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特表2022-510137フレキシブル冷間圧延機及びフレキシブル冷間圧延機の改造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】フレキシブル冷間圧延機及びフレキシブル冷間圧延機の改造方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 1/36 20060101AFI20220119BHJP
   B21B 1/00 20060101ALI20220119BHJP
   B21B 1/22 20060101ALI20220119BHJP
   B21B 31/02 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B21B1/36
B21B1/00 Z
B21B1/22 J
B21B31/02 C
B21B31/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021528418
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(85)【翻訳文提出日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2019065764
(87)【国際公開番号】W WO2020104078
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】18208131.5
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521148669
【氏名又は名称】コッカリル・メンテナンス・エ・インジェニエリー・エスア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ピアーズ
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・デュモルティエ
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002AD05
4E002BA01
4E002BA03
4E002CB07
4E002CB08
(57)【要約】
第1の土木工事基礎(6)上に立設された少なくとも1つの圧延スタンド(2)及び第1の生産能力を有する可逆圧延機(1)の、2つ以上の圧延スタンド(2、2’)及び第2の生産能力を有するアップグレードされた圧延機(1’)へのフレキシブル改造方法であって、第2の生産能力が第1の生産能力より高く、前の可逆圧延機(1)の入側に対応する排他的な送り側及び前の可逆圧延機(1)の送り側と同じ側に配置される入側を、圧延機に提供することによって、アップグレードされた圧延機(1’)が、改造の最後に得られ、入側テンションリール(4)が、改造後、送り側テンションリールのみになり、そのため、圧延運転が1つのパスでのみ行われ、圧延機がもはや可逆ではない、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の土木工事基礎(6)上に立設された少なくとも1つの圧延スタンド(2)及び第1の生産能力を有する可逆圧延機(1)の、2つ以上の圧延スタンド(2、2’)及び第2の生産能力を有するアップグレードされた圧延機(1’)へのフレキシブル改造方法であって、前記第2の生産能力が前記第1の生産能力より高く、前記可逆圧延機(1)が、
- 前記スタンド(2)の第1の側又は入側の、アンコイリング装置又はペイオフリール(3)、及び、第1のリコイリング装置又は入側テンションリール(4)と、
- 前記スタンド(2)の第2の側又は送り側の、第2のリコイリング装置又は送り側テンションリール(5)と、
- 前記可逆圧延機(1)の通常運転及び制御のために必要な標準的な補助設備及び運転設備と
をさらに備え、
前の可逆圧延機(1)の前記入側に対応する排他的な送り側及び前記前の可逆圧延機(1)の前記送り側と同じ側に配置される入側を、前記圧延機に提供することによって、前記アップグレードされた圧延機(1’)が、前記改造の最後に得られ、前記入側テンションリール(4)が、改造後、送り側テンションリールのみになり、そのため、前記圧延運転が1つのパスでのみ行われ、前記圧延機がもはや可逆ではない、
方法。
【請求項2】
少なくとも1つの圧延スタンド(2)を有する前記可逆圧延機(1)の通常運転の間の、知られていない時間に実行される、
- 必要に応じて、組立チームを保護するために、前記第2のリコイリング装置(5)の側の運転されている可逆圧延機(1)と組立領域との間に保護するもの及び/又は仕切りを配置するステップと、
- 前記少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)を設置するために、又は、全体として、最終的に少なくとも2つの圧延スタンド(2、2’)を有するために、新しい第2の土木工事基礎(6’)を提供するステップ、又は、すでに存在する且つ/若しくは前記可逆圧延機(1)とともにすでに構築されている未使用の第2の土木工事基礎(6’)を利用するステップであって、前記少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)の前記第2の土木工事基礎(6’)が、前記可逆圧延機(1)の前記アップグレードされた圧延機(1’)への前記改造のために、特に設けられる、ステップと、
- 少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)を設置するステップと、
- 前記保護された組立領域上の前記アップグレードされた圧延機(1’)全体の適切な運転及び制御のために必要な追加の標準的な補助設備及び運転設備を設置し、前記設備の少なくとも部分的な検査及び/又はコールド試運転を実行するステップと
を含み、
- 前記運転されている可逆圧延機(1)を停止し、設置されている場合、前記保護するもの/仕切りを取り除くステップと、
- 前記ペイオフリール(3)を取り除き、場合により、前記第1のリコイリング装置(4)の反対側の、前記ラインの遠位端に前記ペイオフリールを移動させるステップと、
