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▶ 株式会社タキガワ・コーポレーション・ジャパンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-24
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20220117BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D75/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531658
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 IB2019060179
(87)【国際公開番号】W WO2020115612
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】202018106857.1
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390005511
【氏名又は名称】株式会社タキガワ・コーポレーション・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 弘幸
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064AB11
3E064BA21
3E064BB03
3E064BC20
3E064EA30
3E064GA02
3E064HN05
3E064HP01
3E064HP02
3E067AA01
3E067AA11
3E067BA12A
3E067BA14A
3E067BB14A
3E067BB25A
3E067EA09
3E067EB02
3E067EB03
3E067FA01
(57)【要約】
特に医薬品を包装するための、フレキシブルなプラスチック材料から成る包装袋であって、少なくとも2つの袋壁(2)と、少なくとも2つの側縁部(3)とを備えており、前記袋壁(2)はその縁部(4)に沿って、少なくとも部分的に少なくとも1つの結合シーム(5)を介して互いに結合されており、第1の前記側縁部(3a)の裂開開始位置(7)から第2の側縁部(3b)の方向(R)に延び、当該包装袋(1)を制御して裂開するように構成された、規定された目標裂断線(6)が設けられている。前記袋壁(2)はそれぞれ、前記第2の側縁部(3b)において、前記第1の側縁部(3a)の方に向けられた前縁部(9)を有する結合シーム(5)を介して結合されており、前記目標裂断線(6)の延在方向(V)において亀裂伝播を阻止するように構成された、亀裂停止前縁部(11)を備えた亀裂停止機構(10)が設けられており、前記目標裂断線(6)の前記延在方向(V)において、前記亀裂停止前縁部(11)は、前記結合シーム(5)の前記前縁部(9)の手前に配置されており、前記結合シーム(5)の前記前縁部(9)は、前記第2の側縁部(3b)の手前に配置されていることを提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に医薬品を包装するための、フレキシブルなプラスチック材料から成る包装袋であって、
少なくとも2つの袋壁(2)と、
少なくとも2つの側縁部(3)とを備えており、
前記袋壁(2)はその縁部(4)に沿って、少なくとも部分的に少なくとも1つの結合シーム(5)を介して互いに結合されており、
第1の前記側縁部(3a)の裂開開始位置(7)から第2の前記側縁部(3b)の方向(R)に延び、当該包装袋(1)を制御して裂開するように構成された、規定された目標裂断線(6)が設けられている、包装袋において、
前記袋壁(2)はそれぞれ、前記第2の側縁部(3b)において、前記第1の側縁部(3a)の方に向けられた前縁部(9)を有する前記結合シーム(5)を介して結合されており、
前記目標裂断線(6)の延在方向(V)において亀裂伝播を阻止するように構成された、亀裂停止前縁部(11)を備えた亀裂停止機構(10)が設けられており、
