IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オプトチューン アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2022-509818焦点距離を調整可能な小型液体レンズ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-24
(54)【発明の名称】焦点距離を調整可能な小型液体レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20220117BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20220117BHJP
   G02B 3/14 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/02 Z
G02B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529748
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(85)【翻訳文提出日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2019083183
(87)【国際公開番号】W WO2020109605
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】18209306.2
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516049342
【氏名又は名称】オプトチューン アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュモルカ、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】アスクワンデン、マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ラニンク、クリス
(72)【発明者】
【氏名】パットシェイダー、ローマン
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼ、ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】ニーデラー、ダヴィッド アンドレアス
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AJ04
2H044AJ05
2H044BE02
2H044BE04
2H044BE07
2H044BE09
(57)【要約】
本発明は、焦点距離を調整可能なレンズ1に関し、レンズ1は、容器2の内部空間3を取り囲む容器2であって、内部空間3が、透明な液体Lで満たされ、容器2は、該内部空間3を囲繞する周方向の側壁20を備え、側壁20は、液体Lが膜22及びカバー要素21の間に配置されるように、透明なカバー要素21及び透明で弾性変形可能な膜22に連結されている、容器2と、膜22に連結された環状レンズ成形器4であって、それにより、レンズ成形器4の内周縁部40が、膜22の中央領域23を画定し、領域23を通過する光は、該領域23の曲率に応じて屈折される、環状レンズ成形器4と、レンズ1の該領域23の該曲率を調整し、それによりレンズ1の焦点距離を調整するために、レンズ成形器4をカバー要素21の方に向かって、又はカバー要素21とは反対側に動かすよう構成されたアクチュエータであって、アクチュエータは、レンズ成形器4を動かすために、側壁20に一体化されたコイル6を備え、アクチュエータは、コイル6がレンズ成形器4を動かすための磁場を発生させるように、コイル6に電流を発生させるよう構成される、アクチュエータとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦点距離を調整可能なレンズ(1)であって、前記レンズ(1)は、
容器(2)の内部空間(3)を取り囲む前記容器(2)であって、前記内部空間(3)が、透明な液体(L)で満たされ、前記容器(2)は、前記内部空間(3)を囲繞する周方向の側壁(20)を備え、前記側壁(20)は、前記液体(L)が膜(22)及びカバー要素(21)の間に配置されるように、透明な前記カバー要素(21)及び透明で弾性変形可能な前記膜(22)に連結されている、容器(2)と、
前記膜(22)に連結された環状レンズ成形器(4)であって、それにより、前記レンズ成形器(4)の内周縁部(40)が、前記膜(22)の中央領域(23)を画定し、前記領域(23)を通過する光は、前記領域(23)の曲率に応じて屈折されるようになっている、環状レンズ成形器(4)と、
前記レンズ(1)の前記領域(23)の前記曲率を調整し、それにより前記レンズ(1)の前記焦点距離を調整するために、前記レンズ成形器(4)を前記カバー要素(21)の方に向かって、又は前記カバー要素(21)とは反対側に移動させるよう構成されたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記レンズ成形器(4)を移動させるために、前記側壁(20)に一体化されたコイル(6)を備え、前記アクチュエータは、前記コイル(6)が前記レンズ成形器(4)を移動させるための磁場を発生させるように、前記コイル(6)に電流を発生させるように構成される、アクチュエータと
を備える、レンズ(1)。
【請求項2】
前記膜(22)が、前記側壁(20)と前記膜(22)との間に配置された環状スペーサ(5)を介して、前記側壁(20)に連結されている、請求項1に記載のレンズ。
