特表 2022-510788 自律型車両のための複数の目的地への移動

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-01-28

(54)【発明の名称】自律型車両のための複数の目的地への移動

(51)【国際特許分類】

   G08G 1/123 20060101AFI20220121BHJP

   G08G 1/00 20060101ALI20220121BHJP

   G06Q 50/30 20120101ALI20220121BHJP

【ＦＩ】

G08G1/123 A

G08G1/00 D

G06Q50/30

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021525595

(86)(22)【出願日】2019-11-27

(85)【翻訳文提出日】2021-06-28

(86)【国際出願番号】 US2019063571

(87)【国際公開番号】W WO2020123157

(87)【国際公開日】2020-06-18

(31)【優先権主張番号】16/217,805

(32)【優先日】2018-12-12

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

【公序良俗違反の表示】

（特許庁注：以下のものは登録商標）

１．ブルートゥース

(71)【出願人】

【識別番号】317015065

【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー

(74)【代理人】

【識別番号】100079108

【弁理士】

【氏名又は名称】稲葉 良幸

(74)【代理人】

【識別番号】100126480

【弁理士】

【氏名又は名称】佐藤 睦

(72)【発明者】

【氏名】ランディ，クリスティ

(72)【発明者】

【氏名】マーケイ，ジュリアン

(72)【発明者】

【氏名】タンファイチトラ，サックシリ

(72)【発明者】

【氏名】フィーンストラ，ローレンス

(72)【発明者】

【氏名】パンディット，サリル

【テーマコード（参考）】

5H181

5L049

【Ｆターム（参考）】

5H181AA01

5H181BB04

5H181BB15

5H181FF10

5H181MA07

5L049CC42

(57)【要約】

本開示の態様は、移動サービスを提供する自律型車両のフリートを管理する方法に関する。この方法は、移動９００の中間目的地および最終目的地を識別する情報を受信することを含む。この例では、中間目的地９２０は、自律型車両１００が乗客を降車させ、かつ移動を継続するために乗客を待っている目的地であり、最終目的地９３０は、移動が終了する目的地である。この方法はまた、車両が中間目的地で乗客に待たされそうな待ち時間を決定することと、自律型車両のフリートの車両が待ち時間をどのように費やすべきかを決定することと、車両が待ち時間をどのように費やすべきかという決定に基づいて車両に指示を送信することとを含む。
【選択図】図８

【特許請求の範囲】

【請求項1】

移動サービスを提供する自律型車両のフリートを管理する方法であって、
１つ以上のコンピューティングデバイスによって、移動の中間目的地および最終目的地を識別する情報を受信することであって、前記中間目的地は、前記自律型車両が乗客を降車させ、かつ前記移動を継続させるために、前記乗客が前記車両に戻るのを待つ目的地であり、前記最終目的地は前記移動が終了する目的地である、受信することと、
前記１つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記車両が前記中間目的地で前記乗客に待たされそうな時間を決定することと、
前記１つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記自律型車両のフリートの車両が前記待ち時間をどのように費やすべきかを決定することと、
前記車両が前記待ち時間をどのように費やすべきかの決定に基づいて、前記１つ以上のコンピューティングデバイスによって、前記車両に指示を送信することと、を含む、方法。

【請求項2】

前記乗客が前記中間目的地でどのくらいの時間を費やすと予想されるかを示す第２の情報を受信することをさらに含み、前記車両が前記待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、前記第２の情報にさらに基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項3】

前記待ち時間を決定することは、前記中間目的地に関連付けられた履歴の待ち時間データを含む複数の要因に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項4】

前記待ち時間を決定することは、前記中間目的地と同じタイプの場所で前記乗客が費やした時間に関連付けられた履歴の待ち時間データを含む複数の要因に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項5】

前記待ち時間を決定することは、前記中間目的地にて他の乗客によって費やされた時間に関連付けられた履歴の待ち時間を含む複数の要因に基づいており、前記他の乗客は、前記乗客と共通の特徴を有している、請求項１に記載の方法。

【請求項6】

前記待ち時間を決定することは、前記移動が前記中間目的地での第２の乗客の乗車または降車を含むか否かを含む複数の要因に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項7】

前記待ち時間を決定することは、前記移動が前記中間目的地での貨物の積みまたは降ろしを含むか否かを含む複数の要因に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項8】

前記待ち時間を決定することは、前記移動の乗客の数を含む複数の要因に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項9】

前記待ち時間を決定することは、前記中間目的地に関連付けられた場所において他の人々が費やした時間を示す第三者のデータを含む複数の要因に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項10】

前記待ち時間を決定することは、前記中間目的地と同じタイプの場所で他の人が費やした時間を示す第三者のデータを含む複数の要因に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項11】

前記待ち時間を決定することは、複数の要因のそれぞれにかかる時間を決定し、かつ任意の決定された時間の長さの平均をとることに基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項12】

前記待ち時間を決定することは、その要因にかかる時間の推定における信頼性を示す重み付けにそれぞれが関連付けられた複数の要因、および前記重み付けを使用する複数の要因にかかる時間の平均を取ることに基づいている、請求項１に記載の方法。

【請求項13】

前記車両が前記決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、前記待ち時間中に前記車両を駐車するための金銭的コストに基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項14】

前記車両が前記決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、異なるアクティビティを含むプリファレンスの階層に基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項15】

前記プリファレンスの階層は、前記車両のメンテナンスのニーズに対処するためのプリファレンスを含み、前記階層における前記プリファレンスの順位は、前記メンテナンス問題の緊急性のレベルに依存する、請求項１４に記載の方法。

【請求項16】

前記プリファレンスの階層は、所定の期間の別の移動のために前記車両をスケジュールするためのプリファレンスを含む、請求項１４に記載の方法。

【請求項17】

別の移動のために前記車両をスケジュールするための前記プリファレンスの前記階層内の前記順位が、前記車両のメンテナンスのニーズに対処するための別のプリファレンスよりも低い、請求項１６に記載の方法。

【請求項18】

前記車両が前記決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、第１の閾値期間よりも短いと推定される第２の移動が利用可能であるか否かに基づく、請求項１に記載の方法。

【請求項19】

前記車両が前記決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、前記乗客が前記中間目的地において前記車両に戻ると予想される前に前記決定された待ち時間のバッファ期間内に、前記第２の移動を完了した後、前記第２の移動が、前記車両の前記中間目的地への再到着を可能にするか否かに基づく、請求項１８に記載の方法。

【請求項20】

前記バッファ期間は、前記決定された待ち時間の信頼性に基づいて決定される、請求項１９に記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

関連出願の相互参照
本出願は、２０１８年１２月１２日に出願された米国出願第１６／２１７，８０５号の利益を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。

【背景技術】

【0002】

自律型車両、例えば、人間の運転手を必要としない車両は、ある場所から別の場所への乗客または物品の輸送を支援するために使用され得る。そのような車両は、乗客が乗車場所または目的地などのいくつかの初期入力を提供し得、かつ車両がその場所に車両自体を操縦する、完全な自律モードで動作し得る。したがって、そのような車両は、輸送サービスを提供するために使用され得る。輸送サービスを提供する他のシステムは、通常、どのように車両を操作するかについて判断する役割を担う運転手または車掌を含む。このようなサービスは、車両を特定の場所に配車して輸送サービスを提供するだけでなく、フリート管理や車両のステージングの指示を提供できるいくつかのバックエンドサーバシステムを含み得る。

