(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(54)【発明の名称】マルチパートコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16L 33/30 20060101AFI20220118BHJP
F16L 33/24 20060101ALI20220118BHJP
F16L 37/133 20060101ALI20220118BHJP
F16L 25/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
F16L33/30
F16L33/24
F16L37/133
F16L25/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527807
(86)(22)【出願日】2018-11-23
(85)【翻訳文提出日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 EP2018082355
(87)【国際公開番号】W WO2020104039
(87)【国際公開日】2020-05-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514052379
【氏名又は名称】オエティカ シュヴァイツ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】ライマン・モーガン
【テーマコード(参考)】
3H016
3H017
3J106
【Fターム(参考)】
3H016EA04
3H017KA02
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106ED04
(57)【要約】
ホース(40)とパイプソケット(50)との間のコンパクトなスナップカップリングを実現することができるマルチパートコネクタアセンブリを提供する。マルチパートコネクタアセンブリは、漏れが生じる可能性がある位置が1つだけであり、最小限の点数の部品のみ、すなわち、第一の保持部材(10)、第二の保持部材(20)、および、それらの間にコネクタアセンブリの軸方向に挟まれたシーリングエレメント(30)、を必要とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリであって
パイプソケット(50)と係合する第一の保持部材(10)と、
ホース(40)と係合する第二の保持部材(20)と、
シーリングエレメント(30)と、を備え、
前記第一および第二の保持部材(10、20)は、前記コネクタアセンブリの軸方向に沿って間隔をおいて配置され、間に前記シーリングエレメント(30)が軸周りに介在している
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタアセンブリであって、
前記シーリングエレメント(30)の外面が前記ホース(40)の内面とのシールを形成するようになっており、
前記シーリングエレメント(30)の内面が前記パイプソケット(50)の外面とのシールを形成するようになっている
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコネクタアセンブリであって、
前記第一および第二の保持部材(10、20)は、前記シーリングエレメント(30)を挟む2つの個別の構造部品として、前記コネクタアセンブリの前記軸方向に沿って配置され、または、
前記第一および/または第二の保持部材(10、20)は、前記シーリングエレメント(30)と一体的に形成されている
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリであって、
前記シーリングエレメント(30)は、Oリング、Xシールまたはリップシールである
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリであって、
前記第一および第二の保持部材(10、20)は、前記パイプソケット(50)を受けるようになっており、
前記第一および第二の保持部材(10、20)は、前記ホース(40)内に収容されるようになっている
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリであって、
前記第一の保持部材(10)の外面は、前記ホース(40)の内面との締め付け接続を形成するための第一の締付け部(11)を有し、
前記第二の保持部材(20)の外面は、前記ホース(40)の前記内面との締め付け接続を形成するための第二の締付け部(21)を有する