【請求項3】
前記スペーサ(5)が、前記側壁(20)の内径(D2)よりも大きい内径(D1)を有する、請求項2に記載のレンズ。
【請求項4】
前記スペーサ(5)が、前記側壁(20)の表面(20a)上に施された鍍金である、請求項2又は3に記載のレンズ。
【請求項5】
前記スペーサ(5)が、金属、非磁性金属、銅、銅を含む合金、プラスチック材料、ポリマーの材料のうちの1つで形成されるか、又は前記材料のうちの1つを含む、請求項2から4までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項6】
前記側壁(20)が、プリント回路基板によって形成され、前記コイル(6)が、前記プリント回路基板内に組み込まれた導体(60)によって形成される、請求項1から5までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項7】
前記コイル(6)が、前記側壁(20)内に封入されたディスクリート部品によって形成される、請求項1から5までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項8】
前記レンズ成形器(4)が、環状の永久磁石(4a)を備えるか、又は環状の永久磁石(4)によって形成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項9】
前記レンズ成形器(4)が、前記容器(2)の前記内部空間(3)内に配置され、前記液体(L)に浸漬される、請求項1から8までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項10】
前記永久磁石(4)が径方向に磁化される、請求項1から9までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項11】
前記永久磁石(4)が、前記側壁(20)の内側面(20b)の方に向いている、周方向の外側面(4b)を有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項12】
前記レンズ成形器(4)が、前記容器(2)の前記内部空間(3)の外側に配置される、請求項1から8までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項13】
前記永久磁石(4)が、軸線方向に磁化される、請求項12に記載のレンズ。
【請求項14】
前記レンズ成形器(4)が、非磁性層(41)を備え、前記層(41)は、前記膜(22)の上面(22a)に連結され、且つ前記膜(22)の前記上面(22a)と前記レンズ成形器(4)の前記永久磁石(4a)との間に配置される、請求項12又は13に記載のレンズ。
【請求項15】
前記コイル(6)と前記永久磁石(4、4a)の磁場との相互作用が、ローレンツ力に相当する、請求項8に記載の、又は請求項8を引用する請求項9から14までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項16】
前記レンズ成形器(4)が、軟磁性金属で形成された環状部材(4)によって形成されるか、又は前記レンズ成形器(4)が、軟磁性金属で形成された環状部材を備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項17】
前記環状部材(4)が、前記スペーサ(5)との間に空隙を(42)を形成する、請求項2及び16に記載のレンズ。
【請求項18】
前記コイル(6)の前記磁場が、前記空隙(42)を最小化するように、前記環状部材(4)を前記スペーサ(5)の方に向かって移動させる磁気抵抗力を発生させる、請求項17に記載のレンズ。
【請求項19】
焦点距離を調整可能なレンズ(1)であって、前記レンズ(1)は、
容器(2)の内部空間(3)を取り囲む前記容器(2)であって、前記内部空間(3)が、透明な液体(L)で満たされ、前記容器(2)は、前記内部空間(3)を囲繞する周方向の側壁(20)を備え、前記側壁(20)は、前記液体(L)が膜(22)及びカバー要素(21)の間に配置されるように、透明な前記カバー要素(21)及び透明で弾性変形可能な前記膜(22)に連結されている、容器(2)と、
前記膜(22)に連結された環状レンズ成形器(4)であって、それにより、前記レンズ成形器(4)の内周縁部(40)が、前記レンズ(1)の中央領域(23)を画定し、前記領域(23)を通過する光は、前記領域(23)の曲率に応じて屈折されるようになっている、環状レンズ成形器(4)と、
前記レンズ成形器(4)を前記カバー要素(21)の方に向かって移動させ、前記膜(22)の前記領域(23)の前記曲率を調整し、それにより前記レンズ(1)の前記焦点距離を調整するよう構成されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、前記レンズ成形器(4)を移動させるために、形状記憶合金で形成された少なくとも1つの変形可能な部材(7)を備え、前記変形可能な部材(7)が、前記レンズ成形器(4)の初期位置に対応する第1の状態、及び前記レンズ(1)の前記焦点距離を調整するために、前記レンズ成形器(4)を前記カバー要素(21)の方に向かって移動させた第2の状態を有する、アクチュエータと
を備える、レンズ(1)。
【請求項20】
