(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】ドアロック及び電子装置
(51)【国際特許分類】
D06F 39/14 20060101AFI20220119BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20220119BHJP
D06F 37/28 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
D06F39/14 Z
E05B65/00 N
D06F37/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530269
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 US2019059772
(87)【国際公開番号】W WO2020112310
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】201811441896.1
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821990595.X
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ワン
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA49
3B165BA50
3B165BA82
3B165CA01
3B165CA15
(57)【要約】
本出願は、ドアロック100及び電気機器を開示する。ドアロックは、ハウジング130と、頂部109、対向して設けられた第1の対の側壁(308.1、308.2)及び対向して設けられた第2の対の側壁(208.3、208.4)を備えるドアフック孔体(101)と、一対の締付縁部(103.1、103.2)と、第1の締付縁部の下面から上向きに凹状になることによって形成された溝(531)と、溝の下方に設けられたロック頭部(233)とを備え、ロック頭部は、溝内に又は溝から出るように移動することができ、ハウジングが第2の対の側壁の外側から延在することにより、一対の第1の接触面と一対の第2の接触面とがそれぞれ形成され、一対の第2の接触面は、一対の第1の接触面の先端部が下向きに斜めに延在することによってそれぞれ形成され、一対の第1の接触面と一対の第2の接触面との接合部に、一対の支持部が形成される。ドアロックは支持部を中心に回転することができる。第1の接触面及び第2の接触面をそれぞれ取付パネルと接触させることにより、ロック頭部は溝内に又は溝から出るように移動し、次いで、取付パネルにドアロックを取り付けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアロック(100)であって、
ハウジング(130)と、
前記ハウジング(130)に設けられたドアフック孔体(101)であって、頂部(109)と、対向して設けられた第1の対の側壁(308.1、308.2)と、対向して設けられた第2の対の側壁(208.3、208.4)とを備え、該第1の対の側壁(308.1、308.2)と該第2の対の側壁(208.3、208.4)とが、前記頂部(109)の下部から下向きに延在することによりそれぞれ形成されている、ドアフック孔体(101)と、
第1の締付縁部(103.1)と第2の締付縁部(103.2)とを含む一対の締付縁部(103.1、103.2)であって、前記ドアフック孔体(101)の前記頂部(109)から、前記第1の対の側壁(308.1、308.2)からそれぞれ外向きに延在している、一対の締付縁部(103.1、103.2)と、
前記第1の締付縁部(103.1)の下面から上向きに凹状になることによって形成された溝(531)と、
前記溝(531)の下方に設けられたロック頭部(233)であって、前記溝(531)内に又は該溝(531)から出るように移動することができる、ロック頭部(233)と、
を備え、
前記ハウジング(130)が前記第2の対の側壁(208.3、208.4)の外側から延在することによって、一対の第1の接触面(127.1、127.2)と一対の第2の接触面の対(129.1、129.2)とがそれぞれ形成され、前記一対の第2の接触面(129.1、129.2)は、前記一対の第1の接触面(127.1、127.2)の先端部が下向きに斜めに延在することによってそれぞれ形成され、前記一対の第1の接触面(127.1、127.2)と前記一対の第2の接触面(129.1、129.2)との接合部に、一対の支持部(128.1、128.2)が形成されている、ドアロック。
【請求項2】
前記一対の第2の接触面(129.1、129.2)は、前記一対の第1の接触面(127.1、127.2)から下向きに延在している傾斜面であり、前記一対の第2の接触面(129.1、129.2)の拡張面と前記一対の第1の接触面(127.1、127.2)の拡張面との間に、鋭角が形成されている、請求項1に記載のドアロック。
【請求項3】
前記ドアロック(100)は、前記ドアフック孔体(101)を介して取付パネル(950)の取付孔(952)に取り付けられ、該取付孔(952)は、対向して設けられた一対のリム(902、904)を有し、該一対のリム(902、904)は、第1のリム(902)及び第2のリム(904)を含み、前記ドアフック孔体(101)の前記第1の締付縁部(103.1)は、前記取付孔(952)の前記第1のリム(902)に取り付けられるように使用され、前記ドアフック孔体(101)の前記第2の締付縁部(103.2)は、前記取付孔(952)の前記第2のリム(904)に取り付けられるように使用され、
取り付け中、前記ロック頭部(233)が前記取付孔(952)の前記第1のリム(902)に引っ掛けられているとき、前記一対の第2の接触面(129.1、129.2)は前記取付パネル(950)と接触する、請求項2に記載のドアロック。
【請求項4】
前記ドアフック孔体(101)が前記支持部(128.1、128.2)を中心に回転すると、前記ロック頭部(233)は前記溝(531)内に移動し、前記一対の第1の接触面(127.1、127.2)は、前記取付パネル(950)と接触し、
