特表 2022-509802 ネイティブ放送局アプリケーションを含む受信装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-01-24

(54)【発明の名称】ネイティブ放送局アプリケーションを含む受信装置

(51)【国際特許分類】

   H04N 21/488 20110101AFI20220117BHJP

   G06F 13/00 20060101ALI20220117BHJP

【ＦＩ】

H04N21/488

G06F13/00 547T

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021528941

(86)(22)【出願日】2019-10-10

(85)【翻訳文提出日】2021-07-19

(86)【国際出願番号】 IB2019058626

(87)【国際公開番号】W WO2020104869

(87)【国際公開日】2020-05-28

(31)【優先権主張番号】16/199,027

(32)【優先日】2018-11-23

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

【公序良俗違反の表示】

（特許庁注：以下のものは登録商標）

１．ＪＡＶＡ

２．ＨＤＭＩ

３．ＪＡＶＡＳＣＲＩＰＴ

４．Ｌｉｎｕｘ

(71)【出願人】

【識別番号】000002185

【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100092093

【弁理士】

【氏名又は名称】辻居 幸一

(74)【代理人】

【識別番号】100109070

【弁理士】

【氏名又は名称】須田 洋之

(74)【代理人】

【識別番号】100067013

【弁理士】

【氏名又は名称】大塚 文昭

(74)【代理人】

【識別番号】100109335

【弁理士】

【氏名又は名称】上杉 浩

(74)【代理人】

【識別番号】100120525

【弁理士】

【氏名又は名称】近藤 直樹

(72)【発明者】

【氏名】クリフト グラハム

【テーマコード（参考）】

5B084

5C164

【Ｆターム（参考）】

5B084AA02

5B084AA05

5B084AA12

5B084AB07

5B084BB17

5B084DC13

5C164FA11

5C164UB51S

5C164UB81S

5C164UD11P

(57)【要約】

受信装置が、テレビ受信機アプリケーション及びネイティブアプリケーションを記憶するメモリを含む。受信装置は、表示のために利用できる複数のサービスに関するクエリコマンドをネイティブアプリケーションによってテレビ受信機アプリケーションに送信し、クエリコマンドに応答して、表示のために利用できる関連するサービスの数を指定する少なくとも第１のパラメータを含むクエリ応答メッセージをネイティブアプリケーションによってテレビ受信機アプリケーションから受け取り、第１のパラメータに示される各サービスのためのビデオサーフェスをネイティブアプリケーションによって提供するように構成されたプロセッサをさらに含む。
【選択図】 図１０

【特許請求の範囲】

【請求項1】

受信装置であって、
テレビ受信機アプリケーション及びネイティブアプリケーションを記憶するメモリと、
プロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、
表示のために利用できる複数のサービスに関するクエリコマンドを前記ネイティブアプリケーションによって前記テレビ受信機アプリケーションに送信し、
前記クエリコマンドに応答して、表示のために利用できる関連するサービスの数を指定する少なくとも第１のパラメータを含むクエリ応答メッセージを前記ネイティブアプリケーションによって前記テレビ受信機アプリケーションから受け取り、
前記第１のパラメータに示される各サービスのためのビデオサーフェスを前記ネイティブアプリケーションによって提供する、
ように構成される、
ことを特徴とする受信装置。

【請求項2】

前記クエリ応答メッセージは、表示フォーマットを指定する第２のパラメータと、表示のために利用できる前記関連するサービスに対応するコンテンツの位置を指定する第３のパラメータとをさらに含む、
請求項１に記載の受信装置。

【請求項3】

前記表示フォーマットは、ＪＰＥＧフォーマット、Ｄｙｎａｍｉｃ Ａｄａｐｔｉｖｅ Ｓｔｒｅａｍｉｎｇ ｏｖｅｒ ＨＴＴＰ（ＤＡＳＨ）フォーマット、及びＴＶフォーマットのうちの１つである、
請求項２に記載の受信装置。

【請求項4】

前記表示フォーマットがＪＰＥＧフォーマットである場合、前記第３のパラメータは、複数のＪＰＥＧ画像を含むサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、
前記ネイティブアプリケーションは、前記複数のＪＰＥＧ画像から、前記ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための第１のＪＰＥＧ画像を検索し、
前記テレビ受信機アプリケーションは、前記ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための最新のＪＰＥＧ画像を前記サーバから前記ネイティブアプリケーションに提供する、
請求項３に記載の受信装置。

【請求項5】

前記表示フォーマットがＤＡＳＨフォーマットである場合、前記第３のパラメータは、ＤＡＳＨサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、
前記ネイティブアプリケーションは、前記ＵＲＬを使用して、前記関連するサービスに対応するコンテンツを含むメディア提示記述（ＭＰＤ）ファイルを前記ＤＡＳＨサーバから検索する、
請求項３に記載の受信装置。

【請求項6】

前記表示フォーマットがＴＶフォーマットである場合、前記第３のパラメータは、各関連するサービスの表示バッファへのリンクであり、
各表示バッファは、デジタル放送ストリーム内で受け取られたサービスのコンテンツを含み、
前記ネイティブアプリケーションは、該ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスに、対応する表示バッファを添付する、
請求項３に記載の受信装置。

【請求項7】

前記テレビ受信機アプリケーションは、前記デジタル放送ストリームに含まれるユーザ選択サービスを表示するためにフルスクリーンビデオサーフェスを提供するように構成され、前記ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスは、前記フルスクリーンビデオサーフェス上にオーバレイされる、
請求項６に記載の受信装置。

【請求項8】

前記ネイティブ放送局アプリケーション及び前記テレビ受信機アプリケーションは、前記ネイティブ放送局アプリケーションと前記テレビ受信機アプリケーションとの間の直接双方向通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイス（ＡＰＩ）を介して互いに通信する、
請求項１に記載の受信装置。

【請求項9】

受信装置であって、
ネイティブアプリケーション及びテレビ受信機アプリケーションを含むメモリと、
テレビコンテンツ及び放送局アプリケーションを含むデジタル放送ストリームを受け取るように構成された受信機回路と、
プロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、
前記テレビコンテンツを表示するためのビデオサーフェスを前記テレビ受信機アプリケーションによって提供し、
前記放送局アプリケーションを実行し、
前記放送局アプリケーションによって識別されたネイティブアプリケーションを実行する、
ように構成され、
前記ネイティブアプリケーションは、前記放送局アプリケーションの代わりにタスクを実行し、前記放送局アプリケーションの代わりに別の放送局アプリケーションに実行させ、又は前記放送局アプリケーションがアクセスできないはずのデータを提供するように構成される、
ことを特徴とする受信装置。

【請求項10】

前記放送局アプリケーションは、前記ネイティブアプリケーションが前記タスクを実行している間に別のタスクを実行する、
請求項９に記載の受信装置。

【請求項11】

前記放送局アプリケーションは、別のタスクを実行する前に、前記ネイティブアプリケーションが前記タスクを完了するのを待つ、
請求項９に記載の受信装置。

【請求項12】

前記ネイティブ放送局アプリケーションは、前記放送局アプリケーションの代わりに実行するために、前記テレビ受信機アプリケーションに前記ＵＲＬを使用して別の放送局アプリケーションを検索させるコマンドをユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）と共に前記テレビ受信機アプリケーションに送信するように構成される、
請求項９に記載の受信装置。

【請求項13】

前記放送局アプリケーション及びネイティブ放送局アプリケーションは、前記放送局アプリケーションと前記ネイティブ放送局アプリケーションとの間の直接双方向通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイス（ＡＰＩ）を介して互いに通信する、
請求項９に記載の受信装置。

【請求項14】

受信装置のプロセッサによって実行された時に前記プロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
表示のために利用できる複数のサービスに関するクエリコマンドをネイティブアプリケーションによってテレビ受信機アプリケーションに送信するステップと、
前記クエリコマンドに応答して、表示のために利用できる関連するサービスの数を指定する少なくとも第１のパラメータを含むクエリ応答メッセージを前記ネイティブアプリケーションによって前記テレビ受信機アプリケーションから受け取るステップと、
前記第１のパラメータに示される各サービスのためのビデオサーフェスを前記ネイティブアプリケーションによって提供するステップと、
を含む、ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。

【請求項15】

前記クエリ応答メッセージは、表示フォーマットを指定する第２のパラメータと、表示のために利用できる前記関連するサービスに対応するコンテンツの位置を指定する第３のパラメータとをさらに含む、
請求項１４に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【請求項16】

前記表示フォーマットは、ＪＰＥＧフォーマット、Ｄｙｎａｍｉｃ Ａｄａｐｔｉｖｅ Ｓｔｒｅａｍｉｎｇ ｏｖｅｒ ＨＴＴＰ（ＤＡＳＨ）フォーマット、及びＴＶフォーマットのうちの１つである、
請求項１５に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【請求項17】

前記表示フォーマットがＪＰＥＧフォーマットである場合、前記第３のパラメータは、複数のＪＰＥＧ画像を含むサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、
前記ネイティブアプリケーションは、前記複数のＪＰＥＧ画像から、前記ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための第１のＪＰＥＧ画像を検索し、
前記テレビ受信機アプリケーションは、前記ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための最新のＪＰＥＧ画像を前記サーバから前記ネイティブアプリケーションに提供する、
請求項１６に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【請求項18】

前記表示フォーマットがＤＡＳＨフォーマットである場合、前記第３のパラメータは、ＤＡＳＨサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、
前記ネイティブアプリケーションは、前記ＵＲＬを使用して、前記関連するサービスに対応するコンテンツを含むメディア提示記述（ＭＰＤ）ファイルを前記ＤＡＳＨサーバから検索する、
請求項１６に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【請求項19】

前記表示フォーマットがＴＶフォーマットである場合、前記第３のパラメータは、各関連するサービスの表示バッファへのリンクであり、
各表示バッファは、デジタル放送ストリーム内で受け取られたサービスのコンテンツを含み、
前記ネイティブアプリケーションは、該ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスに、対応する表示バッファを添付する、
請求項１６に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【請求項20】

受信装置のプロセッサによって実行された時に前記受信装置に方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
テレビコンテンツ及び放送局アプリケーションを含むデジタル放送ストリームを受け取るステップと、
前記テレビコンテンツを表示するためのビデオサーフェスをテレビ受信機アプリケーションによって提供するステップと、
前記放送局アプリケーションを実行するステップと、
前記放送局アプリケーションによって識別されたネイティブアプリケーションを実行するステップと、
を含み、前記ネイティブアプリケーションは、前記放送局アプリケーションの代わりにタスクを実行し、前記放送局アプリケーションの代わりに別の放送局アプリケーションに実行させ、又は前記放送局アプリケーションがアクセスできないはずのデータを提供するように構成される、
ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、一般に地上波放送のためのデジタルテレビ（ＤＴＶ）受信機ハードウェア装置に関し、具体的には、放送局アプリケーションと共に、又は放送局アプリケーションの代わりに実行されるネイティブ放送局アプリケーションに関する。

【背景技術】

【0002】

高度テレビジョンシステムズ委員会（ＡＴＳＣ）３．０は、テレビサービス配信のために開発された一連の標準である。ＡＴＳＣ３．０は、「ＡＴＳＣ１．０」と呼ばれることもある米国の既存のデジタルテレビサービスとの後方互換性を有していない。ＡＴＳＣ３．０は、受信機のプロトコルスタックの上位層にインターネットプロトコル（ＩＰ）パケットを届けるようにコアプリンシパルの周囲に設計された効率的で柔軟な物理層を規定する。ＩＰベースのプロトコルは、特にＡＴＳＣ３．０がシグナリング及びコンテンツの「オーバーザトップ」（ＯＴＴ）又はブロードバンド配信もサポートすることを考慮して、インターネット及びワールドワイドウェブのために開発された標準とできるだけ連携するように選択されたものである。１つのテレビサービスのいくつかのコンポーネントが放送経路を介して配信され、放送局によって運営されるブロードバンドサーバを介して他のコンポーネント（例えば、双方向型コンテンツ又は代替オーディオトラック）が配信される、ハイブリッドサービスも可能である。