前記アクチュエータが、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)を加熱して、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)を、前記第1の状態から前記第2の状態にさせるよう構成される、請求項19に記載のレンズ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、前記容器(2)の前記内部空間(3)の外側に配置される、請求項19又は20に記載のレンズ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、細長い形状を有する、請求項19から21までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項23】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、ループを形成する、請求項19から22までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項24】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、前記側壁(20)の外側(20c)に配置された保持要素(8)に連結されている、請求項19から23までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項25】
前記レンズ成形器(4)が、前記レンズ形成器(4)の径方向(R)に延出する4つの突起(45)を備える、請求項19から24までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、4つの部分(70)を備え、各部分が、前記レンズ成形器(4)の前記突起(45)のうちの1つの上に延在する、請求項25に記載のレンズ。
【請求項27】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)の前記第2の状態では、各部分(70)が、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)の前記第1の状態と比較して小さい曲率を構成し、したがって、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)を前記第1の状態から前記第2の状態にさせると、前記レンズ成形器(1)が、前記カバー要素(21)の方に向かって引っ張られるようになっている、請求項26に記載のレンズ。
【請求項28】
前記膜(22)が、前記側壁(20)と前記膜(22)との間に配置された環状スペーサ(5)を介して、前記側壁(20)に連結されている、請求項19から27までのいずれか一項に記載に記載のレンズ。
【請求項29】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)及び前記レンズ成形器(4)が、前記容器(2)の前記内部空間(3)内に配置され、前記液体(L)に浸漬される、請求項19又は20に記載のレンズ。
【請求項30】
前記側壁(20)が、プリント回路基板として形成される、請求項19から29までのいずれか一項に記載のレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦点距離を調整可能なレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
焦点距離を調整可能なレンズは、多種多様な技術的用途で使用されている。具体的には、スマートフォン及び他の小型ハンドヘルド・デバイスなどの携帯用途について、それぞれのレンズが、可能な限り小さな装着空間しか必要としないことは、非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、焦点距離を変更可能であり、且つレンズの装着空間を最小限に抑えることが可能な小型の設計を有するレンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この問題は、請求項1及び請求項19の特徴を有するレンズによって解決される。
【0005】
本発明のこれらの態様の好ましい実施例は、対応する従属請求項に記載され、さらに以下で説明される。
【0006】
請求項1によれば、焦点距離が可変であるレンズが開示され、該レンズは、以下を備える。
- 容器の内部空間を取り囲む容器であって、内部空間が、透明な液体で満たされ、容器は、該内部空間を囲繞する周方向の側壁を備え、側壁は、液体が膜とカバー要素との間に配置されるように、容器の底部を形成する透明で硬質なカバー要素、及び透明で弾性変形可能な膜に連結されている、容器
- 膜に連結された環状レンズ成形器であって、それにより、レンズ成形器の内周縁部が、膜の中央領域を画定し、該領域を通過する光は、該領域の曲率に応じて屈折される、環状レンズ成形器、並びに
- レンズの該領域の該曲率を調整し、それによりレンズの焦点距離を調整するために、レンズ成形器をカバー要素の方に向かって、又はカバー要素とは反対側に動かすよう構成されたアクチュエータであって、アクチュエータは、レンズ成形器を動かすために、具体的には、コイルが内部空間及び内部空間内の液体を囲繞するように、側壁に一体化されたコイルを備え、アクチュエータは、コイルがレンズ成形器を動かすための磁場を発生させるように、コイルに電流を発生させるよう構成される、アクチュエータ。
【0007】
本発明の一実施例によれば、膜は、側壁と膜との間に配置された環状スペーサを介して、側壁に連結されている。
【0008】
一実施例によれば、環状スペーサは、好ましくは、周方向の側壁の内径よりも大きい内径を有する。
【0009】
さらに、本発明の一実施例によれば、スペーサは、側壁の表面上にめっきされためっき(たとえば、金属めっき)である。
【0010】
