(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ドットフィルム、多層光学シート及びスマート電子白板
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20220119BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220119BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20220119BHJP
C09D 4/02 20060101ALI20220119BHJP
C09D 123/00 20060101ALI20220119BHJP
C09D 183/04 20060101ALI20220119BHJP
C09D 7/40 20180101ALI20220119BHJP
C09D 139/06 20060101ALI20220119BHJP
C09D 133/00 20060101ALI20220119BHJP
C09D 7/43 20180101ALI20220119BHJP
【FI】
G06F3/042 421
G06F3/041 495
G06F3/041 460
C09D5/00 D
C09D4/02
C09D123/00
C09D183/04
C09D7/40
C09D139/06
C09D133/00
C09D7/43
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529706
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(85)【翻訳文提出日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 KR2019015247
(87)【国際公開番号】W WO2020122436
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0158643
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521225546
【氏名又は名称】ディプスワン テック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヘ ラン
【テーマコード(参考)】
4J038
【Fターム(参考)】
4J038CB001
4J038CG001
4J038CK031
4J038DG262
4J038DL031
4J038FA111
4J038FA151
4J038FA281
4J038JA33
4J038JA69
4J038JB26
4J038JB32
4J038JB38
4J038JC02
4J038JC32
4J038JC39
4J038KA02
4J038KA03
4J038KA04
4J038KA07
4J038NA09
4J038NA13
4J038NA17
4J038PA07
4J038PA17
4J038PB09
4J038PC08
(57)【要約】
本発明は、合成樹脂からなる基材層;前記基材層の後面にレジン混合物が塗布形成されたレジン層;及び前記レジン層に印刷物質が染み込まれるように印刷して微細なドットが形成されたドット層を含み、前記ドット層は仮想の格子線の交差点に複数個のドットが間隔を置いたまま形成され、電子ペンで筆記する時電子ペンの位置情報を判断できるように位置情報が暗号化されていることを特徴とするドットフィルムと、ドットフィルムを含む多層光学シート及び多層光学シートが付着されたスマート電子白板を提供する。本発明によれば、光学シートの厚さが薄くなって、製造過程で層間パーティクルの流入可能性が最小化されるし、低い反射率と散乱率によって電子ペンに対する反応性と認識率に優れ、UV印刷はもとよりインクジェット、レーザーなどのプリンター印刷が可能であり、製作費が安価で、印刷物質の浸透と印刷が容易である効果がある。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペン筆記軌跡を追跡可能で、筆記が認識されながら映像機器の画面や黒板に表示させるドットフィルムにおいて、
合成樹脂の基材層にレジン混合物を塗布してレジン層を形成し、前記レジン層の後面に印刷物質が染み込まれるように印刷して微細なドットを形成した後、前記基材層を前記レジン層から分離して取り除いた後、分離されたレジン層の前面に保護フィルムを付着して形成され、
ドットは仮想の格子線が交差する交差点から間隔を置いたまま格子線上に形成されてそれぞれのドット値を有し、電子ペンで筆記する時電子ペンの位置情報を判断できるように位置情報が暗号化されたパターン情報を具備し、
前記レジン混合物は、重量%でポリオレフィン系樹脂30~50%、シリコーン樹脂15~25%、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー15~25%、メチレンジフェニルジイソシアネート5~10%、テトラヒドロフルフリルメタクリレート1~5%、ポリビニルピロリドン1~5%、2-エチルフェノキシメタクリレート1~3%、ポリメタメチルアクリレート1~3%、1,4-フェニレンビスオキサゾリン0.5~2%、1,4-ブタンジオールジアクリレート0.5~1.5%、テトラエチレングリコールジメタクリレート0.5~1.5%、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレインイミドフェニル)メタン0.5~1.5%、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレインイミド0.5~1.5%、オレイン酸第一スズ0.5~1.5%、ジブチルスズジアセテート0.5~1.5%、N,N’-ビス(2-メチル-1-イミダゾリルエチル)尿素0.5~1.5%、p-トルエンスルホニルヒドラジド0.1~1.0%、エピクロロヒドリン0.1~1.0%及び帯電防止剤0.5~1.0%を含み、
前記保護フィルムは、PETまたはポリカーボネートからなって、脱着可能に付着されて入れ替えできるように備えられ、外表面に0.1~0.5mmの厚さで塗布された被覆層が形成されてアンチグレア及びUV遮断機能を提供し、
前記被覆層は、ポリウレタンアクリレート低重合体100重量部に対して、アクリレート単量体30~50重量部、4,4’-ジアミノベンゾフェノン1~5重量部、トリス3-メルカプトプロピオニルオキシエチルイソシアヌレート(TEMPIC)15~20重量部、アントラニル酸メンチル1~5重量部、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン1~5重量部、ポリエーテルシロキサン共重合体1~5重量部、分散剤0.1~0.5重量部、消泡剤0.1~0.5重量部及び増粘剤0.1~0.5重量部を含むドットフィルム。
