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特表2022-510507電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ
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  • 特表-電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ 図1
  • 特表-電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ 図2
  • 特表-電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ 図3
  • 特表-電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ 図4A
  • 特表-電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ 図4B
  • 特表-電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】電気エネルギーの生産用の発光型太陽光集光器を有するガラスレンガ
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/055 20140101AFI20220119BHJP
【FI】
H01L31/04 622
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547971
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 IB2019059232
(87)【国際公開番号】W WO2020089775
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】102018000009951
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517251177
【氏名又は名称】ユニベルシタ デッリ ストゥディ ディ ミラノ-ビコッカ
(71)【出願人】
【識別番号】520088605
【氏名又は名称】グラス・ト・パワー・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】メイナルディ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ブロベリ,セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーニ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ガンディーニ,マリーナ
(72)【発明者】
【氏名】サッソーネ,コルシ・エミリオ
(72)【発明者】
【氏名】ガリアーノ,グラツィエラ
(72)【発明者】
【氏名】カピタニ,キアラ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA11
5F151JA21
(57)【要約】
ガラスレンガ(1)は、その内部に、ガラスレンガの本体を構成する予め形成したガラス部分(2、3)の間に挿入されている少なくとも1つの発光型太陽光集光器(4)を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(1B)を含むガラスレンガであって、前記本体(1B)が互いに固定されている2つのガラス部分(2、3)を有し、前記2つのガラス部分が本体(1B)の内側空洞(1A)を画定しており、前記ガラス部分(2、3)が、前記本体(1B)の2つの向かい合う自由面(200、300)を画定しており、
前記内側空洞(1A)の内部に、発光型太陽光集光器(4)が挿入されており、前記発光型太陽光集光器(4)が、前記発光型太陽光集光器が日射を受けたときに前記発光型太陽光集光器(4)の変形を受け止めることができるスペーサーユニット(11)によって少なくとも2つの側面に周囲で結合しており、このユニットが、前記ガラスレンガ(1)の内部の前記発光型太陽光集光器(4)の位置決めの安定性を保証することができることを特徴とする、
ガラスレンガ。
【請求項2】
前記発光型太陽光集光器(4)が、前記ガラスレンガ(1)の2つの予め形成した前記部分(2、3)のうちの1つ(2)に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のガラスレンガ。
【請求項3】
前記発光型太陽光集光器(4)が、それが結合するガラスレンガの前記部分(2)の内面(20)に存在する凹部(2A)に挿入されており、前記凹部(2A)が、前記ガラスレンガの前記本体(1B)の前記内側空洞(1A)の少なくとも一部を画定することを特徴とする、請求項2に記載のガラスレンガ。
【請求項4】
前記発光型太陽光集光器(4)が、前記ガラスレンガ(1)の外側の電気回路に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のガラスレンガ。
【請求項5】
前記発光型太陽光集光器(4)が、前記発光型太陽光集光器(4)に当たる前記日射から電気エネルギーを発生することができる光電池を含み、前記光電池が、前記ガラスレンガの前記本体(1B)内に設けられている対応する穴(13)を通過する少なくとも1つの電気ケーブル(12)によって前記外側電気回路に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載のガラスレンガ。
【請求項6】
前記穴が、前記ガラスレンガ(1)の部分(2)の側面に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のガラスレンガ。
【請求項7】
