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特表2022-510149セーフティフットウェア用アウトソール、及びそのようなアウトソールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】セーフティフットウェア用アウトソール、及びそのようなアウトソールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20220119BHJP
   A43B 13/12 20060101ALI20220119BHJP
   A43B 13/42 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A43B13/14 B
A43B13/12 Z
A43B13/42 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529092
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2019079633
(87)【国際公開番号】W WO2020114683
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】102018000010789
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504256648
【氏名又は名称】ディアドラ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】DIADORA S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルディッソーノ、クリスチャン
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA33
4F050BA40
4F050BA51
4F050BA56
4F050BF09
4F050HA20
4F050HA26
4F050HA28
4F050HA55
4F050JA23
4F050NA52
(57)【要約】
本発明は、着用者の足を支持するよう設計された上面2と、地面と接触するよう設計された底面4と、上面2及び底面4を連結するよう設計された側面6とを有する、セーフティフットウェア10用アウトソール1に関する。アウトソール1にはさらに、穿孔防止層8と、アウトソール1の側面6及び上面2を流体連通させるよう設計された少なくとも1つの通気路12とが設けられている。本発明によれば、アウトソール1は、穿孔防止層8が、アウトソール1の踵部分で、底面4と少なくとも1つの通気路12との間に配置され、アウトソール1の足前方部分で、上面2に近接して配置されることを特徴とする。本発明はまた、かかるアウトソール1の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セーフティフットウェア(10)用アウトソール(1)であって、前記アウトソール(1)は、着用者の足を支持するように設計された上面(2)と、地面と接触するように設計された底面(4)と、前記上面(2)及び前記底面(4)を接続するように設計された側面(6)とを有し、前記アウトソール(1)はさらに、穿孔防止層(8)と、前記アウトソール(1)の前記側面(6)及び前記上面(2)を流体連通させるように設計された少なくとも1つの通気路(12)とを備え、
前記穿孔防止層(8)は、前記アウトソール(1)の踵部分において前記底面(4)と前記少なくとも1つの通気路(12)との間に配置され、また前記アウトソールの足前方部分において前記上面(2)に近接して配置されていることを特徴とする、アウトソール(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの通気路(12)は、前記アウトソール(1)の前記踵部分において前記側面(6)及び前記上面(2)を流体連通させるように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項3】
前記穿孔防止層(8)の上部が、前記アウトソール(1)の前記足前方部分において、前記アウトソール(1)の前記上面(2)と少なくとも部分的に一致することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項4】
前記アウトソール(1)は、前記アウトソール(1)の前記上面(2)に配置される別個の踵インサート(11)を有し、前記少なくとも1つの通気路(12)は前記踵インサート(11)内に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項5】
前記アウトソール(1)は、前記穿孔防止層(8)と一体になされた踵インサート(11)を有し、前記少なくとも1つの通気路(12)は前記踵インサート(11)内に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項6】