- 前記第2のリコイリング装置(5)を取り除き、場合により、前記アップグレードされた圧延機(1’)の第2のリコイリング装置になるように、前記ペイオフリール(3)の以前の位置に前記第2のリコイリング装置(5)を移動させるステップと、
- 前記可逆圧延機(1)が運転中であったときに、前記第2のリコイリング装置(5)があった位置の近くでの、前記アップグレードされた圧延機(1’)における将来の連続圧延を保証するために、前記圧延スタンド(2)が間隔(7)の第1の端部の近位にあり、且つ、前記追加の圧延スタンド(2’)が前記間隔(7)の第2の端部の近位にあるように、前記間隔(7)の上に配設される移送手段(8)を提供することによってスタンド(2、2’)を接続するステップと、
- 前記アップグレードされた圧延機(1’)全体の適切な運転及び制御のために必要な前記追加の標準的な補助設備及び運転設備を、前記可逆圧延機(1)の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な補助設備及び運転設備と接続し、それらを調和させて、前記設備全体の最終的な検査を実現するステップと、
- 前記アップグレードされた圧延機(1’)の通常運転を実行するステップと
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記間隔(7)の第1の端部の近位にある前記圧延スタンド(2)と前記間隔(7)の第2の端部の近位にある前記追加の圧延スタンド(2’)との間に配設される前記移送手段(8)の配置により、将来のアップグレードされた圧延機(1’)において、前記少なくとも1つの圧延スタンド(2)と前記少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)との間で圧延の連続性を可能にするように、前記最初の可逆圧延機(1)と関連する前記第1の土木工事基礎(6)の端縁と、前記少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)を設置するために設けられる前記第2の土木工事基礎(6’)の隣接する端縁との間に配置される間隔として定義される前記間隔(7)を提供するステップ
をさらに含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
単純なテーブル、ローリングテーブル、エアクッションテーブル、摺動ガイドテーブル、磁気的手段、及び、前記間隔(7)の上に前記ストリップを支持する又は通すのに使用される任意の他の装置からなる群から選択される移送手段(8)を提供するステップ
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
7~20メートルの範囲で長さを有する間隔(7)を提供するステップ
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
約10メートルの長さを有する間隔(7)を提供するステップ
を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
個々のスタンドに関連付けられる前記土木工事基礎の所定の幅(L)の1.5~3倍で構成される長さを有する間隔(7)を提供するステップ
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
2つの圧延スタンド(2)可逆圧延機(1)を、3つ以上のスタンド(2、2’)を有するアップグレードされた圧延機(1’)に、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
シングルスタンド(2)可逆圧延機(1)を、2つ以上のスタンド(2、2’)を有するアップグレードされた圧延機(1)に、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
シングルスタンド(2)可逆圧延機(1)を、3つ又は4つのスタンド(2、2’)を有するアップグレードされた圧延機(1)に、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
可逆ツイン圧延機(1)を、タンデム圧延機又はPLTCMに、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記可逆圧延機(1)の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な補助設備及び運転設備が、ロールクーラントタンク、ポンプ、フィルタ、熱交換器及びスタンドへのパイプ、電気及び自動システム、油圧パワーパック及びバルブ、ギアボックス、点溶接機、剪断機、ロール交換車、スレッディング設備、ベルトラッパー、並びに、コイル抜出機を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記可逆圧延機(1)が、偶数の圧延パス計画、すなわち、圧延方法で実行され、
所定の縮小率を有するNパス(N整数、奇数)で通常は実行される圧延が、全体として同じ縮小率を有するN+1パス(N+1整数、偶数)の圧延と置き換えられる、
請求項1に記載の、可逆圧延機(1)のアップグレードされた圧延機(1’)へのフレキシブル改造方法。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実行することによって得られる前記可逆圧延機(1)の前記フレキシブル改造からもたらされるアップグレードされた圧延機(1’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷間圧延機及びストリップ処理ラインの分野に関し、特に、競争力を高めるための新しい解決策としてのフレキシブル冷間圧延機に関する。より詳細には、本発明は、ツインスタンド可逆圧延機を、タンデム圧延機、1つのパスで通常は2~8のいくつかのスタンドにおいて圧延が行われ、減少が連続的に起こる、コイルトゥコイル圧延機若しくは連続圧延機とすることができる最新の圧延機、又は、PLTCM(Pickling Line and Tandem Cold Mill、連続酸洗タンデム冷間圧延機)などの、より大きな生産能力(及び、より多くのスタンド)を有する圧延機に技術的に改造することに関する。
【0002】
本発明は、フレキシブル冷間圧延機の改造方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
