(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】エアロゾル吸入器用のアトマイザー取出機構
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20220119BHJP
【FI】
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530804
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(85)【翻訳文提出日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2019083749
(87)【国際公開番号】W WO2020115173
(87)【国際公開日】2020-06-11
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー・ロバート・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イェルゲン,ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ルソ,ダミール
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AC02
4B162AC27
4B162AC31
(57)【要約】
電子タバコが提供される。電子タバコは、マウスピース部分と電源部分とを有する。マウスピース部分は、アトマイザー(12)を受け入れるためのアトマイザー着座部(66)を有する。アトマイザー係止部は、アトマイザー着座部(66)内に位置し、且つ開放位置と係止位置との間で移動可能である。被付勢取出面(72)を備えた取出機構は、アトマイザー着座部(66)内を移動可能であり、且つ延出位置に向けて付勢される。アトマイザー(12)がアトマイザー着座部(66)に導入されたときに、取出機構を引込位置に移動させる。すなわち、アトマイザー係止部は、アトマイザーを把持して固定位置に保持する。アトマイザーは、アトマイザー係止部が開放されたときに、アトマイザー着座部から取り出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウスピース部分と電源部分とを備える電子タバコであって、前記電源部分は、
アトマイザーを受け入れるように構成されたアトマイザー着座部と、
前記アトマイザー着座部内に位置し且つ開放位置と係止位置との間で移動可能なアトマイザー係止部であって、前記アトマイザー係止部は、前記アトマイザーが前記アトマイザー着座部内に受け入れられたときに前記アトマイザーを選択的に把持するように且つ前記アトマイザー着座部から前記アトマイザーを解放するように構成され、前記アトマイザー係止部は、外側スリーブと、前記外側スリーブに対して回転可能である、内側スリーブと、前記アトマイザーを把持又は解放するために前記外側スリーブに対して前記内側スリーブを選択的に回転させるように構成されたアクチュエーターとを含み、前記アトマイザーは前記内側スリーブと一体に回転するように構成される、前記アトマイザー係止部と、
引込位置と延出位置との間で前記アトマイザー着座部内を移動可能な被付勢取出面を備える取出機構であって、前記取出面は前記延出位置に向けて付勢される、前記取出機構と
を備え、
前記取出機構は、アトマイザーが前記アトマイザー着座部内に導入されたときに前記引込位置に移動可能であり、且つ前記アトマイザー係止部は、前記アトマイザーを把持して固定位置に保持するように構成され、並びに前記アトマイザーは、前記アトマイザー係止部が開放されたときに前記アトマイザー着座部から取り出される、
電子タバコ。
【請求項2】
前記アトマイザーは、前記外側スリーブに対する前記内側スリーブの回転位置に応じて把持又は解放される、請求項1に記載の電子タバコ。
【請求項3】
前記内側スリーブと係合するように構成された第1の係合要素と、前記外側スリーブと係合するように構成された第2の係合要素とを備えるアトマイザーをさらに備える、請求項1又は2に記載の電子タバコ。
【請求項4】
前記第2の係合要素は環状フランジであり、且つ前記第1の係合要素は、前記フランジを貫通する軸方向のキー溝を画定する、前記環状フランジにおけるスロット又は切り欠きである、請求項3に記載の電子タバコ。
【請求項5】
前記内側スリーブは第1の突起を備え、且つ前記外側スリーブは第2の突起を備え、前記第1の突起及び前記第2の突起は、前記アトマイザー着座部内に径方向内方に延び、並びに前記内側スリーブにおける前記第1の突起は、前記アトマイザーの前記キー溝が前記第1の突起と前記第2の突起とを前記軸方向に通り越して前記アトマイザーを前記アトマイザー着座部内に収容できるように、前記アクチュエーターの回転時に前記第2の突起と整合させることができる、請求項4に記載の電子タバコ。
【請求項6】
前記第1の突起は、前記環状フランジと整合されるように軸方向に位置決めされ、且つ前記第2の突起は、前記環状フランジが前記第2の突起よりも下を通過できるように前記第1の突起よりも上になるように軸方向に位置決めされ、
前記アトマイザーの前記環状フランジは、前記アトマイザーが前記アトマイザー着座部から解放されるように前記第1の突起と前記第2の突起とが互いに整合されたときに、前記アトマイザー着座部から係止解除され、且つ
前記アトマイザーの前記環状フランジは、前記第2の突起が前記環状フランジよりも上に位置決めされて前記環状フランジに当接するように前記第1の突起と前記第2の突起とが互いに整合されないときに、前記アトマイザー着座部内に係止される、請求項5に記載の電子タバコ。
【請求項7】
前記内側スリーブは1つ又は複数の弾性舌部を備え、且つ前記外側スリーブは、前記弾性舌部を収容するように構成された溝を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子タバコ。
【請求項8】
前記弾性舌部は、閾値レベルを超えるトルクが前記内側スリーブに加わったときに前記舌部が前記スロットの内外に移動できるようにするための自由案内端部を備える、請求項7に記載の電子タバコ。
【請求項9】
前記アトマイザーが前記アトマイザー係止部から解放されたときに、前記アトマイザーが取り出されるように、前記アトマイザーは、前記アトマイザー着座部から外れる方向に付勢される、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子タバコ。
【請求項10】
前記電源部分は、前記被付勢取出面と付勢部材とを備え、且つ前記付勢部材は、前記電源部分内の静止面に抗して付勢されて、前記取出機構に付勢を与える、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル吸入器内のアトマイザーを取り出すためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及び他のエアロゾル吸入器は、ますます人気が高まっている消費者向け製品である。これらの製品では、エアロゾル形成物質が液体形態でタンク内に貯蔵される。タンクは、典型的には、エアロゾル形成物質をアトマイザーに供給する芯材又は流体移送要素に接続された出口を有する。流体移送要素に加えて、アトマイザーは、液状のエアロゾル形成物質を気化させる加熱構成も含む。アトマイザーにバッテリーが接続され、アトマイザーは、典型的には、蒸気を生成するようにボタン又は気圧センサーにより作動させる。ユーザが、空気を、アトマイザーを通して又はアトマイザーを通過させて装置に引き入れることができるように、空気入口及び空気流路が設けられる。
【0003】
これらの種類の電子タバコは、別体で取り外し可能なアトマイザーを有し得る。アトマイザーは定期的に交換する必要がある。アトマイザーを交換する場合、ユーザは、一般に、電子タバコの電源部分からマウスピース部分を分解し、アトマイザーを手で把持して取り外す。ユーザが誤って触れる可能性のある、液体がアトマイザー内に残存していることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、上述の問題のいくつかを克服し且つ軽減することである。
【0005】
一態様によれば、本発明は、電子タバコのマウスピース部分であって、マウスピース部分は、液体貯蔵部と、アトマイザー受入部分と、蒸気出口と、蒸気流管とを有するマウスピースを備え、蒸気流管は、アトマイザー受入部分と蒸気出口との間に軸方向延在部を有し、液体貯蔵部は、液体貯蔵部の底部分に液体開口部を有し、且つマウスピース部分は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である軸方向に移動可能な閉鎖部材をさらに備え、軸方向に移動可能な閉鎖部材は、閉鎖位置に向けて付勢されて液体開口部を封止し、且つ軸方向に移動可能な閉鎖部材は、アトマイザーがアトマイザー受入部分に存在するときに開放位置に向けて付勢される、マウスピース部分を提供する。このように、液体貯蔵部の液体開口部は、アトマイザーの存在により自動的に開放し、且つアトマイザーが存在しないときに、付勢された軸方向に移動可能な閉鎖部材により自動的に閉鎖することができる。これにより、ユーザが液体開口部を手で開閉する必要がなくなり、且つ液体貯蔵部から液体が漏出する可能性が低減される。好ましくは、軸方向に移動可能な閉鎖部材は、ばねにより付勢される。
【0006】
好ましくは、軸方向に移動可能な閉鎖部材は、蒸気流管により案内されるか、又は軸方向に移動可能な閉鎖部材は、液体貯蔵部の内側により案内される。このように、閉鎖部材は、液体開口部まで案内され、それにより、開口部の完全な閉鎖が達成されることを確実にする。
【0007】
好ましくは、閉鎖部材は管状スリーブである。このように、管状スリーブ形状は、案内相互作用を高めて液体開口部の閉鎖を改善するために、蒸気流管との相互作用を可能にする。
【0008】
好ましくは、管状スリーブは、蒸気管の周囲に位置する。このように、蒸気流管と軸方向に移動可能な閉鎖部材との間の案内相互作用が高められる。
【0009】
好ましくは、閉鎖部材は、水平フランジが設けられた封止端部を有し、且つフランジは、液体開口部を備える液体貯蔵部の底面に封着するように構成される。このように、水平フランジは、軸方向に移動可能な閉鎖部材専用の液体貯蔵部内の総容積を最小限に抑えつつ、液体開口部を完全に覆うことを確実にする。好ましくは、水平フランジは、閉鎖部材から径方向に延びる。
【0010】
