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特表2022-510513食物を移送するための方向転換装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】食物を移送するための方向転換装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20220119BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20220119BHJP
   B26D 3/18 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B65G47/30 C
B26D7/06 D
B26D3/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552261
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2019076960
(87)【国際公開番号】W WO2020108831
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】PA201970160
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】18208568.8
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414701
【氏名又は名称】マレル・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Marel A/S
(71)【出願人】
【識別番号】521228477
【氏名又は名称】マレル・アイスランド・エーハゥーエッフ
【氏名又は名称原語表記】Marel Iceland ehf.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ビャルナソン,エリアス ハルドル
(72)【発明者】
【氏名】ウベセン,ヨーナス
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン,セアン フランク
【テーマコード(参考)】
3C021
3F081
【Fターム(参考)】
3C021DB06
3F081AA47
3F081BE04
3F081BE08
3F081BF11
3F081CA16
3F081CC08
(57)【要約】
搬送手段(103、104)によって搬送される食物(101)と係合して、方向転換させるためのターナー装置(105、200)を有する方向転換装置(100)が提供される。ターナー装置は、食物(101)と係合するためのスイープアーム構造(106)と、スイープアーム構造(106)を第1の角度位置から第2の角度位置へ方向転換させるための移動機構(115)と、ターナー装置(105、200)を上下させるための高さ変位機構(116)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ手段(103)によって搬送されている入来食物(101)を受け取って方向転換させるように構成され、前記入来食物の長手方向軸が、前記入来食物(101)の搬送方向に対して第1の角度を形成している方向転換装置(100、400)であって、
前記入来食物(101)の最前部の食物(101)と係合するように構成された第1のターナー装置(105)と、
前記第1のターナー装置(105)に接続された第1の移動機構(107)と、
を備え、
前記第1の移動機構(107)は、前記最前部の食物(101)と係合している前記第1のターナー装置(105)の角度位置(111)を調整することによって、前記最前部の食物(101)が前記第1のターナー装置(105)の係合から解放されるときに、前記最前部の食物(101)の長手方向軸が、前記食物(101)の搬送方向(113、114)に対して第2の角度を形成するように構成されている、
方向転換装置。
【請求項2】
前記第1のターナー装置(105)は、スイープアーム構造(106)を備え、前記最前部の食物(101)と係合するステップにおいて、前記最前部の食物(101)が前記第1のターナー装置(105)の係合から解放されるまで、前記スイープアーム構造(106)が前記最前部の食物(101)の長手方向軸に平行であるように維持される、
請求項1に記載の方向転換装置。
【請求項3】
前記方向転換装置(100)は、
前記第1のターナー装置(105)の高さ変位を操作するための第1の高さ変位機構(116)を更に備え、
第1の高さ変位機構(116)は、前記第1のターナー装置(105)が前記最前部の食物(101)と係合する前に、前記第1のターナー装置の高さ変位を操作し、
前記第1のターナー装置の高さ変位を操作することは、
前記係合が起こるまで、前記第1のターナー装置(105)の下降移動(110)を操作することと、
前記第1のターナー装置(105)の第1の角度位置から第2の角度位置への方向転換を操作することと、
前記食物が前記第1のターナー装置の係合から解放されるとき、前記第1の高さ変位機構(116)によって前記第1のターナー装置(105)の上昇移動(112)を操作することと、
を含む、
請求項1又は2に記載の方向転換装置。
【請求項4】
前記上昇移動を操作することは、第1の上昇速度での移動を有する第1フェーズと、第2の上昇速度での移動を有する第2フェーズと、第3の上昇速度での移動を有する第3フェーズとを含み、
前記第1の上昇速度及び前記第3の上昇速度のそれぞれがゼロよりも大きく、且つ前記第2の上昇速度がゼロである等のように、前記第1の上昇速度及び前記第3の上昇速度は、それぞれが前記第2の上昇速度よりも大きい、
請求項3に記載の方向転換装置。
【請求項5】
第2のターナー装置(200)を更に備え、
前記第2のターナー装置(200)は、前記第2のターナー装置(200)の角度位置(211)を調整するための第2の移動機構(215)を有し、
前記第1のターナー装置(105)と前記第2のターナー装置(200)とは、前記コンベヤ手段の対向する両側に配置され、
前記第1のターナー装置(105)が食物(101)を切り離すときに、前記第2のターナー装置(200)が最前部の食物(101)と係合し、逆もまた同様に、前記第2のターナー装置(200)が食物(101)を切り離すときに、前記第1のターナー装置(105)が最前部の食物(101)と係合するように、前記第1のターナー装置(105)と前記第2のターナー装置(200)とは同期的に動作する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方向転換装置。
【請求項6】
前記コンベヤ手段(103)は、それぞれの前記食物(101)の下面(408)を支持するように構成され、
前記スイープアーム構造(106)は、それぞれの前記食物(101)の少なくとも上面(406)と係合するように構成され、
前記上面(406)と前記下面(408)とは対向である、
請求項2から5のいずれか1項に記載の方向転換装置。
【請求項7】
前記スイープアーム構造(106)は、それぞれの前記食物(101)の前記上面(408)と摩擦係合するための下向きの表面(503)を有する、請求項6に記載の方向転換装置。
【請求項8】
前記スイープアーム構造(106)の前記下向きの表面(503)は、可撓性材料のシート(402)を含む、請求項7に記載の方向転換装置。
【請求項9】
前記スイープアーム構造(106)が、前記コンベヤ手段(103)に対して第1の角度配向で延びるとき、前記スイープアーム構造(106)は、前記入来食物(101)の搬送方向を横切る方向において長手方向の延伸を有して、前記入来食物(101)と係合し、
第1の移動機構(107)は、前記スイープアーム構造(106)が前記コンベヤ手段(103)に対して第2の角度配向で延びるように、前記スイープアーム構造(106)を前記コンベヤ手段(103)に対して第2の角度位置となるように方向転換させるように構成され、
前記スイープアーム構造(106)の下向きの表面(503)は、前記スイープアーム構造(106)の長手方向の延伸に垂直な断面で見たときに、山と谷との交互のパターン(501)を規定し、