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタアセンブリであって、
前記第一の締付け部(11)は、角のあるリッジ部(12)を1つ以上有する
ことを特徴とするコネクタアセンブリ
【請求項8】
請求項6または7に記載のコネクタアセンブリであって、
前記第二の締付け部(21)は、角のある少なくとも1つのリッジ部(22)および/または周方向に間隔をおいた複数の返し部(23)を有する
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリであって、
前記第一の保持部材(10)はテーパ付き端部(13)を有し、
前記テーパ付き端部(13)は、前記ホース(40)の径方向に柔軟に変形するようになっており、
前記テーパ付き端部(13)の内径は前記パイプソケット(50)の前端部(52)の外径よりも小さい
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項10】
請求項9記載のコネクタアセンブリであって、
前記テーパ付き端部(13)は、前記パイプソケット(50)を前記第一の保持部材(10)を介して完全に挿入可能とするのに十分な径方向の柔軟性を前記第一の保持部材(10)に与える軸方向スリット(14)を有する
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリであって、
前記第一の保持部材(10)は第一のフランジ部(15)を有し、当該第一のフランジ部(15)まで前記第一の保持部材(10)が前記ホース(40)に挿入可能であり、
前記第一のフランジ部(15)の外径は前記ホース(40)の内径より大きい
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリであって、
前記第二の保持部材(20)は第二のフランジ部(25)を有し、当該第二のフランジ部(25)まで前記パイプソケット(50)が前記第二の保持部材(20)に挿入可能であり、
前記第二のフランジ部(25)の内径は前記パイプソケット(50)の外径より小さく、好ましくは前記パイプソケット(50)の内径に実質的に等しい
ことを特徴とするコネクタアセンブリ。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリと、
ホース(40)と、
パイプソケット(50)と、
を備えるシステム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムであって、
前記パイプソケット(50)は、前記第一の保持部材(10)、特に、請求項9に係る前記テーパ付き端部(13)と係合する環状凹部(51)を有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
パイプソケット(50)にホース(40)を、前記パイプソケット(50)に係合する第一の保持部材(10)と前記ホース(40)に係合する第二の保持部材(20)とシーリングエレメント(30)とを有するコネクタアセンブリによって接続する方法あって、
前記ホース(40)内に、前記第一および第二の保持部材(10、20)を、前記コネクタアセンブリの軸方向に沿って間隔をおき、間に前記シーリングエレメント(30)を軸周りに介在させた状態で配置し、
前記シーリングエレメント(30)の直径が大きくなって前記ホース(40)の内面および前記パイプソケット(50)の外面とのシールを形成するように、前記パイプソケット(50)を前記第一および第二の保持部材(10、20)内に挿入する
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるクイックコネクタまたはスナップコネクタとしてスピゴットまたはパイプソケットにホースを接続するためのカップリングデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クイックコネクタまたはスナップコネクタは幅広い用途において利用されており、特に、自動車および工業的用途では流体移送導管を接合するために利用されている。柔軟性のあるポリマー材料から作製されたホースはスピゴットにすばやく確実なシールで接続する必要がある。ホースが流体接続のメス部を形成し、スピゴットが流体接続のオス部を形成するが、コネクタアセンブリにより、スナップフィット動作で2つ部分の迅速で完全なシール接続を実現できるべきである。
【0003】
