(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】物品を保持して物品から包装を取り除く装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518495
(86)(22)【出願日】2018-10-04
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2018077007
(87)【国際公開番号】W WO2020069743
(87)【国際公開日】2020-04-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517274165
【氏名又は名称】ビーディー キエストラ ビーヴイ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100096943
【氏名又は名称】臼井 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】シネマ,ジュルジェン
(72)【発明者】
【氏名】ピトリ,ロジャー
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC02
2G058CC05
(57)【要約】
分析器で使用される消耗品用のホルダーが開示される。ホルダーは、消耗品のスタックを受け取る1つ以上のレセプタクルを有する。消耗品は、包装で包まれており、包装された消耗品のスタックとしてホルダー内に配置される。レセプタクルは、消耗品のスタックを受け取るのに十分な高さを有する。レセプタクルは、消耗品のスタックを受け取るレセプタクルの高さの部分全体に対してレセプタクルの側部に沿って延びる開口部を有する。レセプタクルは、近位端部及び遠位端部を有する。近位端部は、消耗品のスタックが配置され且つ消耗品が取り除かれる、レセプタクルの端部である。レセプタクルの遠位端部は、レセプタクル内で消耗品のスタックを支持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析器における包装された消耗品のための消耗品ホルダーであって、
該消耗品ホルダーに形成された複数のレセプタクルであって、近位端部及び遠位端部を有する、複数のレセプタクルと、
前記複数のレセプタクルのそれぞれの高さに沿った開口部であって、前記レセプタクルの前記近位端部から該レセプタクルの前記遠位端部までの連続した開口部である、開口部と、
前記レセプタクルの前記遠位端部に近接する前記消耗品の支持体と、
を備える、消耗品ホルダー。
【請求項2】
前記消耗品ホルダーが配置されるハウジングを更に備える、請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記消耗品ホルダーは、前記ハウジングの引出し内に配置される、請求項2に記載のホルダー。
【請求項4】
前記ホルダーは、開放位置から閉鎖位置まで前記引出しによって搬送される、請求項3に記載の消耗品ホルダー。
【請求項5】
前記ホルダーは、前記引出しが前記開放位置にあるとき、前記包装された消耗品を受け取る、請求項4に記載の消耗品ホルダー。
【請求項6】
前記支持体はフランジである、請求項1に記載の消耗品ホルダー。
【請求項7】
前記フランジはバイアスフランジである、請求項6に記載の消耗品ホルダー。
【請求項8】
前記開口部は前記支持体を通って延在している、請求項1に記載の消耗品ホルダー。
【請求項9】
前記レセプタクルは、包装された消耗品のスタックが該レセプタクルによって受け取られるのを可能にする形状の断面を有する、請求項1に記載の消耗品ホルダー。
【請求項10】
前記包装された消耗品はキャップのスタックである、請求項1に記載の消耗品ホルダー。
【請求項11】
前記キャップのスタックにおけるキャップはおよそ丸い、請求項10に記載の消耗品ホルダー。
【請求項12】
前記レセプタクルの断面形状はおよそ丸い、請求項11に記載の消耗品ホルダー。
【請求項13】
包装された消耗品のスタックを更に備える、請求項1に記載の消耗品ホルダー。
【請求項14】
分析器のための消耗品のスタックから包装を取り除く方法であって、
消耗品ホルダーにおける複数の消耗品のレセプタクル内に、包装された消耗品のスタックを挿入すること、ただし、前記レセプタクルは、近位端部及び遠位端部と、該複数のレセプタクルのそれぞれの高さに沿った開口部とを有し、該開口部は、前記レセプタクルの前記近位端部から該レセプタクルの前記遠位端部まで連続した開口部である、
前記消耗品のスタックから前記包装が取り除かれるように、前記レセプタクルの前記遠位端部において前記開口部から該包装を引っ張ること、ただし、前記消耗品のスタックは前記レセプタクル内にあり且つその中で支持され続ける、
を含む、方法。
【請求項15】
