(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】多面ミラーをともなうLIDARシステム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
G01S7/481 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522079
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(85)【翻訳文提出日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 US2019054982
(87)【国際公開番号】W WO2020091955
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ガッサン,ブレイズ
(72)【発明者】
【氏名】シェパード,ラルフ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】レニウス,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,ライアン
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB07
5J084AB20
5J084AC02
5J084BA04
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA40
5J084BA49
5J084BA50
5J084BB02
5J084BB20
5J084BB26
5J084BB28
5J084BB37
5J084BB40
5J084CA03
5J084CA31
5J084CA70
5J084EA01
5J084FA01
(57)【要約】
例示的な実施形態は、多面ミラーをともなうLIDARシステムに関する。例示的な実施形態は、LIDARシステムを含む。本システムは、第1の回転軸の周りを回転する複数の反射面を含む多面ミラーを含む。本システムはまた、シーンの1つ以上の領域に向けて光信号を放出するように構成された発光体を含む。さらに、本システムは、反射光信号を検出するように構成された光検出器を含む。さらに、本システムは、多面ミラーとシーンの1つ以上の領域との間に位置付けられた光学窓を含み、その結果、反射面のうちの1つ以上から反射された光は、光学窓を透過する。光学窓は、光学窓が、光軸に沿って放出された光が多面ミラーのすべての角度において向けられる方向に非垂直であるように位置付けられている。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出および測距(LIDAR)システムであって、
複数の反射面を含む多面ミラーであって、前記多面ミラーは、第1の回転軸の周りを回転するように構成されている、多面ミラーと、
光軸に沿って光信号を放出するように構成された発光体であって、前記光軸に沿って放出された光は、前記反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられる、発光体と、
前記シーンの前記1つ以上の領域によって反射された反射光信号を検出するように構成された光検出器であって、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる方向は、前記第1の回転軸の周りの前記多面ミラーの第1の角度に基づく、光検出器と、
前記多面ミラーと前記シーンの前記1つ以上の領域との間に位置付けられた光学窓であって、その結果、前記反射面のうちの1つ以上から反射され、前記シーンの前記1つ以上の領域に向けられた光は、前記光学窓を透過し、前記光学窓は、前記多面ミラーが前記第1の回転軸の周りを回転するときの前記第1の回転軸の周りの前記多面ミラーの前記第1の角度のすべての値において、前記光学窓が、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる前記方向に非垂直であるように位置付けられている、光学窓と、を備える、LIDARシステム。
【請求項2】
ベースをさらに備え、前記多面ミラー、前記発光体、および前記光検出器は、前記ベースに結合され、前記ベースは、第2の回転軸の周りを回転するように構成され、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる前記方向は、前記第2の回転軸の周りの前記ベースの第2の角度に基づく、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記光学窓から前記多面ミラーの反対側に位置付けられた追加の光学窓をさらに備え、前記追加の光学窓は、前記多面ミラーと前記シーンの前記1つ以上の領域のうちの少なくとも1つとの間に位置付けられており、その結果、前記反射面のうちの1つ以上から反射され、前記シーンの前記1つ以上の領域のうちの前記少なくとも1つに向けられた光は、前記追加の光学窓を透過し、前記追加の光学窓は、前記多面ミラーが前記第1の回転軸の周りを回転するときの前記第1の回転軸の周りの前記多面ミラーの前記第1の角度のすべての値において、前記追加の光学窓が、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる前記方向に垂直であるように位置付けられている、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記光学窓および前記追加の光学窓は、互いに非平行である、請求項3に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
前記光学窓の内側の少なくとも一部分に位置付けられた反射防止コーティングをさらに備える、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
1つ以上のバッフルをさらに備え、前記1つ以上のバッフルは、前記光学窓からの内部反射を減衰させるように構成されている、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のバッフルは、前記多面ミラーと前記光学窓との間に位置付けられている、請求項6に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のバッフルは、前記多面ミラーの非反射側に隣接して位置付けられている、請求項6に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のバッフルは、前記発光体によって放出された光の波長を吸収する材料を備える、請求項6に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
前記光学窓は、前記多面ミラーの回転面に対して5°~15°の角度で位置付けられている、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項11】
前記角度は、9.5°~10.5°である、請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項12】
光検出および測距(LIDAR)システムであって、
複数の反射面を含む多面ミラーであって、前記多面ミラーは、第1の回転軸の周りを回転するように構成されている、多面ミラーと、
光軸に沿って光信号を放出するように構成された発光体であって、前記光軸に沿って放出された光は、前記反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられる、発光体と、
前記シーンの前記1つ以上の領域によって反射された反射光信号を検出するように構成された光検出器であって、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる方向は、前記第1の回転軸の周りの前記多面ミラーの第1の回転角に基づく、光検出器と、
光学窓であって、前記光学窓は、前記多面ミラーと前記シーンの前記1つ以上の領域との間に位置付けられており、その結果、前記反射面のうちの1つ以上から反射され、前記シーンの前記1つ以上の領域に向けられた光は、前記光学窓を透過する、光学窓と、
前記光学窓の外側の少なくとも一部分を覆うフィルタであって、前記フィルタは、前記発光体によって生成されない少なくともいくつかの波長の透過を低減する、フィルタと、を備える、LIDARシステム。
【請求項13】
ベースをさらに備え、前記多面ミラー、前記発光体、および前記光検出器は、前記ベースに結合され、前記ベースは、第2の回転軸の周りを回転するように構成され、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる前記方向は、前記第2の回転軸の周りの前記ベースの第2の回転角に基づく、請求項12に記載のLIDARシステム。
【請求項14】
前記フィルタは、ダイクロイックフィルタを備える、請求項12に記載のLIDARシステム。
【請求項15】
前記フィルタは、可視スペクトルの波長の透過を低減する、請求項12に記載のLIDARシステム。
【請求項16】
前記フィルタは、中性濃度フィルタを備える、請求項12に記載のLIDARシステム。
【請求項17】
前記フィルタは、前記可視スペクトル全体にわたる平均反射率値によって特徴付けられる、請求項15に記載のLIDARシステム。
【請求項18】
前記可視スペクトル全体にわたる前記平均反射率値は、少なくとも25%である、請求項17に記載のLIDARシステム。
【請求項19】
前記フィルタが前記可視スペクトル内の光のための無着色ミラーとして機能するように、前記可視スペクトルにわたる前記フィルタの反射率は、実質的に一定である、請求項15に記載のLIDARシステム。
【請求項20】
光検出および測距(LIDAR)システムであって、
複数の反射面を含む多面ミラーであって、前記多面ミラーは、第1の回転軸の周りを回転するように構成されている、多面ミラーと、
光軸に沿って光信号を放出するように構成された発光体であって、前記光軸に沿って放出された光は、前記反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられる、発光体と、
前記シーンの前記1つ以上の領域によって反射された反射光信号を検出するように構成された光検出器であって、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる方向は、前記第1の回転軸の周りの前記多面ミラーの第1の回転角に基づく、光検出器と、
光学窓であって、前記光学窓は、前記多面ミラーと前記シーンの前記1つ以上の領域との間に位置付けられており、その結果、前記反射面のうちの1つ以上から反射され、前記シーンの前記1つ以上の領域に向けられた光は、前記光学窓を透過する、光学窓と、
前記多面ミラーの1つ以上の非反射側に隣接して位置付けられた1つ以上のバッフルであって、前記1つ以上のバッフルは、前記第1の回転軸の周りで前記多面ミラーを回転させるために使用される電力量を低減するように構成されている、1つ以上のバッフルと、を備える、LIDARシステム。
【請求項21】
ベースをさらに備え、前記多面ミラー、前記発光体、および前記光検出器は、前記ベースに結合され、前記ベースは、第2の回転軸の周りを回転するように構成され、前記光軸に沿って放出された前記光が向けられる前記方向は、前記第2の回転軸の周りの前記ベースの第2の回転角に基づく、請求項20に記載のLIDARシステム。
【請求項22】
前記1つ以上のバッフルは少なくとも2つのバッフルを含み、少なくとも1つのバッフルは前記多面ミラーの各非反射側に隣接し、前記1つ以上のバッフルは、前記多面ミラーが前記第1の回転軸の周りを回転するときに、前記多面ミラーに作用する抗力を低減する、請求項20に記載のLIDARシステム。
【請求項23】
前記1つ以上のバッフルは各々、その中に画定された1つ以上の光学的開口を有し、前記光学的開口は、前記多面ミラーの配向のための回転式光学エンコーダを画定する、請求項20に記載のLIDARシステム。
【請求項24】
前記1つ以上の光学的開口はらせん状配置で配置されている、請求項23に記載のLIDARシステム。
【請求項25】
前記多面ミラーおよび前記1つ以上のバッフルはシャフトに取り付けられ、前記シャフトはモータによって駆動されるように構成され、前記シャフトが前記モータによって駆動されたとき、前記多面ミラーと前記1つ以上のバッフルは、前記第1の回転軸の周りを回転する、請求項20に記載のLIDARシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により、米国特許出願第16/235,564号、米国特許出願第15/445,971号、米国特許出願第13/790,934号、米国特許出願第14/668,452号、米国特許出願第15/455,009号、米国特許出願第15/493,066号、米国特許出願第15/383,842号、米国特許出願第15/951,491号、および米国特許出願第16/229,182号をここに組み込む。本出願は、2018年12月28日に出願された米国特許出願第16/235,564号および2018年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/753,586号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段の指示がない限り、本項に記載の資料は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本項に含めることよって先行技術であると認められるものではない。
【0003】
車両は、ドライバーからの入力がほとんどないか、または全くない状態であっても、車両が環境を通ってナビゲートする自律モードで動作するように構成され得る。そのような自律走行車は、車両が動作する環境に関する情報を検出するように構成されている1つ以上のセンサを含み得る。
【0004】
光検出測距(LIDAR)デバイスは、所与の環境内の対象物までの距離を推定することができる。例えば、LIDARシステムのエミッタサブシステムは、近赤外線の光パルスを放出することができ、その光パルスは、LIDARシステムの環境内の対象物と相互作用し得る。光パルスのうちの少なくとも一部は、LIDARに向かって元に戻り(例えば、反射または散乱に起因して)、受信機サブシステムによって検出することができる。従来の受信機サブシステムは、複数の検出器、および高い時間分解能(例えば、約400ps)を有するそれぞれの光パルスの到達時間を判定するように構成された対応するコントローラを含み得る。LIDARシステムと所与の対象物との間の距離は、所与の対象物と相互作用する対応する光パルスの飛行時間に基づいて判定され得る。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載の実施形態は、発光体(複数可)および光検出器(複数可)を有するLIDARシステム、ならびに発光体からの光信号を光学窓を通して周囲環境に向けるように構成された回転ミラーを含み得る。周囲環境から反射すると、光信号は光学窓を通って光検出器に向かって戻ることができる。光検出器によって検出されたスプリアス光は、シーン内の対象物までの判定された距離および/またはシーン内の対象物の判定された位置に不正確さをもたらす可能性がある。スプリアス光がLIDARシステムによって検出されるのを防ぐために、例示的な実施形態は、光検出器によるスプリアス光検出を引き起こすであろう内部反射を低減するバッフルを含み得る。追加的または代替的に、光学窓は、回転ミラーに対して角度を付けられて、光学窓の内側からの反射が光検出器に到達するのを低減することができる。さらに、回転ミラーは、スプリアス光信号を吸収する、および/または回転ミラーの機械的品質を改善する1つ以上のバッフルに隣接することができる。外光(例えば、日光)も、LIDARシステム内で熱膨張を引き起こす可能性がある。LIDARシステムに入る外光の量を減らすために、いくつかの実施形態は、光学窓の外側に1つ以上の光学フィルタを含み得る。
【0006】
一態様では、光検出および測距(LIDAR)システムが提供される。LIDARシステムは、複数の反射面を含む多面ミラーを含む。多面ミラーは、第1の回転軸の周りを回転するように構成されている。LIDARシステムはまた、光軸に沿って光信号を放出するように構成された発光体を含む。光軸に沿って放出された光は、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられる。さらに、LIDARシステムは、シーンの1つ以上の領域によって反射された反射光信号を検出するように構成された光検出器を含む。光軸に沿って放出された光が向けられる方向は、第1の回転軸の周りの多面ミラーの第1の角度に基づく。さらに、LIDARシステムは、多面ミラーとシーンの1つ以上の領域との間に位置付けられた光学窓を含み、その結果、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられた光は、光学窓を透過する。光学窓は、多面ミラーが第1の回転軸の周りを回転するときの第1の回転軸の周りの多面ミラーの第1の角度のすべての値において、光学窓が、光軸に沿って放出された光が向けられる方向に非垂直であるように位置付けられている。
【0007】
別の態様では、光検出および測距(LIDAR)システムが提供される。LIDARシステムは、複数の反射面を含む多面ミラーを含む。多面ミラーは、第1の回転軸の周りを回転するように構成されている。LIDARシステムはまた、光軸に沿って光信号を放出するように構成された発光体を含む。光軸に沿って放出された光は、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられる。さらに、LIDARシステムは、シーンの1つ以上の領域によって反射される反射光信号を検出するように構成された光検出器を含む。光軸に沿って放出された光が向けられる方向は、第1の回転軸の周りの多面ミラーの第1の回転角に基づく。さらに、LIDARシステムは、多面ミラーとシーンの1つ以上の領域との間に位置付けられた光学窓を含み、その結果、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられた光は、光学窓を透過する。さらに、LIDARシステムは、光学窓の外側の少なくとも一部分を覆うフィルタを含む。フィルタは、発光体によって生成されない少なくともいくつかの波長の透過を低減する。