近年、世界の鉄鋼市場は、減少傾向及び過剰生産能力を示しているが、地域差が見られ、アジア、特に、東南アジアでは、依然として市場は拡大しており、いくつかの国では、大幅に拡大している。よって、鉄鋼メーカー及び設備供給事業者は、品質、持続性、又はデジタル化の課題に直面しているだけではなく、フレキシビリティの重要な必要性にも直面している。
【0004】
この状況において、年産量の進展のための機能に関して圧延機設備をアップグレードする問題が生じている。最も使用されている冷間圧延機は、図1に示されるような、通常、年産量が500,000tより少ないシングルスタンド可逆圧延機(RCM)、通常、年産量が900,000tより少ない2スタンド可逆圧延機(「ツイン圧延機」とも呼ばれる)、及び、年産量が1,000,000tより多いタンデム圧延機(TCM)である。一般に、冷間ストリップ製造業者は、シングルスタンド圧延機に最初に投資する。その市場が成長し、生産量を増加させたいとき、業者は、第2のシングルスタンド圧延機に投資する機会がある。しかしながら、2つのシングルスタンド圧延機は、ツインスタンド圧延機より効率が悪く、より高価である。
【0005】
実際、ツインスタンド圧延機の利点は、2つの単一のスタンド及びタンデム圧延機と比較して、投資コスト(CAPEX)が低く、運用コスト(OPEX)が低いことである。フレキシビリティ及び幅広い製品の組合せも利点である。
【0006】
したがって、現在、圧延機能力をアップグレードするニーズが高く、たとえば、シングルスタンド圧延機からツインスタンド圧延機に、又は、ツインスタンド圧延機からタンデム圧延機に増強するニーズが高い。設備のフレキシビリティは、将来の市場要求に適合する選択肢の基本である。
【0007】
(非特許文献1)は、同じ話題、すなわち、圧延機の分野におけるフレキシブル設備の提供について触れている。フレキシビリティをアップグレードするには、シングルスタンド可逆圧延機及び2スタンド圧延機の設計が、RCMを2スタンド圧延機に簡単に変えることに対して、適切に互換性を有することを必要とする。シングルスタンド可逆冷間圧延機を2スタンド可逆冷間圧延機にアップグレードするための提案された解決策の中には、非常にコンパクトな圧延機及び第2のスタンドのために準備された基礎設計による土木工事の削減があり、エマルジョンコンパクトユニットは、その独自の利点(配管労力及びエネルギー消費の削減)の他に、地下のサイズの縮小に役立つ。同様に、ツインスタンド圧延機をTCMに改造することもできる。
【0008】
しかしながら、これらの転換は、圧延機が運転を再び開始するまで、約2か月の休止時間を必要とする欠点を有する。
【0009】
従来の可逆冷間圧延機は通常、主に、1つ又は複数のスタンド(圧延機固有)並びにペイオフリール(POR)と呼ばれる巻出機と、入側テンションリール(ETR)と呼ばれる入側巻取機と、送り側テンションリール(DTR)と呼ばれる送り側巻取機とを備える。
【0010】
運転中、コイルはPORに挿入され、先端はDTRに通されて、張力をかけられ、そして、指定の圧下力が圧延機のシリンダに加えられる。その後、第1のパスの圧延が行われる。コイル尾部がPORから取り出されると、張力を失い、ストリップのオフゲージ長が定義される。オフゲージ長は、たとえば、ストリッププレスを使用して摩擦力により張力を加え続けることによって、減少又は最小化させることができる。次いで、第2のパス(逆)を開始することができ、ストリップの尾端がETRに通されて、プロセスが第1のパスの場合のように続く。製品の最終的な厚さ規格が達成されるまで、圧延は何回も繰り返される。圧延パスの回数は、偶数(2、4、6など)又は奇数(1、3、5など)である可能性がある。
【0011】
圧延されない部分(オフゲージ部分)が製品コイルの各端部に残る(ストリップをDTRに通すときの、圧延機とDTRとの間のストリップヘッドの長さであり、多くとも、圧延機とPORとの間のストリップ尾部の長さ)。コイルの外側部のオフゲージ長は、通常、送り側に配置される剪断機によって切除することができ、処分される小コイル(pup coil)と呼ばれる小さいコイルとして、(パスの回数に応じて)ETR又はDTRから取り出される。製品コイルの内部にあるオフゲージ部分は、後続のラインで、又は、エンドユーザが、処分することになる。生産性を改善するために、これらの圧延されない部分を減少させるいくつかの技術が、当該技術分野において知られている((非特許文献2)参照)。
【0012】
(特許文献1)は、冷間圧延のための冷間圧延機及び方法を開示している。冷間圧延機は、タンデム圧延機の各側に少なくとも1つのテンションリールを有する、少なくとも2タンデム4段可逆圧延機を含む。
【0013】
(特許文献2)は、複合型酸洗圧延設備に関する。圧延機は、2つの巻取リールと2つの圧延機スタンドとを備える。別の圧延機スタンドは、上記スタンドの上流に配置することができ(この追加の圧延機は、2つの第1の圧延機スタンドとして同時に立設されている)、奇数の圧延ステップで開いていて、偶数の圧延ステップで閉じているように構成することができる。このように、2つの圧延ステップは、合計5(2+3)つの厚み減少によって実行される。さらにまた、最後の圧延ステップで、制御された粗さを有する圧延表面を提供するために、この追加のスタンドのローラには、他のスタンドのローラより大きい粗さが設けられてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5,706,690A号明細書
【特許文献2】国際公開第2016/055972A1号パンフレット
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】”Cold rolling Mills by SMS group-flexible plant concepts tailored to the demand of emerging markets”by T.SEEGER and F.TUEPFER,2018 SEAISI Conference&Exhibition,Jakarta,Indonesia,June 2018
【非特許文献2】New rolling method of reversing cold rolling mill,Y.Kannaka et al.,JP Steel Plantech,METEC 2015,Duesseldorf,Germany