前記ドアフック孔体(101)が前記取付孔(952)の前記第2のリム(904)に向かって移動すると、前記ロック頭部(233)は前記溝(531)から出るように移動する、請求項3に記載のドアロック。
【請求項5】
前記第2の締付縁部(103.2)の前記下面と前記一対の第1の接触面(127.1、127.2)との間に所定距離(D2)があり、該所定距離(D2)は、前記取付パネル(950)の厚さに一致する、請求項3に記載のドアロック。
【請求項6】
前記ハウジング(130)の下方に取り付けられた基部(110)と、
片持ち梁(161)であって、前記基部(110)に横方向に設けられるとともに、前記ドアフック孔体(101)の前記第1の対の側壁(308.1、308.2)の第1の側壁(308.1)の外側にあり、前記ロック頭部(233)は片持ち梁(161)の上部に設けられている、片持ち梁(161)と、
を更に備える、請求項3に記載のドアロック。
【請求項7】
前記片持ち梁(161)の基端部(163)は、前記基部(110)に接続され、前記片持ち梁(161)は、前記基部(110)から横方向に延在し、前記片持ち梁(161)の前記先端部(165)は自由端であり、前記ロック頭部(233)は、前記片持ち梁(161)の前記先端部(165)に隣接する側に接続されている、請求項6に記載のドアロック。
【請求項8】
前記片持ち梁(161)の前記先端部(165)は操作部(867)を有し、該操作部(867)を持ち上げることにより、前記片持ち梁(161)の前記先端部(165)は上向きに移動し、それにより、前記ロック頭部(233)を上向きに移動させる、請求項7に記載のドアロック。
【請求項9】
前記片持ち梁(161)は弾性があり、該片持ち梁(161)の弾性変形により、前記ロック頭部(233)が前記溝(531)内に移動することができる、請求項7に記載のドアロック。
【請求項10】
前記ロック頭部(233)は外向きに延在するフック縁部(313)を備え、前記ロック頭部(233)が前記取付孔(952)の前記第1のリム(902)に引っ掛けられると、前記フック縁部(313)は前記取付孔(952)の前記第1のリム(902)を捕捉する、請求項7に記載のドアロック。
【請求項11】
誘導スロット(636)であって、前記第1の対の側壁(308.1、308.2)は、第1の側壁(308.1)及び第2の側壁(308.2)を含み、前記誘導スロット(636)は、前記第1の側壁(308.1)が内向きに凹状になることによって形成され、前記誘導スロット(636)の外側に、下向きに延在するガイドレール(716.1、716.2)が設けられている、誘導スロット(636)、
を更に備え、
前記片持ち梁(161)の内側に、下向きに延在する摺動スロット(815.1、815.2)が設けられ、
前記片持ち梁(161)の前記摺動スロット(815.1、815.2)と前記誘導スロット(636)の前記ガイドレール(716.1、716.2)とは、前記ロック頭部(233)を上下に移動するように誘導するように、互いに対して摺動する、請求項10に記載のドアロック。
【請求項12】
前記溝(531)は前記ロック頭部(233)を収容することができる幅(H)を有する、請求項1に記載のドアロック。
【請求項13】
前記ドアフック孔体(101)は矩形であり、
前記ドアフック孔体(101)にドアフック孔(102)が設けられ、
前記締付縁部の対(103.1、103.2)は、前記ドアフック孔体(101)の2つの側部において長さ方向にそれぞれ設けられている、請求項1に記載のドアロック。
【請求項14】
取付孔(952)が設けられたパネル(950)を備える電気機器であって、
請求項1~12のいずれか一項に記載のドアロック(100)、
を備え、
前記ドアロック(100)の前記ドアフック孔体(101)は、前記取付孔(952)内に取り付けられる、電気機器。
【請求項15】
洗濯機である、請求項14に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際出願は、2018年11月29日に出願された中国特許出願第201811441896.1号明細書及び2018年11月29日に出願された中国特許出願第201821990595.X号明細書に対する優先権を主張し、これらの出願のそれぞれは、引用することによってその全内容が本明細書の一部をなす。
【0002】
本出願は、電気機器用のドアロック、特に、電気機器のパネルに取り付けることができるドアロックに関する。
【背景技術】
【0003】
洗濯機等の電気機器のドアを係止するために、ドアロックを使用することができる。ドアロックにドアフック孔が設けられ、ドアロックは、電気機器のパネルに取り付けられる。このように、電気機器のドアに取り付けられたロックフックがドアフック孔内に挿入されると、ドアロックの係止機構がドアフックを係止し、したがって、電気機器のパネル上に電気機器のドアを係止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、確実な取り付けとともに容易な取り付け及び取り外しを可能にする、洗濯機等の電気機器用のドアロックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の目的のうちの1つは、容易な取り付け、精度及び安定性とともに審美的な組立品という技術的効果を達成するように、螺合による補強なしに取り付けることができ、そのため、電気機器のパネルにねじ用の位置決め孔を設けることが不要である、ドアロックを提供することである。具体的な技術的構成は以下の通りである。
【0006】
本出願の第1の態様は、ドアロックであって、ハウジングと、前記ハウジングに設けられたドアフック孔体であって、頂部と、対向して設けられた第1の対の側壁と、対向して設けられた第2の対の側壁とを備え、第1の対の側壁と第2の対の側壁とが、前記頂部の下部から下向きに延在することによりそれぞれ形成されている、ドアフック孔体と、第1の締付縁部と第2の締付縁部とを含む一対の締付縁部であって、前記ドアフック孔体の前記頂部から、前記第1の対の側壁からそれぞれ外向きに延在している、一対の締付縁部と、前記第1の締付縁部の下面から上向きに凹状になることによって形成された溝と、前記溝の下方に設けられたロック頭部であって、前記溝内に又は該溝から出るように移動することができるロック頭部とを備える、ドアロックを提供する。前記ハウジングが前記第2の対の側壁の外側から延在することによって、一対の第1の接触面と一対の第2の接触面とがそれぞれ形成され、前記一対の第2の接触面は、前記一対の第1の接触面の先端部が下向きに斜めに延在することによってそれぞれ形成され、前記一対の第1の接触面と前記一対の第2の接触面との接合部に、一対の支持部が形成されている。