前記山と谷との交互のパターン(501)は、前記スイープアーム構造(106)の長手方向の延伸の方向に延在している、
請求項7又は8に記載の方向転換装置。
【請求項10】
前記スイープアーム構造(106)は、前記スイープアーム構造の下向きの表面(503)に弾力的付勢(402)をして前記食物(101)と係合させるためのばね手段(404)を備える、請求項7から9のいずれか1項に記載の方向転換装置。
【請求項11】
少なくとも1つの噴霧装置を更に備え、
前記噴霧装置は、前記第1のターナー装置が前記食物と係合する前に、第1のターナー装置の前記食物と係合する少なくとも一部分に、ウォーターミスト等のような水噴霧をするように配置されている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の方向転換装置。
【請求項12】
食物を切断するための切断システムであって、
インフィードコンベヤ表面を有するインフィードコンベヤと、
アウトフィードコンベヤ表面を有し、前記インフィードコンベヤと端部対端部の配置で配置されているアウトフィードコンベヤと、
切断面を規定する切断ナイフであって、前記切断ナイフが切断を実行するときに前記切断面内で移動し、前記切断面が、前記インフィードコンベヤと前記アウトフィードコンベヤとの端部の間に規定される、前記切断ナイフと、
を備え、
前記アウトフィードコンベヤ表面に面する表面を有するアウトフィード押え付け装置を更に備え、前記アウトフィード押え付け装置は、前記アウトフィードコンベヤ表面上に載置されている食物が前記切断ナイフによって切断されている間に、前記食物の一部に対し、前記アウトフィードコンベヤ表面の方向に圧力を加えるように、前記アウトフィードコンベヤ表面に対して配置され、
請求項1から11のいずれか1項に記載の方向転換装置を更に含む、
切断システム。
【請求項13】
食物がインフィードコンベヤ手段(103)によって搬送されている間に、方向転換装置(100)を用いて入来食物(101)を方向転換させる方法であって、前記入来食物(101)の長手方向軸は、前記食物の搬送方向に対して第1の角度を形成しており、
第1のターナー装置(105)で最前部の食物(101)に係合するステップと、
前記最前部の食物の長手方向軸が、前記食物の搬送方向に対して第2の角度を形成するように、前記最前部の食物(101)の角度位置(111)を調整するステップと、
を含む、
方法。
【請求項14】
前記最前部の食物(101)に係合するステップは、
前記第1のターナー装置(105)を、前記最前部の食物(101)の上方にある高さ位置に、且つ、前記第1のターナー装置(105)の角度軸が前記最前部の食物(101)の長手方向軸に平行となるような初期角度位置に移動させるステップと、
前記第1のターナー装置(105)を上方から下降移動させて、前記最前部の食物(101)と係合させるステップと、
前記最前部の食物(101)の長手方向軸が前記第2の角度を形成するまで、前記第1のターナー装置(105)の角度位置を調整するステップと、
前記第1のターナー装置(105)を上昇移動させて、アウトフィードコンベヤ手段(104)上で前記最前部の食物(101)を切り離すステップと、
前記第1のターナー装置(105)の角度位置を前記初期角度位置に戻すように調整し、後続の最前部の食物(101)に対して前記ステップを繰り返し実行するステップと、
を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のターナー装置(105)を上昇移動させることは、第1の上昇速度での移動を有する第1フェーズと、第2の上昇速度での移動を有する第2フェーズと、第3の上昇速度での移動を有する第3フェーズとを含み、
前記第1の上昇速度及び前記第3の上昇速度のそれぞれがゼロよりも大きく、且つ前記第2の上昇速度がゼロである等のように、前記第1の上昇速度及び前記第3の上昇速度は、それぞれが前記第2の上昇速度よりも大きい、
請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記方向転換装置(100)は、第2のターナー装置(200)を更に備え、前記第1のターナー装置(105)と前記第2のターナー装置(200)とは、前記コンベヤ手段(103)の対向する両側に配置され、
前記第1のターナー装置(105)が前記アウトフィードコンベヤ手段(104)上で食物を切り離すときに、前記第2のターナー装置(200)が最前部の食物(101)と係合し、逆もまた同様に、前記第2のターナー装置(200)が前記アウトフィードコンベヤ手段(104)上で食物を切り離すときに、前記第1のターナー装置(105)が最前部の食物(101)と係合するように、前記第1のターナー装置(105)と前記第2のターナー装置(200)とは同期的に動作する、
請求項13から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記コンベヤ手段は、第1のコンベヤ(220)と第2のコンベヤ(221)とを含み、前記第1のターナー装置(105)によって受け取られた食物を前記第1のコンベヤ(220)上で切り離し、前記第2のターナー装置(200)によって受け取られた食物を前記第2のコンベヤ(221)上で切り離すことを含む、請求項13から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
入来食物の搬送方向が前記第1のコンベヤ(220)及び前記第2のコンベヤ(221)上の食物の搬送方向と平行するように、前記第1のコンベヤ(220)と前記第2のコンベヤ(221)とは、平行であって、且つ前記インフィードコンベヤ手段(103)に対して平行であるように配置されている、請求項13から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の角度は、前記インフィードコンベヤ手段(103)の搬送方向(113)に実質的に垂直し、前記第2の角度は、前記アウトフィードコンベヤ手段(104)の搬送方向(114)に実質的に平行である、請求項13から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のターナー装置(105)が前記食物と係合する前に、前記第1のターナー装置(105)の前記食物と係合する少なくとも一部分に、ウォーターミスト等のような水噴霧をすることを更に含む、
請求項13から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のターナー装置(105)を上方から下降移動させて前記最前部の食物(101)と係合させる前に、元の食物から切断による前記最前部の食物を作り出すことによって前記最前部の食物(101)を提供することを含み、
前記切断による前記最前部の食物を作り出すことと、前記第1のターナー装置(105)を上方から下降移動させて前記最前部の食物(101)と係合させることとは、請求項12に記載の切断システムによって実行される、
請求項13から20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食物を移送及び回転させるための方向転換装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食物処理の分野において、コンベヤによって搬送されている食物の位置を調整して、更なる処理のために食物を準備することが望ましい場合はよくある。更なる処理が中断されることなく継続するために、ユーザの介入を必要とせずに、位置の調整を正確且つ迅速に実行する必要がある。また、可能な限り小さくてコンパクトな領域で調整を実行することが有利であり、これによって処理のスループット及び柔軟性が向上する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コンベヤ上の食物の位置を調整するための従来技術の解決策は、通常、静的な偏向手段と複数のコンベヤとの特別に構成された組み合わせに依拠する。これらの特別な構成は、一般に、実施にはかなりのスペースを必要とし、エラー率が高くなる傾向があるため、処理のスループットが低下し、ユーザによる手動操作に対する自動処理のメリットが低下する。代替的に、複雑なデバイスを使用して個々の食物を取り出して調整する方法があるが、同様に、動作が遅すぎるためコスト効率が低く、また、製造及びメンテナンスにかかる費用が高価の場合がある。