スペーサは、好ましくは、金属、非磁性材料、非磁性金属、銅、銅を含む合金の材料のうちの1つを含むか、又は該材料のうちの1つで形成される。とりわけ銅は、PCB上に簡単なやり方で付着させることができるという利点がある。さらに、スペーサの金属又は材料は、好ましくは、レンズ成形器とコイルとの間で、磁気回路を遮蔽しないように、非磁性である。しかし、スペーサはまた、プラスチック材料(たとえば、ポリマー)若しくはガラスで形成されるか、又はプラスチック材料若しくはガラスを含み得る。スペーサは、具体的には、(温度の上昇に伴う)液体の体積膨張を補償するのに役立つ、熱膨張を示す材料で形成され得、それによりスペーサは、レンズの受動的温度補償を実現させるのにも役立ち得る。
【0011】
スペーサはまた、めっきではなくて、側壁に取り付けられた(たとえば、接着された)別個の環状スペーサ、又は側壁と一体的に形成された部材であってもよい。
【0012】
さらに、本発明の一実施例によれば、側壁は、プリント回路基板によって形成され、該コイルは、プリント回路基板内に組み込まれた導体によって形成される。
【0013】
さらに、本発明の代替の実施例によれば、コイルは、側壁に封入されたディスクリート部品によって形成される。
【0014】
さらに、本発明の一実施例によれば、レンズ成形器は、環状の永久磁石を備えるか、又は環状の永久磁石によって形成される。
【0015】
さらに、本発明の一実施例によれば、レンズ成形器は、容器の内部空間内に配置され、液体に浸漬される。レンズ成形器(たとえば、永久磁石)は、具体的には、膜の底面に連結されており、底面は、カバー要素の方に向いている。具体的には、液体中にレンズ成形器を配置することにより、レンズの光軸方向のレンズの高さを低くすることができる。さらに、スペーサと組み合わせて、レンズの直径の縮小を実現できる。これは、スペーサが、有効口径の外側、具体的にはコイルの上に、自由な膜部分を実現させ得るという事実によるものである。コイルの上に自由な膜の長さがあることにより、容器の外径に対して、(同じコイルのサイズで)有効口径を最大化することもできる。
【0016】
さらに、本発明の一実施例によれば、永久磁石は、磁化がレンズ成形器の径方向に向けられるように、径方向に磁化される。
【0017】
さらに、本発明の一実施例によれば、磁石は、永久磁石の磁化方向(すなわち、レンズ成形器の径方向)に、側壁の内側面の方に向く、周方向の外側面を有する。
【0018】
さらに、本発明の一実施例によれば、レンズ成形器は、容器の内部空間の外側に配置され、レンズ成形器は、具体的には、膜の上面に連結され、上面は、カバー要素とは反対側へ向いている。やはりこの構成により、具体的にはスペーサと組み合わせて、レンズの外径を最小限に抑えることができる。この場合も、アクチュエータのコイルの上の膜の一部が、比較的弱い力で膜を撓ませるために使用できる、自由な膜の長さに寄与する。
【0019】
さらに、本発明の一実施例によれば、永久磁石は、磁化が、具体的にはレンズの光軸方向に向けられるように、軸線方向に磁化される。
【0020】
さらに、本発明の一実施例によれば、レンズ成形器は、層を備え、層は、膜の上面に連結され、膜の上面と永久磁石との間に配置されている。層は、具体的には、非磁性材料で形成されている。材料は、金属、プラスチック材料、ガラス、シリコンのうちの1つであり得る。
【0021】
さらに、本発明の一実施例によれば、通電コイルと永久磁石の磁場との相互作用は、ローレンツ力に相当する。
【0022】
さらに、本発明の一実施例によれば、レンズ成形器は、軟磁性金属で形成された環状部材によって形成されるか、又はレンズ成形器は、軟磁性金属で形成された環状部材を備える。軟磁性金属は、具体的には、強磁性金属、鉄及びニッケルを含む合金のうちの1つである。本発明による軟磁性金属は、具体的には、1より大きい比透磁率を有する。
【0023】
さらに、本発明の一実施例によれば、環状部材は、スペーサとの間に空隙を形成する。
【0024】
さらに、とりわけアクチュエータが、レンズ成形器を動かすための磁気抵抗力を発生させるよう構成されている場合(以下も参照)、スペーサは、好ましくは、非磁性材料で形成される。
【0025】
レンズ成形器は、具体的には、膜の上面に連結され、レンズ成形器の該内縁部を形成する、環状部材の円形突起によって形成される。
【0026】
さらに、本発明の一実施例によれば、コイルの磁場は、環状部材を(及び、したがってレンズ成形器を)スペーサの方に向かって動かし、空隙を最小化する、磁気抵抗力を発生させる。
【0027】
本発明のさらなる態様によれば、焦点距離を調整可能なレンズが開示され、レンズは以下を備える。
- 容器の内部空間を取り囲む容器であって、内部空間が、透明な液体で満たされ、容器は、該内部空間を囲繞する周方向の側壁を備え、側壁は、液体が膜とカバー要素との間に配置されるように、容器の底部を形成する透明で硬質なカバー要素、及び透明で弾性変形可能な膜に連結されている、容器
- 膜に連結された環状レンズ成形器であって、それにより、レンズ成形器の内周縁部が、膜の中央領域を画定し、該領域を通過する光は、該領域の曲率に応じて屈折される、環状レンズ成形器、並びに
- レンズ成形器をカバー要素の方に向かって動かし、レンズの該領域の該曲率を調整し、それによりレンズの焦点距離を調整するよう構成されたアクチュエータであって、アクチュエータが、レンズ成形器を動かすために、形状記憶合金で形成された少なくとも1つの変形可能な部材を備え、該変形可能な部材が、レンズ成形器の初期位置に対応する第1の状態と、レンズの焦点距離を調整するために、レンズ成形器をカバー要素の方に向かって動かした第2の状態とを有する、アクチュエータ。
【0028】
