(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】光結合構造、システム及び光結合構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/12 20060101AFI20220119BHJP
G02B 6/122 20060101ALI20220119BHJP
G02B 6/13 20060101ALI20220119BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
G02B6/12 371
G02B6/122
G02B6/13
G02B6/30
G02B6/122 311
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532174
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2018120911
(87)【国際公開番号】W WO2020118625
(87)【国際公開日】2020-06-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521242370
【氏名又は名称】中国科学院半▲導▼体研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 林
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 尚霖
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2H137AB09
2H137BA03
2H137BA35
2H137BA54
2H137CA13A
2H137CA34
2H137CA74
2H137CC01
2H137EA02
2H137EA04
2H137EA05
2H137FA01
2H147BB02
2H147BB03
2H147BB10
2H147CA01
2H147CB01
2H147CC02
2H147CC12
2H147EA05A
2H147EA14A
2H147EA14B
2H147EA14C
2H147FA05
2H147FC01
2H147FC03
2H147FC08
2H147GA19
(57)【要約】
本開示は、光結合構造、光結合システム及び光結合構造の製造方法を提供している。光結合構造の製造方法は、ベースを用意するステップS101と、前記ベースにニオブ酸リチウム光導波路を形成するステップS102と、前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成するステップS103と、前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成するステップS104と、を含む。当該光結合構造は、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和し、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率を向上させるという技術効果を奏する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに形成されるニオブ酸リチウム光導波路と、
前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に形成され、前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層と、
前記シリカコア層の周壁に形成され、前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層と、を備える
ことを特徴とする光結合構造。
【請求項2】
前記シリカコア層は、端面が矩形又は台形であり、端面面積の範囲が数十平方マイクロメートル乃至数百平方マイクロメートルである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光結合構造。
【請求項3】
接着剤をさらに備え、
前記接着剤は、前記シリカコア層及び前記シリカクラッド層の光の伝搬方向における端面に設けられ、
前記接着剤の屈折率と前記シリカコア層の屈折率との差は0.5未満となる、
ことを特徴とする請求項2に記載の光結合構造。
【請求項4】
第1シングルモード光ファイバと、
第2シングルモード光ファイバと、
請求項1~3のいずれか1項に記載の光結合構造と、を備え、
前記光結合構造の第1端は前記第1シングルモード光ファイバに接続され、
前記光結合構造の第2端は前記第2シングルモード光ファイバに接続され、
前記第1端と前記第2端は何れも光の伝搬方向にある、
ことを特徴とする光結合システム。
【請求項5】
前記シリカコア層と前記シリカクラッド層との屈折率差をΔnとし、前記シングルモード光ファイバのコア部と前記シングルモード光ファイバのクラッド層との屈折率差をΔn’とすると、Δn-Δn’<0.5となる、
ことを特徴とする請求項4に記載の光結合システム。
【請求項6】
前記ニオブ酸リチウム光導波路は、中部に位置する直方体導波路と、前記直方体導波路の両端にそれぞれ位置する第1四角柱導波路及び第2四角柱導波路と、を有し、
前記第1四角柱導波路は、前記第1端の近くに位置し、
前記第1四角柱導波路の前記第1シングルモード光ファイバから離れた端面は、前記直方体導波路の端面に接続され、
前記第1四角柱導波路の前記第1シングルモード光ファイバに近い端面と前記第1端との距離は0より大きく、
