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特表2022-510040RGBカラーチューニング用のハイブリッド駆動スキーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(54)【発明の名称】RGBカラーチューニング用のハイブリッド駆動スキーム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/22 20200101AFI20220118BHJP
   H05B 45/34 20200101ALI20220118BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20220118BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20220118BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220118BHJP
   H05B 45/3725 20200101ALI20220118BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20220118BHJP
【FI】
H05B45/22
H05B45/34
H05B45/345
H05B47/155
H05B47/105
H05B45/3725
H05B45/325
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543187
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 US2020014857
(87)【国際公開番号】W WO2020154547
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】16/258,193
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19165527.3
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16/543,230
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チュー,イーフェン
(72)【発明者】
【氏名】グラント,ジョン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA01
3K273AA02
3K273AA09
3K273BA08
3K273BA11
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA25
3K273DA03
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA35
3K273FA04
3K273FA07
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA30
3K273GA05
3K273GA14
3K273HA02
3K273HA03
3K273HA15
(57)【要約】
装置は、入力電流を第1電流と第2電流とに分割するように構成されたアナログ電流分割回路と、複数のスイッチを含んだマルチプレクサアレイと、を含み、周期の第1部分の間、前記第1電流をLEDの3つの色のうちの第1の色へ、及び前記第2電流をLEDの3つの色のうちの第2の色へ同時に提供し、前記周期の第2部分の間、前記第1電流をLEDの3つの色のうちの前記第2の色へ、及び前記第2電流をLEDの3つの色のうちの第3の色へ同時に提供し、且つ前記周期の第3部分の間、前記第1電流をLEDアレイの3つの色のうちの前記第1の色へ、及び前記第2電流をLEDの3つの色のうちの前記第3の色へ同時に提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)カラーチューニング装置であって、
マルチカラーLEDアレイに結合されるハイブリッド駆動回路を有し、当該ハイブリッド駆動回路は、
少なくとも2つのLED電流駆動源に対する電流を生成するアナログ電流分割回路と、
前記アナログ電流分割回路と前記マルチカラーLEDアレイとの間に結合されるスイッチングアレイであり、当該スイッチングアレイは、所定量の時間にわたって、周期的に、前記少なくとも2つのLED電流駆動源のうちの少なくとも1つからの電流を前記マルチカラーLEDアレイの少なくとも2つの色へ実質的に同時に提供するように構成される、スイッチングアレイと、
を有する、
LEDカラーチューニング装置。
【請求項2】
当該LEDカラーチューニング装置は更に、電圧レギュレータに電気的に結合されたLEDドライバを有し、前記電圧レギュレータは、前記マルチカラーLEDアレイに対して電圧信号を提供し、前記LEDドライバと前記電圧レギュレータとの組み合わせが、安定化させた電流を、前記アナログ電流分割回路への入力として提供する、請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項3】
前記スイッチングアレイはマルチプレクサアレイを有する、請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つのLED電流駆動源に対する電流を生成する前記アナログ電流分割回路に電流を供給するように構成された電圧制御式電流源、を更に有する請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項5】
前記スイッチングアレイは、
周期の第1部分の間、前記少なくとも2つのLED電流駆動源のうちの第1のものからの第1電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの第1の色へ、及び前記少なくとも2つのLED電流駆動源のうちの第2のものからの第2電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの第2の色へ、実質的に同時に提供し、
前記周期の第2部分の間、前記第1電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの前記第2の色へ、及び前記第2電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの第3の色へ、実質的に同時に提供し、且つ
前記周期の第3部分の間、前記第1電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの前記第1の色へ、及び前記第2電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの前記第3の色へ、実質的に同時に提供する、
ように構成される、請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項6】
前記周期の前記第1部分、前記第2部分、及び前記第3部分は、パルス幅変調(PWM)タイムスライシングを用いて選択可能である、請求項5に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項7】
前記第1電流と前記第2電流との和が、LEDドライバから前記アナログ電流分割回路に供給される入力電流と実質的に等しい、請求項5に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項8】
前記少なくとも2つのLED電流駆動源の各々が実質的に等量の電流を前記マルチカラーLEDアレイに供給するように構成される、請求項5に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つのLED電流駆動源の各々が等しくない量の電流を前記マルチカラーLEDアレイに供給するように構成される、請求項5に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項10】
前記マルチカラーLEDアレイは、少なくとも1つの赤色LEDと、少なくとも1つの緑色LEDと、少なくとも1つの青色LEDとを有する、請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項11】
前記マルチカラーLEDアレイは、少なくとも1つの不飽和赤色LEDと、少なくとも1つの不飽和緑色LEDと、少なくとも1つの不飽和青色LEDとを有する、請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項12】
前記スイッチングアレイは、少なくとも4つのスイッチングデバイスを有する、請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項13】
前記ハイブリッド駆動回路は更に、前記マルチカラーLEDアレイの選択されたLEDにパルス幅変調(PWM)タイムスライシング信号を供給するように構成される、請求項1に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項14】
発光ダイオード(LED)カラーチューニング装置であって、
少なくとも1つの不飽和赤色LED、少なくとも1つの不飽和緑色LED、及び少なくとも1つの不飽和青色LEDを有するマルチカラーLEDアレイと、
前記マルチカラーLEDアレイに結合されたハイブリッド駆動回路と、
を有し、
前記ハイブリッド駆動回路は、
少なくとも2つのLED電流駆動源に対する電流を生成するアナログ電流分割回路と、
前記アナログ電流分割回路と前記マルチカラーLEDアレイとの間に結合されるスイッチングアレイであり、当該スイッチングアレイは、所定量の時間にわたって、周期的に、前記少なくとも2つのLED電流駆動源のうちの少なくとも1つからの電流を前記マルチカラーLEDアレイの少なくとも2つの色へ実質的に同時に提供するように構成される、スイッチングアレイと、