【発明の概要】

【0003】

本開示の一態様は、移動サービスを提供する自律型車両のフリートを管理する方法を提供する。この方法は、１つ以上のコンピューティングデバイスによって、移動の中間目的地および最終目的地を識別する情報を受信することであって、中間目的地は、自律型車両が乗客を降車させ、かつ移動を継続するために、乗客が車両に戻るのを待つ目的地であり、最終目的地は移動が終了する目的地である、受信することと、１つ以上のコンピューティングデバイスによって、車両が中間目的地で乗客に待たされそうな待ち時間を決定することと、１つ以上のコンピューティングデバイスによって、自律型車両のフリートのうちの車両が待ち時間をどのように費やすべきかを決定することと、車両が待ち時間をどのように費やすべきかの決定に基づいて、１つ以上のコンピューティングデバイスによって、車両に指示を送信することとを含む。

【0004】

一例では、この方法は、乗客が中間目的地でどのくらいの時間を費やすと予想されかを示す第２の情報を受信することも含み、車両が決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、第２の情報にさらに基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、中間目的地に関連付けられた履歴の待ち時間データを含む複数の要因に基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、中間目的地と同じタイプの場所で乗客が費やした時間に関連付けられた履歴の待ち時間データを含む複数の要因に基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、中間目的地で他の乗客によって費やされた時間に関連付けられた履歴の待ち時間データを含む複数の要因に基づいており、他の乗客はその乗客と共通の特徴を有する。別の例では、待ち時間を決定することは、移動が中間目的地で第２の乗客の乗車または降車を含むかどうかを含む複数の要因に基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、移動が中間目的地で貨物の積みまたは降ろしを含むか否かを含む複数の要因に基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、移動の乗客の数を含む複数の要因に基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、中間目的地に関連付けられた場所において他の人々が費やした時間を示す第三者のデータを含む複数の要因に基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、中間目的地と同じタイプの場所で他の人々が費やした時間を示す第三者のデータを含む複数の要因に基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、複数の要因のそれぞれにかかる時間を決定し、かつ任意の決定された時間の平均をとることに基づく。別の例では、待ち時間を決定することは、その要因にかかる時間の推定における信頼性を示す重み付けにそれぞれが関連付けられた複数の要因に基づいており、その重み付けを使用して複数の要因にかかる時間の平均をとることに基づく。別の例では、車両が決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、待ち時間中に車両を駐車するための金銭的コストに基づく。別の例では、車両が決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、異なるアクティビティを含むプリファレンスの階層に基づく。この例では、プリファレンスの階層は、車両のメンテナンスのニーズに対処するためのプリファレンスを含み、階層内のプリファレンスの順位は、メンテナンスの問題の緊急性のレベルによって決まる。追加的または代替的に、プリファレンスの階層は、所定の期間の別の移動に車両をスケジュールするためのプリファレンスを含む。この例では、別の移動に車両をスケジュールするためのプリファレンスの階層内の順位が、車両のメンテナンスのニーズに対処するという別のプリファレンスよりも低い。別の例では、車両が決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、第１の閾値期間よりも短いと推定される第２の移動が利用可能であるか否かに基づく。この例では、車両が決定された待ち時間をどのように費やすべきかを決定することは、乗客が中間目的地において車両に戻ると予想される前に、決定された待ち時間のバッファ期間内に、第２の移動が完了した後、第２の移動で、車両が中間目的地へ再到着することを可能にするか否かに基づいている。加えて、バッファ期間は、決定された待ち時間の信頼性に基づいて決定される。

【図面の簡単な説明】

【0005】

【図1】例示的な実施形態による例示的な車両の機能図である。

【図2】本開示の態様による地図情報の一例である。

【図3】本開示の態様による車両の例示的な外観図である。

【図4】典型的な実施形態による例示的なシステムの絵図である。

【図5】本開示の態様による図４のシステムの機能図である。

【図6】本開示の態様による地理的領域の例示的な鳥瞰図である。

【図7】本開示の態様によるデータの表現例である。

【図8】本開示の態様によるデータの表現例である。

【図9】本開示の態様によるデータの表現例である。

【図10】本開示の態様によるデータの表現例である。

【図11】本開示の態様による例示的なフロー図である。

【発明を実施するための形態】

【0006】

概要
この技術は、自律型車両の複数の目的地または「停車地」を伴う移動の対応することに関する。短い停車には、乗客が降車して、戻ってくることを可能にするもの、および／または車両が移動を継続するために乗客が戻るのを待つ間に追加の乗客を乗車させたり降車させたりすることを含み得る。これは、乗車サービスまたは乗車シェアリングサービスの顧客に提供できる特に重要な機能である。もちろん、車両を延長された期間待たせることは車両の時間を無駄にする可能性があり、これは自律型車両のフリートによって提供される車両や乗車または移動の数が増えるにつれて、かなり顕著になり得る。

【0007】

複数の目的地への移動または短い停車を容易にするために、乗客は、車両に乗車する前または後のいずれかで、最終目的地ならびに１つ以上の中間目的地を特定することができる。さらに、場合によっては、乗客はまた、乗客が１つ以上の中間目的地のそれぞれで費やすと予想する時間を指定し得る。この情報は、自律型車両のフリートを管理するためのフリート管理システムの１つ以上のサーバコンピューティングデバイスに送信され得る。

【0008】

これらの１つ以上の中間目的地のそれぞれについて、フリート管理は、移動を継続するために乗客が戻るのに車両がどれくらい待たされそうかを決定し得る。この待ち時間は、利用可能な場合、乗客からの待ち時間を示す情報、および／またはいくつかの他の要因に基づくことができる。中間目的地での時間が決定されると、フリート管理システムは、車両がその時間をどのように費やすべきかを決定し得る。そうするために、フリート管理システムは、車両が他の移動を提供するように最適化を試み得る。これはまた、乗客が実際に乗車する準備ができた場合に車両が近くにいる可能性が高くなるように、車両を中間目的地の近くに留まらせることを要求し得る。例えば、フリート管理システムは、車両が何をすべきかについてのプリファレンスの階層に従う場合がある。一例として、プリファレンスの階層は、車両の極めて緊急のメンテナンスのニーズをフリート管理システムに解決させようとすることから始まり得る。緊急のメンテナンスのニーズに対処すると、フリート管理システムは、車両を短期間の移動に割り当てることができるか否かを決定し得る。定期的な清掃など、必要なメンテナンスの緊急性が低い場合、フリート管理システムは、車両をメンテナンス場所に割り当てるのではなく、車両を短期間の移動に割り当てることができるか否かを単純に決定し得る。

【0009】

短期間の移動がその地域の別の乗客によって要求されており、中間目的地での時間が短期間の移動にかかる推定時間よりも少なくともある閾値時間長い場合、フリート管理システムは短期間の移動へ車両を割り当て得る。閾値時間は、短期間の移動が終了した後に車両が中間目的地に戻るまでの時間と追加のバッファ期限に基づいて決定され得る。この短期間の移動中および／またはその後、フリート管理システムは、短期間の移動が完了した後、決定された時間内に残っている時間があれば、可能であれば、車両を将来の短期間の移動に継続的に割り当てようと継続的に試みることができる。

【0010】

もちろん、短期間の移動が常に利用できるとは限らない。そうでない場合、フリート管理システムは、長期間の移動がその地域の別の乗客によって要求されているか否かおよび中間目的地での時間が長期間の移動にかかる推定時間よりも少なくともある閾値時間長いか否かを決定し得る。そうである場合、フリート管理システムは、車両を長期間の移動に割り当て得る。この場合も、この閾値時間は、長期間の移動が終了した後に車両が中間目的地に戻るまでにかかる時間と追加のバッファ期間に基づいて決定され得る。この長期間の移動中および／またはその後、フリート管理システムは、メンテナンスのニーズを解決するためにプリファレンスの階層に従うこと、さらに、長期間の移動が完了したと推定された後に、決定された時間内に残っている時間があれば、可能であれば、車両をさらに短期間または長期間の移動に割り当てることを継続的に試みることができる。

