(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ディスクリートエネルギー蓄積部品を有する半導体アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220118BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220118BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20220118BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220118BHJP
H01G 4/33 20060101ALI20220118BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H01L25/08 Z
H01L27/04 C
H01L27/04 E
H01L27/04 U
H01L25/00 Z
H01L23/12 501P
H01G4/33 102
H01G4/30 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527217
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 SE2019051176
(87)【国際公開番号】W WO2020112005
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513091308
【氏名又は名称】スモルテク アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】エム シャフィクル カビル
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント デスマリス
(72)【発明者】
【氏名】リキャルド アンデション
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド アミン サレーム
(72)【発明者】
【氏名】マリア ビルンド
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ ヨハンソン
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク リリェバリ
(72)【発明者】
【氏名】オラ ティベルマン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
5F038
【Fターム(参考)】
5E001AB06
5E082EE05
5E082FG03
5F038AC10
5F038AC11
5F038BE07
5F038CA16
5F038DF05
5F038DF20
5F038EZ07
(57)【要約】
処理回路及びパッドを有し、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1の半導体ダイと、記憶回路及びパッドを有する第2の半導体ダイであって、前記第2の半導体ダイは、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記第2の半導体ダイのパッドは、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、第2の半導体ダイと、端子を有する少なくとも第1のコンデンサであって、前記第1のコンデンサは、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記コンデンサの端子は、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、少なくとも第1のコンデンサと、を備える、半導体アセンブリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理回路及びパッドを有し、第1の表面及び前記第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1の半導体ダイと、
第2の半導体ダイの回路及びパッドであって、前記第2の半導体ダイは、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面と前記第2の表面のうちの一方に配置され、前記第2の半導体ダイのパッドは、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、第2の半導体ダイの回路及びパッドと、
端子を有する少なくとも第1のエネルギー蓄積部品であって、前記第1のエネルギー蓄積部品は、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面と前記第2の表面のうちの一方に配置され、前記エネルギー蓄積部品の端子は、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、少なくとも第1のエネルギー蓄積部品と、
を備える、半導体アセンブリ。
【請求項2】
前記処理回路は、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面の上にあり、前記第1のエネルギー蓄積部品は、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面の上に配置されている、請求項1に記載の半導体アセンブリ。
【請求項3】
前記第1のエネルギー蓄積部品は、前記第1の半導体ダイの前記第2の表面の上に配置されている、請求項2に記載の半導体アセンブリ。
【請求項4】
端子を有する第2のエネルギー蓄積部品であって、前記第2のエネルギー蓄積部品は、前記半導体ダイの前記第2の表面の上に配置され、前記エネルギー蓄積部品の端子は、前記第1の半導体ダイのパッドに結合される、第2のエネルギー蓄積部品を更に備える、請求項2に記載の半導体アセンブリ。
【請求項5】