好ましくは、封止端部は、水平フランジに接続された弾性シールであって、液体開口部を備える液体貯蔵部の底面に封着して液体開口部を閉鎖するように構成された弾性シールをさらに備える。このように、弾性シールは、液体貯蔵部の底面に対して圧縮可能であり、液体漏れの防止効果を高める。
【0011】
好ましくは、軸方向に移動可能な閉鎖部材は、液体補充構成がアトマイザー受入部分内に存在するときに軸方向に移動可能である。このように、軸方向に移動可能な閉鎖部材及び液体開口部は、開口部が液体補充構成の存在下で開放され且つ液体補充構成の取り外し時に自動的に閉鎖するように、液体補充構成の存在によっても開放される閉鎖可能な開口部を提供する。これにより、液体貯蔵部に補充するときに液体が漏出する可能性が低減される。
【0012】
別の態様によれば、本発明は、マウスピースが設けられたマウスピース部分と、電源部分と、アトマイザーとを備える電子タバコであって、マウスピース部分は、アトマイザーの上部分を受け入れるように構成されたアトマイザー受入部分を備え、且つ電源部分は、アトマイザーの下部分を受け入れるように構成されたアトマイザー着座部を備え、マウスピース部分は、液体貯蔵部の底部分に液体開口部を有する液体貯蔵部と、受入空洞からマウスピースに延びる蒸気流管とを備え、マウスピース部分は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である軸方向に移動可能な閉鎖部材をさらに備え、閉鎖部材は、閉鎖位置に向けて付勢されて液体開口部を封止し、且つ閉鎖部材は、アトマイザーがアトマイザー受入部分内に受け入れられたときに開放位置に向けて付勢される、電子タバコを提供する。このように、液体貯蔵部の液体開口部は、アトマイザーの有無に基づいて自動的に開閉される。これにより、ユーザが液体開口部を手で開閉する必要がなくなり、且つ液体貯蔵部から液体が漏出する可能性が低減される。好ましくは、軸方向に移動可能な閉鎖部材は、ばねにより付勢される。
【0013】
好ましくは、軸方向に移動可能な閉鎖部材は、蒸気流管により案内されるか、又は液体貯蔵部の内側により案内される。このように、閉鎖部材は、液体開口部まで案内され、それにより、開口部の完全な閉鎖が達成されることを確実にする。
【0014】
好ましくは、アトマイザーは、少なくとも1つの液体入口と、流体移送要素と、加熱要素とを備え、アトマイザーの液体入口は、マウスピース部分が電源部分に接続され且つアトマイザーがアトマイザー着座部内に存在するときに、液体入口を通じて液体貯蔵部と流体移送要素との流体接続が確立されるように、アトマイザーが、軸方向に移動可能な閉鎖部材に当接して、軸方向に移動可能な閉鎖部材が、液体開口部を備える液体貯蔵部の表面から解放されるように、マウスピース部分のアトマイザー受入部分内に延びるように構成される。このように、液体貯蔵部からの液体は、マウスピース部分が電源部分に接続され且つアトマイザーがアトマイザー着座部内に存在するときに、アトマイザー内に自動的に流入することができる。それに対応して、電源部分がマウスピース部分に接続されてないときになど、アトマイザーが存在しないときに、液体開口部が自動的に閉鎖される。これにより、液体貯蔵部からの漏れのリスクを最小限に抑えつつ、ユーザにとっての装置の操作が簡略化される。
【0015】
別の態様によれば、本発明は、電子タバコの補充可能なリザーバー部分であって、補充可能なリザーバー部分は、補充可能な液体貯蔵部と、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材と、第1の付勢部材とを備え、補充可能な液体貯蔵部には、その底部分に液体開口部が設けられ、且つ軸方向に移動可能な弁閉鎖部材は開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、第1の付勢部材は、軸方向に移動可能な閉鎖弁部材を閉鎖位置に向けて付勢して液体開口部を封止するように構成され、並びに補充可能なリザーバー部分と補充用ボトルとが互いに係合されたときに、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材を開放位置に移動させる、補充可能なリザーバー部分を提供する。このように、補充可能な液体貯蔵部の液体開口部は、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材に第1の付勢部材が付与する付勢により自動的に閉鎖することができる。これにより、ユーザが液体開口部を手で閉鎖する必要がなくなり、且つ液体貯蔵部から液体が漏出する可能性が低減される。好ましくは、第1の付勢部材は、ばねである。
【0016】
好ましくは、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材は、蒸気流管により案内される。このように、閉鎖部材は、液体開口部まで案内され、それにより、開口部の完全な閉鎖が達成されることを確実にする。
【0017】
好ましくは、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材は、蒸気管の周囲に位置する管状スリーブである。このように、管状スリーブ形状は、案内相互作用を高めて液体開口部の閉鎖を改善するために、蒸気流管との相互作用を可能にする。
【0018】
別の態様によれば、本発明は、電子タバコの補充可能なリザーバー部分に接触するように構成された補充用ボトルであって、補充用ボトルは、液体を貯蔵するように構成された液体タンクと、液体タンクから電子タバコ内の補充可能な液体貯蔵部に液体を移送するように構成された液体移送構成であって、ハウジングと、液体タンクに取り付けられた接続部分と、ハウジング内に位置し且つ閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である軸方向に移動可能な補充用弁とを有する液体移送構成とを備え、軸方向に移動可能な補充用弁は、第2の付勢部材により閉鎖位置に向けて付勢される、補充用ボトルを提供する。このように、タンクは、第2の付勢部材が付与する付勢により自動的に閉鎖することができる。これにより、ユーザが補充用ボトルを手で閉鎖する必要がなくなり、且つ液体タンクから液体が漏出する可能性が低減される。好ましくは、第2の付勢部材は、ばねである。
【0019】
好ましくは、軸方向に移動可能な補充用弁は、液体タンク内に位置する液体取入部分と、液体タンクの外側に位置する液体吐出部分とを有するプランジャーであって、電子タバコの補充可能なリザーバー部分内に導入されるように構成されたプランジャーを備え、プランジャーは、液体吐出部分を電子タバコの補充可能なリザーバー部分の受入部分内に移動させたときに開放位置に向けて付勢される。このように、ユーザは、補充用ボトルを電子タバコの補充可能なリザーバー部分の受入部分内に移動させたときにプランジャーが自動的に開放位置に付勢されるので、電子タバコの補充可能なリザーバー部分と補充用ボトルを一致させる前に補充用ボトルを手で開放する必要がない。これにより、ボトルを使用して電子タバコに補充するときに液体が漏出する可能性が低減される。
【0020】
好ましくは、液体取入部分は少なくとも1つの液体入口を備え、且つ液体吐出部分は少なくとも1つの液体出口を備え、少なくとも1つの液体入口及び少なくとも1つの液体出口は流体接続しており、少なくとも1つの液体入口及び少なくとも1つの液体出口は、それぞれ、プランジャーの軸方向に対して、少なくとも部分的に横方向に延びる。このように、液体は、プランジャーにより液体タンクから電子タバコの補充可能なリザーバー部分に流れることができる。
【0021】
好ましくは、ハウジングは、環状シールをさらに備え、且つ少なくとも1つの液体入口は、プランジャーが閉鎖位置にあるときにシールにより液体タンクから隔離される。このように、ボトルからの漏れの可能性が低減される。
【0022】
好ましくは、プランジャーの液体吐出部分は、少なくとも1つの液体出口よりも下に位置する環状シールをさらに備え、シールは、電子タバコの補充可能なリザーバー部分の内部ハウジングに封着するように構成される。このように、ボトルからの漏れの可能性が低減される。
【0023】
好ましくは、プランジャーが閉鎖位置に付勢されたときに、液体取入部分は、液体移送構成の内面に封着される。このように、液体タンク内の液体は、プランジャーが閉鎖位置にあるときには、プランジャー内に入ることができず、したがって、液体タンクから漏れ出ることができない。
【0024】
別の態様によれば、本発明は、電気タバコ用の液体補充システムであって、電子タバコの補充可能なリザーバー部分と補充用ボトルとを備える液体補充システムを提供する。補充可能なリザーバー部分は、補充可能な液体貯蔵部と、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材と、第1の付勢部材とを備え、補充可能な液体貯蔵部には、その底部分に液体開口部が設けられ、且つ軸方向に移動可能な弁閉鎖部材は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、第1の付勢部材は、軸方向に移動可能な閉鎖弁部材を閉鎖位置に向けて付勢して液体開口部を封止するように構成され、並びに補充可能なリザーバー部分と補充用ボトルとが互いに係合されたときに、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材を開放位置に移動させる。補充用ボトルは、電子タバコの補充可能なリザーバー部分と接続するように構成され、補充用ボトルは、液体を貯蔵するように構成された液体タンクと、液体タンクから電子タバコ内の補充可能な液体貯蔵部に液体を移送するように構成された液体移送構成であって、ハウジングと、液体タンクに取り付けられた接続部分と、ハウジング内に位置し且つ閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である軸方向に移動可能な補充用弁とを有する液体移送構成とを備え、軸方向に移動可能な補充用弁は、第2の付勢部材により閉鎖位置に向けて付勢される。このように、補充可能な液体貯蔵部の液体開口部は、軸方向に移動可能な閉鎖部材に第1の付勢部材が付与する付勢により自動的に閉鎖することができる。これにより、ユーザが液体開口部を手で閉鎖する必要がなくなり、且つ液体貯蔵部から液体が漏出する可能性が低減される。このように、タンクは、第2の付勢部材が付与する付勢により自動的に閉鎖することができる。これにより、ユーザが補充用ボトルを手で閉鎖する必要がなくなり、且つ液体タンクから液体が漏出する可能性が低減される。このように、液体の漏出をなくす、制御された方式で電子タバコに補充することができる。
