(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】交互配置された光源及びそれらを用いる方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/17 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
G01N21/17 620
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530862
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 US2019063390
(87)【国際公開番号】W WO2020112864
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521193441
【氏名又は名称】スペクトラウェーブ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】セイファート, マーティン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, ジェイムズ イー.
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059EE02
2G059FF02
2G059GG03
2G059KK01
2G059MM01
(57)【要約】
本明細書では、交互配置された光源を伴うシステム及びそれらを用いる方法について説明する。いくつかの実施形態では、システムが、それぞれ明相及び暗相を有する複数の光源を含み、システムは、複数のうちの第1の光源及び第2の光源に対して、第1の光源の明相が第2の光源の暗相の間に生じるように、配置及び構成されている。いくつかの実施形態では、方法例は、第2の光源の暗相の間に第1の光源から光を与えることを含んでいる。方法例はさらに、第1の光源の暗相の間に第2の光源から光を与えることを含んでいてもよい。第1及び/または第2の光源は掃引光源または広帯域光源であってもよい。第1及び/または第2の光源はレーザであってもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ明相及び暗相を有する複数の光源を含むシステムであって、前記システムは、前記複数の光源のうちの第1の光源及び第2の光源に対して、前記第1の光源の前記明相が前記第2の光源の前記暗相の間に生じるように、配置及び構成されている前記システム。
【請求項2】
前記システムは、前記第2の光源の前記明相が前記第1の光源の前記暗相の間に生じるように、配置及び構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記第1の光源の前記明相が前記第2の光源の前記暗相と一致し、前記第1の光源の前記暗相が前記第2の光源の前記明相と一致するように、配置及び構成されている請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の光源に対する前記暗相は循環相を含む請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の光源に対する前記暗相は前記循環相である請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記掃引光源は、その発光する波長帯域が、動脈プラークを(たとえば、前記帯域を通して掃引することによって)特性評価するための特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)ように構成及び配置されている請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記特性評価ピークは約1300nm(たとえば、約1280nm~約1320nmの範囲にある)請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記掃引光源は、第2の光源波長帯域内で掃引するように動作可能であり、前記第2の光源波長帯域は300nmを超えない範囲である(たとえば、前記第2の光源波長帯域の中心発光波長は約1100nm~約1400nmの範囲である)請求項7~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記波長帯域は150nmを超えない範囲である請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の光源は、200nmを超えない(たとえば、125nmを超えない)範囲の第1の光源波長帯域内で発光するように動作可能な掃引光源レーザである(たとえば、前記第1の光源の前記第1の光源波長帯域の中心発光波長は、約1100nm~約1400nmの範囲である)先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の光源波長帯域は、動脈プラークを特性評価するための第1の供給源特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)(たとえば、前記第1の供給源特性評価ピークは約1200nmである)請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の光源は広帯域光源である(たとえば、加えて前記第2の光源は広帯域光源である)[たとえば、加えて前記第2の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である]請求項1~3及び7~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記広帯域光源は、150nmの範囲内の複数の波長を有する(たとえば、動脈プラークを特性評価するための1つ以上の特性評価ピークを含む)光を放出する請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の特性評価ピークは約1200nmのピークを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは前記第1の光源及び前記第2の光源に対する共通のプローブを含み、前記共通のプローブは光ファイバを含む先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムは、(i)前記光ファイバのクラッディングを介して前記第1の光源をもたらし、前記光ファイバのコアを介して前記第2の光源をもたらすか、(ii)前記光ファイバのクラッディングを介して前記第2の光源をもたらし、前記光ファイバのコアを介して前記第1の光源をもたらすか、または(iii)前記光ファイバのコアを介して前記第1の光源と前記第2の光源との両方をもたらすように動作可能である請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
光を前記第1の光源及び前記第2の光源から前記共通のプローブへ伝達するように配置及び構成された回転接合器を含み、前記共通のプローブは自由に回転可能である請求項17または請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは光コヒーレンストモグラフィ(OCT)サブシステムを含み、前記光コヒーレンストモグラフィサブシステムはOCT検出器と前記第2の光源とを含んでいる先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムは近赤外分光法(NIRS)サブシステムを含み、前記近赤外分光法サブシステムはNIRS検出器と前記第1の光源とを含む先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは、心臓カテーテルとして動作可能なように配置及び構成されている先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記システムは、(i)前記第1の光源の前記明相と前記暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの第1の光源交互周波数において生じるように、(ii)前記第2の光源の前記明相と前記暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの第2の光源交互周波数において生じるように、または(iii)(i)及び(ii)の両方が生じるように構成及び配置されている先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の光源交互周波数は少なくとも10kHzであり、前記第2の光源交互周波数は少なくとも10kHzである請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数の光源は第3の光源を含み、前記システムは、前記第1の光源の前記暗相と前記第2の光源の前記暗相とが部分的に一致して、前記第1の光源及び前記第2の光源に対する共通の暗時間を規定し、前記第3の光源の前記明相が前記共通の暗時間の間に生じるように、配置及び構成されている先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
第1の特性評価技術に対応する第1の信号を検出するように配置及び構成された第1の検出器と、第2の特性評価技術に対応する第2の信号を検出するように配置及び構成された第2の検出器とを含み、前記第1の信号は、少なくとも部分的に前記第1の光源からの光を用いて生成され、前記第2の信号は、少なくとも部分的に前記第2の光源からの光を用いて生成される先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1の検出器はOCT検出器であり、前記第2の検出器はNIRS検出器である請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1の光源とは前記第2の光源とは実質的に同様である先行請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
第2の光源の暗相の間に、第1の光源から第1の光を(たとえば、サンプルに)与える(たとえば、放出する)ことを含む方法。
【請求項30】
前記第1の光源の暗相の間に、前記第2の光源から第2の光を(たとえば、前記サンプルに)与える(たとえば、放出する)ことをさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の光源は、前記第2の光源の前記暗相の全体にわたって前記第1の光を与える請求項29または請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の光源は、前記第1の光源の前記暗相の全体にわたって前記第2の光を与える請求項30または請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第2の光源の前記暗相の間に前記第2の光源を循環させることを含む請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の光源の前記暗相の間に前記第1の光源を循環させることを含む請求項30~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも部分的に前記第1の光を用いて生成された第1の信号を、第1の検出器を介して受け取ることを含む請求項29~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の信号は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)信号である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも部分的に前記第2の光を用いて生成された第2の信号を、第2の検出器を介して受け取ることを含む請求項30~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の信号は近赤外分光(NIRS)信号である請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の光源及び前記第2の光源に対する共通のプローブを通して前記第1の光を伝達することを含む請求項29~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記共通のプローブを回転させる(たとえば、前記共通のプローブは回転接合器と光通信している)ことを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
カテーテル(たとえば、心臓カテーテル)は、前記第1の光源と前記第2の光源と前記共通のプローブとを含む請求項39及び40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の光を用いてイメージング(たとえば、OCT)を行う請求項29~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の光を用いて分光法(たとえば、NIRS)を行う請求項29~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の光源に対する暗相及び前記第2の光源に対する前記暗相の間に、第3の光源から第3の光を与える(たとえば、放出する)ことを含む請求項29~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)である請求項29~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の光源は広帯域光源である請求項29~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)である請求項29~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の光源は広帯域光源である請求項29~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記方法を請求項1~28のいずれか1項に記載のシステムを用いて行う請求項29~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
サンプルを特性評価するためのシステムであって、前記システムは、それぞれ明相及び暗相を有する複数の光源を含み、前記システムは、前記複数の光源のうちの第1の光源及び第2の光源に対して、前記第1の光源の前記明相が前記第2の光源の前記暗相の間に生じるように、配置及び構成され、各光源は特性評価技術用の光を与えるためのものである前記システム。
【請求項51】
