱うことができる。
【0043】
図3では、チューナ装置305が、ATSC3.0放送信号にチューニングしてこれを復調し、一連のALPパケットを生成できるハードウェア装置である。いくつかの実施形態では、チューナ装置305内でALPパケットがIPパケットに変換され、チューナ装置305がUSBインターフェイス325を越えてIPパケットを受け渡す。他の実施形態では、ALPパケットがUSBインターフェイス325を越えて受け渡され、テレビ受信機アプリケーション303のコンバータ321によってIPパケットに変換される。ALPパケットがUSBインターフェイス325を越えて受け渡されると、チューナ装置305内又はテレビ受信機アプリケーション303内で、ALPパケットからIPパケットを検索するために使用される(主にIPヘッダの解凍に関与する)リンク層処理を実行することができる。チューナ装置305は、チューナ装置200A(
図2B)に対応することができる。
【0044】
1つの実施形態では、チューナ装置305が、USBポートを介して電子装置300に接続する外部USB接続装置である。テレビ受信機アプリケーション303は、起動するとUSBマネージャAndroidクラス(USBManager Android Class)323を使用することができる。
【0045】
テレビ受信機アプリケーション303は、ユーザに対する放送(及びOTT)ストリーミングビデオ、並びにオーディオ及びクローズドキャプションデータのレンダリング及び表示を可能にする機能を提供することができる。さらに、テレビ受信機アプリケーション303は、放送局アプリケーションを実行できるようにする「ランタイム環境」をサポートすることができる。放送局アプリケーションは、HTMLマークアップ、JavaScript、及びATSC A/344「ATSC3.0双方向コンテンツ」に指定されているCSSを含むコンテンツを含むことができる。標準的ウェブブラウザによってサポートされる機能に加え、ウェブソケットプロトコルを通じて追加機能を組み込むこともできる。A/344で指定されるウェブソケットAPIは、数ある中でも特に、チューニング機能へのアクセス、メモリ管理、放送局アプリケーションと受信機のメディアプレーヤ(RMP)との間の相互作用を含む能力のサポートを追加する。
【0046】
いくつかの実施形態では、放送局が、双方向性をもたらすように、或いは例えばユーザによるサービスの使用をモニタするためにバックグラウンドで動作するように、放送局ウェブアプリケーションを通常のストリーミング放送テレビサービスの付属物として提供することができる。さらに、放送局は、このサービスに関連する放送局アプリケーションの出力として提示されるサービスタイプを定めることもできる。A/344標準の双方向コンテンツ仕様をサポートしていないATSC3.0受信機は、このようなサービスを提供することができない。
【0047】
いくつかの実施形態では、電子装置を、例えばAndroidOSプラットフォーム上に実装されるいずれかの装置とすることができる。テレビ受信機アプリケーションは、装置のメーカーによって予めインストールされ、或いはユーザがGoogleプレイストアなどのアプリケーションストアからダウンロードしてインストールしておく。
【0048】
図4は、本開示の例示的な態様によるチューナ装置305の実施形態のブロック図である。いくつかの実施形態では、チューナ装置305が、USBポートにUSBコネクタ325が取り付けられた時に電力インターフェイス401を介して電力を受け取ることができるUSB接続ドングル又は同様のものである。他の実施形態では、チューナ装置305を電池式にして、電力を供給するように構成することができる。さらに、さらなる実施形態では、チューナ装置305を、受電と給電の両方を行うように構成することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、チューナ装置305が、ATSC3.0放送信号又はATSC1.0信号を受け取ることができる。アンテナインターフェイス回路417は、放送信号を受け取る。チューナ411は、送信されたRF信号の帯域内からテレビチャネルの無線周波数(RF)を選択するように選択的チューニングを実行する。テレビチャネルは、チャネル走査プロセスを通じて検出しておくことができる。
【0050】
プロセッサ405は、復調器回路413及びデコーダ415を、直行周波数分割多重(OFDM)シンボルを1又は2以上のPLPに復号するように制御する。PLPからは、ALPパケットが取得される。いくつかの実施形態では、デコーダ415が、高効率ビデオコーディング(High Efficiency Video Coding:HEVC)復号を実行する。いくつかの実施形態では、デコーダ415が、スケーラビリティ拡張HEVC復号(scalability extended HEVC decoding:SHVC)を実行する。放送信号がATSC1.0放送信号である場合、プロセッサ405は、復調器413及びデコーダ415を、MPEGトランスポートストリームを復号するように制御する。MPEG-2トランスポートストリーム(TS)パケット409は、デジタルI/O403を介してUSBコネクタ325を通じて送信することができる。
【0051】
1つの実施形態では、チューナ装置305が、ALPパケットからのIPパケット検索407を実行することができる。IPパケットは、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)に従ってフォーマットすることができる。そうでなければ、ALPパケットをIPパケットに変換する機能は、チューナ装置305の接続先の装置によって実行することができる。いくつかの実施形態では、チューナ装置305が、受け取られたATSC3.0放送ストリームに含まれるサービスを記憶するためのストレージ419を含む。
【0052】
図5は、それぞれチューナ装置505が接続されたスマートフォン501及びタブレットコンピュータ503の実施形態を示す概略図である。チューナ装置505は、UHF周波数及び/又はVHF周波数を拾うためのアンテナを含み、又はこのようなアンテナに別様に接続することができる。
【0053】
図6は、チャネル走査動作中に表示できる画面例を示す概略図である。この画面は、チャネル走査、ハードウェア検出及びアップデートのチェックを選択するオプションを提供するメニューを含むことができる。
【0054】
図7は、テレビ受信機アプリケーションが最初に起動する際のプロセスの実施形態のフローチャートである。このプロセスは、テレビ受信機アプリケーションをスマートフォン上のいずれかのアプリケーション(例えば、Facebook、Twitter、Chromeなどのようなダウンロードアプリケーション)としてアプリケーショントレイから起動できるステップS700から開始することができる。テレビ受信機アプリケーションは、アプリケーションが起動する際にユーザが相互作用する体験を提供するアクティビティコンポーネントを含む。アクティビティコンポーネントは、「TV視聴」体験を提供するために、フルスクリーンビデオプレーヤサーフェスを必要とすることができる。
【0055】
プロセスはステップS701に進み、テレビ受信機アプリケーションがUSBインターフェイスにアクセスして、チューナ装置が利用可能であるかどうかを判定する。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、USBマネージャAndroidクラスを介してUsbManager.getAccessoryList()方法を呼び出して、チューナ装置が利用可能であるかどうかを判定する。プロセスはステップS703に進み、テレビ受信機アプリケーションが、検索された付属品リストを処理して、互換性のあるチューナ装置(例えば、ATSC3.0チューナ装置)が付属品としてUSBインターフェイスに接続されているかどうかを確認する。
【0056】
チューナ装置が利用可能でない場合、プロセスはステップS703からステップS705に進んで、TV受信機能がこのような付属品の可用性に依存することをユーザに(例えば、オンスクリーンテキストによって)通知し、考えられるこのような装置のモデル番号及び供給元を示す。ステップS705においてこの通知が表示されると、TV関連のアクティビティが停止して、
図7に示すプロセスは終了することができる。
【0057】
チューナ装置が利用可能である場合、プロセスはステップS703からステップS707に進み、テレビ受信機アプリケーションが、過去のチャネル走査が利用可能であるかどうかを判定する。過去のチャネル走査の記録が利用可能である場合、プロセスはステップS707からステップS709に進み、テレビ受信機アプリケーションが、最後にチューニングしたRFチャネルに戻るコマンドをチューナ装置に発行し、最後にアクセスされたサービスが再取得される。
図7のプロセスは、全ての考えられるRFチャネルにチューニングして処理した後に完了する。過去のチャネル走査の記録が利用可能でない場合、プロセスはステップS707からステップS711に進み、ユーザにチャネル走査を実行する許可を求める。ユーザは、チャネル走査に時間が掛かる恐れがあるという理由で、或いは現在アンテナが接続されていないことが分かっている場合、チャネル走査を遅らせることを決定することができる。
【0058】