【0025】
好ましくは、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材は、蒸気流管により案内される。このように、閉鎖部材は、液体開口部まで案内され、それにより、開口部の完全な閉鎖が達成されることを確実にする。
【0026】
好ましくは、軸方向に移動可能な弁閉鎖部材は、蒸気管の周囲に位置する管状スリーブである。このように、管状スリーブ形状は、案内相互作用を高めて液体開口部の閉鎖を改善するために、蒸気流管との相互作用を可能にする。
【0027】
好ましくは、軸方向に移動可能な補充用弁は、液体タンク内に位置する液体取入部分と、液体タンクの外側に位置する液体吐出部分とを有するプランジャーであって、電子タバコの補充可能なリザーバー部分内に導入されるように構成されたプランジャーを備え、プランジャーは、液体吐出部分を電子タバコの補充可能なリザーバー部分の受入部分内に移動させたときに開放位置に向けて付勢される。このように、ユーザは、補充用ボトルを電子タバコの補充可能なリザーバー部分の受入部分内に移動させたときにプランジャーが自動的に開放位置に付勢されるので、電子タバコの補充可能なリザーバー部分と補充用ボトルを一致させる前に補充用ボトルを手で開放する必要がない。これにより、ボトルを使用して電子タバコに補充するときに液体が漏出する可能性が低減される。
【0028】
好ましくは、液体取入部分は少なくとも1つの液体入口を備え、且つ液体吐出部分は少なくとも1つの液体出口を備え、少なくとも1つの液体入口及び少なくとも1つの液体出口は流体接続しており、少なくとも1つの液体入口及び少なくとも1つの液体出口は、それぞれ、プランジャーの軸方向に対して、少なくとも部分的に横方向に延びる。このように、液体は、プランジャーにより液体タンクから電子タバコの補充可能なリザーバー部分に流れることができる。
【0029】
好ましくは、ハウジングは、環状シールをさらに備え、且つ少なくとも1つの液体入口は、プランジャーが閉鎖位置にあるときにシールにより液体タンクから隔離される。このように、ボトルからの漏れの可能性が低減される。
【0030】
好ましくは、プランジャーの液体吐出部分は、少なくとも1つの液体出口よりも下に位置する環状シールをさらに備え、シールは、電子タバコの補充可能なリザーバー部分の内部ハウジングに封着するように構成される。このように、ボトルからの漏れの可能性が低減される。
【0031】
好ましくは、プランジャーが閉鎖位置に付勢されたときに、液体取入部分は、液体移送構成の内面に封着される。このように、液体タンク内の液体は、プランジャーが閉鎖位置にあるときには、プランジャー内に入ることができず、したがって、液体タンクから漏れ出ることができない。
【0032】
好ましくは、第1の付勢部材は第1のばね係数を有し、且つ第2の付勢部材は第2のばね係数を有し、補充ボトルと電子タバコの補充可能なリザーバー部分との係合時に、補充ボトルの液体移送構成内の軸方向に移動可能な補充用弁よりも先に、補充可能な液体貯蔵部内の軸方向に移動可能な弁閉鎖部材が開放するように、第1のばね係数は、第2のばね係数よりも小さい。このように、補充可能な液体貯蔵部は、ボトルの補充用弁が開放位置にあるときには、補充用ボトルからの液体を受け入れるように常に開放されており、それにより、液体が補充用ボトルから流出して電子タバコの液体貯蔵部内に流入できないことを防止し、したがって、漏出のリスクを低減する。
【0033】
別の態様によれば、本発明は、マウスピース部分と電源部分とを備える電子タバコであって、電源部分は、アトマイザーを受け入れるように構成されたアトマイザー着座部と、アトマイザー着座部内に位置し且つ開放位置と係止位置との間で移動可能なアトマイザー係止部とを備え、アトマイザー係止部は、アトマイザーがアトマイザー着座部内に受け入れられたときにアトマイザーを選択的に把持するように且つアトマイザーをアトマイザー着座部から解放するように構成され、且つ取出機構は、引込位置と延出位置との間でアトマイザー着座部内を移動可能な被付勢取出面を備え、取出面は延出位置に向けて付勢され、取出機構は、アトマイザーがアトマイザー着座部内に導入されたときに引込位置に移動可能であり、且つアトマイザー係止部は、アトマイザーを把持して固定位置に保持するように構成され、並びにアトマイザーは、アトマイザー係止部が開放されたときにアトマイザー着座部から取り出される、電子タバコを提供する。このように、アトマイザーは、電子タバコから容易に解放することができる。
【0034】
好ましくは、アトマイザー係止部は、外側スリーブと、外側スリーブに対して移動可能である、内側スリーブと、アトマイザーを把持又は解放するために外側スリーブに対して内側スリーブを選択的に移動させるように構成されたアクチュエーターとを含む。このように、ユーザは、電子タバコからアトマイザーを容易に解放できるように、アトマイザーを係止及び係止解除するようにアクチュエーターを動作させることができる。
【0035】
好ましくは、アクチュエーターは、外側スリーブに対して内側スリーブを回転させるように構成され、且つアトマイザーは、内側スリーブと一体に回転するように構成される。より好ましくは、アトマイザーは、外側スリーブに対する内側スリーブの回転位置に応じて、把持又は解放される。より好ましくは、電子タバコは、内側スリーブと係合するように構成された第1の係合要素と、外側スリーブと係合するように構成された第2の係合要素とを備えるアトマイザーをさらに備える。このように、これらの好ましい形態の各々は、素早く且つ簡単に操作できる使い勝手の良い機構を提供することに寄与する。
【0036】
好ましくは、第2の係合要素は環状フランジであり、且つ第1の係合要素は、フランジを貫通する軸方向のキー溝を画定する、環状フランジにおけるスロット又は切り欠きである。より好ましくは、内側スリーブは第1の突起を備え、且つ外側スリーブは第2の突起を備え、第1の突起及び第2の突起は、アトマイザー着座部内に径方向内方に延び、並びに内側スリーブにおける第1の突起は、アトマイザーのキー溝が第1の突起と第2の突起とを軸方向に通り越してアトマイザーをアトマイザー着座部内に収容できるように、アクチュエーターの回転時に第2の突起と整合させることができる。このように、アトマイザーは、アトマイザー係止部が係止解除位置にあるときにアトマイザー着座部内に容易に受け入れることができ、ユーザの最小限の労力しか必要としない。
【0037】
好ましくは、第1の突起は、環状フランジと整合されるように軸方向に位置決めされ、且つ第2の突起は、環状フランジが第2の突起よりも下を通過できるように第1の突起よりも上になるように軸方向に位置決めされ、アトマイザーの環状フランジは、アトマイザーがアトマイザー着座部から解放されるように第1の突起と第2の突起とが互いに整合されたときに、アトマイザー着座部から係止解除され、且つアトマイザーの環状フランジは、第2の突起が環状フランジよりも上に位置決めされて環状フランジに当接するように第1の突起と第2の突起とが互いに整合されないときに、アトマイザー着座部内に係止される。このように、アトマイザーを、アトマイザー着座部内に受け入れ、且つアトマイザー係止部が係合解除配置となるように第1の突起と第2の突起とが整合されているときにアトマイザー着座部から取り出すことができる。アトマイザー係止部が係止配置となるように第1の突起と第2の突起とが整合されないときに、アトマイザーの環状フランジが第2の突起により適所に保持されるように、内側スリーブを回転させることにより、アトマイザーをアトマイザー着座部内に係止することができる。それゆえ、アトマイザーをアトマイザー着座部により容易に受け入れ、アトマイザー着座部に対して係止し且つ解放することができる。
【0038】
好ましくは、内側スリーブは、1つ又は複数の弾性舌部を備え、且つ外側スリーブは、弾性舌部を収容するように構成された溝を備える。このように、溝は、これらの溝と溝との間での舌部の移動によりユーザに触覚フィードバックが提供され、それにより、電子タバコが係止位置と係止解除位置との間で移動したことをユーザに示すように、画定された係止位置及び係止解除位置を提供する。好ましくは、外側スリーブは、一方の組が係止解除位置に対応し、他方の組が係止位置に対応する、2組の溝を備える。
【0039】
好ましくは、弾性舌部は、閾値レベルを上回るトルクが内側スリーブに加わったときに舌部がスロットの内外に移動できるようにするための自由案内端部を備える。このように、溝と溝との間での円滑な移動が達成され、ユーザがアトマイザーを係止及び係止解除することをより容易にする。好ましくは、自由案内端部は、丸みを帯びた形状を有する。
【0040】
好ましくは、アトマイザーは、アトマイザーがアトマイザー係止部から解放されたときにアトマイザーが取り出されるように、アトマイザー着座部から外れる方向に付勢される。このように、アトマイザーは、ユーザとアトマイザーとの物理的接触を必要とせずに、アトマイザー着座部から完全に取り出される。
【0041】
好ましくは、電源部分は、被付勢取出面と付勢部材とを備え、且つ付勢部材は、電源部分内の静止面に抗して付勢されて、取出機構に付勢を与える。このように、アトマイザーは、ユーザとアトマイザーとの物理的接触を必要とせずに、アトマイザー着座部から外方に取り出される。好ましくは、被付勢面は電気端子である。このように、別体の付勢部材及び電気端子は必要とされず、それにより、必要とされる構成要素の数を最小限に抑え、よりコンパクトな装置を提供する。
【0042】
好ましくは、アクチュエーターは、内側スリーブが外側スリーブ内に引き込まれるときにアトマイザーが内側スリーブに係止されるように、外側スリーブに対して内側スリーブを延出位置と引込位置との間で軸方向に移動させるように構成される。
【0043】
好ましくは、内側スリーブには、アトマイザー上の円形溝と係合するように構成された留め具の形態のコネクタが設けられる。
【0044】
好ましくは、静止面は、内側スリーブ内に形成された当接部であり、これにより、当接面の軸方向位置が、電源部分の長手軸方向に変位可能である。
【0045】
