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特表2022-509924尿または糞便の存在を監視するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(54)【発明の名称】尿または糞便の存在を監視するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20220118BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A61F5/44 S
A61F13/42 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525030
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(85)【翻訳文提出日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 US2019060588
(87)【国際公開番号】W WO2020097543
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/757,947
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521193854
【氏名又は名称】マービン・ウエアー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ルー
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジーチャオ
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200DF04
4C098AA09
4C098CD08
4C098CD09
4C098CE06
(57)【要約】
本明細書にて、排泄物、例えば尿または糞便を判定するシステムおよび方法が開示される。また、被験者が着用しているときに、排泄物、例えば尿または糞便を検知する本明細書に記載のシステムを組み込んでいるおむつも、本明細書で開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)プロセッサと、
(b)アノードおよびカソードを備える電池と、
(c)作用極および対極を備える少なくとも1つのセンサであって、前記電池および前記プロセッサに作動的に接続される前記少なくとも1つのセンサと、を備えるシステムであって、
前記プロセッサが、糞便または尿に反応して、前記少なくとも1つのセンサの前記作用極および前記対極にかかるインピーダンスを測定し、それによって尿、糞便またはこれらの組合せを示すデータを生成するように構成され、
電気回路が、尿、糞便または電解液の不存在下では実質的に開いており、前記センサが尿、糞便または電解液に接触するとき、少なくとも部分的に閉じ、それによって尿、糞便または前記電解液の存在下でのみ前記プロセッサおよびセンサに電力を供給する、
システム。
【請求項2】
前記プロセッサおよび前記電池に作動的に接続される無線周波認識(RFID)トランスポンダをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記RFIDトランスポンダが、尿、糞便または前記電解液の存在下で、前記データを送信するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムが、尿、糞便または電解液の不存在下では閾値レベルの電流を測定しない、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記尿、前記糞便、前記電解液またはこれらの組合せにより、前記閾値レベルのインピーダンスが生じる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記データがインピーダンスデータである、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサおよび前記電池に作動的に接続されるメモリモジュールをさらに備え、前記メモリモジュールが前記データを記憶するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記RFIDトランスポンダが、前記メモリモジュールにアクセスするように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサおよび前記電池に作動的に接続されるRFID受信器をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記RFID受信器が、RF信号によって機器から命令を受け取り、前記機器に前記データを送信するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記RFIDトランスポンダが、RF信号によって前記機器に前記データを送信するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記機器がモバイル機器または据置き型機器である、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記機器がユーザーの近くに取り付けられる、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項14】
前記データの前記生成が電圧のアナログデジタル変換を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
複数のセンサを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のセンサが表面上の少なくとも2つの層中に配置される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサがグルコースセンサである、請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項のシステムと、吸収パッドとを備える、おむつ。
【請求項19】
前記電解液を蓄えるリザーバをさらに備える、請求項18に記載のおむつ。
【請求項20】
前記リザーバがもろい膜を備え、前記電解液が、前記もろい膜によって前記電池から少なくとも部分的に隔離され、前記もろい膜が破裂したときに前記電解液が前記電池と接触する、請求項19に記載のおむつ。
【請求項21】
機器に前記インピーダンスデータを送信するように構成される送信器をさらに備える、請求項18に記載のおむつ。
【請求項22】
前記電池がマグネシウムまたはその塩を含む、請求項21に記載のおむつ。
【請求項23】
前記電池が、前記電池の総重量に対して、約10重量%~約90重量%の重量の前記マグネシウムまたはその塩を含む、請求項22に記載のおむつ。
【請求項24】
前記電池が銅またはその塩を含む、請求項21に記載のおむつ。
【請求項25】
前記電池が、前記電池の総重量に対して、約10重量%~約90重量%の重量の前記銅またはその塩を含む、請求項24に記載のおむつ。
【請求項26】
前記もろい膜を突き刺すように構成される物体をさらに備える、請求項19に記載のおむつ。
【請求項27】
前記吸収パッドが複数のセンサを備える、請求項18から26のいずれか一項に記載のおむつ。
【請求項28】
前記複数のセンサが、前記吸収パッドの少なくとも2つの層中に配置される、請求項27に記載のおむつ。
【請求項29】
前記複数のセンサを少なくとも部分的に覆っている、多孔質材料または疎水性材料の層をさらに備える、請求項28に記載のおむつ。
【請求項30】
尿、糞便またはこれらの組合せの存在下で、視覚プロンプトを提供するように構成される視覚インジケータをさらに備える、請求項18から29のいずれか一項に記載のおむつ。
【請求項31】
尿、糞便またはこれらの組合せの存在下で、音声プロンプトを提供するように構成される音声インジケータをさらに備える、請求項18から29のいずれか一項に記載のおむつ。
【請求項32】
前記少なくとも1つのセンサおよび前記電池に作動的に接続されるプロセッサをさらに備える、請求項18から29のいずれか一項に記載のおむつ。
【請求項33】