前記目標裂断線(6)の前記延在方向(V)において、前記亀裂停止前縁部(11)は、前記結合シーム(5)の前記前縁部(9)の手前に配置されており、前記結合シーム(5)の前記前縁部(9)は、前記第2の側縁部(3b)の手前に配置されていることを特徴とする、包装袋。
【請求項2】
前記袋壁(2)は、前記第1の側縁部(3a)および/または包装袋底部(13)および/または包装袋頭部(14)に沿って、前記結合シーム(5)を介して互いに結合されている、請求項1記載の包装袋。
【請求項3】
前記結合シーム(5)はシールシーム(5a)である、請求項1または2記載の包装袋。
【請求項4】
前記第2の側縁部(3b)の前記結合シーム(5)の幅(B)と、前記亀裂停止前縁部(11)の、前記第2の側縁部(3b)までの間隔(A)との比が、少なくとも1、好適には少なくとも2、さらに好適には少なくとも2.5である、請求項1から3までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項5】
前記亀裂停止機構(10)は、前記第2の側縁部(3b)の前記結合シーム(5)に対し、所定の間隔(A)をあけて、または続いて、または部分的にオーバラップして配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項6】
前記亀裂停止機構(10)は、少なくとも1つの亀裂停止シールシーム(15)および/または少なくとも1つの亀裂停止孔(16)を有しており、前記亀裂停止シールシーム(15)および/または前記亀裂停止孔(16)は、前記目標裂断線(6)の延在部に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項7】
少なくとも1つの前記亀裂停止孔(16)は、前記目標裂断線(6)の前記延在方向(V)において、各前記亀裂停止シールシーム(15)の後部に配置されている、かつ/または少なくとも1つの前記亀裂停止孔(16)は、前記目標裂断線(6)の前記延在方向(V)において、各前記亀裂停止シールシーム(15)の前部に配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項8】
少なくとも1つの前記亀裂停止シールシーム(15)は、前記亀裂停止孔(16)を少なくとも部分的に、好適には完全に包囲しており、好適には、前記亀裂停止シールシーム(15)が前記亀裂停止孔(16)の孔縁部(17)を形成している、請求項1から7までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項9】
前記亀裂停止孔(16)は、円形または楕円形または少なくとも、前記第2の側縁部(3b)に面した前記孔縁部(17)における角隅部が丸み付けられた、好適には全ての角隅部が丸み付けられた多角形である、請求項1から8までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項10】
前記第1の側縁部(3a)の前記裂開開始位置(7)は、材料弱化部、好適には裂開溝または切れ目および/またはマークを有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項11】
製品収容部(18)および頭部(19)が設けられており、前記目標裂断線(6)は前記頭部(19)に位置している、請求項1から10までのいずれか1項記載の包装袋。
【請求項12】
前記製品収容部(18)と前記頭部(19)との間にクロージャ(20)が設けられており、該クロージャ(20)は、特に押圧クロージャまたは接着クロージャまたは裂断クロージャおよび/または成形クロージャである、請求項11記載の包装袋。
【請求項13】
前記亀裂停止機構(10)は、少なくとも部分的に、好適には全体的に前記頭部(19)に配置されている、請求項11または12記載の包装袋。
【請求項14】
フレキシブルなプラスチック材料から成る包装袋、特に請求項1から13までのいずれか1項記載の包装袋であって、
少なくとも2つの袋壁(2)と、