【0004】
食物の一部を処理する分野において、消費者の均一な製品に対する要求を満たすために、食物を特定のサイズ及び形状の部分に切断する必要がある場合がよくある。1回の切断ではなかなか得られない形状もあり、2回目の切断に備えて切断した部分を回転させたり、移動させたり、操作したりする必要がある。
【0005】
肉製品を均一なサイズ又は重量を有する立方体又はナゲットに切断することは一般的に知られている。日本の家禽の肉製品の立方体形状と呼ばれる「カクギリ」を切断するための要求は特に厳しく、均一な最終製品を製造するためには、正確な収率、サイズ、重量、及び形状が必要である。これらの立方体は、骨抜きの皮付き又は皮なしの脚肉の立方体から切断によって作られ、各部分は一口サイズであり、見た目も味も同じとなる必要がある。
【0006】
カクギリに要求される立方体形状を形成するためには、一般に、家禽の肉が第1の方向に搬送され、第2の方向において所定のサイズのストライプに切断される。2007年8月30日に公開された米国特許出願公開第2007/0202229号に記載されているように、ストライプを複雑な部分に切断するために、次に、得られたストライプを、例えば、90度回転させて、2回目切断して、均一なサイズ及び/又は重量を有する形状に形成する。同様のプロセスは、様々なサイズ及び形状が要求される様々な食物に対して実行することができる。
【0007】
米国特許出願公開第2007/0202229号に記載されているように、ストライプの回転は、手動的移送、又は自動の方法によって、例えば、前述したコンベヤと静的な偏向装置との組み合わせの効果を有する移送手段を用いて実現することができる。
【0008】
ストライプの自動的な回転は、ファンネル(funnel)、偏向装置などの形状を有する静的な偏向手段を搬送経路に沿って配置することによって実行することができる。このような配置は、ストライプに接触して、その一部を強制的に保持又は旋回するとともに、コンベヤ又は重力によって他の部分を前方へ推進するように実行することが多い。しかしながら、ストライプを長手方向に回転させることは、食物の搬送方向における必要な間隔を増大させ、食物の処理を遅らせる必要がある。
【0009】
これらの静的な偏向手段は、特別に構成されたコンベヤ及び偏向装置のためのスペースを必要とするだけでなく、偏向手段によって生じる移動の遅延により、ストライプが集合したり、重なったりすることによって処理ラインにボトルネックを作らないように、ストライプ間に十分なスペースを設けることも必要である。従って、既知の回転方法では、切断の後、回転させる前には、先ずストライプを単一化させる必要があるため、コストが更に増加し、処理のスループットが低下する。
【0010】
多くの食物は、適切に成形されていないか、又は柔らかすぎるため、偏向手段と搬送手段との組み合わせ効果によって確実に調整することができない。家禽の肉のストライプなどのアイテムは、偏向手段の周りに絡まったり、意図しない位置に転がったりねじれたりする可能性があり、ユーザによる手動調整が必要となり、スループットが低下する。
【0011】
食物が搬送方向に沿って搬送されるときに、処理するために食物を正確な位置に迅速且つ確実に回転させることができる解決策が求められている。更に、スループットを低下させることなく、既存の生産ラインの寸法上の制約内で又はそれを減らして実施することができる、コンパクト且つコスト効率の高い解決策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の目的は、コンベヤによって搬送されている間に食物を移送するための改善された方向転換装置及び方法を提供することである。本開示の目的は、個々の食物を方向転換させる、及び更なる処理する速度を改善することである。
【0013】
本開示の目的は、処理操作の速度又はスループットを低下させることなく、搬送方向において、密接にグループ化された食物を移送するための改善された方向転換装置及び方法を提供することである。
【0014】
本開示は、入来(incoming)食物を受け取り、方向転換させるように構成された方向転換装置であって、食物がインフィード(infeed)搬送手段によって搬送されているとき、入来食物の長手方向軸は、当該入来食物の搬送方向に対して第1の角度を形成する、方向転換装置に関する。
【0015】
食物は、例えば、牛/乳牛、豚、ラム、家禽などの肉製品である。肉製品は、重さが600g未満であってもよく、例えば、500g未満、400g未満、300g未満、200g未満、100g未満などであってもよい。肉製品は、生もの、未処理のもの、又は処理済みのもののいずれかであってもよく、好ましい実施形態において、肉製品は、生の家禽の肉のストライプ、例えば、骨抜きの鶏のモモ肉からの鶏肉のストライプであってもよい。
【0016】
実施形態において、食物は、互いに異なるものであり、及び/又は異なるサイズであってもよい。これは、例えば、動物の独特の個別の特徴が、例えば、プライマル切断などによる個々のサイズの違いを伴う家禽の肉の場合であってもよい。
【0017】
方向転換装置は、インフィード搬送手段上の入来食物の最前部の食物と係合するように構成された第1のターナー装置を含んでもよい。第1の移動機構は、第1のターナー装置に接続され、最前部の食物の長手方向軸が、当該食物が第1のターナー装置の係合から解放されるときに食物の搬送方向に対して第2の角度を形成するように、最前部の食物と係合している第1のターナー装置の角度位置を調整するように構成されてもよい。
【0018】
第1のターナー装置は、スイープアーム構造(sweep arm structure)を含んでもよく、最前部の食物と係合するとき、スイープアーム構造は、最前部の食物が第1のターナー装置との接触から解放されるまで当該最前部の食物の長手方向軸に平行のままである。スイープアーム構造は、例えば、細長いブレード又はパドルであって、スイープアーム構造の平らな側面において最前部の食物と係合するように構成されてもよい。
【0019】
前記スイープアーム構造を利用することにより、最前部の食物と第1のターナー装置との間の確実な接触が保証され、スイープアーム構造の長さ及び形状は、食物の形状又は他の特徴によって適合されてもよい。有利な実施形態において、スイープアーム構造は、長さが最前部の食物の長手方向の長さよりも長い。これによって、第1のターナー装置と最前部の食物との平行的な係合が向上することができる。
【0020】
スイープアーム構造における最前部の食物と第1のターナー装置との平行的な係合により、高速で接触した場合であっても、最前部の食物の長手方向軸の正確な制御が有利に可能となる。スイープアーム構造は、最前部の食物の全長に係合することができるため、角度調整とその後の処理は、高精度の基準、例えば、カクギリの処理に求められる基準に達することができる。
【0021】
スイープアーム構造における最前部の食物と第1のターナー装置との平行的な係合はまた、静的な偏向手段を使用する従来技術の方法による減速されることなく、回転中の最前部の食物の加速を有利に可能とする。
【0022】
回転中の最前部の食物の加速を可能とする機能は、食物を先ず単一化させることが要求される従来技術のシステムとは異なり、搬送方向において密接にグループ化された食物の方向転換を可能とする。食物が方向転換装置に渡される前に第1の角度の方向において切断される場合、第1のターナー装置が最前部の食物の方向転換を完了した後にのみ後続の食物が最前部の食物の元の位置に移動するように、第1のターナー装置は、最前部の食物を高速で方向転換させるように適合されてもよい。
【0023】
別個のアウトフィード(outfeed)搬送手段を使用すると、処理のスループットが向上できることが見出された。アウトフィード搬送手段は、第1の角度位置及び第2の角度位置における最前部の食物の搬送速度に対する更なる制御をユーザに提供することができる。アウトフィード搬送手段の速度は、方向転換中の食物の間隔を増加させるように、インフィード搬送手段の速度よりも大きくなるように構成することができる。
【0024】
アウトフィード搬送手段及びインフィード搬送手段は、単一のコンベヤを備えてもよく、第1のターナー装置は、最前部の食物を別個のアウトフィードコンベヤに移動させることなく、最前部の食物を方向転換させるように配置及び構成されることが更に理解することができる。