【0007】
上記の第1の態様によれば、前記一対の第2の接触面は、前記一対の第1の接触面から下向きに延在している傾斜面であり、前記一対の第2の接触面の拡張面と前記一対の第1の接触面の拡張面との間に、鋭角が形成されている。
【0008】
上記の第1の態様によれば、前記ドアロックは、前記ドアフック孔体を介して取付パネルの取付孔に取り付けられ、該取付孔は、対向して設けられたリムの対を有し、該リムの対は、第1のリム及び第2のリムを含み、前記ドアフック孔体の前記第1の締付縁部は、前記取付孔の前記第1のリムに取り付けられるように使用され、前記ドアフック孔体の前記第2の締付縁部は、前記取付孔の前記第2のリムに取り付けられるように使用される。取り付け中、前記ロック頭部が前記取付孔の前記第1のリムに引っ掛けられているとき、前記一対の第2の接触面は前記取付パネルと接触する。
【0009】
上記の第1の態様によれば、取り付け中、前記ドアフック孔体が前記支持部を中心に回転すると、前記ロック頭部は前記溝内に移動し、前記一対の第1の接触面は、前記取付パネルと接触し、前記ドアフック孔体が前記取付孔の前記第2のリムに向かって移動すると、前記ロック頭部は前記溝から出るように移動する。
【0010】
上記の第1の態様によれば、前記第2の締付縁部の前記下面と前記一対の第1の接触面との間に所定距離があり、該所定距離は、前記取付パネルの厚さに一致する。
【0011】
上記の第1の態様によれば、前記ドアロックは、前記ハウジングの下方に取り付けられた基部と、前記基部に横方向に設けられるとともに、前記ドアフック孔体の前記第1の対の側壁の前記第1の側壁の外側にある片持ち梁であって、前記ロック頭部は片持ち梁の上部に設けられている、片持ち梁とを更に備える。
【0012】
上記の第1の態様によれば、前記片持ち梁の基端部は、前記基部に接続され、前記片持ち梁は、前記基部から横方向に延在し、前記片持ち梁の前記先端部は自由端であり、前記ロック頭部は、前記片持ち梁の前記先端部に隣接する側に接続されている。
【0013】
上記の第1の態様によれば、前記片持ち梁の前記先端部は操作部を有し、該操作部を持ち上げることにより、前記片持ち梁の前記先端部は上向きに移動し、それにより、前記ロック頭部を上向きに移動させる。
【0014】
上記の第1の態様によれば、前記片持ち梁は弾性があり、該片持ち梁の弾性変形により、前記ロック頭部が前記溝内に移動することができる。
【0015】
上記の第1の態様によれば、前記ロック頭部は外向きに延在するフック縁部を備え、前記ロック頭部が前記取付孔の前記第1のリムに引っ掛けられると、前記フック縁部は前記取付孔の前記第1のリムを捕捉する。
【0016】
上記の第1の態様によれば、前記ドアロックは、誘導スロットであって、前記第1の対の側壁は、第1の側壁及び第2の側壁を含み、該誘導スロットは、前記第1の側壁が内向きに凹状になることによって形成され、前記誘導スロットの外側に、下向きに延在するガイドレールが設けられている、誘導スロットを更に備え、前記片持ち梁の内側に、下向きに延在する摺動スロットが設けられ、前記片持ち梁の前記摺動スロットと前記誘導スロットの前記ガイドレールとは、前記ロック頭部を上下に移動するように誘導するように、互いに対して摺動する。
【0017】
上記の第1の態様によれば、前記溝は、前記ロック頭部を収容することができる幅を有する。
【0018】
上記の第1の態様によれば、前記ドアフック孔体は矩形であり、前記ドアフック孔体にドアフック孔が設けられ、前記一対の締付縁部は、前記ドアフック孔体の2つの側部において長さ方向にそれぞれ設けられている。
【0019】
本出願の第2の態様において、取付孔が設けられたパネルを備える電気機器が提供され、該電気機器は、第1の態様によって定義されたドアロックを備え、前記ドアロックの前記ドアフック孔体は、前記取付孔内に取り付けられる。
【0020】
上記の第2の態様によれば、電気機器は洗濯機である。
【0021】
本出願によって提供されるドアロック及び電気機器について、ドアロックは、ドアフック孔体を通して取付パネルの取付孔に取り付けられ、螺合による補強は不要であり、そのため、電気機器のパネルにねじ用の位置決め孔を設ける必要がない。本出願は、高い取り付け精度、優れた安定性及び審美的な組立品という技術的効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は本出願によるドアロック100の立体構造図である。
【
図5】
図5は
図4の線A-Aに沿ったドアロック100の断面図である。
【
図6】
図6は
図1のドアロック100の分解立体構造図である。
【
図7】
図7は別の視点からのハウジング130の概略立体構造図である。
【
図8A】
図8Aは1つの視点からの基部110の概略立体構造図である。
【
図8B】
図8Bは別の視点からの基部110の概略立体構造図である。
【
図9A】
図9Aは電気機器の取付パネル950にドアロック100を取り付けるプロセスを示す図である。
【
図9B】
図9Bは電気機器の取付パネル950にドアロック100を取り付けるプロセスを示す図である。
【
図9C】
図9Cは電気機器の取付パネル950にドアロック100を取り付けるプロセスを示す図である。
【
図10A】
図10Aは取付パネル950の取付孔952の1つの実施形態の概略構造図である。
【
図10B】
図10Bは取付パネル950の取付孔952の別の実施形態の概略構造図である。
【
図11A】
図11Aは取付パネル950にドアロック100を取り付けるプロセスにおける取付孔952の状態を示す概略図である。
【
図11B】
