IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピーエー コット エスエーの特許一覧

特表2022-509805物体を保持する手段を備えるパッケージ
<>
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図1
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図2a
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図2b
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図3
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図4
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図5
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図6
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図7
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図8
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図9
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図10
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図11
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図12
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図13
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図14
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図15
  • 特表-物体を保持する手段を備えるパッケージ 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-24
(54)【発明の名称】物体を保持する手段を備えるパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/26 20060101AFI20220117BHJP
   B65D 81/05 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B65D77/26 C
B65D81/05 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529005
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2019081558
(87)【国際公開番号】W WO2020104339
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】1871780
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエール アラン コット
(72)【発明者】
【氏名】ドニ ムーラン
(72)【発明者】
【氏名】ピエール ブロー
(72)【発明者】
【氏名】ロナン アフレ ドゥ サン ローム
【テーマコード(参考)】
3E066
3E067
【Fターム(参考)】
3E066AA64
3E066BA02
3E066CA01
3E066DB03
3E066FA01
3E066FA12
3E066GA01
3E066JA03
3E066KA01
3E066KA08
3E067AA12
3E067AA24
3E067BA05B
3E067BA05C
3E067BA15B
3E067BB11C
3E067BB14C
3E067BB21C
3E067BC04B
3E067BC06B
3E067BC06C
3E067CA02
3E067DA06
3E067EA22
3E067EB19
3E067EC29
3E067EC33
3E067ED02
3E067FC01
(57)【要約】
本発明はパッケージ(1)に関し、パッケージ(1)は、
底部(21)及び周縁部(22)を有するケース(2)と、
カバー(3)と、
運送される物体(5)をケース(2)内に維持する保持手段(4)と、を備え、
周縁部(22)は、
周縁部(22)が底部(21)と実質的に平行に延在する収納位置と、
周縁部(22)が底部(21)から延在する使用位置と、を取り得、
保持手段(4)は、
ケース(2)に固定された第1部分(41)と、
カバー(3)に固定された第2部分(42)と、を備え、
第1部分(41)及び第2部分(42)の少なくとも一方は、周縁部(22)の収納位置で緩められ、周縁部(22)の使用位置で張力をかけられることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(21)及び周縁部(22)を有するケース(2)と、
前記ケース(2)に対して可動なカバー(3)と、
前記ケース(2)内に挿入された運送される物体(5)を前記ケース(2)内に維持する保持手段(4)と、を備え、
前記周縁部(22)は、
前記周縁部(22)が前記底部(21)と実質的に平行に延在する収納位置と、
前記周縁部(22)が前記底部(21)から延在する使用位置と、を取り得、
前記カバー(3)は、
前記カバー(3)が前記周縁部(22)を覆う閉位置と、
前記カバー(3)が前記周縁部(22)から取り去られる開位置と、を取り得、
前記ケース(2)は、前記周縁部(22)をそれの使用位置に留める手段を備え、前記保持手段(4)は、変形可能であり、
前記ケース(2)に固定された第1部分(41)と、
前記カバー(3)に固定された第2部分(42)と、を備え、
前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は、前記周縁部(22)の前記収納位置で緩められ、前記周縁部(22)の前記使用位置で張力をかけられることを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記周縁部(22)は、
前面パネル(221)と、
後面パネル(222)と、
前記前面パネル(221)と前記後面パネル(222)を接続する2つの側面パネル(223;223a、223b)と、を備え、それぞれのパネル(221、222、223)は前記底部(21)に繋げられ、前記パネル(221、222、223)は前記周縁部(22)の前記使用位置で前記底部(21)に実質的に垂直であることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
それぞれの側面パネル(223a、223b)は接合手段(25)によって前記前面パネル(221)及び前記後面パネル(222)に接続され、前記周縁部(22)をそれの収納位置からそれの使用位置に移す際の前記側面パネル(223)の変位によって、前記前面パネル(221)及び前記後面パネル(222)の変位が起こることを特徴とする、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記周縁部(22)をそれの使用位置に留める手段は、次の群、
磁力、
挿入、
変形、
支持、によるものに属することを特徴とする、請求項2又は3に記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は少なくとも1つの弾性的に変形可能な部分を有することを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は接着性の被覆物を有することを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は摺動性の被覆物を有し、前記接着性の被覆物は前記摺動性の被覆物の2つの部分の間に位置することを特徴とする、請求項6に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記接着性の被覆物は、前記カバー(3)の前記閉位置において、前記ケース(2)の前記底部(21)に対して中央に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)と前記第2部分(42)は互いに別個であり、
前記第1部分(41)は、前記周縁部(22)の前記使用位置で、前記ケース(2)の前記底部(21)から間隔をあけて配置され、
前記第2部分(42)は、前記カバー(3)の前記閉位置で前記ケース(2)の前記底部(21)に向けられた前記カバー(3)の下面(331)に固定された発泡体の形を取ることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記カバー(3)は、板(31)と、前記カバー(3)の前記閉位置で、前記底部(21)の方向に延在し、前記ケース(2)の前記底部(21)の近くに自由端(321)を有する垂直側材(32)とを備え、