前記穿孔防止層(8)は、前記穿孔防止層(8)の上部を少なくとも部分的に覆うスペーサ要素(20)を備え、前記スペーサ要素(20)は、前記踵インサート(11)の底部と接触するように設計されていることを特徴とする、請求項4に記載のアウトソール(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの通気路(12)は、前記アウトソール(1)の前記側面(6)に設けられた第1の開口部(13)を、前記アウトソール(1)の前記上面(2)に設けられた第2の開口部(14)に接続することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの通気路(12)は、前記アウトソール(1)の前記側面(6)に設けられた両側の開口部(13)を接続する横方向チャネル(15)と、前記横方向チャネル(15)から前記アウトソール(1)の前記上面(2)の開口部(14)まで延びる垂直方向チャネル(17)とを有することを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの通気路(12)の前記横方向チャネル(15)及び前記垂直方向チャネル(17)は、前記アウトソール(1)の前記上面(2)の近傍で交差することを特徴とする、請求項8に記載のアウトソール(1)。
【請求項10】
前記アウトソール(1)は、トレッド(3)と、ミッドソール(5)とを有し、前記トレッド(3)は、前記アウトソール(1)の前記底面(4)に配置され、前記ミッドソール(5)は、前記アウトソール(1)の前記上面(2)及び前記側面(6)によって境界を定められる容積を占めることを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの通気チャネル(12)の前記開口部(14)は、追加保護層(18)によって覆われていることを特徴とする、請求項7に記載のアウトソール(1)。
【請求項12】
前記追加保護層(18)は、保護メッシュ材料、又は防水性の/通気性の膜、又はそれらの組合せであることを特徴とする、請求項11に記載のアウトソール(1)。
【請求項13】
前記穿孔防止層(8)は、織布及び不織布から形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアウトソール(1)。
【請求項14】
前記トレッド(3)の後部及び/又は前部において前記トレッド(3)の上面から複数のボス(27)が突出しており、前記トレッド(3)の前記前部に配置された前記ボス(27)は、前記アウトソール(1)の前記足前方部分において前記穿孔防止層(8)が前記トレッド(3)の前記上面と接触しないように保つのに適していることを特徴とする、請求項10に記載のアウトソール(1)。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一項に記載のアウトソール(1)を有するセーフティフットウェア(10)。
【請求項16】
セーフティフットウェア(10)用アウトソール(1)を製造する方法であって、前記アウトソール(1)は、着用者の足を支持するように設計された上面(2)と、地面と接触するように設計された底面(4)と、前記上面(2)及び前記底面(4)を接続するように設計された側面(6)とを有し、前記アウトソール(1)はさらに、穿孔防止層(8)と、前記アウトソール(1)の踵部分において前記アウトソール(1)の前記側面(6)及び前記上面(2)を流体連通させるように設計された少なくとも1つの通気路(12)を備える踵インサート(11)とを備え、前記穿孔防止層(8)は、前記アウトソール(1)の前記踵部分において前記底面(4)と前記踵インサート(11)との間に配置され、また前記アウトソール(1)の足前方部分において前記上面(2)に近接して配置されており、また
前記方法は、
前記穿孔防止層(8)及び前記踵インサート(11)によって形成される第1アセンブリ(22)を得るために、前記穿孔防止層(8)の後部の上に亘って、ポリマー材料の第1の型内への射出を含む第1の射出段階、及び
前記アウトソール(1)を得るように、予め形成されて、第2の型内に装填された前記第1アセンブリ(22)の底部において、ポリマー材料の前記第2の型内への射出を含む第2の射出段階
のステップを含む、方法。
【請求項17】
前記第1の射出段階は2つの異なるステップで実行され、第1のステップでは、前記穿孔防止層(8)は、その後ろ部分にポリマー材料を過剰射出されるために別の型内に装填され、それにより、前記穿孔防止層(8)及びスペーサ要素(20)によって形成される第2アセンブリ(24)が得られ、また前記型第2のステップでは、異なる型にポリマー材料を射出することによって前記踵インサート(11)が別個に得られ、前記第1アセンブリ(22)は、前記穿孔防止層(8)を、前記スペーサ要素(20)及び前記踵インサート(11)と組み合わせることによって形成されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記スペーサ要素(20)は、前記踵インサート(11)の底面に設けられた対応するボス(25)又は穴に整合するように設計された穴(26)又は突起を備え、それにより、前記第1アセンブリ(22)の組み立て中、前記スペーサ要素(20)と踵インサート(11)の相互の位置決めを助けることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