【0008】
追加の態様では、光検出および測距(LIDAR)システムが提供される。LIDARシステムは、複数の反射面を含む多面ミラーを含む。多面ミラーは、第1の回転軸の周りを回転するように構成されている。LIDARシステムはまた、光軸に沿って光信号を放出するように構成された発光体を含む。光軸に沿って放出された光は、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられる。さらに、LIDARシステムは、シーンの1つ以上の領域によって反射される反射光信号を検出するように構成された光検出器を含む。光軸に沿って放出された光が向けられる方向は、第1の回転軸の周りの多面ミラーの第1の回転角に基づく。さらに、LIDARシステムは、多面ミラーとシーンの1つ以上の領域との間に位置付けられた光学窓を含み、その結果、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられた光は、光学窓を透過する。さらに、LIDARシステムは、多面ミラーの1つ以上の非反射側に隣接して位置付けられた1つ以上のバッフルを含む。1つ以上のバッフルは、多面ミラーを第1の回転軸の周りで回転させるために使用される電力量を低減するように構成されている。
【0009】
さらに別の態様では、光検出および測距(LIDAR)システムが提供される。LIDARシステムは、複数の反射面を含む多面ミラーを含む。多面ミラーは、第1の回転軸の周りを回転するように構成されている。LIDARシステムはまた、光軸に沿って光信号を放出するように構成された発光体を含む。光軸に沿って放出された光は、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられる。さらに、LIDARシステムは、シーンの1つ以上の領域によって反射された反射光信号を検出するように構成された光検出器を含む。光軸に沿って放出された光が向けられる方向は、第1の回転軸の周りの多面ミラーの第1の角度に基づく。さらに、LIDARシステムは、多面ミラーとシーンの1つ以上の領域との間に位置付けられた光学窓を含み、その結果、反射面のうちの1つ以上から反射され、シーンの1つ以上の領域に向けられた光は、光学窓を透過する。光学窓は、多面ミラーが第1の回転軸の周りを回転するときの第1の回転軸の周りの多面ミラーの第1の角度のすべての値において、光学窓が、光軸に沿って放出された光が向けられる方向に非垂直であるように位置付けられている。さらに、LIDARシステムは、多面ミラーの1つ以上の非反射側に隣接して位置付けられた1つ以上のバッフルを含む。1つ以上のバッフルは、多面ミラーを第1の回転軸の周りで回転させるために使用される電力量を低減するように構成されている。
【0010】
これらの態様ならびに他の態様、利点、および代替物は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な実施形態による、システムの図である。
【
図2A】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図2B】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図2C】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図3A】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図3B】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図3C】例示的な実施形態による、反射光角度対ミラー要素基準角度グラフの図である。
【
図3D】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図4】例示的な実施形態による、ミラー要素の図である。
【
図5】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図6】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図7A】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図7B】例示的な実施形態による、バッフルをともなうミラー要素の図である。
【
図7C】例示的な実施形態による、バッフルの図である。
【
図7D】例示的な実施形態による、バッフルの図である。
【
図7E】例示的な実施形態による、バッフルの図である。
【
図7F】例示的な実施形態による、バッフルの図である。
【
図8A】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図8B】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図8C】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図8D】例示的な実施形態による、路面を監視するLIDARシステムの図である。
【
図8E】例示的な実施形態による、LIDARシステムから路面に向かって送信される光信号の図である。
【
図8F】例示的な実施形態による、LIDARシステムから送信された光信号に基づく路面までの判定された距離の図である。
【
図9A】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図9B】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図9C】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図10A】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図10B】例示的な実施形態による、LIDARシステムの図である。
【
図11】例示的な実施形態による、LIDARシステムで使用されるフィルタの反射率の図である。
【
図12】例示的な実施形態による、方法の図示である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な方法およびシステムが本明細書で企図されている。本明細書において記載された任意の例示的な実施形態または特徴は、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。本明細書において記載された例示的な実施形態は、限定的であることを意味するものではない。開示されるシステムおよび方法の特定の態様は、多種多様な異なる構成で配置し、組み合わせることができ、これらの構成のすべてが、本明細書において熟考されることは容易に理解できるであろう。
【0013】
さらに、図に示されている特定の配置は、限定的であるとみなされるべきではない。他の実施形態は、所定の図に示されるそれぞれの要素をより多く、またはより少なく含むことができることを理解されるべきである。さらに、図示の構成要素のうちのいくつかの構成要素は、組み合わせることができるか、または省略することができる。またさらに、例示的な実施形態は、図に示されていない要素を含んでいてもよい。
【0014】
I.概要
例示的なLIDARシステムは、単一の発光体および単一の光検出器を含み得る(代替の実施形態は、追加の発光体および/または光検出器を含み得る)。単一の発光体は、回転する多面ミラー(例えば、3つの面を有する回転する三角ミラー)によって周囲の環境/シーンに向かって反射される光(または「一次信号」と呼ばれる)を放出することができる。光は、環境/シーンに透過される前に、光学窓(例えば、厚さが約1mmであるガラスまたはプラスチックのスラブ)に透過され得る。LIDARシステムから透過された光の一部が環境内の対象物によって反射されると、反射光(つまり、「反射された一次信号」)が光学窓を透過されて戻り、光検出のために単一の光検出器に向けられ得る。反射光を単一の光検出器に向けて戻すことは、例えば、回転する多面ミラーから単一の光検出器に向けて光を反射することを含み得る。検出された光のタイミングおよび/または回転する多面ミラーの位置に基づいて、目標までの距離および/または目標の位置を判定することができる。
【0015】
いくつかの場合では、単一の発光体から光が放出された後、放出された光が光学窓を透過される前に、放出された光の一部が光学窓の内側で反射されることがある。これは、例えば、光学窓の材料の反射率がゼロ以外の場合、または光学窓の内側に1つ以上の物質(例えば、ほこりや水)が存在する場合などに発生し得る。内部反射光(または「ゴースト信号」と呼ばれる)は、一次信号が向けられているシーンの領域とは異なるシーンの領域に誤って向けられ得る。シーンの異なる領域から反射されると、反射されたゴースト信号は、単一の光検出器に向けて戻され(例えば、多面ミラーで反射された後)、検出され得る。シーンの異なる領域は、LIDARシステムから一次信号が向けられるシーンの領域とは異なる距離にある可能性があるため、検出されたゴースト信号は、判定された目標距離でエラーを引き起こす可能性がある。例えば、シーンを表すことを意図した3次元の点群は、ゴースト信号の検出に基づいて不正確になる可能性がある。
【0016】
光検出器が誤った時間または予期しない時間に光を検出しているため、エラーが発生する可能性がある。これにより、目標が実際よりもLIDARシステムに近いまたは遠いという誤った判定につながる可能性がある。追加的または代替的に、ゴーストビーム(ゴースト信号に対応する反射/検出)は、LIDARシステム内の追加構成要素で内部反射される場合がある。例えば、LIDARシステムのいくつかの実施形態では、(例えば、そのような光が回転する多面的なミラーの正面ではなく、背面から反射されるときに、放出された光をシーンに向けて透過するために)回転する多面ミラーの反対側に第2の光学窓があり得る。さらに、ゴーストビームが光学窓の内側から光学窓の外側に向かって移動するとき、ゴーストビームは、光学窓の片面または両面から反射され得る(例えば、ゴーストビームが光学窓に入るとき、反射は空気ーガラスの境界面で起こり得、またはゴーストビームが光学窓から出るとき、反射はガラス-空気の境界面で起こり得る)。そのような追加の反射は、ゴーストビームの往復移動時間を増加させるので、これらの追加の内部反射は、シーン内の対象物のLIDARシステムに対する不適切に判定された距離(および対応して、シーン内の不適切に判定された垂直位置)につながる可能性があり、それによって、発光体による放出と光検出器による検出との間の時間(対象物までの距離を判定するために使用される往復移動時間)を増加させる。さらに他の場合には、ゴーストビームは、シーンに送られ、最終的にシーンから反射されてLIDARシステムに向けて戻されるまでに、回転ミラーおよび/または光学窓の内側で複数回内部反射され得る。そのような反射は、対象物までの不正確な距離または対象物の不正確な位置が判定される原因となる可能性があり、および/または誤検知(例えば、対象物が実際は周囲のシーンに存在しないときの対象物の検出)をもたらす可能性がある。
【0017】
本明細書に開示される実施形態は、ゴースト信号の検出から生じる問題に対処するために使用される。様々な実施形態において、ゴースト信号は、強度が低減され得るか、完全に排除され得るか、または単一の光検出器によって検出されることから(全体的または部分的に)ブロックされ得る。1つのアプローチでは、回転する多面ミラーの縁(複数可)にバッフル(例えば、円形バッフル)が位置付けられている。そのようなバッフルは、吸収性であり得(例えば、黒色であり得、および/または発光体によって放出された光の波長を吸収するように特別に設計され得る)、それにより、ゴーストビームが光検出器に伝播するのを低減することができる。バッフルは、例えば、黒化鋼またはアルミニウムから製造され得る。さらに、バッフルは、様々な実施形態において、回転する多面ミラーの縁から0.5mm~3.0mmの間(例えば、1.0mm)で延在し得る。いくつかの実施形態では、バッフルは、回転する多面ミラーの非面側(すなわち、端部または基部)に取り付けられた円盤(例えば、5.0mm~10.0mmの間の厚さおよび/または5.0mm~10.0mmの間の半径を有する円盤)の領域であり得、円盤の領域は回転する多面ミラーの縁に張り出している。このように、バッフルは、回転するミラー面に対して弧状であり得る。他の実施形態では、バッフルは、円盤ではなく、回転する多面ミラーの非面側に取り付けられた半球形の構成要素の領域であり得る。
【0018】
光学機能に加えて、バッフルは、回転する多面ミラーおよび/またはLIDARシステムの機械的特性を強化し得る。例えば、バッフルは、多面ミラーがモータに接続された駆動シャフトの周りを回転しているときの多面ミラーの振動を低減し得る(例えば、それによって、多面ミラーがモータによって駆動されているときに発生する音を低減する)。追加的または代替的に、バッフルは、多面ミラーの空力特性を強化することができる(例えば、空気が多面ミラーを横断して流れるための横方向経路を遮断することによって、および/または多面ミラーの回転方向に流れる空気を流線形することによって)。そのような強化された空力特性は、多面ミラーに生じる抗力を低減し、それにより、多面ミラーを駆動するためにモータが必要とする電力量を低減し得る。LIDARシステムの空力特性をさらに高めるために、いくつかの実施形態では、多面ミラーが回転するチャンバを排気して、それによって真空を生成し、すべての抗力を排除することができる。回転する多面ミラーの機械的特性を強化する他の方法も可能である。
【0019】
回転する多面ミラーの端(複数可)上のバッフルに加えて、またはその代わりに、回転する多面ミラーと光学窓との間に1つ以上のバッフルを配置して、ゴーストビームが単一の光検出器に伝搬するのを低減することができる。バッフルは、ゴーストビームを遮断するが、一次信号の伝播を阻害しないように、回転ミラーの中心から外れていてもよい。さらに他の実施形態では、光学窓は、回転する多面ミラーに対して水平方向および/または垂直方向に傾斜させてもよい(例えば、5°~15°の間)。光学窓は、対称的に(例えば、共に+5°)、真逆に(例えば、1つは+5°、1つは-5°)、または単に異なるように(例えば、1つは+5°、1つは+2°)傾斜させてもよい。光学窓を傾斜させると、内部反射が光学検出器と位置合わせされるのを防ぎ、それによって光学検出器によるゴースト信号の検出を防ぐことができる。追加的または代替的に、光学窓を傾斜させると、反射ビームによってゴースト信号がシーンに到達するのを防ぐことができる。ゴースト信号の検出を低減または排除する他の方法も可能である。
【0020】
発光体によって放出された光に加えて、周囲光(例えば、LIDARシステムによって透過されなかった、LIDARシステムの環境内の光)は、光学窓を通ってLIDARシステムの内部に入る可能性がある。周囲光には、例えば太陽光が含まれ得る。このような周囲光は、LIDARシステム内の1つ以上の構成要素(例えば、光検出器、発光体、1つ以上のミラー、光学窓、光共振器、光学レンズなど)によって吸収することができる。LIDARシステム内で周囲光を吸収すると、LIDARシステムの1つ以上の構成要素が加熱される可能性がある。その結果、加熱は、LIDARシステムの位置合わせに悪影響を与える可能性があり(例えば、ミラー、レンズ、または光学窓などの1つ以上の構成要素の熱膨張によって)、または他の光学特性(例えば、レーザの線幅または光共振器の共振波長)に悪影響を与える可能性がある。極端な場合では、加熱によってLIDARシステム内の構成要素が劣化する可能性もある(例えば、LIDARシステム内のプラスチック構成要素が溶解する)。
【0021】
LIDARシステム内の迷光の悪影響を軽減する1つの方法には、LIDARシステムの外部構成要素(光学窓など)を光学フィルタで覆うことが含まれる。光学フィルタは、発光体によって放出された波長以外の波長(例えば、可視スペクトルの波長)のためにあらかじめ定義された反射性(例えば、25%、50%、75%、90%、95%、99%、99.9%など)を有するように最適化され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、例えば、LIDARシステムの外部の1つ以上の部分は、ダイクロイック窓で覆われていてもよい。例えば、LIDARシステムの1つ以上の光学窓の外側は、1つ以上のダイクロイック窓で部分的または全体的に覆われていてもよい。いくつかの実施形態では、ダイクロイック窓は、発光体によって放出された波長の光(例えば、1.55μmまたは905nmのレーザ光)を透過するように最適化され得、および/または発光体によって放出された波長以外の波長を有する光を遮断するように最適化され得る。追加的または代替的に、ダイクロイック窓は、可視スペクトルおよび/または太陽スペクトル内の光を反射するように最適化され得る。いくつかの実施形態では、ダイクロイック窓は、可視スペクトル全体にわたる平均反射率値(例えば、50%反射率)によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、そのようなダイクロイック窓は、LIDARシステムの内部加熱を軽減する、LIDARシステムの内部の構成要素を隠す、および/またはLIDARシステムの美的外観を改善する(例えば、窓表面の鏡のような外観によって)比較的安価な技術を構成し得る。望ましくない周囲光を軽減する他の技術も可能である。
【0023】
II.システム例
以下の説明および添付図面は、様々な実施形例の特徴を明らかにする。提供される実施形態は例としてのものであり、限定することを意図するものではない。したがって、図面の寸法は必ずしも縮尺通りではない。
【0024】
図1は、例示的な実施形態によるシステム100を示している。システム100は、LIDARシステムであってもよく、またはその一部分を表していてもよい。例示的な実施形態では、システム100は、環境に関する情報を提供するように構成されたLIDARシステムであり得る。例えば、システム100は、自律型車両(例えば、自動運転車、自律型ドローン、自律型トラック、自律型ボート、自律型潜水艦、自律型ヘリコプターなど)または自律モードまたは半自律モードで動作する車両用のLIDARシステムであり得る。システム100は、様々な実施形態において、ナビゲーションおよび/または対象物の検出および回避のために使用することができる。いくつかの実施形態では、システム100は、点群情報、オブジェクト情報、マッピング情報、地形情報、または他の情報を車両に提供することができる。あるいは、システム100は、他のコンピュータビジョンの目的(例えば、車両とは無関係)のために使用することができる。