プロセスはステップS713に進み、ユーザがチャネル走査の実行要求を認めたかどうかを判定する。ユーザがチャネル走査の実行要求を認めなかった場合、
図7に示すプロセスは終了する。一方で、ユーザがチャネル走査の実行要求を認めた場合、プロセスはステップS715に進んでチャネル走査を実行する。
図7のプロセスは、チャネル走査の実行後に完了する。
【0059】
いくつかの実施形態では、チューナ装置を、USBインターフェイスを越えてALPパケットを配信するように構成することができ、この場合、IPパケットを含むALPパケット及びリンク層シグナリングを含むALPパケットの両方がテレビ受信機アプリケーションに提供される。リンク層シグナリングパケットと共に、LMTも配信される。
【0060】
いくつかの実施形態では、チューナ装置が、ALPパケットをIPパケットに変換するように構成される。チューナ装置がUSBインターフェイスを越えてIPパケットを配信する場合には、テレビ受信機アプリケーションがPLP選択を管理するために必要とするLMTを配信するために1又は2以上の他の方法が使用される。例えば、1つの方法では、チューナ装置が、放送局が使用できるいずれのアドレス/ポート番号とも衝突しない特異的に選択されたIPソースアドレス及びポート番号を有するUDP/IPパケット内で各LMTを配信する。別の方法では、チューナ装置が、LMTを含むパケットを別の(例えば、放送に関連するIPパケットを含むストリームとは別の)ストリームでUSBインターフェイスを越えて配信する。別の方法では、チューナ装置が、アプリケーションプログラミングインターフェイスを介したコマンド/制御トランザクションを介してLMTデータを配信する。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、LMTデータを提供するようにコマンドを介してチューナ装置に要求することができ、チューナ装置は、応答時にLMTで、又は複数のLMTインスタンスが存在する場合には集約されたLMTで応答する。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、テレビ受信機アプリケーションは、最初にインストールされた時に、或いは電子装置の物理的位置が変化して以前に受信可能であったいくつかの送信信号がもはや受信できなくなり、又は利用可能でなかったいくつかの送信信号が新たな位置で利用可能になった時には常に、チャネル走査を実行する。チャネル走査は、例えばテレビ信号を放送している可能性がある各RFチャネルが連続してチューニングされる反復動作を伴う。各周波数では、テレビ放送が見つかった場合、リンク層シグナリングテーブル、低水準シグナリングテーブル及びサービス層シグナリングテーブルが検索されて記憶される。ユーザは、チャネル走査の後に、見つかった全てのチャネルを通じて「チャネルサーフ(channel surf)」し、又は「直接入力」を使用して、関心のあるサービスを選択することができる。例えば、走査中に主要/副チャネル番号4.1に関連するサービスが見つかった場合には、リモコン上で又は装置によって提供されるあらゆるナビゲーション方法によって「4.1」を入力することができる。
【0062】
図8は、チャネル走査動作の実施形態のフローチャートである。
図8のプロセスは、テレビ受信機アプリケーションを実行する電子装置によって実行することができ、ここではチューナ装置が電子装置に接続されて、チャネル走査動作を実行するための命令をテレビ受信機アプリケーションから受け取る。一般に、このプロセスは、ローカル放送局が使用できる、又は地域規制によって命令できる最も低いRFチャネル(例えば、6MHz)帯における周波数Fをテレビ受信機アプリケーションが設定するステップS800から開始することができる。プロセスはステップS802に進み、テレビ受信機アプリケーションが周波数Fにおける信号を取得するためのコマンドをチューナ装置に送信する。
【0063】
プロセスはステップS804に進み、取得された信号がATSC3.0信号であるかどうかを判定する。ATSC3.0信号が検出された場合、プロセスはステップS806に進み、低水準シグナリング(LLS)を含むPLPのリストを取得する。例えば、ATSC3.0信号が検出された場合には、どの1又は複数のPLPがLLSを含むかを発見するために物理層フレームを検査する。PLPがLLSを含むかどうかの判定は、物理層フレームのL1B_lls_フラグの「1」(真)の値を探し、その後にL1詳細シグナリング(L1 Detail signaling)を処理してLLSを搬送するPLPを発見することによって行うことができる。関連するLID_plp_id値についてLID_plp_lls_フラグが「1」に設定されている場合、このPLP IDはLLSを搬送していると判定される。LLSを搬送していると判定された各PLPについては、2ビットL1詳細シグナリングフィールドであるL1D_plp_TI_modeの値を調べることによって時間インターリービングのタイプを判定することができる。従って、このLLSを搬送していると判定されたPLP IDを、テレビ受信機アプリケーションに提供されるリストに載せることができる。
【0064】
プロセスはステップS806からステップS808に進み、LLSを搬送しているものとして識別された第1のPLPセットを作動させる。LLSを搬送する放送排出物内の全てのPLPが、HTI時間インターリーバモード又は無時間インターリービングのいずれかを使用して配信される場合、LLSを搬送する全てのPLPがステップS808において作動したことになる。LLSを搬送するPLPが複数存在し、これらのうちの1つ又は2つ以上がCTI時間インターリーバモードを使用して配信される場合には、PLPを逐次的に処理することが必要になり得る。
図9に、HTI時間インターリーバモードを使用して配信されるPLP例#1~#6を示す。この図では、*を付したPLPがLLSを搬送するPLPである。従って、この例では、ステップS808においてPLP#1、#3、#4及び#6が選択される。ステップS808では最大4つのPLPが作動するが、他の実施形態では、4つよりも多くのPLPを含むいずれかの所望の数のPLPを作動させることができる。
【0065】
プロセスはステップS810に進み、テレビ受信機アプリケーションが選択されたPLPからデータパケットを検索し、検索されたデータパケットが、(単複の)LMT及びサービスリストテーブル(SLT)などのLLSテーブルを抽出する上位層プロセスに配布される。SLTは、A/331で規定されている。
【0066】
プロセスはステップS812に進み、検索された現在のRFチャネルの(単複の)LMT及びLLSテーブルを不揮発性メモリに保存する。サービス取得を迅速化するために、他のシグナリングテーブルを保存することもできる。例えば、早期のサービス取得段階中に、S-TSIDなどのサービス層シグナリング(SLS)テーブルを一時的に保存して使用することができる。取得時にSLSテーブルが検索されると、早期段階中に使用されていたいずれかの値が変化したことが判明した場合にその時点で訂正を行うことができる。
【0067】
プロセスはステップS814に進み、LLSを有する全てのPLPが処理されたかどうかを判定する。例えば、チューナ装置は、いかなる時にも4つを上回るHTI時間インタリーブされたPLP又は複数のCTI時間インタリーブされたPLPを処理することができず、従ってステップS808において作動するPLPの数は、チューナ装置がいずれかの時点で処理できるPLPの数によって制限される場合がある。
【0068】
ステップS814において、処理されないままのLLSを有するPLPが存在すると判定された場合、プロセスはステップS816に進み、ステップS808で作動したPLPを停止させて、LLSテーブルを搬送する他のPLPを作動させる。例えば、ステップS816では、LLSテーブルを搬送する最大4つのさらなるPLPを作動させることができる。プロセスはステップS816からステップS810に進み、ステップS810のプロセス及びその後に実行されるステップを上述したように繰り返す。
【0069】
ステップS814において、LLSを搬送する全てのPLPが処理されたと判定された場合、プロセスはステップS824に進んでチャネル走査が完了したかどうかを判定する。チャネル走査が完了した(例えば、全ての利用可能なRFチャネルが走査された)場合、
図8に示すプロセスは完了する。一方で、チャネル走査が完了していない場合、プロセスはステップS826に進み、テレビ受信機アプリケーションが周波数Fを次の6MHz周波数に設定することによってチャネル走査動作を継続させる。プロセスはステップS802に進み、上述したステップS802のプロセス及びその後に実行されるステップを上述したように繰り返す。
【0070】
S804に戻ると、ATSC3.0信号が検出されなかった場合、プロセスはステップS818に進み、取得された信号がATSC1.0信号であるかどうかを判定する。ATSC1.0信号が検出されなかった場合、プロセスはステップS824に進み、ステップS824のプロセス及びその後に実行されるステップを上述したように繰り返す。
【0071】