前記第1四角柱導波路の断面寸法は、前記第1シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなり、
前記第2四角柱導波路は、前記第2端の近くに位置し、
前記第2四角柱導波路の前記第2シングルモード光ファイバから離れた端面は、前記直方体導波路の端面に接続され、
前記第2四角柱導波路の前記第2シングルモード光ファイバに近い端面と前記第2端との距離は0より大きく、
前記第2四角柱導波路の断面寸法は、前記第2シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなる、
ことを特徴とする請求項5に記載の光結合システム。
【請求項7】
ベースを用意するステップS101と、
前記ベースにニオブ酸リチウム光導波路を形成するステップS102と、
前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成するステップS103と、
前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成するステップS104と、を含む、
ことを特徴とする光結合構造の製造方法。
【請求項8】
前記ベースは、石英下地層と埋設シリカ層とニオブ酸リチウムフィルム層とを下から上へこの順に有し、
前記ベースにニオブ酸リチウム光導波路を形成するステップは、フォトリソグラフィーを利用して前記ニオブ酸リチウムフィルム層をエッチングし、前記ニオブ酸リチウム光導波路を形成することを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の光結合構造の製造方法。
【請求項9】
前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成するステップは、
ステップS102で製造された構造にシリカキャップ層を形成することと、
前記シリカキャップ層に対して平坦化処理を行うことと、
フォトリソグラフィーを利用して前記シリカキャップ層の一部及び前記埋設シリカ層の一部をエッチングして除去し、前記石英下地層の上方までエッチングし、エッチングされたシリカキャップ層とエッチングされた埋設シリカ層とで前記シリカコア層を形成することと、を含み、
前記シリカコア層の光の伝搬方向における長さは、前記ニオブ酸リチウム光導波路の光の伝搬方向における長さよりも大きい、
ことを特徴とする請求項8に記載の光結合構造の製造方法。
【請求項10】
前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成するステップは、
ステップS103で製造された構造にシリカトップ層を形成し、前記シリカトップ層と前記石英下地層とで前記シリカクラッド層を形成することを含み、
前記シリカコア層の光の伝搬方向における長さは、前記シリカクラッド層の光の伝搬方向における長さに等しい、
ことを特徴とする請求項9に記載の光結合構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光ファイバ通信及び集積光学の技術分野に関し、特に光結合構造、システム及び光結合構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のニオブ酸リチウム部品は、高温プロトン交換などのプロセスで製造され、部品の体積が大きく、プロセスの一致性が悪いなどの欠点がある。ニオブ酸リチウムエッチングプロセスの出現により、フォトリソグラフィー及びエッチングなどのプロセスを利用してニオブ酸リチウムウェハに複数の光学機能部品を集積することが可能になる。
【0003】
実際の応用において、ニオブ酸リチウム光導波路の断面積は平方マイクロメートルオーダーであるのに対して、シングルモード光ファイバの断面積は百平方マイクロメートルオーダーである。ニオブ酸リチウム光導波路の断面積とシングルモード光ファイバの断面積とが異なるオーダーであるため、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとのモードフィールドは不整合になる。さらに、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合効率が低いという問題は発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(一)解決しようとする技術課題
上記の問題に鑑み、本開示は、少なくとも上記技術課題の一部を解決する光結合構造、システム及び光結合構造の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(二)技術案
本開示の一方面によれば、ベースと、前記ベースに形成されるニオブ酸リチウム光導波路と、前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に形成され、前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層と、前記シリカコア層の周壁に形成され、前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層と、を備える光結合構造を提供している。
【0006】
いくつかの実施例において、前記シリカコア層は、端面が矩形又は台形であり、端面面積の範囲が数十平方マイクロメートル乃至数百平方マイクロメートルである。
【0007】
いくつかの実施例において、前記光結合構造は接着剤をさらに備え、前記接着剤は、前記シリカコア層及び前記シリカクラッド層の光の伝搬方向における端面に設けられ、前記接着剤の屈折率と前記シリカコア層の屈折率との差は0.5未満となる。
