(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
A01C 7/04 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
A01C7/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020570963
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 CN2020071059
(87)【国際公開番号】W WO2021134817
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】201911409747.1
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 進
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ 運余
(72)【発明者】
【氏名】李 耀明
(72)【発明者】
【氏名】楊 銘
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼ 祥山
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA04
2B054BA01
2B054BB03
2B054CA06
2B054CB03
2B054CB05
2B054DD10
2B054DD12
2B054DD14
2B054EA14
2B054EA15
2B054EA25
(57)【要約】
底土敷き装置と、底土掃き装置と、穴押え装置と、播種装置と、表土覆い装置と、表土掃き装置と、散水装置とを順に備え、3段型コンベヤーベルト及びそのホルダー、動力系、制御系を更に備えるガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置及びその制御方法を提供した。当該一個流し装置はPLCにより制御され、手動で制御されてもよいし、自動的に制御されてもよく、動作プロセス毎は独立に制御される。自動制御の場合、光電センサー及びリミットスイッチから信号をPLCに発信し、PLCから更に指令を各のドライバー、周波数コンバーターへ発信することによって、各の動作部材の起動・停止を制御する。本発明によると、上下調節可能な穴押えローラを採用することによって、栽培トレイの穴深さの調節を図り、播種精度(1~2粒/穴)を保証した。また、播種プロセスは更に自動調節という機能を有し、コンベヤーベルトの速度と播種速度の変化によってシード振動トレイの周波数を制御し、シード吸引率を向上し、播種合格率を高めた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3段型コンベヤーベルトの構造を採用し、動作方向に沿って、コンベヤーベルトの段毎に、それぞれ土敷き・穴押え機構、播種機構、及び土覆い・散水機構が順に設けられ、前記播種機構は播種機械ハンド(6)及び電磁振動台(8)を含み、播種機械ハンド(6)の下端にシード吸引トレイ(7)が接続され、電磁振動台(8)の上にシード振動トレイ(9)が固定され、シード振動トレイ(9)のガス吸引ホールは真空ポンプ(14)に接続され、
PLCコントローラと、信号採取センサーと、タッチパネルとを更に備え、栽培トレイの一個流し装置における具体的な位置に基づいて、土敷き・穴押え機構、播種機構、及び土覆い・散水機構による作業を制御し、栽培トレイが播種位置に達する時にシードフィード作業を実行し、栽培動作の過程において、シード振動トレイ(9)の振動周波数に基づいて電磁振動台(8)の出力振動周波数を制御することを特徴とする、ガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置。
【請求項2】
前記穴押え装置(4)は第2の支持スクリュー(4e)を備え、第2の支持スクリュー(4e)は穴押えローラホルダー(4a)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置。
【請求項3】
前記底土掃き装置(3)は第1の支持スクリュー(3e)を備え、第1の支持スクリュー(3e)はブラシホルダー(3a)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置。
【請求項4】
前記底土敷き装置(2)は蓄土タンク(2b)を備え、蓄土タンク(2b)の上端に土攪拌軸(2c)が固定されることを特徴とする、請求項1に記載のガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置。