ATSC1.0信号が検出された場合、プロセスはステップS818からステップS820に進み、テレビ受信機アプリケーションが、検出されたATSC1.0信号についてトランスポートストリームID(TSID)及び地上仮想チャネルテーブル(Terrestrial Virtual Channel Table:TVCT)を検索する。TVCTについての説明は、2013年8月7日付のA/65標準-「ATSC標準:地上波放送及びケーブルのための番組及びシステム情報プロトコル(ATSC Standard: Program and System Information Protocol for Terrestrial Broadcast and Cable)」に示されており、この文書の内容は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0072】
プロセスはステップS822に進み、テレビ受信機アプリケーションが、検出されたATSC1.0信号のTSID、TVCT及びRF周波数をメモリに保存する。プロセスはステップS818からステップS824に進み、ステップS824のプロセス及びその後に実行されるステップを上述したように繰り返す。この点に関して、
図8に示すプロセスは、各利用可能なRFチャネルが走査された時に完了する。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、単一のサービスを取得するために2又は3以上のチューナが同時に利用可能である場合には、「チャネルボンディング」(全体が引用により本明細書に組み入れられる2017年6月6日付の(i)ATSC標準A/322-物理層プロトコル、(ii)A/321及び(iii)A/331を参照)を実装することができる。チャネルボンディングが実装されると、他のRFチャネル上の送信信号を示すPHY層のシグナリングが保存されることにより、第2のチューナを使用してボンディング部分からデータを検索できるようになる。
【0074】
いくつかの実施形態では、
図3に示すUSBインターフェイス325が当業者に周知の標準的ハードウェアインターフェイスであり、オペレーティングシステムは、当業者に周知のAPIを利用してこのインターフェイスを管理することができる。例えば、ATSC3.0装置は、デバイスディスクリプタ(全体が引用により本明細書に組み入れられる、2000年4月27日付のユニバーサルシリアルバス仕様、バージョン2.0を参照)を介して、自機をオーディオ/ビデオ装置(ベースクラス10h)として識別することができる。USBによって接続されたATSC3.0チューナ装置205では、いくつかの実施形態ではAPIを使用して、USBプロトコルによって提供される基本通信を拡張させる。
【0075】
いくつかの実施形態では、テレビ受信機アプリケーションを、ユーザが視聴のためにATSC3.0サービスを選択した時点で「ライブTV一時停止」機能を実行して、受け取られたIPパケットをチューナ装置の永続ストレージにバッファリングするようにチューナ装置に指示するように構成することができる。バッファリングされるサービスの量(例えば、30分~60分)は、利用可能なメモリに依存する。
【0076】
チューナ装置内にフラッシュストレージなどの不揮発性メモリが存在すると、サービス(例えば、TV番組)を記憶してタイムシフト再生(time-shifted playback)することができる。ATSC3.0放送システムでは、放送信号が、シグナリング、オーディオ/ビデオ/キャプショニング、及びTVサービスに関連するその他のデータを含むIPパケットを配信する。いくつかの下位層シグナリングはパケットレベルで配信され(この場合、1つのIPパケットが1つのシグナリングテーブルをカプセル化する)、他のコンポーネントはほとんどがファイルとして体系化される。例えば、A/331に規定されるトランスポート機構の1つは、オーディオ、ビデオ及びキャプションが「メディアセグメント」ファイルで配信されるISO/IEC 23009-1 HTTPによるDynamic Adaptive Streaming over HTTP(DASH)の放送形態を使用する。各メディアセグメントは、1秒又は2秒の(又はそれを上回る)メディアコンテンツを表すことができる。
【0077】
チューナ装置では、全てのメディアセグメントファイルをサービスのタイトル又は録画された時間/チャネルにちなんだ名前のフォルダに保存することによって、サービスのPVR録画を行うことができる。例えば、第1の一連のファイルがビデオコンポーネントを搬送し、第2の一連のファイルが関連するオーディオコンポーネントを搬送し、第3の一連のファイルがクローズドキャプションデータを搬送することができる。サービスは、放送局アプリケーション(例えば、HTML5アプリケーション)を有することができる。放送局アプリケーションに関連するファイルを記憶することにより、ユーザがタイムシフトベースでサービスを再生する際に、放送局アプリケーションによって提供される双方向機能を提供することもできる。テレビ受信機アプリケーションがサービスに関連するメディアファイルの位置を識別できるように放送局が送信するサービス層シグナリング(SLS)テーブルなどのメタデータを記憶することもできる。
【0078】
いくつかの実施形態では、チューナ装置が、ネイティブATSC3.0能力を有していない電子装置がATSC3.0放送信号にアクセスすることを可能にする。しかしながら、このチューナ装置は、タイムシフト再生のためのサービスを記憶する永続ストレージを有していない。ユーザは、第2のUSBポートを介してフラッシュストレージを追加することができる(例えば、
図2Cのフラッシュストレージ200b)。テレビ受信機アプリケーションは、フラッシュストレージの利用可能性を検出した場合、検出されたフラッシュストレージを使用してPVR機能を追加する許可をテレビ受信機アプリケーションに認めるようにユーザに要求することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、テレビ受信機アプリケーションのPVR機能が、フラッシュストレージが利用可能になるまで潜伏していることができる。フラッシュストレージが利用可能でない場合、又は検出されたフラッシュストレージが所定のサイズ要件を満たしていない場合、テレビ受信機アプリケーションは、適切なサイズのフラッシュストレージが電子装置に接続された場合にPVR機能を提供できる旨をユーザに通知することができる。いくつかの実施形態では、既に電子装置がATSC3.0対応である場合、ユーザが外部フラッシュストレージUSB装置を追加することによって、既にテレビ受信機アプリケーション内に潜伏しているPVR機能を解除することができる。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、電子装置がさらなるUSBポートを含む場合、ユーザは、現在接続されているフラッシュストレージデバイスに等しい又はそれよりも大容量の第2のフラッシュストレージデバイスを差し込むことによってPVRメモリをアップグレードすることもできる。システムは、さらに大きな記憶容量のために半導体ドライブなどのUSB接続型ハードドライブをサポートすることもできる。第2のフラッシュストレージデバイスが検出されると、テレビ受信機アプリケーションは、元のメモリデバイスを保持したままで新たなメモリデバイスを追加ストレージとして使用したいと望むかどうか、或いは古いストレージデバイスから新たなストレージデバイスにファイルを転送し、転送が完了したら元のストレージデバイスを取り外せるようにしたいと望むかどうかをユーザに尋ねることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、ユーザが第2のUSBスロットに大容量メモリモジュールを含めることによって、録画サービスのためのストレージを(例えば、64GBから128GBに)アップグレードすることができる。この大容量メモリモジュールは、チューナ装置に含まれる永続ストレージ、或いは以前に接続された外部フラッシュストレージに追加することができる。テレビ受信機アプリケーションは、大容量メモリモジュールの検出に応答して、現在録画に使用されているメモリから大容量メモリモジュールに録画を転送することをユーザが望むかどうかを尋ねることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、チューナ装置が、永続ストレージ内にPVR強化型テレビ受信機アプリケーションを含むことができる。旧バージョンのテレビ受信機アプリケーションがPVR強化型テレビ受信機アプリケーションを検出すると、現在のテレビ受信機アプリケーションは、電子装置にPVR強化型テレビ受信機アプリケーションをインストールすることを可能にすることができる。PVR強化型テレビ受信機アプリケーションは、旧バージョンのテレビ受信機アプリケーションに取って代わってアップグレードされた能力を提供することができる。例えば、旧バージョンのテレビ受信機アプリケーションはPVR機能を含まないこともあるのに対し、PVR強化型テレビ受信機アプリケーションは、所定のサイズ要件を満たす外部ストレージが検出された時点で「解除」されるPVR機能を含む。
【0083】
図10に、テレビ受信機アプリケーションによって実行される、チューナ装置を使用してPVR機能を提供するためのプロセスの実施形態を示す。
図10に示すプロセスは、
図8に示すチャネル走査プロセスの実行後に実行することができる。一般に、このプロセスは、ユーザにATSC3.0サービスを提供するステップS1000から開始することができる。例えば、ユーザは、チャネル走査動作の実行後に視聴するTVサービスを選択することができる。