【0011】

各短期または長期間の移動の後、および／または短期または長期間の移動が利用できない後、フリート管理システムは、車両が何らかのタイプのメンテナンスを必要とするか否かを再び決定し得る。メンテナンスが完了した場合、および／またはメンテナンスが不要な場合、フリート管理システムは、駐車して乗客を待つように車両に指示を送信し得る。

【0012】

中間目的地で乗車する準備ができたら、乗客はクライアントコンピューティングデバイスを使用して、車両を「呼び戻す」ことができる。これには、クライアントコンピューティングデバイスに、対応する要求をフリート管理システムに送信させる、乗車サービスのアプリケーションでボタンをタップすることが含まれ得る。それに応じて、車両が利用可能である場合、フリート管理システムは、中間目的地に戻り、乗客を乗車させ、移動を完了するように車両に指示を送信し得る。

【0013】

ここで説明する機能により、自律型車両サービスは複数の目的地を伴う移動に対応できる。加えて、フリート管理システムは、車両が非生産的な方法で待って過ごす時間をフリート管理システムが削減できるように、中間目的地で乗客を待っている間に車両が何をすべきかを決定し得る。加えて、そうでなければ、車両が待機することになってしまう間に提供される移動の数を最適化するために、および／または乗客が乗車する準備が出来た場合、車両がすぐに戻って中間目的地で乗客を乗車させることができるように、車両が行うことを選択し得る。本明細書に記載の特徴はまた、乗客が、車両の疑似ディスパッチャとしてふるまうことを可能にし、この車両は、乗客が所有していなくてもよいが、運転手、または乗客が中間目的地にいる場合に車両が何をするかについて心配することなしに、乗客の裁量で、乗客および／または第三者を乗車させ、および降車させるために使用することができる。さらに、本明細書に記載の機能は、乗客が車両を必要としない期間に基づいて、乗客が事実上、車両をサービス停止状態にすることを可能にすることができる様々な所有モデルを可能にし得る。

【0014】

例示的システム
図１に示されるように、本開示の一態様による車両１００は、様々な構成要素を含む。本開示の特定の態様は、特定のタイプの車両に関して特に有用であるが、車両は、どのタイプの車両であってもよく、乗用車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーション用車両などを含むが、これらに限定されない。車両は、１つ以上のプロセッサ１２０、メモリ１３０、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他の構成要素を含むコンピューティングデバイス１１０のような１つ以上の制御コンピューティングデバイスを有し得る。

【0015】

メモリ１３０は、１つ以上のプロセッサ１２０によってアクセス可能である情報を記憶し、その情報には、プロセッサ１２０によって実行または別様に使用され得る命令１３４およびデータ１３２が含まれる。メモリ１３０は、プロセッサによってアクセス可能である情報を記憶することができる任意のタイプのメモリであってもよく、それらには、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ＲＯＭ、ＲＡＭ、ＤＶＤ、もしくは他の光ディスクなどの電子デバイスを使って読み取ることができるデータを記憶する他の媒体、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリが含まれる。システムおよび方法は、上記の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令およびデータの様々な部分が、様々なタイプの媒体に記憶される。

【0016】

命令１３４は、プロセッサにより直接（マシンコードなど）または間接的に（スクリプトなど）実行される任意の一連の命令であってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、互換的に使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のためのオブジェクトコード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされるスクリプトもしくは独立したソースコードモジュールの集合を含む、任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、およびルーチンについては、以下でさらに詳細に説明される。

【0017】

データ１３２は、命令１３４にしたがってプロセッサ１２０によって検索、記憶、または修正されてもよい。例えば、特許請求の範囲の主題は、いかなる特定のデータ構造にも限定されないが、データは、コンピューティングデバイスレジスタ内に、複数の異なるフィールドおよびレコードを有する表としてリレーショナルデータベース内に、ＸＭＬドキュメント、またはフラットファイルで記憶されてもよい。データはまた、任意のコンピューティングデバイス可読形式でフォーマットされてもよい。

【0018】

１つ以上のプロセッサ１２０は、市販されているＣＰＵなどの任意の従来のプロセッサであってもよい。代替的に、１つ以上のプロセッサは、ＡＳＩＣまたは他のハードウェアベースプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。図１は、プロセッサ、メモリ、およびコンピューティングデバイス１１０の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に記憶されていてもいなくてもよい、複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含むことができることは、当業者により、理解されるであろう。例えば、メモリは、ハードドライブ、またはコンピューティングデバイス１１０の筐体とは異なる筐体内に位置する他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並列に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことが理解されよう。

【0019】

コンピューティングデバイス１１０は、上述したプロセッサおよびメモリ、ならびにユーザ入力１５０（例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンおよび／またはマイクロフォン）および様々な電子ディスプレイ（例えば、スクリーンを有するモニタ、または情報を表示するように動作可能である任意の他の電気デバイス）などのコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素であってもよい。この例では、車両は、内部電子ディスプレイ１５２、ならびに１つ以上のスピーカ１５４を含み、情報または視聴覚体験を提供する。この点について、内部電子ディスプレイ１５２は、車両１００の車内に位置していてもよく、コンピューティングデバイス１１０によって使用されて、車両１００内の乗客に情報を提供してもよい。

【0020】

コンピューティングデバイス１１０はまた、１つ以上のワイヤレスネットワーク接続１５６も含むことにより、以下に詳細に説明するクライアントコンピューティングデバイスおよびサーバコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスと容易に通信することができる。無線ネットワーク接続には、ブルートゥース、ブルートゥースローエネルギー（ＬＥ）、携帯電話接続、ならびにインターネット、Ｗｏｒｌｄ Ｗｉｄｅ Ｗｅｂ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、１つ以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、ＷｉＦｉ、およびＨＴＴＰを含む様々な構成およびプロトコル、ならびに上記の様々な組み合わせが含まれてもよい。

【0021】

一例では、コンピューティングデバイス１１０は、自律運転コンピューティングシステムの制御コンピューティングデバイスでもよく、車両１００に組み込まれていてもよい。この自律運転コンピューティングシステムは、メモリ１３０の一次車両制御コードにしたがって車両１００の動きを制御するために、車両の様々な構成要素と通信することが可能であり得る。例えば、図１に戻ると、コンピューティングデバイス１１０は、メモリ１３０の命令１３４にしたがって車両１００の移動、速度などを制御するために、減速システム１６０、加速システム１６２、操縦システム１６４、信号システム１６６、ナビゲーションシステム１６８、測位システム１７０、知覚システム１７２、および動力システム１７４（すなわち、車両のエンジンまたはモータ）などの、車両１００の様々なシステムと通信することができる。この場合も、これらのシステムは、コンピューティングデバイス１１０の外部にあるものとして示されているが、実際には、これらのシステムもまた、車両１００を制御するための自律運転コンピューティングシステムとしてここでも、コンピューティングデバイス１１０の中に組み込まれてもよい。

【0022】

一例として、コンピューティングデバイス１１０は、車両の速度を制御するために、車両のブレーキ、アクセルペダル、および／またはエンジンもしくはモータなど、減速システム１６０および／または加速システム１６２の１つ以上のアクチュエータと相互作用することができる。同様に、ハンドル、操縦シャフト、ならびに／またはラックアンドピニオンシステムのピニオンおよびラックなど、操縦システム１６４の１つ以上のアクチュエータは、車両１００の方向を制御するために、コンピューティングデバイス１１０によって使用され得る。例えば、乗用車またはトラックなどの車両１００が道路上で使用するために構成される場合、操縦システムは、車両の向きを変えるために車輪の角度を制御するための１つ以上のアクチュエータを含んでもよい。信号システム１６６は、例えば、必要に応じて方向指示器またはブレーキライトを点灯させることによって、車両の意図を他の運転者または車両に知らせるために、コンピューティングデバイス１１０によって使用され得る。