【請求項5】
前記第1のコンベヤーベルト(24)は、チェーンで伝動接続された第1のコンベヤーベルトA部分(24a)と第1のコンベヤーベルトB部分(24b)からなり、第1のコンベヤーベルトB部分(24b)の動作速度は第1のコンベヤーベルトA部分(24a)よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置。
【請求項6】
前記第3のコンベヤーベルト(26)は、チェーンで伝動接続された第3のコンベヤーベルトA部分(26a)と第3のコンベヤーベルトB部分(26b)からなり、第3のコンベヤーベルトA部分(26a)と第3のコンベヤーベルトB部分(26b)は動作速度が一致することを特徴とする、請求項1に記載のガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置。
【請求項7】
栽培トレイの一個流し装置における具体的な位置を検出し、対応する動作部材を起動・停止させるように制御し、
穴押え装置を第1のコンベヤーベルト速度に自動的に適応させ、栽培トレイの穴に合わせて押さえて穴を成し、
播種の時、リミットスイッチ(40)がトリガーされた後、シードフィード作業を実行し、
シード振動トレイ(9)の振動周波数に基づいて電磁振動台(8)の出力振動周波数を制御し、
底土敷き装置(2)、表土覆い装置(10)、第1のコンベヤーベルト(24)、第2のコンベヤーベルト(25)、及び第3のコンベヤーベルト(26)の回転速度を検出し、検出結果をタッチパネルによって表示すると同時に、PLCによって、検出結果に基づいて各の動作部材を協力に動作させるように制御することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置の制御方法。
【請求項8】
前記電磁振動台(8)には、周波数変更制御が採用され、その具体的な制御過程としては、一個流し装置の起動時、シード振動トレイ(9)を低周波数で振動させ、シード吸引作業の時、電磁振動台(8)によってシード振動トレイ(9)を連れて高周波数で振動させ、シード吸引が終わると、電磁振動台(8)は低周波数での振動に戻し、播種の実行に従って、シード振動トレイ(9)におけるシード量は次第に低減していて、電磁振動台(8)の振動周波数を増加し、シード振動トレイ(9)におけるシード量が一定の量まで低減した時、シードを加え、電磁振動台(8)の振動周波数を調整し、PLCコントローラによって播種速度が低減するように制御し、シード振動トレイ(9)によるシードの均一分布に十分な時間を与えることを特徴とする、請求項7に記載のガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業播種機技術分野に属し、特に、ガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
稲作は全世界に広く分布し、世界の各州、例えばアジア州、欧州、アメリカ州、アフリカ州と大洋州には稲作がある。世界の水稲は、その面積及び全産量の約90%がアジア州に集中し、アジア州のエリアの主な穀類作物の1つである。その栽培方式としては、ますます人力栽培から機械化栽培へ変更してきて、作業方式も単一のプロセスから一個流し作業に変更してきた。機械化栽培分野において、機械型、外部ジェネバ型、及びセルフィードホイール型を利用する場合が多いが、その播種精度が低くて、シード損傷率が比較的高い。ガス吸引型播種を利用すると、シード損傷率を大幅に低減して生存率を高めることができ、またその精密性が高く、スーパー稲の穴毎1~2粒の栽培という播種要求に適用される。しかしながら、目の前に、ガス吸引トレイ型播種という作業は、栽培トレイが播種位置で播種を待つ必要があるという特徴があるため、一個流し作業はまだ実現しておらず、また、今の播種機については、いずれも播種プロセスの自己適性を実現しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、本発明は、ガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置及び制御方法を提供し、精密播種に好適であり、特に、ガス吸引振動トレイ型播種によって、播種全過程の自動化を実現できると共に、多自由度機械ハンドによる適切な播種を実現し、播種過程及びシード量の変化に従ってシード振動トレイの振動パラメータを自己適合させるように制御することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に採用される技術手段は以下の通りである。
【0005】
ガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置は、3段型コンベヤーベルトの構造を利用し、動作方向に沿って、コンベヤーベルトの段毎に、それぞれ土敷き・穴押え機構、播種機構、及び土覆い・散水機構が設けられ、上記播種機構は播種機械ハンドと電磁振動台を備え、播種機械ハンドの下端にシード吸引トレイが接続され、電磁振動台の上にシード振動トレイが固定され、シード振動トレイのガス吸引ホールは真空ポンプに接続され、
PLCコントローラと、信号採取センサーと、タッチパネルとを更に備え、栽培トレイの一個流し装置における具体的な位置に基づいて、土敷き・穴押え機構、播種機構、及び土覆い・散水機構による作業を制御し、栽培トレイが播種位置に到達する時にシードフィード作業を実行し、栽培動作の過程において、シード振動トレイの振動周波数に基づいて電磁振動台の出力振動周波数を制御する。
【0006】
上記技術手段において、上記穴押え装置は第2の支持スクリューを備え、第2の支持スクリューは穴押えローラホルダーに接続される。
【0007】
上記技術手段において、上記底土掃き装置は第1の支持スクリューを備え、第1の支持スクリューはブラシホルダーに接続される。
【0008】
上記技術手段において、上記底土敷き装置は蓄土タンクを備え、蓄土タンクの上端に土攪拌軸が固定される。
【0009】
上記技術手段において、上記第1のコンベヤーベルトはチェーンで伝動接続された第1のコンベヤーベルトA部分と第1のコンベヤーベルトB部分からなり、第1のコンベヤーベルトB部分の動作速度は第1のコンベヤーベルトA部分よりも大きい。
【0010】
上記技術手段において、上記第3のコンベヤーベルトはチェーンで伝動接続された第3のコンベヤーベルトA部分と第3のコンベヤーベルトB部分からなり、第3のコンベヤーベルトA部分と第3のコンベヤーベルトB部分は動作速度が一致する。
【0011】
ガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置の制御方法は、
栽培トレイの一個流し装置における具体的な位置を検出し、対応する動作部材を起動・停止させるように制御し、
穴押え装置を第1のコンベヤーベルトの速度に自動的に適応させ、栽培トレイに合わせて押えて穴を成し、
播種の時、リミットスイッチがトリガーされた後、シードフィード作業を実行し、
シード振動トレイの振動周波数に基づいて電磁振動台の出力振動周波数を制御し、
底土敷き装置、表土覆い装置、第1のコンベヤーベルト、第2のコンベヤーベルト、及び第3のコンベヤーベルトの回転速度を検出し、検出結果をタッチパネルによって表示すると同時に、PLCによって検出結果に基づいて各動作部材を協力して動作させるように制御する。
【0012】
更に、上記電磁振動台には、周波数変更制御が採用され、具体的な制御過程としては、一個流し装置の起動時、シード振動トレイを低周波数で振動させ、シード吸引作業の時、電磁振動台によってシード振動トレイを連れて高周波数で振動させ、シード吸引が終わると、電磁振動台は低周波数での振動に戻し、播種の実行に従って、シード振動トレイにおけるシード量が次第に低減していて、電磁振動台の振動周波数を増加し、シード振動トレイにおけるシード量が一定の量に低減した時、シードを加え、電磁振動台の振動周波数を調整し、PLCコントローラによって播種速度を低減するように制御し、シード振動トレイによるシードの均一分布に十分な時間を与える。
【0013】
本発明は従来の技術に比べると、以下の利点と積極的な効果を有する。
(1)本発明に係るガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置における穴押え装置としては、上下調節可能な穴押えローラを採用して栽培トレイの穴深さに対する調節を実現し、栽培効果を有効的に高めた。
【0014】
(2)本発明に係るガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置における電磁振動台としては、周波数変更制御が採用され、異なる動作状態に基づいて周波数を調整することになり、具体的には、シード吸引作業の時、電磁振動台によってシード振動トレイを連れて高周波数で振動させ、シード吸引が終わると、電磁振動台は低周波数での振動に戻して、シードを加える時、電磁振動台の振動周波数を調整するようになる。シード振動トレイの周波数の自動調節を実現し、振動トレイのシード群の「沸騰」という効果を改良し、播種合格率を向上し、播種の空穴率を低減した。
【0015】
