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特表2022-510055ストリップをステッチングするためのステッチングローラー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ストリップをステッチングするためのステッチングローラー
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/30 20060101AFI20220119BHJP
   B29D 30/60 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B29D30/30
B29D30/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020570179
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(85)【翻訳文提出日】2021-01-22
(86)【国際出願番号】 NL2020050549
(87)【国際公開番号】W WO2021086173
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】2024128
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベン ムルダー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリック セオドア ポストゥムス
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215VK02
4F215VK34
4F215VL11
4F215VP10
4F215VP11
(57)【要約】
本発明は、ストリップ、特にストリップ巻き取り用の連続的なストリップをステッチングするためのステッチングローラーに関し、ステッチングローラーは、ローラー軸を中心に回転可能なローラー本体を備え、ローラー本体は、円周部材と、前記円周部材に接続される接続端部、及び前記ステッチングローラーを回転シャフトに結合するための基端部が設けられた支持部材とを備え、支持部材は、円周部材が中立向きから傾斜向きへと基端部に対して傾斜することを可能とする可撓性材料で作製され、支持部材は、外側半径から内側半径に向かって支持部材の軸方向剛度を補強する1つ又は複数の補強部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリップをステッチングするためのステッチングローラーであって、
前記ステッチングローラーは、ローラー軸を中心に回転可能なローラー本体を備え、前記ローラー本体は、前記ローラー軸を中心に延びる円周を有する円周部材を備え、前記円周部材は、前記ローラー軸に垂直な半径方向において考えた場合に前記ローラー軸の反対側を向くステッチング面と、前記半径方向において考えた場合に前記ローラー軸を向く内面とを画定し、前記ローラー本体は、回転シャフトに対して前記円周部材を支持するために前記ローラー軸を中心に円周方向に延びる支持部材をさらに備え、前記支持部材は、前記内面において前記円周部材に接続される接続端部と、前記ステッチングローラーを前記回転シャフトに結合するための基端部と、前記基端部と前記接続端部との間の前記半径方向の半径方向長さとを有し、前記円周部材は、前記円周方向を中心に傾斜方向に弾性変形可能であり、前記支持部材は、前記円周部材が前記円周に沿った少なくとも1つの位置で中立向きから傾斜向きへと前記基端部に対して傾斜することを可能とする可撓性材料で作製され、前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記基端部における内側半径と、前記接続端部における外側半径と、前記内側半径と前記外側半径との間の中央における中間半径とを有し、前記支持部材が、前記ローラー軸に平行な軸方向において、前記外側半径における前記支持部材の軸方向剛度に対して前記支持部材の軸方向剛度を補強する、前記中間半径における第1の補強部を備えることを特徴とする
ステッチングローラー。
【請求項2】
前記支持部材は、前記第1の補強部と同じ延び又は前記第1の補強部よりも大きい度合いで、前記外側半径における前記支持部材の軸方向剛度に対して前記支持部材の軸方向剛度を補強する、前記内側半径における第2の補強部を備える
請求項1に記載のステッチングローラー。
【請求項3】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記内側半径における基部幅と、前記中間半径における中間幅と、前記外側半径における接続幅とを有し、前記第1の補強部は、前記中間幅が前記接続幅よりも大きいことによって形成され、及び/又は、前記第2の補強部は、前記基部幅が前記中間幅よりも大きい又は前記中間幅と等しいことによって形成される
請求項1又は2に記載のステッチングローラー。
【請求項4】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記接続端部から前記支持部材の前記半径方向長さに沿った少なくとも3つの均等に分布した半径方向距離において、前記基端部から前記接続端部に向かって減少する幅を有する
請求項1から3のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項5】
少なくとも3つの前記半径方向距離は、前記支持部材の前記半径方向長さの少なくとも50パーセントに沿って均等に分布する
請求項4に記載のステッチングローラー。
【請求項6】
少なくとも3つの前記半径方向距離は、前記支持部材の前記半径方向長さにわたって均等に分布する
請求項4又は5に記載のステッチングローラー。
【請求項7】
前記支持部材は、前記中間半径によって前記内側半径と前記中間半径との間の第1の表面積及び前記外側半径と前記中間半径との間の第2の表面積に分割される、前記内側半径と前記外側半径との間の半径方向平面内の断面を有し、前記中間半径は、前記内側半径と前記外側半径との間の中央に位置し、前記第2の表面積は、前記第1の表面積の3分の2未満である
請求項1から6のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項8】
前記接続幅は、少なくとも前記基部幅の半分以下である
請求項3に記載のステッチングローラー。
【請求項9】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記外側半径における接続幅を有し、前記ステッチング面は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記軸方向にステッチング幅を有し、前記接続幅は、少なくとも前記ステッチング幅の半分以下である
請求項1から8のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項10】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記外側半径における接続幅を有し、前記円周部材は、前記中立向きにおいて、前記接続端部との接続部において前記半径方向の厚さを有し、前記接続幅は、前記厚さの2倍未満である
請求項1から9のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項11】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記内側半径における基部幅及び前記外側半径における接続幅を有し、前記支持部材は、前記基部幅から前記接続幅に向かって漸減する幅を有する
請求項1から10のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項12】
