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特表2022-510298解放可能なクローラを有するパーチするUAV
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】解放可能なクローラを有するパーチするUAV
(51)【国際特許分類】
   B64C 25/32 20060101AFI20220119BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220119BHJP
   B64D 9/00 20060101ALI20220119BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20220119BHJP
   B64C 27/04 20060101ALI20220119BHJP
   E04G 23/00 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B64C25/32
B64C39/02
B64D9/00
B64C13/20 Z
B64C27/04
E04G23/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531010
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 US2019063381
(87)【国際公開番号】W WO2020112859
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/772,700
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/689,864
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599130449
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(71)【出願人】
【識別番号】319003493
【氏名又は名称】キング・アブドゥッラー・ユニバーシティ・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファドゥル・アブデルラティフ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ・エス・シャムマ
【テーマコード(参考)】
2E176
【Fターム(参考)】
2E176AA00
2E176BB38
(57)【要約】
無人航空機(UAV)(100)には、UAVが飛行することを可能にするように構築されている本体と、本体に接続され、湾曲強磁性面(50)にUAVを着陸およびパーチするように構成されている3本以上の脚部を含む。各脚部は、本体に接続された第1の部分と、磁石(120)を含んでおり、かつ着陸中およびパーチ中に、磁着し、強磁性面への脚部の磁着を維持するように構成されている第2の部分と、第2の部分が強磁性面にアプローチすることに応答して、第1の部分に対して第2の部分が受動的に関節接合するように構成されている、第1の部分および第2の部分を接続する受動的な関節ジョイントと、を含む。UAVは、解放可能なクローラ(150)をさらに含み、解放可能なクローラは、パーチ中にクローラを本体から分離し、分離後にクローラを強磁性面に磁着させる間に、強磁性面上でクローラを操縦する磁気ホイールを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機(UAV)であって、
前記UAVが飛行することを可能にするように構築されている本体と、
前記本体に接続されており、かつ湾曲強磁性面に前記飛行するUAVを着陸およびパーチさせるように構成されている、3本以上の脚部であって、各脚部が、
前記本体に接続されている第1の部分と、
磁石を備えており、かつ前記着陸中に、前記脚部を前記強磁性面に磁着することと、前記パーチ中に、前記強磁性面への前記脚部の磁着を維持することと、を行うように構成されている、第2の部分と、
前記第1の部分を前記第2の部分に接続しており、前記第2の部分が前記強磁性面へアプローチすることに応答して、前記着陸中に、前記第1の部分に対して前記第2の部分が受動的に関節接合するように構成されている、受動的な関節接合ジョイントと、を備える、3本以上の脚部と、
磁気ホイールを備える解放可能なクローラであって、前記磁気ホイールが、
前記パーチ中に、前記クローラを前記本体から分離することと、
前記分離後、前記クローラを前記強磁性面に磁着させる間に、前記強磁性面上で前記クローラを操縦することと、とを行うように構成されている、解放可能なクローラと、を備える、UAV。
【請求項2】
前記クローラが、前記操縦中に、前記強磁性面を検査または維持するように構成されたプローブまたはツールをさらに備える、請求項1に記載のUAV。
【請求項3】
前記クローラが、前記UAVまたは基地局と無線で通信するように構成された無線通信回路をさらに備える、請求項1に記載のUAV。
【請求項4】
前記磁気ホイールが、前記操縦後に、前記クローラを前記本体に再ドッキングするようにさらに構成されている、請求項1に記載のUAV。
【請求項5】
各磁石が、永久磁石を備える、請求項1に記載のUAV。
【請求項6】
各磁石が、切り替え可能な永久磁石を備える、請求項5に記載のUAV。
【請求項7】
各磁石が、電永磁石を備える、請求項6に記載のUAV。
【請求項8】
前記パーチしたUAVの前記強磁性面からの離陸中に、前記磁着した脚部のうちの1つ以上を前記強磁性面から磁気的に分離することを支援するために、前記強磁性面に磁着する前記脚部のうちの前記1つ以上の前記第2の部分に梃子を適用するように構成されている分離アクチュエータをさらに備える、請求項5に記載のUAV。
【請求項9】
前記本体に接続されており、かつ、前記着陸中に、前記UAVを配向するための感知データを提供するように構成されている、レーザスキャナをさらに備える、請求項1に記載のUAV。
【請求項10】
前記磁気ホイールが、4つの磁気ホイールを備え、かつ、前記クローラが、前記4つの磁気ホイールのうちの2つを駆動するように各々構成されている2つのモータをさらに備える、請求項1に記載のUAV。
【請求項11】
前記磁気ホイールがオムニホイールまたはメカナムホイールを備える、請求項1に記載のUAV。
【請求項12】
無人航空機(UAV)であって、
前記UAVが飛行することを可能にするように構築されており、かつ複数の第1の取り付け点を有する第1の本体、および、
下部構造、を備えており、前記下部構造が、
対応する複数の第2の取り付け点を有する第2の本体であって、前記第1および第2の装着点のうちの対応するペアで前記第1の本体に装着されている、第2の本体と、
