(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(54)【発明の名称】シガレット製造機及びシガレットの製造方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/18 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
A24C5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531882
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(85)【翻訳文提出日】2021-06-23
(86)【国際出願番号】 CH2019050027
(87)【国際公開番号】W WO2020113348
(87)【国際公開日】2020-06-11
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521241993
【氏名又は名称】コッホ,ロゲル
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】コッホ,ロゲル
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CB12
4B144CB33
4B144CB35
4B144CL07
4B144CM01
(57)【要約】
本発明は、シガレット製造機(11)内でシガレット(68)を製造する方法に関し、この方法では:通気性の第1のコンベアベルト(34)の上面(36)の上に、吸気装置(26)に接続された吸引バー(22)を配設することによって、個片化されたタバコ(16)は、吸引流(28)で、第1のコンベアベルト(34)の下面(38)に吸引され;タバコ(16)は、第1のコンベアベルト(34)の下面(38)において、吸引流(28)によって圧縮されることによって、タバコロッド(40)に成形され;タバコロッド(40)は、第1のコンベアベルト(34)の下面(38)から、第2のコンベアベルト(42)の上面(44)へと移送され、上面(44)の上にはシガレットペーパーベルト(46)が配設されており;シガレットペーパーベルト(46)は、ロッド(40)の長手方向に沿って接着され;タバコロッド(40)はシガレット(68)へと切断される。タバコ(16)と混合された吸引流(28)に、喫煙可能な追加物質(13)が計量添加され、タバコロッド(40)が、第1のコンベアベルト(34)の下面(38)で、タバコ(16)及び追加物質(13)から成形される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シガレット製造機(11)内でシガレット(68)を製造する方法であって、
‐刻みタバコ(16)は、タバコ用ふるい(14)内で個片化され、
‐個片化された前記タバコ(16)は、前記タバコ用ふるい(14)の底部で集められ、
‐通気性の第1のコンベアベルト(34)の上面(36)の上に、吸気装置(26)に接続された吸引バー(22)を配設することによって、個片化された前記タバコ(16)は、吸引流(28)で、前記第1のコンベアベルト(34)の下面(38)に吸引され、
‐前記吸引流の幅(30)は、前記吸引バー(22)の長さ(24)によって画定され、これにより、前記タバコ(16)を含む空気が前記吸引バー(22)の前記長さ(24)に沿って吸引され、
‐前記タバコ(16)は、前記第1のコンベアベルト(34)の前記下面(38)において、前記吸引流(28)によって圧縮されることによって、タバコロッド(40)に成形され、
‐前記タバコロッド(40)は、前記第1のコンベアベルト(34)の前記下面(38)から、第2のコンベアベルト(42)の上面(44)へと移送され、前記上面(44)の上にはシガレットペーパーベルト(46)が配設されており、
‐前記第2のコンベアベルト(42)の前記上面(44)の上の前記タバコロッド(40)は、狭くなったマウスピース(48)を通過し、
‐前記タバコロッド(40)は、前記マウスピース(48)上で、前記シガレットペーパーベルト(46)によって包まれ、
‐前記シガレットペーパーベルト(46)は、前記ロッド(40)の長手方向に沿って接着され、
‐前記タバコロッド(40)は前記シガレット(68)へと切断される、
方法において、
前記方法は:
前記タバコ(16)と混合された前記吸引流(28)に、前記シガレット製造機(11)を汚染する樹脂を含む喫煙可能な追加物質(13)が計量添加され、前記タバコ(16)及び前記追加物質(13)からなる前記タバコロッド(40)が、前記第1のコンベアベルト(34)の前記下面(38)で成形される
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記喫煙可能な追加物質(13)は、前記吸引流(28)の前記幅(30)の略中央において、前記吸引流(28)に計量添加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記喫煙可能な追加物質(13)は、振動式搬送装置(50)によって、前記吸引流(28)に計量添加されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記振動式搬送装置(50)は、螺旋状のスパイラルポット(58)を有するスパイラルコンベア(52)を備え、前記スパイラルポット(58)は振動状態に設定され、これにより、前記追加物質(13)は前記吸引流(28)の方向に搬送されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記スパイラルコンベア(52)は、前記スパイラルポット(58)内の前記追加物質(13)の充填レベル(63)に応じて、振動バンカー(54)から充填されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記振動式搬送装置(50)によって計量添加される前記追加物質(13)の搬送量は、前記吸引流(28)中の前記タバコ(16)の搬送量に依存することを特徴とする、請求項3~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記追加物質(13)は、前記タバコ(16)よりも微細に粉砕されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記追加物質(13)として、大麻草の粉砕された成分を使用する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記大麻草の前記成分は、粉砕のために切断される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実装するための、シガレット製造機(11)であって:
‐中で刻みタバコ(16)が個片化される、タバコ用ふるい(14);
‐吸引バー(22)であって、吸気装置(26)に接続され、また前記吸引バー(22)の長さ(24)に沿って、個片化された前記タバコ(16)を含む吸引流(28)を吸引できる、吸引バー(22);
‐上面(36)及び下面(38)を有する第1の通気性コンベアベルト(34)であって、前記上面(36)は前記吸引バー(22)に面し、前記タバコ(16)は前記第1のコンベアベルト(34)の前記下面(38)においてタバコロッド(40)へと成形可能である、第1の通気性コンベアベルト(34);
‐第2のコンベアベルト(42)であって、前記第2のコンベアベルト(42)の上面(44)の上にはシガレットペーパーベルト(46)を配設でき、また前記上面(44)の上には、前記第1のコンベアベルト(34)から前記タバコロッド(40)を移送できる、第2のコンベアベルト(42);並びに
‐マウスピース(48)であって、前記マウスピース(48)上において、前記タバコロッド(40)をシガレットペーパーベルト(46)で包むことができる、マウスピース(48)
を備え、
導管(56)を有する計量装置(50)であって、前記導管(56)は前記第1のコンベアベルト(34)の前記下面(38)の下方で開口しており、前記計量装置(50)を用いて、喫煙可能な追加物質(13)を、個片化された前記タバコ(16)と混合された前記吸引流(28)に計量添加できる、計量装置(50)を更なる特徴とする、シガレット製造機(11)。
【請求項11】
前記導管(56)は、前記吸引バー(22)の前記長さ(24)の略中央に配設されることを特徴とする、請求項10に記載のシガレット製造機。
【請求項12】
前記計量装置は振動式搬送装置(50)であることを特徴とする、請求項10又は11に記載のシガレット製造機。
【請求項13】
前記振動式搬送装置(50)は、螺旋状のスパイラルポット(58)を有するスパイラルコンベア(52)を備え、前記スパイラルポット(58)は振動状態に設定され、これにより、前記追加物質(13)を前記吸引流(28)の方向に搬送可能であることを特徴とする、請求項12に記載のシガレット製造機。