前記システムは、前記第2の光源の前記明相は前記第1の光源の前記暗相の間に生じるように、配置及び構成されている請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記システムは、前記第1の光源の前記明相が前記第2の光源の前記暗相と一致し、前記第1の光源の前記暗相が前記第2の光源の前記明相と一致するように、配置及び構成されている請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である請求項50~52のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の光源に対する前記暗相は循環相を含む請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の光源に対する前記暗相は前記循環相である請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第2の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である請求項50~55のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項57】
前記掃引光源は、その発光する波長帯域が、動脈プラークを(たとえば、前記帯域を通して掃引することによって)特性評価するための特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)ように構成及び配置されている請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記特性評価ピークは約1300nm(たとえば、約1280nm~約1320nmの範囲である)請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記掃引光源は、第2の光源波長帯域内で掃引するように動作可能であり、前記第2の光源波長帯域は300nmを超えない範囲である(たとえば、前記第2の光源波長帯域の中心発光波長は約1100nm~約1400nmの範囲である)請求項56~58のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項60】
前記波長帯域は150nmを超えない範囲である請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記第1の光源は、200nmを超えない(たとえば、125nmを超えない)範囲の第1の光源波長帯域内で発光するように動作可能な掃引光源レーザである(たとえば、前記第1の光源の前記第1の光源波長帯域の中心発光波長は、約1100nm~約1400nmの範囲である)請求項50~60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項62】
前記第1の光源波長帯域は、動脈プラークを特性評価するための第1の供給源特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)(たとえば、前記第1の供給源特性評価ピークは約1200nmである)請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記第1の光源は広帯域光源である(たとえば、加えて前記第2の光源は広帯域光源である)[たとえば、加えて前記第2の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である]請求項50~52及び56~60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項64】
前記広帯域光源は、150nmの範囲内の複数の波長を有する(たとえば、動脈プラークを特性評価するための1つ以上の特性評価ピークを含む)光を放出する請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記1つ以上の特性評価ピークは約1200nmのピークを含む請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記システムは前記第1の光源及び前記第2の光源に対する共通のプローブを含み、前記共通のプローブは光ファイバを含む請求項50~65のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項67】
前記システムは、(i)前記光ファイバのクラッディングを介して前記第1の光源をもたらし、前記光ファイバのコアを介して前記第2の光源をもたらすか、(ii)前記光ファイバのクラッディングを介して前記第2の光源をもたらし、前記光ファイバのコアを介して前記第1の光源をもたらすか、または(iii)前記光ファイバのコアを介して前記第1の光源と前記第2の光源との両方をもたらすように動作可能である請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
光を前記第1の光源及び前記第2の光源から前記共通のプローブへ伝達するように配置及び構成された回転接合器を含み、前記共通のプローブは自由に回転可能である請求項66または請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記システムは光コヒーレンストモグラフィ(OCT)サブシステムを含み、前記光コヒーレンストモグラフィサブシステムはOCT検出器と前記第2の光源とを含んでいる請求項50~68のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項70】
前記システムは近赤外分光法(NIRS)サブシステムを含み、前記近赤外分光法サブシステムはNIRS検出器と前記第1の光源とを含む請求項50~69のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項71】
前記システムは、心臓カテーテルとして動作可能なように配置及び構成されている請求項50~70のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項72】
前記システムは、(i)前記第1の光源の前記明相と前記暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの第1の光源交互周波数において生じるように、(ii)前記第2の光源の前記明相と前記暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの第2の光源交互周波数において生じるように、または(iii)(i)及び(ii)の両方が生じるように構成及び配置されている請求項50~71のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項73】
前記第1の光源交互周波数は少なくとも10kHzであり、前記第2の光源交互周波数は少なくとも10kHzである請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記複数の光源は第3の光源を含み、前記システムは、前記第1の光源の前記暗相と前記第2の光源の前記暗相とが部分的に一致して、前記第1の光源及び前記第2の光源に対する共通の暗時間を規定し、前記第3の光源の前記明相が前記共通の暗時間の間に生じるように、配置及び構成されている請求項50~73のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項75】
第1の特性評価技術に対応する第1の信号を検出するように配置及び構成された第1の検出器と、第2の特性評価技術に対応する第2の信号を検出するように配置及び構成された第2の検出器とを含み、前記第1の信号は、少なくとも部分的に前記第1の光源からの光を用いて生成され、前記第2の信号は、少なくとも部分的に前記第2の光源からの光を用いて生成される請求項50~74のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項76】
前記第1の検出器はOCT検出器であり、前記第2の検出器はNIRS検出器である請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記第1の光源とは前記第2の光源とは実質的に同様である請求項50~76のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項78】
サンプルを特性評価するための方法であって、前記方法は、第2の光源の暗相の間に、第1の光源から第1の光をサンプルに与える(たとえば、放出する)ことを含み、前記第1の光源から与えられる光を第1の特性評価技術において使用し、前記第2の光源から与えられる光を第2の特性評価技術において使用する前記方法。
【請求項79】
前記第1の光源の暗相の間に、前記第2の光源から第2の光を(たとえば、前記サンプルに)与える(たとえば、放出する)ことをさらに含む請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第1の光源は、前記第2の光源の前記暗相の全体にわたって前記第1の光を与える請求項78または請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記第2の光源は、前記第1の光源の前記暗相の全体にわたって前記第2の光を与える請求項79または請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記第2の光源の前記暗相の間に前記第2の光源を循環させることを含む請求項78~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記第1の光源の前記暗相の間に前記第1の光源を循環させることを含む請求項80~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
少なくとも部分的に前記第1の光を用いて生成された第1の信号を、第1の検出器を介して受け取ることを含む請求項78~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記第1の信号は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)信号である請求項84に記載の方法。
【請求項86】
少なくとも部分的に前記第2の光を用いて生成された第2の信号を、第2の検出器を介して受け取ることを含む請求項79~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記第2の信号は近赤外分光(NIRS)信号である請求項86に記載の方法。
【請求項88】
サンプルを処置するためのシステムであって、前記システムは、それぞれ明相及び暗相を有する複数の光源を含み、前記システムは、前記複数の光源のうちの第1の光源及び第2の光源に対して、前記第1の光源の前記明相が前記第2の光源の前記暗相の間に生じるように、配置及び構成され、前記複数の光源のうちの少なくとも1つは、前記サンプルの処置用のエネルギーを与えるように動作可能である(たとえば、加えて前記第1及び第2の光源のうちの少なくとも一方が特性評価技術用の光を与えるためのものである)前記システム。
【請求項89】
(i)前記第1の光源は前記サンプルの処置用のエネルギーを与えるように動作可能であるか、(ii)前記第2の光源は前記サンプルの処置用のエネルギーを与えるように動作可能であるか、または(iii)(i)及び(ii)の両方である請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
(i)前記第1の光源は、焼灼源、凝固源、切断源、石灰化源、及び加熱源のうちの1つ以上であるか、(ii)前記第2の光源は、焼灼源、凝固源、切断源、石灰化源、及び加熱源のうちの1つ以上であるか、または(i)及び(ii)の両方である請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
(i)前記第1の光源は前記サンプルの凍結を制御するためのエネルギーを与えるように動作可能であるか、(ii)前記第2の光源は前記サンプルの凍結を制御するためのエネルギーを与えるように動作可能であるか、または(iii)(i)及び(ii)の両方である請求項89に記載のシステム。
【請求項92】
前記システムは、前記第2の光源の前記明相が前記第1の光源の前記暗相の間に生じるように、配置及び構成されている請求項88~91のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項93】
前記システムは、前記第1の光源の前記明相が前記第2の光源の前記暗相と一致し、前記第1の光源の前記暗相が前記第2の光源の前記明相と一致するように、配置及び構成されている請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
前記第1の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である請求項88~93のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項95】
前記第1の光源に対する前記暗相は循環相(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)を含む請求項94に記載のシステム
【請求項96】
前記第1の光源に対する前記暗相は前記循環相である請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
前記第2の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である請求項88~96のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項98】
前記掃引光源は、その発光する波長帯域が、動脈プラークを(たとえば、前記帯域を通して掃引することによって)特性評価するための特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)ように構成及び配置されている請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記特性評価ピークは約1300nm(たとえば、約1280nm~約1320nmの範囲である)請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
前記掃引光源は、第2の光源波長帯域内で掃引するように動作可能であり、前記第2の光源波長帯域は300nmを超えない範囲である(たとえば、前記第2の光源波長帯域の中心発光波長は約1100nm~約1400nmの範囲である)請求項97~99のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項101】
前記波長帯域は150nmを超えない範囲である請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記第1の光源は、200nmを超えない(たとえば、125nmを超えない)範囲の第1の光源波長帯域内で発光するように動作可能な掃引光源レーザである(たとえば、前記第1の光源の前記第1の光源波長帯域の中心発光波長は約1100nm~約1400nmの範囲である)請求項88~101のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項103】