記スペーサ要素(20)は、前記踵インサート(11)の下側の湾曲した端面と適合できる湾曲した端面を有するように形成され、それにより、前記第1アセンブリ(22)の組み立て中、前記スペーサ要素(20)と踵インサート(11)の相互の位置決めを助けることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の射出段階を実行する前に、別個のトレッド(3)が、前記第1のアセンブリ(22)と共に前記第2の型内に装填されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記トレッド(3)は、その上側部分に、前記穿孔防止層(8)の底面に当接するように設計されたボス(27)を備え、それにより、前記アウトソールの様々なパーツを組み立てる際に、前記第2の射出段階に射出される前記ポリマー材料が流入する間隙を前記トレッド(3)と前記穿孔防止層(8)の間に作り出すことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の型及び前記第2の型は、キャビティ及び蓋を有し、前記第1の射出段階及び/又は前記第2の射出段階は、前記第1の型及び/又は前記第2の型を、逆さまの構成で、基部として機能する前記蓋の上に前記キャビティがある状態で、成形機に装填することによって実行されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の射出段階が、セーフティフットウェア(10)のアッパー(9)の上に前記ポリマー材料を直接射出できるように設計された第2の型で実行されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セーフティフットウェア用アウトソールに関する。本発明はまた、そのようなアウトソールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
安全靴(safety shoes)及び安全ブーツ(safety boots)が多くの作業環境で広く使用されており、鋭利な物体によって生じる刺傷、障害物に対する衝撃、及び落下物によって生じる衝撃から作業者の足を保護するために使用が義務づけられることが多い。
【0003】
通常、雇用主は作業者にただ1足の安全靴を提供するため、1人が一日中、毎日同じ安全靴を使用することが多い。
【0004】
したがって、靴の全体的な快適性を犠牲にすることなく、十分なレベルの安全性を保証できる靴を作業者に提供することが重要である。
【0005】
柔軟性及び通気性のよさは、靴の快適さに寄与する最も重要な要因である。
【0006】
フットウェアに組み込まれた穿孔防止層を備える安全靴が当技術分野でよく知られている。
【0007】
穿孔防止層は、作業者が誤って釘又は他の鋭利な物体の上に立ったときに生じる可能性のある怪我を、防止又は限定するよう設計されている。穿孔防止層は、様々な材料で作製でき、現在、織物(textile)ベースの解決策が、より軽量で且つより柔軟性があるので、最も人気がある。通常、この織物層は靴のアッパーの底部に装着され、好ましくは、織物層が足の下に延在するように、ストローベル構造を使用して製造される。
【0008】
織物の穿孔防止層は、不織布材料と組み合わせた、糸の非常に密な織りを有している。その結果、穿孔防止層は、多くの場合4mmを超える厚さになり、空気が穿孔防止層の構造を通過できなくなる。織物の穿孔防止層を備えた安全靴の実例が米国特許第6,167,639B1号に開示されている。
【0009】
米国特許出願公開第2016/1057554号には、対象物として、トレッドの層及び空気を通すミッドソールを具備するアウトソールを備えた、より通気性のよい靴が開示されている。アウトソールには、底部のトレッドと空気を通すミッドソールとの間に配置される、穿孔防止層も設けられる。
【0010】
この解決策により、空気を通すミッドソールの下に配置されている穿孔防止層が、靴の通気性のよさに影響を与えないので、靴の通気性のよさを向上させることができる。
【0011】
ただし、この解決策には、少なくとも2つの欠点がある。第1の欠点は、アウトソールの様々な層(トレッド、穿孔防止層、ミッドソール)を一体に接着することを想定した、アウトソールの構造に関係する。そのような欠点は、米国特許出願公開第2016/1057554号の好ましい実施例においてより明らかであり、ここで穿孔防止層は、透明なプラスチック・カバーで囲まれている。
【0012】
実際、アウトソールを組み立てるためには、アウトソールの様々な要素間に、多くの接着剤層を挿置する必要がある。例えば、第1の接着剤層を、トレッドと透明なプラスチック・カバーの下端面との間に挿置する必要があり、第2の接着剤層を、透明なプラスチック・カバーの下端面と穿孔防止層との間に挿置する必要があり、第3の接着剤層を、穿孔防止層と透明なプラスチック・カバーの上端面との間に挿置する必要があり、第4の層を、透明なプラスチック・カバーの上端面とミッドソールとの間に挿置する必要がある。
【0013】
上記の接着剤層により、アウトソールがより硬質になり、ソールの組立てに必要な様々な作業により時間がかかり、したがってコストが一層高くなる。
【0014】