一態様によれば、本発明は、電子タバコであって、電子タバコの電源部分に接続可能なマウスピース部分を備え、マウスピース部分は、封止可能な開口部を有する補充可能な液体貯蔵部と、弁閉鎖部材と、アトマイザー受入部とを備え、弁閉鎖部材は、開口部を封止して、開放位置と閉鎖位置との間での移動により液体貯蔵部からアトマイザー受入部への液体の流れを制御するように構成され、これにより、アトマイザーがアトマイザー受入部内に存在し且つ弁閉鎖を開放位置に向けて移動させたときに、補充可能な液体貯蔵部からアトマイザー受入部内のアトマイザーへの液体の流れが可能となり、電子タバコは、弁閉鎖部材が開口部を封止するように弁閉鎖部材から離れて電源部分の一部分内に至るようにアトマイザーを軸方向に移動させるためのアクチュエーターをさらに備える、電子タバコを提供する。このように、液体貯蔵部からの液体の流出を防止するために電子タバコの動作を停止させることができる。この動作の停止は、電子タバコが、停止しなければ液体貯蔵部から液体を押し出す可能性のある気圧の変化にさらされる可能性が高い場合に特に有用である。
【0046】
好ましくは、電子タバコは、アトマイザーの下部分を受け入れるように構成されたアトマイザー着座部を備えた電源部分をさらに備え、それにより、マウスピース部分におけるアトマイザー受入部は、アトマイザーの上部分を受け入れるように構成され、且つアトマイザー着座部内のアトマイザーの上部分により、弁閉鎖部材を開放位置に向けて付勢することができる。このように、弁閉鎖部材は、アトマイザーの移動により容易に開閉することができる。
【0047】
好ましくは、アトマイザーは、アトマイザー着座部において内側スリーブに接続可能であり、且つ内側スリーブは、外側スリーブに対して軸方向に移動可能である。このように、アトマイザーは、弁に対して近接及び離間移動させることができ、それにより、ユーザが弁を容易に開閉するための機構を提供する。
【0048】
好ましくは、アトマイザーは、弁を開放位置に向けて付勢するように外側スリーブに対して内側スリーブを軸方向に移動させることにより弁閉鎖部材に近接移動可能であり、且つアトマイザーは、弁閉鎖部材を開放位置に向けて付勢できないように外側スリーブに対して引込方向に内側スリーブを軸方向に移動させることにより弁閉鎖部材から離間移動可能である。このように、ユーザは、気圧の変化により液体貯蔵部から液体が押し出されないように、弁を容易に閉鎖して飛行安全モードを有効にすることができる。
【0049】
好ましくは、アクチュエーターの部分は外側スリーブに含まれ、且つ電子タバコは、内側スリーブの軸方向移動をもたらすように構成された、案内構成をさらに備える。このように、ユーザは、弁がいつ開閉されるかを物理的に制御することができる。
【0050】
好ましくは、案内構成は、内側スリーブが従動ピンにより案内部に結合される、案内ねじ山又は案内溝を備え、これにより、内側スリーブは、外側スリーブに含まれるアクチュエーターの部分を作動させたときに、軸方向に移動可能である。このように、ユーザは、アクチュエーターをねじることにより弁に対してアトマイザーを近接及び離間移動させることができ、それにより、ユーザが弁を開閉するための操作が簡単な機構を提供する。
【0051】
好ましくは、内側スリーブは、外側スリーブに含まれるアクチュエーターの部分に接続され、アクチュエーターの部分は、外側スリーブに対する内側スリーブの軸方向直進移動のための摺動用アクチュエーターなどの、軸方向に移動可能なアクチュエーターである。このように、ユーザは、アクチュエーターを摺動させることにより弁に対してアトマイザーを近接及び離間移動させることができ、それにより、ユーザが弁を開閉させるための操作が簡単な機構を提供する。
【0052】
好ましくは、内側スリーブは弾性留め具を備え、且つ外側スリーブは、径方向内方に延びる隆起部により画定されたスロットを備え、アトマイザーは、環状溝の形態の第1の係合要素を備え、且つ留め具は、アトマイザーを軸方向に変位させるために環状溝に接続してスロット内を移動するように構成される。このように、アトマイザーは、内側スリーブにより把持し、外側スリーブの内方及び外方に案内することができる。
【0053】
好ましくは、アトマイザーは、アトマイザーが内側スリーブに押し付けられたときに留め具が第1の傾斜面を越えて環状溝内に移動できるようにするように構成された、環状溝の下棚部を画定する第1の傾斜面をさらに備える。このように、内側スリーブとアクチュエーターとの間に確実な把持がもたらされる。さらに、アトマイザーの係合時に留め具が環状溝内に移動する際に、留め具が第1の傾斜面を越えてスナップ嵌合するときに、触覚フィードバックがユーザに提供される。この触覚フィードバックは、アトマイザーが電子タバコ内に確実に配置されていることを示すことができる。同様に、アトマイザーが係合解除されたことにユーザが気付くように、アトマイザーの係合解除時に、留め具が第1の傾斜面を越えて元に戻るときに、触覚フィードバックがユーザに提供される。
【0054】
好ましくは、アトマイザーは、内側スリーブが外側スリーブに対して引き込まれたときに隆起部に当接し、それにより、アトマイザーを内側スリーブの留め具から解放するように構成された環状溝の上棚部を画定する第2の傾斜面をさらに備える。このように、アトマイザーの第2の傾斜面は、隆起部と相互作用して、外側スリーブに対するアトマイザーの内方に向かう移動に抗する抵抗をアトマイザーに加える。アトマイザーが外側スリーブ内に引き込まれるときに、アトマイザーの経路が隆起部により遮断される。これにより、アトマイザーは、弁から離間移動して液体貯蔵部を閉鎖することが可能となるが、その後、外側スリーブ内に完全に引き込み可能であるわけではない。有利には、内側スリーブが引っ込み続けている間に、アトマイザーがさらに引っ込むことが防止されるので、アトマイザーは、内側スリーブから係合解除された状態となる。マウスピース部分が取り外された場合に、隆起部との相互作用に起因する、内側スリーブからのアトマイザーの係合解除により、ユーザがアトマイザーに物理的に接触せずにアトマイザーを容易に取り外すことが可能となる。別の利点は、アトマイザーが、内側スリーブにより、例えば、内側スリーブと共に引っ込む被付勢当接面を介して、電子タバコに電気的に接続される場合、内側スリーブが引っ込んだときにアトマイザーの簡単な電気的分離を可能にし、アトマイザーがさらに引っ込むことが防止されることである。
【0055】
前述の好ましい特徴の任意の組み合わせを、必要に応じて、前述の態様のいずれかに含めることができる。
【0056】
ここでは、図面を参照して、例示として、本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1a】本発明の実施形態による電子タバコを示す。
【
図1b】本発明の実施形態による電子タバコを示す。
【
図1c】本発明の実施形態による電子タバコの分解図を示す。
【
図2a】本発明の一実施形態によるマウスピースの図を示す。
【
図2b】本発明の一実施形態によるマウスピースの断面図を示す。
【
図2c】本発明の一実施形態によるマウスピースの断面図を示す。
【
図2d】
図2bのマウスピースに対する代替実施形態によるマウスピースの断面図を示す。
【
図3a】本発明の一実施形態によるマウスピースの図を示す。
【
図3b】本発明の一実施形態によるマウスピースの断面図を示す。
【
図4a】本発明の一実施形態によるアトマイザーの図を示す。
【
図4b】本発明の一実施形態によるアトマイザーの断面図を示す。
【
図5a】本発明の一実施形態による電子タバコの電源部分内に受け入れられるアトマイザーの図を示す。
【
図5b】本発明の一実施形態による電子タバコの電源部分内に受け入れられるアトマイザーの断面図を示す。
【
図6a】本発明の一実施形態による閉鎖弁を備えた電子タバコの図を示す。
【
図6b】本発明の一実施形態による開放弁を備えた電子タバコの図を示す。
【
図7a】本発明の一実施形態によるアトマイザー係止部を備えたアトマイザー着座部の図を示す。
【
図7b】本発明の一実施形態によるアトマイザー係止部を備えたアトマイザー着座部の断面図を示す。
【
図7c】本発明の一実施形態によるアトマイザー係止部を備えたアトマイザー着座部の断面図を示す。
【
図7d】本発明の一実施形態によるアトマイザー係止部を備えたアトマイザー着座部の部分透視図を示す。
【
図8a】本発明の一実施形態による漏れ防止システムの断面図を示す。
【
図8b】本発明の一実施形態による漏れ防止システムの断面図を示す。
【
図8c】本発明の一実施形態による漏れ防止システムの断面図を示す。
【
図9a】本発明の一実施形態による漏れ防止システムの図を示す。
【
図9b】本発明の一実施形態による漏れ防止システムの図を示す。
【
図9c】本発明の一実施形態による漏れ防止システムの図を示す。
【
図10a】本発明の一実施形態による補充用ボトルの図を示す。
【
図10b】本発明の一実施形態による補充用ボトルの図を示す。
【
図10c】本発明の一実施形態における補充用ボトルの断面図である。
【
図10d】本発明の一実施形態による補充用ボトルの分解図を示す。
【
図11a】マウスピース部分の液体貯蔵部と補充用ボトルの液体タンクが両方とも閉鎖されている、本発明の一実施形態による補充用ボトルと電子タバコのマウスピース部分との相互作用の断面図を示す。
【
図11b】マウスピース部分の液体貯蔵部と補充用ボトルの液体タンクが両方とも閉鎖されている、本発明の一実施形態による補充用ボトルと電子タバコのマウスピース部分との相互作用の断面図を示す。
【
図11c】マウスピース部分の液体貯蔵部が開放されており且つ補充用ボトルの液体タンクが閉鎖されている、本発明の一実施形態による補充用ボトルと電子タバコのマウスピース部分との相互作用の断面図を示す。
【
図11d】マウスピース部分の液体貯蔵部と補充用ボトルの液体タンクが両方とも開放されている、本発明の一実施形態による補充用ボトルと電子タバコのマウスピース部分との相互作用の断面図を示す。
【
図12a】本発明の一実施形態における電子タバコの分解図である。
【
図12b】組み立てられたときの、
図12aに示した電子タバコの斜視図である。
【
図12c】アトマイザーと案内構成とを示す、
図12bに示す電子タバコの詳細斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1a~
図1cを参照すると、本発明の実施形態による電子タバコ2が図示されている。電子タバコ2は、互いに着脱可能に接続される、マウスピース部分4と、電源部分6と、アトマイザー12とを備える。
【0059】
電源部分6は、マウスピース部分4に接続可能な近位端部62と、反対側の遠位端部64と、電源ユニット又はバッテリーと、電気回路と(図示せず)を有する細長い本体として提供される。遠位端部64には、電源ユニットを再充電するために充電ソケットが設けられてもよい。電気回路は、制御ユニットと、メモリと、センサーとを含み得る。電気回路は、電子タバコ2の動作を制御するように、例えば、気化の促進及びいずれかの表示される特徴及びユーザとの通信を制御するように構成される。
図5a及び