前記プロセッサが、前記吸収パッドと接触する前記糞便、前記尿または前記電解液に反応して、前記少なくとも1つのセンサの前記作用極および前記対極にかかるインピーダンスを測定し、それによって前記尿または前記糞便を示すインピーダンスデータを生成するように構成される、請求項32に記載のおむつ。
【請求項34】
ヒトに適合するようにサイズ設定される、請求項18から33のいずれか一項に記載のおむつ。
【請求項35】
前記ヒトが約0歳~約17歳である、請求項34に記載のおむつ。
【請求項36】
前記ヒトが約0歳~約4歳である、請求項35に記載のおむつ。
【請求項37】
前記ヒトが約18歳~約120歳である、請求項34に記載のおむつ。
【請求項38】
前記ヒトが約65歳~約120歳である、請求項37に記載のおむつ。
【請求項39】
(a)請求項2から17のいずれか一項に記載の前記システムの、前記少なくとも1つのセンサに、前記糞便または尿を接触させることによって糞便または尿を検知し、それによって前記データを生成することと、
(b)前記RFIDトランスポンダを使用して機器に前記データを送信することと、
を含む、方法。
【請求項40】
(a)請求項18から38のいずれか一項に記載の前記おむつの、前記吸収パッドに、前記糞便または尿を接触させることによって糞便または尿を検知し、それによって前記データを生成することと、
(b)前記送信器を使用して機器に前記データを送信することと、
を含む、方法。
【請求項41】
前記データが、モバイル機器または据置き型機器に記憶される、前記モバイル機器上または前記据置き型機器上に表示される、またはこれらの任意の組合せである、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記データが、クラウドベースのシステムを介して少なくとも部分的に遠隔サーバにアップロードされる、請求項39または40に記載の方法。
【請求項43】
前記データの解析が、前記モバイル機器上または前記据置き型機器上で少なくとも部分的に実施される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記データの解析が、少なくとも部分的に前記遠隔サーバ上で実施される、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記解析が尿または糞便の存在のアラートを含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記解析が、前記尿の持続時間または前記データの周波数に基づく、尿が充満しているというアラートを含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項47】
前記解析が、時間関数として尿または糞便の存在を測定することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記もろい膜を破裂させることをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項49】
前記電池を前記電解液に接触させることをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記検知がヒトに対して実施される、請求項39から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ヒトが約0~17歳の年齢である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ヒトが約18~120歳の年齢である、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記センサがグルコースセンサであり、また前記方法が尿、糞便またはこれらの組合せを前記グルコースセンサと接触させることによって、前記尿、糞便またはこれらの組合せにおけるグルコース濃度を検知することをさらに含む、請求項39から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記尿、糞便またはこれらの組合せにおいて、前記グルコース濃度を一定時間監視することをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
糖尿病治療薬への服薬コンプライアンスを判定することであって、前記糖尿病治療薬を投与した被験者の前記グルコース濃度に基づいて判定することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ヒトに薬剤を投与することをさらに含む、請求項50から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記薬剤が、おむつかぶれ用クリーム、酸化亜鉛、ワセリン、ヒアルロン酸、アロエベラ、シアバター、ホホバ、ココナッツ油、キンセンカ、ビタミンB5、ビタミンE、BPH治療薬、下痢治療薬、ロペラミド、糖尿病治療薬、インスリンおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年11月9日に出願された米国特許仮出願第62/757,947号の利益を主張するものであり、同明細書はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書にて、排泄物(例えば、尿または糞便)を検知するシステムが開示される。システムは、プロセッサ、電池および少なくとも1つのセンサを備えることができる。電池は、アノードおよびカソードを備えることができる。電池は、尿、糞便または電解液の不存在下では活性でない場合がある。電池は、尿、糞便または電解液と接触するとき活性化されてよい。それによって、尿、糞便または電解液の存在下でプロセッサおよびセンサに電力を供給する。場合によっては、電気回路(例えば、電池を含む)は、尿、糞便または電解液の不存在下では、実質的に開いていることができる。場合によっては、電気回路は、センサが尿、糞便または電解液と接触したとき、少なくとも部分的に閉じることができる。センサは、作用極および対極を備えることができる。センサは、電池およびプロセッサと作動的に接続されることができる。プロセッサは、糞便または尿に反応して、少なくとも1つのセンサの作用極と対極にかかるインピーダンスを測定し、それによって尿、糞便またはこれらの組合せを示すことができるデータを生成するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、システムは、プロセッサおよび電池に作動的に接続される無線周波認識(RFID)トランスポンダをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダは、電池が活性化されるときにデータを送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、システムは、尿または糞便の不存在下では活性になってはならない。いくつかの実施形態では、尿、糞便またはこれらの組合せは、システムを活性化することができる。いくつかの実施形態では、データは、インピーダンスデータであることができる。いくつかの実施形態では、システムは、プロセッサおよび電池に作動的に接続されるメモリモジュールを備えることができ、メモリモジュールはデータを記憶するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダは、メモリモジュールにアクセスするように構成されることができる。いくつかの実施形態では、システムは、プロセッサおよび電池に作動的に接続されるRFID受信器をさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、RFID受信器は、RF信号によって機器から命令を受け取り、機器にデータを送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、RFIDトランスポンダは、RF信号によって機器にデータを送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、機器は、モバイル機器であることができる。いくつかの実施形態では、データの生成は、電圧のアナログデジタル変換を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは複数のセンサを備えることができる。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、表面上の少なくとも2つの層中に配置されることができる。いくつかの実施形態では、センサはグルコースセンサであり得る。