前記第1の光源波長帯域は、動脈プラークを特性評価するための第1の供給源特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)(たとえば、前記第1の供給源特性評価ピークは約1200nmである)請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記第1の光源は広帯域光源である(たとえば、加えて前記第2の光源は広帯域光源である)[たとえば、加えて前記第2の光源は掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)(たとえば、近赤外光を放出するもの)である]請求項88~93及び97~101のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項105】
前記広帯域光源は、150nmの範囲内の複数の波長を有する(たとえば、動脈プラークを特性評価するための1つ以上の特性評価ピークを含む)光を放出する請求項106に記載のシステム。
【請求項106】
前記1つ以上の特性評価ピークは約1200nmのピークを含む請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記システムは前記第1の光源及び前記第2の光源に対する共通のプローブを含み、前記共通のプローブは光ファイバを含む請求項88~106のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項108】
前記システムは、(i)前記光ファイバのクラッディングを介して前記第1の光源をもたらし、前記光ファイバのコアを介して前記第2の光源をもたらすか、(ii)前記光ファイバのクラッディングを介して前記第2の光源をもたらし、前記光ファイバのコアを介して前記第1の光源をもたらすか、または(iii)前記光ファイバのコアを介して前記第1の光源と前記第2の光源との両方をもたらすように動作可能である請求項107に記載のシステム。
【請求項109】
光を前記第1の光源及び前記第2の光源から前記共通のプローブへ伝達するように配置及び構成された回転接合器を含み、前記共通のプローブは自由に回転可能である請求項107または請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
前記システムは光コヒーレンストモグラフィ(OCT)サブシステムを含み、前記光コヒーレンストモグラフィサブシステムはOCT検出器と前記第2の光源とを含んでいる請求項88~109のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項111】
前記システムは近赤外分光法(NIRS)サブシステムを含み、前記近赤外分光法サブシステムはNIRS検出器と前記第1の光源とを含む請求項88~110のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項112】
前記システムは、心臓カテーテルとして動作可能なように配置及び構成されている請求項88~111のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項113】
前記システムは、(i)前記第1の光源の前記明相と前記暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの第1の光源交互周波数において生じるように、(ii)前記第2の光源の前記明相と前記暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの第2の光源交互周波数において生じるように、または(iii)(i)及び(ii)の両方が生じるように構成及び配置されている請求項88~112のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項114】
前記第1の光源交互周波数は少なくとも10kHzであり、前記第2の光源交互周波数は少なくとも10kHzである請求項113に記載のシステム。
【請求項115】
前記複数の光源は第3の光源を含み、前記システムは、前記第1の光源の前記暗相と前記第2の光源の前記暗相とが部分的に一致して、前記第1の光源及び前記第2の光源に対する共通の暗時間を規定し、前記第3の光源の前記明相が前記共通の暗時間の間に生じるように、配置及び構成されている請求項88~114のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項116】
前記第3の光源は前記サンプルの処置用のエネルギーを与えるように動作可能である請求項115に記載のシステム。
【請求項117】
前記第3の光源は、焼灼源、凝固源、切断源、石灰化源、及び加熱源のうちの1つ以上である請求項116に記載のシステム。
【請求項118】
前記第3の光源は前記サンプルの凍結を制御するためのエネルギーを与えるように動作可能である請求項116に記載のシステム。
【請求項119】
第1の特性評価技術に対応する第1の信号を検出するように配置及び構成された第1の検出器と、第2の特性評価技術に対応する第2の信号を検出するように配置及び構成された第2の検出器とを含み、前記第1の信号は、少なくとも部分的に前記第1の光源からの光を用いて生成され、前記第2の信号は、少なくとも部分的に前記第2の光源からの光を用いて生成される請求項88~118のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項120】
前記第1の検出器はOCT検出器であり、前記第2の検出器はNIRS検出器である請求項119に記載のシステム。
【請求項121】
前記第1の光源とは前記第2の光源とは実質的に同様である請求項88~120のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項122】
サンプルの少なくとも一部を処置するための方法であって、前記方法は、第1の光源の明相の間に前記サンプルの前記少なくとも一部を処置するためのエネルギーを与えることを含み、前記第1の光源の前記明相は第2の光源の暗相の間に生じる前記方法。
【請求項123】
前記エネルギーを用いて前記サンプルの前記少なくとも一部を切断することを含む請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記エネルギーを用いて前記サンプルの前記少なくとも一部を焼灼することを含む請求項122に記載の方法。
【請求項125】
前記エネルギーを用いて前記サンプルの前記少なくとも一部を凝固させることを含む請求項122に記載の方法。
【請求項126】
前記エネルギーを用いて前記サンプルの前記少なくとも一部を加熱することを含む請求項122に記載の方法。
【請求項127】
前記エネルギーを用いて前記サンプルの前記少なくとも一部を石灰化することを含む請求項122に記載の方法。
【請求項128】
前記エネルギーを用いて前記サンプルの前記少なくとも一部を凍結させることを制御することを含む請求項122に記載の方法。
【請求項129】
前記第1の光源の暗相の間に、前記第2の光源から第2の光を(たとえば、前記サンプルに)与える(たとえば、放出する)ことをさらに含む請求項122~128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記第1の光源は、前記第2の光源の前記暗相の全体にわたって第1の光を与える請求項122~129のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記第2の光源は、前記第1の光源の前記暗相の全体にわたって第2の光を与える請求項129または130に記載の方法。
【請求項132】
少なくとも部分的に、前記第2の光源によって与えられた第2の光を用いて生成された信号を、検出器を介して受け取ることを含む請求項122~131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記信号は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)信号である請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記信号は近赤外分光(NIRS)信号である請求項132に記載の方法。
【請求項135】
(i)前記第1の光源を前記第1の光源の前記明相と暗相との間で少なくとも10Hzの第1の光源交互周波数で交互に変えることか、(ii)前記第2の光源を前記第2の光源の明相と前記暗相との間で少なくとも10Hzの第2の光源交互周波数で交互に変えることか、または(iii)(i)及び(ii)の両方を起こすことを含む請求項122~134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
前記第1の光源交互周波数は少なくとも10kHzであり、前記第2の光源交互周波数は少なくとも10kHzである請求項135に記載のシステム。
【請求項137】
前記第1の光源に対する暗相と前記第2の光源に対する前記暗相との間に第3の光源から第3の光を与える(たとえば、放出する)ことを含む請求項122~136のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
少なくとも部分的に、前記第3の光源によって与えられた第3の光を用いて生成された信号を、検出器を介して受け取ることを含む請求項138に記載の方法。
【請求項139】
前記信号は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)信号である請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記信号は近赤外分光(NIRS)信号である請求項138に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願第62/774,161号(2018年11月30日に出願)の利益を主張する。この文献の中身は、その全体において参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(背景技術)
サンプル(たとえば、材料)を特性評価するために光源を用いることはよく行われる。たとえば、サンプル特性評価を行うための技術の1つの種類は光トモグラフィ、たとえば光コヒーレンストモグラフィ(OCT)である。光トモグラフィ技術によって、サンプルの画像(たとえば、トモグラフィ再構成)を生成することができる。サンプル特性評価を行うための技術の別の例の種類は分光法である。分光技術の中には材料の組成を分析するために光を用いるものがある。たとえば、サンプル特性評価を行うために近赤外分光法(NIRS)が広く用いられている。多くの場合、材料を十分に理解するために、材料の同じ領域に対してイメージングと組成分析を行うことが望ましい。種々の特性評価技術において異なる波長の光を異なる方法で用いる必要があるために、典型的に各特性評価技術に対するデータ収集は連続的に行われる。従来、データ収集には、1つの技術においてサンプル領域に対して1つ以上のスキャンを実行した後に、別の技術においてサンプル領域に対して1つ以上のスキャンを行うことが伴う。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
多くの状況において連続スキャニングは非効率的である。1つのレーザを用いてサンプルをスキャンし(たとえば、その結果、トモグラフィスキャンを行う)、そして次に、別のレーザを用いて別のサンプルをスキャンする(たとえば、その結果、分光分析を行う)ことは、少なくとも相対的に、長時間かかる可能性がある。このような遅さは、特定の応用例では大幅な損失となる可能性がある。たとえば、カテーテルをイメージングする手順の間、患者を迅速にスキャンすることが特に望ましい。したがって、複数の技術を用いているときのサンプル特性評価時間を短くするシステム及び方法が求められている。本開示には、ある供給源から光を与えて次に別の供給源から与えることを(たとえば、急速に交互に変わる方法で)交互に行うことで光源を交互配置すれば、サンプル特性評価時間を短くすることができるという認識が含まれている。
【0004】
本開示では、さらなる見識として、特定の状況において、たとえば、複数の特性評価技術に対するスキャニング時間が長いことに加えてまたはその代わりに、人間の冠状動脈の内部で測定する場合には、複数の特性評価技術がそれぞれ実質的に同じ位置から信号を取得することを確実にするのは難しい可能性があるということを示す。本開示では、この共位置合わせ問題(たとえば、連続スキャニング)の原因を特定し、これを最小限に抑えるための解決策を提供する。これはたとえば、単一プローブと交互配置された光源(たとえば、それらの明相と暗相との間で急速に交互に変わるもの)とを用いて多重信号を取得することによって行う。
【0005】
光源を交互配置することによって、特性評価時間及び/または共位置合わせエラーを減らすことができる。本明細書では、電磁放射を与えるための交互配置された光源を用いるシステム、装置、及び/または方法について説明する。典型的な特性評価技術では、照明光を与える一定時間と、与えない一定時間とがある。光源がない時間はたとえば、サンプルからの光を検出するかまたは光源を何らかの方法で再設定する(たとえば、掃引光源を循環で初期状態に戻す)時間とすることができる。照明光が与えられていない時間を用いて、第2の特性評価技術に対する照明光を与えることができる。第1の光源からの照明を与える時間(明相)を、第2の光源が光を与えていない時間(暗相)とすることによって、サンプル及び/または共位置合わせエラーに対する合計の特性評価時間を減らせ得る。第1の光源及び/または第2の光源が与える光は、近赤外光(たとえば、NIRSまたはOCTで用いるもの)であってもよい。
【0006】
特定の応用例では、複数の技術を別個のセクションにおいて用いて大きなサンプルを特性評価する。たとえば、2つの技術を用いて特性評価するとき、各技術を、特性評価すべきサンプル領域(または体積)の部分集合領域(または体積)に対して行ってもよい。このことは、典型的なカテーテルイメージング応用例(カテーテルをたとえば動脈を通して引き戻す)においても当てはまる。カテーテルを引き戻すときにプローブが急速に回転し(しばしば10,000rpmを超える値)、光を与えて動脈を特性評価する。引き戻す速度は極めて重要である。なぜならば、イメージングが可能なのは数秒の間のみ(たとえば、約3秒)だからである。この間に、たとえば、造影剤または生理食塩水を押し流すことによって動脈から血液を取り除く。したがって、いくつかの実施形態では、データ収集を最大にする一方で共位置合わせエラーを最小限にすることを、ある時間に渡って行うことが望ましい。なぜならば、データ収集にかかる時間が外部要因によって限定される場合があるからである。複数の技術にとって必要な照明を与える時間の削減が小さくても、サンプルの別個の各部分を適切に特性評価するのに必要な時間を減らすことができ、したがって、サンプル特性評価時間全体に対して大きな影響を及ぼすことができる。カテーテル法手順のような応用例では、サンプル(たとえば、動脈)を特性評価する時間を減らすことは有用である(たとえば、手順に由来する面倒な問題の可能性が減るからである)。また、たとえばカテーテル法手順のような特定の応用例では、多重信号の正確な共位置合わせを維持することは、付加的にまたは代替的に有用である。