【0025】
システム100は、発光体110を含む。発光体110は、様々な実施形態において、レーザ(例えば、レーザダイオード)、発光ダイオード(LED)、またはレーザおよび/またはLEDのアレイを含み得る。他の発光体110も可能である。いくつかの実施形態では、発光体110によって放出された光は、所定の周波数で変調することができる。例示的な実施形態では、発光体110は、第1の軸(例えば、光軸)に沿って光を放出するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、発光体110は、実質的にコリメートされた光および/またはコヒーレントな光を提供するように構成された任意の光源を含み得る。例えば、発光体110は、半導体導波路、ファイバーレーザ、エキシマレーザ、レーザダイオード、ガスレーザ、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、または別のタイプのレーザシステムであり得る。いくつかの実施形態では、コリメートされた光を生成するために、発光体110は、1つ以上のレンズ(例えば、高速軸コリメート(FAC)レンズ)を含み得る。さらに、発光体110は、1つ以上の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)またはフレキシブルPCB)上に配設することができる。
【0026】
例示的な実施形態では、発光体110から放出された光は、レーザ光のパルスを含み得る。例えば、レーザ光パルスは、1~100ナノ秒の範囲における持続時間を有し得る。しかし、他のレーザ光パルス持続時間も可能である。レーザ光パルスにおけるエネルギーは、例えば、100ナノジュール~200ナノジュールの間であり得る。他のパルスエネルギーも可能である。いくつかの実施形態では、発光体110によって放出された光のピーク電力は、50~100ナノワットの間であり得る。他のピーク電力も可能である。
【0027】
発光体110によって放出された光は、赤外線(IR)波長範囲内の発光波長を有し得るが、他の波長も企図されている。例えば、発光波長は、可視波長スペクトルまたは紫外線(UV)波長スペクトル内であり得る。例示的な実施形態では、発光波長は、約905ナノメートルであり得る。あるいは、発光波長は、約1.55ミクロンであり得る。さらに、いくつかの実施形態では、発光体110の発光波長および出力は、国際電気標準会議(IEC)60825-1規格の下でクラス1レーザとして使用するための条件を満たすことができる(すなわち、発光体110を肉眼でまたは拡大光学系を用いて見たとき、最大許容露光量(MPE)を超過していない)。
【0028】
システム100はまた、複数の反射表面122をともなうミラー要素120を含む。ミラー要素120は、本明細書では、代替的に「多面ミラー」と称することがある。同様に、複数の反射表面122は、本明細書では、代替的に、複数の反射面と称することがある。反射表面122は、発光波長の光を反射するように構成され得る。いくつかの実施形態では、反射表面122は、アルミニウム、金、銀、または別の反射材料などの金属から形成され、および/または金属でコーティングされ得る。追加的または代替的に、反射表面122は、高反射(HR)コーティングを含み得る。例示的な実施形態では、HRコーティングは、発光波長で入射光を反射するように構成された誘電体スタックを含み得る。誘電体スタックは、例えば、異なる屈折率を有する2つの材料の間で交互になっている周期層システムを含み得る。他のタイプのHRコーティングも可能であり、本明細書で企図されている。
【0029】
いくつかの例示的な実施形態では、ミラー要素120は、3つの反射表面122a、122b、および122cを含み得る。より多いまたはより少ない反射表面122を有するミラー要素120も企図されている。例えば、ミラー要素120は、4つ以上の反射表面を含んでいてもよい。
【0030】
ミラー要素120は、第2の軸の周りを回転するように構成されている。さらに、いくつかの実施形態では、複数の反射表面を第2の軸の周りに配設することができる。そのようなシナリオでは、ミラー要素120はプリズム形状であってもよく、プリズム形状の各面は反射表面122であってもよい。換言すれば、反射表面122a、122b、および122cは、ミラー要素120が三角柱形状を有するように、第2の軸に対して対称的に配置され得る。一例として、第1の軸および第2の軸は、互いに垂直であり得るが、第1の軸および第2の軸の他の配置も企図されている。いくつかの実施形態では、第1の軸は、第2の軸と交差していてもよい。
【0031】
システム100は、追加的に、ベース構造130を含み得る。ミラー要素120および発光体110は、ベース構造130に結合することができる。いくつかの実施形態では、ベース構造130は、第3の軸の周りを回転するように構成され得る。第3の軸の様々な配置が企図されているが、例示的な実施形態は、第1の軸に平行であるか、または第1の軸と同一線上にある第3の軸を含む。
【0032】
システム100は、1つ以上のビームストップ140をさらに含む。ビームストップ(複数可)140は、レーザ光が所定の放出角度の範囲外の角度で環境に反射されるのを防ぐように構成され得る。追加的または代替的に、ビームストップ(複数可)140は、複数の同時読み取り/信号を防止するように位置付けることができる。例示的な実施形態では、放出角度の範囲は、システム100からのレーザ発光を受容し得るミラー要素120に対する角度の範囲として表すことができる。言い換えれば、放出角度の範囲は、システム100の周りの環境から測距情報を取得することができる角度を表し得る。いくつかの実施形態では、放出角度の範囲は、第2の軸に対して定義されてもよい。そのようなシナリオでは、放出角度の範囲は240度を超える場合がある。
【0033】
システム100は、動作を実行するように構成されたコントローラ150を含む。例示的な実施形態では、コントローラ150は、1つ以上の論理ブロック、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。本開示では、他のタイプのコントローラ回路も企図されている(例えば、ラップトップコンピューティングデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、サーバコンピューティングデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、クラウドコンピューティングデバイスなど)。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ回路は、システム100から遠隔的に位置し得る(例えば、コントローラ回路がクラウドコンピューティングデバイスまたはモバイルコンピューティングデバイスに含まれる場合)。
【0034】
いくつかの実施形態では、コントローラ150は、1つ以上のプロセッサ152(例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど)およびメモリ154(例えば、クラウドサーバ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードドライブ、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、不揮発性メモリ、固体ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、読み取り/書き込み(RW)CD、RW DVDなど)を含み得る。そのようなシナリオでは、プロセッサ(複数可)152は、動作を実行するために、メモリ154に格納された命令を実行するように構成され得る。あるいは、プロセッサ(複数可)152によって実行される動作は、ハードウェア、ファームウェア、および/またはハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの任意の組み合わせによって定義され得る。コントローラ150は、システム100の送信部分および/またはシステム100の受信部分を制御するように構成され得る。例えば、システム100が1つ以上の光検出器を含む実施形態では、コントローラ150は、1つ以上の光検出器からデータを受信し、そのデータを使用して、システム100の周囲環境についての判定を行うことができる(例えば、物体検出を実施し、環境内に存在する対象物を回避する)。
【0035】
動作は、ミラー要素120を第2の軸の周りで回転させることを含み得る。一例として、ミラー要素120は、回転周波数Ωで第2の軸の周りを回転することができる。第2の軸の周りの回転は、第1の角度範囲および第2の角度範囲を含む。いくつかの実施形態では、ミラー要素120は、約30kRPMの回転周波数で第2の軸の周りを回転することができる。ミラー要素120の他の回転周波数も可能である。例えば、ミラー要素120は、100RPM~100kRPMの間の回転周波数の範囲内で第2の軸の周りを回転することができる。
【0036】
動作はまた、発光体110に第1の軸に沿ってレーザ光を放出させ、放出されたレーザ光がミラー要素120と相互作用するようにすることを含み得る。
【0037】
動作は、ミラー要素120の回転角が第1の角度範囲内にある間、放出されたレーザ光を、複数の反射表面122のうちの第1の反射表面(例えば、122a)と相互作用させることを追加的に含み得る。第1の反射表面と相互作用すると、反射されたレーザ光は、第1の反射表面によって環境に反射される。
【0038】
動作はまた、ミラー要素の回転角が第2の角度範囲内にある間、放出されたレーザ光を、複数の反射表面122のうちの第1の反射表面(例えば、122a)および第2の反射表面(例えば、122b)の両方と相互作用させることを含み得る。反射されたレーザ光は、第1および第2の反射表面によって環境に反射される。
【0039】
動作はまた、ベース構造130を第3の軸の周りで回転させることを含み得る。ベース構造は、回転周波数Φで第3の軸の周りを回転することができる。一例として、ベース構造130は、約600RPMの回転周波数で第3の軸の周りを回転することができる。他の回転周波数も可能である。例えば、ベース構造130は、10RPM~10kRPMの間の回転周波数で第3の軸の周りを回転することができる。
【0040】
システム100は、1つ以上のアクチュエータ160を含み得る。アクチュエータ160は、ミラー要素120および/またはベース構造130を回転させるように構成された直流(DC)モータを含み得る。さらに、アクチュエータ160は、発光体110の位置および/または角度を調整するためのアクチュエータを含み得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ160は、ビームストップ(複数可)140の位置および/または角度を調整するように構成された1つ以上のアクチュエータを含み得る。すなわち、そのようなシナリオでは、アクチュエータ160は、放出角度の範囲を調整するために、および/または複数の同時読み取りを回避するために、ビームストップ140を移動させることができる。
【0041】
任意選択で、動作はまた、ミラー要素の回転角が第3の角度範囲内にある間、放出されたレーザ光を複数の反射表面のうちの第3の反射表面(例えば、122c)と相互作用させることを含み得る。そのようなシナリオでは、反射されたレーザ光は、第3の反射表面によって環境に反射され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、動作は、インターレース状態でシステムを操作することをさらに含む。このようなシナリオでは、インターレース状態は、Ω/Φ=2N+1のときに発生する可能性があり、ここで、Nは整数である。インターレース条件は、システム100の周りの三次元環境を走査するための所望のレーザ走査パターンを提供し得る。すなわち、所望のレーザ走査パターンは、重なり合う走査領域を含み得、および/または環境内の所与の場所に対する後続の走査間の時間を短縮し得る。後続の走査間の時間を短縮すると、マップデータおよび/またはオブジェクトデータなど、環境に関するより最新の情報を利用できるため、安全性が向上させることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、発光体110にレーザ光を放出させることは、発光体110に、回転周波数Ωまたは回転周波数Φの少なくとも1つに基づいてレーザ光パルスを放出させることを含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、動作は、結果として生じるデータをシステム100から1つ以上の他のデバイス(例えば、他のLIDARシステムおよび/または遠隔ストレージ/制御デバイス)に通信することを含み得る。1つ以上の他のデバイスとの通信は、イーサネット接続、高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI)接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続などの1つ以上の有線接続を介して行うことができる。追加的または代替的に、1つ以上の他のデバイスとの通信は、Institute of Electronics and Electrical Engineers(IEEE)標準802.11(WIFI(登録商標))、BLUETOOTH(登録商標)、BLUETOOTH LOW ENERGY(BLE(登録商標))などの1つ以上の無線インターフェース、携帯電話技術(例えば、global system for mobile communications(GSM)、code-division multiple access(CDMA)、universal mobile telecommunications system(UMTS)、evolution-data optimized(EV-DO)、worldwide interoperability for microwave access(WiMAX)、long-term evolution(LTE(登録商標)))、dedicated short range communications(DSRC)、IEEE標準802.15.4に記載されている通信プロトコル(例:ZIGBEE(登録商標))、または広域無線接続を介して行うことができる。本明細書では、他の形態の物理層接続および他のタイプの標準または独自の通信プロトコルも企図されている。
【0045】
いくつかの実施形態では、システム100はまた、光学窓(複数可)170を含む。光学窓(複数可)170は、システム100の内部を周囲環境から分離することができる。さらに、光学窓(複数可)170は、発光体110から放出され、かつミラー要素120から環境に向かって反射された光を透過し、および/または周囲環境内の対象物から反射された光を受容することができる。いくつかの実施形態では、光学窓(複数可)170は、ガラス(例えば、GORILLA(登録商標)ガラス、光学ガラス、ポリ(メチルメタクリレート)など)から作製することができる。追加的または代替的に、光学窓(複数可)170は、1つ以上のプラスチック(例えば、光学プラスチックまたは射出成形によって形成されたプラスチック)から作製することができる。光学窓(複数可)170は、様々な厚さを有し得る。例えば、光学窓(複数可)170は、約1ミリメートル~約2ミリメートルの厚さであり得る。
【0046】
システム100はまた、光検出器180を含み得る。光検出器180は、システム100の周りの環境から(例えば、光学窓(複数可)170を介して)受容した光を検出するように構成され得る。受容した光に基づいて、光検出器180は、システム100の周りの環境のシーンについての情報を提供することができる。光検出器180は、検出器アレイを含み得る。検出器アレイは、複数の単一光子アバランシェ検出器(SPAD)を含み得る。追加的または代替的に、検出器アレイは、光を検出するように構成された他のタイプの光検出器(例えば、アバランシェフォトダイオード(APD)、シリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)、フォトダイオード、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合デバイス(CCD)、極低温検出器など)を含み得る。さらに、検出器アレイは、発光体110によって放出された偏光または波長範囲に感受性があり得る。
【0047】
図2A、2B、および2Cは、様々な例示的な実施形態による光学システムを示す。
図2A、2B、および2Cに関連して説明する光学システムは、
図1に関して図示および説明したシステム100と同様または同一であってもよい。
図2Aは、例示的な実施形態による光学システム200を示す。いくつかの実施形態では、光学システム200は、LIDARシステムの一部であり得る。
【0048】
光学システム200は、第1の軸214に沿ってレーザ光を放出するように動作可能であり得る発光体210を含む。
図2Aに示すように、第1の軸214は、図示のy軸に沿っていてもよい(または平行であってもよい)。したがって、発光体210は、y軸に沿って光212を放出することができる。発光体110に関して説明したように、発光体210は、半導体レーザ、ファイバーレーザ、レーザダイオード、ガスレーザ、またはコヒーレントな光パルスを提供するように構成された別のタイプの光源を含み得る。
【0049】
光学システム200はまた、ミラー要素220を含み得る。ミラー要素220は、複数の反射表面222a、222b、および222cを含み得る。ミラー要素220は、第2の軸224の周りを回転するように構成され得る。
図2Aに示すように、第2の軸224は、図示のz軸に平行であり得る。複数の反射表面222(すなわち、反射面)は、第2の軸224の周りに配設されている。例えば、複数の反射表面222は、ミラー要素220が三角柱形状を有するように、第2の軸の周りに対称的に配置された3つの反射表面(222a、222b、および222c)を含み得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1の軸(例えば、光212が放出される際に沿う光軸)は、第2の軸224と交差していてもよい。さらに、第1の軸214は、第2の軸224に垂直であり得る。