前記穴を通過する対応する電気ケーブル(12)を含み得る2つの穴(13)を含み、前記穴が、択一的に、前記ガラスレンガの前記本体(1B)の向かい合う側面か、または隣接する側面に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のガラスレンガ。
【請求項8】
請求項1に記載の複数のガラスレンガを含むガラスブロック構造であって、前記発光型太陽光集光器(4)、特にこれらの発光型太陽光集光器(4)の前記光電池が、前記複数のガラスレンガ(1)により生じた電気エネルギーを、前記セラミックガラス構造(100)の外側で回収するように、互いに電気的に接続されていることを特徴とする、ガラスブロック構造。
【請求項9】
前記ガラスブロック構造(100)が、電気および/または電子デバイス(18)に接続されており、前記電気および/または電子デバイス(18)が前記ガラスブロック構造(100)に配置されたアクチュエーター手段、エレクトロクロミック手段、ライトおよび/または警報装置および/またはセンサー手段または1つもしくは複数の電気供給ソケット(20)の少なくとも1つを含み、前記電気および/または電子デバイスへの前記接続が、択一的に、直接的に得られるか、または少なくとも1つのバッテリー(16)によって得られ、前記バッテリー(16)が、前記発光型太陽光集光器(4)により生じた前記エネルギーを蓄積することができ、かつ前記電気および/または電子デバイス(18)が、前記バッテリー(16)に直接接続されていることを特徴とする、請求項8に記載のガラスブロック構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、主請求項の前提部分に記載のガラスレンガである。
【背景技術】
【0002】
知られているように、ガラスレンガは、照明環境を構築するために、壁または壁の(周囲または内部の)部分、パーティション、スカイライト、またはフローリングを製造するために使用される建材である。複数のガラスレンガの組成物は、一般にガラスブロックとして定義される。
【0003】
ガラスレンガは、通常、ガラス、コンクリートおよび鋼鉄からなり、適切なシーラントによって互いに一体的に結合した2つの予め形成した部分(簡単にするために、ガラスからなると示されることになる)を含む。製品は、ガラスレンガの外面を画定する前記部分間の真空空間の構築を可能にする。したがって、製品は、最適な熱的および音響の絶縁特性を有し、特定の使用に関して、光の強度および拡散、断熱性、耐火性、歩行への耐性などを制御するように設計することができる。この従来の形態では、ガラスレンガまたはガラスブロック構造は、それ自体でそれに当たる日射のエネルギーを消散する。
【0004】
供給される日射を電気エネルギーに変換することを可能にする発光型太陽光集光器も知られている。
知られているように、発光型太陽光集光器は、集光器の本体を画定するガラスまたはプラスチック導波路からなり、導波路は、フルオロフォアとして知られている高発光構成要素で塗装またはドープされている。直射および/または拡散した日光は、これらのフルオロフォアにより吸収され、より大きな波長で再発光する。したがって、発生する発光は、導波路の縁部まで全反射によって伝搬し、これらの縁部で、この集光器の周囲に結合した光電池により吸収され、電気エネルギーに変換される。
【0005】
適切に導波路のフルオロフォアの濃度およびその光学特性を選択することにより、様々なレベルの透明性および随意の形状を有する着色または無色の太陽光集光器を製造することができ、集光器は、建築的に容易に統合することができる。
【0006】
国際公開第2012/147041号パンフレットは、透明材料からなるメインボディ、およびメインボディの内部に配置され、電気を発生することができる少なくとも1つの光電池を含む、建物の製造で使用するガラスレンガを記載する。
【0007】
光電池は、しかし太陽光集光器と異なり、対応する要素により支持され、その縁部は、前記メインボディに内部で直接固定されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、例えば、熱的音響絶縁や明るさの規制などの従来のガラスレンガの特性以外に、それが受ける日射を電気エネルギーに変える可能性のある、したがって、太陽光発電ガラスレンガになるガラスレンガを供給することである。
【0009】
別の目的は、発生する電気エネルギーが、1つのガラスレンガから別のガラスレンガへ移動し、ガラスレンガそれ自体により構成される壁の側面で回収することができる、前記の型の太陽光発電ガラスレンガを供給することである。
【0010】
別の目的は、発生する電気エネルギーを、電力をバッテリーに供給するために使用することができ、または個々にまたはガラスブロック組成物の形態でガラスレンガが一体化した建物または構造の電気幹線供給に送達することができる、前記の型の太陽光発電ガラスレンガを供給することである。
【0011】
さらなる目的は、使用時に実質的な構造安定性を有する前記の型の太陽光発電ガラスレンガを供給することである。
別の目的は、盗難防止装置、Wi-Fiリピーター、照明要素などの電気および/または電子デバイスへの電力の供給源として使用することができる、前記の型の太陽光発電ガラスレンガを供給することであり、したがって、デバイスは、ガラスレンガが一体化している建物の電気幹線から電力を供給される必要はない。
【0012】
当業者に明らかとなるこれらの目的およびその他は、主請求項に記載のガラスレンガにより達成される。
本発明をより良く理解するために、純粋に非限定的な表示として、以下の図面を添付する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明によるガラスレンガの横方向断面の側面図を示す。
図2図1のガラスレンガで使用することができる発光型太陽光集光器の一例の斜視図を示す。
図3図1のガラスレンガの側面図を示す。