前記分析器で使用されるために前記消耗品のスタックの最上部から消耗品を取ること、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記消耗品は、生体サンプルを試験するために消耗品のポートを閉鎖するキャップである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記キャップは、微生物同定及び微生物の抗生物質感受性試験のうちの少なくとも一方を実施するために使用されるパネル用である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記包装は、前記消耗品のスタックの最上端部に弱化部分を有し、該消耗品のスタックの該最上端部は、該消耗品のスタックを受け取るそれぞれのレセプタクルの前記近位端部に近接している、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療業界では、複数の微生物試料を取り扱うとともに保管する単純な方法を提供するものとして、パネルが承認されている。試験パネルの1つの例は、Beckton Dickinson(「BD」)製のPhoenix(商標)ID/AST組合せパネル(「Phoenix Panel」)である。Phoenix Panelは、乾燥試薬を収容する136個のマイクロウェルを含む密封された自己接種型(self-inoculating)成形ポリスチレントレイである。これは、細菌同定のための乾燥基質を含む同定側と、様々な濃度の抗菌薬を含むAST側とを含む。Phoenix Panelはまた、適切なウェル位置に発育コントロール及び蛍光コントロールも含む。136個のウェルのうち、51個は同定側であり、85個はAST側である。Phoenix Panelの他の非限定的な例では、ウェルは、IDのみ(Phoenix(商標)NIDパネル及びPhoenix(商標)PIDパネル)又はASTのみ(Phoenix(商標)NMICパネル及びPhoenix(商標)PMICパネル)とすることができる。Phoenix Panelの1つの変形形態を
図1及び
図2に示す。
【0002】
パネルに接種されると、パネルにキャップが被せられる。ASTパネル90は、
図1及び
図2に示すように、AST試験に使用されるパネルを例示するものである。パネル90は、Phoenix Panel等、抗生物質感受性試験を実施するための任意のパネルとすることができる。こうしたパネル90は、一般に、例えば、微生物懸濁液又は血液培養を含むことができる検体を、パネル90の内部空間に接種するための注入口95を備える。こうした注入口95は、取外し可能なキャップ又はセプタムキャップ99によって封止することができる。例えば、自動化システム(図示せず)は、パネル90に対して取外し可能なキャップ99を外して再度取り付ける、移送ステーション(図示せず)内のキャッパー/デキャッパー(図示せず)を備えることができる。
【0003】
AST試験を実行する自動化診断プラットフォームが知られている。1つのこうしたプラットフォームは、2016年12月21日の国際公開第2016/191646号として公開され、引用することにより本明細書の一部をなす、本出願人が所有するPCT出願PCT/US2016/034554号に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
微生物試料の調製及び試験に関連する多くのステップがあるため、パネルの取扱いには依然としてオペレーターの介入が必要であり、これは、完全に自動化されたシステムよりも費用がかかり且つ効率が低い。とは言え、大部分自動化されたシステムであっても、オペレーターによる注意及び介入は必要である。それ以外自動化されたシステムの1つの態様は、システムへの消耗品の装填及び取出しである。
図1及び
図2に示すASTパネルは、
図2に示すキャップ99とともに、1つのこうした消耗品である。いくつかのシステムでは、パネル90上へのキャップ99の配置は自動化されているが、機器内へのキャップの装填は依然として手作業で行われる。ASTパネル用のキャップは、包装されたスタック(stack:山、堆積、ひとまとめ)で提供されることが多く、それらのスタックは、キャップをASTパネル上に移送する自動化装置がそれらのキャップにアクセス可能であるような方法でシステム内に配置しなければならない。したがって、キャップは、自動化システム内に手作業で非効率的に補充される。消耗品キャップがASTシステム内に補充される方法の改善が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの包括的な態様は、分析器における包装された消耗品の消耗品ホルダーを含み、消耗品ホルダーは、消耗品ホルダーに形成された複数のレセプタクルであって、近位端部及び遠位端部を有する、複数のレセプタクルと、複数のレセプタクルのそれぞれの高さに沿った開口部とを備える。開口部は、レセプタクルの近位端部からレセプタクルの遠位端部までの連続した開口部であり、消耗品ホルダーは、レセプタクルの遠位端部に近接する消耗品の支持体を備える。