前記第2の本体に接続されており、かつ湾曲磁性面に前記飛行するUAVを着陸およびパーチさせるように構成されている、3本以上の脚部であって、各脚部が、
前記第2の本体に接続されている第1の部分と、
磁石を備えており、かつ前記着陸中に、前記脚部を前記強磁性面に磁着することと、前記パーチ中に、前記強磁性面への前記脚部の磁着を維持することと、を行うように構成されている、第2の部分と、
前記第1の部分を前記第2の部分に接続しており、前記第2の部分が前記強磁性面へアプローチすることに応答して、前記着陸中に、前記第1の部分に対して前記第2の部分が受動的に関節接合するように構成されている、受動的な関節接合ジョイントと、を備える、3本以上の脚部と、
磁気ホイールを備える解放可能なクローラであって、前記磁気ホイールが、
前記パーチ中に、前記クローラが前記第2の本体から分離することと、
前記分離後に、前記クローラを前記強磁性面に磁着させる間に、前記強磁性面で前記クローラを操縦することと、とを行うように構成されている、解放可能なクローラと、を備える、UAV。
【請求項13】
前記クローラが、前記操縦中に、前記強磁性面を検査または維持するように構成されたプローブまたはツールをさらに備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項14】
前記クローラが、前記UAVまたは基地局と無線で通信するように構成された無線通信回路をさらに備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項15】
前記磁気ホイールが、前記操縦後に、前記クローラを前記第2の本体に再ドッキングするようにさらに構成されている、請求項12に記載のUAV。
【請求項16】
各磁石が永久磁石を備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項17】
各磁石が切り替え可能な永久磁石を備える、請求項16に記載のUAV。
【請求項18】
各磁石が電永磁石を備える、請求項17に記載のUAV。
【請求項19】
前記パーチしたUAVの前記強磁性面からの離陸中に、前記磁着した脚部のうちの1つ以上を前記強磁性面から磁気的に分離することを支援するために、前記強磁性面に磁着する前記脚部のうちの前記1つ以上の前記第2の部分に梃子を適用するように構成されている分離アクチュエータをさらに備える、請求項16に記載のUAV。
【請求項20】
前記第1の本体に接続されており、かつ、前記着陸時に前記UAVを配向するための感知データを提供するように構成されているレーザスキャナをさらに備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項21】
前記磁気ホイールが、4つの磁気ホイールを備え、かつ、前記クローラが、前記4つの磁気ホイールのうちの2つを駆動するように各々構成された2つのモータをさらに備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項22】
前記磁気ホイールが、オムニホイールまたはメカナムホイールを備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項23】
前記下部構造が、
前記飛行中に、前記クローラを前記第2の本体に固定するように構成されているドッキング機構、および、
前記パーチ中に、前記強磁性面に対して、前記クローラの高さを調整するように構成されている高さ調整機構、をさらに備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項24】
前記第1の本体が、対応する複数の第3の取り付け点をさらに有しており、
前記第2の本体が、前記第1の取り付け点で前記第1の本体から分離することと、前記第3および第2の装着点の対応するペアで前記第1の本体に装着されること、とを行うように構成されている、請求項12に記載のUAV。
【請求項25】
前記第1の本体が、可動取り付け台であって、前記第1の取り付け点を有しており、前記第1の本体の残りの部分に対して前記第1の取り付け点を移動させるように構成されている可動取り付け台を備える、請求項12に記載のUAV。
【請求項26】
前記飛行中に前記取り付け台を移動させるように構成されているモータをさらに備える、請求項25に記載のUAV。
【請求項27】
前記可動取り付け台が、前記第1の本体の軸の周りで前記第1の取り付け点を回転させるようにさらに構成されている、請求項25に記載のUAV。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2018年11月29日に出願された「PERCHING UAV WITH RELEASABLE CRAWLER」と題する米国特許仮出願第62/772,700号の利益を主張し、かつ、米国特許法第120条の下、2019年11月20日に出願された「PERCHING UAV WITH RELEASABLE CRAWLER」と題する米国出願第16/689,864号の利益を主張するものであり、参照によりそれぞれの全体を本明細書に引用する。
【0002】
本開示は、概して、構造物の検査および保守に関し、具体的には、構造物を検査および維持するための解放可能かつ再ドッキング可能なクローラを有するパーチする無人航空機(unmanned aerial vehicle、UAV)に関する。
【背景技術】
【0003】
パイプ、貯蔵タンクなどの露出した金属資産の検査と保守は、環境によっては人間が実行するのが困難または非現実的となり得る。そのような状況では、自動化されたUAV(ドローン)の使用は、実行可能な代替手段を提供する補助となり得る。しかしながら、このような検査と保守のタスクは、多くの場合、資産から距離をおいてホバリングするのではなく、資産への直接的な接触を使用して、または、資産上でのUAVの操縦を使用して実行するのが最良である。特に、ドローンを使用してパイプ(または他の資産)の完全な円周スキャンを実行することは困難なタスクである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当技術分野におけるこれらおよび他の問題に関して、本開示は、構造物を検査または保守するための解放可能なクローラを有する効果的なパーチするUAVのための技術的解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、無人航空機(UAV)が提供される。UAVは、UAVが飛行することを可能にするように構築されている本体と、本体に接続されており、かつ湾曲強磁性面に飛行するUAVを着陸およびパーチさせるように構成されている3本以上の脚部を含む。各脚部は、本体に接続された第1の部分と、磁石をそなえており、かつ着陸中に、脚部を強磁性面に磁着することと、パーチ中に、強磁性面への脚部の磁着を維持することと、を行うように構成されている、第2の部分と、第1の部分を第2の部分に接続しており、第2の部分が強磁性面へアプローチすることに応答して、着陸中に、第1の部分に対して第2の部分が受動的に関節接合するように構成されている、受動的な関節接合ジョイントを備える。UAVはさらに、解放可能なクローラを備え、解放可能なクローラは、パーチ中にクローラを本体から分離することと、分離後にクローラが強磁性面に磁着させる間に、強磁性面上でクローラを操縦することと、とを行うように構成された磁気ホイールを備える。