【0051】
例示的な実施形態では、光学システム200はまた、回転周波数Ωで第2の軸の周りでミラー要素220を回転させるように構成されたミラー要素アクチュエータを含み得る。ミラー要素アクチュエータは、ステッピングモータ、ブラシ付きもしくはブラシレスDCモータ、または別のタイプの回転アクチュエータを含み得る。言い換えれば、ミラー要素アクチュエータは、ミラー要素220を所望の回転周波数Ωで所望の方向226に回転させるように構成され得る。
【0052】
図2Aには明確に示していないが、ミラー要素220および発光体210は、ベース230に結合されている。いくつかの実施形態では、ベース230は、第3の軸の周りを回転するように構成されている。さらに、例示的な実施形態では、第3の軸は、第1の軸214と同軸であり得る(例えば、両方がy軸と同軸である)。いくつかの実施形態では、光学システム200は、回転周波数Φで第3の軸の周りで所望の方向232にベース230を回転させるように構成されたベース構造アクチュエータを含む。ベース構造アクチュエータは、ステッピングモータ、またはブラシ付きもしくはブラシレスDCモータなどの回転アクチュエータを含み得る。
【0053】
光学システム200はまた、少なくとも1つのビームストップ240を含む。ビームストップ240は、1つ以上のビームダンプ、光学的に不透明な材料、および/またはビーム遮断材料を含み得る。ビームストップ240は、ポリマー、金属、布、または他の材料から形成することができる。少なくとも1つのビームストップ240は、レーザ光が放出角度の範囲外の角度で環境に放出されるのを防ぐように構成され得る。例示的な実施形態では、放出角度の範囲は、第2の軸224の周りで240度より大きくてもよい。本明細書に記載されるように、ビームストップ240は、複数の同時読み取り/信号を防止するように位置付けることができる。
【0054】
例示的な光学システムでは、ミラー要素220の回転角が第1の角度範囲内にある間、放出された光212は、複数の反射表面222のうちの第1の反射表面222aと相互作用し、第1の反射表面222aによって反射光216として環境に反射される。いくつかの実施形態では、放出された光212は、2ミリメートルなどのビーム幅を有し得る。他のビーム幅も可能である。
【0055】
さらに、いくつかの実施形態では、ミラー要素220の回転角が第2の角度範囲内にある間、放出された光212は、複数の反射表面222のうちの第1の反射表面222aおよび第2の反射表面222bの両方と相互作用する。そのようなシナリオでは、放出された光212は、反射光216として、第1および第2の反射表面222aおよび222bによって環境に反射される。換言すれば、上記のように、放出された光212は、2ミリメートルのビーム幅を有し得る。放出された光212の第1の部分(例えば、ビーム幅の前半部分)は、第1の反射表面222aと相互作用し得、放出された光212の第2の部分(例えば、ビーム幅の後半部分)は、第2の反射面222bと相互作用し得る。
【0056】
図2Bは、例示的な実施形態による光学システム250を示す。光学システム250は、
図2Aを参照して図示および説明した光学システム200と同様または同一であってもよい。光学システム250は、ハウジング252を含み得る。ハウジング252は、放出された光212および反射された光216の波長(複数可)に対して光学的に透明であり得る。例えば、ハウジング252は、反射光216に対して90%を超えて透明であり得る。例示的な実施形態では、ハウジング252は、ビームストップ240およびミラー要素220に結合され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング252は、放出された光212および反射された光216をハウジング252に出入り可能にする、ハウジング252内に画定された1つ以上の光学窓を除いて、放出された光212および反射された光216の波長(複数可)に対して完全に不透明であり得る。さらに、いくつかの実施形態では、ハウジング252を排気して(例えば、ハウジング252内に空気がほとんどまたは全く存在しないようにして)、ハウジング内部の構成要素の光学的および/または機械的特性を改善する(例えば、ミラー要素220が第2の軸224の周りを回転するときのミラー要素220上の空気抵抗を低減する)ことができる。
【0057】
図2Cは、例示的な実施形態による光学システム260を示す。光学システム260は、
図2Aおよび2Bを参照して図示および説明したように、光学システム200および250と同様または同一であってもよい。例示的な実施形態では、ミラー要素220は、入射光212がミラー要素220の2つの反射表面と相互作用するように、第2の軸224に対して所与の角度で配向され得る。すなわち、放出された光212は、第1の反射表面222aおよび第2の反射表面222bと相互作用することができる。放出された光212は、第1の部分で反射光264として反射され、第2の部分で反射光266として反射され得る。反射光264と反射光266との間の角度の範囲は、放出角度の範囲268を定義し得る。放出角度の範囲268は、240度を超えてもよい。
【0058】
図3Aおよび3Bは、光学システム300におけるミラー要素220の2つの異なる向きを示している。システム300は、
図2A、2B、および2Cを参照して図示および説明したように、システム200、250、260と同様または同一であってもよい。
【0059】
すなわち、
図3Aに示すように、ミラー要素220は、参照マーカ302と第1の軸214との間の角度303が約15度になるように配向され得る。そのようなシナリオでは、発光体210から放出された光212は、反射表面222aと相互作用して、反射光304を形成し得る。例えば、反射表面222aと相互作用すると、反射光304は、第1の軸214に対して+90度の角度に向けられ得る。
【0060】
図3Bに示すように、ミラー要素220は、参照マーカ312が第1の軸214に沿って配向されるように配向され得る。そのようなシナリオでは、発光体210から放出された光212は、反射表面222aおよび反射面222cの両方と相互作用して、2つの異なる反射光線を提供することができる。例えば、反射表面222aおよび反射面222cと相互作用すると、放出された光212は、反射光314および反射光316として反射され得る。いくつかの実施形態では、反射光314と反射光316との間の放出角度の範囲は、240度を超えてもよい。
【0061】
図3Cは、例示的な実施形態による、反射光角度対ミラー要素参照角度グラフ330を示している。グラフ330は、ミラー要素220が第2の軸224の周りを回転するときに反射光角度がどのように変化するかを示している。例示的な実施形態では、反射光角度は、反射光線(例えば、反射光304)と第1の軸214との間の角度として定義され得る。グラフ330は、ミラー要素220が三角柱のような形状である場合の3回対称性を示している。ミラー要素220が異なる形状(例えば、直方体)をとる場合、角度対称性および放出角度の範囲がそれに応じて変化する可能性があることが理解されよう。
【0062】
グラフの点332は、
図3Aで説明するシナリオを示している。すなわち、ミラー要素の基準角303が約15度の場合、反射光304の反射光角は、約+90度であり得る。
【0063】
さらに、グラフの点334および336は、
図3Bを参照して説明したシナリオを示している。すなわち、ミラー要素の基準角度が0度の場合、放出された光212は、2つの反射表面222aおよび222bを介して反射され得る。そのようなシナリオでは、反射光314はグラフの点334(例えば、+120度の反射光角度)に関連し得、反射光316は、グラフの点336(例えば、-120度の反射光角)に関連し得る。グラフ330は例示的な実施形態を示しており、他の多くの反射光角度およびミラー要素の基準角度の関係も可能であることが理解されよう。そのような他のすべての関係は、本明細書で企図されている。
【0064】
いくつかの実施形態では、グラフ330に示すように、放出された光は、オーバーラップ範囲内の2つの異なる方向に反射され得る。一例として、オーバーラップ範囲338は、放出された光が異なる方向に反射されるミラー要素の基準角度範囲を表すことができる。このオーバーラップ範囲338は、レーザ光がミラー要素220の2つの反射表面と相互作用するミラー要素220の角度の範囲を表す。このオーバーラップ範囲338の外側では、レーザ光は、ミラー要素220の1つの反射表面のみと相互作用する。このオーバーラップ範囲338は、ミラー要素220の対称性に基づいて繰り返すことができる。グラフ330では、オーバーラップ範囲338は約10度の幅であり得るが、他のオーバーラップ範囲も可能である。いくつかの実施形態では、オーバーラップ範囲338は、放出ビームスポットサイズ、ミラー要素面形状、および/またはビーム停止位置に基づいて調整することができる。
【0065】
図3Dは、例示的な実施形態による光学システム340を示す。具体的には、
図3Dは、ミラー要素220のさらに可能な配向を示している。例えば、ミラー要素220は、
図3Bに示すシナリオに対して反時計回りに回転することができる。すなわち、ミラー要素220は、参照マーカ342が第1の軸214に対して反時計回りに約1度配向されるように配向され得る。そのようなシナリオでは、発光体210から放出された光212は、反射表面222aおよび反射面222cの両方と相互作用して、2つの異なる反射光線344および346を提供することができる。しかしながら、
図3Bとは対照的に、反射光線344および346は、第1の軸214に対して同じ角度で反射される必要はなく、同様のビーム幅またはビームサイズを有する必要はない。例えば、反射表面222aおよび反射面222cと相互作用すると、放出された光212は、反射光344および反射光346として反射され得る。そのようなシナリオでは、反射面222aと相互作用する光212の少なくとも大部分に基づいて、反射光344は、より大きなビームサイズを有し得る。逆に、反射光346は、光212のより小さな部分が反射面222cと相互作用するので、より小さなビームサイズを有し得る。さらに、ビームストップ240の位置に基づいて、反射光344は、光学システム340の周囲の環境に放出され得、一方、反射光346は、ビームストップ240によって「停止」、吸収、または減衰され得る。
【0066】
図2A、2B、2C、3A、3B、および3Dは、光212が特定のビーム幅を有することを示しているが、光212は、ミラー要素220に対してより大きいまたはより小さいビーム幅を有し得ることが理解されるであろう。例示的な実施形態では、光212は、ミラーサイズのより大きな部分であるビーム幅を有し得る。そのようなシナリオでは、
図3Cを参照すると、完全なミラー回転は、光212が2つの反射ビームに分割される、より大きな角度範囲を含み得る。
【0067】
さらに、
図2A、2B、2C、3A、3B、および3Dは、第2の軸224と交差する第1の軸214に沿って光212を放出するように配置された発光体210を示しているが、他の配置も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、発光体210は、第2の軸224と交差しない軸に沿って光212を放出するように配置され得る。例えば、発光体210は、軸外に配置されてもよく、傾斜されてもよく、または第1の軸214および/または第2の軸224から離れるようにシフトされてもよい。そのような非対称配置は、ミラー要素220の一方の側に沿って、別の側と比較して、より大きな角度範囲および/またはより高い解像度の範囲を提供することができる。例示的な実施形態では、発光体210は、特に望ましい角度範囲(例えば、水平から-45度~+20度)内に位置する環境の一部に対してより大きな角度範囲を提供するように、ミラー要素220に対して配置され得る。発光体210の他の配置およびそのような配置に関する設計上の考慮事項も可能であり、本明細書で企図されている。
【0068】
図4は、例示的な実施形態によるミラー要素400を示している。ミラー要素400は、
図1、2A、2B、2C、3A、および3Bを参照して図示および説明したように、ミラー要素120または220と同様であり得る。ミラー要素400は、反射表面422a、422b、および422cを含み得る。反射表面422a、422b、および422cは、所与の発光波長またはその周辺の入射レーザ光450に対して高度に反射するように構成され得る。例えば、反射表面422a、422b、および422cは、入射光の90%を超えて反射し得る。
【0069】
ミラー要素400は、スピンドル430を追加的に含み得る。スピンドル430は、本明細書では、代替的に、車軸、シャフト、または駆動シャフトと称し得る。ミラー要素400は、回転軸432に沿っていてもよいスピンドル430の周りを回転するように構成され得る。回転軸432は、
図2A、2B、2C、3A、および3Bに示し、本明細書の他の箇所で説明するように、第2の軸224と同様または同一であってもよい。すなわち、スピンドル430およびミラー要素400は、回転軸432に対して時計回りおよび/または反時計回りの方向に回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、スピンドル430は、ミラー要素アクチュエータ(例えば、DCモータまたはステッピングモータ)を介して回転させることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ミラー要素400は、少なくとも部分的に中空であり得る。すなわち、ミラー要素400の内側部分410の少なくとも一部の材料を除去することができる。すなわち、内側部分410は、空洞であってもよく、または空気を含んでいてもよい。
【0071】
ミラー要素400が回転軸432の周りを回転するとき、入射光は、ミラー要素の1つ以上の反射面からミラー要素400の環境に向かって反射され得る。例えば、
図4に示すように、入射レーザ光450は、相互作用位置424で第1の反射表面422aと相互作用し得る。反射表面422aに対する入射レーザ光450の入射角は、反射光452の反射角を確定し得る。
【0072】
図5は、例示的な実施形態による光学システム500を示す。光学システム500は、
図2A、2B、2C、3A、3B、および4に関して図示および説明されるように、光学システム200、250、260、および300ならびにミラー要素400と少なくとも部分的に同様または同一であってもよい。例えば、光学システム500は、反射表面510a、510b、および510cを有するミラー要素508を含み得る。ミラー要素508は、回転軸514の周りを回転するように構成され得るスピンドル512に結合され得る。
【0073】
光学システム200と同様に、光学システム500は、ビームストップ520と発光体530と、を含み得る。例示的な実施形態では、発光体530は、光学要素532(例えば、レンズおよび/または散光器)を介して光534を放出することができる。例えば、光学素子532は、FACレンズ(例えば、発光体530がレーザダイオードを含む場合、発光体530上に配置された成形プラスチックFACレンズ)を含み得る。放出された光534は、反射表面510aと相互作用し、光学システムの環境に反射され得る。
【0074】
光学システム500はまた、光検出器540を含み得る。光検出器540は、光学素子542(例えば、集光レンズまたはFACレンズ)を介して、光学システム200の周囲の環境から光544を受容するように構成され得る。光学素子542は、光検出器540の断面寸法にほぼ一致する断面寸法を有し得る(例えば、光検出器540が、それぞれ、約1.3mmおよび約1.3mmの断面幅および高さを有するSiPMを含む場合、光学要素542もまた、それぞれ、約1.3mmおよび約1.3mmの断面幅および高さを有し得る)。いくつかの実施形態では、光検出器540は、光の特定の偏光(例えば、水平偏光)を遮断するように構成された偏光フィルタを介して光544を受容することができ、その場合、光の特定の偏光(例えば、垂直偏光)のみが発光体530によって放出される。追加的または代替的に、光検出器540は、発光体530によって放出された波長以外のすべての波長をフィルタで除去するように構成された1つ以上の光学フィルタ(例えば、帯域色フィルタ)を介して光544を受容することができる。そのような技術を使用して、光検出器540は、発光体530以外の光源から来る迷光から生じるノイズを排除することができる。いくつかの実施形態(例えば、発光体530が所与の周波数で変調される実施形態)では、光検出器540は、発光体530の変調周波数に対応する周波数で変調された光を検出するように構成され得る。
【0075】
受容された光544に基づいて、光検出器540は、光学システム200の周りの環境のシーンについての情報を提供することができる。光検出器540は、検出器アレイを含み得る。検出器アレイは、複数の単一光子アバランシェ検出器(SPAD)を含み得る。追加的または代替的に、検出器アレイは、光544を検出するように構成された他のタイプの光検出器(例えば、アバランシェフォトダイオード(APD)、SiPM、フォトダイオード、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサ(APS)、電荷結合デバイス(CCD)、極低温検出器など)を含み得る。さらに、検出器アレイは、発光体530によって放出された偏光または波長範囲に感受性があり得る。
【0076】
発光体530および放出された光534が入射するミラー要素508の部分は、送信経路と呼ばれ得る。受容された光544が相互作用するミラー要素508の部分および光検出器540は、受信経路と呼ばれ得る。本明細書に示す実施形態では、送信経路と受信経路は平行であり得る。そのようなシナリオでは、送信経路および受信経路は、レーザ光パルスが環境に送信され、環境と相互作用し(例えば、対象物からの反射を介して)、反射されて受信機に戻るように構成され得る。送信経路と受信経路は、ノイズを低減し、クロストークおよび/または疑似信号を回避するために分離することができる。したがって、光学システム200は、送信経路と受信経路との間に位置付けられ得る光バッフル550を含み得る。
【0077】
光学システム500は、光検出器540、発光体530、ビームストップ520、およびミラー要素508を回転させるように構成されたアクチュエータに結合され得るベース部分560を含み得る。すなわち、ベース部分560は、送信経路および/または受信経路に平行であり得る第3の軸562の周りを回転するように構成され得る。