を有する、
LEDカラーチューニング装置。
【請求項15】
前記少なくとも2つのLED電流駆動源に対する電流を生成する前記アナログ電流分割回路に電流を供給するように構成された電圧制御式電流源、を更に有する請求項14に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項16】
当該LEDカラーチューニング装置は更に、第1の検知電圧VSENSE1と第2の検知電圧VSENSE2とを比較して設定電圧VSETを決定及び供給するように構成された計算装置、を有し、前記設定電圧は前記電圧制御式電流源の入力電圧である、請求項15に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項17】
前記ハイブリッド駆動回路は更に、前記マルチカラーLEDアレイの選択されたLEDにパルス幅変調(PWM)タイムスライシング信号を供給するように構成される、請求項14に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項18】
当該LEDカラーチューニング装置は更に、電圧レギュレータに電気的に結合されたLEDドライバを有し、前記電圧レギュレータは、前記マルチカラーLEDアレイに対して電圧信号を提供し、前記LEDドライバと前記電圧レギュレータとの組み合わせが、安定化させた電流を、前記アナログ電流分割回路への入力として提供する、請求項14に記載のLEDカラーチューニング装置。
【請求項19】
マルチカラー発光ダイオード(LED)アレイをチューニングする方法であって、
電圧制御式電流源の入力電圧として設定電圧を決定して供給し、
入力電流を第1電流と第2電流とに分割し、
色温度の決定に基づいて、
周期の第1部分の間、実質的に同時に前記第1電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの第1の色へ提供するとともに前記第2電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの第2の色へ提供し、
前記周期の第2部分の間、実質的に同時に前記第1電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの前記第2の色へ提供するとともに前記第2電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの第3の色へ提供し、且つ
前記周期の第3部分の間、実質的に同時に前記第1電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの前記第1の色へ提供するとともに前記第2電流を前記マルチカラーLEDアレイの3つの色のうちの前記第3の色へ提供する、
ことを有する、マルチカラーLEDアレイをチューニングする方法。
【請求項20】
前記マルチカラーLEDアレイのうちの異なるペアへの前記第1電流の提供及び前記第2電流の提供は、パルス幅変調(PWM)タイムスライシングを用いて行われる、請求項19に記載のマルチカラーLEDアレイをチューニングする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年1月25日に出願された米国特許出願第16/258,193号に対する優先権の利益を主張するものである2019年8月16日に出願された米国特許出願第16/543,230号に対する優先権の利益を主張するとともに、2019年3月27日に出願された欧州特許出願第19165527.3号の利益を主張するものであり、これらの各々をその全体にてここに援用する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流がそれを流れるときに光を発する半導体光源である。適切な電流がLEDに与えられると、LED内で電子が電子正孔と再結合することができ、光子の形態でエネルギーを放出する。この効果はエレクトロルミネセンスと呼ばれている。発せられる光の色は、光子のエネルギーに対応し、半導体のエネルギーバンドギャップによって決定される。複数の半導体を用いること又は半導体デバイス上に波長変換材料の層を用いることによって、白色光が得られる。
【0003】
LEDドライバとも称するLED回路は、適切な電流を提供することによってLEDに電力供給するのに使用される電気回路である。この回路は、必要な輝度でLEDを点灯させるのに十分な電流を提供しなければならないが、LEDを損傷してしまうことを防止するために電流を制限しなければならない。LEDに電力供給するのに十分な電流と、損傷を防止するために電流を制限することとの間のバランスが必要である。何故なら、LEDを横切る電圧降下は、広範囲の動作電流にわたって略一定であるからである。これは、印加電圧の小さい増加が電流を大幅に増加させることを引き起こす。
【0004】
赤-緑-青(RGB)カラーチューニングスキームにおいては頻繁に、複数のLEDの組み合わせが使用される。更なるLEDの増加、及びRGBカラーチューニングの中で各LEDに電力供給することの要件は、RGB LEDの駆動スキームに更なる複雑さを加える。
【発明の概要】
【0005】
装置は、入力電流を第1電流と第2電流とに分割するように構成されたアナログ電流分割回路と、複数のスイッチを含んだマルチプレクサアレイと、を含み、周期の第1部分の間、前記第1電流をLEDの3つの色のうちの第1の色へ、及び前記第2電流をLEDの3つの色のうちの第2の色へ同時に提供し、前記周期の第2部分の間、前記第1電流をLEDの3つの色のうちの前記第2の色へ、及び前記第2電流をLEDの3つの色のうちの第3の色へ同時に提供し、且つ前記周期の第3部分の間、前記第1電流をLEDアレイの3つの色のうちの前記第1の色へ、及び前記第2電流をLEDの3つの色のうちの前記第3の色へ同時に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面とともに例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解が得られることになる。
図1A】色空間を表すCIE色度図を示している。
図1B】様々なCCT及びBBLに対するそれらの関係を説明する図を示している。
図1C】RGBチューニングのためのハイブリッド駆動回路の一回路例を示している。
図1D】アナログ回路よりも少ないPCBリソースで複雑な信号処理を扱う計算デバイス用のマイクロコントローラを示している。
図1E】赤色LED(又は赤色LEDのアレイ)が中心位置に配置された図1Cの回路のカラーチャートを示している。
図1F】緑色LED(又は緑色LEDのアレイ)が中心位置に配置された図1Cの回路のカラーチャートを示している。
図1G】青色LED(又は青色LEDのアレイ)が中心位置に配置された図1Cの回路のカラーチャートを示している。
図1H】他のハイブリッド駆動回路を示している。
図1I】赤色及び青色LED(又は赤色LEDのアレイと青色LEDのアレイ)がアナログ電流によって駆動される図1Hの回路のカラーチャートを示している。
図1J】赤色及び緑色LED(又は赤色LEDのアレイと緑色LEDのアレイ)がアナログ電流によって駆動される図1Hの回路のカラーチャートを示している。
図1K】青色及び緑色LED(又は青色LEDのアレイと緑色LEDのアレイ)がアナログ電流によって駆動される図1Hの回路のカラーチャートを示している。
図1L】他のハイブリッド駆動回路を示している。
図1M】全域カバレッジを提供する図1Lの回路のカラーチャートを示している。
図1N】RGBカラーチューニング駆動のためのハイブリッド駆動の方法を示している。
図2】一実施形態に従った集積LED照明システム用のエレクトロニクス基板の上面図である。
図3A】一実施形態における、LEDデバイス取付け領域において基板にLEDアレイが取り付けられたエレクトロニクス基板の上面図である。
図3B】回路基板の2つの表面に電子部品が取り付けられた2チャンネル集積LED照明システムの一実施形態を示す図である。
図3C】ドライバ及び制御回路とは別個のエレクトロニクス基板上にLEDアレイがあるLED照明システムの一実施形態を示す図である。
図3D】ドライバ回路とは別個のエレクトロニクス基板上に電子回路の一部とともにLEDアレイを有するLED照明システムのブロック図である。
図3E】マルチチャンネルLEDドライバ回路を示すLED照明システム例の図である。
図4】アプリケーションシステムの一例を示している。
図5A】LEDデバイスを示す図である。
図5B】複数のLEDデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を参照して、複数の異なる光照明システム及び/又は発光ダイオード(“LED”)実装の例がいっそう十分に説明される。これらの例は、相互に排他的なものではなく、更なる実装を達成するために、1つの例に見られる特徴を、1つ以上の他の例に見られる特徴と組み合わせることができる。従って、理解されることには、添付の図面に示される例は、単に例示の目的で提供されており、それらは決して本開示を限定することを意図していない。全体を通して、同様の要素は似通った符号で参照する。
【0008】
理解されることには、様々な要素を記述するために、ここでは第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、それらの要素はこれらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用され得る。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。ここで使用されるとき、用語“及び/又は”は、関連して列挙されるアイテムのうちの1つ以上のアイテムの任意の及び全ての組み合わせを含み得る。
【0009】