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)は前記ケース(2)の前記底部(21)によって形成され、
前記保持手段(4)の前記第2部分(42)は、可撓性を有し、第1端部(44)によって前記ケース(2)の前記底部(21)に又は前記ケース(2)の前記底部(21)の近くで前記周縁部(22)に固定され、第2端部(45)によって前記垂直側材(32)の前記自由端(321)に固定され、前記保持手段(4)の前記第1端部(44)及び前記第2端部(45)は、互いに離れており、前記カバー(3)の前記閉位置において、それらの間に、かつ前記底部(21)上に、前記運送される物体(5)を収容するための領域の境界を定めることを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項11】
前記保持手段(4)は少なくとも1つのストラップを備えることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ(1)。
【請求項12】
前記1つのストラップ又はそれぞれのストラップは、前記ケース(2)の前記底部(21)に向けられた内側面(47)を有し、前記内側面(47)は接着性の被覆物を有することを特徴とする、請求項11に記載のパッケージ(1)。
【請求項13】
前記1つのストラップ又はそれぞれのストラップはX字又はY字形状を有し、前記X字又は前記Y字の第1部分は前記保持手段(4)の前記第1端部(44)を有し、反対側の第2部分は前記保持手段(1)の前記第2端部(45)を有することを特徴とする、請求項11又は12に記載のパッケージ(1)。
【請求項14】
前記保持手段(1)は、前記カバー(3)の前記閉位置で前記ケース(2)の前記底部(21)を少なくとも部分的に覆うことを意図されたフィルムを備えることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ(1)。
【請求項15】
前記垂直側材(32)は前記板(31)に枢動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項10から14の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項16】
前記ケース(2)の前記底部(21)は、前記運送される物体(5)を収容するためのハウジングを形成するキャビティ(211)を有することを特徴とする、請求項10から15の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項17】
前記キャビティ(1)は、前記運送される物体(5)を適所に維持するように、前記運送される物体(5)と協働することを意図された接着性の表面を有する基部(212)を有することを特徴とする、請求項10から16に記載のパッケージ(1)。
【請求項18】
前記キャビティ(211)は前記ケース(2)の前記底部(21)の中央に配置されることを特徴とする、請求項16又は17に記載のパッケージ(1)。
【請求項19】
前記ケース(2)は前記カバー(3)をそれの閉位置でロックする手段(26)を備え、前記ロック手段(26)は、前記ケース(2)に固定された第1部分(261)と、前記カバー(3)に固定された第2部分(262)とを含むことを特徴とする、請求項1から18の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項20】
前記ケース(2)は電子対話インターフェース(27)を有することを特徴とする、請求項1から19の何れかに記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は物流の分野である。
【0002】
より具体的に、本発明は、パッケージを用いて2つの目的地の間で物体を搬送するための、パッケージ、又は物流梱包手段、即ち容器に関する。
【背景技術】
【0003】
全く安全に、心配のない方法で物体を運送するために、箱又はカートンのようなパッケージが知られている。
【0004】
一般的に、パッケージは、運送される物体が収容される内部空間を一緒に定める底部及び周縁部を有するケースを備える。
【0005】
また、パッケージはケースに対して可動なカバーを備える。これらのカバーは、特に、カバーがケースの内部空間を閉じる閉位置を取り得る。
【0006】
運送される物体を保護できるように、運送される物体をケース内に維持する保持手段を備えるパッケージもある。
【0007】
ケース及びカバーに統合された発泡パネルの形を取る保持手段が知られている。発泡パネルは必要に応じてケースに取り付けられ得る。換言すれば、発泡パネルはそれらの存在が必要な場合に限りケースに統合され得る。
【0008】
より具体的に、発泡パネルは、ケースの底部、任意にその周縁部、及びカバーに固定される。
【0009】
それから、運送される物体は、発泡体に接触し、少なくとも底部の発泡体及びカバーの発泡体によって留められるように、内部空間に挿入される。
【0010】
この種類の保持手段は、その厚さ、又は、換言すれば、それがケースの内部空間で占める空間という重大な欠点を有する。
【0011】
実際、発泡体はケースの内部空間の大部分を占める。しかし、発泡体は、運送される物体の輪郭に合わせて変形可能な保持手段を形成するように、弾力性を有する。
【0012】
しかし、物体のサイズに応じて、幾つかのパッケージが用意されるはずである。
【0013】
例えば、大きな物体と小さな物体に対して、同じケースを使用することはできない。小さな物体の場合、大きな物体に適したケース又はパッケージを使用すれば、発泡体が小さな物体と接触して適切に変形することはなく、従って小さな物体は損傷の危険性を伴ってケースの内部空間内で移動するかもしれない。
【0014】
それどころか、小さな物体を収容することを意図されたケースの内部空間に大きな物体を挿入すれば、内部空間における十分な空間の不足のためにパッケージを使用できないことがあり、従ってケースの内部空間を実際に塞ぐようにカバーを適切に閉じることができない。その結果、物体は、実際に保護されず、パッケージを運ぶ人に見え、それは物体の盗難の危険に繋がり得る。
【0015】
その結果、運送者又は梱包専門業者は、運送される物体のサイズに応じていろいろなサイズのパッケージを持たなければならない。
【0016】
その上、パッケージを収納形態又は「平らな」保管形態に折り畳めるとしても、発泡体があることで、パッケージは不使用時にかさばる。
【0017】
実際、パッケージを折り畳むことで、その不使用時の空間必要条件を最適化できる。
【0018】
しかし、機器を折り畳む際に発泡体を圧縮することは、運送される物体を保護する際の発泡体の有効性に影響を与え得る。発泡体が圧縮されると、それは、弾力性を失い、減圧時に適切に膨張しないかもしれない。これは、特に、発泡体の圧縮時間が長いほど当てはまる。
【0019】
従って、この弾力性の低下を避けるために、発泡体の過度な圧縮を避ける必要がある。これでは、パッケージの不使用時の空間必要条件を部分的にしか下げられない。
【0020】
その結果、運送者又は梱包専門業者は、パッケージを、それらの使用形態でなければ、部分的に折り畳んで、又は分解して、即ちいろいろなパッケージサイズについてケースから発泡体を分離して、保管できる広い部屋を利用しなければならない。そして、これは、概して最終消費者に請求されるかなりの保管費用を意味する。
【0021】
別の公知の技術によれば、保持手段はプラスチック製のエンベロープの形を取り、運送される物体はその中に入れられ、それから、エンベロープは変形され、その壁は運送される物体に接触してそれをその位置に維持する。
【0022】
第1の種類によれば、エンベロープはケースの底部に固定され得、それらの変形は、例えば、材料、概してプラスチック材料を収縮させるように加熱することで行われ得、その材料は物体と接触することで硬くなる。
【0023】
この解決策の欠点は、加熱によってエンベロープの変形を行う場合、この技術は特定の加熱装置の使用を伴うので、だれでもエンベロープの変形を行うことができるわけではないという事実にある。
【0024】
実際、例えばヒーターのような加熱手段が使用されなければならず、それは特別な訓練を要するため、専門業者しかエンベロープを変形させることができないかもしれない。
【0025】
その上、エンベロープがケースの底部に固定される場合、特に、ケースが厚紙から作られ、高すぎる熱が厚紙を燃やして破壊できるならば、これはケースの完全性にとっての重大な欠点となるだろう。
【0026】
加えて、運送される物体をエンベロープに挿入することは、不可能ではないとしても、困難であり得る。
【0027】
これは、特に、ケースが本来の形を取った、即ち内部空間が定められた時点で、搬送される物体がエンベロープに挿入される場合に確かめられる。物体がエンベロープに挿入される際に、ケースの周縁部が特に重大な障害となる。