【請求項2】
多層で構成され、映像機器や黒板の前面に付着され、電子ペンの筆記軌跡を追跡可能なので、筆記が認識されながら映像機器の画面や黒板に表示させる電子ペン筆記用多層光学シートにおいて、
請求項1からなるドットフィルム;
前記ドットフィルムの後方に形成され、映像機器から発散される光の一部を反射させて遮断する遮断フィルム;及び
前記遮断フィルムの後方に形成されて映像機器や黒板の前面に付着させる粘着層を含む多層光学シート。
【請求項3】
前記ドットフィルムと遮断フィルムの間に透明な透光板が形成され、前記透光板はアクリル板、ポリカーボネート板及びガラス板で選択されたいずれか一つからなることを特徴とする請求項2に記載の多層光学シート。
【請求項4】
複数個の単位フレームが繋がってなったフレーム枠;前記フレーム枠の内側後方に設置され、映像が出力される平板または曲面ディスプレイパネルを備えた映像機器;前記フレーム枠の内側に結合されて前記映像機器の前方をカバーするように配置され、電源の供給及び遮断によってそれぞれ透明状態になったり不透明状態に可変され、高分子分散型液晶(PDLC)からなって光を透過させたり散乱させるPDLC層、前記PDLC層の前方面と後方面にそれぞれ形成されてインジウム-スズ酸化物がコーティングされたITO層、及びそれぞれのITO層の外面に形成された基板層を含む可変パネル部;前記可変パネル部の前方に形成された基板層に結合され、板書が行われる板書面を備えたPMMAシート;前記可変パネル部の後方面に付着され、透明な材質からなって、調光機能を有するLED光源が設置され、電源を印加する時前記LED光源から発散される光を拡散させて板書した字の鮮明度を増加させる導光板;前記導光板の後方面に付着され、アルミニウムが蒸着されて光の一部を反射させることによって電源がオフされた映像機器の画面がよく見えないようにする反射フィルム;電源を供給する電源供給部を備え、前記LED光源の明るさを調節する制御手段;及び前記PMMAシートの前面に付着され、請求項1に記載のドットフィルムを含む多層光学シートを含むスマート電子白板。
【請求項5】
複数個の単位フレームが連結されてなるフレーム枠;前記フレーム枠の内側後方に設置され、映像が出力される平板または曲面ディスプレイパネルを備えた映像機器;前記フレーム枠の内側に結合されて前記映像機器の前方をカバーするように配置され、電源の供給及び遮断によってそれぞれ透明状態になったり不透明状態に可変され、高分子分散型液晶(PDLC)からなって光を透過させたり散乱させるPDLC層、前記PDLC層の前方面と後方面にそれぞれ形成されてインジウム-スズ酸化物がコーティングされたITO層、及びそれぞれの前記ITO層の外面に形成された基板層を含む可変パネル部;前記可変パネル部の前方に形成された基板層に結合され、板書が行われる板書面を備えたPMMAシート;前記可変パネル部の後方面に付着され、透明な材質からなって、調光機能を有するLED光源が設置され、電源を印加する時前記LED光源から発散される光を拡散させて板書した字の鮮明度を増加させる導光板;前記導光板と映像機器の間に設置された強化ガラス;前記強化ガラスの後方面に付着され、アルミニウムが蒸着されて光の一部を反射させることによって電源がオフされた映像機器の画面がよく見えないようにする反射フィルム;電源を供給する電源供給部を備えて前記LED光源の明るさを調節する制御手段;及び前記PMMAシートの前面に付着され、請求項1に記載のドットフィルムを含む多層光学シートを含むスマート電子白板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットフィルム、多層光学シート及びスマート電子白板に係り、位置情報を持つドットパターンが形成され、その上に筆記される電子ペンの位置情報を決定することができる電子ペン筆記用ドットフィルムと、ドットフィルムを含む多層光学シート及び光学シートを含むスマート電子白板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子ペンはドットパターンが形成されている所であれば、どこでもその軌跡を認識して筆記できるものであって、電子ノート、ノートパソコン、スマートフォン、スマートTV、電子白板などの機器と接続すれば筆記内容がリアルタイムで送信され、画面にディスプレイされるので直ちに確認可能であり、作成及び編集された内容は内部メモリーに保存されたり、メール、SNS、クラウドなどを通じて他の使用者やデバイスと共有可能である。電子ペンの認識はタッチスクリーン方式や外部の感知センサーを利用した方式があるが、このような方式はディスプレイ画面のサイズが大きくなるほど製造単価が増加し、電力消費が急増し、認識率が落ちる。このため、ディスプレイ画面やフィルムに位置情報を含むエンコーディングパターンを細かく形成し、その表面上に筆記される電子ペンの相対位置または絶対位置を決定する技術が開発された。これと係る従来技術として、国際公開第2001/026032号では、絶対位置コーディングパターン上で作動する光を読み取るためにエンコーディングされた紙上に電子ペンが使われ、各々が公称位置を示して位置を決定するように複数のマークが形成されたパターンコード化を取り揃えたペーパーが公開されている。しかし、上述した従来の技術は、電子ペンを使用する時コーティングされた紙やホワイトボードのような光沢表面、又は液晶画面のように光が出る表面上で利用される時、光飽和によってセンサーの認識率が落ちたりパターンイメージを歪曲させてドットパターンの正確な分別が困難であり、これによって位置決定及び読み取りに問題が発生する。しかし、ペーパーを不透明に製造する場合、背景やディスプレイ画面が鮮明に見えない問題がある。他の従来技術として韓国登録特許第10-1766447号公報には仮想の格子線の交差点に間隔を置いたまま形成され、筆記時に電子ペンの位置情報を判断できるように位置情報が暗号化されたドットからなる微細パターンが備えられたパターンフィルム、パターンフィルムの前方に形成された拡散フィルム、拡散フィルムの前方に形成されてアンチグレアコーティング処理された保護フィルム、パターンフィルムの後方に形成されて映像機器から発散する光の一部を反射させて遮断する遮断フィルム、及び遮断フィルムの後方に形成されて映像機器や黒板の前面に付着されるようにする粘着層を含む多層光学シートとこれを含むスマート電子白板が公開されている。しかし、上述した従来技術は、フィルム層数が多くて光学シートの厚さが増大され、電子ペンに対する反応性が落ちるし、製造過程で層間微小パーティクルが流入される可能性が増加し、ドットパターンを形成するためにUV印刷のみ可能であるため高価の大型装置が必要な問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2001/026032号