【0003】

ＡＴＳＣ３．０は、放送局がＡＴＳＣ３．０受信機に「双方向型コンテンツ」を提供できるようにする方法を標準化する。通常、ＡＴＳＣ３．０サービスは、ストリーミングビデオ／オーディオ／キャプションコンテンツ－従来のＴＶチャネルを含む一方で、ＡＴＳＣ３．０では、これらのサービスが、放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５アプリケーション）としてコード化されたさらなる双方向型コンポーネントを有することができる。放送局アプリケーションは、存在時には双方向性を提供することができ、或いは例えば使用パターンをモニタするためにバックグラウンドで静かに実行することができる。しかしながら、放送局アプリケーションが限られた機能しか有していないのに対し、受信機内に存在する他のアプリケーションは、ＨＴＭＬ５タイプの放送局アプリケーションが実行できない機能を実行する能力を有する。現在のところ、他のアプリケーションが放送局アプリケーションに取って代わることを可能にする方法又は機構は存在しない。

【0004】

上記の「背景」の説明は、本開示の文脈を一般的に示すためのものである。この背景の項で説明されている範囲における本発明者らの取り組み、及び出願時に別様に先行技術としてみなされない場合もある説明の態様は、明示的にも暗黙的にも本開示に対する先行技術として認められるものではない。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0005】

本開示の１つの実施形態によれば、テレビ受信機アプリケーション及びネイティブアプリケーションを記憶するメモリを含む受信装置が提供される。受信装置は、表示のために利用できる複数のサービスに関するクエリコマンドをネイティブアプリケーションによってテレビ受信機アプリケーションに送信するように構成されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、クエリコマンドに応答して、表示のために利用できる関連するサービスの数を指定する少なくとも第１のパラメータを含むクエリ応答メッセージをネイティブアプリケーションによってテレビ受信機アプリケーションから受け取るようにさらに構成される。プロセッサは、第１のパラメータに示される各サービスのためのビデオサーフェスをネイティブアプリケーションによって提供するようにさらに構成される。

【0006】

本開示の実施形態によれば、ネイティブアプリケーション及びテレビ受信機アプリケーションを含むメモリを含む受信装置が提供される。受信装置は、テレビコンテンツ及び放送局アプリケーションを含むデジタル放送ストリームを受け取るように構成された受信機回路をさらに含む。受信装置は、テレビコンテンツを表示するためのビデオサーフェスをテレビ受信機アプリケーションによって提供し、放送局アプリケーションを実行し、放送局アプリケーションによって識別されたネイティブアプリケーションを実行するように構成されたプロセッサをさらに含む。ネイティブアプリケーションは、放送局アプリケーションの代わりにタスクを実行し、放送局アプリケーションの代わりに別の放送局アプリケーションに実行させ、又は放送局アプリケーションがアクセスできないはずのデータを提供するように構成される。

【0007】

本開示の１つの実施形態によれば、受信装置のプロセッサによって実行された時に、表示のために利用できる複数のサービスに関するクエリコマンドをネイティブアプリケーションによってテレビ受信機アプリケーションに送信するステップを含む方法をプロセッサに実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。方法は、クエリコマンドに応答して、表示のために利用できる関連するサービスの数を指定する少なくとも第１のパラメータを含むクエリ応答メッセージをネイティブアプリケーションによってテレビ受信機アプリケーションから受け取るステップをさらに含む。方法は、第１のパラメータに示される各サービスのためのビデオサーフェスをネイティブアプリケーションによって提供するステップを含む。

【0008】

保留

【0009】

本開示の１つの実施形態によれば、受信装置のプロセッサによって実行された時に、テレビコンテンツ及び放送局アプリケーションを含むデジタル放送ストリームを受け取るステップを含む方法をプロセッサに実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。方法は、テレビコンテンツを表示するためのビデオサーフェスをテレビ受信機アプリケーションによって提供するステップをさらに含む。方法は、放送局アプリケーションを実行するステップをさらに含む。方法は、放送局アプリケーションによって識別されたネイティブアプリケーションを実行するステップをさらに含む。ネイティブアプリケーションは、放送局アプリケーションの代わりにタスクを実行し、放送局アプリケーションの代わりに別の放送局アプリケーションに実行させ、又は放送局アプリケーションがアクセスできないはずのデータを提供するように構成される。

【0010】

本開示のより完全な理解及びこれに付随する利点の多くは、添付図面と併せて検討する以下の詳細な説明を参照することによってこれらがより良く理解されるようになるにつれて容易に取得されるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】デジタルテレビ（ＤＴＶ）システムの基本コンポーネントを示す概略図である。

【図2】例示的な受信装置を示す図である。

【図3】例示的な受信装置のプロセッサ中心的なブロック図である。

【図4】ネイティブ放送局アプリケーションの基本アーキテクチャを示す概略図である。

【図5】本開示の例示的な態様によるテレビ受信機アプリケーションのブロック図である。

【図6】例示的な放送局受信機アプリケーションのブロック図である。

【図7a】受信機のメディアプレーヤを使用してレンダリングされる放送局アプリケーション例を示す図である。

【図7b】受信機のメディアプレーヤを使用してレンダリングされる放送局アプリケーション例を示す図である。

【図8】放送局アクティビティインターフェイス例を示す図である。

【図9】本開示の例示的な態様による、ネイティブ放送局アプリケーションのユーザインターフェイス例を示す図である。

【図10】受信装置によって実行される例示的なプロセスを示す図である。

【図11】受信装置によって実行される例示的なプロセスを示す図である。

【図12】コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

ここで複数の図全体を通じて同一の又は対応する部分を同じ参照数字によって示す図面を参照すると、以下の説明は、放送局アプリケーションを凌ぐ追加機能を提供するネイティブ放送局アプリケーションに関する。１つの実施形態では、ＡＴＳＣ３．０信号を受け取るためのＡＴＳＣ３．０チューナを含む受信装置を提供する。さらなる実施形態では、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）を介して接続されたチューナ／復調モジュール（Ｄｅｍｏｄ ｍｏｄｕｌｅ）の形態のハードウェアアドオンと共に使用される専用Ａｎｄｒｏｉｄアプリを含む、スマートフォン、タブレット又は（セットトップボックスなどの）その他の消費者電子装置などのＡｎｄｒｏｉｄ装置のためのＡＴＳＣ３．０受信機を提供する。

【0013】

本開示は、放送ＤＴＶと、テレビ受信機アプリケーションによってＤＴＶ機能を追加又は提供できる電子装置（例えば、スマートフォン及びタブレットコンピュータなどのモバイル装置）に特有の機能とを組み合わせることによって、オーディオ／ビデオ及びデータコンテンツを提供する他のモデルを凌ぐ多くの利点をもたらす。本開示は、広く利用できるＡｎｄｒｏｉｄプラットフォームにＡＴＳＣ３．０受信機を適用する例を提供する。受信機は、Ｊａｖａプログラミング言語でコード化されることが好ましいので、本開示は、様々なハードウェア装置にわたる移植性を提供し、またＡＴＳＣ３．０受信機は、独立して設けられたＵＳＢ接続チューナを含むことができるので、内蔵ＤＴＶ回路及びアンテナを含まないハードウェア装置に適用することもできる。本開示の実施形態は、放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５アプリケーション）の特徴を最大限に利用しながら、放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５）の環境で利用できないハードウェア装置の特徴にまで及ぶＡＴＳＣ３．０受信機を提供する。例えば、放送局アプリケーションの動作を実行する本開示の受信機は、放送局のネイティブアプリケーション（例えば、Ａｎｄｒｏｉｄアプリケーション）に双方向機能を提供するように引き継ぎ又は協働する。

【0014】

説明する実施形態の各機能は、１又は２以上の処理回路によって実行することができる。処理回路は、プログラムされたプロセッサを含む。説明する実施形態では、プログラムされたプロセッサが、一般にＡｎｄｒｏｉｄベースのスマートフォン及びタブレットで見られる、Ａｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムを実行するＡＲＭプロセッサである。Ａｎｄｒｏｉｄアプリは、Ａｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムを利用する、Ｃ／Ｃ＋＋及びＪａｖａなどの１又は２以上の高水準プログラミング言語で書かれたアプリケーションプログラムとすることができる。処理回路は、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、及び列挙された機能を実行するように構成された従来の回路部品などの装置を含むこともできる。なお、回路（ｃｉｒｃｕｉｔｒｙ）とは、回路（ｃｉｒｃｕｉｔ）又は回路系（ｓｙｓｔｅｍ ｏｆ ｃｉｒｃｕｉｔｓ）を意味する。本明細書では、回路が１つのコンピュータシステム内に存在することも、又はコンピュータシステムのネットワーク全体を通じて分散することもできる。

【0015】

１又は２以上の実施形態は、ｏｖｅｒ－ｔｈｅ－ａｉｒプログラミング及びその他のサービスをインターネットデータとしてテレビ放送局から直接受け取ることができるモデルを提供する。このような事例では、放送局のＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションによって本開示のＡＴＳＣ３．０受信機のリソース及びサービスを使用するように制御される表示サービスにおいて放送ＤＴＶを表示することができる。

【0016】

いくつかの実施形態では、ＡＴＳＣ３．０サービスが、全体として受信機に配信されるメディアコンポーネント及び／又はメタデータの集合である。これらのコンポーネントは、複数のメディアタイプのものとすることができる。サービスは、連続的又は断続的とすることができる。サービスは、リアルタイム又は非リアルタイムとすることができる。リアルタイムサービスは、一連のＴＶ番組から成ることができる。

【0017】

次に、ＡＴＳＣ３．０に基づく放送テレビネットワークの基本アーキテクチャの説明を行う。

【0018】

図１は、ＡＴＳＣ３．０システムの基本コンポーネントの構成を示す図である。ビデオ技術は、高精細（ＨＤ）デジタルテレビから、４Ｋ及び８Ｋビデオ、高ダイナミックレンジ（ＨＤＲ）、広色域（ｗｉｄｅ ｃｏｌｏｒ ｇａｍｕｔ）及び高フレームレートを含む高解像度技術へと移行しつつある。この結果、ＡＴＳＣ３．０システムは、場合によってはＴＶ局１０５の信号を供給する移動送信ユニット１０３と遠隔的に連携して超高精細（ＵＨＤ）ビデオを取り込むことができるデジタルビデオカメラ１０１を含むことができる。ＴＶ局１０５は、数ある中でも特に、テレビ番組製作及び放送制御のための設備を含む。エンコーダ及びマルチプレクサは、ＡＴＳＣ３．０を使用してテレビ放送のためのＩＰパケットを生成することができる。テレビ放送は、電子番組ガイド（ＥＰＧ）と共に１又は２以上の送信機サイト１０７に送信することができる。ＡＴＳＣ３．０送信機サイトは、タワー送信アンテナ１１１を介して無線周波数（ＲＦ）信号を送信するＡＴＳＣ３．０波形送信機を含むことができる。ＡＴＳＣ３．０波形は、家庭、オフィスビル、図書館、店舗又はレストラン１０９において、ＡＴＳＣ３．０ＴＶ１３１、ＡＴＳＣ３．０ゲートウェイ又はコンバータ１３３、或いはＡＴＳＣ３．０対応モバイル装置１２１によって拾うことができる。タブレット又はスマートフォン１３５は、この放送信号を、ゲートウェイ又はコンバータから供給されたＷｉＦｉ信号として取得することができる。或いは、事務所外又は家庭外では、タブレット、スマートフォン又はその他のモバイル装置１２１がタワー送信アンテナ１１１からの放送波形を拾うことができる。このようなモバイル装置１２１は、個人用車両内又は公共交通機関内で使用することができる。

