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特表2022-510588霧化シートユニット、アトマイザー及び電子タバコ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(54)【発明の名称】霧化シートユニット、アトマイザー及び電子タバコ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/05 20200101AFI20220120BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20220120BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20220120BHJP
【FI】
A24F40/05
A24F40/40
A24F40/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527921
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2019126244
(87)【国際公開番号】W WO2020125666
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】201811548264.5
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811548248.6
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201822129910.6
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308153
【氏名又は名称】チャイナ タバコ フーナン インダストリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 建福
(72)【発明者】
【氏名】鐘 科軍
(72)【発明者】
【氏名】郭 小義
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】尹 新強
(72)【発明者】
【氏名】易 建華
(72)【発明者】
【氏名】周 永権
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC02
4B162AC06
4B162AC17
4B162AC27
(57)【要約】
霧化シートユニット、アトマイザー及び電子タバコであって、霧化シートユニットは、リキッド伝導部材(1)、霧化シート(2)及び霧化ベース(3)を含み、霧化シート(2)が霧化ベース(3)に固設され、リキッド伝導部材(1)が霧化シート(2)の霧化面と接触し、霧化ベース(3)が弾性材料で製造され、リキッド伝導部材(1)が板状であり、霧化ベース(2)には貫通孔(301)が開けられ、板状リキッド伝導部材(1)が貫通孔(301)を貫通して霧化シート(2)と接触する。該霧化シートユニットは、リキッド伝導速度を効果的に調整することができ、リキッド伝導部材(1)のリキッド伝導速度が安定的であり、霧化シート(2)へのリキッド含浸又は空焚きが発生しにくく、煙量の安定性及び均一性に優れ、アトマイザーが傾斜するときに霧化シート(2)のリキッドが排気チャンネル(23)を介して流出しにくく、それにより、使用者の口腔に熱傷を与えることを回避し、リキッドタンク(5)内へリキッドを注入するときにリキッドが漏れにくく、リキッド注入孔(402)を開いてリキッドタンク(5)へリキッドを注入する操作が簡便に実施でき、チャイルドロック構造の作動が信頼でき、安全性に優れ、使用者のエクスペリエンスが良好である。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リキッド伝導部材(1)、霧化シート(2)及び霧化ベース(3)を含み、霧化シート(2)が霧化ベース(3)に固設され、リキッド伝導部材(1)が霧化シート(2)の霧化面と接触する霧化シートユニットであって、
前記霧化ベース(3)が弾性材料で製造され、前記リキッド伝導部材(1)が板状であり、霧化ベース(3)には貫通孔(301)が開けられ、板状リキッド伝導部材(1)が前記貫通孔(301)を貫通して霧化シート(2)と接触する、ことを特徴とする霧化シートユニット。
【請求項2】
前記貫通孔(301)は上孔面(3011)と下孔面(3012)を含み、下孔面(3012)が霧化シート(2)の霧化面と面一となり、又は霧化シート(2)の霧化面より高く、又は霧化シート(2)の霧化面より低い、ことを特徴とする請求項1に記載の霧化シートユニット。
【請求項3】
ケース(4)を含み、ケース(4)内にリキッドタンク(5)が設けられるアトマイザーであって、
請求項1又は2に記載の霧化シートユニットをさらに含み、ケース(4)の底部には霧化上蓋(6)が設けられ、霧化上蓋(6)には、リキッドタンク(5)とリキッド伝導部材(1)を連通させるリキッド吐出孔(601)が開けられる、ことを特徴とするアトマイザー。
【請求項4】
ケース(4)内にはブラケット(7)及びチャンバー(8)がさらに設けられ、ブラケット(7)の一端はケース(4)に固定して接続され、ブラケット(7)の他端は霧化上蓋(6)を貫通して霧化シート(2)の霧化面に対向し、ブラケット(7)の外側壁と霧化上蓋(6)の内側壁との間にリキッド伝導部材(1)と前記チャンバー(8)を連通させる隙間(9)を有し、アトマイザーの排気チャンネル(23)がブラケット(7)内に設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載のアトマイザー。
【請求項5】
一端がブラケット(7)に接続され、他端がリキッド伝導部材(1)に当接するバネ(10)をさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載のアトマイザー。
【請求項6】
ケース(4)のトップに取り外し可能に接続されたマウスピースホルダー(11)をさらに含み、ケース(4)のトップには挿入部(401)が設けられ、マウスピースホルダー(11)には該挿入部(401)に対応する被挿入部(1101)を有する、ことを特徴とする請求項3に記載のアトマイザー。
【請求項7】
マウスピーススリーブ(12)をさらに含み、マウスピーススリーブ(12)は、マウスピースホルダー(11)に固定して接続され、挿入部(401)の周りに回転可能な回転ユニット(13)を構成し、
前記挿入部(401)はケース(4)の中心軸線に設けられ、ケース(4)には、リキッドタンク(5)内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔(402)がさらに設けられ、リキッド注入孔(402)にはシールリング(14)が設けられ、
回転ユニット(13)が挿入部(401)の周りに回転してリキッド注入孔(402)を開閉する過程において、マウスピースホルダー(11)は常にシールリング(14)の縁部に当接する、ことを特徴とする請求項6に記載のアトマイザー。
【請求項8】
ケース(4)内にはケース(4)の軸方向に沿って移動可能なブラケット(7)がさらに設けられ、ブラケット(7)の一端は霧化ベース(3)と接触する、ことを特徴とする請求項3に記載のアトマイザー。
【請求項9】
ケース(4)のトップに取り外し可能に接続されたマウスピースホルダー(11)をさらに含み、マウスピースホルダー(11)は、マウスピーススリーブ(12)に固定して接続され、ケース(4)の軸線の周りに回転可能な回転ユニット(13)を構成し、
前記ブラケット(7)の一端には、前記貫通孔(301)の位置に対応する押圧部(701)を有し、前記ブラケット(7)の他端の端面には、マウスピースホルダー(11)に当接する当接部(702)を有し、マウスピースホルダー(11)には、該当接部(702)に対応する凹凸面(1103)を有する、ことを特徴とする請求項8に記載のアトマイザー。
【請求項10】
前記ブラケット(7)には、ブラケット(7)を案内して軸方向に移動させる案内溝(703)を有し、ケース(4)内には、前記ブラケット(7)の周方向回動を防止し、案内溝(703)と嵌合接続された案内リブが設置される、ことを特徴とする請求項8又は9に記載のアトマイザー。
【請求項11】
ケース(4)には、リキッドタンク(5)内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔(402)がさらに設けられ、回転ユニット(13)は、回転してリキッド注入孔(402)を開きながら、霧化ベース(3)の方向へ移動して前記貫通孔(301)を押圧するようにブラケット(7)を駆動する、ことを特徴とする請求項9に記載のアトマイザー。
【請求項12】