【特許文献2】韓国登録特許第10-1766447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光学シートの厚さが薄くなり、製造過程で層間パーティクルの流入可能性が最小化され、低い反射率と散乱率によって電子ペンに対する反応性と認識率に優れ、UV印刷はもとよりインクジェット、レーザーなどのプリンター印刷が可能で、製作費が安価であり、印刷物質の浸透と印刷が容易であるドットフィルム、多層光学シート及びスマート電子白板の提供にその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電子ペン筆記軌跡の追跡が可能で、筆記が認識されながら映像機器の画面や黒板に表示させるドットフィルムにおいて、合成樹脂からなる基材層;前記基材層の後面にレジン混合物が塗布形成されたレジン層;及び前記レジン層に印刷物質が染み込まれるように印刷して微細なドットが形成されたドット層を含み、前記ドット層は仮想の格子線の交差点に複数個のドットが間隔を置いたまま形成され、電子ペンで筆記する時電子ペンの位置情報を判断できるように位置情報が暗号化されていることを特徴とするドットフィルムを提供する。
【0006】
また、本発明は、電子ペン筆記軌跡の追跡が可能で、筆記が認識されながら映像機器の画面や黒板に表示させるドットフィルムにおいて、合成樹脂の基材層にレジン混合物を塗布してレジン層を形成し、前記レジン層の後面に印刷物質が染み込まれるように印刷して微細なドットを形成した後、前記基材層を前記レジン層から分離して取り除いた後、分離されたレジン層の前面に保護フィルムを付着して形成され、前記ドット層は仮想の格子線の交差点に複数個のドットが間隔を置いたまま形成され、電子ペンで筆記する時電子ペンの位置情報を判断できるように位置情報が暗号化されていることを特徴とするドットフィルムを提供する。
【0007】
同時に、本発明は、前記ドットフィルムを含む多層光学シートと、前記多層光学シートを含むスマート電子白板を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光学シートの厚さが薄くなり、製造過程で層間パーティクルの流入可能性が最小化され、低い反射率と散乱率によって電子ペンに対する反応性と認識率に優れ、UV印刷はもとよりインクジェット、レーザーなどのプリンター印刷が可能であり、製作費が安価で、印刷物質の浸透と印刷が容易な効果がある。
【0009】
また、電子ペンが使用される映像機器及び電子白板または黒板などに付着され、電子ペンによるドットパターンの正確な位置情報判断及び位置決定が可能であり、ディスプレイ画面に対する視認性と鮮明度が増加し、シート型で製作する場合、巻物にすることが可能で、保管及び移動しやすい効果がある。
【0010】
また、前面に光学シートが付着されて電子ペンの使用が可能であり、透明と不透明ディスプレイを選択的に具現することによって、映像機器を見ている途中で黒板に切り換えて使用することができ、切換が迅速、かつ便利で、途中で切られずに滑らかな講義を進めることが可能で、映像講義やプレゼンテーション途中で板書が可能なうえ、乱反射を取り除くことができるし、板書面に映る映像の可視度と鮮明度が増加し、講義の内容を集中して伝えることができる効果がある。
【0011】
また、既存の電子白板に適用された板書手段を感知するための赤外線感知センサーやタッチパネルなどが不要であるため、大型映像機器や電子白板に適用可能であり、黒板に付着してビームプロジェクターを透写して映像授業が可能な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1a】本発明のパターンフィルムの仮想の格子線、交差点及びドットを拡大して図示した図面である。
【
図1b】本発明のパターンフィルムの仮想の格子線、交差点及びドットを拡大して図示した図面である。
【
図2a】本発明の光学シートに板書に使用される電子ペンを図示した斜視図である。
【
図2b】光学シートの大きさを拡大して図示した電子ペンの使用状態図である。
【
図3a】本発明のドットフィルムとその製造方法を示す図面である。
【
図3b】本発明のドットフィルムとその製造方法を示す図面である。
【
図5a】本発明の多層光学シートの分離斜視図である。
【
図5b】本発明の多層光学シートの分離斜視図である。
【
図6a】本発明の遮断フィルムの構成を示す図面である。
【
図7a】本発明のスマート電子白板を図示した分離斜視図である。
【
図7b】本発明のスマート電子白板の断面図である。
【
図8a】本発明の他の実施例によるスマート電子白板を図示した分離斜視図である。
【
図8b】本発明の他の実施例によるスマート電子白板の断面図である。
【
図9】本発明のスマート電子白板の透明と不透明状態で可変する作用を図示した図面である。
【
図10a】本発明において、反射フィルムの不在時、映像機器の電源オフ時のブラック画面が映る図面である。
【
図10b】反射フィルムの付着時、ブラック画面が見えない図面である。
【
図11a】本発明のスマート電子白板の電子板書モードを図示したものである。
【
図11b】本発明のスマート電子白板の一般板書モードを図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明によるドットフィルム、多層光学シート及びスマート電子白板を実施するための具体的内容について実施例を中心にして詳しく説明する。
【0014】
図1aを参考すれば、本発明によるドットフィルム10は電子ペン筆記軌跡の追跡が可能なので、筆記が認識されながら映像機器の画面や黒板に表示させることで、ドット17たちが仮想の格子線15が交差する交差点16から所定間隔を置いたまま形成されて各々のドット値を持ち、このようなドット値は少なくとも2つ以上の相違する数の組み合わせで構成されることができるし、筆記時に電子ペンPの位置情報を判断できるように位置情報が暗号化された微細なパターン情報を具備する。ドット17はフタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、アミニウム系化合物などを材料とする赤外線吸収インクからなってもよく、各々のドット17は仮想の格子線15の交差点16を中心にして形成される位置によって決定されるパターンの座標値によって位置情報を提供することができる。例えば、