【0007】
いくつかの態様では、本開示によって、それぞれ明相及び暗相を有する複数の光源を含むシステムであって、システムは、複数のうちの第1の光源及び第2の光源の光源に対して、第1の光源の明相が第2の光源の暗相の間に生じるように、配置及び構成されているシステムが提供される。いくつかの実施形態では、システムは、第2の光源の明相が第1の光源の暗相の間に生じるように、配置及び構成されている。いくつかの実施形態では、第1の光源及び/または第2の光源は掃引光源である。いくつかの実施形態では、第1の光源及び/または第2の光源は広帯域光源である。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の光源の明相が第2の光源の暗相と一致し、第1の光源の暗相が第2の光源の明相と一致するように、配置及び構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の光源及び第2の光源のうちの少なくとも一方が掃引光源である。いくつかの実施形態では、第1の光源及び第2の光源のうちの少なくとも一方に対する暗相は循環相を含む。いくつかの実施形態では、第1の光源及び第2の光源のうちの少なくとも一方に対する暗相は循環相である。
【0010】
いくつかの実施形態では、光源は、その発光する波長帯域が、動脈プラークを(たとえば、帯域を通して掃引することによって)特性評価するための特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)ように構成及び配置された掃引光源(たとえば、掃引光源レーザ)である。いくつかの実施形態では、光源は、動脈プラークを特性評価するための特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)波長帯域において発光するように構成及び配置された広帯域光源である。
【0011】
いくつかの実施形態では、システムは第1の光源及び第2の光源に対する共通のプローブを含み、共通のプローブは光ファイバを含んでいる。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムは光コヒーレンストモグラフィ(OCT)サブシステムを含み、光コヒーレンストモグラフィサブシステムはOCT検出器と第2の光源とを含んでいる。いくつかの実施形態では、システムは近赤外分光法(NIRS)サブシステムを含み、近赤外分光法サブシステムはNIRS検出器と、第2の光源と交互配置された第1の光源とを含んでいる。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数の光源は第3の光源を含み、複数の光源を含むシステムは、第1の光源の暗相と第2の光源の暗相とが部分的に一致して、第1の光源及び第2の光源に対する共通の暗時間を規定し、第3の光源の明相が共通の暗時間の間に生じるように、配置及び構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、システムが、(i)第1の光源の明相と暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの(たとえば、加えて500kHzを超えない)第1の光源交互周波数において生じるように、(ii)第2の光源の明相と暗相との間で交互に変わることが、少なくとも10Hzの(たとえば、加えて500kHzを超えない)第2の光源交互周波数において生じるように、または(iii)(i)及び(ii)の両方が生じるように構成及び配置されている。いくつかの実施形態では、第1の光源交互周波数は少なくとも10kHzであり(たとえば、加えて10GHzを超えない)、第2の光源交互周波数は少なくとも10kHz(たとえば、加えて10GHzを超えない)である。
【0015】
いくつかの態様では、本開示によって、第2の光源の暗相の間に、第1の光源から第1の光を(たとえば、サンプルに)与える(たとえば、放出する)ことを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の光源の暗相の間に、第2の光源から第2の光を(たとえば、サンプルに)与える(たとえば、放出する)ことを含む。いくつかの実施形態では、第1の光源は、第2の光源の暗相の全体にわたって第1の光を与える。いくつかの実施形態では、第2の光源は、第1の光源の暗相の全体にわたって第2の光を与える。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法が、第2の光源の暗相の間に第2の光源を循環させることを含んでいる。いくつかの実施形態では、方法が、第1の光源の暗相の間に第1の光源を循環させることを含んでいる。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法が、少なくとも部分的に第1の光源からの第1の光を用いて生成された第1の信号を、第1の検出器を介して受け取ることを含んでいる。いくつかの実施形態では、第1の信号は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)信号である。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも部分的に第2の光源からの第2の光を用いて生成された第2の信号を、第2の検出器を介して受け取ることを含んでいる。いくつかの実施形態では、第2の信号は近赤外分光法(NIRS)信号である。
【0018】
いくつかの実施形態では、方法が、第1の光源に対する暗相及び第2の光源に対する暗相の間に、第3の光源からの第3の光を与える(たとえば、放出する)ことを含む。
【0019】
いくつかの態様では、本開示によって、サンプルを特性評価するためのシステムであって、システムは、それぞれ明相及び暗相を有する複数の光源を含み、システムは、複数のうちの第1の光源及び第2の光源の光源に対して、第1の光源の明相が第2の光源の暗相の間に生じるように、配置及び構成され、各光源は、特性評価技術用の光を与えるためのものであるシステムが提供される。
【0020】
いくつかの態様では、本開示によって、サンプルを特性評価するための方法であって、方法は、第2の光源の暗相の間に、第1の光源からサンプルに第1の光を与える(たとえば、放出する)ことを含み、第1の光源から与えられる光を第1の特性評価技術において使用し、第2の光源から与えられる光を第2の特性評価技術において使用する方法が提供される。
【0021】
いくつかの態様では、本開示によって、サンプルを処置するためのシステムであって、システムは、それぞれ明相及び暗相を有する複数の光源を含み、システムは、複数のうちの第1の光源及び第2の光源の光源に対して、第1の光源の明相が第2の光源の暗相の間に生じるように、配置及び構成され、複数の光源のうちの少なくとも1つは、サンプルの処置用のエネルギーを与えるように動作可能であるシステムが提供される。いくつかの実施形態では、(i)第1の光源はサンプルの処置用のエネルギーを与えるように動作可能であるか、(ii)第2の光源はサンプルの処置用のエネルギーを与えるように動作可能であるか、または(iii)(i)及び(ii)の両方である。いくつかの実施形態では、(i)第1の光源は、焼灼源、凝固源、切断源、石灰化源、及び加熱源のうちの1つ以上であるか、(ii)第2の光源は、焼灼源、凝固源、切断源、石灰化源、及び加熱源のうちの1つ以上であるか、または(i)及び(ii)の両方である。いくつかの実施形態では、(i)第1の光源はサンプルの凍結を制御するためのエネルギーを与えるように動作可能であるか、(ii)第2の光源はサンプルの凍結を制御するためのエネルギーを与えるように動作可能であるか、または(iii)(i)及び(ii)の両方である。
【0022】
いくつかの態様では、本開示によって、サンプルの少なくとも一部を処置するための方法であって、方法は、第1の光源の明相の間にサンプルの少なくとも一部を処置するためのエネルギーを与えることを含み、第1の光源の明相は第2の光源の暗相の間に生じる方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも部分的に、第2の光源によって与えられた第2の光を用いて生成された信号を、検出器を介して受け取ることを含む。いくつかの実施形態では、信号は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)信号である。いくつかの実施形態では、信号は近赤外分光法(NIRS)信号である。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、光源によって与えられたエネルギーを用いてサンプルの少なくとも一部を切断することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、光源によって与えられたエネルギーを用いてサンプルの少なくとも一部を凝固させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、光源によって与えられたエネルギーを用いてサンプルの少なくとも一部を加熱することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、光源によって与えられたエネルギーを用いてサンプルの少なくとも一部を石灰化することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、光源によって与えられたエネルギーを用いてサンプルの少なくとも一部を凍結させることを制御することを含む。
【0024】
本明細書では、図面は例示を目的として示しており、限定するためではない。以下の説明とともに添付図面を参照することによって、種々の実施形態の前述及び他の目的、態様、特徴、及び利点が、より明らかになり、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】例示的な実施形態により、2つの光源に対して共通のプローブを用いたシステム(たとえば、サンプル特性評価及び/または処置システム)のブロック図である。
【
図1B】例示的な実施形態により、2つの光源のそれぞれに対して別個のプローブを用いたシステム(たとえば、サンプル特性評価及び/または処置システム)のブロック図である。
【
図1C】例示的な実施形態により、2つの光源に対する共通のプローブと回転接合器とを用いたシステム(たとえば、サンプル特性評価及び/または処置システム)の概略図である。
【
図1D】例示的な実施形態により、2つの光源に対して共通のプローブを使用し、共通のプローブは2つの検出器に光学的に接続されているシステム(たとえば、サンプル特性評価及び/または処置システム)のブロック図である。
【
図1E】例示的な実施形態により、2つの光源のそれぞれに対して別個のプローブを使用し、各プローブは別個の検出器に光学的に接続されているシステム(たとえば、サンプル特性評価及び/または処置システム)のブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態によるサンプル(たとえば、サンプル中の材料)を特性評価する方法例のフロー図である。
【
図3A】例示的な実施形態による光源に対する発光波長対時間のプロットである。
【
図3B】例示的な実施形態による光源に対する発光強度対時間のプロットである。
【
図4A】例示的な実施形態による2つの交互配置された光源に対する発光波長対時間のプロットである。
【
図4B】例示的な実施形態による2つの交互配置された光源に対する発光波長対時間のプロットである。
【
図4C】例示的な実施形態による2つの交互配置された光源に対する発光強度対時間のプロットである。
【
図5A】例示的な実施形態による光源に対する発光波長対時間のプロットである。
【
図5B】例示的な実施形態による2つの交互配置された光源に対する発光波長対時間のプロットである。
【
図6】例示的な実施形態による3つの交互配置された光源に対する発光波長対時間のプロットである。
【
図7】例示的な実施形態によるサンプルを処置する方法例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
定義
本開示をより容易に理解するために、本明細書で用いる特定の用語を以下で定義する。以下の用語及び他の用語に対するさらなる定義を明細書の全体に渡って述べる場合がある。
【0027】
本出願では、文脈から特に明らかでない限りまたは特に明記しない限り、(i)用語「a」は「少なくとも1つの」を意味するものと理解してもよく、(ii)用語「または」は「及び/または」を意味するものと理解してもよく、(iii)用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」は、箇条書きにしたコンポーネントまたはステップを包含するものと理解してもよく、これは、それらだけで示しているかまたは1つ以上の追加コンポーネントまたはステップとともに示しているかにかかわらないことであり、(iv)用語「約」及び「ほぼ」は当業者であれば理解するであろう標準偏差を許容するものと理解してもよく、(v)範囲が与えられた場合、端点が含まれる。約/ほぼを伴ってまたは伴わずに本出願で用いる任意の数字は、当業者であれば理解する任意の正常変動をカバーすることが意図されている。ある実施形態では、用語「ほぼ」または「約」は、特に明記しない限りまたは文脈から特に明らかでない限り、提示した基準値の両方向(よりも大きいかまたはよりも小さい)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下に含まれる値の範囲を指す(このような数が、可能な値の100%を超える場合を除く)。
【0028】
「光源」。本明細書で用いる場合、「光源」は、光を与える(たとえば、放出する)供給源を指す。光は電磁放射(EMR)(たとえば、光子)である。光の周波数は可視スペクトル内であってもよいしそうでなくてもよい。光源は、可視光、近赤外光、赤外光、長波長赤外光、紫外光、深紫外光、及び極端紫外光のうちの1つ以上を放出してもよい。いくつかの実施形態では、光源はテラヘルツ放射を放出してもよい。光源はX線、マイクロ波、または電波を放出してもよい。光源はレーザであってもよいが、必ずしもそうではない。光源は、たとえば、時間的コヒーレンスが低減された光源(たとえば、発光ダイオード(LED)またはスーパールミネセントダイオード(SLD)を含む供給源)であってもよい。光源は掃引光源または広帯域光源であってもよい。ある実施形態では、光源は掃引光源である。ある実施形態では、光源は掃引光源レーザである。ある実施形態では、光源は広帯域光源である。本明細書で用いる場合、「第1」及び「第2」は2つの光源に対する任意の指定であり、いくつかの実施形態では置き換えてもよい。また、第1の光源に対して説明するどの任意的な特徴も第2の光源に付与してもよく、逆もまた同様である。