【0008】
本開示の他の方面によれば、第1シングルモード光ファイバと、第2シングルモード光ファイバと、前記光結合構造と、を備え、前記光結合構造の第1端は前記第1シングルモード光ファイバに接続され、前記光結合構造の第2端は前記第2シングルモード光ファイバに接続され、前記第1端と前記第2端は何れも光の伝搬方向にある、光結合システムをさらに提供している。
【0009】
いくつかの実施例において、前記シリカコア層と前記シリカクラッド層との屈折率差をΔnとし、前記シングルモード光ファイバのコア部と前記シングルモード光ファイバのクラッド層との屈折率差をΔn’とすると、Δn-Δn’<0.5となる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記ニオブ酸リチウム光導波路は、中部に位置する直方体導波路と、前記直方体導波路の両端にそれぞれ位置する第1四角柱導波路及び第2四角柱導波路と、を有し、前記第1四角柱導波路は、前記第1端の近くに位置し、前記第1四角柱導波路の前記第1シングルモード光ファイバから離れた端面は、前記直方体導波路の端面に接続され、前記第1四角柱導波路の前記第1シングルモード光ファイバに近い端面と前記第1端との距離は0より大きく、前記第1四角柱導波路の断面寸法は、前記第1シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなり、前記第2四角柱導波路は、前記第2端の近くに位置し、前記第2四角柱導波路の前記第2シングルモード光ファイバから離れた端面は、前記直方体導波路の端面に接続され、前記第2四角柱導波路の前記第2シングルモード光ファイバに近い端面と前記第2端との距離は0より大きく、前記第2四角柱導波路の断面寸法は、第2シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなる。
【0011】
本開示のさらなる他の方面によれば、ベースを用意するステップS101と、前記ベースにニオブ酸リチウム光導波路を形成するステップS102と、前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成するステップS103と、前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成するステップS104と、を含む、光結合構造の製造方法を提供している。
【0012】
いくつかの実施例において、前記ベースは、石英下地層と埋設シリカ層とニオブ酸リチウムフィルム層とを下から上へこの順に有し、前記ベースにニオブ酸リチウム光導波路を形成するステップは、フォトリソグラフィーを利用して前記ニオブ酸リチウムフィルム層をエッチングし、前記ニオブ酸リチウム光導波路を形成することを含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成するステップは、ステップS102で製造された構造にシリカキャップ層を形成することと、前記シリカキャップ層に対して平坦化処理を行うことと、フォトリソグラフィーを利用して前記シリカキャップ層の一部及び前記埋設シリカ層の一部をエッチングして除去し、前記石英下地層の上方までエッチングし、エッチングされたシリカキャップ層とエッチングされた埋設シリカ層とで前記シリカコア層を形成することと、を含み、前記シリカコア層の光の伝搬方向における長さは、前記ニオブ酸リチウム光導波路の光の伝搬方向における長さよりも大きい。
【0014】
いくつかの実施例において、前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成するステップは、ステップS103で製造された構造にシリカトップ層を形成し、前記シリカトップ層と前記石英下地層とで前記シリカクラッド層を形成することを含み、前記シリカコア層の光の伝搬方向における長さは、前記シリカクラッド層の光の伝搬方向における長さに等しい。
【0015】
(三)有益な效果
上記技術案から分かる通り、本開示による光結合構造、システム及び光結合構造の製造方法は以下のような有益な效果がある。
【0016】
(1)光結合構造は、ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に形成され、ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層と、シリカコア層の周壁に形成され、シリカコア層を包覆するシリカクラッド層とを備える。ニオブ酸リチウム光導波路の断面積よりも、シリカコア層の端面面積が大きいため、シリカコア層の端面面積がシングルモード光ファイバの断面積により近くなり、モードフィールドの不整合による光損失を低減させることができる。したがって、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和し、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率を向上させるという技術効果を奏し得る。
【0017】
(2)シリカコア層の端面は矩形又は台形であり、シリカコア層の端面面積の範囲は数十平方マイクロメートル乃至数百平方マイクロメートルであり、シリカコア層とシリカクラッド層との屈折率差をΔnとし、シングルモード光ファイバのコア部と前記シングルモード光ファイバのクラッド層との屈折率差をΔn’とすると、Δn-Δn’<0.5となる。したがって、光結合構造とシングルモード光ファイバとのモードフィールドを整合させ、モード急変によるモードミスマッチ損失を低減させることにより、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和し、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率を向上させるという技術効果を奏し得る。
