(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】リベットディスペンサ再装填システムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
B23K 11/36 20060101AFI20220121BHJP
B23K 11/30 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
B23K11/36
B23K11/30 350
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524410
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 US2019066115
(87)【国際公開番号】W WO2020123885
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516343516
【氏名又は名称】ハウメット エアロスペース インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Howmet Aerospace Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】520103540
【氏名又は名称】センターライン(ウィンザー) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CENTERLINE(WINDSOR) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コスグレイブ,スチュアート キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】ワシリニウク,カイル アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】スピネラ,ドナルド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バーグストロム,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】イアセラ,ジーノ エヌ.
(57)【要約】
【解決手段】リベットディスペンサ再装填システムおよびその使用方法が提供される。リベットディスペンサ再装填システムの非限定的な実施形態は、その中にチャネルを画定する受容部材と、第一のゲートとを備える。リベット受容部材は、チャネルと連通する第一のポートおよび第二のポートを備える。第一のポートは、リベットを受け入れるように構成される。第二のポートは、リベットディスペンサと選択的に係合し、リベットディスペンサにリベットを導入するように構成される。チャネルは、第一のポートと第二のポートとの間に延在し、リベットを第一のポートから第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される。第一のゲートは、第二のポートと連通し、第二のポートを通るリベットの移動を阻止する第一の構成と、第二のポートを通るリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である。
【選択図】
図2F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベットディスペンサ再装填システムであって、
その中にチャネルを画定するリベット受容部材であって、前記リベット受容部材は、
前記チャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される第一のポートと、および
前記チャネルと連通し、ならびにリベットディスペンサと選択的に係合し、および前記リベットディスペンサにリベットを導入するように構成される第二のポートと、を備え、
前記チャネルは、前記第一のポートと前記第二のポートとの間に延在し、リベットを前記第一のポートから前記第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される、リベット受容部材と、
前記第二のポートと連通する第一のゲートであって、前記第一のゲートは、前記第二のポートを通るリベットの移動を阻止する第一の構成と、前記第二のポートを通るリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である、第一のゲートと、を備える、リベットディスペンサ再装填システム。
【請求項2】
前記チャネルと連通する第二のゲートをさらに備え、前記第二のゲートは、前記第二のポートを通る前記チャネル内での一回につき単一のリベットの移動を可能にしながら、前記第二のポートを通る前記チャネル内の追加のリベットの移動を阻止するように構成される、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項3】
前記第一のゲートおよび前記第二のゲートのうちの少なくとも一つは、リベットのステム領域およびヘッド領域のうちの少なくとも一つと係合するように構成されるピンを備える、請求項2に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項4】
前記第一のポートと連通する第二のゲートをさらに備え、前記第二のゲートは、前記第一のポートを通るリベットの移動を阻止する第一の構成と、前記第一のポートを通るリベットの移動を可能にする第二の構成との間に選択的に配置可能である、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項5】
前記リベット受容部材と摺動可能に連結される可動ゲートをさらに備え、前記可動ゲートは、前記第二のポートを通る前記チャネル内での一回につき単一のリベットの移動を選択的に可能にしながら、前記第二のポートを通る前記チャネル内の追加のリベットの移動を阻止するように構成される、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項6】
前記チャネルに対する前記可動ゲートの位置を変更するように構成される作動部材をさらに備える、請求項5に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項7】
前記チャネルと連通するガスポートをさらに備え、前記ガスポートは、加圧ガスを前記チャネルに導入し、それによりリベットを付勢して前記チャネルを通って前記第一のポートから前記第二のポートに移動させるように構成される、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項8】
ファスナを事前に選択された向きで前記第一のポートに導入するように構成されるファスナフィーダをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項9】
前記ファスナフィーダは、振動ボウル、磁気ボウル、可撓性フィードトラック、および他のコレータタイプのうちの少なくとも一つを備える、請求項8に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項10】
前記リベット受容部材の前記第二のポートに関連付けられる電極ドレッシングコンポーネントをさらに備え、前記電極ドレッシングコンポーネントは、前記リベットディスペンサが前記第二のポートからリベットを受け入れるとき、抵抗スポットリベット溶接装置の溶接ガンの抵抗溶接電極をドレッシングするように構成される、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項11】
前記リベット受容部材を複数の事前に選択された向きに保持するように構成されるフレームをさらに備える、請求項10に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項12】
前記リベット受容部材と連通し、前記リベット受容部材と抵抗スポットリベット溶接装置との間の位置合わせを容易にするように構成される位置合わせ部材をさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項13】
前記位置合わせ部材は円錐ピンを備える、請求項12に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項14】
前記位置合わせ部材と連通するばねまたはピストンをさらに備える、請求項12に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項15】
前記第二のポートと連通し、前記リベットディスペンサと係合するように構成される接触ブロックをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項16】
前記チャネル内のリベットの向きおよび前記チャネル内のリベットの数量のうちの少なくとも一つを検出するように構成されるセンサをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項17】
前記リベットディスペンサを備える抵抗スポットリベット溶接装置を前記リベットディスペンサ再装填システムに係合および固定するように構成されるロックピンをさらに備える、請求項1に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
【請求項18】
抵抗スポットリベット溶接システムで使用されるリベットディスペンサ内にリベットを再装填する方法であって、前記方法は、