前記漸減は非線形的である
請求項11に記載のステッチングローラー。
【請求項13】
前記漸減は正弦波状である
請求項11又は12に記載のステッチングローラー。
【請求項14】
前記支持部材は減少する幅を有し、前記減少は少なくとも部分的に線形的である
請求項1から10のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項15】
前記支持部材は減少する幅を有し、前記減少は少なくとも1つの段差を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項16】
前記支持部材の前記可撓性材料は、均質な材料組成を有する
請求項1から15のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項17】
前記円周部材は、第1の弾性率を有する第1の材料を含み、前記支持部材の前記可撓性材料は、前記第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有する第2の材料を含む
請求項1から16のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項18】
前記支持部材は、可撓性本体と、前記内側半径及び前記中間半径において前記可撓性本体に接続されてそれぞれ前記第1の補強部及び前記第2の補強部を形成する1つ又は複数の剛性補強部材とを備える
請求項1に記載のステッチングローラー。
【請求項19】
前記内面は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記軸方向の中心を有し、前記接続端部は、前記内面の前記中心において前記内面に接続される
請求項1から18のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項20】
前記支持部材は、前記円周部材が少なくとも20度の傾斜角にわたって前記中立向きから前記傾斜向きへと傾斜することが可能な弾性変形範囲を有する
請求項1から19のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項21】
前記円周部材は、前記円周に沿った前記少なくとも1つの位置において、前記基端部よりも前記接続端部に近い前記半径方向の位置にある傾斜点を中心に前記中立向きから前記傾斜向きへと傾斜可能である
請求項1から20のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項22】
前記傾斜点は、前記接続端部から前記接続端部と前記基端部との間の距離の4分の1未満の範囲内における前記半径方向の位置にある
請求項21に記載のステッチングローラー。
【請求項23】
前記円周部材は、前記中立向きにおいて、前記ローラー軸に関して回転対称であるか、又は前記ローラー軸に垂直な前記ステッチングローラーの中間平面に対して対称である
請求項1から22のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項24】
前記ステッチング面は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、円筒形又は実質的に円筒形である
請求項1から23のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか一項に記載のステッチングローラーとタイヤ成型ドラムとを備える
タイヤ成型機。
【請求項26】
前記タイヤ成型ドラムはストリップ巻き取りドラムである
請求項25に記載のタイヤ成型機。
【請求項27】
タイヤ成型ドラム上における請求項1から24のいずれか一項に記載のステッチングローラーの使用。
【請求項28】
前記タイヤ成型ドラムはストリップ巻き取りドラムである
請求項27に記載のステッチングローラーの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップ、特にタイヤ成型ドラム上でタイヤを製造するためのストリップをステッチングするためのステッチングローラーに関する。より具体的には、本発明は、ストリップ巻き取りドラム上でのストリップ巻き取りの間に連続的なストリップをステッチングするためのステッチングローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
ストリップ巻き取りの間、ストリップの最初の巻き取り体は、実質的に平坦な向きでストリップ巻き取りドラムに適用され得る。ストリップの後続の巻き取り体は、通常、ストリップの向きがストリップ巻き取りドラムの表面に対して様々な斜めの角度をなす重なった配置で位置付けられる。それら後続の巻き取り体でストリップを正しくステッチングするには、それに応じてステッチングローラーの向きを変える必要がある。
【0003】
欧州特許第2286986号明細書は、スポンジ材料の外層とゴム状弾性材料の内層を有する従来技術のプレッシャローラーを開示している。欧州特許第2286986号明細書は、ストリップの重なった部分により生じる凹凸に対してより確実に押し付けるために、半径方向に独立して移動することが可能な複数のローラーセグメントに軸方向に分割されたセグメント化ローラーの使用を提案している。プレッシャローラー自体は、プレスの間同じ向きに保たれる。
【0004】
日本特許第6280374号公報は、プレスローラーをドラム及びドラムに供給されるゴムストリップの傾斜に追従させながら、プレスローラーを自由に振動させることができるゴムストリッププレス装置(図1も参照)を開示している。プレスローラーは、剛体であるプレスローラー全体の向きをドラム上のゴムストリップの向きに適合させるように傾斜体によって支持される。
【0005】
図2は、請求項1の前提部に係る別の既知のステッチングローラーを開示している。このステッチングローラーの支持部材は、可撓性材料で作製され、軸方向の幅が一定である。その結果、支持部材は、ステッチング面への荷重に応答してその半径方向長さLの全体に沿って撓むことで、ステッチング面をストリップ巻き取りドラム上のストリップに対して傾斜した向きに傾斜させることができる。
【0006】
欧州特許第2286986号明細書に係るプレッシャローラーの難点は、多数の部品から構成されており、比較的複雑なことである。日本特許第6280374号公報に係るプレスローラーは、比較的単純ではあるが、比較的複雑な制御を必要とする。特に、図1に概略的に示すように、プレスローラー全体を傾斜させることは、ストリップに対してプレスローラーを正しく位置決めするには不十分である。プレスローラーを適切に位置決めするには、プレスローラーのニュートラル位置に対してX及びY方向にさらに変位させる必要がある。図2の既知のステッチングローラーには、この特定の欠点はない。しかしながら、支持部材がその半径方向長さL全体に沿って撓むにつれ、ステッチング面の傾斜に加えて、ステッチングローラーの中心に対するステッチング面の中心が軸方向にわずかにずれることを観察することができる。したがって、このステッチングローラーに関しても、ストリップ巻き取りドラム上のストリップに対してステッチングローラーを正確に位置決めするためには、X方向の軽微な修正が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第2286986号明細書