(3)本発明には、更に多自由度機械ハンドによってシード吸引、シードフィードを実行し、光電センサーによって栽培トレイの位置を検出し、各動作部材の適切な起動・停止を実現でき、精密播種一個流し動作の自動化程度を有効に向上し、また、タッチパネルに基づくシステム制御を採用するため、水稲栽培の知能化レベルを向上した。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係るガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置の全体構造模式図。
【
図2】本発明に係るガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置の構造上面図。
【
図3】本発明に係る底土敷き装置、表土覆い装置の構造模式図である。
【
図4】本発明に係る底土掃き装置と穴押え装置の構造模式図であり、
図4(a)は底土掃き装置と穴押え装置の等軸正面図であり、
図4(b)は穴押え装置の断面図である。
【
図5】本発明に係る第2のコンベヤーベルトホルダーの構造模式図である。
【
図7】本発明に係る水平調節ホイールの構造模式図である。
【
図8】本発明に係る一個流し播種プロセスのフローチャートである。
【
図9】本発明に係る一個流し制御系のハードウェア構造図である。
【
図10】本発明に係るシード振動トレイの周波数制御系の回路図。
【
図11】本発明に係る電磁振動台の周波数制御系のメカニズム図であり、
図11(a)はシード振動トレイにおけるシード量の変化に基づいて電磁振動台の周波数を制御するメカニズム図であり、
図11(b)は播種トレイの数の変化に基づいて電磁振動台の周波数を制御するメカニズム図である。
【
図12】本発明に係る播種プロセスの自己適応制御演算法のフローチャートである。
【
図13】本発明に係るタッチパネル制御インターフェイスの模式図である。
【
図14】本発明一個流し作業過程の制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面に基づいて本発明の具体的な技術手段を更に説明するが、本発明の保護範囲はこれに制限されない。
【0018】
本発明に係るガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置は、
図1、2に示すように、第1のコンベヤーベルトホルダー1と、底土敷き装置2と、底土掃き装置3と、穴押え装置4と、第2のコンベヤーベルトホルダー5と、播種機械ハンド6と、シード吸引トレイ7と、電磁振動台8と、シード振動トレイ9と、表土覆い装置10と、表土掃き装置11と、散水装置12と、第3のコンベヤーベルトホルダー13と、真空ポンプ14とを備える。その中、第1のコンベヤーベルトホルダー1、第2のコンベヤーベルトホルダー5、及び第3のコンベヤーベルトホルダー13の一端には、コンベヤーベルト緊張調節スロットが設けられる。
【0019】
底土敷き装置2は
図3に示すように、一体として固定された蓄土タンク2bと土フィードホッパー2aを備え、土フィードホッパー2aは蓄土タンク2bの上端にあり、蓄土タンク2bは中空の構造であり、その上端が開かれ、前端が半封止された。蓄土タンク2bの前端に、2つのボルトと蝶ナットによって土敷き量調節プレート2dが固定され、蝶ナットを緩めることによって、土敷き量調節プレート2dの高さを上下調節し、底土敷きの厚さを制御することができる。蓄土タンク2bの内部に、同一の水平線にある第1のキャタピラ軸2fと第2のキャタピラ軸2gが固定され、第1のキャタピラ軸2fと第2のキャタピラ軸2gに土敷きキャタピラ2eが固定され、土敷きキャタピラ2eは土敷き量調節プレート2dの下方にある。蓄土タンク2bの上端の中間位置に土攪拌軸2cが固定され、蓄土タンク2b内の土壌基質が押し付けられて塊成化することを防止する。蓄土タンク2bには更に、第1のキャタピラ軸2fの回転速度を測定するための第1の回転速度センサー41が設けられる。表土覆い装置10の構造は底土敷き装置2と同じであり、また、表土覆い装置10には、表土覆い装置キャタピラ軸の回転速度を測定するための第4の回転速度センサー44が設けられる。
【0020】
底土掃き装置3は
図4(a)に示すように、第1の支持スクリュー3eを備え、第1の支持スクリュー3eは螺合によって第1のコンベヤーベルトホルダー1に固定され、第1の支持スクリュー3eはナットによってブラシホルダー3aに接続され、ブラシホルダー3aにブラシ3dが固定され、ブラシホルダー3aの一端は螺合によって第1のモータホルダー3bに接続され、第1のモータホルダー3bに第1のステップモータ3cが固定される。第1のステップモータ軸とブラシ軸は第1の軸継手3fによって接続される。表土掃き装置11の構造は底土掃き装置3と同じである。ブラシ3dの回転方向は第1のコンベヤーベルト24の動作方向に反し、第1の支持スクリュー3eを回転させることによって、ブラシホルダー3aの高さを調節し、底土が敷かれた栽培トレイの表面が平坦で均一になることができる。