【0006】
一実施形態では、クローラは、操縦中に強磁性面を検査または維持するように構成されたプローブまたはツールをさらに備える。
【0007】
一実施形態では、クローラは、UAVまたは基地局と無線で通信するように構成された無線通信回路をさらに備える。
【0008】
一実施形態では、磁気ホイールは、操縦後にクローラを本体に再ドッキングするようにさらに構成される。
【0009】
一実施形態では、各磁石は永久磁石を備える。
【0010】
一実施形態では、各磁石は、切り替え可能な永久磁石を備える。
【0011】
一実施形態では、各磁石は、電永磁石を備える。
【0012】
一実施形態では、UAVは、パーチしたUAVの強磁性面から離陸中に、磁着した脚部のうちの1つ以上を強磁性面から磁気的に分離することを支援するために、強磁性面に磁着する脚部のうちの1つ以上の第2の部分に梃子を適用するように構成されている分離アクチュエータをさらに備える。
【0013】
一実施形態では、UAVは、本体に接続されており、かつ、着陸時にUAVを配向するための感知データを提供するように構成されたレーザスキャナをさらに備える。
【0014】
一実施形態では、磁気ホイールは4つの磁気ホイールを備え、かつ、クローラは、4つの磁気ホイールのうちの2つを駆動するように各々構成された2つのモータをさらに備える。
【0015】
一実施形態では、磁気ホイールは、オムニホイールまたはメカナムホイールを備える。
【0016】
別の実施形態によれば、無人航空機(UAV)が提供される。UAVは、UAVが飛行することを可能にするように構築されており、複数の第1の取り付け点を有する第1の本体および下部構造を含む。下部構造は、対応する複数の第2の取り付け点を有する第2の本体であって、第1および第2の装着点のうちの対応するペアで第1の本体に装着される第2の本体と、第2の本体に接続され、かつ、湾曲磁性面に飛行するUAVを着陸およびパーチさせるように構成されている3本以上の脚部と、を備える。各脚部は、第2の本体に接続されている第1の部分と、磁石を備えており、かつ着陸中に、脚部を強磁性面へ磁着することと、パーチ中に、強磁性面への脚部が磁着を維持することと、、を行うように構成されている、第2の部分と、第1の部分を第2の部分に接続しており、第2の部分が強磁性面へアプローチすることに応答して、着陸中に、第1の部分に対して第2の部分が受動的に関節接合するように構成されている、受動的な関節接合ジョイントと、を備える。下部構造は、解放可能なクローラをさらに備え、解放可能なクローラは、パーチ中にクローラを第2の本体から分離すること、および、分離後にクローラを強磁性面に磁着させる間に、強磁性面上でクローラを操縦することを行うように構成されている磁気ホイールを備える。
【0017】
一実施形態では、クローラは、操縦中に強磁性面を検査または維持するように構成されたプローブまたはツールをさらに備える。
【0018】
一実施形態では、クローラは、UAVまたは基地局と無線で通信するように構成された無線通信回路をさらに備える。
【0019】
一実施形態では、磁気ホイールは、操縦後にクローラを第2の本体に再ドッキングするようにさらに構成されている。
【0020】
一実施形態では、各磁石は永久磁石を備える。
【0021】
一実施形態では、各磁石は、切り替え可能な永久磁石を備える。
【0022】
一実施形態では、各磁石は、電永磁石を備える。
【0023】
一実施形態では、UAVは、パーチしたUAVの強磁性面から離陸中に、磁着した脚部のうちの1つ以上を強磁性面から磁気的に分離することを支援するために、強磁性面に磁着する脚部のうちの1つ以上の第2の部分に梃子を適用するように構成されている分離アクチュエータをさらに備える。
【0024】
一実施形態では、UAVは、第1の本体に接続されており、かつ、着陸時にUAVを配向するための感知データを提供するように構成されているレーザスキャナをさらに備える。
【0025】
一実施形態では、磁気ホイールは、4つの磁気ホイールを備え、クローラは、4つの磁気ホイールのうちの2つを駆動するように各々構成された2つのモータをさらに備える。
【0026】
一実施形態では、磁気ホイールは、オムニホイールまたはメカナムホイールを備える。
【0027】
一実施形態では、下部構造は、飛行中にクローラを第2の本体に固定するように構成されているドッキング機構および、パーチ中に、強磁性面に対して、クローラの高さを調整するように構成された高さ調整機構と、をさらに備える。
【0028】
一実施形態では、第1の本体は、対応する複数の第3の取り付け点をさらに有しており、第2の本体は、第1の取り付け点で第1の本体から分離されることと、第3および第2の装着点の対応するペアで第1の本体に装着されること、とを行うように構成されている。
【0029】
一実施形態では、第1の本体は、可動取り付け台を備え、可動取り付け台は、第1の取り付け点を有し、第1の本体の残りの部分に対して第1の取り付け点を移動させるように構成されている。
【0030】
一実施形態では、UAVは、飛行中に取り付け台を移動させるように構成されたモータをさらに備える。
【0031】
一実施形態では、可動取り付け台は、第1の本体の軸の周りで第1の取り付け点を回転させるようにさらに構成されている。
【0032】
本明細書で開示される様々な実施形態および実装形態の任意の組み合わせを使用することができる。これらおよび他の態様および特徴は、添付の図面および特許請求の範囲とともに、特定の実施形態の以下の説明から理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】一実施形態による、構造物(例えば、パイプ)にパーチするUAVの例の図であり、UAVは、構造物を検査または維持するための解放可能なクローラを有する。図1AはクローラがUAVに取り付けられている様子を示す。
図1B】一実施形態による、構造物(例えば、パイプ)にパーチするUAVの例の図であり、UAVは、構造物を検査または維持するための解放可能なクローラを有する。図1BはクローラがUAVに取り付けられていない(例えば、構造物上をクロールする)様子を示す。
図2A】一実施形態による、例示的なUAVまたはドローンの分解図および断面図であって、構造物にパーチするためのパーチする脚部を有する下部構造で構成されている図である。