図1bを参考すれば、ドット17は仮想の格子線15の交差点16との関係によって4ヵ所の位置に存在することができるし、ドット17aが交差点16の右側の位置に存在する場合、ドット値を「1」で、ドット17bが交差点16の上側に位置する場合、ドット値を「2」で、ドット17cが交差点16の左側に位置する場合、ドット値を「3」で、ドット17dが交差点16の下側に位置する場合、ドット値を「4」で表すことで仮想の格子線15の交差点16を中心にしたドット17の位置による位置情報を提供することができる。また、前記ドット17は仮想の格子線15上ではない対角線方向に形成されてもよく、一つの仮想の格子線15の交差点16に複数のドット17たちが形成されて位置情報を提供することができるし、このような場合、各々のドット値はx座標とy座標に分離される方式で任意の座標に表現されてもよく、このような座標値から位置情報が提供される。仮想の格子線15は一定間隔に沿って横及び縦に形成されてもよく、格子線15間の距離は250~300μmで形成されてもよく、ドット17は仮想の格子線15の交差点16を中心にして1/8~1/4の距離を置いた地点で形成されてもよく、ドット17は仮想の格子線15の交差点16を中心にして2つ以上のドットが関連されて形成されてもよく、その直径は50~100μmの範囲である。
【0015】
図2aを参考すれば、電子ペンPは一端部に合成樹脂やシリコーンのペン先形態からなって、外部に突出されたペン先P1が形成されて光学シート1の表面に板書が行われ、前記ペン先P1は脱着できるように備えられ、ペン先P1を分離した後内部にインクが保存されたボールペンを装着して紙などに筆記できるように構成されてもよい。
図2bを参考すれば、電子ペンPは内部に光源P2とセンサーP3が備えられる。前記光源P2は外部に赤外線を透光して放出させ、前記センサーP3は赤外線センサーとしてドットフィルム10のドット17が形成されない部分で散乱される赤外線を感知し、ドットフィルム10に形成されたドット17のパターン情報を連続的にセンシングすることで絶対座標値を計算して位置情報を算出することができる。例えば、6×6サイズの仮想の格子線15上で横と縦6個ずつ36個のドット17を認識した場合、各々のドット値による位置情報を算出し、これを利用して光学シート1上の絶対座標値を把握することができる。また、電子ペンPの他端部には電源スイッチP4と充電端子(未図示)が形成される。電子ペンPの内部にWiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの短距離無線通信が可能な無線通信モジュール(未図示)と充電可能なバッテリー(未図示)が内蔵され、中間に状態表示灯P5が形成される。これによって、前記センサーP3によってセンシングされて計算された座標値は電子ペンP自体に備えられた制御部によって分析された後、無線通信モジュールを通じて外部デバイスに送信されてディスプレイ画面に表示されたり、無線通信モジュールによってコンピューター、ノートパソコン、液晶TV、スマートフォンなどの外部デバイスに送信され、外部デバイスのプロセッサによって座標値が分析された後、電子ペンPが位置した実際の座標値が計算されてディスプレイ画面に表示される。
【0016】
第1実施例をもって
図3aを参考すれば、ドットフィルム10は合成樹脂からなる基材層11を含み、合成樹脂はPET、ポリカーボネート、ポリエステルなどからなってもよい。このような基材層11は表面が滑らかであるため静電気が発生することがあって、インクジェット、レーザーなどのプリンターで直接印刷する時印刷されたイメージが不明確であり、連続的な印刷が困難で、熱的不安定性によって基材層11の励起やひずみが発生することがあるし、インクやトナーなどの印刷物質の接着力ないし密着力が低下して印刷が脱落されたり消滅されることがあるので、UV印刷のみ可能で高価の大型装置が必要であり、印刷物質による光の反射と散乱によって電子ペンに対する反応性が落ちる問題がある。ここで、前記基材層11の後面にレジン混合物が塗布形成されたレジン層12を形成し、前記レジン層12に印刷物質を印刷して印刷物質がレジン層12の内部に染み込まれるようにして微細なドットパターンを持つドット層を形成することにより、従来の光学シートの層数を減らして厚さが減少し、印刷物質の接着力と密着力を増大させ、より鮮明なドットパターンイメージを得ることができるし、低い反射率と散乱率によって電子ペンに対する優れる反応性と認識率が確保される。
【0017】
第2実施例をもって
図3bを参考すれば、ドットフィルム10は合成樹脂の基材層11にレジン混合物を塗布してレジン層12を形成し、レジン層の後面に印刷物質が染み込まれるように印刷して微細なドットのドット層を形成する。このような基材層11、レジン層12及びドット層からなるドットフィルムのレジン層12を遮断フィルム30に付着した後、レジン層12に付着された基材層11を分離させる。次に、基材層11が分離されたレジン層12の前面に保護フィルム20を付着すれば、上述した第1実施例よりもっと薄い薄板フィルムを製造できることは勿論、反応率と認識率もさらに優秀になる。
【0018】
前記レジン混合物は、重量%でポリオレフィン系樹脂30~50%、シリコーン樹脂15~25%、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー15~25%、メチレンジフェニルジイソシアネート5~10%、テトラヒドロフルフリルメタクリレート1~5%、ポリビニルピロリドン1~5%、2-エチルフェノキシメタクリレート1~3%、ポリメタメチルアクリレート1~3%、1,4-フェニレンビスオキサゾリン0.5~2%、1,4-ブタンジオールジアクリレート0.5~1.5%、テトラエチレングリコールジメタクリレート0.5~1.5%、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレインイミドフェニル)メタン0.5~1.5%、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレインイミド0.5~1.5%、オレイン酸第一スズ0.5~1.5%、ジブチルスズジアセテート0.5~1.5%、N,N’-ビス(2-メチル-1-イミダゾリルエチル)尿素0.5~1.5%、p-トルエンスルホニルヒドラジド0.1~1.0%、エピクロロヒドリン0.1~1.0%、帯電防止剤0.5~1.0%を含むことができる。