【0021】
穴押え装置4は、
図4(a)に示すように、第2の支持スクリュー4eを備え、第2の支持スクリュー4eは螺合によって第1のコンベヤーベルトホルダー1に固定され、第2の支持スクリュー4eはナットによって穴押えローラホルダー4aに接続され、穴押えローラホルダー4aはナットによって穴押えローラ4dに接続され、穴押えローラホルダー4aの一端は螺合によって第2のモータホルダー4bに接続され、第2のモータホルダー4bに第2のステップモータ4cが固定され、第2のステップモータ軸と穴押えローラ軸は第2の軸継手4fによって接続される。穴押えローラ4dの回転方向は、第1のコンベヤーベルト24の動作方向と同じである。第2の支持スクリュー4eを回転させることによって、穴押えローラホルダー4aの高さを上下に調節し、底土が敷かれた栽培トレイ表面を押さえて穴を順に成すことができる。
図4(b)に示すように、穴押えローラ4dの表面に付けた土を即時に除去するように、穴押えローラホルダー4aの内壁に土除去ブラシ4gが固定される。
【0022】
第1のコンベヤーベルトホルダー1と第2のコンベヤーベルトホルダー5は第1の架橋ボード22によって架橋され、第2のコンベヤーベルトホルダー5と第3のコンベヤーベルトホルダー13は第2の架橋ボード23によって架橋される。第1のコンベヤーベルトホルダー1、第3のコンベヤーベルトホルダー13の底端に、螺合によって調節可能なスイベルキャスター20が接続される。第1のコンベヤーベルトホルダー1の上に第1のコンベヤーベルト24が取り付けられ、第1のコンベヤーベルト24は、第1のコンベヤーベルトA部分24aと第1のコンベヤーベルトB部分24bの2つの鎖車がチェーンで伝動接続されてなり、第1のコンベヤーベルトB部分24bの動作速度が第1のコンベヤーベルトA部分24aよりも大きい。そのため、栽培トレイを連続的にセットする時に適切な間隔を形成でき、底土掃き装置2によって前のトレイの底土を次のトレイに掃くすることを防止できる。第1のコンベヤーベルトホルダー1の上方に、動作方向に沿って、螺合によって底土敷き装置2、底土掃き装置3、及び穴押え装置4が順に接続され、底土敷き装置2は第1のコンベヤーベルトA部分24aにあり、底土掃き装置3と穴押え装置4は第1のコンベヤーベルトB部分24bにある。第1のコンベヤーベルトホルダー1には更に、底土敷き装置2へ動力を供給するための第1の駆動モータ15、及び第1のコンベヤーベルト24へ動力を供給するための第2の駆動モータ16が固定される。第1のコンベヤーベルトホルダー1には更に、第1のコンベヤーベルト24の回転速度を測定するための第2の回転速度センサー42が設けられる。第3のコンベヤーベルトホルダー13には、第3のコンベヤーベルト26と、その回転速度を測定するための第5の回転速度センサー45が取り付けられる。第3のコンベヤーベルト26は、第3のコンベヤーベルトA部分26aと第3のコンベヤーベルトB部分26bの2つの鎖車がチェーンで伝動接続されてなり、第3のコンベヤーベルトA部分26aと第3のコンベヤーベルトB部分26bの動作速度が一致する。そのため、散水プロセスと表土覆い・表土掃きプロセスを分離でき、第3のコンベヤーベルトA部分26aから散らばった土壌基質が水で第3のコンベヤーベルトB部分26bに付け、コンベヤーベルトの全体がぬかることを防止できる。第3のコンベヤーベルトホルダー13の上方に、動作方向に沿って、螺合によって表土覆い装置10、表土掃き装置11、及び散水装置12が順に接続される。第3のコンベヤーベルトホルダー13には更に、表土覆い装置10へ動力を供給するための第4の駆動モータ18、及び第3のコンベヤーベルト26へ動力を供給するための第5の駆動モータ19が固定される。
【0023】
第2のコンベヤーベルトホルダー5は、
図5に示すように、第2のコンベヤーベルトホルダービーム5a、及びホルダーの一方の側に設けられる第1の支持プレート5bと第2の支持プレート5cを備え、第2のコンベヤーベルトホルダー5の下端に水平調節ホイール21が取り付けられ、第1の支持プレート5bに、5軸機械ハンドである接続播種機械ハンド6、及び第3の駆動モータ17が固定される。播種機械ハンド6の下端にシード吸引トレイ7が接続され、第2の支持プレート5cの上に電磁振動台8と真空ポンプ14が固定され、電磁振動台8には螺合によってシード振動トレイ9が固定され、シード振動トレイ9のガス吸引ホールはホースによって真空ポンプ14に接続される。シード振動トレイ9の底部に、シード振動トレイ9の周波数を測定するための周波数センサー46が設けられる。第2のコンベヤーベルトホルダービーム5aに、第2のコンベヤーベルト25と、その回転速度を測定するための第3の回転速度センサー43が取り付けられる。第2のコンベヤーベルトホルダービーム5aの末端に、更にリミットスイッチ40と位置決めストッパー47が設けられ、リミットスイッチ40は播種位置の場合、シード吸引トレイ7の隅処にあり、シード吸引トレイ7と栽培トレイとの間の播種距離を制御するためのものであり、位置決めストッパー47は栽培トレイの前端にある。