【0084】
ステップ1002において、テレビ受信機アプリケーションが、TVサービス一時停止コマンドが検出されたかどうかを判定する。例えば、ユーザは、ライブTV放送を見ている間に、電子装置又はリモコン装置上の一時停止ボタンを押してライブ放送を一時停止することができる。TVサービス一時停止コマンドが検出されない場合、プロセスはステップS1000に戻る。TVサービス一時停止コマンドが検出された場合、プロセスはステップS1004に進み、テレビ受信機アプリケーションが、表示中の現在のフレームを凍結させてチューナ装置のメモリからの読み込みを停止する。TVサービスが一時停止されている間は、一時停止されたサービスのコンテンツをチューナ装置の一時停止バッファにバッファリングすることができる。一時停止バッファは、チューナ装置の永続ストレージ(例えば、280A)の一部であることができ、或いは他の例ではチューナ装置の永続ストレージ全体から成ることができる。一時停止バッファが一杯になると、最も古いコンテンツを新たなコンテンツで上書きすることができる。いくつかの実施形態では、一時停止バッファが一杯になると、テレビ受信機アプリケーションがTVサービスの一時停止を終了して一時停止バッファからコンテンツを読み込み始めることができる。いくつかの実施形態では、チューナ装置が、電子装置に接続された時に、電子装置上で実行されているテレビ受信機アプリケーションに現在チューナ装置上で利用できる記憶容量を通知することができる。テレビ受信機アプリケーションは、チューナ装置によって記憶されているデータのサイズが分かるので、チューナ装置にデータが記憶された時にこれを利用可能な記憶容量から減算し、チューナ装置からデータが読み出された時にこれを利用可能な記憶容量に加算することによって、チューナ装置上の利用可能な記憶容量を把握することができる。従って、テレビ受信機アプリケーションは、一時停止バッファ内の利用可能な空間の量、及び一時停止バッファが一杯になった時に一時停止バッファからの読み込みをいつ開始すべきであるかを把握することができる。
【0085】
プロセスはステップS1004からステップS1006に進み、テレビ受信機アプリケーションが、TVサービス再開コマンドが検出されたかどうかを判定する。例えば、ユーザは、TVサービスを一時停止していた場合、電子装置上の再生ボタンを押してTVサービスの再生を再開することができる。TVサービス再開コマンドが検出されない場合、プロセスはステップS1008に進み、TVサービスの再生が一時停止されたままプロセスはステップS1006に戻る。
【0086】
TV番組再開コマンドが検出された場合、プロセスはステップS1014に進み、テレビ受信機アプリケーションが、一時停止バッファなどのチューナ装置のメモリからのコンテンツの読み込みを再開する。例えば、永続ストレージ(チューナ装置内の永続ストレージ280A又はフラッシュストレージ200B)内のファイルへのアクセスは、標準的なUSBプロトコルを使用して、ストレージデバイスに実装されたファイルシステムに記憶されたファイルにアクセスすることができる。テレビ受信機アプリケーションは、シグナリングテーブル(例えば、メディア提示記述ファイル)を処理することによって、望ましい再生位置(例えば、遅延量)からコンテンツを再生する必要があるメディアファイルの名前を認識する。テレビ受信機アプリケーションは、ファイルシステムからファイル名及びディレクトリパス別にメディアファイルをフェッチすることができる。いくつかの実施形態では、一時停止機能の実装として、チューナ装置が最初にメモリバッファ(例えば、一時停止バッファ)内でALPパケットのストリームを指定量だけ遅延させた後にインターフェイスを越えてこれらのストリームを送信するようにテレビ受信機アプリケーションがチューナ装置に要求するstream_read()コマンドを実装することができる。
【0087】
プロセスはステップS1008に進み、テレビ受信機アプリケーションが、一時停止されたTVサービスの再生を再開する。
図10に示すプロセスは、視聴のためのATSC3.0サービス(例えば、TVサービス)がユーザに提供されてユーザがPVR機能(例えば、TVサービスの視聴の一時停止及び再開)を開始する度に繰り返すことができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、チューナ装置が、デジタル放送信号に含まれる各サービスのデータパケットを記憶する。例えば、ユーザが視聴のためにサービスAを選択する場合、サービスAを含むデジタル放送信号はサービスB及びCを含むこともできる。チューナ装置は、複数のサービスを含むデジタル放送信号を受信すると、これらの各サービスのためのデータパケットをチューナ装置のメモリに記憶し始めることができる。ユーザは、サービスAを視聴している間にサービスAのタイムシフト再生(例えば、巻戻し操作)を実行することによって、要求されたタイムシフト再生用パケットを検索するためのコマンドをチューナ装置に送信することをテレビ受信機アプリケーションに行わせることができる。例えば、ユーザは、7:30にサービスAを見始めた場合、7:35に巻戻し操作を開始することにより、7:30時点のサービスAに対応するデータパケットが検索されてテレビ受信機アプリケーションに転送されるようにすることができる。
【0089】
さらに、ユーザは、サービスAを見ている間にサービスBへの変更を開始することによって、サービスBに対応するデータパケットをチューナ装置のメモリから検索して転送するためのコマンドをチューナ装置に送信することをテレビ受信機アプリケーションに行わせることができる。例えば、ユーザは、7:30にサービスAを見始めた場合、7:35にサービスBへのチャネル変更を開始すると、7:35時点のサービスBに対応するデータパケットが検索されてテレビ受信機アプリケーションに転送されることによって、7:35にサービスBを見始めることができる。
【0090】
さらに、ユーザは、別のサービスへの変更を開始した後にこの別のサービスのタイムシフト再生を行うこともできる。例えば、ユーザは、サービスAからの変更を開始して7:35にサービスBを見始めた後に、サービスBを7:35から7:30まで巻き戻したいと望むことがある。従って、ユーザは、巻戻し操作を開始することによって、7:30時点のサービスBに対応するデータパケットがチューナ装置のメモリから検索されてテレビ受信機アプリケーションに転送されるようにすることができる。
【0091】
図11に、テレビ受信機アプリケーションによって実行される、複数のサービスを記憶するチューナ装置を使用してPVR機能を提供するためのプロセスの実施形態を示す。一般に、このプロセスは、テレビ受信機アプリケーションがATSC3.0サービスを提供するステップS1100から開始することができる。例えば、ユーザは、それぞれがチューナ装置のメモリに記憶されたサービスB及びCも含む放送信号において受け取られたサービスAを見始めることができる。
【0092】
プロセスはステップS1102に進み、テレビ受信機アプリケーションが、タイムシフト再生要求が受け取られたかどうかを判定する。例えば、ユーザは、サービスAを見ている間に、巻戻し操作(例えば、サービスAを7:35から7:30に巻き戻すこと)又は早送り操作(例えば、サービスAを7:30から7:35に早送りすること)などのタイムシフト再生操作を開始することができる。
【0093】
タイムシフト再生要求が受け取られた場合、プロセスはステップS1104に進み、テレビ受信機アプリケーションが、ユーザが現在視聴しているATSC3.0サービスのタイムシフト再生用データパケットを検索する。テレビ受信機アプリケーションは、ユーザが視聴したいと望むコンテンツと、そのコンテンツのタイミング(例えば、リアルタイムからどれほど遅延するか)とを認識しているので、どのファイルをフェッチすべきかが分かる。テレビ受信機アプリケーションがチューナ装置からデータパケットを検索すると、現在ユーザが見ているATSC3.0サービスのタイムシフト再生を実行することができる。プロセスは、ステップS1104からステップS1100に戻る。
【0094】
ステップS1102に戻って、タイムシフト再生要求が受け取られなかった場合、プロセスはステップS1106に進み、テレビ受信機アプリケーションが、別のATSC3.0サービスへの変更要求が検出されたかどうかを判定する。例えば、ユーザは、サービスAを見ている間に、チューナ装置のメモリに記憶された別のサービス(例えば、サービスB)に切り替えるように要求することができる。別のATSC3.0サービスへの変更要求が検出された場合、プロセスはステップS1108に進んで、別のATSC3.0サービスに対応するデータパケットを検索する(例えば、サービスAからサービスBに変更する)。プロセスは、ステップS1108からステップS1100に戻り、テレビ受信機アプリケーションがサービスBを提供する。ユーザは、サービスBを見ている間にサービスBのタイムシフト再生を要求することもでき、この場合は上述したようなサービスのタイムシフト再生のプロセス(すなわち、ステップS1102~S1104)が繰り返される。
【0095】
ステップS1106に戻って、別のATSC3.0サービスへの変更要求が検出されなかった場合、プロセスはステップS1110に進み、テレビ受信機アプリケーションが、テレビ受信機アプリケーションを終了する要求が受け取られたかどうか、又はチューナ装置の取り外しが検出されたかどうかを判定する。これらの条件が検出されない場合、プロセスはステップS1100に戻る。一方で、これらの条件のいずれかが検出された場合、