リベットディスペンサ再装填システムのリベット受容部材のチャネル内で、複数のリベットを直列配列および事前に選択された向きで受け入れることおよび格納することであって、前記リベットディスペンサ再装填システムは、前記チャネルに関連付けられるゲートを備え、前記ゲートは、前記チャネルからリベットの移動を阻止する第一の構成と、前記チャネルからリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である、受け入れることおよび格納することと、
抵抗スポットリベット溶接システムのリベットディスペンサを、前記抵抗スポットリベット溶接装置と連通する位置合わせ部材を利用して前記リベット受容部材と位置合わせすることと、
前記チャネル内に格納された前記複数のリベットを、前記ゲートを介して、直列および前記事前に選択された向きで前記リベットディスペンサ内に導入することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記チャネルに格納された前記複数のリベットを前記リベットディスペンサに導入することは、加圧ガスを前記チャネル内に導入して、前記複数のリベットを前記チャネルから前記ゲートを通して付勢することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のリベットのうちの一つのリベットが、リベットを利用する前記抵抗スポットリベット溶接装置システムと同時に前記チャネル内に受け入れられる、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リベットディスペンサ再装填システムおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークピースを一緒に固定する、例えばシートを一緒に固定する現在の方法は、例えば、自己穿孔型リベットおよび/またはフロードリルリベットの使用を含む場合がある。その他の締結方法は、リベットを抵抗スポットリベット溶接システムに供給することを必要とする場合がある。リベットを抵抗スポットリベット溶接システムに供給することには課題がある。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、リベットディスペンサ再装填システムが提供される。リベットディスペンサ再装填システムは、その中にチャネルを画定する受容部材および第一のゲートを備える。リベット受容部材は、第一のポートおよび第二のポートを備える。第一のポートはチャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される。第二のポートはチャネルと連通し、リベットディスペンサと選択的に係合し、かつリベットディスペンサにリベットを導入するように構成される。チャネルは、第一のポートと第二のポートとの間に延在し、リベットを第一のポートから第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される。第一のゲートは第二のポートと連通する。第一のゲートは、第二のポートを通るリベットの移動を阻止する第一の構成と、第二のポートを通るリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である。
【0004】
別の態様では、抵抗スポットリベット溶接システムで使用されるリベットディスペンサ内にリベットを再装填する方法が、提供される。方法は、リベットディスペンサ再装填システムのリベット受容部材のチャネル内に、複数のリベットを直列配列および事前に選択された向きで受け入れることおよび格納することを含む。リベットディスペンサ再装填システムは、チャネルに関連付けられるゲートを備える。ゲートは、チャネルからリベットの移動を阻止する第一の構成と、チャネルからリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である。方法は、抵抗スポットリベット溶接システムのリベットディスペンサを、抵抗スポットリベット溶接装置と連通する位置合わせ部材を利用してリベット受容部材と位置合わせすることを含む。方法は、チャネルに格納された複数のリベットを、ゲートを介して、直列および事前に選択された向きでリベットディスペンサ内に導入することを含む。
【0005】
本明細書に開示されおよび記載される発明は、この発明の概要に要約される態様に限定されないことが理解される。読者は、本明細書による様々な非限定的および非網羅的な態様の以下の詳細な説明を検討すると、前述の詳細およびその他の詳細を理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面と共に以下の説明を参照することにより、実施例の特徴と利点、およびそれらを達成する方法はより明らかになり、実施例は、よりよく理解されるであろう。
【0007】
【
図1A】
図1Aは、本開示によるリベットディスペンサ再装填システムの非限定的な実施形態の斜視図である。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【
図2A】
図2Aは、
図1Aのリベットディスペンサ再装填システムの第一のアセンブリの斜視図である。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【
図2E】
図2Eは、矢印の方向に
図2Bに示す線2E-2Eに沿って切り取られた、
図2Aの第一のアセンブリの断面上面図である。
【0016】
【
図2F】
図2Fは、矢印の方向に
図2Bに示す線2F-2Fに沿って切り取られた、
図2Aの第一のアセンブリの断面側面図である。
【0017】
【
図3A】
図3Aは、
図1Aのリベットディスペンサ再装填システムの第二のアセンブリの斜視図である。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【
図4A】
図4Aは、
図1Aのリベットディスペンサ再装填システムの第三のアセンブリの斜視図である。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【
図5】
図5は、
図1Aのリベットディスペンサ再装填システムの第四のアセンブリの斜視図である。
【0026】
【
図6A】
図6Aは、
図1Aのリベットディスペンサ再装填システムの第五のアセンブリの斜視図である。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【
図7A】
図7Aは、抵抗スポットリベット溶接装置の一実施形態と位置合わせする本開示によるリベットディスペンサ再装填システムの非限定的な実施形態を示す斜視図である。
【0032】
【
図7B】
図7Bは、
図7Aのリベットディスペンサ再装填システムおよび位置合わせした抵抗スポットリベット溶接装置の右側面立面図である。
【0033】
【
図7C】
図7Cは、
図7Aのリベットディスペンサ再装填システムおよび位置合わせした抵抗スポットリベット溶接装置の正面立面図である。
【0034】
【
図7D】
図7Dは、
図7Aのリベットディスペンサ再装填システムおよび位置合わせした抵抗スポットリベット溶接装置の上面図である。
【0035】
【
図7E】
図7Eは、
図7Aの抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサと嵌合するリベットディスペンサ再装填システムの第一のアセンブリの詳細図である。
【0036】
【
図8】
図8は、本開示によるリベットディスペンサ再装填システムのいくつかの非限定的な実施形態で使用されることができるリベットの非限定的な実施形態の正面立面図である。
【0037】
【
図9A】
図9Aは、本開示によるリベットディスペンサ再装填システムの非限定的な実施形態の斜視図である。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【
図11】
図11は、
図9Aのリベットディスペンサ再装填システムの第四のアセンブリの斜視図である。
【0045】
【
図12A】
図12Aは、抵抗スポットリベット溶接装置の一実施形態と位置合わせする本開示によるリベットディスペンサ再装填システムの非限定的な実施形態を示す斜視図である。
【0046】
【
図12B】
図12Bは、
図12Aのリベットディスペンサ再装填システムおよび位置合わせした抵抗スポットリベット溶接装置の右側面立面図である。
【0047】
【
図12C】
図12Cは、
図12Aのリベットディスペンサ再装填システムおよび位置合わせした抵抗スポットリベット溶接装置の正面立面図である。
【0048】
【
図12D】
図12Dは、
図12Aのリベットディスペンサ再装填システムおよび位置合わせした抵抗スポットリベット溶接装置の上面図である。
【0049】
対応する参照文字は、いくつかの図全体を通して対応する部品を示す。本明細書に記載される例示は、いくつかの非限定的な実施形態を一つの形で例示し、このような例示は、いかなる形においても、添付の特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0050】
開示されたシステム、装置、および方法の構造、機能、および用途の全体的な理解を提供するために、様々な例が本明細書で記載および例示されている。本明細書に記載および例示される様々な例は、非限定的および非網羅的である。したがって、本発明は、本明細書に開示の様々な非限定的および非網羅的な例の記載によって限定されない。むしろ、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義される。様々な例に関連して例示および/または記載される特徴および特性を、他の例の特徴および特性と組み合わせることができる。このような修正および変形は、本明細書の範囲内に含まれることが意図される。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に明示的または本質的に記載されている、あるいはそうでなければ明示的または本質的に支持される特徴または特性を列挙するように補正される場合がある。さらに、出願人は、特許請求の範囲を補正して、先行技術に存在する可能性のある機能または特徴を肯定的に放棄する権利を留保する。本明細書に開示および記載の様々な非限定的な実施形態は、本明細書に様々に記載の特徴および特性を含む、それらからなる、またはそれから本質的になることができる。