ケース(4)には、リキッドタンク(5)内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔(402)が設けられ、ケース(4)のトップには、前記リキッド注入孔(402)を開閉する回転ユニット(13)が設けられ、ケース(4)には制限リング(15)が固設され、制限リング(15)には円柱形延伸部(1501)を有し、回転ユニット(13)はロックリング(24)を含み、ロックリング(24)に収容室(2401)を有し、収容室(2401)には前記延伸部(1501)と嵌合する回転室(24011)を有し、
ロックリング(24)と制限リング(15)との間の接続関係をロック又はロック解除するためのロック解除機構をさらに含み、ロック解除機構がロックリング(24)と制限リング(15)との間の接続関係をロック解除するときに、延伸部(1501)は回転室(24011)内に配置され、回転ユニット(13)は延伸部(1501)の周りに回転してリキッド注入孔(402)を開く、ことを特徴とする請求項3に記載のアトマイザー。
【請求項13】
前記ロック解除機構は、延伸部(1501)の外側壁に設けられた第1の制限面(15011)と、収容室(2401)の内側壁に設けられ第1の制限面(15011)と嵌合する第2の制限面(24012)とを含む、ことを特徴とする請求項12に記載のアトマイザー。
【請求項14】
前記ロック解除機構は、延伸部(1501)の外側壁に設けられた第1のリブ(15012)と、収容室(2401)の内側壁に設けられ、第1のリブ(15012)と嵌合し、2本の第2のリブ(24013)により囲まれた凹溝(24014)とを有する、ことを特徴とする請求項12に記載のアトマイザー。
【請求項15】
前記回転ユニット(13)は、マウスピースホルダー(11)とマウスピーススリーブ(12)をさらに含み、マウスピースホルダー(11)が制限リング(15)外に固設され、マウスピーススリーブ(12)がマウスピースホルダー(11)のトップに固設される、ことを特徴とする請求項12に記載のアトマイザー。
【請求項16】
リキッド注入孔(402)にはシールリング(14)が設けられ、回転ユニット(13)が回転してリキッド注入孔(402)を開閉する過程において、マウスピースホルダー(11)は常にシールリング(14)の縁部に当接する、ことを特徴とする請求項11又は15に記載のアトマイザー。
【請求項17】
給電ユニット(22)を含む電子タバコであって、
請求項3~16のいずれか一項に記載のアトマイザーをさらに含み、アトマイザーは給電ユニット(22)に取り外し可能に接続され、給電ユニット(22)は霧化シート(2)に電気的に接続される、ことを特徴とする電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に霧化シートユニット及びアトマイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
アトマイザーは、霧化シート、リキッド伝導部材及びリキッドタンクを含み、リキッド伝導部材がリキッドタンク及び霧化シートを連通させ、作動するときに、リキッドタンク内のリキッドがリキッド伝導部材を介して霧化シートの霧化面に伝導され、霧化されると、使用者が吸う煙を発生させる。
【0003】
従来技術では、リキッド伝導部材のリキッド伝導速度が制御されにくいため、リキッド伝導速度が不安定であり、霧化シートへのリキッド含浸又は空焚きが発生しやすく、煙量が不安定であり、使用者のエクスペリエンスが悪い。
【0004】
さらに、霧化シートの霧化面が排気チャンネルを介して排気孔と直接連通するため、アトマイザーが傾斜するときに、霧化シートにおけるリキッドが排気チャンネルを介して流出して、使用者の口腔に熱傷を与える恐れがある。
【0005】
さらに、従来のアトマイザーのチャイルドロック機構はバネで構成され、バネを押すことでバネを圧縮させてロックを解除すると、さまざまな取り外し作業を行うことができるが、バネの耐用年数が限られ、機能しなくなりやすく、また、チャイルドロックは、構造が複雑であり、組み立てにくい。このため、コストが高まり、リキッド注入孔を開いてリキッドタンク内へリキッドを注入する必要があるとき、操作が煩雑であり、使用者のエクスペリエンスが乏しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点に対して、霧化シートユニット、アトマイザー及び電子タバコを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
リキッド伝導部材のリキッド伝導速度が制御されにくいという背景技術に記載の技術的課題を解決するために、本発明は下記技術案を採用する。
【0008】
リキッド伝導部材、霧化シート及び霧化ベースを含み、霧化シートが霧化ベースに固設され、リキッド伝導部材が霧化シートの霧化面と接触する霧化シートユニットであって、
前記霧化ベースが弾性材料で製造され、前記リキッド伝導部材が板状であり、霧化ベースには貫通孔が開けられ、板状リキッド伝導部材が前記貫通孔を貫通して霧化シートと接触することを特徴とする。
【0009】
上記構造によれば、板状のリキッド伝導部材が霧化ベースの貫通孔を貫通しているので、霧化ベースの貫通孔のサイズによりリキッド伝導部材が押圧されるときの締め付け度合いを制御し、リキッド伝導部材でのリキッドの伝導速度を調整することができ、また、霧化ベースが弾性材料で製造されるので、霧化ベース自体に一定の弾性を有し、このため、リキッド伝導部材を組み立てて貫通孔を貫通するときに簡便に操作でき、時間を省き、さらに、貫通孔内のリキッド伝導部材の受ける貫通孔壁からの弾力による押圧を一致させ。リキッド伝導部材におけるリキッドが貫通孔を通過するときの流動速度を一致させ、つまり、喫煙過程におけるリキッド伝導部材のリキッド伝導速度を安定化させ、霧化シートへのリキッド含浸又は空焚きを発生しにくくし、煙量の安定性及び均一性を高める。
【0010】
一好適形態として、前記弾性材料はシリコンゴムである。
【0011】
一好適形態として、前記貫通孔は上孔面と下孔面を含み、下孔面が霧化シートの霧化面と面一となり、又は霧化シートの霧化面より高く、又は霧化シートの霧化面より低い。
【0012】
貫通孔の下孔面が霧化シートの霧化面と面一となる場合、リキッド通路は曲がらず、このため、リキッド伝導部材におけるリキッドがスムーズに貫通孔を介して霧化シートに流れる。したがって、霧化シートの作動過程にリキッドをよりタイムリーに補充することができ、このように、煙量を確保しながら空焚きの発生を防止し、霧化シートが作動していないときに、板状リキッド伝導部材によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。
【0013】
貫通孔の下孔面が霧化シートの霧化面よりも高い又は低い場合、リキッド伝導部材が貫通孔の位置で曲がるので、リキッド通路には曲がりが発生する。このため、霧化シートが作動していないときに、板状リキッド伝導部材によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。
【0014】
同一発明構想に基づいて、本発明は、ケースを含み、ケース内にリキッドタンクが設けられるアトマイザーであって、
前記霧化シートユニットをさらに含み、ケースの底部には霧化上蓋が設けられ、霧化上蓋には、リキッドタンクとリキッド伝導部材を連通させるリキッド吐出孔が開けられるアトマイザーをさらに提供する。
【0015】
アトマイザーが傾斜するときに、霧化シートにおけるリキッドが排気チャンネルを介して流出して、使用者の口腔に熱傷を与える恐れがあるという背景技術に記載の技術的課題を解決するために、本発明は下記技術案を採用する。
【0016】
さらに、ケース内にはブラケット及びチャンバーがさらに設けられ、ブラケットの一端はケースに固定して接続され、ブラケットの他端は霧化上蓋を貫通して霧化シートの霧化面に対向し、ブラケットの外側壁と霧化上蓋の内側壁との間にリキッド伝導部材と前記チャンバーを連通させる隙間を有し、アトマイザーの排気チャンネルがブラケット内に設けられる。
【0017】
上記構造によれば、傾斜して喫煙したりアトマイザーを傾斜して置いたりするときに、霧化シートにおけるリキッドがブラケットの外側壁と霧化上蓋の内側壁との間の隙間を介してケース内のチャンバーに入って貯蔵することができ、それにより、霧化シートにはリキッド含浸が不意に発生し、起動が遅れたり煙発生量が減少したりするという問題を解決する。また、霧化シートにおける過剰なリキッドがブラケット内の排気チャンネルを介して口腔に流れて使用者の口腔に熱傷を与えるという現象を回避できる。
【0018】
さらに、一端がブラケットに接続され、他端がリキッド伝導部材に当接するバネをさらに含む。
【0019】