【請求項14】
前記振動式搬送装置(50)は振動バンカー(54)を備え、
前記振動バンカー(54)によって、前記スパイラルポット(58)を、前記スパイラルポット(58)内の前記追加物質(13)の充填レベル(63)に応じて充填可能であることを特徴とする、請求項12又は13に記載のシガレット製造機。
【請求項15】
前記振動式搬送装置(50)はレーザ(64)を備え、
前記レーザ(64)によって、前記スパイラルポット(58)内の前記充填レベル(63)を測定可能であることを特徴とする、請求項12~14のいずれか1項に記載のシガレット製造機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分によるシガレットの製造方法、及び請求項10の前提部分による上記方法を実施するためのシガレット製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット成形機は、100年以上前から先行技術において公知である。シガレット成形機は分配ユニットからなり、この分配ユニット内では、振動するダクト壁、及び/又は鋼鉄製ピンを備えたローラーによって、分配ボックス内におけるコンベアベルトによって到着する刻みタバコの均一な分配が保証される。上記ボックスの底部では、混合されたタバコが微細かつ均一に互いから引き離される。これは、通気性の織物製コンベアベルト(いわゆる吸引ロッドコンベア)を用いて実施され、これは分配ボックスからタバコを均一に搬送する。タバコがベルト上に留まるように、通気性のコンベアベルトの下に真空が作用し、これによりタバコがベルト上へと吸引されて、ある程度固定される。吸引ロッドコンベアの端部には余剰分除去装置が存在し、これは、タバコロッドから余ったタバコ繊維を除去する、2つの回転トリマーディスクからなる。コンベアベルトに対するトリマーディスクの位置に応じて、ある程度多量のタバコが除去される。タバコの余剰分はダクトへと落下して、分配ユニットに再び戻される。
【0003】
タバコロッドは、吸引ロッドコンベアによって、連続的に走行するフォーマットベルト上に置かれ、これはタバコロッドを円形に成形する。続いてタバコロッドは、狭くなったマウスピースを通過し、そこでシガレットペーパーが外側からタバコロッドの周りに巻きつけられる。このステーションはフォーマットチャンバとも呼ばれる。この位置には、シガレットペーパーを縁において連続的に接着する食品用接着剤を有する接着剤ノズルも存在する。続いて短い加熱セクションにより、接着剤を確実に硬化させることができる。更に接着シームを平滑化する。これにより、無端状態で包まれて接着された、タバコロッドが生成される。
【0004】
シガレットを製造するための別の製造方法では、刻みタバコをフィーダー内で個片化する。個片化されたタバコは、タバコ用ふるいの下端においてコンベアベルト上へと落下する。過剰なタバコクズが、余剰分除去装置において除去される(好ましくは吸引される)。タバコは、コンベアベルト上で計量ホイールによって1つのロッドへと成形される。タバコロッドは、少なくとも1つのプレスホイールで圧縮される。次にタバコロッドを、狭くなったマウスピースに通し、煙草ロッドをマウスピース上においてシガレットペーパーで包む。シガレットペーパーを、ロッドの長さに沿って接着する。
【0005】
タバコの代わりに、又はタバコに加えて、更なる喫煙可能な物質を内包したシガレットを製造する場合、この更なる物質の加工によって問題が発生する可能性がある。
【0006】
特許文献1では、タバコ加工業界における成形機の一態様が説明されている。タバコは吸引空気によって吸引ダクトを通って吸引ベルト上へと吸引される。吸引ダクトのチャンバ壁にはノズルが配設されており、これを通してタバコに流体を計量添加する。
【0007】
特許文献2は、喫煙可能な物品の製造方法を説明している。吸引ロッドコンベアにはタバコの他に押出成形物ロッドが供給される。この押出成形物は、ある基本成分と、不連続に計量添加された添加剤とで形成される。これにより、上記喫煙可能な物品の、上記物品が点火される前方の側には、添加剤が存在しない。
【0008】
特許文献3では、風味付けされたロッド状の喫煙材料の製造方法が説明されている。例えばメンソールである風味物質を含む液体がシガレットペーパー上に染みを形成しないように、上記液体をタバコロッドの前半と後半との間に塗布する。
【0009】