【0051】
本明細書における「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、または同様の語句への言及は、例に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書における語句「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、「実施形態では」、または同様の語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の記載の特徴、構造、または特性を、一つまたは複数の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。したがって、一実施形態に関連して例示または記載される特定の特徴、構造、または特性を、全体的または部分的に、限定されることなく、一つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と組み合わせることができる。このような修正および変形は、本実施形態の範囲内に含まれることが意図される。
【0052】
本明細書では、特に明記しない限り、全ての数値パラメーターは、用語「約」が全ての場合に前置きされ、修正されるものとして理解されるべきであり、数値パラメーターは「約」にパラメーターの数値を決定するのに用いられる基礎となる測定技術の固有の変動特性を有する。少なくとも、そして均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、本明細書に記載の各数値パラメーターは、少なくとも報告された有効数字の数を考慮して、および通常の丸める技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0053】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、列挙の範囲内に含まれる全ての部分範囲を含む。例えば、「1~10」の範囲には、列挙された最小値1と列挙された最大値10との間の(およびそれを含む)全ての部分範囲が含まれ、つまり、1以上の最小値と10以下の最大値を有する。本明細書に記載されている任意の最大の数値制限は、そこに含まれる全てのより低い数値制限を含むことが意図され、本明細書に記載されている任意の最小の数値制限は、そこに含まれる全てのより高い数値制限を含むことが意図される。したがって、出願人は、明示的に列挙された範囲内に含まれる任意の部分範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含む本明細書を補正する権利を留保する。このような範囲の全ては、本明細書に本質的に記載される。
【0054】
本明細書で使用する文法冠詞「一つ(a)」、「一つ(an)」、および「その(the)」は、場合によっては「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」が明確に使用される場合であっても、特に明記しない限り、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を含むことを意図する。したがって、前述の文法冠詞は、特定の識別された要素の一つまたは一つより多く(すなわち、「少なくとも一つ」)を指すために本明細書で使用される。さらに、文脈から他の意味に解釈すべき場合を除いて、単数形の名詞の使用には複数形が含まれ、複数形の名詞の使用には単数形が含まれる。
【0055】
本明細書で使用する場合、二つの他の要素または領域の「中間」である参照される要素または領域は、参照される要素/領域が二つの別の要素/領域の間に配置されるが、必ずしも接触している必要はないことを意味する。したがって、例えば、第一の要素および第二の要素の「中間」である参照される要素は、第一および/もしくは第二の要素に隣接していてもしていなくてもよく、または接触していてもしていなくてもよい。別の要素は、参照される要素と第一および/または第二の要素との間に配置されていてもよい。
【0056】
抵抗スポットリベット(RSR(商標))技術は、様々な材料の組み合わせから作られた様々な部品およびアセンブリの接合を可能にする新しい抵抗溶接接合技術である。RSR(商標)技術は、様々な形状および材料のリベット(例えば金属リベット)を使用して、各接合状況に一致する解決法の選択肢を提供する。RSR(商標)技術では、従来の抵抗スポット溶接ガン(例えばトランスガン)を使用して接合部にリベットを適用できる。溶接ガンを、ロボットマニピュレータおよび/または台座溶接機とペアにして、補助機器のシステムに統合することができる。この機器は、例えば、リベットの取り扱い、リベットの分類と方向決め、リベットのステージングと供給、リベットの搬送、および溶接ガンの電極へリベットを提供することを含む操作を実行することができる。RSR(商標)リベット締結システムによって作製される各接合部は、単一のリベットを消費する。リベット供給源、すなわちリベットディスペンサは、RSR(商標)リベット締結システムの構成要素であり得る。いくつかのシステムでは、アプリケーションの柔軟性を最大化するために、ロボット操作の溶接ガンをリベットディスペンサから切り離すことができる。分離された場合、リベットディスペンサの定期的な補充が必要になる場合がある。補充の頻度は、製造アプリケーションによって決定されることができる。
【0057】
本開示は、例えば、抵抗スポットリベット溶接システムなどのリベット締結装置用のリベットディスペンサで運ばれるリベットを再装填するためのシステムに関する。本開示によるリベットディスペンサ再装填システムは、リベットが、部品アセンブリ、例えば自動車部品アセンブリにロボットにより取り付けられる位置に近接して配置されることができる。溶接プロセス中は、リベットディスペンサ再装填システムをロボットマニピュレータおよび溶接ガンに直接連結することはできない。いくつかの非限定的な実施形態では、リベットディスペンサ再装填システムは、ロボットマニピュレータの届く範囲内、およびロボットマニピュレータの動作のためのフェンスで隔離された空間または他の安全な動作空間内に配置されることができるフレームを備えることができる。様々な非限定的な実施形態では、単一のリベット再装填システムは複数のロボットマニピュレータによって利用されることができる。
【0058】
図1A~Dは、本開示によるリベットディスペンサ再装填システム100の非限定的な実施形態を例示する。例示のように、リベットディスペンサ再装填システム100は、第一のアセンブリ100a、第二のアセンブリ100b、第三のアセンブリ100c、第四のアセンブリ100d、および第五のアセンブリ100eを備えることができる。様々な他の非限定的な実施形態では、
図9A~Dに示すように、リベットディスペンサ再装填システム900は、第一のアセンブリ900a、第二のアセンブリ100b、および第四のアセンブリ900dを含み得る。
図1Aおよび9Aに示すように、第四のアセンブリ100d、900dは、床または他の基礎表面上に配置されるように構成される。第一のアセンブリ100a、900aは、第四のアセンブリ100d、900dに連結し、それによって支持されることができる。第二のアセンブリ100bおよび第三のアセンブリ100cは、存在する場合、第四のアセンブリ100d、900dに連結することができる。第五のアセンブリ100eは、存在する場合、第一のアセンブリ100aに連結し、それによって支持されることができる。
【0059】
図2A~Fは、
図1A~Dに示されるリベットディスペンサ再装填システム100の第一のアセンブリ100aを示す。第一のアセンブリ100aは、リベットを受容して格納するように構造化され得る。例えば、抵抗リベット締結プロセスで使用されるリベット800の一非限定的な実施形態が
図8に示される。リベット800は、ヘッド部800aおよびステム部800bを備え、抵抗スポットリベット溶接に好適な金属または金属合金を含むことができる。
図2Eおよび2Fに最もよく示すように、それらは、
図2Bに示すそれぞれ線2E~2Eおよび2F~2Fに沿って切り取られた断面図である。第一のアセンブリ100aは、その中にチャネル102aを画定するリベット受容部材102を備えることができる。リベット受容部材102は、第一のポート106および第二のポート108を備えることができる。第一のポート106は、チャネル102aと連通し、リベットを受け入れるように構成(例えば、成形および配置)されることができる。第二のポート108は、チャネル102aと連通し、チャネル102aからリベットを分配するように構成(例えば、成形および配置)されることができ、リベットディスペンサと選択的に係合し、リベットをリベットディスペンサに導入することができる。様々な非限定的な実施形態では、チャネル102aは、第一のポート106から第二のポート108まで先細にすることができる。例えば、チャネル102aは、第一のポート106から第二のポート108まで狭くすることができる。
【0060】
第一のポート106は、事前に選択された向きで直列配列でファスナフィーダからリベットを受け入れることができる。第一のポート106によって受け入れられるリベットは、直列配列および事前に選択された向きで第二のポート108に向かってチャネル102a内に進むことができる。
【0061】