少なくとも2つの側縁部(3)とを備えており、
第1の前記側縁部(3a)の裂開開始位置(7)から第2の前記側縁部(3b)の方向(R)に延び、当該包装袋(1)を制御して裂開するように構成された、規定された目標裂断線(6)が設けられている、包装袋において、
前記第2の側縁部(3b)に結合シームが存在しておらず、
前記目標裂断線(6)の延在方向(V)において亀裂伝播を阻止するように構成された、亀裂停止前縁部(11)を備えた亀裂停止機構(10)が設けられており、
前記目標裂断線(6)の前記延在方向(V)において、前記第2の側縁部(3b)の手前に前記亀裂停止前縁部(11)が配置されていることを特徴とする、包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、フレキシブルなプラスチック材料から成る包装袋および請求項14の上位概念に記載の、フレキシブルなプラスチック材料から成る包装袋に関する。
【0002】
この場合、問題の包装袋は、袋形状において包装材の任意の構成形式に相応し得る。この場合は例えば、フラット袋、スタンディングボトム袋、サイドガゼット袋等のことであり、これらは特に、シールエッジ袋として形成されていてよい。この点において、包装袋という用語は、ここでは広義に解されるべきである。
【0003】
包装袋を開けるもしくは裂開するために、今日では包装に沿って目標裂断線が設けられていることが多い。この目標裂断線に沿った裂開動作において充填空間が開かれ、その内部の製品を取り出すことができる。
【0004】
このような包装袋は、独国特許出願公開第102007024087号明細書から公知である。この包装袋は、固形、粉末または粒状の製品、例えばケア製品、洗浄製品またはクリーニング製品の包装に用いられ、チューブ袋として形成されており、かつ横方向に向けられた閉鎖シームにより画定された充填空間を有している。包装袋を開けるためひいては充填空間から製品を取出し可能にするために、ここでは一方の閉鎖シームの外縁部から他方の閉鎖シームの外縁部まで延在する目標裂断線が設けられている。つまり包装袋を開けるもしくは裂開すると、誘発された亀裂が一方の縁部から対向して位置する縁部まで延びる。
【0005】
公知の包装袋は、全般的に良好な裂開特性を提供する一方で、目標裂断線に沿った開放動作時に、作用力とは関係なく、包装袋が最早互いに結合されていない2つの解離した部分に分かれてしまう。
【0006】
この場合の課題は、包装に貼り付けられたもしくは接着された品質マークまたは封緘マーク、例えば印紙、税額記入帯封、または医薬品、例えば薬または薬用の大麻製剤および大麻類製剤としての目印が法律で定められている製品に対する、このような包装袋の使用である。このような品質マークまたは封緘マークは、基本的に包装を開けたときに、少なくとも部分的に、特に完全に分断されることが望ましい。ただし、包装を開けた後でも品質マークまたは封緘マークは包装に完全に残留していることが望ましい。
【0007】
本発明の根底を成す問題は、裂開時に品質マークまたは封緘マークが確実に切断されると同時に、包装袋が完全に分かれるリスクが低下させられるように、公知の包装袋を構成して改良することにある。
【0008】
前記問題は、請求項1の上位概念に記載の包装袋において、請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。
【0009】
最初に、提案に基づく構成の根底を成す思想は、裂開時に目標裂断線が品質マークまたは封緘マークを容易に分断する、という点にある。別の思想は、目標裂断線に沿って誘発された亀裂の阻止は、包装袋の分裂を防ぐもしくは困難にする、という点にある。同時に、反対側に位置する縁部にまでは連続して延びていない目標裂断線により、包装袋の一部だけの開放が促進される。
【0010】
詳細には、袋壁はそれぞれ、第2の側縁部において、第1の側縁部の方に向けられた前縁部を有する結合シームを介して結合されており、目標裂断線の延在方向において亀裂伝播を阻止するように構成された、亀裂停止前縁部を備えた亀裂停止機構が設けられており、目標裂断線の延在方向において、亀裂停止前縁部は結合シームの前縁部の手前に配置されており、結合シームの前縁部は側縁部の手前に配置されている、ということを提案する。