従来のスナップコネクタは、オススピゴット(以下、ニップルまたはパイプソケットとも呼ぶ)を受けるための第一のリテーナー部と、メスホースと係合するための第二のリテーナー部と、を有している。両リテーナー部は、それぞれ、スピゴットおよびホースとのシールを形成するために、異なる位置にOリングなどのシーリング手段を備える必要がある。つまり、それぞれのリテーナー部がシール位置を形成しており、それぞれのシール位置が、漏れを生じる可能性がある部分に相当する。さらに、従来のスナップコネクタは、軸方向に相当の取り付けスペースを必要とし、ホースの直径よりも相当大きな全径を有している。このことは、バッテリパックおよび対応冷却回路の取り付けスペースが重要な問題であるeモビリティ分野における自動車用途では特に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来のスナップコネクタの上記欠点に対処し、構成要素および漏れを生じる可能性のある部分の数を最小限に抑え、特にシール位置が1か所のみのコンパクトなコネクタアセンブリを提供することにある。さらに、接続状態のホーススピゴットシステムの径方向および軸方向の両方における外形寸法が、より小さいことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1に定義されたコネクタアセンブリにより達成される。従属項は、好ましい実施の形態に関連する。対応する方法は、独立項15に定義されている。
【0006】
従来技術のいずれのコネクタアセンブリとも異なり、本発明のコネクタアセンブリでは、第一および第二の保持部材が軸方向に互いに離れて配置されているので、1つのシーリングエレメントを軸周りに介在させることができ、それ故にホースとスピゴットとの間にシールを直接形成することができる。つまり、第一および第二の保持部材は、シーリングエレメントを挟むことができる単一のシール位置を形成する軸方向の隙間をあけて同軸に配置された管状部材である。これにより、第二のシール位置/エレメントはもはや必要ない。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態によれば、第一および第二の保持部材とシーリングエレメントとは、少なくとも3つの個別の部品として提供される。ただし、第一および第二の保持部材が軸方向に互いに重なり合わない限り、互いに相互連結された少なくとも3つの部品を(例えば、適切な合成材料から成形工程によって)形成することも可能である。コネクタアセンブリの全部品は、プラスチック材料、特にポリアミド(PA)または熱可塑性エラストマー(TPE)で作成されることが好ましい。
【0008】
好ましくは、第二の保持部材がホース内に完全に挿入され、第一の保持部材が、第一の当接部として機能する第一のフランジまでホース内に挿入される。シーリングエレメントは、例えば、第一および第二の保持部材との間に軸周りに配置される、Oリング、Xシールまたはリップシールである。その後、パイプソケットは、第一の保持部材、シーリングエレメントに安全に押し通され、その後、第二の保持部材に、その遠位端(すなわち前端)に設けられた第二の当接部として機能する第二のフランジまで挿入される。
【0009】
延ばされていない状態のOリングの内径よりもパイプソケットの外径が大きいということによって、Oリングは径方向に広がって、その外径がホースの内径に接触してシールを形成する。さらに、第一および第二の保持部材がほぼ完全にホース内に配置されているため、接続状態のホーススピゴットシステムの全軸方向伸びがわずかに増加するだけである。また、柔軟性のあるホースのポリマー材料が第一および第二の部材の挿入により広がる範囲においてのみ径方向サイズが増加する。つまり、接続状態のシステムが従来技術よもコンパクトになるように、コネクタアセンブリはホースにほぼ完全に組み入れられる。要約すると、本スナップ接続は、ホースの軸方向および径方向の双方において、必要な取り付けスペースが少なくて済む。
【0010】
ホースと第一および第二の保持部材との確実な接続を提供するために、両方の前記部材が、角のあるリッジ部(ridge)を1つ以上有する締付け部を備えている。これらのリッジ部は、鋸歯状の断面を有し、第一および第二の保持部材をホースにスムーズに挿入できるようにするが、部材をホースから反対方向に引き抜こうとするときに高摩擦をもたらす。さらに、第二の部材は、引き抜き摩擦をさらに大きくするとともにさらに第二の部材に対するホースの回転移動を阻止するために、周方向に間隔をあけた位置に外面上に設けられた径方向突部または返し部(barb)を複数備えていてもよい。これにより、ホースが高圧下で流体を導く可能性があるときに、使用中のホースと第一および第二の部材との間に、信頼性の高い接続を実現することができる。さらに、ホースの外周まわりの1つ以上のアウターホースクランプによって接続を締め付けてもよい。
【0011】