前記処理回路は、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面の上にあり、前記第2の半導体ダイは、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面の上に配置されている、請求項1に記載の半導体アセンブリ。
【請求項6】
回路及びパッドを有する第3の半導体ダイであって、前記第3の半導体ダイは、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面と前記第2の表面のうちの一方に配置され、前記第3の半導体ダイのパッドは、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、第3の半導体ダイを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の半導体アセンブリ。
【請求項7】
前記第3の半導体ダイは、電力管理回路、デジタル回路、RF回路及び/又は検知回路を備える、請求項6に記載の半導体アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも第1のエネルギー蓄積部品は、ナノ構造ベースのエネルギー蓄積部品である、請求項1~7のいずれか一項に記載の半導体アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも第1のエネルギー蓄積部品は、
前記第1のエネルギー蓄積部品の第1の端子に結合された第1の電極層と、
前記第1の電極層に導電的に接続された複数の導電性ナノ構造と、
前記第1のエネルギー蓄積部品の第2の端子に結合された第2の電極層と、
前記複数の導電性ナノ構造と前記第2の電極層との間に配置された導電制御材料と、
を備える、請求項8に記載の半導体アセンブリ。
【請求項10】
前記導電制御材料は、前記複数の導電性ナノ構造と前記第2の電極層とを電気的に分離する誘電体材料であり、
前記エネルギー蓄積部品は、コンデンサ部品である、請求項9に記載の半導体アセンブリ。
【請求項11】
前記誘電体材料は、前記複数のナノ構造内の各ナノ構造をコンフォーマルコーティングする固体誘電体材料であり、前記第2の電極層は、前記誘電体材料を被覆する、請求項10に記載の半導体アセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも一つのエネルギー蓄積部品は、ディスクリート部品である、請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の半導体ダイは、システムオンチップ(SOC)又はシリコンインパッケージ(SiP)である、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体アセンブリ。
【請求項14】
第1のキャリア表面の上に少なくともキャリアパッドの第1のセットを有するキャリアと、
前記第1のキャリア表面の上に配置された請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体アセンブリであって、前記第1の半導体ダイのパッドは、前記キャリアパッドの第1のセットに結合されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体アセンブリと、
を備える電子部品。
【請求項15】
前記キャリアは、端子を有するエネルギー蓄積部品を備える、請求項14に記載の電子部品。
【請求項16】
前記エネルギー蓄積部品の前記端子は、前記キャリアパッドの第1のセットのパッドに結合されている、請求項15に記載の電子部品。
【請求項17】
前記エネルギー蓄積部品は、前記キャリアに埋め込まれている、請求項15又は16に記載の電子部品。
【請求項18】
前記エネルギー蓄積部品は、前記キャリアの表面の上に配置されている、請求項15又は16に記載の電子部品。
【請求項19】
前記エネルギー蓄積部品は、前記キャリアと前記半導体アセンブリの間に配置されている、請求項18に記載の電子部品。
【請求項20】
前記キャリアに含まれるエネルギー蓄積部品は、ナノ構造ベースのエネルギー蓄積部品である、請求項14~19のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項21】
前記エネルギー蓄積部品は、
前記エネルギー蓄積部品の第1の端子に結合された第1の電極層と、
前記第1の電極層に導電的に接続された複数の導電性ナノ構造と、
前記エネルギー蓄積部品の第2の端子に結合された第2の電極層と、
前記複数の導電性ナノ構造と前記第2の電極層との間に配置された導電制御材料と、
を備える、請求項20に記載の電子部品。
【請求項22】
前記導電制御材料は、前記複数の導電性ナノ構造と前記第2の電極層とを電気的に分離する誘電体材料であり、
前記エネルギー蓄積部品は、コンデンサ部品である、請求項21に記載の電子部品。
【請求項23】
前記キャリアは、前記第1のキャリア表面の反対側の第2のキャリア表面の上にキャリアパッドの第2のセットを有し、前記キャリアパッドの第2のセットは、前記キャリアパッドの第1のセットに結合されているインターポーザである、請求項14~22のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項24】
前記キャリアは、プリント回路基板(PCB)又はpcb(SLP)のような基板である、請求項14~23のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項25】
前記半導体アセンブリは誘電体に埋め込まれている、請求項14~24のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項26】
前記半導体アセンブリの最上部に配置された第2の半導体アセンブリを更に備える、請求項14~25のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項27】
前記第2の半導体アセンブリは、
処理回路及びパッドを有し、第1の表面及び前記第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1の半導体ダイと、