【0024】
コンベヤーベルトの伝送方向に沿って、底土敷き装置2の前端・後端にそれぞれ第2の光電センサー28と第1の光電センサー27が設けられ、底土掃き装置3の前端・後端にそれぞれ第3の光電センサー29と第4の光電センサー30が設けられ、穴押え装置4の前端・後端にそれぞれ第5の光電センサー31と第6の光電センサー32が設けられ、第1のコンベヤーベルト24の末端に第7の光電センサー33が設けられ、表土覆い装置10の前端・後端にそれぞれ第8の光電センサー34と第9の光電センサー35が設けられ、表土掃き装置11の前端・後端にそれぞれ第10の光電センサー36と第11の光電センサー37が設けられ、散水装置12の前端・後端にそれぞれ第12の光電センサー38と第13の光電センサー39が設けられる。
【0025】
散水装置12は
図6に示すように、2つの矩形散水フレーム12aを含み、2つの矩形散水フレーム12aは底端が第3のコンベヤーベルトホルダー13に固定され、2つの散水フレーム12aに複数本の水管12bが固定され、水管12bにはスプレーノズル12cが均一に配布され、水管12bと水源を接続するダクトに調節可能な電磁弁12dが設けられ、調節可能な電磁弁12dの開度を調節することによって散水量を制御することができる。
【0026】
水平調節ホイール21は
図7に示すように、調節スクリュー21a、アシストスクリュー21b、支持トッププレート21c、支持ボトルプレート21d、及びホイール21eを備え、支持トッププレート21cと支持ボトルプレート21dは調節スクリュー21aとアシストスクリュー21bによって接続され、ホイール21eが支持ボトルプレート21dの下方に固定される。
【0027】
図8に示すように、本発明に係るガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置による播種プロセスのフローチャートであり、マニュアルで栽培トレイを第1のコンベヤーベルト24の始端にセットし、栽培トレイを順に底土敷き装置2、底土掃き装置3、穴押え装置4、第2のコンベヤーベルトホルダー5、表土覆い装置10、表土掃き装置11、散水装置12を経由させ、底土敷き作業、底土掃き作業、穴押え作業、播種作業、表土覆い作業、表土掃き作業、散水作業を実行し、最後にマニュアルで栽培トレイを取り外す。
【0028】
図9に示すように、本発明に係るガス吸引振動トレイ型精密栽培播種一個流し装置の制御系のハードウェア構造模式図であり、光電センサー、回転速度センサー、リミットスイッチ40、周波数センサー46はいずれもPLCコントローラの信号入力端に接続され、PLCコントローラの出力端は、ステップモータのドライバー、駆動モータの周波数コンバーター、真空ポンプ14の周波数コンバーター 、電磁振動台8の周波数コンバーター、調節可能な電磁弁12dに接続され、PLCコントローラは産業タッチパネルと通信する。PLCコントローラは主な制御ユニットとして、一個流し装置全体の動作を担い、信号を受信することによって、ロジック演算と指令発出を実行し、一個流し装置における各部材の動作を制御するようになる。周波数コンバーターは、駆動モータ、電磁振動台、及び真空ポンプの駆動ユニットであり、モータの速度、電磁振動台の振動周波数、及び真空ポンプの負圧の大きさを調節するように役立つ。回転速度センサーによって各動作デバイスの速度をモニターし、光電センサーによって栽培トレイの一個流し装置における具体的な位置を採取してPLCコントローラへ送信し、PLCコントローラによってロジック処理された後、対応する指令を対応するデバイスに送信し、デバイスの起動・停止を実現する。調節可能な電磁弁によってノズルの散水量を制御する。
【0029】
図10に示すように、シード振動トレイの周波数の制御系の回路図であり、シード振動トレイ9におけるシード量の低減量をフィードバック信号として、電磁振動台8の振動周波数を調節する。
【0030】
図11に示すように、電磁振動台の周波数の制御系のメカニズム図であり、
図11(a)に示すように、シード振動トレイのシード量を検出対象としてシード振動トレイ9を調節し、
図11(b)に示すように、シード振動トレイのシード量変化を播種トレイの数に変換し、シード振動トレイ9の振動周波数を制御する入力信号とする。
【0031】