図4A図4AおよびBはガラスレンガの様々な可能な構成のうちの2つの正面像を示す。
図4B図4AおよびBはガラスレンガの様々な可能な構成のうちの2つの正面像を示す。
図5図1に示すものなどのガラスレンガの使用により得られるガラスブロック壁を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前記の図に関連して、以下で「太陽光発電ガラスレンガ」として定義されることになるガラスレンガは、1で示され、それ自体知られている方法により得られる2つの予め形成した部分2および3を含み、レンガは、いずれかの既知の方法で互いに接続されている。これらの部分2と3との間に、各部分2および3の対応する面20または30(空洞1Aに比べて内側である)中に存在する凹部2Aおよび3Aにより画定される空洞1Aが存在する。これらの空洞は、それぞれ外面200および300を含み、ガラスレンガ1の自由面を形成する。ガラスレンガの本体1Bを画定する、予め形成した部分2および3は、ガラス部分として示されることになる。
【0015】
前記部分間で、ガラスレンガの空洞1Aに、それ自体知られている型の、発光型太陽光集光器により画定される内部パネル4が存在する。このパネルまたは集光器4は、図2でより詳細に説明するように、固体板の形態(例えば、図のもの)、または透明支持体に結合しているフィルムの形態(例えば、プラスチック材料)のいずれかとすることができる。
【0016】
発光型太陽光集光器(またはLSC)4は、スペーサーユニット11のおかげで、太陽光発電ガラスレンガ1の2つの部分2、3のうちの1つの内部、例えば、部分2の凹部2Aに接続されている。これらのスペーサーユニットは、いずれかの既知の手段、例えば、接着剤によって部分2に固定されている。
【0017】
スペーサーユニット11は、発光型太陽光集光器4の位置決めの安定性を可能にし、これらのユニット11は、前記集光器の少なくとも2つの側面に周囲で結合している。さらに、本発明の使用時に、ガラスレンガが日射を受ける際、スペーサーユニット11は、その動作に影響を及ぼさずに、またガラスレンガの構造安定性に悪影響を及ぼさずに、太陽光集光器に典型的な熱膨張または収縮を受け止めることができる。
【0018】
さらに、各スペーサーユニット11は、摺動接点または貫通穴(後で本明細書に記載される)を含めて種々の解決策によって、電気エネルギーの抽出のための、発光型太陽光集光器4と既知の外部回路(簡単にするため図に表示していない)との間の電気接触を可能にする。
【0019】
例として、図2は発光型太陽光集光器4の描写をより詳細に示す。発光型太陽光集光器は、発光物質(例として、本体5の内部に明瞭に確認できる要素6として示される)が存在するガラスまたはプラスチック材料からなるメインの本体5を含む。本体5の縁部7a、7b、7c、7dには、入射日射10の物質による吸収後に、LSC中に存在する発光物質6から発せられる光放射9を回収することができる既知の光電池8が存在する。これらの光電池8は、既知の方法でLSC4の本体5に光学的に結合し、発光型太陽光集光器により生じた電気エネルギーをその側面うちの1つに移送するために、(従来法により)互いに接続される。このエネルギーは、太陽光発電ガラスレンガ1内の2つのガラス部分2または3のうちの1つに設けられている貫通穴13に挿入された適切なケーブルまたはコネクター12によって、発光型太陽光集光器から抽出される。この手段により、太陽光集光器により生じた電気エネルギーは、太陽光発電ガラスレンガ1の外側周囲に届く。
【0020】
非限定例として、図3で、貫通穴13は、太陽光発電ガラスレンガの部分2の側面の中心部に設けられている。しかし、単一の貫通穴を有する構成に加え、図4Aおよび4Bの非限定例により示すように、様々な構成を得ることが可能である。これらの図は、「直線の」または「角度のある」型の構成を示し、この場合、貫通穴13は、それぞれガラス部分2または3の向かい合うまたは隣接する側面に配置される。
【0021】
図5に示す本発明のさらなる特性によれば、太陽光発電ガラスレンガ1は、構造、例えば、電気エネルギー発生器として作動し、または建物の電気幹線供給に直接接続されるガラスブロック壁100を形成するように、または様々な種類の電子デバイスに電力を供給するために組み合わせることができる。この場合、この図5に示すように、ガラスブロック構造100により生じた電気エネルギーは、電気接続15によってこの構造の外側または壁上のバッテリー16に移動する。示される例では、ガラスブロック構造100は、電気接続14によって互いに連続して電気的に接続された12個の太陽光発電ガラスレンガ1により構成される。
【0022】
様々なユーザー、または種々の機能を有することができる電気または電子デバイスは、バッテリー16に接続することができる。例えば、電気ケーブル17によって、バッテリー16は、カーテンを動かすための装置(一般に18として表される)(簡単にするため未表示)、および/またはWi-Fiリピーター、および/またはLED灯、または別の型の照明装置、および/または警報装置(例えば、容積がある)に、および/またはHi-Fiリピーターまたは他の電気デバイス、例えば、様々な種類のセンサーに接続されている。これらの装置のすべては、ガラスブロック構造それ自体の内側または外側に位置する。接続19によって、電気ソケットおよび/またはUSBソケット20もバッテリー16に接続することができる。
【0023】
バッテリーを供給することなく、電力を前記電子デバイスに直接供給するために、ガラスレンガ1を個々にまたはガラスブロック要素で組み合わせて使用することも可能である。
【0024】
本発明の様々な実施形態を説明してきた。他の変形、例えば、ガラスレンガ1の空洞1Aに挿入されたより多くの発光型太陽光集光器4を含むものが可能であることを理解されたい。これらの解決策も添付の特許請求の範囲により定義したように本発明の範囲に入る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】