端子を有する少なくとも第1のエネルギー蓄積部品であって、前記第1のエネルギー蓄積部品は、前記第1の半導体ダイの前記第1の表面と前記第2の表面のうちの一方に配置され、前記エネルギー蓄積部品の端子は、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、少なくとも第1のエネルギー蓄積部品と、
を備える、請求項14~26のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項28】
回路基板に取り付けられた請求項14~27のいずれか一項に記載の電子部品を備える電子デバイス。
【請求項29】
第1の回路基板層と、
前記第1の回路基板層と共に層状にされた第2の回路基板層であって、導体パターンと、少なくとも一つのディスクリートエネルギー蓄積部品と、前記導体パターン及び前記ディスクリートエネルギー蓄積部品を埋め込む誘電体材料と、を有する、第2の回路基板層と、
を備える、回路基板。
【請求項30】
前記少なくとも一つのディスクリートエネルギー蓄積部品は、前記第1の回路基板層に取り付けられている、請求項29に記載の回路基板。
【請求項31】
前記第1の回路基板層は、導体パターンと、前記導体パターンを埋め込む誘電体材料と、を有する、請求項29又は30に記載の回路基板。
【請求項32】
前記第1の回路基板層は、少なくとも一つのディスクリートエネルギー蓄積部品を更に有し、
前記誘電体材料は、前記ディスクリートエネルギー蓄積部品を埋め込む、請求項31に記載の回路基板。
【請求項33】
前記第2の回路基板層は、各々が前記第2の回路基板層の誘電体材料によって埋め込まれている複数のディスクリートエネルギー蓄積部品を有する、請求項29~32のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項34】
前記少なくとも一つのディスクリートエネルギー蓄積部品は、ナノ構造ベースのエネルギー蓄積部品である、請求項29~33のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項35】
前記エネルギー蓄積部品は、
前記エネルギー蓄積部品の第1の端子に結合された第1の電極層と、
前記第1の電極層に導電的に接続された複数の導電性ナノ構造と、
前記エネルギー蓄積部品の第2の端子に結合された第2の電極層と、
前記複数の導電性ナノ構造と前記第2の電極層との間に配置された導電制御材料と、
を備える、請求項34に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体アセンブリ及びそのような半導体アセンブリを有する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクスの小型化は、何十年にも亘る傾向であり、多くの機能を備えた様々な種類の装置を目の当たりにすることができた。この進歩の大部分は、論理アプリケーション用のトランジスタ、抵抗及びコンデンサを小型化してシリコンに統合することで可能になった。比較すると、回路基板レベルの受動部品(抵抗、コンデンサ及びインダクタ)は、サイズ及び密度が少ししか進歩しなかった。その結果、受動部品は、次第に電子システムの大きな面積及び質量分率を占め、更に低いシステムコストで多くの電子システムを更に小型化するための大きな障害である。現在のスマートフォンは、通常、1000を超えるディスクリートコンデンサ部品を用いる。電気自動車の回路基板は、このようなディスクリートコンデンサ部品を約10000個用いており、上昇の傾向にある。そのような多数のコンデンサの必要性は、主に、エネルギー源(電池/主電源)からパッケージングスキーム(PCB/SLP/SoC/SiP)を介して機能性シリコンチップ/ダイ及びオンチップ集積回路までの電力を送る電力管理システムの問題に取り組む必要性によって推進される。そのような装置の統合の様々な段階で取り組むべき様々な電源管理の問題がある。
【0003】
シリコン回路の小型化により、単位面積当たりの更に多くの機能を実現させることができた。そのような実現は、代償が伴い、ダイの電力管理システムに対して極端に強調されている。今日のシリコンチップは、電力グリッドに沿ったトランジスタからのリーク電流、相互接続グリッドでの高周波反射、寄生スイッチングノイズ等によって引き起こされる電力ノイズに大きく悩まされている。このような電力ノイズは、回路の電圧変動及びインピーダンス不整合を引き起こす可能性があり、ゲート遅延及び論理エラー、ジッター等を引き起こす可能性があり、壊滅的である可能性がある。そのようなオンチップ電力管理ソリューションに取り組む方法は、広大な研究分野である。そのような問題に取り組む方法の一つは、回路に集積された金属絶縁体金属(MIM)デカップリングコンデンサを用いることである。しかしながら、ダイ内部の問題に対処するためのそのような集積スキームは、ダイの表面にデカップリングコンデンサを集積するためのホワイトスペース(ダイで利用可能な高価な実際に見積もられるスペース)によって制限される。オンチップデカップリングコンデンサの場合、ホワイトスペースが減少し、今日の世代のダイ当たり約10%しか割り当てられていないことが報告されている。
【0004】
したがって、規定の2D領域内でそのようなデカップリングコンデンサの静電容量密度を上げる必要がある。いくつかの解決策が、A. M. Saleem等による‘Integrated on-chip solid state capacitor based on vertically aligned carbon nanofibers, grown using a CMOS temperature compatible process’, Solid State Electronics, vol. 139, 75 (January 2018)及び欧州特許出願公開第2074641号明細書で提案されるとともに実証されている。従来技術は、従来のMIMコンデンサに関して容量値の改善を示してきた。しかしながら、実証された装置は、接点に存在するフィールド酸化物又は装置領域の外側でランダムに成長するナノ構造による寄生容量に悩まされる傾向があり、これによって、意図的ではなく制御されていない寄生効果(容量性/抵抗性/誘導性)が装置に存在し、回路の実装に悪影響を及ぼす。実用的な実装に対するそのような技術概念の利益を減少させる寄生からそのような装置を解放するために、多くの設計及び処理の改善ステップ(例えば、CMP平坦化処理、フィールド酸化物除去等)が必要であると予想される。