【0019】

Ｇｏｏｇｌｅ社によって開発されたＡｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムなどのモバイルオペレーティングシステムは、電話機、タブレット、スマートウォッチ又はその他のモバイル装置のためのオペレーティングシステムであり、モバイル又はハンドヘルド使用のための特徴を含む。例えば、モバイル装置は、セルラー通信のモバイル特徴、全地球測位システム（ＧＰＳ）ナビゲーション、ビデオ又はシングルフレームカメラ、音声認識、及び典型的にはタッチ画面を含むことができる。他のモバイルオペレーティングシステムの例としては、Ａｐｐｌｅ社のｉＯＳ、Ｗｉｎｄｏｗｓ１０モバイル、及びＳａｍｓｕｎｇ社のＴｉｚｅｎが挙げられる。とりわけ、Ａｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムは、主にタッチ画面装置用に設計されたものである。通常、Ａｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムのアプリケーションソフトウェアは、Ｏｐｅｎ ＪＤＫ（Ｊａｖａ開発キット）に基づくＪａｖａライブラリを含むアプリケーションフレームワーク上で動作する。

【0020】

本開示では、ＤＴＶ放送局、又は本明細書では単純に放送局が、電波を介して地上波テレビ送信としてビデオコンテンツを送信するローカルテレビ局に関連する。無線信号をデジタルテレビ信号として送信する局は、複数のサブチャネルを放送することができる。例えば、ＤＴＶ放送局は、チャネル３１．１、及びサブチャネル３１．２、３１．３などで放送を行うことができる。

【0021】

図２に、テレビコンテンツ及び放送局アプリケーションにアクセスするように構成された例示的な受信装置２００を示す。受信装置２００は、テレビ受像機又はセットトップボックスなどの固定装置とすることができる。受信装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、ポータブルコンピュータ、又はテレビコンテンツを受信するように構成された他のいずれかの装置などのモバイル装置とすることもできる。さらに、受信装置２００は、車両、或いは上述した固定又はモバイル装置のうちのいずれかに組み込まれた又は別様に接続されたＤＴＶ受信機を含むことができる。

【0022】

受信装置２００は、１又は２以上のサービスプロバイダ１０２からデータストリーム（例えば、放送ストリーム）を受け取るように構成された受信回路と、受信装置２００の様々な機能を実行するように構成された処理回路とを含む。１つの実施形態では、チューナ／復調器２０２が、放送ストリームを含む放送排出物（ｂｒｏａｄｃａｓｔ ｅｍｉｓｓｉｏｎｓ）を受け取る。これに代えて又はこれに加えて、受信装置２００は、実施形態によってはケーブルテレビ送信又は衛星放送を受信するように構成することもできる。チューナ／復調器２０２は、デマルチプレクサ２０４によって多重分離できる、又はミドルウェアによって処理されてオーディオ及び／ビデオ（Ａ／Ｖ）ストリームに分離できるデータストリームを受信する。図２では、チューナ／復調器が受信装置に含まれているが、他の実施形態では、チューナ／復調器２０２が、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）ポートを介して受信装置に接続する外部ハードウェア装置である。オーディオはオーディオデコーダ２１０によって復号され、ビデオはビデオデコーダ２１４によって復号される。さらに、利用可能な場合には非圧縮Ａ／Ｖインターフェイス（例えば、ＨＤＭＩインターフェイス）を介して非圧縮Ａ／Ｖデータを受け取ることもできる。

【0023】

一般に、受信装置２００は、１又は２以上のバス（例えば、バス２５０）を介してワーキングメモリ２４０、プログラムメモリ２４２及びグラフィクスサブシステム２４４に結合されたＣＰＵ２３８などの少なくとも１つのプロセッサの制御下で動作する。グラフィクスサブシステム２４４によって出力されたグラフィクスは、ビデオディスプレイ上での表示に適した出力を生成する合成器及びビデオインターフェイス２６０によってビデオ画像と合成される。デマルチプレクサ２０４及びＣＰＵ２３８は、サービスリストテーブル（ＳＬＴ）などの他の低水準シグナリング（ＬＬＳ）テーブル、リンクマッピングテーブル（ＬＭＴ）などのリンク層テーブル、クローズドキャプション（ＣＣ）データ、ＥＰＧデータ、セキュリティ情報、又はＡＴＳＣ３．０サービスを提供してこれにアクセスするために使用される他のいずれかのデータを転送し合うことができる。

【0024】

ＣＰＵ２３８は、例えばプログラムメモリ２４２に記憶されたＨＴＭＬ５ユーザエージェントを使用する放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５アプリケーション）に含まれるスクリプトオブジェクト（制御オブジェクト）、及び１又は２以上のネイティブ放送局アプリケーションなどの他のタイプの放送局アプリケーションを実行することを含む、受信装置２００の機能を実行するように動作する。ここでのＨＴＭＬ５は、ＨＴＭＬマークアップ、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ、グラフィクス、提示可能メディア、及び２０１７年１２月１８日付のＡＴＳＣ標準Ａ／３４４－ＡＴＳＣ３．０双方向コンテンツ（ＡＴＳＣ３．０ Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｖｅ Ｃｏｎｔｅｎｔ）（以下、ＡＴＳＣ Ａ／３４４標準）に指定されるようなＣＳＳから成るコンテンツを意味し、この標準はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。さらに、放送局アプリケーションは、Ｅｎｔｒｙ Ｐａｇｅとして知られているＨＴＭＬ５文書及びその他のＨＴＭＬ５、ＣＳＳ、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ、この文書が直接的又は間接的に参照する画像及びマルチメディアリソースを含む一群のファイルにおいて具体化される機能を組み込むことができ、ＡＴＳＣ３．０サービスではこれらが全て放送局によって提供される。

【0025】

１つの実施形態では、放送局アプリケーションを構成する一群のファイルを、例えば２０１７年１２月６日付のＡＴＳＣ標準Ａ／３３１－シグナリング、配信、同期及び誤り保護（Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ， Ｄｅｌｉｖｅｒｙ， Ｓｙｎｃｈｒｏｎｉｚａｔｉｏｎ， ａｎｄ Ｅｒｒｏｒ Ｐｒｏｔｅｃｔｉｏｎ）に記載されているＲＯＵＴＥプロトコルを介して放送を通じてパッケージとして配信することができ、この標準はその全体が引用により組み入れられる。Ａ／３４４標準には、例示的な放送局アプリケーションフレームワークが記載されている。

【0026】

いくつかの実施形態では、ＣＰＵ２３８を受信装置２００のリソースのうちのいずれか１つ又はこれらの組み合わせに結合して、１又は２以上の機能の制御を集中化させることができる。１つの実施形態では、ＣＰＵ２３８が、チューナ／復調器２０２及びその他のテレビリソースを含む受信装置２００の制御を監視するようにも動作する。

【0027】

図３に、受信装置２００のよりプロセッサ中心的な図を示す。メモリ２４０及び２４２は、集合的にメモリ３１０として示す。さらに、プロセッサ３００は、ＣＰＵ２３８などの１又は２以上のプロセッシングユニットを含む。同様に、最初にデジタルテレビ信号を処理する様々な復調器、デコーダなども、集合的にテレビ受信機／チューナ３２０として示す。受信装置２００は、リモコン受信機インターフェイス３４０と通信するリモコン装置３６０をさらに含む。また、ディスプレイ３５０は、例えば非圧縮Ａ／Ｖインターフェイス及び／又は合成器２６０を含むディスプレイインターフェイス３３０に接続され、テレビ受像機として受信装置２００に一体化されたディスプレイであり、又は受信装置２００がセットトップボックスに統合されている場合には接続ディスプレイ装置である。

【0028】

メモリ３１０は、様々な機能的プログラムモジュール及びデータを含む。メモリ３１０は、受信装置２００によって使用されるデータを記憶する。受信装置２００内のメモリ３１０は、ディスクストレージ形態と、例えばネットワークメモリデバイス、磁気記憶要素、磁気光学記憶要素、フラッシュメモリ、コアメモリ及び／又はその他の不揮発性ストレージ技術を含む非一時的記憶装置などの他の形態のストレージとを使用して実装することができる。「非一時的」という用語は、データストレージの永続性の限定（例えば、ＲＡＭ対ＲＯＭ）とは対照的に、媒体自体の限定（すなわち、有形の、信号ではないもの）である。

【0029】

メモリ３１０は、テレビコンテンツの視聴を可能にするテレビ受信機アプリケーション３１１（例えば、ＡＴＳＣ３．０受信機アプリケーション）を含む。メモリ３１０には、放送局アプリケーション３１６ａ及びネイティブ放送局アプリケーション３１６ｂの両方が記憶される。放送局アプリケーション３１６ａは、放送ストリームに含まれるＨＴＭＬ５アプリケーションとすることができる。ネイティブ放送局アプリケーション３１６ｂは、受信装置２００と共に提供することも、又は後の時点でインストール（例えば、Ａｐｐストアからダウンロード）することもできる。放送局アプリケーション３１６ａ及びネイティブ放送局３１６ｂは、プロセッサ３００によって実行される。さらに、これらのアプリケーションは、後で検索できるようにメモリ３１０に記憶されている代替コンテンツ３１８を取得するように受信装置２００を制御することをプロセッサ３００に行わせることができる。別の実施形態では、プロセッサ３００が、提示時に受信装置２００に代替コンテンツ３１８を検索又はストリーミングさせる。

【0030】

いくつかの実施形態では、ＡＴＳＣ３．０サービスを、ライブストリーミングビデオを伴わない双方向型放送局アプリケーションにすぎないものとして規定することができる。このようなサービスは、ＯＴＴコンテンツへのアクセスを提供し、或いは電子番組ガイド又は他のいずれかの関心情報とすることができる。特に有用なサービスは、最近の又は進行中の緊急警報に関する情報を提供するＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションなどの放送局アプリケーションである。しかしながら、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションなどの放送局アプリケーションは、本質的にＨＴＭＬ５環境自体によって制限される。

【0031】

ＡＴＳＣ３．０標準は、放送局のアプリケーションが特定のＴＶ関連機能（サービス選択など）を実行することを可能にする新たなＡＰＩを規定するが、放送局アプリケーションは、この標準で規定される特定の機能を利用することができない。本開示の実施形態は、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションなどの放送局アプリケーションがアクセスできないハードウェア及び装置固有の機能にアクセスできるネイティブ放送局アプリケーションに関する。１つの実施形態では、ネイティブ放送局アプリケーションが、Ａｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステム上での実行のためにダウンロードされる、Ａｐｐストアから利用できるアプリケーションである。当業者であれば理解するように、Ａｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムは説明目的で示すものであり、本開示は、ｉＯＳ、ＭＡＣ ＯＳ、Ｗｉｎｄｏｗｓ、Ｌｉｎｕｘ又はＴｉｚｅｎなどの、当業者に周知のあらゆるオペレーティングシステムを含むことができる。