理解されることには、例えば層、領域、又は基板などの要素が他の要素の“上に”ある又は“上へと”延在するとして言及されるとき、それが直に他の要素の上にある又は直にその上へと延在してもよいし、あるいは、介在する要素も存在してもよい。対照的に、或る要素が他の要素の“直上に”ある又は“直に上へと”延在するとして言及されるときには、介在する要素は存在しないとし得る。これまた理解されることには、或る要素が他の要素に“接続される”又は“結合される”として言及されるとき、それは直に他の要素に接続又は結合されてもよいし、及び/又は、1つ以上の介在要素を介して他の要素に接続又は結合されてもよい。対照的に、或る要素が他の要素に“直に接続される”又は“直に結合される”として言及されるときには、その要素と他の要素との間に介在する要素は存在しない。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きの要素を包含することが意図される。
【0010】
ここでは、図に示されるときの、1つの要素、層又は領域と別の要素、層又は領域との関係を記述するために、例えば“下方”、“上方”、“上側”、“下側”、“水平”又は“鉛直”などの相対的な用語が使用されることがある。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きのデバイスを包含することが意図される。
【0011】
また、LED、LEDアレイ、電気部品、及び/又は電子部品が、1つの、2つの、又はもっと多くのエレクトロニクス基板上に置かれるかは、設計上の制約及び/又は用途にも依存し得る。
【0012】
半導体発光デバイス(LED)、又は例えば紫外線(UV)若しくは赤外線(IR)の光出力を放つデバイスなどの光出力放射デバイスは、現在利用可能な最も効率的な光源の中にある。これらのデバイスは、発光ダイオード、共振器型発光ダイオード、垂直共振器レーザダイオード、端面発光レーザ、又はこれらに類するものを含み得る。LEDは、例えば、それらの小型さ及びより低い電力要求により、数多くの様々な用途にとっての魅力的な候補であり得る。例えば、それらは、カメラ及び携帯電話などの手持ち式の電池駆動装置用の光源(例えば、フラッシュ光及びカメラフラッシュ)として使用され得る。それらはまた、例えば、自動車照明、ヘッドアップディスプレイ(HUD)照明、園芸照明、街路灯、ビデオ用のトーチ、一般照明(例えば、家庭、店舗、オフィス及びスタジオの照明、劇場/舞台の照明、及び建築照明)、拡張現実(AR)照明、仮想現実(VR)照明のために使用され、ディスプレイ用のバックライトとして使用され、また、IR分光法に使用され得る。単一のLEDでは白熱光源よりも明るくない光を提供することになり、従って、もっと明るいことが望まれる又は必要とされる用途では、マルチジャンクションデバイス又はLEDのアレイ(例えば、モノリシックLEDアレイ、マイクロLEDアレイなど)が使用され得る。
【0013】
本説明は、高い演色評価数(CRI)及び高い効率で白色を作り出して、特に、蛍光体変換カラーLEDを用いた色の混ぜ合わせに対処する、不飽和RGBカラーLEDを駆動するためのハイブリッド駆動スキームに向けられる。直接カラーLEDの順電圧は、主波長が長くなるにつれて低下する。これらのLEDが、マルチチャンネルDC/DCコンバータを用いて最良に駆動される。高い有効性及びCRIを狙う新しい蛍光体変換カラーLEDが作り出されて、相関色温度(CCT)チューニング用途のための新しい可能性をもたらす。これらの新しいカラーLEDは、不飽和の(淡い色合いの)カラーポイントを持っており、混ぜ合わせることで、広いCCTレンジにわたって90+のCRIを持つ白色を達成することができる。他のLEDは80のCRIを実現してもよく、また、70のCRIの実現も使用され得る。これらの可能性は、この潜在性を実現及び最大化するLED回路を必要とする。同時に、その制御回路は、市場での採用を容易にするためにシングルチャンネルの定電流ドライバと互換性があるものとし得る。
【0014】
一般に、LED駆動回路は、アナログアプローチ又はパルス幅変調(PWM)アプローチを用いて形成される。アナログドライバでは、全ての色が同時に駆動される。各LEDに異なる電流を提供することによって、各LEDが独立して駆動される。アナログドライバはあるカラーシフトを生じさせ、現在のところ電流を3通りにシフトさせる手法はない。アナログ駆動はしばしば、特定の色のLEDが低い電流モードに駆動されること、及びある時には非常に高い電流モードに駆動されることをもたらす。このような広いダイナミックレンジは、センシング及び制御のハードウェアに難題を課す。
【0015】
PWMでは、各色が高速に順番にオンにスイッチングされる。各色が同じ電流で駆動される。混合色は、各色のデューティサイクルを変えることによって制御される。すなわち、1つの色を別の色の2倍の長さで駆動して、混合色に付け加えることができる。人間の視覚は非常に速く変化する色を知覚することができないので、光は単一の色を持つように見える。
【0016】
例えば、第1のLEDが、特定量の時間にわたって、ある電流で駆動され、次いで、第2のLEDが、特定の時間にわたって同じ電流で駆動され、そして、第3のLEDが、特定量の時間にわたってその電流で駆動される。各色のデューティサイクルを変えることによって混合色が制御される。例えば、RGB LEDを有していて、ある特定の出力を望む場合、人間の眼の知覚に基づいて、サイクルの一部分で赤が駆動され、サイクルの別の部分で緑が駆動され、そして、サイクルの更に別の部分で青が駆動され得る。より低い電流で赤色LEDを駆動する代わりに、より短い時間だけ同じ電流で駆動する。この例は、LEDが十分に利用されずに非効率さをもたらすというPWMのマイナス面を例証するものである。
【0017】
これら2つの駆動スキームの比較を下の表1にまとめる。表1は、各駆動技術の長所と短所を例示している。示されるように、アナログ駆動は、良好なLED利用、全ての色によるピーク電流の共有、及び概して良好なLED有効性及び全体的有効性を提供する。PWMは、全てのLEDが比較的単純で効率的なコントローラによってピーク電流で駆動されるので、良好なカラーポイント予測可能性を提供する。
【表1】
【0018】
本駆動スキームは、上述のアナログアプローチ及びPWMアプローチの組み合わされた利点を達成するハイブリッドスキームを含む。そのハイブリッドシステムは、PWMタイムスライシングに重ねるよう、2つの色のセットを仮想的なLEDとして扱いながら入力電流をその都度2つの色の間で分割する。この駆動スキームは、良好な色予測可能性を保持しながら、同数のLEDを用いて、アナログ駆動と同レベルの全体的有効性を達成する。ハイブリッド駆動スキームと比較して、PWM駆動スキームは、同じ有効性を達成するために50%も多くのLEDを必要とし得る。本ハイブリッド駆動スキームの利点を表1に追加して、以下の表2に提示する。ハイブリッド駆動は、含まれるPWM駆動のカラーポイント予測可能性及びコントローラの複雑さにおける利点の使用とともに、LEDの利用、電流定格、LED有効性及び全体的有効性におけるアナログ駆動の利点を捕らえる。
【表2】
【0019】
図1Aは、色空間を表すCIE色度図1を示している。色空間は三次元空間であり、すなわち、特定の均一な視覚刺激の色と明るさを規定する3つの数のセットによって色が規定される。それら3つの数は、国際照明委員会(CIE)座標X、Y、及びZ、又は例えば色相、彩度、及び輝度などの他の値とし得る。人間の眼は3つの異なるタイプの色感受性コーンを持つという事実に基づいて、眼の反応はこれらの3つの“三刺激値”の観点で最もよく説明される。
【0020】
色度図1は、輝度を無視した二次元空間に投影された色空間である。例えば、標準CIE XYZ色空間は、2つの色度座標x、yによって規定される色度空間に対応する。色度は、色の品質をその輝度にかかわらずに客観的に規定するものである。色度は、色相と彩度として規定されることが多い2つの独立したパラメータで構成される。彩度は代わりに飽和度、クロマ、強度、又は刺激純度として参照されることもある。色度図1は、人間の眼によって知覚可能な色を含んでいる。色度図1は、カラーの物体から放射される光のスペクトルパワー分布(SPD)に基づいた、そして、人間の眼に関して測定された感度曲線によって係数化された、パラメータを用いている。いずれの色も、2つの色座標x及びyの観点から正確に表され得る。所与の三原色のセット、すなわち、青、緑、及び赤の所与のセットを組み合わせることによって一致され得る色が、これら3つの色の座標、すなわち、赤座標3、緑座標4、及び青座標5を結ぶ三角形2によって色度図上に表される。三角形2は色域を表す。
【0021】
色度図1は、プランク軌跡すなわち黒体軌跡(BBL)6を含んでいる。BBL6は、黒体の温度が変化するにつれて白熱黒体の色が特定の色度空間内で辿る経路又は軌跡である。それは、低温での深い赤色から橙色、黄色がかった白色、白色を通って、最終的に非常に高温での青みを帯びた白色となる。一般的に言えば、人間の眼は、BBL6からあまり離れていない白色カラーポイントを好む。BBL6よりも上のカラーポイントは過度に緑に見え、それよりも下のカラーポイントは過度に桃色に見えることになる。
【0022】
図1Bは、様々なCCT及びBBL6に対するそれらの関係を説明する図10を示している。三原色(R、G、B)を用い、2つの色を同時に駆動すると、本駆動スキームの色域2.1を生み出す3つの仮想カラーポイント(R-G、R-B、G-B)が作り出される。この新たな色域2.1は、古い色域2よりも小さい。2700Kと4000Kとの間で、色のラインが3STEP以内でBBL6の下を走っている。この逸脱は、温かいCCTに対してBBL6より僅かに下で人間が見る好みの範囲内である。当業者によって理解されるように、関心あるチューナブル帯域を色域2.1が完全に取り囲むように原色カラーポイントが調整され得る。電流が2つの色の間で分割されることを強いることにより、効率と利用性が向上される。
【0023】
図1Cは、RGBチューニングのためのハイブリッド駆動回路の一回路例20を示している。回路20は、電圧レギュレータ24に電気的に接続され、一緒になって安定化電流loを生成するLEDドライバ25と、アナログ電流分割回路21、マルチプレクサアレイ22、及びLEDアレイ23とを含んでいる。