図5bに最も良く見られるように、近位端部62は、アトマイザー12を受け入れてアトマイザー12をバッテリーに電気的に接続するように構成されたアトマイザー着座部66をさらに備える。
【0060】
図2a、
図2b、
図2c、
図2d、
図3a及び
図3bに図示するように、マウスピース部分4は、補充可能な液体貯蔵部10と、マウスピース8と、蒸気流管32と、弁40とを備える。蒸気流管32は、アトマイザー受入部分67とマウスピース8における蒸気出口9との間に延びる蒸気流路400を提供する。マウスピース部分4には接続部分50が設けられる。接続部分50は、電源部分6の近位端部62における協働する接続部と確実に接続するように構成される。接続部分50は、マウスピース8とは反対側のマウスピース部分4の遠位端部に位置する。
図2a及び
図2bに見られるように、マウスピース部分8は、固定されたマウスピース部分8aと、移動可能なマウスピース部分8bとを有することができる。移動可能なマウスピース部分8bは、同じく移動可能である蒸気流管30に接続することができる。しかしながら、例えば
図3a及び
図3bに図示する好ましい実施形態では、マウスピース部分8は固定される。固定マウスピース部分は、可動部分と固定部分との間にゴミ屑が蓄積するリスクを低減し、ユーザにとってより使い心地の良いものでもある。蒸気流管32は、アトマイザー受入部分67内に受け入れられているときのアトマイザー12をマウスピースにより取り出すことができるようにする、当接面32aをさらに備える。
【0061】
液体貯蔵部10は、液体貯蔵部10の内側に位置する最上面S1と底面S2とを有するハウジング11を備える。最上面S1及び底面S2は、電子タバコ2の長手方向延在部を横断して配置されてもよい。液体貯蔵部10は、底面S2における液体開口部7を通じてアトマイザー12と流体的に接続される。アトマイザー受入部分67は、接続部分50に位置し、且つアトマイザー12の最上部分12aを受け入れるように構成される。
【0062】
マウスピース部分4が電源部分6から分離されたときに液体が液体開口部7を通って自由に流れるのを回避するために、弁40が液体貯蔵部10の内側に設けられる。弁40は、弁閉鎖部材44と、付勢部材42と、封止面43とを備える。封止面43は、液体貯蔵部10の底面S2に設けることができる。付勢部材42は、閉鎖部材44を閉鎖位置に付勢して液体貯蔵部10の底面S2における液体開口部7を閉鎖するように構成される。
【0063】
図1a~
図3bに見られるように、閉鎖部材44は、蒸気管32の周囲に位置して蒸気管32により案内される、スリーブ44とすることができる。閉鎖部材44と蒸気流管32との間に、封止部材34が位置決めされてもよい。封止部材34は、液体が蒸気流管内32に流入するのを防止する。閉鎖部材44は、液体貯蔵部10の最上面S1と底面S2との間の距離よりも短い軸方向長さを有する。したがって、閉鎖部材44は、液体貯蔵部10の軸方向に、すなわち、電子タバコの長手方向延在部の方向に、開放位置と閉鎖位置との間で移動するように構成される。
【0064】
閉鎖部材44には、液体開口部7よりも直径が大きい水平フランジ47(すなわち、電子タバコの長手方向延在部の方向に直交する)が設けられる。付勢部材42は、閉鎖部材44を取り囲んでいる。付勢部材42は、水平フランジ47に接触する第1の端部と、液体貯蔵部10の最上面S1に接触する(すなわち、最上面S1に抗して付勢された)第2の端部とを有する。付勢部材42は、有利には、圧縮ばね44である。代替的に、付勢効果をもたらす、弾性又は伸縮性材料片などの、任意の付勢部材42を使用することができる。
【0065】
弁閉鎖部材44の水平フランジ47には、任意選択的に、伸縮性シール46をさらに設けることができる。伸縮性シール46は、シール46が水平フランジ47と液体貯蔵部10の底面S2との間に実質的に配置されるように、水平フランジ47に固定して接続される。シール46は、封止面43とアトマイザー12の上部分の両方に封着するように構成される。伸縮性シール46とフランジ47とは、摩擦嵌めにより及び/又は協働する幾何学形状により互いに取り付けられてもよい。
【0066】
図2dに図示するように、代替的な実施形態では、閉鎖部材44は、液体貯蔵部の内側に沿って案内することができる。この場合、フランジ47は、内方に延びて液体貯蔵部10の底面における液体開口部7を封止する。液体開口部7と整合されないフランジ47の領域は、好ましくは、フランジ47が下方に移動して液体貯蔵部10の底部分における液体を圧縮したときにフランジ47よりも下に生じる圧力を解放するための液体透過部分を備える。これにより、弁閉鎖部材44が下方に移動したときに液体貯蔵部10の底部分における液体を上方に変位させることが可能となる。
【0067】
図4a及び
図4bに最も良く見られるように、アトマイザー12は、気化室18と、加熱要素20と、気化室18内に位置する流体移送要素22とを備え得る。加熱要素20は、任意の特定の種類に限定されるものではない。図示の実施形態では、加熱要素20は、例えばチタンを含む抵抗加熱コイル20とすることができる。加熱要素20は、その中心開口が電子タバコ2の軸方向と一致する状態で配置する、すなわち、いわゆる「垂直コイル」として構成することができる。垂直コイルは、アトマイザーの円筒形状に適合して小型のアトマイザー12を形成するので有利である。しかしながら、水平コイル構成を使用することもできる。
【0068】
図4a、
図4b及び
図5aに最も良く見られるように、アトマイザー12には、マウスピース部分4におけるアトマイザー受入部分67内に受け入れられるように構成された弁係合部分12aと、電源部分6におけるアトマイザー着座部66内に受け入れられるように構成された着座部分12bとが設けられる。弁係合部分12aは、アトマイザー受入部分67の軸方向長さを上回る軸方向長さを有する。よって、アトマイザー12の弁係合部分12aは、マウスピース部分4とアトマイザー12と電源部分6が互いに組み付けられたときに、液体貯蔵部10内に部分的に延びる。
【0069】
アトマイザー12が液体貯蔵部10内に部分的に延びるときに、弁閉鎖部材44は、封止面43から解放され、液体開口部7が開放されるようにマウスピース部分4のさらに軸方向上方の位置に位置決めされる。これにより、
図2cに示すように、液体貯蔵部10からアトマイザー12への液体連通が開放される。
図2cにアトマイザー自体は示されていないが、アトマイザーがアトマイザー受入部分67内に存在するかのように弁閉鎖部材44をマウスピース部分内で垂直方向に変位させていることに留意されたい。
【0070】
図3bに図示するように、閉鎖部材44は、蒸気流管32を閉鎖部材44に封止可能に接続するように構成されたコネクタ49をさらに備え得る。コネクタ49は、蒸気流管32の接続端部51から距離をおいて配置される。アトマイザー12がアトマイザー受入部分67内に位置するときに、コネクタ49は、蒸気流管32の接続端部51に当接して、アトマイザーとマウスピース8との間に蒸気流路400を作り出す。コネクタ49は、有利には、シール46と一体に形成されてもよい。コネクタ49はまた、蒸気流管40のテーパ状の接続端部51を囲むような漏斗状であってもよい。このように、蒸気流管40のテーパ状の接続端部51は、気化室18と蒸気出口9との間に封止接続が達成されるようにコネクタ49内に延びる。
【0071】
アトマイザー12は、流体移送要素22の近傍に少なくとも1つの液体入口24を備える。好ましくは、複数の液体入口24が、アトマイザー12の外周に設けられて配置される。1つ又は複数の液体入口24は、アトマイザー12が液体貯蔵部10内に部分的に延びるときに、1つ又は複数の液体入口24が液体貯蔵部10の内側に位置するように、アトマイザー12内に配置される。少なくとも1つの空気入口26は、アトマイザー12の底部分に位置する。空気入口26は、開口として構成することができる。代替的に、空気入口26は、気化室18の底部分における間隙又は隙間により得ることができる。
【0072】
図6a及び
図6bに図示するように、液体貯蔵部10内の弁40は、物体が力を加えて弁閉鎖部材44をマウスピース8に向かう軸方向上方に変位させているときに開放することができる。
図6aに見られるように、弁40は、電源部分6がマウスピース部分4から分離されたときに閉鎖される。
図6bに見られるように、弁40は、アトマイザーが取り付けられた電源部分6がマウスピース部分4に取り付けられたときに開放される。
【0073】
アトマイザー12は、電源部分6のアトマイザー着座部66に固定して接続可能であるように構成される。これにより、アトマイザー12をバッテリーに確実に電気的に接続できるという利点がもたらされる。追加的に、アトマイザー12が電源部分6に接続されたままであり、マウスピース部分4が電源部分6から分離されてもアトマイザー12が脱落しないのであれば有利である。
【0074】
一実施形態では、アトマイザー12は、電源部分6とアトマイザー12との相対回転によりアトマイザー着座部66に係止されるように構成される。それゆえ、電源部分6におけるアトマイザー着座部66は、
図7a~
図7cに図示するように、アトマイザー係止部120を備え得る。アトマイザー係止部120は、互いに対して回転可能である外側スリーブ124及び内側スリーブ122を備える。外側スリーブ124は、アトマイザー着座部66の径方向内方に延びる第1の突起126を備える。内側スリーブ122は、アトマイザー着座部66の径方向内方に延びる第2の突起128を備える。
【0075】
図4a、
図7b及び
図7cを参照すると、アトマイザー12には、環状突条21の形態の係合要素21が設けられる。環状突条21は、アトマイザー12を部分的にのみ取り囲んでいる。この部分的な取り囲みは、完全な円をなさない突条により、又は環状突条21における切り欠き23により達成することができる。
【0076】
アトマイザー係止部120は、
図7bに図示するような受入位置と、
図7cに図示するような係止位置との間で変化させることができる。受入位置では、軸方向移動によりアトマイザー着座部66に対してアトマイザー12を挿入し且つ取り外すことができる。この挿入と取り外しは、アトマイザー着座部66の軸方向に「案内レール」を形成するように第1の突起126と第2の突起128とが互いに整合されるので可能である。それゆえ、アトマイザー12は、環状突条21における切り欠き23を第1の突起126及び第2の突起128と整合させることにより、アトマイザー着座部66内に導入することができる。
【0077】