チャネル102aは、第一のポート106と第二のポート108との間に延在することができる。チャネル102aは、リベットを第一のポート106から第二のポート108に直列配列(例えば、一列に整列)および事前に選択された向きでチャネル102aに格納し、それに沿ってリベットを搬送するように構成されることができる。チャネル102aは、リベットが第二のポート108を通って分配されるまで、単一のリベットまたは複数のリベットを直列配列および事前に選択された向きで格納するように構成されることができる。つまり、リベットが第二のポート108から出てくるとき、それらは直列および事前に選択された向きで出てくる。様々な非限定的な実施形態では、チャネル102a内のリベットは、同じ寸法もしくは異なる寸法を備えることができ、および/またはチャネル102a内のリベットは、同じ材料もしくは異なる材料からなることができる。
【0062】
様々な非限定的な実施形態では、チャネル102aの断面は、実質的に「T」字形であることができる。様々な他の非限定的な実施形態では、チャネル102aの断面は、溶接スタッドおよび/または溶接ナットを収容するのに好適であることができる。チャネル102aは、リベットの一つまたは複数のサイズおよび構成に対応するのに好適な断面形状およびサイズであることができる。チャネル102aの断面形状およびサイズは、チャネル内のリベットがリベット受容部材102内で直列配列および事前に選択された向きでチャネル102aを通って移動するように、選択されることができる。チャネル102aの断面形状およびサイズは、チャネル102a内のリベットの詰まり、チャネル102a内のリベットのシングリング(例えば、リベットのヘッド部分の重なり合い)、およびチャネル102a内の連続するリベット間のギャップを、防止できなくても阻止することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、リベット受容部材102は、一緒に連結してリベット受容部材102を形成し、チャネル102aを画定する二つの半分を備えることができる。例えば、
図2Eに示すように、各半分はその長さに沿って切断される輪郭を備えることができ、連結した輪郭はチャネル102aを画定する。
【0063】
図10A~Cを参照すると、様々な非限定的な実施形態では、リベット受容部材1002は、本体1002bおよび二つの保持プレート1002cおよび1002dを含み得る。チャネルは、本体1002bの第一の側面内に形成されてもよく、二つの保持プレート1002cおよび1002dは、本体1002bの第一の側面に動作可能に結合され、互いに間隔を置いてチャネル1002aを形成することができる。チャネル1002aは、「T」字形の輪郭を含み得る。様々な非限定的な実施形態では、チャネル102aおよび/またはチャネル1002aは、所望のリベットサイズを収容するようにサイズ設定され、構成され得る。複数のリベットが使用される様々な非限定的な実施形態では、チャネル102aおよび/またはチャネル1002aは、使用されるリベットのヘッド部分およびステム部分を収容するようにサイズ設定され、構成され得る。
【0064】
いくつかの非限定的な実施形態では、リベット受容部材102および902は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、鋼、鋼合金、プラスチック、および複合材のうちの少なくとも一つを含むことができる。様々な非限定的な実施形態では、リベット受容部材102および902は非磁性であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、リベット受容部材102および902は、耐摩耗性を高めるためのコーティングを備えることができる。
【0065】
再度
図2A~Fを参照すると、リベット受容部材102は、重力がリベットを付勢してチャネル102aを通って第一のポート106から第二のポート108まで直列配列で移動させるように、空間内で配向されることができる。例えば、リベット受容部材102は、チャネル102aが実質的に垂直であるように配向されることができ、チャネル102aを通してリベットを移動させるために重力の補助力を増大させることができる。リベット受容部材102の垂直配置はまた、リベット再装填および溶接キャップのドレッシングを同時に容易にすることができる。さらに、リベット受容部材102の垂直配置は、チャネル108の長さの変化に対応し得る。
【0066】
図2Bに示すように、いくつかの非限定的な実施形態では、第一のアセンブリ100aは、チャネル102aと連通するガスポート116を備えることができる。ガスポート116は、加圧ガスのチャネル102aへの通過を可能にし、リベットを付勢してチャネル102aを通って第二のポート108に向かって移動させるように構成されることができる。ガスポート116は、ガス入力ラインとの連結に好適な継手を備えることができる。ガスポート116は、第一のポート106に近接して配置されることができ、チャネル102a内に配置されるリベットの上流でチャネル102a内に選択的に加圧ガスを導入し、チャネル102a内のリベットを第二のポート108に向かって付勢することができる。ガスは、例えば、空気または不活性ガスを含むことができる。いくつかの非限定的な実施形態では、ガスポート116は存在しない場合がある。
【0067】
いくつかの非限定的な実施形態では、第一のアセンブリ100aは、第二のポート108と連通するガスポート132を備えることができる。ガスポート132は、第二のポート108に加圧ガスを導入し、それによってリベットを付勢して第二のポート108を通って移動させ、チャネル102aから分配されるように構成されることができる。ガスポート132は、ガス入力ラインとの連結に好適な継手を備えることができる。ガスは、例えば、空気または不活性ガスを含むことができる。いくつかの非限定的な実施形態では、ガスポート132は存在しない場合がある。
【0068】
図2A、2C、2D、および2Fに示すように、第一のゲート112は第二のポート108と連通することができる。第一のゲート112は、リベット受容部材102に連結することができ、いくつかの非限定的な実施形態では、チャネル102a内のリベットと係合するように構成されるピン112aを備えることができる。例えば、
図2Fに示すように、ピン112aは、リベットのヘッド(例えば、リベットの外径)および/またはリベットのステムとチャネル102a内で選択的に係合することができる。第一のゲート112は、第一の構成と第二の構成との間に選択的に配置されることができる。第一の(「閉じた」)構成にある場合、第一のゲート112は、第二のポート108を通ってチャネル102aに沿ったリベットの移動を阻止することができる(例えば、ピン112aはチャネル102aに入り、チャネル102a内のリベットをブロックするまたは係合することができる)。第二の(「開いた」)構成にある場合、第一のゲート112は、第二のポート108を通ってチャネル102aに沿ったリベットの移動を可能にすることができる(例えば、ピン112aはチャネル102aから引っ込み、リベットは第二のゲート112を通って自由に移動することができる)。様々な非限定的な実施形態では、第一のゲート112は、チャネル102aに対して固定位置にあり得る。
【0069】
様々な非限定的な実施形態では、
図2A、2C、および2Fに示すように、第二のゲート114はチャネル102aと連通することができる。第二のゲート114は、リベット受容部材102に連結することができ、いくつかの非限定的な実施形態では、チャネル102a内のリベットと係合するように構成されるピン114aを備えることができる。例えば、ピン114aは、チャネル102a内のリベットのヘッドおよび/またはステムと係合することができる。第二のゲート114は、第一の構成と第二の構成との間で選択的に配置されることができる。第一の(例えば、「閉じた」)構成にある場合、第二のゲート114は、チャネル102aに沿ったリベットの移動を阻止することができる(例えば、ピン114aはチャネル102aに入り、チャネル102a内のリベットをブロックするまたは係合することができる)。第二の(例えば、「開いた」)構成にある場合、第二のゲート114は、チャネル102aに沿ったリベットの移動を可能にすることができる(例えば、ピン114aはチャネル102aから引っ込み、リベットは第二のゲート114を通って自由に移動することができる)。様々な非限定的な実施形態では、第二のゲート114は、チャネル102aに対して固定位置にあり得る。
【0070】
様々な非限定的な実施形態では、リベット受容部材102のチャネル102aからリベットを解放するために、第二のゲート114および第一のゲート112は、第二の構成に配置されることができる。ガスポート116は、加圧ガスをチャネル102a内に導入して、リベット受容部材102内のチャネル102aからリベットを分配することができる。リベットがチャネル102aから分配されると、第一のゲート112を第一の構成に配置して、第二のポート108を通るリベットの横断を阻止し、チャネル102a内でリベットの保管を可能にすることができる。
【0071】
第二のゲート114は、第二のポート108を通る一回につき単一のリベットの移動を選択的に可能にし、チャネル102aから分配されるように構成されることができ、追加のリベットがチャネル102aから第二のポート108を通過するのを阻止する。例えば、第一のゲート112は、第二のゲート114と第二のポート108との中間にあることができる。第二のゲート114を第一の構成に配置することができ、単一のリベットは、第二のゲート114と第一のゲート112との中間にあることができる。第一のゲート112を第二の構成に配置して、第二のポート108を通る単一のリベットの移動を可能にすることができる。様々な非限定的な実施形態では、それらが第二の構成にある場合、第一のゲート112はリベットのヘッドと係合し、第二のゲート114はチャネル102aのリベットのステムと係合する。