【0024】
LEDアレイ23は、ハイブリッド駆動回路を用いてチューニングされるように設計された、1つ又は複数の第1色(カラー1)のLED26と、1つ又は複数の第2色(カラー2)のLED27と、1つ又は複数の第3色(カラー3)のLED28とを含み得る。回路20の一実施形態において、カラー1は緑であり、カラー2は赤であり、カラー3は青であるが、カラー1、カラー1、及びカラー3には任意の色のセットが使用され得る。理解されるように、特定のチャンネルへの色を割り当ては単に設計上の選択であり、他の設計も企図され得るが、本説明は、ここに記載されるハイブリッド駆動回路の完全な理解を提供するために、カラー1 LED26、カラー2 LED27、及びカラー3 LED28を使用するとともに、カラー1が緑として説明され、カラー2が赤として説明され、カラー3が青として説明される実施形態を記述するとし得る。
【0025】
回路20は、入力電流Iを2つの電流I、Iへと分割するアナログ電流分割回路21を含む。このようなアナログ電流分割回路21は、AN ARBITRARY-RATIO ANALOG CURRENT DIVISION CIRCUITと題された米国特許出願第16/145,053号に記載されており、その出願を、あたかもそれがその全体にて記載されているかのようにここに援用する。アナログ電流分割回路21は、2つの色の各々に等しい電流を提供する駆動回路の形態をとり得る。アナログ電流分割回路21は、各色における駆動電流の正確な制御を可能にしながら、異なる色のLED間の順電圧の不一致に対処し得る。あるいは、アナログ電流分割回路21は、電流の不等分な分割を可能にしてもよく、それは、双方のストリングを単にオンにスイッチングすることによってでは達成することができないものである。理解されるように、本発明の精神から逸脱することなく、他のアナログ電流分割回路も利用され得る。アナログ電流分割回路21は、ここに記載されるハイブリッド駆動回路を完全な理解のための例示的な分割器として提供されている。
【0026】
アナログ電流分割回路21は、LEDドライバ25及びLEDアレイ23と共に動作するようにプリント回路基板(PCB)上にマウントされ得る。LEDドライバ25は、当該技術分野で知られる従来からのLEDドライバとし得る。アナログ電流分割回路21は、LEDドライバ25が、2つ以上のLEDアレイ23を利用する用途に使用されることを可能にし得る。
【0027】
アナログ電流分割回路21の各電流チャンネルは、センス抵抗を含み得る。例えば、2つの電流チャンネルを有する一実施形態において、アナログ電流分割回路21は、Vsense1にある第1電流チャンネル31の第1電圧を検知する第1センス抵抗(Rs1)29と、Vsense2にある第2電流チャンネル32の第2電圧を検知する第2センス抵抗(Rs2)30とを含む。Vsense1にある電圧は、第1センス抵抗(Rs1)29を流れる電流を表し、Vsense2にある電圧は、第2センス抵抗(Rs2)30を流れる電流を表す。
【0028】
アナログ電流分割回路21は計算デバイス37を含んでいる。計算デバイス37は、第1検知電圧Vsense1と第2検知電圧Vsense2とを比較して設定電圧Vsetを決定するように構成される。第1検知電圧Vsense1が第2検知電圧Vsense2より低い場合、計算デバイス37はVsetを高めるように構成される。第1検知電圧Vsense1が第2検知電圧Vsense2より高い場合、計算デバイス37は設定電圧Vsetを低くするように構成される。
【0029】
具体的には、計算デバイス37は、演算増幅器(オペアンプ)38、設定電圧Vsetの位置とグランドとの間のキャパシタ39、及びキャパシタ39に対して並列の抵抗41を含み得る。第1検知電圧Vsense1及び第2検知電圧Vsense2がオペアンプ38に送られる。計算デバイス37は、第1検知電圧Vsense1を第2検知電圧Vsense2から差し引くことによって、第1検知電圧Vsense1を第2検知電圧Vsense2と比較するように構成され得る。オペアンプ38が調整されたものであるときに、第1検知電圧Vsense1が第2検知電圧Vsense2より低いとき、計算デバイス37は、第1検知電圧Vsense1と第2検知電圧Vsense2との差を充電電流に変換し、キャパシタ39を充電して設定電圧Vsetを上昇させるように構成され得る。第1検知電圧Vsense1が第2検知電圧Vsense2より高いとき、計算デバイス37は、第1検知電圧Vsense1と第2検知電圧Vsense2との差を放電電流に変換し、設定電圧Vsetを低下させるように構成され得る。
【0030】
従って、第1検知電圧Vsense1が第2検知電圧Vsense2より高い場合、計算デバイス37は設定電圧Vsetを低下させることができ、それが代わって、第1電流チャンネル31に電力を供給する第1ゲート電圧Vgate1を低下させる。言い換えると、オペアンプ38が調整されたものであるとき、第1検知電圧Vsense1は第2検知電圧Vsense2に略等しい。従って、定常状態の間、第2電流チャンネル32の電流に対する第1電流チャンネル31の電流の比は、第1センス抵抗Rs1の値に対する第2センス抵抗Rs2の値に等しく、次式が満たされる:
I_Rs1=V_set/R_s1 式1
I_Rs2=V_set/R_s2 式2
【0031】
従って、第1センス抵抗Rs1の値が第2センス抵抗Rs2の値に等しい場合、第1抵抗を流れる電流I_Rs1は、第2抵抗を流れる電流I_Rs2に等しく、電流分割回路21は、例えば電源電圧生成などの補助回路によって引き出される電流が無視できると仮定して、電流を二等分に分割する。なお、当業者によって理解されるように、図1Cに示した計算デバイス37は数多くの可能な実装のうちの1つである。
【0032】
設定電圧Vsetは、第1オペアンプ33で実装され得るものである電圧制御式電流源に送られ得る。第1オペアンプ33は第1ゲート電圧Vgate1を提供し得る。第1ゲート電圧Vgate1は、駆動電流Iを提供するのに使用される第1トランジスタ34に入力され得る。第1トランジスタ34は、従来からの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)とし得る。第1トランジスタ34はnチャネルMOSFETとし得る。
【0033】
第2トランジスタ35が駆動電流Iを提供し得る。第2トランジスタ35は、従来からのMOSFETとし得る。第2トランジスタ35はnチャネルMOSFETとし得る。第2トランジスタは、第1電流チャンネル31が調整されたものであるときにのみオンにスイッチングされ得る。第2ゲート電圧Vgate2が第2トランジスタ35にかかり得る。
【0034】
第2ゲート電圧Vgate2は、シャントレギュレータ36のREF入力に供給され得る。一実施形態において、シャントレギュレータ36は、2.5Vの内部基準電圧を持つ。REFノードに与えられる電圧が2.5Vよりも高いとき、シャントレギュレータ36は大電流をシンクすることができる。REFノードに与えられる電圧が2.5Vよりも低いとき、シャントレギュレータ36は非常に小さい静止電流をシンクするのみであることができる。
【0035】
大きいシンク電流は、第2トランジスタ35のゲート電圧をその閾値より低いレベルまで引き下げることができ、それが第2トランジスタ35をオフにスイッチングさせ得る。シャントレギュレータ36はカソードをREFノードの下のダイオードの順電圧(Vf)よりも引っ張ることはできないとすることができる。従って、第2トランジスタ35は、2.5Vよりも高い閾値電圧を持ち得る。あるいは、例えば1.24Vなど、より低い内部基準電圧を有するシャントレギュレータが使用されてもよい。
【0036】
回路20は、3つのLED26、27、28のうちの2つを、アナログ電流分割回路21で作り出される2つの電流源I、Iに電気的に接続するマルチプレクサアレイ22を含んでいる。マルチプレクサアレイ22は、回路20内に示すように、スイッチとしても参照する4つのMOSFET S1(11)、S2(12)、S3(13)、S4(14)を含み得る。マルチプレクサアレイ22は、都度、I及びIをLEDアレイ23の複数のカラーのうちの2つに導く。下の表が示すように、MOSFET S1 11及びMOSFET S4 14の制御は、MOSFET S2 12及びMOSFET S3 13が当該MOSFET S1 11及びMOSFET S4 14の反転値(すなわち、S2=反転したS1、且つS3=反転したS4)であるようにされる必要がある。次式が規定される:
s1*I=Rs2*I 式3
=1+I 式4
【0037】
動作について、このハイブリッド駆動スキームは、アナログ電流分割回路21を利用して、LEDアレイ23の2つの色を同時に駆動し、そして、LEDアレイ23の第3の色とのPWMタイムスライシングをかける。カラー1が緑、カラー2が赤、そしてカラー3が青である実施形態についてのアレイ23内のLEDの利用を表3に示す。
【表3】
【0038】
2つの色を同時に駆動する際、仮想カラーポイントが作り出される。電流I1とI2との間の比は予め定められ得る(すなわち、効率を最大化するために1:1である又は僅かに異なるとし得るが、任意の比が使用され得る)。LEDアレイ23の3つの色を用いて、3つの仮想カラーポイント(R-G、R-B、G-B)を、ある原色R/G/B(混ぜ合わせのための4番目のカラーポイント)に加えて、作り出すことができる。それら3つの仮想カラーポイント(R-G、R-B、G-B)によって形成される三角形が、この新しい駆動スキームの色域を画成する。
【0039】