【0028】
これを克服するために、まずエンベロープに物体を挿入し、次にケースを形成し、最後にエンベロープを変形させる必要があるかもしれない。
【0029】
これは、特にエンベロープを変形させ又はケースを成形するために、専門業者にとって損失になり、個人にとって行うことができなくなり得るかなりの処理時間を意味する。
【0030】
また、第2の種類によれば、エンベロープはケースに収容されることを意図された板に固定され得る。この場合、エンベロープ内に物体を挿入してから、物体を固定及び維持するために、エンベロープの2つの壁を引き伸ばして物体を閉じ込めるように、板の縁を折り曲げることでエンベロープを変形させる。これが完了すると、折り曲げられた板をケースに挿入でき、それからケース上で可動のカバーを閉じることができる。
【0031】
これらの保持手段も欠点を有する。
【0032】
実際、エンベロープに物体を挿入することは問題を引き起こさないが、板の変形、特にその縁を折ることは、複雑な取り扱いとなり、物体が大きく、変形されるエンベロープが変形に対して強く抵抗する場合、成し遂げることが不可能にさえなる。従って、エンベロープの変形は、時間を食い、専門業者の意欲を失わせ得、従って、専門業者は、不完全な変形を行い、そうでなければより大きなパッケージを提案し、それは最終消費者のより高い運送費用に繋がる。
【0033】
さらに、これは、ケース、カバー、及び保持手段の保管を必要とし、それは、弊害をもたらす空間必要条件、従ってたいてい最終消費者に転嫁される追加費用を意味する。
【発明の概要】
【0034】
本発明の目的は特に従来技術の欠点を克服することにある。
【0035】
より具体的に、本発明の目的は、使いやすい保持手段を設けられ、全く安全な物体の運送を可能にするパッケージを提供することにある。
【0036】
さらに、本発明の目的は、不使用時に、幾つかのパッケージのための保管空間を制限するように、下げられた空間必要条件を有するそのようなパッケージを提供することにある。
【0037】
さらに、本発明の目的は、大きな物体と非常に小さな物体の両方を全く安全に運送するために適するそのようなパッケージを提供することにある。
【0038】
これらの目的、及び後に現れる他の目的は、パッケージに関する本発明のおかげで達成される。パッケージは、
-底部及び周縁部を有するケースと、
-ケースに対して可動なカバーと、
-ケース内に挿入された運送される物体をケース内に維持する保持手段と、を備え、
周縁部は、
-周縁部が底部と実質的に平行に延在する収納位置と、
-周縁部が底部から延在する使用位置と、を取り得、
カバーは、
-カバーが周縁部を覆う閉位置と、
-カバーが周縁部から取り去られる開位置と、を取り得、
ケースは、周縁部をそれの使用位置に留める手段を備え、保持手段は、変形可能であり、
-ケースに固定された第1部分と、
-カバーに固定された第2部分と、を備え、
第1部分及び第2部分の少なくとも一方は、周縁部の収納位置で緩められ、周縁部の使用位置で張力をかけられることを特徴とする。
【0039】
従って、保持手段の第1部分及び第2部分の一方に張力をかけることは、周縁部を使用位置に配置することで制御される。従って、パッケージが使用されていない場合、保持手段は緩められ、それによりそれらの寿命が伸びる。実際、保持手段に継続的に張力をかけることは、特に張力が維持されるほど弱くなるだろうそれらの弾力性に関して、それらの変形能力に悪影響を及ぼし得る。また、これにより、以下で論じられるように、パッケージの不使用時に必要な空間を低減することができる。
【0040】
有利に、周縁部は、
-前面パネルと、
-後面パネルと、
-前面パネルと後面パネルを接続する2つの側面パネルと、を備え、
それぞれのパネルは底部に繋げられ、パネルは周縁部の使用位置で底部に実質的に垂直である。
【0041】
従って、パッケージは使用されていないときに保管のために折り畳まれ得る。パッケージは折り畳まれたときに小さな空間を占めるので、運送専門業者は特に小さな空間に複数のパッケージを保管できる。それ故、物体を運送しなければならない場合、使用位置に縁を配置することで、即ちケースの底部に実質的に垂直に周縁部のパネルを配置することで、パッケージを成形するだけでよい。
【0042】
有利に、それぞれの側面パネルは接合手段によって前面パネル及び後面パネルに接続され、周縁部をそれの収納位置からそれの使用位置に移す際の側面パネルの変位によって、前面パネル及び後面パネルの変位が起こる。
【0043】
この場合、留め手段は周縁部を使用位置に安定して維持することを可能にする。換言すれば、周縁部がその使用位置にあるとき、それをその収納位置に配置するためには、自発的な実行が必要となる。
【0044】
従って、ケースの成形、特に、周縁部の収納位置と使用位置の間の周縁部の移行、及び運送される物体の配置が容易になる。実際、側面パネルをケースの底部に垂直に配置することで、前面パネル及び後面パネルもケースの底部に垂直に自動的に配置される。その上、留め手段は、周縁部が不意にその収納位置を取ることを防止できる。実際、留め手段は、周縁部のパネルをケースの底部に引き付ける傾向、即ち周縁部をその収納位置に配置する傾向がある保持手段に逆らって働く。
【0045】
従って、ケースの外側に向けて側面パネルを単に引っ張る動作によって、ケースを成形してその使用を可能にすることができる。これは、パネルを使用位置で留めるための装置がなく、周縁部のそれぞれのパネルが他のパネルから独立してケースの底部に垂直に配置される従来のケースより著しく速い。
【0046】
好ましくは、周縁部をそれの使用位置に留める手段は、次の群、
-磁力、
-挿入、
-変形、
-支持、によるものに属する。
【0047】
そのような留め手段は、実施することが容易であり、周縁部がその使用位置に維持されることを確実にする。実際、これらの留め手段は専用の道具又は特定の技術の使用を必要としない。換言すれば、ケースを成形するだれでも、特別な技術なしに、これらの組立手段を使用し得る。
【0048】
有利に、保持手段の第1部分及び第2部分の少なくとも一方は少なくとも1つの弾性的に変形可能な部分を有する。
【0049】
これにより、保持手段は運送される物体の形状に適合できる。さらに、弾性的に変形可能な部分によって、保持手段は、運送される物体に力をかけ、保持手段の2つの部分の間の内部空間にそれを維持することができる。
【0050】
有利な態様によれば、保持手段の第1部分及び第2部分の少なくとも一方は接着性の被覆物を有する。
【0051】
別の有利な態様によれば、保持手段の第1部分及び第2部分の少なくとも一方は摺動性の被覆物を有し、接着性の被覆物は摺動性の被覆物の2つの部分の間に位置する。
【0052】
運送される物体と主に接触する接着性の被覆物、及び運送される物体の周辺部と接触して保持手段の張力を発生させる摺動性の被覆物は、運送される物体の輪郭への保持手段の適合を可能にする。実際、摺動性の被覆物は、保持手段が運送される物体に完全に接着することを防ぎ、その結果、接着性の被覆物は、運送される物体と接触したときに実質的にケースの内部空間の中心に配置される。
【0053】
さらに、接着性の被覆物、摺動性の被覆物、及び弾性的に変形可能な部分の組み合わせによって、運送される物体を内部空間に維持するために運送される物体に保持手段によってかけられる力を著しく低減することができる。実際、運送される物体にかけられる力は、弾性的に変形可能な手段の弾性力と接着性の被覆物の摩擦係数との積である。
【0054】
クーロンの法則によれば、同じ力が物体にかけられる場合、摩擦係数が大きいほど必要な弾性力は小さい。
【0055】
その結果、接着性の被覆物の存在によって、運送される物体に保持手段によってかけられる力、即ち保持手段の弾性力を低減することができる。従って、カバーを閉じるために必要な力がより小さくなる。
【0056】
好ましくは、接着性の被覆物は、カバーの閉位置において、ケースの底部に対して中央に配置される。
【0057】
このおかげで、運送される物体の質量がパッケージ内に全体的に分布するので、内部空間における運送される物体の良好な保持、及びパッケージの運送の快適さが得られる。
【0058】
有利な実施形態によれば、保持手段の第1部分と第2部分は互いに別個であり、
-第1部分は、周縁部の使用位置で、ケースの底部から間隔をあけて配置され、
-第2部分は、カバーの閉位置でケースの底部に向けられたカバーの下面に固定された発泡体の形を取る。
【0059】
従って、運送される物体は保持手段の2つの部分の間に維持される。
【0060】
加えて、発泡体の使用によって、柔らかい接触、即ち運送される物体への損傷の危険がない接触を提供できる。
【0061】
さらに、底部と保持手段の第1部分の間の空間は、保持手段の第1部分がケースの底部に当たって例えば摩擦によって損傷を受けることがない変形を促進する。
【0062】
別の有利な実施形態によれば、
-カバーは、板と、カバーの閉位置で、底部の方向に延在し、ケースの底部の近くに自由端を有する垂直側材とを備え、
-保持手段の第1部分はケースの底部によって形成され、