【0078】
図6は、例示的な実施形態による、LIDARシステム600の図である。図示のように、LIDARシステム600は、
図5に示すシステム500と同様であってもよい。例えば、LIDARシステム600は、スピンドル512に結合されたミラー要素508、ならびに発光体530および光検出器540を含み得る。しかしながら、
図5に示す構成要素に加えて、LIDARシステム600はまた、その中に画定された開口604をともなう光共振器602を含み得る。光共振器602は、光学要素542(例えば、集光レンズ)と光検出器540との間に光学的に位置付けられ得る。光共振器602は、対象物から反射された後に環境から受容された光544のための導波路として機能し得る(例えば、受容された光544を光検出器540に向けて誘導するため)。いくつかの実施形態では、光共振器602は、受容した光544を光検出器540に向けて誘導するのを助けるための特定の形状を有し得る。追加的または代替的に、光共振器602の内部は、光共振器602の内部と相互作用する受容された光544が(光共振器602によって吸収されて検出不能になるのではなく)光検出器540に向かって反射されるように反射的であり得る。いくつかの実施形態では、光共振器602の内部は、例えば、銀被覆ガラスミラーであり得る。あるいは、光共振器602の内部は、発光体530によって生成された放出光534の波長を含む波長範囲を除いた、すべての波長に対して吸収性である材料でコーティングされ得る。
【0079】
開口604は、光検出器540に到達する外部光の量を減らすことができる。例えば、開口604は、光共振器602内で適切に位置合わせされた光のみを受け入れ、その結果、光は開口604を遮断して光検出器540に到達することができる。したがって、開口604は、LIDARシステム600内の検出ノイズを低減することができる。追加的または代替的に、開口604を使用して、LIDARシステム600の焦点深度を設定することができる。いくつかの実施形態では、光検出器540に対するおよび/または光共振器602内の開口604の位置は、水平および/または垂直に調整可能であり得る(例えば、LIDARシステム600の焦点深度を調整するため、および/または光検出器540、光学要素542、光共振器602、ミラー要素508などにおける製造上の欠陥を補償するため)。このような調整は、ステージによって行うことができます(例えば、コントローラによって制御される)。
【0080】
図7Aは、例示的な実施形態による、LIDARシステム700の図である。図示のように、LIDARシステム700は、
図6に示すLIDARシステム600と同様であってもよい。例えば、LIDARシステム700は、スピンドル512に結合されたミラー要素508と、発光体530と、光検出器540と、その中に画定された開口604をともなう光共振器602と、を含み得る。
【0081】
しかしながら、
図6に示す構成要素に加えて、LIDARシステム700はまた、1つ以上のバッフル702を含み得る。バッフル702は、例えば、円盤形状であり得る。図示のように、バッフル702は、ミラー要素508に隣接する(および反射表面510a/510b/510cの各々に垂直な)スピンドル512に沿って位置付けられ得る。また、図示のように、バッフル702は、ミラー要素508の両端上のスピンドル512上に位置付けられ得る(すなわち、両方のバッフル702は、異なるz位置でスピンドル512上に配置され、1つのz位置は、ミラー要素508全体のz位置よりも小さく、1つのz位置は、ミラー要素508全体のz位置よりも大きい)。言い換えれば、バッフル702は、スピンドル512に沿ってミラー要素508の側面に位置し得る。
図7Bは、
図7Aとは異なる視点からのミラー要素508、スピンドル512、およびバッフル702の図を提供する。いくつかの実施形態では、バッフル702は、移動可能/再配向可能であり得る(例えば、コントローラによって制御されるステージを使用して)。例えば、いくつかの実施形態では、スピンドル512は、ねじ付きロッドであり得、バッフル702は、各々、スピンドル512のねじ付きロッドと嵌合するねじ付き中央セクションを有し得る。したがって、バッフル702は、バッフル702をスピンドル512の周りで回転させることによって(例えば、スピンドル512を回転静止させたままで)、スピンドル512に沿って直線的に並進することができる。したがって、バッフル702をスピンドル512に沿って移動/再配向するために、1つ以上の電気モータ(例えば、サーボ)は、バッフル702をスピンドル512の周りで回転させる(例えば、バッフル702の外周に沿って画定された歯と嵌合している電気モータのシャフト上のギアを使用する)。
【0082】
他の実施形態では、2つより多いまたは少ないバッフル702があり得る(例えば、1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16個などのバッフルがあり得る)。さらに、いくつかの実施形態では、バッフル702および/または任意の追加のバッフルは、スピンドル512に沿った様々な箇所に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、バッフル702は、送信経路と受信経路との間に位置付けられた光バッフル550と同じまたは類似の材料から作製することができる(例えば、送信経路と受信経路を互いに光学的に分離するため)。
【0083】
いくつかの実施形態では、バッフル702は、光検出器540に到達する迷光(例えば、LIDARシステム700の構成要素からの内部反射)の量を低減することができる。例えば、バッフル702は、LIDARシステム700の1つ以上の光学窓からの内部反射を減衰させるように構成され得る(例えば、それによってゴースト信号を減衰または排除する)。いくつかの実施形態では、スピンドル512に沿って位置付けられるのではなく、1つ以上のバッフルが、LIDARシステム700の多面ミラー(すなわち、ミラー要素508)と1つ以上の光学窓との間に位置付けられ得る。
【0084】
さらに、バッフル702のうちの1つ以上は、(例えば、内部反射を吸収/減衰するために)発光体530によって放出された光の波長を吸収する材料を含み得る(例えば、材料から作製され得る)。例えば、バッフル702のうちの1つ以上は、黒化鋼で作られた表面を含み得る。様々な実施形態において、バッフル702のうちの1つ以上は、プラスチック、アルミニウム、鋼、または二軸配向ポリエチレンテレフタレート(BoPET)から作られ得る(例えば、バッフル702は、プラスチック、アルミニウム、鋼、またはBoPETで作られた円板であり得る)。さらに、いくつかの実施形態では、バッフル702は、約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの厚さ、または約0.1ミリメートル~約2.0ミリメートルの厚さであり得る。さらに、バッフル702は、直径が約1センチメートル~約3センチメートルの間であり得る。代替の実施形態では、バッフル702は、円板以外の他の形状および/または他の厚さ/直径を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、半球バッフルを使用してもよい(例えば、半球のローブがスピンドル512に沿って、ミラー要素508から離れる方向に向けられている)。
【0085】
LIDARシステム700の光学特性を変更することに加えて、またはその代わりに、バッフル702は、LIDARシステム700の1つ以上の機械的特性を変更することができる。例えば、バッフル702は、ミラー要素508がスピンドル512の周りを回転しているとき(例えば、スピンドル512がDCモータなどのアクチュエータによって駆動されているとき)、ミラー要素508の振動を低減することができる。ミラー要素508の振動を低減することにより、ミラー要素508がスピンドル512の周りを回転しているときに生成される音を低減することができる。追加的または代替的に、バッフル702は、ミラー要素508の空力的特性を強化することができる(例えば、空気がミラー要素508の反射表面510a/510b/510cを横切って流れるための横方向経路を遮断することによって、ミラー要素508の回転方向に流れる空気を合理化/ミラー要素508の回転方向の層流を改善することによって、および/またはミラー要素508の近くの乱気流を低減することによって)。そのような強化された空力的特性は、ミラー要素508上で生成される抗力トルクを低減し得、それにより、(例えば、スピンドル512を駆動するモータによって)ミラー要素508を回転させるために費やされる電力の量を低減し得る。LIDARシステムの空力的特性をさらに高めるために、いくつかの実施形態では、内部でミラー要素508が回転するチャンバ(例えば、ハウジング252)を真空にすることができる(例えば、空気を除去して、ハウジング252内により低い大気圧を生成することができる)。または低密度ガス(例えば、ヘリウム)をチャンバに挿入し、それによって、真空またはほぼ真空を生成し、すべてまたはほぼすべての抗力/トルクを排除することができる。LIDARシステム700のミラー要素508または他の部分の機械的特性を強化する他の方法も可能であり、本明細書で企図されている。
【0086】
図7Cは、例示的な実施形態による、デバイス732の図である。いくつかの実施形態では、バッフル732は、
図7Aに示すLIDARシステム700のバッフル702のうちの1つ以上として使用され得る。LIDARシステム700の機械的特性を変更することに加えて、または変更する代わりに、バッフル732は、スピンドル512、およびそれに応じて、ミラー要素508のための回転エンコーダとして使用され得る。バッフル732は、一連のビット(例えば、最も内側のビットから最も外側のビットまで)によって表される光学的回転エンコーダとして機能することができる。例えば、
図7Cにおいて白で示されているビットは、光の透過を可能にし得(例えば、白のビットは、バッフル732内で画定された光開口に対応し得る)、
図7Cにおいて黒で示されているビットは、光の透過を遮断または低減し得る(例えば、黒のビットは、バッフル732の実線領域に対応し得る)。バッフル732の所与の領域(例えば、所与のスライバ)の背後で光を放出し、結果として生じるビットの配置(例えば、透過および非透過)を検出することで、(例えば、モータのコントローラおよび/またはLIDARシステム700のコントローラによって)バッフル732の角度方向の判定を行うことができる。代替の実施形態では、(例えば、透過型回転エンコーダに加えて、またはその代わりに)反射型回転エンコーダをバッフル732に組み込むことができる。
【0087】
バッフル732の角度方向の判定、ならびにバッフル732に対する回転軸514の周りのミラー要素508の反射表面510a/510b/510cの所定の角度オフセットおよび第3の軸562の周りのベース部分560の角度位置に基づいて、放出された光534が環境/シーンのどの領域に向けられるかに関して(例えば、モータおよび/またはLIDARシステム700のコントローラによって)判定を行うことができる。シーンのそのような領域は、例えば、「目標領域」と称する場合がある。目標領域に対する評価された範囲と結合された一連の目標領域に基づいて(例えば、放出された光534が発光体530によって放出されてから光検出器540によって検出されるまでの間の放出された光534の通過時間に基づいて)、周囲環境のマップ(例えば、三次元点群)をLIDARシステム700によって生成することができる。
【0088】
図7Cに示すように、光学式回転エンコーダとして機能するために、バッフル732は5つの同心リングに分割され得、各リングは32の隣接するセクションに分割される。これにより、32個のスライバ領域が定義される。各スライバ領域は、5ビットの1セットに対応する。例えば、第1のスライバ領域734は、[0 0 0 0 0]のような一連のビットに対応し得る。バッフル732の符号化スキームは、反映されたバイナリコード(すなわち、グレイコード)であり得る。したがって、第1のスライバ領域734に隣接するスライバ領域における一連のビットは、第1のスライバ領域734の一連のビットと1ビットだけ異なり得る。例えば、図示のように、第1のスライバ領域734に対して反時計回りに11.25°(360°/32スライバ領域)回転する第2のスライバ領域736は、[1 0 0 0 0]のようになり得、第1のスライバ領域734に対して時計回りに11.25°回転する第3のスライバ領域738は、[0 0 0 0 1]のようになり得る。いくつかの実施形態では、最も内側のビットが最上位ビットに対応し得、最も外側のビットが最下位ビットに対応し得る。他の実施形態では、最も内側のビットは最下位ビットに対応し得、最も外側のビットは最上位ビットに対応し得る。他のビット配置も可能である。
【0089】
反映されたバイナリコードは、バッフル732の周りを継続して、11.25°のスライバ領域の各々を一意に識別する5ビットの符号化スキームを完成させることができる。様々な実施形態において、符号化スキームを、11.25°を超える角度分解能(例えば、10°の角度分解能、5.625°の角度分解能、5°の角度分解能、2.8125°の角度分解能、1.40625°の角分解能、1°の角度分解能、0.703125°の角度分解能など)または11.25°未満の角度分解能(例えば、15°の角度分解能、20°の角度分解能、22.5°の角度分解能、30°の角度分解能、45°の角度分解能、90°の角度分解能)を提供するバッフル732のために使用することができる。
【0090】
図7Dは、例示的な実施形態による、デバイス742の図である。いくつかの実施形態では、バッフル742は、
図7Aに示すLIDARシステム700の1つ以上のバッフル702として使用され得る。
図7Cに示すバッフル732と同様に、バッフル742は、スピンドル512、およびそれに応じて、ミラー要素508のための回転エンコーダとして使用され得る。
図7Cに示すバッフル732と同様に、バッフル742は、光学回転エンコーダとして機能し得る。しかしながら、
図7Cに示すバッフル732とは異なり、
図7Dに示すバッフル742は、らせんエンコーダであってもよい。バッフル742は、バッフル742/スピンドル512の角度方向を判定するために使用されるらせん部分744を含み得る。例えば、光が1つの線746に沿って(例えば、バッフル742の後ろで、バッフル742が回転するときにバッフル742に対して静止している)照射され、ついで、らせん部分744を透過した光の検出に基づいて(例えば、バッフル742の中心から検出された光までの距離に基づいて)、(例えば、モータのコントローラおよび/またはLIDARシステム700のコントローラによって)バッフル742の角度方向を判定することができる。スパイラル部分の代替の形状/サイズ、ならびに他のタイプのエンコーダ(スパイラルおよび非スパイラルの両方)も可能であり、本明細書で企図されている。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の光学的開口をらせん状配置で配置して、それにより、回転式光学エンコーダを画定することができる。いくつかの実施形態では、バッフル732/742は、透過エンコーダではなく、反射エンコーダであってもよい(例えば、透過光ではなく反射光が検出されて角度方向を判定する場合)。
【0091】
図7Eは、例示的な実施形態による、デバイス752の図である。いくつかの実施形態では、バッフル752は、
図7Aに示すLIDARシステム700の1つ以上のバッフル702として使用され得る。
図7Cに示すバッフル732と同様に、バッフル752は、スピンドル512、およびそれに応じて、ミラー要素508のための回転エンコーダとして使用され得る。
図7Cに示すバッフル732と同様に、バッフル752は、光学回転エンコーダとして機能し得る。
【0092】
図7Fは、例示的な実施形態による、デバイス762の図である。いくつかの実施形態では、バッフル762は、
図7Aに示すLIDARシステム700の1つ以上のバッフル702として使用され得る。
図7Cに示すバッフル732と同様に、バッフル762は、スピンドル512、およびそれに応じて、ミラー要素508のための回転エンコーダとして使用され得る。
図7Cに示すバッフル732と同様に、バッフル762は、光学的回転エンコーダとして機能し得る。
図7Eに示すバッフル752および
図7Fに示すバッフル762は、それぞれのバッフル752/762が回転するときに開いた領域の数をカウントする、付随の光学エンコーダモジュールを有し得る。このようにして、光学エンコーダモジュールは、所与のバッフル752/762の角度方向を測定するように構成され得る(これは、例えば、関連する多面ミラーの形状/配向に基づいて光信号が向けられる方向を判定するために使用され得る)。
【0093】
図8Aは、例示的な実施形態による、LIDARシステム800の図である。LIDARシステム800は、
図2Aに示す光学システム200と同様であってもよい(例えば、
図2Aに示すものとはわずかに異なる角度方向にあるミラー要素220を用いて、放出された光212と反射光216との間の異なる角度をもたらす)。したがって、LIDARシステム800は、ミラー要素220、発光体210、ベース230、ビームストップ240などを含み得る。しかしながら、
図8Aに示すLIDARシステム800はまた、光検出器を含み得る(例えば、
図6に示す光検出器540と同様の光検出器であり、
図8Aの図における発光体210およびベース230の後ろにあり、それらによって遮られるようにz位置に位置付けられている)。さらに、
図2Aの光学システム200とは異なり、LIDARシステム800は、反射光216がLIDARシステム800のシーン/周囲環境に向けて透過される1つ以上の光学窓を含み得る。代替の実施形態では、光検出器に加えて、LIDARシステム800はまた、(例えば、