表4は、3チャンネルLED駆動向けのハイブリッド駆動スキームの動作のタイミングシーケンスをまとめている。当業者によって理解されるように、色の具体的な順序は必ずしも重要なわけではない。ハイブリッド駆動スキームの実装にて、PWMロジック実装の複雑さを最小化するようにして複数のカラーペア(color duplets)が構成又は構成変更され得る。サンプルのタイミングシーケンスを提供するために、表4を以下に示す。サブインターバルT1の間、赤-緑のカラーペアが電力供給され得る。サブインターバルT2の間、緑-青のカラーペアが電力供給され得る。サブインターバルT3の間、赤-青のカラーペアが電力供給され得る。サブインターバルT1、T2及びT3の合計が組み合わさって、スイッチング周期Tを実質的にカバーする。
【表4】
【0040】
図1Dは、上述のアナログ回路よりも少ないPCBリソースで複雑な信号処理を扱うために計算デバイス37に利用され得るマイクロコントローラ40を示している。マイクロコントローラ40は、入力信号と、S1及びS4の動作を扱う。マイクロコントローラ40は、入力15においてVSENSE1を検知することによって入力電流の絶対値をモニタし得るとともに、NTC17で基板温度をモニタし得る。入力15でのVSENSE1とNTC17との、これらの2つの読み取り値を、駆動電流及び温度によるカラーシフトを補償するために使用することができる。0-10Vは、制御入力16を表している。マイクロコントローラ40がCCTチューニングカーブにマッピングされ得る。マイクロコントローラ40は、入力命令をマルチプレクサアレイ22の動作に変換する。具体的には、マイクロコントローラ40は、スイッチS1を制御するための第1出力信号11と、スイッチS4を制御するための第2出力信号14とを提供し得る。
【0041】
図1Eは、赤色LED(又は赤色LEDのアレイ)が中心位置に配置された回路20のカラーチャート42を示している。カラーチャート42は、図1Bのカラーチャートに重ねられる。カラーチャート42は、2700Kから6000Kの回路20におけるRB-RG-BGの使用からの到達可能な色域43(図1Bからの色域2.1に一致する)と、2500K以下の回路20におけるRG-RB-Rの使用からの色域44とを描いている。色域43は、高い効率で提供され得る。色域44は、低下した効率で提供され得る。回路20からの色域43と色域44との組み合わせが、図1Aに関して上述した色域2に近いものとなる。色域43と色域44との組み合わせは、色域2の全てを完全にはカバーしないが、色域43と色域44との組み合わせは数多くの用途で十分であることができ、ハイブリッド回路20によって達成される効率向上に対する妥当なトレードオフであるとし得る。
【0042】
図1Fは、緑色LED(又は緑色LEDのアレイ)が中心位置に配置された回路20のカラーチャート45を示している。カラーチャート45は、図1Bのカラーチャートに重ねられる。カラーチャート45は、2700Kから6000Kの回路20におけるRB-RG-BGの使用からの到達可能な色域43(図1Bからの色域2.1に一致する)と、BBLよりも上の回路20におけるRG-GB-Gの使用からの色域46とを描いている。色域43は、高い効率で提供され得る。色域46は、低下した効率で提供され得る。回路20からの色域43と色域46との組み合わせが、図1Aに関して上述した色域2に近いものとなる。色域43と色域46との組み合わせは、色域2の全てを完全にはカバーしないが、色域43と色域46との組み合わせは数多くの用途で十分であることができ、ハイブリッド回路20によって達成される効率向上に対する妥当なトレードオフであるとし得る。
【0043】
図1Gは、青色LED(又は青色LEDのアレイ)が中心位置に配置された回路20のカラーチャート47を示している。カラーチャート47は、図1Bのカラーチャートに重ねられる。カラーチャート47は、2700Kから6000Kの回路20におけるRB-RG-BGの使用からの到達可能な色域43(図1Bからの色域2.1に一致する)と、6500Kを超える回路20におけるGB-RB-Bの使用からの色域48とを描いている。色域43は、高い効率で提供され得る。色域48は、低下した効率で提供され得る。回路20からの色域43と色域48との組み合わせが、図1Aに関して上述した色域2に近いものとなる。色域43と色域48との組み合わせは、色域2の全てを完全にはカバーしないが、色域43と色域48との組み合わせは数多くの用途で十分であることができ、ハイブリッド回路20によって達成される効率向上に対する妥当なトレードオフであるとし得る。
【0044】
図1E、1F、1Gから明らかなことには、単に回路20の中心に配置されるLEDを変えることによって、色域2の全ての部分が到達され得る。LEDの各構成で、色域2.1が、色域2のうちの更なる部分を加えてカバーされる。このようなカバレッジは、数多くの用途で十分であることができ、効率向上に対するトレードオフであるとし得る。
【0045】
図1Hは、他のハイブリッド駆動回路50を示している。回路50は、回路20からの増大された色域を提供し得る。回路50は、ここで図1Cに関して上述したような、アナログ電流分割回路21、LEDアレイ23、電圧レギュレータ24、及びLEDドライバ25を含んでいる。図1Cにおいてのように、LEDアレイ23は、ハイブリッド駆動回路を用いてチューニングされるように設計された、1つ又は複数のカラー1のLED26と、1つ又は複数のカラー2のLED27と、1つ又は複数のカラー3のLED28とを含み得る。回路50ではマルチプレクサアレイ52が使用される。回路50の一実施形態において、カラー1は緑であり、カラー2は赤であり、カラー3は青であるが、カラー1、カラー1、及びカラー3には任意の色のセットが使用され得る。理解されるように、特定のチャンネルへの色を割り当ては単に設計上の選択であり、他の設計も企図され得るが、本説明は、ここに記載されるハイブリッド駆動回路の完全な理解を提供するために、カラー1 LED26、カラー2 LED27、及びカラー3 LED28を使用するとともに、カラー1が緑として説明され、カラー2が赤として説明され、カラー3が青として説明される実施形態を記述するとし得る。
【0046】
マルチプレクサアレイ52は、3つのLED26、27、28のうちの2つを、アナログ電流分割回路21で作り出される2つの電流源I、Iに電気的に接続する。マルチプレクサアレイ52は、回路50内に示すように、スイッチとしても参照する5つのMOSFET S1(51)、S2(53)、S3(54)、S4(56)、S5(57)を含み得る。マルチプレクサアレイ52は、都度、I及びIをLEDアレイ23の複数のカラーのうちの2つに導く。MOSFET S1 51、MOSFET S4 56、及びXの制御は、MOSFET S2 53及びMOSFET S3 54が当該MOSFET S1 51及びMOSFET S4 56の反転値であり且つMOSFET S5 57がMOSFET S1 51とMOSFET S2 53との組み合わせの反転であるようにされる必要がある。具体的には、
【数1】
である。
【0047】
表5は、回路50によって提供される取り得る組み合わせを示している。カラー1が緑、カラー2が赤、そしてカラー3が青である実施形態についてのアレイ23内のLEDの利用を表5に示す。
【表5】
【0048】
図1Iは、赤色及び青色LED(又は赤色LEDのアレイと青色LEDのアレイ)がアナログ電流によって駆動される回路50のカラーチャート55を示している。カラーチャート55は、図1Bのカラーチャートに重ねられる。カラーチャート55は、到達可能な色域43(図1Bからの色域2.1に一致する)、色域44、及び色域48を描いている。色域43は、高い効率で提供され得る。色域44、48は、低下した効率で提供され得る。回路50からの色域43、44、48の組み合わせが、図1Aに関して上述した色域2に近いものとなる。色域43、44、48の組み合わせは、色域2の全てを完全にはカバーしないが、色域43、44、48の組み合わせは数多くの用途で十分であることができ、ハイブリッド回路50によって達成される効率向上に対する妥当なトレードオフであるとし得る。
【0049】
図1Jは、赤色及び緑色LED(又は赤色LEDのアレイと緑色LEDのアレイ)がアナログ電流によって駆動される回路50のカラーチャート60を示している。カラーチャート60は、図1Bのカラーチャートに重ねられる。カラーチャート60は、到達可能な色域43(図1Bからの色域2.1に一致する)、色域44、及び色域46を描いている。色域43は、高い効率で提供され得る。色域44、46は、低下した効率で提供され得る。回路50からの色域43、44、46の組み合わせが、図1Aに関して上述した色域2に近いものとなる。色域43、44、46の組み合わせは、色域2の全てを完全にはカバーしないが、色域43、44、46の組み合わせは数多くの用途で十分であることができ、ハイブリッド回路50によって達成される効率向上に対する妥当なトレードオフであるとし得る。
【0050】
図1Kは、青色及び緑色LED(又は青色LEDのアレイと緑色LEDのアレイ)がアナログ電流によって駆動される回路50のカラーチャート65を示している。カラーチャート65は、図1Bのカラーチャートに重ねられる。カラーチャート65は、到達可能な色域43(図1Bからの色域2.1に一致する)、色域46、及び色域46を描いている。色域43は、高い効率で提供され得る。色域46、48は、低下した効率で提供され得る。回路50からの色域43、46、48の組み合わせが、図1Aに関して上述した色域2に近いものとなる。色域43、46、48の組み合わせは、色域2の全てを完全にはカバーしないが、色域43、46、48の組み合わせは数多くの用途で十分であることができ、ハイブリッド回路50によって達成される効率向上に対する妥当なトレードオフであるとし得る。
【0051】