図2B】一実施形態による、例示的なUAVまたはドローンの分解図および断面図であって、構造物を検査または維持するために、構造物にパーチしたUAVから解放するためのクローラを有する下部構造で構成されている図である。
図3A】一実施形態による、図2Aおよび図2Bの下部構造を取り付けるためのモジュール式装着点を有する例示的なUAVの断面図である。
図3B】一実施形態による、UAVに対して側方配向および上配向にそれぞれに取り付けられた下部構造を有するUAVの断面図である。
図3C】一実施形態による、UAVに対して側方配向および上配向にそれぞれに取り付けられた下部構造を有するUAVの断面図である。
図4A】一実施形態による、UAVに対して底配向、上配向、および側方配向にそれぞれに取り付けられた下部構造とともに、図2A~3Cの下部構造を取り付けるための回転可能な装着点を有する例示的なUAVの断面図である。
図4B】一実施形態による、UAVに対して底配向、上配向、および側方配向にそれぞれに取り付けられた下部構造とともに、図2A~3Cの下部構造を取り付けるための回転可能な装着点を有する例示的なUAVの断面図である。
図4C】一実施形態による、UAVに対して底配向、上配向、および側方配向にそれぞれに取り付けられた下部構造とともに、図2A~3Cの下部構造を取り付けるための回転可能な装着点を有する例示的なUAVの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面は説明的なものであり、必ずしも縮尺どおりである必要はなく、同じまたは類似の特徴は、全体を通して同じまたは類似の参照番号を有することに留意されたい。
【0035】
様々な例示的な実施形態で、高所にあるか、そうでなければ接近し難いパイプまたは貯蔵タンクなどの構造を検査または維持するための解放可能なクローラを有する、パーチするUAVが提供される。
【0036】
UAVは、炭素鋼パイプ、貯蔵タンクおよび他の構造物などの、湾曲強磁性面上で接触検査作業を実行する高度な性能を有するハイブリッドUAVである。UAVは、検査対象のパイプに向かって飛行して自律的に着陸し(一般にパーチするという)、解放可能な磁気クローラを展開して、パイプの周囲をクロールし、例えば、任意の配向角で込み入った検査作業を実行することができる。クローラは、パイプ上で保守を実行するように構成することもできる。以下の議論から理解されるように、UAVは、例えば、パイプまたは他の構造物の上、側方、または直下に着陸することができ、各々の例において、構造物に着陸したと言われる。
【0037】
前述のように、パイプ、貯蔵タンクなどの露出した金属資産の検査と保守を人々が行うことは、困難または非現実的となり得る。例えば、石油およびガス業界の最大の課題の1つは、製油所、ガスプラント、海上プラットフォーム、および他のプラントおよび施設に見られる高架資産の定期検査である。これらの資産は、検査または保守作業中に接近することが困難である高所のパイプおよび構造物を含む。人々がそれらを検査または維持する唯一の方法が、足場を建てて、検査官またはエンジニアが資産に接近し、例えば、厚さ計測のために超音波検査(UT)センサを使用して手動検査を実行することであるときがある。このような足場は、高価であり、頻繁な検査に大きなコスト障壁をもたらすだけでなく、主に落下およびつまずきの危険という形で安全上の懸念を引き起こす。
【0038】
したがって、例示的な実施形態では、解放可能なクローラを有するパーチするUAVは、母子構成で2台のビークルを有することによって、前述の技術的問題に対する解決策を提供する。各ビークルは、最も適した性能を実行するように設計または最適化されている。ビークルには、パイプ上を飛行し、かつ、パイプに着陸できる、パーチするUAVと、UAVによって運ばれ、着陸または止まった後にUAVから解放される小型の磁気クローラが含まれる。クローラは、パイプ上をあちこち移動して、例えば、UTセンサを使用した厚さ測定などの検査スキャンを実行できる。例えば、いくつかの実施形態では、UAVおよびクローラの両方が、検査または維持されているパイプまたは他の資産の曲面に磁着する。そのため、クローラは(重力に対して逆さまでも)アセットの完全な縦方向または円周方向のスキャンを実行できる。
【0039】
これにより、UAV全体をパイプの周りでクロールさせるよりも実現可能なアプローチが提供される。これには、より大きくて重いモータが必要であり、特にクリアランスの制約が限られている場合に、近くのパイプおよび資産との衝突のリスクがある。パーチしたUAVは、パイプの近くにホバリングするのとは対照的に、パイプに(パイプの上などに)にパーチすることによってエネルギー(例えば、電気エネルギー、電池エネルギーなど)も節約する。パイプの面にUAVをパーチすると、UAVがパイプの隣でホバリングしているときよりも容易に、解放可能なクローラをUAVから解放することまたは、UAVに再ドッキングすることができるようにもなる。さらに、パーチすることにより、ホバリングと比較してより安定が増し、リスクが軽減される。
【0040】
図1Aおよび1Bは、一実施形態による、構造物50(例えば、パイプ)上にパーチする例示的なUAV100の図であり、UAV100は、構造物50を検査または維持するための解放可能なクローラ130を有する。クローラ130は、図1AではUAV100に取り付けられており、図1BではUAV100に取り付けられていない(例えば、構造50上をクロールする)ように示されている。説明を容易にするために、構造物50は、UAV100よりも大きい(例えば、著しく大きい)と全体を通して想定されている。例えば、構造物50は、UAV100よりもすべての次元で大きい。または、構造物50が提供する着陸予定区域は、UAV100の着陸予定区域よりも大きい。さらに、説明を容易にするために、構造物50(または本明細書に記載の任意の構造)は、直系8インチ以上のパイプなどのパイプであると想定されている。
【0041】
図1Aおよび1Bは、動作中の母子構成を示す。図1Aは、クローラ130がまだドッキングされた状態の、パイプ50に着陸した後のUAV100を示す。図1Bは、検査作業を実行するためにUAV100から解放された後のクローラ130を示す。解放可能なクローラ130によって提供されるクロール機能により、UAV100は、より容易な接近可用性などの検査および保守作業のための重要な機能を付与される(例えば、検査または保守が行われる正確なスポットに着陸する必要がない)。クロールにより、円周方向および縦方向のスキャンがさらに提供される。例えば、石油およびガス産業では、パイプ50のフルスキャンを実行して、パイプ50の特定の領域における最小鋼厚を見つけることが重要である。このようなスキャンには、円周スキャンと縦スキャンが含まれることがよくあり、クロールはこれによく適合する。クロールによって、さらに、複数の検査中に電力効率が提供される(例えば、同じパイプ上の複数の検査サイト間のクロールは、飛行よりも電力効率が高くなる)。