【0018】
(3)光結合構造は接着剤をさらに備え、接着剤はシリカコア層及びシリカクラッド層の光の伝搬方向における端面に設けられ、接着剤の屈折率とシリカコア層の屈折率との差は0.5未満となる。そのため、光が光結合構造からシングルモード光ファイバに結合する過程において、屈折率の急変によるフレネル反射損失を低減させることができる。したがって、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和し、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率を向上させるという技術効果を奏し得る。
【0019】
(4)第1四角柱導波路の断面寸法は、第1シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなり、第2四角柱導波路の断面寸法は、第2シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなる。これらにより、ライトフィールドをゆっくりニオブ酸リチウム光導波路からシリカ導波路に移行させ、移行中における光損失を低減させることができる。したがって、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和し、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率を向上させるという技術効果を奏し得る。
【0020】
(5)本開示において、フォトリソグラフィーエッチングプロセスを利用して光結合構造を取得し、従来技術における高温プロトン交換技術でニオブ酸リチウム部品を製造することによる加工難易度が高いという問題及び部品の一致性が悪いという問題を回避することができる。したがって、光結合構造を製造するプロセスの難易度を低減させ、光結合構造の一致性を向上させることができる。
【0021】
(6)本開示において、光結合構造を製造する過程において、回折格子が使用されていないため、従来技術における回折格子を用いて光結合構造を製造することによる光の偏光状態に敏感であるという問題を回避することができる。したがって、光の偏光状態に敏感でない光結合構造を取得し、作業者が光結合構造を使用する時間を短縮させ、作業者の使用効率を向上させることができる。
【0022】
本開示における発明を実施するための形態又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、発明を実施するための形態又は従来技術の説明に使用される図面を簡単に説明する。明らかに、下記の図面が本開示のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、進歩性に値する労働を払わずにこれらの図面から他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は本開示実施例による光結合構造の製造方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は本開示実施例によるニオブ酸リチウム光導波路が作製される前のベースの正面図である。
【
図3】
図3は本開示実施例によるニオブ酸リチウム光導波路が作製された後のベースの正面図である。
【
図4】
図4は本開示実施例によるニオブ酸リチウム光導波路が作製された後のベースの平面図である。
【
図5】
図5は本開示実施例によるシリカコア層が作製される前のシリカ導波路の正面図である。
【
図6】
図6は本開示実施例によるシリカコア層が作製された後のシリカ導波路の正面図である。
【
図7】
図7は本開示実施例によるシリカコア層が作製された後のシリカ導波路の平面図である。
【
図8】
図8は本開示実施例による光結合構造の正面図である。
【
図9】
図9は本開示実施例による光結合システムの1つの平面図である。
【
図10】
図10は本開示実施例による光結合システムの1つの平面図である。
【
図11】
図11は本開示実施例による光結合システムの1つの平面図である。
【
図12】
図12は本開示実施例による光結合システムの1つの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら本開示をより詳しく説明する。
【0025】
本開示実施例による光結合構造、システム及び光結合構造の製造方法によれば、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和し、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率を向上させるという技術効果を奏し得る。
【0026】
本実施例を容易に理解するために、まず、本開示実施例が開示している光結合構造の製造方法を詳しく説明する。
図1に示すように、光結合構造の製造方法は以下のステップを含んでもよい。
【0027】
ステップS101:ベースを用意する。
【0028】
ここで、