内側スリーブ122は、アトマイザーの環状突条21を支持面123に静置できるように位置決めされた支持面123をさらに備える。したがって、支持面123は、アトマイザー12をアトマイザー着座部66内に正しい深さで位置決めするように構成される。
【0078】
係止位置では、
図7cに示すように、内側スリーブ122と外側スリーブ124とを互いに対して回転させた結果、第1の突起126と第2の突起128とが互いに整合されていない。それゆえ、第1の突起126は、アトマイザー12がアトマイザー着座部66内に位置するときに、アトマイザー12の環状突条21よりも上に配置することができ、それにより、アトマイザー12をアトマイザー着座部66内に係止する。第1の突起126と第2の突起128とを回転させて再び整合させることにより、突起126、128は、環状突条の切り欠き23を通過することができ、それにより、アトマイザー12を係止解除してアトマイザー着座部から解放する。
【0079】
内側スリーブ122は、1対の弾性舌部129a、129bをさらに備え得る。舌部129a、129bは、アトマイザー着座部66の径方向において径方向外方に付勢される。外側スリーブ124は、舌部129a、129bを受け入れるように構成されたスロット132a、132bをさらに備える。舌部129a、129bがスロット132a、132b内に受け入れられたときに、内側スリーブ122と外側スリーブ124とは、互いに対して回転不能に係止される。第1の突起126と第2の突起128とが整合されているときに、舌部129a、129bは、第1のスロット132a内に位置決めされ、且つ第1の突起126と第2の突起128とが整合されていないときに、舌部129a、129bは、第2のスロット132b内に受け入れられる。よって、アトマイザー係止部120が開放位置にあるときに、且つアトマイザー係止部120が閉鎖位置にあるときに、舌部129a、129bは、スロット132a、132b内に受け入れられる。これにより、アトマイザー12がアトマイザー着座部66に対していつ係止され且つ解放されたかが明確になるように、アトマイザー係止部120が、双安定動作及び触覚フィードバックをユーザに提供できるようになる。それゆえ、第1のスロット132a及び第2のスロット132b内への舌部129a、129bの位置決めは、舌部129a、129bを一方のスロットから他方のスロットに移動させるのに十分なトルクが加わるまで、内側スリーブ122と外側スリーブ124とを適所に回転不能に係止することにより、互いに対する第1の突起126と第2の突起128との整合位置及び不整合位置をそれぞれ画定する。弾性舌部129a、129bは、凸状突起又は隆起部分130をさらに備え得る。凸状突起130は、弾性舌部129a、129bをスロット132a、132bの内外に案内するように構成される。弾性舌部は、十分に大きなトルクが内側スリーブ122に加わるまでスロット132a、132b内に係止されるにすぎない。
【0080】
アトマイザー12を手で回転させることにより、内側スリーブにトルクを加えることができる。トルクを加えることができるのは、アトマイザー12が内側スリーブ122内の突起128を介して内側スリーブ122に結合されるからである。
【0081】
代替的に、
図7a~
図7dに図示する一実施形態では、電源部分6は、回転リング又はスリーブ70の形態のアクチュエーター70を備え、且つ電源部分6の外部ハウジング上に位置する。回転リング70は、回転リング70と内側スリーブ122とが一体に回転するように、内側スリーブ122に動作可能に接続される。したがって、アクチュエーター70は、アトマイザー12をアトマイザー着座部66内に係止するために使用することができる。
【0082】
アトマイザー着座部66内に被付勢当接面72を設けることが有利である。被付勢当接面72は、電気端子として構成することができる。したがって、被付勢当接面72は、アトマイザー12の対応する電気接続部分に抗して付勢される。
【0083】
被付勢当接面72は、圧縮ばねなどの付勢部材74に結合される。付勢部材74は、被付勢面72に接触する上端部と、電源部分6の内側の静止面75に接触する下端部とを有する。
図7b及び
図7cに図示する実施形態では、静止面75は、電源部分6内の同じ位置に留まる。被付勢面72は、取出位置と引込位置との間で移動するように構成される。被付勢面72は、円筒の表面とすることができる。円筒は、被付勢面として構成された、閉鎖端部と、ばねが通って外に出る開放端部とを有する。円筒の開放端部には、被付勢当接部材の径方向外方に延びる周方向フランジを設けることができる。
【0084】
アトマイザー12がアトマイザー着座部66内に配置され、その結果、アトマイザーの環状突条21が支持面123に静置されたときに、アトマイザーの底部は、被付勢当接面72を電源部分内に下方に変位させ、それにより、付勢部材74を平衡状態(すなわち、非圧縮状態又は静止状態)から被付勢面72と静止面75との間の圧縮状態に圧縮する。前述のように、第1の突起126は、第1の突起126と第2の突起128とが整合されていないときに、アトマイザー12をアトマイザー着座部66内の適所に係止する。これにより、付勢部材74に付与された圧縮が維持される。
【0085】
被付勢当接面72は、アトマイザー係止部120が開放位置にあるときにアトマイザー12に対する取出機構として働き、その結果、アトマイザー12に手で触れることなく、アトマイザー12をアトマイザー着座部66から解放することができる。これにより、使用済みアトマイザー12を交換するときにユーザが液体に接触することが回避される。
【0086】
一定の使用期間後にアトマイザー12を交換することが好ましい。アトマイザー12が使い果たされたときに、アトマイザー12は、時として気化液まみれであることがある。それゆえ、使用者がアトマイザー12に触れずに廃棄することができれば有利である。被付勢当接面72はまた、アトマイザー12の底部分13に付勢力を加えるように構成される。
【0087】
したがって、被付勢当接面72は、アトマイザー12をアトマイザー着座部66から外に付勢する。それゆえ、アトマイザー係止部120と被付勢当接面72との組み合わせにより、アトマイザー取出機構が提供される。アクチュエーター70(回転スリーブ)を回転させて、アトマイザー12をアトマイザー着座部66から解放/係止解除し、被付勢当接面により、アトマイザー12がアトマイザー着座部66から取り出される。すなわち、第1の突起126と第2の突起128とが整合され、その結果、第1の突起126がアトマイザー着座部66内のアトマイザー12にもはや係止しなくなったときに、圧縮が解除されて付勢部材74が圧縮状態から平衡状態に移行するにつれて、付勢部材74が付与する付勢により、アトマイザー12がアトマイザー着座部66から押し出される。
【0088】
液体漏れのリスクを低減するために、マウスピース部分4が電源部分6に接続されたときに液体貯蔵部10からアトマイザー12への液体の流れを止めることができることも有利である。例えば、航空機に乗って旅行する場合、高高度での周囲空気の低圧は、高度の上昇に応じて液体貯蔵部内の空気を膨張させる。これにより、液体貯蔵部10からアトマイザー12に液体がより大きな力で放出される。同時に、周囲の空気によりもたらされる抵抗が小さく、それゆえ、高度では流動抵抗が低減されるので、液体貯蔵部10内の液体が液体貯蔵部10からより容易に流出することができる。
【0089】
再び
図2aを参照すると、液体貯蔵部10は、アトマイザー12と蒸気管30とを介してマウスピース8における蒸気出口9に流体的に接続される。よって、液体は、蒸気流路内に漏れることがあり、マウスピース8の外に漏れる可能性もある。液体は、蒸気管30内に漏れただけでも、ユーザがマウスピース8から吸入したときに未気化の液体としてユーザに達する可能性がある。追加的に、アトマイザー12内の流体移送要素は、過飽和状態になる可能性があり、電子タバコは、次回に電子タバコ2が使用されるときに、未気化の液体の突出を形成し得る。
【0090】
図8a~
図8c及び
図9a~
図9cに図示するように、漏れ防止システムの別の実施形態を提供することができる。マウスピース部分4は、弁40に関して前述した実施形態と同じように構成される。しかしながら、後に説明するように、電源部分6の近位端部は異なる。
【0091】
漏れ防止システムには、マウスピース部分4の弁40及びアトマイザー係止部120の構成要素を容易に設けることができる。漏れ防止システムは、アトマイザーの弁係合部分12aが液体貯蔵部10内に位置したときに弁40が開放されるという認識に基づいている。アトマイザーの弁係合部分12aが液体貯蔵部10内に位置したときに、弁閉鎖部材44は、出口7が開放されるように封止面43から解放される。よって、弁40は、気化器12が液体貯蔵部10の弁閉鎖部材44との係合から取り外されたときに閉鎖される。
【0092】
しかしながら、マウスピース部分4を取り外すのではなくむしろ、アトマイザー12がもはや液体貯蔵部10内に延びないように、アトマイザー12を電源部分6内に引き込むことができる。よって、電源部分6からマウスピース部分4を分離せずに、弁40をアトマイザー12から解放して閉鎖することができる。
【0093】
電源部分6の近位端部分は、内側スリーブ222と外側スリーブ224とを備える。外側スリーブ224は、回転可能なスリーブ70の形態のアクチュエーター70をさらに備える。回転可能なスリーブ70は、内側スリーブ222に動作可能に結合される。例えば、回転可能なスリーブ70は、アクチュエーター70の内側に位置する従動ピン71と、外側スリーブ224に位置するねじ山73とにより、内側スリーブ222に動作可能に結合される。
【0094】
図8a~
図8c、
図9a~
図9c及び
図12a~
図12cに見られるように、電子タバコ2には、内側スリーブ222を延出位置と引込位置との間で軸方向に変位させるように構成された、案内構成500がさらに設けられてもよい。
【0095】
図示の実施形態では、案内構成500は、軸方向に変位可能な内側スリーブ222と、軸方向溝93の内側に位置する第1の部分を備えたピン71と、アクチュエーター70’の内側の案内ねじ山95の内側に位置する第2の部分とを備える。よって、案内構成500は、アクチュエーター70の回転変位を内側スリーブ222の直線(すなわち、軸方向)変位に変換するように構成される。
【0096】
したがって、内側スリーブ222は、延出位置と引込位置との間で電源部分6内を軸方向に移動可能である。
【0097】