図11Bは取付パネル950にドアロック100を取り付けるプロセスにおける取付孔952の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願の様々な実施形態について、本明細書の一部を形成する添付図面を参照して以下に説明する。本出願において、本出願の様々な例示的な構造的部分及び要素の向きを説明するために、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」、「先端」、「基端」等の方向を表す用語が用いられているが、これらの用語は、説明の便宜上でのみ本明細書において用いられるものであり、図面に示す例示的な向きに基づいて決定されていることが理解されるべきである。本出願に開示する実施形態は、種々の方向で構成することができるため、これら方向を示す用語は、単に例示的なものであり、限定的であるものとしてみなされるべきではない。可能な場合はいつでも、本出願で用いる同じか又は同様の参照番号は、同様の部分を指す。
【0024】
図1は、本出願のドアロック100の全体構造を示す本出願のドアロック100の立体構造図であり、そこでは、破線ボックス151及び破線ボックス152は、それぞれ、局所的に拡大した構造図を図示し、一対の第1の接触面(第1の接触面127.1及び127.2)と一対の第2の接触面(第2の接触面129.1及び129.2)との具体的な構造を示す。
【0025】
図1に示すように、ドアロック100は、その上部に位置するハウジング130と、ハウジング130の下部に位置するとともにハウジング130と係合している基部110とを備える。ハウジング130に、ドアロック100の左側においてドアフック孔体101が設けられ、ドアフック孔体101に、電気機器のドアのロックフック(図示せず)を収納するドアフック孔102が設けられている。一例として、ドアフック孔体101は矩形であり、他の例では、ドアフック孔体101は、正方形等の他の形状でもあり得る。ドアフック孔体101は頂部109を有し、下向きに延在する頂部109の下部は、左側壁及び右側壁を含む第1の対の側壁と、前側壁及び後側壁を含む第2の対の側壁とを形成している。ドアフック孔体101によって遮蔽されているため、
図1には左側壁及び右側壁は示されておらず、それらの具体的な構造は
図3に図示されている(
図3の308.1及び308.2を参照されたい)。同様に、
図1には前側壁及び後側壁も示されておらず、それらの具体的な構造は
図2に例示されている(
図2の208.3及び208.4を参照されたい)。一対の対向して設けられている締付縁部103.1及び103.2(左締付縁部すなわち第1の締付縁部103.1、右締付縁部すなわち第2の締付縁部103.2)が、頂部109においてその幅方向(すなわち左右方向)に対称に、左側壁(
図3の308.1を参照)及び右側壁(
図3の308.2を参照)からそれぞれ外向きに延在している。本出願の一実施形態によれば、ドアロック100は、電気機器のパネル950の取付孔952に、ドアフック孔体101の締付縁部103.1及び103.2を介して取り付けることができる(
図11A及び
図11Bを参照)。
【0026】
図1に示すように、ハウジング130の左側に片持ち梁161が設けられている。片持ち梁161は、基部110上に設けられ、ハウジング130の後部の左側からハウジング130の幅方向において前方に延在し、実質的に、ドアフック孔体101の左側壁(すなわち、第1の側壁、
図3の308.1を参照)の外側に、且つ第1の締付縁部103.1の下方に位置するようになっている。片持ち梁161の先端部165(すなわち、前端部165)は自由端である。一例として、片持ち梁161は、或る特定の弾性率を有するように弾性材料(例えば、プラスチック)から作製され、弾性変形することができる。したがって、片持ち梁161の先端部165が力を受けると、片持ち梁161は、上下に移動するように変形することができる。
【0027】
図1において破線ボックス151及び152と同様に示すように、ハウジング130に、ドアフック孔体101の前側及び後側にそれぞれ2つの接触面が設けられ、2対の接触面は、取り付け中、連続的に取付パネル950と接触する。具体的には、第1の接触面127.1、第2の接触面129.1及び支持部128.1は、前側壁(
図2の208.3を参照)の前側に設けられ、同様に、第1の接触面127.2、第2の接触面129.2及び支持部128.2は、後側壁(
図2の208.4を参照)の後側に設けられている。第2の接触面129.1は、第1の接触面127.1の左端部(すなわち、先端部)が下向きに斜めに延在することによって形成され、同様に、第2の接触面129.2は、第1の接触面127.2の左端部(例えば、先端部)が下向きに斜めに延在することによって形成されている。本出願の1つの実施形態では、支持部128.1は、第2の接触面129.1と第1の接触面127.1との接合部に形成されており、支持部128.2は、第2の接触面129.2と第1の接触面127.2との接合部に形成されている。本出願に示す一実施形態では、第1の接触面127.1及び127.2は、ハウジング130の上面でもあり、したがって、支持部128.1及び支持部128.2は、同じ長手方向高さ(すなわち、上下方向に沿った高さ)を有する。一例として、第2の接触面129.1及び129.2は、傾斜しており、ともに取付パネル950と接触するように使用することができるように同じ傾斜角度を有する。
図1に示す実施形態では、第2の接触面129.1の拡張面と第1の接触面127.1の拡張面との間に角度αが形成され(すなわち、第2の接触面129.1の傾斜角度)、同様に、第2の接触面129.2もまた、同じ傾斜角度αを有し、αは鋭角である。一例として、αは、約15゜である。他の実施形態では、支持部は他の構造とすることもでき、第1の接触面の基端部と第2の接触面の先端部とがそれぞれ支持部に接続される。
【0028】
取り付け中、ドアフック孔体101の左締付縁部103.1が取付パネル950の取付孔952を通過した後、一対の第2の接触面129.1及び129.2が、最初に取付パネル950と接触し(
図9Aを参照)、次いで、ドアロック100は、支持部128.1及び128.2を中心に回転し、その時点で、一対の第2の接触面129.1及び129.2は取付パネル950から離れ、一方で、一対の第1の接触面127.1及び127.2が取付パネル950と接触する(
図9Bを参照)。
【0029】