図2に示すように、前記ベースは、石英下地層11と埋設シリカ層12とニオブ酸リチウムフィルム層13とを下から上へこの順に有してもよい。石英下地層11の材料成分は純粋なシリカであってもよく、ドープされたシリカであってもよい。石英下地層11は光結合構造全体を支持する作用を奏し得る。埋設シリカ層12は堆積(沈積)プロセスを調整する堆積シリカであってもよい。埋設シリカ層12の材料成分は純粋なシリカであってもよく、ドープされたシリカであってもよい。ニオブ酸リチウムフィルム層13は特殊なプロセスによって埋設シリカ層12に結合してもよい。ニオブ酸リチウムフィルム層13の材料成分は純粋なニオブ酸リチウムであってもよく、ニオブ酸リチウムでドープされた材料であってもよい。
【0029】
さらに、波長1550nmの光に対し、石英下地層11の屈折率範囲は約1.4~1.6である。波長1550nmの光に対し、埋設シリカ層12の屈折率範囲は約1.4~1.6である。
【0030】
なお、埋設シリカ層12の屈折率は石英下地層11の屈折率よりも高い。
【0031】
ステップS102:前記ベースにニオブ酸リチウム光導波路を形成する。
【0032】
ここで、
図3に示すように、ステップS102は、フォトリソグラフィーを利用して前記ニオブ酸リチウムフィルム層13をエッチングし、前記ニオブ酸リチウム光導波路14を形成することを含んでもよい。
図4に示すように、前記ニオブ酸リチウム光導波路14は、中部に位置する直方体導波路15と、前記直方体導波路15の両端にそれぞれ位置する第1四角柱導波路161及び第2四角柱導波路162とを有してもよい。
【0033】
ステップS103:前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成する。
【0034】
前記シリカコア層は、端面が矩形又は台形であり、端面面積の範囲が数十平方マイクロメートル乃至数百平方マイクロメートルであることが好ましい。
【0035】
ここで、前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成する前記ステップは、以下のステップを含んでもよい。
【0036】
図5に示すように、ステップS102で製造された構造にシリカキャップ層17を形成する。
【0037】
例示的に、シリカキャップ層17は、堆積(沈積)プロセスによって形成された純粋なシリカであってもよく、ドープされたシリカであってもよい。シリカキャップ層17はニオブ酸リチウム光導波路14の上面を被覆する。シリカキャップ層17の屈折率と石英下地層11の屈折率との差は、10%以内とすることができる。具体的には、波長1550nmの光に対し、シリカキャップ層17の屈折率範囲は約1.4~1.6である。
【0038】
具体的には、プラズマ化学気相成長法のPECVDプロセス法を採用してシリカキャップ層17を形成し、シランと一酸化窒素とを350℃度で反応させてシリカを生成してもよい。反応式は以下である:SiH4(気体状態)+2N2O(気体状態)――SiO2(固体状態)+2N2(気体状態)+2H2(気体状態)。
【0039】
前記シリカキャップ層17に対して平坦化処理を行う。
【0040】
例示的に、ケミカル・メカニカルポリッシングにより前記シリカキャップ層に対して平坦化処理を行ってもよい。
【0041】
図6に示すように、平坦化処理された後のシリカキャップ層に、フォトリソグラフィーを利用して前記シリカキャップ層の一部及び前記埋設シリカ層の一部をエッチングして除去し、前記石英下地層11の上方までエッチングし、エッチングされた後のシリカキャップ層19とエッチングされた後の埋設シリカ層18とで前記シリカコア層を形成する。
図7に示すように、シリカコア層はニオブ酸リチウム光導波路14を完全に包覆する。
【0042】
具体的には、シリカキャップ層にフォトレジストを塗布した後、マスクを利用して露光と現像を行い、マスクパターンをフォトレジストに転写させる。そして、エッチングによってフォトレジストパターンをシリカキャップ層に転写させる。CF4とH2との混合ガスをシリカのエッチングガスとして選択する。その中、H2の混合ガスにおける含有量は混合ガスの体積の50%である。当該成分のCF4/H2混合ガスは、シリカとシリコンに対する選択比が40:1を超え、エッチング選択性がよい。プラズマ環境において、CF4はフッ素原子を生成させる。フッ素原子はシリカと反応し、シリカをエッチングする。反応式は以下である:
CF4+e-――CF3+F+e-
4F(ラジカル基)+SiO2(固体状態)――SiF4(気体状態)+O2(気体状態)
【0043】
ここで、H2の作用はCF4とシリコンとの反応速度を低減させ、CF4のシリカとシリコンに対する選択エッチング比を向上させることである。当該エッチング過程は、石英下地層の上方までエッチングする。
【0044】
なお、埋設シリカ層の屈折率がシリカキャップ層の屈折率と等しくてもよく、埋設シリカ層の屈折率がシリカキャップ層の屈折率と近くてもよい。シリカキャップ層の屈折率は石英下地層の屈折率よりも高い。条件を満足するシリカキャップ層の屈折率を取得するには、SiH4(気体状態)+2N2O(気体状態)――SiO2(固体状態)+2N2(気体状態)+2H2(気体状態)においてSiH4と2N2Oとの2種のガスの割合を調整するという化学的方法によって実現してもよく、ドープすることによって実現してもよい。埋設シリカ層の屈折率がシリカキャップ層の屈折率と等しいなら、埋設シリカ層の屈折率をシリカコア層の屈折率として確定することができる。埋設シリカ層の屈折率がシリカキャップ層の屈折率に近いなら、埋設シリカ層の屈折率とシリカキャップ層の屈折率との平均値をシリカコア層の屈折率として確定することができる。
【0045】
ここで、前記シリカコア層の光の伝搬方向における長さは前記ニオブ酸リチウム光導波路の光の伝搬方向における長さよりも大きい。つまり、シリカコア層はニオブ酸リチウム光導波路を完全に包覆するだけではなく、シリカコア層の末端部分はニオブ酸リチウム光導波路を包覆しておらず、完全にシリカ導波路となる。