さらに、本発明の一実施例によれば、アクチュエータは、変形可能な部材を加熱して、変形可能な部材を第1の状態から第2の状態にさせるよう構成される。アクチュエータは、具体的には、形状記憶合金で形成された変形可能な部材に電流を発生させることにより、変形可能な部材を加熱するよう構成される。アクチュエータは、具体的には、たとえばコイルを使用して誘導加熱することによって、変形可能な部材を加熱するよう構成され得る。アクチュエータは、このコイルに交流電流を発生させるよう構成され、それにより、変形可能な部材に渦電流を発生させ、変形可能な部材を加熱する(ジュール加熱)。
【0029】
一実施例によれば、側壁は、具体的には、側壁の内側を形成する断熱部分を備え、この内側は、容器の内部空間の方に向いている。断熱部分(たとえば、層)は、プラスチック材料(たとえば、PCB FR4材料、たとえば、ガラス強化エポキシ・ラミネート材料)で形成できる。
【0030】
さらに、一実施例によれば、側壁は、側壁の外側を形成する部分(たとえば、層)を備え、この部分は、具体的には、確実に、良好に熱を外部に伝導させ、液体の加熱(たとえば、熱を発生させる、アクチュエータのコイル又はレンズの構成要素に起因する)を最小限に抑えるために、金属(たとえば銅、又は銅を含む合金)で形成され得る。側壁のこうした部分は、具体的には、本発明のすべての実施例/態様において、設けられ得る。
【0031】
さらに、本発明の一実施例によれば、変形可能な部材は、容器の内部空間の外側に配置されている。
【0032】
さらに、本発明の一実施例によれば、変形可能な部材は、細長い形状を有する。
【0033】
さらに、本発明の一実施例によれば、変形可能な部材は、ループ、具体的には閉ループを形成する。
【0034】
さらに、本発明の一実施例によれば、変形可能な部材は、側壁の外側に配置された保持要素に連結されている。
【0035】
さらに、本発明の一実施例によれば、レンズ成形器は、レンズ成形器の径方向に延出する4つの突起を備える。
【0036】
さらに、本発明の一実施例によれば、変形可能な部材は、4つの部分を備え、各部分は突起のうちの1つの上に延在する。したがって、レンズ成形器は、具体的には、変形可能な部材によって、レンズの容器に結合される。
【0037】
さらに、本発明の一実施例によれば、変形可能な部材の第2の状態では、各部分は、変形可能な部材の第1の状態と比較して小さい曲率を構成する。したがって、該部分がレンズ成形器の突起の上に延在し、変形可能な部材が保持要素を介して容器に連結されているという事実により、変形可能な部材を第1の状態から第2の状態にさせると、レンズ成形器が、カバー要素の方に向かって引っ張られる。
【0038】
さらに、本発明の一実施例によれば、膜は、側壁と膜との間に配置された環状スペーサを介して側壁に連結され、環状スペーサは、好ましくは、周方向の側壁の内径よりも大きい内径を有する。
【0039】
さらに、本発明の一実施例によれば、少なくとも1つの変形可能な部材及びレンズ成形器は、容器の内部空間内に配置され、液体に浸漬される。
【0040】
さらに、本発明の一実施例によれば、側壁は、プリント回路基板として形成される。
【0041】
本明細書に開示されるレンズ設計により、携帯電話のカメラ、手術、内視鏡マシン・ビジョン、バー・コード走査、監視カメラ、IOTデバイス、及びドローンなどの小型化される用途のために、それぞれのレンズのサイズを縮小することが可能である。
【0042】
以下では、本発明のさらなる利点、特徴、並びに実施例が、図を参照して説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明によるレンズの実施例の概略断面図(A)、及び実施例の概略上面図(B)である。
図2】本発明によるレンズの別の実施例の概略断面図(A)、及びこの実施例の概略上面図(B)である。
図3】本発明によるレンズの別の実施例(A)及び(B)の概略断面図である。
図4】本発明によるレンズの別の実施例の斜視図(A)及び概略断面図、並びに(A)及び(B)に示される実施例の修正形態の概略断面図(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1(A)及び図1(B)は、本発明によるレンズ1を示し、レンズ1は、焦点距離を調整可能である。このために、レンズ1が、容器2の内部空間3を取り囲む容器2を備え、内部空間3は、透明な液体Lで満たされ、容器2は、該内部空間3を囲繞する周方向の側壁20を備え、側壁20は、透明なカバー要素21(たとえば、ガラス、プラスチック材料、又はポリマーで形成される)及び透明で弾性変形可能な膜22に連結され、液体Lは、膜22とカバー要素21との間に配置される。容器2は、具体的には、光軸Aの方向に透明である、液体L用の、密閉封止された入れ物を形成する。さらに、レンズ1は、レンズ成形器4の内周の(たとえば、円形の)縁部40が、膜22の中央領域23(たとえば、レンズ1の有効口径に一致する)を画定し、該領域23を通過する光が、該領域23の曲率に応じて屈折されるように、膜22に連結された環状レンズ成形器4を備える。さらに、レンズ1は、レンズ1の該領域23の該曲率を調整/変更し、またそれによりレンズ1の焦点距離を調整/変更するために、レンズ成形器4を光軸Aに沿って、カバー要素21に向かって又はカバー要素21とは反対方向に動かすよう構成される、アクチュエータを備える。たとえば図1(A)では、領域23は平坦であるが、レンズ成形器4が下方へ(カバー要素21の方に向かって)動かされると、内部空間3内の液体Lによって凸状の膨らみを形成し、その結果、レンズ1の焦点距離が減少することになる。アクチュエータは、具体的には、レンズ成形器4を動かすために、側壁20に一体化されたコイル6を備え、アクチュエータは、コイル6がレンズ成形器4を動かすための磁場を発生させるように、コイル6に電流を発生させるよう構成される。コイル6は、具体的には、好ましくはレンズ1の光軸Aと一致する、仮想コイル軸の周囲に延在する導電体60を備える。
【0045】