【0005】
別の角度から見ると、PCB/SLPボードレベルで、ほとんどの場合に電力を供給する電源レール(例えば、±2.5V、±12V又は3.3V等)は、リニア電源又はスイッチモード電源技術によって生成される。それらは両方とも、電子回路の電力網に給電する前に整流及びフィルタリング又は調整段階を有するにもかかわらず、リップルノイズを有する可能性がある。したがって、通常、ボード上には多くのコンデンサがあり、ICのスイッチング周波数が高くなるに従ってコンデンサの量及び値が大きくなる。さらに、ICの電源要件が低い動作電圧に向かうに従って電源要件及びノイズのマージンは益々厳しくなる。さらに、SoC/SiP、FOWLP/FIWLP/異種ICのチップレットウェーハレベルパッケージング/異種統合のようなシステムレベルパッケージングの進歩に伴い、電力管理が主要な問題になりつつある。電源レギュレーションの不良、PCB電源相互接続の長さ/形状、ワイヤの寄生、ICのスイッチング周波数、EMIの影響等により、電圧レベルでノイズが発生する可能性がある。そのような複雑な集積パッケージの場合、性能を向上させるには、様々なICに近いコンデンサが必要である。
【0006】
そのようなディスクリート部品を製造するための今日の業界標準のMLCC/TSC/LICCコンデンサ技術は、100μm未満、好適には、20μm未満の更に低い高さ(Z高さ)に対する要求の高まりに適合することが課題となっている。この要求は、バンプ相互接続の高さ及びピッチ/間隔の減少によるSoC/SiPパッケージングソリューション間で適合するためにSoC/SiPパッケージングに統合されたICが高さを70μm未満の高さのコンデンサを必要とするという事実によるものである。
【0007】
この問題を回避するために、米国特許出願公開第2017/0012029号明細書は、ダイの裏側にMIMコンデンサ構成を収容するための実施形態を示す。しかしながら、このような方式は、CMOS互換性が必要であり、組み立てるダイごとに実行する必要がある。これは、互いに異なる技術ノードでのそのようなMIM構造の適応の複雑さ及びそのような実装に関連するコストのために、そのような技術概念の制限を伴う可能性がある。これは、本質的にダイ当たりのコストを大幅に増加させる可能性があり、パッケージングレベルで必要とされる機能当たりの費用便益を損なう可能性がある。
【0008】
MLCCは、世界で用いられている最も有名なタイプのディスクリート部品である。このようなディスクリート部品は、特定のシステム/装置で毎年何兆も用いられている。これらの部品の小型化にはある程度の進歩があり、商業的に見つけることができる最も薄いものは、太陽誘電によって110μmであると主張されている。サムスンの電気機械システムは、厚さを減らすとともに更に低いESL(実効直列インダクタンス)に到達するためにLICCの概念を導入した。IPDiA(現在は村田製作所の一部)は、900nF/mm2を超える驚異的な静電容量値を備えた80μmの薄さのTSCのディスクリート部品を導入した。しかしながら、MLCC、LICC及びTSCは、関連する材料(原材料/誘電体粒子)、処理スキーム(焼結/シリコンエッチング)並びに原材料及び処理のコストのために、Z寸法(高さ)を更に下げるのに苦労する傾向がある。MLCCプロセスでは、銅、ニッケル、銀、金、タンタル、チタン酸バリウム、アルミナ等を含むコンデンサの製造に用いられる原材料の制限を完全に理解する必要がある。セラミッククラス2MLCCは、温度変化、印加電圧及び時間の経過(経年変化)によって悪影響が及ぼされ、静電容量値がベンダーにより当初規定した静電容量値から大幅に低下することも知られている。そのような劣化は、システムのセキュリティに関連するサブシステム(電気自動車等)に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0009】
したがって、確立された技術に基づくこれらの部品の更なる小型化は、以前ほどコスト競争力がない可能性がある。ディスクリートコンデンサ部品がコストを犠牲にすることなくフリップチップバンプ相互接続の間に収まるように、2D空間及び3D空間の両方で十分に小さくなる必要性に整合することは特に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ディスクリートコンデンサ部品を、工業製品需要を満たすために数兆単位で製造する必要があり、CMOS互換技術は、MLCC、LICC又はTSCに関してディスクリートコンデンサ部品を製造するために利用するにはコストが非常に高くなる。
【0011】
益々多くの計算能力のある電子デバイスに向けた継続的な努力は、パッケージ化された電子部品における半導体ダイの垂直スタッキングを含む更にコンパクトな電子回路統合を必要とする。近い将来、処理回路への十分かつ均一な電力供給は、電子部品の全体的な機能に対する重要な制限になると予想される。
【0012】
したがって、半導体アセンブリ内の処理回路への電力の供給を改善できることが望ましい。特に、更に安定した電力供給が可能であることが望ましい。
【0013】
上記を考慮して、本発明の目的は、改善された半導体アセンブリ内の処理回路への電力の供給、特に、更に安定した電力の供給を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の一態様によれば、処理回路及びパッドを有し、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1の半導体ダイと、記憶回路及びパッドを有する第2の半導体ダイであって、前記第2の半導体ダイは、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記第2の半導体ダイのパッドは、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、第2の半導体ダイと、端子を有する少なくとも第1のエネルギー蓄積部品であって、前記第1のエネルギー蓄積部品は、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記エネルギー蓄積部品の端子は、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、少なくとも第1のエネルギー蓄積部品と、を備える、半導体アセンブリを提供する。