図12に示すように、電磁振動台8には周波数変更制御方式が採用され、まず、シード振動トレイ9は通電後、定められた低周波数で振動し、播種機械ハンド6によってシード吸引トレイ7を連れてシード吸引作業を実行する時、電磁振動台8によってシード振動トレイ9を連れて高周波数で振動させ、シード吸引作業が終わると、電磁振動台8は低周波数での振動に戻す。それと同時に、播種過程の実行に従って、シード振動トレイ9におけるシード量は次第に低減していて、その時、電磁振動台8がシード吸引作業において振動する周波数もシード振動トレイ9におけるシード量の変化量に基づいて増加し、シード群が最適な「沸騰」という効果に達し、シード吸引トレイ7によるシード吸引率を保証し、播種合格率が最大になることを確保する。最後に、シード振動トレイ9におけるシード量が一定の量(20トレイ~30トレイ)まで低減した時、シードを加える必要があり、シードを加えた後、電磁振動台8は、シード群が速やかにシード振動トレイ7内に均一に分布するように、シード添加量に基づいて即時に振動周波数を適切に調整する。その同時に、播種機械ハンド6は、前回の播種終了後から今回のシード吸引までの運動過程も調整され、シード振動トレイ9によって十分な時間でシード群を均一に分布させるように、運動速度が低減され、これに応じて、一個流し装置の他のプロセスも対応的に調整され、播種一個流し全体の自己適応制御過程が実現され、播種合格率が最大になり、播種効率が最大になることを確保する。
【0032】
図13、14に示すように、本発明に係る一個流し作業過程の制御フローチャートであり、一個流し装置の通電後、タッチパネルが点灯され、モデル選択インターフェイスに入る。手動制御モデルの場合、「モデル選択」インターフェイスにおいて「手動モデル」をクリックし、インターフェイスが「手動モデル」制御インターフェイスに移行し、そして、「動作部材」欄での各部材はそれぞれ選択してもよく、ボタンをクリックした毎に、「設置」欄にて各部材の動作パラメータをそれぞれ設置し、パラメータを設置した毎に、「確認」をクリックする必要があり、そして、各部材は定められたパラメータで動作するようになり、「動作部材」欄での部材のボタンを再びクリックすると、対応する動作部材の動作が停止するようになる。その中、「設置」欄でのパラメータ設置の選択肢は、「動作部材」欄おいてに選択された動作部材に基づいて調整され、設置可能な選択肢は高い明度で表示され、他の選択肢は灰色で表示され設置できないようになる。例えば、底土敷き装置2の動作を設置する場合、まず、「モデル選択」インターフェイスにおける「手動モデル」ボタンをクリックし、次に、「動作部材」欄での「底土敷き装置」ボタンをクリックし、そして、「設置」欄で「回転速度」ボックス内に回転速度値を入力し、また、後方の上・下三角で微小に調整してもよく、数値を確認した後、「確認」ボタンをクリックする。この場合、底土敷き装置2は定められた回転速度で動作し始める。
【0033】
自動制御モデルの場合、「モデル選択」インターフェイスにおいて「自動モデル」をクリックしてインターフェイスを「自動モデル」制御インターフェイスに移行させ、そして、「動作部材」欄での各部材をそれぞれ選択してもよく、ボタンをクリックした毎に、次に「設置」欄にて各部材の動作パラメータを設置し、パラメータを設置した毎に、「確認」をクリックする必要があり、そして、全ての動作部材のパラメータを順に設置した後、インターフェイスの上方における「起動」ボタンをクリックすると、すべての動作部材は定められた動作パラメータで自動的に動作する。例えば、1つの栽培トレイで播種する場合、全ての動作パラメータを設置した後、「起動」ボタンを押すと、電磁振動台8と真空ポンプ14は起動する。栽培トレイを一個流し装置にセットすると、まず、第1の光電センサー27が栽培トレイの前端によってトリガーされ、PLCコントローラから指令信号を第1のコンベヤーベルト24に送信した後、第1のコンベヤーベルト24は栽培トレイを担持して動作し始める。底土敷き装置2の前端に取り付けられた第2の光電センサー28が栽培トレイの前端によってトリガーされると、底土敷き装置2は動作し始める。そして、栽培トレイを前へ輸送し続け、第3の光電センサー29が栽培トレイの前端によってトリガーされると、底土掃き装置3は動作し始める。そして、第5の光電センサー31が栽培トレイの前端によってトリガーされると、穴押え装置4は動作し始める。第2の光電センサー28が栽培トレイの末端によってトリガーされると、底土敷き装置2は動作を停止する。第4の光電センサー30が栽培トレイの末端によってトリガーされると、底土掃き装置3は動作を停止する。第6の光電センサー32が栽培トレイの末端によってトリガーされると、穴押え装置4は動作を停止する。