上記構造によれば、バネはリキッド伝導部材と霧化シートとの接触を確実にし、また、霧化ベースを押圧する外力が取り外されると、バネの回復力により霧化ベース及びその貫通孔を復位させる。
【0020】
さらに、ケースのトップに取り外し可能に接続されたマウスピースホルダーをさらに含み、ケースのトップには挿入部が設けられ、マウスピースホルダーには該挿入部に対応する被挿入部を有する。
【0021】
さらに、前記挿入部には制限凹溝が設けられ、前記被挿入部には該制限凹溝に対応する制限リブが設けられる。
【0022】
上記構造によれば、挿入部が被挿入部に接続されると、マウスピースホルダーを回すと、制限リブが制限凹溝に嵌合接続され、それにより、マウスピースホルダーがケースに対して回動するときに、レンジが制限されるような操作感を与え、使用者のエクスペリエンスを向上させる。
【0023】
さらに、マウスピーススリーブをさらに含み、マウスピーススリーブは、マウスピースホルダーに固定して接続され、挿入部の周りに回転可能な回転ユニットを構成し、
前記挿入部はケースの中心軸線に設けられ、ケースには、リキッドタンク内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔がさらに設けられ、リキッド注入孔にはシールリングが設けられ、
回転ユニットが挿入部の周りに回転してリキッド注入孔を開閉する過程において、マウスピースホルダーは常にシールリングの縁部に当接する。
【0024】
リキッドを注入する際に、マウスピーススリーブを回すことに連動して回転ユニットはリキッド注入孔を開き、マウスピーススリーブを回す過程において、マウスピースホルダーの縁部が常にシールリングの縁部を押さえ、このように、回転ユニットの回転中にシールリングが落ちたり皴が発生して変形したりすることはなく、リキッドの添加及びシール性能の向上に有利である。
【0025】
さらに、ケース内にはケースの軸方向に沿って移動可能なブラケットがさらに設けられ、ブラケットの一端は霧化ベースと接触する。
【0026】
上記構造によれば、板状のリキッド伝導部材は霧化ベースの貫通孔を貫通しており、ブラケットから霧化ベースに圧力を印加すると、霧化ベースの貫通孔の断面積が小さくなり、このため、貫通孔内のリキッド伝導部材が押圧され、単位時間あたりにリキッド伝導部材から霧化シートに伝導されるリキッド量が減少し、霧化シートへのリキッド含浸が避けられる。
【0027】
一好適形態として、ケースのトップに取り外し可能に接続されたマウスピースホルダーをさらに含み、マウスピースホルダーは、マウスピーススリーブに固定して接続され、ケースの軸線の周りに回転可能な回転ユニットを構成し、
前記ブラケットの一端には、前記貫通孔の位置に対応する押圧部を有し、前記ブラケットの他端の端面には、マウスピースホルダーに当接する当接部を有し、マウスピースホルダーには、該当接部に対応する凹凸面を有する。
【0028】
上記構造によれば、回転ユニットが回動するときに、マウスピースホルダーはブラケットを駆動して霧化ベースの方向へ移動させ、それにより、リキッド伝導速度を調整する。
【0029】
さらに、前記ブラケットには、ブラケットを案内して軸方向に移動させる案内溝を有し、ケース内には、前記ブラケットの周方向回動を防止し、案内溝と嵌合接続された案内リブが設置される。
【0030】
さらに、ケースには、リキッドタンク内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔がさらに設けられ、回転ユニットは、回転してリキッド注入孔を開きながら、霧化ベースの方向へ移動して前記貫通孔を押圧するようにブラケットを駆動する。
【0031】
上記構造によれば、回転ユニットを回してリキッドを注入する際に、回転ユニットは、ブラケットが下へ移動して霧化ベースに当接するようにし、霧化ベース内の貫通孔を小さくし、それにより、板状リキッド伝導部材のリキッド伝導状態を変え、リキッド注入時にリキッドタンク内の気圧の増大によりリキッドがウィックからブリードアウトしてリキッド漏れを引き起こすことを回避する。
【0032】
前記バネ式チャイルドロック機構の耐用年数が短く、構造が複雑であり、組み立てにくく、コストが高いという背景技術に記載の技術的課題を解決するために、本発明は下記技術案を採用する。
【0033】
さらに、ケースには、リキッドタンク内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔が設けられ、ケースのトップには、前記リキッド注入孔を開閉する回転ユニットが設けられ、ケースには制限リングが固設され、制限リングには円柱形延伸部を有し、回転ユニットはロックリングを含み、ロックリングに収容室を有し、収容室には前記延伸部と嵌合する回転室を有し、
ロックリングと制限リングとの間の接続関係をロック又はロック解除するためのロック解除機構をさらに含み、ロック解除機構がロックリングと制限リングとの間の接続関係をロック解除するときに、延伸部は回転室内に配置され、回転ユニットは延伸部の周りに回転してリキッド注入孔を開く。
【0034】
上記構造によれば、初期状態では、ロック解除機構はロックリングと制限リングとの接続関係をロックし、このとき、回転ユニットが回動できず、リキッド注入孔が開けられず、このため、子供がリキッド注入孔を開いてリキッドが漏れたり子供がリキッドを飲んだりするリスクを回避する。リキッド注入孔を開いてリキッドタンク内へリキッドを注入する際に、まず、ロック解除機構によりロックリングと制限リングとの接続関係をロック解除し、このとき、延伸部は回転室内に配置され、回転ユニットは延伸部の周りに回転してリキッド注入孔を開く。
【0035】
一好適形態として、前記ロック解除機構は、延伸部の外側壁に設けられた第1の制限面と、収容室の内側壁に設けられ第1の制限面と嵌合する第2の制限面とを含む。
【0036】
上記構造によれば、リキッド注入孔を開いてリキッドタンク内へリキッドを注入する際に、まず、回転ユニットをスライドさせて、第1の制限面と第2の制限面が位置をずらしてロックを解除し、延伸部が回転室内に入るようにし、このとき、回転ユニットを回すと、回転ユニットは延伸部のまわりに回動してリキッド注入孔を開き、このようにして、リキッドタンク内へリキッドを注入できるようになり、面同士が嵌合するため、信頼性が高く、構造が簡素化され、組み立てが容易になり、コストが低く、また、ロック解除機構の耐用年数が長くなる。リキッド注入終了後、まず、回転ユニットを回してリキッド注入孔を閉じ、次に、回転ユニットを第1の制限面と第2の制限面が位置を合わせてロックするようにスライドさせると、リキッド注入が完了するため、リキッド注入操作が簡便になる。
【0037】
喫煙状態又は非リキッド注入状態では、第1の制限面と第2の制限面が位置を合わせてロックし、ロックリングがロックされて固定される。ロックを解除するには2つの独立したステップが必要とされるので、子供が勝手にリキッド注入孔を開いてリキッドを飲んだり、誤操作によりリキッド注入孔を開いてリキッド漏れを引き起こすことを回避できる。
【0038】
別の好適形態として、前記ロック解除機構は、延伸部の外側壁に設けられた第1のリブと、収容室の内側壁に設けられ、第1のリブと嵌合し、2本の第2のリブにより囲まれた凹溝とを有する。喫煙状態又は非リキッド注入状態では、第1のリブが凹溝内に係止され、ロックリングがロックされて固定される。
【0039】
一好適形態として、前記回転ユニットは、マウスピースホルダーとマウスピーススリーブをさらに含み、マウスピースホルダーが制限リング外に固設され、マウスピーススリーブがマウスピースホルダーのトップに固設される。
【0040】
さらに、リキッド注入孔箇所にはシールリングが設けられ、回転ユニットが回転してリキッド注入孔を開閉する過程において、マウスピースホルダーは常にシールリングの縁部に当接する。
【0041】
リキッドを注入する際に、マウスピーススリーブを回すことに連動して回転ユニットはリキッド注入孔を開き、マウスピーススリーブを回す過程において、マウスピースホルダーの縁部が常にシールリングの縁部を押さえ、このように、回転ユニットの回転中にシールリングが落ちたり皴を発生して変形したりすることはなく、リキッドの添加及びシール性能の向上に有利である。
【0042】
さらに、前記ケースには制限リブを有し、前記シールリングには該制限リブと嵌合する制限溝を有し、それにより、回転ユニットを回すときにシールリングが取り出されたり変位して変形したりすることを回避し、シール性能を確保することができる。
【0043】
同一発明構想に基づいて、本発明は、給電ユニットを含む電子タバコであって、、前記アトマイザーをさらに含み、アトマイザーは給電ユニットに取り外し可能に接続され、給電ユニットは霧化シートに電気的に接続される電子タバコをさらに提供する。
【発明の効果】
【0044】