図1(A)から分かるように、膜22は、好ましくは、側壁20と膜22との間に配置された環状スペーサ5を介して、側壁20に連結されている。スペーサ5は、具体的には、側壁20の表面20aに連結(たとえば、接着)することができ、表面20aは、好ましくは弾性変形可能な膜22と比べて硬質であるカバー要素21の反対側に向いている。
【0046】
さらに、環状スペーサ5は、具体的には、周方向の側壁20の内径D2よりも大きい内径D1を有し、その結果、側壁20及びスペーサ5によって形成される内側面が、周方向の段差を形成する。
【0047】
図1(A)によれば、スペーサ5は、金属で形成された環状部材5であり得る。金属は、好ましくは、非磁性金属、銅、銅を含む合金のうちの1つである。
【0048】
一実施例によれば、側壁20は、プリント回路基板によって形成され、該コイル6は、該PCBの導体60によって形成される。すなわち、導体60/コイル6は、プリント回路基板内に組み込まれ、PCBの一体部分を形成する。代替の実施例によれば、コイル6は、側壁20に封入されたディスクリート部品(すなわち、巻かれたコイル)であってもよい。
【0049】
さらに、ボイス・コイル・モータの原理に基づくコイル6を使用して、レンズ成形器4を動かすために、レンズ成形器4は、環状の永久磁石を備えている。ここで具体的には、レンズ成形器は、環状永久磁石4によって形成されている。
【0050】
図1(A)から分かるように、レンズ成形器4は、好ましくは、容器2の内部空間3内に配置され、液体Lに浸漬される。これにより、レンズ1の非常に小型の設計が可能になる。レンズ成形器/永久磁石4は、具体的には、膜22の底面22bに連結されており、底面22bは、カバー要素21の方に向いている。
【0051】
永久磁石4は、具体的には、それぞれの磁化Mがレンズ成形器4の径方向Rに向けられるように径方向に磁化され、径方向Rは、光軸Aに垂直であり、外方に向いている。
【0052】
容器2の内部空間3内の磁石/レンズ成形器4の配置により、磁石4の周方向の外側面4bは、径方向R/永久磁石4の磁化Mの方向に、側壁20の内側面20bの方に向いている。
【0053】
図2(A)に示されるように、スペーサ5が省略されるか、又は図2(A)の通り、側壁20の表面20a上にめっきされる金属めっきによって形成され得る、より薄いスペーサ5に置き換えられる場合、光軸A方向のレンズ1の高さをさらに低くすることができる。金属めっきの金属は、好ましくは、非磁性金属、銅、銅を含む合金のうちの1つである。
【0054】
図1(A)及び図2(A)に示される実施例では、磁石4は、液体Lに浸漬されている。この場合スペーサ5は、具体的にはやはり、軟磁性の金属(すなわち、強磁性金属又はたとえば鉄及びニッケルを含む合金)で形成され得る。
【0055】
図3(A)及び図3(B)に示される代替の実施例によれば、レンズ成形器4はまた、レンズ1の容器2の内部空間3の外側に配置され得る。
【0056】
図3(A)は、具体的には、図1(A)に示される実施例の修正形態を示し、図3(A)では、図1(A)とは対照的に、アクチュエータは磁気抵抗アクチュエータであり、したがって磁石4は、金属、具体的には軟磁性の金属(すなわち、強磁性金属又はたとえば鉄及びニッケルを含む合金)で形成される環状部材4によって置き換えられる。
【0057】
しかし、前の場合と同様に、側壁20の表面20a上に配置されたスペーサ5は、好ましくは非磁性金属/材料で形成され、且つ環状部材4から空隙42によって隔離され、その結果アクチュエータのコイル6によって生成された磁場が、空隙42を最小化するように、環状部材4(すなわち、レンズ成形器4)をスペーサ5の方に向かって動かす磁気抵抗力を発生させる。これにより、膜22の領域23の曲率が変化し、それに応じて、レンズ1の焦点距離が変化する。
【0058】
図3(A)に示されるように、環状部材4は、具体的には、膜22の上面22aに連結され、レンズ成形器4の該内縁部40を形成する、円形突起43を備え得る。
【0059】
図3(B)は、ボイス・コイル・アクチュエータを利用して膜22の領域23を変形させる、図3(B)に示される実施例の修正形態を示す。この場合図3(A)の環状部材4が、たとえば金属で形成された層41と共にレンズ成形器4を形成する、環状永久磁石4aによって置き換えられ、該層41は、膜22の上面22aに連結され、且つ膜22の上面22aとレンズ成形器4の永久磁石4aとの間に配置され、その結果、該金属層41が、レンズ成形器4の円形縁部40を形成する。図1及び図2とは対照的に、ここで磁石4は、具体的には、磁化Mがレンズ1の光軸Aの方向に向けられるように、軸線方向に磁化される。
【0060】
これまでのところ、説明された実施例では、それぞれのレンズ成形器4又は磁気抵抗モータ(図3(A))を動かすために、双極子-双極子相互作用又はローレンツ相互作用(ボイス・コイル)を利用してきた。ただし、本発明の実施例によれば、レンズ成形器4を動かして、それによりレンズ1の焦点距離を調整/変更するために、形状記憶合金も使用できる。
【0061】
たとえば図4(A)及び図4(B)に示されるように、かかるレンズ1が、この場合も、容器2の内部空間3を取り囲む容器2を備え、内部空間3は、透明な液体Lで満たされ、容器2は、該内部空間3を囲繞する周方向の側壁20を備え、側壁20は、液体Lが膜22とカバー要素21との間に配置されるように、容器2の底部を形成する透明なカバー要素21、及び透明で弾性変形可能な膜22に連結されている。さらに、レンズ1は、膜22に連結された環状レンズ成形器4も備え、それにより、レンズ成形器4の内周縁部40が、レンズ1の中央領域23を画定し、該領域23を通過する光は、該領域23の曲率に応じて屈折される。さらに、レンズ1は、レンズ成形器4をカバー要素21に向かって動かして、膜22の該領域23の該曲率を調整/変更し、それによりレンズ1の焦点距離を調整/変更するよう構成されたアクチュエータを備え、レンズ成形器を動かすために、アクチュエータは、形状記憶合金で形成された少なくとも1つの変形可能な部材7を備える。該変形可能な部材7は、具体的には、レンズ成形器4の初期位置に対応する第1の状態と、レンズ1の焦点距離を調整するために、レンズ成形器4をカバー要素21の方に向かって動かした第2の状態とを有する。