【0011】
フレキシブルなプラスチック材料から成る包装袋は、包装袋が全体的にプラスチック材料から成ることまたは袋壁の少なくとも大部分がプラスチックから成りかつ/またはプラスチックコーティングを有することを意味する。この場合、例えば、単層または多層の袋壁であってよく、袋壁は、アルミニウムフィルムから成る層を有していてもよい。
【0012】
目標裂断線は包装袋の開放動作中の裂開抵抗を減らし、とりわけ包装袋の開放を制御するために役立つ。この場合、目標裂断線は、材料弱化部または材料構造部として、特に溝または穿孔部として形成されていてよい。さらに、目標裂断線は、袋壁2の少なくとも1つのプラスチック層またはプラスチックコーティング層の押出成形方向に対して平行に位置することも可能である。例えば、押出成形時に既に、後に目標裂断線を成す、望ましい材料弱化部が形成され得る。好適には、目標裂断線は結合シームに対して直交して配置されている。
【0013】
包装袋の開放時または裂開時に、第1の側縁部の裂開開始位置を起点として第2の側縁部に向かって亀裂が誘発される。この亀裂は、目標裂断線に沿って延び、用途の通りに使用された場合、すなわち通常の力が加えられた場合には、提案に基づく、亀裂停止前縁部を備えた亀裂停止機構により阻止される。加えられる通常の力はまさに、裂開開始位置を起点として亀裂を誘発させるためにもたらされる必要のある力である。亀裂停止機構はその構成に基づき、亀裂停止前縁部が亀裂を阻止しひいては亀裂停止機構において亀裂が終結する、ということをもたらす。亀裂停止機構の幾何学形状に基づき、亀裂が先に進むことは不可能である。亀裂は亀裂停止機構で終結しひいては先に進む恐れがないため、包装袋の部分的な開放が最適化されると共に、包装袋の分裂が防がれる。
【0014】
請求項2記載の特に好適な構成では、袋壁は、第1の側縁部および/または包装袋底部および/または包装袋頭部に沿って、結合シームを介して互いに結合されている。包装袋底部は底部シームとして形成されており、包装袋頭部は頭部シームとして形成されていてよい。このことは特に、これにより包装袋が包装しようとする製品に応じてフレキシブルに形成され得る、という点において有利である。
【0015】
基本的に、請求項3に基づき、結合シームはシールシームであると、特に有利である。これにより、気密な包装袋が特に簡単に製造され得る。
【0016】
請求項4記載の特に好適な構成では、第2の側縁部の結合シームの幅と、亀裂停止前縁部の、第2の側縁部までの間隔との比が、少なくとも1、好適には少なくとも2、さらに好適には少なくとも2.5である。
【0017】
この場合、第2の側縁部の結合シームの幅とは、第1の側縁部から第2の側縁部に向かう方向における結合シームの延在長さを意味する。前記比は、包装袋を、目的、各充填内容物、包装袋の大きさおよび想定される使用期間に適合させることを可能にする。
【0018】
請求項5記載の好適な構成では、亀裂停止機構は、第2の側縁部の結合シームに対し、所定の間隔をあけて、または続いて、または部分的にオーバラップして配置されている。このことは、開口の大きさを、目的、充填内容物、包装袋の大きさおよび使用期間に適合させることが可能である、という点において有利である。
【0019】
請求項6記載の特に好適な構成では、亀裂停止機構は、少なくとも1つの亀裂停止シールシームを有している。亀裂停止シールシームとは、亀裂が当たると亀裂を少なくとも部分的に、好適には完全に阻止するシールシームを意味する。追加的または択一的に、亀裂停止機構は、少なくとも1つの亀裂停止孔を有していてよい。亀裂停止孔は、亀裂停止機構の孔の形態の中断部である。誘発された亀裂が亀裂停止孔に当たると、亀裂停止孔が亀裂を阻止する。この場合、亀裂停止シールシームおよび/または少なくとも1つの亀裂停止孔は、目標裂断線の延在部に配置されている。このことは、これにより亀裂停止機構を包装袋の幾何学形状および用途に簡単に適合させることができる、という点において有利である。この場合、亀裂停止シールシームは、袋壁を互いに溶着することにより、または追加的な材料層を袋壁に溶着することにより、形成され得る。この場合、この追加的な材料層は、各袋壁の間または一方の外面に配置されていてよい。