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、冷間圧延機をアップグレードする場合の、従来技術の欠点の克服を目的とする。
【0017】
特に、本発明は、フレキシブル冷間圧延機に補助設備を簡単に適用することを目的とする。より詳細には、本発明は、圧延機、たとえば、ツインスタンド圧延機を、コイルトゥコイル圧延機又は連続圧延機であるアップグレードされた圧延機(たとえば、PLTCM又はタンデム圧延機)に、単純且つ可能な限り安価な方法で、フレキシブルに改造/アップグレードすることを目的とする。
【0018】
本発明の目的は、アップグレードされた圧延機をフレキシブルに提供することであり、それにより、従来技術とは対照的に、より短い休止時間で、すなわち、通常の生産への影響をより少なくして、改造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、第1の土木工事基礎上に立設された少なくとも1つの圧延スタンド及び第1の生産能力を有する可逆圧延機の、2つ以上の圧延スタンド及び第2の生産能力を有するアップグレードされた圧延機へのフレキシブル改造方法であって、前記第2の生産能力が第1の生産能力より高く、前記可逆圧延機が、
- スタンドの第1の側又は入側の、アンコイリング装置又はペイオフリール、及び、第1のリコイリング装置又は入側テンションリールと、
- スタンドの第2の側又は送り側の、第2のリコイリング装置又は送り側テンションリールと、
- 可逆圧延機の通常運転及び制御のために必要な標準的な補助設備及び運転設備と
をさらに備え、前の可逆圧延機の入側に対応する排他的な送り側及び前の可逆圧延機の送り側と同じ側に配置される入側を、圧延機に提供することによって、アップグレードされた圧延機が、改造の最後に得られ、入側テンションリールが、改造後、送り側テンションリールのみになり、そのため、圧延運転が1つのパスでのみ行われ、圧延機がもはや可逆ではない、方法に関する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、フレキシブル改造方法は、以下の特性のうちの1つ又は好適な組合せも備える。
- 方法は、少なくとも1つの圧延スタンドを有する可逆圧延機の通常運転の間の、知られていない時間(shadow time)に実行される以下のステップを含む。
・ 必要に応じて、組立チームを保護するために、第2のリコイリング装置の側の運転されている可逆圧延機と組立領域との間に保護するもの及び/又は仕切りを配置するステップ。
・ 少なくとも1つの追加の圧延スタンドを設置するために、又は、全体として、最終的に少なくとも2つの圧延スタンドを有するために、隠れた時間(masked time)に、新しい第2の土木工事基礎を提供するステップ、又は、すでに存在する且つ/若しくは可逆圧延機(1)とともにすでに構築されている未使用の第2の土木工事基礎を利用するステップであって、前記少なくとも1つの追加の圧延スタンドの第2の土木工事基礎が、可逆圧延機のアップグレードされた圧延機への改造のために、特に設けられる、ステップ。
・ 少なくとも1つの追加の圧延スタンドを設置するステップ。
・ 保護された組立領域上のアップグレードされた圧延機全体の適切な運転及び制御のために必要な追加の標準的な補助設備及び運転設備を設置し、設備の少なくとも部分的な検査及び/又はコールド試運転を実行するステップ。
方法は、
・ 運転されている可逆圧延機を停止し、設置されている場合、前記保護するもの/仕切りを取り除くステップと、
・ ペイオフリールを取り除き、場合により、第1のリコイリング装置の反対側の、ラインの遠位端にペイオフリールを移動させるステップと、
・ 第2のリコイリング装置を取り除き、場合により、アップグレードされた圧延機の第2のリコイリング装置になるように、ペイオフリールの以前の位置に第2のリコイリング装置を移動させるステップと、
・ 可逆圧延機が運転中であったときに、第2のリコイリング装置があった位置の近くでの、アップグレードされた圧延機における将来の連続圧延を保証するために、圧延スタンドが間隔の第1の端部の近位にあり、且つ、追加の圧延スタンドが間隔の第2の端部の近位にあるように、間隔の上に配設される移送手段を提供することによってスタンドを接続するステップと、
・ アップグレードされた圧延機全体の適切な運転及び制御のために必要な前記追加の標準的な補助設備及び運転設備を、可逆圧延機の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な補助設備及び運転設備と接続し、それらを調和させて、設備全体の最終的な検査を実現するステップと、
・ アップグレードされた圧延機の通常運転を実行するステップと
をさらに含む。
- 方法は、間隔の第1の端部の近位にある圧延スタンドと間隔の第2の端部の近位にある追加の圧延スタンドとの間に配設される移送手段の配置により、将来のアップグレードされた圧延機において、前記少なくとも1つの圧延スタンドと前記少なくとも1つの追加の圧延スタンドとの間で圧延の連続性を可能にするように、最初の可逆圧延機と関連する第1の土木工事基礎の端縁と、前記少なくとも1つの追加の圧延スタンドを設置するために設けられる第2の土木工事基礎の隣接する端縁との間に配置される間隔として定義される前記間隔を提供するステップをさらに含む。
- 方法は、単純なテーブル、ローリングテーブル、エアクッションテーブル、摺動ガイドテーブル、磁気的手段、及び、間隔の上にストリップを支持する又は通すのに使用される任意の他の装置からなる群から選択される移送手段を提供するステップを含む。
- 方法は、7~20メートルの範囲の長さを有する間隔を提供するステップを含む。
- 方法は、約10メートルの長さを有する間隔を提供するステップを含む。
- 方法は、個々のスタンドに関連付けられる土木工事基礎の所定の幅(L)の1.5~3倍で構成される長さを有する間隔を提供するステップを含む。
- 可逆圧延機の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な補助設備及び運転設備は、ロールクーラントタンク、ポンプ、フィルタ、熱交換器及びスタンドへのパイプ、電気及び自動システム、油圧パワーパック及びバルブ、ギアボックス、点溶接機、剪断機、ロール交換車、スレッディング設備、ベルトラッパー、並びに、コイル抜出機を備える。