さらに、米国特許出願公開第2016/1057554号に開示された解決策では、穿孔防止層は、アウトソールの上面、すなわち靴のアッパーと接触するよう設計された表面から離れて配置される。具体的には、穿孔防止層は、足の前部(forefoot)のエリアにおいて、アウトソールの屈曲点から離れている。
【0015】
この特定の配置は、ユーザが立っているときには、アウトソールの快適性に影響を与えない。ただし、ユーザが歩き始めると、足の歩行動作に追従するために、アウトソールは正しく曲がることができる必要があり、その結果、穿孔防止層が伸張できる必要があり、屈曲点からの距離が遠いほど、必要な伸張量が一層大きくなる。
【0016】
しかし、穿孔防止層は、トレッドとミッドソールとの間に封鎖されており、この特定の配置でのアウトソールの層構造により、伸び量が大幅に減少する可能性がある。結果として、このアウトソールは、柔軟性がほとんどない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6,167,639B1号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/1057554号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、穿孔防止層を備える既知のタイプの安全アウトソールに関連して言及した課題を、少なくとも部分的に解決することである。
【0019】
本発明の狙いは、具体的には、アウトソールの快適性に影響を与えることなく、ユーザの足の通気性を確実に向上させることができる、セーフティフットウェア用アウトソールを提供することである。
【0020】
さらに、本発明の狙いは、刺傷に強く、且つ比較的軽量な、セーフティフットウェア用アウトソールを提供することである。
【0021】
さらに、本発明の狙いは、組立てが比較的容易な、セーフティフットウェア用アウトソールを提供することである。
【0022】
さらに、本発明の狙いは、工業規模で容易に実施できる、かかるセーフティフットウェア用アウトソールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
これらの諸目的及び狙い並びに他の諸目的及び狙いは、請求項1に記載のセーフティフットウェア用アウトソール、請求項15に記載のセーフティフットウェア、及び請求項16に記載の、そのようなアウトソールの作製方法によって達成される。
【0024】
本発明の独特の構成及びさらなる利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例示として提示される実施例のいくつかの実例の、本明細書で以下に提供される説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による、アウトソールの側面図である。
図2図1のアウトソールを備えた、安全靴の側面図である。
図3図1のアウトソールの縦断面図である。
図4図3の、面IV-IVに沿った横断面図である。
図4a図3の、面IVa-IVaに沿った横断面図である。
図5】本発明による、アウトソールの構成要素の斜視図である。
図6図5の構成要素の縦断面図である。
図7】本発明による方法の1つのステップの概略図である。
図8】本発明による方法の1つのステップの概略図である。
図9】本発明による方法の1つのステップの概略図である。
図10】本発明による方法の1つのステップの概略図である。
図11】本発明による方法の1つのステップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図を参照すると、本発明によるセーフティフットウェア用アウトソールの実例が、全体として参照番号1で示されている。
【0027】
以下に提示されるアウトソール1及びアウトソールの個々の構成要素の説明は、正しく使用されるアウトソール1に関係する。
【0028】
具体的には、以下の説明では、「前」という用語は、足の爪先に比較的近い、アウトソールの一部又はアウトソールの個々の構成要素を特定するために使用され、一方「後」は、踵に比較的近い、アウトソールの一部又はアウトソールの個々の構成要素を示すために使用される。同様に、「上」は、地面から比較的離れた、アウトソールの一部又はアウトソールの個々の構成要素を指し、一方「底」は、地面に比較的近接した、アウトソールの一部又はアウトソールの個々の構成要素を示すために使用される。
【0029】
図2に示されるように、アウトソール1は、セーフティフットウェア10を得るために、アッパー9に接合されるよう設計されている。
【0030】
アウトソール1は、上面2、底面4、及び側面6を有する。
【0031】
詳細には、上面2は、安全靴10の着用者の足を支持するよう設計され、底面4は、地面と接触するよう設計され、側面6は、上面2及び底面4を連結するよう設計されている。したがって、側面としては、アウトソールの内側面と外側面との両方を意図する必要がある。
【0032】
図1図2に示されるように、アウトソール1はまた、側面6及び上面2を、好ましくはアウトソール1の踵部分、すなわちアウトソール1の後ろ部分で、流体連通させるよう設計された、少なくとも1つの通気路12を備えている。
【0033】