図6に示すLIDARシステム600と同様に)光を光検出器540に透過するために、光学要素542と、その中に画定された開口604をともなう光共振器602と、を含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、図示のように、LIDARシステム800は、第1の光学窓802を含み得る。また、図示のように、LIDARシステム800は、第2の光学窓804を含み得る。さらに、第1の光学窓802および第2の光学窓804は、ミラー要素220の互いに対向する側に位置付けられ得る。代替の実施形態では、LIDARシステム800は、単一の光学窓のみを含み得るか、または2つを超える光学窓(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の光学窓)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、LIDARシステム800は、各々がベース230の外周の周りに角度を付けて位置付けられ、第1の軸214の周りに互いに90°離間された4つの光学窓を含み得る。第1の光学窓802および/または第2の光学窓804は、第1の軸214の周りでベース230と共に回転するように、直接または間接的にベース230に結合され得る。あるいは、第1の光学窓802および/または第2の光学窓804をベース230から取り外して、ベース230が第1の光学窓802および/または第2の光学窓804とは独立して回転できるようにしてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、LIDARシステム800内の光学窓のうちの1つ以上は、湾曲していてもよい(例えば、
図2Bに示されているハウジング252の曲率と同様の曲率を有していてもよい)。例えば、光学窓のうちの1つ以上は、垂直方向の曲率(例えば、
図8Aに示すy軸の周りの曲率)または水平方向の曲率(例えば、
図8Aに示すz軸の周りの曲率)を有し得る。そのような曲率は、光がLIDARシステム800の周りの環境に到達する前に、反射光の焦点をぼかすように作用し得る。したがって、そのような技術は、生成されたゴーストビームの強度を制限し、それによってゴースト信号の検出可能性およびゴースト信号によって引き起こされるエラーを制限することができる。
【0096】
第1の光学窓802および第2の光学窓804は、同じ材料または異なる材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、光学窓802/804のうちの1つ以上は、ガラス(例えば、GORILLA(登録商標)ガラス、光学ガラス、ポリ(メチルメタクリレート)など)から作製することができる。追加的または代替的に、光学窓802/804のうちの1つ以上は、1つ以上のプラスチック(例えば、光学プラスチックまたは射出成形によって形成されたプラスチック)から作製することができる。さらに他の実施形態では、光学窓802/804のうちの1つ以上は、1つ以上のタイプのフィルタガラス(例えば、可視波長内の入射光の無視できない部分を反射および/または吸収するガラス)から作製することができる。そのような実施形態における光学窓802/804は、外部の観察者からLIDARシステム800内の構成要素を隠すのに役立ち、LIDARシステム800の美的品質を高め、および/または入射光によるLIDARシステム800内の構成要素の内部加熱を防止することができる。さらに、第1の光学窓802および第2の光学窓804は、同じまたは異なる厚さを有し得る。例えば、第1の光学窓802および第2の光学窓804は、約1ミリメートル~約4ミリメートルの厚さであり得る。
【0097】
図8Bは、例示的な実施形態による、
図8Aに示すLIDARシステム800の図である。
図8Bにおけるミラー要素220、したがって反射光216の角度方向は、
図8Aに示す角度方向とは異なる。上記のように、1つ以上の光学窓からの(例えば、第1の光学窓802からの)内部反射は、ゴーストビーム812を引き起こし得る。ゴーストビーム812は、破線を使用して
図8Bに示している。以下でさらに説明するように、ゴーストビーム812が、LIDARシステム800を使用して生成されたマッピングにおいて不正確さを引き起こす場合があるかもしれない。したがって、ゴーストビーム812の強度を減衰させるか、または完全に排除することができれば、LIDARシステム800を使用して作成された3次元点群または他のマップの精度を高めることができる。追加的または代替的に、ゴーストビーム812は、環境内の対象物がLIDARシステム800によって検出され得る最小範囲を増大させ得る。したがって、ゴーストビーム812の除去または軽減は、LIDARシステム800の近くにある周囲環境内の物体の検出可能性を高めることができる。
【0098】
図8Bに示すように、ゴーストビーム812は、反射光216の一部分が光学窓の内側および/または外側(例えば、第1の光学窓802の内側および/または外側)で反射されることから生じ得る。ゴーストビーム812は、第1の光学窓802の内側および/または外側上の1つ以上の欠陥(例えば、表面粗さなどの製造上の欠陥)または第1の光学窓802自体の内部の1つ以上の欠陥(例えば、第1の光学窓802のガラス内の気泡)から反射され得る。追加的または代替的に、ゴーストビーム812は、第1の光学窓802の内側および/または外側の表面上に位置する1つ以上の異物(例えば、ほこり、汚れ、水など)から反射され得る。追加的に、ゴーストビーム812は、フレネル反射の結果として、第1の光学窓802の内側および/または外側から反射され得る。
【0099】
第1の光学窓802の内側および/または外側から反射されると、ゴーストビーム812は、第1の反射表面222aで反射され、ついで、第1の光学窓802を介して、LIDARシステム800を取り巻く環境に透過され得る。様々な実施形態において、ゴーストビーム812は、ゴーストビーム812および一次信号814の両方がLIDARシステム800を離れるとき、一次信号814に対して様々な強度を有し得る。例えば、様々な実施形態において、ゴーストビーム812は、一次信号814の強度の0.1%、1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を有し得る。LIDARシステム800を離れた後、ゴーストビーム812は、環境内の対象物によって反射され、ついで、LIDARシステム800に向けてその経路を引き返し、そして最終的にはLIDARシステム800の光検出器に戻り得る。光検出器は、意図された目標(すなわち、一次信号814が向けられている位置に位置する環境内の目標)から反射された一次信号814に加えて、ゴーストビーム812を検出することができる。反射されたゴーストビーム812が、反射された一次信号814と比較して無視できない強度を有する場合、光検出器(例えば、光検出器/LIDARシステム800の関連するコントローラ)は、ゴーストビーム812に基づいて誤検知を登録することができる。
【0100】
図8Cは、例示的な実施形態による、LIDARシステム800の図である。LIDARシステム800は、
図8Aおよび8Bに示すのと同じLIDARシステム800であってもよいが、ミラー要素220は異なる角度方向にあり、それにより、反射光216および対応する一次信号824を、
図8Bに示す角度とは異なる角度に向ける。同様に、
図8Cに示すゴーストビーム822は、
図8Bにおいてゴーストビーム812が反射された角度とは異なる角度で、第1の光学窓802の内側から反射される。図示のように、
図8Bのゴーストビーム812と同様に、
図8Cのゴーストビーム822は、第1の光学窓802の内側からの反射光216の一部分の反射のせいで生じ得る。しかしながら、
図8Bに示すゴーストビーム812とは異なり、
図8Cのゴーストビーム822は、(第1の反射表面222aから再反射され、ついで、
図8Bのゴーストビーム812のように、第1の光学窓802を介して環境に透過されるのではなく)第2の光学窓804を介してLIDARシステム800を取り巻く環境に透過され得る。したがって、
図8Bおよび8Cに示すゴーストビーム812/822は、LIDARシステム800の光検出器でのゴーストビーム、およびおそらく最終的には、スプリアス検出(例えば、ゴースト信号)が行われる2つの可能なメカニズムを表し得る。2つのタイプのゴーストビーム812/822のどちらがより支配的であるかは、ミラー要素220からの反射光216の反射角、したがって、第1の光学窓802に対する反射光216の角度に依存し得る。他の実施形態では、追加のまたは代替のメカニズム(例えば、追加のタイプの内部反射)は、他のタイプのゴーストビームを発生させ得る。例えば、
図8Cに示すゴーストビーム822は、追加のゴーストビームをもたらす、第2の光学窓804の内側からの追加の反射を経験し得る。
図8Bおよび8Cに示す2つのタイプのゴーストビーム812/822は、単にゴーストビームの例として提供されている。
【0101】
図8Dは、例示的な実施形態による、路面を監視するために使用されているLIDARシステム800の図である。
図8D~8Fは、ゴーストビーム(例えば、
図8Cに示すゴーストビーム822)がシーン内の対象物に対して不正確な距離判定を引き起こす可能性がある無数の方法の1つを説明するために提供されている。
図8Dに示すLIDARシステム800は、
図8A~8Cを参照して示され、かつ説明されるLIDARシステム800の構成要素を含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、
図8Dに示すLIDARシステム800は、自律型車両または自律型または半自律型モードで動作する車両上での物体検出および回避ならびに/またはナビゲーションのために使用され得る。したがって、LIDARシステム800は、路面840に沿って(例えば、
図8Dで細い破線の矢印によって示される進行方向に沿って)移動することができる。LIDARシステム800が路面840に沿って移動するとき、LIDARシステム800は、少なくとも2つの位置(例えば、LIDARシステム800の実線の図によって示される第1の位置およびLIDARシステム800の破線によって示される第2の位置)に位置し得る。路面840は、路面840の略中心をマークする車線マーカ842(例えば、車線境界線)と、路面840上の車線の略縁端をマークする縁線844とを含み得る。さらに、車線マーカ842は、再帰反射器または再帰反射部分を含み得る(例えば、それによって、路面840上を移動する交通のヘッドライトからの光を明るく反射する)。逆に、縁線844は、再帰反射器または再帰反射部分を含まなくてもよい。
【0103】
図8Dに示し、かつ
図8Eにさらに詳細に示すように、LIDARシステム800が
図8Dに示す第1の位置にあるとき、LIDARシステム800内の第1の光学窓802からの内部反射に基づいて、ゴーストビーム822は、車線マーカ842の1つに向けられる(例えば、
図8Eに示すような車線マーカ842の再帰反射器)。さらに、一次信号824は、路面840上の縁線844の1つに向けられ得る。これは、
図8Dに示す第2の位置とは対照的であり、一次信号824は、依然として路面840上の縁線844の1つに向けられ得るが、ゴーストビーム822は、路面840の装飾されていない部分に向けられ得る。路面840の装飾されていない部分は、タールまたはアスファルトの一部である可能性があり、したがって、再帰反射性ではない可能性がある。LIDARシステム800が
図8Dに示す進行方向に沿って移動するとき、一次信号824は、縁線844の1つに向けられ続けることができ、一方で、ゴーストビーム822は、車線マーカ842に向けられることと、路面840の装飾されていない部分に向蹴られることとの間で交互になり得ることが理解される。
【0104】
図8Fは、例示的な実施形態による、
図8Dに示すLIDARシステム800によって送信される光信号に基づいて判定された、路面840までの距離の図である。判定された距離は、進行方向に沿った位置の関数として判定された距離を示すグラフ860に提示されている。LIDARシステム800がゴーストビーム822の存在を認識して補償するための技術を含まない場合、LIDARシステム800のコントローラは、縁線844は一次信号824が向けられている路面840の領域であるため、進行方向に沿った任意の所与の位置で判定されている距離が縁線844までの距離であると推定し得る。したがって、ゴーストビーム822の存在が未知であるか、または補償されていない場合、LIDARシステム800のコントローラは、任意の光信号(一次信号824だけでなく)の戻り時間に基づいて、一次信号824が向けられている路面840の領域までの距離を判定することができる。しかしながら、ゴーストビーム822が環境内の対象物(例えば、車線マーカ842)によって反射され、反射された一次信号824の検出の前にLIDARシステム800の光検出器によって検出された場合、および/または反射されたゴーストビーム822の強度が、反射された一次信号824の強度を超えていた場合、LIDARシステム800のコントローラおよび/または光検出器は、(反射されたゴーストビーム822のタイミングに基づいて)車線マーカ842までの距離を、一次信号824が向けられている路面840の領域までの距離(例えば、縁線844までの距離)と誤って同等とみなす可能性がある。LIDARシステム800の処理アルゴリズムに応じて、反射されたゴーストビーム822は、LIDARシステム800によって検出される追加の戻り値をもたらす可能性がある(例えば、不正確な点群をもたらす)。追加的または代替的に、車線マーカ842までの距離は、一次信号824が向けられている路面840の領域までの距離と必ずしも同じではないので、反射されたゴーストビーム822はエラーを引き起こす可能性がある。さらに、反射されたゴーストビーム822は、LIDARシステム800内の内部反射が、別の場合には同じあろう距離であっても、一次信号824と比較してゴーストビーム822の通過時間を増加させるので、エラーにつながる可能性がある。
【0105】
このような誤った検出イベントは、ゴーストビーム822が再帰反射物体(例えば、車線マーカ842、一時停止標識、交通標識、建設標識、歩行者または二輪車の運転者が着用する再帰反射安全衣類、二輪車上の再帰反射器、他の車両の再帰反射部分など)に向けられたときに最も顕著になる(またはそのときだけ存在する)場合があり、それは、再帰反射物体が、シーン内の物体からの高強度の反射を保証するためである。ゴーストビーム822は、最初は一次信号824の強度の一部である強度を有し得るので、反射されたゴーストビーム822の強度がLIDARシステム800の光検出器における反射された一次信号824の強度ほぼ同等であるか、またはそれよりも大きい場合、ゴーストビーム822の高強度反射が必要とされ得る。したがって、いくつかの実施形態では、ゴーストビーム822および一次信号824の両方が再帰反射物体から反射される場合、反射された一次信号824の強度は、LIDARシステム800の光検出器によって検出されるとき、依然として著しく大きくなり得る。そこで、一次信号824およびゴーストビーム822が再帰反射物体から反射されるいくつかの状況では(例えば、関連するコントローラが、検出された最高強度の戻り値に基づいて、または検出された閾値強度を超える最初の戻り値に基づいて距離を判定しているかどうかに応じて)、誤った距離検出は発生し得ない。
【0106】
図8Dおよび8Eのゴーストビーム822の結果としての例示的な誤った距離検出を、
図8Fのグラフ860に示している。
図8Fは、進行方向に沿って2つの判定された距離を示している。いくつかの実施形態では、判定された距離は、点群で使用するための縁線844の判定された位置に対応し得る。判定された距離は、LIDARシステム800に対して、第1の判定された距離862と、第2の判定された距離864と、を含み得る。図示のように、第1の判定された距離862は、第2の判定された距離864よりも大きくてもよい。さらに、第1の判定された距離862は、ゴーストビーム822が車線マーカ842に向けられる進行方向に沿った位置に対応し得、第2の判定された距離864は、ゴーストビーム822が路面840の装飾されていない部分に向けられる進行方向に沿った位置に対応し得る。上記のように、いくつかの実施形態では、ゴーストビーム822が再帰反射物体(例えば、車線マーカ842)に向けられる場合にのみ、反射されたゴーストビーム822の強度は、反射された一次信号824の強度に匹敵するのに十分高くなり得る。したがって、ゴーストビーム822が車線マーカ842から反射されている場合にのみ、判定された距離が不正確になる可能性がある(すなわち、判定された距離が第1の判定された距離862である場合、縁線844までの距離は、実際には、判定された距離が単に不正確であることを意味する第2の判定された距離864に等しい可能性がある)。
【0107】
図8Fに示すように、ゴーストビーム822が車線マーカ842の1つに向けられることと、路面840の装飾されていない部分に向けられることとの間で交互になるとき、判定された距離は周期的であり得る。ゴーストビーム822は、LIDARシステム800(例えば、関連する自律型車両)が進行方向に沿って移動するとき、一方と他方との間で交互になり得る。図示のように、グラフ860において、判定された距離の周期、第1の判定された距離862の値、第2の判定された距離864の値、各第1の判定された距離862セクションの幅、および各第2の判定された距離864セクションの幅は一定である。
図8Fに示す進行方向に関して判定された距離のグラフ860は、例としてのみ提示されている。
図8Fの図示は、車線マーカ842が路面840に沿って等間隔に離間され、LIDARシステム800が一定速度で移動し、路面840(車線マーカ842の下および縁線844の下の両方)が均一である実施形態における実際の検出に対応し得る。しかしながら、走行中にLIDARシステム800が加速または減速している場合、車線マーカ842が不均一に離間されている場合、または路面840が不均一である場合、グラフ860は図示とは異なって見える可能性がある。
【0108】
誤って判定された距離に加えて、またはその代わりに、ゴーストビーム(例えば、
図8C~8Eに示すゴーストビーム822)は、LIDARシステム800の光検出器による他のスプリアス検出をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態では、ゴーストビームは、所与の一次信号824に対して複数の戻り値をもたらす可能性がある。例えば、LIDARシステム800が、所与の周波数でパルス化されている変調された一次信号を放出する場合、LIDARシステム800は、各一次信号パルスに対して単一の戻り信号を評価することによって(ゴーストビームがない場合に)物体検出を実行し得る。ただし、単一の一次信号パルスの結果として複数の戻り値が生成され、その結果検出された場合、追加の検出エラーが発生する可能性がある。例えば、複数の戻り値を使用して生成された点群データは、ゴーストビームの結果として、浮き物体(例えば、浮き車線マーカ)を有しているように見える可能性がある。いくつかの実施形態では、そのような浮き物体は、生成された点群に断続的に現れる可能性がある。