従来技術に比べて、本発明は、リキッド伝導速度を効果的に調整することができ、リキッド伝導部材のリキッド伝導速度が安定的であり、霧化シートへのリキッド含浸又は空焚きが発生しにくく、煙量の安定性及び均一性に優れ、アトマイザーが傾斜するときに霧化シートのリキッドが排気チャンネルを介して流出しにくく、それにより、使用者の口腔に熱傷を与えることを回避し、リキッドタンク内へリキッドを注入するときにリキッドが漏れにくく、リキッド注入孔を開いてリキッドタンクへリキッドを注入する操作が簡便に実施でき、チャイルドロック構造の作動が信頼でき、安全性に優れ、使用者のエクスペリエンスが良好である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】霧化シートユニットの一実施例の構造模式図である。
図2図1からリキッド伝導部材を取り外した後の構造模式図である。
図3】アトマイザーの実施例1の構造模式図である。
図4】アトマイザーの実施例1の空気路模式図である。
図5図3の上部の解体図である。
図6図3の下部の解体図である。
図7図3のケースの構造模式図である。
図8図3のマウスピースホルダーの構造模式図である。
図9】リキッド注入孔が閉じられたときのアトマイザーの構造模式図である。
図10】リキッド注入孔が開かれたときのアトマイザーの構造模式図である。
図11】アトマイザーの実施例2の構造模式図である。
図12】アトマイザーの実施例2の空気路模式図である。
図13】ブラケットの構造模式図である。
図14】ブラケットが霧化ベースを押圧していない場合の模式図である。
図15】ブラケットが霧化ベースを押圧している場合の模式図である。
図16】アトマイザーの実施例3の構造模式図である。
図17】アトマイザーの実施例3の空気路模式図である。
図18図16の上部の解体図である。
図19図16の下部の解体図である。
図20】制限リングの実施例1の模式図である。
図21】ロックリングの実施例1の模式図である。
図22】制限リングの実施例2の模式図である。
図23】ロックリングの実施例2の模式図である。
図24】回転ユニットをスライドさせた後のアトマイザーの構造模式図である。
図25図24の断面図である。
図26】回転ユニットを回した後のアトマイザーの構造模式図である。
図27図26の断面図である。
図28】リキッド注入孔の閉鎖から解放までの過程における各状態の模式図である。
図29】リキッド注入孔のロック解除過程におけるロックリングと制限リングとの間の移動軌跡の模式図である。
図30】アトマイザーへの給電ユニットの組み立ての模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
霧化シートユニットの実施例
図1及び図2に示すように、霧化シートユニットの一実施例は、リキッド伝導部材1、霧化シート2及び弾性材料で製造される霧化ベース3を含み、霧化シート2が霧化ベース3に固設され、リキッド伝導部材1が霧化シート2の霧化面と接触し、前記リキッド伝導部材1が板状霧化棉であり、霧化ベース3には貫通孔301が開けられ、板状リキッド伝導部材1は霧化シート2を跨って前記貫通孔301を貫通して貫通孔301から伸び出し、それにより、リキッド伝導部材1の長さが霧化ベース3の直径よりも大きくなり、リキッド伝導部材1の跨り部が霧化シート2と接触する。霧化シート2は、高周波数発振過程においてリキッド伝導部材1のリキッドを霧化して煙とし、使用者に供する。したがって、煙がリキッド伝導部材1に対応する霧化シート2の表面から噴出され、図1の矢印に示す方向は煙噴出方向である。
【0047】
この実施形態では、組み立てを容易にするために、霧化ベース3を円柱状とし、霧化ベース3の材質をシリコンゴムとし、シリコンゴムが一定の弾性を有するので、リキッド伝導部材1が霧化ベース3の貫通孔301を貫通するときに、摩擦力が減少し、リキッド伝導部材1が引っ張られにくくなり、これにより、リキッド伝導部材1は元の状態を維持することができる。したがって、貫通孔301のサイズによりリキッド伝導部材1が押圧されるときの締め付け度合いを制御し、さらに、単位時間当たりにリキッド伝導部材1から霧化シート2に伝導されるリキッド量を制御することができ、リキッド伝導部材1が引っ張られないため、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度が安定的である。これにより、貫通孔301のサイズを調整することでリキッド量を制御すると、霧化シート2へのリキッド含浸又は空焚きが発生しやすいという現象をさらに回避し、煙量の安定性及び均一性を高める。
【0048】
霧化シート2は圧電セラミック式又は他のタイプの超音波霧化シートであり、リキッドが霧化シート2の表面で超音波により霧化される。
【0049】
霧化シート2の高周波数発振による霧化過程でリキッド含浸が発生すると、霧化シート2の起動速度が低くなり、霧化シート2の高周波数発振によりリキッドが周辺に飛散し(高温のお湯のように周辺に飛散する)、その結果、使用者がリキッドを吸ったり、リキッドでやけどすることがより発生しやすくなる。したがって、貫通孔301の断面積がウィック1の断面積の0.3~8倍であり、単位時間あたり貫通孔301を流れるリキッド量が制御され、たとえば、パワーが一定である場合、超音波霧化シート2の起動速度が超音波霧化シート2における霧化対象リキッドの量につながり、超音波霧化シート2の1秒あたりの霧化量が0.2mg~4mgであり、このため、リキッドの伝導速度が霧化量よりもわずかに高く、つまり、0.5mg/s~5.5mg/sとされる。
【0050】
前記貫通孔301は上孔面3011と下孔面3012を含み、たとえば下孔面3012の位置が一定である場合、貫通孔301のサイズ調整は、上孔面3011を昇降することにより行われ、それにより、リキッド伝導部材1に対する貫通孔301の周壁の押圧度が調整される。下孔面3012が霧化シート2の霧化面と面一である場合、リキッド通路には曲がりがなく、このため、リキッド伝導部材1におけるリキッドが貫通孔301~霧化シート2をスムーズに流れ、霧化シート2の作動過程においてリキッドがよりタイムリーに補充され、このように、煙量を確保しながら、空焚きを防止する。霧化シート2が作動していないときに、板状リキッド伝導部材1によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。貫通孔301の下孔面3012が霧化シート2の霧化面よりも高い又は低い場合、リキッド伝導部材1が貫通孔301の位置で曲がるので、リキッド通路には曲がりが発生する。このため、霧化シート2が作動していないときに、板状リキッド伝導部材1によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。
【0051】
アトマイザーの実施例1
図3図10に示すように、アトマイザーはケース4を含み、ケース4内にリキッドタンク5が設けられ、アトマイザーは前記霧化シートユニットをさらに含み、ケース4の底部には霧化上蓋6が設けられ、霧化上蓋6には、リキッドタンク5とリキッド伝導部材1を連通させるリキッド吐出孔601が開けられ、霧化上蓋6の中軸線にはボアが開けられる。
【0052】
ケース4内にはブラケット7及びチャンバー8(実施例1では、チャンバー8はケース4、霧化上蓋6、ブラケット7により画定されている)がさらに設けられ、ブラケット7の一端はケース4に固定して接続され、ブラケット7の他端は霧化上蓋6のボアに伸びこんで、霧化シート2の霧化面に対向し、ブラケット7の側壁と霧化上蓋6のボアの内側壁との間には、リキッド伝導部材1又は霧化シート2の霧化面と前記チャンバー8とを連通させる隙間9を有し、アトマイザーの排気チャンネル23がブラケット7内に設けられる。傾斜して喫煙したりアトマイザーを傾斜して置いたりするときに、霧化シート2におけるリキッドがブラケット7の外側壁と霧化上蓋6の内側壁との間の隙間9を介してケース4内のチャンバー8に入って貯蔵することができ、それにより、霧化シート2にはリキッド含浸が不意に発生し、起動が遅れたり煙量が減少したりするという問題を回避し、また、霧化シート2における過剰なリキッドがブラケット7内の排気チャンネル23を介して口腔に流れて使用者の口腔に熱傷を与えることを回避できる。
【0053】
アトマイザーは一端がブラケット7に接続され、他端がリキッド伝導部材1に当接するバネ10をさらに含む。バネ10はリキッド伝導部材1と霧化シート2との接触を確実にし、また、組み立てる際に霧化ベース3を押圧する外力が取り外されると、バネ10の回復力により霧化ベース3及びその貫通孔301を復位させる。
【0054】
アトマイザーはケース4のトップに取り外し可能に接続されたマウスピースホルダー11をさらに含み、ケース4のトップには挿入部401が設けられ、マウスピースホルダー11には該挿入部401に対応する被挿入部1101を有する。前記挿入部401には制限凹溝4011が設けられ、前記被挿入部1101には該制限凹溝4011に対応する制限リブ11011が設けられる。挿入部401が被挿入部1101に接続されると、マウスピースホルダー11を回すと、制限リブ11011が制限凹溝4011に嵌合接続され、それにより、マウスピースホルダー11がケース4に対して回転するときに、レンジが制限されるような操作感を与え、使用者のエクスペリエンスを向上させる。