【0015】
したがって、本発明の一態様によれば、処理回路及びパッドを有し、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1の半導体ダイと、第2の半導体ダイの回路及びパッドであって、前記第2の半導体ダイは、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記第2の半導体ダイのパッドは、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、第2の半導体ダイの回路及びパッドと、端子を有する少なくとも第1のエネルギー蓄積部品であって、前記第1のエネルギー蓄積部品は、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記エネルギー蓄積部品の端子は、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、少なくとも第1のエネルギー蓄積部品と、を備える、半導体アセンブリを提供する。
【0016】
第2の半導体ダイは、デジタル回路、RF回路、センサ又は特定の機能を提供するための他の任意の機能的なダイであってもよい。
【0017】
本発明によれば、半導体アセンブリは、例えば、SOC又はSiPの形態の機能的なアセンブリを形成するために必要な数のダイを有してもよい。
【0018】
本発明は、処理回路を有する半導体ダイの表面に少なくとも一つのエネルギー蓄積部品、有利には、コンデンサを直接接続することによって、垂直に堆積された半導体アセンブリ内の処理回路への所望の十分かつ更に均一な電力の供給を実現できるという認識に基づく。
【0019】
これにより、処理回路とエネルギー蓄積部品の端子間の導体の長さが短くなり、誘導負荷及び寄生容量が減少し、処理回路への電力供給の時間的な均一性が向上する。
【0020】
本発明の他の態様によれば、処理回路及びパッドを有し、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1の半導体ダイと、記憶回路及びパッドを有する第2の半導体ダイであって、前記第2の半導体ダイは、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記第2の半導体ダイのパッドは、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、第2の半導体ダイと、端子を有する少なくとも第1のエネルギー蓄積部品であって、前記第1のエネルギー蓄積部品は、前記第1の半導体ダイの第1の表面と第2の表面のうちの一方に配置され、前記エネルギー蓄積部品の端子は、前記第1の半導体ダイのパッドに結合されている、少なくとも第1のエネルギー蓄積部品と、を備える、半導体アセンブリを提供する。
【0021】
実施形態では、処理回路を、個別のいわゆるコアに設けてもよい。そのような実施形態では、各コアに、コンデンサのようなそれ自体のエネルギー蓄積部品を設けてもよい。複数の個別にアドレス指定可能なエネルギー蓄積部品を有する一つの蓄積部品は、複数のコアとしての役割を果たしてもよい。
【0022】
実施形態によれば、少なくとも第1のエネルギー蓄積部品は、100μm未満のプロファイル高さの高さで製造することができるナノ構造ベースのエネルギー蓄積部品であってもよい。
【0023】
有利には、少なくとも第1のエネルギー蓄積部品は、少なくとも第1のコンデンサであってもよい。
【0024】
有利には、少なくとも一つのエネルギー蓄積部品をデカップリングのために用いてもよい。
【0025】
有利には、少なくとも一つのエネルギー蓄積部品をフィルタリングのために用いてもよい。
【0026】
有利には、少なくとも一つのエネルギー蓄積部品は、電池であってもよい。
【0027】
有利には、ナノ構造は、一般的には、垂直方向の成長のような「非水平方向に」成長させてもよい。ナノ構造は、一般的には、真っ直ぐであってもよい、らせん状であってもよい、分岐してもよい、波状であってもよい、又は傾斜していてもよい。
【0028】
さらに、本発明の実施形態による半導体アセンブリは、有利には、第1のキャリア表面の上に少なくともキャリアパッドの第1のセットを有するキャリアを更に備える電子部品に含まれてもよい。前記第1の半導体ダイのパッドを、前記第1のキャリアパッドの第1のセットに結合してもよい。
【0029】
実施形態では、キャリアは、キャリアの上に配置してもよい又はキャリアに埋め込まれてもよい一つ以上のエネルギー蓄積部品を備えてもよい。
【0030】
キャリアに含まれる一つ以上のエネルギー蓄積部品は、ナノ構造ベースでもよい。
【0031】
本発明の他の態様によれば、第1の回路基板層と、第1の回路基板層と共に層状にされた第2の回路基板層であって、導体パターンと、少なくとも一つのディスクリートエネルギー蓄積部品と、導体パターン及びディスクリートエネルギー蓄積部品を埋め込む誘電体材料と、を有する、第2の回路基板層と、を備える、回路基板を提供する。
【0032】
本発明の実施形態は、(a)単位面積/体積当たりの非常に高い静電容量又は電気化学容量値、(b)2D及びZ方向の薄型、(c)互換性があるとともに2D、2.5D及び3Dパッケージング/アセンブリ/埋め込み技術に適した表面実装、(d)形状因子の設計の容易化、(e)温度及び印加電圧に対する安定性能及びロバスト性能、(f)平方当たりの低い等価直列インダクタンス(ESL)、(g)容量性劣化のない長い寿命又は長いライフサイクル及び(h)高い費用効果の要件を満たすことができる。