【0042】
図1Aおよび2Bでは、UAV100は、4つの関節接合された磁石120(永久磁石または切り替え可能な永久磁石など)を利用する。パイプ50へのUAV100の着陸に対応するために、各磁石120(またはより正確には、その磁場)は、UAV100がパイプ50に着陸したとき、またはパーチしているときに、パイプ50に対して垂直な向きで関節運動する。
【0043】
いくつかの実施形態では、関節磁石120の磁場は、能動的にオンとオフを切り替えることができる(例えば、作業完了後の容易な取り外しを可能にするため)。リアルタイムフィードバックの形式として、自動着陸移動中のUAV100に対するパイプの相対位置などを計測するために、レーザスキャナ110(例えば、光検出および測距、またはLIDAR)が含まれる。いくつかの実施形態では、ミニチュアクローラ130は、ワイヤによって接続され(例えば、電力および通信のために)、UTセンサ、4つの磁気ホイール140、および対応するペア(例えば、前部および後部)でホイール140を駆動するための2つのモータを含む。ワイヤにより、検査または保守を実行するための残りの電子機器および電池をUAV本体100内に配置することも可能になる。これにより、クローラ130のサイズ、重量、および複雑さが軽減される。
【0044】
いくつかの他の実施形態では、クローラ130は、異なる数のホイール140(例えば、2つまたは3つのホイール、または4つ以上)およびそれらのタイプ(いくつか例を挙げると、オムニホイール、メカナムホイールなど)を含む。無人地上車両(unmanned ground vehicle、UGV)とは異なり、磁気クローラ130は、パイプの検査または保守の(全体に示されているように)様々な曲率および様々な方向と戦わなければならない。したがって、いくつかの実施形態では、磁気クローラ130は、パイプの曲率(または他の湾曲した構造または血管からの同様の曲率)を航行するための特別な移動システムを有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、クローラ130とUAV100との間の通信は有線である。例えば、細いコードの小さなスプールを使用して、クローラ130は、電力および通信のためにUAV100に接続することができる。これにより、例えば、クローラ130内にバッテリーおよび他の電子機器を保持する必要がなくなり、UAV100に既に存在するいくつかの構成要素を利用することによって、クローラをより小さくし、総重量を節約することができる。
【0046】
他のいくつかの実施形態では、クローラ130とUAV100との間の通信は無線である。ここで、クローラ130は、より独立した車両を提供するために、それ自体のバッテリーおよび電子機器を含む。これは、例えば、UAV100がクローラ130を地面から拾い上げ、パイプ50に展開する際に有用な場合がある。その時点で、UAV100は飛行して何らかの他の検査作業を行い、次いで、クローラ130を拾い上げるために戻ることができる。これは、多数のクローラ130(例えば、クローラ130の群)が複数の資産を検査する場合にも有用である。UAV100は、それらを1つずつ、またはバッチで、地面から目的地に向けて拾い上げて、そして、作業完了時に回収する。異なる実施形態では、無線接続は、クローラ130とUAV100または操作者の制御局のいずれか、もしくは、UAV100と操作者の制御局の両方との間であり得る。
【0047】
一実施形態では、UAV100は、UAV100の飛行を可能にするように構築された本体を含む(例えば、ロータ、制御デバイスおよび誘導デバイスなどを有する)。UAV100はまた、本体に接続され、湾曲した強磁性表面50に飛行するUAV100を着陸させてパーチするように構成された3つ以上の脚を含む。各脚部は、本体に接続された上部(または主要な)部分と、永久磁石120を含む下部とを含む。底部は、着陸時に脚を強磁性面50に磁着し、かつ、パーチする間、脚を強磁性面に磁着されたままであるように構成されている。さらに、受動的な関節ジョイント接続は、脚の上部と下部を接続し、着陸中に下部が強磁性表面50に近づいていくことに応答して、上部に対して下部を受動的に関節運動(例えば、ピボット)する。UAV100は、磁気ホイール140を有する解放可能なクローラ130をさらに含む。磁気ホイール140によって、パーチする間にクローラ130をUAV100から分離することが可能になり、分離後は、クローラ130を強磁性表面50に磁着しながら、強磁性表面50上でクローラ130を移動することが可能になる。
【0048】
異なる実施形態では、UAV100の異なる着陸機構を使用することができる。これらは、磁性または非磁性などの様々なタイプの接着機構を含み得る。磁気的な着陸機構の例には、パイプ50からの離陸中に機械的手段によって、遮断または克服することができる磁石が含まれる。このような磁石には、切り替え可能な永久磁石、離陸時の取り外しを支援する作動梃を備えた永久磁石、永電磁石、および電磁石が含まれる。しかしながら、連続的な電力消費は電磁石にとって不利になりうることに留意されたい。非磁性の接着機構は、ステンレス鋼、複合パイプ、コンクリート壁などの非強磁性の表面に使用できる。このような機構は、ヤモリに着想を得た乾燥接着剤(合成剛毛など)であるマイクロスパイン、吸盤、グリッパ、およびクロールを含む。
【0049】
異なる実施形態では、異なるクローラ荷重または設計を使用される。単純化するために、これらの荷重または設計を、検査と保守という2つの基本的なカテゴリに分類する。検査荷重および設計は、パイプおよび構造物を検査するために石油およびガス業界でよく使用される様々なタイプのセンサを含む。例えば、いくつかの実施形態では、UTセンサが厚さ計測に使用される。説明を簡単にするために、全体を通して厚さ計測用のUTセンサが、検査と保守のための例示的なデバイスとアプリケーションを表すために時々使用される。しかしながら、他の実施形態は、かかるデバイスまたはアプリケーションに限定されない。例えば、他の検査センサまたはプローブをUTセンサの代わりに、またはUTセンサに加えて作業に応じて使用することができ、それには渦電流センサおよび交流電流場計測(ACFM)センサなどを含む(しかし、この限りではない)。
【0050】
さらに他の実施形態では、クローラ130は、1つ以上のツールで構成され、保守目的で使用される。例えば、クローラ130を、洗浄、表面処理、およびコーティング補修などの軽い保守作業を実行するために使用することができる。さらに他の実施形態では、クローラ130は、1つ以上のカメラで構成され、目視検査に使用される。例えば、いくつかの実施形態では、カメラは、単純な目視検査の作業に使用される。関心のある領域の動画または写真のみを取得する必要があるが、その領域をUAV100によって直接的に検査することが困難であるような区域などの作業である。