【0055】
制限リング15はリベット止めによりマウスピースホルダー11にリベットされて被挿入部1101内に固定され、制限リング15内には係合フック(未図示)が設けられ、ケース4の挿入部401には逆止め係合部(未図示)が設けられる。挿入部401は、被挿入部1101に挿入されると、係合フック(未図示)を介して逆止め係合部(未図示)に係合し、それにより、マウスピースホルダー11はケース4に対して周方向に回転し、ケース4の軸方向に対して移動不能になる。
【0056】
アトマイザーはマウスピーススリーブ12をさらに含み、マウスピーススリーブ12は、マウスピースホルダー11に固定して接続され、挿入部401の周りに回転可能な回転ユニット13を構成し、前記挿入部401はケース4の中心軸線に設けられ、ケース4には、リキッドタンク5内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔402がさらに設けられ、リキッド注入孔402にはシールリング14が設けられ、回転ユニット13が挿入部401の周りに回転してリキッド注入孔402を開閉する過程において、マウスピースホルダー11は常にシールリング14の縁部に当接する。リキッドを注入する際に、マウスピーススリーブ12を回すことに連動して回転ユニット13はリキッド注入孔402を開き、マウスピーススリーブ12を回す過程において、マウスピースホルダー11の縁部が常にシールリング14の縁部を押さえ、このように、回転ユニット13の回転中にシールリング14が落ちたり皴を発生して変形したりすることはなく、リキッドの添加及びシール性能の向上に有利である。
【0057】
前記ケース4のリキッド注入孔402の周辺にはシールリング14を収納する収納溝(未図示)が設けられ、収納溝内には制限リブ403を有し、前記シールリング14には該制限リブ403と嵌合する制限溝(制限溝は図面に示されていないが、当業者が本発明を理解して実現することに影響しない)を有し、シールリング14は収納溝(未図示)内に固定され、制限リブ403を介して制限溝を係合し、それにより、回転ユニット13を回すときにシールリング14が取り出されたり変位して変形したりすることを回避し、シール性能を確保することができる。
【0058】
アトマイザーは気体パイプ16をさらに含み、気体パイプ16の一端はマウスピースホルダー11に固定して接続され、気体パイプ16の他端はブラケット7内に入り、霧化シート2の霧化面に対向する。気体パイプ16とブラケット7との間には前記排気チャンネル23が形成されている。マウスピースホルダー11には吸気孔1102が開けられ、マウスピーススリーブ12には排気孔1201が開けられる。図4に示すように、吸気孔1102、気体パイプ16、霧化シート2の霧化面、排気チャンネル23、排気孔1201は順次連通している。
【0059】
図3に示すように、霧化上蓋6の底部には霧化底蓋17がさらに設けられ、霧化ベース3は環状電極18を介して霧化底蓋17に固設される。霧化底蓋17にはリキッド貯蔵綿19がさらに設けられ、リキッドタンク5、リキッド吐出孔601、リキッド貯蔵綿19、リキッド伝導部材1、霧化シート2は順次連通している。弾性電極21は絶縁リング20を介して環状電極18に絶縁的に接続される。
【0060】
図3及び図4に示すように、本発明の実施例1では、霧化ベース3が環状電極18と霧化上蓋6との間に設けられているため、環状電極18を上向きに押すことにより、霧化ベース3の貫通孔301を押圧し、さらにリキッド伝導部材1のリキッド伝導速度を調整することができる。
【0061】
アトマイザーの実施例2
図11図15図9図10に示すように、アトマイザーの実施例2はケース4を含み、ケース4内にはリキッドタンク5、リキッド伝導部材1、霧化シート2及び弾性材料で製造される霧化ベース3が設けられ、霧化シート2が霧化ベース3に固設され、リキッド伝導部材1が霧化シート2の霧化面と接触し、ケース4の底部には霧化上蓋6が設けられ、霧化上蓋6にはリキッドタンク5とリキッド伝導部材1とを連通させるリキッド吐出孔601が設けられ、リキッドタンク5内のリキッドが、リキッド吐出孔601からリキッド伝導部材1に流れ、霧化上蓋6の中軸線にはボアが開けられる。前記リキッド伝導部材1が板状霧化棉であり、霧化ベース3には貫通孔301が開けられ、板状リキッド伝導部材1は霧化シート2を跨って前記貫通孔301を貫通して貫通孔301から伸び出し、それにより、リキッド伝導部材1の長さが霧化ベース3の直径よりも大きくなり、リキッド伝導部材1の跨り部が霧化シート2と接触し、霧化シート2は、高周波数発振過程においてリキッド伝導部材1のリキッドを霧化して煙とし、使用者に供する。したがって、煙がリキッド伝導部材1に対する霧化シート2の表面から噴出される。ケース4内には、ケース4の軸方向に沿って移動可能なブラケット7がさらに設けられ、ブラケット7の一端は霧化ベース3と接触する。
【0062】
ブラケット7はケース4の軸方向に沿って移動可能であり、ブラケット7は、移動するときに、霧化ベース3の貫通孔301を押圧して貫通孔301のサイズを変え、それにより、リキッド伝導部材1を押圧し、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度を調整する。また、弾性材料で製造される霧化ベース3が一定の弾性を有するため、ブラケット7が霧化ベース3を押圧するときに、霧化ベース3の貫通孔301が小さくなり、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度が小さくなり、それにより、霧化シート2へのリキッド含浸を回避し、ブラケット7が霧化ベース3を押圧していないときに、霧化ベース3は自体の弾力を通じて貫通孔301を元の状態に回避させる。それにより、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度を増大し、霧化過程における煙量を増加し、空焚きを防止する。
【0063】
この実施形態では、組み立てを容易にするために、霧化ベース3を円柱状とし、霧化ベース3の材質をシリコンゴムとし、シリコンゴムが一定の弾性を有するので、リキッド伝導部材1が霧化ベース3の貫通孔301を貫通するときに、摩擦力が減少し、リキッド伝導部材1が引っ張られにくくなる。これにより、リキッド伝導部材1は元の状態を維持することができ、したがって、貫通孔301のサイズによりリキッド伝導部材1が押圧されるときの締め付け度合いを制御し、さらに、単位時間当たりにリキッド伝導部材1から霧化シート2に伝導されるリキッド量を制御することができ、リキッド伝導部材1が引っ張られないため、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度が安定的である。これにより、貫通孔301のサイズを調整することでリキッド量を制御すると、霧化シート2へのリキッド含浸又は空焚きが発生しやすいという現象をさらに回避し、煙量の安定性及び均一性を高める。
【0064】
霧化シート2は圧電セラミック式又は他のタイプの超音波霧化シートであり、リキッドが霧化シート2の表面で超音波により霧化される。霧化シート2の高周波数発振による霧化過程にリキッド含浸が発生すると、霧化シート2の起動速度が低くなり、霧化シート2の高周波数発振によりリキッドが周辺に飛散し(高温のお湯のように周辺に飛散する)、その結果、使用者がリキッドを吸ったり、リキッドでやけどすることがより発生しやすくなる。したがって、貫通孔301の断面積がリキッド伝導部材1の断面積の0.3~8倍であり、単位時間あたり貫通孔301を流れるリキッド量が制御され、たとえば、パワーが一定である場合、超音波霧化シート2の起動速度が超音波霧化シート2における霧化対象リキッドの量につながり、超音波霧化シート2の1秒あたりの霧化量が0.2mg~4mgであり、このため、リキッドの伝導速度が霧化量よりもわずかに高く、つまり、0.5mg/s~5.5mg/sとされる。
【0065】
前記貫通孔301は上孔面3011と下孔面3012を含み、下孔面3012は霧化シート2の霧化面と面一となり、又は霧化シート2の霧化面よりも高く、又は霧化シート2の霧化面よりも低い。
【0066】