【0019】
ポリオレフィン系樹脂は、伸縮性を与え、剛性及び耐熱性を向上させて、印刷する時プリンターの加熱や圧搾による温度上昇にも熱的に安定性を示すことができるし、シリコーン樹脂と混合される時、低い粘度によって流れ性が向上される。このようなポリオレフィン系樹脂としてイソタクチックポリプロピレンを使うことができる。ポリオレフィン系樹脂は30~50重量%で含まれることが好ましいが、30重量%未満であれば流れ性と耐熱性が低下することがあるし、50重量%を超えれば強度が低下することがある。シリコーン樹脂は伸縮性があって弾性と柔軟性を示し、耐湿性に優れて高温高湿の条件でも使うことができるし、レジン層12に印刷された印刷物質の保存性に優れ、このために15~25重量%で含まれることが好ましいが、15重量%未満であれば弾性と柔軟性が低下してクラックが発生することがあるし、25重量%を超えれば耐熱性と流れ性が低下して使用し難くなることがある。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリオール及びポリイソシアネート化合物を反応させて得られたもので、密着性に優れてレジン層12に印刷された印刷物質の密着力を増大させて剥離を防止し、柔軟性、硬度、耐光性などに優れ、15~25重量%で含まれることが好ましいが、25重量%を超えれば分散性及び流れ性が低下することがある。メチレンジフェニルジイソシアネートは芳香族ジイソシアネート類の化学物質であって、耐熱性に優れて印刷時にローラの温度上昇に抵抗して印刷性と品質が増加し、耐久性を向上させ、5~10重量%で含まれることが好ましく、10重量%を超えれば流れ性が低下することがある。テトラヒドロフルフリルメタクリレートは1~5重量%を添加するが、希釈剤として機能し、付着力を優秀にさせる。ポリビニルピロリドンは、N-ビニル-2-ピロリドンの重合体であって、バインダーとして作用し、吸湿性があって印刷物質を収容して吸収し、1~5重量%で含まれることが好ましく、5重量%を超えれば分散性及び流れ性が低下することがある。2-エチルフェノキシメタクリレートは芳香族メタクリレートであって、摩擦係数を下げてくれるし、耐スクラッチ性に優れ、1~3重量%が含まれて鮮明なドットパターンイメージを得ることができ、連続印刷が容易になる。ポリメタメチルアクリレートは吸湿性があって印刷物質を収容して吸収し、印刷物質との付着力に優れ、印刷物質を定着させて印刷物質の広がりを防止し、このために1~3重量%が含まれてもよい。1,4-フェニレンビスオキサゾリンはアミン系添加剤であって、耐熱性と耐久性を増加させて高温の環境で損傷されないように添加するもので、0.5~2重量%で含まれることが好ましい。1,4-ブタンジオールジアクリレートとテトラエチレングリコールジメタクリレートは、架橋剤としてそれぞれ0.5~1.5重量%が一緒に含まれるが、分子体を相互連結して重合物に作り、架橋密度を増加させて機械的性質を強化させることができる。ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレインイミドフェニル)メタンとN-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレインイミドはマレインイミド基を持つ化合物であって共架橋剤にとして機能し、それぞれ0.5~1.5重量%が一緒に含まれるが、反応性が高くて反応を促進させる。オレイン酸第一スズとジブチルスズジアセテートはそれぞれ0.5~1.5重量%が一緒に含まれるが、化学反応速度を増加させ、架橋化を促進させて架橋を活性化させる。N,N’-ビス(2-メチル-1-イミダゾリルエチル)尿素は0.5~1.5重量%が含まれるが、レジン層を安定化させ、硬化速度を増加させる。p-トルエンスルホニルヒドラジドは0.1~1.0重量%が含まれるが、発泡剤として機能する。エピクロロヒドリンは0.1~1.0重量%が含まれるが、化合物を安定化させる安定剤として機能し、帯電防止剤はシアナミド(Cyanamid)社のCYASTAT系を使うことができ、0.5~1.0重量%を含むことができるし、レジン層12表面の静電気発生を抑制してプリンター印刷のための走行時に摩擦などによって発生される静電気を取り除いて異物が付着されることを防止することができる。
【0020】
図4を参考すれば、前記ドットフィルム10は基材層11の前面に拡散層14が形成されてもよく、前記拡散層14は内部に光拡散剤14bがランダムに分布して光を前方に拡散させ、前方面に複数のラウンド溝14aが形成され、前記ラウンド溝14aに光吸収剤14cが塗布されて映像機器から発散される光の一部を吸収して光飽和を防止し、外部照明光を吸収して鮮かな画像を得ることができるのはもとより、光吸収剤14cが塗布されていない部分を通して光が前方に拡散されることができる。これによって、映像機器から発散する光の一部は吸収して遮断することにより、光飽和を防止して電子ペンセンサーP3の認識率が増加し、ドットパターンの正確な位置情報判断及び位置決定が可能となり、光の残りの一部は前方側に拡散させてディスプレイ画面に対する画像を薄暗くしたり、コントラストを大きく下げずに視認性と鮮明度を増加させる。
【0021】
本発明の多層光学シート1は、
図5aのように保護フィルム20を付着せずに使われてもよく、
図5bのように前記ドットフィルム10の基材層11の前面に保護フィルム20を付着して使われてもよい。前記保護フィルム20は、PETまたはポリカーボネートからなってドットフィルム10を保護し、PETからなる場合シートタイプとして巻物にすることが可能なので保管及び移動が簡便であり、ポリカーボネートの薄板からなる場合巻物にすることは可能ではないがフレキシブルに撓むことができ、強度と硬度が増加して板書に起因する保護フィルムの損傷による頻繁な入れ替えを必要とせず、後述する透光板50が不要になる。前記保護フィルム20は外表面に被覆層が0.1ないし0.5mmの厚さで塗布形成されてアンチグレア(Anti Glare)機能とUV遮断機能を提供し、光がよく透過して映像機器の画面がより鮮明に見えるし、筆記する時電子ペンがあまり滑ることなく正確な板書が可能になる。前記保護フィルム20は前記ドットフィルム10上に脱着可能に付着して入れ替えできるように備えられてもよい。
【0022】
前記被覆層は、ポリウレタンアクリレート低重合体100重量部に対して、アクリレート単量体30~50重量部、4,4’-ジアミノベンゾフェノン1~5重量部、トリス3-メルカプトプロピオニルオキシエチルイソシアヌレート(TEMPIC)15~20重量部、アントラニル酸メンチル1~5重量部、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン1~5重量部、ポリエーテルシロキサン共重合体1~5重量部、分散剤0.1~0.5重量部、消泡剤0.1~0.5重量部、増粘剤0.1~0.5重量部を含むことができる。