【0033】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、本発明の例示的な実施の形態を示す添付の図面を参照して更に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による電子部品を含むここでは携帯電話の形態の例示的な電子デバイスを概略的に示す。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による半導体アセンブリの第1の実施形態の概略図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による半導体アセンブリの第2の実施形態の概略図である。
【
図4】
図3の半導体アセンブリを含む電子部品の分解図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態によるエネルギー蓄積部品の概略図である。
【
図6】MIMコンデンサ部品のための第1の例のMIM配置の拡大図である。
【
図7】MIMコンデンサ部品のための第2の例のMIM配置の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の詳細な説明では、本発明による半導体アセンブリの例示的な実施形態を、主に、互いにフリップチップ接続された半導体ダイ及び半導体アセンブリのパッドに接続されたディスクリートコンデンサ部品を含むものとして説明する。他の多くの構成が、特許請求の範囲によって特定される範囲に含まれることに留意されたい。例えば、ワイヤボンディング、直接ダイボンディング等を含む半導体ダイを相互接続する他の多くの方法が予測される。さらに、一つ以上のコンデンサを、一つ以上の半導体ダイの上に直接形成してもよい。本発明によれば、コンデンサの堆積を形成するために複数のコンデンサを互いに堆積することも予想される。
【0036】
実施形態によれば、(一つ以上の)エネルギー蓄積装置は、ナノ構造の電気化学的蓄積部又は電池の形態で提供してもよい。これらの実施形態では、導電制御材料は、導電制御材料を介したイオンの輸送を可能にすることによりエネルギーの蓄積を行うこと等による導電制御材料に存在するエネルギー蓄積メカニズムの一部として主にイオンを含む。適切な電解質は、固体又は半固体の電解質であってもよく、電解質として、例えば、チタン酸ストロンチウム、イットリア安定化ジルコニア、PMMA、KOH、酸窒化リチウムリン、Liベースの複合材料等として作用するために、固体結晶、セラミック、ガーネット又はポリマー又はゲルの形態を選択してもよい。電解質層は、ポリマー電解質を含んでもよい。ポリマー電解質は、ポリマーマトリックス、添加剤及び塩を含んでもよい。
【0037】
導電制御電解質材料を、CVD、熱処理、スピンコーティング、スプレーコーティング又は産業で用いられる他の適切な方法を介して堆積してもよい。
【0038】
本発明の実施の形態によれば、導電制御材料は、層状構成の固体誘電体及び電解質を含んでもよい。そのような実施の形態では、MIMエネルギー蓄積部品は、コンデンサタイプ(静電)のエネルギー蓄積装置とバッテリタイプ(電気化学)のエネルギー蓄積装置の間のハイブリッドと見なすことができる。この構成は、純粋なコンデンサ部品よりも高いエネルギー密度及び電力密度を提供し、純粋な電池部品よりも高速な充電を提供する場合がある。
【0039】
以下では、コンデンサ部品の形態のエネルギー蓄積装置の部品については主に説明するが、ここでの教示がナノ構造電気化学蓄積装置又は上述したハイブリッド部品の形態のエネルギー蓄積装置の部品にも同様に適用可能であることに留意されたい。種々の機能、例えば、フィルタリング、デカップリング、蓄積等を実現するために用いられる複数のエネルギー蓄積ディスクリート部品を用いることも予想される。
【0040】
図1は、本発明の実施形態によるここでは携帯電話1の形態の電子デバイスを概略的に示す。
図1の簡略化された概略図では、携帯電話がほとんどの電子デバイスと同様に電子部品5が取り付けられた回路基板3を備えることを示す。ここでは携帯電話の形態で示すが、本発明の実施形態による電子デバイスは、ラップトップ/コンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、ゲームボックス、エンターテインメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信装置、携帯情報端末(PDA)、固定位置データユニット等の他の任意の電子デバイスでも同様に良好となり得ることを理解されたい。
【0041】
図1の電子部品5の少なくともいくつかは、垂直に堆積された半導体ダイを有する少なくとも一つの半導体アセンブリを有する複雑な部品であってもよい。
【0042】
本発明の第1の例示的な実施形態によるそのような半導体アセンブリ7の一つを、
図2に概略的に示す。
【0043】
図2を参照すると、半導体アセンブリ7は、第1の半導体ダイ9、第2の半導体ダイ11及びコンデンサ13を備える。第1の半導体ダイ9は、第1の表面15と、第1の表面15の反対側にある第2の表面17と、を有する。処理回路19及びパッド21は、第1の半導体ダイ9の第1の表面15の上に形成される。第2の半導体ダイ11は、メモリ回路23及びパッド25を備える。
図2に概略的に示すように、第2の半導体ダイ11は、ここでは、第1の半導体ダイ9の第1の表面15の上に配置され、第2の半導体ダイ11のパッド25は、第1の半導体ダイ9のパッド21に接続される。第1の半導体ダイ9及び第2の半導体ダイ11のいずれか一方のパッドがいわゆるウェーハレベルファンアウト(WLFO)技術を用いて形成することができる再配線層(RDL)に設けてもよいことに留意されたい。コンデンサ13は、第1の半導体ダイ9の第2の表面17に取り付けられ、第1の半導体ダイ9のパッド21に接続された端子27を有する。
図2の構成例では、コンデンサ13の端子27は、シリコン貫通ビア(TSV)29を用いることによって第1の半導体ダイ9のパッド21に接続される。
図2に二つのコンデンサ端子27のみを示すが、コンデンサ13は、第1の半導体ダイ9の他のパッドに接続することができる追加の端子を有してもよいことを理解されたい。例えば、第1の半導体9の入力及び/又は出力のデカップリングをコンデンサ13の端子によって設けてもよい。さらに、処理回路19の互いに異なるコアを、コンデンサ13に含まれてもよい互いに異なる機能的コンデンサによってバッファリングされてもよい。関連技術の当業者に直ちに明らかになるように、