図1Lは、他のハイブリッド駆動回路70を示している。回路70は、回路20、50からの増大された色域を提供し得る。回路70は、ここで図1Cに関して上述したような、アナログ電流分割回路21、LEDアレイ23、電圧レギュレータ24、及びLEDドライバ25を含んでいる。図1Cにおいてのように、LEDアレイ23は、ハイブリッド駆動回路を用いてチューニングされるように設計された、1つ又は複数のカラー1のLED26と、1つ又は複数のカラー2のLED27と、1つ又は複数のカラー3のLED28とを含み得る。回路70ではマルチプレクサアレイ72が使用される。回路70の一実施形態において、カラー1は緑であり、カラー2は赤であり、カラー3は青であるが、カラー1、カラー1、及びカラー3には任意の色のセットが使用され得る。理解されるように、特定のチャンネルへの色を割り当ては単に設計上の選択であり、他の設計も企図され得るが、本説明は、ここに記載されるハイブリッド駆動回路の完全な理解を提供するために、カラー1 LED26、カラー2 LED27、及びカラー3 LED28を使用するとともに、カラー1が緑として説明され、カラー2が赤として説明され、カラー3が青として説明される実施形態を記述するとし得る。
【0052】
マルチプレクサアレイ72は、3つのLED26、27、28のうちの2つを、アナログ電流分割回路21で作り出される2つの電流源I、Iに電気的に接続する。マルチプレクサアレイ72は、回路70内に示すように、スイッチとしても参照する6つのMOSFET S1、S2、S3、S4、S5、S6を含み得る。マルチプレクサアレイ72は、都度、I及びIをLEDアレイ23の複数のカラーのうちの2つに導く。MOSFET S1、MOSFET S4、及びX、Xの制御は、MOSFET S2及びMOSFET S3が当該MOSFET S1及びMOSFET S4の反転値であり且つMOSFET S4及びMOSFET S6がMOSFET S4とMOSFET S5との組み合わせの反転であるようにされる必要がある。具体的には、
【数2】
である。
【0053】
表6は、回路70によって提供される取り得る組み合わせを示している。カラー1が緑、カラー2が赤、そしてカラー3が青である実施形態についてのアレイ23内のLEDの利用を表6に示す。
【表6】
【0054】
I1とI2との間の同じ色を交番させることにより、例えばチョッピングなどにより、I1とI2との間の如何なる不一致も平均化されて除かれ得る。
【0055】
図1Mは、色域2のフルカバレッジを提供する回路70に関するカラーチャート75を示している。カラーチャート75は、図1Bのカラーチャートに重ねられる。カラーチャート75は、図1Aに関して上述した色域に一致する完全な到達可能色域43、44、46、48を描いている。
【0056】
図1Nは、RGBカラーチューニング駆動のためのハイブリッド駆動の方法80を示している。方法80は、ここに記載されるような1/2色域、3/4色域、及びフル色域の出力を生成するために、回路20、回路50、又は回路70と共に使用され得る。方法80は、ステップ82にて、アナログ電流分割回路により、入力電流を第1電流と第2電流とに分割する。ステップ84にて、方法80は、マルチプレクサアレイにより、周期の第1部分の間、第1電流をLEDの3つの色のうちの第1の色に、及び第2電流をLEDの3つの色のうちの第2の色に同時に提供する。ステップ86にて、方法80は、マルチプレクサアレイにより、周期の第2部分の間、第1電流をLEDの3つの色のうちの第2の色に、及び第2電流をLEDの3つの色のうちの第3の色に同時に提供する。ステップ88にて、方法80は、マルチプレクサアレイにより、周期の第3部分の間、第1電流をLEDの3つの色のうちの第1の色に、及び第2電流をLEDの3つの色のうちの第3の色に同時に提供する。方法80においては、第1電流及び第2電流をLEDの異なるペアにつなぐことが、LEDの3つの色のうちの第3の色に対する駆動が提供するためのパルス幅変調(PWM)タイムスライシングを用いて行われ得る。方法80において、PWMは、LEDの3つの色のうちの第1の色とLEDの3つの色のうちの第2の色との組み合わせと、LEDの3つの色のうちの第3の色との間で、実質的に等しくされてもよいし、あるいはLEDの所望の駆動特性に異なるようにされてもよい。
【0057】
図2は、一実施形態に従った集積LED照明システム用のエレクトロニクス基板310の上面図である。代わりの実施形態において、2つ以上のエレクトロニクス基板がLED照明システムに使用されてもよい。例えば、LEDアレイが別個のエレクトロニクス基板上にあってもよいし、あるいはセンサモジュールが別個のエレクトロニクス基板上にあってもよい。図示した例において、エレクトロニクス基板310は、電力モジュール312と、センサモジュール314と、接続及び制御モジュール316と、基板320へのLEDアレイの取り付けのためにとっておかれたLED取付け領域318とを含んでいる。
【0058】
基板320は、例えばトラック、トレース、パッド、ビア、及び/又はワイヤなどの導電コネクタを用いて電気部品、電子部品、及び/又は電子モジュールを機械的に支持するとともにそれらへの電気的結合を提供することが可能な任意のボードとし得る。基板320は、例えば誘電体複合材料などの非導電性材料の1つ以上の層の間又は上に配置された1つ以上のメタライゼーション層を含み得る。電力モジュール312は、電気素子及び/又は電子素子を含み得る。一実施形態例において、電力モジュール312は、AC/DC変換回路、DC/DC変換回路、調光回路、及びLEDドライバ回路を含む。回路20、50、70のうちの1つが、電力モジュール312の中に含められ得る。
【0059】
センサモジュール314は、LEDアレイが実装される用途に必要なセンサを含み得る。センサの例は、光学センサ(例えば、IRセンサ及びイメージセンサ)、モーションセンサ、熱センサ、機械センサ、近接センサ、又はタイマでさえも含み得る。一例として、街路灯、一般照明、園芸照明用途におけるLEDが、例えば検出されたユーザの存在、検出された周囲照明条件、検出された気象条件などの幾つかの異なるセンサ入力に基づいて、あるいは昼/夜の時間に基づいて、ターンオフ/オン及び/又は調節され得る。これは、例えば、光出力の強度、光出力の形状、光出力の色を調節すること、及び/又はエネルギーを節約するためにライトを点灯若しくは消灯することを含み得る。AR/VR用途では、ユーザの動きを検出するためにモーションセンサが使用され得る。モーションセンサ自体が、例えばIR検出器LEDなどのLEDであってもよい。他の一例として、カメラフラッシュ用途では、イメージセンサ及び/又は他の光センサ若しくはピクセルを用いて、キャプチャされるシーンの照明を測定することができ、それにより、フラッシュ照明の色、強度照明パターン、及び/又は形状を最適に較正し得る。代わりの実施形態では、エレクトロニクス基板310はセンサモジュールを含まない。
【0060】
接続及び制御モジュール316は、システムマイクロコントローラと、外部装置から制御入力を受け取るように構成された何らかのタイプの有線又は無線モジュールとを含み得る。例として、無線モジュールは、bluetooth(登録商標)、Zigbee、Zウェイブ、メッシュ、WiFi、近距離無線通信(NFC)を含むことができ、及び/又はピアツーピアモジュールが使用されてもよい。マイクロコントローラは、LED照明システムに組み込まれ且つLEDシステム内の有線若しくは無線モジュール又は他のモジュールから入力(例えばセンサデータ及びLEDモジュールからフィードバックされるデータなど)を受け取ってそれに基づいて他のモジュールへの制御信号を提供するように構成された又は構成可能な任意のタイプの専用コンピュータ又はプロセッサとし得る。特殊目的のプロセッサによって実装されるアルゴリズムが、特殊目的のプロセッサによる実行のために非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにて実装されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体の例は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、及び半導体メモリデバイスを含む。メモリは、マイクロコントローラの一部として含められてもよいし、あるいは別の場所に、エレクトロニクス基板310上で又はそれから離してのいずれかで実装されてもよい。回路20、50、70のうちの1つが、接続及び制御モジュール316の中に含められてもよい。
【0061】
モジュールという用語は、ここで使用されるとき、1つ以上のエレクトロニクス基板310に半田付けされ得る個々の回路基板上に配置された電気部品及び/又は電子部品を指し得る。しかしながら、モジュールという用語はまた、同様の機能を提供するが、同一の領域内又は複数の異なる領域内で1つ以上の回路基板に個別に半田付けされ得る電気部品及び/又は電子部品を指すこともある。
【0062】
図3Aは、一実施形態における、LEDデバイス取付け領域318において基板320にLEDアレイ410が取り付けられたエレクトロニクス基板310の上面図である。エレクトロニクス基板310はLEDアレイ410と共にLED照明システム400Aを表す。また、電力モジュール312が、Vin497で電圧入力を受け取り、トレース418B上で接続及び制御モジュール316からの制御信号を受け取り、トレース418A上でLEDアレイ410に駆動信号を提供する。LEDアレイ410は、電力モジュール312からの駆動信号によってターンオン及びターンオフされる。図3Aに示す実施形態において、接続及び制御モジュール316は、トレース418C上でセンサモジュール314からのセンサ信号を受信する。回路20、50、70のうちの1つ以上が、電力モジュール312及び/又は接続及び制御モジュール316の中に含められ得る。
【0063】
図3Bは、回路基板499の2つの表面に電子部品が取り付けられた2チャンネル集積LED照明システムの一実施形態を示している。図3Bに示すように、LED照明システム400Bは、調光器信号及びAC電力信号を受信するための入力を有する第1の表面445Aを含み、その上にAC/DCコンバータ回路412が取り付けられている。LEDシステム400Bは第2の表面445Bを含み、その上に、調光器インタフェース回路415、DC-DCコンバータ回路440A及び440B、マイクロコントローラ472を有する接続及び制御モジュール416(この例では無線モジュール)、及びLEDアレイ410が取り付けられている。LEDアレイ410は、2つの独立したチャンネル411A及び411Bによって駆動される。代わりの実施形態では、単一チャンネルを使用してLEDアレイに駆動信号を提供してもよく、あるいは、任意数の複数のチャンネルを使用してLEDアレイに駆動信号を提供してもよい。例えば、図3Eは、3つのチャンネルを持つLED照明システム400Eを例示しており、更に詳細に後述する。