【0046】
ステップS104:前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成する。
【0047】
ここで、
図8に示すように、前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成する前記ステップは、ステップS103で製造された構造にシリカトップ層20を形成し、前記シリカトップ層20と前記石英下地層11とで前記シリカクラッド層を形成することを含む。前記シリカコア層の光の伝搬方向における長さは、前記シリカクラッド層の光の伝搬方向における長さに等しい。
【0048】
例示的に、シリカトップ層20は、堆積(沈積)プロセスによって形成された純粋なシリカであってもよく、ドープされたシリカであってもよい。具体的には、シリカトップ層20は堆積プロセスを調整する堆積シリカであってもよい。具体的には、波長1550nmの光に対し、シリカトップ層20の屈折率範囲は約1.4~1.6である。
【0049】
なお、シリカトップ層の屈折率が石英下地層の屈折率に等しくてもよく、シリカトップ層の屈折率が石英下地層の屈折率と近くてもよい。シリカトップ層の屈折率は埋設シリカ層の屈折率よりも低い。シリカトップ層の屈折率はシリカキャップ層の屈折率よりも低い。シリカトップ層の屈折率と石英下地層の屈折率はいずれもシリカコア層の屈折率よりも低い。シリカトップ層の屈折率が石英下地層の屈折率と等しいなら、シリカトップ層の屈折率をシリカクラッド層の屈折率として確定することができる。シリカトップ層の屈折率が石英下地層の屈折率に近いなら、シリカトップ層の屈折率と石英下地層の屈折率との平均値をシリカクラッド層の屈折率として確定することができる。
【0050】
本実施例は以下の有益な効果がある。
【0051】
(1)前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層を形成し、前記シリカコア層の周壁に前記シリカコア層を包覆するシリカクラッド層を形成する。ニオブ酸リチウム光導波路の断面積よりも、シリカコア層の端面面積が大きいため、シリカコア層の端面面積がシングルモード光ファイバの断面積により近くなり、モードフィールドの不整合による光損失を低減させることができる。したがって、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和し、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率を向上させるという技術効果を奏し得る。
【0052】
(2)フォトリソグラフィーエッチングプロセスを利用して光結合構造を取得し、従来技術における高温プロトン交換技術でニオブ酸リチウム部品を製造することによる加工難易度が高いという問題及び部品の一致性が悪いという問題を回避することができる。したがって、光結合構造を製造するプロセスの難易度を低減させ、光結合構造の一致性を向上させることができる。
【0053】
(3)光結合構造を製造する過程において、回折格子が使用されていないため、従来技術における回折格子を用いて光結合構造を製造することによる光の偏光状態に敏感であるという問題を回避することができる。したがって、光の偏光状態に敏感でない光結合構造を取得し、作業者が光結合構造を使用する時間を短縮させ、作業者の使用効率を向上させることができる。
【0054】
本開示の他の実施例は、本開示実施例が開示している光結合構造を詳しく説明する。
【0055】
光結合構造は、ベースと、前記ベースに形成されるニオブ酸リチウム光導波路と、前記ニオブ酸リチウム光導波路の周壁に形成され、前記ニオブ酸リチウム光導波路を包覆するシリカコア層と、を備える。
【0056】
ここで、
図2に示すように、前記ベースは、石英下地層11と埋設シリカ層12とニオブ酸リチウムフィルム層13とを下から上へこの順に有してもよい。
【0057】
ここで、
図3と
図4に示すように、前記ニオブ酸リチウム光導波路14は、中部に位置する直方体導波路15と、前記直方体導波路15の両端にそれぞれ位置する第1四角柱導波路161及び第2四角柱導波路162とを有してもよい。例示的に、直方体導波路15の幅及び高さの範囲は1~20μmであってもよい。
【0058】
前記シリカコア層は、端面が矩形又は台形であり、端面面積の範囲が数十平方マイクロメートル乃至数百平方マイクロメートルであることが好ましい。
【0059】
本開示実施例において、光結合構造は接着剤をさらに備えてもよい。
【0060】
前記接着剤は、前記シリカコア層及び前記シリカクラッド層の光の伝搬方向における端面に設けられ、前記接着剤の屈折率と前記シリカコア層の屈折率との差は0.5未満となる。
【0061】
その中、接着剤は、シングルモード光ファイバとシリカコア層及びシリカクラッド層の光の伝搬方向における端面とを固定するためのものであってもよい。
【0062】
さらに、シリカコア層及びシリカクラッド層の光の伝搬方向における端面をシングルモード光ファイバと位置合わせした後、接着剤を利用して固定することができる。位置合わせする過程において、まず石英下地層に∇型溝をエッチングし、そしてシングルモード光ファイバを∇型溝に配置し、最後に蓋板及び接着剤を利用して固定することができる。本開示実施例における光結合構造は大きい光学帯域幅を有する。
【0063】
例を挙げて説明すると、
図10、
図11及び