【0003】
本明細書に記載のシステムと、吸収パッドとを備えることができるおむつもまた、本明細書で開示される。いくつかの実施形態では、おむつは、電解液を蓄えるリザーバを備えることができる。いくつかの実施形態では、リザーバはもろい膜を備えることができる。いくつかの実施形態では、電解液はもろい膜によって、少なくとも部分的に電池から隔離されることができる。いくつかの実施形態では、電解液は、もろい膜が破裂したときに電池に接触することができる。いくつかの実施形態では、もろい膜を破裂させることで、電池を活性化することができる。いくつかの実施形態では、送信器は、機器にインピーダンスデータを送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、電池はマグネシウムまたはその金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、電池は、電池の総重量に対して、約10重量%~約90重量%の重量のマグネシウムまたはその金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、電池は銅またはその金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、電池は、電池の総重量に対して、約10重量%~約90重量%の重量の銅またはその金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、物体がもろい膜を突き刺し、それによって電解質を電池と接触させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、吸収パッドは複数のセンサを備えることができる。いくつかの実施形態では、複数のセンサは、吸収パッドの少なくとも2つの層中に配置されることができる。いくつかの実施形態では、おむつは、複数のセンサを覆う多孔質材料または疎水性材料の層をさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、おむつは、尿、糞便またはこれらの組合せの存在下で、視覚プロンプトを提供するように構成された視覚インジケータをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、おむつは、尿、糞便またはこれらの組合せの存在下で、音声プロンプトを提供するように構成された音声インジケータをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、おむつは、少なくとも1つのセンサおよび電池に作動的に接続されるプロセッサをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、糞便または尿に反応して、少なくとも1つのセンサの作用極と対極にかかるインピーダンスを測定するように構成される。いくつかの実施形態では、尿または糞便が吸収パッドと接触すると、それによって尿または糞便を示すことができるインピーダンスデータが生成される。いくつかの実施形態では、おむつは、ヒトが装着できるようにサイズ設定されることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約0歳~約17歳であることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約0歳~約4歳であることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約18歳~約120歳であることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約65歳~約120歳であることができる。
【0004】
尿または糞便を検知するための方法もまた、本明細書で開示される。この方法は、糞便または尿を本明細書に記載されるシステムの少なくとも1つのセンサと接触させることによって糞便または尿を検知し、それによってデータを生成することと、RFIDトランスポンダを使用して機器にデータを送信することと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、データは、モバイル機器または据置き型機器に記憶されることができる。いくつかの実施形態では、データの解析は、モバイル機器または据置き型機器上で実施されることができる。いくつかの実施形態では、解析は、尿または糞便の存在のアラートを含むことができる。いくつかの実施形態では、解析は、時間の関数として尿または糞便の存在を測定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、もろい膜を破裂させ、それによって電池を電解液に接触させることをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、検知はヒトに対して実施することができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約0歳~約17歳であることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約0歳~約4歳であることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約18歳~約120歳であることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは約65歳~約120歳であることができる。
【0005】
本明細書では、糞便または尿を本明細書に記載されるおむつの吸収パッドと接触させることにより糞便または尿を検知し、それによってデータを生成することと、送信器を使用して機器にデータを送信することと、を含むことができる、尿または糞便を検知するための方法もまた、開示される。いくつかの実施形態では、データは、モバイル機器または据置き型機器に記憶されることができる。いくつかの実施形態では、データは、クラウドベースのシステムを介して遠隔サーバにアップロードされることができる。いくつかの実施形態では、データの解析は、モバイル機器または据置き型機器上で実施されることができる。いくつかの実施形態では、データの解析は遠隔サーバ上で実施されることができる。いくつかの実施形態では、解析は、尿または糞便の存在のアラートを含むことができる。いくつかの実施形態では、解析は、尿の持続時間またはデータの周波数に基づいて、尿が充満しているというアラートを含むことができる。いくつかの実施形態では、解析は、時間の関数として尿または糞便の存在を測定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、もろい膜を破裂させ、それによって電池を電解液に接触させることをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、検知はヒトに対して実施することができる。いくつかの実施形態では、ヒトは、0~17歳の年齢であることができる。いくつかの実施形態では、ヒトは、18~120歳の年齢であることができる。いくつかの実施形態では、センサはグルコースセンサであり得る。場合によっては、この方法は、尿、糞便またはこれらの組合せをグルコースセンサと接触させることによって、尿、糞便またはこれらの組合せにおけるグルコース濃度を検知することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、尿、糞便またはこれらの組合せにおいて、グルコース濃度を一定の時間監視することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、糖尿病治療薬を投与した被験者のグルコース濃度に基づいて、糖尿病治療への服薬コンプライアンスを判定することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、ヒトに薬剤を投与することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、薬剤は、おむつかぶれ用クリーム、酸化亜鉛、ワセリン、ヒアルロン酸、アロエベラ、シアバター、ホホバ、ココナッツ油、キンセンカ、ビタミンB5、ビタミンE、BPH治療薬、下痢治療薬、ロペラミド、糖尿病治療薬、インスリンおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択されることができる。