【0051】
いくつかの実施形態では、クローラ130は、マーカ(ペイントまたはQRコード(登録商標)など)を関心のある領域(センサの読み取り値が正常レベル外である場所、障害が検出される場所など)に残すように構成されている。例えば、これらの位置は、重要な厚さレベルを検出する場所である可能性がある。いくつかのかかる実施形態では、クローラ130が再ドッキングし、UAV100が飛び去った後に、UAV100がこれらのマーカをスキャンし、これらのマーカの正確な位置を示す環境の3D再構成を作成する。いくつかのかかる実施形態では、UAV100は、オンボードRGB-Dカメラを使用してマーカを検出し、UAV100に対するそれらの位置を計算する。UAVのGPSの位置を使用して、マーカの絶対位置を計算または別様に判定することができる。UAV100がマーカをスキャンしている間、クローラ130は、例えば、パイプ50上に留まるか、またはUAV100と再ドッキングすることができることに留意されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、クローラ130は、無線の位置特定を使用して、資産上の問題がある場所を、仮想マーカなどで識別する。言い換えれば、瑕疵の位置は、精度は低くなるが、物理的なマーカがなくても特定することできる。これは、UAV100に対するクローラの位置を、無線センサを使用して計算(または別様に判定)することができるためである。例えば、いくつかのかかる実施形態では、UAV100は、超広帯域(ultra-wide band、UWB)センサアレイを運び、当該センサアレイはクローラ130に据え付きの別のUWB送信機の無線信号を受信する。そうすると、UAV100が飛行中であるか、パイプ50に取り付けられているかに関係なく、クローラの相対位置を計測可能である。いくつかの実施形態では、操作者がクロール中に障害を発見するときはいつでも、UAV100に関するクローラの位置にタグが付けられ、キャプチャされる。UAVのGPSセンサを使用すると、これらの瑕疵の絶対位置を特定できる。いくつかの実施形態では、GPSが利用できない場合、UAVの位置は、GPSを利用できるホームベースからの飛行軌道およびIMUデータに基づいて推定される。
【0053】
いくつかの実施形態では、前もって計算された(または決定された)検査位置が、UAV100から操作用コンピュータまたは地上局に転送される。次いで、検査位置が、例えば、検査対象のプラントのあらかじめ作成された3Dモデル上、またはUAVのオンボードセンサ(例えば、深度カメラまたは3DのLIDAR)上から構築されることができる3Dモデルで視覚化される。さらに、いくつかのかかる実施形態では、視覚化された位置に、対応する計測厚(または他の検知された値または情報)の注釈が付けられる。
【0054】
図2Aおよび2Bは、一実施形態による、例示的なUAV200またはドローンの分解図および断面図であって、それぞれ(1)構造物150(炭素鋼パイプまたは他の湾曲した強磁性面150)にパーチするためのパーチする脚部280を有する下部構造220で構成されている図、(2)構造物150を検査または維持するために、構造物150にパーチしたUAV200から解放するためのクローラ260を有する下部構造で構成されている図、である。クローラ260は、(例えば、重力に対する配向に関係なく、逆さまでさえある)湾曲強磁性面150に接着する間に、操縦するための磁気ホイール270を有する。説明を容易にするために、湾曲強磁性面を有する構造例としてパイプが全体を通して使用されている。しかしながら、記載された実施形態は、湾曲強磁性面を有する円筒形または球形の貯蔵タンクなどの他のかかる構造に均等に適用可能である。UAV200またはドローンは、ロータ(4つもしくは6つのロータなど)および、UAV200の荷重のバランスをとり、またはUAV200を所望の方向に移動させるために、個々のロータの回転速度を調整するための制御ユニットを含むことができる。
【0055】
図2Aおよび2Bを参照すると、UAV200は、下部構造220の類似の装着点230のセットと嵌合するための装着点210のセットを含む。このようにして、任意の互換性のあるUAV/下部構造の組み合わせ(例えば、互換性のある装着点および有効荷重容量/重量)を、所望の目的に合わせて組み立てることができ、この場合は、構造物150に展開し、構造物150を検査または維持するための解放可能なクローラ260である。この目的のために、下部構造220は、各々が関節接合された磁石290を有する、一組のパーチする脚部280(例えば、4つのかかる脚部280)を含む。関節接合された磁石290は、UAV200が面150にアプローチしてパーチするときに、湾曲強磁性面150の方へ配向可能であるように、そして湾曲強磁性面150に接着可能にするように、脚部280に装着されている。
【0056】
したがって、図2Aに示されるように、ジョイントがユニバーサルジョイントを含むときなどに、複数の軸内で、脚部280がちょうどパーチする面150に対して磁石290のハウジング内で、関節接合ジョイントは磁石290の旋回を可能にする。図示されるように、旋回は、脚部280またはジョイントの軸の周りで可能であり、軸に対する角度φおよび任意選択で追加の角度θなどに対する角度を想定することができる。UAV200および下部構造220は、主に、クローラ260を構造物の上(または上近く)へパーチして展開、または構造物の上(または上近く)から回収するように構成されている(例えば、UAV200のロータをパーチングの前、最中、後に適切なレベルに保つ)。
【0057】
さらに、下部構造220は、クローラ260をパーチしたUAV200から面150に下降させるため、またはクローラ260を面150からパーチしたUAV200へ上昇させるための高さ調整機構240(例えば、モータまたは他のアクチュエータ)を含む。これを補助するために、ドッキング機構250は、ドッキングポートなどを用いて、高さ調整機構240をクローラ260に接続する。クローラ260は、面150に展開された後、ドッキングポートにより、パーチしたUAV200から離脱する(例えば、撥ね飛ばされる)ことができるか、または、面150から離れる準備ができたとき、ドッキングポートにより、クローラ260はパーチしたUAV200へ係合する(例えば、中にもしくは面上に走り込む)ことができ、それは例えば、ホームベースまたは、検査または維持されるべき他の構造または構成要素に戻るためである。ドッキング機構250はまた、UAV200とクローラ260との間の情報またはエネルギーの転送を可能にし得る。例えば、計装データをクローラ260からUAV200にダウンロードするか、またはクローラ260の電池をUAV200から再充電する。
【0058】