【0072】
様々な非限定的な実施形態では、第一のゲート112および第二のゲート114は、電気サーボモータおよび/または電気ソレノイドの動作により、空気圧で第一の構成または第二の構成に選択的に配置されることができる。様々な非限定的な実施形態では、スイッチまたはセンサを第一のゲート112および/または第二のゲート114に関連付けて、ゲート112、114が第一の構成または第二の構成にあるかを監視することができる。
【0073】
様々な非限定的な実施形態では、
図10A~Cを参照すると、第一のアセンブリ900aのリベット受容部材902が、可動ゲート1098を含むことができる。可動ゲート1098は、リベット受容部材902に摺動可能に連結することができ、いくつかの非限定的な実施形態では、リベット受容部材902内に画定されたチャネル902a内のリベットと係合するように構成されるピン1098aを備えることができる。例えば、
図10Cに示すように、可動ゲートのピン1098aは、リベットのヘッド(例えば、リベットの外径)および/またはリベットのステムとチャネル902a内で選択的に係合することができる。可動ゲート1098は、第一の構成と第二の構成との間に選択的に配置されることができる。第一の(「閉じた」)構成にある場合、可動ゲート1098は、第二のポート908を通ってチャネル902aに沿ったリベットの移動を阻止することができる(例えば、ピン1098aはチャネル902aに入り、チャネル902a内のリベットをブロックするまたは係合することができる)。第二の(「開いた」)構成にある場合、可動ゲート1098は、チャネル902aに沿って第二のポート108を通るリベットの移動を可能にすることができる(例えば、ピン1098aはチャネル902aから引っ込み、リベットは可動ゲート1098を通って自由に移動することができる)。
【0074】
可動ゲート1098は、チャネル902aに対する可動ゲート1098の位置を変更するように構成された作動部材1098bを含み得る。例えば、
図10A~Bに示すように、可動ゲート1098は、チャネル902aに対する第一の位置1098’からチャネル902aに対する第二の位置1098”に変化し得る。可動ゲート1098の位置の変化はまた、可動ゲート1098が第一の構成にあり、第一のゲート112が第二の構成にある時に、どのリベットがチャネル902aに沿って移動することを阻止されるかも変化する。可動ゲート1098は、所望に応じて、第一の位置1098’と第二の位置1098”との間の任意の中間位置に配置され得る。したがって、可動ゲート1098は、第一のゲート112が第二の構成にある時に分配されるリベット1066の数量を調整するように配置され得る。
【0075】
図2Aに示すように、いくつかの非限定的な実施形態では、第一のアセンブリ100aは、第二のポート108に隣接する位置にロックピン138を備えることができる。ロックピン138は、例えば、リベットディスペンサを備える抵抗スポットリベット溶接装置のピン受容穴と係合して、抵抗スポットリベット溶接装置をリベットディスペンサ再装填システム100にある向きで固定するように構成されることができ、その結果、リベットディスペンサ再装填システム100は、リベットをリベットディスペンサ内に供給することができる。ロックピン138は、例えば、空気圧シリンダ、ガイドブッシュ、および/または取付板に動作可能に連結することができる。スイッチおよび/またはセンサは、ロックピン138と関連付けられ、ロックピン138の位置を監視することができる。ロックピン138は、空気圧で、または電気サーボモータの作用により動作し、リベットディスペンサ再装填システム100を抵抗スポットリベット溶接装置に固定することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、ロックピン138は存在しない場合がある。
【0076】
センサ136は、チャネル102a内のリベットの向き、チャネル102a内のリベットの数量、またはチャネル102a内のリベットのいくつかの他の特性を検出するように構成されることができる。センサ136は、リベット受容部材102に連結することができる。センサ136は、リベットのサイズ、向き、位置、および/または数量を検出するように構成される任意の好適なセンサであってよい。使用されるセンサのタイプは、リベット受容部材102のタイプ、サイズ、および/もしくは構成、ならびに/または使用されるリベットに応じて異なってもよい。
【0077】
様々な非限定的な実施形態では、
図10Cを参照すると、リベット受容部材902は、レベルスイッチ1068aおよびレベルスイッチ1068bを備えてもよく、これは、チャネル902aのそれぞれのスイッチ1068aおよび1068bに隣接する位置にリベットが存在するかどうかを判断できる。レベルスイッチ1068bに隣接する位置に存在するリベットの判定は、チャネル902aが所望の数量のリベット1066を有することを示す。レベルスイッチ1068aに隣接する位置でのリベットの不在の判定は、所望の数量のリベット1066が分配されたこと(例えば、詰まったリベットがないこと)を示し得る。様々な非限定的な実施形態では、リベットの存在がレベルスイッチ1098bに隣接する位置で判定されると、チャネル902aへのリベットの搬送を停止することができる。
【0078】
様々な非限定的な実施形態では、第一のアセンブリ100aは、位置合わせ部材128aおよび位置合わせ部材128bを備えることができる。位置合わせ部材128aおよび128bは、ブッシング、円錐ピン、および/またはばね/ピストンを備え、第一のアセンブリ100aと抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサとの間の軸方向に適合させることができる。例えば、位置合わせ部材128aおよび128bは、抵抗スポットリベット溶接装置に設けられた正確に配置された位置合わせブッシング内に受け入れられることができ、その結果、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサは、リベット受容部材102に対して正確に方向付けられ、リベット受容部材102の第二のポート108を通って分配されるリベットは、リベットディスペンサ内に受け入れられる。様々な非限定的な実施形態では、位置合わせ部材128aおよび128bは、ブッシングおよび/またはばね/ピストンを備えない場合がある。
【0079】
様々な非限定的な実施形態では、第一のアセンブリ100aは、接触ブロック134を備えることができる。接触ブロック134は、リベットディスペンサが第一のアセンブリ100aと向きを合わせて接するとき、第一のアセンブリ100aと抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサとの間で力の移動を阻止するように構成されることができ、その結果、リベットは、第一のアセンブリ100aのリベット受容部材102から第二のポート108を通ってリベットディスペンサ内に分配されることができる。いくつかの非限定的な実施形態では、接触ブロック134は、リベットディスペンサが正しい向きで第一のアセンブリ100aに接近して近づくときに力を吸収するばね装着ピンを備えることができる。様々な非限定的な実施形態では、接触ブロック134は、固定ピンを含み得る。
【0080】
様々な非限定的な実施形態では、第一のアセンブリ100aは、追加の要素、例えば、取付板、スクエアリングブロック、およびシムのうちの少なくとも一つを備えることができる。追加の要素は、リベットディスペンサ再装填システム100の第四のアセンブリ100dに対して少なくとも3自由度で第一のアセンブリ100aの調整を可能にすることができる。
【0081】
図3A~Dは、リベットディスペンサ再装填システム100の第二のアセンブリ100bを例示する。第二のアセンブリ100bは、抵抗スポットリベット溶接装置の溶接ガンの抵抗溶接電極をドレッシングするように構成される電極ドレッシングコンポーネント118を備えることができる。電極ドレッシングコンポーネント118の構造は、抵抗溶接電極のタイプおよび/または抵抗スポットリベット溶接装置の用途に応じて変えることができる。電極ドレッシングコンポーネント118は、抵抗溶接電極の中心線の周りを回転し、所望の電極外形をもたらす、一組のモータ駆動のカッティングブレード、研磨材、および/またはバフ研摩パッドを備えることができる。
図1Aおよび1Cに最もよく示すように、電極ドレッシングコンポーネント118は、第四のアセンブリ100dへ連結することにより、リベット受容部材102の第二のポート108に近接するリベットディスペンサ再装填システム100に配置されることができる。いくつかの非限定的な実施形態では、電極ドレッシングプロセスは、第二のアセンブリの電極ドレッシングコンポーネント118を使用して行うことができる。一方、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサは、第一のアセンブリ100aのリベット受容部材102の第二のポート108からリベットを受け入れる。
【0082】
第二のアセンブリ100bは、抵抗スポットリベット溶接装置をリベットディスペンサ再装填システム100と適切に位置合わせするように構成されることができる。例えば、第二のアセンブリ100bは、抵抗スポットリベット溶接装置に正確に配置される位置合わせブッシングに受け入れられる位置合わせ部材128cおよび位置合わせ部材128dを備えることができる。位置合わせ部材128c、128dは、ブッシング、円錐ピン、位置合わせブロック、および/またはばね/ピストンを備え、リベットディスペンサ再装填システム100と抵抗スポットリベット溶接装置との間で軸方向に適合させることができる。様々な非限定的な実施形態では、位置合わせ部材128c、128dは、ブッシングおよび/またはばね/ピストンを備えない場合がある。