【特許文献2】日本特許第6280374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ストリップ巻き取りドラム上のストリップをステッチングするためのステッチングローラーであって、ストリップ巻き取りドラム上のストリップに対してより正確に位置決めすることができるステッチングローラーを提供することを目的とする。本発明はさらに、ストリップ巻き取りドラム上における前記ステッチングローラーの使用法であって、前記ストリップ巻き取りドラム上のストリップに対するステッチングローラーの位置決めを改善することにより改善することができる使用法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、本発明は、ストリップをステッチングするためのステッチングローラーであって、ステッチングローラーは、ローラー軸を中心に回転可能なローラー本体を備え、ローラー本体は、ローラー軸を中心に延びる円周を有する円周部材を備え、円周部材は、ローラー軸に垂直な半径方向において考えた場合にローラー軸の反対側を向くステッチング面と、半径方向において考えた場合にローラー軸を向く内面とを画定し、ローラー本体は、回転シャフトに対して円周部材を支持するためにローラー軸を中心に円周方向に延びる支持部材をさらに備え、支持部材は、内面において円周部材に接続される接続端部と、ステッチングローラーを回転シャフトに結合するための基端部と、基端部と接続端部との間の半径方向の半径方向長さとを有し、円周部材は、円周方向を中心として、特に円周方向を中心とする傾斜方向において弾性変形可能であり、支持部材は、円周部材が円周に沿った少なくとも1つの位置で中立向きから傾斜向きへと基端部に対して傾斜することを可能とする可撓性材料で作製され、支持部材は、円周部材の中立向きにおいて、基端部における内側半径と、接続端部における外側半径と、内側半径と外側半径との間の中央における中間半径とを有し、支持部材が、ローラー軸に平行な軸方向において、外側半径における支持部材の軸方向剛度に対して支持部材の軸方向剛度を補強する、中間半径における第1の補強部を備えることを特徴とする、ステッチングローラーに関する。好ましくは、支持部材は、第1の補強部と同じ延び又は第1の補強部よりも大きい度合いで、外側半径における支持部材の軸方向剛度に対して支持部材の軸方向剛度を補強する、内側半径における第2の補強部を備える。
【0010】
ストリップ巻き取りドラム上のストリップの巻き取り体の1つに対してステッチング面を適切に位置決めするために、出願人は、円周部材に可能な限り近い又はその近傍にある傾斜点を中心として円周部材を傾斜させることが理想的であることを見出した。回動点が円周部材に近い場合、円周部材は本質的に、軸方向及び/又は半径方向における円周部材の中心の変位又はずれを事実上伴わずに、それ自体を中心として傾斜することができる。したがって、半径方向においてステッチングローラーに加えられるステッチング力の全て又は少なくともかなりの部分を、円周部材を介してストリップの巻き取り体に伝達して、前記巻き取り体を確実にステッチングすることができる。支持部材を基端部に向かって補強することにより、円周部材のステッチング面に近い位置において支持部材が効果的に弱くなる。結果として、傾斜点を円周部材のステッチング面の非常に近くに配置することができる。
【0011】
本発明の文脈において、「軸方向剛度」は、軸方向に又はそれと平行に支持部材に加えられる力又は前記力の成分に応じた変形に支持部材が抵抗する度合いとして解釈されるべきである。換言すれば、支持部材の軸方向剛度は、軸方向において前記支持部材に力が加えられたときの、支持部材の軸方向への撓みにくさを決定する。本発明において、支持部材は、外側半径における軸方向剛度が、第1の補強部の位置における支持部材の軸方向剛度よりも小さい。別の表現では、支持部材は、外側半径における軸方向の支持部材の可撓性と比較して、第1の補強部における軸方向の可撓性が低い。
【0012】
好適な実施形態において、支持部材は、円周部材の中立向き及び軸方向において、内側半径における基部幅と、中間半径における中間幅と、外側半径における接続幅とを有し、第1の補強部は、中間幅が接続幅よりも大きいことによって形成され、及び/又は、第2の補強部は、基部幅が中間幅よりも大きい又は中間幅と等しいことによって形成される。接続幅は、中間幅及び/又は基部幅に対して比較的小さく、よって軸方向の力に対して比較的低い剛度を有する。
【0013】
別の実施形態において、支持部材は、円周部材の中立向きにおいて、接続端部から支持部材の半径方向長さに沿った少なくとも3つの均等に分布した半径方向距離において、基端部から接続端部に向かって減少する幅を有する。換言すれば、支持部材は、円周部材の中立向きにおいて、少なくともその半径方向長さの外側4分の1において、基端部から接続端部に向かって先細になっている。
【0014】
本発明の文脈において、「先細」という用語は、「一端に向かって幅が減少する又は小さくなること」と解釈されるべきである。先細りは、支持部材の半径方向長さに沿った少なくとも3つの均等に分布した半径方向距離で支持部材の幅を測定した場合に幅の減少が生じる限り、漸進的であってもよく、又は複数の段差を含んでもよい。
【0015】
好ましくは、少なくとも3つの半径方向距離は、支持部材の半径方向長さの少なくとも50パーセントに沿って均等に分布する。より好ましくは、少なくとも3つの半径方向距離は、支持部材の半径方向長さにわたって均等に分布する。換言すれば、支持部材は、円周部材の中立向きにおいて、少なくともその半径方向長さの外側半分において、好ましくはその半径方向長さの全体に沿って、基端部から接続端部に向かって先細になっている。
【0016】
好適な実施形態において、支持部材は、中間半径によって内側半径と中間半径との間の第1の表面積及び外側半径と中間半径との間の第2の表面積に分割される、内側半径と外側半径との間の半径方向平面内の断面を有し、中間半径は、内側半径と外側半径との間の中央に位置し、第2の表面積は、第1の表面積の3分の2未満である。したがって、支持部材の表面積又は質量の比較的大きな割合が断面において基端部の近くに位置する分布を得ることができる。その結果、支持部材が実際に円周部材の傾斜を可能とするのに十分可撓性になる前に、支持部材は、基端部において、及び基端部から接続端部に向かう半径方向のその半径方向長さのかなりの部分に沿って、比較的剛性又は高剛度であり得る。
【0017】
別の実施形態において、接続幅は、基部幅の少なくとも半分以下、好ましくは基部幅の3分の1以下である。接続幅が比較的小さいことは、傾斜点を円周部材の内面の非常に近くに配置することができることを意味する。
【0018】
さらなる実施形態において、支持部材は、円周部材の中立向き及び軸方向において、外側半径における接続幅を有し、ステッチング面は、円周部材の中立向きにおいて、軸方向にステッチング幅を有し、接続幅は、少なくともステッチング幅の半分以下である。好ましくは、接続幅は、ステッチング幅の3分の1以下である。したがって、ステッチング面のかなりの部分が支持されておらず、傾斜点に対する円周部材の傾斜が容易になる。
【0019】
別の実施形態において、支持部材は、円周部材の中立向き及び軸方向において、外側半径における接続幅を有し、円周部材は、中立向きにおいて、接続端部との接続部において半径方向の厚さを有し、接続幅は、前記厚さの2倍未満である。このような狭い接続幅により、傾斜点を円周部材の内面のさらに近くに配置することができる。
【0020】
一実施形態において、支持部材は、円周部材の中立向き及び軸方向において、内側半径における基部幅及び外側半径における接続幅を有し、支持部材は、基部幅から接続幅に向かって漸減する幅を有する。漸減により、半径方向における支持部材の半径方向長さに沿った支持部材の剛度特性をより予測可能にすることができる。
【0021】
好ましくは、漸減は非線形的である。より好ましくは、漸減は正弦波状である。このようにして、支持部材の表面積又は質量の比較的大きな割合が断面において基端部の近くに位置する分布を得ることができる。その結果、支持部材が実際に円周部材の傾斜を可能とするのに十分可撓性になる前に、支持部材は、基端部において、及び基端部から接続端部に向かう半径方向の距離のかなりの部分に沿って、比較的剛性又は高剛度であり得る。また、接続端部から基端部に向かって幅が正弦波状に増加することにより、基端部に向かって支持部材に生じる増加するモーメントを吸収することができる。