図2のコンデンサ13の配置は、処理回路と(一つ以上の)コンデンサの間に非常に短いコネクタを提供し、非常に小さな誘導負荷及び寄生容量を提供し、これによって、高い処理速度のための処理回路への均一な電力供給を行う。
【0044】
図3は、本発明による半導体アセンブリ7の第2の実施形態を概略的に示す。図面の混乱を回避するために、
図3を
図2より少し詳細に示す。
【0045】
図3を参照すると、この第2の例示的な実施形態の半導体アセンブリ7は、第1の半導体ダイ9の上に配置された第3の半導体ダイ31を備える。
図3には示さないが、第3の半導体ダイ31のパッドが第1の半導体ダイ9のパッドに接続されていることを理解されたい。第3の半導体ダイ31は、例えば、有利には、電力管理回路及び/又はトランシーバ回路及び/又は位置センサ回路及び/又は他のタイプの検知回路及び/又はMEMSセンサデバイスを備えてもよい。
【0046】
図2に示す半導体アセンブリ7の第1の例示的な実施の形態について上述したように、第2の例示的な実施形態による半導体アセンブリ7は、第1の半導体ダイ9の第2の表面17に配置された比較的大きい第1のコンデンサ13aを備える。さらに、
図3の半導体アセンブリ7は、第1の半導体ダイ9の第1の表面15に配置された第2のコンデンサ13b及び第3のコンデンサ13cを備える。
【0047】
さらに、
図3の半導体アセンブリ7は、第2の半導体ダイ、典型的には、NRAM又はDRAMのようなメモリダイの堆積11a~11dを備える。
【0048】
電子部品5への半導体アセンブリ7の統合を容易にするために、垂直コネクタ33が第1の半導体ダイ9の第1の表面15の上に配置される。関連技術の当業者に周知であるように、例えば、導電性ピラー(銅ピラー)又はスタッドバンプ等を含むそのような垂直コネクタ33を実現するいくつかの方法が存在する。
【0049】
図4は、
図3の半導体アセンブリ7を含む電子部品5の分解図である。
図4に概略的に示すように、半導体アセンブリ7は、第1のキャリア表面35の上のキャリアパッド39の第1のセットが導電性ピラー33を介して半導体アセンブリ7の第1の半導体ダイ9のパッド21に接続されるようにキャリア37の第1のキャリア表面35の上に配置される。第1のキャリア表面35の反対側の第2のキャリア表面41には、キャリアパッド43の第2のセットが設けられる。
図4の構成例では、はんだボール45は、キャリアパッドの第2のセットのキャリアパッド43の少なくともいくつかに結合される。
図4に示すように、キャリア37は、キャリアに埋め込まれた第1のキャリアコンデンサ47aと、キャリア37の第1の表面35の上の第2のキャリアコンデンサ47bと、キャリア37の第2の表面41の上の第3のキャリアコンデンサ47c及び第4のキャリアコンデンサ47dと、を更に備える。キャリアコンデンサのいくつか又は全ては、有利には、ディスクリートコンデンサ部品であってもよい。
【0050】
図4の構成例では、半導体アセンブリ7及びいくつかの追加の導電性ピラー49が誘電体材料51に埋め込まれ、ここではボール53の形態のコネクタが導電性ピラー49の上に設けられる。
図4に概略的に示すように、隣接するボール53の間の誘電体材料51の上に別のコンデンサ55を設けてもよい。
【0051】
電子部品5に追加の機能を提供するために、第2の半導体アセンブリ57は、ボール53に接続される。
図4に概略的に示すように、第2の半導体アセンブリ57は、キャリア59と、キャリア59の上に配置された第1の半導体ダイ61と、第1の半導体ダイ61の上に積み重ねられた第2の半導体ダイ63と、を備える。キャリアは、第1の表面67の上のキャリアパッド65の第1のセットと、その第2の表面71の上のキャリアパッド69の第2のセットと、を有する。第1の半導体ダイ61は、ボンドワイヤ73を用いることによってキャリアパッド65の第1のセットのパッドに接続され、第2の半導体ダイ63は、ボンドワイヤ75を用いることによってキャリアパッド65の第1のセットのパッドに接続される。キャリアパッド69の第2のセットは、コネクタ53に接続される。キャリア59は、コンデンサ77a~bを備え、それは、有利には、ディスクリートコンデンサ部品であってもよい。第1の半導体ダイ61及び第2の半導体ダイ63並びにボンドワイヤ73、75は、誘電体材料79に埋め込まれている。
【0052】
図4に概略的に示すように、電子部品5を、本発明の例示的な実施形態による回路基板3に取り付けることができる。プリント回路基板(PCB)又はPCB(SLP)のような基板であってもよい例示的な回路基板3は、第1の回路基板層113、第2の回路基板層115、第3の回路基板層117、第4の回路基板層119及び第5の回路基板層121を備える層状構造である。
【0053】
図4に概略的に示すように、第1の回路基板層113は、誘電体材料125に埋め込まれた導体パターン123を有する。第2の回路基板層115は、導体パターン127と、第1のディスクリート薄型コンデンサ部品131と、第2のディスクリート薄型コンデンサ部品133と、第3のディスクリート薄型コンデンサ部品135と、を有し、これらは全て第2のキャリア層の誘電体材料129に埋め込まれている。当業者に理解されるように、ディスクリートコンデンサ部品131、133、135は、それ自体は任意の適切な既知の取り付け技術を用いて第1の回路基板層113に取り付けられ、その後、第2の回路基板層115の誘電体材料に埋め込まれる。第2の回路基板層115の上の第3の回路基板層117は、導体パターン137と、導体パターン137を埋め込んだ誘電体139と、を有する。第4の回路基板層119は、誘電体143に埋め込まれた、導体パターン141と、第1のディスクリートコンデンサ部品145と、第2のディスクリートコンデンサ部品147と、第3のディスクリートコンデンサ部品149と、第4のディスクリートコンデンサ部品151と、を有する。第5の回路基板層121は、導体パターン153と、誘電体材料155に埋め込まれたコンデンサ部品157と、を有する。最後に、第5の回路基板層121の上に、第1のディスクリートコンデンサ部品159、第2のディスクリートコンデンサ部品161及び第3のディスクリートコンデンサ部品163が取り付けられている。