【0006】
例示的な実施形態の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に記載される。代表的な実施形態の原理が利用される、例示的な実施形態を記載する以下の詳細説明、および以下の添付図面を参照することによって、本発明の特徴および利点のよりよい理解が得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】尿および糞便の存在および量を検知するシステムの一例を示す図である。
図2】使い捨て可能な電池において、単一のセルがどのように構成されるかの一例を示す図である。
図3】1つ以上のセルがどのように接続されて、使い捨て可能な電池を形成するかの一例を示す図である。
図4】尿および糞便を検知するのに使用される、電極のパターンの一例を示す図である。
図5】電極を覆う材料の一例を示す図である
図6】もろい膜によって電池セルから分離される電解質チャンバの一例を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要
尿および糞便の検知システムが本明細書にて開示される。システムは、尿または糞便の存在を検知すること、尿または糞便の量を推定すること、および一定の時間における尿または糞便の頻度を理解すること、ができる。このような検知は、機器に通知されることができる。特に本明細書にて、電源モジュール、検知モジュールおよびデータ送信モジュールを備えた、低コスト、無毒性かつ完全に使い捨て可能なシステムを構成するための方法および材料が開示される。
【0009】
定義
本明細書において使用される用語は、特定の事例のみを説明することを目的とし、限定することを意図していない。本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈から明らかにそうではないと示されない限り、複数形も含むことを意図する。さらに、「含有する(including)」、「含有する(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」という用語、またはこれらの変形は、発明を実施するための形態および/または請求項中で使用される限り、「備える(comprising)」という用語と同様に包括的であることを意図する。
【0010】
「約(about)」または「およそ(approximately)」という用語は、当業者によって決定される特定の値について許容誤差範囲以内を意味することができ、これは、その値が測定される方法または決定される方法、例えば測定システムの制限に部分的に依存するだろう。例えば、「約(about)」は、当技術分野の慣例に従ってプラスマイナス10%を意味できる。あるいは、「約(about)」は、所与の値のプラスマイナス20%、プラスマイナス10%、プラスマイナス5%またはプラスマイナス1%の範囲を意味できる。あるいは、特に生体学的なシステムまたはプロセスに関して、この用語は値の1桁以内、5倍以内、または2倍以内であることを意味できる。本出願および請求項中に特定の値が記載されている場合、特に指定のない限り、用語「約(about)」は特定の値の許容できる誤差範囲内を意味しているとみなすべきである。また、値の範囲および/または部分的な範囲が提供される場合、範囲および/または部分的な範囲は、範囲および/または部分的な範囲の端点を含む。
【0011】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、所与の値の100%に近づきつつある値を示すことができる。場合によっては、この用語は、総量の少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%または99.99%の量を示すことができる。場合によっては、この用語は、総量の約100%であることができる量を示すことができる。
【0012】
本明細書で使用される場合、「被験者」、「患者」または「個体」という用語は、哺乳類および非哺乳類を包含できる。哺乳類は、任意の哺乳類の部類であることができ、ヒト、ヒト以外の霊長類(例えばチンパンジー、類人猿またはその他のサルの種)、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタのような家畜、ウサギ、イヌ(または、イヌ科動物)およびネコ(または、ネコ科動物)のような飼育動物、げっ歯類などの実験動物(例えばラット、マウスおよびモルモット)などが挙げられるが、これらに限定されない。非哺乳類は、鳥、魚などが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、被験者は哺乳類であることができる。いくつかの実施形態では、被験者はヒトであることができる。いくつかの例では、ヒトは成人であることができる。いくつかの例では、ヒトは子供であることができる。いくつかの例では、ヒトは0~17歳の年齢であることができる。いくつかの例では、ヒトは0~4歳の年齢であることができる。
【0013】
いくつかの例では、ヒトは18~120歳の年齢であることができる。いくつかの例では、ヒトは65~120歳の年齢であることができる。いくつかの例では、被験者は男性であることができる。いくつかの例では、被験者は女性であることができる。いくつかの例では、被験者は、ある健康状態もしくは疾患と診断されている、または有し得ると疑われている場合がある。被験者は、患者である場合がある。被験者は、個体である場合がある。いくつかの例では、被験者、患者または個体は、同じ意味で用いられることができる。
【0014】
システム
本明細書にて、排泄物の検知システムが開示される。場合によっては、排泄物は尿、糞便または尿および糞便の組合せであることができる。
【0015】
図1は、本明細書に記載されるシステムの例示的実施形態の概略図を示す。図1にて図示するように、システムは、電池001、安定な電圧を供給できる電源モジュール002、送信器003、受信器004、コントローラ005、メモリモジュール006およびセンサ017を含有することができる。電池001および電源002は、すべてのシステム構成部品に電圧を供給できる。
【0016】
システムは、コントローラ005を備えることができる。場合によっては、コントローラ005は、マイクロプロセッサであり得る。マイクロプロセッサは、個別の構成部品としてCPUであり得る。場合によっては、コントローラ005は、マイクロコントローラであり得る。マイクロコントローラは、統合CPUプロセッサコア、コンピュータメモリ、プログラムメモリ、および/またはプログラム可能な入出力用周辺装置を有することができる。場合によっては、プログラムメモリには、強誘電性RAM、NORフラッシュ、OTP ROMまたはRAMが挙げられ得る。コントローラ005は、D/A変換器を介してセンサ017に交流電圧を供給できる。コントロールモジュール005は、A/D変換器を介してセンサ017への電流を読みとることができる。
【0017】
検知用として、センサ017の両端に電圧を印加できる。予めプログラムされた、または決まった電流または電圧を用いて電圧を印加し、導電性排泄物物質、例えば糞便または尿の存在下でのアドミタンス、インピーダンス、コンダクタンス、抵抗または電圧を計算する、および/またはこれらのパラメータの変化を検知することができる。例えば、糞便の存在により、センサ017の電極の間に、より低い抵抗またはインピーダンスの経路、およびより高いアドミタンスの経路が作られ得るので、糞便の量が増加することにより、電極間により低い抵抗またはインピーダンスの経路、およびより高いアドミタンスが引き起こされ、電極間の正味のインピーダンスまたは抵抗を低下させ、電極アレイ内の正味のアドミタンスを上昇させることができる。場合によっては、電極は向かい合ったフィンガー電極を備えることができる。場合によっては、電極は互い違いにした平行電極を備えることができる。場合によっては、電極はジグザグ状の平行電極を備えることができる。
【0018】
印加される電流または電圧は、交流(AC)または直流(DC)のいずれかであり得る。印加電圧は、約0.000V~0.005Vの実効値、約0.005V~約0.05Vの実効値、約0.05V~約0.5Vの実効値、または約5V~約50Vの実効値であってよい。印加電圧の周波数は、約0.1Hz~約1Hz、約10Hz~約100Hz、約100Hz~約1,000Hz、約1,000Hz~約10,000Hz、約10,000Hz~約100,000Hz、または約100,000Hz~約1,000,000Hzであってよい。場合によっては、抵抗器、コンデンサ、インダクタまたはその他の電気構成部品が、センサ017回路のすべてまたは一部を構成することができる。例えば、抵抗器、コンデンサまたはインダクタを、電極アレイとともに並列または直列に接続し、電極アレイが電気的に開いている、または閉じているかを判定することができる。