当業者であれば、一対の第2の接触面129.1及び129.2を、一対の第1の接触面127.1及び127.2の左端部が垂直方向に対して斜めに延在することによっても形成することができることが理解されよう。代替的に、他の実施形態では、一対の第2の接触面129.1及び129.2は、傾斜面ではなく湾曲面等とすることができる。これらの場合、ドアロック100が支持部128.1及び128.2を中心に回転することができ、かつ回転時に、一対の第1の接触面127.1及び127.2が取付パネル950と接触することができる限り、一対の第2の接触面129.1及び129.2は、取り付け中に取付パネル950と接触しなくてもよいことが留意されるべきである。
【0030】
図2は、
図1のドアロック100の左側面図であり、ドアフック孔体101と、片持ち梁161と、ロック頭部233との相対的な位置関係を示す。
【0031】
図2に示すように、ドアロック100は、ロック頭部233を更に備える。ロック頭部233は、片持ち梁161上に設けられ、ドアフック孔体101の左締付縁部103.1の下方に位置決めされている。ドアロック100を取付パネルに取り付けるプロセスにおいて、ロック頭部233が実質的に直立方向(すなわち、ドアロック100の本体に対して垂直な方向)において上下に移動するとき、片持ち梁161を弾性変形又は弾性復元させることができる。この実施形態では、片持ち梁161は、基端部163(すなわち、後端部)と先端部165(すなわち、前端部)とを有し、ロック頭部233は、先端部165に隣接する側で片持ち梁161の上部に接続され、この部分で弾性変形を引き起こすことは比較的容易である。具体的には、ロック頭部233が、外力の作用を受けて上向きに移動し、左締付縁部103.1の下面の溝531(
図5を参照)内に移動すると、片持ち梁161は、上向きの弾性変形を受け、そのため、片持ち梁161は下向きの弾性復元力を有し、外力が取り除かれると、ロック頭部233は、弾性復元力の作用により下向きに移動して、左締付縁部103.1の下面の溝531(
図5を参照)から出るように移動し、片持ち梁161は、
図2に示す位置に復元される。
【0032】
図3は、
図1におけるドアロック100の正面図であり、ロック頭部233及びドアフック孔体101の具体的な構造を示す。
図3に示すように、ロック頭部233は、片持ち梁161の外側側壁307の左側まで突出しているフック縁部313を有する。一例として、ドアロック100が取付パネル950に対して水平に配置されると、ハウジング130の上面(すなわち、一対の第1の接触面127.1及び127.2)は水平位置で維持し、フック縁部313の下面は、ハウジング130の上面(すなわち、一対の第1の接触面127.1及び127.2)よりも下方に且つ垂直方向にあり、フック縁部313とハウジング130の上面との間に距離D1がある。
【0033】
ドアロック100が、取付パネル950に対して角度α(すなわち、一対の第2の接触面129.1及び129.2の傾斜角度)で傾斜している間、一対の第2の接触面129.1及び129.2は、取付パネル950に対して水平位置にあり、この時点で、フック縁部313の下面は、一対の第2の接触面129.1及び129.2よりも上方に且つ垂直方向にあり、フック縁部313と一対の第2の接触面129.1及び129.2との間の距離は、取付パネル950の厚さである(
図9Aを参照)。したがって、ロック頭部233がまだ上向きに移動していない間、ロック頭部233は、取付孔952の左リム902の上面を捕捉することができ、その時点で、一対の第2の接触面129.1及び129.2は、取付パネル950の下面と接触する(更に
図9Aを参照)。
【0034】
更に
図3に示すように、ドアフック孔体101は、左側壁308.1及び右側壁308.2を有し、締付縁部103.1は左側壁308.1から外向きに延在し、締付縁部103.2は右側壁308.2から外向きに延在している。一例として、ドアフック孔体101の左側壁308.1は、ハウジング130の左面である。一対の第2の接触面129.1及び129.2は、一対の第1の接触面127.1及び127.2から左側壁308.1までそれぞれ斜めに延在している。
【0035】
図4は、
図1におけるドアロック100の上面図であり、ドアフック孔体101と、一対の第1の接触面127.1及び127.2と、一対の第2の接触面129.1及び129.2との相対位置をより明確に示す。
図4に示すように、第1の接触面127.1及び第2の接触面129.1は、ハウジングにおいてドアフック孔体101の前側に設けられており、第1の接触面127.1は、第2の接触面129.1の左側に設けられている。第1の接触面127.2及び第2の接触面129.2は、ハウジングにおいてドアフック孔体101の後側に設けられており、第1の接触面127.2は、第2の接触面129.2の左側に設けられている。
【0036】
図5は、
図4における線A-Aに沿ったドアロック100の断面図であり、ドアフック孔体101及びロック頭部233のより具体的な構造とともにそれらの間の嵌合関係を示す。
図5に示すように、溝531は、ロック頭部233を収容するように、左締付縁部103.1の頂部の裏側(すなわち下面)に設けられており、溝531の幅Hはロック頭部233の幅に一致し、ロック頭部233のフック縁部313の高さ(すなわち、フック縁部313の上面542と下面541との間の距離)もまた、溝531の深さ(すなわち、溝531の溝底部536と、左締付縁部103.1の下面545との間の距離)と一致して、ロック頭部233を溝531内に収容することができるようにし、ロック頭部233が上下に移動する際、フック縁部313は、溝531内に又は溝531から出るように移動することができる。一例として、ロック頭部233の幅は、溝531の幅Hと同じか又はそれよりもわずかに小さく、ロック頭部233のフック縁部313の高さもまた、溝531の深さと同じか又はそれよりもわずかに小さい。
図5に示す例では、溝531の深さはD3であり、ロック頭部233のフック縁部313の高さもまたD3であり、ロック頭部233が溝531内に移動すると、フック縁部313の下面541は左締付縁部103.1の下面545と略同一平面となることができる。
【0037】