アクチュエーター70を回転させたときに、ピンにより、アトマイザー12の軸方向位置を変化させるようにねじ付きスリーブが第1の方向又は第2の方向に押し出される。したがって、アトマイザー12が液体貯蔵部内に延びるようにアトマイザー12を位置決めすることができ、又はアトマイザー12が弁40を作動させず弁40が閉鎖されたままであるようにアトマイザー12を移動させる。
【0098】
しかしながら、図示しない実施形態では、アクチュエーター70が電源部分の軸長手方向に直線的に変位可能であり且つ内側スリーブを軸方向に移動させるように構成されることも可能である。
【0099】
延出位置では(すなわち、動作位置では)、
図8bに示すように、アトマイザー12は、液体貯蔵部10とアトマイザー12との流体接続が確立されるように、液体貯蔵部10内に部分的に延びる。引込位置では、
図8cに図示するように、アトマイザー12は、アトマイザー12が弁閉鎖部材44にもはや当接しないように電源部分6の本体内に引き込まれる。引込位置では、液体貯蔵部10の底部における液体出口7が閉鎖される。よって、アトマイザーが内側スリーブ222に接続されたときに、軸方向変位機構はまた、アトマイザー12が延出位置と引込位置との間で移動できるようにする。
【0100】
図8a~
図8cに示す図示の実施形態では、アトマイザー12上の係合要素81は、環状溝81の形態とすることができ、環状溝81は、弁係合部分12aを備えるアトマイザー12の端部側の上縁部82と、着座部分12bを備えるアトマイザーの端部側の下棚部83とを画定する。内側スリーブ122には、留め具128の形態のコネクタ128が設けられる。好ましい実施形態では、複数の留め具128が設けられる。複数の留め具128は、アトマイザー12を内側スリーブ122に確実に接続できるように、留め具とアトマイザー12との良好な接続を提供する。留め具128は、アトマイザー受入端部におけるスリーブまで径方向内方に延びる突起128aを備えた細長い弾性部材として構成される。留め具は、突起128aがアトマイザー12の環状溝81内に位置決めされて下縁部83に当接するように、アトマイザー12が内側スリーブ222内に押し込まれたときに、アトマイザー12の下縁部83の上で弾性変形し、それにより、アトマイザー12が内側スリーブ222内に係合されるように、アトマイザーを内側スリーブ222内に留め付ける。外側スリーブ124は、留め具128を電源部分6の軸方向に案内するように構成された軸方向スロット232が設けられる。
図8a~
図8c及び
図9a~
図9cの実施形態における電子タバコ2にはまた、内側スリーブ222に対してアトマイザーを係止又は保持する留め具128と移動可能な被付勢当接面72との組み合わせによりアトマイザー取出機構800が設けられてもよい。このように、アトマイザー取出機構800は、選択的にアトマイザー12を保持/係止し且つアトマイザー12を取り出すように構成される。
【0101】
被付勢当接面72は、付勢部材74と保持フランジ225と静止付勢面Sとにより付勢される。圧縮ばねとすることができる、付勢部材74は、被付勢面72と静止付勢面Sとの中間に配置される。付勢面72と静止付勢面Sとの間の距離が変化するにつれて、付勢部材74の圧縮レベルが変化する。
【0102】
図8aに見られるように、アトマイザー12が内側スリーブ222内に押し込まれたときに、アトマイザー12の底部分は、被付勢当接面72に係合することができる。内側スリーブ222は、被付勢当接面72を内側スリーブ222と共に電源の本体内に引き込むことができるように、フランジ225を介して被付勢当接面72に係合することができる。フランジ225は、被付勢当接面72が電源部分6内に引き込まれるときに被付勢当接面72が内側スリーブ222と一体に移動できるようにする。
【0103】
図8aに示すように、アトマイザー12が内側スリーブ222に係合される前には、付勢部材74は圧縮されない。被付勢当接面72は付勢面Sに押し付けられず、付勢部材74は圧縮を受けない。しかしながら、
図8bに示すように、動作モードにおいてアトマイザー12が内側スリーブ222内に押し込まれて係合されたときに、被付勢当接面72が付勢面Sに向けて押圧され、被付勢当接面72と付勢面Sとの間の付勢部材74に圧縮が加えられる。
【0104】
図8cに示すように、内側スリーブ222を外側スリーブ224内に引き込むことができる。内側スリーブ222は、アトマイザー12を留め付けるので、内側スリーブ222が引き込まれたときに、内側スリーブ222が、マウスピース部分から離れるようにアトマイザー12を外側スリーブ内に引き込む。結果として、アトマイザー12の弁係合部分12aがマウスピース部分4の弁閉鎖部材44にもはや係合せず、マウスピース部分4の付勢部材42が閉鎖部材44を閉鎖位置に付勢し、それにより、マウスピース部分4の液体貯蔵部10の液体開口部を閉鎖する。アトマイザー12が引き込まれたときに、外側スリーブ224の隆起部127がアトマイザー12の環状溝の上棚部82に係合し、それにより、アトマイザーをさらに引き込むことができないような停止位置を提供する。内側スリーブ222のさらなる引き込みと相まって、隆起部127に対する上棚部82の当接により、十分な強さの力が加えられたときに留め具128が下棚部83の上で弾性変形し、それにより、内側スリーブ222からアトマイザー12が解放される。留め具128の突起128aが下棚部83を越えて移動すると、この移動により、アトマイザー12の弁係合部分12aがマウスピースの閉鎖部材から引き込まれたときに電子タバコ内の弁が閉鎖されたことを示す触覚フィードバックがユーザに対して生成される。内側スリーブ222が外側スリーブ224内にさらに移動したときに、付勢面Sが付勢部材74にもはや接触しなくなり、それにより、被付勢当接面72がアトマイザー12にもはや放出力を加えなくなる。アトマイザー12は、付勢部材74から圧縮力を好適に除去するのに十分に付勢面Sが引っ込む前に、内側スリーブ222から係合解除される。これは、要素77上に配置された付勢面Sが引っ込む前に引っ込む内側スリーブ222により、又は同時に引っ込むが、内側スリーブ222よりもゆっくりと引っ込む、要素77上に配置された付勢面Sにより達成することができる。
【0105】
マウスピース部分が取り外され、且つ内側スリーブ222が引き込まれた場合に、結果として起こる、隆起部127に対する上棚部82の当接により、留め具128が下棚部83の上で弾性変形し、それにより、内側スリーブ222からアトマイザー12が係合解除され、アトマイザーの取り出しが達成される。上述のように、アトマイザー12は、アトマイザーが係合解除されたときに付勢部材がまだ圧縮力を受けるように、付勢面が付勢部材から係合解除される前又は係合解除されるのと同時に、内側スリーブ222から係合解除される。アトマイザーが内側スリーブから係合解除された結果として、圧縮により付勢部材74が被付勢当接面72に加える付勢力が解放され、アトマイザー12が電源部分から取り出される。有利には、フランジ又は静止面225は、取り出し中に被付勢当接面に係合して、被付勢当接面自体も取り出されることを防止する。
【0106】
図8cに図示するように、被付勢当接面72は、内側スリーブ222が引込位置にあるときにアトマイザー12の底部分との係合から解放することができる。被付勢面は、被付勢面として構成された閉鎖端部と、ばねが外に出る開放端部とを有する円筒として成形することができる。被付勢当接面72は、静止面225に当接する下端部を有する。静止面は、電源部分6内の同じ位置に留まる。円筒の開放端部にはフランジを設けることができる。円筒は、内側スリーブ122と一体に軸方向に移動するように構成される。それゆえ、内側スリーブには、円筒フランジ部分の垂直上方に位置する当接部225を設けることができる。アトマイザー12が完全引込位置に置かれると、被付勢当接面72が引き込まれてアトマイザーの底部分にはもはや接触しなくなる。被付勢当接面72は、電気端子として構成することができる。したがって、端子は、内側スリーブ222を外側スリーブ224から外方に延出させたときに、アトマイザー12の対応する電気接続部分に抗して付勢される。有利には、内側スリーブが引き込まれて、被付勢当接面72がアトマイザーの底部分にもはや接触していないときに、アトマイザーが電気端子から電気的に分離され、それにより、不使用時に意図せずにアトマイザーがオンにされないことを確実にする。
【0107】
アトマイザー12を内側スリーブ222と再び係合させるために、留め具が環状溝81内でアトマイザー12と再び係合するように留め具128を外側スリーブ224から外方に延出させるために内側スリーブ222をアトマイザー12に抗して上方に延出させることができる。アトマイザー12の弁係合部分12aがマウスピース部分4に当接し、アトマイザー12に対抗する力が加わる。これにより、アトマイザー12が留め具128により再び保持されるように、留め具128の突起128aが下棚部83を越えてアトマイザーの環状溝81内に移動する。留め具128の突起128aが再び下棚部83を越えて移動すると、この移動により、アトマイザー12の弁係合部分12aを再び延出させてマウスピースの閉鎖部材を開放位置に付勢したときに電子タバコ内の弁が再び開放されたことを示す触覚フィードバックがユーザに対して生成される。
【0108】
内側スリーブ222は、被付勢面72からの付勢力が留め具128の径方向付勢力を上回るように、外側スリーブ224に対して軸方向にさらに移動させることができる。よって、取出面からの付勢力が留め具128の径方向付勢力を上回ったときに、アトマイザー12がアトマイザー着座部66から取り出される。したがって、内側スリーブ122は、留め具128がアトマイザー12の下棚部83に係合してアトマイザー12を電源部分6内にさらに軸方向に移動させたときにアトマイザー12を把持するように構成される。
【0109】
マウスピース部分4の弁40と相互作用するように構成される液体貯蔵部10に補充するための漏れ低減システムを提供することも有利である。
図10a~
図10dは、本発明の前述のマウスピース部分4と一緒に使用されるように構成された補充ボトル90を図示する。補充ボトル90は、液体リザーバー92と、液体移送構成96とを備える。補充ボトル90はまた、液体移送構成96を保護するためのキャップ94を備え得る。液体リザーバー92は、好ましくは、液体リザーバー92を圧搾して液体を放出できるように可撓性材料から作製される。この補充ボトル90により、液体貯蔵部内の液体と空気の体積を均衡させることができる。
図10a~
図10dに図示するように、液体移送構成96は、ハウジング98と、リザーバー接続部分99と、補充用弁100とを備える。補充用弁100は、ハウジング98内を軸方向に移動可能なプランジャー106を有する。液体移送構成96は、例えば超音波熱処理により補充ボトル90に固定して接続することができる。代替的に、液体移送構成96は、(図に見られるような)ねじ付き接続部160により液体リザーバー92に着脱可能に接続することができる。