【0025】
方向転換装置は、第1のターナー装置の高さ変位を操作するための第1の高さ変位機構を更に備えてもよい。第1のターナー装置の第1の高さ変位を操作することは、最前部の食物と係合する前に、第1のターナー装置を下降移動させて最前部の食物と係合させ、その後、最前部の食物の角度位置を第2の角度に調整してから、最前部の食物を切り離すために第1の高さ変位機構により第1のターナー装置を上昇移動させることを含む。
【0026】
第1のターナー装置が上昇位置にある間に、第1の移動機構は、第1のターナー装置の角度位置を第2の角度から第1の角度に調整するように構成される。第1のターナー装置の高さ変位は、少なくとも最短経路で、第1の角度と第2の角度との間での第1のターナー装置の特にシンプルな回転を可能とすることができる。このようにして、食物の処理の流れ又は速度に影響を与えることなく、第1のターナー装置が動作することができる。
【0027】
このシンプルな回転は、従来の第1の移動機構、例えば、標準モータ、ドライブロッド等のみを用いて、最前部の食物に係合しているときと、最前部の食物を切り離したときとの両方において、第1のターナー装置の高速且つ高精度の位置決めを可能とすることができる。
【0028】
一実施形態において、上昇移動を操作することは、第1の上昇速度での移動を有する第1フェーズと、第2の上昇速度での移動を有する第2フェーズと、第3の上昇速度での移動を有する第3フェーズとを含み、第1の上昇速度及び第3の上昇速度は、第2の上昇速度よりも大きく、例えば、第1の上昇速度及び第3の上昇速度はそれぞれがゼロより大きく、第2の上昇速度はゼロである。これの利点は、重力及び/又は慣性の力によって第1のターナー装置に傷つくことなく、コンベヤによって第1のターナー装置から食物を丁寧に移動させることができる。
【0029】
方向転換装置は、第2のターナー装置と、第2のターナー装置の角度位置を調整するための第2の移動機構とを更に備えてもよい。第1のターナー装置と第2のターナー装置とは、インフィード搬送手段の対向する両側に配置され、同期的に動作してもよい。例えば、第1の方向転換装置が食物を切り離すときに、第2の方向転換装置が第1の食物又は最前部のものと係合する。同様に、第2の方向転換装置が食物を切り離すときに、第1の方向転換装置は、最前部の食物と係合する。
【0030】
第1のターナー装置と第2のターナー装置とは、好ましくは構造上類似であり、一方に関して本明細書に記載された特徴は、他方にも関連することができる。第1のターナー装置と第2のターナー装置とは、方向転換装置内の所定の位置にあるときに、それらが互いに横方向に反転するように構成されてもよい。
【0031】
第1のターナー装置と第2のターナー装置とを利用することによって、処理に必要なスペースが大幅に増加することなく、方向転換装置のスループットを向上させることができる。この利点は、部分的には、前述したように、第1のターナー装置と第2のターナー装置とが、同期的に順次オフセットの方式で同一の一般空間で動作することによって可能となったものである。更に、第1のターナー装置と第2のターナー装置との両方の使用は、更なる処理のために、2つの製品ストリームを形成するように構成することができる。これは、処理のスループットを更に増加させることができる。
【0032】
第1のターナー装置及び第2のターナー装置を有する実施形態において、アウトフィード搬送手段は、2つの別個のアウトフィード搬送手段を含むことができる。アウトフィード搬送手段は、インフィード搬送手段の対向側に配置された2つのコンベヤを含むことができる。2つのアウトフィード搬送手段を備える構成は、インフィード搬送とアウトフィード搬送との間の搬送速度の差がなく、食物の間隔の増加を可能とすることができる。
【0033】
2つのアウトフィード搬送手段を有する別の実施形態においては、アウトフィード搬送手段は、第1の角度位置における最前部の食物の搬送速度と第2の角度位置における最前部の食物の搬送速度とに対する更なる制御をユーザに提供することができる。アウトフィード搬送手段の速度は、インフィード搬送手段の速度よりも大きくなるように構成され、方向転換中の食物の間隔及び全体の処理スループットを増加させることができる。
【0034】
更に、アウトフィード搬送手段及びインフィード搬送手段は、単一のコンベヤを含むことができる。第1のターナー装置と第2のターナー装置とは、最前部の食物を別のアウトフィードコンベヤへ移動させることなく、最前部の食物を方向転換させるように配置及び構成されてもよいことが理解される。コンベヤは、2つの製品ストリームが同一のコンベヤ上に形成されるように、搬送方向に垂直な方向において増加した幅を有するように構成することができる。
【0035】
別の実施形態において、コンベヤは、それぞれの食物の下面を支持するように構成されてもよく、スイープアーム構造は、それぞれの食物の少なくとも上面と係合するように構成されてもよい。食物の上面と下面とは、対向であってもよく、スイープアーム構造は、各食物の上面と摩擦係合するための下向きの表面を備えてもよい。食物の上面と係合するときは、食物の後端面又は側面と係合するときよりも、食物の切り離しがより効果的であることが実験により示された。更に、食物の後端面又は側面と係合するときにはスイープアーム構造が食物と同様な高さで移動する必要があるが、食物の上面と係合する場合にはその必要がないため、スイープアーム構造の必要な移動がより少ない。これにより、機械部品の摩耗及び損傷が少なくなり、エネルギーの消費量を低減することができる。
【0036】
本明細書に記載のコンベヤ又はコンベヤ手段は、食物を移送するのに適したコンベヤベルトを含むことができる。
【0037】
スイープアーム構造の下向きの表面は、可撓性材料のシートを含むことができる。可撓性材料のシートは、食物処理に適した任意の材料、例えば、天然又はプラスチック材料の任意の織布又は不織布、金属、木材、繊維強化ラミネート、多成分プラティック、又はゴムを含むことができる。
【0038】
一例において、スイープアーム構造がコンベヤ手段に対して第1の角度配向で延びるとき、入来食物の搬送方向を横切る方向において、長手方向の延伸を有して、入来食物と係合することができる。更に、第1の移動機構は、スイープアーム構造がコンベヤ手段に対して第2の角度配向で延びるように、スイープアーム構造をコンベヤ手段に対して第2の角度位置となるように方向転換させるように構成することができる。スイープアーム構造の長手方向の延伸に垂直な断面で見たときに、スイープアーム構造の下向きの表面は、山と谷との交互のパターンを規定する。好ましくは、山と谷との交互のパターンは、スイープアーム構造の長手方向の延伸の方向に延在する。
【0039】
交互のパターンがインフィードコンベヤ手段の方向を横切ることができるため、可撓性材料のシートの表面テクスチャの山と谷との交互のパターンは、第1の角度位置における食物をしっかりと摩擦把持することができる。他方、スイープアームの構造が第2の角度位置になったとき、山と谷との交互のパターンがアウトフィードコンベヤ手段の方向と整列するため、可撓性材料のシートの表面テクスチャの山と谷との交互のパターンにより、係合からの解放において食物を迅速に切り離すことができる。これにより、処理速度が向上し、食物の係合からの解放が遅れるリスクが低減される。更に、このような可撓性材料のシートは、製造が安価で、耐久性があり、長持ちし、清掃が容易である。更に、可撓性材料のシートは簡単に交換できるため、製造コストの削減だけでなく、メンテナンスコストの削減にも寄与することができる。
【0040】
スイープアーム構造の可撓性材料のシートは、食物と係合するときにスイープアーム構造において凹所を形成することができる。これにより、方向転換プロセス中の把持効果が高まる。
【0041】
食物の把持効果を強化するために、スイープアーム構造は、スイープアーム構造の下向きの表面に弾力的付勢をして食物と係合させるためのばね手段を備えてもよい。ばね手段は、プラスチック、金属、又は複合材料などの可撓性材料を含むことができる。
【0042】
一実施形態において、ばね手段は、スイープアーム構造の長手方向の延伸に沿って相互距離を有して配置された複数の離間した板ばね要素を含む。
【0043】