図11に示すプロセスは終了する。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、テレビ受信機アプリケーションは、将来の時点で発生するサービスを録画するように構成される。例えば、ユーザは、EPGを見て所望のサービスが3時間後に利用可能であると判定することができる。従って、ユーザは、将来的に特定のチャネルで特定の番組を録画するタスクを確立し、チューナ装置を起動させ、そのサービスにチューニングさせ、所望のサービスの継続時間にわたって録画させるようにテレビ受信機アプリケーションに命令するオプションを選択することができる。この将来のサービスが録画されると、ステップS1102~S1104(
図11)に従って将来のサービスのタイムシフト再生を実行することができる。
【0097】
図12に、テレビ受信機アプリケーションによって実行される、外部メモリの検出時にPVR機能を有効にするためのプロセスの実施形態を示す。
図12に示すプロセスは、録画を記憶するための永続ストレージを含むチューナ装置に電子装置が接続されている場合、或いは電子装置が既にATSC3.0信号を受信する能力を有しているが、録画を記憶するためのストレージを含んでいない場合に実行することができる。一般に、このプロセスは、テレビ受信機アプリケーションがATSC3.0サービス(例えば、TVサービス)を提供するステップS1200から開始ことができる。
【0098】
プロセスはステップS1202に進み、テレビ受信機アプリケーションが、外部メモリが検出されたかどうかを判定する。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、電子装置のUSBポートにフラッシュストレージ(例えば、サムドライブ)が接続されている時に外部メモリを検出する。外部メモリが検出されない場合、プロセスはステップS1200に戻る。外部メモリが検出された場合、プロセスはステップS1204に進み、テレビ受信機アプリケーションが、検出された外部メモリがPVR機能を有効にするための所定のサイズ要件を満たしているかどうかを判定する。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、32GB以上の記憶スペースを有する外部メモリが電子装置に接続されている時にPVR機能を可能にするように構成することができる。
【0099】
検出された外部メモリが所定のサイズ要件を満たしていない場合、プロセスはステップS1204からステップS1206に進み、テレビ受信機アプリケーションが、所定のサイズ要件を満たす記憶スペースを有する外部メモリが電子装置に接続されている時にPVR機能が利用可能である旨をユーザに通知する。プロセスは、ステップS1206からステップS1200に戻る。
【0100】
検出された外部メモリが所定のサイズ要件を満たす場合、プロセスはステップS1204からステップS1208に進み、テレビ受信機アプリケーションが、ユーザが検出された外部メモリをPVR録画に使用する許可を与えたかどうかを判定する。例えば、十分な記憶スペースを有する外部メモリが電子装置に接続されると、外部メモリをPVR録画に使用することを可能にするオプションをユーザに与えるメッセージをユーザに提供することができる。
【0101】
ユーザが外部メモリをPVR録画に使用する許可を与えていない場合、プロセスはステップS1208からステップS1200に戻る。ユーザが外部メモリをPVR録画に使用する許可を与えた場合、プロセスはステップS1208からステップS1210に進み、テレビ受信機アプリケーションがPVR機能を有効にする。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、PVR機能を有効にするために、ユーザがTV番組を一時停止した時にそのTV番組のメディアファイルが外部メモリに記憶されることを可能にする特定のプログラムスクリプトを有効にすることができる。PVR機能が有効である場合には、
図10に示すプロセスを使用して、ユーザが現在見ているテレビ番組に対応するメディアファイルを記憶することができる。
【0102】
プロセスはステップS1212に進み、テレビ受信機アプリケーションが、外部メモリの取り外しが検出されたかどうかを判定する。外部メモリの取り外しが検出されなかった場合、プロセスはステップS1212に留まる。外部メモリの取り外しが検出された場合、プロセスはステップS1214に進み、テレビ受信機アプリケーションがPVR機能を無効にする。例えば、外部メモリが取り外された場合、ユーザは、もはや視聴中のTV番組に対応するメディアファイルを記憶することができなくなり、従ってPVR機能は無効になる。
図12に示すプロセスは、ステップS1214の後に完了する。いくつかの実施形態では、チューナ装置にファイルを記憶するプロセス中にチューナ装置が取り外された場合、テレビ受信機アプリケーションが、ファイルの記憶を完了するためにチューナ装置を再接続する必要がある旨の通知をユーザに表示することができる。いくつかの実施形態では、チューナ装置からファイルが読み取られている間にチューナ装置が取り外された場合、テレビ受信機アプリケーションが、チューナ装置からのファイルの読み取りを完了するためにチューナ装置を再接続する必要がある旨の通知をユーザに表示することができる。
図13は、チューナ装置が提供して受信機アプリケーションが利用するAPIによってサポートされるコマンド及びメッセージの実施形態を示すブロック図である。例えば、電子装置200(
図2)は、APIを介して、所与の6MHz RF周波数帯にチューニングしてATSC1.0放送信号及び/又はATSC3.0放送信号を探すためのチューンコマンド(「tune()」)をチューナ305に送信することができる。チューナ装置305は、APIを介して、信号が存在する場合にはどのようなタイプの信号が取得されたか(例えば、ATSC1.0又はATSC3.0)、信号強度に関する指示、及びTV放送信号が発見されたかどうかを含む受信ステータスを示すステータス指示(例えば、「ステータス情報」)を電子装置200に送信することができる。
【0103】
チューナ装置305は、APIを介して、チューナ装置の能力を示す能力メッセージ(例えば「能力情報」)を電子装置にさらに送信することができる。例えば、能力メッセージは、チューナ装置305がチャネルボンディングをサポートしているかどうか(例えば、ATSC標準に従ってPLPをボンディングするように独立して制御し使用できる複数のチューナ機能をチューナ装置が含むかどうか)を示すことができる。電子装置200は、ATSC3.0信号が取得された時に、APIを介して、LLSを含むPLPのPLP ID値をリストするコマンド(例えば、「List PLP IDs()」)をチューナ装置305にさらに送信することができる。電子装置200は、APIを介して、1又は2以上(通常は最大4つ)のPLPを処理するためのPLP処理コマンド(「Process PLP()」)をチューナ装置305にさらに送信することができ、ここではこれらのPLP ID値によって処理すべきPLPが識別される。
【0104】
チューナ装置305は、処理のために選択された各PLPについて、USBインターフェイスを越えてALP又はIPパケットのいずれかをストリーミングする。IPパケットがストリーミングされる場合、APIは、LMTデータの通信を取り扱うための追加コマンドを含むことができる。例えば、APIは、LMTデータを要求するための、テレビ受信機アプリケーションからチューナ装置305へのLMT要求コマンドを含むことができる。さらに、APIは、新たなLMTデータが利用可能である旨の、チューナ装置305からテレビ受信機アプリケーションへの通知を含むこともできる。
【0105】
APIは、テレビ受信機アプリケーションとチューナ装置との間のPVR機能をさらに可能にすることができる。例えば、APIは、現在チューナがアクセス中のTVサービス、又は現在ユーザがアクセスしていないサービス(例えば、受信されたデジタル放送信号内の選択されたサービスと共に提供される追加サービス)に対応する特定のIPパケットストリームを記憶するようにテレビ受信機アプリケーションがチューナ装置に命令することを可能にするstream_write()コマンドを含むことができる。stream_write()コマンドは、チューナ装置のメモリに記憶すべきALPパケット又はファイルをさらに指定することができる。テレビ受信機アプリケーションは、stream_write()コマンドを使用することによって、同じIP又はALPパケットがインターフェイスを越えて電子装置に配信されたりフラッシュストレージ(例えば、チューナ装置内の永続ストレージ)に戻ったりするのを避けることができる。他の実施形態では、stream_write()コマンドを、指定されたIP又はALPパケットが保存されるのを可能にするように設計することができる。さらに他の実施形態では、stream_write()コマンドを、現在チューナが受信中である全てのALPパケットをフラッシュストレージに記憶させるように構成することができ、この場合、現在ユーザが見ているサービス以外のサービスはバッファリングされる。ユーザは、仮にこれら他のサービスのうちの1つに切り替えた場合、そのサービスで以前に放送された若干のコンテンツを視聴するオプションを得ることができる。