【0023】

ナビゲーションシステム１６８は、ある場所までのルートを決定し、かつ追従するために、コンピューティングデバイス１１０によって使用され得る。この点について、ナビゲーションシステム１６８および／またはデータ１３２は、詳細な地図情報、例えば、車道の形状および標高、車線境界線、交差点、横断歩道、速度制限、交通信号、建物、標識、リアルタイム交通情報、草木、または他のそのような対象物および情報を特定する高精密地図を格納することができる。

【0024】

図２は、交差点２０２および２０４を含む、車道の区分に関する地図情報２００の一例である。この例では、地図情報２００は、車線境界線２１０、２１２、２１４、信号機２２０、２２２、横断歩道２３０、歩道２４０、一時停止標識２５０、２５２、および譲れの標識２６０の形状、場所、および他の特徴を識別する情報を含む。車両が運転できる区域は、車両がマップ情報の様々な場所で概して走行すべき場所および方向を示す、１つ以上のレール２７０、２７２、および２７４と関連付けられ得る。例えば、車両は、車線境界線２１０と車線境界線２１２との間の車線内を運転する場合にレール２７０に追従し得、交差点２０４で右折するために、レール２７２に移行し得る。その後、車両は、レール２７４に追従し得る。当然のことながら、レールの数および性質を考慮して、数本のみが、簡潔さおよび理解を容易にするために地図情報２００内に図示されている。

【0025】

本明細書では、地図情報を画像ベースの地図として描いているが、地図情報は、完全に画像ベースである必要はない（例えば、ラスタ）。例えば、地図情報は、１つ以上の道路グラフ、または道路、車線、交差点、およびこれらの特徴間の関係などの情報のグラフネットワークを含み得る。各特徴は、グラフデータとして記憶され得、地理的場所などの情報と関連付けられ得、他の関連する特徴にリンクされているかどうかにかかわらず、例えば、一時停止標識は、道路および交差点などにリンクされ得る。いくつかの例では、関連付けられたデータは、道路グラフのグリッドベースのインデックスを含んで、特定の道路グラフの特徴の効率的な検索を可能にし得る。

【0026】

測位システム１７０は、コンピューティングデバイス１１０により、地図上または地球上の車両の相対的または絶対的位置を判定するために使用され得る。例えば、測位システム１７０は、デバイスの緯度、経度、および／または標高の位置を判定するためのＧＰＳ受信機を含むことができる。レーザベースの位置特定システム、慣性支援ＧＰＳ、またはカメラベースの位置特定などの他の位置特定システムも、車両の位置を特定するために使用することができる。車両の位置は、緯度、経度、および標高などの絶対的な地理的位置だけでなく、多くの場合、より少ないノイズでその絶対的な地理的位置を判定することができる、車両のすぐ周りにいる他の自動車に対する位置などの相対的な位置情報を含むことができる。

【0027】

測位システム１７０はまた、加速度計、ジャイロスコープ、または別の方向／速度検出デバイスなどの、コンピューティングデバイス１１０と通信する他のデバイスも含んで、車両の方向および速度、またはそれらの変化を判定するようにしてもよい。単なる例として、加速デバイスは、重力の方向、または重力に対して垂直な平面に対する車両の縦揺れ、偏揺れ、または横揺れ（またはそれらの変化）を判定することができる。このデバイスはまた、速度の増減、およびそのような変化の方向を追跡することもできる。本明細書で述べたような、デバイスによる位置および配向データの提供は、コンピューティングデバイス１１０、他のコンピューティングデバイス、および上記の組み合わせに自動的に提供されてもよい。

【0028】

知覚システム１７２はまた、他の車両、車道内の障害物、交通信号、標識、樹木などの車両の外部にある対象物を検出するために１つ以上の構成要素を含む。例えば、知覚システム１７２は、レーザ、ソナー、レーダ、カメラ、および／またはコンピューティングデバイス１１０が処理することができるデータを記録する任意の他の検出デバイスを含んでもよい。車両がミニバンなどの乗用車両である場合には、ミニバンは、屋根または他の都合の良い場所に搭載されるレーザまたは他のセンサを含んでもよい。例えば、図３は、車両１００の例示的な外観図である。この例では、屋上にある筐体３１０およびドーム状筐体３１２は、ライダーセンサ、ならびに様々なカメラおよびレーダユニットを含んでもよい。さらに、車両１００の前端に位置する筐体３２０、ならびに車両の運転手側および助手席側の筐体３３０，３３２は、各々、ライダーセンサを格納することができる。例えば、筐体３３０は、運転手ドア３６０の前部に位置している。車両１００はまた、これも、車両１００の屋根上に位置するレーダユニットおよび／またはカメラのための筐体３４０、３４２を含む。追加のレーダユニットおよびカメラ（図示せず）は、車両１００の前端および後端に、および／または屋根もしくは屋上の筐体３１０に沿った他の位置上に位置し得る。

【0029】

コンピューティングデバイス１１０は、様々な構成要素を制御することによって車両の方向および速度を制御し得る。例として、コンピューティングデバイス１１０は、詳細な地図情報およびナビゲーションシステム１６８からのデータを使用して、車両を目的地まで完全に自律してナビゲートすることができる。コンピューティングデバイス１１０は、車両の位置を判定するために測位システム１７０を使用し、その場所に安全に到着する必要がある場合、物体を検出し、かつ物体に応答するために知覚システム１７２を使用してもよい。そうするために、コンピューティングデバイス１１０は、車両を、加速させ（例えば、加速システム１６２により、エンジンに提供される燃料または他のエネルギーを増加させることによって）、減速させ（例えば、エンジンに供給される燃料を低減させ、ギヤを切り替え、および／または減速システム１６０によりブレーキをかけることによって）、方向転換させ（例えば、操縦システム１６４により、車両１００の前輪または後輪の向きを変えることによって）、これらの変更を合図（例えば、信号システム１６６の方向指示器を点灯することによって）させ得る。このため、加速システム１６２および減速システム１６０は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む、動力伝達装置の一部であり得る。この場合も、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス１１０はまた、車両を自律的に操縦するために、車両の動力伝達装置を制御し得る。

【0030】

車両１００のコンピューティングデバイス１１０はまた、輸送サービスの一部であるコンピューティングデバイスのような、他のコンピューティングデバイスとの間で情報を受信または転送することもできる。図４および図５は、それぞれ、例示的なシステム４００の絵図および機能図であり、システムは、ネットワーク４６０を介して接続された複数のコンピューティングデバイス４１０、４２０、４３０、４４０、および記憶システム４５０を含む。システム４００は、車両１００、および車両１００と同じまたは同様に構成され得る車両１００Ａ、１００Ｂも含む。簡潔にするため、いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみを図示しているが、典型的なシステムは、これよりもはるかに多くのものを含み得る。

【0031】

図４に示されるように、コンピューティングデバイス４１０、４２０、４３０、４４０の各々は、１つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含むことができる。そのようなプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、コンピューティングデバイス１１０の１つ以上のプロセッサ１２０、メモリ１３０、データ１３２、および命令１３４と同様に構成されてもよい。

【0032】

ネットワーク４６０および仲介ノードは、ブルートゥース、ブルートゥースＬＥ、インターネット、Ｗｏｒｌｄ Ｗｉｄｅ Ｗｅｂ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、１社以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、ＷｉＦｉ、およびＨＴＴＰ、ならびに上記の様々な組み合わせなどの短距離通信プロトコルを含む様々な構成およびプロトコルを含んでもよい。このような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを送信することができる任意のデバイスによって容易に行われ得る。