下孔面3012の位置が一定である場合、貫通孔301のサイズ調整は、上孔面3011を昇降することにより行われ、それにより、リキッド伝導部材1に対する貫通孔301の周壁の押圧度が調整される。下孔面3012が霧化シート2の霧化面と面一である場合、リキッド通路には曲がりがなく、このため、リキッド伝導部材1におけるリキッドが貫通孔301~霧化シート2をスムーズに流れ、霧化シート2の作動過程においてリキッドがよりタイムリーに補充される。このように、煙量を確保しながら、空焚きを防止する。霧化シート2が作動していないときに、板状リキッド伝導部材1によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。貫通孔301の下孔面3012が霧化シート2の霧化面よりも高い又は低い場合、リキッド伝導部材1が貫通孔301の位置で曲がるので、リキッド通路には曲がりが発生し、このため、霧化シート2が作動していないときに、板状リキッド伝導部材1によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。
【0067】
アトマイザーはケース4のトップに取り外し可能に接続されたマウスピースホルダー11をさらに含み、ケース4のトップには挿入部401が設けられ、マウスピースホルダー11には該挿入部401に対応する被挿入部1101を有する。マウスピースホルダー11は、マウスピーススリーブ12に固定して接続され、ケース4の軸線周りに回転可能な回転ユニット13を構成し、前記ブラケット7の一端は前記貫通孔301の位置に対応する押圧部701を有し、前記ブラケット7の他端端面はマウスピースホルダー11に当接する当接部702を有し、マウスピースホルダー11には、該当接部702に対応する凹凸面1103を有する。これらの凹凸面1103がすべて同一平面に位置しておらず、回転ユニット13が回動すると、マウスピースホルダー11はブラケット7を駆動して霧化ベース3の方向へ移動させ、それにより、リキッド伝導速度が調整される。このため、回転ユニット13が90°回動すると、リキッド注入孔が開かれて、使用者がリキッドタンク5内へリキッドを添加できるようになる。このとき、ブラケット7の当接部702が最も凸出した凹凸面1103に当接し、つまり、貫通孔301が最小状態に押圧され、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度が最小となる。このように、リキッド注入過程にリキッドが貫通孔301から漏れることを回避し、回転ユニット13が180°回動すると、リキッド注入孔が閉じられて、ブラケット7の当接部702が二番目に凸出した凹凸面1103に当接する。つまり、貫通孔301が適切な状態に押圧され、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度も中間状態となり、煙の香喫味が向上する。回転ユニット13が360°回動すると、リキッド注入孔402が閉じられて、ブラケット7の当接部702が最低の凹凸面1103に当接する。つまり、貫通孔301が最小の状態に押圧され、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度も最高状態となり、空焚きを防止するとともに、煙量を増大する。
【0068】
制限リング15はリベット止めによりマウスピースホルダー11にリベットされて被挿入部1101内に固定され、制限リング15内には係合フック(未図示)が設けられ、ケース4の挿入部401には逆止め係合部(未図示)が設けられ、挿入部401は、被挿入部1101に挿入されると、係合フック(未図示)を介して逆止め係合部(未図示)に係合し、それにより、マウスピースホルダー11はケース4に対して周方向に回転し、ケース4の軸方向に対して移動不能になる。
【0069】
前記ブラケット7には、ブラケット7を案内して軸方向に移動させる案内溝703が開けられ、ケース4内には、前記ブラケット7の周方向回動を防止し、案内溝703に嵌合接続される案内リブ(図面には示されていないが、理解に影響しない)が設けられる。
【0070】
ケース4にはリキッドタンク5内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔402がさらに設けられ、回転ユニット13は、回転してリキッド注入孔402を開きながら、霧化ベース3の方向へ移動して前記貫通孔301を押圧するようにブラケット7を駆動する。回転ユニット13を回してリキッドを注入するときに、回転ユニット13は下へ移動して霧化ベース3に押し当てるようにブラケット7を駆動し、それにより、霧化ベース3内の貫通孔301が小さくなり、板状リキッド伝導部材1のリキッド伝導状態が変わる。このように、リキッドを注入する際にリキッドタンク5内の気圧が増大することによりリキッドがリキッド伝導部材からブリードアウトしてリキッド漏れを引き起こすことを回避する。
【0071】
リキッド注入孔402にはシールリング14が設けられ、回転ユニット13が挿入部401の周りに回転してリキッド注入孔402を開閉する過程において、マウスピースホルダー11は常にシールリング14の縁部に当接する。
【0072】
リキッドを注入する際に、マウスピーススリーブ12を回すことに連動して回転ユニット13はリキッド注入孔402を開き、マウスピーススリーブ12を回す過程において、マウスピースホルダー11の縁部が常にシールリング14の縁部を押さえ、このように、回転ユニット13の回転中にシールリング14が落ちたり皴を発生して変形したりすることはなく、リキッドの添加及びシール性能の向上に有利である。
【0073】
前記ケース4のリキッド注入孔402の周辺にはシールリング14を収納する収納溝(未図示)が設けられ、収納溝内には制限リブを有し、前記シールリング14には該制限リブと嵌合する制限溝(制限溝は図面に示されていないが、当業者が本発明を理解して実現することに影響しない)を有し、シールリング14は収納溝(未図示)内に固定され、制限リブ403を介して制限溝を係合し、それにより、回転ユニット13を回すときにシールリング14が取り出されたり変位して変形したりすることを回避し、シール性能を確保することができる。
【0074】
ケース4内にはチャンバー8(実施例2では、チャンバー8はケース4、霧化上蓋6、ブラケット7により画定されている)がさらに設けられ、ブラケット7の一端は霧化上蓋6を貫通して霧化ベース3と接触し、ブラケット7の外側壁と霧化上蓋6の内側壁との間には、リキッド伝導部材1と前記チャンバー8を連通させる隙間9を有し、アトマイザーの排気チャンネル23がブラケット7内に設けられる。傾斜して喫煙したりアトマイザーを傾斜して置いたりするときに、霧化シート2におけるリキッドがブラケット7の外側壁と霧化上蓋6の内側壁との間の隙間9を介してケース4内のチャンバー8に入って貯蔵することができ、それにより、霧化シート2にはリキッド含浸が不意に発生し、起動が遅れたり煙量が減少したりするという問題を回避する。また、霧化シート2における過剰なリキッドがブラケット7内の排気チャンネル23を介して口腔に流れて使用者の口腔に熱傷を与えることを回避できる。
【0075】
アトマイザーは一端がブラケット7に接続され、他端がリキッド伝導部材1に当接するバネ10をさらに含む。バネ10はリキッド伝導部材1と霧化シート2との接触を確実にし、また、組み立てる際に霧化ベース3を押圧する外力が取り外されると、バネ10の回復力により霧化ベース3及びその貫通孔301を復位させる。
【0076】
図14に示すように、ブラケット7が霧化ベース3を押圧するまでに、リキッド伝導部材1によるリキッド伝導が正常状態であり、貫通孔301の変形もない。霧化ベース3が被ブラケット7により押圧された後、元の状態に戻ることは、主に、バネ10及び貫通孔301が変形した場合の自身の弾力による。
【0077】
図15に示すように、ブラケット7が下へ移動すると、貫通孔301は押圧されて変形し、それにより、リキッド伝導部材1がさらにきつく押圧され、この結果、リキッド伝導速度が限制され、リキッドブリードアウトを回避する効果が得られる。
【0078】
霧化上蓋6の底部には霧化底蓋17がさらに設けられ、霧化ベース3は環状電極18を介して霧化底蓋17に固設される。霧化底蓋17にはリキッド貯蔵綿19が設けられ、リキッドタンク5、リキッド吐出孔601、リキッド貯蔵綿19、リキッド伝導部材1、霧化シート2は順次連通している。弾性電極21は絶縁リング20を介して環状電極18に絶縁的に接続される。
【0079】
アトマイザーは気体パイプ16をさらに含み、気体パイプ16の一端はマウスピースホルダー11に固定して接続され、気体パイプ16の他端はブラケット7内に入り、霧化シート2の霧化面に対向する。気体パイプ16とブラケット7との間には前記排気チャンネル23が形成されている。マウスピースホルダー11には吸気孔1102が開けられ、マウスピーススリーブ12には排気孔1201が開けられる。図12に示すように、吸気孔1102、気体パイプ16、霧化シート2の霧化面、排気チャンネル23、排気孔1201は順次連通している。
【0080】
アトマイザーの実施例3