【0023】
前記ポリウレタンアクリレート低重合体は、数平均分子量が10,000~11,000g/molであることが好ましく、ポリオール及びアクリレート単量体を反応器で混合反応させてポリオールを活性化させる段階を行い、次にジイソシアネートを反応器で混合反応させてウレタンプレポリマー(Urethane prepolymer)を合成する段階を行い、そして紫外線によって分解された光開始剤から生成されるラジカルとの反応が誘導されるよう、合成されたウレタンプレポリマーとアクリレート単量体を反応器の内部に投入して末端に二重結合が導入された線形のポリウレタンアクリレート低重合体を合成する段階を行う。前記ポリオールは、ポリウレタンアクリレート低重合体の物理的特性と屈折率などの光学的特性に最も大きい影響を及ぼすが、合成されたポリウレタンアクリレート低重合体の構造が線形の場合が最も好ましいので、ポリオールはジオール(diol)の形態が好ましく、例えば単分子ジオール類としてエチレングリコール、プロピレングリコールを使うことが好ましい。ここで、前記ポリウレタンアクリレート低重合体を合成する段階は、ウレタンプレポリマー1モルに対して1~2モルのアクリレート単量体を投入することが好ましい。前記アクリレート単量体は30~50重量部が含まれてもよく、この時単官能性単量体としてジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートなどがあり、多官能性単量体としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレートなどがある。前記4,4’-ジアミノベンゾフェノンは光開始剤として機能し、1~5重量部が含まれてもよく、5重量部を超えると未反応開始剤が不純物として残って、架橋密度が低くなってフィルムの物性が低下することがあるし、反射率が高くなることがある。前記トリス3-メルカプトプロピオニルオキシエチルイソシアヌレート(TEMPIC)は15~20重量部が含まれてもよく、接着力の増加と、高温または多湿な環境でも接着力と安定性が維持されて被覆層の信頼性を高めるために添加され、液状であり、分子内でチオール基を2個以上含むポリチオール樹脂である。前記アントラニル酸メンチル(Menthyl Anthranilate)は1~5重量部が含まれてもよく、紫外線を吸収して遮断し、反射率を低めて、平滑度を増加させるし、5重量部を超えると耐スクラッチ性が低下することがある。前記3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランは1~5重量部を含むことができ、接着力と密着力を増大させる機能をし、5重量部を超えると流れ性が低下することがある。ポリエーテルシロキサン共重合体は1~5重量部を含むことができ、分散性と耐スクラッチ性及び平滑度を向上させ、5重量部を超えるとコーティング性が悪くなり、煙霧が発生して透光性が低下することがある。その他の添加剤として分散剤0.1~0.5重量部、消泡剤0.1~0.5重量部、増粘剤0.1~0.5重量部を含むことができる。
【0024】
前記遮断フィルム30はドットフィルム10の後面に付着して形成される一種の反射フィルムであって私生活を保護するフィルムと類似なものであるが、映像機器から発散する光の一部を反射させて前方に透過されることを遮断するものである。遮断フィルム30の光透過率は65~90%であることが好ましく、光透過率が65%未満であればディスプレイ画面の視認度と明るさが減少して筆記がよく見えなくなり、光透過率が90%を超えれば光飽和によってセンサーの認識率が低下し、ドットパターンのイメージが歪曲されて位置情報に対する正確な判読が困難になる。このように映像機器の直ぐ前に遮断フィルム30が備えられて映像機器から入射される光の反射率が増加し、映像機器から発散された光の65~90%程度が前方に透過されるので前方でディスプレイ画面を充分見られるし、光飽和が防止されて電子ペンの認識率も増加して電子ペンによるドットパターンの正確な位置情報判断及び位置決定が可能になる。このために、
図6a及び
図6bを参考すれば、遮断フィルム30はベース層31が備えられ、ベース層31は一面に複数個の凹凸31aが一定しないように形成されて反射光を均一に分散させて反射率が増加するようにし、その裏面には凹凸がなく、ベース層31の一面にはAL蒸着層32が蒸着形成されて光の反射がなされ、AL蒸着層32の一面にポリプロピレンのような透明な透過層33が形成されて光を透過させ、透過層33の一面に保護層34が被覆形成されて遮断フィルム30の損傷を防止し、ベース層31の反対面には透明な合成樹脂に銅、銀、ニッケルなどで選択された一つ以上の微小金属粒子を均一に分散させた電磁波遮断層35が形成され、映像機器から発生する電磁波を遮断することができる。この時、映像機器から発生する電磁波には赤外線と紫外線が含まれるが、本発明の電磁波遮断層35に分散された微小金属粒子の量を調節することで赤外線は75~97%が遮断されてもよく、紫外線は90%以上が遮断されてもよい。
図5bを参考すれば、前記パターンフィルム10と遮断フィルム30の間には透明な透光板50が形成されてパネルタイプの光学シート1で製造されてもよく、これを通じて筆記時に映像機器の画面を保護し、強度を強化させて電子ペンPによる安定的な板書が可能になる。この時、透光板50はアクリル板、ポリカーボネート板及びガラス板で選択されたいずれか一つからなってもよい。
図5cを参考すれば、粘着層40は遮断フィルム30の後方に形成されて映像機器や黒板の前面に付着されるようにするもので、透明な合成樹脂からなるバインダーに銅や銀からなる微小金属粒子フィラーが均一に分散されて形成されてもよく、映像機器と接触された画面に付着形成されて電磁波遮断効果がさらに増大されることができる。
【0025】
一方、
図7a及び
図7bを参考すれば、本発明の第1実施例によるスマート電子白板Sは、フレーム枠100、映像機器200、可変パネル部300、PMMAシート400、導光板500、反射フィルム600、制御手段900及び光学シート1を含んでなる。
【0026】
前記フレーム枠100は、複数個の単位フレーム110が連結されて略四角い形状からなる。
【0027】