特許文献4からは、添加剤が豊富に含まれた繊維材料製の製品流を、成形機に装入する方法が知られている。繊維材料は、タバコ繊維及び/又はフィルタ材料繊維からなる。製品流をふるいチャネル内に直接供給することによって、繊維材料は製品流内に均一に分散される。
【0010】
特許文献5でも、タバコロッドの形成方法が開示されている。必然的に吸引空気で吸引された短いタバコは、セパレータ内で微細なクズが取り除かれて、再びタバコ繊維へと戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国公開特許第102006027597A1号
【特許文献2】独国公開特許第102004017618A1号
【特許文献3】独国公開特許第3821677A1号
【特許文献4】欧州公開特許第2883462A1号
【特許文献5】欧州公開特許第3020288A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の従来技術の欠点は、シガレットの製造方法を提案するための本発明の起点となる課題をもたらし、上記製造方法は、タバコの他に喫煙可能な追加物質を内包するシガレットの製造を、上記追加物質が上記製造方法を損なう、特に製造速度の低下、又はシガレット内の上記追加物質の不均一な分布を生じさせることなく、可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題の解決は、請求項1の特徴部分に記載された特徴によるタバコの製造方法において達成される。更なる発展形態及び/又は有利な変形形態は、従属請求項の主題である。
【0014】
上記方法は、シガレット製造機を汚染する樹脂を含む喫煙可能な追加物質が、タバコと混合された吸引流に計量添加され、タバコ及び上記追加物質からなるタバコロッドが、第1のコンベアベルトの下面に形成されることを特徴とする。上記シガレット製造機内で添加剤を処理できるが、上記添加剤は通常、上記シガレット製造機を、上記吸引流への上記追加物質の計量添加によって処理することが困難又は不可能なほど汚染するため、可能な限り少数の機械部品しか上記追加物質に接触させない。これらには例えば樹脂植物が含まれ、その樹脂は上記シガレット製造機の、上記植物と接触する部品に付着する。むしろ、添加剤とタバコとの間で均一な混合を達成するために、混合物をシガレット製造機に供給する前に添加剤をタバコと混合することになる。しかしながらこの場合、シガレット製造機の最大数の部品が上記添加剤と接触し、シガレット製造機の略全体が汚染される。特にコンベアベルト及び余剰分除去装置は汚染され、十分な機能を発揮できなくなる。
【0015】
この方法の更なる利点は、上記吸引流に任意の量の追加物質を加えることができ、これによって上記計量添加が製造速度の制限要因にならない点である。シガレットの製造速度を、追加物質を含まないシガレットの通常の速度に匹敵するものとした場合であっても、十分な量の追加物質を、タバコと混合された吸引流に計量添加できる。
【0016】
本発明は好ましくは、上記喫煙可能な追加物質を、上記吸引流の幅の略中央に計量添加することを特徴とする。驚くべきことに、上記追加物質を計量添加するこの位置は、上記第1のコンベアベルト上で成形されるタバコロッド中での上記追加物質の均一な分布をもたらす。この事実は、上記追加物質が上記第1のコンベアベルトの下面に蓄積されるため、上記タバコロッド中で不均一に分布するという予想に反するものである。
【0017】
本発明の好ましい一実施形態では、上記喫煙可能な追加物質は、振動式搬送装置を用いて、上記吸引流に計量添加される。これにより、適切な振動周波数を設定することで、上記追加物質の正確な計量添加が可能になる。更に、上記振動式搬送装置は、堅牢であり、保守をほとんど必要としない。
【0018】
本発明の特に好ましい一実施形態では、上記振動式搬送装置は、螺旋状のスパイラルポットを備えたスパイラルコンベアを備え、上記スパイラルポットは振動状態に設定され、これにより、上記追加物質は上記吸引流の方向に搬送される。スパイラルコンベアは一般に、複数の個別の部分を個片化して、スパイラルポットの出口の特定の場所へと運ぶために使用される。これにより、複数の上記個別の部分を把持装置で把持できる。驚くべきことに、上記スパイラルコンベアは、上記追加物質を任意の量だけ迅速かつ均一に搬送することが分かった。これにより、上記スパイラルコンベアは、上記シガレット製造機のコンベアベルト速度が、追加の添加剤を含まないシガレットを製造するシガレット製造機のコンベアベルト速度に匹敵する場合であっても、計量添加される追加物質に隘路が存在しないようにすることができる。また上記スパイラルコンベアにより、刻みタバコの例えば20重量%~80重量%の上記追加物質の分布率を達成できる。