【0054】
上述したように、本発明の態様及び実施形態は、非常に低いプロファイルのコンデンサを提供することから利益を得ることができる。これは、本発明の実施形態による半導体アセンブリ、本発明の実施形態による電子部品及び本発明の実施形態による回路基板に適用される。そのようなコンデンサは、有利には、ナノ構造ベースであってもよい。
【0055】
図5は、本発明の実施形態による半導体アセンブリに備えられた、カーボンナノファイバー金属絶縁体金属(CNF-MIM)コンデンサ部品と称することができるMIMコンデンサ部品の形態の例示的なエネルギー蓄積部品の概略図である。
【0056】
図5のエネルギー蓄積部品81は、ディスクリート2端子MIMコンデンサ部品の形態で示され、MIM構成83と、ここでは第1のバンプ85の形態である第1の接続構造と、ここでは第2のバンプ87の形態である第2の接続構造と、少なくとも部分的にMIM配列83を埋め込む誘電体封入材料89と、を備える。
図5で見ることができるように、電気絶縁性封入材料89は、少なくとも部分的にエネルギー蓄積部品の外側境界面を形成する。第1の接続構造85及び第2の接続構造87も、少なくとも部分的にエネルギー蓄積部品の外側境界面を形成する。さらに、図示しない追加の端末は、本発明の開示に従って都合よく存在してもよい。
【0057】
MIM配置83の第1の構成例を、
図6を参照して説明する。
図6に概略的に示すように、MIM配置83は、第1の電極層91と、第1の電極層91から垂直に成長した複数の導電性ナノ構造93と、複数の導電性ナノ構造内の各ナノ構造93及び導電性ナノ構造93によって被覆されずに残された第1の電極層91をコンフォーマルコーティングする固体誘電体材料層95と、固体誘電体材料層95を被覆する第2の電極層97と、を備える。
図6に見えるように、第2の電極層97は、互いに隣接するナノ構造間の空間をナノ構造93の底部99と最上部101の間の途中を超えて完全に満たす。
図6の例示的なMIM配置83では、第2の電極層97は、互いに隣接するナノ構造間の空間をナノ構造93の底部99と最上部101の間の全体を超えて完全に満たす。
【0058】
図6のナノ構造93と第2の電極層97の間の境界の拡大図に見えように、第2の電極層97は、固体誘電体材料層95をコンフォーマルコーティングする第1の副層103と、第2の副層105と、第1の副層103と第2の副層105の間の第3の副層107と、を備える。
【0059】
さらに、例えば、図示しない金属拡散バリアとしての(一つ以上の)追加の副層は、本発明の開示に従って都合よく存在してもよい。
【0060】
誘電体材料層95は、互いに異なる材料組成の副層を含んでもよい多層構造であってもよい。
【0061】
MIM配置83の第2の構成例を、
図7を参照して説明する。
図7のMIM配置83を備えるMIMエネルギー蓄積部品は、MIM電気化学的エネルギー蓄積部品/電池部品である。
図7に概略的に示すように、MIM配置83は、第1の電極層91と、第1の電極層91から垂直に成長した複数の導電性ナノ構造93と、複数の導電性ナノ構造内の各ナノ構造93及び導電性ナノ構造93によって被覆されずに残された第1の電極層91を被覆する任意選択のアノード/カソード材料層104と、ナノ構造93を被覆する電解質106と、電解質106を被覆する第2の電極層97と、を備える。
図7の例示的な実施の形態では、電解質106は、互いに隣接するナノ構造間の空間をナノ構造93の底部99と最上部101の間の途中を超えて完全に満たす。
図7の例示的なMIM配置83では、互いに隣接するナノ構造間の空間をナノ構造93の底部99と最上部101の間の全体を超えて完全に満たす。しかしながら、実施の形態では、ナノ構造93の上のコンフォーマルコーティングとして電解質106を設けることが有益となり得る。
【0062】
さらに、例えば、図示しない金属拡散バリアとしての(一つ以上の)追加の副層は、本発明の開示に従って都合よく存在してもよい。
【0063】
ハイブリッド部品は、
図6のMIM配置及び
図7のMIM配置の組合せであるMIM配置83を有してもよい。例えば、
図6の誘電体層95を、
図7のナノ構造93と電解質106の間に設けてもよい。そのようなハイブリッド部品は、
図7の電解質106と最上部電極107の間に追加の誘電体層を更に備えてもよい。
【0064】
本発明の開示によれば、本実施形態のいずれかにおいて、電気絶縁性封入材料は、少なくとも部分的にエネルギー蓄積部品の外側境界面を形成する。第1の接続構造及び第2の接続構造の各々が少なくとも部分的にエネルギー蓄積部品の外側境界面を形成することも考えられる。第1及び第2の接続構造から同一の表面又は互いに反対の表面に存在することも許容される。第1及び第2の接続構造は、部品の側壁を部分的に形成してもよい。本発明は、設計によって必要とされる場合には更に多くの接続構造を有するように適合することを考える。
【0065】
当業者は、本発明が決して上述した好適な実施の形態に限定されないことを理解している。それどころか、添付した特許請求の範囲内で多くの変更及び変形が可能である。
【0066】
請求項において、単語「備える」は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞(article ”a” or ”an”)は、複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載された複数の項目の機能を果たすことができる。 特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に用いることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムを、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体等の適切な媒体に保存/配布してもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介して他の形態で配布してもよい。特許請求の範囲内の引用符号は、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】