前記映像機器200は、前記フレーム枠100の内側後方に設置され、その縁部が前記フレーム枠100の内側に直接または固定手段によって結合され、一例として前記フレーム枠100は映像機器200の縁部を包むように結合されてもよい。前記映像機器200は、OLED、LED、LCDなどの平板または曲面ディスプレイパネルを具備したTV兼用機器であって、特にOLED(Organic Light Emitting Diode)は蛍光性有機化合物に電流が流れると光を出す電界発光現象を利用して自ら光を出す自己発光型有機物質で、LCD以上の画質を提供しながら厚さが非常に薄い薄型であり、低い電圧で駆動され、広い視野角と速い応答スピードを持っていて、横から見ても画質が変わらず、画面に残像が残らないので、本発明の映像機器として好ましい。前記映像機器200は、コンピューターと有線または無線で繋がってコンピューターで実行された映像が映像機器の画面を通してディスプレイされ、学校の教室はもとより塾の講義室や会社のオフィスなどでコンピューターを通じて授業や講義内容を説明したり、会議またはプレゼンテーション発表をするために使われてもよい。前記映像機器200と電気的に連結されたスピーカーKが前記フレーム枠100の両側に設置されてもよい。
【0028】
前記可変パネル部300はフレーム枠100の内側に結合され、映像機器200の前方をカバーするように配置され、電源供給部を通して電源が供給されると透明状態になって後方に設置された映像機器200の画面を見られるし、逆に電源供給部の電源供給を遮断すれば、不透明状態に可変すればマーカーペンなどで一般板書して黒板として使うことができる。このために、前記可変パネル部300は、高分子分散型液晶(PDLC)からなって光を透過させたり散乱させるPDLC層310と、前記PDLC層310の前方面と後方面にそれぞれ形成され、インジウム-スズ酸化物がコーティングされた透明なITO層320と、各々のITO層320の外面に形成された基板層330からなる。ここで、前記PDLC層310は、液晶表示装置(LCD)に使われる液晶セルの一つであって、高分子分散型液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal)からなって電源の供給がなければ液晶分子の方向が不規則になり、媒体との屈折率が他の界面で散乱を引き起こすようになり、電源が供給されれば液晶の方向がそろっていて陽子の屈折率が一致して透過状態になる。前記ITO層320はインジウム-スズ酸化物(ITO)をPETやポリエチレンなどのようなフィルムに真空蒸着を通じて被覆させたものであって、薄くて平たいディスプレイの透明電極の材料として使われる。前記基板層330は薄いPET(Polyethylene Terephthalate)やガラス基板からなってもよく、内側のPDLC層310とITO層320を保護し、表面に電子ペンPによって板書されるように強度を提供する。このように、PDLC層310を2枚の基板層330の間に介在して構成し、この時2枚の基板層330の内側面には透明な電極であるITO層320が形成され、向かい合う2枚のITO層320の間に高分子分散型液晶(PDLC)を詰めて密封した形態で形成したり、高分子分散型液晶(PDLC)からなるフィルムを挿入して合着した形態で形成することができる。また、OCA(Optically Clear Adhesive)フィルムは、光学用透明粘着フィルムで両面にテープとして作用するが、前記可変パネル部300は前記PMMAシート400との間にOCAフィルム340が介在されて付着され、前記導光板500との間にOCAフィルム340が介在されて付着される。この時、前記OCAフィルム340用組成物は、重量%で2-エチルヘキシルアクリレート35~60%と、ヒドロキシプロピルアクリレート25~50%、硬化剤として4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1~10%及び光開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド1~10%を含んでなるし、前記2-エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートを重合してアクリレート系重合体を得て、これに前記硬化剤と光開始剤を入れて混合した後、これをコーティングして70~120℃に加熱し、硬化させて製造する。同時に、透明と不透明の可変状態を説明すれば、向かい合うITO層320に電源供給部から電源を印加すれば、PDLC層310の内部の高分子分散型液晶が電場によって一定方向を持つように配列され、光が透過できるように透明な状態になる(
図9aの透明モード)。この時、視野角は100~160度、透過度は70%以上を示す。一方、電源を印加しない状態では、PDLC層310の内部の高分子分散型液晶が任意的に不規則に配列されるので、入射される光が散乱して不透明な状態になる(
図9bの不透明モード)。これによって、透明モードと不透明モードのディスプレイを選択的に具現することで、映像機器を見ている途中で一般黒板に切り換えて使うことができるし、切り換えが迅速かつ便利で、途中で切られずに滑らかな講義進行が可能であり、映像講義やプレゼンテーション途中で電子板書が可能で、講義内容を集中して伝えることができる。
【0029】
前記PMMAシート400は可変パネル部300の前方に形成された基板層330に結合され、板書が行われる板書面410を備え、光が乱反射されずによく透過して前記映像機器200の画面がより鮮明に見えるし、前記基板層330にOCAフィルム340によって付着される。PMMAはポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate)であってメタクリル酸メチル(CH2-C(CH3)COOCH3)を重合して得る高分子物質であり、普通アクリル樹脂と呼ばれ、透明で光透過率が高く、硬度と光沢に優れ、耐光性があって板書面として適する。
【0030】
前記導光板500は前記可変パネル部300の後方面に付着されて映像機器を保護するものであり、透明な材質からなって、調光機能を有するLED光源510が設置される。前記導光板500は、PMMA素材の上に発光物質顔料及びハードコーティング顔料を配合して塗布し、電源印加時にLED光源510の光を前面に発散及び拡散させることで、板書機能が増加し、板書面に投影される字の可視度と鮮明度が増加し、講義内容をより集中して伝えることができる。特に、室内が暗い場合に有用であるが、例えば教室や講義室の内部を暗く維持した状態で映像機器200の映像とともに授業を進める途中で映像機器200をオフにした状態でLED光源510に電源を供給すれば前記導光板500の光の発散及び拡散によって暗い室内でも板書した字を鮮明に見ることができるし、途中で脈が切れずに滑らかな講義を進めることが可能になる。この時、前記LED光源510は調光機能を持つので、制御手段900の調光調節部を通じて室内の暗い度合いによって光の明るさを調節することができる。同時に、前記LED光源510は同一な照明色を有するランプ群(未図示)が異なる色相を持つように複数個備えられてもよく、例えば前記ランプ群は白色、緑色、青色であってもよい。制御手段900の電源供給部制御によって一つのランプ群を選択して点灯したり、複数個のランプ群を一緒に点灯して多様な照明色を提供することができるので、授業内容に合わせて便利に使うことができる。