-保持手段の第2部分は、可撓性を有し、第1端部によってケースの底部に又はケースの底部の近くで周縁部に固定され、第2端部によって垂直側材の自由端に固定され、保持手段の第1端部及び第2端部は、互いに離れており、カバーの閉位置において、それらの間に、かつ底部上に、運送される物体を収容するための領域の境界を定める。
【0063】
保持手段の第2部分が一方でケースの底部に他方でカバーの垂直側材に固定されることによって、カバーを閉位置に単に配置することでケース内に物体を確実に保持するようにすることができる。
【0064】
より具体的に、物体は、ケースの底部と保持手段の間に押し込まれることで、ケース内に保持される。そして、保持手段は物体を覆う。
【0065】
その上、カバーがその閉位置にあるとき、垂直側材の自由端が底部の近くにあることで、保持手段の第2部分の第2端部を底部の近くにも配置できる。特に、それは、垂直側材の自由端が保持手段の第2部分の厚さしかケースの底部から離れていない場合に、底部に置かれる。これにより、維持される物体をケースの底部に押し付け、その保持を確実にすることができる。
【0066】
有利に、保持手段は少なくとも1つのストラップを備える。
【0067】
1つ又は複数のストラップの使用によって、保持手段に変形への特に有用な制限を与えることができ、特に運送される物体をケースの底部に押し付けて留めることを確実にすることができる。従って、衝撃の場合でさえ、運送される物体は、ケースの底部に押し付けられたままであり、例えば周縁部又はカバーに当たることによる損傷の危険が低い。
【0068】
この場合、1つのストラップ又はそれぞれのストラップは、ケースの底部に向けられた内側面を有し、内側面は接着性の被覆物を有する。
【0069】
接着性の被覆物は、運送される物体と保持手段のストラップの良好な接着を可能にする。これは、運送される物体を保持手段によって適所に維持することをさらに促進する。接着性の被覆物は、特に、取り付け手段を形成するスパイク又は突起部を設けられてもよい。
【0070】
有利に、1つのストラップ又はそれぞれのストラップはX字又はY字形状を有し、X字又はY字の第1部分は保持手段の第1端部を有し、反対側の第2部分は保持手段の第2端部を有する。
【0071】
そのような形状の1つのストラップ又はそれぞれのストラップによって、ケースの底部の広い部分を覆いながら、中央での維持の向上を確実にすることができる。
【0072】
その上、このような形状によって、例えば不規則な形状を有する運送される物体に保持手段を適合させることができる。実際、突出部を有する運送される物体は、それを弱め、又はそれを損傷さえさせ得るかなり応力を受け得る。
【0073】
X字又はY字形状のおかげで、それぞれのストラップの一部分のみが運送される物体に接触してそれを適所に維持し得る。運送される物体の他の部分、特に突出部は、自由なままにされ、拘束を受けない。
【0074】
あるいは、保持手段は、カバーの閉位置でケースの底部を少なくとも部分的に覆うことを意図されたフィルムを備える。
【0075】
そのようなフィルムは運送される物体の輪郭に最も良く調和することができる。これは、特に、実質的に平面形状を有する運送される物体に有用である。
【0076】
好ましくは、保持手段は、少なくともそれらの第1端部及びそれらの第2端部で弾力性を有する。
【0077】
そのような弾力性は、特に保持手段が運送される物体の形状に適合するように保持手段の変形を可能にする。
【0078】
有利な態様によれば、垂直側材は板に枢動可能に取り付けられる。
【0079】
この枢動により、装置の不使用時に必要な空間がさらに低減される。
【0080】
実際、その場合に板に対して垂直側材を折り返すことができ、それにより、カバーを折り畳んでケースを覆う際のカバーの厚さを制限することができる。
【0081】
有利に、ケースの底部は、運送される物体を収容するためのハウジングを形成するキャビティを有する。
【0082】
キャビティは、特に薄い、小さな運送される物体、例えばコインをその中に収容するために特に有利である。従って、コインは、ケースの底部の表面全体に亘って変位することができないように、キャビティ内に閉じ込められる。それ故、これは、運送される物体の安全性、特にその完全性の維持の一助となる。
【0083】
有利に、キャビティは、運送される物体を適所に維持するように、運送される物体と協働することを意図された接着性の表面を有する基部を有する。
【0084】
従って、運送される物体の変位は、その完全性を維持するために、やはり制限される。
【0085】
有利な実施形態によれば、キャビティはケースの底部の中央に配置される。従って、運送される物体のサイズが大きい場合に、運送される物体のための位置決め指標としてキャビティを使用することも可能である。さらに、中央に配置されたキャビティは、保持手段に対して、運送される物体のための中央にある要素を提供する。
【0086】
その上、これにより、運送される物体がかさばり及び/又はその縁で角張っている場合に、保持手段が発生させる保持力をより均等に分布させることができる。
【0087】
好ましくは、ケースは、カバーをそれの閉位置でロックする手段を備え、ロック手段は、ケースに固定された第1部分と、カバーに固定された第2部分とを含む。
【0088】
そのようなロック手段によって、特に窃盗からの、ケースの内部空間内の運送される物体の保護を確実にすることができる。
【0089】
有利に、ケースは電子対話インターフェースを有する。
【0090】
この電子対話インターフェースによって、例えば、ユーザが、パッケージがロックされているかどうか、その仕向地、又はその発送地のような情報を知ることができる。これは、電子対話インターフェースが画面を備え付けられる場合に特に当てはまる。
【0091】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明のいろいろな好ましい実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭にわかってくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1】第1実施形態による運送される物体を維持する保持手段を備える本発明によるパッケージの斜視上面図である。
図2a】幾つかの表面、特に接着手段を設けられた表面を示す保持手段の詳細図である。
図2b】第1実施形態による保持手段の異なる実施形態の概略図である。
図3】折り畳み状態又は保管状態における本発明によるパッケージの斜視上面図である。
図4】成形前の開かれた状態における本発明によるパッケージを示す斜視上面図である。
図5】本発明によるパッケージの成形を示す斜視上面図である。
図6】本発明による及び異なる実施形態によるパッケージの斜視上面図である。
図7】運送される物体が挿入され、保持手段が運送される物体の維持を可能にするように成形された本発明によるパッケージの縦断面図である。
図8】小さな運送される物体を収容し、保持手段が小さな物体を適所に維持するように成形された本発明によるパッケージの縦断面図である。
図9】第2実施形態による保持手段を備える本発明によるパッケージの斜視図である。
図10】第3実施形態による保持手段を備える本発明によるパッケージの斜視図である。
図11】第4実施形態による保持手段を備える本発明によるパッケージの斜視図である。
図12】使用位置にケースを留める手段を備える本発明によるパッケージのケースの斜視図である。
図13】第1実施形態による使用位置にケースを留める手段の斜視図である。
図14】第2実施形態による使用位置にケースを留める手段の斜視図である。
図15】第3実施形態による使用位置にケースを留める手段の斜視図である。
図16】第4実施形態による使用位置にケースを留める手段の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図1に関して、本発明によるパッケージ1が示されている。
【0094】
パッケージ1は、
-ケース2と、
-カバー3と、
-詳細が図2に示されている保持手段4と、を備える。
【0095】
好ましくは、ケース2及びカバー3は、特に変形及び衝撃に対して耐性を有する頑丈な材料、例えば、金属、耐性のあるプラスチック、又は複合材料(即ち幾つかの異なる材料から形成された材料)のような材料から作られる。例えば、使用され得る複合材料は、プラスチック樹脂だけではなく布製の補強材を含む。
【0096】
従って、パッケージ1は、再利用可能であり、使用時の危険、特にそれが受ける衝撃に対して耐性を有する。これにより、特に廃棄物に関してその環境への影響を制限できる。
【0097】
実際、運送される物体5が搬送されると、パッケージ1は、別の物体を送るために再利用され、又はそれを再利用するだろう運送者に返却され得る。従って、パッケージの再生利用に関連した費用及び汚染は、パッケージの耐用期間の終わりに、即ちパッケージ1が全く安全な物体の運送を可能にするには損傷しすぎたときに限られる。換言すれば、厚紙で作られた従来のパッケージは、概して、使い終わり次第、破壊及び再生利用されるが、本発明によるパッケージは、再生利用される前に数回使用されるだろう。
【0098】