図5に示すように、ドアロックの一部を収容するように、相互に係合するハウジング130と基部110との間に収容空洞が形成されており、ハウジング130の基部110によって形成されたこの収容空洞内において、基端部に(すなわち、左側に)、カム521を含む、電気機器のドアを係止及び解除する実行部が収容されている。電気機器のドアに取り付けられたロックフック(図示せず)がドアフック孔体101内に挿入されると、電気機器のドア(図示せず)が電気機器の取付パネル950上に係止されるように、カム521はロックフックを係止することができる。ハウジング130の基部110によって形成された収容空洞内において、先端部に(すなわち、右側に)、実行部を制御する制御構成要素(例えば、スイッチボックス520)が収容され、それについては本明細書では詳細に説明しない。
【0038】
図5に更に示すように、ドアフック孔体101の第2の締付縁部103.2の下面とハウジングの上面(すなわち、第1の接触面127.1及び127.2)との間に所定距離D2があり、所定距離D2は、取付パネル950の厚さと一致する。取り付けが完了した後、第1の接触面127.1及び127.2は、取付パネル950の下面と接触することができ、第2の締付縁部103.2の下面は、取付パネル950の上面と接触することができる。したがって、取り付けが完了した後、ドアロック100は、取付パネル950上で上下に移動することはできない。
【0039】
ロック頭部233の右側に、内側側壁532(すなわち、
図8Aにおけるスライダー820の内側側壁532)が接続され、内側側壁532とドアフック孔体101の右側壁308.2との間の距離は、W1であり、ロック頭部233の外側側壁534(すなわち、ロック頭部233の左面)とドアフック孔体101の右側壁308.2との間の距離は、H+W1である。H+W1は、取付孔952の長さL3である(又は、取付孔952の長さよりもわずかに短い)ため、ドアフック孔体101とロック頭部233との結合された作用により、フック縁部313の外側側壁534及びドアフック孔体101の右側壁308.2は、ドアフック孔体101及びロック頭部233が取付孔952内に挿入された後、取付孔952の2つのリム902及び904にそれぞれ当接し、そのため、ドアフック孔体101の締付縁部103.1及び103.2は取付孔952から出ることができず、ドアロック100は、取付パネル950上で左右に移動することができず、それにより、ドアロック100をパネル950に固定する(
図9Cを参照)。
【0040】
図6は、
図1におけるドアロック100の分解立体構造図であり、ハウジング130及び基部110のより具体的な構造を示すとともにハウジング130と基部110との嵌合部を図示するために、ハウジング130と基部110とが分離されている。
【0041】
図6に示すように、ハウジング130及び基部110は、スナップフィット構造によって互いに取り外し可能に接続される。一例として、基部110に、スナップ619.1、619.2、619.3及び619.4とともにスナップ孔617.1が設けられ、ハウジング130に、対応するスナップ孔又はスナップフィット構造(図には示さず)が設けられている。基部110がハウジング130の下部から挿入されると、対応するスナップ及びスナップ孔は、互いに嵌合して、基部110をハウジング130の下部に接続する。
【0042】
ドアフック孔体101の左側壁308.1に、ロック頭部233を溝531内に又は溝531から出るように移動するように誘導する誘導スロット636が設けられている。一例として、誘導スロット636は、左側壁308.1が内向きに(すなわち、右側壁308.2に向かう方向に)凹状になっていることによって形成されている。誘導スロット636は、片持ち梁161のスライダー820において長手方向に延在する(すなわち、上下方向に延在する)摺動スロット815.1及び815.2(
図8Aを参照)と嵌合することができ、それにより、ロック頭部233が溝531内に又は溝531から出るように移動することができるように、ロック頭部233を、誘導スロット636内を上下に移動するように誘導する。
【0043】
図7は、
図6に示すハウジング130の、底面図からの概略立体構造図であり、ドアフック孔体101の更なる構造的詳細を更に示す。
【0044】
図7に示すように、誘導スロット636はスロット底部735を有し、誘導スロット636の2つの対向する側部の左側壁308.1に、長手方向に延在する(すなわち、上下方向に延在する)ガイドレール716.1及び716.2が設けられており、片持ち梁161のスライダー820(
図8Aを参照)が誘導スロット636内に挿入されてガイドレール716.1及び716.2と嵌合して摺動することができるように、ガイドレール716.1及び716.2は、或る特定の距離で離隔されている。
図7に示す実施形態では、誘導スロット636は、溝531と連通している。さらに、片持ち梁161に接続されたスライダー820が、ガイドレール716.1及び716.2と嵌合し、且つガイドレール716.1及び716.2に沿って摺動するとき、或る特定の摺動距離があるように、ガイドレール716.1及び716.2は、上向きに溝531内に延在している。
【0045】
図7に示すように、カム521が、ハウジング130内でドアフック孔体101の下方に更に含まれ、カム521は、回転可能である。
【0046】
図8A及び
図8Bは、2つの異なる視点からの基部110の概略立体構造図であり、片持ち梁161上の更なる構造的詳細を示す。
図8Aは、上から見下ろしたときの基部110の具体的な構造を示し、
図8Bは、下から見上げたときの基部110の具体的な構造を示す。
【0047】
図8A及び
図8Bに示すように、片持ち梁161は、基部110の側面に設けられており、片持ち梁161の基端部163(後端部)は、基部110の後側に接続され、先端部165(前端部)は、基部110に接続されておらず、自由端を形成している。片持ち梁161は、基端部163(後端部)を基部110の外側側壁891の外側で先端部165(前端部)まで延在させることによって形成され、先端部165(前端部)において内向きに曲がって、操作部867を形成している。片持ち梁161は、内側側壁892及び外側側壁307を有する。ロック頭部233は片持ち梁161の上方に設けられ、内側側壁892にはスライダー820が設けられており、スライダー820は、ハウジング130の誘導スロット636と嵌合するとともに誘導スロット636に沿って摺動して、ロック頭部233を移動させる。一例として、片持ち梁161上の構造がより小型であるように、スライダー820は、ロック頭部233の内側(すなわち、
図8Aにおけるロック頭部233の右側)に接続される。
【0048】