【0109】
図9A~10Aに、ゴーストビーム812/822および誤って判定された距離に関して上記の潜在的な問題を軽減する例示的な手法を示す。
図9Aは、ゴーストビームからの誤った距離検出を軽減するための第1の手法を示す。
図9Aは、例示的な実施形態による、LIDARシステム900の図である。LIDARシステム900は、例えば、
図8A~8Cに示すLIDARシステム800と同様であってもよい。上記のLIDARシステム800と同様に、
図9Aに示すLIDARシステム900は、
図2Aに示す光学システム200の構成要素(例えば、ミラー要素220、発光体210、ベース230、ビームストップ240など)と、光検出器(例えば、
図6に示す光検出器540と同様の光検出器であり、
図9Aに示す発光体210およびベース230の背後にあり、それらによって塞がれるようにz位置に位置付けられている光検出器)と、を含み得る。さらに、
図9AのLIDARシステム900は、光学窓802/804を含み得る。しかしながら、
図8A~8CのLIDARシステム800とは異なり、LIDARシステム900の光学窓は、ミラー要素220に対して角度を付けられてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、LIDARシステム900は、第1の角度付き光学窓902と、第2の角度付き光学窓904と、を含み得る。スプリアス距離の判定をもたらすゴーストビームを低減または排除する1つの技術は、
図9Aに示すように、ミラー要素220に対して光学窓の一方または両方を角度付けすることを含み得る。第1の角度付き光学窓902および第2の角度付き光学窓904は、複数の反射面(すなわち、反射表面222a/222b/222c)の各反射面(すなわち、反射表面)が、多面ミラー(すなわち、ミラー要素220)が第2の軸224の周りを回転するときの角度付き光学窓902/904に対して非平行のままであるように角度付けすることができる。様々な実施形態において、角度付き光学窓902/904に対して「非平行」のままであることは、第2の軸224の周りのミラー要素220の各角度位置において、複数の反射面が角度付き光学窓902/904に対して、少なくとも0.01°、0.1°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°などの角度を有するように、角度付き光学窓902/904の角度を含み得る(例えば、9.5°~10.5°の角度などの、5°~15°の角度)。言い換えれば、角度付き光学窓902/904は各々、多面ミラー(すなわち、ミラー要素220)の回転面に対して非平行であり得る(例えば、例えば、9.5°~10.5°の角度などの、5°~15°の角度)。多面ミラーの回転面に対して非平行であることは、多面ミラーの回転面内にある任意の軸の周りで回転している角度付き光学窓902/904を含み得る。例えば、
図9Aに示すように、多面ミラーの回転面はxーy面である。したがって、回転面に対して非平行である角度付き光学窓902/904は、x軸(またはx軸に平行な軸)の周りの角度付き光学窓902/904の回転、y軸(またはy軸に平行な軸)の周りの回転、またはx軸およびy軸の重ね合わせ(x軸とy軸にそれぞれ平行な軸の重ね合わせ)の周りの回転と含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、多面ミラーが第2の軸224の周りを回転するとき、角度付き光学窓902/904は、多面ミラーのすべての角度において、複数の反射面に対して非平行のままであり得る。しかしながら、他の実施形態では、角度付き光学窓902/904は、多面ミラーが第2の軸224の周りを回転するとき、多面ミラーのいくつかの角度においてのみ、複数の反射面に対して非平行のままであり得る。
【0111】
図示のように、いくつかの実施形態では、第1の角度付き光学窓902および第2の角度付き光学窓904は、角度付き光学窓902/904がそれぞれの軸の周りを回転するように位置付けることができる。いくつかの実施形態では、そのような軸は、第1の軸214に平行であり得る(例えば、角度付き光学窓902/904は、図示のxーz平面に垂直な軸の周りで回転することができる)。いくつかの実施形態では、角度付き光学窓902/904は、(例えば、コントローラによって制御されるステージを使用して)移動可能/再配向可能/回転可能であり得る。
【0112】
光学窓の一方または両方に角度を付けると、ゴーストビームが環境に透過される前に、ゴーストビームを減衰または除去することができる。例えば、反射光216が第1の角度付き光学窓902から反射されるとき、反射の強度(すなわち、ゴーストビームの強度)は、反射光216が角度のない光学窓(例えば、
図8A~8Cに示す第1の光学窓802)から反射された場合の反射の強度よりも小さくなり得る。追加的または代替的に、反射光216が第1の角度付き光学窓902から反射された結果として生成される任意のゴーストビームは、(
図8Cに示すように、第2の光学窓804を介してLIDARシステムの周囲の環境に向けられるのと対照的に)LIDARシステム900の無反射の内部部分に向けられ、それによって吸収され得る。ゴーストビームの強度を低減および/またはゴーストビームを方向転換することに加えて、角度付き光学窓(例えば、第1の角度付き光学窓902)の使用は、LIDARシステム900を取り巻く環境への反射光216の透過を改善し得る(すなわち、
図8Bおよび8Cに示す一次信号814/824と同様に、一次信号の強度を増加させることができる)。LIDARシステム900を取り巻く環境への反射光216の透過を増強することによって、ゴースト信号に対する一次信号の強度の比率を改善することができ(例えば、
図8Bおよび8CのLIDARシステム800で発生するのと同じ比率と比較した場合)、それにより、コントローラ(例えば、LIDARシステム900のコントローラおよび/またはLIDARシステム900の光検出器のコントローラ)が、一次信号ではなくゴースト信号を誤って使用して、シーン内の目標物体までの距離を判定する可能性を低減することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、第1の角度付き光学窓902および第2の角度付き光学窓904が角度を付けられる程度は、約4°~約6°の間であり得る(角度は、例えば、
図8Aに示す0°に対して測定される)。他の角度も可能である(例えば、約9.5°~約10.5°の間などの、約5°~約15°の間)。例えば、角度付き光学窓902/904を作製するために使用される材料の臨界角よりも小さい任意の角度を使用することができる(すなわち、角度付き光学窓902/904への反射光216の入射角に基づいて、全内部反射が光学窓/外部環境インターフェースで起こり始める角度よりも小さい任意の角度)。いくつかの実施形態(例えば、放出光212および/または反射光216の偏光があらかじめ判定されている実施形態)では、第1の角度付き光学窓902の角度および/または第2の角度付き光学窓904の角度を、反射光216の透過を最大化するために、光学窓/外部環境インターフェースのブリュースター角に合わせて設定することができる。
【0114】
図9Aに示すように、第1の角度付き光学窓902および第2の角度付き光学窓904は、互いに実質的に平行であり得る(すなわち、第1の角度付き光学窓902の内面に垂直なベクトルは、第2の角度付き光学窓904の内面に垂直なベクトルにほぼ平行であり得る)。様々な実施形態において、互いに「実質的に平行」である2つの角度付き光学窓は、正確に平行の0.01°、0.1°、1°、2°、または3°以内にある光学窓に対応し得る。
【0115】
代替の実施形態では、光学窓は、それらが互いに実質的に平行にならないように角度を付けることができる。例えば、
図9Bは、実質的に平行でない光学窓を有するLIDARシステム910の図である。
図9Bに示すLIDARシステム910は、
図9BのLIDARシステム910の光学窓912/914が
図9AのLIDARシステム900の光学窓902/904と同じ方向に向けられていないことを除いて、
図9Aを参照して示し、かつ説明したLIDARシステム900と同一であってもよい。
【0116】
図9Bに示すように、光学窓912/914は、互いに逆方向に角度を付けることができる(例えば、第1の角度付き光学窓912は、ミラー要素220に対して5°の角度を付けることができ、一方、第2の角度付き光学窓914は、ミラー要素220に対して-5°の角度を付けることができる)。様々な実施形態において、光学窓912/914はそれぞれ、ミラー要素220に対して、+1°/-1°、-1°/+1°、+2°/-2°、-2°/+2°、+3°/-3°、-3°/+3°、+4°/-4°、-4°/+4°、+5°/-5°、-5°/+5°、+6°/-6°、-6°/+6°、+7°/-7°、-7°/+7°、+8°/-8°、-8°/+8°、+9°/-9°、-9°/+9°、+10°/-10°、または-10°/+10°の角度で配向され得る。他の角度方向も可能である。
【0117】
他の実施形態では、LIDARシステムの光学窓は、非対称の角度方向を有し得る。例えば、1つの光学窓は、ミラー要素220に対して約5°の角度を付けることができ、一方、別の光学窓は、ミラー要素220に対して約-3°の角度を付けることができる。別の例では、1つの光学窓は、ミラー要素220に対して約6°の角度を付けることができ、一方、別の光学窓は、ミラー要素220に対して約4°の角度を付けることができる。さらに別の例では、1つの光学窓は、ミラー要素220に対して-7°の角度を付けることができ、一方、別の光学窓は、ミラー要素220に対して約-3°の角度を付けることができる。LIDARシステム内の光学窓の角度方向の代替セットも可能であり、本明細書で企図されている。実質的に平行でない光学窓の配置を使用すると、内部反射をさらに減少させ、それによって、生成されるゴーストビームの数を減少させることができる。
【0118】
角度付き光学窓に加えて、またはその代わりに、LIDARシステム内で光吸収構造を使用して、LIDARシステム内の内部反射の伝播を防止または減衰し、それによってゴースト信号の検出を防止し、および/またはゴースト信号が誤った距離の判定をもたらすことを防止することができる。LIDARシステムで使用される例示的な光吸収構造は、
図7Aおよび7Bに示すスピンドル512上のバッフル702を含み得る。
【0119】
光吸収構造の別の例は、垂直に配向されたバッフルを含む。垂直に配向されたバッフル922を含む例示的なLIDARシステム920を、
図9Cに示す。
図9Cに示すLIDARシステム920は、垂直に配向されたバッフル922が追加されていることを除いて、
図8A~8Cを参照して示し、かつ説明したLIDARシステム800と同一であってもよい。図示のように、垂直に配向されたバッフル922は、yーz平面に平行に、かつ発光体210に隣接して位置付けることができる(例えば、放出された光212はミラー要素220に到達し得るが、第1の光学窓802から反射されたゴーストビーム822は垂直に配向されたバッフル922によって吸収されるように、発光体210を隣接して配置する)。
【0120】
垂直に配向されたバッフル922は、吸収性であり得る(例えば、垂直に配向されたバッフル922は、発光体210によって放出された光の波長を吸収するように特別に設計された材料を含み得る)。例えば、垂直に配向されたバッフル922は、黒化鋼で作られた表面を含み得る。追加的または代替的に、垂直に配向されたバッフル922は、プラスチック、アルミニウム、鋼、またはBoPETから作製され得る。いくつかの実施形態では、追加または代替の吸収性バッフルが、LIDARシステム920に含まれ得る。したがって、2つより多いまたは少ない吸収バッフル922が含まれ得る(例えば、1、3、4、5、6、7、8、9、10などの吸収性バッフルが、LIDARシステム920に含まれ得る)。
【0121】
追加的または代替的に、内部反射を吸収する/ゴーストビームを減衰させるためのLIDARシステム920内のバッフルの他の位置も可能である。例えば、1つ以上のバッフルは、LIDARシステム920の上部近くのyーz平面に平行に位置し得る(例えば、ミラー要素220と第1の光学窓802との間のx位置および第2の軸224よりも大きいy位置に位置付けられ得、またはミラー要素220と第2の光学窓804との間のx位置および第2の軸224よりも大きいy位置に位置付けられ得る)。追加的または代替的に、2つの吸収バッフルが、垂直に配向され得、第1の光学窓802に実質的に平行に位置付けられ得、かつ反射光216に隣接し得る(すなわち、1つの吸収バッフルは、反射光216のz位置よりも小さいz位置に位置付けられ、別の吸収バッフルは、反射光216のz位置よりも大きいz位置に位置付けられる)。
【0122】
さらに、いくつかの実施形態では、ミラー要素220に対する1つ以上の光学窓(例えば、第1の光学窓802および/または第2の光学窓804)の角度方向は、それぞれの光学窓からの反射の結果として生じたゴーストビームが、ゴーストビームを吸収または散乱するバッフルに向けられるように選択することができる。そのような吸収または散乱は、それぞれのゴーストビームがシーン内の対象物に向けられ、そこから反射されるのを防ぐことができる。そのような吸収/散乱バッフルは各々、それぞれのバッフルが、発光体210によってミラー要素820に向けて放出された光線(すなわち、放出された光212)と干渉しないように、またはミラー要素820によって反射され、シーンに向けられた光線(すなわち、反射光216)と干渉しないように、xーy平面に実質的に平行であり得る(例えば、xーy平面と平行の1°、5°、10°、または15°以内)。言い換えれば、各バッフルは、バッフルがLIDARシステム920によって透過される一次信号824に干渉しないように配向することができる。いくつかの実施形態では、そのような吸収/散乱バッフルは、ベース230またはミラー要素220に対して固定することができる。さらに、そのような吸収/散乱バッフルは、放出された光212および/または反射光216の光軸のいずれかの側にも設置することができる。追加的または代替的に、そのような吸収/散乱バッフルは、受信ビーム経路と送信ビーム経路との間に設置することができる。例として、光バッフル550は、ベース230に対して固定され、受信ビーム経路と送信ビーム経路との間にあり、バッフル702は、ミラー要素220に対して固定され、ビーム経路のいずれかの側に設置される(したがって、バッフル702は、発光体210などのLIDARシステム920の他の要素に対して回転する)。様々な実施形態において、ミラー要素220は、吸収/散乱バッフル(例えば、バッフル702)に対して固定され得るか、または吸収/散乱バッフル(例えば、光バッフル550)に対して運動し得る(例えば、回転し得る)。吸収/散乱バッフルのためのミラー要素220に対する他の配向、位置、および運動も可能であり、本明細書で企図されている。
【0123】
光学窓の内側からの反射(例えば、第1の光学窓802の内側および/または第2の光学窓804の内側からの反射)を軽減するための追加の技術は、1つ以上の反射防止コーティングの使用を含み得る。
図10Aは、例示的な実施形態による、LIDARシステム1000の図であり、LIDARシステム1000内の内部反射を減衰または排除するための反射防止コーティング1002を含み得る。
【0124】
図10Aに示すように、LIDARシステム1000は、第1の光学窓802および第2の光学窓804の内側に反射防止コーティング1002を含み得る。様々な実施形態では、反射防止コーティング1002は、光学窓802/804の内側の部分、または光学窓802/804の内側の全体を覆うことができる。さらに、いくつかの実施形態では、第1の光学窓802の内側の反射防止コーティング1002は、第2の光学窓804の内側の反射防止コーティング1002とは異なるサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の光学窓802および第2の光学窓804の内側の反射防止コーティング1002に加えて、またはその代わりに、LIDARシステム1000は、第1の光学窓802および/または第2の光学窓804の外側の反射防止コーティングを含み得る。反射防止コーティング1002は、第1の光学窓802および第2の光学窓804の内側からの反射光216の内部反射を低減するように設計することができる。反射防止コーティング1002のないいくつかの実施形態では(例えば、
図8A~8Cに示すLIDARシステム800のように)、第1の光学窓802および第2の光学窓804からの内部反射は、入射光信号の強度の約4%~約100%の範囲であり得る(例えば、第1の反射表面222aと第1の光学窓802との間の入射角に依存する)。逆に、反射防止コーティング1002をともなう様々な実施形態(例えば、
図10Aに示すLIDARシステム1000)では、第1の光学窓802および第2の光学窓804からの内部反射は、入射光信号の強度の約2%未満(例えば、小さい入射角の場合)、入射光信号の強度の2%~10%の間(例えば、中程度の入射角の場合)、および/または入射光信号の強度の10%~30%の間(例えば、大きな入射角の場合)であり得る。さらに、いくつかの実施形態では、反射防止コーティング1002は、大きな入射角(例えば、約30°を超える入射角、約45°を超える入射角、約60°を超える入射角、または約75°を超える入射角)の反射を低減するように設計することができる。ゴーストビームの強度を低減することに加えて、反射防止コーティング1002を含めることは、LIDARシステム1000を取り巻く環境への反射光216の透過を改善し得る(すなわち、
図8bおよび8cに示す信号814/824と同様に、一次信号の強度を増大させることができる)。LIDARシステム1000を取り巻く環境への一次信号の送信を強化することによって、ゴースト信号に対する一次信号の強度の比率を改善することができ(例えば、
図8Bおよび8CのLIDARシステム800で発生するのと同じ比率と比較した場合)、それにより、(例えば、LIDARシステム1000および/またはLIDARシステム1000の光検出器の)コントローラが、シーン内の目標物体までの距離を判定するために一次信号ではなくゴースト信号を誤って使用する可能性を低減する。
【0125】