【0019】
電圧またはその他の値は、アナログ-デジタル変換器(ADC)を用いて変換され得る。一部の例では、1つ以上のプロセッサによって、データを処理し糞便または尿の存在を判定するためのアルゴリズムが実行され得る。
【0020】
場合によっては、システムはフルアナログ回路を備えることができる。場合によっては、インピーダンスまたはアドミタンス算出のために、フルアナログ回路を使用できる。場合によっては、フルアナログ回路は電池電力の使用量を低減させ、電池寿命を延長させることができる。場合によっては、RF送信はアナログ回路において達成され得る。場合によっては、カスタマイズしたアナログ回路は、算出、データ送信またはこれらの機能の組合せを実行できる。場合によっては、デジタル回路が、算出、データ送信またはこれらの機能の組合せを実行できる。場合によっては、回路はベアダイを備えることができる。場合によっては、回路は柔軟であることができる。場合によっては、回路は柔軟なパッケージに組み込まれることができる。
【0021】
場合によっては、センサ017にかかるインピーダンスまたはアドミタンスを算出できる。インピーダンスまたはアドミタンスは、コントローラ005によって算出し、メモリモジュール006内に記憶できる。受信器004は、信号を受信して機器にデータを転送することができる。受信器004は、メモリモジュール006内に記憶したデータ(例えば、インピーダンスデータまたはアドミタンスデータ)のすべてまたは一部を送信できる。
【0022】
送信器003は、データ(例えばインピーダンス、抵抗、アドミタンス、コンダクタンス、キャパシタンスなど)を、受信機器(例えばモバイル機器または据置き型機器)に送信できる。送信器003は、有線のまたは無線の接続を介してデータを送信できる。場合によっては、無線接続は、Wi-Fi、RF、3G、4GのLTEまたはBluetoothによる接続であり得る。場合によっては、有線接続は、イーサネット、光ファイバー、同軸ケーブルまたはUSBによる接続であり得る。場合によっては、Bluetooth接続は複数の規格を含むことができる。
【0023】
受信器004は、受信機器(例えばモバイル機器または据置き型機器)からデータ(例えばインピーダンス、抵抗、アドミタンス、コンダクタンス、キャパシタンスなど)を受信できる。受信器004は、有線のまたは無線の接続を介してデータを受信できる。場合によっては、無線接続は、Wi-Fi、RF、3G、4GのLTEまたはBluetoothによる接続であり得る。場合によっては、有線接続は、イーサネット、光ファイバー、同軸ケーブルまたはUSBによる接続であり得る。
【0024】
システムは、尿または糞便が存在することを通知するための追加の手段を、さらに備えることができる。例えば、システムは、尿または糞便が存在するときに可聴信号を放出する、コントローラ005に作動的に接続される可聴式の手段を有することができる。システムはまた、尿または糞便の存在下で活性化できる、例えば光などの、コントローラ005に作動的に接続される視覚式の信号手段を備えることができる。
【0025】
電池
電池001は、本明細書に記載されるシステム構成部品に電力を供給できる。電池001は、アノードおよびカソードを備えることができる。アノードまたはカソードは、導電性金属またはその塩を含有できる。金属の例としては、亜鉛、炭素(グラファイト)、マンガン、ニッケル、リチウム、水銀、銀、カドミウムおよび鉛が挙げられ得る。金属塩の例としては、塩化亜鉛、二酸化亜鉛、二酸化マンガン、酸化第二銅、二硫化鉄(II)、クロム酸リチウム、亜クロム酸リチウムおよび酸化第二水銀が挙げられ得る。例示的な電池としては、亜鉛-炭素、塩化亜鉛、亜鉛-二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、リチウム-酸化第二銅、リチウム-二硫化鉄(II)、リチウム-亜クロム酸塩、酸化水銀、空気亜鉛、酸化銀、ニッケル-カドミウム、鉛-硫酸、ニッケル-亜鉛、銅-マグネシウム、銀-亜鉛およびリチウムイオンの電池が挙げられ得る。場合によっては、空気亜鉛電池は膜を備えることができる。場合によっては、膜は1つ以上の空気孔を覆うことができる。
【0026】
図2は、マグネシウム板および銅板をアノード012およびカソード013として使用する、例示的な電池の設計を表す。多孔質、親水性、非導電性の材料011を使用して、アノード012とカソード013を絶縁することができる。場合によっては、非導電性材料011は電解質を吸収できる。場合によっては、非導電性材料011、アノード012およびカソード013を、円柱状に巻くことができる。場合によっては、電池001は、直列または並列に接続された複数の電池セルを備えることができる。図3は、より高い出力電圧を供給するために直列に接続された、電池セル014A、014Bおよび014Cを有する電池を表す。電池001は、直列または並列に接続された、少なくとも約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10を超える電池セルを備えることができる。場合によっては、セルは複数の電極を備えることができる。場合によっては、複数の電極は、約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つ、約7つ、約8つ、約9つ、約10、または約10を超える電極であり得る。場合によっては、電極はディスク形状の電極であり得る。場合によっては、ディスク形状によって電極の表面積を最大にできる。
【0027】
場合によっては、電池001中の各セルは、ガス気泡が電極表面上に形成されるとき、気泡が電極表面に付着する代わりに、真空空間に吸引されるように真空空間を含有することができる。気泡の存在は電極表面積の減少を引き起こし得るため、気泡の除去により電池の最大出力電流を高めることができる。
【0028】
電池001は、使用前に活性または不活性な構成であり得る。場合によっては、電池001は不活性であり得る。場合によっては、不活性な構成ではアノード012およびカソード013は、セル内に電解質を有することができない。場合によっては、不活性な構成は、アノード012およびカソード013が、高抵抗を有する材料によって少なくとも部分的に互いに絶縁される構成を含み得る。場合によっては、不活性である間、電池は、実質的に開いている回路の一部を含んでもよい。場合によっては、不活性である間、電池001はシステム構成部品に電力を供給できない。場合によっては、不活性な電池は、回路が少なくとも部分的に閉じているときに活性になることができる。場合によっては、回路は、アノードとカソードとの間の絶縁材料が、導体として作用できる物質と接触するとき少なくとも部分的に閉じることができる。場合によっては、アノードとカソードとの間の材料が導体として作用できる物質と接触するとき、材料の電気的インピーダンスは低下することができる。電解液もまた、電解液のイオン強度を変えることによって、システムを介した電圧および/または電流の出力を高めるように選択されることができる。例えば、大きなイオン強度を有する電解液は、電解液内の電解質とアノードとの間の反応性を高めることができる。したがって、アノードでの活性を調整することによって、イオン強度が大きいまたは小さい電解液を使用して、電圧および/または電流の出力を調整することができる。場合によっては、アノードとカソードとの間の材料が、導体として作用できる物質と接触するとき、材料の電気的アドミタンスは上昇することができる。場合によっては、アドミタンスの上昇は電気回路を少なくとも部分的に閉じることができる。場合によっては、電気回路を少なくとも部分的に閉じることにより、電気回路を通る電流の流れを引き起こすことができる。場合によっては、回路を流れる電流は電池が活性となった結果であり得る。場合によっては、電池001を活性化できる物質としては、尿、糞便、電解質、グルコース、グルコン酸およびこれらの任意の組合せが挙げられ得る。
【0029】