【0029】
「明相」及び「暗相」。本明細書で用いる場合、「明相」は光源が光を与えている時間を指し、「暗相」は光源が光を与えていない時間を指す。光源は、動作中に明相と暗相との間で交互に変わる。ある実施形態では、光源は掃引光源であり、光源に対する暗相の少なくとも一部は循環相である。実際には、光源に対する暗相の間に、ある最小量の光が知らず知らずに光源から漏れ得ることが理解される[たとえば、光源に対する明相の間に与えられた量の1%未満(たとえば、0.1%未満または0.01%未満)]。
【0030】
「循環相」。本明細書で用いる場合、「循環相」は、別の将来の時間において意図する波長範囲にわたって光を与えるために、光源が循環して初期状態に戻る時間を指す。たとえば、掃引光源レーザは、循環相の間に最後の波長から最初の波長に循環して戻ってもよい。光源の循環相は光源の暗相の時間長さよりも短いかまたは等しくてもよい。たとえば、光源の暗相が光源の循環相であってもよい。たとえば、光源の暗相には、循環相と遅延時間(光源が循環しているわけでも明相にあるわけでもない)とが含まれていてもよい。
【0031】
「遅延時間」。本明細書で用いる場合、「遅延時間」は、掃引光源の暗相の一部であって、その循環相の部分ではない箇所である。遅延時間は製造公差の結果ではなく、光源がそれを有するように意図的に配置及び構成された時間である。たとえば、暗相を伴う光源を有するようにシステムを配置及び構成してもよく、暗相の開始または終了(または両方)における短い遅延時間の間、光源は循環していない。
【0032】
「画像」。本明細書で用いる場合、用語「画像」にはたとえば、組織(または他のサンプル)の2次元または3次元画像の場合と同様に、任意の視覚表現、たとえば写真、ビデオフレーム、ストリーミングビデオ、ならびに写真、ビデオフレーム、またはストリーミングビデオの任意の電子的、デジタル、または数学的類似物が含まれる。本明細書で説明する任意のシステムまたは装置には、ある実施形態では、プロセッサによって生成される画像または任意の他の結果を表示するためのディスプレイが含まれている。本明細書で説明する任意の方法には、ある実施形態では、本方法によって生成される画像または任意の他の結果を表示するステップが含まれている。本明細書で説明する任意のシステムまたは装置は、ある実施形態では、画像を遠隔の受信装置[たとえば、クラウドサーバ、遠隔モニタ、または病院情報システム(たとえば、画像保存通信システム(PACS))]へ出力する。いくつかの実施形態では、画像を、蛍光イメージングシステム、分光イメージングシステム、蛍光イメージングシステム、及び/または反射率イメージングシステムを用いて生成する。ある実施形態では、トモグラフィ画像及び分光画像を共位置合わせして、合成画像を形成する。いくつかの実施形態では、画像は2次元(2D)画像である。いくつかの実施形態では、画像は3次元(3D)画像である。いくつかの実施形態では、画像は再構成画像である。画像(たとえば、3D画像)は単一画像または画像の組であってもよい。イメージング技術(たとえば、光源が与える光を用いて)によって、1つ以上の画像を形成してもよい。
【0033】
「プローブ」。本明細書で用いる場合、「プローブ」は、1つ以上の光源からサンプルに向けて光を送るデバイスまたは装置(またはサブシステム)の一部を指す。システム内の各光源は別個のプローブを有していてもよいし、または2つ以上(たとえば、すべて)の光源が共通のプローブを共有していてもよい。プローブには1つ以上の光学素子(たとえば、非限定的な例として、1つ以上のレンズ、1つ以上のミラー、及び/または1つ以上の導波路(たとえば、光ファイバ))が含まれていてもよい。プローブには、1つ以上のシングルモードファイバ及び1つ以上のマルチモードファイバのいずれか一つまたは組み合わせが含まれていてもよい。たとえば、プローブには、1つ以上のマルチクラッドファイバ(たとえば、ダブルクラッドファイバ)が含まれていてもよい。プローブにはハウジング(たとえば、シース、たとえば、プローブがカテーテルの一部である場合)が含まれていてもよい。
【0034】
「サンプル」。本明細書で用いる場合、「サンプル」は、特性評価すべきものを指す。全般的に、光による特性評価が可能な任意の材料、混合物、物質をサンプルとして用いることができる。サンプルには1つ以上の材料が含まれていてもよい。サンプルは気体、流体、または固体であってもよい。サンプルは、たとえば、ゲル(たとえば、ヒドロゲル)、エラストマー、または複合材料であってもよい。サンプルは生物学的サンプルであってもよい。たとえば、サンプルは臓器または生体構造(たとえば、組織)またはその一部であってもよい。サンプルは生体内臓器または生体内組織であってもよい。たとえば、サンプルは生体内動脈またはその一部であってもよい。サンプルには、対象とする1つ以上の特徴物が含まれていてもよい。たとえば、対象とする特徴物は、たとえば、動脈プラーク(たとえば、脆弱性プラーク、たとえば、線維性被膜を有するもの)であってもよい。
【0035】
ある実施形態の詳細な説明
説明の全体にわたって、物品、デバイス、及びシステムが特定のコンポーネントを有するか、含む(including)か、もしくは含む(comprising)と説明している場合、またはプロセス及び方法が特定のステップを有するか、含む(including)か、もしくは含む(comprising)と説明している場合、さらに、本質的に列挙したコンポーネントからなるか、または列挙したコンポーネントからなる本開示の物品、デバイス、及びシステムが存在し、また本質的に列挙した処理ステップからなるか、または列挙した処理ステップからなる本開示によるプロセス及び方法が存在すると考えられる。コンポーネントが(たとえば、方法の機能またはステップ)を与えるかまたは行うように「配置及び構成されている」と説明している場合、コンポーネントは(たとえば、その方法の機能またはステップ)を与えるかまたは行うようにプログラムされているかまたは他の方法で設定可能である実施形態が考えられる。たとえば、明相を有するように配置及び構成された光源は、明相を有するようにプログラムしてもよいし、または明相を有するように設定してもよい(たとえば、1つ以上の物理的な制御を用いて)。ヘッダは、読者の便宜上与えているものであり、特許請求の範囲に記載された対象に対する限定と解釈してはならない。
【0036】
当然のことながら、ステップの順序または特定の行為を行うための順序は、ステップまたは行為が属する方法が動作可能である限り、重要ではない。また、いくつかの実施形態では、2つ以上のステップまたは行為(たとえば、またはその一部)を同時に行ってもよい。
【0037】
本明細書では、交互配置された光源を伴うシステム及びそれらを用いる方法について説明する。たとえば、交互配置された光源をサンプル特性評価のために用いてもよい。2つ以上の交互配置された各光源を、サンプルに光を与えるために用いてもよい(たとえば、特性評価目的で)。複数の各光源からの光は、別個の特性評価技術用の照明光に対応してもよい。たとえば、ある光源がイメージング技術(たとえば、トモグラフィ技術)用の光を与えてもよく、ある光源が分光技術(たとえば、近赤外分光法)用の光を与えてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、システムには複数の光源が含まれている。たとえば、システムには2つの光源または3つの光源または3つを超える光源が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、光源はレーザである(たとえば、垂直共振器レーザまたは垂直共振器型面発光レーザ)。光源は掃引光源または広帯域光源であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の光源は掃引光源であり、第2の光源は広帯域光源である。光源は、その発光波長または発光波長の範囲を(たとえば、特性の異なるサンプルに対して)変えられるように、調整可能であってもよい。光源は1つ以上の波長の光を放出する。たとえば、光源は、一度に1つの波長を放出してもよいしもしくは放出するように動作可能であってもよいし(たとえば、掃引光源である)、または一度に多波長(たとえば、ある範囲の波長)を放出してもよいしもしくは放出するように動作可能であってもよい(たとえば、広帯域光源である)。光源は、一度に複数の離れた波長(たとえば、ある範囲ではない)を放出するように動作可能であってもよい。光源は、複数の範囲(たとえば、複数の離れた範囲)の光を放出するように動作可能であってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1の光源は第2の光源と実質的に同様である。第2の光源と実質的に同様な第1の光源は、第2の光源が放出する光と1つ以上の実質的に同様な(製造公差内で)放射特性を有する光を放出する。実質的に同様な1つ以上の放射特性には、発光波長(複数可)、帯域幅、線幅、発光強度、発光パルス時間、明相持続時間、及び暗相持続時間のうちの1つ以上が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の光源と実質的に同様な第1の光源は、第2の光源が放出する光と同一の(製造公差内で)光を放出する。いくつかの実施形態では、複数の交互配置された光源は実質的に同様であり、一方で、各光源は別個の検出器と光通信している。たとえば、第1の光源は第2の光源と実質的に同一であってもよく、第1及び第2の光源は交互配置されて、第1の光源はOCT検出器と光通信し、第2の光源はNIRS検出器と光通信している。
【0040】
光源は可視光を放出してもよい。光源は、可視ではない光を放出してもよい(たとえば、可視光を放出する代わりにまたはそれに加えて)。たとえば、近赤外光、赤外光、長波長赤外光、紫外光、深い紫外光、または極端紫外光である。光源はX線を放出してもよい。光源はテラヘルツ放射を放出してもよい。光源はマイクロ波を放出してもよい。光源は電波を放出してもよい。光源にはスーパールミネセントダイオードまたは発光ダイオード(LED)が含まれていてもよい。たとえば、光源には、ピーク発光波長が可視、UV、深UV、極端UV、近赤外、赤外、または長波長赤外スペクトルにあるLEDが含まれる。光源に含まれるLEDには、1つ以上の蛍光体または1つ以上の種類の量子ドット(たとえば、LEDが白色光を放出するように)が含まれていてもよい。
【0041】
光源は、特性評価技術にとって有用な光を与えて(たとえば、放出して)もよい。特性評価技術は、少なくとも部分的に、光源からの光を用いて、サンプルを(たとえば、構造的または化学的に)特性評価してもよい。たとえば、信号を、少なくとも部分的に、光源からの光を用いて生成してもよい。信号は、少なくとも部分的に、反射光、屈折光、散乱光、伝達光(たとえば、最初に入射した光の非吸収部分)を用いて生成してもよいし、または、たとえば光源からの光がサンプルに当たることに応じて、サンプルが生成してもよい[たとえば、フォトルミネッセンス(たとえば、蛍光、リン光、またはラマン放射)、化学発光、または生物発光)によって]。信号は干渉信号であってもよい(たとえば、サンプルから受け取った及び/または生成された光と基準アームからの光とを用いて)。少なくとも部分的に光源からの光を用いて生成した信号を、検出器(たとえば、カメラまたは干渉計など)によって検出してもよい。いくつかの実施形態では、検出器が信号を受け取って処理するのは、特定の光源の明相に(たとえば、時間的に)対応する(たとえば、明相からずれるか、明相を包含するか、または明相と一致する)時間の間だけとなるように、システムを構成及び配置してもよい。このような時間は、たとえば、1つ以上の制御可能なオプティクスを用いて制御してもよい。
【0042】
光源は、1つ以上の特性評価技術用の光を与えて(たとえば、放出して)もよい。たとえば、光源は、たとえば、イメージング技術(たとえば、トモグラフィ技術)、散乱技術、回折技術、または分光技術用の光源であってもよい。光源は、たとえば、紫外可視分光法、赤外分光法(たとえば、近赤外分光法(NIRS))、フォトルミネッセンス分光法、波長分散型X線分光法、X線光電子分光法、またはX線光子相関分光法用の光を与えてもよい。いくつかの実施形態では、光源は近赤外分光法用の光を与えてもよい。光源は、たとえば、2Dイメージング技術または3Dイメージング技術(たとえば、トモグラフィ技術)用の光を与えてもよい。光源は、たとえば、光学イメージング技術またはX線イメージング技術用の光を与えてもよい。光学イメージング技術は、たとえば、蛍光イメージング、たとえば蛍光トモグラフィであってもよい。光学イメージング技術は、たとえば、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)または拡散光学イメージング(たとえば、拡散光トモグラフィ)であってもよい。光源は、たとえば、干渉分光技術、たとえばOCT技術、光周波数ドメインイメージング技術、位相差イメージング、または微分干渉コントラスト顕微鏡法などに対する光を与えてもよい。光源は、たとえば、位相イメージング技術用の光を与えてもよい。光源は、たとえば、X線回折、X線小角散乱、またはX線広角散乱用の光を与えてもよい。システムには、イメージング技術用の光を与える第1の光源と分光技術用の光を与える第2の光源とが含まれていてもよい。光源を用いて、空間分解データ(たとえば、イメージング及び/または分光法データ)を作成してもよい。交互配置された光源によって、利点(たとえば、交互配置されていない光源と比べて)が得られてもよい。たとえば、交互配置された光源によって、複数の技術(たとえば、それぞれが1つの光源からの光を用いて行われる)からの空間分解データの正確な共位置合わせを行うことが容易になる。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1の特性評価技術(たとえば、第1の光源を用いて行う)からのデータと、第2の特性評価技術(たとえば、第2の光源を用いて行う)からのデータとを共位置合わせする。共位置合わせされたデータは時間的及び/または空間的に共位置合わせされていてもよい。共位置合わせされたデータを交互配置された光源を用いて収集してもよい。いくつかの実施形態では、交互配置された光源を用いて、正確に共位置合わせされたデータが得られる。これは、交互配置の結果、複数の各特性評価技術用のデータが、データ収集中(たとえば、スキャン中)に実質的に同様な位置及び/または時間で収集されていることに、少なくとも部分的に起因している。たとえば、カテーテルに複数の特性評価技術(それぞれ、複数の交互配置された光源のうちの1つを用いる)に対する共通のプローブが含まれている場合、カテーテルを引き戻す間に実質的に同様な時間に実質的に同様な位置からデータを収集することが交互配置によって可能となるために、正確に共位置合わせされたデータが集まり得る。
【0044】