【0064】
LEDアレイ410は、2つのグループのLEDデバイスを含み得る。一実施形態例において、グループAのLEDデバイスは第1のチャンネル411Aに電気的に結合され、グループBのLEDデバイスは第2のチャンネル411Bに電気的に結合される。2つのDC-DCコンバータ回路440A及び440Bの各々が、それぞれLEDアレイ410内のグループAのLED及びグループBのLEDを駆動するために、単一のチャンネル411A及び411Bを介して、それぞれの駆動電流を提供し得る。これらのLEDグループのうちの1つグループのLEDは、第2のLEDグループのLEDとは異なるカラーポイントを持つ光を放つように構成され得る。それぞれ単一のチャンネル411A及び411Bを介して個々のDC/DCコンバータ回路440A及び440Bによって与えられる電流及び/又はデューティサイクルを制御することによって、LEDアレイ410によって放たれる光の合成カラーポイントの制御が、ある範囲内で調整され得る。図3Bに示す実施形態は(図2及び図3Aに記載した)センサモジュールを含んでいないが、代わりの一実施形態はセンサモジュールを含み得る。
【0065】
図示したLED照明システム400Bは、LEDアレイ410と、LEDアレイ410を動作させるための回路とが単一のエレクトロニクス基板上に設けられた集積システムである。回路基板499の同じ表面上のモジュール間の接続は、モジュール間で例えば電圧、電流、及び制御信号を交換するために、例えばトレース431、432、433、434、及び435などの表面上若しくは表面下の相互接続又はメタライゼーション(図示せず)によって、電気的に結合され得る。回路基板499の反対側の表面上のモジュール間の接続は、例えばビア及びメタライゼーション(図示せず)などの基板貫通相互接続によって電気的に結合され得る。
【0066】
図3Cは、ドライバ及び制御回路とは別個のエレクトロニクス基板上にLEDアレイがあるLED照明システムの一実施形態を示している。LED照明システム400Cは、LEDモジュール490とは別個のエレクトロニクス基板上にある電力モジュール452を含んでいる。回路20、50、70のうちの1つが電力モジュール452の中に含められ得る。電力モジュール452は、第1のエレクトロニクス基板上に、AC/DCコンバータ回路412、センサモジュール414、接続及び制御モジュール416、調光器インタフェース回路415、及びDC/DCコンバータ回路440を含み得る。LEDモジュール490は、第2のエレクトロニクス基板上に、埋込LED較正及び設定データ493、及びLEDアレイ410を含み得る。電力モジュール452とLEDモジュール490との間で、これら2つのモジュールを電気的に且つ通信可能に結合し得るワイヤを介して、データ、制御信号及び/又はLEDドライバ入力信号485が交換され得る。埋込LED較正及び設定データ493は、LEDアレイ内のLEDがどのように駆動されるかを制御するための所与のLED照明システム内の他のモジュールによって必要とされる任意のデータを含み得る。一実施形態において、埋込較正及び設定データ493は、LED A及びBの各グループに、例えばパルス幅変調(PWM)信号を用いて、電力を供給するようにドライバに指示する制御信号を生成又は変更するためにマイクロコントローラによって必要とされるデータを含み得る。この例において、較正及び設定データ493は、例えば、使用される電力チャンネルの数、LEDアレイ410全体によって提供されるべき混合光の所望カラーポイント、及び/又はAC/DCコンバータ回路412によって提供される電力のうち各チャンネルに提供すべき割合に関して、マイクロコントローラ472に通知し得る。
【0067】
図3Dは、ドライバ回路とは別個のエレクトロニクス基板上に電子回路の一部とともにLEDアレイを有するLED照明システムのブロック図を示している。LEDシステム400Dは、電力変換モジュール483と、別個のエレクトロニクス基板上に位置するLEDモジュール481とを含んでいる。回路20、50、70のうちの1つが電力変換モジュール483の中に含められ得る。電力変換モジュール483は、AC/DCコンバータ回路412、調光器インタフェース回路415、及びDC-DCコンバータ回路440を含むことができ、LEDモジュール481は、埋込LED較正及び設定データ493、LEDアレイ410、センサモジュール414、並びに接続及び制御モジュール416を含むことができる。これら2つのエレクトロニクス基板間の有線接続を介して、電力変換モジュール483がLEDアレイ410にLEDドライバ入力信号485を提供し得る。
【0068】
図3Eは、マルチチャンネルLEDドライバ回路を示すLED照明システム400Eの一例の図である。図示した例において、システム400Eは、電力モジュール452と、埋込LED較正及び設定データ493並びに3つのグループのLED494A、494B及び494Cを含むLEDモジュール481とを含んでいる。図3Eには3つのグループのLEDが示されているが、当業者が認識することには、ここに記載される実施形態と一致して任意数のグループのLEDが使用され得る。また、各グループ内の個々のLEDが直列に構成されているが、それらは一部の実施形態において並列に構成され得る。
【0069】
LEDアレイ491は、相異なるカラーポイントを持つ光を提供する複数のLEDグループを含み得る。例えば、LEDアレイ491は、第1グループのLED494Aによる温白色光源と、第2グループのLED494Bによる冷白色光源と、第3グループのLED494Cによる中間白色光源とを含み得る。第1グループのLED494Aによる温白色光源は、およそ2700KのCCTを持つ白色光を提供するように構成された1つ以上のLEDを含み得る。第2グループのLED494Bによる冷白色光源は、およそ6500KのCCTを持つ白色光を提供するように構成された1つ以上のLEDを含み得る。第3グループのLED494Cによる温白色光源は、およそ4000KのCCTを持つ白色光を提供するように構成された1つ以上のLEDを含み得る。この例では様々な白色LEDが記載されているが、当業者が認識することには、LEDアレイ491から様々な全体色を持つ混合光出力を提供するよう、ここに記載される実施形態と一貫性を持って他の色の組み合わせが可能である。
【0070】
電力モジュール452は、3つの別々のチャンネル(図3Eでは、LED1+、LED2+、及びLED3+として示す)上でLEDアレイ491に電力を供給するように構成され得るものであるチューナブル光エンジン(図示せず)を含み得る。より具体的には、チューナブル光エンジンは、第1のチャンネルを介して例えば温白色光源などの第1グループのLED494Aに第1のPWM信号を供給し、第2のチャンネルを介して第2グループのLED494Bに第2のPWM信号を供給し、且つ第3のチャンネルを介して第3グループのLED494Cに第3のPWM信号を供給するように構成され得る。それぞれのチャンネルを介して供給される各信号が、対応するLED又はLEDグループに電力供給するために使用され得るとともに、信号のデューティサイクルが、各それぞれのLEDのオン及びオフ状態の全体的な持続時間を決定し得る。オン及びオフ状態の持続時間は、当該持続時間に基づく光特性(例えば、相関色温度(CCT)、カラーポイント又は輝度)を持ち得る全体での光効果をもたらし得る。動作において、チューナブル光エンジンは、第1、第2及び第3の信号のデューティサイクルの相対的な大きさを変化させることで、LEDアレイ491からの所望の発光を有する混合光を提供するよう複数のLEDグループの各々のそれぞれの光特性を調節し得る。上述のように、LEDアレイ491の光出力は、複数グループのLED494A、494B及び494Cの各々からの発光の組み合わせ(例えば、混合)に基づくカラーポイントを持ち得る。
【0071】
動作において、電力モジュール452は、ユーザ入力及び/又はセンサ入力に基づいて生成された制御入力を受け取り、そして、該制御入力に基づいて、LEDアレイ491によって出力される光の合成色を制御するための信号を個々のチャンネルを介して提供し得る。一部の実施形態において、ユーザは、例えばセンサモジュール(図示せず)の一部とし得るノブを回したりスライダを動かしたりすることによって、DC/DCコンバータ回路の制御用の入力をLEDシステムに提供し得る。加えて、あるいは代わりに、一部の実施形態において、ユーザは、所望の色の指示を無線モジュール(図示せず)に送信しるために、スマートフォン及び/又は他のエレクトロニクス装置を用いてLED照明システム4000への入力を提供し得る。
【0072】
図4は、アプリケーションプラットフォーム560、LED照明システム552及び556、並びに二次光学系554及び558を含むシステム550の一例を示している。LED照明システム552は、矢印561Aと561Bとの間に示す光ビーム561を生成する。LED照明システム556は、矢印562Aと562Bとの間の光ビーム562を生成し得る。図4に示す実施形態において、LED照明システム552から放たれた光は二次光学系554を通り抜け、LED照明システム556から放たれた光は二次光学系558を通り抜ける。代わりの実施形態では、光ビーム561及び562は如何なる二次光学系も通らない。二次光学系は、1つ以上の光ガイドである又はそれを含むことができる。該1つ以上の光ガイドは、エッジリット型であってもよいし、光ガイドの内部エッジを画成する内部開口を有していてもよい。LED照明システム552及び/又は556は、1つ以上の光ガイドの内部開口に挿入されて1つ以上の光ガイドの内部エッジ(内部開口型の光ガイド)に光を注入することができ、あるいは、外部エッジ(エッジリット型の光ガイド)に光を注入することができる。LED照明システム552及び/又は556内のLEDは、光ガイドの一部であるベースの周囲を囲んで配置されてもよい。一実装によれば、ベースは熱伝導性とし得る。一実装によれば、ベースは、光ガイドの上に配置された放熱素子に結合され得る。放熱素子は、LEDによって生成された熱を熱伝導性のベースを介して受け取り、受け取った熱を放散するように構成され得る。上記1つ以上の光ガイドは、LED照明システム552及び556によって放たれた光が、例えば勾配、面取り分布、狭い分布、広い分布、角度分布、又はこれらに類するものなどで、所望のように整形されることを可能にし得る。