【0006】
ホルダーは、消耗品ホルダーが配置されるハウジングを更に備える。1つの実施の形態では、消耗品ホルダーは、ハウジングの引出し内に配置される。したがって、消耗品ホルダーは、開放位置から閉鎖位置まで引出しによって搬送される。消耗品ホルダー引出しは、引出しが開放位置にあるとき、包装された消耗品を収納する(受け取る:receive)。1つの実施の形態では、ホルダー内に配置された消耗品のスタックの支持体はフランジである。フランジは、バイアスフランジ(biased flange)とすることができる。消耗品ホルダーの開口部は、支持体/フランジを通って延在している。
【0007】
通常、レセプタクルは、包装された消耗品のスタックがレセプタクルに受け取るのを可能にする形状の断面を有する。1つの例示的な実施の形態では、包装された消耗品はキャップのスタックである。キャップのスタックにおけるキャップはおよそ丸い。したがって、この例示的な実施の形態では、レセプタクルの断面形状はおよそ丸い。
【0008】
本明細書では、分析器のための消耗品のスタックから包装を取り除く方法もまた記載する。本方法によれば、消耗品ホルダーにおける複数の消耗品のレセプタクル内に、包装された消耗品のスタックが挿入される。レセプタクルは、近位端部(底端部:proximal end)及び遠位端部(先端部:distal end)と、複数のレセプタクルのそれぞれの高さに沿った開口部とを有する。開口部は、レセプタクルの近位端部からレセプタクルの遠位端部まで連続した開口部である。本方法によれば、消耗品のスタックから包装が取り除かれるように、レセプタクルの遠位端部において開口部から包装が取り除かれ、消耗品のスタックは、包装が開口部から取り除かれる際、レセプタクル内にあり且つその中で支持され続ける。本方法は、分析器で使用されるために消耗品のスタックの最上部から消耗品を取り除くことを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】キャリア内の複数の接種済みASTパネルを示す図である。
【
図3】試験装置内に収納された(受け取られた)複数のASTパネルの上面図である。
【
図4】AST装置の引出し内に配置されたホルダー内に挿入される前の包装された消耗品のスタックを示す図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態によるキャップホルダーの上面斜視図である。
【
図6】オペレーターからキャップの包装されたスタックを受け取るためにキャップホルダー引出しが引っ張って開けられた状態を示す図である。
【
図7】キャップホルダー内に配置されたキャップのスタックから包装を取り除くために、オペレーターがキャップホルダーの開放底部から包装を掴んでいる状態を示す図である。
【
図8】オペレーターが包装を下向きに引っ張り、キャップのスタックの最上部が包装によって覆われなくなった状態を示す図である。
【
図9】キャップホルダー包装がキャップのスタックから略完全に取り除かれたところを示す図である。
【
図10】キャップホルダー内にキャップが配置された状態のキャップホルダー引出しの側面斜視図である。
【
図11】キャップホルダー包装がキャップホルダーの底部から引き出されている、自動化AST装置のキャップホルダー引出しの上面斜視図である。
【
図12】キャップホルダー引出しの断面図であり、
図12Aは切欠き図でスタックの底部にあるキャップを示し、
図12Bは完全切欠き図でキャップホルダー内のキャップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述したように、AST試験用のパネル(その例を
図1に示す)は、多くの構造的特徴を有する。例えば、
図1に示すパネル90は、自動化装置を用いてパネルを取り扱うために使用することができる種々の構造的特徴を含む。これら構造的特徴としては、とりわけ、概して長手方向に延びるパネルの中心領域の近くの隙間ギャップ93、パネル90の上面の中心部における凹部領域98、及びパネル90の上端部及び下端部のバンプ96が挙げられる。プレートの凹部領域には、複数のサンプルウェル91が配置されている。それらのウェル91の深さは、側壁98の高さによって画定される。
【0011】
図示するパネル90は、2つのポート95及び97を有する。ポート95は、パネル90のID側用の接種済みIDブロスを収納し、ポート97は、パネルのAST側用の接種済みASTブロスを収納する。ID側は、乾燥生化学基質を含むウェルと追加の蛍光コントロールウェルとを含む。AST側は、乾燥抗菌薬を含むウェルと追加の発育コントロールウェルとを含む。パネルは、IDのみ(Phoenix(商標)NIDパネル、Phoenix(商標)PIDパネル)、ASTのみ(Phoenix(商標)NMICパネル、Phoenix(商標)PMICパネル)又はID/AST組合せ(Phoenix(商標)NMIC/IDパネル、Phoenix(商標)PMIC/IDパネル)として入手可能である。