さらに詳細には、いくつかの実施形態では、(例えば、面150での解放を成功させるために)高さ調整機構240を使用して、パイプ直径に基づいてクローラ260の高さを調整する。例えば、大型のパイプ(または平面)では、ドッキングされたクローラ260の面150までの高さは、小さな直径のパイプのときよりも高くなる。したがって、大型のパイプ(または平面)の場合、クローラ260は、面150に到達するためにより低い高さに展開されるが、小径のパイプでは、クローラ260は、より高い点で展開および解放される。さらに、いくつかの実施形態では、高さ調整機構240は、作業完了後にクローラ260を再ドッキングするために使用される。これにより、ドッキング機構250をクローラ260に対して正しい高さにすることができる。この場合も、パイプの直径が異なれば、対応する高さも異なる。いくつかの実施形態では、高さ調整機構240を使用して、クローラ260を引っ張り、強磁性面150へのその磁着を破壊する。
【0059】
いくつかの実施形態では、高さ調整機構240は、モータなどで作動される。いくつかの実施形態では、高さ調整機構240は、クローラ260を分離するために使用されない場合は受動的である。例えば、かかる一実施形態では、高さ調整機構240はバネ式であるため、UAV200がパーチしてクローラ260を展開するとき、常に最大可能伸長の状態でパイプ150を押すことができる。
【0060】
下部構造220を有するUAV200では、真っ直ぐまたはほぼ真っ直ぐな角度でパイプ150の上面近く(例えば、12時または12時近くの位置)にアプローチして着陸することが望ましく、通常、脚部280の接着および適切なパーチを提供する。パーチする脚部280は、パイプ150へのパーチおよび接着を成功させるために有用な特徴を有する。例えば、パーチ機構の各脚部280は、関節接合された磁石290(永久磁石または切り替え可能な永久磁石など)を特徴とする。脚部280の関節接合は、関節接合された磁石290が、磁石290の磁気引力および強磁性面150に応答して、図2Aに示される軸に対して関節接合するように設計されている点で、磁石290と強磁性面150の初期接触への応答など、UAV200(より正確には、取付けられた下部構造220)が対象となる強磁性面150のかなり近傍にある場合に、受動的である。下部構造220は好適な装着点(例えば、装着点230と嵌合するためのもの)と有効荷重容量(例えば、飛行中に下部構造200を運搬および展開するためのもの)を有する任意のUAVへ装着可能であることに留意されたい。
【0061】
いくつかの実施形態では、展開および作業完了後、クローラ260は、UAV200と、またはより具体的には、ドッキング機構250と再ドッキングする。クローラ260を使用するUAV200による強磁性面150からの再ドッキングおよび離陸のプロセスはまた、面150からクローラ260を磁気的に分離することを含む。いくつかのかかる実施形態では、UAV200は、高さ調整機構240を使用して、クローラ260の磁気ホイール270および強磁性面150の磁気引力からクローラ260を梃子で分離する。他のいくつかのかかる実施形態では、磁気ホイール270は、切り替え可能な磁石を使用して、再ドッキング後に強磁性面150への接着を無効にする。さらに他のいくつかのかかる実施形態では、ドッキング機構250は、パイプ150上にあり、かつ、UAV200に取り付けられている傾斜路を含む。かかる実施形態では、クローラ260は、(傾斜した車道への駐車するように)再ドッキングしながら傾斜路を登る。このようにして、クローラのホイールモータは、クローラ260の駆動トルクを使用して、磁気ホイール270の磁石を強制的に分離するために使用される。傾斜路は、重量、強度などの要因に応じて、金属材料(例えば、鋼)または非磁性材料で作ることができる。かかる各実施形態では、UAV200によって安全に保持される有効荷重としてのクローラ260とともに、UAV200が次の場所に飛ぶことを可能にするために、UAV200の磁気引力は達成される。
【0062】
図3Aは、一実施形態による、図2Aおよび図2Bの下部構造220を取り付けるためのモジュール式装着点310を有する例示的なUAV300の断面図である。一方、図3Bおよび図3Cは、一実施形態による、UAV300に対して側方配向および上配向にそれぞれに取り付けられた下部構造220を有するUAV300の断面図である。このモジュール式アプローチにより、パイプ150の上、側方、または底にそれぞれパーチできるようにするために、例えば、UAV300の底、前、または上に下部構造220(有効荷重)を取り付けることが可能になる。
【0063】
製油所でパイプを検査する際の最大の課題の1つは、ラック、構造物、他のパイプなどの障害物のために、パイプの多くに上からアクセス可能ではないことである。これらの場合、構造物の側方または底など、他の位置からそのような面にアクセスまたはパーチすることが望ましい。UAV300は、装着点310の好適なセットに取り付けられた下部構造220とともに、図3A、3B、および3Cにそれぞれ示されるように、適応可能なパーチする脚部280を使用して、パイプ150の上、側方、または底にパーチすることができる。
【0064】
さらに詳細には、各脚部280は、脚部200を2つの別個の部分、下部構造220にしっかりと取り付けられた主要な本体と、可動の(または関節接合する)磁石290へと分割する、関節接合された磁石290を使って設計されている。これは、脚部280に少なくとも回転自由度を提供し、これにより、磁石290は、着陸中にパイプ150に向けてそれらの配向(例えば、垂直)を受動的に再調整して、完全またはほぼ完全な接着を可能にする。
【0065】
2D側面図の説明を容易にするために、UAV300のロータのような特徴が、UAV300の他の部分(パーチする脚部280など)に接触するように示される場合があることに留意されたい。しかしながら、これは、深さ寸法(かかる特徴が重ならない)が示されていないためである。UAV300のロータは、下部構造220のいかなる構成された配向においても、下部構造220を妨害しない(例えば、下部構造220は、上から見たときにロータの間にある)。
【0066】
下部構造220の場所を変更すると、UAV300の重心が変更されることも指摘されるべきである。そのため、UAV300はこの変更に対して補正する必要がある。いくつかの実施形態では、UAV300のオンボードフライトコントローラは、重量分布に関係なく、UAV300が安定したホバリングを保つように(例えば、論理回路、コードなどによって)構成される。例えば、UAV300の前方が重くなると、コントローラは、わずかな傾きを感知することと、UAV300を水平に保ち、安定させるために、重たい側の(ロータの)推力または回転速度を上げてその傾きを補正することを行うように構成される。(図4Aから4Cに示されるような)いくつかの実施形態では、重心の変化の影響を低減するために、電池などの重い構成要素が、下部構造220とは反対の回転レール上に配置される。これにより、下部構造220がUAV200の真下にない状況にある中でも、フライトコントローラがUAV200を安定に保つことが容易になる。