【0022】
代替的な実施形態において、支持部材は減少する幅を有し、減少は少なくとも部分的に線形的である。減少の線形性は、円周部材に荷重が加えられたときの支持部材のより予測可能な挙動を提供し得る。また、接続端部から基端部に向かって幅が線形的に増加することにより、基端部に向かって支持部材に生じる増加するモーメントを吸収することができる。
【0023】
さらなる代替的な実施形態において、支持部材は減少する幅を有し、減少は少なくとも1つの段差を含む。したがって、支持部材の幅は、ある幅から別のより狭い幅へと急激に減少する場合がある。
【0024】
別の実施形態において、支持部材の可撓性材料は、均質な材料組成を有する。したがって、異なる剛度を有する異なる材料で作製されたステッチングローラーと比較して、支持部材の製造の複雑さを小さくすることができる。
【0025】
別の実施形態において、円周部材は、第1の弾性率を有する第1の材料を含み、支持部材の可撓性材料は、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有する第2の材料を含む。したがって、厚さ、幅、及び/又は構造が同じ場合、円周部材の材料の可撓性を支持部材の材料よりも低くすることができる。結果として、ステッチング中に円周部材に加えられる荷重を、支持部材によって大幅に吸収することができ、一方で円周部材は、中立向きから傾斜向きへの局所的な傾斜を除いて、比較的剛性のままである。
【0026】
さらなる実施形態において、支持部材は、可撓性本体と、内側半径及び中間半径において前記可撓性本体に接続されてそれぞれ第1の補強部及び第2の補強部を形成する1つ又は複数の剛性補強部材とを備える。剛性補強部材は、少なくとも中間半径まで、可撓性本体に剛度を提供することができる。中間半径よりも上では、可撓性本体を軸方向の力に応じて曲げることが可能となる。
【0027】
別の実施形態において、内面は、円周部材の中立向きにおいて、軸方向の中心を有し、接続端部は、内面の中心において内面に接続される。したがって、円周部材を両方向に等しく傾斜させることができる。
【0028】
別の実施形態において、支持部材は、円周部材が少なくとも20度の傾斜角にわたって中立向きから傾斜向きへと傾斜することが可能な弾性変形範囲を有する。前記範囲内において、支持部材は、円周部材を永久変形又は塑性変形させることなくその中立向きに弾力的に戻すことができる。
【0029】
別の実施形態において、円周部材は、円周に沿った前記少なくとも1つの位置において、基端部よりも接続端部に近い半径方向の位置にある傾斜点を中心に中立向きから傾斜向きへと傾斜可能である。別の実施形態において、傾斜点は、接続端部から接続端部と基端部との間の距離の4分の1未満の範囲内における半径方向の位置にある。傾斜点が円周部材の近くに配置されるほど、円周部材は、傾斜の結果としての軸方向及び/又は半径方向の変位を受けにくくなる。
【0030】
別の実施形態において、円周部材は、中立向きにおいて、ローラー軸に関して回転対称であるか、又はローラー軸に垂直なステッチングローラーの中間平面に対して対称である。したがって、中立向きにおいて、ステッチングローラーはその円周に沿って均一である。
【0031】
別の実施形態において、ステッチング面は、円周部材の中立向きにおいて、円筒形又は実質的に円筒形である。よって、ステッチング面を、ストリップ巻き取りドラム上のストリップの巻き取り体に押し付けるために比較的平坦にすることができる。
【0032】
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様の実施形態のいずれか1つに係るステッチングローラーと、タイヤ成型ドラムとを備えるタイヤ成型機を提供する。好ましくは、タイヤ成型ドラムはストリップ巻き取りドラムである。
【0033】
本発明の第2の態様は、前述のステッチングローラーとタイヤ成型ドラムとの組み合わせに関し、よって同じ技術的利点を有し、これについては以降繰り返さない。
【0034】
第3の態様によれば、本発明はさらに、タイヤ成型ドラム、好ましくはストリップ巻き取りドラム上における前述の実施形態のいずれか1つに係るステッチングローラーの使用法に関する。
【0035】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様に係るステッチングローラーの実際の使用法に関し、よって同じ技術的利点を有し、これについては以降繰り返さない。
【0036】
本明細書に記載及び示されている様々な態様及び特徴は、個々、可能な限りに適用することができる。これら個々の態様、特に添付の従属請求項に記載されている態様及び特徴は、分割特許出願の対象とすることができる。
【0037】
添付の概略的な図面に示す例示的な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】従来技術に係る既知のプレッシャローラーの断面を示す。
図2】従来技術に係るさらなるステッチングローラーの断面を示す。
図3】本発明の第1の実施形態に係るステッチングローラーの斜め前から見た図を示す。
図4図3の線IV-IVに係るステッチングローラーの断面を示す。
図5】ストリップ巻き取りドラム上のストリップをステッチングする間における図4のステッチングローラーを示している。
図6】本発明の第2の実施形態に係る代替的なステッチングローラーの断面を示す。
図7】本発明の第3の実施形態に係るさらなる代替的なステッチングローラーの断面を示す。
図8】本発明の第4の実施形態に係るさらなる代替的なステッチングローラーの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図3図5は、本発明の第1の実施形態に係るステッチングローラー1と、タイヤを製造するためのタイヤ成型ドラムB上のストリップをステッチングするための前記ステッチングローラー1の使用法を示す。特に、タイヤ成型ドラムはストリップ巻き取りドラムBであり、ステッチングローラー1は、ストリップ巻き取り方法の間に前記ストリップ巻き取りドラムB上で連続的なストリップ9をステッチングするために使用される。
【0040】
ステッチングローラー1は、タイヤ成型ドラムBと共にタイヤ成型機の一部をなすものであってもよく、又は前記タイヤ成型機とは別個に、すなわち交換部品として供給されてもよい。
【0041】
ストリップ巻き取り方法においては、連続的なストリップ9の連続したらせん巻き体が、それ自体は既知の方式でタイヤ部品を構築又は形成するように、重なった構成でストリップ巻き取りドラムBの円周面に巻き付けられる。最初の巻き取り体は、ストリップ巻き取りドラムB上に平坦な向きで配置され得る。重なった構成のため、後続の巻き取り体は傾斜する角度の勾配が次第に増していく。
【0042】
本発明に係るステッチングローラー1は、以下でより詳細に説明する方式で、ストリップ9の巻き取り体の様々な角度に配置及び/又は適合されるように構成されている。
【0043】
図3において最も良好に示すように、ステッチングローラー1は、ローラー軸Sを中心として回転可能なローラー本体2を備える。ローラー軸Sは、前記ローラー軸Sに平行な軸方向E及び前記ローラー軸Sに垂直な半径方向Rを規定する。ローラー本体2は、前記ローラー軸Sを中心として円周方向Cに延びる円周30を有する円周部材3を備える。円周部材3は、半径方向Rにおいて考えた場合にローラー軸Sの反対の外側を向くステッチング面31を有する。ステッチング面31は、ストリップ9の巻き取り体に接触、押し付け、又は当接することによりストリップ9をステッチングするように配置される。図3は、中立向きN、すなわち、ステッチング面31に外部荷重が加えられていない向きの円周部材3を示している。前記中立向きNにおいて、ステッチング面31は、直円筒形、円筒形、又は実質的に円筒形である。換言すれば、中立向きNにおいて、ステッチング面31は、ローラー軸Sに対して一定の直径を有する。したがって、ステッチング面31は平坦又は実質的に平坦である。