- 標準的な補助設備及び運転設備は、偶数の圧延パス計画、すなわち、圧延方法を有する可逆圧延機と連結され、所定の縮小率を有するNパス(N整数、奇数)で通常は実行される圧延は、全体として同じ縮小率を有するN+1パス(N+1整数、偶数)の圧延と置き換えられる。
【0021】
本発明の他の態様は、
- 2つの圧延スタンド可逆圧延機を、3つ以上のスタンドを有するアップグレードされた圧延機に、フレキシブルにアップグレードするために、
- シングルスタンド可逆圧延機を、2つ以上のスタンドを有するアップグレードされた圧延機に、フレキシブルにアップグレードするために、
- シングルスタンド可逆圧延機を、3つ又は4つのスタンドを有するアップグレードされた圧延機に、フレキシブルにアップグレードするために、
- 可逆ツイン圧延機を、タンデム圧延機又はPLTCMに、フレキシブルにアップグレードするために、
使用される上記方法に関する。
【0022】
本発明のさらに別の態様は、上記方法を実行することによって得られる、可逆圧延機のフレキシブル改造からもたらされるアップグレードされた圧延機に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】それぞれ、シングルスタンド可逆圧延機、2スタンド可逆圧延機、及びタンデム圧延機の比較を概略的に示す。
図2】本発明による、2スタンド圧延機をタンデム圧延機又はPLTCMに改造するための方法の4つのステップ(a~d)を示す実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、図2に示されるような、少なくとも2つの圧延スタンド2を備える、冷間圧延機1のための一般的な設計から始まる。圧延機1は、ペイオフリール(POR)3とも呼ばれるアンコイリング装置と、入側テンションリール(ETR)4とも呼ばれる第1のリコイリング装置と、送り側テンションリール(DTR)5とも呼ばれる第2のリコイリング装置とをさらに備える。本発明によると、圧延機の基礎のための土木工事6、6’は、将来の拡張、すなわち、1つ又は複数のスタンドの追加の準備ができているように設計及び実現されている。たとえば、アップグレードされたツイン圧延機のための土木工事は、最終的な構成における少なくとも3つの圧延スタンドのための位置を備える。
【0025】
本発明によると、間隔7は、圧延スタンド2を有する最初の圧延機1と将来の拡張を考慮して圧延スタンドのために設けられる土木工事6’との間に設けられる。本開示の説明を明確にするために、「フェーズI」は、当初構築された圧延機に含まれる圧延スタンドに関して指定され、「フェーズII」は、圧延機の将来の拡張の追加の圧延スタンドに関して指定される。
【0026】
フェーズIの既存の圧延スタンド2とフェーズIIで設けられる新しい圧延スタンド2’との間に設けられる間隔7により、フェーズIIの追加のスタンド2’の設置は、知られていない時間(又は、隠れた時間若しくは見えない時間(hidden time))の間に、すなわち、最初の圧延機における製造が未だに普通に実行されている間に、実現することができる。したがって、フェーズIIスタンド2’及び関連する補助設備を取り付けるために、フェーズIの圧延機2のラインを停止する必要はない。追加のスタンドは製造中に立設されるため、今後、圧延機の開発及び延長による製造への影響は、従来技術よりも小さくなる。有利なことには、間隔7の長さは、7~20メートルの範囲で構成され、好ましくは、10メートル程度である。上記の距離とは異なる任意の他の距離が、必要に応じて可能である。
【0027】
代替の実施形態では、追加のスタンド2’のための土木工事基礎6’も、フェーズIとフェーズIIとの間に(隠れた時間に)実現することができる。
【0028】
不可避ではあるが、従来技術と比較して大幅に短い停止の間に、DTR5は取り除かれる(ステップb))。フェーズI及びIIのスタンドは接続され、圧延スタンドを連結するために、フェーズIの間DTR5が配置されていた場所の、スタンド2、2’の2つの組の間に、移送手段8が置かれる。この位置において、土木工事(地下の基礎)はフェーズIIではもはや使用されないことに着目する。図2に示される例において、アンコイリング装置(POR3)も取り除かれ(ステップc))、前のアンコイリング装置によって基礎に残された間隔は、取り除かれたDRTを将来、設置するために使用することができ、それは、第2のリコイリング装置として使用される(ケースd))。
【0029】
さらに、本発明は、有利なことには、偶数パス計画を有するフェーズIで構築される圧延機と互換性を持つ。この場合、通常1パスで圧延される製品に関して、2パスが行われ、各パスの減少は小さい(総減少は同じ)。同じ原理は、3パスの代わりの4パス、5パスの代わりの6パスなどで適用される。
【0030】
さらに、上記の偶数パス計画を含む、圧延方法及びその方法を実行するための圧延機(ツイン圧延機など)は、別の発明と考えることができる。
【0031】
本発明は、フェーズIの偶数パス計画と組み合わせて、複数の利点を有する。
- 製品の出口は常に(入側の)同じ位置であるので、必要な設備はより少ない。簡略化された設備は、可能な故障対策を改善するためにのみ、いわゆる送り側(DTR)に必要であり、1つの形状測定装置(形状計と呼ばれる)及び1つの選択的な吹き付け装置(選択的な冷却と呼ばれる)のみ必要である。これは、たとえば、2スタンド圧延機の販売価格の約4~5%となる。したがって、それは、メンテナンスコスト及び投資コスト(CAPEX)がより少ないことを意味する。
- 次のコイルが早く開始されるので、より生産性が高い(たとえば、最大3%向上)。それは、巻取りはETRで行われ、DTRは(前のコイルの除去を待つことなく)新しいスレッディング及び巻取りに利用可能であるためである。
- ロール粗さの最適化(すなわち、異なるスタンドでの異なる粗さ)。スタンド1のより高い粗さは、スレッディング及び(最後の減少が常にスタンド1であるので)最終パスでの最後の粗さ転写を支援し、一方、スタンド2のより低い粗さは、より良好な減少能力を提供する。
- 出側が常に同じであるので、運転の実行はより簡単である。