【0083】
第一のアセンブリ100aの位置合わせ部材128aおよび128bならびに第二のアセンブリ100bの位置合わせ部材128cおよび128dは、リベットディスペンサ再装填システム100の任意の他の構成要素の前に、抵抗スポットリベット溶接装置に接することができる。様々な非限定的な実施形態では、第二のアセンブリ100bの位置合わせ部材128cおよび128dは、最初に抵抗スポットリベット溶接装置に接することができ、第一のアセンブリ100aの位置合わせ部材128aおよび128bは、直後に抵抗スポットリベット溶接装置に接することができる。
【0084】
いくつかの非限定的な実施形態では、位置合わせ部材128aおよび128dは、例えば、シムパック、調整ブロック、および/またはカムを介して、3自由度で調整可能であることができ、その結果、各位置合わせ部材128aおよび128dは、抵抗スポットリベット溶接装置をリベットディスペンサ再装填システム100の第一のアセンブリ100aおよび第二のアセンブリ100bと適切に位置合わせするために正しい位置および向きにある。例えば、位置合わせ部材128cおよび128dは、第一のアセンブリ100aのリベット受容部材102の第二のポート108に対して調整されて、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサに対して第二のポート108の位置合わせを可能にすることができる。また、例えば、位置合わせ部材128cおよび128dは、第二のアセンブリ100bの電極ドレッシングコンポーネント118に対して調整されて、抵抗スポットリベット溶接装置の溶接ガンの抵抗溶接電極に対して電極ドレッシングコンポーネント118の位置合わせを可能にすることができる。そして、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサは、第一のアセンブリ100aからリベットを受け入れることができ、必要に応じて、抵抗スポットリベット溶接装置の溶接ガンの抵抗溶接電極は、第二のアセンブリ100bの電極ドレッシングコンポーネント118を使用してドレッシングされることができる。
【0085】
様々な非限定的な実施形態では、第二のアセンブリ100bは、追加の要素(例えば、適合装置)、例えば、ボルト留め板、調整ブロック、およびピン保持ブロックのうちの少なくとも一つを備えることができる。適合装置は、ロボットの学習中の位置の通常の位置ずれ、または作業間の日々の変動に対応することができる。適合装置は、少しの位置ずれを伴う通常の作業を可能にし、力がリベットディスペンサ再装填システム100に加えられているとロボット学習中に視覚的な合図を提供することができる。それにより、リベットディスペンサ再装填システム100が損傷する前に修正を行うことができる。
【0086】
図4A~Dは、リベットディスペンサ再装填システム100の第三のアセンブリ100cを示す。第三のアセンブリ100cは、第四のアセンブリ100dに対して移動することができる。例えば、第三のアセンブリ100cは、第一のスライド122および第二のスライド124を備えることができる。第一のスライド122および第二のスライド124は、位置合わせ部材128cおよび128dと係合する抵抗スポットリベット溶接装置が第一のアセンブリ100aに対して移動することを可能にすることができる。
図4A~Dに示されるように、第一のスライド122は、第四のアセンブリ100dに対する第三のアセンブリ100cの第一の方向140aおよび第二の方向140bへの移動を可能にするように構成されることができる。第二のスライド124は、第四のアセンブリ100dに対する第三の方向140cおよび第四の方向140dへの第一のスライド122の作動のアクセスを可能にするように構成されることができる。図示の非限定的な実施形態では、第三の方向140cおよび第四の方向140dは、第一の方向140aおよび第二の方向140bに対して実質的に垂直であることができる。様々な非限定的な実施形態では、第二のスライド124は、第一のスライド122に直接連結することができる。
【0087】
第三のアセンブリ100cは、第一のスライド122と連通し得る接触部材126を含むことができる。接触部材126は、接触部材126の抵抗スポットリベット溶接装置との係合に応答してリベットディスペンサのテンショナの突起に係合し、第一のスライド122および/または第二のスライド124を利用して移動するように構成されることができる。係合は、リベットディスペンサがリベットを受け入れることを可能にするために、リベットディスペンサのテンショナを再装填位置内に移動させることができる。
【0088】
様々な非限定的な実施形態では、第三のアセンブリ100cは、第一のスライド122および/または第二のスライド124の位置を検出するように構成される近接スイッチを備えることができる。第三のアセンブリ100cは、追加の要素、例えば、ボルト留め板、リニアスライドレールおよびキャリッジ、空気圧シリンダ、ロッドアライメントカプラ、停止ブロック、およびショックアブソーバのうちの少なくとも一つを備えることができる。
【0089】
図5は、リベットディスペンサ再装填システム100の第四のアセンブリ100dを示す。第四のアセンブリ100dは、複数の事前に選択された向きで第一、第二、および第三のアセンブリ(100a、100b、100c)を支持することができる。事前に選択された向きは、抵抗スポットリベット溶接装置が、リベットディスペンサ再装填システム100と位置合わせする場合に移動を減少させるように選択されることができる。例えば、第四のアセンブリ100dは、リベット受容部材102を複数の事前に選択された向きに保持するように構成されるフレーム110を備えることができる。様々な非限定的な実施形態では、第四のアセンブリ100dは、管およびプレートを備えることができる。
【0090】
いくつかの非限定的な実施形態では、第四のアセンブリ100dのフレーム110は、ベース120、支柱150、第一の取付領域148、第二の取付領域158、および第三の取付領域160を備えることができる。ベース120は、リベットディスペンサ再装填システム100に安定性をもたらすことができ、ファスナ(例えば、ボルト、ねじ)でプラットフォーム、床、または他の表面に固定されることができる。支柱150は、第一の取付領域148、第二の取付領域158、および第三の取付領域160からベース120に力を移動することができる。第一の取付領域148は、第二のアセンブリ100bに連結するように構成されることができる。第二の取付領域158は、第一のアセンブリ100aに連結するように構成されることができる。第三の取付領域160は、第三のアセンブリ100cに連結するように構成されることができる。
【0091】
様々な非限定的な実施形態では、
図11に示すように、第四のアセンブリ900dは、ベース120、支柱150、第一の取付領域148、および第二の取付領域158を備えるフレーム110を備え得る。第四のアセンブリ900dは、複数の事前に選択された向きで第一のアセンブリ900aおよび第二のアセンブリ100bを支持することができる。
【0092】
図1A~Dを再度参照すると、ファスナフィーダは、第一のアセンブリ100aの第一のポート106に直接連結する、または存在する場合は第五のアセンブリ100eと連通して、ファスナを事前に選択された向きで第一のポート106に導入するように構成されることができる。ファスナフィーダは、リベットディスペンサ再装填システム100の一部でなくてもよい。ファスナフィーダは、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサを再装填する準備として第一のアセンブリ100aを再装填するために追加のリベットが必要な場合に利用されることができるリベットの供給源である。ファスナフィーダは、振動ボウル、磁気ボウル、可撓性フィードトラック、および/または他のコレータタイプのうちの少なくとも一つを備えることができる。様々な実施例では、
図12A-Dを参照すると、ファスナフィーダはフィードトラック1270であり、リベット受容部材102の第一のポート106と連通して位置合わせおよび固定することができる。
【0093】
図6A~Eは、リベットディスペンサ再装填システム100の第五のアセンブリ100eを示す。第五のアセンブリ100eは、第一のアセンブリ100aのリベット受容部材102の第一のポート106内へのリベットの移動を制御することができる。例えば、第五のアセンブリ100eは、二次リベット受容部材142および第三のゲート130を備えることができる。
図6Dに示すように、二次リベット受容部材142は、その中にチャネル142aを画定することができる。二次リベット受容部材142は、第一のポート144および第二のポート146を備えることができる。第一のポート144は、チャネル142aと連通し、ファスナフィーダからリベットを受け入れるように構成されることができる。第二のポート146は、チャネル142aと連通し、リベットを受け入れるように構成されることができる。チャネル142aは、第一のポート144と第二のポート146との間に延在することができる。チャネル142aは、リベットを第一のポート144から第二のポート146へ直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成されることができる。チャネル142aは、ファスナフィーダから可撓性フィードトラックを受け入れ、第二のポート146を介してリベットの解放を制御するように構成されることができる。
【0094】