【0033】

一例では、１つ以上のコンピューティングデバイス１１０は、複数のコンピューティングデバイスを有する１つ以上のサーバコンピューティングデバイス、例えば、データを他のコンピューティングデバイスとの間で受信、処理、および送信する目的で、ネットワークの異なるノードと情報を交換する負荷分散サーバファームを含み得る。例えば、１つ以上のコンピューティングデバイス４１０は、ネットワーク４６０を介して、車両１００のコンピューティングデバイス１１０、または車両１００Ａ、１００Ｂの同様のコンピューティングデバイス、ならびにコンピューティングデバイス４２０、４３０、４４０と通信可能な１つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、車両１００、１００Ａ、１００Ｂは、サーバコンピューティングデバイスによって様々な場所に配車することができる車両のフリートの一部でもよい。これに関して、サーバコンピューティングデバイス４１０は、フリート管理システム（以下、フリート管理システム４１０）として機能し得る。加えて、フリートの車両は、以下でさらに論じられるように、車両のそれぞれの測位システムによって提供される位置情報、ならびに以下でさらに論じられる、車両の状態に関する他の情報を定期的にフリート管理システムに送信することができ、フリート管理システムは、フリートの車両のそれぞれの場所および状態を追跡し得る。

【0034】

加えて、サーバコンピューティングデバイス４１０は、ネットワーク４６０を使用して、コンピューティングデバイス４２０、４３０、４４０のディスプレイ４２４、４３４、４４４などのディスプレイ上に、ユーザ４２２、４３２、４４２などのユーザに情報を送信および提示し得る。この点について、コンピューティングデバイス４２０、４３０、４４０は、クライアントコンピューティングデバイスとみなされ得る。

【0035】

図５に示されるように、各クライアントコンピューティングデバイス４２０、４３０、４４０は、ユーザ４２２、４３２、４４２が使用することを意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであってもよく、１つ以上のプロセッサ（例えば、中央処理装置（ＣＰＵ））、データおよび命令を記憶するメモリ（例えば、ＲＡＭおよび内蔵ハードドライブ）、ディスプレイ４２４、４３４、４４４などのディスプレイ（例えば、スクリーンを有するモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように動作可能である他のデバイス）、およびユーザ入力デバイス４２６、４３６、４４６（例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフォン）を含む、パーソナルコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素を有し得る。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカ、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素を含んでもよい。

【0036】

クライアントコンピューティングデバイス４２０、４３０、および４４０は、各々、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを含んでもよいが、代替的に、インターネットなどのネットワークを介してサーバコンピューティングデバイス（フリート管理システム４１０のサーバコンピューティングデバイスのような）とデータを無線で交換することが可能であるモバイルコンピューティングデバイスを含み得る。単なる例として、クライアントコンピューティングデバイス４２０は、携帯電話もしくは無線対応ＰＤＡなどのデバイス、タブレットＰＣ、ウェアラブルコンピューティングデバイスもしくはシステム、またはインターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックであってもよい。別の例では、クライアントコンピューティングデバイス４３０は、図５に示されるように、腕時計として示されるウェアラブルコンピューティングシステムであってもよい。一例として、ユーザは、小型キーボード、キーパッド、マイクロフォンを使用して、カメラを用いる視覚信号、またはタッチスクリーンを使用して、情報を入力し得る。

【0037】

メモリ１３０と同様に、記憶システム４５０は、ハードドライブ、メモリカード、ＲＯＭ、ＲＡＭ、ＤＶＤ、ＣＤ－ＲＯＭ、書き込み可能メモリ、および読み出し専用メモリのような、フリート管理システム４１０によってアクセス可能である情報を記憶することができる、任意のタイプのコンピュータ化された記憶装置であり得る。さらに、記憶システム４５０は、データが、同じまたは異なる地理的位置に物理的に位置し得る複数の異なる記憶デバイス上に記憶される分散型記憶システムを含んでもよい。記憶システム４５０は、図４および図５に示すように、ネットワーク４６０を介してコンピューティングデバイスに接続されてもよく、および／またはコンピューティングデバイス１１０、４１０、４２０、４３０、４４０などのいずれかに直接接続されるか、もしくは組み込まれてもよい。

【0038】

記憶システム４５０は、以下でより詳細に説明されるように、様々なタイプの情報を記憶することができる。この情報は、本明細書で記載する機能の一部またはすべてを実行するために、１つ以上のフリート管理システム４１０のものなどのサーバコンピューティングデバイスによって検索されるか、または別様にアクセスされ得る。例えば、記憶システム４５０はまた、車両が何をすべきかについてのプリファレンスの階層を記憶し得る。

【0039】

一例として、記憶システム４５０の情報は、上述のように、フリートの各車両の状態および特徴、ならびに上述の地図情報を含み得る。例えば、フリートの車両が走り回ると、それらは、絶えずおよび／または定期的に、フリート管理システム４１０にそれらの状態を伝送し得る。これには、例えば、車両が現在移動中であるか否か（例えば、乗客および／または貨物を輸送している）、車両の現在の目的地、および／または車両の１つ以上の追加の将来の目的地（以下でさらに論じる）、車両にメンテナンスのニーズがあるか否かなどが含まれ得る。一例として、メンテナンスのニーズには、車両が、冷却もしくは日よけ、給油もしくは充電、清掃、定期点検（非常に多くの時間、移動、または走行距離のサービス後）、センサの再較正（故障または定期的なメンテナンスに対処するため）または他のメンテナンスを必要としているか否かが含まれ得る。フリート管理システム４１０は、車両の情報を記憶システム４５０に記憶し得る。

【0040】

輸送サービスをユーザに提供するために、記憶システム４５０の情報は、フリート管理システムに対してユーザを識別するために使用することができる資格証明のようなユーザアカウント情報（例えば、従来の単一要素認証の場合のようなユーザ名およびパスワードなどの識別子、ならびにランダムな識別子、生体認証などのような多要素認証において通常使用される他のタイプの資格証明）を含み得る。ユーザアカウント情報はまた、ユーザの名前、連絡先情報、ユーザのクライアントコンピューティングデバイス（または、同じユーザアカウントで複数のデバイスが使用されている場合はデバイス）の識別情報、ユーザに関する１つ以上の固有の信号などの個人情報、ならびに他のユーザのプリファレンスまたは設定データを含み得る。

【0041】

例示的な方法
上述し、図に示した動作に加えて、様々な動作を、ここで説明する。以下の動作は、以下に説明する正確な順序で実行される必要がないことを理解されたい。むしろ、様々なステップが、異なる順序で、または同時に処理される可能性があり、ステップもまた、追加または省略されてもよい。

【0042】

上述のように、フリートの車両は走り回り、それらはフリート管理システムにそれらの状態を絶えず報告し得る。例えば、各車両の測位システム１７０は、車両のコンピューティングデバイス１１０に車両の場所および位置を提供することができる。次に、コンピューティングデバイス１１０は、この情報を状態メッセージとしてフリート管理システム４１０に送信し得る。車両の位置に加えて、車両の異なるシステムはまた、コンピューティングデバイス１１０に情報を送信し得る。これは、例えば、冷却もしくは日よけ、給油もしくは充電、洗浄、定期点検（非常に多くの時間、移動、もしくは走行距離でのサービス後）、センサの再較正（故障または定期的なメンテナンスに対処するため）、または他のメンテナンスを車両が必要とするか否かを含み得る。これはまた、状態メッセージまたは他のメッセージによってフリート管理システム４１０に送信され得る。