分光技術(たとえば、NIRS)用の光源は掃引光源であってもよい。イメージング技術(たとえば、OCT)用の光源は掃引光源であってもよい。分光技術(たとえば、NIRS)用の光源は広帯域光源であってもよい。イメージング技術(たとえば、OCT)用の光源は広帯域光源であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の特性評価技術(たとえば、イメージングまたは)は第1の光源を用いて行い、第2の特性評価技術は、第1の光源及び第1の光源と交互配置された第2の光源(たとえば、カテーテル内)を用いて行う。いくつかの実施形態では、第1の特性評価及び第2の特性評価技術は両方とも、第1の光源及び第1の光源と交互配置された第2の光源(たとえば、カテーテル内)を用いて行う。
【0045】
光源は、レーザ、スーパールミネセントダイオード、発光ダイオード、白熱光源、放電光源のうちの1つ以上を含んでいても(たとえば、であっても)よい。光源はレーザであってもよい。いくつかの実施形態では、光源は垂直共振器レーザ(たとえば、垂直共振器型面発光レーザ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は垂直共振器型面発光レーザである。光源がレーザである場合、ロッドレーザ、色素レーザ、及び/またはガスレーザーが含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、光源はファイバレーザであるかまたは含む(たとえば、光ファイバレーザであるかまたは含む)。一例としては、ファイバレーザには、いくつかの実施形態によれば、エルビウム、イッテルビウム、ネオジウム、ジスプロシウム、プラセオジム、ツリウム、及びホルミウムのうちの1種以上がドープされていてもよい。光源は、たとえば、ファブリーペローレーザ、分布帰還型(DFB)レーザ、または分布ブラッグ反射器(DBR)レーザであってもよい。光源は、たとえば、レーザーダイオードまたは量子カスケードレーザであってもよい。光源は自然放射増幅光(ASE)光源であってもよい。たとえば、光源はASE光ファイバ(たとえば、1つ以上の希土類金属がドープされた)であってもよい。
【0046】
光源は単一周波数光源であってもよい。たとえば、光源の線幅は5kHzを超えない(たとえば、3kHzを超えない、2kHzを超えない、または1kHzを超えない)であってもよい。たとえば、光源がレーザである場合、単一周波数レーザ(たとえば、線幅が5kHzを超えない、3kHzを超えない、2kHzを超えない、または1kHzを超えない)であってもよい。光源はマルチモード光源であってもよい。たとえば、光源(たとえば、レーザ)は、複数のモード[たとえば、少なくとも10モード、少なくとも100モード、少なくとも1,000モード、少なくとも10,000モード(たとえば、加えて100,000モードを超えないかまたは50,000モードを超えない)]を含む光を放出してもよい。いくつかの実施形態では、光源は掃引光源レーザであって、線幅が5kHzを超えず、掃引範囲が少なくとも10nm(たとえば、少なくとも20nm、少なくとも40nm、少なくとも50nm、少なくとも75nm、少なくとも100nm、少なくとも125nm、少なくとも150nm、または少なくとも200nm)及び500nmを超えない(たとえば、300nmを超えないかまたは200nmを超えない)である掃引光源レーザである。
【0047】
いくつかの実施形態では、光源は単に単一波長を放出するように動作可能である。実際には、光源が一度に1つの波長(たとえば、単一波長のみ)を放出する場合、いくつかの発光帯域幅[たとえば、3nm未満、2nm未満、1nm未満、0.5nm未満、0.4nm未満、0.2nm未満、0.1nm未満、0.5nm未満、または0.3nm未満(たとえば、半値全幅において測定)]を有し得ることが理解される。光源の帯域幅は、50nm未満、40nm未満、30nm未満、20nm未満、10nm未満、または5nm未満(たとえば、半値全幅において測定)であってもよい(たとえば、光源にLEDが含まれる場合)。
【0048】
いくつかの実施形態では、光源は、ある範囲の波長にわたって光を放出する広帯域光源である。たとえば、光源は、少なくとも20nm、少なくとも40nm、少なくとも50nm、少なくとも60nm、少なくとも80nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも200nm、少なくとも300nm、少なくとも400nm、または少なくとも500nm(たとえば、加えて2000nmを超えない、1000nmを超えない、または500nmを超えない)の範囲にわたって光を放出する広帯域光源であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、500nmを超えない(たとえば、300nmを超えない、250nmを超えない、200nmを超えない、150nmを超えない、100nmを超えない、75nmを超えない、または50nmを超えない)範囲で光を放出する広帯域光源である。いくつかの実施形態では、光源は、一度に1つの波長の光を、ある範囲の波長にわたって放出する(たとえば、その範囲にわたって掃引される)。範囲は少なくとも20nm、少なくとも40nm、少なくとも50nm、少なくとも60nm、少なくとも80nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも200nm、少なくとも300nm、少なくとも400nm、または少なくとも500nm(たとえば、加えて2000nmを超えない、1000nmを超えない、または500nmを超えない)である。第1の光源及び第2の光源はそれぞれ、広帯域光源であってもよく、対応する広帯域範囲が少なくとも部分的に重なっている。
【0049】
いくつかの実施形態では、光源は、500nmを超えない(たとえば、400nmを超えない、300nmを超えない、250nmを超えない、200nmを超えない、150nmを超えない、125nmを超えない、100nmを超えない、75nmを超えない、50nmを超えない、40nmを超えない、または25nmを超えない)(たとえば、加えて少なくとも75nmまたは少なくとも100nm)の範囲内で光を与える(たとえば、掃引する)掃引光源である。いくつかの実施形態では、光源は、少なくとも50nm(たとえば、少なくとも75nm、少なくとも100nm、少なくとも125nm、少なくとも150nm、少なくとも200nm、少なくとも250nm、または少なくとも300nm)(たとえば、加えて500nmを超えない)の範囲内で光を与える(たとえば、掃引する)掃引光源である。いくつかの実施形態では、光源は、150nmを超えない範囲内で光を与える(たとえば、掃引する)掃引光源である(たとえば、掃引光源レーザ)。いくつかの実施形態では、光源は、100nmを超えない範囲内で光を与える(たとえば、掃引する)掃引光源である(たとえば、掃引光源レーザ)。いくつかの実施形態では、第1の光源は、200nmを超えない(たとえば、150nmを超えないかまたは100nmを超えない)範囲内で光を与える(たとえば、掃引する)掃引光源レーザであり、第2の光源は、200nmを超えない(たとえば、150nmを超えないかまたは100nmを超えない)範囲内で光を与える(たとえば、掃引する)掃引光源レーザである。第1の光源及び第2の光源はそれぞれ、掃引光源であってもよく、対応する掃引範囲が少なくとも部分的に重なっている。いくつかの実施形態では、光源は、より大きい範囲にわたって掃引される狭帯域内で発光してもよい。たとえば、光源は、5nmを超えない、10nmを超えない、15nmを超えない、20nmを超えない、30nmを超えない、50nmを超えない、及び100nmを超えない帯域内で発光してもよく、たとえば、20nmを超えない、30nmを超えない、50nmを超えない、100nmを超えない、200nmを超えない、300nmを超えない、400nmを超えない、または500nmを超えない、より大きい範囲にわたって掃引されてもよい。範囲は、たとえばUV、可視、近赤外、または赤外スペクトル内の波長を中心にしてもよい。
【0050】
光源は、所望の波長またはその近傍を中心とする光を放出するように動作可能であってもよい。たとえば、所望の波長は、特性評価されているサンプル(たとえば、その構成材料)の特性評価ピークに対応してもよい。光源は、中心発光波長の範囲内の光を放出するように動作可能であってもよい。たとえば、光源は、中心発光波長から10nm以内、中心発光波長から20nm以内、中心発光波長から50nm以内、中心発光波長から100nm以内、中心発光波長から150nm以内、または中心発光波長から200nm以内の波長または波長(複数)の光を放出するように動作可能であってもよい。この文脈における「以内」は、中心発光波長の両方向(より高い及びより低い)を意味することを理解されたい。光源は、中心発光波長(たとえば、ほぼサンプルに対する特性評価ピークである)を中心とする波長の範囲にわたって掃引する掃引光源であってもよい。光源は、中心発光波長を中心とする範囲内のある数(たとえば、すべて)の波長の光を同時に放出する広帯域光源であってもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、光源は、サンプルに対する特性評価ピークを含む(たとえば、それをほぼ中心とする)広帯域光源である。いくつかの実施形態では、光源は、サンプルに対する特性評価ピークを含む(たとえば、それをほぼ中心とする)掃引光源である。いくつかの実施形態では、特性評価ピークは約1100nm~約1400nmの範囲にある。たとえば、特性評価ピークは、約1300nm(たとえば、約1280~1320nmの範囲)または約1200nm(たとえば、約1180~約1220nmの範囲)であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、中心発光波長を中心とする帯域内の光を放出する掃引光源であり、中心発光波長は約1100nm~約1400nmの範囲である(たとえば、加えて帯域の範囲は、たとえば、200nmを超えない、300nmを超えない、500nmを超えない、または700nmを超えない)。
【0052】
ある実施形態では、複数の各光源が、生物学的サンプルを特性評価する特性評価技術において用いる光を与える。生物学的サンプルは、紫外、可視、または赤外スペクトルにおける波長に対応する特性評価ピークを有していてもよい。たとえば、複数の光源を用いて心臓カテーテル内の光を与えてもよい。したがって、生物学的サンプルに対する特性評価ピークは、コラーゲン、エラスチン、プラーク(たとえば、脂質の多いプラーク)、またはコレステロールに対応する。複数の光源からの光を用いて特性評価する生物学的サンプルには、コラーゲン、エラスチン、プラーク(たとえば、脂質の多いプラーク)、及びコレステロールのうちの1種以上が含まれていてもよい。このような構成成分の特性評価ピークは全般的に知られており、いくつかの例では約1100nm~約1400nmの波長の範囲である。何ら特定の理論に拘束されるものではないが、コラーゲン、エラスチン、プラーク(たとえば、脂質の多いプラーク)、及びコレステロールは、約1100nm~約1400nmの範囲の波長の光[たとえば、この範囲をカバーする広帯域または掃引光源である(たとえば、同様の波長の光またはその部分集合を与える第2の光源と交互配置された)光源からの光]を用いた1つ以上の技術を用いて特定及び/または区別することができる。いくつかの実施形態では、生物学的サンプルに対する特性評価ピークは、(たとえば、約1280nm~約1320nmの範囲にある)約1300nmの波長に対応する生物学的サンプル内のコレステロールに対する特性評価ピークである。いくつかの実施形態では、動脈プラークを、交互配置された光源(それぞれ、動脈プラークに対する1つ以上の特性評価ピーク(たとえば、各光源に対して同じかまたは異なるピーク(複数可))に対応する光を放出する)を用いて特性評価してもよい。いくつかの実施形態では、動脈プラークを特性評価するための特性評価ピークに対応する波長の光を用いて特性評価技術を行って、プラーク堆積物の周りの領域における1つ以上の分子を特性評価(たとえば、特定及び/または区別)してもよい。動脈プラークを特性評価するための特性評価ピークは、たとえば、コラーゲン、エラスチン、プラーク(たとえば、脂質の多いプラーク)、またはコレステロールの特性評価ピークであってもよい。
【0053】
光源は暗相及び明相を有している。暗相の間、光源は(たとえば、意図的に)光を与えていない。明相の間、光源は光を与えている。システムの動作中に、複数の各光源が光源の暗相と明相との間で交互に変わる(たとえば、ある時間の間)。いくつかの実施形態では、システムは、サンプル上を空間的にスキャンするプローブを含むかまたはこれとともに用いてもよく、光源はスキャニングの全体にわたって暗相と明相との間で交互に変わってもよい。光源は、動作中に明相と暗相との間で、少なくとも10Hz、少なくとも100Hz、少なくとも1kHz、少なくとも2kHz、少なくとも5kHz、少なくとも10kHz、少なくとも15kHz、少なくとも20kHz、少なくとも50kHz、少なくとも75kHz、または少なくとも100kHz(たとえば、加えて10GHzを超えない、5GHzを超えない、2GHzを超えない、1GHzを超えない、500MHzを超えない、250MHzを超えない、100MHzを超えない、50MHzを超えない、10MHzを超えない、1MHzを超えない、500kHzを超えない、250kHzを超えない、100kHzを超えない)のレートで、交互に変わってもよい。いくつかの実施形態では、光源は明相と暗相との間で、プローブ(たとえば、心臓カテーテルなどのカテーテル内)の回転数に対応する(たとえば、比例する)周波数で交互に変わってもよい。光源が掃引光源である場合、明相の間に光源をその波長範囲にわたってスキャンしてもよい。
【0054】
光源の明相及び暗相は、時間長さが等しくてもよいし、等しくなくてもよい。いくつかの実施形態では、光源の負荷サイクルは50%よりも大きい(たとえば、60%よりも大きい、70%よりも大きい、80%よりも大きい)。いくつかの実施形態では、光源の負荷サイクルは50%未満(たとえば、40%未満、33%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、3%未満、または1%未満)である。いくつかの実施形態では、光源の負荷サイクルは約50%である。いくつかの実施形態では、第1の光源の負荷サイクルは50%未満(たとえば、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、3%未満、または1%未満)であり、第1の光源と交互配置された第2の光源の負荷サイクルは50%未満(たとえば、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、3%未満、または1%未満)である。いくつかの実施形態では、第1の光源の負荷サイクルは50%未満(たとえば、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、3%未満、または1%未満)であり、第1の光源と交互配置された第2の光源の負荷サイクルは50%よりも大きい(たとえば、60%よりも大きい、70%よりも大きい、80%よりも大きい)。いくつかの実施形態では、第1の交互配置された光源の負荷サイクルは33%未満であり、第2の交互配置された光源の負荷サイクルは33%未満であり、第3の交互配置された光源の負荷サイクルは33%未満である。第1の光源は、第2の光源とは異なる負荷サイクルであってもよい(たとえば、第3の光源の負荷サイクルとも異なっていてもよい)。