- スタンド1及び2の異なるギア比は、より大きなトルクを可能にし、そのため、スタンド1におけるより多くの減少を可能にし、前段圧延機を(タンデム圧延機又はPLTCMへの)将来のアップグレードのために好適にする。
- 偶数パス計画により生産性がより高くなるので、ストリップを完全に圧延するのに(偶数/奇数パスによる従来の計画と比較して)時間削減することができ、パスが4以上であっても、オフゲージを少なくする(又は、厚み公差外のものを少なくする)ことができ、そのため、小コイル(pup coil)の処分が必要なくなる。
- バッチ焼鈍のためのクリーンなコイルを有するために、2つの異なる油濃度(スタンド1での低濃度及びスタンド2での高濃度)の使用する可能性。
- 製品構成の95%以上は通常、2又は4のパスによってカバーされる。
【0032】
上記の利点のいくつかは、上記の個別の発明で共通であり、そのため、一方では、フェーズIの圧延機(異なる粗さ、油濃度、ギア比/トルクなどを有するスタンド)を使用する。
【0033】
本発明の一般的利点は、以下のとおりである。
- タンデム圧延機への可能な進展。タンデム圧延機(約25~30Mユーロ)に直接投資したくない顧客は、2スタンド圧延機(約14Mユーロ)から始めることができる。拡張時に、顧客は、新しい可逆圧延機を購入する代わりに、ツイン圧延機をタンデム圧延機に改造する。
- アップグレードによる休止時間の2か月から2週未満への減少。
【0034】
国際公開第2016/055972A1号パンフレットでは、別の圧延スタンドを設ける可能性は、本発明の場合のように追加のスタンドを設けることによって圧延機をアップグレードすることとまったく類似していない。2つの第1のスタンドの上流に基礎は計画されず、3つのスタンドが、その基礎とともに、同時に立設された。さらに、既存のスタンドの製造を妨げることなく、新しい追加のスタンドの建設を可能とするために、スタンドの間に空間は設けられない。
【実施例
【0035】
2スタンド圧延機の連続タンデム圧延機又はPLTCMへの改造
圧延機1は、追加のスタンドのための準備がされたツイン圧延機として設計されている。圧延機1の入側が、アップグレードされた圧延機1’の出側になるとき、圧延機1のスタンドは、スタンド#3及びスタンド#4と名づけられる。新しい追加のスタンド2’のスタンド#1の前に高張力が提供されるため、通常、バッチ圧延機の5つのスタンドと比較して、PLTCMでは4つのスタンドのみ必要である(しかし、それは3つのみである可能性もある)(しかし、特定のケースでは、4つより多いスタンドが必要であることがある)。ロールクーラントタンクには、4つのスタンドのための能力が提供される。基礎は、フェーズIIの準備ができている。このとき、2スタンド圧延機の製造中、組立企業チームを保護するために好適な保護するもの/仕切りが設けられる。以下の補助設備が加えられる。すでに設置されている設備と同様の、装填のための1つの油圧パワーパック及びバルブスタンド、並びに、スタンド#1及び#2のための曲げシステム。ロールクーラントポンプ、フィルタ、熱交換器など。スタンド#1及び#2のための電気、並びに、新しいギアボックスのための同様の潤滑システム。脱脂能力はフェーズIでの運転の逆転に必要な大きさとされているので、スタンド#4のための追加の清浄エマルジョンタンクは必要ない。
【0036】
新しいスタンド#1及び#2、並びに配管も、製造中に設置される。スタンド#1及び#2のモータ及びギアボックスが設置され、さらに、ケーブル及び電気工事が行われる。スタンド#3及び#4のギアボックスは、すでに好適な位置にある。スタンドのモータ電力は、PLTCM運転のためにすでに見込まれている。酸洗ラインへの連結のための設備(ブライドルなど)が設置され、最後に、スタンド生産のコールド試運転が行われる。
【0037】
主要な休止の間に、以下の作業が実行される。
- DTRの撤去及び移送手段の設置。
- 古いPORの位置は、第2のリコイラーのための空間を提供する。
- フェーズIの(前の)スタンド1は、機械的変更又は電気的変更なしに、スタンド#4になる。
- フェーズIの(前の)スタンド2は、機械的変更又は電気的変更なしに、スタンド#3になる。
- PLTCMの運転のための自動システムの修正。
【符号の説明】
【0038】
1 最初の冷間可逆圧延機
1’ アップグレードされた冷間圧延機
2 圧延スタンド(フェーズI)
2’ 圧延スタンド(フェーズII)
3 ペイオフリール(POR)
4 入側テンションリール(ETR)
5 送り側テンションリール(DTR)
6 最初のスタンドの土木工事
6’ アップグレードされた圧延機の新しいスタンドの土木工事
7 間隔
8 ローリングテーブルなどの移送手段
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2020-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の土木工事基礎(6)上に立設された少なくとも1つの圧延スタンド(2)及び第1の生産能力を有する可逆圧延機(1)の、2つ以上の圧延スタンド(2、2’)及び第2の生産能力を有するアップグレードされた圧延機(1’)へのフレキシブル改造方法であって、前記第2の生産能力が前記第1の生産能力より高く、前記可逆圧延機(1)が、
- 前記スタンド(2)の第1の側又は入側の、アンコイリング装置又はペイオフリール(3)、及び、第1のリコイリング装置又は入側テンションリール(4)と、
- 前記スタンド(2)の第2の側又は送り側の、第2のリコイリング装置又は送り側テンションリール(5)と、
- 前記可逆圧延機(1)の通常運転及び制御のために必要な標準的な補助設備及び運転設備であって、前記可逆圧延機(1)の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な前記補助設備及び運転設備が、主に又は少なくとも、ロールクーラントタンク、ポンプ、フィルタ、熱交換器及びスタンドへのパイプ、電気及び自動システム、油圧パワーパック及びバルブ、ギアボックス、ギアボックス潤滑システム、点溶接機、剪断機、ロール交換車、スレッディング設備、ベルトラッパー、並びに、コイル抜出機を備える、標準的な補助設備及び運転設備と
をさらに備える、方法において、