スライダー820の中間部が隆起部分を形成するように、スライダー820は、スライダー820の2つの側部にそれぞれ長手方向に延在する摺動スロット815.1及び815.2を有し、スライダー820は誘導スロット636内に収容することができ、一方で、誘導スロット636の外側のガイドレール716.1及び716.2は摺動スロット815.1及び815.2内に収容することができ、そのため、スライダー820及び誘導スロット636が互いに対して摺動し、それにより、ロック頭部233を、上下に移動するように誘導することができる。スライダー820の摺動スロット815.1及び815.2が、誘導スロット636のガイドレール716.1及び716.2と嵌合し、ガイドレール716.1及び716.2に沿って摺動すると、スライダー820の内側側壁532は、誘導スロット636のスロット底部に隣接して取り付けられる。
【0049】
当然ながら、スライダー820は、ロック頭部233の裏側に接続するのではなく、片持ち梁161の他の部分に設けることができ、誘導スロット636並びにガイドレール716.1及び716.2は、ハウジング130の他の対応する部分に設けることができる。
【0050】
一例として、ドアロック100が取付パネル950から取り外される場合、操作者は、片持ち梁161の先端部165が上方に移動するように操作部867を持ち上げて、ロック頭部233を溝531内に移動させ、取付パネル950の左リム902に或る特定の空間を残して、ドアロック100が左に移動することができるようにすることができ、それにより、ドアロック100を、傾けた後に取り外すことができる(
図9Bを参照)。
【0051】
図9A~
図9Cは、電気機器の取付パネル950の取付孔952内にドアロック100を取り付けるプロセスを示し、そこで、
図9Aは、ロック頭部233が取付孔952の左リム902に引っ掛かっている一方で、第2の接触面129.1が取付パネル950と接触したときの、ドアロック100と取付パネル950との相対位置を示し、
図9Bは、ドアフック孔体101が支持部128.1を中心に回転している一方で、第1の接触面127.1が取付パネル950と接触したときの、ドアロック100と取付パネル950との相対位置を示し、
図9Cは、ドアフック孔体101が取付孔952の右リム904に向かって移動したときの、ドアロック100と取付パネル950との相対位置を示す。
【0052】
図9Aに示すように、最初に、操作者は、ドアフック孔体101を取付パネル950の取付孔952と位置合わせし、次いで、ドアロック100を或る特定の角度だけ傾けて、最初に取付孔952を通るようにドアフック孔体101の左締付縁部103.1を延出させ、左リム902にロック頭部233を引っ掛け、ロック頭部233のフック縁部313は、左リム902の上面と当接することができる。しかしながら、片持ち梁161及びロック頭部233は外力を受けず、ロック頭部233は、溝531の外側に位置し、溝531のスロット底部536から或る距離だけ離隔している。この時点で、ドアフック孔体101の前側及び後側それぞれの対の第2の接触面129.1及び129.2は、それぞれ、取付孔952の前側及び後側の取付パネル950の下面と接触し、一方で、対の第1の接触面127.1及び127.2は取付パネル950と接触せず、ドアロック100の傾斜角度は、第2の接触面129.1及び129.2の傾斜角度αである。
【0053】
したがって、ドアロック100が或る特定の角度で傾けられると、フック縁部313は、取付パネル950の上面と接触し、一方で、一対の第2の接触面129.1及び129.2は、取付パネル950の下面と接触する。
【0054】
この時点で、取付パネル950の取付孔952に対する作用が発生する長さは、ロック頭部233の左側壁(すなわち、片持ち梁161の外側側壁307)と取付パネル950のドアフック孔体101の右締付縁部103.2との間の距離の突出の長さL1であり、その時点で、突出長さL1は、取付孔952の長さL3よりも十分に短く、そのため、ドアフック孔体101の右締付縁部103.2は、取付孔952に入るか又はそこから出ることができる。
【0055】
操作者が、ドアロック100の、支持部128.1及び128.2の右側の部分に上向きの力を加えると、ドアフック孔体101の右締付縁部103.2が取付孔952を通過することができるように、ドアロック100は、支持部128.1及び128.2を支点として左回りに回転する。作用力が上向き成分を有する限り、ドアロック100に加えられる作用力は、力を加える特定の位置によって限定される必要はなく、加えられる作用力は垂直方向に上向きでなくてもよく、それにより、狭い空間であっても作用力を容易に加えることができることが留意されるべきである。
【0056】
図9Bに示すように、ドアロック100が、支持部128.1及び128.2を支点として左回りに回転すると、一対の第2の接触面129.1及び129.2が取付パネル950から離れ、一方で、一対の第1の接触面127.1及び127.2が取付パネル950の下面と接触するまで、ドアフック孔体101の左締付縁部103.1は取付パネル950に向かって下向きに移動し、右締付縁部103.2は取付孔952の右リム904を通過するように上向きに移動する。この時点で、ロック頭部233が上向きの反作用力を受けるように、ロック頭部233のフック縁部313の下面541は、取付パネル950の左リム902の上面を押圧し、ロック頭部233は、ドアフック孔体101に対して上向きに移動し、それにより、ロック頭部233は溝531内に移動する。この時点で、片持ち梁161は弾性変形し、片持ち梁161は下向きの弾性復元力を有し、ロック頭部233は、下向きに移動して溝531から出るように移動する傾向を有する。
【0057】
この時点で、パネル950の取付孔952に対する作用が発生する長さは、片持ち梁161の外側側壁307とドアフック孔体101の右側壁308.2との間の距離、すなわち、第2の距離L2である。この時点で、第2の距離L2は、取付孔952の長さL3よりも実質的に短く、そのため、左締付縁部103.1と、ドアフック孔体101の右締付縁部103.2と、ロック頭部233とは、取付孔952に入るか又はそこから出ることができる。
【0058】
操作者が、ドアロック100の左側に右向きの押圧力を加えると、ドアロック100は、