【0055】
第1の光源の明相は第2の光源の暗相の間に生じる(すなわち、第1の光源と第2の光源とは交互配置されている)。いくつかの実施形態では、第2の光源の明相は第1の光源の暗相の間に生じる。いくつかの実施形態では、第2の光源の明相は、第1の光源の暗相の間に少なくとも部分的に(たとえば、全体的にではなく)生じる。第1の光源の明相は第2の光源の暗相と一致してもよく、及び/または第1の光源の暗相は第2の光源の明相と一致してもよい。第1の光源の明相は第2の光源の暗相より短くてもよい。第2の光源の明相は第2の光源の暗相より短くてもよい。本明細書で用いる場合、第1の相または時間が第2の相または時間「の間に」生じる場合、たとえば、第2の相もしくは時間の全体にわたって生じてもよいし、または第2の相もしくは時間の一部の間に生じてもよい(たとえば、第2の相または時間が第1の相または時間よりも長いとき)。
【0056】
光源が掃引光源であるとき、光源の暗相には循環相が含まれていてもよい。たとえば、システム内の1つ以上(たとえば、2つ、3つ、3つを超える、またはすべて)の光源が、それぞれその暗相の間に循環相を含む掃引光源であってもよい。光源の暗相は循環相であってもよい。2つ以上の光源がそれぞれ掃引光源であるとき、それらの循環相は等しい時間長さでなくてもよい。循環相の間、掃引光源をその掃引の最後の波長から最初の波長に再設定して、掃引光源が再び初期状態になって再び掃引できる状態となるようにすることができる。最後の波長は最初の波長より高くてもよいし低くてもよい。いくつかの実施形態では、掃引光源は、1つの最初の波長から1つの最終の波長にのみ掃引するように構成及び配置されている(すなわち、最初及び最終の波長は設定可能ではない)。いくつかの実施形態では、掃引光源の最初及び最終の掃引波長は設定可能である。掃引光源の暗相は掃引光源の循環相であってもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、掃引光源が動作中に発光するのは、それが循環していない(たとえば、その最初の波長に戻る)ときのみである。
【0057】
いくつかの実施形態では、掃引光源には1つ以上の遅延時間及び循環相が含まれている。たとえば、第1の光源の明相を第2の光源の循環相よりも長くして、第2の光源の暗相に遅延時間が含まれるように(たとえば、第1の光源の明相及び第2の光源の暗相の時間長さが等しくなるように)してもよい。遅延時間は、掃引光源の循環相の長さより短くても、等しくても、または長くてもよい。遅延時間は、光源の暗相における循環相の前に、後に、または間に生じてもよい。
【0058】
光源は、光源の明相の間に可変強度の光を与えてもよい。たとえば、強度は時間に対して変化してもよいし、または強度は明相の各繰り返しとともに変化してもよい。光源が与える光の強度は波長依存性であってもよい。光源が与える光の強度は、光源の明相の間、一定であってもよい(たとえば、製造公差内で)。光源は、明相と暗相との間で交互に変わるときに、固定の強度(たとえば、単一波長または多波長の)の間で交互に変わってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、明相の間に異なる固定(たとえば、一定)の強度の光を放出するように制御可能である。いくつかの実施形態では、光源は、明相の間に種々の可変強度の光を放出するように制御可能である。
【0059】
光源は光源の明相の間に一定強度の光を放出してもよい。光源はパルス状の光を放出してもよい。光源は明相の間に可変強度の光を放出してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、光源は、サンプルの少なくとも一部を少なくとも1つの方法で変えるための光を与えるように構成及び配置された供給源であってもよい。いくつかの実施形態では、システムは、第1の光源、第2の光源、及び第3の光源を含む複数の交互配置された光源を含んでいる。第1及び第2の光源はそれぞれ、サンプルを特性評価するための特性評価技術(たとえば、一方に対してイメージング技術及び他方に対して分光技術)用の光を与え、第3の光源は、サンプルの少なくとも一部を少なくとも1つの方法で(たとえば、特性評価と同時に)変えるための光を与える。たとえば、心臓カテーテル内で用いるとき、最初の2つの光源を、処置が必要な冠状動脈内のプラークを特定する際に用いる光を与えるように構成及び配置してもよい(たとえば、2つの光源のうちの1つはイメージングソース、たとえばOCTイメージングソースであり、1つは分光ソース、たとえばNIRSソースである)、また、もしあれば、第3の光源をプラークを処置するように構成及び配置してもよい。プラークの処置には、プラークのサイズを小さくすること、またはその中身を変えてプラークを安定させること(たとえば、その結果、それが破裂する可能性を減らすこと)が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、システムが、第1の光源及び第2の光源を含む複数の交互配置された光源を含んでおり、第1の光源は、サンプルを特性評価するための特性評価技術用の光を与え、第2の光源は、サンプルの少なくとも一部を少なくとも1つの方法で(たとえば、特性評価と同時に)変えるための光を与える。
【0061】
いくつかの実施形態では、サンプルの少なくとも一部を少なくとも1つの方法で変えること(たとえば(たとえば、プラークまたは他の組織)を処置すること)は、少なくとも部分的に、たとえば、明相の間に光源(たとえば、1つ以上の他の光源と交互配置されているもの)からの光から与えられたエネルギーを用いて切断すること、加熱すること、凍結させること、凝固させること、焼灼すること、及び石灰化させることのうちの1つ以上によって行うことができる。焼灼源は、サンプル(たとえば、組織)の少なくとも一部を焼灼すること(たとえば、光の波長及び/または強度によって)ができる光を放出する供給源である。切断源は、サンプル(たとえば、組織)の少なくとも一部を切断すること(たとえば、光の波長及び/または強度によって)ができる光を放出する供給源である。石灰化源は、サンプルの少なくとも一部(たとえば、動脈内のプラーク堆積物)を石灰化させること(たとえば、光の波長及び/または強度によって)ができる光を放出する供給源である。凝固源は、サンプル(たとえば、動脈内のプラーク堆積物)の少なくとも一部を凝固させること(たとえば、光の波長及び/または強度によって)ができる光を放出する供給源である。いくつかの実施形態では、凍結させることは、少なくとも部分的に、光源(たとえば、1つ以上の他の光源と交互配置されたもの)からの光を用いて制御してもよい(たとえば、加えて1つ以上のさらなる凍結要素(たとえば、カテーテル内)を用いて行ってもよい)。いくつかの実施形態では、2つの技術(それぞれ第1の光源及び第2の光源の一方からの光を用いる)によって特定した位置に処置を適用すること(たとえば、少なくとも部分的に、第3の光源からの光を用いる)は、2つの技術によって作成された画像(たとえば、共位置合わせされた光学画像と分光画像)間の共位置合わせエラーを小さくすることによって改善してもよい。
【0062】
サンプルを処置するためのエネルギーを与える光源は、明相と暗相との間で、(たとえば、心臓カテーテルなどのカテーテル内で)伝達するために用いるプローブの回転数に対応する(たとえば、完全に比例している)周波数で交互に変わってもよい。たとえば、サンプルを処置するためのエネルギーを与える光源は、動作中に明相と暗相との間で、少なくとも10Hz、少なくとも100Hz、少なくとも1kHz、少なくとも2kHz、少なくとも5kHz、少なくとも10kHz、少なくとも15kHz、少なくとも20kHz、少なくとも50kHz、少なくとも75kHz、または少なくとも100kHz(たとえば、加えて10GHzを超えない、5GHzを超えない、2GHzを超えない、1GHzを超えない、500MHzを超えない、250MHzを超えない、100MHzを超えない、50MHzを超えない、10MHzを超えない、1MHzを超えない、500kHzを超えない、250kHzを超えない、100kHzを超えない)レートで交互に変わってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の光源、第2の光源、及び第3の光源を含む複数の光源を含んでおり、第1の光源の暗相と第2の光源の暗相とは少なくとも部分的に一致して、第1及び第2の光源に対する共通の暗時間を規定している。いくつかのこのような実施形態では、第3の光源の明相は第1及び第2の光源に対する共通の暗時間の間に生じる。いくつかのこのような実施形態によって、処置する間に、たとえば、切断、凝固、焼灼、石灰化、加熱、または凍結制御を行う間に、同時に特性評価を行うこと(たとえば、OCTイメージング及び/またはNIRS特性評価)が容易になり得る(たとえば、その結果、切断、凝固、焼灼、石灰沈着、加熱、または制御された凍結の質及び/または確度及び及び/または精度が向上し得る)。たとえば、処置を(たとえば、前述の処置例のいずれか1つを用いて)行う間に同時に特性評価を行うことによって、効果的に処置位置及び特性評価位置の共位置合わせであるものが改善され得る。第3の光源を用いて、特性評価技術(たとえば、第3の特性評価技術)用の光を与えてもよい。
【0064】
システムには1つ以上のプローブが含まれていてもよい。プローブには1つ以上のオプティクスが含まれていてもよい。オプティクスを用いて、たとえば、光源からの光の光路を変えてもよいし、サンプルからの光を集めてもよいし、または照明またはサンプル光をフィルタリングしてもよい。オプティクス例には、レンズ(たとえば、ボールレンズ)、1つ以上のミラー、及び/または1つ以上の導波路(たとえば、光ファイバ)が含まれる。プローブには、1つ以上のオプティクスを保持して、入射光源からの光の光路及び/またはプローブが受け取ったサンプル光の光路に対して位置付けるための光学ベンチが含まれていてもよい。システムには、回転接合器が含まれていてもよい。これはたとえば、カテーテルシステム内のプローブと(たとえば、プローブを含む場合に)用いるときである。回転接合器を、第1の光源及び第2の光源からの光を自由に回転可能な共通のプローブに伝達するように、配置及び構成してもよい。プローブには、1つ以上の導波路(たとえば、光ファイバ)を収容するハウジング(たとえば、シース)が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、各光源に対する別個のプローブを含んでいるか、または別個のプローブに接続するように、配置及び構成されている(たとえば、別個のプローブに対する1つ以上の光接続部または接合部を含んでいる)。いくつかの実施形態では、システムは、システム内の複数の光源における少なくとも2つの光源に対する共通のプローブを含んでいるか、または共通のプローブに接続するように、配置及び構成されている(たとえば、共通のプローブに対する1つ以上の光接続部または接合部を含んでいる)。共通のプローブには複数の導波路が含まれていてもよい。たとえば、複数の導波路はそれぞれ、複数の光源の1つに対応してもよい。共通のプローブ内の導波路は、検出器に信号を伝達するように配置及び構成してもよい。複数の導波路には、マルチクラッドファイバまたは複数の独立した光ファイバのコア及び導波路クラッディングが含まれていてもよい。
【0065】
プローブには、1つ以上の光源からサンプルに光を伝達するための1つ以上の導波路が含まれていてもよい。1つ以上の導波路は、1つ以上の光ファイバ、たとえば1つ以上のシングルモードファイバ及び/または1つ以上のマルチモードファイバであってもよい。いくつかの実施形態では、プローブにはマルチクラッドファイバ(たとえば、ダブルクラッドファイバ)が含まれている。第1の光源からの光はファイバのコアを通して与えられ、第2の光源からの光はファイバのクラッディングを通して与えられる。ある実施形態では、プローブにはマルチクラッドファイバが含まれ、複数の光源からの光はファイバのコアを通して与えられ、サンプル信号はクラッディングを通して受け取られる(または逆もまた同様である)。
【0066】
システムはカテーテルであってもよい。カテーテルは、たとえば、心臓カテーテルであってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルには、プローブと、第1の光源及び第2の光源を含む複数の光源とが含まれている。カテーテルに複数の交互配置された光源が含まれていると、複数の特性評価技術に対する正確な共位置合わせされたデータが、カテーテルを引き戻す間に収集され得る。いくつかの実施形態では、第1の光源が暗相を有し、第2の光源が、第1の光源の暗相の間に生じる明相を有するように、第1及び第2の光源は配置及び構成されている。いくつかの実施形態では、第1の光源の明相は第2の光源の暗相の間に生じる。いくつかの実施形態では、カテーテルにプローブ及び2つの光源が含まれ、2つの光源はそれぞれ明相及び暗相を有し、2つの光源の一方の明相が2つの光源の他方の暗相の間に生じる場合、画像(たとえば、以後の分析用)を形成するためのプローブの回転数を少なくすることができる。いくつかの実施形態では、プローブの回転数が少ないと、より滑らかな引き戻しを行うことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルにプローブ及び2つの光源が含まれ、2つの光源はそれぞれ明相及び暗相を有し、2つの光源の一方の明相が2つの光源の他方の暗相の間に生じる場合、所与の引き戻し速度におけるデータ収集を増やすことができる(交互配置されていない光源を用いたカテーテルと比べて)。
【0067】
例示的な光源、例示的な光源を含むシステム、及びそれらを用いる方法
図1Aはシステム例100のブロック図である。システム例100には、第1の光源102、第2の光源104、及び共通のプローブ106が含まれている。システム例100は、第1の光源102及び第2の光源104が共通のプローブ106に光学的に接続されるように、配置及び構成されている。
図1Bはシステム例150のブロック図である。システム例150には、別個の第1のプローブ156に光学的に接続された第1の光源152と、別個の第2のプローブ158に光学的に接続された第2の光源154とが含まれている。
【0068】
図1A及び
図1Bにおいて、光接続部をブロック間の実線によって示す。光接続部には、たとえば、1つ以上の導波路(たとえば、光ファイバ)が含まれていてもよい。1つ以上の中間の光学素子が光接続部に含まれていてもよい。たとえば、1つ以上のミラー、1つ以上のレンズ、1つ以上のスプリッタ、1つ以上の結合器、1つ以上のフィルタ、及び/または1つ以上などである。
【0069】
システム例100はカテーテルであってもよい。たとえば、