【0020】
例えば、目標裂断線が、袋壁の少なくとも1つのプラスチック層またはプラスチックコーティング層の押出成形方向に対して実質的に垂直に位置する場合には、複数の亀裂停止孔の配置が有利であり得る。さらに、相前後して位置する複数の亀裂停止孔は、取扱いが増えたとき、例えば輸送時の包装袋の分裂を防ぐことができる。
【0021】
請求項7記載の特に好適な構成では、少なくとも1つの亀裂停止孔は、目標裂断線の延在方向において、各亀裂停止シールシームの後部に配置されている。追加的または択一的に、少なくとも1つの亀裂停止孔は、目標裂断線の延在方向において、各亀裂停止シールシームの前部に配置されている。
【0022】
請求項8記載の1つの別の好適な構成では、少なくとも1つの亀裂停止シールシームは、亀裂停止孔を少なくとも部分的に、好適には完全に包囲している。この場合、好適には、亀裂停止シールシームが亀裂停止孔の孔縁部を形成している。つまり、亀裂の終端部を、想定される使用期間および用途に適合させることができるようになっており、これにより、亀裂は最初に亀裂停止孔または亀裂停止シールシームに当たることになる。
【0023】
請求項9記載の特に好適な構成では、亀裂停止孔は、円形または楕円形または多角形である。多角形の亀裂停止孔の場合、角隅部は、少なくとも、第2の側縁部に面した孔縁部において丸み付けられており、好適には、多角形の全ての角隅部が丸み付けられている。第2の側縁部に面した孔縁部の丸み付けは、新たな亀裂の形成ひいては包装袋の分裂を防ぐ。
【0024】
請求項10記載の好適な構成では、一方の側縁部の亀裂停止開始位置は、材料弱化部、好適には裂開溝または切れ目を有している。追加的または択一的に、亀裂停止開始位置はマークを有していてもよい。このような材料弱化部またはマークは、開放動作を容易にする。この場合、材料弱化部またはマークは三角形、放物線形、波形、または鋸歯形であってよい。この場合、材料弱化部は矩形に、または丸溝またはV溝として形成されていてもよい。
【0025】
請求項11記載のさらに好適な構成は、製品収容部および頭部を想定している。この場合、目標裂断線は頭部に位置している。製品収容部は、包装袋の、製品を収容する部分である。頭部は、製品収容部に続いている。目標裂断線に沿った裂開時に、頭部は部分的に分断される。この場合、製品収容部および頭部の大きさは、各製品および用途に応じて適合され得る。
【0026】
請求項12記載のさらに好適な構成は、製品収容部と頭部との間のクロージャを想定している。クロージャは、押圧クロージャまたは接着クロージャまたは裂断クロージャおよび/または成形クロージャであってよい。この場合、クロージャ、特に裂断クロージャが子供に対して安全であると、特に有利である。
【0027】
請求項13記載の特に好適な構成では、亀裂停止機構10が少なくとも部分的に、好適には全体的に頭部に配置されている。
【0028】
独立して重要な請求項14記載の別の教示では、特に医薬品を包装するための、フレキシブルなプラスチック材料から成る別の包装袋1を請求する。
【0029】
提案に基づく包装袋では、第2の側縁部に結合シームが存在しない。さらに提案に基づき、目標裂断線6の延在方向には、亀裂伝播を阻止するように構成された、亀裂停止前縁部を備えた亀裂停止機構が設けられている、ということが想定されている。この場合、提案に基づき目標裂断線の延在方向において、第2の側縁部の手前に亀裂停止前縁部が配置されている。提案に基づく包装袋に関する全ての説明を参照されたい。
【0030】
以下に、1つの実施例のみを表す図面に基づき本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】亀裂停止機構を備えた、提案に基づく包装袋の第1の実施例を閉鎖状態で示す図である。