【0032】

ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションなどの放送局アプリケーションは、ネイティブ放送局アプリケーション（例えば、Ａｎｄｒｏｉｄアプリケーション）が有していないことがある制限を有する。例えば、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、より厳しい環境保護に起因して、４Ｋハイダイナミックレンジ（ＨＤＲ）などの特定の高価値コンテンツにアクセスする能力を有していない場合がある。ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、描画のためにＡｎｄｒｏｉｄ図形要素にアクセスすることができない。ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、タブレット又はスマートフォン環境でタッチ画面ジェスチャを使用する能力を有していない。ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、ジオロケーション、キーチェーン、フォトライブラリ、加速度計及び装置カメラなどの、Ａｎｄｒｏｉｄが供給する装置固有の特徴にアクセスする能力を有していない。いくつかの例では、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションが、有料機能（ｐａｙ－ｔｏ－ｕｓｅ ｆｕｎｃｔｉｏｎａｌｉｔｙ）を追加する能力、又は電子商取引にアクセスする能力を有していない。ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、ローカルメモリリソースへのアクセスが保証されていない。ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、Ａｎｄｒｏｉｄ装置のユーザによって設定されたアカウントにアクセスすることができない。ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、電子メール、メッセージング又はＦａｃｅｂｏｏｋなどの他のアプリケーションへのリンクを提供することができない。ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、ローカルユーザ選択にアクセスすることができない。ネイティブアプリケーションとは異なり、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーションは、特定の事象の発生時にユーザに通知する許可の要求及び受信を行うことができない。従って、本開示の実施形態は、放送局のサービスを介して取得できる放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーション）と連動するネイティブ放送局アプリケーションを提供する。次に、一例としてＡｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムを使用するネイティブ放送局アプリケーションの基本コンポーネントについて説明する。

【0033】

図４は、Ａｎｄｒｏｉｄプラットフォームなどのオペレーティングシステムプラットフォームのためのネイティブ放送局アプリケーション４００の基本アーキテクチャの図である。例えば、Ａｎｄｒｏｉｄプラットフォーム上のネイティブ放送局アプリケーションは、アクティビティ４０１、サービス４０３、「放送」受信機４０５及びコンテンツプロバイダ４０７という４つのタイプのコンポーネントの中から構築することができる。Ａｎｄｒｏｉｄプラットフォームの文脈では、「放送」という用語は、地上波テレビ放送の概念ではなく、Ａｎｄｒｏｉｄプラットフォーム／装置上で動作するアプリケーションが利用できる情報を意味する。いくつかの実施形態では、ネイティブ放送局アプリケーション４００を、既にＡＴＳＣ３．０の能力を含む受信装置などの装置、又はスマートフォン又はタブレットなどのユーザのＡｎｄｒｏｉｄ装置にＡｐｐストアからダウンロードされるアプリケーションとすることができる。

【0034】

アクティビティ４０１は、ユーザインターフェイスを含む単一の画面を表す、ユーザインタラクションの入り口点である。アクティビティ４０１は、ネイティブ放送局アプリケーション４００の正しい動作を保証するために必要な情報をシステム４５０に伝えることができる。アクティビティ４０１は、（ｉ）オペレーティングシステム（例えば、Ａｎｄｒｏｉｄ ＯＳ）が関連するプロセスを実行状態に保つことができるように、現在ユーザが使用しているものを追跡すること、（ｉｉ）オペレーティングシステムが関連するプロセスを手元に置いておくことを優先できるように、ユーザが関心を持っている可能性があるが現在停止している活動を追跡すること、（ｉｉｉ）ネイティブ放送局アプリケーション４００が停止又は終了した場合にユーザが中断した活動に戻れるように、ネイティブ放送局アプリケーション４００がアプリケーションの状態記録を維持するのを支援すること、及び（ｉｖ）ネイティブ放送局アプリケーション４００が他のアプリケーションとの間で情報フローを実行する方法を提供することに関与することができる。

【0035】

サービス４０３は、ネイティブ放送局アプリケーション４００の進行中の動作を実行するためにバックグラウンドで動作できるコンポーネントである。サービス４０３は、一般にネイティブ放送局アプリケーション４００にバックグラウンドで動作させ続けるために使用される入り口点とすることができる。サービス４０３は、遠隔プロセスのための作業を実行することもできる。サービス４０３は、ユーザインターフェイスを提供しない。アクティビティ４０１などの他のコンポーネントは、サービス４０３を開始して動作させ、或いはサービス４０３に結合して相互作用することができる。音楽再生などのいくつかのサービス４０３は、ユーザが気付いており、従って実行し続けたいと望む何かに関与する。他のサービスは、ＯＳが（例えば、メモリを空けるために）これらのサイレントサービス（ｓｉｌｅｎｔ ｓｅｒｖｉｃｅｓ）を終了したことをユーザが通知しない場合には静かに動作することができる。

【0036】

サービス４０３は、このサービス４０３を活用したい旨を示したネイティブ放送局アプリケーション４００に結合することができる。ＯＳは、このネイティブ放送局アプリケーション４００とサービス４０３との間の依存関係に関する情報を利用して、ネイティブ放送局アプリケーション４００及びサービス４０３に関連するプロセスを管理することができる。

【0037】

放送受信機４０５コンポーネントは、（例えば、ネイティブ放送局アプリケーション４００との通常のユーザインタラクションを除き）システム４５０がシステム全体にわたってネイティブ放送局アプリケーション４００にイベントを配信することを可能にすることができる。システム全体にわたる通知例は、バッテリレベルの低下又はカメラから写真が取り込まれたことを知らせる通知である。

【0038】

コンテンツプロバイダ４０７は、Ａｎｄｒｏｉｄファイルシステム内、データベース内、ウェブ上又は他のいずれかのアクセス可能な永続的記憶位置に記憶できる、共有される一連のアプリケーションデータを管理することができる。他のアプリケーションは、コンテンツプロバイダ４０７によって許可されている場合、データの問い合わせ又は修正を行うことができる。

【0039】

図５は、ネイティブ放送局アプリケーション５００と関連するアクティビティ及びサービスとの間の関係を示す図である。図５に示すように、ネイティブ放送局アプリケーション５００は、（ユーザインターフェイスを伴う）アクティビティ５０１に関連することも又はしないこともできる。ネイティブ放送局アプリケーション５００は、サービス５０３（又は放送受信機、又はコンテンツプロバイダ）に関連することも又はしないこともできる。一般に、アクティビティ５０１は、（例えば、何か見えるものを表示し、或いはキーの押下又はジェスチャなどの何らかのユーザ入力を受け入れる）ユーザインターフェイスを伴う。

【0040】

本開示の実施形態は、ＡＴＳＣ３．０サービスのためのテレビ受信機アプリケーションを提供する。いくつかの実施形態では、テレビ受信機アプリケーションが、Ａｎｄｒｏｉｄ ＯＳの上位に構築された、ＤＴＶ受信機内に実装されるネイティブＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションである。テレビ受信機アプリケーションは、受信機がオンになった時に自動的に起動することができ、ユーザに見えるものを何も表示していない時であってもバックグラウンドで動作することができる。テレビ受信機アプリケーションは、Ｃ／Ｃ＋＋などの高水準プログラミング言語で書いてテレビのハードウェア環境のためにコンパイルすることができ、或いはＡｎｄｒｏｉｄオペレーティングシステムを実行する他のハードウェア（タブレット、電話、又はセットトップボックスなど）への移植性を良好にするためにＪａｖａプログラミング言語で書くことができる。

【0041】

図６は、ＡＴＳＣ３．０ＤＴＶ受信機６００の実施形態のブロック図である。テレビ受信機アプリケーション６０３は、関連するアクティビティコンポーネント６０１を含む。ユーザが「ＴＶ」入力を選択することによって、又はアプリトレイから「ＡＴＳＣ３．０ＴＶ」アイコン６０２を選択することによって受信機内のＡＴＳＣ３．０ＴＶ機能を作動させると、アクティビティコンポーネント６０１が起動する。テレビ受信機アプリケーション６０３は、この時までに既に動作しており、チューナ６０５によってチューニングされたあらゆるＲＦチャネルからＩＰパケットを収集し終えている予定である。テレビ受信機アプリケーションは、既に放送からオーディオ、ビデオ及びキャプションパケットを検索し始めて、これらを復号及びレンダリングのためにそのメディアプレーヤ６１３（例えば、ＥｘｏＰｌａｙｅｒ）に送信し終えていることができる。メディアプレーヤ６１３は、Ａｎｄｒｏｉｄのためのアプリケーションレベルメディアプレーヤとすることができる。メディアプレーヤ６１３は、例えばＤｙｎａｍｉｃ Ａｄａｐｔｉｖｅ Ｓｔｒｅａｍｉｎｇ ｏｖｅｒ ＨＴＴＰ（ＤＡＳＨ）及びＣｏｍｍｏｎ Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎをサポートするように構成することができる。

【0042】

アクティビティコンポーネント６０１は、リモコン装置（ＲＣＵ）からのユーザ入力を受け入れて（例えば）チャネルの変更又は選択をサポートすることができる。図の「ｔｕｎｅ（）」機能はこの動作を反映する。いくつかの実施形態では、アクティビティコンポーネント６０１が、サービスに関連するビデオのビュー（例えば、「プレーヤサーフェス」）をユーザに与える２つの画面と、放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーション）が生成できるいずれかのオーバレイ（例えば、「オーバレイサーフェス」）とを形成することができる。プレーヤサーフェスは、メディアプレーヤ６１３が取り扱うことができ、オーバレイサーフェスは、ウェブビュー６１５が取り扱うことができる。

【0043】

図６では、チューナ６０５が、ＡＴＳＣ３．０放送信号にチューニングしてこれを復調し、ＡＬＰ－ＩＰコンバータ６２１にストリーミングする一連のＡＴＳＣ３．０リンク層プロトコル（ＡＬＰ）パケットを生成できる、ＡＴＳＣ３．０ＤＴＶ受信機６００内のハードウェア装置である。いくつかの実施形態では、受信機６００が、さらなるチューナ機能を提供するためにチューナ６０５が接続するＵＳＢポートを有する電子装置（例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、テレビなど）である。ＵＳＢ接続は、ＵＳＢ２．０又はＵＳＢ３．０とすることができる。いくつかの実施形態では、既存の電子装置との高い互換性を保証するためにＵＳＢ２．０が使用される。テレビ受信機アプリケーションは、起動するとＵｓｂＭａｎａｇｅｒ Ａｎｄｒｏｉｄ Ｃｌａｓｓ６２３を使用することができる。

【0044】

テレビ受信機アプリケーション６０３は、放送、ＯＴＴ及びストリーミングビデオ、並びにオーディオ及びクローズドキャプションデータのレンダリング及び表示を可能にする機能を提供することができる。さらに、テレビ受信機アプリケーション６０３は、放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５アプリケーション）を実行できるようにする「ランタイム環境」をサポートすることができる。標準的ウェブブラウザによってサポートされる機能に加え、ウェブソケットプロトコルを通じて追加機能を組み込むこともできる。Ａ／３４４標準で指定されるウェブソケットＡＰＩは、数ある中でも特に、チューニング機能へのアクセス、メモリ管理、放送局アプリケーションと受信機のメディアプレーヤ（ＲＭＰ）との間の相互作用を含む能力のサポートを追加する。

【0045】

いくつかの実施形態では、放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーション）が、双方向性をもたらすように、或いは例えばユーザによるサービスの使用をモニタするためにバックグラウンドで動作するように、通常のストリーミング放送テレビサービスの付属物として放送局によって提供される。さらに、放送局は、このサービスに関連する放送局アプリケーションの出力として提示されるサービスタイプを定めることもできる。Ａ／３４４標準の双方向コンテンツ仕様をサポートしていないＡＴＳＣ３．０受信機は、このようなサービスを提供しないこともある。