【0073】
実施形態例において、システム550は、携帯電話のカメラフラッシュシステム、屋内住宅又は商業照明、街路灯などの屋外照明、自動車、医療装置、AR/VR装置、及びロボット装置とし得る。図3Aに示した集積LED照明システム400A、図3Bに示した集積LED照明システム400B、図3Cに示したLED照明システム400C、及び図3Dに示したLED照明システム400Dは、実施形態例におけるLED照明システム552及び556を例示するものである。
【0074】
実施形態例において、システム550は、携帯電話のカメラフラッシュシステム、屋内住宅又は商業照明、街路灯などの屋外照明、自動車、医療装置、AR/VR装置、及びロボット装置とし得る。図3Aに示した集積LED照明システム400A、図3Bに示した集積LED照明システム400B、図3Cに示したLED照明システム400C、及び図3Dに示したLED照明システム400Dは、実施形態例におけるLED照明システム552及び556を例示するものである。
【0075】
アプリケーションプラットフォーム560は、ここで説明するように、ライン565又は他の適用可能な入力を介する電力バスを介して、LED照明システム552及び/又は556に電力を供給し得る。さらに、アプリケーションプラットフォーム560は、LED照明システム552及びLED照明システム556の動作のために、ライン565を介して入力信号を提供することができ、この入力は、ユーザ入力/嗜好、センシングされた読み取り、予めプログラムされるか自律的に決定されるかした出力、又はこれらに類するものに基づき得る。1つ以上のセンサは、アプリケーションプラットフォーム560のハウジングの内部にあってもよいし、外部にあってもよい。
【0076】
様々な実施形態において、アプリケーションプラットフォーム560のセンサ、及び/又はLED照明システム552及び/又は556のセンサが、例えば視覚データ(例えば、LIDARデータ、IRデータ、カメラを介して収集されたデータなど)、音声データ、距離ベースのデータ、移動データ、環境データなど、若しくはこれらに類するもの、又はこれらの組み合わせなどの、データを収集し得る。該データは、例えば物体、個人、車両などの物理的なアイテム又はエンティティと関係し得る。例えば、ADAS/AVベースのアプリケーション用に物体近接データをセンシング装置が収集することができ、それが、物理的なアイテム又はエンティティの検出に基づいて、検出及びその後の動作を優先させることができる。データは、例えばIR信号などの光信号を例えばLED照明システム552及び/又は556によって放射し、そして、放射された光信号に基づくデータを収集することに基づいて収集され得る。データは、データ収集のために光信号を放射するコンポーネントとは異なるコンポーネントによって収集されてもよい。この例を続けるに、自動車上にセンシング装置を配置することができ、それが、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を用いてビームを放射し得る。1つ以上のセンサが、放射されたビームに対する応答又は他の適用可能な入力をセンシングし得る。
【0077】
実施形態例において、アプリケーションプラットフォーム560は自動車を表すことができ、LED照明システム552及びLED照明システム556は自動車ヘッドライトを表すことができる。様々な実施形態において、システム550は、複数のLEDを選択的に起動して操縦可能な光を提供するというステアラブルライトビームを備えた自動車を表し得る。例えば、LEDのアレイを用いて、形状又はパターンを画成又は投影したり、道路の選択された部分のみを照らしたりすることができる。一実施形態例において、LED照明システム552及び/又は556内の赤外線カメラ又は検出器ピクセルは、照明を必要とするシーンの部分(道路、横断歩道など)を識別するセンサとし得る。
【0078】
図5Aは、一実施形態例におけるLEDデバイス200の図である。LEDデバイス200は、基板202、活性層204、波長変換層206、及び一次光学系208を含み得る。他の実施形態において、LEDデバイスは、波長コンバータ層及び/又は一次光学系を含まないことがある。複数の個々のLEDデバイス200が、例えば上述のLED照明システムのうちのいずれかなどのLED照明システム内のLEDアレイに含められ得る。
【0079】
図5Aに示すように、活性層204は、基板202に隣接することができ、励起されたときに光を発する。基板202及び活性層204を形成するのに使用される好適な材料は、サファイア、SiC、GaN、シリコンを含み、より具体的には、以下に限られないがAlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaSb、InN、InP、InAs、InSbを含むIII-V族半導体、以下に限られないがZnS、ZnSe、CdSe、CdTeを含むII-VI族半導体、以下に限られないがGe、Si、SiCを含むIV族半導体、又はこれらの混合物若しくは合金から形成され得る。
【0080】
波長変換層206は、活性層204から離れていてもよいし、活性層204に近接していてもよいし、あるいは直上にあってもよい。活性層204は、波長変換層206内に光を放つ。波長変換層206は、活性層204によって放たれた光の波長を更に変更するように作用する。波長変換層を含むLEDデバイスは、しばしば、蛍光体変換LED(“PCLED”)として参照される。波長変換層206は、例えば、透明若しくは半透明のバインダ若しくはマトリックス内の蛍光体粒子、又はセラミック蛍光体素子などの、ある波長の光を吸収して異なる波長の光を発する任意のルミネセント材料を含み得る。
【0081】
一次光学系208が、LEDデバイス200の1つ以上の層上又はその上方にあってもよく、活性層204及び/又は波長変換層206からの光が、一次光学系208を通ることを可能にし得る。一次光学系208は、これら1つ以上の層を保護するように、及び少なくとも部分的にLEDデバイス200の出力を整形するように構成された、レンズ又は封入材とし得る。一次光学系208は、透明及び/又は半透明な材料を含み得る。実施形態例において、一次光学系を介した光はランバート分布パターンに基づいて放射され得る。理解されることには、ランバート分布パターンとは異なる配光パターンを生成するように一次光学系208の1つ以上の特性が変更されてもよい。
【0082】
図5Bは、一実施形態例における、ピクセル201A、201B、及び201Cを有するLEDアレイ210並びに二次光学系212を含む照明システム220の断面図を示している。LEDアレイ210は、各々がそれぞれの波長変換層206B、活性層204B及び基板202Bを含んだピクセル201A、201B、及び201Cを含んでいる。LEDアレイ210は、ウエハレベル処理技術を用いて製造されるモノリシックLEDアレイ、500ミクロン未満の寸法を持つマイクロLED、又はこれらに類するものとし得る。LEDアレイ210内のピクセル201A、201B、及び201Cは、アレイセグメンテーションを使用して形成されてもよいし、それに代えてピックアンドプレース技術を使用して形成されてもよい。
【0083】
LEDデバイス200Bの1つ以上のピクセル201A、201B、及び201Cの間に示される空間203は、空隙を含んでいてもよいし、あるいは、例えばコンタクト(例えば、nコンタクト)とし得る金属材料などの材料によって充填されてもよい。
【0084】
二次光学系212が、レンズ209及び導波路207の一方又は両方を含み得る。理解されることには、図示の例に従って二次光学系を説明しているが、実施形態例において、二次光学系212は、入射光を広げるため(発散光学系)、又は入射光をコリメートビームへと集めるため(コリメート光学系)に使用され得る。実施形態例において、導波路207は、集光器であってもよく、例えば放物線形状、円錐形状、斜面形状、又はこれらに類するものなどの、光を集中させるための任意の適用可能な形状を有し得る。導波路207は、入射光を反射又は再方向付けするために使用される誘電体材料、メタライゼーション層、又はこれらに類するものでコーティングされてもよい。代わりの実施形態において、照明システムは、変換層206B、一次光学系208B、導波路207、及びレンズ209のうちの1つ以上を含まないことがある。
【0085】
レンズ209は、以下に限られないが例えばSiC、酸化アルミニウム、ダイヤモンド、若しくはこれらに類するもの、又はこれらの組み合わせなどの、任意の適用可能な透明材料から形成され得る。レンズ209は、レンズ209からの出力ビームが所望の測光仕様を効率的に満たすことになるように、レンズ209に入力される光ビームを変更するために使用され得る。さらに、レンズ209は、例えば、LEDアレイ210のLEDデバイス201A、201B及び/又は201Cの点灯及び/又は非点灯の外観を決定することによってなどで、1つ以上の審美的な目的を果たし得る。
【0086】
実施形態を詳細に説明してきたが、当業者が理解することには、ここに記載された実施形態には、本明細書を所与として、発明概念の精神から逸脱することなく、変更が為され得る。従って、発明の範囲が、図示して記述した特定の実施形態に限定されるという意図はない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
【国際調査報告】