このような板ばね手段は、製造が安価で、耐久性があり、長持ちし、清掃が容易である。従って、低コストのばね手段の製造及びメンテナンスを提供することができる。
【0044】
更に、スイープアーム構造は、可撓性材料のシートを支持するための支持構造を含むことができ、複数の板ばね要素は、支持構造の一体的部分を形成する。板ばね要素を支持構造の一部として統合する方法は、所望の弾力的付勢効果を達成するための便利で安価な方法である。メンテナンス及び清掃を容易にするためには、内部部品にアクセスできるように、支持構造は閉鎖的構造で形成されてもよい。代替的に、支持構造は、閉鎖的構造で形成することができ、それによって、その内部を洗浄する必要な場合を除き、汚染物質又は食物残留物が支持構造の内部に到達しないことを保証することができる。
【0045】
一実施形態において、第1のターナー装置及び/又は第2のターナー装置が食物と係合する前に、方向転換装置は、食物と係合する第1のターナー装置及び/又は第2のターナー装置の少なくとも一部分に、例えば、ウォーターミストで水を噴霧するように配置された少なくとも1つの噴霧装置を更に備える。これの利点は、食物と第1のターナー装置との間の付着力を低減することを可能にし、それにより、係合からの解放、例えば、家禽の肉のストライプを第1のターナー装置及び/又は第2のターナー装置との係合から解放するために、より少ない力を加えることによって解放を可能にするか、及び/又は解放を促進することができる。食物が少なくとも部分的に第1のターナー装置に付着しているため、制御されないような変形又は配向が生じる場合がある。上述した効果により、このようなリスクが軽減され、食物を容易に方向転換及び解放することができる。ウォーターミストのような水を使用することの利点は、(水の噴射又はストリームを利用する場合に比べ)最小量の水を使用することで食物と係合する第1のターナー装置及び/又は第2のターナー装置の少なくとも一部分を容易に濡らすことができることである。ウォーターミストのような水噴霧をするために配置された少なくとも1つの噴霧装置は、更に水の流れを変化させる、例えば、断続的に噴霧するように配置することができる。例えば、高い流量で噴霧する期間において、食物と係合する第1のターナー装置の少なくとも一部分に水を直接噴霧することができ、より少ない又はゼロ流量で噴霧する期間、例えば、第1のターナー装置及び/又は第2のターナー装置が先行の食物と接触している期間においては、ウォーターミストは、食物と係合する第1のターナー装置及び/又は第2のターナー装置の少なくとも一部分に直接噴霧することはできない。これの利点は、水の消費量を低減させることができる。「ウォーターミスト」は、当技術分野において一般的であるように理解されるべきである。特に、少なくとも50%、例えば、少なくとも75%、例えば、少なくとも90%、例えば、少なくとも99%の液体の総量が直径1000ミクロン未満の液滴に分散した水スプレーであると理解することができる。ウォーターミストを使用する利点は、消費される水が少ないこと、及び/又は食物がより少ない水にさらされることである。「水」とは、純水など、水を含む液体を意味する。
【0046】
更なる態様において、食物を切断するための切断システムが提供され、当該切断システムは、
インフィードコンベヤ表面を有するインフィードコンベヤと、
アウトフィードコンベヤ表面を有し、インフィードコンベヤと端部対端部の配置(end-to-end arrangement)で配置されたアウトフィードコンベヤと、
切断面を規定する切断ナイフであって、前記切断ナイフが切断を実行するときに前記切断面内で移動し、前記切断面が、前記インフィードコンベヤと前記アウトフィードコンベヤとの端部の間に規定される、前記切断ナイフと、
を備え、
前記アウトフィードコンベヤ表面に面する表面を有するアウトフィード押え付け装置を更に備え、前記アウトフィード押え付け装置は、前記アウトフィードコンベヤ表面上に載置されている食物が前記切断ナイフによって切断されている間に、前記食物の一部に対し、前記アウトフィードコンベヤのコンベヤ表面の方向に圧力を加えるように、前記アウトフィードコンベヤ表面に対して配置され、
前述した実施形態のいずれか1つに係る方向転換装置を更に備える。
【0047】
本明細書に記載の方向転換装置は、食物処理ライン又はシステムに組み込むことができ、システムは、第1の切断装置及び/又は第2の切断装置を備えてもよい。「第2の切断装置」のみを備えるシステムでは、これは、切断装置が方向転換装置の後に配置され、そのようなシステムでは、1つの切断装置のみが存在し得ることを意味する。
【0048】
食物処理システムにおいて、入来食物は、第1のインフィード搬送手段によって搬送され、第1の切断装置に提供される。第1の感知手段は、食物をスキャンし、食物を説明するデータを、第1の切断手段を制御するように構成された制御手段に提供する。第1の切断手段は、食物を、例えば、食物ストライプに切断するように制御されてもよい。食物ストライプは、搬送方向に対して第1の角度を形成する長手方向軸を有してもよい。方向転換装置は、例えば、食物ストリップの長手方向軸が、搬送方向に対する第1の角度から、搬送方向に対する第2の角度となるまで調整するように、食物ストライプの角度位置を調整するように構成されてもよい。これは、例えば、搬送手段における食物ストライプを90度方向転換させ、方向転換の前、方向転換途中、及び方向転換の後に、食物の下部を下部であるように維持して実行されてもよい。第2の感知手段は、方向転換装置のアウトフィード搬送手段における食物ストライプをスキャンし、食物ストライプを説明するデータを、第2の切断装置の第2の切断手段を制御するように構成された制御手段に提供することができる。第2の切断手段は、食物ストライプを、例えば、食物キューブに切断するように制御されてもよい。
【0049】
食物処理システムを説明するとき、一部の、例えば、第1の切断装置のアウトフィードコンベヤ又はコンベヤ手段は、方向転換装置のインフィードコンベヤとして本明細書に記載されたものに対応することができる。同様に、方向転換装置のアウトフィードコンベヤは、第2の切断装置のインフィードコンベヤであってもよい。
【0050】
更なる態様において、食物の角度位置を調整することによって、方向転換装置を用いて入来食物を方向転換させる方法が提供される。この方法では、食物は、インフィードコンベヤ手段によって搬送方向に搬送され、食物の長手方向軸は、搬送方向に対して第1の角度を形成し、第1のターナー装置は、最前部の食物に係合する。第1のターナー装置による最前部の食物の角度位置の調整は、最前部の食物の長手方向軸が食物の搬送方向に対して第2の角度を形成するように実行される。
【0051】
一例において、第1の角度は、インフィードコンベヤ手段の搬送方向に実質的に平行であってもよく、第2の角度は、アウトフィードコンベヤ手段の搬送方向に実質的に平行であってもよい。
【0052】
記載された係合は、第1のターナー装置を第1の高さ位置及び第1の角度位置に移動させる必要があって、第1の高さ位置において、第1のターナー装置は、最前部の食物の上方にある高さ位置にあって、且つ、第1のターナー装置の角度軸は、最前部の食物の長手方向軸に平行である。次に、最前部の食物と係合させるように、第1のターナー装置を下降移動させる。
【0053】
前述した最前部の食物の角度位置を調整するには、最前部の食物と係合しながら、第1のターナー装置を、第1の角度位置から第2の角度位置に移動させる必要がある。第1のターナー装置の角度軸は、係合している間、最前部の食物の長手方向軸に平行であるため、第1のターナー装置の第2の角度位置への移動は、同様に、最前部の食物の長手方向軸が食物の搬送方向に対して第2の角度を形成するまでに、最前部の食物の角度位置を調整することとなる。
【0054】
第1のターナー装置は、更に上昇移動して、最前部の食物をアウトフィードコンベヤ手段上で切り離し、第1の高さ位置及び第1の角度位置に再び移動して本方法のステップを繰り返すことができる。
【0055】
方向転換装置を用いて入来食物を方向転換させるための別の実施形態による方法では、第2のターナー装置が提供され、第1のターナー装置と第2のターナー装置とは、インフィードコンベヤ手段を挟んで対向に配置される。
【0056】