図2】亀裂停止前縁部に亀裂の終端部を有する、図1に示した包装袋を開放状態もしくは裂開状態で示す図および亀裂停止孔における亀裂の終端部を拡大して示す詳細図である。
図3】提案に基づく包装袋の別の実施例を閉鎖状態で示す図である。
図4】提案に基づく包装袋に特に好適な構成の亀裂停止機構を示す図である。
【0032】
包装袋1は、実質的にチューブ状の形状を有しており、例えばフラット袋、スタンディングボトム袋等として形成されていてよい。包装袋という用語は、本明細書の導入部で既に説明したように、本発明では広義に解されるべきである。このことに関連して、あらゆる実施形態は、別のあらゆる形式の包装袋1に相応に当てはまる。
【0033】
図1には、特に医薬品を包装するための、フレキシブルなプラスチック材料から成る包装袋1が示されている。包装袋1は、少なくとも2つの袋壁2と、少なくとも2つの側縁部3とを有している。この場合、袋壁2はその縁部4に沿って、少なくとも部分的に少なくとも1つの結合シーム5を介して互いに結合されている。包装袋1の裂開を制御するために、袋壁2のうちの少なくとも一方、好適には互いに向かい合う2つの袋壁2に、規定された目標裂断線6が設けられている。この目標裂断線6は、袋壁2および/または包装袋1の第1の側縁部3aにおける裂開開始位置7から、袋壁2および/または包装袋1の第2の側縁部3bの方向Rに延在している。目標裂断線6は、ここでは好適には2つの側縁部3a,3bのうちの一方に対して直交して延在している。包装袋1にはさらに、接着された封緘マーク8、例えば印紙、税額記入帯封または封印が設けられている。封緘マーク8は、特に目標裂断線6の上に位置決めされ、これにより開放動作時に目標裂断線6に沿って分断もしくは裂断されるように、位置決めされている。
【0034】
提案に基づく教示にとって重要なのは、袋壁2が、少なくとも第2の側縁部3bではそれぞれ結合シーム5を介して結合されている、ということである。この場合、結合シーム5は、第1の側縁部3aの方に向けられた前縁部9を有している。さらに提案に基づき、目標裂断線6の延在方向Vには、亀裂停止前縁部11を備えた亀裂停止機構10が設けられている。つまり、裂開時に生じる亀裂12は、最初に亀裂停止機構10の亀裂停止前縁部11に当たる。亀裂停止前縁部11は、亀裂12の伝播を阻止するように構成されている。さらに提案に基づき、目標裂断線6の延在方向Vにおいて亀裂停止前縁部11は、結合シーム5の前縁部9の手前に配置されており、結合シーム5の前縁部9は、第2の側縁部3bの手前に配置されている。ここでは、結合シーム5の前縁部9は、結合シーム5の内側に位置する縁部を意味する。ここでは好適には、結合シーム5の前縁部9は、結合シーム5の第2の側縁部3bに対向して配置されている。
【0035】
袋壁2は、既述したように、フレキシブルなプラスチック材料であってよい。この場合、袋壁2は少なくとも大部分が、プラスチックから成っていてよいまたはプラスチックコーティングを有していてよい。例えば、単層または多層の袋壁2であってよく、袋壁2は、アルミニウムフィルムから成る層を有していてもよい。開放動作もしくは裂開動作を簡単にするために、目標裂断線6が設けられている。目標裂断線6は、包装袋1の裂開抵抗を所定の線に沿って減らし、これにより、包装袋1の制御された規定通りの開放が保証されることになる。この場合、目標裂断線6は、材料弱化部または材料構造部として、特に溝または穿孔部として、各袋壁2に形成されている。さらに、目標裂断線6は、袋壁2の少なくとも1つのプラスチック層またはプラスチックコーティング層の押出成形方向に対して平行に位置することも可能である。
【0036】
開放動作中に裂開開始位置7において亀裂12が誘発されると、亀裂12は図2に示すように亀裂停止前縁部11に当たるまで、目標裂断線6の延在部に追従する。包装袋1が大きな力で開かれる場合または頻繁に使用される場合、亀裂12は亀裂停止前縁部11を越えて延びるということが生じ得るにもかかわらず、図2a)に示すように、亀裂停止機構10において終結する。図2ではさらに、亀裂12は亀裂停止機構10に当たると先には進まず、これにより包装袋1の分裂が防止される、ということが判る。封緘マーク8は、この動作に際して分断され、全体が包装袋1に結合されたままである。このことは一方では、法律の定めを満たしている。他方では、開封後に包装袋の一部が環境にもたらされることは一切ないため、追加的に環境を保護することもできる。