【0110】
プランジャー106は、液体吐出部分108として構成された第1の端部と、液体取入部分112として構成された第2の端部とを有する。液体吐出部分108は、ハウジングの外側に位置し、且つ電子タバコ2のマウスピース部分(補充側)4に挿入可能であるように構成される。液体取入部分112は、プランジャー106の反対側の端部におけるハウジングの内側に位置する。
【0111】
液体取入部分112は、少なくとも1つの液体入口114を備える。液体取入部分における液体入口は、液体リザーバー92と流体連通している。液体吐出部分108は、少なくとも1つの液体出口110を備える。液体出口110は、電子タバコ2におけるマウスピース部分4の液体貯蔵部10内に液体を吐出するように構成される。液体入口114及び液体出口110は、プランジャー106内で液体入口114と液体出口110とを接続する流路107により流体連通している。有利には、補充ボトル90を圧搾して逆さまに保持することにより、液体を放出することができる。
【0112】
プランジャー106は、延出位置と押下位置との間でボトル90の軸方向に移動するように構成される。延出位置では、プランジャー106は、液体入口112、114が閉鎖されるようにハウジング98から外に最大限に延びており、引込位置では、プランジャー106は、液体入口114がリザーバー92内の液体と流体連通するように、付勢部材104に抗してハウジング98内に引き込まれる。プランジャー106は、プランジャー106を延出位置に付勢するように構成される付勢部材104に接続される。したがって、延出位置は、プランジャー106の静止位置である。付勢部材104は、圧縮ばね又は任意の伸縮弾性材料とすることができる。付勢力を上回る軸方向力を加えることにより、プランジャー106を押し下げることができ、それにより、補充ボトル90が開放される。
【0113】
補充ボトルの弁及びマウスピース部分が正しい軸方向位置にあることを確実にするために、補充中に補充ボトル90をマウスピース部分4に固定して接続することが望ましい。それゆえ、補充ボトル90のハウジング98及びマウスピース部分4は、相互係合係止機構をさらに備え得る。係止機構は、補充中にマウスピース部分と補充用ボトルとを着脱可能に接続するように構成される。相互係合係止構成は、バヨネット継手として構成されてもよい。それゆえ、流体移送構成のハウジングには、係止ピンなどの、係止要素115が設けられてもよい。図示の実施形態では、係止ピン115は、(ボトルの軸方向に対して)横方向に延びてもよい。それゆえ、電子タバコのマウスピース部分には、前進する切り欠き及び溝が設けられる。代替的に、図示しない実施形態では、相互係合係止構成は、ねじ接続部として設けられてもよい。
【0114】
図11a~
図11dに最も良く見られるように、マウスピース部分4と液体移送構成96とが接続されたときに、マウスピース部分4と補充ボトル90との流体接続が確立される。
【0115】
(マウスピース部分4と液体移送構成96とが接続されていないときの)静止位置では、液体貯蔵部10と補充用弁の両方が閉鎖位置に付勢される。しかしながら、液体貯蔵部の弁40及び補充ボトルの弁100は、補充ボトル90とマウスピース部分4とが互いに係合されたときに開放される。補充ボトル90のプランジャー106は、マウスピース部分4内の弁40の閉鎖部材44との係合により押し下げることができる。同じ方法で、マウスピース部分4内の閉鎖部材44を、液体貯蔵部10の底面S2における液体開口部7のような封止面から上方に離間移動させる。
【0116】
マウスピース部分の液体貯蔵部内に流入しない余分な液体の漏れ又は排出を回避する目的で、補充ボトル90内の弁が開放される度に液体を受け入れるために、マウスピース部分4の液体貯蔵部10は補充ボトル90よりも長く開放したままであることが望ましい。
【0117】
この趣旨で、マウスピース部分4内の液体貯蔵部10のばね係数は、液体貯蔵部10が補充ボトル90よりも先に開放し且つ補充ボトル90よりも後に閉鎖するように、補充容器90のばね係数よりも小さいばね係数とすることができる。例示的な実施形態では、液体補充ボトルのばね係数は3N/mmであり、且つマウスピースの液体貯蔵部のばね係数は1.145N/mmである。
【0118】
液体入口114は、好ましくは、プランジャー106の軸方向に対して横方向にある。ハウジング98は、ハウジングの内周に配置された環状シールをさらに備える。シールは、プランジャー106が静止位置にあるときの液体入口の位置と一致する軸方向位置に設けられる。よって、液体入口は、プランジャーが延出位置にあるときにシールにより閉鎖される。
【0119】
プランジャー106における液体出口110もまた、プランジャー106の軸方向に対して横方向にあるものとすることができる。したがって、最上部分は、閉鎖部材44の底部フランジに当接するように構成される。液体通路は、スリーブを上方に移動させたときに液体貯蔵部10の水平方向に形成される。液体出口が横方向に配置されることにより、液体貯蔵部内に液体が自由に流れることができる。
【0120】
プランジャー106の液体吐出部分は、液体出口110と液体入口114との軸方向間に位置する環状シール113をさらに備え、シール113は、マウスピース部分の内部ハウジングに封着するように構成される。
【0121】
周知のプロセス及び要素は、詳細に説明されておらず、簡潔にするために省略され得ることが理解されるであろう。具体的なステップ、構造、及び材料は、例として、説明されている。しかしながら、本開示は、これらの具体例に限定されるものではない。説明した具体的な特徴のいくつかが周知の代替案の代わりに使用され得ることと、説明した方法ステップを必ずしも例として与えられた順番で実施しなくてもよいことが分かるであろう。
【0122】
本開示では、多くの個別の実施形態を説明してきた。しかしながら、異なる実施形態の特徴は、考えられる任意の順序で組み合わされ得ることが理解されるであろう。他の変更、置換、改変も、特許請求の範囲から逸脱することなく可能である。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウスピース部分と電源部分とを備える電子タバコであって、前記電源部分は、
アトマイザーを受け入れるように構成されたアトマイザー着座部と、
前記アトマイザー着座部内に位置し且つ開放位置と係止位置との間で移動可能なアトマイザー係止部であって、前記アトマイザー係止部は、前記アトマイザーが前記アトマイザー着座部内に受け入れられたときに前記アトマイザーを選択的に把持するように且つ前記アトマイザー着座部から前記アトマイザーを解放するように構成され、前記アトマイザー係止部は、外側スリーブと、前記外側スリーブに対して回転可能である、内側スリーブと、前記アトマイザーを把持又は解放するために前記外側スリーブに対して前記内側スリーブを選択的に回転させるように構成されたアクチュエーターとを含み、前記アトマイザーは前記内側スリーブと一体に回転するように構成される、前記アトマイザー係止部と、
引込位置と延出位置との間で前記アトマイザー着座部内を移動可能な被付勢取出面を備える取出機構であって、前記取出面は前記延出位置に向けて付勢される、前記取出機構とを備え、
前記取出機構は、アトマイザーが前記アトマイザー着座部内に導入されたときに前記引込位置に移動可能であり、且つ前記アトマイザー係止部は、前記アトマイザーを把持して前記アトマイザーを固定位置に保持するように構成され、並びに前記アトマイザーは、前記アトマイザー係止部が開放されたときに前記アトマイザー着座部から取り出される、
電子タバコ。
【請求項2】
前記アトマイザーは、前記外側スリーブに対する前記内側スリーブの回転位置に応じて把持又は解放される、請求項1に記載の電子タバコ。
【請求項3】
前記内側スリーブと係合するように構成された第1の係合要素と、前記外側スリーブと係合するように構成された第2の係合要素とを備えるアトマイザーをさらに備える、請求項1に記載の電子タバコ。
【請求項4】
前記第2の係合要素は環状フランジであり、且つ前記第1の係合要素は、前記フランジを貫通する軸方向のキー溝を画定する、前記環状フランジにおけるスロット又は切り欠きである、請求項3に記載の電子タバコ。
【請求項5】
前記内側スリーブは第2の突起を備え、且つ前記外側スリーブは第1の突起を備え、前記第1の突起及び前記第2の突起は、前記アトマイザー着座部内に径方向内方に延び、並びに前記外側スリーブにおける前記第1の突起は、前記アトマイザーの前記キー溝が前記第1の突起と前記第2の突起とを軸方向に通り越して前記アトマイザーを前記アトマイザー着座部内に収容できるように、前記アクチュエーターの回転時に前記第2の突起と整合させることができる、請求項4に記載の電子タバコ。
【請求項6】
前記第1の突起は、前記環状フランジと整合されるように軸方向に位置決めされ、且つ前記第2の突起は、前記環状フランジが前記第2の突起よりも下を通過できるように前記第1の突起よりも上になるように軸方向に位置決めされ、
前記アトマイザーの前記環状フランジは、前記アトマイザーが前記アトマイザー着座部から解放されるように前記第1の突起と前記第2の突起とが互いに整合されたときに、前記アトマイザー着座部から係止解除され、且つ
前記アトマイザーの前記環状フランジは、前記第2の突起が前記環状フランジよりも上に位置決めされて前記環状フランジに当接するように前記第1の突起と前記第2の突起とが互いに整合されないときに、前記アトマイザー着座部内に係止される、請求項5に記載の電子タバコ。
【請求項7】
前記内側スリーブは1つ又は複数の弾性舌部を備え、且つ前記外側スリーブは、前記1つ又は複数の弾性舌部を収容するように構成されたスロットを備える、請求項1に記載の電子タバコ。
【請求項8】
前記1つ又は複数の弾性舌部は、閾値レベルを超えるトルクが前記内側スリーブに加わったときに前記1つ又は複数の弾性舌部が前記スロットの内外に移動できるようにするための自由案内端部を備える、請求項7に記載の電子タバコ。
【請求項9】
前記アトマイザーが前記アトマイザー係止部から解放されたときに、前記アトマイザーが取り出されるように、前記アトマイザーは、前記アトマイザー着座部から外れる方向に付勢される、請求項1に記載の電子タバコ。
【請求項10】
前記電源部分は、前記電源部分内の静止面に抗して付勢されて、前記取出機構に付勢を与える付勢部材をさらに備える、請求項1に記載の電子タバコ。
【国際調査報告】