【0019】
上記スパイラルポット内の上記追加物質の充填レベルに応じて、上記スパイラルコンベアに振動バンカーから充填を行うと好都合であることが分かっている。これにより、上記吸引流への上記追加物質の上記計量添加を完全自動化できる。上記振動バンカーが空である場合、動作中のいずれの時点において上記追加物質を再充填できる。
【0020】
本発明の更に好ましい一実施形態では、上記スパイラルコンベアを、上記スパイラルポット内の上記追加物質の上記充填レベルに応じて、上記スパイラルコンベアに上記振動バンカーから充填を行う。これにより、上記スパイラルポットは常に最適に充填され、従って十分な量の上記追加物質を、高い精度で上記吸引流に計量添加できる。
【0021】
本発明は好ましくは、上記追加物質がタバコよりも微細に粉砕されることを特徴とする。この粉砕の程度により、上記追加物質を上記吸引流中及び上記タバコロッド中で均一に分散させるのが容易になる。シガレットを販売店に輸送する間にも振動が発生し、これによって上記追加物質は上記タバコロッド中で更に均一に分散される。
【0022】
本発明の更に好ましい一実施形態では、大麻草の粉砕された成分が上記追加物質として使用される。大麻は樹脂及び油を含み、これらは、これらに接触する上記シガレット製造機の部品に付着するものであるが、大麻を追加物質として使用できる。本方法によると、可能な限り少数の機械部品にしか付着しないように、大麻を上記吸引流に添加する。タバコの煙に特定の風味を与えるハーブ又はクローブといった他の喫煙可能な追加物質も考えられる。
【0023】
適切には、大麻草の成分を粉砕のために切断する。これにより、粉砕の程度を正確に設定でき、特に大麻草の粉砕の程度を、大麻部分が上記吸引流中及びタバコロッド中で良好に分散されて上記タバコロッドと均質に結びつくように、設定できる。
【0024】
本発明の更なる態様は、上述の方法を実装するためのシガレット製造機に関し、上記シガレット製造機は導管を備えた計量装置を備え、上記導管は、上記第1のコンベアベルトの下面の下方で開口しており、上記計量装置を用いて、喫煙可能な追加物質を、個片化されたタバコと混合された吸引流中へと計量添加できる。上記追加物質を上記吸引流に計量添加できるようにするための上記導管の位置決めにより、製造速度が高く、これに対応してシガレットの本数が多い場合においても、十分な量の上記追加物質を計量添加できる。また、上記追加物質が上記吸引流に入るようにするための上記導管の位置決めによって、上記シガレット製造機の可能な限り少数の部品しか、上記追加物質と接触しないことが保証される。これにより、上記追加物質による機械部品の汚染を確実に防止できる。
【0025】
本発明の特に好ましい一実施形態では、上記導管は、吸引バーの長さの略中央に配設される。これにより、驚くべきことに、上記追加物質を、上記第1のコンベアベルトの下面に形成されたタバコロッド中に均一に分散させることができる。
【0026】
上記計量装置が振動式搬送装置であると有利であることが分かっている。上記振動式搬送装置は、堅牢であり、保守をほとんど必要としない。更に、上記追加物質の搬送量を正確に計量できる。
【0027】
本発明の特に好ましい一実施形態では、上記振動式搬送装置は、螺旋状のスパイラルポットを備えたスパイラルコンベアを備え、上記スパイラルポットは振動状態に設定され、これにより、上記追加物質は上記吸引流の方向に搬送可能である。個別の部分の個片化及び位置決めに一般に使用される上記スパイラルコンベアにより、驚くべきことに、正確に計量された十分に多量の上記追加物質を、上記吸引流に添加できる。
【0028】
適切には、上記振動式搬送装置は振動バンカーを備え、上記振動バンカーを用いて、上記スパイラルポット内の上記追加物質の充填レベルに応じて上記スパイラルコンベアを充填できる。これにより、上記追加物質を上記吸引流中へと十分かつ正確な量で搬送できるように、上記スパイラルポットを常に自動的に充填できる。
【0029】
適切には、上記振動式搬送装置はレーザを備え、上記レーザを用いて、上記スパイラルポット内の充填レベルを測定できる。上記レーザは、上記レーザの、上記スパイラルポットのある位置に存在する上記追加物質までの距離を、継続的に測定する。上記追加物質が第1の所定距離を下回るとすぐに、上記振動バンカーが自動的に動作を開始して、上記追加物質を、上記追加物質と上記レーザとの間の第2の所定距離に到達するまで継続的に搬送し、ここで上記第2の所定距離は上記第1の所定距離より小さい。