一実施形態では、電解質を使用して電池を活性化できる。電解質は、酸性、中性または塩基性であってよい。酸性電解質の例としては、硫酸、硝酸、塩素酸、リン酸、クエン酸、塩酸、クエン酸、および酢酸が挙げられ得る。塩基性電解質の例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピペリジニウム塩、アンモニウム塩、尿素およびN-メチル-N-プロピルピペリジニウム-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが挙げられ得る。中性電解質の例としては、水、塩化ナトリウム、塩化銅、塩化リチウム、塩化アルミニウム、塩化カリウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、過塩素酸ナトリウムおよびジフルオロ(オキザラート)ホウ酸ナトリウムが挙げられ得る。
【0030】
一実施形態では、電解質は尿または糞便であってもよい。尿または糞便は、絶縁されたアノード012とカソード013の橋渡しをすることによって、電池001を活性化できる電解質として作用してもよい。いくつかの例では、外来性の電解液が欠如しているとき、電池001は尿または糞便の存在下でのみ活性であってもよい。
【0031】
適用
本明細書に記載のシステムは、おむつまたはその他の失禁用製品に組み込まれることができる。本明細書に記載のシステムを備えるおむつを使用して、おむつを着用している被験者の尿または糞便の存在を監視することができる。おむつは、ヒトの乳児、幼児または子供に適合するようにサイズ設定できる。場合によっては、おむつは、ヒトの成人に適合するようにサイズ設定できる。本明細書に記載の通知手段に加えて、おむつは、水分に反応して色が変化するストライプをさらに備えることができる。これによって、尿または糞便の存在について追加の指標を提供できる
本明細書に記載のシステムは、尿または糞便の検知を可能にするためにおむつに組み込まれ得る。例えば、本明細書に記載のセンサ017は、おむつの吸収パッド内に配置できる。センサ017は、一組の細長い電極を有することができる。場合によっては、センサは導電性インクであり得る。場合によっては、導電性インクはポリマーであり得る。場合によっては、ポリマーは炭素ドープポリマーであり得る。場合によっては、ポリマーは金属ドープポリマーであり得る。場合によっては、ポリマーは、有機溶剤中にあることができる。場合によっては、導電性インクは注入器によって表面に分注され得る。場合によっては、導電性インクはインクジェットノズルによって表面に分注され得る。場合によっては、表面はプラスチックであり得る。場合によっては、センサはグルコースセンサであり得る。場合によっては、グルコースセンサは少なくとも2つの層を備えることができる。場合によっては、第1の層は1つ以上の電極を備えることができる。場合によっては、第2の層は、グルコースオキシダーゼ、フェリシアニドまたはこれらの組合せを含有できる。場合によっては、尿または糞便の存在は、尿または糞便中のグルコースの検知によって検知できる。場合によっては、グルコースオキシダーゼは、グルコースと酸素との間の反応を触媒する。場合によっては、グルコースと酸素との間の反応は、グルコン酸および過酸化水素を生成できる。場合によっては、グルコン酸はセンサ内のフェリシアニドと反応できる。場合によっては、フェリシアニドと反応するグルコン酸はフェロシアニドを生成できる。場合によっては、2つ以上の電極間に電圧を印加することによってフェロシアニドを測定できる。場合によっては、2つ以上の電極は作用極および参照極を備えることができる。場合によっては、電極層は2つの電極を備えることができる。場合によっては、2電極の構成は作用極および参照極であり得る。場合によっては、作用極表面は、金、白金、炭素、電気化学的に不活性な物質またはこれらの任意の組合せであり得る。場合によっては、炭素はガラス状炭素であり得る。場合によっては、参照極は銀、塩化銀またはこれらの組合せであり得る。場合によっては、参照は塩化銀表面を有する銀であり得る。場合によっては、参照極を作用極の表面積よりも大きくすることができる。場合によっては、2つ以上の電極間に電圧を印加することができる。場合によっては、電流は2つ以上の電極の両端で測定できる。場合によっては、一定の電流を2つ以上の電極の両端に印加できる。場合によっては、電圧は2つ以上の電極の両端で測定できる。場合によっては、トリガー電極を使用して液体の存在を検知できる。場合によっては、トリガー電極は、2つ以上の電極間のインピーダンスが検知閾値に到達することで起動できる。場合によっては、検知閾値は1kohmであり得る。場合によっては、トリガー電極は、2つ以上の電極間のアドミタンスが検知閾値に到達することで起動できる。場合によっては、検知閾値は1kSであり得る。場合によっては、液体は常に監視されてもよい。場合によっては、センサは毛細管を備えることができる。場合によっては、毛細管は、センサへの液体の安定な流れを促進できる。場合によっては、層は親水性材料を含むことができる。場合によっては、親水性材料は液体の通過を促進できる。場合によっては、センサはサーミスタを備えてもよい。場合によっては、サーミスタは記録された結果の温度補償を可能にしてもよい。場合によっては、サーミスタは機器が着用されているかどうかを検知してもよい。図4は、吸収パッド009内の細長い電極007および電極008の配置の実施形態を示す。場合によっては、電極007および電極008は、尿または糞便の不存在下で互いに電気的に絶縁され得る。
【0032】
センサ017は、おむつの吸収パッド009に組み込まれると、被験者が排泄したときに尿または糞便を検知できる。場合によっては、おむつ内で尿が検知され得る。被験者が吸収パッド009へ尿を排泄すると、尿は電極007と電極008との間に電気経路を生成でき、それによって2つの電極間のインピーダンスが低下し、アドミタンスが上昇する。尿がおむつの吸収パッド009によって完全に吸収された後、液体の薄層が電極007と電極008との間に残り得る。それにより、最初に尿が排泄されたときよりも、より高いインピーダンスおよびより低いアドミタンスがもたらされ得る。場合によっては、おむつ内で糞便物質が検知され得る。糞便物質は電極007と008との間に電気経路を生成でき、これにより電極007と008との間に、持続的な低インピーダンスおよび高アドミタンスが生成され得る。一実施形態では、2つの電極007および電極008は、2つの材料層に配置されてもよく、両方の層が液体の通過を可能にする穴を有する。一実施形態では、2つの電極007および電極008は同じ層に配置されてもよく、この層は、液体の通過を可能にするために多孔質である、または穴を有する。
【0033】
排泄に際し尿または糞便を検知するために、電極007および電極008は、排泄物との迅速な接触を可能にする構成に配置される必要があり得る。いくつかの実施形態では、電極007および電極008は、おむつの吸収パッドの最も表面の層に配置されることができる。1つの潜在的欠点は、この配置では、電極007および電極008が、濡れているかもしれない被験者の皮膚と直接接触する可能性があることである。濡れた皮膚は、電極007と電極008との間に低インピーダンスおよび高アドミタンスの電気経路を生成する可能性があり、尿または糞便が低インピーダンスおよび高アドミタンスを引き起こしているかどうか、区別することが困難になる。図5は改善された構成を示す。図5に示すように、薄い、多孔質または格子付きの、疎水性材料層010の層が、電極007および電極008の上に配置されることができ、それによって尿が素早く通過し、吸収パッド009に吸収されることが可能となり得る。この構成では、被験者の皮膚と、電極007および電極008との直接接触を回避できる。
【0034】
上述したように、電池001は尿または糞便の存在下で活性化され得る。場合によっては、電池001は、電極007および電極008と同様に、吸収パッド009中に配置されることができる。したがって、被験者が尿または糞便をおむつに排泄すると、尿または糞便は、吸収パッド009に接触し、そして電池001に接触することができる。尿または糞便による電池001の活性化は、システム構成部品に電力を供給する。例えば、電池001が活性化されると、コントローラ005に電力を供給する。活性化に際し、コントローラ005はセンサ017で電気的インピーダンスおよびアドミタンスを測定するが、これらは活性化をもたらす尿または糞便の存在下では、活性化をもたらす尿または糞便の不存在下よりも、より低くなり得る。コントローラ005がセンサ017で低インピーダンスおよび高アドミタンスを測定すると、コントローラ005は、送信器003を介して、モバイル機器または据置き型機器に、尿または糞便が存在するという信号を送ることになる。