その上、耐性のあるプラスチック、複合材料、又は金属材料の使用によって、パッケージは、気候条件、特に慣習的に使用されているパッケージの厚紙を著しく損傷させる雨に耐えることができる。
【0099】
ケース2は、折り畳み可能であり、底部21と、底部21から延在する周縁部22とを備える。ケース2は折り畳み可能であり、即ち、周縁部22は、底部21に対して可動であり、
-周縁部22が底部21と実質的に平行にある(図3に示されたパッケージ1の保管位置に相当する)収納位置と、
-周縁部22が底部21に対して実質的に垂直に延在する使用位置と、を取り得る。
【0100】
底部21及び周縁部22は一緒にケース2の内部空間23を定める。周縁部22は、ケース2の内部空間23にアクセスするための開口部24を定める平行六面体形状を有する。
【0101】
特に、図1図7、及び図8に示されるように、底部21は、特に、図8に示されるように、運送される物体5が小さなサイズを有する場合に、それを収容することを意図されたキャビティ211を有する。キャビティ211は、接着性の表面を有する基部212を有する。
【0102】
図1図4、及び図5に示されるように、周縁部22は、
-前面パネル221と、
-後面パネル222と、
-2つの側面パネル223と、を備える。
【0103】
より具体的に、周縁部22は第1側面パネル223a及び第2側面パネル223bを備える。
【0104】
後面パネル222と前面パネル221は底部21に対して互いに反対側にある。同様に、第1側面パネル223aと第2側面パネル223bも、底部21に対して互いに反対側にあり、それぞれ前面パネル221及び後面パネル223を接続される。前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223のそれぞれは、ケース2の底部21に繋げられる。換言すれば、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223は、底部21に対して枢動可能であり、周縁部22がその使用位置又は収納位置を取ることを可能にする。
【0105】
また、図12から図16に関して、ケース2は、周縁部22をその使用位置に留める手段225を備える。留め手段225は、次の群、
-磁力、
-挿入、
-変形、
-支持又は干渉、によるものに属する。
【0106】
図13は支持又は干渉による留め手段225を示している。より具体的に、それぞれの側面パネル223は側面パネル223から突出したフック2251を備える。従って、フック225は側面パネル223の縁に対して空間2252を残し、この空間2252は前面パネル221又は後面パネル222を収容することを意図されている。
【0107】
それぞれのフック2251は弾性的に変形可能であり、前面パネル221及び後面パネル222が成形される際に、それらはそれぞれのフック2251を弾性的に変形させて側面パネル223の縁に接触する。それから、それぞれのフック2251は、前面パネル221及び後面パネル222を側面パネル223の縁に押し付けて維持するように、その最初の形状を取り戻す。
【0108】
図示されない変形例において、留め手段225は前面パネル221及び後面パネル222に固定されたタブの形状を取ってもよい。これらのタブは、側面パネル223に作られたスロットに収容されることを意図されている。タブとスロットの間の協働は、有利に、タブがスロットに挿入された際、タブをスロットから外すために前面パネル221及び後面パネル222にかなりの引っ張り力をかけることを必要とするようにしっかりなされる。
【0109】
図14は、挿入による、即ち挿入物2253を用いて周縁部22の2つのパネルを組み立てることによる留め手段225を示している。
【0110】
より具体的に、ピン又はスタッドのような挿入物2253が、側面パネル223、前面パネル221、及び後面パネル222に作られた開口部に挿入される。この場合、前面パネル221及び後面パネル222、又は側面パネル223は、それぞれ、側面パネル223、又は前面パネル221及び後面パネル222に重なることを意図された屈曲部を有する。そして、屈曲部は、挿入物2253を受けることを意図された開口部を有する。
【0111】
さらに、挿入物2253は、パネルの開口部を通ることを意図された中央部分と、それぞれ中央部分の両側に位置する2つの折り曲げ可能な爪とを備える。従って、周縁部22の形状留めは、挿入物2253の中央部分をパネルの開口部に挿入してから、周縁部のパネルが挿入物2253の2つの折り曲げ可能な爪の間に挟まれるように、折り曲げ可能な爪を折り曲げることで行われる。
【0112】
図15は磁力による留め手段225を示している。この目的のために、周縁部22のそれぞれのパネルは磁石2254を設けられる。この場合、前面パネル221及び後面パネル222、又は側面パネル223は、それぞれ、側面パネル223、又は前面パネル221及び後面パネル222に重なることを意図された屈曲部を有する。
【0113】
そして、屈曲部はそれぞれ磁石2254を保持し、磁石2254は互いに向き合う別の磁石2254と協働することを意図されている。それらの協働を可能にするために、磁石2254は逆の極性を有する対を成す。換言すれば、側面パネル223の磁石2254は負の極性を有し、前面パネル221及び後面パネル222の磁石2254は正の極性を有し、又は逆が当てはまる。
【0114】
図16は変形による留め手段225を示している。そして、側面パネル223は、前面パネル221及び後面パネル222に向けてそれぞれの縁から突出した突起部2255を有する。
【0115】
そして、前面パネル221及び後面パネル222は、それぞれ突起部2255と協働することを意図された凹部2256を有する。そして、突起部2255が対応する凹部2256に挿入されることで、突起部2255は、弾性的に変形し、その変形していない状態に戻ろうとすることで、凹部2256に力をかける。そして、これにより、パネルは互いに対して適所に維持され、従って周縁部22は使用位置に維持される。
【0116】
図示されていない異なる実施形態によれば、周縁部22のパネルの縁が接合手段25で置き換えられる。従って、周縁部22のパネルの1つで接合手段を留めることで、周縁部22がその収納位置に戻ることが防止される。
【0117】
有利に、ケース2は、ケース2上にカバー3をロックする手段26を備える。より具体的に、図9及び図10に関して、ロック手段26は、ケース2に固定された第1部分261と、カバー3に固定された第2部分262とを備える。
【0118】
カバー3がその閉位置にある場合、カバー3のロック手段26の第2部分262は、ケースのロック手段26の第1部分261と協働して、カバー3を閉位置にロックすることができる。
【0119】
図6に示されるように、ケース2は、ユーザがパッケージ1と情報を交換することを可能にする電子対話インターフェース27をさらに備える。
【0120】
有利な態様によれば、対話インターフェースは、一方でロック手段26に、他方でロック手段26と通信するための通信ネットワークに接続される。この目的のために、電子対話インターフェース27は、ユーザがパッケージ1と情報を交換することを可能にする通信装置28だけでなく、通信ネットワーク、より具体的にサーバとやり取りするための通信手段(図示せず)を備える。
【0121】
好ましくは、電子対話インターフェース27は、いろいろな要素、即ち、電子対話インターフェース27、ロック手段26、及びリモートサーバの間の通信を可能にすることを意図されたスマートパネル(図示せず)を備える。
【0122】
電子対話インターフェース27とロック手段26の間の通信は、ロック手段26を制御すること、特に、分離を許可すること、又は、ケースの内部空間23へのアクセス、即ちカバー3の開放を防止することを可能にする。従って、これは、
-カバー3が、特定の場所又は特定の条件下でのみ、その開位置を取り得ることを確実にし、
-パッケージ1内の運送される物体5の安全を保証すること、を可能にする。
【0123】
図1図4、及び図5に示された第1実施形態によれば、それぞれの側面パネル223は接合手段25によって前面パネル221及び後面パネル222に機械的に接続される。
【0124】
接合手段25は可撓性を有し、換言すれば、それらは変形し得る。
【0125】
例えば、接合手段25は、それぞれ、
-前面パネル221又は後面パネル222に固定された第1部分251と、
-側面パネル223の一方に固定された第2部分252と、
-第1部分251と第2部分252を接続する中央部分253と、を有する非弾性ストラップの形を取る。
【0126】
接合手段25によって、以下に説明されるように、ケースの成形、即ち周縁部をその収納位置からその使用位置に移すことを、側面パネル223の取り扱いのみで行うことができる。
【0127】
収納形態(パッケージ1の折り畳み状態又は保管状態)において、図3に示されるように、パッケージ1は実質的に平らである。換言すれば、周縁部22は少なくとも部分的に底部21の上に延在し(前面パネル221は底部21の延長上に位置してもよい)、カバー3は周縁部22の上に折り畳まれる。
【0128】
換言すれば、周縁部22は少なくとも部分的に底部21とカバー3の間に挟まれる。
【0129】