【0030】
更なる利点及び特徴は、概略図を参照した以下の本発明の例示的実施形態の説明から明らかになる。概略図は正確な縮尺の図ではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、シガレットの製造方法を説明するためのシガレット製造機の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1にはシガレット製造機が図示されており、上記シガレット製造機は全体を通して参照番号11で表される。上記シガレット製造機は、シガレット成形機と呼ばれる場合もある。本方法は、タバコの他に喫煙可能な追加物質13を含むシガレットを簡単な方法で製造することを可能にする。この新規の方法は、追加物質13を含むシガレットの、1分あたりに製造されるシガレット本数を、従来技術による方法と比較して10倍増加させることができる。
【0033】
シガレット製造機11はタバコ用ふるい14を備え、これは刻みタバコ16を個片化するものであり、「ホッパー」とも呼ばれる。刻みタバコ16は、個片化のために、回転するローラー18又は「スプレッダー」上を案内される。ローラー18は、刻みタバコ16を互いから均一に個片化し、タバコは、ローラー18の下側からタバコ用ふるい14の底部20上へと落下する。
【0034】
タバコ用ふるい14内には、長さ24を有する吸引バー22が配設される。吸引バー22は吸気装置26に接続される。これにより、個片化されたタバコ16を重力に反して吸引バー24の方向に引きつける、即ち吸引する、吸引流28が生成される。吸引流28は、それに沿って空気が吸引される吸引バー22の長さ24によって画定される、幅30を有する。
【0035】
吸引バー22の下方には、上面36及び下面38を有する第1のコンベアベルト34が配設される。第1のコンベアベルト34は通気性を有するが、吸引バーの方向へのタバコ16の通過の大部分を阻止する。好ましくは、第1のコンベアベルト34は、通気性を有するがタバコを通さない織物製ベルトである。吸引されたタバコ16は下面38に保持され、下面38においてタバコロッド40へと成形されるが、これは、吸引流28が下面38においてタバコロッド40を圧縮することによって行われる。
【0036】
第1のコンベアベルトの下面38でタバコロッド40が形成された後、タバコロッド40は、第2のコンベアベルト42の上面44へと移送される。タバコロッド40が第2のコンベアベルト42へと移送される前に、第2のコンベアベルト42の上面44の上にシガレットペーパーベルト46が配置され、又はロールから引き出され、これは、上面44の上で第2のコンベアベルト42と共に移動する。従ってタバコロッド40は、シガレットペーパーベルト46上で静止する。
【0037】
タバコロッド40はマウスピース48を通過する。タバコロッド40及びシガレットペーパーベルト46がマウスピースを通るように引っ張られる、又は案内されると、マウスピース48は成形用肩部によって、タバコロッド40をシガレットペーパーベルト46で自動的に包む。同時にシガレットペーパーベルト46はその長辺に沿って接着される。
【0038】
タバコ16と混合された吸引流28に、喫煙可能な追加物質13を計量添加し、タバコロッド40を、第1のコンベアベルト34の下面38において、タバコ16及び追加物質13から成形する。追加物質13は好ましくは、大麻草の粉砕された植物部分からなる。例えば追加物質13は、大麻草の花とすることができる。好ましくは、追加物質13の粉砕の程度は、タバコ16の粉砕の程度よりも高い。従って追加物質13はタバコ16よりも微細に粉砕される。
【0039】
吸引流28への追加物質13の計量添加は、以下のようないくつかの驚くべき利点をもたらす:追加物質13は、形成されたタバコロッド40中に均一に分散され、追加物質13が集中した箇所がタバコロッド40中に形成されない。製造速度又はコンベアベルト速度を上昇させる場合に、追加物質13の計量添加速度が制限要因を形成しない。従って、吸引流28中への計量添加速度を必要なだけ上昇させることができる。また吸引流28への追加物質13の計量添加中、追加物質と機械部品との接触は最小限に抑えられるか、又は全く存在しない。これは、大麻等の追加物質13が樹脂を含む場合に特に重要である。というのは、本発明の方法は、機械部品が樹脂化して、常に注油又は洗浄しなければならなくなるのを防ぐためである。