【0046】

図７ａ及び図７ｂに、受信機のメディアプレーヤを使用してレンダリングされた放送局アプリケーションの実施形態を示す。ビデオ７０１は、図７ａのようにメディアプレーヤウィンドウ全体にわたって表示することも、或いは図７ｂのようにメディアプレーヤウィンドウの縮小部分内にスケーリングして配置することもできる。放送局アプリケーションは、例えばＨＴＭＬ５を使用して、図７ａのようにメディアプレーヤウィンドウ全体にマッピングできるグラフィック表示７０３を生成することも、或いは図７ｂのようにメディアプレーヤの位置及び寸法である埋め込みバックグラウンドウィンドウを含むグラフィック表示を生成することもできる。いずれの場合にも、放送局アプリケーションは複合表示７０５を形成することができる。

【0047】

図８に、特定の放送局によって開発されたネイティブ放送局Ａｎｄｒｏｉｄアプリケーション例を示す。この例では、放送局をＺＴＶとして指定し、放送局のネイティブ放送局アプリケーションを「ＺＴＶナウ」と呼ぶ。放送局アプリケーションは、放送局のコンテンツと共にダウンロードしてテレビ受信機アプリケーション内で実行できるのに対し、ネイティブ放送局アプリケーションは、ユーザによってダウンロードされインストールされた後にＤＴＶ受信機内に存在する（例えば、プレイストアからダウンロードされインストールされるＡｎｄｒｏｉｄアプリ）。別の例では、ＤＴＶ受信機のメーカーがネイティブ放送局アプリケーションを予めインストールすることもできる。放送局アプリケーションは、ユーザが異なるテレビサービスに変更した時に受信機によって削除される場合があるので、ネイティブ放送局アプリケーションは、放送局アプリケーションよりもＤＴＶ受信機内に長く存在し続けることができる。

【0048】

いくつかの実施形態では、例えばＡＴＳＣ３．０ＴＶ、Ｎｅｔｆｌｉｘ、ＰｒｉｍｅＶｉｄｅｏなどのアイコンと共にアプリケーショントレイ内に出現するネイティブ放送局アプリケーションを表すアイコンを作動させることによって、ネイティブ放送局アプリケーションを起動することができる。ネイティブ放送局アプリケーションは、ユーザがこのアイコンをクリックした場合に起動する。いくつかの実施形態では、この放送局のＡＴＳＣ３．０サービスのうちの１つと共に配布される放送局アプリケーション（例えば、ＨＴＭＬ５ウェブアプリケーション）によってネイティブ放送局アプリケーションを自動的に起動することができる。

【0049】

テレビ受信機アプリケーション６０３は、アクティビティがユーザインタラクション又は表示面を全く形成していない場合であってもバックグラウンドで動作することができる。この例では、テレビ受信機アプリケーションがＺＴＶ ＡＴＳＣ３．０テレビサービスにチューニングされ、このサービスが放送局アプリケーション（例えば、ＺＴＶナウＨＴＭＬ５アプリケーション８１７）を付属物として提供する。放送局アプリケーションは、例えばＷｅｂＶｉｅｗ６１５を使用してＨＴＭＬ５を解釈するので、ユーザ体験を形成することができる。

【0050】

図８を参照すると、「ＺＴＶナウ」と呼ばれるＺＴＶネイティブ放送局アプリケーションが存在し、このアプリは、起動してシステム内で表示優先権を得ると、ユーザがこのアプリと相互作用することを可能にするアクティビティ８０１を供給する。ＺＴＶナウアプリは、２つの方法のうちの一方で起動することができる。ユーザは、（Ｎｅｔｆｌｉｘ、Ｐｒｉｍｅ Ｖｉｄｅｏ、ＨＢＯ Ｇｏなどの他のアプリ選択と同時に）アプリケーショントレイ内でＺＴＶナウアプリアイコン８０２を発見し、選択して起動することができる。或いは、ＺＴＶナウアプリケーションは、例えばＤＴＶメーカーと放送局（ＺＴＶ）との間で合意されたようなカスタムＡＰＩを使用して、ＺＴＶ放送局アプリケーションによって起動することもできる。後述するように、カスタムＡＰＩは、放送局アプリケーションとネイティブ放送局アプリケーションとの間の共有を行う追加機能及び情報を含むことができる。

【0051】

ネイティブ放送局アプリケーションは、主導権を得た後に、テキスト、グラフィクス又はビデオをレンダリングすべき１又は２以上のサーフェスを提供することによってユーザ体験を形成することができる。ビデオサーフェスを形成して、これをテレビ受信機アプリケーション６０３によって作成されたビデオ又は画像に接続することも、或いはテレビ受信機アプリケーション６０３によってレンダリングされたフルスクリーンビデオ及びオーディオコンテンツをネイティブ放送局アプリケーションの制御下でサーフェス上に表示することもできる。また、ネイティブ放送局アプリケーションは、ビデオサーフェス上でテキスト及びグラフィクスがオーバレイされるオーバレイサーフェスを提供することもできる。

【0052】

ＺＴＶナウネイティブ放送局アプリケーションの実装例は、ライブ（チューナを介した放送ストリーミング）コンテンツ及びオーバーザトップ（ブロードバンド配信）コンテンツの両方のＺＴＶテレビコンテンツの考えられるソースの提示を体系化するためのものである。ＺＴＶテレビサービスを放送するＡＴＳＣ３．０放送チャネルにチューナ６０５がたまたま又は普通にチューニングされると、テレビ受信機アプリケーションを通じて受け取られたライブビデオを含むことができる利用可能なコンテンツのサムネイルビューをユーザに提示することができる。ユーザは、異なるＺＴＶの提案間をナビゲートすることができ、１つの又は別の選択を行うと、ネイティブ放送局アプリケーションは、選択されたコンテンツをフルスクリーンでレンダリングし始めることができる。

【0053】

提案されるＯＴＴコンテンツは、現在放送されていない番組の放映分を視聴する機会をユーザに提供する、ＤＴＶのインターネット接続を通じて配信されるビデオオンデマンド（ＶＯＤ）コンテンツとすることができる。さらに、利用可能なＯＴＴコンテンツは、ＺＴＶとのアカウントを設定して所望の番組を視聴する（又は、一定期間にわたってレンタルする）権利に対する支払いを行うようにユーザに求めるタイトルを含むこともできる。時として、無線で放送されるコンテンツは容易にコピーされて海賊版が作成される恐れがあるので、映画スタジオは、セキュリティ上の理由でペイパービューでしか利用できない（４Ｋ ＨＤＲバージョンのコンテンツなどの）特定の高価値コンテンツを制作することができる。

【0054】

いくつかの実施形態では、図８に示す専用ＡＰＩが、テレビ受信機アプリケーションを介して実装されたＤＴＶ受信機内にネイティブ放送局アプリケーションが存在する環境をサポートするように設計される。

【0055】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、関心のあるＡＴＳＣ３．０サービスがある場合にどのＡＴＳＣ３．０サービスが直ぐにレンダリング可能であるかをネイティブ放送局アプリケーションがテレビ受信機アプリケーションに問い合わせることによって特定することを可能にする。ネイティブ放送局アプリケーションを供給した放送局に関連する１又は２以上のサービスを伝えるＡＴＳＣ３．０放送排出物にチューナ６０５がアクセスした場合、ネイティブ放送局アプリケーションは、テレビ受信機アプリケーションに、これらのサービスからサムネイルビュー又はフルスクリーン（通常のＴＶ）ビューとしてビデオを表示することを可能にするように求めることができる。

【0056】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、放送局に関連する所与のＡＴＳＣ３．０サービスにチューニングして選択するようにネイティブ放送局アプリケーションがテレビ受信機アプリケーションに求めることを可能にする。

【0057】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、利用可能なサービスのサムネイルビューをどのフォーマットで提供できるかをネイティブ放送局アプリケーションに特定させる。後述するように、サムネイルビューをレンダリングできる方法は複数考えられる。

【0058】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、ネイティブ放送局アプリケーションが放送局アプリケーションにあらゆる可視的動作（例えば、テキスト／グラフィクスの提示）を中断させることによって、ネイティブ放送局アプリケーションがこれらの責任を一手に引き受けることを可能にする。１つのシナリオでは、放送局アプリケーションが、ネイティブ放送局アプリケーションが実行するためのタスクを割り当て又は実行することができる。例えば、放送局アプリケーションがアクセスできずにネイティブアプリケーションがアクセスできる情報又はこのような機能へのアクセスを放送局アプリケーションが必要とする場合、放送局は、放送局アプリケーションが実行すべき必要な情報又は機能を識別することができる。１つの実施形態では、放送アプリケーションが、ネイティブアプリケーションが実行すべき機能又は検索すべき情報を決定するために使用する一意の識別子（例えば、コンテンツ識別子）を提供することができる。例えば、放送局がユーザの加入者アカウントにアクセスしたいと望む場合、放送局アプリケーションは、一般にこの種の情報にアクセスすることができないので、ネイティブ放送局アプリケーションにユーザの加入者アカウントから適切な情報を検索して放送局アプリケーションに提供させるコマンド又はその他の指示をネイティブ放送局アプリケーションに送信することができる。このシナリオでは、ネイティブ放送局アプリケーションが別のタスクを実行している間に、放送局アプリケーションが他のタスクを実行することができる。

【0059】

別のシナリオでは、ネイティブ放送局アプリケーションが放送局アプリケーションに取って代わるべきであると判定された時に、放送局アプリケーションを活動状態から一時停止状態又は受動的状態に移行させることができる。この例では、ネイティブ放送局アプリケーションが単独で実行できたはずの１又は２以上のタスクを実行している間に、放送局アプリケーションが一切のタスクを実行しないことができる。さらに、ＡＰＩは、ユーザに放送局アプリケーションを介してサービスと相互作用させる動作を継続するようにネイティブ放送局アプリケーションが放送局アプリケーションに命令することを可能にすることができる。放送局アプリケーションは、ＡＰＩを介してネイティブ放送局アプリケーションから命令を受け取ると、一時停止状態又は受動的状態から活動状態に戻ることができる。

【0060】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、ネイティブ放送局アプリケーションが放送局アプリケーションとの間でいずれかの任意のデータを伝えることを可能にする。ＡＰＩは、ネイティブ放送局アプリケーションと放送局アプリケーションとの間で受け渡されたコンテンツ及びデータフォーマットの知識を有しておらず、むしろこれらのアプリケーション間の通信経路を提供することができる。ネイティブ放送局アプリケーション及び放送局アプリケーションは、いずれも同じ放送局が開発して展開することができるので、放送局は、この通信に使用したいと望むデータ構造を設計する柔軟性を有する。Ａｎｄｒｏｉｄ環境におけるこの通信経路の実装例は、Ａｎｄｒｏｉｄ Ｐａｒｃｅｌ Ｃｌａｓｓ機構を使用するものである。Ｐａｒｃｅｌオブジェクト内に含まれるオブジェクトデータは、例えばＪＳＯＮ（ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ Ｏｂｊｅｃｔ Ｎｏｔａｔｉｏｎ）としてフォーマットすることができる。

【0061】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、ネイティブ放送局アプリケーションが異なる（例えば、置換用）放送局アプリケーションをロードして、テレビ受信機アプリケーションに放送コンテンツと共にダウンロードされた放送局アプリケーションの代わりに異なる放送局アプリケーションを使用させることを可能にする。ＡＰＩは、異なる放送局アプリケーションを検索するために使用すべきＵＲＬをテレビ受信機アプリケーションに提供することができる。異なる放送局アプリケーションは、ネイティブアプリケーションと協調して機能を実行する方が適しているのに対し、オリジナル放送局アプリケーションは、単独で機能する方が適している。