【0067】
図4A、4B、および4Cは、一実施形態による、UAV400に対して底配向、上配向、および側方配向にそれぞれに取り付けられた下部構造220とともに、図2A図3Cの下部構造220を取り付けるための回転可能な装着点410を有する例示的なUAV400の断面図である。いくつかの実施形態では、UAV400は、飛行中(例えば、動的回転)を含めて、装着点410を好適な配向に回転させるためのモータまたはアクチュエータを含む。いくつかの他の実施形態では、装着点410は、ミッションに先だって、手動で所望の配向に回転させることができる(例えば、静的回転)。
【0068】
例示的な電動化された実施形態では、電動システム(例えば、電動装着点410と、UAV400の周りを回るように装着点410を回転するためのモータ)により、操作者は、ボタンを押すだけで下部構造220(有効荷重)の配向を変更することができる。別の実施形態では、UAV400は、パイプ150の周りで観察されたかまたは既知の障害などの要因に応じて、下部構造220の配向を(例えば、飛行中に)自動的に変更する。これらを念頭に置いて、図4A、4B、および4Cは、電動システムが、パーチする脚部280の配向を変更して、パイプ150のそれぞれ上、底、または側方に着地する方法を示している。
【0069】
例えば、一実施形態では、UAVは、パイプ150の上、側、または底、またはそれらの中間など、パーチするパイプ150上の最も安全な場所を計画するように(コンピュータコードなどによって)構成されたコントローラを有する。図4Aから4Cに示される例示的な電動化された実施形態では、回転は、UAVの本体400の周りの円形レールを介して達成される。したがって、回転中に適切な重心を維持するために、電池などの重い構成要素をレール上に(例えば、装着点410と反対の位置に)配置して、カウンタウェイトとして機能させることができる。
【0070】
例示的なユーザが調整可能な(例えば、手動の)実施形態では、下部構造220の回転は、電動化される代わりに、ユーザによって手動で調整される。例えば、これは、重量、複雑さ、電力などを省くために行うことができる。この手動調整を達成するための例示的な技術は、手回しねじを緩めて、円形レールの周りの下部構造220の手動回転のロックを解除することによるものであり、その後、下部構造220が所望の位置になれば、再ロックすることができる。
【0071】
本明細書に記載の方法は、有形の(例えば、非一時的な)記憶媒体上の機械可読形式のソフトウェアまたはファームウェアによって部分的または全体的に実行され得る。例えば、そのソフトウェアまたはファームウェアは、本明細書で説明した任意の方法の一部またはすべてのステップを実行するように適合されたコンピュータプログラムの形態であってもよく、プログラムがコンピュータまたは好適なハードウェアデバイス(例えば、FPGA)上で実行されるとき、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体上に実装されている可能性がある。有形の記憶媒体の例として、ディスク、サムドライブ、メモリなどのコンピュータ可読媒体を含むコンピュータ記憶デバイスが挙げられ、伝播される信号は含まれない。伝播される信号は有形の記憶媒体に存在する場合があるが、伝播される信号自体は有形の記憶媒体の例ではない。ソフトウェアは、方法ステップが任意の好適な順序で、または同時に実行され得るように、並列プロセッサまたは直列プロセッサ上での実行に好適であり得る。
【0072】
図面中の類似の数字が、いくつかの図面を通して類似の要素を表し、図面に関連して説明され、示された構成要素および/またはステップの全てが、全ての実施形態または構成に必要とされるわけではないことをさらに理解されたい。
【0073】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本開示を限定することを意図していない。本明細書において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別のことを示している場合を除き、複数形も含むものと意図する。「comprises(備える)」および/または「comprising(備える)」という用語は、本明細書で使用する際、述べた特徴、整数、ステップ、作業、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、作業、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0074】
向きの用語は、本明細書においては、単に慣例および参照の目的で使用され、限定として解釈されるべきではない。しかしながら、これらの用語が、見る人を基準にして使用される可能性があることが認識される。したがって、限定が含意されることもなく、推測されることもない。さらに、序数(例えば、第1、第2、第3)の使用は区別のためであり、カウントではない。例えば、「第3」は、対応する「第1」または「第2」があることを示唆していない。また、本明細書において使用される表現および専門用語は、説明目的のものであり、限定として見做されるべきではない。本明細書における「including(含む)」、「comprising(備える、含む)」、または「having(有する)」、「containing(含む)」、「involving(伴う)」、およびそれらの変形の使用は、それ以降に挙げられた項目、およびその等価物、ならびに追加項目を包含することを目的としている。
【0075】
上述の主題は、単に例示として提供されており、限定されるものと解釈されるべきではない。例示的な実施形態ならびに説明および記載された用途に従うことなく、かつ、以降の特許請求の範囲に記載されている本開示の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が、本明細書に記載された主題に対して行われ得る。
【符号の説明】
【0076】
50 湾曲強磁性面(構造物、パイプ)
100 UAV本体
110 レーザスキャナ
120 関節磁石
130 磁気クローラ(ミニチュアクローラ)
140 磁気ホイール
150 湾曲強磁性面
200 脚部
210 装着点
220 下部構造
230 装着点
240 調整機構
250 ドッキング機構
260 クローラ
270 磁気ホイール
280 脚部
290 磁石
310 モジュール式装着点
400 本体
410 電動装着点
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
【国際調査報告】