アウトソール1は、好ましくは、複数の通気路12を備えている。添付の図には、4つの通気路12を備えた、アウトソール1の実施例が示されている。明らかに、他の特定の必要性に応えるために、通気路12の様々な配置が可能である。
【0034】
アウトソール1がアッパー9に接合されると、通気路12により、通常はインソールであるアッパー9の底面の、したがって着用者の足の、通気が可能になる。
【0035】
アウトソール1はまた、穿孔防止層8も備えている。好ましくは、穿孔防止層8は、着用者の足の底部全体を、鋭利な物体によって生じる刺傷から保護するのに好適な表面エリアを備える。
【0036】
本発明によれば、図3図4、及び図4aに示されように。穿孔防止層8は、アウトソール1の踵部分で、底面4と通気路12との間に配置され、またアウトソール1の足前方部分で、アウトソール1の上面2に近接して配置される。
【0037】
以下の説明「アウトソール1の足前方部分で、上面2に近接して」では、アウトソール1の足前方部分、すなわち、アウトソール1の前部において、穿孔防止層8の上部が、アウトソール1の中に埋め込まれている場合であっても、アウトソール1の上面2から3mm以内に配置されていることを意味している。
【0038】
具体的には、アウトソールが、底面4に配置される別個のトレッドを備えている場合、「アウトソール1の足前方部分で、上面2に近接して」とは、アウトソールの足前方部分にある穿孔防止層が、アウトソールのトレッドの上面に接触していないことを、意図している必要がある。
【0039】
以下の説明から明らかになるように、アウトソール1の踵部分及び足前方部分での穿孔防止層8の上記配置により、一方の側面から、より柔軟なアウトソールを得ることができ、他方の側面から、安全靴10のアウトソール1とアッパー9との間の空気の循環を向上させることが可能になる。
【0040】
実際、穿孔防止層8は、アウトソール1の足前方部分で、上面2に近接して配置されており、穿孔防止層が伸びなくても、着用者の歩行動作に追従できる。言い換えれば、アウトソール1の足前方部分は、アウトソールに追加の層が設けられても、着用者の妨げとなることなく、正しく屈曲できる。
【0041】
実際、穿孔防止層8は、足前方部分で、アウトソールの屈曲点に近接している。
【0042】
同時に、アウトソール1の踵部分で通気路12の下に配置されている穿孔防止層8は、アウトソール1の側面6と上面2との間の空気の循環に対する障壁として機能することはない。
【0043】
有利なことには、含まれている図に概略的に示されるように、アウトソール1の足前方部分において、穿孔防止層8の上部は、アウトソール1の上面2と少なくとも部分的に一致することができる。言い換えれば、この実施例では、アッパー9のインソールは、穿孔防止層8の上に直接置かれている。
【0044】
図3図4、及び図4aを参照すると、アウトソール1は、好ましくは、トレッド3及びミッドソール5を有し、トレッド3は、アウトソール1の底面4に配置され、ミッドソール5は、アウトソール1の上面2及び側面6によって区切られた容積を占める。
【0045】
好ましくは、トレッド3は、スチレンブタジエンスチレンゴム(SBSゴム:styrene-butadiene-styrene rubber)若しくはスチレンブタジエンゴム(SBRゴム:styrene-butadiene-rubber)で、又は熱可塑性ポリウレタン(TPU:thermoplastic polyurethane)で作られる。次に、ミッドソール5は、好ましくは、ポリマー発泡体材料、例えば発泡ポリウレタン(PU:polyurethane)又はエチレンビニルアセテート(EVA:Ethylene-vinyl acetate)で作られる。
【0046】
有利なことには、トレッドの上面と穿孔防止層8の底面との間に、ボス27を設けることができる。
【0047】
好ましくは、トレッド3の後部及び/又は前部にボス27が設けられる。ボス27は、アウトソール1を組み立てる際に、トレッド3をアウトソール1のミッドソール5又は他の構成要素と位置合わせするのに好適である。
【0048】
有利なことには、トレッド3の前部に配置されるボス27は、アウトソールの足前方部分で、穿孔防止層8とトレッド3の上面とを離隔し続ける、すなわち非接触状態を保つのに好適である。好ましくは、ボス27は、トレッドの上面から突出し、トレッドと一体である。
【0049】
トレッド3及びミッドソール5を備えたアウトソール1において、通気路12は、好ましくは、ミッドソール5の踵部分に設けられている。
【0050】
各通気路12は、側面6に設けられた開口部13と上面2に設けられた開口部14とを連結している(図4a参照。明確にするために、以下で説明される追加層18は削除されている)。
【0051】
好ましくは、各通気路12は、横方向のチャネル15及び垂直方向のチャネル17を有する。横方向のチャネル15は、アウトソール1の側面6に設けられた対向する開口部13を連結する。次に、垂直方向のチャネル17は、アウトソール1の横方向のチャネル15から上面2の開口部14まで延在する。
【0052】
有利なことには、横方向のチャネル15及び垂直方向のチャネル17は、アウトソール1の上面2の近傍で、すなわち、アッパー9の底部の近傍で交差する。
【0053】