【0043】

上述のように、フリート管理システム４１０は、状態メッセージを受信して、記憶システム４５０における各車両の状態を追跡し得る。例えば、図６は、交差点６０２および６０４を含む道路６００の区分で操縦されている車両１００、１００Ａ、および１１０Ｂを示す。図６の例では、交差点６０２および６０４は、それぞれ地図情報２００の交差点２０２および２０４に対応する。この例では、車線境界線６１０、６１２、および６１４は、車線境界線２１０、２１２、および２１４の形状、場所、および他の特徴にそれぞれ対応する。同様に、横断歩道６３０は、横断歩道２３０の形状、場所、および他の特徴にそれぞれ対応し、歩道６４０は、歩道２４０に対応し、信号機６２０、６２２は、信号機２２０、２２２にそれぞれ対応し、一時停止標識６５０、６５２は、一時停止標識２５０、２５２にそれぞれ対応し、譲れの標識６６０は、譲れの標識２６０に対応する。

【0044】

図７は、それぞれ、車両１００、１００Ａ、１００Ｂのそれぞれについての状態メッセージ７１０、７２０、７３０の例である。この例では、車両１００は移動に利用可能であり、車両１００Ｂは移動に利用できず（例えば、車両１００Ｂは乗客および／または貨物によって占有され得る）、車両１００Ａは移動に利用可能である。しかしながら、車両１００は「完全に利用可能」であり得、車両１００Ａは特定の期間のみ利用可能であり得る。これは、例えば、以下でさらに説明するように、フリート管理システム４１０によって決定され得る。さらに、メッセージ７１０、７２０、７３０はまた、車両１００Ｂがメンテナンスのニーズを有しているのに対し、車両１００および１００Ａはメンテナンスのニーズを有していないことを示している。簡単にするために示されていないが、メッセージはまた、車両の現在の目的地、車両がフリート管理システムから受信した最後のメッセージなどの他の情報を示し得る。

【0045】

フリート管理システム４１０は、これらの状態メッセージを使用して、記憶システム４５０を更新し得る。したがって、フリート管理システム４１０は、各車両の状態を経時的に追跡し得る。状態メッセージを使用することに加えて、フリート管理システム４１０はまた、各車両がサービスしているまたはサービスしていない時間数、車両が点検されてからの時間数、車両のセンサが較正されてからの時間数などの情報を追跡し得る。

【0046】

車両に要求するため、ユーザは、輸送サービス、またはむしろ車両を要求するためのアプリケーションをクライアントコンピューティングデバイスにダウンロードし得る。例えば、ユーザ４２２および４３２は、電子メールのリンクを介して、ウェブサイトから直接、またはアプリケーションストアからクライアントコンピューティングデバイス４２０および４３０にアプリケーションをダウンロードすることができる。例えば、クライアントコンピューティングデバイスは、ネットワークを介して、例えば、１つ以上のフリート管理システム４１０、１１０にアプリケーションの要求を送信し、それに応答して、アプリケーションを受信し得る。アプリケーションは、クライアントコンピューティングデバイスにローカルにインストールされ得る。

【0047】

次に、ユーザは自分のクライアントコンピューティングデバイスを使用してアプリケーションにアクセスし、車両を要求することができる。一例として、ユーザ４３２のようなユーザは、クライアントコンピューティングデバイス４３０を使用して、フリート管理システム４１０に車両についての要求を送信し得る。この一部として、ユーザは、乗車場所および目的地を特定し得る。複数の目的地への移動または短い停車を容易にするために、乗客は、車両に乗車する前または後のいずれかで、最終目的地および１つ以上の中間目的地を特定し得る。

【0048】

例えば、図８は、図６および図７の例に近い時点での車両に対する「現在の」要求８１０、８２０、８３０の例を提供する。この例では、各要求は、乗客（例えば、識別番号による）、乗車場所、および目的地を特定し得る。要求８１０および８３０の例では、乗客はまた、１つ以上の中間目的地を特定している。

【0049】

図９は、要求８１０を行った乗客のような乗客のための移動９００の場所の例を提供する。移動９００は、場所Ａに対応する乗客のための乗車場所９１０（これは、例えば、乗客および／または乗客のクライアントコンピューティングデバイスの現在の場所であり得る）、場所Ａ’に対応する乗客のための中間目的地９２０、および場所Ａ”に対応する乗客の最終目的地９３０を含む。この情報は、例えば、ネットワーク４６０を介して、乗客のクライアントコンピューティングデバイスによってフリート管理システム４１０に提供されたかもしれない。

【0050】

車両の要求に応じて、フリート管理システム４１０は、乗客のために車両を選択し得る。例えば、フリート管理システム４１０は、車両のフリートの各車両の状態に関する記憶システム４５０内の情報に基づいて、要求８１０の乗客に割り当てられる、車両１００などの利用可能な車両を選択し得る。例えば、車両が乗客の近くにいて、輸送サービスを自由に提供でき、緊急のメンテナンスを必要としないなどの場合に、その車両が選択され得る。

【0051】

選択されると、利用可能な車両が乗客に割り当てられ得る。例えば、フリート管理システム４１０は、記憶システム４５０内の車両１００の状態を更新し得る。さらに、フリート管理システム４１０は、例えば、ネットワーク４６０を介して、乗車場所を車両１００のコンピューティングデバイス１１０に送信し得る。コンピューティングデバイス１１０はまた、乗車場所を車両１００の「次の目的地」として設定し得る。さらに、コンピューティングデバイス１１０はまた、最終目的地ならびに中間目的地を受信し得、および／またはこの情報は、車両が乗車場所および／または中間目的地に到達した場合に車両のコンピューティングデバイスに送信され得る。

【0052】

さらに、場合によっては、乗客は、乗客が１つ以上の中間目的地のそれぞれで費やすと予想する時間を指定し得る。例えば、乗客は、中間目的地９２０の場所にいると予想する時間を示す予想時間を指定することができる。これは、乗客が１つ以上の中間目的地を指定した場合、車両が１つ以上の中間目的地のそれぞれに到達した場合、またはその間のある時点で発生し得る。これに関して、この情報は、乗客によって（例えば、アプリケーションを介して）乗客のクライアントコンピューティングデバイスに、および／またはユーザ入力１５０などの車両のユーザ入力を介して入力され得る。この情報は、乗客のクライアントコンピューティングデバイスおよび／またはコンピューティングデバイス１１０によって、この場合もネットワーク４６０を介してフリート管理システム４１０に送信され得る。