【0037】
包装袋1の図示の態様では、袋壁2は追加的に、第1の側縁部3aと、包装袋底部13と、包装袋頭部14とに沿って、結合シーム5を介して互いに結合されている。この態様は、製品を気密に包装するために特に有利である。
【0038】
基本的に、結合シーム5はシールシーム5aである、ということも考えられる。ここでは、接触し合う2つの層のプラスチック材料が、圧力と温度とを上げられて、互いに溶着される。このようなシールシーム5aは、比較的長期にわたり芳香を保つことが望ましい製品のための包装袋1において、特に有利である。
【0039】
包装袋1の構造的な形状に関して特に有利なのは、第2の側縁部3bの結合シーム5の幅Bと、亀裂停止前縁部11の、第2の側縁部3bまでの間隔Aとの比が、少なくとも1である場合である。特に好適なのは、この比が少なくとも2、好適には少なくとも2.5である場合である。この場合、幅Bとは、第1の側縁部3aから第2の側縁部3bに向かう方向における結合シーム5の延在長さを意味する。この比により、一方では包装袋1の開放度、他方では包装袋1の使用期間が、その時々の充填内容物もしくは用途に適合され得る。
【0040】
図1図3に示す包装袋1の態様に関して、ここでは好適には、亀裂停止機構10は少なくとも1つの亀裂停止シールシーム15を有している、ということが想定されている。追加的または択一的に、亀裂停止機構10は少なくとも1つの亀裂停止孔16を有している。この亀裂停止孔16は、製造前に既に袋壁2に設けられていてよいか、または製造後に打ち抜かれてもよい。
【0041】
亀裂停止シールシーム15は、目標裂断線6の延在部に配置されている。追加的または択一的に、亀裂停止孔16も、目標裂断線6の延在部に配置されている。この場合、亀裂停止シールシーム15または亀裂停止孔16は、亀裂停止前縁部11を有している。つまり、亀裂停止シールシーム15または亀裂停止孔16が、亀裂12の伝播を終結させる。これにより、亀裂停止機構10は、包装袋1の想定された使用期間または用途に適合され得る。
【0042】
1つの態様(図示せず)では、複数の亀裂停止孔16が設けられている。これらの亀裂停止孔16は、第2の側縁部3bに対して等間隔で相上下して配置されていてよい。このことは特に、目標裂断線6が、袋壁2の少なくとも1つのプラスチック層またはプラスチックコーティング層の押出成形方向に対して直角に延在している場合に有利である。亀裂12が所定の目標裂断線6からやや外れるということが生じた場合には、如何に延在していようとも、亀裂停止シールシーム15を備えてまたは亀裂停止シールシーム15無しで相上下して配置された複数の亀裂停止孔16が、亀裂12の阻止を保証し得るようになっている。
【0043】
ただし、複数の亀裂停止孔16が第2の側縁部3bに対してそれぞれ異なる間隔で相前後して配置されている、ということも考えられる。このことは、例えば包装袋の輸送により包装袋に加えられる荷重が増大した場合に亀裂12が先に進むリスクを低下させる。
【0044】
図4に基づき、亀裂停止シールシーム15および亀裂停止孔16の構造配置に関して多数の可能性が考えられる。例えば、少なくとも1つの亀裂停止孔16は、目標裂断線6の延在方向Vにおいて、各亀裂停止シールシーム15の後部に配置されている(図4a)、図4b)、図4d)、図4f))。しかしまた、少なくとも1つの亀裂停止孔16は、目標裂断線6の延在方向において、各亀裂停止シールシーム15の前部に配置されている(図4g))、ということも考えられる。
【0045】