第1のターナー装置と第2のターナー装置とは、同期された順序で、それぞれが独立して動作して最前部の食物と係合し、最前部の食物の角度位置を調整するように適合されている。好ましい構成においては、第1のターナー装置と第2のターナー装置とは、第1のターナー装置がアウトフィードコンベヤ手段上で食物のストライプを切り離すときに、第2のターナー装置が最前部の食物と係合するように同期的に制御される。第2のターニング装置がアウトフィードコンベヤ手段上で食物のストライプを切り離すときに、第1のターナー装置が最前部の食物のストライプと係合するように同期的に動作を継続する。
【0057】
アウトフィードコンベヤ手段は、第1のコンベヤと第2のコンベヤとを更に備え、第1のコンベヤと第2のコンベヤとは、第1のターナー装置が食物を第1のコンベヤ上で切り離し、第2のターナー装置が食物を第2のコンベヤ上で切り離すように配置される。第2の角度位置で食物を受け取るために2つのコンベヤを使用することは、別々の処理ストリーム及び/又はより高いスループットを有する方法を可能とする。
【0058】
2つのコンベヤを利用することは、食物がその長手方向軸が搬送方向に平行である第2の角度位置に調整される方法において特に有利である。このような状況では、食物の長手方向の配向により、搬送方向において搬送手段に沿って必要な間隔が増加する。したがって、2つのコンベヤは、食物の処理を遅らせることなく、搬送方向において利用可能な間隔を2倍にすることができる。
【0059】
更に第1のコンベヤと第2のコンベヤとは平行に配置され、且つインフィードコンベヤに対して平行に配置することができる。これによって、入来食物の搬送方向が第1及び第2のコンベヤ上の食物の搬送方向とは平行である。
【0060】
別の実施形態において、第1のターナー装置は、スイープアーム構造を備えてもよく、最前部の食物と係合するステップは、スイープアーム構造と係合することを含み、コンベヤ手段は、それぞれの食物の下面を支持することができ、スイープアーム構造の下向きの表面は、前記係合ステップにおいて食物の上面に係合することができる。
【0061】
前述したように、上面から食物との係合/解放のほうが、例えば、後端面から食物との係合/解放よりも有利であることが実験により示された。食物の上面との係合/解放がスイープアーム構造の動き、機械的摩耗、及び損傷の点において利点を有するため、食物の上面との係合/解放は、エネルギーの消費及びメンテナンスにおいても有益であることは明らかである。
【0062】
スイープアーム構造の下向きの表面は、可撓性材料のシートを含んでもよく、スイープアームがコンベヤに対して第1の角度配向で延びるとき、スイープアーム構造は、入来食物の搬送方向を横切る方向において長手方向の延伸を有して入来食物と係合し、そして、スイープアームは、コンベヤ手段に対して第2の角度配向に延びる。スイープアーム構造の下向きの表面は、スイープアームの長手方向の延伸に垂直な断面図で見たときの表面テクスチャを規定し、表面テクスチャは、スイープアームの長手方向の延伸の方向に延在する。
【0063】
スイープアーム構造及びその下向きの表面の可撓性材料のシートは、本発明による方向転換装置に関して本明細書に記載されたように構成されてもよい。
【0064】
可撓性材料の表面テクスチャは、可撓性材料が、食物が第1の角度位置にあるときの食物に関する第1の摩擦係数と、食物が第2の角度位置にあるときの食物に関する第2の摩擦係数とを規定できるように構成されてもよい。第1の摩擦係数は第2の摩擦係数よりも高くてもよい。
【0065】
食物が第2の角度位置にあるとき、ターナー装置が食物を完全に切り離す前に、食物は搬送方向に沿って移動することができる。
【0066】
可撓性材料の表面テクスチャは、山と谷との交互のパターンを規定してもよい。山と谷との交互のパターンがインフィードコンベヤ手段の方向を横切ってもよいため、第1の摩擦係数は、第1の角度位置における食物をしっかりと把持することを可能にすることができる。対照的に、第2の摩擦係数は、山と谷との交互のパターンがアウトフィードコンベヤ手段の方向と整列してもよいため、食物を係合から解放するときに、食物を迅速に切り離すことができ、食物の処理をスピードアップすることができる。したがって、食物が第2の角度位置にあるとき、ターナー装置が食物を完全に切り離す前でも、食物が搬送方向に沿って移動することが可能な場合がある。
【0067】
食物と係合するステップは、均等に分散された力を食物に加えることを保証するように構成されたばね手段によって、スイープアーム構造の一部を形成することを含んでもよい。
【0068】
スイープアーム構造のばね手段は、食物との係合中に均等に分散された力を食物に加えることを保証することができる。均等に分散された力を食物に加えることによって、食物に跡や変形などの損傷が生じないように保証することができる。更に、ばね手段からの均等に分散された力は、ばね手段の経時的な機械的摩耗及び損傷が実質的に同じであることも保証することができ、従って、個々のばね要素は、実質的に同時に変更することができる。更に、そのような板ばね手段は、製造が安価であり、耐久性があり、長持ちし、且つ清掃が容易である。したがって、低コストのばね手段の製造及びメンテナンスを提供することができる。
【0069】
本開示のこれら並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面を参照することでよりよく理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1a】本開示に係る方向転換装置の実施形態であって、ターナー装置が第1の角度で上昇位置にある状態を示す図である。
図1b】本開示に係る方向転換装置の実施形態であって、ターナー装置が第1の角度で下降位置にある状態を示す図である。
図1c】本開示に係る方向転換装置の実施形態であって、ターナー装置が第2の角度で下降位置にある状態を示す図である。
図1d】本開示に係る方向転換装置の実施形態であって、ターナー装置が第2の角度で上昇位置にある状態を示す図である。
図2a】第1のターナー装置及び第2のターナー装置を有する本開示に係る方向転換装置の実施形態を示す図である。
図2b図2aの方向転換装置であって、第1のターナー装置と第2のターナー装置とが同期的に動作する方向転換装置を示す図である。
図2c図2aの方向転換装置であって、第1のターナー装置と第2のターナー装置とが同期的に動作する方向転換装置を示す図である。
図2d図2aの方向転換装置であって、第1のターナー装置と第2のターナー装置とが同期的に動作する方向転換装置を示す図である。
図2e図2aの方向転換装置であって、第1のターナー装置と第2のターナー装置とが同期的に動作する方向転換装置を示す図である。
図3】本開示に係る方向転換装置を備えた食物処理ラインを示す図である。
図4a】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4b】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4c】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4d】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4e】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4f】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4g】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4h】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図4i】本開示に係る方向転換装置の別の実施形態を示す図である。
図5a】本開示に係る方向転換装置と共に使用するためのスイープアーム構造の実施形態の詳細を示す図である。
図5b】本開示に係る方向転換装置と共に使用するためのスイープアーム構造の実施形態の詳細を示す図である。
図5c】本開示に係る方向転換装置と共に使用するためのスイープアーム構造の実施形態の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