【0062】
アクチュエータは、具体的には、少なくとも1つの変形可能な部材7を加熱して、少なくとも1つの変形可能な部材7を、第1の状態から第2の状態にさせるよう構成される。このために、アクチュエータは、変形可能な部材7に電流を発生させ、ジュール熱(直接電気加熱)を発生させることによって、少なくとも1つの変形可能な部材7を加熱するよう構成され得る。
【0063】
図4(A)及び図4(B)に示される変形例によれば、少なくとも1つの変形可能な部材7は、容器2の内部空間3の外側に配置され得る。また、細長い形状を有し、ループ7を形成し得る。変形可能な形状記憶合金の部材7は、具体的には、側壁20の外側20cから突出する保持要素8を介して容器2に連結され得る。変形可能な部材7は、一方で、レンズ成形器4の突起45に跨がる部分70を備え、突起45は、膜22の上面22aに連結されたレンズ成形器4の環状基部44から突出し、且つレンズ1の曲率を調整可能な中央領域(口径)23を画定する、レンズ成形器4の該周方向の縁部40を形成する。
【0064】
図4(A)に示されるように、少なくとも1つの変形可能な部材7の第1の状態では、各部分70が、所定の曲率を構成し、レンズ成形器は、図4(B)にも示される初期位置にある。しかし、変形可能な部材7を、変形可能な部材を加熱することによって、変形可能な部材の第2の状態に転換すると、この曲率は低下する。第2の状態では、部分70は、第1の状態に比べてより真っ直ぐであり、したがって、レンズ成形器4を下方へ(すなわち、カバー要素21の方に向かって)押す。これにより、領域23の曲率が変化し、それによりレンズ1の焦点距離が変化する。具体的には、レンズ成形器11のこの動きにより、内部空間3内の液体Lによる膜22の領域23の凸状の膨らみが生じ得、その結果レンズ1の焦点距離が減少する。
【0065】
図4(B)に示されるように、この場合も、膜22は、側壁20(たとえば、表面20a)と膜22との間に配置された環状スペーサ5を介して、側壁20に連結され得る。環状スペーサ5は、具体的には、周方向の側壁20の内径D2よりも大きい内径D1を有することができる。
【0066】
図4(C)は、図4(A)及び図4(B)に示される実施例の修正形態を示し、図4(A)及び図4(B)とは対照的に、レンズ1の光軸A方向の高さをさらに低くするために、少なくとも1つの変形可能な部材7が、形状記憶合金で形成され、レンズ成形器4が、容器2の内部空間3内に配置され、液体Lに浸漬される。この場合も、側壁20は、具体的には、変形可能な部材7を駆動するためのレンズ1の電気的構成要素がレンズ1の側壁20に一体化され得るように、プリント回路基板として形成され得る。
図1
図2
図3(A)】
図3(B)】
図4(A)】
図4(B)】
図4(C)】
【手続補正書】
【提出日】2021-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦点距離を調整可能なレンズ(1)であって、前記レンズ(1)は、
容器(2)の内部空間(3)を取り囲む前記容器(2)であって、前記内部空間(3)が、透明な液体(L)で満たされ、前記容器(2)は、前記内部空間(3)を囲繞する周方向の側壁(20)を備え、前記側壁(20)は、前記液体(L)が膜(22)及びカバー要素(21)の間に配置されるように、透明な前記カバー要素(21)及び透明で弾性変形可能な前記膜(22)に連結されている、容器(2)と、
前記膜(22)に連結された環状レンズ成形器(4)であって、それにより、前記レンズ成形器(4)の内周縁部(40)が、前記レンズ(1)の中央領域(23)を画定し、前記領域(23)を通過する光は、前記領域(23)の曲率に応じて屈折されるようになっている、環状レンズ成形器(4)と、
前記レンズ成形器(4)を前記カバー要素(21)の方に向かって移動させ、前記膜(22)の前記領域(23)の前記曲率を調整し、それにより前記レンズ(1)の前記焦点距離を調整するよう構成されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、前記レンズ成形器(4)を移動させるために、形状記憶合金で形成された少なくとも1つの変形可能な部材(7)を備え、前記変形可能な部材(7)が、前記レンズ成形器(4)の初期位置に対応する第1の状態、及び前記レンズ(1)の前記焦点距離を調整するために、前記レンズ成形器(4)を前記カバー要素(21)の方に向かって移動させた第2の状態を有する、アクチュエータと
を備える、レンズ(1)。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)を加熱して、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)を、前記第1の状態から前記第2の状態にさせるよう構成される、請求項に記載のレンズ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、前記容器(2)の前記内部空間(3)の外側に配置される、請求項又はに記載のレンズ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、細長い形状を有する、請求項からまでのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、ループを形成する、請求項からまでのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、前記側壁(20)の外側(20c)に配置された保持要素(8)に連結されている、請求項1からまでのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項7】