【0040】
タバコよりも微細に粉砕された追加物質13は上面36に蓄積するため不均一に分散されるという予想に反して、追加物質13はタバコロッド40中に均一に分布する。特に、追加物質を、吸引流28に対して吸引流28の幅30の略中央に計量添加すると、タバコロッド40中での追加物質13の特に均質な分布を達成できる。
【0041】
追加物質13は、振動式搬送装置によって吸引流28へと計量添加され、上記振動式搬送装置は全体を通して参照番号50で表される。振動式搬送装置50は、スパイラルコンベア52、振動バンカー54、及び搬送用シュート56の形態の導管を備える。
【0042】
スパイラルコンベア52は螺旋状のスパイラルポット58を備え、これは、第1の振動駆動装置60によって振動する。スパイラルポット58内では、追加物質13は内側及び底部から上部及び外側へ向かって、螺旋状に搬送される。スパイラルコンベア52は一般に、複数の個別の部分を整列させて個片化するために使用され、これにより、上記個別の部分をスパイラルポット58の出口において把持装置で把持できる。驚くべきことに、スパイラルコンベア52は、追加物質13を任意の量だけ迅速かつ均一に搬送することが分かった。これにより、スパイラルコンベア52は、シガレット製造機11のコンベアベルト速度が例えば5m/秒~7m/秒である場合であっても、計量添加される追加物質13に隘路が存在しないようにすることができる。更に、スパイラルコンベア52が計量する量は極めて正確である。振動するスパイラルポット58は搬送用シュート56に堅固に接続され、これにより搬送用シュート56も同様に振動して、追加物質13は搬送用シュート56の開放端部へと輸送されて、吸引流28へと直接供給される。
【0043】
振動バンカー54は、第2の振動駆動装置62によって振動する。この振動バンカー54内には追加物質13が貯蔵され、スパイラルポット58の中央へと搬送される。追加物質13の搬送量を、第1の振動駆動装置60及び第2の振動駆動装置62によって、タバコ16の搬送量、又はタバコロッド40の搬送速度と適合させることができる。これにより、タバコ16と追加物質13との間の量的比率を正確に設定できる。振動駆動装置60、62は、タバコ16の搬送量に依存させることもでき、これにより、シガレット製造機11内でのタバコの搬送量を変更した場合に、タバコ16と追加物質13との間の量的比率が一定に維持される。
【0044】
スパイラルポット58内の追加物質13の充填レベル63は、好ましくはレーザである距離計64を用いて測定できる。測定された充填レベル63に応じて、振動バンカー54を、充填レベル63が事前に定義された値に到達するまで起動する。
【0045】
シガレットペーパーベルト46で包まれたタバコロッド40は、ナイフ66によってシガレット68へと切断される。
【0046】
上述の方法は、タバコロッド40の速度が高い、又は1分あたりに製造されるシガレット68の数が、計量添加される追加物質13を含まないシガレットを製造するシガレット製造機による本数に匹敵する場合であっても、十分な量の追加物質13を極めて正確にタバコ16に計量添加できるという利点を有する。
【0047】
更なる利点は、上記方法が、追加物質13と混合されたシガレットの製造を可能にすると同時に、追加物質13によるシガレット製造機11の汚染を大幅に低減することである。これにより、樹脂を含む追加物質、例えば粉砕された大麻草の成分を、樹脂をシガレット製造機11に付着させることなく使用できる。
【符号の説明】
【0048】
11 シガレット製造機、シガレット成形機
13 追加物質
14 タバコ用ふるい
16 刻みタバコ
18 ローラー
20 タバコ用ふるいの底部
22 吸引バー
24 吸引バーの長さ
26 吸気装置
28 吸引流
30 吸引流の幅
34 第1のコンベアベルト
36 第1のコンベアベルトの上面
38 第1のコンベアベルトの下面
40 タバコロッド
42 第2のコンベアベルト
44 第2のコンベアベルトの上面
46 シガレットペーパーベルト
48 マウスピース
50 振動式搬送装置、計量装置
52 スパイラルコンベア
54 振動バンカー
56 搬送用シュート、導管
58 スパイラルポット
60 第1の振動駆動装置
62 第2の振動駆動装置
63 充填レベル
64 距離計
66 ナイフ
68 シガレット
【国際調査報告】