第7の光電センサー33が栽培トレイの前端によってトリガーされると、信号をPLCコントローラへ送信し、PLCコントローラは、第8の光電センサー34がトリガーされた状態であるかを判断する。Yesであれば、第1のコンベヤーベルト24は動作を停止し、Noであれば、第1のコンベヤーベルト24は引き続いて動作し、その同時に、第2のコンベヤーベルト25は起動し、シード吸引トレイ7によってシードを吸引し始め、位置決めストッパー47を押し出す。栽培トレイの前端が位置決めストッパー47にブロックされ、第8の光電センサー34がトリガーされ、シード吸引トレイ7によってシードをフィードし、その同時に、リミットスイッチ40がシード吸引トレイ7によってトリガーされ、位置決めストッパー47が戻り、第3のコンベヤーベルト26は起動する。第8の光電センサー34が栽培トレイの末端によってトリガーされると、第2のコンベヤーベルト25は停止する。第9の光電センサー35が栽培トレイの前端によってトリガーされると、表土覆い装置10は起動する。第10の光電センサー36が栽培トレイの前端によってトリガーされると、表土掃き装置11は起動する。第12の光電センサー38が栽培トレイの前端によってトリガーされると、散水装置12は起動する。第9の光電センサー35が栽培トレイの末端によってトリガーされると、表土覆い装置10は停止する。第11の光電センサー37が栽培トレイの前端によってトリガーされると、表土掃き装置11は停止する。第13の光電センサー39が栽培トレイの末端によってトリガーされると、散水装置12は散水を停止し、第3のコンベヤーベルト26は停止する。これまで、播種一個流し動作の全体が終了する。自動播種モデルでは、産業タッチパネルに播種部材の動作状況を即時に表示することができる。
【0034】
以上に、本発明の技術手段に基づいて具体的な実施形態を詳細に説明した。本発明の技術手段によると、当業者は、本発明の実質的な精神を変更しない限り、互いに置換できる複数の構造形態及び実現形態を提出することができる。そのため、以上に記載された具体的な実施形態及び添付の図面は、ただ本発明の技術手段の例示的な説明であり、本発明の全部、又は本発明の技術手段に対する限定或いは制限として理解するべきではない。
【符号の説明】
【0035】
1 第1のコンベヤーベルトホルダー、2 底土敷き装置、2a 土フィードホッパー、2b 蓄土タンク、2c 土攪拌軸、2d 土敷き量調節プレート、2e 土敷きキャタピラ、2f 第1のキャタピラ軸、2g 第2のキャタピラ軸、3 底土掃き装置、3a ブラシホルダー、3b 第1のモータホルダー、3c 第1のステップモータ、3d ブラシ、3e 第1の支持スクリュー、3f 第1の軸継手、4 穴押え装置、4a 穴押えローラホルダー、4b 第2のモータホルダー、4c 第2のステップモータ、4d 穴押えローラ、4e 第2の支持スクリュー、4f 第2の軸継手、4g 土除去ブラシ、5 第2のコンベヤーベルトホルダー、5a 第2のコンベヤーベルトホルダービーム、5b 第1の支持プレート、5c 第2の支持プレート、6 播種機械ハンド、7 シード吸引トレイ、8 電磁振動台、9 シード振動トレイ、10 表土覆い装置、11 表土掃き装置、12 散水装置、12a 散水フレーム、12b 水管、12c スプレーノズル、12d 調節可能な電磁弁、13 第3のコンベヤーベルトホルダー、14 真空ポンプ、15 第1の駆動モータ、16 第2の駆動モータ、17 第3の駆動モータ、18 第4の駆動モータ、19 第5の駆動モータ、20 調節可能なスイベルキャスター、21 水平調節ホイール、21a 調節スクリュー、21b アシストスクリュー、21c 支持トッププレート、21d 支持ボトルプレート、21e ホイール、22 第1の架橋ボード、23 第2の架橋ボード、24 第1のコンベヤーベルト、24a 第1のコンベヤーベルトA部分、24b 第1のコンベヤーベルトB部分、25 第2のコンベヤーベルト、26 第3のコンベヤーベルト、26a 第3のコンベヤーベルトA部分、26b 第3のコンベヤーベルトB部分、27 第1の光電センサー、28 第2の光電センサー、29 第3の光電センサー、30 第4の光電センサー、31 第5の光電センサー、32 第6の光電センサー、33 第7の光電センサー、34 第8の光電センサー、35 第9の光電センサー、36 第10の光電センサー、37 第11の光電センサー、38 第12の光電センサー、39 第13の光電センサー、40 リミットスイッチ、41 第1の回転速度センサー、42 第2の回転速度センサー、43 第3の回転速度センサー、44 第4の回転速度センサー、45 第5の回転速度センサー、46 周波数センサー、47 位置決めストッパー
【国際調査報告】