【0035】
別の実施形態では、尿または糞便の不存在下で、外来性の電解質を使用してシステムを活性化することが可能である。外来性電解質は、おむつのある区分に蓄えられることができ、もろい膜018を介して電極007および電極008から物理的に分離され得る。図6は、もろい膜018を有する区分に蓄えられる電解質の図を示す。システムが活性化されようとするとき、鋭い物体016はもろい膜018に穴をあけ、電池セル014を電解質に暴露することができる。活性化に際し、コントローラ005はセンサ017で電気的インピーダンスを測定するが、これは尿または糞便の不存在下では高くなるだろう。コントローラ005は、一定の時間、センサ017でインピーダンスを測定し続けることができ、インピーダンスデータをメモリ006に記憶できる。メモリ006は、被験者のおむつ内の尿または糞便の有無を監視するために、モバイル機器または据置き型機器から、受信器004を使用してアクセスされ得る。被験者によって尿または糞便が排泄されると、インピーダンスは尿または糞便の不存在時と比較して下がり、アドミタンスは尿または糞便の不存在時と比較して上昇するだろう。これにより、コントローラ005が、送信器003を介して、受信機器(例えばモバイル機器または据置き型機器)に、メモリ006内に記憶したすべてのデータを送信するように促すことができ、それによって尿または糞便が存在するというアラートが提供される。
【0036】
いくつかの例では、受信機器はユーザーの近くに取り付けられ得る。例えば、受信機器は病院ベッドまたは車椅子の近くに取り付けられ得る。さらに、受信機器はクラウドベースのシステムであり得る。いくつかの例では、本明細書に記載されるデータは、クラウドベースのシステムを介してサーバにアップロードされ得る。これは現地ユーザーまたは遠隔ユーザーによって、解析のためにアクセスされ得る。いくつかの例では、本明細書に記載されるデータはクラウドベースのシステム上に保存することができ、ユーザーはインターネット接続された機器によって、クラウドベースのシステムから取り出すことができる。
【0037】
コントローラ005は、定められた時間または変更可能な時間の間、インピーダンスデータおよびアドミタンスデータを収集するように構成できる。いくつかの例では、コントローラ005は、受信機器(例えばモバイル機器または据置き型機器)によって、定められた時間または変更可能な時間の間、インピーダンスデータおよびアドミタンスデータを収集するようにプログラムされ得る。いくつかの例では、コントローラ005は、モバイル機器または据置き型機器によって追加でプログラムせずに、デフォルトで、定められた時間または変更可能な時間の間、インピーダンスデータおよびアドミタンスデータを収集できる。いくつかの実施形態では、コントローラ005は、排泄物(例えば、尿または糞便)が存在する長さを記録できる。例えば、コントローラ005は、低インピーダンスおよび高アドミタンスが存在する事象、例えば最初の尿の排泄など、を監視するように構成できる。コントローラ005は、閾値となるインピーダンスまたはアドミタンスに到達しつつあることに応じて、センサ017にかかるインピーダンスおよびアドミタンスデータを収集する頻度を高めることができる。高頻度でインピーダンスおよびアドミタンスを抽出することは、アドミタンス値が閾値を超えて高くなるまで継続され得る。したがって、インピーダンスデータおよびアドミタンスデータ抽出速度を、排泄物の不存在下での低頻度から、排泄物の存在下での高頻度へと変えることによって、排泄物の不存在下ではインピーダンスおよびアドミタンス抽出速度を制限することでシステム内での電力を節約するとともに、排泄物の存在下ではより高い密度で測定値が収集され得る。
【0038】
活性化されたコントローラ005は、センサ017から、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60秒毎に、インピーダンスデータおよびアドミタンスデータを収集できる。場合によっては、活性化されたコントローラ005は、センサ017から、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119または120分毎にインピーダンスデータおよびアドミタンスデータを収集できる。場合によっては、活性化されたコントローラ005は、センサ017から、少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5または24時間毎にインピーダンスデータおよびアドミタンスデータを収集できる。
【0039】
送信器003から送信されたデータは、エンドユーザーに送信され得る。場合によっては、エンドユーザーは、保健医療提供者、例えば医師、看護師、介護者または技術者であり得る。場合によっては、エンドユーザーは被験者の家族または友人であり得る。場合によっては、データは、尿または糞便の最初の発生時に医療従事者に送信され得る。一定時間後、おむつが替えられることなく、尿または糞便がおむつに依然として存在する場合、データは家族または友人に送信され得る。場合によっては、尿または糞便の排泄の、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60分後に家族または友人に通知され得る。
【0040】
また本明細書において、いくつかの実施形態で開示されるのは、被験者を治療する方法である。場合によっては、尿、糞便またはこれらの組合せの検知後に、被験者に治療を実施することができる。場合によっては、治療は薬剤の投与を含むことができる。場合によっては、薬剤は、おむつかぶれ用クリーム、酸化亜鉛、ワセリン、ヒアルロン酸、アロエベラ、シアバター、ホホバ、ココナッツ油、キンセンカ、ビタミンB5、ビタミンE、BPH治療薬、下痢治療薬、ロペラミド、糖尿病治療薬、インスリンおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される部類であり得る。
【0041】
場合によっては、グルコース検知を使用して、尿、糞便またはこれらの組合せにおいて、グルコース濃度を監視することができる。場合によっては、尿、糞便またはこれらの組合せにおけるグルコース検知は、被験者が糖尿病であると示し得る。場合によっては、尿、糞便またはこれらの組合せにおけるグルコース検知は、被験者が、糖尿病薬物療法に関して、服薬コンプライアンスがない、または服薬コンプライアンス不良と示し得る。場合によっては、尿、糞便またはこれらの組合せにおいて、グルコースが存在しないという検知は、被験者が、糖尿病薬物療法に関して服薬コンプライアンスがある、または実質的に服薬コンプライアンスがあると示し得る。場合によっては、尿、糞便またはこれらの組合せにおけるグルコースの検知は、被験者が糖尿病薬物療法を必要とすると示し得る。場合によっては、糖尿病薬物療法はインスリンの使用を含むことができる。場合によっては、グルコース濃度の監視によって、糖尿病治療経過の評価が可能になり得る。場合によっては、治療戦略の変更が、グルコース濃度の監視によって通知され得る。
【0042】
[実施例]
[実施例1]
システム構築
マイクロコントローラによるインピーダンスセンサコントローラを備えるようにシステムを構成し、成人用おむつに固定する。インピーダンスセンサは、おむつの吸収パッドの多孔質層中に固定された、平行な2つの細長いセンサを含有する。モバイル機器との通信のために、RFIDトランスポンダおよび受信器をマイクロコントローラに作動的に接続する。インピーダンスデータを記憶するために、マイクロコントローラをオンボードRAMに接続する。銅カソードおよびマグネシウムアノードの電池セルを含有する電池を、システムに作動的に接続する。銅カソードおよびマグネシウムアノードを、円柱状の構成で連続的に配置する。各電池セルは、電解液がない状態では不活性形態であるように構成する。
【0043】
吸収パッドに、色が変化するストライプを含有する。ストライプは、水分(例えば、尿または糞便)と接触すると、色を変えるように構成する。
【0044】
[実施例2]
代替的システム構築
マイクロコントローラによるインピーダンスセンサコントローラを備えるようにシステムを構成し、成人用おむつに固定する。インピーダンスセンサは、おむつの吸収パッドの多孔質層中に固定された、平行な2つの細長いセンサを含有する。モバイル機器との通信のために、RFIDトランスポンダおよび受信器をマイクロコントローラに作動的に接続する。インピーダンスデータおよびアドミタンスデータを記憶するために、マイクロコントローラをオンボードRAMに接続する。銅カソードおよびマグネシウムアノードの電池セルを含有する電池を、システムに作動的に接続する。銅カソードおよびマグネシウムアノードを、円柱状の構成で連続的に配置する。各電池セルは、電解液がない状態では不活性形態であるように構成する。