図16図23に示すように、アトマイザーの実施例3はケース4を含み、ケース4内にはリキッドタンク5が設けられ、ケース4には、リキッドタンク5内へリキッドを注入するためのリキッド注入孔402が設けられ、ケース4トップには、前記リキッド注入孔402を開閉可能な回転ユニット13が設けられ、ケース4には制限リング15が固設され、制限リング15には円柱形延伸部1501を有する。回転ユニット13はロックリング24を含み、ロックリング24には収容室2401を有し、収容室2401には前記延伸部1501と嵌合する回転室24011を有する。アトマイザーは、ロックリング24と制限リング15との間の接続関係をロック又はロック解除できるロック解除機構をさらに含み、ロック解除機構がロックリング24と制限リング15との接続関係をロック解除する場合、延伸部1501は回転室24011内に配置され、回転ユニット13は延伸部1501の周りに回転してリキッド注入孔402を開く。初期状態では、ロック解除機構は、ロックリング24と制限リング15との間の接続関係をロックし、このとき、回転ユニット13が回動できず、リキッド注入孔402が開けられない。リキッド注入孔402を開いてリキッドタンク5内へリキッドを注入する際に、まず、ロック解除機構によりロックリング24と制限リング15との間の接続関係をロック解除し、このとき、延伸部1501は回転室24011内に配置され、回転ユニット13は延伸部1501の周りに回転してリキッド注入孔402を開く。
【0081】
前記ロック解除機構は、延伸部1501の外側壁に設けられる第1の制限面15011と、収容室2401の内側壁に設けられ、第1の制限面15011と嵌合する第2の制限面24012とを含み、リキッド注入孔402を開いてリキッドタンク5内へリキッドを注入する際に、まず、回転ユニット13をスライドさせて、第1の制限面15011と第2の制限面24012が位置をずらしてロックを解除し、延伸部1501が回転室24011内に入るようにし、このとき、回転ユニット13を回すと、回転ユニット13は延伸部1501の周りに回動してリキッド注入孔402を開く。このようにして、リキッドタンク5内へリキッドを注入できるようになる。リキッド注入完了後、まず、回転ユニット13を回してリキッド注入孔402を閉じ、次に、回転ユニット13を、第1の制限面15011と第2の制限面24012が位置を合わせてロックするようにスライドさせると、リキッド注入が完了し、このため、リキッド注入操作が簡便になる。
【0082】
喫煙状態又は非リキッド注入状態では、第1の制限面15011と第2の制限面24012が位置を合わせてロックし、ロックリング24がロックされて固定される。ロックを解除するには2つの独立したステップが必要とされるので、子供が勝手にリキッド注入孔402を開いたり、誤操作によりリキッド注入孔402を開いてリキッド漏れを引き起こすことを回避できる。
【0083】
図21に示すように、収容室2401内には、2つの回転室24011対称的に設置され、この2つの回転室24011は交差部を2つ有し、交差部ごとに第2の制限面24012が設置される。つまり、第2の制限面24012が対称的に設置され、対称的な第2の制限面24012の距離が回転室24011の直径未満である。したがって、回転ユニット13をスライドさせて、延伸部1501が回転室24011内に入って回転するようにし、回転ユニット13がケース4に対して1°~179°又は181°~359°の夾角をなすと、2つの第2の制限面24012により回転ユニット13のスライドが制限される。延伸部1501の外側壁には、第1の制限面15011が対称的に設置され、対称的な第1の制限面15011の間の距離が延伸部1501の直径未満であり、対称的な第1の制限面15011の間の距離が対称第2の制限面24012の距離に等しい。したがって、回転ユニット13をケース4に合わせる(夾角が0°又は180°又は360°である)場合、第1の制限面15011と第2の制限面24012が合致する。この場合、回転ユニット13をスライドさせて復位させ、回転ユニット13をロックし、リキッド注入孔402を閉じることができる。ケース4には、2つのリキッド注入孔402が対称的に設置され、回転ユニット13を回してリキッド注入孔402を開くときに、使用者がそのうちの一方のリキッド注入孔402を介してリキッドタンク5へリキッドを添加し、リキッドタンク5内の気圧が他方のリキッド注入孔402から適時に放出され、リキッドタンク5内外の気圧はバランスが取れる。それにより、リキッドが霧化シート2に押圧されてリキッド含浸を引き起こすことを回避する。
【0084】
図22及び図23には、延伸部1501の外側壁の第1のリブ15012と、収容室2401の内側壁に設けられ、第1のリブ15012と嵌合し、2本の第2のリブ24013により囲まれた凹溝24014とを含むロック解除構造の別の構造が示されており、第1のリブ15012が凹溝24014内に係合されると、ロックリング24はロックされ、第1のリブ15012が凹溝24014から離れると、ロックリング24はロック解除される。ロック及びロック解除のいずれにも、レンジのような操作感があり、エクスペリエンスが良好である。
【0085】
ケース4内には、リキッド伝導部材1、霧化シート2及び弾性材料で製造される霧化ベース3がさらに設けられ、霧化シート2が霧化ベース3に固設され、リキッド伝導部材1が霧化シート2の霧化面と接触し、前記リキッド伝導部材1が板状霧化棉であり、霧化ベース3には貫通孔301が開けられ、板状リキッド伝導部材1は霧化シート2を跨って前記貫通孔301を貫通して貫通孔301から伸び出す。それにより、リキッド伝導部材1の長さが霧化ベース3の直径よりも大きくなり、リキッド伝導部材1の跨り部が霧化シート2と接触する。霧化シート2は、高周波数発振過程においてリキッド伝導部材1のリキッドを霧化して煙とし、使用者に供する。したがって、煙がリキッド伝導部材1に対応する霧化シート2の表面から噴出される。ケース4の底部には霧化上蓋6が設けられ、霧化上蓋6にはリキッドタンク5とリキッド伝導部材1を連通させるリキッド吐出孔601が開けられ、霧化上蓋6の中軸線にはボアが開けられる。
【0086】
この実施形態では、組み立てを容易にするために、霧化ベース3を円柱状とし、霧化ベース3の材質をシリコンゴムとする。シリコンゴムが一定の弾性を有するので、リキッド伝導部材1が霧化ベース3の貫通孔301を貫通するときに、摩擦力が減少し、リキッド伝導部材1が引っ張られにくくなる。これにより、リキッド伝導部材1は元の状態を維持することができ、したがって、貫通孔301のサイズによりリキッド伝導部材1が押圧されるときの締め付け度合いを制御する。さらに、単位時間当たりリキッド伝導部材1から霧化シート2に伝導されるリキッド量を制御することができ、リキッド伝導部材1が引っ張られないため、リキッド伝導部材1のリキッド伝導速度が安定的である。これにより、貫通孔301のサイズを調整することでリキッド量を制御すると、霧化シート2へのリキッド含浸又は空焚きが発生しやすいという現象をさらに回避し、煙量の安定性及び均一性を高める。
【0087】
霧化シート2は圧電セラミック式又は他のタイプの超音波霧化シートであり、リキッドが霧化シート2の表面で超音波により霧化される。
【0088】
霧化シート2の高周波数発振による霧化過程にリキッド含浸が発生すると、霧化シート2の起動速度が低くなり、霧化シート2の高周波数発振によりリキッドが周辺に飛散し(高温のお湯のように周辺に飛散する)、その結果、使用者がリキッドを吸ったり、リキッドでやけどすることがより発生しやすくなる。したがって、貫通孔301の断面積がウィック1の断面積の0.3~8倍であり、単位時間あたり貫通孔301を流れるリキッド量が制御される。たとえば、パワーが一定である場合、超音波霧化シート2の起動速度が超音波霧化シート2における霧化対象リキッドの量につながり、超音波霧化シート2の1秒あたりの霧化量が0.2mg~4mgであり、このため、リキッドの伝導速度が霧化量よりもわずかに高く、つまり、0.5mg/s~5.5mg/sとされる。
【0089】
前記貫通孔301は上孔面3011と下孔面3012を含み、たとえば下孔面3012の位置が一定である場合、貫通孔301のサイズ調整は、上孔面3011を昇降することにより行われ、それにより、リキッド伝導部材1に対する貫通孔301の周壁の押圧度が調整される。下孔面3012が霧化シート2の霧化面と面一である場合、リキッド通路には曲がりがなく、このため、リキッド伝導部材1におけるリキッドが貫通孔301~霧化シート2をスムーズに流れ、霧化シート2の作動過程においてリキッドがよりタイムリーに補充され、このように、煙量を確保しながら、空焚きを防止する。霧化シート2が作動していないときに、板状リキッド伝導部材1によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。貫通孔301の下孔面3012が霧化シート2の霧化面よりも高い又は低い場合、リキッド伝導部材1が貫通孔301の位置で曲がるので、リキッド通路には曲がりが発生する。このため、霧化シート2が作動していないときに、板状リキッド伝導部材1によるリキッド吸着が平衡飽和状態となり、このため、リキッド含浸の現象はない。