前の可逆圧延機(1)の前記入側に対応する排他的な送り側及び前記前の可逆圧延機(1)の前記送り側と同じ側に配置される入側を、前記圧延機に提供することによって、前記アップグレードされた圧延機(1’)が、前記改造の最後に得られ、前記入側テンションリール(4)が、改造後、送り側テンションリールのみになり、そのため、前記圧延運転が1つのパスでのみ行われ、前記圧延機がもはや可逆ではない
ことを特徴とし、
前記可逆圧延機(1)の前記アップグレードされた圧延機(1’)への前記改造が、少なくとも1つの圧延スタンド(2)を有する前記可逆圧延機(1)の通常運転の間の、知られていない時間に実行される、
- 必要に応じて、組立チームを保護するために、前記第2のリコイリング装置(5)の側の運転されている可逆圧延機(1)と組立領域との間に保護するもの及び/又は仕切りを配置するステップと、
特に少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)を設置するために、又は、全体として、最終的に少なくとも2つの圧延スタンド(2、2’)を有するために、新しい第2の土木工事基礎(6’)を提供するステップ、又は、すでに存在する且つ/若しくは前記可逆圧延機(1)とともにすでに構築されている未使用の第2の土木工事基礎(6’)を利用するステップと、
前記少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)を設置するステップと、
- 前記アップグレードされた圧延機(1’)全体の適切な運転及び制御のために必要な、既存の標準的な補助設備及び運転設備の拡張又は追加の標準的な補助設備及び運転設備の設置を行い、前記設備の少なくとも部分的な検査及び/又はコールド試運転を実行するステップと
を含むことを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記運転されている可逆圧延機(1)を停止し、設置されている場合、前記保護するもの/仕切りを取り除くステップと、
- 前記ペイオフリール(3)を取り除き、場合により、前記第1のリコイリング装置(4)の反対側の、前記ラインの遠位端に前記ペイオフリールを移動させるステップと、
- 前記第2のリコイリング装置(5)を取り除き、場合により、前記アップグレードされた圧延機(1’)の第2のリコイリング装置になるように、前記ペイオフリール(3)の以前の位置に前記第2のリコイリング装置(5)を移動させるステップと、
- 前記可逆圧延機(1)が運転中であったときに、前記第2のリコイリング装置(5)があった位置の近くでの、前記アップグレードされた圧延機(1’)における将来の連続圧延を保証するために、前記圧延スタンド(2)が間隔(7)の第1の端部の近位にあり、且つ、前記追加の圧延スタンド(2’)が前記間隔(7)の第2の端部の近位にあるように、前記間隔(7)の上に配設される移送手段(8)を提供することによってスタンド(2、2’)を接続するステップと、
- 前記アップグレードされた圧延機(1’)全体の適切な運転及び制御のために必要な前記追加の標準的な補助設備及び運転設備を、前記可逆圧延機(1)の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な補助設備及び運転設備と接続し、それらを調和させて、前記設備全体の最終的な検査を実現するステップと、
- 前記アップグレードされた圧延機(1’)の通常運転を実行するステップと
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記間隔(7)の第1の端部の近位にある前記圧延スタンド(2)と前記間隔(7)の第2の端部の近位にある前記追加の圧延スタンド(2’)との間に配設される前記移送手段(8)の配置により、将来のアップグレードされた圧延機(1’)において、前記少なくとも1つの圧延スタンド(2)と前記少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)との間で圧延の連続性を可能にするように、前記最初の可逆圧延機(1)と関連する前記第1の土木工事基礎(6)の端縁と、前記少なくとも1つの追加の圧延スタンド(2’)を設置するために設けられる前記第2の土木工事基礎(6’)の隣接する端縁との間に配置される間隔として定義される前記間隔(7)を提供するステップ
をさらに含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
単純なテーブル、ローリングテーブル、エアクッションテーブル、摺動ガイドテーブル、磁気的手段、及び、前記間隔(7)の上に前記ストリップを支持する又は通すのに使用される任意の他の装置からなる群から選択される移送手段(8)を提供するステップ
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
7~20メートルの範囲で長さを有する間隔(7)を提供するステップ
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
約10メートルの長さを有する間隔(7)を提供するステップ
を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
個々のスタンドに関連付けられる前記土木工事基礎の所定の幅(L)の1.5~3倍で構成される長さを有する間隔(7)を提供するステップ
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
2つの圧延スタンド(2)可逆圧延機(1)を、3つ以上のスタンド(2、2’)を有するアップグレードされた圧延機(1’)に、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
シングルスタンド(2)可逆圧延機(1)を、2つ以上のスタンド(2、2’)を有するアップグレードされた圧延機(1)に、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
シングルスタンド(2)可逆圧延機(1)を、3つ又は4つのスタンド(2、2’)を有するアップグレードされた圧延機(1)に、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
可逆ツイン圧延機(1)を、タンデム圧延機又はPLTCMに、フレキシブルにアップグレードするための、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記可逆圧延機(1)が、偶数の圧延パス計画、すなわち、圧延方法で実行され、