【0106】
図14は、APIを使用してテレビ受信機アプリケーションとチューナ装置との間で実行されるプロセスの実施形態のシーケンス図である。この点に関して、テレビ受信機アプリケーションとチューナ装置との間で送信されるコマンド及びメッセージは、APIを通じて受け渡される。
【0107】
図14に示すプロセスは、テレビ受信機アプリケーションが起動した時、又はチューナ装置が最初に電子装置に接続された時に発生することができる。ステップS1400において、テレビ受信機アプリケーションがチューナの存在を検出する。例えば、電子装置は、新たに接続された装置が検出され登録される、電子装置のOSに固有のものとすることができるUSBインターフェイス機能を実行することができる。テレビ受信機アプリケーションは、電子装置のネイティブOS内のAPIを使用して、電子装置にどの種類の装置が接続されているかを特定することができる。いくつかの実施形態では、電子装置が、互換性のあるチューナが存在するかどうかを判定する。チューナ装置は、プラグ接続されると、その存在を電子装置に登録することができる。この種の登録は、電子装置の起動時に発生することができる。
【0108】
ステップS1402において、テレビ受信機アプリケーションは、チューナ装置の存在を学習すると、APIを介してチューナ装置にチューナステータスコマンドを送信する。ステップS1404において、チューナ装置は、APIを介して電子装置にチューナステータス応答を送信する。いくつかの実施形態では、チューナステータス応答が、チャネルボンディングがサポートされているかどうかを示すチャネルボンディング(Ch_Bnd)パラメータ、及び最後にチューニングされたチューナ装置のチャネルを示すチャネル履歴(Ch_Hst)パラメータなどのパラメータを含むことができる。Ch_Hstパラメータは、チャネル履歴が存在しないことを示すヌル値とすることもできる。いくつかの実施形態では、Ch_Hstパラメータがチューナ装置によって提供されるのではなく電子装置に記憶される。
【0109】
図15は、APIを介してコマンド及びメッセージが受け渡される、テレビ受信機アプリケーションとチューナ装置との間で実行されるプロセスの実施形態のシーケンス図例である。
図15のプロセスは、電子装置がチューナ装置の存在を学習した後に発生することができる。
【0110】
ステップS1500において、テレビ受信機アプリケーションが、APIを介してチューナ装置にRFチャネルチューンコマンドを発行する。RFチャネルチューンコマンドは、チューナがチューニングを合わせるように指示されるRFチャネルとすることができるパラメータCh_Kを含むことができる。一例として、テレビ受信機アプリケーションが、最後にチューニングされたチャネルの記録を有する場合、Ch_Kは、この最後にチューニングされたチャネルを表すことができる。一方で、テレビ受信機アプリケーションがチャネル走査を実行している場合、Ch_Kは、最も低い6MHz RFチャネルを表すことができる。
【0111】
ステップS1502において、チューナ装置がRFチャネルステータス応答を送信する。この応答は、ATSC1.0信号又はATSC3.0信号が発見された(又はどちらも発見されなかった)かどうかを示す信号タイプパラメータ(Sig_Type)と、信号強度パラメータ(Sig_Strength)とを含むことができる。ステップS1504において、テレビ受信機アプリケーションが、ATSC3.0信号が発見されたと判定する。ステップS1506において、テレビ受信機アプリケーションが、APIを介してチューナ装置にPLPリストコマンドを発行する。ステップS1508において、チューナ装置が、PLPのリスト(例えば、PLP_1~PLP_k)を含むPLPリスト応答コマンドを提供する。一例として、PLPリスト応答コマンドにリストされるPLPは、LLSを含むPLPである。
【0112】
ステップS1510において、テレビ受信機アプリケーションが、チューナ装置から提供されたPLPのリストを調べ、LLSを含む最大N個のPLPを選択する。選択されるPLPの数は、4などの所定の数とすることができる。ステップS1512において、テレビ受信機アプリケーションが、ステップS1210で選択されたPLPのリスト(例えば、PLP_1~PLP_N)を含むPLP要求コマンドを発行する。ステップS1514において、テレビ受信機アプリケーションが、選択されたPLPからデータパケットを受け取る。チューナ装置は、
図15に示すAPIとは異なる通信経路を越えてデータパケットをストリーミングすることができる。いくつかの実施形態では、S1514においてチューナ装置がALPデータパケットを送信する。チューナ装置は、ALPパケットをIPパケットに変換するように構成されている場合、LMTパケットを含むIPパケットを送信することができる。ステップS1516において、テレビ受信機アプリケーションが、受け取ったデータパケットを調べて少なくともLMT及び1又は2以上のSLTを検索する。
【0113】
図16は、テレビ受信機アプリケーションを実行する電子装置とチューナ装置との間で実行されるプロセスの実施形態のシーケンス図例である。このプロセスは、チューナ装置がATSC1.0信号を検出した時に実行することができる。ステップS1600及びS1602は、
図15のステップS1500及びS1502にそれぞれ対応する。ステップS1604において、テレビ受信機アプリケーションが、ステップS1602で提供された信号タイプパラメータ(Sig_Type)を調べ、ATSC1.0信号が受け取られたと判定する。ステップS1606において、テレビ受信機アプリケーションが、APIを介してチューナ装置にビデオ信号要求コマンドを発行する。ステップS1608において、テレビ受信機アプリケーションが、MPEG-2TSパケット(Video_Stream)を受け取る。MPEG-2TSパケットは、
図16に示すAPI以外の通信経路を越えて受け取ることができる。
【0114】
図17は、テレビ受信機アプリケーションを実行する電子装置とチューナ装置(例えば、
図2Bのチューナ装置200A)との間で実行されるプロセスの実施形態のシーケンス図例である。このプロセスは、ステップS1700においてテレビ受信機アプリケーションがATSC3.0サービス(例えば、TV番組)を提供した時に実行することができる。ステップS1702において、テレビ受信機アプリケーションがTVサービス一時停止コマンド(例えば、ユーザが一時停止ボタンを押す)を検出する。
【0115】
ステップS1704において、テレビ受信機アプリケーションが、APIを介してチューナ装置にstream_write()コマンドを送信する。stream_write()コマンドは、現在チューナがアクセスしているサービス(例えば、SLT@BSID、SLT.Service@serviceId)に関連する特定のファイルを指定することができる。特定のファイルは、所与のIPアドレス/ポート/トランスポートセッションID(TSI)、トランスポートオブジェクトID(TOI)によって識別することもできる。stream_write()コマンドで提供されるパラメータは、識別されたサービスに関連する全てのファイル及びデータを参照することができ、或いは特定のファイル(例えば、1つのビデオトラック及び1つのオーディオトラックに関連するファイル)を参照することができる。これらのパラメータは、IPアドレス、IPポート及びTSI値を通じて、その関連する階層符号化トランスポート(Layered Coding Transport)(LCT)チャネル別にファイルを参照することができる。ステップS1706において、チューナ装置が、stream_write()コマンドを受け取ったことに応答して、要求された基準に対応するファイルをチューナ装置の永続ストレージに記憶する。
【0116】
ステップS1708において、テレビ受信機アプリケーションがTVサービス再開コマンド(例えば、ユーザが再生ボタンを押す)を検出する。ステップS1710において、テレビ受信機アプリケーションが、APIを介してチューナ装置に読み取りコマンドを送信する。読み取りコマンドは、一時停止されたTVサービスに関連するメディアファイルを指定することができる。ステップS1712において、テレビ受信機アプリケーションが、読み取りコマンドを送信したことに応答して、標準的なUSBファイルAPIを使用して、再開されたTVサービスに対応するファイルをチューナ装置から受け取る。
【0117】
図18は、電子装置の機能を実行するように構成できる処理回路1826のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図18では、処理回路1426が、本明細書で説明した処理を実行するマイクロプロセッシングユニット(MPU)1800を含む。プロセスデータ及び命令は、メモリ1802に記憶することができる。これらのプロセス及び命令は、ポータブル記憶媒体に記憶することも、又は遠隔的に記憶することもできる。処理回路1826は、モバイル装置121のネットワークサービスに特有の情報を含む交換可能な加入者アイデンティティモジュール(SIM)1801を有することができる。
【0118】