【0053】

これらの１つ以上の中間目的地のそれぞれについて、フリート管理システム４１０は、移動を継続するために乗客が戻るのに車両がどのくらい待たされそうなのかを決定することができる。この待ち時間は、利用可能な場合、乗客によって提供される予想時間、および／または複数の要因に基づくことができる。複数の要因には、例えば、履歴の待ち時間、乗客の数、中間目的地で単に別の乗客を乗車させるかまたは降車させるだけかどうか（例えば、乗車が１人以上の他の乗客と継続する場合）、人々（例えば、顧客）が中間目的地または他の同様の場所（複数可）（例えば、同じまたは同様のタイプの場所）に関連付けられた場所にどのくらい滞在する傾向があるのかに関する第三者ソースからのデータ、車両が中間目的地（例えば、食料品店は通常、午前１１時よりも午後１１時の方が混雑しておらず、乗客がネイルサロン、病院、診療所、歯科医院などのサービス提供業者で費やし得る時間は、乗客が銀行または郵便局で費やす時間よりも長くなる場合があり、乗客が郵便局で費やす時間は、時間帯、月、または季節によって異なる場合があるなど）、乗客および／または第三者が中間目的地で貨物を積み込むかまたは降ろす必要があるかどうか、リアルタイムの交通渋滞、または周辺のビジネス（例えば、混雑した駐車場では、混雑していない駐車場と比較して乗客が車両に到達するのにより時間がかかる可能性がある）などが含まれ得る。例として、履歴の待ち時間は、この特定の場所または他の同様の場所（複数可）での、この特定の乗客の待ち時間の過去の履歴、この特定の場所または他の類似の場所（複数可）で同様の状況にいる乗客の過去の履歴（すなわち、同じまたは類似の人口統計または特徴（例えば、虚弱、年齢、職業、性別など）を有する他の乗客、子供などを連れた乗客）、この特定の場所または他の類似の場所（複数可）でのすべての乗客の過去の履歴など、を含み得る。リアルタイムの交通渋滞またはビジネスは、情報サービス（例えば、第三者ソース）から、例えば、ネットワーク４６０を介して、１つ以上の他のサーバコンピューティングデバイスによって、地域のカメラまたはビデオフィードから取得され得るなど。場合によっては、複数の場所が中間の目的地に関連付けられている場合があり（例えば、ショップやサービス提供業者のグループ、またはオフィスビルのクラスター、ドライブウェイや駐車場を共有している）、乗客は乗客が中間目的地で訪問するつもりの１つ以上の場所を示し得、これは、待ち時間の要因に含まれる場合がある。複数の場所が中間目的地に関連付けられている他の例では、乗客は予想される待ち時間を指定し得、これはさらに、乗客が中間目的地にいる間に乗客によって変更可能であり得る（例えば、列が予想外に長いまたは短い場合、乗客が中間目的地でさらに用事を追加することを選択した場合、またはその他の理由）。

【0054】

一例として、フリート管理システム４１０は、複数の要因のそれぞれに基づいて待ち時間を推定し（所与の要因について利用可能な情報があると仮定して）、平均を取ることができる。別の例として、複数の要因のそれぞれは、その要因に対する推定における信頼性によって重み付けされ、その後、平均を取ることができる。もちろん、要因に対する推定時間の中の標準偏差が大きいほど、中間目的地での平均時間またはそれに対して決定された時間の信頼度は低くなる。

【0055】

中間目的地の待ち時間が決定されると、フリート管理システム４１０は、車両がその待ち時間をどのように費やすべきかを決定し得る。そうするために、フリート管理システムは、車両が他の移動を提供するように最適化を試み得る。これはまた、乗客が実際に乗車する準備ができた場合に車両が近くにいる可能性が高くなるように、車両を中間目的地の近くに留まらせることを要求し得る。例えば、フリート管理システム４１０は、記憶システム４５０に記憶された、車両が何をすべきかについての前述のプリファレンスの階層に従い得る。

【0056】

プリファレンスの階層は、フリート管理システム４１０に、車両の極めて緊急のメンテナンスのニーズを解決させようとすることから始まり得る。例えば、メンテナンスのニーズに関する車両１００の状態は、経時的に変化し得る。これに関して、車両１００は、図７の例の時点ではメンテナンスのニーズがなかったが、車両が中間目的地に接近すると、そうではなくなっている場合がある。さらに、さまざまなメンテナンスのニーズがさまざまな緊急性レベルに関連付けられている場合がある。より高いレベルまたは緊急性は、後延ばしすることができない緊急のメンテナンスのニーズに対応し得、より低いレベルの緊急性は、後延ばしすることができる緊急性の低いまたは緊急でないメンテナンスのニーズに対応し得る。緊急のメンテナンスのニーズが解決された場合、および／または解決が遅れる可能性がある場合、プリファレンスの階層により、フリート管理システム４１０は、車両を１つ以上の短期間の移動に向かわせることができ、その移動は、追加の場所の位置から時間的または空間的に、車両にとってある所定の距離を超えない。与えられた待ち時間で利用できないかまたは不可能である場合、プリファレンスの階層により、フリート管理システム４１０は、車両を１つ以上の長期間の移動に向かわせようと試み、その移動は車両にとって追加の場所の位置から、時間的または空間的にある所定の距離を超えない。与えられた決定された待ち時間で利用できないかまたは不可能である場合、プリファレンスの階層は、フリート管理システム４１０に、車両がメンテナンスを必要とするか否かを再度決定させ、十分な時間があれば、緊急性の低いメンテナンスのニーズを解決させる。その後、プリファレンスの階層は、フリート管理システム４１０に、駐車して待機する指示を車両に提供させ得る。

【0057】

例えば、フリート管理システム４１０は、最初に、車両が何らかのタイプのメンテナンスを必要とするか否かを決定し得る。これは、例えば、記憶システム４５０において車両１００の状態を参照することによって決定され得る。車両がメンテナンスを必要とし、必要なメンテナンスが緊急である場合（すなわち、重要なセンサに問題がある場合、または車両が燃料および／または充電電力を使い果たしている場合）、フリート管理システム４１０は、次に、メンテナンスおよび／または充電場所が中間目的地の近くにあるか否かを決定し得る。そうである場合、フリート管理システム４１０は、メンテナンスが完了するまで、車両をメンテナンス場所に割り当て得る。この点で、車両は、そうでなければ中間目的地で乗客の帰りを待っていたであろうときに、生産性を発揮することができる。フリート管理システム４１０ １１０は、例えば、ネットワーク４６０を介して車両に指示を送信して、車両を中間目的地からメンテナンス場所に進めさせ得る。この場合も、車両のコンピューティングデバイスに、車両の現在の目的地をメンテナンス場所に設定させ得る。これはまた、車両からの次の状態メッセージでフリート管理システムに報告され得る。

【0058】

同様に、メンテナンスが以前にスケジュールされており、車両がメンテナンス場所に行くことができるウィンドウを有する場合、フリート管理システム４１０は、メンテナンスが完了するまで車両をメンテナンス場所に割り当て得る。別の例では、車両に充電が必要であり、近くの高速充電ステーションで車両を再充電する機会がある場合、および／または現在の電気料金が低い場合（例えば、充電コストは１日の異なる時間帯において低くなる場合がある）、フリート管理システム４１０は、メンテナンスが完了するまで、車両を充電場所に割り当て得る。この点で、車両は、そうでなければ中間目的地で乗客の帰りを待っていたであろうときに、生産性を発揮することができる。この場合も、フリート管理システム４１０は、例えばネットワーク４６０を介して車両のコンピューティングデバイスに指示を送信し得、車両をメンテナンス場所に進めさせる。もちろん、充電コストが高く、車両が１つ以上の短い移動を提供できる場合、フリート管理システム４１０は、車両を充電場所に割り当てることを延期し得る。

【0059】

緊急のメンテナンスに対処すると、フリート管理システム４１０は、車両を短期間の移動に割り当てることができるか否かを決定し得る。言い換えれば、緊急ではないメンテナンス、例えば、定期的な清掃は、適切な短期間の移動を優先して延期され得る。そのような場合、フリート管理システム４１０は、車両をメンテナンス場所に割り当てるのではなく、車両を適切な短期間の移動に割り当てることができるか否かを単に決定し得る。例えば、車両が短期間の移動ａを完了するための時間が、決定された待ち時間よりも少なくともいくらかある閾値時間よりも短い場合、短期間の移動が適切であると見なされ得る。そうである場合、フリート管理システム４１０は、例えば、ネットワーク４６０を介して車両に指示を送信して、短期間の移動の実行に進ませることができる。一例として、短期間の移動は、１０分以上または以下など、ある所定の期間より短い移動であり得る。