パッケージ1を使用するために、ユーザは、図4に示されるように、カバー3が底部21に実質的に連続して位置するようにカバー3を開き、それからケース2を成形する。
【0130】
ケース2を成形するために、即ち周縁部22をその使用位置に配置するために、ユーザは、ケース2の外側に向けて側面パネル223に引っ張り力をかけるだけでよい。これは、側面パネル223も、接合手段225のおかげで前面パネル221及び後面パネル222も底部21に実質的に垂直に配置されるいう効果を有する。実際、接合手段225は、ユーザによってかけられた引っ張り力で同時に前面パネル221及び後面パネル222を引っ張ることを確実にする。
【0131】
それから、ユーザは、留め手段を用いて、周縁部22をその使用位置に維持する。
【0132】
周縁部22の使用位置において、カバー3は後面パネル222と同一の平面上に延在する。
【0133】
ケース2が成形されると、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223は、全て、ケース2の内部空間23を形成するように底部21に実質的に垂直に配置される。
【0134】
図9に示される第2実施形態によれば、接合手段は、側面パネル223を後面パネル222に機械的に接続するだけである。従って、2つの側面パネル223の変位は後面パネル222の変位を引き起こす。同様に、後面パネル222が変位した場合、それはそれと共に側面パネル223の変位を引き起こす。
【0135】
ケース2を成形するために、即ち周縁部22をその使用位置に配置するために、ユーザはケース2の外側に向けて側面パネル223に引っ張り力をかける。これは、側面パネル223も、接合手段225のおかげで後面パネル222も底部21に実質的に垂直に配置されるいう効果を有する。実際、接合手段225は、ユーザによってかけられた引っ張り力で同時に後面パネル222を引っ張ることを確実にする。それから、ユーザは、ケース2の外側に向けて引っ張り力をかけることで、ケース2の底部21に実質的に垂直に前面パネル221を配置する。
【0136】
それから、ユーザは、留め手段を用いて、周縁部22をその使用位置に維持する。
【0137】
ケース2が成形されると、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223は、全て、ケース2の内部空間23を形成するように底部21に実質的に垂直に配置される。
【0138】
図10に示された第3実施形態によれば、前面パネル221、後面パネル222、第1側面パネル223a、及び第2側面パネル223bのそれぞれは、他のパネルから独立している。換言すれば、前面パネル221、後面パネル222、又は側面パネル223の一方の動きは、周縁部22の別のパネルの動きに影響しない。
【0139】
ケース2を成形するために、即ち周縁部22をその使用位置に配置するために、ユーザは、ケース2の外側に向けて、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223のそれぞれに引っ張り力をかける。
【0140】
ケース2が成形されると、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223は、全て、ケース2の内部空間23を形成するように底部21に実質的に垂直に配置される。
【0141】
それから、ユーザは、留め手段を用いて、周縁部22をその使用位置に維持する。
【0142】
特に図1及び図6に関して、カバー3は、ケース2に対して可動であり、少なくとも、
-カバー3が、周縁部22を覆い、従ってアクセス開口部24を閉じる閉位置と、
-カバー3が、ケース2の内部空間23における運送される物体5の挿入又は取り除きを可能にするように、周縁部22から、従ってアクセス開口部24から距離をおいて配置される開位置と、を取り得る。
【0143】
より詳細に、カバー3は、特に折り目の形を取ったヒンジ33によって、ケース2の後面パネル222に回転可能に取り付けられる。
【0144】
カバー3は、板31と、カバー3の閉位置で、底部21の方向に延在し、ケース2の底部21の近くに自由端321を有する垂直側材32とを備える。
【0145】
より具体的に、垂直側材32は、ヒンジの反対側の板の一端に配置され、板31と共に断面においてL字を形成する。
【0146】
特定の実施形態によれば、垂直側材32は、以下に説明されるように、保持手段4を調整できるように、板31に対して可動である。
【0147】
カバー3の閉位置において、垂直側材32はケース2の内部空間23に配置される。特に図9及び図10に示された有利な実施形態によれば、カバー3の閉位置において、垂直側材32は、側面パネル223に作られた溝224に収容される。従って、垂直側材32は、第1側面パネル223aから第2側面パネル223bに向かう及びその逆のカバー3の板31の変位を防止する位置に維持される。
【0148】
特に、図1図5図9、及び図10に見られるように、カバー3とケース2は、統合されており、換言すれば単一の組み立て部品を形成する。
【0149】
第1実施形態によれば、後面パネル222とケース21の底部との間の連結部の抵抗力は、後面パネル222とカバー3の間のヒンジ33の抵抗力を下回る。
【0150】
これは、上述のように、パッケージの容易な組み立て及び成形を可能にする。より具体的に、これは、ケース2を成形する際に、ユーザの力がなくても、カバー3が依然として後面パネル222に平行であることを可能にする。この平行の利点は、ケース2が成形されるとすぐに、ケース2の内部空間23は直接にアクセス可能であり、その結果、ユーザは、搬送される物体5を内部空間23に置く目的で、内部空間23にアクセスするためにカバー3を取り扱わなくてもよいという事実にある。
【0151】
第2実施形態によれば、後面パネル222とケース21の底部との間の連結部の抵抗力は、後面パネル222とカバー3の間のヒンジ33の抵抗力以上である。
【0152】
これにより、カバー3はケース2の成形中にその閉位置を取ることができる。従って、運送される物体5をケース2の内部空間23に挿入するために、カバー3を取り扱うことを必要とする。さらに、これは、カバー3の取り扱いがなくても、カバー3が運送される物体5をケース2内に維持することを確実にするようにその閉位置を取ることを確実にする。
【0153】
従って、後面パネル222とケース21の底部との間の連結部の抵抗力、及び後面パネル222とカバー3の間のヒンジ33の抵抗力は、ケース2をただ成形することで、カバー3が、標準的に閉じた位置か、標準的に開いた位置かを取ることができるように設計され得る。
【0154】
保持手段4の幾つかの実施形態が以下で説明される。それらの具体的な特徴にかかわらず、保持手段4のいろいろな実施形態には、それらが、ケース2に固定された第1部分41と、カバー3に固定された第2部分42とを有するという共通点がある。
【0155】
図1図4、及び図5に示された第1実施形態によれば、保持手段4の第1部分41はケース2の底部21によって形成され、第2部分42は十字の形に配置されたストラップを備える。
【0156】
ストラップは、
-運送される物体5に接触することを意図された中央部分43と、
-ケース2の底部21にストラップを接続する第1端部44と、
-カバー3に、より具体的にカバー3の垂直側材32にストラップを接続する第2端部45と、を有する。
【0157】
保持手段4の第2端部45と垂直側材32の間の接続は、垂直側材32の自由端321、即ち垂直側材32とカバー3の板31との間の接続部とは反対側の端部で行われる。
【0158】
図4に見られるように、ストラップは斜めに配置された4つの腕部を備える。腕部は対で配置され、それぞれの対は第1端部44又は第2端部45を形成し、腕部は接続面を形成する中央部分43によってストラップの中央に接続される。
【0159】
この中央部分43は、それぞれの腕部の表面より大きい運送される物体5との接触面を提供するように、実質的に正方形の形状をしている。接触面は、カバー3の閉位置で、底部21のキャビティ211と向かい合うことを意図されている。もちろん、中央部分43は、例えば、長方形、八角形、そうでなければ七角形のような他の任意の形状を取り得る。
【0160】
特に図4及び図5に示されるように、保持手段4の第1端部44は後面パネル222の近くで底部21上に位置し、第2端部は垂直側材32に固定される。
【0161】
保持手段4の第1端部44及び第2端部45は、互いに離れており、カバー3の閉位置において、それらの間に、かつ底部21上に、運送される物体5を収容するための領域を定める。
【0162】
有利に、保持手段は少なくともそれらの第1端部44及びそれらの第2端部45で弾力性を有する。
【0163】
特に、第1端部44及び第2端部45は、それぞれ、保持手段4とケース2又はカバー3との間を繋ぐ弾性部材46を備える。
【0164】
弾性部材46は、特に図2a及び図2bに示されるように、特に、例えば、引張ばね、又は弾性的に伸ばせる材料片の形を取ってもよい。それぞれの弾性部材46は、保持手段4の少なくとも部分的な変形が運送される物体5に適合することを可能にする。
【0165】