前記レンズ成形器(4)が、前記レンズ形成器(4)の径方向(R)に延出する4つの突起(45)を備える、請求項からまでのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)が、4つの部分(70)を備え、各部分が、前記レンズ成形器(4)の前記突起(45)のうちの1つの上に延在する、請求項に記載のレンズ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)の前記第2の状態では、各部分(70)が、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)の前記第1の状態と比較して小さい曲率を構成し、したがって、前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)を前記第1の状態から前記第2の状態にさせると、前記レンズ成形器(1)が、前記カバー要素(21)の方に向かって引っ張られるようになっている、請求項に記載のレンズ。
【請求項10】
前記膜(22)が、前記側壁(20)と前記膜(22)との間に配置された環状スペーサ(5)を介して、前記側壁(20)に連結されている、請求項からまでのいずれか一項に記載に記載のレンズ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの変形可能な部材(7)及び前記レンズ成形器(4)が、前記容器(2)の前記内部空間(3)内に配置され、前記液体(L)に浸漬される、請求項又はに記載のレンズ。
【請求項12】
前記側壁(20)が、プリント回路基板として形成される、請求項から11までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項13】
焦点距離を調整可能なレンズ(1)であって、前記レンズ(1)は、
容器(2)の内部空間(3)を取り囲む前記容器(2)であって、前記内部空間(3)が、透明な液体(L)で満たされ、前記容器(2)は、前記内部空間(3)を囲繞する周方向の側壁(20)を備え、前記側壁(20)は、前記液体(L)が膜(22)及びカバー要素(21)の間に配置されるように、透明な前記カバー要素(21)及び透明で弾性変形可能な前記膜(22)に連結されている、容器(2)と、
前記膜(22)に連結された環状レンズ成形器(4)であって、それにより、前記レンズ成形器(4)の内周縁部(40)が、前記膜(22)の中央領域(23)を画定し、前記領域(23)を通過する光は、前記領域(23)の曲率に応じて屈折されるようになっている、環状レンズ成形器(4)と、
前記レンズ(1)の前記領域(23)の前記曲率を調整し、それにより前記レンズ(1)の前記焦点距離を調整するために、前記レンズ成形器(4)を前記カバー要素(21)の方に向かって、又は前記カバー要素(21)とは反対側に移動させるよう構成されたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記レンズ成形器(4)を移動させるために、前記側壁(20)に一体化されたコイル(6)を備え、前記アクチュエータは、前記コイル(6)が前記レンズ成形器(4)を移動させるための磁場を発生させるように、前記コイル(6)に電流を発生させるように構成される、アクチュエータと
を備える、レンズ(1)。
【請求項14】
前記膜(22)が、前記側壁(20)と前記膜(22)との間に配置された環状スペーサ(5)を介して、前記側壁(20)に連結されて、前記スペーサ(5)が、前記側壁(20)の内径(D2)よりも大きい内径(D1)を有し、前記スペーサ(5)が、前記側壁(20)の表面(20a)上に施された鍍金である、請求項13に記載のレンズ。
【請求項15】
前記側壁(20)が、プリント回路基板によって形成され、前記コイル(6)が、前記プリント回路基板内に組み込まれた導体(60)によって形成される、請求項13又は請求項14に記載のレンズ。
【請求項16】
前記永久磁石(4)が径方向に磁化されるか、または前記永久磁石(4)が、軸線方向に磁化される、請求項13から15までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項17】
前記永久磁石(4)が、前記側壁(20)の内側面(20b)の方に向いている、周方向の外側面(4b)を有する、請求項13から16までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項18】
前記コイル(6)と前記永久磁石(4、4a)の磁場との相互作用が、ローレンツ力に相当する、請求項13に記載の、又は請求項16又は請求項17に記載のレンズ。
【請求項19】
前記レンズ成形器(4)が、軟磁性金属で形成された環状部材(4)によって形成されるか、又は前記レンズ成形器(4)が、軟磁性金属で形成された環状部材を備える、請求項13から15までのいずれか一項に記載のレンズ。
【請求項20】
前記環状部材(4)が、前記スペーサ(5)との間に空隙を(42)を形成し、前記コイル(6)の前記磁場が、前記空隙(42)を最小化するように、前記環状部材(4)を前記スペーサ(5)の方に向かって移動させる磁気抵抗力を発生させる、請求項14及び19に記載のレンズ。
【国際調査報告】