好ましくは、アウトソール1は、柔軟な材料で作られ、したがって、歩行動作中、横方向のチャネル15及び垂直方向のチャネル17は、チャネル内の空気の循環を向上させることが可能となるように、ユーザの足の圧力下で収縮及び拡張できる。かかる空気の循環は、上述のように、アウトソール1の内部に穿孔防止層8が存在することに影響されず、使用者の足に空気を通すことを可能にする。
【0054】
有利なことには、図3及び図6に示されるように、アウトソール1の上面2に設けられた開口部14は、追加保護層18によって覆うことができる。
【0055】
好ましくは、この追加保護層18は、保護メッシュ材料で作られる。かかる保護メッシュ材料は、空気が通過できるようにすると同時に、通気路12の内部に侵入する可能性のある小さな物体が、歩行動作中にフットウェアのアッパー9の底部に損傷を与え得るのを防止する。
【0056】
別法として、追加保護層18は、防水性の/通気性がよい膜で構成されてもよい。かかる膜は、例えば、着用者が水たまりに立っている場合に、水が、通気路12を通ってフットウェア10のアッパー9の内部へ浸透するのを防止する。同時に、通気性もよい膜は、通気路12によって提供される通気性のよさを維持するために、水蒸気が通過することを可能にする。
【0057】
添付の図に示されていないさらなる実施例では、追加保護層18は、保護メッシュ材料及び防水性の/通気性がよい膜を有することができ、この膜は、好ましくは、保護メッシュ材料の上に配置されている。
【0058】
本発明の一実施例によれば、アウトソール1は、図1図2図3図4a及び図6に示される踵インサート11を有し、これはアウトソールの他のパーツとは別個の要素として具現化される。
【0059】
別法として、踵インサート11は、穿孔防止層8と一体であってもよい。この場合、踵インサート11は、単一の部品を得るために、穿孔防止層8の上面の上に直接射出される。
【0060】
いずれの場合も、踵インサート11は、アウトソール1の、又はミッドソール5の上面2に配置されるよう設計されており、好ましくは、着用者の踵を取り囲むように、解剖学的に形状を定められている。
【0061】
踵インサート11の上面は、好ましくは、アッパー9のインソールに当接するよう設計されている。
【0062】
有利なことには、図6に明確に示されているように、踵インサート11が穿孔防止層8から分離されている場合、踵インサート11の底面は、踵インサート11がアウトソールの他の構成要素と嵌合されるときに、踵インサート11の位置合わせを補助するのに好適な、ボス25を備えることができる。好ましくは、ボス25は円形である。
【0063】
好ましくは、アウトソール1の通気路12は、踵インサート11内に設けられる。したがって、この場合、開口部13及び14は、踵インサート11の側面及び上面に設けられる。
【0064】
好ましくは、踵インサート11は、有利なことには、アウトソール1又はミッドソール5の残りの部分の材料とは異なり得る、ポリマー材料で作られる。好ましくは、踵インサート11は、アウトソールの残りの部分の材料よりも硬質の材料、例えばナイロン、ポリウレタン、又は熱可塑性ポリウレタン(TPU)で作られる。
【0065】
やはりこの場合も、アウトソールの通気性のよさが確実に向上する。実際、踵インサート11の方がより硬質であるという事実により、足の圧力下で踵及び通気チャネルが潰れるリスクなしに、より大きな断面積をもつ通気路12を踵インサート内に配置することが可能である。
【0066】
図5及び図6に示されるように、踵インサート11の上部には、追加保護層18を収容するための周辺シート16を設けることができる。
【0067】
当然のことながら、アウトソール1は、穿孔防止層8を備えている。
【0068】
かかる穿孔防止層8は、好ましくは、織布及び不織布の織物によって形成される。穿孔防止層8は、好ましくは、ポリアラミド繊維などの合成繊維又は高分子繊維によって形成される。
【0069】
有利なことには、アウトソール1は、アッパー9のインソールの形状及びサイズに実質的に一致する形状及びサイズである、単一の穿孔防止層8を有する。
【0070】
穿孔防止層8は、好ましくは、2から5mmの間に含まれる厚さである。
【0071】
アウトソールがミッドソール、踵インサート、及び別個のトレッドを有する実施例では、好ましくは、穿孔防止層8の後ろ部分、すなわち、底面4と通気路12との間に位置する部分は、ミッドソール5の材料に完全に埋め込まれるように、踵インサート11とトレッド3との間に配置される。このようにして、アウトソールの踵部分での、クッション効果の向上が実現され得る。
【0072】
好ましくは、図3図4a、図9、及び図10に示されるように、穿孔防止層8の後部にスペーサ要素20が設けられる。スペーサ要素20は、穿孔防止層8の上部を少なくとも部分的に覆い、踵インサート11の底部と接触するよう設計されている。
【0073】
図9に明確に示されているように、スペーサ要素20には、踵インサート11のボス25と係合するよう設計された穴26を設けることができる。有利なことには、穴26は、スペーサ要素20の踵インサート11との正確な位置合わせを補助するのに好適である。
【0074】