図12は、シリカコア層がニオブ酸リチウム光導波路を完全に包覆する場合の、異なるシリカ導波路末端構造を有する光結合構造の模式図である。
図10は幅が変化しない末端構造を有する光結合構造の模式図である。
図11は幅がシングルモード光ファイバに近づくに従って狭くなる末端構造を有する光結合構造の模式図である。
図12は幅がシングルモード光ファイバに近づくに従って広くなる末端構造を有する光結合構造の模式図である。実際に使用される光結合構造はこれら3つの態様を含むが、これらに限られるものではない。
【0064】
ここで、
図10に示すように、シリカコア層及びシリカクラッド層の光の伝搬方向における一方の端面が接着剤223によってシングルモード光ファイバ213に接続され、他方の端面が接着剤224によってシングルモード光ファイバ214に接続される。
図11に示すように、シリカコア層及びシリカクラッド層の光の伝搬方向における一方の端面が接着剤225によってシングルモード光ファイバ215に接続され、他方の端面が接着剤226によってシングルモード光ファイバ216に接続される。
図12に示すように、シリカコア層及びシリカクラッド層の光の伝搬方向における一方の端面が接着剤227によってシングルモード光ファイバ217に接続され、他方の端面が接着剤228によってシングルモード光ファイバ218に接続される。
【0065】
本実施例は以下の有益な効果がある。
【0066】
光結合構造は接着剤をさらに備え、接着剤はシリカコア層とシリカクラッド層の光の伝搬方向における端面に設けられ、接着剤の屈折率とシリカコア層の屈折率との差は0.5未満となる。そのため、光が光結合構造からシングルモード光ファイバに結合する過程において、屈折率の急変によるフレネル反射損失を低減させることができる。さらに、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和でき、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率の更なる向上に有利となる。
【0067】
本開示の他の実施例において、本開示実施例が開示している光結合システムを詳しく説明する。光結合システムは、第1シングルモード光ファイバと、第2シングルモード光ファイバと上記実施例における前記光結合構造とを備えてもよい。
【0068】
前記光結合構造の第1端は前記第1シングルモード光ファイバに接続され、前記光結合構造の第2端は前記第2シングルモード光ファイバに接続され、前記第1端と前記第2端は何れも光の伝搬方向にある。
【0069】
図9に示すように、前記光結合構造の第1端231は接着剤221によって前記第1シングルモード光ファイバ211に接続されてもよく、前記光結合構造の第2端232は接着剤222によって前記第2シングルモード光ファイバ212に接続されてもよい。
【0070】
前記シリカコア層と前記シリカクラッド層との屈折率差をΔnとし、前記シングルモード光ファイバのコア部と前記シングルモード光ファイバのクラッド層との屈折率差をΔn’とすると、Δn-Δn’<0.5となることが好ましい。
【0071】
ここで、
図9に示すように、前記ニオブ酸リチウム光導波路は、中部に位置する直方体導波路15と、前記直方体導波路15の両端にそれぞれ位置する第1四角柱導波路161及び第2四角柱導波路162とを有してもよい。
【0072】
好ましくは、前記第1四角柱導波路161は前記第1端231の近くに位置し、前記第1四角柱導波路161の前記第1シングルモード光ファイバ211から離れた端面は前記直方体導波路15の端面に接続され、前記第1四角柱導波路161の前記第1シングルモード光ファイバ211に近い端面と前記第1端231との距離は0より大きく、前記第1四角柱導波路161の断面寸法は前記第1シングルモード光ファイバ211に近づくに従って小さくなる。前記第2四角柱導波路162は前記第2端232の近くに位置し、前記第2四角柱導波路162の前記第2シングルモード光ファイバ212から離れた端面は前記直方体導波路15の端面に接続され、前記第2四角柱導波路162の前記第2シングルモード光ファイバ212に近い端面と前記第2端232との距離は0より大きく、前記第2四角柱導波路162の断面寸法は前記第2シングルモード光ファイバ212に近づくに従って小さくなる。
【0073】
ここで、第1四角柱導波路161の第1シングルモード光ファイバ211に近い端面と第1シングルモード光ファイバ211から離れた端面との垂直距離は0.5μmよりも大きい。第2四角柱導波路162の第2シングルモード光ファイバ212に近い端面と第2シングルモード光ファイバ212から離れた端面との垂直距離は0.5μmよりも大きい。
【0074】
シングルモード伝搬を保障するために、直方体導波路15の幅及び高さの好ましい範囲は1~1.5μmである。第1四角柱導波路161の第1シングルモード光ファイバ211に近い端面と第1シングルモード光ファイバ211から離れた端面との垂直距離は200μmであってもよい。第2四角柱導波路162の第2シングルモード光ファイバ212に近い端面と第2シングルモード光ファイバ212から離れた端面との垂直距離が200μmであってもよい。したがって、ライトフィールドをゆっくりニオブ酸リチウム光導波路から次に形成するシリカ導波路に移行させることができる。
【0075】
前記シリカコア層の端面は矩形又は台形であり、前記シリカコア層の端面面積の範囲は数十平方マイクロメートル乃至数百平方マイクロメートルであり、前記シリカコア層と前記シリカクラッド層との屈折率差及びシングルモード光ファイバのコア部とクラッド層との屈折率差は0.5未満となる。したがって、光結合構造とシングルモード光ファイバとのモードフィールドを整合させ、モード急変によるモードミスマッチ損失を低減させることにより、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和でき、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率の更なる向上に有利となる。