さらに、特許請求する進歩は、本発明のプロセスの命令が記憶されるコンピュータ可読媒体の形態によって限定されるものではない。例えば、これらの命令は、FLASHメモリ、セキュアデジタルランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、固体ハードディスク、或いは処理回路1826の通信相手であるサーバ又はコンピュータなどの他のいずれかの情報処理装置に記憶することができる。
【0119】
さらに、特許請求する進歩は、MPU1800、並びにAndroid、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)10 Mobile、Apple iOS(登録商標)及び当業者に周知の他のシステムなどのモバイルオペレーティングシステムと共に実行されるユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、又はオペレーティングシステムのコンポーネント、或いはこれらの組み合わせとして提供することができる。
【0120】
処理回路1826を達成するために、これらのハードウェア要素は、当業者に周知の様々な回路要素によって実現することができる。例えば、MPU1800は、Qualocommモバイルプロセッサ、Nvidiaモバイルプロセッサ、米国Intel社製のAtom(登録商標)プロセッサ、Samsungモバイルプロセッサ、又はApple A7モバイルプロセッサ、又は当業者が認識する他のプロセッサタイプとすることができる。或いは、当業者であれば認識するように、MPU1800は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)に基づいて、又は個別論理回路を使用して実装することもできる。さらに、MPU1800は、上述した本発明のプロセスの命令を実行するように並行して協動する複数のプロセッサとして実装することもできる。
【0121】
図18の処理回路1826は、ネットワーク1824と連動するために、米国Intel社製のIntel Ethernet PROネットワークインターフェイスカードなどのネットワークコントローラ1806も含む。理解できるように、ネットワーク1824は、インターネットなどのパブリックネットワーク、或いはLAN又はWANネットワークなどのプライベートネットワーク、或いはこれらのいずれかの組み合わせとすることができ、PSTN又はISDNサブネットワークを含むこともできる。ネットワーク1824は、イーサネットネットワークなどの有線とすることもできる。処理回路は、3G、4G及び5G無線モデム、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、GPS、又は他のいずれかの既知の無線通信形態を含む無線通信のための様々なタイプの通信プロセッサを含むことができる。
【0122】
処理回路1826は、MPU1800によって管理できるユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラ1825を含む。1つの実施形態では、チューナが、ATSC3.0放送信号にチューニングし、これを変調して一連のATSC3.0リンク層プロトコルパケットを生成できる、ATSC3.0DTV受信機1850内のハードウェア装置である。
【0123】
処理回路1826は、ディスプレイ1810と連動するために、米国NVIDIA社製のNVIDIA(登録商標)GeForce(登録商標)GTX又はQuadro(登録商標)グラフィクスアダプタなどのディスプレイコントローラ1808をさらに含む。I/Oインターフェイス1812は、音量制御などのボタン1814と連動する。処理回路1826は、I/Oインターフェイス1812及びディスプレイ1810に加えて、マイク1841及び1又は2以上のカメラ1831をさらに含むことができる。マイク1841は、サウンドをデジタル信号に処理するための関連する回路1840を有することができる。同様に、カメラ1831は、カメラ1831の画像取り込み動作を制御するカメラコントローラ1830を含むことができる。例示的な態様では、カメラ1831が電荷結合素子(CCD)を含むことができる。処理回路1826は、サウンド出力信号を生成するオーディオ回路1842を含むとともに、任意のサウンド出力ポートを含むことができる。
【0124】
電力管理及びタッチ画面コントローラ1820は、処理回路1826によって使用される電力及びタッチ制御を管理する。通信バス1822は、処理回路1826のコンポーネントを全て相互接続するために、業界標準アーキテクチャ(ISA)、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)、ビデオエレクトロニクス標準アソシエーション(VESA)、周辺コンポーネントインターフェイス(PCI)、又は同様のものとすることができる。ディスプレイ1810、ボタン1814、ディスプレイコントローラ1808、電力管理コントローラ1820、ネットワークコントローラ1806、及びI/Oインターフェイス1812の特徴は周知であるため、本明細書では簡潔にするためにこれらの一般的特徴及び機能についての説明を省略する。
【0125】
従来の電子製品はUSB接続チューナを組み込んでいるが、本開示はATSC3.0固有の態様を可能にする。具体的に言えば、1又は2以上の組み合わせ可能な実施形態では、本開示のATSCテレビ受信機アプリケーションが以下を実装する。
1.受信信号に対応するデジタルテレビ標準を識別するための、USBインターフェイスを越えたシグナリング。
2.USBインターフェイスを越えたATSC A/330ALPパケットの配信。
3.IPベースのデジタルテレビ放送信号から受け取られたマルチキャストUDP/IPパケットのUSBインターフェイスを越えた配信。
4.チューナ装置におけるPLPリソースの選択のホストによる管理を可能にするための、USBインターフェイスを越えたリンク層シグナリングの配信。
5.専用の(所定の)IPソースアドレス及びポートを使用するUSBインターフェイスを越えたリンク層シグナリングデータの配信。
6.例えば処理されるPLPの選択を可能にするための、USBインターフェイスを越えたATSC3.0対応チューナ装置へのコマンド及び制御インターフェイス。
7.電子装置にPVR機能を提供するためのコマンド。
8.さらなる不揮発性メモリの存在によって解除される、テレビ受信機アプリケーションの潜在的PVR機能を解除する能力。
9.ATSC3.0受信能力又はPVR機能を有していなかった電子装置にATSC3.0受信能力及びPVR機能の両方を追加するチューナ装置。
10.放送からのオーディオ/ビデオ/キャプション/アプリケーションデータのインターネットプロトコル(IP)パケット又はATSC3.0リンク層プロトコル(ALP)パケットの形態での記憶。
【0126】
上記の教示に照らして、数多くの修正例及び変形例が可能である。従って、添付の特許請求の範囲内では、本明細書において具体的に説明したものとは別様に本開示を実施することができると理解されたい。
【0127】
従って、上記の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示して説明したものにすぎない。当業者であれば理解するように、本開示は、本開示の趣旨又は基本的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化することもできる。従って、本開示の開示は例示であることを意図するものであり、本開示及び他の請求項の範囲を限定するものではない。本開示は、本明細書における教示のあらゆる容易に識別できる変種を含め、本発明の主題が一般公衆に開放されないように、上述した請求項の用語の範囲を部分的に定義する。
【0128】
上記の開示は、以下に列挙する実施形態も含む。
【0129】
(1)情報処理装置であって、チューナ装置に接続するように構成された通信インターフェイスと、処理回路とを備え、処理回路が、チューナ装置からデジタル放送信号に含まれる高度テレビジョンシステムズ委員会(ATSC)3.0サービスに対応するデータパケットを受け取り、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたかどうかを判定し、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置の第1のメモリからATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットを読み取ることを停止するように構成される、情報処理装置。
【0130】
(2)処理回路は、ATSC3.0サービスが一時停止されている間に、一時停止されたATSC3.0サービスを再開するための指示が受け取られたかどうかを判定し、一時停止されたATSC3.0サービスを再開するための指示が受け取られたとの判定に応答して、一時停止されたATSC3.0サービスに対応する記憶された後続のデータパケットをチューナ装置に検索させる読み取りコマンドをチューナ装置に送信し、検索された後続のデータパケットをチューナ装置から受け取り、検索された後続のデータパケットを使用して、一時停止されたATSC3.0サービスを再開するようにさらに構成される、特徴(1)に記載の情報処理装置。
【0131】