【0044】
図3において、円周部材3は、ローラー軸Sに垂直なステッチングローラー1の中間平面Mに関して対称である。より好ましくは、円周部材3は、ローラー軸Sに関して回転対称である。
【0045】
ステッチング面31は、円周部材3の中立向きNにおいて、ステッチング幅W4、すなわち、ステッチングに使用できる有効幅を軸方向Eにおいて有する。円周部材3はさらに、半径方向Rにおいて厚さKを有する。円周部材3はまた、ステッチング面31の中央、すなわちステッチング幅W4の中心において軸方向Eの中心Gを有する。
【0046】
円周部材3は、半径方向Rにおいて考えた場合にローラー軸Sに向かって内側を向く内面32をさらに備える。したがって、ステッチング面31及び内面32は、円周部材3の対向しあう側にある。この例示的な実施形態では、内面32は、ステッチング面31に平行又は実質的に平行である。
【0047】
図5に示すように、円周部材3は、円周方向Cを中心として、すなわち円周方向Cを中心とする傾斜方向Zにおいて、比較的可撓性である、すなわち弾力的又は弾性的に変形可能である。換言すれば、円周部材3は、その円周30を中心として、その円周30を囲む円周線を中心として、又はその円周30に沿った任意の位置において前記位置で円周30又は円周方向Cに接する軸を中心として、弾性変形可能である。したがって、円周部材3を局所的に又はその円周30に沿った少なくとも1つの位置で傾斜させて、ステッチング面31の向きを図3及び図4に示すような神経向きNから図5に示すような傾斜向きTに変更することができる。このようにして、ステッチング面31の向きを、ストリップ巻き取りドラムB上のストリップ9の巻き取りの向きに一致するように可変的に適合させることができる。好ましくは、円周部材3は、軸方向Eにおいて比較的剛性である。なお、図5において、円周部材3は、図面の上部で局所的にのみ弾性変形しており、円周30の残りの部分、すなわち円周30のうち図面の下部に近い部分は、中立向きN又はそれに近い状態で留まることができる。
【0048】
図4において最も良好に示すように、ローラー本体2は、ローラー軸Sにおける回転シャフト8に対して円周部材3を支持するためにローラー軸Sを中心として円周方向Cに延びる支持部材4をさらに備える。支持部材4は、円周部材3と回転シャフト8との間を延びる。換言すれば、支持部材4は、半径方向Rにおいて考えた場合、円周部材3の内側を延びる。回転シャフト8をステッチングローラー1の一部とすることもでき、又は、ステッチングローラー1が外部の回転シャフト8に取り付けられてもよい。支持部材4には、内面32において円周部材3に接続された接続端部41と、回転シャフト8へのステッチングローラー1の結合、接続、又は取り付けのための基端部42とが設けられる。基端部42は、ローラー軸Sに対して内側半径R1で延びる。支持部4の接続端部41は、内面32にその中心又はその近傍で接続されることが好ましい。接続端部41は、ローラー軸Sに対して外側半径R3で延びる。支持部材4は、基端部42と接続端部41との間、又は内側半径R1と外側半径R3との間で、半径方向Rに半径方向高さ又は半径方向長さLを有する。
【0049】
支持部材4は、図4の半径方向平面内における断面を有する。前記断面は、内側半径R1と外側半径R3との間の中央又は半距離における中間半径R2によって分割される。よって、内側半径R1、中間半径R2、及び外側半径R3は、支持部材4の半径方向長さLにわたって均等に分布する3つの半径方向距離D1、D2、D3を表す。当該断面は、内側半径R1と中間半径R2との間に第1の表面積A1を有し、外側半径R3と中間半径R2との間に第2の表面積A2を有する。
【0050】
円周部材3の中立向きNにおいて、支持部材4は、中間平面Mに関して対称である、及び/又はローラー軸Sに関して回転対称であることが好ましい。
【0051】
この例示的な実施形態において、支持部材4は、円周部材3が円周30に沿った前記少なくとも1つの位置で中立向きNから傾斜向きTへの前述の傾斜を行うことを可能とする又は容易にする可撓性材料で作製される。特に、支持部材4は、支持部材4の基端部42に対する傾斜点Pを中心とした円周部材3の傾斜を可能にする。
【0052】
ストリップ巻き取りドラムB上のストリップ9の巻き取り体の1つに対してステッチング面31を適切に位置決めするために、出願人は、円周部材3の可能な限り近く又はその近傍に、特にステッチング面31の中心Gの可能な限り近くに前記傾斜点Pを配置することが理想的であることを見出した。傾斜点Pは、少なくとも、前記少なくとも1つの円周方向位置においてローラー軸Sよりも円周部材3の近くにあるべきである。回動点Pが円周部材3に近い場合、円周部材3は本質的に、軸方向E及び/又は半径方向Rにおけるステッチング面31の中心Gの変位X又はずれを実質上伴わずに、それ自体を中心として傾斜することができる。したがって、半径方向Rにおいてステッチングローラー1に加えられるステッチング力の全て又は少なくともかなりの部分を、円周部材3を介してストリップ9の巻き取り体に伝達して、前記巻き取り体を確実にステッチングすることができる。
【0053】
傾斜点Pが円周部材3に可能な限り近く配置されることを確実にするために、支持部材4は、円周部材3の中立向きNにおいて、接続端部41に対して基端部42で補強される。この例において、支持部材4は、基端部42から接続端部41に向かって先細になる又は狭くなる。より詳細には、支持部材4は、基端部42において軸方向Eに基部幅W1を有し、接続端部41において軸方向Eに接続幅W3を有し、接続幅W3は基部幅W1の半分以下である。好ましくは、接続幅W3は、円周部材3の厚さKの半分未満又はそれよりも小さい。この例示的な実施形態において、接続幅W3は、基部幅W1の6分の1である。先細りにより、本質的に、円周部材3の内面32に近い位置において支持部材4が弱まる。その結果、傾斜点Pを、円周部材3の内面3の非常に近くに配置することができる。
【0054】
本発明の文脈において、「先細」という用語は、「一端に向かって幅が減少する又は小さくなること」と解釈されるべきである。先細りは、支持部材4の半径方向長さLに沿った少なくとも3つの均等に分布した半径方向距離D1、D2、D3で支持部材4の幅を測定した場合に幅V1、V2、V3の減少が生じる限り、漸進的であってもよく、又は複数の段差を含んでもよい。この特定の例において、支持部材4は、内側半径R1(第1の半径方向距離D1)において基部幅W1(V1)を有し、中間半径R2(第2の半径方向距離D2)において中間幅W2(V2)を有し、外側半径R3(第3の半径方向距離D3)において接続幅W3(V3)を有する。中間幅W2は基部幅W1よりも小さく、接続幅W3は中間幅W2よりも小さい。したがって、幅W1、W2、W3(V1、V2、V3)は、接続端部41に向かって徐々に及び/又は次第に小さくなる。
【0055】
換言すれば、支持部材4は、ローラー軸Sに平行な軸方向Eにおいて、支持部材4の軸方向剛度を外側半径R3での軸方向剛度に対して補強する、中間半径R2における第1の補強部(中間幅W2)と、支持部材4の軸方向剛度を外側半径R3での軸方向剛度に対して第1の補強部よりも大きい度合いで補強する、内側半径R3における第2の補強部(基部幅W1)とを備える。
【0056】
この例示的な実施形態では、図4に示すように、支持部材4は、基部幅W1(V1)から接続幅W3(V3)に向かって漸減する幅を有する。この漸減により、支持部4が半径方向Rにおいて基端部42から接続端部41に向かって徐々に弱くなる。好ましくは、この減少は非線形的であり、基端部42から比較的ゆっくりと始まり、接続端部41に向かって増加してから、再び減速する。この特定の例において、この幅の減少は正弦波形状である。したがって、支持部材4の表面積又は質量の比較的大きな割合が断面において基端部42の近くに位置する分布を得ることができる。結果として、第2の表面積A2は、第1の表面積A1の3分の1未満である。その結果、支持部材4が実際に円周部材3の傾斜を可能とするのに十分な可撓性を得る前に、支持部材4は、基端部42において、及び基端部42から接続端部41に向かう半径方向Rの距離のかなりの部分に沿って、比較的剛性又は高剛度であり得る。