別法として、スペーサ要素20の上面に、突起(添付の図には示されていない)を設けてもよい。有利なことには、この場合、踵インサート11は、スペーサ要素20の踵インサート11との正確な位置合わせを補助するために、対応する穴を踵インサートの底面に設けることになる。
【0075】
スペーサ要素20の厚さは、穿孔防止層8と踵インサート11との間の配置上の間隔(set up distance)に一致する。
【0076】
本発明によれば、穿孔防止層8の前部は、アウトソール1の柔軟性を確実に向上させるため、アウトソール1の上面2に近接している必要があるので、スペーサ要素20は、穿孔防止層8の全長までは延在していない。
【0077】
スペーサ要素20は、完全に中実であり得る。別法として、スペーサ要素20は、穿孔防止層8の周辺部分だけを覆うように、中央が中空であってもよい。さらなる実施例では、スペーサ要素20には、穴26に加えて、スペーサ要素20のミッドソール5及び踵インサート11との位置合わせ及び接着を補助できる別の手段、例えば凹み又は切欠きを設けることができる。
【0078】
スペーサ要素20の上部は、スペーサ要素の上に踵インサート11を位置決めするのに役立つように、適切に形状を定めることができる(図9参照)。
【0079】
当然のことながら、本発明はまた、アウトソール1の製造方法に関する。
【0080】
この方法は、通気路12が踵インサート11内に設けられているアウトソール1の実施例に言及している。
【0081】
この方法は、以下のステップを有する。
- 穿孔防止層8及び通気路12を備える踵インサート11によって形成される第1のアセンブリ22を得るために、ポリマー材料を第1の型内へ、穿孔防止層8の後部の上に射出することを含む、第1の射出段階(図7参照)。
- アウトソール1を得るために、ポリマー材料を第2の型内へ、予め形成されて第2の型内に装填された第1のアセンブリ22の底部に射出することを含む、第2の射出段階。穿孔防止層8は、アウトソール1の踵部分では、底面4と通気路12との間に配置され、アウトソールの足前方部分では、上面2に近接して配置されている(図8参照)。
【0082】
第1及び第2の射出段階で使用される型は、キャビティ及び蓋を有し、キャビティ及び蓋は知られているタイプであるので、示されていない。
【0083】
通気路12は、第1のアセンブリ22が第1の型から排出されるのを防止できる、アンダーカット形状を象っている。有利なことには、通気路12は、型のキャビティ又は蓋に設けられたスライド入れ子によって、知られている手法で得ることができる。
【0084】
第1の射出段階のポリマー材料は、第2の射出段階で使用されるポリマー材料と同じであり得る。別法として、2種類の相異なるポリマー材料が使用されてもよい。
【0085】
好ましくは、第2の射出段階は、第2の型を逆さまの構成で、すなわちキャビティが蓋の上にある状態で、成形機に装填することによって実行される。
【0086】
有利なことには、このようにして、第1の射出段階で得られた第1のアセンブリ22は、第1のアセンブリを、基部として機能する蓋と直接接触させることにより、型内に配置できる。具体的には、基部に位置合わせ用基準標示を設けることにより、基部上での穿孔防止層8の位置決めを、より容易にすることが可能である。同時に、穿孔防止層8の足前方部分を基部と直接接触するよう配置することにより、第2の射出段階の間にポリマー材料によって加えられる圧力が、確実に、アセンブリ22を正しい位置からずらさないように、ずれを阻止することが可能である。
【0087】
本発明の第1の実施例では、第1の射出段階を2つの別個のステップで実行することができ、2つのステップは、同時に又は相異なる時点で、実行できる。
【0088】
第1のステップでは、穿孔防止層8及びスペーサ要素20によって形成される第2のアセンブリ24を得るために、別の型内に穿孔防止層8を装填して、型の後部にポリマー材料を過剰射出する(図9参照)。
【0089】
第2のステップでは、相異なる型にポリマー材料を射出することにより、踵インサート11が別個に得られる。
【0090】
したがって、この実施例では、第1のアセンブリ22は、踵インサート11を第2のアセンブリ24の上に置くことによって得られる。
【0091】
この実施例では、第1のアセンブリ22は、単一の要素ではなく、2つの別個の要素、すなわち踵インサート11、並びにスペーサ要素20及び穿孔防止層8によって別途形成された第2のアセンブリ24によって、組み立てられることが明らかである。第1のアセンブリ22の別個の要素は、引き続いて第2の射出段階の際に接合されることになる。
【0092】
その後、第1のアセンブリ22、すなわち第2のアセンブリ24及び踵インサート11は、上述の第2の射出段階を実行するよう第2の型に装填されることになる。明らかに、第1のアセンブリ22と一体ではない踵インサート11を別個の挿入物として型内に装填することができる。
【0093】
別法として、第2のステップで、踵インサート11は、第2のアセンブリ24上に直接射出されてもよい。
【0094】
好ましくは、上述のように、スペーサ要素20及び踵インサート11は、第1のアセンブリ22を組み立てる際の、スペーサ要素20と踵インサート11との相互の位置決めに好都合である、位置合わせ形状、すなわちスペーサ要素20の穴26及び踵インサート11のボス25を備えることができる(図9及び図10参照)。