本発明のさらに好ましい実施の形態によれば、第一の保持部材はテーパ付き端部を有し、このテーパ付き端部は、径方向に柔軟に変形可能であり、パイプソケットの遠位端部側の対応凹部にスナップすることができる。これにより、第一の保持部材とパイプソケットとの間を、ホース内に配置されたコネクタアセンブリにパイプソケットが正しく完全挿入されたことを示す典型的なクリック音を伴うスナップ留めすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
つぎに、図面を参照しながら詳細な実施の形態を説明する。そこにおいて下図を示す。
【
図1】
図1aは、本発明の実施の形態に係るコネクタアセンブリが挿入されたホースの側面図であり、
図1bは、
図1aのシステムの横断面図であり、
図1cは、
図1aのA-A線に沿って切断された断面図であり、
図1dは、
図1aのシステムの斜視図である。
【
図2】
図2aは、パイプソケットの側面図であり、
図2bは、本発明の実施の形態に係るスリーパート(three-part)コネクタアセンブリの側面図であり、
図2cは、本発明の実施の形態に係るコネクタアセンブリによりホースに連結されたパイプソケットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1aは、
図2aに示されたパイプソケット50に接続されるホースエンド40を示す。ホースエンド40は、その外面形状が第一および第二の部材10、20に類似するように、第一および第二の部材10、20の外面にぴったりとはめられている。第一の部材10のフランジ部15だけは、ホース40の外部に残されており、
図1aおよび
図1dの左端側に示されている。詳細は、
図1cおよび
図2cの断面図から最もよくわかり理解することができる。
【0014】
図1cにコネクタアセンブリを示し、このコネクタアセンブリは、実質的に3つの部品、すなわち、ホース40およびパイプソケット50と係合する第一の保持部材10と、ホース40と係合する第二の保持部材20と、第一および第二の部材10、20間に軸周りに介在するとともにパイプソケット50の外面とホース40の内面との間のシールを形成するようになっているOリング30の形態のシーリングエレメントと、により構成されている。
【0015】
第一の保持部材10は、ホース14と実質的に同じ外径を有する第一のフランジ部15を有しており、第一の部材10がホース40内に挿入された場合にホース40がこの部位15に当接するようになっている。第一の部材10では、この第一のフランジ部15に隣接して、内径は同じであるが外径が第一のフランジ部15よりも小さい領域が続き、それから第一の締付け部11が続き、第一の締付け部11は、ホース40の内面と締付け部11の外面との間を締め付け接続(tight connection)可能とする複数のリッジ部12を有する。そこに第一の部材10の遠位方向(すなわち、前方)に隣接しているのは、第一の部材10の内径および外径の両方が徐々に減少するテーパ付き端部13である。
【0016】
テーパ付き端部13はさらに、最前端または遠位端においてテーパ付き端部13よりも大きな外径を有するパイプソケット50が第一の部材10を通って完全に挿入できる程度に変形するのに十分な径方向の柔軟性を端部13に与える複数の軸方向スリット14を有している。
【0017】
第二の保持部材20は、
図1cにおいて、ホース40内に完全に挿入された位置に示されている。それは第二の締付け部21および第二のフランジ部25を有している。第二の締付け部21は、ホース40から第二の部材20が挿入方向とは反対の方向に引き抜かれるのを阻止する、角のあるリッジ部22を少なくとも1つ含んでいる。さらに、第二の締付け部22は、軸方向におけるホース40と第二の部材20との間の摩擦を増加させるだけでなくホース40に対する第二の部材20の回転移動を阻止する、周方向に間隔をおいた複数の突起部または返し部(barbs)23を含む。第二のフランジ部25は、コネクタアセンブリの最前端に配置されるとともに、縮小された内径を有し、以下の
図2a~cに示されて説明されるように挿入されるときにパイプソケット50用の当接部として機能する。
【0018】
第一および第二の保持部材10、20の間に介在しているのは、適切なポリマー材料のOリングの形態のシーリングエレメント30である。Oリング30は第一および第二の保持部材10、20の間に挟まれ、以下の
図2cに示されたシステム構成に圧入される場合にパイプソケット50およびホース40の両方とのシールを形成できるようにする程度に弾性変形可能である。
【0019】