図9A~10Aを参照して説明された技術を使用することに加えて、または使用する代わりに、代替技術を使用して、ゴーストビームを減衰および/または排除することができる(例えば、それにより、ゴースト信号に起因する誤った距離検出を排除する)。例えば、1つの代替技術は、LIDARシステムにおいて、光学窓の数を減らすこと(例えば、
図9Cに示す第2の光学窓804を排除すること)を含み得る。光学窓の数を減らすと、LIDARシステムの内部からゴーストビームが取り得る外部環境へのパスの数を減らすことができる。したがって、ゴーストビームがLIDARシステムを取り巻く環境に伝播するのを防ぐことができる(例えば、
図8Cに示すゴーストビーム822は、LIDARシステム800を取り巻く環境に送信されず、その結果、LIDARシステムの光検出器800によって検出されない)。しかしながら、光学窓のうちの1つ以上を取り外すことにより、ベース230の所与の角度位置に対して、(例えば、
図2Cに示すように)発光体210の発光角度範囲268を制限することができる。
【0126】
図10Bは、例示的な実施形態による、LIDARシステム1010の図である。LIDARシステム1010は、例えば、
図8A~8Cに示すLIDARシステム800と同様であってもよい。上記のLIDARシステム800と同様に、
図10Bに示すLIDARシステム1010は、
図2Aに示す光学システム200の構成要素(例えば、ミラー要素220、発光体210、ベース230、ビームストップ240など)と、光検出器(例えば、
図6に示す光検出器540と同様の光検出器であり、
図10Bに示す発光体210およびベース230の背後にあり、それらによって塞がれるようにz位置に位置付けられている光検出器)と、を含み得る。さらに、
図10BのLIDARシステム1010は、光学窓802/804を含み得る。しかしながら、
図8A~8CのLIDARシステム800とは異なり、LIDARシステム1010はまた、光学フィルタ1012を含み得る。光学フィルタ1012は、それぞれの光学窓802/804の外側の一部分を覆うことができる。いくつかの実施形態では、光学フィルタ1012は、それぞれの光学窓802/804の外側の全体を覆うことができる。さらに、いくつかの実施形態では、第1の光学窓802の外側の光学フィルタ1012は、第2の光学窓804の外側の光学フィルタ1012とは異なるサイズであってもよい。追加的または代替的に、いくつかの実施形態は、それぞれの光学窓802/804の内側の少なくとも一部分を覆う光学フィルタを含み得る。
【0127】
図10Bに示す光学フィルタ1012は、LIDARシステム1010に入る周囲光(例えば、発光体210によって放出された波長以外の波長の光)を低減するために使用され得る。いくつかの実施形態では、周囲光は、LIDARシステム1010内の構成要素の熱膨張を引き起こし得る(例えば、ミラー要素220、発光体210、光検出器などの熱膨張)。熱膨張は、測定の不正確さにつながる可能性がある。例えば、LIDARシステム1010内の1つ以上の光学部品は、熱膨張の結果として不整列になる可能性がある(例えば、発光体210がミラー要素220と整列しなくなったか、またはミラー要素220が光検出器および/または光学窓802/804と整列しなくなった)。これは、LIDARシステム1010の様々な構成要素が異なる材料から作製された場合、特に不正確な結果を生じる可能性がある(それにより、異なる熱膨張係数を有し、加熱の結果として不一致な膨張をもたらす)。
【0128】
他の有害な熱効果も周囲光によって引き起こされる可能性がある。例えば、LIDARシステム1010内の光検出器の加熱は、光検出器の光学感度の変更をもたらす可能性がある(例えば、光検出器が1つ以上のSiPM、APD、または他の半導体デバイスを含む場合)。追加的または代替的に、発光体210の加熱(例えば、発光体210がレーザダイオードである場合)は、発光体210の利得媒質および/または共振器の熱ドリフトをもたらす可能性があり、これは、次に、発光体210の出力波長の変化をもたらす可能性がある。発光体210の波長の変化は、不正確な検出につながる可能性がある(例えば、対応する光検出器が異なる波長に高感度になるように調整されているため、および/または光学フィルタなどのLIDARシステム1010の1つ以上の光学部品が、発光体210から放出された元の波長以外の波長、すなわち、熱変化の前に放出された発光体210の波長を除外するように調整されているため)。周囲光に高輝度の太陽光が含まれている場合、前述の問題のいずれかおよびすべてが特に有害となり得る。
【0129】
少なくとも前述の理由のために、いくつかの実施形態は、LIDARシステムに入る周囲光の量を軽減するための1つ以上の技術を含み得る。例えば、
図10Bに示すLIDARシステム1010は、光学フィルタ1012を含む。光学フィルタ1012は、LIDARシステム1010に入る周囲光を低減するために使用される様々なタイプのフィルタ(例えば、偏光フィルタ、ダイクロイックフィルタ、中性濃度フィルタなど)を含み得る。例示的な実施形態では、波長に関する光学フィルタ1012のうちの1つ以上の反射率は、
図11に示し、かつ
図11を参照して説明する反射率プロットに対応し得る。
【0130】
図11は、例示的な実施形態による、LIDARシステムで使用されるフィルタ(例えば、
図10Bに示す光学フィルタ1012のうちの1つ)の反射率の図である。この例では、フィルタは、1つ以上のダイクロイックフィルタを含む。図示のように、フィルタの反射率は、約400ナノメートル~約900ナノメートルの波長において非ゼロであり得る。したがって、フィルタは、可視スペクトル内の光の波長(例えば、約400ナノメートル~約700ナノメートルの波長)の透過を低減することができる。いくつかの実施形態では、可視波長にわたる平均反射率は、約40%~約60%(例えば、約50%または少なくとも約50%)であり得る。代替の実施形態では、可視波長にわたる平均反射率は、他の値(例えば、95%超、90%超、85%超、80%超、75%超、70%超、65%超、60%超、55%超、50%超、45%超、40%超、35%超、30%超、25%超、20%超、15%超、10%超、または5%超)を有していてもよい。さらに、代替の実施形態では、可視スペクトルにわたる反射率は、実質的に一定であり得る(例えば、図示よりも変動が少ない)。様々な実施形態において、可視スペクトルにわたる「実質的に一定の」反射率は、可視スペクトルの全体にわたる各々他の0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、または20%以内の反射率のみを含み得る。可視スペクトルにわたる実質的に一定の反射率を有する実施形態では、光学フィルタ1012は、可視スペクトル内の光に対して知覚的に無着色のミラーとして機能し得る(例えば、光学フィルタ1012は、LIDARシステムの外部の観察者には、標準的なミラーとして見え得る)。知覚的に無着色のミラーを実現する他の技術も可能である(例えば、可視スペクトルにわたって実質的に一定ではないが、観察者の目には色受容体に基づいて依然として無着色に見える反射率)。LIDARシステムにおける光学フィルタ(例えば、
図10Bに示す光学フィルタ1012)の仕様は、それぞれの光学フィルタを作製するために使用される誘電体層の数に依存し得ることが理解される。例えば、可視スペクトルにわたる反射率の値および可視スペクトルにわたる反射率値の変動量は、誘電体層の数に依存し得る。したがって、光学フィルタのスペクトル反射率を平坦化するため、またはスペクトル内の任意の所与の反射率値を増大させるために、追加の誘電体層を光学フィルタに含めてもよい。追加の誘電体層を追加することは、光学フィルタを作製する上での追加の時間および/または困難に相当し得る。
【0131】
さらに、
図11のプロットが生成されるフィルタは、LIDARシステムの発光体によって放出された光の波長(すなわち、レーザ発光波長)に対応する波長に対して、高い透過率(例えば、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、99%超、または99.9%超)を有するように設計され得る。図示のように、これは、約905nmの波長に対する低い反射率に対応し得る(ただし、他のレーザ発光波長も可能である)。いくつかの実施形態では、フィルタは、可視スペクトル内のすべての波長の透過をほぼ等しく低減する(例えば、減衰なしに赤外線の波長を通過させる)1つ以上の可視スペクトル中性濃度フィルタを含み得る。
【0132】
III.プロセス例
図12は、例示的な実施形態による、方法1200のフローチャート図である。方法1200の1つ以上のブロックは、様々な実施形態において、LIDARシステムによって(例えば、
図9A~10Aに示すLIDARシステム900/910/920/1000または本明細書に記載または企図される他のLIDARシステムのいずれかによって)実行することができる。いくつかの実施形態では、方法1200のブロックのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイス(例えば、LIDARシステムの1つ以上の構成要素のコントローラ)によって実行することができる。コンピューティングデバイスは、不揮発性メモリ(例えば、ハードドライブまたはROM)、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックランダムアスクスメモリ(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、ユーザ入力デバイス(例えば、マウスまたはキーボード)、ディスプレイ(例えば、LEDディスプレイまたは液晶ディスプレイ(LCD)、および/またはネットワーク通信コントローラ(例えば、IEEE 802.11規格に基づくWIFI(登録商標)コントローラ、またはイーサネットコントローラ)などのコンピューティング構成要素を含み得る。コンピューティングデバイスは、例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、ハードドライブ)に格納された命令を実行して、本明細書に記載の動作のうちの1つ以上を行うことができる。
【0133】
ブロック1202において、方法1200は、光検出および測距(LIDAR)システムの発光体によって、光軸に沿って光信号を放出することを含み得る。
【0134】
ブロック1204において、方法1200は、第1の回転軸の周りを回転するように構成された多面ミラーの複数の反射面の1つによって、光信号を、シーンの1つ以上の領域に向けて反射させることを含み得る。
【0135】
ブロック1206において、方法1200は、LIDARシステムの光学窓を介して、反射された光信号を、シーンの1つ以上の領域に向けて透過させることを含み得る。いくつかの実施形態では、光学窓は、多面ミラーが第1の回転軸の周りを回転するときに、複数の反射面の各反射面が光学窓に対して非平行のままであるように配置することができる。いくつかの実施形態では、フィルタは、光学窓の外側の少なくとも一部分を覆うことができる。そのようなフィルタは、発光体によって生成されない少なくともいくつかの波長の透過を低減することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバッフルは、多面ミラーの1つ以上の非反射側に隣接して位置付けることができる。そのようなバッフルは、多面ミラーを第1の回転軸の周りで回転させるために使用される電力量を低減するように構成され得る。
【0136】
ブロック1208において、方法1200は、LIDARシステムの光検出器によって、シーンの1つ以上の領域から反射された光信号を検出することを含み得る。シーンの1つ以上の領域から反射された光信号は、反射面から反射され、光学窓を介して透過された光信号の反射であり得る。
【0137】
ブロック1210において、方法1200は、第2の回転軸の周りで、多面ミラー、発光体、および光検出器に結合されたベースを回転させることを含み得る。光信号が向けられたシーンの1つ以上の領域は、第1の回転軸の周りの多面ミラーの第1の回転角および第2の回転軸の周りの第2の回転角に基づいていた可能性がある。
【0138】
IV.結論
本開示は、本出願に記載の特定の実施形態に関して限定されるものではなく、特定の実施形態は、様々な態様の説明として意図されるものである。当業者には明らかなことであるが、多くの変形および変更を本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書において列挙される方法および装置に加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は当業者には、これまでの説明から明らかであろう。このような変形および変更は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0139】
上記の詳細な説明は、添付の図面を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能を説明している。図では、特に文脈で記載しなない限り、同様の記号は通常、同様の構成要素を指している。本明細書および図に記載の実施形態例は、限定することを意図しているものではない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書で一般的に説明され、かつ図に例証されている、本開示の態様について、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計を行うことができ、そのすべてが、本明細書において明示的に企図されていることが容易に理解されよう。
【0140】
図における、また本明細書において述べられたメッセージフロー図、シナリオ、およびフローチャートのいずれかまたはすべてに関して、各ステップ、ブロック、動作、および/または通信は、実施形態例に従った情報の処理および/または情報の送信を表し得る。代替の実施形態は、これらの実施形態例の範囲内に含まれる。これらの代替の実施形態では、例えば、ステップ、ブロック、送信、通信、要求、応答、および/またはメッセージとして説明される動作は、関わる機能性に応じて、図示または述べられたものとは異なる順序で、実質的に同時に、または逆の順序で実行され得る。さらに、それより多いまたは少ないブロックおよび/または動作を、本明細書に記述のメッセージフロー図、シナリオ、およびフローチャートのいずれかで使用することができ、これらのメッセージフロー図、シナリオ、およびフローチャートは、部分的にまたは全体として互いに組み合わせることができる。
【0141】
情報の処理に相当するステップ、ブロック、または動作は、本明細書に記載の方法または技法の特定の論理機能を果たすように構成され得る回路網に対応し得る。代替的にまたは追加的に、情報の処理に相当するステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連データを含む)の一部に対応し得る。プログラムコードには、特定の論理演算または動作を方法または技法において実施するためのプロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含めることができる。プログラムコードおよび/または関連データは、RAM、ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、または別の記憶媒体を含む記憶デバイスなど、いずれのタイプのコンピュータ可読媒体にも格納され得る。
【0142】
コンピュータ可読媒体には、レジスタメモリおよびプロセッサキャッシュのような短期間にデータを格納するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体も含めることができる。コンピュータ可読媒体には、プログラムコードおよび/またはデータを長期間格納する非一時的コンピュータ可読媒体をさらに含めることができる。したがって、コンピュータ可読媒体には、例えば、ROM、光ディスクまたは磁気ディスク、ソリッドステートドライブ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:Compact-Disc Read Only Memory)のような二次のまたは永続的な長期記憶装置が含まれ得る。コンピュータ可読媒体はまた、他の任意の揮発性または不揮発性の記憶システムであり得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または有形の記憶デバイスとみなすことができる。
【0143】
さらに、1つ以上の情報送信に相当するステップ、ブロック、または動作は、同じ物理デバイスにおけるソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュール間の情報送信に対応し得る。しかし、他の情報送信は、様々な物理デバイスにおけるソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュール間の情報送信であり得る。
【0144】
図に示す特定の配列は、限定としてみなされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示される各要素をそれより多く、またはそれより少なく含み得ることを理解されたい。さらに、図示の要素のうちのいくつかを組み合わせることも、省略することもできる。またさらに、実施形態例が、図に示されていない要素を含むこともある。
【0145】
種々の態様および実施形態が本明細書において開示されているが、当業者には、その他の態様および実施形態が明らかとなるであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例証を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0146】
本開示全体を通しての「第1」、「第2」、「第3」などの用語の使用は、例示的な実施形態の理解を助けるために使用されることを意味し、限定することを意味するものではないことが理解される。さらに、本開示の一部分における「第1の軸」または「第1の光学窓」は、本開示または特許請求の範囲の第2の部分における「第1の軸」または「第1の光学窓」に必ずしも対応しないことが理解される。例えば、本開示の一部分における「第2の軸」は、特許請求の範囲における「第1の回転軸」に対応し得る。ただし、「第1」、「第2」、「第3」などの使用は、その使用を取り巻く状況から明らかであろう。
【国際調査報告】