包装袋1の別の態様は、少なくとも1つの亀裂停止シールシーム15が、亀裂停止孔16を少なくとも部分的に包囲している(図4e)、図4f))、ということを想定している。ただしここで好適なのは、亀裂停止シールシーム15が亀裂停止孔16を完全に包囲している態様(図4a)、図4b)、図4d))である。ここでは好適には、亀裂停止シールシーム15が亀裂停止孔16の孔縁部17を形成している。亀裂停止シールシーム15および亀裂停止孔16の配置によってもやはり、包装袋1の使用期間と用途とに影響を及ぼすことができる。亀裂停止孔16が亀裂停止シールシーム15により完全に包囲されていると、包装袋1の分裂のリスクが最小限になる。
【0046】
包装袋1の1つの好適な態様では、亀裂停止孔16は円形または楕円形に形成されているか、または多角形に形成されている。多角形として構成した場合には少なくとも、第2の側縁部3bに面した側の孔縁部17における角隅部が丸み付けられている。好適には図1図3に示したように、多角形の全ての角隅部が丸み付けられている。有利には、ここでは亀裂停止孔16を、包装袋1の大きさ、包装袋1の内容物またはシールシームに対する別の要求に適合させることができる。亀裂停止孔16は、ここでは好適には包装袋1に後から打ち抜かれるか、または包装袋1の製造時に既に設けられている。亀裂停止孔16に設けられた丸みは、一方では亀裂の伝播を防ぎかつ他方では新規の亀裂の発生を防ぐ。
【0047】
包装袋1を簡単に、多くの作用力無しで開けることができるようにするために、好適には第1の側縁部3aの裂開開始位置7に、材料弱化部、好適には裂開溝または切れ目が設けられている。追加的または択一的に、裂開開始位置7はマークを有していてよい。この場合、マークまたは材料弱化部は、矩形、三角形、放物線形、波形、または鋸歯形に形成されていてよい。特に好適なのは、材料弱化部を丸溝またはV溝として形成することである。
【0048】
1つの別の態様では、製品収容部18および頭部19が設けられている。この場合、目標裂断線6は頭部19に位置している。
【0049】
製品収容部18と頭部19との間にクロージャ20が設けられていると、提案に基づく構成により、特に良い経験をした。クロージャ20は、ここでは好適には裂断クロージャとして形成されている。追加的または択一的に、クロージャ20は成形クロージャとして形成されている。クロージャ20を、押圧クロージャまたは接着クロージャとして形成することも考えられる。
【0050】
クロージャ20はとりわけ、製品収容部18の再閉鎖に用いられる。この場合、ジッパーとも呼ばれる裂断クロージャの使用が特に有利であるということが判った。それというのも、裂断クロージャは簡単に開けられかつ再び閉じられると同時に、子供に対して安全に形成され得るからである。子供に対して安全な形状は、例えば子供による対象物の操作を防ぐことまたは難しくすることを可能にする機能または機構を想定したものであり、例えば健康を害す内容物を含む袋または薬の包装を、子供が簡単に開けることを防ごうとするものである。子供に対して安全な裂断クロージャは、例えば適合強度もしくは開放抵抗の増大により、または裂断クロージャへのアプローチを難しくすることにより形成され得る。これにより、医薬品が環境による影響から簡単かつ確実に保護されて保管され得ると同時に、子供の手に届く恐れがない。
【0051】
さらに、亀裂停止機構10が少なくとも部分的に、好適には全体的に頭部19に配置されていると有利である、ということが判った。
【0052】
図3に示す、提案に基づく包装袋1の1つの択一的な構成では、同様に少なくとも2つの袋壁2と、少なくとも2つの側縁部3とが設けられている。この態様でも、規定された目標裂断線6は第1の側縁部3aの裂開開始位置7から第2の側縁部3bの方向Rに延在している。ここで重要なのは、第2の側縁部3bに結合シームが存在しないことである。提案に基づき、ここでは目標裂断線6の延在方向Vに、亀裂停止前縁部11を備えた亀裂停止機構10が設けられている。既述のように、亀裂停止機構10は、亀裂12の伝播の阻止に用いられる。ここではさらに、目標裂断線6の延在方向Vにおいて、第2の側縁部3bの手前に亀裂停止前縁部11が配置されている、ということが重要である。提案に基づく包装袋に関する全ての説明を参照されたい。
図1
図2
図3
図4a)】
図4b)】
図4c)】
図4d)】
図4e)】
図4f)】
【国際調査報告】