【0057】
なお、接続幅W3(V3)も、少なくともステッチング幅W4の3分の1よりも小さい。したがって、支持部材4の接続端部41は、ステッチング面31に比べて比較的小さい。好ましくは、内面32から接続端部41への移行部は、比較的急峻である、すなわち鋭い又は急な角度を有する。
【0058】
好ましくは、支持部材4の可撓性材料は、均一又は均質な材料組成を有する。より好ましくは、支持部材4は完全に中実である、すなわち空洞又は開口構造を有しない。したがって、支持部材4は、製造がそれほど複雑ではない。
【0059】
支持部材4は、円周部材3が少なくとも20度の傾斜角Hにわたって中立向きNから傾斜向きTへと傾斜することが可能な弾性変形範囲を有する。
【0060】
この特定の実施形態において、円周部材3及び支持部材4は、異なる材料から作製される。より詳細には、円周部材3は、第1の弾性率を有する第1の材料を含み、支持部材4の可撓性材料は、第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有する第2の材料を含む。したがって、厚さ、幅、及び/又は構造が同じ場合、円周部材3の材料は、支持部材4の材料よりも可撓性が低い。結果として、ステッチング中に円周部材3に加えられる荷重を、支持部材4によって大幅に吸収することができ、一方で円周部材3は、中立向きNから傾斜向きTへの局所的な傾斜を除いて、比較的剛性のままである。
【0061】
基部幅W1(V1)と接続幅W3(V3)との差異により、前記支持部材4の軸方向剛度又は剛性が影響を受け、傾斜点Pが円周部材3のステッチング面31の可能な限り近くに動く。特に、傾斜点Pは、円周30に沿った前記少なくとも1つの位置において、基端部42よりも接続端部41に近い半径方向Rの位置にある。好ましくは、傾斜点Pは、接続端部41から接続端部41と基端部42との間の距離の4分の1未満の範囲内における半径方向Rの位置にある。
【0062】
比較として、図2に係る従来技術のステッチングローラーにおいて、支持部材は一定の幅を有し、これにより、前記支持部材は、基端部に近い又は基端部における傾斜点Pを中心として円周部材にかかる荷重を受けて撓む。その結果、円周部材が傾斜するだけでなく、その中心Gも、ステッチング幅の5パーセントよりも大きい変位距離Xにわたって、ステッチングローラーの中間平面Mに対して軸方向Eにシフト又は変位する。ステッチング面はストリップの巻き取り体に対して位置ずれしており、図2において矢印Fで概略的に表されるように、ステッチング力はローラー軸Sに対して斜めの角度をなして巻き取り体に加えられ、既知のステッチングローラーはそれ自体を、プレスするのではなく巻き取り体から離れるように押す傾向がある。また、撓み時、半径方向Rおいてローラー本体に加えられるステッチング力Fの少なくとも一部は、円周部材に伝達されるのではなく、支持部材によって吸収される。
【0063】
これに対し、本発明に係るステッチングローラー1の円周部材3は、軸方向E又は半径方向Rの変位を防ぎつつ、その内面32により近い傾斜点Pを中心に中立向きNと傾斜向きTとの間で傾斜することができる。換言すれば、ステッチング部材3は、傾斜点Pを中心とした傾斜を除いて、ストリップ9の巻き取り体に対して軸方向E及び半径方向Rにおいて実質的に同じ位置に留まる。この特定の例では、変位距離Xは、ステッチング幅W4の5パーセント未満に留まる。したがって、図5の傾斜向きTにおいて、円周部材3が依然として図4の中立向きNであるかのように、半径方向Rにおいてローラー本体2に加えられるステッチング力の大部分を、半径方向Rにおいて支持部材4を介して円周部材3に伝達することができる。換言すれば、ステッチングローラー1によってストリップ巻き取りドラムB上のストリップ9の巻き取り体に加えられるステッチング力Fを、ストリップ巻き取りドラムBの回転軸に垂直又は実質的に垂直に保つことができる。
【0064】
上記のことに鑑みて、本発明に係るステッチングローラー1が、当技術分野において知られているステッチングローラーに比べて著しい技術的利点を提供することは明らかであろう。特に、本発明に係るステッチングローラーは、ストリップ巻き取りドラム上のストリップの巻き取り体をより確実にプレス又はステッチングすることができ、製造が比較的簡単であり、その円周部材の傾斜の結果として、変位を補正及び/又は補償するための複雑な制御システムを必要としない。
【0065】
上記の説明は、好適な実施形態の作用を例示するために記載したものであり、本発明の範囲を限定することを意味するものではないことを理解されたい。上記の議論から、本発明の範囲にさらに包含されるであろう多くの変形が当業者には明らかであろう。
【0066】
例えば、図6は、本発明の第2の実施形態に係る代替的なステッチングローラー101を示す。代替的なステッチングローラー101は、その寸法がわずかに異なるという点で、前述のステッチングローラー1とは異なる。特に、支持部材104には、支持体140から円周部材103への移行部において丸みを帯びた接続端部141を有する支持体140が設けられる。基端部142は、代替的なステッチングローラー101を回転シャフト108に接続するフランジ143として形成されている。この例において、基端部142のフランジ143は、回転シャフト108の周りに延びる前記フランジ143のゴム材料の少なくとも一部を加硫することにより、回転シャフト108に接続又は結合される。支持体140の残りの部分、特に接続端部141に向かう部分は、加硫されずに可撓性のままである。この例において、円周部材103及び支持部材104は、同じ材料から作製される。好ましくは、円周部材103及び支持部材104は、一体であるか、又は単一体の材料から作製される。
【0067】
なお、支持体140の先細りは、3つの均等に分布した半径方向距離D1、D2、D3に沿って徐々に先細りを続ける(減少する幅V1、V2、V3を参照)前に、内側半径R1における基部幅W1から第1の半径方向距離D1における第1の減少する幅V1への段差を含む。したがって、3つの均等に分布した半径方向距離D1、D2、D3は、第1の半径方向距離D1から外側半径R4における第3の半径方向距離D3に至るまで、支持部材104の半径方向長さLの一部のみにわたって分布する。
【0068】
この例示的な実施形態では、第1の半径方向距離D1から接続端部141に向かっての支持体140の先細りは、線形的又は実質的に線形的である。そのため、支持体140は、最初は段差W1、V1で、次いで線形的に先細になる。結果として、内側半径R1及び3つの半径方向距離D1、D2、D3において測定したときの支持体140の幅W1、V1、V2、V3、は、第2の半径方向距離D2における幅V2が内側半径R1における基部幅W1よりも小さく、外側半径R3における接続幅W3(V3)が第2の半径方向距離D2における幅V2よりも小さくなるように、先細になる又は減少する。
【0069】
ここで、支持体140の先細りは、以下の2通りで定義することができる。
【0070】
第1の定義では、支持体140は、内側半径R1における基部幅W1から中間半径R2における減少する幅V2まで先細になり、外側半径R3における接続幅W3(V3)まで先細りを続ける。そのため、この定義では、先細りの第1の部分は、基部幅W1から第1の半径方向距離D1における減少する幅V1への段差を含む。3つの均等に分布した半径方向距離(内側半径R1、中間半径R2、及び外側半径R3)に沿って幅が減少するので、支持体140が十分に弱くなることで、傾斜点Pを中心とした円周部材103の傾斜が容易になる。