コンベヤ手段によって搬送される食物の角度位置を調整するための方向転換装置の実施形態は、処理速度を増加させ、方法の必要な寸法を低減するために提供される。
【0072】
方向転換装置は、第1のターナー装置を利用して、最前部の食物と係合し、最前部の食物の角度位置を調整する。第1のターナー装置は、食物を処理する流れとは独立して配置することが可能なように、上昇及び降下の方向に移動するように動作可能である。第1のターナー装置は、シンプルな動きで第1のターナー装置の角度位置を調整するように、第1の軸を中心に回転するように配置されたスイープアームを更に備えてもよい。
【0073】
方向転換装置はさらに、正の回転を提供するように構成され、第1のターナー装置は、食物を新しい角度位置に加速することによって食物の角度を調整する。静的な偏向手段又は複雑なコンベヤ配置を使用する必要がある食物処理システムにおける従来の方向転換手段とは異なり、本開示の方向転換装置は、コンパクトな領域において、高速で食物を回転させることを可能にする。
【0074】
本開示の例示的な実施形態は、例示的な形状及び寸法を有する食物を方向転換させるために示され、説明されるが、本開示の実施形態は、異なるタイプ、形状、及びサイズのものにも対応するように適合することができる。方向転換装置は、既存の処理ラインに追加する独立型デバイスとして構成されてもよく、又は別の処理デバイス又はカスタム処理ラインに組み込むように適合されてもよい。
【0075】
方向転換装置の開示された実施形態を理解しやすくするために、上昇及び下降などの方向の用語を使用して、本開示の実施形態を説明する。方向は、構成要素の相対的な動き及び操作を維持するとともに、意図された目的に適合されてもよい。
【0076】
「最前部」という用語は、説明される実施形態において、方向転換装置にまだ係合していない食物のうち、最前部の食物を説明するために使用される。したがって、方向転換装置による最前部の食物の角度調整の後に、後続の食物が「最前部」となることが理解される。
【0077】
図1aは、本開示に係る、搬送方向に対して第1の角度を有する第1の角度位置における最前部の食物101の角度位置を、搬送方向に対して第2の角度を有する第2の角度位置102に調整するための方向転換装置100を示している。
【0078】
図示の実施形態において、方向転換装置100は、インフィード搬送手段103によって搬送されている最前部の食物101を受け入れるように構成され、最前部の食物101の長手方向軸は、インフィード搬送方向113に対して第1の角度を形成している。第1のターナー装置105は、最前部の食物101の角度位置を、アウトフィード搬送手段104上の第2の角度位置102に調整するために提供され、第2の角度位置における食物の長手方向軸は、アウトフィード搬送方向114に対して第2の角度を形成する。
【0079】
図示されるように、食物が長手方向に配向されるために十分な間隔を作り出すように、インフィード搬送手段103は、インフィード搬送方向113において、アウトフィード搬送方向114においてアウトフィード搬送手段104が有する速度とは、異なる速度を有している。
【0080】
第1のターナー装置105は、スイープアーム構造106を更に備え、スイープアーム構造106は、最前部の食物101と係合するように構成されている。スイープアーム構造106は、延長部材107によって、第1の移動機構115と高さ変位機構116とに接続され、第1の移動機構115と高さ変位機構116とは、スイープアーム構造106に正の動きを提供するために設けられている。
【0081】
一実施形態において、延長部材107は、例えば、ロッド107を含んでもよく、高さ変位機構116は、ロッド107に上昇移動112又は下降移動110を提供するように構成されてもよい。図1bに示すように、高さ変位機構は、ロッド107に下降移動110を提供し、それによって、スイープアーム構造106が図1aの第1の高さ位置から図1bに示される第2の高さ位置に移動される。
【0082】
同様に、第1の移動機構115は、ロッド107を長手方向軸の周りで回転させるように構成され、それによって、ロッド107の回転運動111が、スイープアーム構造106を図1bに示す第1の角度位置から図1cに示す第2の角度位置に移動させる。
【0083】
図1bの図示の実施形態によれば、第1のターナー装置105の第1の高さ位置から第2の高さ位置への下降移動110は、スイープアーム構造106が最前部の食物101と係合することを可能にする。図示のように、スイープアーム構造106は、係合したときに、最前部の食物101の長手方向軸に平行となるように配置されている。
【0084】
図示のように、スイープアーム構造106は、長手方向の最前部の食物101の長さよりも長い長さを有するように構成されている。スイープアーム構造106の形状及び寸法は、処理される食物の寸法又は特性に適合され、最前部の食物101の特定の最終位置と係合可能にするか、又は最前部の食物101との適切な係合のみを保証するにすることができる。
【0085】
最前部の食物101と係合すると、第1の方向転換装置105の第1の角度位置から第2の角度位置への回転運動111は、スイープアーム構造106と最前部の食物101との両方を、インフィード搬送手段103上の第1の角度位置からアウトフィード搬送手段104上の第2の角度位置に平行に移動させる。
【0086】
図1dに示すように、第2の高さ位置から第1の高さ位置への第1のターナー装置の上昇移動112は、スイープアーム構造106が最前部の食物101を切り離すことを可能とする。
【0087】
スイープアーム構造106の第1の高さ位置は、好ましくは、最前部の食物101の高さの上方である。これによって、第2の角度位置から第1の角度位置へのスイープアーム構造106の回転運動中に、スイープアーム構造106が最前部の食物に接触しない。
【0088】
スイープアーム構造106の高さ変位により、スイープアーム構造106が第2の角度位置から第1の角度位置に移動することができ、次に方向転換される食物は、処理を中断することなく、最短経路で配置される。
【0089】
図2aの実施形態によれば、方向転換装置tは、第2のターナー装置200を含むように構成されてもよい。
【0090】
図示の実施形態において、方向転換装置100は、インフィード搬送手段103によって搬送される最前部の食物101を受け入れるように構成され、最前部の食物101の長手方向軸は、インフィード搬送方向113に対して第1の角度を形成している。第1のターナー装置105は、最前部の食物101の角度位置を、アウトフィード搬送手段220上の第2の角度位置201に調整するために設けられ、第2のターナー装置200は、最前部の食物101の角度位置を、アウトフィード搬送手段221上の第2の角度位置201に調整するために設けられている。
【0091】
第2のターナー装置200は、最前部の食物101と係合するように構成されたスイープアーム構造206を更に備えてもよい。スイープアーム構造206は、延長部材によって、第2の移動機構215と第2の高さ変位機構216とに接続され、第2の移動機構215と第2の高さ変位機構216とは、スイープアーム構造206に正の動きを提供するために設けられている。
【0092】
一実施形態において、延長部材は、例えば、ロッドを含み、第2の高さ変位機構216は、ロッドに上昇移動212、222又は下降移動210を提供するように構成されてもよい。第2の移動機構215は、ロッドを長手方向軸の周りで回転させるように構成され、これによって、ロッドの回転運動211、223が、スイープアーム構造206を第1の角度位置から第2の角度位置に移動させ、そして再び第1の角度位置に戻るようにスイープアーム構造206を移動させる。
【0093】
一実施形態において、第1のターナーデバイス105と第2のターナーデバイス200とは、実質的に、ターニング装置100のミラーリングされた構成要素(mirrored components)として動作する。第1の移動機構115と第2の移動機構215とは、第1のターナー装置105と第2のターナー装置200との両方を回転させるための単一の駆動手段を備えてもよい。
【0094】
第1のターナー装置105と第2のターナー装置200との回転は個別に行うことができるが、図2cに示すように、デバイスのミラーリングされた配置及び同期的な動作は、異なる高さに配置されたときに、同じ方向に同時回転111、211を可能にする。