第五のアセンブリ100eの第三のゲート130は、チャネル142aを介して第一のポート106と連通することができる。第三のゲート130は、チャネル142a内のリベットと係合するように構成されるピン130aを備えることができる。例えば、ピン130aは、チャネル142a内のリベットのヘッドおよび/またはステムと係合することができる。第三のゲート130は、第一の構成と第二の構成との間で選択的に配置可能であることができる。第三のゲート130の第一の構成は、チャネル142aを通り第一のアセンブリ100aのリベット受容部材102の第一のポート106へのリベットの移動を阻止することができる(例えば、ピン130aはチャネル142aに入り、リベットと係合することができる)。第三のゲート130の第二の構成は、チャネル142aを通り第一のアセンブリ100aのリベット受容部材102の第一のポート106へのリベットの移動を可能にすることができる(例えば、ピン130aをチャネル142aから、引っ込ませることができる)。様々な非限定的な実施形態では、第三のゲート130は、空気圧式であるか、または電気サーボモータによって作動させることができる。スイッチまたはセンサは、第三のゲート130の構成を監視するために第三のゲート130と通信することができる。
【0095】
リベットをリベット受容部材102内に受け入れるために、第三のゲート130および第二のゲート114は、第二の構成であることができ、第一のゲート112は、第一の構成であることができる。第五のアセンブリ100eは、追加の要素、例えばクランププレートおよびマウンティングブロックを備えることができる。
【0096】
図7A~Eに示すように、リベットディスペンサ再装填システム100は、抵抗スポットリベット溶接装置752と嵌合することができる。いくつかの非限定的な実施形態では、
図12A~Dに示すように、リベットディスペンサ再装填システム900は、抵抗スポットリベット溶接装置752と嵌合することができる。抵抗スポットリベット溶接装置752は、リベットディスペンサ754と、抵抗溶接電極756を備える溶接ガンとを備えることができる。リベットディスペンサ754は、リベットディスペンサ再装填システム100および900の第一のアセンブリ100aおよび900aからリベットを受け入れることができ、抵抗溶接電極756は、リベットディスペンサ再装填システム100および900の第二のアセンブリ100bによってドレッシングされることができる。例えば、リベットはリベットディスペンサ754によって受け入れられることができ、同時に、抵抗溶接電極756はドレッシングされることができる。
【0097】
リベットディスペンサ再装填システム100および900に係合して受け入れられるために、抵抗スポットリベット溶接装置752は、リベットディスペンサ再装填システム100および900に向かって実質的に水平な経路で移動し、位置合わせ部材128cおよび128dを抵抗スポットリベット溶接装置752上の第一の位置合わせブッシングと位置合わせさせることができる。抵抗スポットリベット溶接装置752は、第一の位置合わせブッシングが位置合わせ部材128cおよび128dを受け入れて係合することができるように、位置合わせ部材128cおよび128dに向かって実質的に垂直の経路で移動することができる。その後、抵抗スポットリベット溶接装置752は、抵抗スポットリベット溶接装置752の第二の位置合わせブッシングを位置合わせ部材128aおよび128bと位置合わせさせるように移動することができる。抵抗スポットリベット溶接装置752は、第二の位置合わせブッシングが位置合わせ部材128aおよび128bを受け入れて係合することができるように、位置合わせ部材128aおよび128bに向かって実質的に垂直な経路で移動することができる。位置合わせ部材128cおよび128dが第一の位置合わせブッシングと係合し、位置合わせ部材128aおよび128bが第二の位置合わせブッシングと係合する場合、抵抗スポットリベット溶接装置752は、リベットディスペンサ再装填システム100および900に対して正しく方向付けられている「再装填位置」に達している。
【0098】
様々な非限定的な実施形態では、
図7A~Eを参照すると、再装填位置では、第二のポート108は、リベットディスペンサ754と位置合わせされることができ、ロックピン138は、リベットディスペンサ再装填システム100に対して再装填位置で抵抗スポットリベット溶接装置752を係合および固定することができる。第一のゲート112は、第二の構成で配置されることができ、ガスポート116は、加圧ガスをチャネル102a内に導入して、リベットを直列および事前に選択された向きでチャネル102aからリベットディスペンサ754内に付勢することができる。加圧ガスは、チャネル102a内のリベットの詰まり、チャネル102a内のリベットのシングリング(例えば、リベットのヘッド部分の重なり合い)、およびチャネル102a内の連続するリベット間のギャップを、防止できなくても阻止することができる。様々な非限定的な実施形態では、抵抗溶接電極756は、リベットディスペンサ754内へのリベットの再装填中に、およびロックピン138が係合される場合に、ドレッシングされることができる。ロックピン138は、抵抗溶接電極756のドレッシングの間、および著しい振動を生成する場合がある任意の動作の間、抵抗スポットリベット溶接装置752とリベットディスペンサ再装填システム100との適切な位置合わせを保持することができる。
【0099】
再装填後、第一のゲート112を第一の構成に配置することができる。ロックピン138は、抵抗スポットリベット溶接装置752の係合を解除することができ、第一のスライド122および第二のスライド124は、平行移動して抵抗スポットリベット溶接装置752を位置合わせ部材128aおよび128bから解放することができる。抵抗スポットリベット溶接装置752は、位置合わせ部材128cおよび128dから離れる実質的に垂直な経路で移動することができ、次に、抵抗スポットリベット溶接装置752は、リベットディスペンサ再装填システム100から離れる実質的に水平な経路で移動することができる。リベットを再充填すると、抵抗スポットリベット溶接装置752は、そのプログラムされたリベット締結作業を再開することができる。
【0100】
本開示はまた、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサ内にリベットを再装填するための方法を提供する。この方法によれば、チャネルに関連付けられたゲートを利用するリベットディスペンサ再装填システムのリベット受容部材のチャネル内に複数のリベットを受け入れおよび格納することができる。複数のリベットは、直列配列および同じ事前に選択された向きでチャネル内に格納することができる。抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサは、抵抗スポットリベット溶接装置と連通するリベットディスペンサ再装填システムの位置合わせ部材を利用して、リベット受容部材と正しく位置合わせされることができる。ゲートは、チャネルからのリベットの移動を阻止する第一の構成と、チャネルから抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサ内へのリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である。ゲートが第二の構成にある場合、チャネルに格納された複数のリベットは、ゲートを利用して、直列配列および事前に選択された向きでリベットディスペンサ内に導入されることができる。いくつかの非限定的な実施形態では、チャネルに格納されたリベットは、加圧ガスをチャネル内に導入してチャネルからリベットを付勢することにより、リベットディスペンサ内に導入されることができる。いくつかの非限定的な実施形態では、リベットは、リベットを利用する(例えば、リベットディスペンサからリベットを分配する)抵抗スポットリベット溶接装置と同時にチャネル内に受け入れられて格納されることができる。
【0101】
本開示によるリベットディスペンサ再装填システムは、抵抗スポットリベット溶接装置によって消費されたリベットを補充することができる。リベットの再装填は、所定の時間内に確実に達成でき、リベット締結装置のサイクル時間を短縮できる。本開示によるリベットディスペンサ再装填システムのリベット容量は、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサのサイズに基づいて構成されることができる。
【0102】
本明細書で使用する場合、「マシンサイクル時間」は、生産システムが任意の所与の点から進み、次のサイクルでその同じ点に戻るのに必要な期間である。例えば、単一の部品を生産するために60秒のマシンサイクル時間を有する生産システムは、1時間あたり60個の速度(つまり、1時間あたり60マシンサイクル)で部品を生産することができる。
【0103】
本明細書で使用する場合、「搬送時間」は、製造施設内のあるステーションから別のステーションに部品を移動させる必要があるためにリベット締結を行うことができない期間である。例えば、搬送時間には、リベット締結された後、リベット締結された構成要素がリベット締結ステーションから取り出され、新しい(リベット締結されていない)構成要素がリベット締結される同じリベット締結治具内に装填される時間が含まれる。
【0104】
一例では、接合される自動車構成部品は、マシンサイクルごとにN個のリベットを必要とする場合があり、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサは、X個のリベットの容量で構成されることができ、XはN以上である。1マシンサイクルが完了すると、抵抗スポットリベット溶接装置はN個のリベットを消費し、この時点で、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサには(X~N)個のリベットが残っていることになる。マシンサイクル時間の変化(例えば、増加)を最小にするために、リベットディスペンサの容量(すなわち、X)に関係なく、搬送時間中に、本明細書に記載のリベットディスペンサ再装填システムを使用してリベットディスペンサ内にN個のリベットを再装填することができる。残りの(X~N)個のリベットが消費されるまでリベットディスペンサの再装填を遅らせると、リベット締結が発生できる時間の間に再装填が発生する場合、マシンサイクル時間が長くなる可能性がある。