【0012】
接種前に、パネルは、接種ポート95及び97が充填のためにパネル90の最上部にあるように、接種ステーションに配置される。別個の接種済みIDブロス及びASTブロスが、IDポート及びASTポート(それぞれ、ポート95及び97)にそれぞれ追加される。接種材料は、蛇行してパネルを下って流れ、液面がパッドに向かって前進するに従いパネルウェルを充填する。パッドは、過剰な接種材料を吸収する。キャップ99は、充填ポート内に挿入される。キャップ99は、手作業で又は自動化装置を用いてパネルの上に配置することができる。
図4にキャップ99を示す。消耗品キャップ99がシステム又は装置内に導入されるとき、キャップは一緒に包装されている。
図4では、透明な包装101を示す。試験の間中、パネルにおける適切な酸素張力を確保するために、パネル蓋の仕切り領域に通気ポートが配置される。包装されたキャップは、キャップホルダー引出し120と一体化されたキャップホルダー110内に配置される。キャップホルダー110は、引出し120内に配置するか、引出し120に取り付けるか、又は引出し120とともに形成することができる。
【0013】
図2を参照すると、接種後、パネル90は、ポート95及び97の上にキャップ99が配置された状態で、トレイ150又は別のキャリア内に配置される。これは必須ではない。自動化装置では、接種済みパネルは、パネル試験機器160(
図3)に直接輸送することができる。
【0014】
パネル試験機器160は、概して、内部に空洞164を画定するハウジング162と、空洞164にアクセスするために手動で又は自動的に操作されるドア166とを備える。ハウジング162は、空洞164内に配置されたパネルホルダー168を備えることができ、パネルホルダー168は、個々のパネル90を収納する複数のレセプタクル又はパネル保持構造体170を備える。パネルホルダー168及びレセプタクル170は、レセプタクルアクチュエーター(例えば、モーター及びベルト)(図示せず)の起動により空洞164内で移動可能とすることができ、それにより、パネル90を収納するか又は取り除くために各レセプタクルをドア開口部に向けることができる。1つの例では、パネルホルダー168は、軸の周囲で回転可能である複数のレセプタクル170を備えたドラムとすることができる。
【0015】
上述したように、各接種済みパネル90は、2つのキャップ99で閉鎖される。これらのキャップは、円筒状の袋101に詰め込まれている。キャップ99は1つずつ使用され、それらのキャップ99を用いてパネル90上のポート95、97を閉鎖することができる前に、キャップ99から袋101を取り除く必要がある。
【0016】
本明細書に記載する消耗品ホルダーは、記載する実施形態では、上述したキャップの包装を受容するように構成されている。しかしながら、当業者であれば、包装されたスタックで装置内に供給される他のタイプの消耗品(例えば、カップ、蓋等)を受容するように、本明細書に記載するホルダーを容易に適合させることができ、その場合、包装は、消耗品がスタックで保持されている間に消耗品から取り除かれる。実施形態及び図面では、消耗品ホルダーはキャップホルダーとして記載されているが、本明細書に記載する消耗品ホルダーはキャップホルダーに限定されず、上述したような他の積重ね可能な消耗品とともに使用することができる。消耗品(例えば、上述したキャップ)ホルダー110は、袋101に入った消耗品キャップ99を収納するように適合されている。
図5を参照すると、消耗品ホルダー110は、複数の円筒状レセプタクル111を有する。レセプタクル111は、内部にキャップ99を収納するのに十分大きい直径を有する。各円筒状レセプタクル111は、消耗品ホルダー110におけるレセプタクル111の全高さに沿って近位最上端部113から遠位底端部114まで延びる、側方開口部112を有する。消耗品ホルダー110内に配置されたキャップ99を支持するために、レセプタクル111の遠位端部114に近接して、支持フランジ115が位置決めされている。
【0017】
図6に示すように、袋101に入ったキャップ99は、円筒状レセプタクル111内に配置される。袋101は、キャップ99のスタックの高さを越える幾分かの長さ116を有することに留意されたい。キャップのスタックが包装されている袋101は、1つの実施形態では、各端部に1つ、短い側面及び長い側面を有する。短い側面及び長い側面は、キャップホルダー110内にキャップのスタックを配置するために適切な方向の指示をオペレーター又は自動化装置に提供する。袋101の長い方の側面は、キャップをキャップホルダー内に誘導するために用いられる。短い側面は、袋101の最上部に位置し、それは、本明細書の別の場所に記載するように、キャップがキャップホルダー内に配置されたときにキャップから袋を取り除くのを容易にするように弱化されている。
【0018】