所定の縮小率を有するNパス(N整数、奇数)で通常は実行される圧延が、全体として同じ縮小率を有するN+1パス(N+1整数、偶数)の圧延と置き換えられる、
請求項1に記載の、可逆圧延機(1)のアップグレードされた圧延機(1’)へのフレキシブル改造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の第1の態様は、第1の土木工事基礎上に立設された少なくとも1つの圧延スタンド及び第1の生産能力を有する可逆圧延機の、2つ以上の圧延スタンド及び第2の生産能力を有するアップグレードされた圧延機へのフレキシブル改造方法であって、前記第2の生産能力が第1の生産能力より高く、前記可逆圧延機が、
- スタンドの第1の側又は入側の、アンコイリング装置又はペイオフリール、及び、第1のリコイリング装置又は入側テンションリールと、
- スタンドの第2の側又は送り側の、第2のリコイリング装置又は送り側テンションリールと、
- 可逆圧延機の通常運転及び制御のために必要な標準的な補助設備及び運転設備であって、可逆圧延機の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な補助設備及び運転設備が、主に又は少なくとも、ロールクーラントタンク、ポンプ、フィルタ、熱交換器及びスタンドへのパイプ、電気及び自動システム、油圧パワーパック及びバルブ、ギアボックス、点溶接機、剪断機、ロール交換車、スレッディング設備、ベルトラッパー、並びに、コイル抜出機を備える、標準的な補助設備及び運転設備と
をさらに備える、方法において、
前の可逆圧延機の入側に対応する排他的な送り側及び前の可逆圧延機の送り側と同じ側に配置される入側を、圧延機に提供することによって、アップグレードされた圧延機が、改造の最後に得られ、入側テンションリールが、改造後、送り側テンションリールのみになり、そのため、圧延運転が1つのパスでのみ行われ、圧延機がもはや可逆ではない
ことを特徴とし、
可逆圧延機のアップグレードされた圧延への改造が、少なくとも1つの圧延スタンドを有する可逆圧延機の通常運転の間の、知られていない時間(shadow time)に実行される
- 必要に応じて、組立チームを保護するために、第2のリコイリング装置の側の運転されている可逆圧延機と組立領域との間に保護するもの及び/又は仕切りを配置するステップと、
- 少なくとも1つの追加の圧延スタンドを設置するために、又は、全体として、最終的に少なくとも2つの圧延スタンドを有するために、隠れた時間(masked time)に、新しい第2の土木工事基礎を提供するステップ、又は、すでに存在する且つ/若しくは可逆圧延機(1)とともにすでに構築されている未使用の第2の土木工事基礎を利用するステップであって、前記少なくとも1つの追加の圧延スタンドの第2の土木工事基礎が、可逆圧延機のアップグレードされた圧延機への改造のために、特に設けられる、ステップと、
- 少なくとも1つの追加の圧延スタンドを設置するステップと、
- 保護された組立領域上のアップグレードされた圧延機全体の適切な運転及び制御のために必要な、標準的な補助設備及び運転設備の拡張又は追加の標準的な補助設備及び運転設備の設置を行い、設備の少なくとも部分的な検査及び/又はコールド試運転を実行するステップ
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、フレキシブル改造方法は、以下の特性のうちの1つ又は好適な組合せも備える。
- 方法は、
・ 運転されている可逆圧延機を停止し、設置されている場合、前記保護するもの/仕切りを取り除くステップと、
・ ペイオフリールを取り除き、場合により、第1のリコイリング装置の反対側の、ラインの遠位端にペイオフリールを移動させるステップと、
・ 第2のリコイリング装置を取り除き、場合により、アップグレードされた圧延機の第2のリコイリング装置になるように、ペイオフリールの以前の位置に第2のリコイリング装置を移動させるステップと、
・ 可逆圧延機が運転中であったときに、第2のリコイリング装置があった位置の近くでの、アップグレードされた圧延機における将来の連続圧延を保証するために、圧延スタンドが間隔の第1の端部の近位にあり、且つ、追加の圧延スタンドが間隔の第2の端部の近位にあるように、間隔の上に配設される移送手段を提供することによってスタンドを接続するステップと、
・ アップグレードされた圧延機全体の適切な運転及び制御のために必要な前記追加の標準的な補助設備及び運転設備を、可逆圧延機の通常運転及び制御のために必要な前記標準的な補助設備及び運転設備と接続し、それらを調和させて、設備全体の最終的な検査を実現するステップと、
・ アップグレードされた圧延機の通常運転を実行するステップと
をさらに含む。
- 方法は、間隔の第1の端部の近位にある圧延スタンドと間隔の第2の端部の近位にある追加の圧延スタンドとの間に配設される移送手段の配置により、将来のアップグレードされた圧延機において、前記少なくとも1つの圧延スタンドと前記少なくとも1つの追加の圧延スタンドとの間で圧延の連続性を可能にするように、最初の可逆圧延機と関連する第1の土木工事基礎の端縁と、前記少なくとも1つの追加の圧延スタンドを設置するために設けられる第2の土木工事基礎の隣接する端縁との間に配置される間隔として定義される前記間隔を提供するステップをさらに含む。
- 方法は、単純なテーブル、ローリングテーブル、エアクッションテーブル、摺動ガイドテーブル、磁気的手段、及び、間隔の上にストリップを支持する又は通すのに使用される任意の他の装置からなる群から選択される移送手段を提供するステップを含む。
- 方法は、7~20メートルの範囲の長さを有する間隔を提供するステップを含む。
- 方法は、約10メートルの長さを有する間隔を提供するステップを含む。
- 方法は、個々のスタンドに関連付けられる土木工事基礎の所定の幅(L)の1.5~3倍で構成される長さを有する間隔を提供するステップを含む。
標準的な補助設備及び運転設備は、偶数の圧延パス計画、すなわち、圧延方法を有する可逆圧延機と連結され、所定の縮小率を有するNパス(N整数、奇数)で通常は実行される圧延は、全体として同じ縮小率を有するN+1パス(N+1整数、偶数)の圧延と置き換えられる。
【国際調査報告】