【0062】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、放送局アプリケーションがネイティブ放送局アプリケーションに置き換えられる際にシームレスな切り替えを提供する。例えば、ネイティブ放送局アプリケーションが放送局アプリケーションの動作を引き継ぐ場合、ユーザにはいずれかの既存のユーザインターフェイス又は表示されたサービスの変化が一切見えない。

【0063】

ネイティブ放送局アプリケーションと放送局アプリケーションとの間の双方向通信インターフェイスの利用可能性は、放送局が実行しておきたいと望む様々な動作の取り扱いに大きな柔軟性をもたらす。１つの例として、放送局アプリケーションは、Ａ／３４４標準に記載され規定されているＸＬｉｎｋベースの方法及びＷｅｂ Ｓｏｃｋｅｔ ＡＰＩを介した個別広告置換（ｐｅｒｓｏｎａｌｉｚｅｄ ａｄ ｒｅｐｌａｃｅｍｅｎｔ）を単独で実行することができる。ネイティブ放送局アプリケーションが利用可能である場合、放送局アプリケーションは、広告置換については実行し続けることができるが、解明（例えば、割り当てタスク）のために受け取る各ＸＬｉｎｋについてはネイティブ放送局アプリケーションに受け渡すことができる。ネイティブ放送局アプリケーションは、放送局アプリケーションから受け取った情報を、異なるロジックを使用して解明することができる。例えば、ネイティブ放送局アプリケーションは、放送局アプリケーションに比べてユーザに関するより個人的な情報（例えば、ジオロケーション、ユーザ選択など）にアクセスすることができるので、放送局アプリケーションから受け取られた情報を放送局アプリケーションとは異なる形で、又はより適切に解明することができる。

【0064】

１つの実施形態では、テレビ受信機アプリケーションとネイティブ放送局アプリケーションとの間のインターフェイス（例えば、ＡＰＩ）を提供できることによって、（ｉ）ＤＴＶサービスに関する情報が選択又はレンダリングのために利用可能になり、（ｉｉ）ネイティブ放送局アプリケーションが利用可能なサービスのサムネイルビューをレンダリングできるようになり、（ｉｉｉ）放送局アプリケーションとネイティブ放送局アプリケーションとの間で通信するために放送局が使用できる汎用通信経路が利用可能になり、（ｉｖ）特定のネイティブ放送局アプリケーションの存在に関して放送局アプリケーションがＡＴＳＣ３．０受信機に問い合わせる能力を有するようになり、（ｖ）放送局アプリケーションが特定のネイティブ放送局アプリケーションを起動させる能力を有するようになる。

【0065】

いくつかの実施形態では、放送局のネイティブ放送局アプリケーションが、ＤＴＶ受信機が利用できる複数のサービスから、ネイティブ放送局アプリケーションが指定するサイズ及び位置の矩形ウィンドウ内に（例えば、脱落フレームのない）最大フルフレームレートのフレームレートでサムネイルフォーマットでライブビデオをレンダリングする能力を有する。図９に、サムネイル画像を表示するネイティブ放送局アプリケーションのユーザインターフェイス例を示す。このネイティブ放送局アプリケーション例では、ＺＴＶのユーザインターフェイス９０１が、現在テレビ受信機アプリケーションから利用可能な３つのＺＴＶ放送サービスのサムネイルビューをユーザに提供し、これらのサムネイルビューは、ＺＴＶアイコン９１１の選択時に表示されるＷＶＥＮ－ＴＶ９３１、９３３、９３５という３つのサブチャネルの各々にそれぞれ対応する。当業者であれば理解するように、図９は一例にすぎず、例えば現在時刻、サムネイルとして示される現在の各番組名、３つの局で利用可能な各番組の概要、ニュース速報付きバナーなどのさらに多くの情報を提供することもできる。

【0066】

ユーザが「オンデマンドコンテンツ」９１１を選択した場合には、ストリーミングに利用できるオンデマンドタイトルを示すテキスト及び画像と共に新たなフルスクリーン双方向画面を表示することができる。ユーザが「番組スケジュール」９２１を選択した場合には、ＺＴＶ放送局で利用できる現在の及び将来の番組を示すフルスクリーン番組ガイドを表示することができる。

【0067】

各サムネイル内に表示されるビデオは、バックグラウンドでこれらの各サブチャネルからシグナリング及び圧縮ストリーミングオーディオ／ビデオ／キャプションデータを収集できるテレビ受信機アプリケーションの支援を通じて有効にすることができる。

【0068】

いくつかの実施形態では、ネイティブ放送局アプリケーションによって表示できるサムネイルビデオ画像をテレビ受信機アプリケーションからネイティブ放送局アプリケーションに伝達して、複数の方法のうちの１つでフォーマットすることができる。

【0069】

いくつかの実施形態では、サムネイルビデオ画像を一連のＪＰＥＧ画像としてフォーマットすることができる。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、受信機自体に対してローカルなサーバに帰着するＵＲＬを（ＡＰＩを介して）提供することができる。ネイティブ放送局アプリケーションは、このＵＲＬからサムネイルとして表示するためのビデオ画像をフェッチすることができる。テレビ受信機アプリケーションは、この画像を継続的にアップデートすることができ、ビデオストリーム内で別のビデオアクセスポイント（例えば、「Ｉフレーム」）に出くわした時には必ずファイルを新しいファイルに置き換える。このＵＲＬが、ＨＴＴＰヘッダ情報に含まれるシーケンス番号を通じて（例えば、「ｆｒａｍｅ．ｊｐｇ」）として指定できる）１つのＪＰＥＧファイルを示している間、ネイティブ放送局アプリケーションは、利用可能な画像が新たなフレームを表すかどうかを判定することができる。或いは、ネイティブ放送局アプリケーションはファイル要求を行うこともでき、新たなフレームが利用可能でない場合には、新たなフレームが利用可能になるまで、要求されたＪＰＥＧでの応答を見合わせることができる。

【0070】

いくつかの実施形態では、サムネイルビデオ画像を、テレビ受信機アプリケーションによってローカルに提供されるＤＡＳＨフォーマットとすることができる。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、受信機自体の内部に（例えば、ローカルホストの下位ディレクトリに）位置することができるＤＡＳＨサーバのＵＲＬを、専用ＡＰＩを介してネイティブ放送局アプリケーションに提供することができる。このようなＵＲＬが供給されると、ネイティブ放送局アプリケーションは、ＤＡＳＨメディア提示記述（ＤＡＳＨ Ｍｅｄｉａ Ｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｏｎ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ：ＭＰＤ）ファイルの名前を要求し、これを使用して各メディアコンポーネント（ビデオ、オーディオ、キャプション）の初期化ファイルの名前を決定し、各コンポーネントタイプの次の利用可能なＤＡＳＨ Ｍｅｄｉａ Ｓｅｇｍｅｎｔのファイル名を決定することができる。ＭＰＥＧ ＤＡＳＨ標準は、２０１４年５月付のＩＳＯ／ＩＥＣ２３００９－Ｉ：２０１４「情報技術－Ｄｙｎａｍｉｃ Ａｄａｐｔｉｖｅ Ｓｔｒｅａｍｉｎｇ ｏｖｅｒ ＨＴＴＰ（ＤＡＳＨ）－パート１：メディア提示記述及びセグメントフォーマット（Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ－ Ｄｙｎａｍｉｃ ａｄａｐｔｉｖｅ ｓｔｒｅａｍｉｎｇ ｏｖｅｒ ＨＴＴＰ （ＤＡＳＨ） － Ｐａｒｔ １： Ｍｅｄｉａ ｐｒｅｓｅｎｔａｔｉｏｎ ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ ａｎｄ ｓｅｇｍｅｎｔ ｆｏｒｍａｔｓ）」に開示されており、この内容は全体が引用により本明細書に組み入れられる。その後、ネイティブ放送局アプリケーションは、ライブストリーミングビデオコンテンツをフルフレームレートでレンダリングすることができる。

【0071】

いくつかの実施形態では、サムネイルビデオ画像をテレビ受信機アプリケーション内でレンダリングし、ネイティブ放送局アプリケーションによって供給されるサーフェス内に表示することができる。別の例として、テレビ受信機アプリケーションは、所与のＡＴＳＣ３．０放送排出内でアクセスできる全てのサービスから利用可能なビデオコンテンツをレンダリングするように設計することができる。ユーザによって選択されたサービスは、メディアプレーヤに接続されたＤＴＶ受信機内のハードウェアデコーダによってフルスクリーン及びフルフレームレートでレンダリングすることができる。このサービスに関連するオーディオも復号して出力することができる。（主な視聴のために選択されたサービスではない）他のサービスは、ソフトウェアで復号して、可視的表示面に関連することも又はしないこともできる表示バッファ内にレンダリングすることができる。ネイティブ放送局アプリケーションは、ネイティブ放送局アプリケーションによって表示のために形成されたサーフェスに専用ＡＰＩを介してこれらの表示バッファのいずれかを添付することができる。

【0072】

いくつかの実施形態では、ＡＰＩが、表示のために利用可能な関連するサービスの数と、ネイティブ放送局アプリケーションがこれらにアクセスして表示するために使用できるフォーマットとをネイティブ放送局アプリケーションに知らせることができる。

【0073】

ＤＴＶ受信機自体は、これらのテレビ受信機アプリケーションの能力の一部を活用することができる。一例として、ＤＴＶ受信機は、チューニングされた６ＭＨｚ放送チャネルで利用できる数多くのサービスの中で容易にユーザに行き来させる「ピクチャインピクチャ」（ＰｉＰ）機能を提供することができる。ＰｉＰウィンドウの代わりに、ＤＴＶリモコン上の「ＤＩＳＣＯＶＥＲ」ボタンに応答して他のサブチャネルのサムネイルビューを表示し、或いはこのようなサムネイルビューをメインチャネルビデオの表示の下端に沿ったバナーとして表示することもできる。

【0074】

図１０に、受信装置２００又はＤＴＶ受信機６００によって実行されるプロセスの実施形態を示す。図１０では、現在ネイティブ放送局アプリケーション及びテレビ受信機アプリケーションがいずれも実行しているものと想定する。このプロセスは、ネイティブ放送局アプリケーションが利用可能なサービスに関してＡＰＩを介してテレビ受信機アプリケーションに問い合わせるステップＳ１０００から開始することができる。

【0075】

プロセスはステップＳ１００２に進み、テレビ受信機アプリケーションが、ＡＰＩを介して（ｉ）利用可能なサービスの数、（ｉｉ）表示フォーマット及び（ｉｉｉ）コンテンツの位置で応答する。例えば、図９を参照すると、テレビ受信機アプリケーションは、視聴のために利用できるサービスが３つ（例えば、９３１、９３３及び９３５）存在することを指定することができる。テレビ受信機アプリケーションは、例えば上述したようなＪＰＥＧフォーマット、ＤＡＳＨフォーマット又はＡＴＳＣフォーマットなどの、これらのサービスの表示フォーマットをさらに示すことができる。また、テレビ受信機アプリケーションは、コンテンツの位置を指定することもできる。例えば、テレビ受信機アプリケーションが表示フォーマットをＤＡＳＨフォーマットとして指定した場合、テレビ受信機アプリケーションによる応答は、上述したようなＤＡＳＨサーバへのＵＲＬを含む。