【0076】
第1四角柱導波路の断面寸法は、第1シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなり、第2四角柱導波路の断面寸法は、第2シングルモード光ファイバに近づくに従って小さくなる。これらにより、ライトフィールドをゆっくりニオブ酸リチウム光導波路からシリカ導波路に移行させ、移行中における光損失を低減させることができる。したがって、従来技術におけるニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率が低いという技術課題を緩和でき、ニオブ酸リチウム光導波路とシングルモード光ファイバとの結合效率の更なる向上に有利となる。
【0077】
前述した具体的な実施例は本開示の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳しく説明した。前述した内容は本開示の具体的な実施例に過ぎず、本開示を制限するためのものではなく、本開示の趣旨及び原則を逸脱しない範囲で行った任意な修正、置換、改善などは何れも本開示の保護範囲に含まれると理解されるべきである。
【0078】
以上、既に図面を参照しながら本開示実施例を詳しく説明した。上記説明によれば、当業者は本開示を明確に理解したはずである。
【0079】
なお、図面或いは明細書本文において図示又は説明されていない実現方式は、何れも所属技術分野における当業者に知られている態様であるため、詳しく説明されていない。また、各部品と方法に対する上記定義は、実施例における各種の具体的な構造、形状又は方式に限らない。当業者はそれらに対して簡単な変更や置換を行ってもよい。
【0080】
当然ながら、実際の必要に応じて、本開示の方法は他のステップをさらに含むが、本開示の進歩点とは無関係であるため、ここではその説明を割愛する。
【0081】
また、各部品と方法に対する上記定義は、実施例における各種の具体的な構造、形状又は方式に限らない。当業者はそれらに対して簡単な変更や置換を行ってもよい。
【0082】
なお、実施例における例えば「上」「下」「前」「後」「左」「右」などの方向用語は、図面の方向を参照したものに過ぎず、本開示の保護範囲を制限するためのものではない。図面において、同一の要素は同一又は類似な符号で表される。本開示の理解を混乱させる恐れがある場合、慣例的な構成又は構造を省略する。そして、図面における各部品の形状及び寸法は実際の大きさ及び比例を表すものではなく、本開示実施例の内容を示すものに過ぎない。また、請求の範囲において、括弧にある如何なる参照符号も請求の範囲に対する制限にすべきではない。
【0083】
反対の明示がない限り、本明細書及び添付される請求の範囲における数値パラメータは近似値であり、本開示の内容による必要な特性に応じて変更され得る。具体的には、明細書及び請求の範囲で使用される組成を表すすべての含有量、反応条件などの数字は、すべての状況において「約」という用語に修飾されるものであると理解されるべきである。一般的には、その意味は、所定数がいくつかの実施例における±10%の変化と、いくつかの実施例における±5%の変化と、いくつかの実施例における±1%の変化と、いくつかの実施例における±0.5%の変化とを含むことである。
【0084】
また、「含む」又は「備える」という用語は、請求の範囲で出現しない部品又はステップの存在を除外しない。部品の前に位置する「一」又は「1つ」という用語は、このような部品が複数存在することを除外しない。
【0085】
明細書及び請求の範囲で使用される序数、例えば「第1」「第2」「第3」などの用語は、相応な部品を修飾するものであり、当該部品が何らかの序数を有することを意味せず、ある部品と別の部品の順番、或いは製造方法にける順番を表すこともない。これら序数の使用は、名づけられたある部品と別の同一名称の部品とを区別するために使用されることに過ぎない。
【0086】
類似的に、本開示を簡略化して各開示された方面の1つ又は複数の理解を容易にするために、前述した本開示の例示的な実施例の説明において、本開示の各特徴は、単一の実施例、図面、またはその説明にまとめられることがあると理解されるべきである。しかしながら、当該開示された態様は、保護する本開示が各請求項に明確に記載されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。より明確的に、請求の範囲に反映されるように、開示された態様は、前記開示された1つの実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴を有する。したがって、発明を実施するための形態に従う請求の範囲は、これによって明確に当該発明を実施するための形態に組み込まれる。各請求項そのものは何れも本開示の単独な実施例である。
【0087】
前述した具体的な実施例は本開示の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳しく説明した。前述した内容は本開示の具体的な実施例に過ぎず、本開示を制限するためのものではなく、本開示の趣旨及び原則を逸脱しない範囲で行った任意な修正、置換、改善などは何れも本開示の保護範囲に含まれると理解されるべきである。
【国際調査報告】