【0095】
好ましくは、やはりこの実施例においても、第2の射出段階は、第2の型を逆さまの構成で、すなわち基部として機能する蓋の上にキャビティがある状態で、成形機に装填することによって実行される。
【0096】
別の実施例では、第2の射出段階を実行する前に、第2の型内に第1のアセンブリ22と共に、別個のトレッド3を装填できる。
【0097】
この実施例では、第1のアセンブリ22は、互いに一体の穿孔防止層8及び踵インサート11によって、又は第2のアセンブリ24及び別個の踵インサート11によって、形成できる。
【0098】
具体的には、第1のアセンブリ22を型のキャビティに装填でき、一方でトレッド3を蓋に固定できる。やはりこの場合も、好ましくは、第2の型を逆さまの構成で、すなわちキャビティが蓋の上にある状態で、成形機に装填する。第1のアセンブリ22が第2のアセンブリ24及び別個の踵インサート11によって形成される実施例を参照する図11では、トレッド3と第1のアセンブリ22との間の相互の位置決めについて概略的に示されている。
【0099】
好ましくは、この実施例では、トレッド3には、トレッドの上部に、穿孔防止層8の底面に当接するよう設計された、ボス27が設けられている。有利なことには、トレッド3の上部にボス27が存在することが、型が逆さまの構成で成形機に装填されたときに、トレッド3が穿孔防止層8の上に直接載せられることを防止し、したがって、アウトソールの様々なパーツを組み立てるために、射出された材料が容易に流入できる、トレッド3と層8との間隙を作り出す。この形状がなければ、射出された材料がトレッド3の誤った側、すなわちアウトソールの底面を越えて流れ込み、その結果製造不合格品となり得るリスクが高まるであろう。
【0100】
上述のように第2の射出段階を実行することにより、少なくとも後部において、ミッドソールの中央に穿孔防止層が埋め込まれたアウトソールを得ることができる。
【0101】
したがって、第2の射出により、アウトソール1の様々なパーツ(踵インサート11、スペーサ要素20、穿孔防止層8、及びトレッド3)を接合できる。
【0102】
さらなる実施例において、アウトソール1が別個のトレッド3を備えている場合、第2の射出段階は、アウトソールが付着されるべき安全靴10のアッパー9の上に、ポリマー材料を直接射出できるよう設計された、第2の型内で進められ得る。
【0103】
この場合、第2の型をもはや、逆さまの構成で成形機に装填する必要はない。
【0104】
第2の型は、基部、2つのサイド・リング、及びフットウェア型(mould last)によって、組み立てられることになる。かかるタイプの型は、当技術分野でよく知られており、添付の図には示されていない。
【0105】
トレッド3及び第1のアセンブリ22は、基部に装着される。第1のアセンブリ22は、有利なことには、ボス27を備えることができるトレッド3の上に配置され、ボス27は、トレッド3の上面から突出し、第1のアセンブリ22とトレッド3との間を相互に位置決めするのに好適であり、また足前方部分で、穿孔防止層8とトレッド3の上面とを離隔し続ける、すなわち非接触状態を保つのに好適である。さらに、ボス27を設けることは、型の内部、並びにトレッド3と穿孔防止層8との間へ、材料が流れ込むのに好都合である。
【0106】
2つのサイド・リングは、トレッド及び第1のアセンブリ22が装填される基部、並びに靴のアッパー9が取り付けられる、高分子材料が中に射出される型のキャビティを画定するための、フットウェア型に当接するよう設計されている。
【0107】
基部とフットウェア型との間の相互の位置決めは、アウトソールの足前方部分にある穿孔防止層が、フットウェア型に取り付けられたアッパー9の底面に確実に近接するように実行される。
【0108】
このようにして、さらなるステップを必要とせずに、アウトソール1を安全靴に直接貼り付けることが可能である。
【0109】
この時点で、本発明によるアウトソール1及び方法を用いて、予め定義された諸目的をどのようにして達成できるかは明らかである。
【0110】
実際、本発明によるアウトソールには、着用者に提供される、アウトソールの快適性及び刺傷に対する保護のレベルに影響を与えることなく、着用者の足の通気性を確実に向上させることができる、通気路が設けられている。
【0111】
さらに、上述のように、アウトソール内部に穿孔防止層を配置することは、アウトソールの美観及び重量に影響を与えない。
【0112】
さらに、本発明の方法により、アウトソールの様々な要素間に接着剤の層を置く必要なしに、アウトソールを得ることができる。射出段階によって、アウトソールのすべての要素、例えば踵インサート、穿孔防止層、及びトレッドを、同時に接合することが可能である。
【0113】
さらに、本発明による方法は、一般的な成形技法を使用するので、容易に実施できる。
【0114】
上述のアウトソール1の実施例及び方法に関して、当業者は、特定の要件を満たすために、それによって添付する特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された要素を修正し、且つ/又は同等の要素で置き換えることができる。
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】