【0076】

プロセスはステップＳ１００４に進み、ネイティブ放送局アプリケーションが各利用可能なサービスのビデオプレーヤサービスを作成する。例えば、図９を参照すると、ステップＳ１００２において視聴のために利用可能なサービスが３つ存在することをテレビ受信機アプリケーションがＡＰＩを介して示した場合、ネイティブ放送局アプリケーションは、９３１、９３３及び９３５のためのビデオサーフェスを作成する。また、ネイティブ放送局アプリケーションは、ユーザインターフェイス９０１を作成して、９１１、９１３及び９２１のために指定されたフィールドなどに追加情報を表示することもできる。

【0077】

プロセスはステップＳ１００６に進み、ネイティブ放送局アプリケーションが各利用可能なサービスのコンテンツを検索する。例えば、表示フォーマットがＤＡＳＨである場合、ネイティブ放送局アプリケーションは、テレビ受信機アプリケーションによって提供されたＵＲＬを使用して、ネイティブ放送局アプリケーションが作成した各ビデオサービスのコンテンツを検索する。

【0078】

プロセスはＳ１００８に進み、テレビ受信機アプリケーションがアップデートを利用できるかどうかを判定する。アップデートが利用可能でない場合、プロセスはステップＳ１００６に戻る。一方で、アップデートが利用可能である場合、プロセスはステップＳ１００８からステップＳ１０１０に進み、ネイティブ放送局アプリケーションが、テレビ受信機アプリケーションからのアップデートに従って１又は２以上のビデオプレーヤサービスを更新する。例えば、テレビ受信機アプリケーションは、ステップＳ１００８において、９３１に対応するビデオサーフェスに新たな画像又はフレームが利用可能であることを示すことができる。

【0079】

図１１は、ＡＰＩを介した放送局アプリケーションとネイティブ放送局アプリケーションとの間の通信例を示す、受信装置２００又はＤＴＶ受信機６００によって実行されるプロセスの実施形態である。図１１のプロセスでは、テレビ受信機アプリケーションが既に起動しているものと想定する。一般に、このプロセスは、テレビ受信機アプリケーションが放送局アプリケーションを含むデジタル放送ストリーム（例えば、ＡＴＳＣ３．０放送ストリーム）を受け取るステップＳ１１００から開始することができる。一例として、ステップＳ１１００は、ユーザが視聴サービスを選択することによって、選択されたサービスに対応する特定のＲＦチャネルにチューニングするためのコマンドをテレビ受信機アプリケーションがチューナ６０５に発行するようになった時に開始することができる。

【0080】

プロセスはステップＳ１１０２に進み、放送局アプリケーションが起動して通常動作を実行する。一例として、放送局アプリケーションは、実行時に放送局アプリケーションに１又は２以上のタスクを実行させるプログラムコードを含むことができる。プロセスはステップＳ１１０４に進み、ネイティブ放送局アプリケーションが利用可能であるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、ステップＳ１１０４が放送局アプリケーションによって実行される。例えば、放送局アプリケーションは、どのネイティブ放送局アプリケーションが利用可能であるかを判定するためのコマンドをＡＰＩを介してテレビ受信機アプリケーションに送信することができ、及び／又はテレビ受信機アプリケーションに特定のネイティブ放送局アプリケーションを起動させるコマンドをＡＰＩを介して発行することができる。別の例では、ネイティブ放送局アプリケーションが放送局アプリケーションとは無関係に起動して、放送局アプリケーションが実行される前に動作することができる。ステップＳ１１０４においてネイティブ放送局アプリケーションが利用可能でない場合、プロセスはステップＳ１１０２に戻る。

【0081】

ネイティブ放送局アプリケーションが利用可能である場合、プロセスはステップＳ１１０６に進み、ネイティブ放送局アプリケーションにタスクを割り当てるべきかどうかを判定する。例えば、上述した広告置換例を参照すると、ネイティブ放送局アプリケーションが利用可能である場合、ネイティブ放送局アプリケーションは、放送局アプリケーションがアクセスできない可能性がある情報にアクセスすることができるので、放送局アプリケーションは、各ＸＬｉｎｋを解明するタスクを割り当てることができる。

【0082】

さらに、放送局アプリケーションがタスクを実行できないという理由でネイティブ放送局アプリケーションにタスクを割り当てるべきであると判定することもできる。放送局アプリケーションが実行できないタスク例としては、例えば（ｉ）４Ｋハイダイナミックレンジ（ＨＤＲ）などの高価値コンテンツにアクセスすること、（ｉｉ）描画のためにＡｎｄｒｏｉｄ図形要素にアクセスすること、（ｉｉｉ）タブレット又はスマートフォン環境においてタッチ画面ジェスチャを使用すること、（ｉｖ）ジオロケーション、キーチェーン、フォトライブラリ及び装置カメラなどの、Ａｎｄｒｏｉｄが供給する機能及び装置特有の機能にアクセスすること、（ｖ）有料機能を追加し、又は電子商取引機能にアクセスすること、（ｖｉ）放送局アプリケーションが利用できないはずのローカルメモリリソースにアクセスすること、（ｖｉｉ）ユーザがＡｎｄｒｏｉｄ装置において設定したアカウントにアクセスすること、（ｖｉｉｉ）電子メール、メッセージング又はＦａｃｅｂｏｏｋなどの他のアプリケーションへのリンクを提供すること、及び（ｉｘ）ローカルユーザ設定にアクセスすること、が挙げられる。

【0083】

ステップＳ１１０６においてネイティブ放送局アプリケーションにタスクを割り当てるべきでない場合、プロセスはステップＳ１１０２に戻る。一方で、ネイティブ放送局アプリケーションにタスクが割り当てられた場合、ネイティブ放送局アプリケーションは割り当てられたタスクを実行して、プロセスはステップＳ１１０２に戻る。

【0084】

上述したように、１つの実装では、受信装置２００又は受信機６００の機能及びプロセスを１又は２以上のそれぞれの処理回路が実行することができる。

【0085】

次に、図１２を参照しながら例示的な実施形態による処理回路１２２６のハードウェアについて説明する。図１２では、処理回路１２２６が、本明細書で説明したプロセスを実行するマイクロプロセッシングユニット（ＭＰＵ）１２００を含む。プロセスデータ及び命令は、メモリ１２０２に記憶することができる。これらのプロセス及び命令は、ポータブル記憶媒体に記憶することも、又は遠隔的に記憶することもできる。処理回路１２２６は、モバイル装置１２１のネットワークサービスに特有の情報を含む交換可能な加入者アイデンティティモジュール（ＳＩＭ）１２０１を有することができる。

【0086】

さらに、特許請求する進歩は、本発明のプロセスの命令が記憶されるコンピュータ可読媒体の形態によって限定されるものではない。例えば、これらの命令は、ＦＬＡＳＨメモリ、セキュアデジタルランダムアクセスメモリ（ＳＤＲＡＭ）、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、リードオンリメモリ（ＲＯＭ）、プログラマブルリードオンリメモリ（ＰＲＯＭ）、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ（ＥＰＲＯＭ）、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、固体ハードディスク、或いは処理回路１２２６の通信相手であるサーバ又はコンピュータなどの他のいずれかの情報処理装置に記憶することができる。

【0087】

さらに、特許請求する進歩は、ＭＰＵ１２００、並びにＡｎｄｒｏｉｄ、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ（登録商標）Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標）１０ Ｍｏｂｉｌｅ、Ａｐｐｌｅ ｉＯＳ（登録商標）、Ｓａｍｓｕｎｇ Ｔｉｚｅｎ及び当業者に周知の他のシステムなどのモバイルオペレーティングシステムと共に実行されるユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、又はオペレーティングシステムのコンポーネント、或いはこれらの組み合わせとして提供することができる。

【0088】

処理回路１２２６を達成するために、これらのハードウェア要素は、当業者に周知の様々な回路要素によって実現することができる。例えば、ＭＰＵ１２００は、Ｑｕａｌｏｃｏｍｍモバイルプロセッサ、Ｎｖｉｄｉａモバイルプロセッサ、米国Ｉｎｔｅｌ社製のＡｔｏｍ（登録商標）プロセッサ、Ｓａｍｓｕｎｇモバイルプロセッサ、又はＡｐｐｌｅ Ａ７モバイルプロセッサ、又は当業者が認識する他のプロセッサタイプとすることができる。或いは、当業者であれば認識するように、ＭＰＵ１２００は、フィールドプログラマブルゲートアレイ（ＦＰＧＡ）、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、プログラマブルロジックデバイス（ＰＬＤ）に基づいて、又は個別論理回路を使用して実装することもできる。さらに、ＭＰＵ１２００は、上述した本発明のプロセスの命令を実行するように並行して協動する複数のプロセッサとして実装することもできる。

【0089】

図１２の処理回路１２２６は、ネットワーク１２２４と連動するために、米国Ｉｎｔｅｌ社製のＩｎｔｅｌ Ｅｔｈｅｒｎｅｔ ＰＲＯネットワークインターフェイスカードなどのネットワークコントローラ１２０６も含む。理解できるように、ネットワーク１２２４は、インターネットなどのパブリックネットワーク、或いはＬＡＮ又はＷＡＮネットワークなどのプライベートネットワーク、或いはこれらのいずれかの組み合わせとすることができ、ＰＳＴＮ又はＩＳＤＮサブネットワークを含むこともできる。ネットワーク１２２４は、イーサネットネットワークなどの有線とすることもできる。処理回路は、３Ｇ、４Ｇ及び５Ｇ無線モデム、ＷｉＦｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＧＰＳ、又は他のいずれかの既知の無線通信形態を含む無線通信のための様々なタイプの通信プロセッサを含むことができる。

【0090】

処理回路１２２６は、ＭＰＵ１２００によって管理できるユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）コントローラ１２２５を含む。１つの実施形態では、チューナが、ＡＴＳＣ３．０放送信号にチューニングし、これを変調して一連のＡＴＳＣ３．０リンク層プロトコルパケットを生成できる、ＡＴＳＣ３．０ＤＴＶ受信機１２５０内のハードウェア装置である。

【0091】

処理回路１２２６は、ディスプレイ１２１０に接続するために、米国ＮＶＩＤＩＡ社製のＮＶＩＤＩＡ（登録商標）ＧｅＦｏｒｃｅ（登録商標）ＧＴＸ又はＱｕａｄｒｏ（登録商標）グラフィクスアダプタなどのディスプレイコントローラ１２０８をさらに含む。Ｉ／Ｏインターフェイス１２１２は、音量制御などのボタン１２１４と連動する。処理回路１２２６は、Ｉ／Ｏインターフェイス１２１２及びディスプレイ１２１０に加えて、マイク１２４１及び１又は２以上のカメラ１２３１をさらに含むことができる。マイク１２４１は、サウンドをデジタル信号に処理するための関連する回路１２４０を有することができる。同様に、カメラ１２３１は、カメラ１２３１の画像取り込み動作を制御するカメラコントローラ１２３０を含むことができる。例示的な態様では、カメラ１２３１が電荷結合素子（ＣＣＤ）を含むことができる。処理回路１２２６は、サウンド出力信号を生成するオーディオ回路１２４２を含むとともに、任意のサウンド出力ポートを含むことができる。

【0092】

電力管理及びタッチ画面コントローラ１２２０は、処理回路１２２６及びタッチ制御によって使用される電力を管理する。通信バス１２２２は、処理回路１２２６のコンポーネントを全て相互接続するために、業界標準アーキテクチャ（ＩＳＡ）、拡張業界標準アーキテクチャ（ＥＩＳＡ）、ビデオエレクトロニクス標準アソシエーション（ＶＥＳＡ）、周辺コンポーネントインターフェイス（ＰＣＩ）、又は同様のものとすることができる。ディスプレイ１２１０、ボタン１２１４、ディスプレイコントローラ１２０８、電力管理コントローラ１２２０、ネットワークコントローラ１２０６、及びＩ／Ｏインターフェイス１２１２の特徴は周知であるため、本明細書では簡潔にするためにこれらの一般的特徴及び機能についての説明を省略する。