図9Bの位置から
図9Cの位置まで移動する。
【0059】
図9Cに示すように、操作者がドアロック100を右側に移動させると、右締付縁部103.2が右リム904に締め付けられるように、ドアフック孔体101の右側壁308.2は取付孔952の右リム904に当接し、その間、一対の第1の接触面127.1及び127.2は、依然として、取付パネル950の下面と接触した状態で保持される。この時点で、ロック頭部233のフック縁部313の下面541は、取付パネル950に押圧されなくなり、すなわち、取付パネル950によって作用される力を受けなくなる。この時点で、片持ち梁161の弾性復元力により、ロック頭部233は下向きに且つ溝531から出るように移動する。この時点で、クリック音が鳴り、操作者は、取り付けが適所で行われたことを知るようになっている。
【0060】
取り付けが完了した後、ロック頭部233の外側側壁534(すなわち、ロック頭部233の左面)とドアフック孔体101の右側壁308.2との間の距離は、H+W1であり、それは、厳密に取付孔952の長さL3であり(又は、取付孔952の長さよりわずかに短く)、そのため、ドアロック100は、取付孔952の長さ方向に移動することができない。ドアフック孔体101の幅は、取付孔952の幅と同じであり、そのため、ドアロック100は、取付孔952の幅方向にも移動することができない。さらに、ドアフック孔体101の締付縁部103.1及び103.2は取付孔952よりも上方にあり、その外壁の間の距離は、取付孔952の長さよりも長く、したがって、ドアロック100は、取付孔952の上下方向に移動することができず、取付孔952から出ることができない。したがって、ドアロック100は、取付孔952の左右方向、前後方向及び上下方向に移動することができず、すなわち、c内に固着される。
【0061】
図10A及び
図10Bは、取付パネル950の取付孔952の2つの実施形態の概略構造図である。
図9Cに示す状態から見ることができるように、ドアロック100が取付孔952に完全に固定されると、右締付縁部103.2は、取付孔952の右リム904に常に締め付けられ、右締付縁部903.2は、或る特定の全長を有するため、右リム904の一部を覆う。
【0062】
したがって、
図10Aに示すような実施形態では、ドアロック100が取付孔952内に完全に固着されているか否かを示す便宜上、本出願人は、取付孔952の右リム904にインジケーター孔1011を設ける。ドアロック100が取付孔952内に完全に固着されると、インジケーター孔1011は、右締付縁部103.2によって覆われ、肉眼では見ることができない。対照的に、ドアロック100が取付孔952に適切に又は完全に取り付けられていないとき、インジケーター孔1011は肉眼で可視である。したがって、インジケーター孔1011は、ドアロック100の取り付け状態を示すことができる。
【0063】
図10Bに示す実施形態では、インジケーター孔1011は、インジケータースロット1012として設けられている。インジケーター孔1011及び取付孔952は連通していないが、インジケータースロット1012は取付孔952と連通している。
【0064】
実際には、インジケーター孔1011及びインジケータースロット1012は、塗料又は顔料による異なる色の図形による表示領域、又は他の方法でマーキングされた表示マーク若しくはトレース等、種々の代替形態を有することができる。こうした表示マークは、同じ機能を有し、すなわち、ドアロック100が適切に且つ完全に取り付けられると、表示マークは、右締付縁部103.2によって覆われる。
【0065】
図11A及び
図11Bは、ドアロック100を取付パネル950に取り付けけるプロセスにおける取付孔952の状態を示す概略図である。
図11Aは、
図9Bに示すような状態で示されているため、右締付縁部103.2は、取付孔952を締め付けるために右リム904にまだ押し付けられておらず、この時点で、ロック頭部233は溝531内に移動し、ドアロック100は依然として弛緩状態にあり、取付孔952から取り出すことができる。この時点で、インジケータースロット1012(インジケーター孔1011も同様)は、肉眼で可視であり、ドアロック100が完全に適所になく又は適切に取り付けられていないことを示す。
【0066】
図11Bは、
図9Cに示すような状態で示されており、この時点で、ドアロック100は下向きに移動し(
図9Cでは右に移動し)、ロック頭部233のフック縁部313の下面541は、取付パネル950に押し付けられなくなる。片持ち梁161の弾性復元力により、ロック頭部233が下向きに且つ溝531から出るように移動し、ドアロック100は、取付孔952内に固着される。片持ち梁161の操作部867を持ち上げてロック頭部233を溝531内に移動させなければ、ドアロック100を取付パネル950の正面に取り出すことはできない。この時点で、インジケータースロット1012は、右締付縁部103.2によって覆われており、肉眼では観ることができず、ドアロック100が取付孔952に完全に又は適切に取り付けられたことを示す。
【0067】
ドアロック100が取り付けられる側における取付パネル950の空間が狭い場合、操作者は、支持部の右側のドアロック100の任意の場所に圧力を加えることができ、そのため、ドアロック100は、支持部を中心に回転し、第1の接触面及び第2の接触面それぞれを通して取付パネル950と接触することができ、そのため、ロック頭部233は溝531内に又はそこから出るように移動し、その後、ドアロック100のドアフック孔体101は、取付パネル950に取り付けられる。さらに、操作者は、ドアロックの取り外しを容易にするように操作部867を持ち上げることができる。本出願によれば、操作者がドアロックを取り付けることがより単純且つ容易であり、操作者が狭い空間の場合にドアロックを取り付けることがより好適である。
【0068】
本出願について、図面に示す具体的な実施形態に関して説明したが、本出願の実施形態におけるドアロック構造は、本出願の趣旨及び範囲並びにその教示の背景から逸脱することなく多くの変形形態を有することができることが理解されるべきである。当業者であれば、本出願に開示した実施形態の構造を変更する種々の方法があり、それらが全て本出願の趣旨及び特許請求の範囲内にあることが理解されよう。
【国際調査報告】