【0105】
様々な非限定的な実施形態では、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサの容量Xは、抵抗スポットリベット溶接装置のリベットディスペンサが再装填されなければならない前に複数のマシンサイクルが生じることができるように、少なくとも2Nとすることができる。再装填中、リベットディスペンサ再装填システムはリベットディスペンサをその容量Xまで充填することができる。
【0106】
抵抗スポットリベット溶接装置の溶接ガンの抵抗溶接電極のドレッシングおよびリベットディスペンサの再装填は、マシンサイクル時間の増加を避けるまたは最小化するために、搬送時間内に本開示によるリリベットディスペンサ再装填システムで行われ得る。
【0107】
リベットディスペンサ再装填システムのリベットディスペンサのチャネル再装填および溶接キャップのドレッシングプロセスは、例えば、30秒未満、20秒未満、15秒未満、13秒未満、10秒未満、6秒未満、または5秒未満など、60秒未満で発生し得る。
【0108】
本開示に含まれる本発明のいくつかの非限定的な実施形態の様々な態様は以下の番号付きの項に列挙される態様を含むが、これらに限定されない。
第1項
リベットディスペンサ再装填システムであって、
その中にチャネルを画定するリベット受容部材であって、リベット受容部材は、
チャネルと連通し、およびリベットを受け入れるように構成される第一のポートと、および
チャネルと連通し、ならびにリベットディスペンサと選択的に係合し、およびリベットディスペンサにリベットを導入するように構成される第二のポートと、を備え、
チャネルは、第一のポートと第二のポートとの間に延在し、リベットを第一のポートから第二のポートに直列配列および事前に選択された向きで搬送するように構成される、リベット受容部材と、
第二のポートと連通する第一のゲートであって、第一のゲートは、第二のポートを通るリベットの移動を阻止する第一の構成と、第二のポートを通るリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である、第一のゲートと、を備える、リベットディスペンサ再装填システム。
第2項
チャネルと連通する第二のゲートをさらに備え、第二のゲートは、第二のポートを通るチャネル内での一回につき単一のリベットの移動を可能にしながら、第二のポートを通るチャネル内の追加のリベットの移動を阻止するように構成される、第1項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第3項
第一のゲートおよび第二のゲートのうちの少なくとも一つは、リベットのステム領域およびヘッド領域のうちの少なくとも一つと係合するように構成されるピンを備える、第2項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第4項
第一のポートと連通する第二のゲートをさらに備え、第二のゲートは、第一のポートを通るリベットの移動を阻止する第一の構成と、第一のポートを通るリベットの移動を可能にする第二の構成との間に選択的に配置可能である、第1~3項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第5項
リベット受容部材と摺動可能に連結される可動ゲートをさらに備え、可動ゲートは、第二のポートを通るチャネル内での一回につき単一のリベットの移動を可能にしながら、第二のポートを通るチャネル内の追加のリベットの移動を阻止するように構成される、第1~4項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第6項
チャネルに対する可動ゲートの位置を変更するように構成される作動部材をさらに備える、第5項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第7項
チャネルと連通するガスポートをさらに備え、ガスポートは、加圧ガスをチャネルに導入し、それによりリベットを付勢してチャネルを通って第一のポートから第二のポートに移動させるように構成される、第1~6項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第8項
ファスナを事前に選択された向きで第一のポートに導入するように構成されるファスナフィーダをさらに備える、第1~7項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第9項
ファスナフィーダは、振動ボウル、磁気ボウル、可撓性フィードトラック、および他のコレータタイプのうちの少なくとも一つを備える、第8項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第10項
リベット受容部材の第二のポートに関連付けられる電極ドレッシングコンポーネントをさらに備え、電極ドレッシングコンポーネントは、リベットディスペンサが第二のポートからリベットを受け入れるとき、抵抗スポットリベット溶接装置の溶接ガンの抵抗溶接電極をドレッシングするように構成される、第1~9項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第11項
リベット受容部材を複数の事前に選択された向きに保持するように構成されるフレームをさらに備える、第10項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第12項
リベット受容部材と連通し、リベット受容部材と抵抗スポットリベット溶接装置との間の位置合わせを容易にするように構成される位置合わせ部材をさらに備える、第1~11項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第13項
位置合わせ部材は円錐ピンを備える、第12項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第14項
位置合わせ部材と連通するばねまたはピストンをさらに備える、第12~13項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第15項
第二のポートと連通し、リベットディスペンサと係合するように構成される接触ブロックをさらに備える、第1~14項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第16項
チャネル内のリベットの向きおよびチャネル内のリベットの数量のうちの少なくとも一つを検出するように構成されるセンサをさらに備える、第1~15項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第17項
リベットディスペンサを備える抵抗スポットリベット溶接装置をリベットディスペンサ再装填システムに係合および固定するように構成されるロックピンをさらに備える、第1~16項のいずれか一項に記載のリベットディスペンサ再装填システム。
第18項
抵抗スポットリベット溶接システムで使用されるリベットディスペンサ内にリベットを再装填する方法であって、方法は、
リベットディスペンサ再装填システムのリベット受容部材のチャネル内で、複数のリベットを直列配列および事前に選択された向きで受け入れることおよび格納することであって、リベットディスペンサ再装填システムは、チャネルに関連付けられるゲートを備え、ゲートは、チャネルからのリベットの移動を阻止する第一の構成と、チャネルからリベットの移動を可能にする第二の構成との間で選択的に配置可能である、受け入れることおよび格納することと、
抵抗スポットリベット溶接システムのリベットディスペンサを、抵抗スポットリベット溶接装置と連通する位置合わせ部材を利用してリベット受容部材と位置合わせすることと、
チャネル内に格納された複数のリベットを、ゲートを介して、直列および事前に選択された向きでリベットディスペンサ内に導入することと、を含む、方法。
第19項
チャネルに格納された複数のリベットをリベットディスペンサに導入することは、加圧ガスをチャネル内に導入して、複数のリベットをチャネルからゲートを通して付勢することを含む、第18項に記載の方法。
第20項
複数のリベットのうちの一つのリベットが、リベットを利用する抵抗スポットリベット溶接装置システムと同時にチャネル内に受け入れられる、第18~19項のいずれか一項に記載の方法。
【0109】
当業者は、本明細書に記載の物品および方法、ならびにそれらに付随する説明が、概念を明確にするために例として使用され、様々な構成変更が考えられることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用する場合、説明される特定の例/実施形態および付随する説明は、それらのより一般的な分類の代表であることが意図されている。一般的に、特定の例の使用は、その分類の代表であることが意図され、特定のコンポーネント、デバイス、操作/動作、および対象物が含まれていないことは、制限的であると解釈されるべきではない。本開示は、本開示の様々な態様および/またはその潜在的な用途を例示する目的で様々な特定の態様を説明するが、変形および修正が当業者によって行われることが理解される。したがって、本明細書で説明する一つまたは複数の本発明は、少なくともそれらが主張されるのと同じくらい広く、本明細書で提供される特定の例示的な態様によってより狭く定義されないことを理解されたい。
【国際調査報告】