【0031】
前記反射フィルム600は前記導光板500の後方面に付着する一種の反射フィルムであって、前面にアルミニウム(Aluminium)が蒸着されて光の一部のみを反射させる。このように映像機器200の直ぐ前に反射フィルムが備えられ、映像機器200に電源を供給する時映像機器200の画面が前方に透過されて視聴することができ、
図10a及び
図10bのように映像機器200の電源が遮断されたり映像出力が遮断される場合、暗いブラック画面がPMMAシート400の板書面に映って見えることを遮って、ブラック画面が投影されて前方に映ることによる板書面がきれいに見えなかったり、板書面が暗くなって板書した字がはっきり見えないため講義に邪魔になることを防止することができる。このように、可視光線の60~85%程度が透過されるので、電源がついた映像機器を充分に視聴することができるし、映像機器200のブラック画面を充分に遮ることができる。
【0032】
前記制御手段900は、映像機器200の画面を見ながら電子板書ができる電子板書モードで使用する時、映像機器200の電源をオン(ON)にして、可変パネル部300に電源を印加し、導光板500のLED光源510に対する電源は遮断する。このような電子板書モードでは
図11aのように透明状態になって映像機器200の画面出力とともに板書が可能になる。
【0033】
また、マーカーペンなどの一般板書手段によって板書できる一般板書モードで使用する時、映像機器200の電源をオフにし、可変パネル部300への電源を遮断させ、導光板500のLED光源510に電源を印加する。このような一般板書モードでは、
図11bのように映像機器200のブラック画面が遮られて映らず、不透明状態になってマーカーペンなどの一般板書手段によって板書面に一般板書が可能になるのでボード兼用で使うことができる。この時、電源供給部を制御して映像機器200の電源がついている状態でもコンピューターと映像機器200を連結するケーブルの映像出力のみを遮断することにより、映像機器200に映像を出力させないことができる。これによって、映像出力の制御及びモードの切り換えが迅速、かつ容易であり、映像機器の寿命が増加される。同時に、前記PMMAシート400の前面に上述した本発明による光学シート1が付着されれば、電子ペンPの筆記軌跡を追跡可能で、筆記が認識されながら画面に表示させる機能を一緒に使うことができる。
【0034】
図8a及び
図8bを参考すれば、本発明の第2実施例による透明と不透明状態に可変されるスマート電子白板Sは、フレーム枠100、映像機器200、可変パネル部300、PMMAシート400、導光板500、反射フィルム600、強化ガラス700、制御手段900及び光学シート1を含んでなる。前記フレーム枠100は、複数個の単位フレーム110が連結されて略四角い形状からなる。
図8bを参考すれば、前記可変パネル部300は前記フレーム枠100の内側に結合されて前記映像機器200の前方をカバーするように配置され、電源の供給または遮断によってそれぞれ透明状態になったり不透明状態に可変され、高分子分散型液晶(PDLC)からなって光を透過させたり散乱させるPDLC層310、前記PDLC層310の前方面と後方面にそれぞれ形成され、インジウム-スズ酸化物がコーティングされたITO層320、及び前記ITO層320の前方面と後方面にそれぞれ形成された基板層330を含んでなる。
【0035】
また、本発明の第2実施例によるスマート電子白板Sは、前記可変パネル部300の前方に形成された基板層330に結合され、板書手段によって板書が行われる板書面を備えたPMMAシート400と、前記可変パネル部300の後方面に付着され、透明な材質からなって、調光機能を有するLED光源510が設置され、電源を印加する時LED光源510から発散される光を拡散させて板書した字の鮮明度を増加させる導光板500と、電源を供給または遮断する電源供給部を備えた制御手段900を含むことは第1実施例と同一である。ただし、本発明の第2実施例によるスマート電子白板Sは、導光板500と映像機器200の間に強化ガラス700が設置される。前記強化ガラス700は前記映像機器200の前方に設置されて映像機器200を保護し、透明であり、前記可変パネル部300の強度を強化させて、より安定的な板書が可能となる。前記強化ガラス700の後方面に反射フィルム600が付着され、前記反射フィルム600はアルミニウムが蒸着されて光の一部を反射させることにより、電源がオフになったり映像出力が遮られた映像機器のブラック画面が遮られて、よく見えないようにする。
【0036】
前記制御手段900は無線通信モジュールが備えられ、専用アプリケーションが設置されたスマートフォンまたはリモートコントローラーRから制御信号を無線受信して遠隔電源制御及び調光調節が行われ、使用者が迅速かつ便利に制御して使うことができる。また、前記PMMAシート400の前面に上述した本発明による光学シート1が付着されれば、電子ペンPの筆記軌跡を追跡可能なので、筆記が認識されながら画面に表示される機能を一緒に使うことができる。
【0037】
同時に、既存の黒板にビームプロジェクターを直接透写すれば、投影された映像の明るさと鮮明度が低下し、光の乱反射が増加して映像授業が困難であるためホワイトボードを主に使ってきたが、本発明の光学シート1を黒板前面に付着してビームプロジェクターを透写して使えば可視度と鮮明度が増加し、光が乱反射されなくてきれいな画面が出るので、黒板でも映像授業とともに電子ペンで筆記が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によるドットフィルム、多層光学シート及びスマート電子白板は、厚さが薄くなり、製造過程で層間パーティクル流入可能性が最小化されるし、低い反射率と散乱率によって電子ペンに対する反応性と認識率に優れ、UV印刷はもとよりインクジェット、レーザーなどのプリンター印刷が可能であり、製作費が安価で、印刷物質の浸透と印刷が容易であるため、産業上の利用可能性が認められる。
【国際調査報告】