その上、ストラップは、カバー3の閉位置でケース2の底部21に向けられた内側面47を有する。この内側面47は、カバー3の閉位置で運送される物体5に接着することを意図された接着性の被覆物48を保持する。
【0166】
接着性の被覆物は、図2aに示されるようにストラップに取り付けられた追加の被覆物によって、又はストラップ自体によって形成され得る。
【0167】
追加の被覆物の場合、被覆物は、粗い部分及び/又は接着剤のような接着材を備えてもよい。
【0168】
もちろん、接着材が使用される場合、接着材はパッケージ1の再利用可能な性質と両立できるように選択される。即ち、接着材は、時間と共にストラップに完全に接着し、ストラップの下の運送される物体5の維持を向上させることができるが、ユーザがパッケージ1から運送される物体5を取り出したいとき、運送される物体5から分離される能力を有していなければならない。
【0169】
素材自体の場合、それは、特に、ケース2に収容された運送される物体5に接着できる特性を有する革又は合成素材でもよい。
【0170】
好ましくは、保持手段の第1部分41及び第2部分42の少なくとも一方は摺動性の被覆物を有し、接着性の被覆物48は摺動性の被覆物の2つの部分の間に位置する。
【0171】
図2bに示された変形例によれば、ストラップ及び保持手段はY字形状を有し、Y字の基部は第1部分41を定め、Y字の腕部は保持手段4をカバー3に接続する第2部分42を定める。Y字形状の保持手段は、それぞれ腕部の1つの延長上に位置する3つの弾性部材46を備える。
【0172】
図示されていない別の変形例によれば、保持手段はストラップに代えてフィルム又はネットを備える。
【0173】
ケース2の成形は保持手段4に張力をかけることを確実にする。従って、保持手段4はケース2の底部21とカバー2の垂直側材32との間に張られる。それから、図7及び図8に示されるように、カバー3をその閉位置に移すことで、運送される物体5に保持手段4を押し当て、それをケース2の内部空間23に維持する。それは底部21に押し付けられて動かなくなる。
【0174】
運送される物体5をケース2の底部21に押し付けて維持することは、特に、保持手段4がケースの底部21及び垂直側材32に固定されるという事実によって説明される。従って、カバー3がその閉位置にある場合、運送される物体5は、保持手段4の第1部分41と第2部分42の間に、それ故にケースの底部21と保持手段4の間に位置する。
【0175】
特に弾性部材46のおかげで保持手段4によって運送される物体5にかけられる圧力は、運送される物体5をケース2の底部21に押し付けて適所に維持することを可能にする。
【0176】
さらに、弾性部材46によって、異なるサイズの運送される物体5に保持手段4を適合させることができる。
【0177】
例えば、図8に関して、小さな運送される物体5がケース2の内部空間23に収容される。より具体的に、運送される物体5は、ケース2の底部21のキャビティ211内に収容され、キャビティ211の接着性の表面に置かれる。そして、保持手段4は、ケース2の底部21に当たりながら延伸し、キャビティ211を閉じ、運送される物体5はその中に閉じ込められる。
【0178】
一方、図7に示されるように、かさばる物体に関して、弾性部材46によって、保持手段4が、運送される物体5と調和し、ケース2の底部21と保持手段4の間にそれを維持するように変形できる。
【0179】
図9に示される第2実施形態によれば、保持手段4の第1部分41はケース2の底部21及び周縁部22に固定され、保持手段4の第2部分42はカバー3の板31の下面311に固定された発泡体の形を取る。
【0180】
より具体的に、保持手段4の第1部分41は、互いに隣接する複数のストラップ61を有するメッシュ6を備える。
【0181】
それぞれのストラップ61は、第1端部611によって側面パネル223の一方に固定され、第1端部611の反対側の第2端部612によってケースの底部21に固定される。
【0182】
図9に示されるように、2つの隣接したストラップ61は互い違いに配置される。換言すれば、第1のストラップ61は、その第1端部611によって第1側面パネル223aに固定され、第2の隣接したストラップは、その第1端部611によって第2側面パネル223bに固定される。
【0183】
これにより、メッシュ6上に、底部21から間隔をあけて運送される物体5を収容するための空間を形成できる。
【0184】
ストラップ61は、一部に弾性的に変形可能な材料を含んでもよく、又は全てそれで作られてもよい。ストラップ61の一部のみが弾性的に変形可能な材料で作られる場合、弾性的に変形可能でない部分は上述のような接着性の被覆物を備えてもよい。
【0185】
保持手段4の第2部分42の発泡体は、カバー3の閉位置でメッシュ6によって形成された収容空間に向かい合うことを意図された圧縮可能な発泡体である。
【0186】
以下に説明されるように、保持手段4の第2部分42の発泡体は、運送される物体5によって変形され、その輪郭と少なくとも部分的に調和し、従ってメッシュ6上で適所にそれを維持する。
【0187】
ケース2の成形は、保持手段4の第1部分41、即ちメッシュ6に張力をかけることを確実にする。従って、メッシュのストラップ61はケース2の底部21と周縁部22の側面パネル223の間に張られる。それから、カバー3をその閉位置に移すことで、運送される物体5に保持手段4の第2部分42を押し当て、保持手段4の第1部分41と第2部分42の間のケース2の内部空間23にそれを維持する。
【0188】
図10に示される第3実施形態によれば、保持手段4の第1部分41はケース2の周縁部22にのみ固定され、保持手段4の第2部分42はカバー3の板31の下面311に固定された発泡体の形を取る。
【0189】
より具体的に、保持手段4の第1部分41は少なくとも2つのストリップ7を備える。
【0190】
それぞれのストリップ7は、第1端部71によって第1側面パネル223aに固定され、第1端部71の反対側の第2端部72によって第2側面パネル223bに固定される。
【0191】
図10に示されるように、保持手段4の第1部分41は、互いから間隔をあけて配置され、ケース2の底部21から間隔をあけて配置された2つのストリップ7を備える。
【0192】
換言すれば、2つのストリップ7は、ケース2の底部21と共に空の空間を形成し、運送される物体5をケース2の底部21に接触させない。
【0193】
ストリップ7は、一部に弾性的に変形可能な材料を含んでもよく、又は全てそれで作られてもよい。ストリップ7の一部のみが弾性的に変形可能な材料で作られる場合、弾性的に変形可能でない部分は上述のような接着性の被覆物を備えてもよい。
【0194】
保持手段4の第2部分42の発泡体は、カバー3の閉位置でストリップ7に向かい合うことを意図された圧縮可能な発泡体である。
【0195】
以下に説明されるように、保持手段4の第2部分42の発泡体は、運送される物体5によって変形され、その輪郭と少なくとも部分的に調和し、従ってストリップ7上で適所にそれを維持する。
【0196】
ケース2の成形は、保持手段4の第1部分41、即ち側面パネル223の間のストリップ7に張力をかけることを確実にする。
【0197】
それから、カバー3をその閉位置に移すことで、運送される物体5に保持手段4の第2部分42を押し当て、保持手段4の第1部分41と第2部分42の間のケース2の内部空間23にそれを維持する。
【0198】
図に示されていない実施形態によれば、保持手段4の第1部分41はネットハンモックを備え、保持手段4の第2部分42は、交互に設けられたくぼみと隆起部を有する発泡体を備え、隆起部はカバー3の閉位置でネットの穴と向かい合うことを意図されている。
【0199】
それぞれ図9及び図10に示される第3実施形態及び第4実施形態によれば、前面パネル221及び後面パネル222は側面パネル223の間に延在する。保持手段4の第1部分41を側面パネルに固定すると、ケースの底部21の方に側面パネル223を折り畳む力をかけることになる。ケース2が成形された場合、即ち周縁部22がその使用位置にある場合、保持手段4によって側面パネル223にかけられた折り畳み力は、側面パネル223によって前面パネル221及び後面パネル222を圧迫することで、前面パネル221及び後面パネル222に伝わる。
【0200】
そして、側面パネル223による前面パネル221及び後面パネル222のこの圧迫は、ケース2の底部21の方への前面パネル221及び後面パネル222の折り畳みを防止する。その結果、周縁部22はその使用位置に確実に維持される。
【0201】
図11に示される第4実施形態によれば、保持手段4の第1部分41は、例えば、周縁部22の使用位置で、ケース2の底部から少し離れて、側壁223の間又は前壁211と後壁22の間に張られたネットからなる、第1ハンモック81の形を取る。
【0202】
保持手段4の第2部分42も、周縁部22の後壁222とカバー3の垂直側材32の間に延在する第2ハンモックの形をとるハンモックの形をとる。
【0203】
ケース2の成形は、保持手段4の第1部分41、即ち側面パネル223の間又は前壁221と後壁222の間のハンモックに張力をかけることを確実にする。