【0045】
塩化カリウム電解液を蓄えているチャンバを電池セルに隣接して設置し、もろい膜によって電池セルから分離する。鋭い鋲をもろい膜に隣接して設置する。この鋲は圧力をかけられると、もろい膜を破裂させ、それによって電解液を電池セルに接触させる。
【0046】
可聴式スピーカユニットを、マイクロコントローラに作動的に接続する。もろい膜を破裂することによってシステムが活性化されるときに収集される、インピーダンスが基準インピーダンスから少なくとも約20%低下したとき、またはアドミタンスが基準アドミタンスから少なくとも約20%上昇したとき、可聴式スピーカユニットを介して可聴ノイズを生成するように、マイクロコントローラをプログラムする。
【0047】
[実施例3]
尿による活性化
介護施設に住む被験者は、実施例1に記載されているように構成したおむつを着用している。おむつは、尿の不存在下では、電池セルから電解液が隔離されているため不活性状態である。被験者が尿を排泄すると、尿は吸収パッドをコーティングし、電池セルおよびセンサの細長い電極と接触する。尿はセンサに接触すると、アノードとカソードとの間での電荷転送を可能にし、このようにして電池を活性化する。電池は一旦活性化されると、コントローラに電力を供給する。そしてコントローラは、細長い電極沿いのセンサにおいて、インピーダンスデータおよびアドミタンスデータ収集を開始する。印加電圧を抵抗で割ることによって、インピーダンスを計算する。1をインピーダンスで割ることによって、アドミタンスを計算する。尿が存在する場合、尿の不存在下と比較してインピーダンスは低下し、アドミタンスは上昇する。一旦尿が検知されると、マイクロコントローラはモバイル機器または据置き型機器にRF信号を送信する。尿検知信号の持続時間および/または周波数に基づいて、モバイル機器または据置き型機器は、尿が存在し、尿の充満が起こり得るためにおむつ交換が必要であると、ナースステーションの看護師にアラートを送ってもよい。15分経過後、尿が存在し、おむつ交換が必要であるという第2のアラートを看護師に送信する。さらに15分経過後、家族の電話へのプッシュ通知を介してアラートを家族に送信し、おむつでの尿の充満が30分間存在し得ると家族に注意喚起する。
【0048】
[実施例4]
糞便による活性化
病院にいる被験者は、実施例1に記載されているように構成したおむつを着用している。おむつは、糞便の不存在下では、電池セルから電解液が隔離されているため不活性状態である。被験者が糞便を排泄すると、糞便は吸収パッドと接触し、電池セルおよびセンサの細長い電極と接触する。面はセンサに接触すると、アノードとカソードとの間での電荷転送を可能にし、このようにして電池を活性化する。電池は一旦活性化されると、コントローラに電力を供給する。そしてコントローラは、細長い電極沿いのセンサにおいて、インピーダンスデータおよびアドミタンスデータ収集を開始する。印加電圧を抵抗で割ることによって、インピーダンスを計算する。1をインピーダンスで割ることによって、アドミタンスを計算する。糞便が存在する場合、インピーダンスは、糞便の不存在下と比較して持続的で低い。糞便が存在する場合、アドミタンスは、糞便の不存在下と比較して高く、かつ持続的である。一旦糞便が検知されると、マイクロコントローラは、糞便が存在するというアラートを、モバイル機器または据置き型機器を介して、ナースステーションの看護師に直ちに送信する。15分経過後、糞便が存在するという第2のアラートを看護師に送信する。さらに15分経過後、家族の電話へのプッシュ通知を介してアラートを家族に送信し、おむつ内に糞便が30分間存在し得ると家族に注意喚起する。
【0049】
[実施例5]
臨床試験における失禁の監視
失禁の臨床試験に登録した被験者は、実施例2に記載されているように構成したおむつを着用している。おむつは、尿の不存在下では、電池セルから電解液が隔離されているため不活性状態である。臨床試験の開始前に鋲を押し下げる。それによってもろい膜を破裂させ、電池およびシステムを活性化する。
【0050】
臨床試験では、時間の経過とともにインピーダンスおよびアドミタンスを測定することによって、時間の経過とともに尿の排泄を監視する。失禁用治療薬の投与後、5分毎にインピーダンスおよびアドミタンスの測定値を記録するように、マイクロコントローラをプログラムする。尿の不存在下では、細長い電極間のインピーダンスは高く、アドミタンスは低い。被験者が尿を排泄すると、尿は吸収パッドをコーティングし、センサの細長い電極と接触する。尿がセンサと最初に接触するとき、インピーダンスの一時的な低下、およびアドミタンスの一時的な上昇を生じる。尿が吸収パッドへ吸収された後、インピーダンスは徐々に上昇し、アドミタンスは徐々に低下する。メモリに記憶されたインピーダンスデータおよびアドミタンスデータは、治療の進行を監視するために、RFIDトランスポンダ/受信器を介して臨床試験の従事者によってアクセスされる。
【0051】
[実施例6]
尿の監視
病院にいる被験者は、実施例2に記載されているように構成したおむつを着用している。おむつは、尿の不存在下では、電池セルから電解液が隔離されているため不活性状態である。おむつを着用するときに鋲を押し下げる。それによってもろい膜を破裂させ、電池およびシステムを活性化する。
【0052】
RFID接続を介して、おむつと対をなすモバイル機器を用いて、医療従事者は、15分毎にインピーダンスおよびアドミタンスの測定値を記録するように、おむつのマイクロコントローラをプログラムできる。病院では、時間の経過とともにインピーダンスおよびアドミタンスを測定することによって、時間の経過とともに尿の排泄を監視する。尿の不存在下では、細長い電極間のインピーダンスは高く、アドミタンスは低い。被験者が尿を排泄すると、尿は吸収パッドをコーティングし、センサの細長い電極と接触する。尿がセンサと最初に接触するとき、インピーダンスの一時的な低下、およびアドミタンスの一時的な上昇を生じる。尿が吸収パッドへ吸収された後、インピーダンスは徐々に上昇し、アドミタンスは徐々に低下する。メモリに記憶されたインピーダンスデータおよびアドミタンスデータは、システムと対をなすモバイル機器を使用して、病院従事者によってアクセスされる。病院従事者はシステムからデータを取り出すと、データ上の後処理を実行し、時間の経過における排尿の頻度をプロットする。後処理解析によって、データプロットを被験者の個人プロフィールへと関連づける。
【0053】
[実施例7]
糞便の監視
病院にいる被験者は、実施例2に記載されているように構成したおむつを着用している。おむつは、糞便の不存在下では、電池セルから電解液が隔離されているため不活性状態である。おむつを着用するときに鋲を押し下げる。それによってもろい膜を破裂させ、電池およびシステムを活性化する。
【0054】
RFID接続を介して、おむつと対をなすモバイル機器を用いて、医療従事者は、15分毎にインピーダンスおよびアドミタンスの測定値を記録するように、おむつのマイクロコントローラをプログラムできる。病院では、時間の経過とともにインピーダンスおよびアドミタンスを測定することによって、時間の経過とともに糞便の排泄を監視する。糞便の不存在下では、細長い電極間のインピーダンスは高く、細長い電極間のアドミタンスは低い。被験者が糞便を排泄すると、インピーダンスは、糞便の不存在下と比較して持続的で低く、アドミタンスは、糞便の不存在下と比較して持続的で高くなる。メモリに記憶されたインピーダンスデータおよびアドミタンスデータは、システムと対をなすモバイル機器を使用して、病院従事者によってアクセスされる。病院従事者はシステムからデータを取り出すと、データ上の後処理を実行し、時間の経過における排便の頻度をプロットする。後処理解析によって、データプロットを被験者の個人プロフィールへと関連づける。
【0055】
本明細書には例示的な実施形態が示され、記載されているが、このような実施形態は例証のみを目的とする。例示的な実施形態に対して、多数の変形、変更および代替措置が実施され得る。本明細書に記載される実施形態への様々な代替手段が用いられ得ると理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】