消耗品ホルダー110は、前部分117と一体化されている。消耗品ホルダー110及び前部分117のアセンブリは、引出し120を形成する。パネル90は、ハウジング262の代替実施形態の別の部分に載っているのが見える。
【0019】
図7を参照すると、レセプタクル111の開口部112から、袋101の余分な部分116が引き出されている。余分な長さ部分116がキャップのスタックにおいて最下キャップ99よりも下方に伸長するように、袋101は下向きに引っ張られる。
【0020】
図8を参照すると、引き続き下向きに引っ張られて、袋101の余分な部分116は、レセプタクル111内の消耗品ホルダー110によって保持されているスタックにおける最上キャップ99から離れる。
【0021】
図9を参照すると、引き続き下向きに引っ張られて、袋101のより多くの部分が、消耗品ホルダー110のレセプタクル111内に保持されているキャップ99のスタックから取り除かれる。消耗品ホルダー110の底部において、袋101の端部116は、開口部112から手作業で又は自動的に引き出される。フランジ115における開口部は、消耗品ホルダー110の高さに沿った開口部112と協働して、消耗品ホルダー110内にキャップ99のスタックを保持しながら袋を取り除くのを可能にする。袋101の端部116の長さは、図示するように手で、又は、消耗品ホルダー110から袋101を引き出す自動化装置を用いて、掴むのに十分である。
【0022】
図10は、袋が取り除かれた後の消耗品ホルダー110/引出し120アセンブリを示す。キャップ99は、レセプタクル111の底部においてフランジ115によって適所に保持されて、消耗品ホルダー110のレセプタクル111内に位置している。
【0023】
図11は、消耗品ホルダー110/引出し120アセンブリの上面図であり、その中のレセプタクル111内にキャップ99が保持されている。開口部112は、消耗品ホルダー110の全高さに延びている。引出し120は、ハウジング262内を出入りするように摺動することができる。しかしながら、ホルダー110が引出し内に配置されることは必須ではない。ホルダーは、包装されたキャップのスタックが消耗品ホルダー内に挿入され、キャップが消耗品ホルダー内に保持されている間に包装がキャップから取り除かれるのを可能にする、固定ハウジング内に配置することができる。こうしたハウジングは、ホルダー内に保持されている消耗品(例えば、キャップ)の包装されていないスタックへのアクセスを可能にする必要がある。また、レセプタクル111の近位端部に配置されたフランジの代わりに、レセプタクル111の遠位端部からキャップが落下しないようにレセプタクル内でキャップ99を支持する、わずかに入れ子式の下方部分等、別の保持機構を用いることができる。任意のこうした保持機構に対する1つの注意は、包装がキャップのスタックから完全に取り除かれるのを阻止するべきではないということである。1つの実施形態では、キャップがホルダーの頂部から取り除かれる際にレセプタクル内で上方に移動するように、フランジをバイアスする(biase:偏らせる、付勢する)ことができる。キャップを取り除くことによってもたらされるフランジに対する重量の低下により、フランジはそれに応じて上方に移動することができる。
【0024】
キャップ取付けの自動化プロセスのために、最初に袋を取り除く必要があり、個々のキャップは、自動化キャップシステムのホルダーに搬送されるか又は他の方法で供給される。キャップが包装内にあり続ける場合、キャップを手作業で取り除いてパネル上に配置しなければならない。パネル上にキャップを手作業で配置することは、他の場所に有効活用され得るオペレーターの時間を費やし、又は不要且つ非効率である。
【0025】
図12は、消耗品ホルダー110の断面図である。この実施形態では、フランジ150は、実質的に、レセプタクル111の下にある直径がより狭い部分170を含むリップである。
図12Aの部分切欠き図に、スタックの底部のキャップ99を示す。
図12Bは、消耗品ホルダー110のレセプタクル111内に配置された消耗品キャップ99の完全切欠き図である。
【0026】
1つの実施形態では、包装101は、包装の近位端部(すなわち、包装内に保持されているキャップのスタックにおける最上キャップの上に重なる包装101の部分)に弱化部分を有する。本明細書で用いる場合の弱化部分は、引裂きを容易にする部分である。プラスチック包装の引裂きを容易にする弱化部分としては、限定としてではなく例として、穿孔、予め引き裂かれた部分、打抜き部分等が挙げられる。
【0027】
本発明は、本明細書において特定の実施形態を参照して記載してきたが、これらの実施形態は単に本発明の原理及び応用を例示するものであることを理解されたい。したがって、例示の実施形態に対して数多くの変更を行うことができることと、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の構成を考案することができることとを理解されたい。
【国際調査報告】