【0204】
それから、カバー3をその閉位置に移すことで、運送される物体5に保持手段4の第2部分42を押し当て、保持手段4の第1部分41と第2部分42の間のケース2の内部空間23にそれを維持する。
【0205】
最後に、保持手段4は、それらの形態にかかわらず、運送される物体5に小さい力をかけるように設計され、その結果、運送される物体5を維持することはその劣化を引き起こさないことが明記される。この目的のために、保持手段4の張力を調整するためのシステムが設けられ得る。
【0206】
本発明によるパッケージ1の利点のうち、異なるサイズの運送される物体5への保持手段4の適合性に言及し得る。上述のように、保持手段4によってケース2の内部空間23内に小さな運送される物体5と大きな運送される物体5の両方を維持できる。
【0207】
また、パッケージ1のコンパクトさ、特にその収納形態(折り畳み状態又は保管状態)に言及し得る。実際、カバー3がケース2の底部21に重なることは、パッケージ1がその不使用時にコンパクトで場所を取らないことを可能する。これは、折り畳み可能でない、又はケースが折り畳まれても不使用時に広い空間を必要とする従来技術の機器に従わない。
【0208】
さらに、ケース2の簡単な成形によって保持手段4を使用できるので、使いやすさに言及し得る。従って、従来技術の幾つかの機器の場合のようにケース2を成形する以外に追加の取扱作業を行うことは不要である。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(21)及び周縁部(22)を有するケース(2)と、
前記ケース(2)に対して可動なカバー(3)と、
前記ケース(2)内に挿入された運送される物体(5)を前記ケース(2)内に維持する保持手段(4)と、を備え、
前記周縁部(22)は、
前記周縁部(22)が前記底部(21)と実質的に平行に延在する収納位置と、
前記周縁部(22)が前記底部(21)から延在する使用位置と、を取り得、
前記カバー(3)は、
前記カバー(3)が前記周縁部(22)を覆う閉位置と、
前記カバー(3)が前記周縁部(22)から取り去られる開位置と、を取り得、
前記ケース(2)は、前記周縁部(22)をそれの使用位置に留める手段を備え、前記保持手段(4)は、変形可能であり、
前記ケース(2)に固定された第1部分(41)と、
前記カバー(3)に固定された第2部分(42)と、を備え、
前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は、前記周縁部(22)の前記収納位置で緩められ、前記周縁部(22)の前記使用位置で張力をかけられることを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記周縁部(22)は、
前面パネル(221)と、
後面パネル(222)と、
前記前面パネル(221)と前記後面パネル(222)を接続する2つの側面パネル(223;223a、223b)と、を備え、それぞれのパネル(221、222、223)は前記底部(21)に繋げられ、前記パネル(221、222、223)は前記周縁部(22)の前記使用位置で前記底部(21)に実質的に垂直であることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
それぞれの側面パネル(223a、223b)は接合手段(25)によって前記前面パネル(221)及び前記後面パネル(222)に接続され、前記周縁部(22)をそれの収納位置からそれの使用位置に移す際の前記側面パネル(223)の変位によって、前記前面パネル(221)及び前記後面パネル(222)の変位が起こることを特徴とする、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記周縁部(22)をそれの使用位置に留める手段は、次の群、
磁力、
挿入、
変形、
支持、によるものに属することを特徴とする、請求項2又は3に記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は少なくとも1つの弾性的に変形可能な部分を有することを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は接着性の被覆物を有することを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)及び前記第2部分(42)の少なくとも一方は摺動性の被覆物を有し、前記接着性の被覆物は前記摺動性の被覆物の2つの部分の間に位置することを特徴とする、請求項6に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記接着性の被覆物は、前記カバー(3)の前記閉位置において、前記ケース(2)の前記底部(21)に対して中央に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)と前記第2部分(42)は互いに別個であり、
前記第1部分(41)は、前記周縁部(22)の前記使用位置で、前記ケース(2)の前記底部(21)から間隔をあけて配置され、
前記第2部分(42)は、前記カバー(3)の前記閉位置で前記ケース(2)の前記底部(21)に向けられた前記カバー(3)の下面(331)に固定された発泡体の形を取ることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記カバー(3)は、板(31)と、前記カバー(3)の前記閉位置で、前記底部(21)の方向に延在し、前記ケース(2)の前記底部(21)の近くに自由端(321)を有する垂直側材(32)とを備え、
前記保持手段(4)の前記第1部分(41)は前記ケース(2)の前記底部(21)によって形成され、
前記保持手段(4)の前記第2部分(42)は、可撓性を有し、第1端部(44)によって前記ケース(2)の前記底部(21)に又は前記ケース(2)の前記底部(21)の近くで前記周縁部(22)に固定され、第2端部(45)によって前記垂直側材(32)の前記自由端(321)に固定され、前記保持手段(4)の前記第1端部(44)及び前記第2端部(45)は、互いに離れており、前記カバー(3)の前記閉位置において、それらの間に、かつ前記底部(21)上に、前記運送される物体(5)を収容するための領域の境界を定めることを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項11】
前記保持手段(4)は少なくとも1つのストラップを備えることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ(1)。
【請求項12】
前記1つのストラップ又はそれぞれのストラップは、前記ケース(2)の前記底部(21)に向けられた内側面(47)を有し、前記内側面(47)は接着性の被覆物を有することを特徴とする、請求項11に記載のパッケージ(1)。
【請求項13】
前記1つのストラップ又はそれぞれのストラップはX字又はY字形状を有し、前記X字又は前記Y字の第1部分は前記保持手段(4)の前記第1端部(44)を有し、反対側の第2部分は前記保持手段(1)の前記第2端部(45)を有することを特徴とする、請求項11又は12に記載のパッケージ(1)。
【請求項14】
前記保持手段(1)は、前記カバー(3)の前記閉位置で前記ケース(2)の前記底部(21)を少なくとも部分的に覆うことを意図されたフィルムを備えることを特徴とする、請求項10に記載のパッケージ(1)。
【請求項15】
前記垂直側材(32)は前記板(31)に枢動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項10から14の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項16】
前記ケース(2)の前記底部(21)は、前記運送される物体(5)を収容するためのハウジングを形成するキャビティ(211)を有することを特徴とする、請求項10から15の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項17】
前記キャビティ(211)は、前記運送される物体(5)を適所に維持するように、前記運送される物体(5)と協働することを意図された接着性の表面を有する基部(212)を有することを特徴とする、請求項16に記載のパッケージ(1)。
【請求項18】
前記キャビティ(211)は前記ケース(2)の前記底部(21)の中央に配置されることを特徴とする、請求項16又は17に記載のパッケージ(1)。
【請求項19】
前記ケース(2)は前記カバー(3)をそれの閉位置でロックする手段(26)を備え、前記ロック手段(26)は、前記ケース(2)に固定された第1部分(261)と、前記カバー(3)に固定された第2部分(262)とを含むことを特徴とする、請求項1から18の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項20】
前記ケース(2)は電子対話インターフェース(27)を有することを特徴とする、請求項1から19の何れかに記載のパッケージ(1)。
【国際調査報告】