【0093】

上記の教示に照らして、数多くの修正例及び変形例が可能である。従って、添付の特許請求の範囲内では、本明細書において具体的に説明したものとは別様に本開示を実施することができると理解されたい。

【0094】

従って、上記の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示して説明したものにすぎない。当業者であれば理解するように、本開示は、本開示の趣旨又は基本的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化することもできる。従って、本開示の開示は例示であることを意図するものであり、本開示及び他の請求項の範囲を限定するものではない。本開示は、本明細書における教示のあらゆる容易に識別できる変種を含め、本発明の主題が一般公衆に開放されないように、上述した請求項の用語の範囲を部分的に定義する。

【0095】

本開示の実施形態は、以下のような著しく有利な特徴を提供する。
１．Ａｎｄｒｏｉｄプラットフォームに基づくＡＴＳＣ３．０受信機の実装。
２．移植性のためのＡＴＳＣ３．０受信機のＪａｖａでのコード化。
３．ＵＳＢ接続チューナの使用を介したアプリケーションの非ＤＴＶハードウェアへの移植性。
４．放送局のＨＴＭＬ５アプリケーションから放送局のＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションに双方向機能を引き継ぐ能力。
５．ＤＴＶメーカーのＡＴＳＣ３．０アプリケーションによって、例えばこのアプリケーションが制御する表示面内に放送ＴＶをレンダリングするために利用可能になったリソース及びサービスを使用する、放送局によって提供されるＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションの能力。
６．ＤＴＶメーカーのＡＴＳＣ３．０受信機と提供すべき放送局のＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションとの間の専用インターフェイスの規定。
ａ．選択又はレンダリングに利用できるＤＴＶサービスに関する情報。
ｂ．Ａｎｄｒｏｉｄアプリケーションによる利用可能なサービスのサムネイルビューのレンダリングを可能にするサポート。
ｃ．放送局のＨＴＭＬ５アプリケーションと放送局のＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションとの間の通信のために放送局が使用できる汎用通信経路。
ｄ．ＨＴＭＬ５アプリケーションが特定のＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションの存在に関してＡＴＳＣ３．０受信機に問い合わせる能力。
ｅ．特定のＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションを起動させるＨＴＭＬ５アプリケーションの能力。
７．ＤＴＶ受信機が利用できる複数のサービスから、Ａｎｄｒｏｉｄアプリケーションが決定したサイズ及び位置の矩形ウィンドウ内に最大フルフレームレートの（例えば、脱落フレームのない）フレームレートでサムネイルフォーマットでライブビデオをレンダリングする放送局のＡｎｄｒｏｉｄアプリケーションの能力。

【0096】

（１）受信装置であって、テレビ受信機アプリケーション及びネイティブアプリケーションを記憶するメモリと、プロセッサとを含み、プロセッサが、表示のために利用できる複数のサービスに関するクエリコマンドをネイティブアプリケーションがテレビ受信機アプリケーションに送信し、クエリコマンドに応答して、表示のために利用できる関連するサービスの数を指定する少なくとも第１のパラメータを含むクエリ応答メッセージをネイティブアプリケーションがテレビ受信機アプリケーションから受け取り、第１のパラメータに示される各サービスのためのビデオサーフェスをネイティブアプリケーションが提供するように構成される、受信装置。

【0097】

（２）クエリ応答メッセージは、表示フォーマットを指定する第２のパラメータと、表示のために利用できる関連するサービスに対応するコンテンツの位置を指定する第３のパラメータとをさらに含む、特徴（１）に記載の受信装置。

【0098】

（３）表示フォーマットは、ＪＰＥＧフォーマット、Ｄｙｎａｍｉｃ Ａｄａｐｔｉｖｅ Ｓｔｒｅａｍｉｎｇ ｏｖｅｒ ＨＴＴＰ（ＤＡＳＨ）フォーマット、及びＴＶフォーマットのうちの１つである、特徴（２）に記載の受信装置。

【0099】

（４）表示フォーマットがＪＰＥＧフォーマットである場合、第３のパラメータは、複数のＪＰＥＧ画像を含むサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、ネイティブアプリケーションは、複数のＪＰＥＧ画像から、ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための第１のＪＰＥＧ画像を検索し、テレビ受信機アプリケーションは、ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための最新のＪＰＥＧ画像をサーバからネイティブアプリケーションに提供する、特徴（３）に記載の受信装置。

【0100】

（５）表示フォーマットがＤＡＳＨフォーマットである場合、第３のパラメータは、ＤＡＳＨサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、ネイティブアプリケーションは、ＵＲＬを使用して、関連するサービスに対応するコンテンツを含むメディア提示記述（ＭＰＤ）ファイルをＤＡＳＨサーバから検索する、特徴（３）に記載の受信装置。

【0101】

（６）表示フォーマットがＴＶフォーマットである場合、第３のパラメータは、各関連するサービスの表示バッファへのリンクであり、各表示バッファは、デジタル放送ストリーム内で受け取られたサービスのコンテンツを含み、ネイティブアプリケーションは、ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスに、対応する表示バッファを添付する、特徴（３）に記載の受信装置。

【0102】

（７）テレビ受信機アプリケーションは、デジタル放送ストリームに含まれるユーザ選択サービスを表示するためにフルスクリーンビデオサーフェスを提供するように構成され、ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスは、フルスクリーンビデオサーフェス上にオーバレイされる、特徴（６）に記載の受信装置。

【0103】

（８）ネイティブ放送局アプリケーション及びテレビ受信機アプリケーションは、ネイティブ放送局アプリケーションとテレビ受信機アプリケーションとの間の直接双方向通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイス（ＡＰＩ）を介して互いに通信する、特徴（１）～（７）のいずれか１つに記載の受信装置。

【0104】

（９）受信装置であって、ネイティブアプリケーション及びテレビ受信機アプリケーションを含むメモリと、テレビコンテンツ及び放送局アプリケーションを含むデジタル放送ストリームを受け取るように構成された受信機回路と、プロセッサとを含み、プロセッサが、テレビコンテンツを表示するためのビデオサーフェスをテレビ受信機アプリケーションが提供し、放送局アプリケーションを実行し、放送局アプリケーションによって識別されたネイティブアプリケーションを実行するように構成され、ネイティブアプリケーションが、放送局アプリケーションの代わりにタスクを実行し、放送局アプリケーションの代わりに別の放送局アプリケーションに実行させ、又は放送局アプリケーションがアクセスできないはずのデータを提供するように構成される、受信装置。

【0105】

（１０）放送局アプリケーションは、ネイティブアプリケーションがタスクを実行している間に別のタスクを実行する、特徴（９）に記載の受信装置。

【0106】

（１１）放送局アプリケーションは、別のタスクを実行する前に、ネイティブアプリケーションがタスクを完了するのを待つ、特徴（９）に記載の受信装置。

【0107】

（１２）ネイティブ放送局アプリケーションは、放送局アプリケーションの代わりに実行するために、テレビ受信機アプリケーションにＵＲＬを使用して別の放送局アプリケーションを検索させるコマンドをユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）と共にテレビ受信機アプリケーションに送信するように構成される、特徴（９）に記載の受信装置。

【0108】

（１３）放送局アプリケーション及びネイティブ放送局アプリケーションは、放送局アプリケーションとネイティブ放送局アプリケーションとの間の直接双方向通信を可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイス（ＡＰＩ）を介して互いに通信する、特徴（９）に記載の受信装置。

【0109】

（１４）受信装置のプロセッサによって実行された時にプロセッサに方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、表示のために利用できる複数のサービスに関するクエリコマンドをネイティブアプリケーションがテレビ受信機アプリケーションに送信するステップと、クエリコマンドに応答して、表示のために利用できる関連するサービスの数を指定する少なくとも第１のパラメータを含むクエリ応答メッセージをネイティブアプリケーションがテレビ受信機アプリケーションから受け取るステップと、第１のパラメータに示される各サービスのためのビデオサーフェスをネイティブアプリケーションが提供するステップとを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。

【0110】

（１５）クエリ応答メッセージは、表示フォーマットを指定する第２のパラメータと、表示のために利用できる関連するサービスに対応するコンテンツの位置を指定する第３のパラメータとをさらに含む、特徴（１４）に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【0111】

（１６）表示フォーマットは、ＪＰＥＧフォーマット、Ｄｙｎａｍｉｃ Ａｄａｐｔｉｖｅ Ｓｔｒｅａｍｉｎｇ ｏｖｅｒ ＨＴＴＰ（ＤＡＳＨ）フォーマット、及びＴＶフォーマットのうちの１つである、特徴（１５）に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【0112】

（１７）表示フォーマットがＪＰＥＧフォーマットである場合、第３のパラメータは、複数のＪＰＥＧ画像を含むサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、ネイティブアプリケーションは、複数のＪＰＥＧ画像から、ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための第１のＪＰＥＧ画像を検索し、テレビ受信機アプリケーションは、ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスのための最新のＪＰＥＧ画像をサーバからネイティブアプリケーションに提供する、特徴（１６）に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【0113】

（１８）表示フォーマットがＤＡＳＨフォーマットである場合、第３のパラメータは、ＤＡＳＨサーバを示すユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）であり、ネイティブアプリケーションは、ＵＲＬを使用して、関連するサービスに対応するコンテンツを含むメディア提示記述（ＭＰＤ）ファイルをＤＡＳＨサーバから検索する、特徴（１６）に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【0114】

（１９）表示フォーマットがＴＶフォーマットである場合、第３のパラメータは、各関連するサービスの表示バッファへのリンクであり、各表示バッファは、デジタル放送ストリーム内で受け取られたサービスのコンテンツを含み、ネイティブアプリケーションは、ネイティブアプリケーションによって提供された各ビデオサーフェスに、対応する表示バッファを添付する、特徴（１６）に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

【0115】

（２０）受信装置のプロセッサによって実行された時に受信装置に方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、テレビコンテンツ及び放送局アプリケーションを含むデジタル放送ストリームを受け取るステップと、テレビコンテンツを表示するためのビデオサーフェスをテレビ受信機アプリケーションが提供するステップと、放送局アプリケーションを実行するステップと、放送局アプリケーションによって識別されたネイティブアプリケーションを実行するステップとを含み、ネイティブアプリケーションが、放送局アプリケーションの代わりにタスクを実行し、放送局アプリケーションの代わりに別の放送局アプリケーションに実行させ、又は放送局アプリケーションがアクセスできないはずのデータを提供するように構成される、非一時的コンピュータ可読媒体。

【符号の説明】

【0116】

Ｓ１０００ ネイティブ放送局アプリケーションが利用可能なサービスに関してＡＰＩを介してテレビ受信機アプリケーションに問い合わせ
Ｓ１００２ テレビ受信機アプリケーションが、ＡＰＩを介して、複数の利用可能なサービス、表示フォーマット及びコンテンツの位置で応答
Ｓ１００４ ネイティブ放送局アプリケーションが各利用可能なサービスのビデオプレーヤサーフェスを作成
Ｓ１００６ ネイティブ放送局アプリケーションが各利用可能なサービスのコンテンツを検索
Ｓ１００８ テレビ受信機アプリケーションからのアップデートが利用可能であるか？
Ｓ１０１０ ネイティブ放送局アプリケーションが、テレビ受信機アプリケーションからのアップデートに従って１又は２以上のビデオプレーヤサーフェスを更新

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【国際調査報告】