ホース40をパイプ50に接続するためにコネクタが最終的に使用されるまでコネクタアセンブリの3つの部品を一緒に保持するための円筒形プラグ(不図示)があってもよい。本発明のマルチパート(multi-part)コネクタアセンブリは、プラグが第一および第二の保持部材10、20と介在Oリング30とにより形成された中央の貫通孔を通って延びるように、生産、梱包、配送される。プラグは、3つのコンポーネントを適切な位置に保持し、ホース開口用のカバーシールを形成する。本発明の第一の接続ステップにおいてコネクタアセンブリがホース40に挿入される場合に、プラグがコネクタアセンブリ内に留まることさえあってもよい。これにより、ホース40内にコネクタアセンブリを簡単かつ正確に位置決めすることができる。第二の接続ステップのときに、プラグが引き出されてパイプソケット50に置き換わるが、一般に、パイプソケット50はプラグと同じ外径を有する。
【0020】
プラグのコンセプトは、「コネクタ」とのタイトルで、本願と同日に同じ出願人のために出願された同時係属中の国際特許出願においてより詳細に説明されている。その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
図2cの断面図は、パイプソケットまたはニップル50がさらに左側から挿入されている点を除いて
図1cと同じタイプである。
図2aに最もよく示されているように、パイプソケット50は、楔状に外径が徐々に減少する凹部51を有する。凹部51を超えて遠位に、パイプソケット50は、再び、より大きな外径、好ましくは凹部51の近位にある部分と同じであってパイプソケット50の一般的な外径と呼ばれる外径を有する端部52への段差を形成する。
【0022】
図2cに示すように、パイプソケット50が
図2cに示された位置に達した後に第一の部材10にロックされるように、凹部51が第一の部材10のテーパ付き端部13に係合する。
図2aおよび
図2bの配置により動機付けられる方向にパイプソケット50をコネクタアセンブリに挿入することにより、このロック位置に到達する。パイプソケット50の遠位端部または前端部52は、第一の部材10の遠位端に設けられたテーパ付き端部13よりも大きな直径を有している。ただし、それでもなお、パイプソケット50の前端部52は、軸方向スリット14により得られるテーパ付き端部13の径方向の変形能によって、第一の部材10を介して、第二の部材20にその第二のフランジ部25に達するまでスムーズに挿入することができる。この位置において、凹部51が第一の部材のテーパ付き端部13に達するとともにスリット14が元の形状に弛緩し、これにより、
図2cに示されたロック状態に達する。
【0023】
図2bは、第一の保持部材10、第二の保持部材20、およびこれらの2つの部材10、20間の軸方向スペースに配置されたシーリングエレメント30といった形態の別個の3部品から構成された本発明のコネクタアセンブリをもう一度示す。コネクタアセンブリを、軸方向に重ならない個別の3部品に分離することにより、本発明のコネクタアセンブリは、漏れを生じる可能性のある部分および構成要素の数を最小限に抑えて、特に、Oリング30の形態の単一シーリングエレメントだけで、ホース40とパイプソケット50との間を完全にシールするスナップカップリングを実現することが可能となる。さらに、コネクタアセンブリは、挿入後のホーススピゴットシステムの径方向および軸方向の寸法をごくわずかに増加させる。
【0024】
2つの保持部材10、20および単一のOリング30を有する最も単純な形態でコネクタアセンブリが示されて説明されたことを付言する。ただし、3つ以上の保持部材コンポーネントと、2つ以上のシーリングエレメント(例えば、2つの保持部材10、20間の軸方向の隙間により画定されるシール位置にある2つのOリング、特に、高温でシールを形成するために最適化された1つのOリングおよび低温でシールを形成するために最適化された1つのOリング)と、により構成することもできる。
【0025】
さらに、コネクタアセンブリは、2つの保持部材10、20およびシーリングエレメント30を、図示された3つの個別の構造部品として備えるにとどまらなくてもよい。適切な単一または多成分成形プロセスまたは他の製造方法によって、シーリングエレメント30を2つの保持部材10、20の一方または両方と一体的に形成することも可能である。コネクタ部品を形成するための代表的なプラスチック材料は、非常に低い透過値を特徴とする合成ポリマー材料である。好ましくは、ガラス繊維含有量20~50%のPA6またはPA12のようなポリアミドまたは熱可塑性エラストマー(TPE)が用いられる。
【符号の説明】
【0026】
10 第一の保持部材
11 第一の締付け部
12 角のあるリッジ部
13 テーパ付き部分
14 返し部
15 第一のフランジ部
20 第二の保持部材
21 第二の締付け部
22 角のあるリッジ部
23 返し部
25 第二のフランジ部
30 シーリングエレメント
40 ホース
50 パイプソケット
51 環状凹部
52 前端部
【国際調査報告】