図1Cに示すのは、システム例100がカテーテルである単純な例示的な実施形態である。第1の光源102は第1の導波路110aに光学的に接続され、第2の光源104は第2の導波路110bに光学的に接続されている。第1の導波路110a及び第2の導波路110bは回転接合器112に接続されている。回転接合器112の前で、第1の導波路110a及び第2の導波路110bを結合して(たとえば、継ぎ合わせて)共通の導波路(たとえば、マルチクラッドファイバ)にしてもよい(図示せず)。プローブ114には、回転接合器112に光学的に接続された第3の導波路110cが含まれている。(明瞭にするために、波線のボックス内のプローブ114の一部を拡大しており、サンプル(たとえば、内腔たとえば動脈の壁)の方に光を向け直すために用いる変更したボールレンズが含まれている)。第3の導波路110cは、第1の光源102及び第2の光源104からの光を伝達する。いくつかの実施形態では、第1の光源102からの光が第3の導波路110cのコアに沿って進み、第2の光源104からの光が第3の導波路110cの導波路クラッディングに沿って進むように(または逆もまた同様である)、システム例100は配置されている。同様に、いくつかの実施形態では、第3の導波路110cのコアが受信光(たとえば、サンプル信号)を受け取って第1の検出器に伝達し、第3の導波路110cの導波路クラッディングが受信光(たとえば、サンプル信号)を受け取って第2の検出器に伝達するように、システム例100を配置してもよい。いくつかの実施形態では、回転接合器112を省略して、第1及び第2の導波路110a~bを第3の導波路110cに光学的及び物理的に接続する(たとえば、継ぎ合わせる)。カテーテルの引き戻しが開始されたら、または引き戻しが開始される少し前に、光源の動作は始まってもよい)。
【0070】
図1Dはシステム例100のブロック図である。システム例100には、第1の光源102、第2の光源104、共通のプローブ106、第1の検出器116、及び第2の検出器118が含まれている。第1の光源102及び第2の光源104が共通のプローブ106に光学的に接続されるように、システム例100は配置及び構成されている。少なくとも部分的に第1の光源102からの光を用いて生成した信号を、第1の検出器116によって検出する。少なくとも部分的に第2の光源104からの光を用いて生成した信号を、第2の検出器118によって検出する。たとえば、少なくとも第1の光源102の明相の一部の間(たとえば、明相の間のみ)に受信光(たとえば、信号)を検出するように、第1の検出器116を構成及び配置してもよい。たとえば、少なくとも第2の光源104の明相の一部の間(たとえば、明相の間のみ)に受信光(たとえば、信号)を検出するように、第2の検出器118を構成及び配置してもよい。第1の光源102の明相は第2の光源104の暗相の間に生じてもよく、また任意的に逆もまた同様である。第1の光源102及び第2の光源104が任意的に有し得る他の特性については、本開示の全体を通して説明する。
【0071】
図1Eはシステム例150のブロック図である。システム例150には、別個の第1のプローブ156(第1の検出器160に光学的に接続されている)に光学的に接続された第1の光源152と、別個の第2のプローブ158(第2の検出器162に光学的に接続されている)に光学的に接続された第2の光源154とが含まれている。たとえば、少なくとも第1の光源152の明相の一部の間(たとえば、明相の間のみ)に受信光(たとえば、信号)を検出するように、第1の検出器160を構成及び配置してもよい。たとえば、少なくとも第2の光源154の明相の一部の間(たとえば、明相の間のみ)に受信光(たとえば、信号)を検出するように、第2の検出器162を構成及び配置してもよい。第1の光源152の明相は第2の光源154の暗相の間に生じてもよく、また任意的に逆もまた同様である。第1の光源152及び第2の光源154が任意的に有し得る他の特性については、本開示の全体を通して説明する。
【0072】
図1D及び1Eにおいて、光接続部をブロック間の実線によって示す。光接続部には、たとえば、1つ以上の導波路(たとえば、光ファイバ)が含まれていてもよい。1つ以上の中間の光学素子が光接続部に含まれていてもよい。たとえば、1つ以上のミラー、1つ以上のレンズ、1つ以上のスプリッタ、1つ以上の結合器、1つ以上のフィルタ、及び/または1つ以上などである。
【0073】
図2は、サンプルを特性評価する方法例200である。方法例200にはステップ202~212が含まれている(ステップ204及びステップ208は任意的である)。ステップ202では、第1の光源からの第1の光を第2の光源の暗相の間に与える。任意的なステップ204では、少なくとも部分的に第1の光を用いて生成した第1のサンプル信号を受け取る(たとえば、第1の検出器、たとえば光検出器またはCCDまたはCMOSカメラなど、によって)。任意的なステップ204は第1の光源の明相の間に行ってもよい。たとえば、第1の光源を明相の間パルス状にしてもよく、サンプル信号を明相の間に受け取る。任意的なステップ204は第2の光源の暗相の間に行ってもよい。ステップ206では、第2の光源からの第2の光を第1の光源の暗相の間に与える。任意的なステップ208では、少なくとも部分的に第2の光を用いて生成した第2のサンプル信号を受け取る(たとえば、第2の検出器、たとえば光検出器またはCCDまたはCMOSカメラなど、によって)。第1の検出器及び第2の検出器は同じ検出器であってもよい。任意的なステップ208は第2の光源の明相の間に行ってもよい。たとえば、第2の光源を明相の間パルス状にしてもよく、サンプル信号を明相の間に受け取る。任意的なステップ208は第1の光源の暗相の間に行ってもよい。ステップ210では、第1の光源からのさらなる第1の光を、第2の光源の暗相の間に与える。ステップ212では、第2の光源からのさらなる第2の光を、第1の光源の暗相の間に与える。
【0074】
図3Aに、掃引光源である典型的な光源(明相304及び暗相302を伴う)に対する波長対時間のプロットを示す。動作中に、光源はその明相304とその暗相302との間で交互に変わる。典型的な光源は、その明相304の間に一度に1つの波長の光を放出し、動作中に範囲内で掃引される掃引光源である。典型的な光源の暗相302は循環相であり、ここで典型的な光源は最後の波長から最初の波長へと循環する。動作時には、典型的な光源は、最初の波長から最後の波長に至る範囲にわたって光を与え、そして循環して最初の波長に戻り、そして再び光を与える。簡単にするために、典型的な光源は負荷サイクルが50%であると示しているが、より短い負荷サイクルも考えられる。
【0075】
図3Bに、広帯域光源である典型的な光源(明相308及び暗相306を伴う)に対する強度(波長依存性であり得る)対時間のプロットを示す。明相308の間、典型的な光源は一度に多波長の光を(たとえば、ある範囲の波長にわたって)与える。暗相306の間、典型的な光源は発光しない。動作中に、光源はその明相308とその暗相306との間で交互に変わる。明相308の間は一定の非ゼロ強度として示しているが、当然のことながら、これは平均強度を表していてもよいし(たとえば、パルス状である場合)または真の一定強度であってもよい。簡単にするために、典型的な光源は負荷サイクルが50%であると示しているが、より短い負荷サイクルも考えられる。
【0076】
図4Aに、2つの光源(第1の光源及び第2の光源)を含む典型的なシステムに対する波長対時間のプロットを示す。第1の光源が光を放出する波長範囲は、第2の光源が光を放出する波長範囲よりも高い。第1の光源は明相404及び暗相402を有する。第2の光源は明相406及び暗相408を有する。第1の光源及び第2の光源はそれぞれ掃引光源である。また、第1の光源の暗相402は第2の光源の明相406に一致し、第1の光源の明相404は第2の光源の暗相408に一致する。第1の光源の暗相402及び第2の光源の暗相408はそれぞれ、対応する光源の循環相である。動作中に、第1の光源はその明相404とその暗相402との間で交互に変わる。動作中に、第2の光源はその明相406とその暗相408との間で交互に変わる。
【0077】
図4Bに、2つの光源(第1の光源及び第2の光源)を含む典型的なシステムに対する波長対時間のプロットを示す。第1の光源が光を放出する波長範囲は、第2の光源が放出する光波長よりも高い。第1の光源は明相412及び暗相410を有する。第2の光源は明相406及び暗相408を有する。第1の光源は掃引光源である。第2の光源は単一波長の光を放出する。単一波長を放出すると示しているが、当然のことながら、いくつかの同様の実施形態では、第2の供給源が放出する光の波長の範囲は、プロットした波長を含んでいる(たとえば、それを中心とする)(たとえば、第1の光源が放出した波長と重なっていることさえある)。第1の光源の暗相410は第2の光源の明相414に一致し、第1の光源の明相412は第2の光源の暗相416に一致する。第1の光源の暗相410は循環相である。動作中に、第1の光源はその明相412とその暗相410との間で交互に変わる。動作中に、第2の光源はその明相414とその暗相416との間で交互に変わる。第2の光源は、サンプルを特性評価するための光を与える光源であってもよいし、またはサンプルの少なくとも一部を少なくとも1つの方法で変える(たとえば、処置する)(たとえば、切断する、焼灼する、石灰化させる、凝固させる、加熱する、及び/または凍結を制御する)ための光を与える光源であってもよい。
【0078】
図4Cに、一対の交互配置された光源を含む典型的なシステムに対する強度対時間のプロットを示す。第1の光源は明相418及び暗相424を有する。第2の光源は明相420及び暗相422を有する。第1の光源の明相418は第2の光源の暗相422の間に生じる。第1の光源の明相420は第2の光源の暗相424の間に生じる。第1の光源及び第2の光源は両方とも負荷サイクルは50%未満である。この例では、説明の目的上、第1の光源及び第2の光源の両方に対する強度対時間は方形波である。いくつかの実施形態では、(たとえば、交互配置された光源の対または三つ組における)光源の明相の間の時間の関数としての強度は一定ではない(たとえば、強度対時間のプロットは方形波ではない)。
【0079】
図5Aに、典型的な光源に対する波長対時間のプロットを示す。光源は明相502及び暗相505を有する。暗相505は、第1の遅延時間504、循環相506、及び第2の遅延時間508を含んでいる。遅延時間の間、典型的な光源は循環していない。動作中に、典型的な第1の光源はその明相502とその暗相505との間で交互に変わる。
【0080】
図5Bに、2つの光源(第1の光源及び第2の光源)を含む典型的なシステムに対する波長対時間のプロットを示す。第1の光源は明相510及び暗相515を有する。第1の光源の暗相515は、第1の遅延時間512、循環相514、及び第2の遅延時間516を含む。第1の光源の明相510及び暗相515の1つの繰り返しのみを標識化している。第2の光源は明相526及び暗相525を有する。第2の光源の暗相525は、第1の遅延時間520、循環相522、及び第2の遅延時間524を含んでいる。第2の光源の明相526及び暗相525の1つの繰り返しのみを標識化している。種々の時間の相対的な長さに起因して、第1の光源の暗相515は第2の光源の暗相525と部分的に一致して、共通の暗時間を規定している。
【0081】
図6に、3つの光源(第1の光源、第2の光源、及び第3の光源)を含む典型的なシステムに対する波長対時間のプロットを示す。第1、第2、及び第3の光源はそれぞれ、単一波長、または図示した波長を含む(たとえば、それを中心とする)ある範囲の波長(たとえば、重なっている)を放出する。第1の光源は明相602及び暗相604を有する。第2の光源は明相608及び暗相606を有する。第3の光源は明相612及び暗相610を有する。第1の光源の暗相604と第2の光源の暗相606とは、共通の暗時間615の間、一致する。第1の光源の暗相604と第2の光源の暗相606とは部分的に一致して、2つの光源に対する共通の暗時間を規定する。第3の光源の明相612は、第1及び第2の光源の共通の暗時間の間に生じる。第3の光源の明相612は、種々の相の長さに起因して共通の暗時間の全体にわたって生じていると示している。第1、第2、及び第3の光源のいずれか1つ以上からの光を用いて、サンプルにエネルギーを与えてサンプルを処置してもよい(たとえば、サンプルの少なくとも一部を石灰化させるか、焼灼するか、凝固させるか、加熱するか、切断するか、または凍結を制御するために)。第1、第2、及び第3の光源のいずれか1つ以上からの光を用いて、特性評価技術(たとえば、光源のそれぞれに対して別個の特性評価技術)を行ってもよい。図示したように、第1、第2、及び第3の光源の明相は、それらの対応する暗相の正確に3分の1長さである。この関係は単に例示を目的として現しているものであり、本明細書で開示したシステムはこのような関係に限定されない。
【0082】
図3A~
図6のいずれか1つに関連して説明したようないずれかの第1または第2または第3の光源の例示的な暗相及び/または明相を、
図3A~
図6のいずれか1つに関連して説明したようないずれかの第1または第2または第3の光源の例示的な暗相及び/または明相と組み合わせれば、例示的な実施形態が形成される。
図3A~
図6のいずれか1つに関連して説明したような第1または第2または第3の光源を、
図3A~
図6のいずれか1つに説明したような第1または第2または第3の光源と組み合わせれば、例示的な実施形態が形成される。
【0083】
図7は、サンプルの少なくとも一部を処置するための方法例700のフロー図であり、方法700にはステップ702、ステップ704、及び任意的なステップ706が含まれている。ステップ702では、サンプルの少なくとも一部を処置する(たとえば、切断するか、石灰化させるか、焼灼するか、凝固させるか、加熱するか、または凍結を制御することによる)ためのエネルギー(たとえば、光からの)が、第1の光源の明相(第2の光源の暗相の間に生じる)の間に第1の光源によって与えられる。ステップ704では、第1の光源の暗相の間に第2の光源からの光が(第2の光源の明相の間に)与えられる。任意的なステップ706では、第1の光源及び第2の光源に対する共通の暗時間の間に光が第3の光源によって(第3の光源の明相の間に)与えられる。
【0084】
本出願のある実施形態について前述した。しかし、本出願はこれらの実施形態に限定されず、本出願で明確に説明したことへの付加及び変更も本出願の範囲に含まれることが意図されていることが明確に示される。また、当然のことながら、本出願で説明した種々の実施形態の特徴は互いに排他的でなく、種々の組み合わせ及び並べ換えで存在することが、たとえこのような組み合わせまたは並べ換えが明示されなかったとしても、本出願の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能である。光源を交互配置するためのシステム及び方法の特定の実施態様について説明したが、今や本出願の考え方を組み込んだ他の実施態様を用いてもよいことが当業者にとって明らかになるであろう。したがって、本出願は特定の実施態様に限定してはならず、むしろ以下の請求項の趣旨及び範囲によってのみ限定されなければならない。
【国際調査報告】