【0095】
第1の移動機構115と第2の移動機構215とは、別個の駆動手段を備えることができる。
【0096】
図2dに示すように、第1の高さ変位機構116と第2の高さ変位機構216とは、第1のターナー装置105と第2のターナー装置200とを、図2bに示すように、個別に変位させるように同様に単一の駆動手段を備えてもよく、又は、図2dに示すように、調整された非同期的な動作で第1のターナーデバイス105と第2のターナーデバイス200とを変位させるように別個の駆動手段を備えてもよい。
【0097】
図3に示すように、方向転換装置100は、食物処理ライン又はシステム300、例えば、添付の特許請求の範囲に記載の切断システムに組み込むことができ、システム300は、第1の切断装置303と、第2の切断装置300とを更に備えている。
【0098】
システム300において、入来食物334は、第1の切断装置303に提供され、第1のインフィード搬送手段335によって搬送方向313において搬送される。第1の感知手段330は、インフィード搬送手段335上の食物334をスキャンし、食物334を説明するデータを、制御手段、例えば、第1の切断手段333を制御するように構成されたコンピューティングユニット331に提供する。第1の切断手段333は、食物334を食物ストライプ301に切断するように制御されてもよい。食物ストライプ301は、搬送方向に対して第1の角度を形成する長手方向軸を有してもよい。
【0099】
図3に示す例において、第1の切断手段333は、例えば、第1のインフィード搬送手段335と第2のインフィード搬送手段336とによって規定されたギャップを通るブレードの回転332によって、食物334を搬送方向313に垂直な方向に切断するように配置されてもよい。第2のインフィード搬送手段は、得られた食物ストライプ301を搬送方向313において方向転換装置100に搬送するように構成されてもよい。
【0100】
方向転換装置100は、食物ストライプ301の角度位置を調整するように構成され、例えば、食物ストライプの長手方向軸が、搬送方向313に対する第1の角度から、搬送方向313に対する第2の角度に調整される。図3による実施形態において、方向転換装置100は、食物ストライプ301を、第2のインフィード搬送手段336から第2の切断装置300のアウトフィード搬送手段320、321に更に移動させる。
【0101】
第2の感知手段337は、アウトフィード搬送手段320、321上の食物ストライプ338をスキャンし、食物ストライプを説明するデータを、制御手段338、例えば、切断手段340を制御するように構成されたコンピューティングユニット338に提供する。切断手段333は、食物ストライプ301を食物キューブ342に切断するように制御されてもよい。
【0102】
図3の図示の例において、切断手段340は、アウトフィード搬送手段320、321によって規定されたギャップでブレードの回転339、341によって、搬送方向313に垂直な方向に食物334を切断するように配置することができる。
【0103】
図3に示すように、方向転換装置100を使用することにより、処理が中断されることなく、食物ストライプ301の角度位置を調整することにより、食物334を2方向に切断することができる。従来技術の方法及びシステムとは対照的に、方向転換装置100は、単一化装置、又は処理のために搬送手段を減速させることを必要としない。
【0104】
図4a-4i及び5a-5cは、方向転換装置400のターナー装置105の別の実施形態を示す。前述したように、方向転換装置400は、搬送方向に対して第1の角度を有する第1の角度位置の最前部食物101の角度位置を、搬送方向に対して第2の角度を有する第2の角度位置102へ調整する。以下で更に詳細に説明するように、それぞれの食物101の下面408は、インフィード搬送手段103によって搬送され、それぞれの食物の上面406は、スイープアーム構造106の下向きの表面503と係合する。
【0105】
図示の実施形態において、方向転換装置400は、インフィード搬送手段103によって搬送されている最前部の食物101を受け入れるように構成され、最前部の食物101の長手方向軸は、インフィード搬送方向113に対して第1の角度を形成している。第1のターナー装置105は、最前部の食物101の角度位置を、アウトフィード搬送手段104上の第2の角度位置102に調整するように設けられ、第2の角度位置の食物の長手方向軸は、アウトフィード搬送方向114に対して第2の角度を形成している。
【0106】
図4の図示の実施形態によれば、第1のターナー装置105の第1の高さ位置から第2の高さ位置への下降移動は、スイープアーム構造106を最前部の食物101と係合させることができる。図示のように、スイープアーム構造106は、食物と係合したときに、最前部の食物101の長手方向軸に平行となるように配置されている。
【0107】
ターナー装置105のスイープアーム構造106は、最前部の食物101の上面と摩擦係合するための下向きの表面を有する。スイープアーム構造106の下向きの表面は、可撓性材料のシート402を更に含む。可撓性材料のシート402は、食物処理に適した任意の材料、例えば、プラスチック、又は天然若しくはプラスチック材料の任意の織布又は不織布、金属、木材、繊維強化ラミネート、多成分プラスチック、又はゴムを含んでもよい。図5a-5cに示すように、可撓性材料のシート402の表面テクスチャは、スイープアーム構造106の長手方向の延伸に垂直な断面図で見たとき、スイープアーム構造106の下向きの表面503に山と谷との交互のパターン501を更に含む。山と谷とは、スイープアーム構造106の長手方向の延伸の方向に延在する。表面テクスチャは、任意のパターン、例えば、幾何学的パターン、線、波形、図、及び、例えば、これらのパターンの組み合わせによる特定用途のパターンを含むことができる。
【0108】
ターナー装置105は、スイープアーム構造の下向きの表面に弾力的付勢をして最前部の食物101と係合させるためのばね手段404を更に備える。ばね手段404は、可撓性材料、例えば、プラスチック、又は天然若しくはプラスチック材料の任意の織布又は不織布、金属、木材、繊維強化ラミネート、多成分プラスチック、又はゴムを含む。ばね手段404は、板ばね要素403の形態であってもよく、板ばね要素は、スイープアーム構造106の長手方向の延伸に沿って相互距離を設けて配置される。また、ばね手段は、他の離間、例えば、ペアで、又は用途に適した任意の配置を有して配置することができる。更に、食物に痕跡及び/又は変形が生じないことを保証するために、ばね手段は、最前部の食物101に均等に分散された力を加えるように構成される。
【0109】
ばね手段106と可撓性材料のシート402と共に、食物が第1の角度位置にあるときに食物に対する第1の摩擦係数と、食物が第2の角度位置にあるときに食物に対する第2の摩擦係数とを規定し、第1の摩擦係数は、第2の摩擦係数よりも高い。
【0110】
従って、摩擦係数は、食物が第1の角度位置から第2の角度位置に向かって移動するにつれて減少する。方向転換装置400が第2の角度位置にあるとき、最前部の食物101は、アウトフィード搬送方向114に沿って移動し、ターナー装置105は、最前部の食物101から完全に切り離す。これは、可撓性材料のシート402の表面テクスチャに関連し、第1の角度位置よりも第2の角度位置の方の摩擦係数が低いためである。ターナー装置105が完全に食物を切り離す前に、最前部の食物101がアウトフィードコンベヤ手段104に沿って移動することは、以下に示す複数の利点を提供することができる。すなわち
最前部の食物101は、係合から解放される間に所定の位置に留まることができる。
最前部の食物101は、係合から解放される間にコンベヤ手段から落下及び/又は移動することを回避できる。
最前部の食物101がアウトフィードコンベヤに沿って更に移動する前に、完全に係合から解放される必要はない。これは、より速い食物処理を保証し、そしてより多くの食物を処理することができる。
ばね手段404からの均等に分散された力は、処理中に食物に損傷を与えないことを保証することができる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図4i
図5a
図5b
図5c
【国際調査報告】