【0071】
第2の定義では、支持体140は、第1の半径方向距離D1から第3の半径方向距離D3に至るまで徐々に先細になる。この定義では、基部幅W1から第1の半径方向距離D1における幅V1までの幅の段差は含まれない。したがって、3つの半径方向距離D1、D2、D3の均一な分布は、内側半径R1、中間半径R2、及び外側半径R3の分布とわずかに異なる。分布は、接続端部141から見た、考えた、又は測定した場合に、内側半径R1と支持体140の半径方向長さLの最大25パーセントとの間の任意の位置にあり得る、第1の半径方向距離D1によって規定される開始点に依存する。
【0072】
また、図6に示すステッチング幅W4は、基部幅W1よりもわずかに小さい。
【0073】
図7は、本発明の第3の実施形態に係るさらなる代替的なステッチングローラー201を示す。これは、その支持体240が、接続端部241から支持部材204の半径方向長さLの少なくとも25パーセント、又は別の表現では基端部242から支持部材204の半径方向長さLから75パーセント未満の範囲内に位置する第1の半径方向距離D1から減少した幅V1を有するという点で、本発明の第2の実施形態に係る代替的なステッチングローラー101と異なる。換言すれば、支持部材204は、前記支持部材204の半径方向長さLの外側4分の1のみにわたって減少した幅V1を有する。なお、減少した幅V1は、半径方向長さLの前記外側4分の1に沿って一定である。あるいは、支持部材204は、半径方向長さLの外側4分の1にわたって接続端部242に向かって先細になっていてもよい。この実施形態は、円周部材203が前記円周部材203の内面に近い傾斜点Pを中心に傾斜することが可能となる最小要件を表す。
【0074】
なお、この特定の例において、支持部材204の内側半径R1と外側半径R3との間の中間半径R2は、支持部材204の幅W1がまだ減少していない位置に配置される。
【0075】
換言すれば、支持部材204は、ローラー軸Sに平行な軸方向Eにおいて、支持部材204の軸方向剛度を外側半径R3での軸方向剛度に対して補強する、中間半径R2における第1の補強部(中間幅W2)と、支持部材204の軸方向剛度を外側半径R3での軸方向剛度に対して第1の補強部と等しい度合いで補強する、内側半径R3における第2の補強部(基部幅W1)とを備える。
【0076】
図8は、本発明の第4の実施形態に係るさらなる代替的なステッチングローラー301を示す。これは、その支持部材304が単一の均質な材料から作製されていないという点で、前述のステッチングローラー1、101、201と異なる。代わりに、支持部材304は、異なる材料特性、特に異なる弾性率を有する部材の組み合わせによって形成される。
【0077】
図8に示すように、支持部材304は、可撓性本体350と、内側半径R1及び中間半径R2において前記可撓性本体350に接続される1つ又は複数の剛性補強部材351、352とによって形成される支持体304を備える。前記接続部において、剛性補強部材351、352は、それぞれ第1の補強部及び第2の補強部を形成することができる。可撓性本体350は、基端部342から接続端部341まで一定の幅W1を有することができる。あるいは、幅がその半径方向長さLに沿って変動してもよく、例えば、剛性補強部材351、352が、可撓性本体350の残りの部分と面一になるまで窪むようにする。
【0078】
この例示的な実施形態において、ステッチングローラー301は、軸方向Eにおける可撓性本体350の一方側に沿って円周方向Cに延びる第1の剛性補強部材351と、軸方向Eにおける可撓性本体350の他方側に沿って円周方向Cに延びる第2の剛性補強部材352とを備える。剛性補強部材351、352は、例えば、主可撓体350の軸方向の両側に直接取り付けられたリングとして形成されてよい。
【0079】
その結果、支持部材304は、基端部342から少なくとも中間半径R2までが補強される。可撓性本体350のうち剛性補強部材351、352の間にない部分、すなわち、中間半径R2から接続端部341までの部分は、自由に屈曲する又は曲げられるので、可撓性本体350の前記自由部分内の回動点Pを中心とした円周部材303の回動が容易になる。
【0080】
要約すると、本発明は、タイヤ部品9をステッチングするためのステッチングローラー1、101、201、301に関し、ステッチングローラー1、101、201、301は、ローラー軸Sを中心に回転可能なローラー本体2を備え、ローラー本体2は、円周部材3、103、203、303と、円周部材3、103、203、303に接続される接続端部41、141、及びステッチングローラー2を回転シャフト8、108に結合するための基端部42、142、242、342が設けられた支持部材4、104、204、304とを備え、支持部材4、104、204、304は、円周部材3、103、203、303が中立向きNから傾斜向きTへと基端部42、142、242、342に対して傾斜することを可能とする可撓性材料で作製され、支持部材4、104、204、304は、外側半径R3から内側半径R1に向かって支持部材4、104、204、304の軸方向剛度を補強する1つ又は複数の補強部W1、W2、351、352を含む。
【符号の説明】
【0081】
1 ステッチングローラー
2 ローラー本体
3 円周部材
30 円周
31 ステッチング面
32 内面
4 支持部材
40 支持体
41 接続端部
42 基端部
8 回転シャフト
9 タイヤ部品/ストリップ
101 代替的なステッチングローラー
103 円周部材
104 支持部材
140 支持体
141 接続端部
142 基端部
108 回転シャフト
201 さらなる代替的なステッチングローラー
203 円周部材
204 支持部材
240 支持体
241 接続端部
242 基端部
301 さらなる代替的なステッチングローラー
303 円周部材
304 支持部材
340 支持体
341 接続端部
342 基端部
350 可撓性本体
351 第1の補強部材
352 第2の補強部材
A1 第1の表面積
A2 第2の表面積
B ストリップ巻き取りドラム
C 円周方向
D1 第1の半径方向距離
D2 第2の半径方向距離
D3 第3の半径方向距離
E 軸方向
F ステッチング力
G 中心
H 傾斜角
K 厚さ
L 半径方向長さ
M 中間平面
N 中立向き
P 傾斜点
R 半径方向
R1 内側半径
R2 中間半径
R3 外側半径
S ローラー軸
T 傾斜向き
V1 第1の減少する幅
V2 第2の減少する幅
V3 第3の減少する幅
W1 基部幅
W2 中間幅
W3 接続幅
W4 ステッチング幅
X 第1の変位
Y 第2の変位
Z 傾斜方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリップをステッチングするためのステッチングローラーであって、
前記ステッチングローラーは、ローラー軸を中心に回転可能なローラー本体を備え、前記ローラー本体は、前記ローラー軸を中心に延びる円周を有する円周部材を備え、前記円周部材は、前記ローラー軸に垂直な半径方向において考えた場合に前記ローラー軸の反対側を向くステッチング面と、前記半径方向において考えた場合に前記ローラー軸を向く内面とを画定し、前記ローラー本体は、回転シャフトに対して前記円周部材を支持するために前記ローラー軸を中心に円周方向に延びる支持部材をさらに備え、前記支持部材は、前記内面において前記円周部材に接続される接続端部と、前記ステッチングローラーを前記回転シャフトに結合するための基端部と、前記基端部と前記接続端部との間の前記半径方向の半径方向長さとを有し、前記円周部材は、前記円周方向を中心に傾斜方向に弾性変形可能であり、前記支持部材は、前記円周部材が前記円周に沿った少なくとも1つの位置で中立向きから傾斜向きへと前記基端部に対して傾斜することを可能とする可撓性材料で作製され、前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記基端部における内側半径と、前記接続端部における外側半径と、前記内側半径と前記外側半径との間の中央における中間半径とを有し、前記支持部材が、前記ローラー軸に平行な軸方向において、前記外側半径における前記支持部材の軸方向剛度に対して前記支持部材の軸方向剛度を補強する、前記中間半径における第1の補強部を備えることを特徴とする