【0090】
ケース4内にはブラケット7及びチャンバー8(実施例3では、チャンバー8はケース4、霧化上蓋6、ブラケット7により画定されている)がさらに設けられ、ブラケット7の一端は制限リング15を介してケース4に固定して接続され、ブラケット7の他端は霧化上蓋6のボアに伸びこんで、霧化シート2の霧化面に対向する。ブラケット7の側壁と霧化上蓋6のボアの内側壁との間には、リキッド伝導部材1又は霧化シート2の霧化面と前記チャンバー8とを連通させる隙間9を有し、アトマイザーの排気チャンネル23がブラケット7内に設けられる。傾斜して喫煙したりアトマイザーを傾斜して置いたりするときに、霧化シート2におけるリキッドがブラケット7の外側壁と霧化上蓋6の内側壁との間の隙間9を介してケース4内のチャンバー8に入って貯蔵することができ、それにより、霧化シート2にはリキッド含浸が不意に発生し、起動が遅れたり煙量が減少したりするという問題を回避する。また、霧化シート2における過剰なリキッドがブラケット7内の排気チャンネル23を介して口腔に流れて使用者の口腔に熱傷を与えることを回避できる。
【0091】
アトマイザーは一端がブラケット7に接続され、他端がリキッド伝導部材1に当接するバネ10をさらに含む。バネ10はリキッド伝導部材1と霧化シート2との接触を確実にし、また、組み立てる際に霧化ベース3を押圧する外力が取り外されると、バネ10の回復力により霧化ベース3及びその貫通孔301を復位させる。
【0092】
霧化上蓋6の底部には霧化底蓋17がさらに設けられ、霧化ベース3は環状電極18を介して霧化底蓋17に固設される。霧化底蓋17にはリキッド貯蔵綿19がさらに設けられ、リキッドタンク5、リキッド吐出孔601、リキッド貯蔵綿19、リキッド伝導部材1、霧化シート2は順次連通している。弾性電極21は絶縁リング20を介して環状電極18に絶縁的に接続される。
【0093】
図16及び図17に示すように、本発明の実施例3では、霧化ベース3が環状電極18と霧化上蓋6との間に設けられているため、環状電極18を上向きに押すことにより、霧化ベース3の貫通孔301を押圧し、さらにリキッド伝導部材1のリキッド伝導速度を調整することができる。
【0094】
前記回転ユニット13はマウスピースホルダー11とマウスピーススリーブ12をさらに含み、マウスピースホルダー11が制限リング15外に固設され、マウスピーススリーブ12がマウスピースホルダー11のトップに固設される。制限リング15はケース4に固定され、制限リング15の係着部1502はマウスピースホルダー11の係着台1104に係着され、このように、制限リング15がマウスピースホルダー11から離脱しないようにする。
【0095】
マウスピーススリーブ12、マウスピースホルダー11、ロックリング24はリベッティングなどの方式により固定して接続され、回転ユニット13を構成し、マウスピーススリーブ12を回すと、ロックリング24を回転させて、リキッド注入孔402を簡便に開くことができる。
【0096】
リキッド注入孔402にはシールリング14が設けられ、回転ユニット13が回転してリキッド注入孔402を開閉する過程において、マウスピースホルダー11は常にシールリング14の縁部に当接する。リキッドを注入する際に、マウスピーススリーブ12を回すことに連動して回転ユニット13はリキッド注入孔402を開き、マウスピーススリーブ12を回す過程において、マウスピースホルダー11の縁部が常にシールリング14の縁部を押さえる。このように、回転ユニット13の回転中にシールリング14が落ちたり皴を発生して変形したりすることはなく、リキッドの添加及びシール性能の向上に有利である。
【0097】
前記ケース4には制限リブを有し、前記シールリング14には該制限リブと嵌合する制限溝(制限リブ及び制限溝のいずれも図面に示されていないが、当業者が本発明を理解して実現することに影響しない)を有し、それにより、回転ユニット13を回すときにシールリング14が取り出されたり変位して変形したりすることを回避し、シール性能を確保することができる。
【0098】
アトマイザーは気体パイプ16をさらに含み、気体パイプ16の一端はマウスピースホルダー11に固定して接続され、気体パイプ16の他端はブラケット7内に入り、霧化シート2の霧化面に対向する。気体パイプ16とブラケット7との間には前記排気チャンネル23が形成されている。マウスピースホルダー11には吸気孔1102が開けられ、マウスピーススリーブ12には排気孔1201が開けられる。図17に示すように、吸気孔1102、気体パイプ16、霧化シート2の霧化面、排気チャンネル23、排気孔1201は順次連通している。
【0099】
図9図24図29に示すように、本発明のチャイルドロックの操作過程は以下のとおりである。
【0100】
初期状態である喫煙状態では、制限リング15はロックリング24の中心軸線の位置にあり、制限リング15の第1の制限面15011とロックリング24の第2の制限面24012が互いに係合されているので、マウスピーススリーブ12は回転できない。
【0101】
リキッドを注入する第1のステップの状態では、マウスピーススリーブ12はマウスピーススリーブ12とケース4を接続する接線の方向に沿って制限リング15の延伸部1501にスライドしてロックリング24の回転室24011内に係着される。このとき、ロックリング24の第2の制限面24012は、制限リング15の第1の制限面15011による制限作用を受けなくなり、ロックが解除され、また、このときにリキッド注入孔402は閉鎖状態のままである。
【0102】
リキッドを注入する第2のステップの状態では、制限リング15の第1の制限面15011及びロックリング24の第2の制限面24012が位置をずらしてロックを解除した後、マウスピーススリーブ12を回すと、リキッドタンク5へリキッドを注入するためのリキッド注入孔402を開き、このとき、リキッドを注入することができる。リキッド注入孔402を開くときに、制限リング15の第1の制限面15011とロックリング24の第2の制限面24012が合っておらず、このため、このとき、マウスピーススリーブ12がスライドできなくなり、それにより、誤作動によるリキッド注入効果への影響を解消する。
【0103】
リキッド注入後、マウスピーススリーブ12を回して、リキッド注入孔402を閉じ、最後に回転ユニット13をスライドして復位させると、マウスピーススリーブ12をロックして、回転ユニット13の回転を防止することができる。
【0104】
電子タバコの実施例
図30に示すように、アトマイザーと給電ユニット22を組み立てると、電子タバコが完成し、アトマイザーは給電ユニット22に取り外し可能に接続され、給電ユニット22は霧化シート2に電気的に接続される。
【0105】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例を説明したが、本発明は上記特定実施形態に制限されず、上記の特定実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、当業者であれば、本発明に基づいて、本発明の趣旨及び特許請求の範囲の特許範囲を逸脱することなく、様々な形態を得ることができ、これらはすべて本発明の特許範囲に属する。
【符号の説明】
【0106】
1 リキッド伝導部材
2 霧化シート
3 霧化ベース
301 貫通孔
3011 上孔面
3012 下孔面
4 ケース
401 挿入部
4011 制限凹溝
402 リキッド注入孔
403 制限リブ
5 リキッドタンク
6 霧化上蓋
601 リキッド吐出孔
7 ブラケット
701 押圧部
702 当接部
703 案内溝
8 チャンバー
9 隙間
10 バネ
11 マウスピースホルダー
1101 被挿入部
11011 制限リブ
1102 吸気孔
1103 凹凸面
1104 係着台
12 マウスピーススリーブ
1201 排気孔
13 回転ユニット
14 シールリング
15 制限リング
1501 延伸部
15011 第1の制限面
15012 第1のリブ
1502 係着部
16 気体パイプ
17 霧化底蓋
18 環状電極
19 リキッド貯蔵綿
20 絶縁リング
21 弾性電極
22 給電ユニット
23 排気チャンネル
24 ロックリング
2401 収容室
24011 回転室
24012 第2の制限面
24013 第2のリブ
24014 凹溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【手続補正書】
【提出日】2021-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正の内容】
図17
【国際調査報告】