(3)処理回路は、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置に後続のデータパケットを第1のメモリに記憶させる書き込みコマンドを送信するようにさらに構成される、特徴(1)又は(2)に記載の情報処理装置。
【0132】
(4)書き込みコマンドは、情報処理装置とチューナ装置との間の通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイスを通じて提供される、特徴(3)に記載の情報処理装置。
【0133】
(5)処理回路は、第1のメモリの記憶容量よりも大きな記憶容量を有する第2のメモリを検出し、第2のメモリの検出に応答して、第1のメモリ及び第2のメモリを使用して後続のデータパケットを記憶するようにさらに構成される、特徴(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0134】
(6)チューナ装置であって、情報処理装置に接続するように構成された通信インターフェイスと、処理回路とを備え、処理回路が、ATSC3.0サービスを含むデジタル放送ストリームを受け取り、ATSC3.0サービスに対応するデータパケットを情報処理装置に送信し、情報処理装置から書き込みコマンドが受け取られたかどうかを判定し、情報処理装置から書き込みコマンドが受け取られたとの判定に応答して、ATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットをメモリに記憶するように構成される、チューナ装置。
【0135】
(7)処理回路は、書き込みコマンドが受け取られた後に、情報処理装置から読み取りコマンドが受け取られたかどうかを判定し、情報処理装置から読み取りコマンドが受け取られたとの判定に応答して、メモリからATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットを検索し、検索された後続のデータパケットを情報処理装置に送信するようにさらに構成される、特徴(6)に記載のチューナ装置。
【0136】
(8)読み取りコマンドは、情報処理装置とチューナ装置との間の通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイスを介して提供される、特徴(6)又は(7)に記載のチューナ装置。
【0137】
(9)情報処理装置であって、チューナ装置に接続するように構成された通信インターフェイスと、処理回路とを備え、処理回路が、チューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる選択されたATSC3.0サービスに対応するデータパケットを受け取り、チューナ装置のメモリからデータパケットを検索するためのユーザ入力が受け取られたかどうかを判定し、ユーザ入力が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置のメモリからユーザ入力に対応するデータパケットを検索することをチューナ装置に行わせるコマンドをチューナ装置に送信するように構成される、情報処理装置。
【0138】
(10)ユーザ入力は、選択されたATSC3.0サービスのタイムシフト再生操作に対応し、チューナ装置は、タイムシフト再生操作に応答して、選択されたATSC3.0サービスのためのデータパケットをタイムシフト再生操作に対応する期間にわたって検索する、特徴(9)に記載の情報処理装置。
【0139】
(11)タイムシフト再生操作は巻戻し操作である、特徴(10)に記載の情報処理装置。
【0140】
(12)タイムシフト再生操作は早送り操作である、特徴(10)に記載の情報処理装置。
【0141】
(13)デジタル放送信号は、選択されたATSC3.0サービスを含む複数のATSC3.0サービスを含み、ユーザ入力は、選択されたATSC3.0サービスから別のATSC3.0サービスへの変更を処理回路に行わせるATSC3.0サービス変更に対応し、チューナ装置は、ATSC3.0サービス変更に応答して、別のATSC3.0サービスのためのデータパケットを検索する、特徴(9)~(12)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0142】
(14)処理回路は、別のATSC3.0サービスのタイムシフト再生操作に対応する別のユーザ入力を受け取るようにさらに構成され、チューナ装置は、タイムシフト再生操作に応答して、選択されたATSC3.0のためのデータパケットをタイムシフト再生操作に対応する期間にわたって検索する、特徴(13)に記載の情報処理装置。
【0143】
(15)情報処理装置であって、メモリデバイスに接続するように構成された通信インターフェイスと、処理回路とを備え、処理回路が、デジタル放送ストリームにおいて提供されたATSC3.0サービスを表示し、メモリデバイスを検出し、メモリデバイスの検出に応答して、メモリデバイスがメモリ閾値以上の記憶容量を有するかどうかを判定し、検出されたメモリの記憶容量がメモリ閾値以上であるとの判定に応答して、ATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画のためにメモリを使用する許可をユーザが与えたかどうかを判定し、ユーザがパーソナルビデオ録画のための許可を与えたとの判定に応答して、メモリを使用したATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画を有効にするように構成される、情報処理装置。
【0144】
(16)メモリの記憶容量がメモリ閾値以上ではないとの判定に応答して、メモリ閾値以上の記憶容量を有する別のメモリではパーソナルビデオ録画が利用可能である旨をユーザに通知する、特徴(15)に記載の情報処理装置。
【0145】
(17)処理回路は、パーソナルビデオ録画が有効になった後に、メモリが通信インターフェイスから取り外されたかどうかを判定し、メモリが通信インターフェイスから取り外されたとの判定に応答して、ATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画を無効にするようにさらに構成される、特徴(15)又は(16)に記載の情報処理装置。
【0146】
(18)情報処理装置のプロセッサによって実行された時にプロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたチューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる高度テレビジョンシステムズ委員会(ATSC)3.0サービスに対応するデータパケットを受け取るステップと、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたかどうかを判定するステップと、ATSC3.0サービスを一時停止するための指示が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置からATSC3.0サービスに対応する後続のデータパケットを読み取ることを停止するステップとを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0147】
(19)情報処理装置のプロセッサによって実行された時にプロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたチューナ装置から、デジタル放送信号に含まれる選択されたATSC3.0サービスに対応するデータパケットを受け取るステップと、チューナ装置のメモリからデータパケットを検索するためのユーザ入力が受け取られたかどうかを判定するステップと、ユーザ入力が受け取られたとの判定に応答して、チューナ装置のメモリからユーザ入力に対応するデータパケットを検索することをチューナ装置に行わせるコマンドをチューナ装置に送信するステップとを含む、コンピュータ可読媒体。
【0148】
(20)情報処理装置のプロセッサによって実行された時にプロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、デジタル放送ストリームにおいて提供されたATSC3.0サービスを表示するステップと、通信インターフェイスを介して情報処理装置に接続されたメモリデバイスを検出するステップと、メモリデバイスの検出に応答して、メモリデバイスがメモリ閾値以上の記憶容量を有するかどうかを判定するステップと、検出されたメモリの記憶容量がメモリ閾値以上であるとの判定に応答して、ATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画のためにメモリを使用する許可をユーザが与えたかどうかを判定するステップと、ユーザがパーソナルビデオ録画のための許可を与えたとの判定に応答して、メモリを使用したATSC3.0サービスに対応するデータパケットのパーソナルビデオ録画を有効にするステップとを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0149】
S1000 ATSC3.0サービスを提供
S1002 TVサービス一時停止が検出されたか?
S1004 現在のフレームを凍結させて一時停止バッファからの読み込みを停止
S1006 TVサービス再開が検出されたか?
S1008 TVサービスの一時停止を継続
S1010 一時停止バッファからの読み込みを継続
S1012 TVサービスを再開
【国際調査報告】