ステッチングローラー。
【請求項2】
前記支持部材は、前記第1の補強部と同じ延び又は前記第1の補強部よりも大きい度合いで、前記外側半径における前記支持部材の軸方向剛度に対して前記支持部材の軸方向剛度を補強する、前記内側半径における第2の補強部を備える
請求項1に記載のステッチングローラー。
【請求項3】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記内側半径における基部幅と、前記中間半径における中間幅と、前記外側半径における接続幅とを有し、前記第1の補強部は、前記中間幅が前記接続幅よりも大きいことによって形成され、又は、前記第2の補強部は、前記基部幅が前記中間幅よりも大きい又は前記中間幅と等しいことによって形成される
請求項1又は2に記載のステッチングローラー。
【請求項4】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記接続端部から前記支持部材の前記半径方向長さに沿った少なくとも3つの均等に分布した半径方向距離において、前記基端部から前記接続端部に向かって減少する幅を有する
請求項1から3のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項5】
少なくとも3つの前記半径方向距離は、前記支持部材の前記半径方向長さの少なくとも50パーセントに沿って均等に分布する
請求項4に記載のステッチングローラー。
【請求項6】
少なくとも3つの前記半径方向距離は、前記支持部材の前記半径方向長さにわたって均等に分布する
請求項4又は5に記載のステッチングローラー。
【請求項7】
前記支持部材は、前記中間半径によって前記内側半径と前記中間半径との間の第1の表面積及び前記外側半径と前記中間半径との間の第2の表面積に分割される、前記内側半径と前記外側半径との間の半径方向平面内の断面を有し、前記中間半径は、前記内側半径と前記外側半径との間の中央に位置し、前記第2の表面積は、前記第1の表面積の3分の2未満である
請求項1から6のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項8】
前記接続幅は、少なくとも前記基部幅の半分以下である
請求項3に記載のステッチングローラー。
【請求項9】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記外側半径における接続幅を有し、前記ステッチング面は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記軸方向にステッチング幅を有し、前記接続幅は、少なくとも前記ステッチング幅の半分以下である
請求項1から8のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項10】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記外側半径における接続幅を有し、前記円周部材は、前記中立向きにおいて、前記接続端部との接続部において前記半径方向の厚さを有し、前記接続幅は、前記厚さの2倍未満である
請求項1から9のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項11】
前記支持部材は、前記円周部材の前記中立向き及び前記軸方向において、前記内側半径における基部幅及び前記外側半径における接続幅を有し、前記支持部材は、前記基部幅から前記接続幅に向かって漸減する幅を有する
請求項1から10のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項12】
前記漸減は非線形的である
請求項11に記載のステッチングローラー。
【請求項13】
前記漸減は正弦波状である
請求項11又は12に記載のステッチングローラー。
【請求項14】
前記支持部材は減少する幅を有し、前記減少は少なくとも部分的に線形的である
請求項1から10のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項15】
前記支持部材は減少する幅を有し、前記減少は少なくとも1つの段差を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項16】
前記支持部材の前記可撓性材料は、均質な材料組成を有する
請求項1から15のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項17】
前記円周部材は、第1の弾性率を有する第1の材料を含み、前記支持部材の前記可撓性材料は、前記第1の弾性率よりも低い第2の弾性率を有する第2の材料を含む
請求項1から16のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項18】
前記支持部材は、可撓性本体と、前記内側半径及び前記中間半径において前記可撓性本体に接続されてそれぞれ前記第1の補強部及び前記第2の補強部を形成する1つ又は複数の剛性補強部材とを備える
請求項1に記載のステッチングローラー。
【請求項19】
前記内面は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、前記軸方向の中心を有し、前記接続端部は、前記内面の前記中心において前記内面に接続される
請求項1から18のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項20】
前記支持部材は、前記円周部材が少なくとも20度の傾斜角にわたって前記中立向きから前記傾斜向きへと傾斜することが可能な弾性変形範囲を有する
請求項1から19のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項21】
前記円周部材は、前記円周に沿った前記少なくとも1つの位置において、前記基端部よりも前記接続端部に近い前記半径方向の位置にある傾斜点を中心に前記中立向きから前記傾斜向きへと傾斜可能である
請求項1から20のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項22】
前記傾斜点は、前記接続端部から前記接続端部と前記基端部との間の距離の4分の1未満の範囲内における前記半径方向の位置にある
請求項21に記載のステッチングローラー。
【請求項23】
前記円周部材は、前記中立向きにおいて、前記ローラー軸に関して回転対称であるか、又は前記ローラー軸に垂直な前記ステッチングローラーの中間平面に対して対称である
請求項1から22のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項24】
前記ステッチング面は、前記円周部材の前記中立向きにおいて、円筒形である
請求項1から23のいずれか一項に記載のステッチングローラー。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか一項に記載のステッチングローラーとタイヤ成型ドラムとを備える
タイヤ成型機。
【請求項26】
前記タイヤ成型ドラムはストリップ巻き取りドラムである
請求項25に記載のタイヤ成型機。
【請求項27】
タイヤ成型ドラム上における請求項1から24のいずれか一項に記載のステッチングローラーの使用。
【請求項28】
前記タイヤ成型ドラムはストリップ巻き取りドラムである
請求項27に記載のステッチングローラーの使用。
【国際調査報告】