【0060】

例えば、図１０は、車両１００が中間目的地９２０で乗客を降車させる前または後のある後の時点での車両に対する「現在の」要求１０１０の例を提供する。この例では、各要求は、乗客（例えば、識別番号による）、乗車場所、および目的地を特定し得る。例えば、要求１０１０が短期間の移動である場合、車両１００は、要求１０１０の乗客に割り当てられ得る。この点で、車両は、そうでなければ中間目的地で乗客の帰りを待っていたであろうときに、生産性を発揮することができる。フリート管理システム４１０は、例えば、ネットワーク４６０を介して車両に指示を送信して、車両に短期間の移動の実行を進めさせ得る。短期間の移動の例は、使い走り、配達、またはその乗客もしくは別の人が、この待ち時間中に行い得るピックアップ（ドライクリーニング、コーヒー、またはお店での物品などのピックアップ）など、乗客および／または貨物を輸送するための移動を含み得る。

【0061】

閾値時間は、短期間の移動が終了した後に車両が中間目的地に戻るまでの時間と追加のバッファ期間に基づいて決定され得る。このバッファ期間は、５分以上またはそれ以下などの固定期間である場合もあれば、決定された時間の信頼性に基づいて決定される場合もある。言い換えると、信頼性が低い場合はより大きなバッファを使用でき、信頼性が高い場合はより小さなバッファを使用できる。この短期間の移動中および／またはその後、フリート管理システム４１０は、短期間の移動が完了した後、決定された時間内に残っている時間があれば、可能であれば、車両を将来の短期間の移動に継続的に割り当てようとすることができる。

【0062】

もちろん、短期間の移動が常に利用できるとは限らない。そうでない場合、フリート管理システム４１０は、その区域内の別の乗客によって適切な長期間の移動が要求されているかどうかを決定することができる。長期間の移動は、１０分以上またはそれ以下などのある所定の期間よりも長い移動であり得る。加えて、車両が長期間の移動を完了するためにかかる時間が、決定された待ち時間よりも少なくともある閾値時間よりも短い場合、長期間の移動が適切であるとみなされ得る。もちろん、車両が長期間の移動を提供できるか否かもまた、車両の状態（例えば、車両が十分な燃料またはバッテリーの充電を有するかどうか）に基づいて、フリート管理システム４１０によって決定され得る。その場合、フリート管理システム４１０は、車両を長期間の移動に割り当て得る。例えば、図１０に戻ると、要求１０１０が長期間の移動である場合、車両１００は、要求１０１０の乗客に割り当てられ得る。この点で、車両は、そうでなければ中間目的地で乗客の帰りを待っていたであろうときに、生産性を発揮することができる。この場合も、フリート管理システム４１０ １１０は、例えば、ネットワーク４６０を介して車両に指示を送信して、車両に長期間の移動の実行を進めさせ得る。

【0063】

この場合も、この閾値時間は、長期間の移動が終了した後に車両が中間目的地に戻るまでの時間と追加のバッファ期間に基づいて決定され得る。加えて、このバッファ期間は、５分以上またはそれ以下などの固定期間である場合もあれば、決定された時間の信頼性に基づいて決定される場合もある。言い換えると、信頼性が低い場合はより大きなバッファを使用でき、信頼性が高い場合はより小さなバッファを使用できる。この長期間の移動中および／またはその後、フリート管理システム４１０は、メンテナンスのニーズを解決するために、ならびに、長期間の移動が完了したと推定された後、決定された時間内に残っている時間があれば、可能であれば、車両をさらに短期または長期間の移動に割り当てるために、プリファレンスの階層に従うことを継続的に試みることができる。

【0064】

各短期または長期間の移動の後、および／または短期または長期間の移動が利用できない場合、フリート管理システム４１０は、再び、プリファレンスの階層に継続して従い得る。これには、車両に何らかのタイプのメンテナンスが必要かどうかを再度判断するフリート管理システムが関与し得る。必要なメンテナンスが緊急であり（すなわち、重要なセンサに問題があるか、または車両の燃料がきれそうである）、メンテナンス場所が近くにある場合、フリート管理システム４１０は、メンテナンスが完了するまで車両をメンテナンス場所に割り当て得る。必要なメンテナンスがそれほど緊急ではない場合、フリート管理システム４１０は、車両をメンテナンス場所に割り当てることができるか、メンテナンスが完了すると推定された後、決定された時間内に残り時間があれば、メンテナンスを完了することができるか否かを決定し得る。他の例にあるように、これには、メンテナンスが終了した後、車両が中間目的地に戻ることができるように十分な時間が残っている必要があり、さらに追加のバッファ期間が必要になる場合がある。この場合も、このバッファ期間は、５分以上またはそれ以下などの固定期間である場合もあれば、決定された時間の信頼性に基づいて決定される場合もある。

【0065】

メンテナンスが完了した場合、および／またはメンテナンスが不要であり、車両に適した短期または長期間の移動がない場合、フリート管理システム４１０は、例えば、ネットワーク４６０を介して車両に指示を送信して、車両を駐車させ、中間目的地で乗客を待たせ得る。場合によって、フリート管理システム４１０は、特に決定された待ち時間が非常に短い場合、車両が中間目的地の場所の近くに駐車するように指示を送信し得る。決定された待ち時間がより長い場合、および／または中間目的地の場所の近くに駐車することに伴う費用（例えば、有料駐車）がある場合、フリート管理システム４１０は、車両が中間目的地の場所からさらに離れて駐車するように指示を送信することができる。場合によっては、駐車費用がある場合でも、フリート管理システム４１０は、乗客のプリファレンスに基づいて、および／または乗客が以下でさらに論じるように特定のレベルのサービスのために車両を予約したか否かに基づいて、近くに駐車するように指示を送信することができる（例えば、乗客に駐車費用および／または乗客を待っているために移動の機会を失ったことに起因するその他の費用を支払いまたは前払いをする意思があることを確認するように促した後）。

【0066】

例えば、サービスのレベルに応じて、プリファレンスの階層を調整し得、または異なるプリファレンスの階層を使用し得る。言い換えると、前述のプリファレンスの階層は、デフォルトのサービスレベルの”デフォルト”のプリファレンスの階層であり得る。乗客がより高いレベルのサービスを選択することを選択した場合、フリート管理システム４１０は、乗客が実際に乗車の準備ができるときまでに車両が利用可能になるように最適化し得る。例えば、プリファレンスの階層は、フリート管理システム４１０が長期間の移動を割り当てるのを可能としない、短期間の移動を定義する期間を減らすか、またはフリート管理システム４１０が短期間の移動をまったく割り当てることができない、短期間の移動に前述のバッファを増やす、車両を中間目的地の場所の近くに駐車させる（駐車するために支払いまたは追加料金を必要とする場合でも）など、様々な方法でデフォルトから変更され得る。

【0067】

中間目的地で乗車する準備ができたら、乗客はクライアントコンピューティングデバイスを使用して、車両を「呼び戻す」ことができる。これは、乗客のクライアントコンピューティングデバイスを使用してアプリケーション内のボタンをタップするか、または他の方法でオプションを選択することを含み得、これにより、クライアントコンピューティングデバイスは、車両を呼び戻すためにフリート管理システム４１０に要求を送信する。それに応じて、車両１００が利用可能である（すなわち、メンテナンスを受けていないか、または移動を提供していない）場合、フリート管理システム４１０は、例えば、ネットワーク４６０を介して車両に指示を送信し、中間目的地に戻り、乗客を乗車させ、移動を完了させ得る。これには、追加の中間目的地での停車や、最終目的地への乗客の輸送が含まれ得る。車両１００が利用できない場合、フリート管理システム４１０は、車両が中間目的地に到達するための期間を推定し得る。この期間が閾値期間よりも短い、例えば、１０分以上または以下（もちろん、サービスのレベルに応じて下方に調整され得る）の場合、フリート管理システム４１０は、例えば、乗客のクライアントコンピューティングデバイス上のアプリケーションを介して、別の車両をつかまえるのを待つオプションを乗客に提供し得る。

【0068】

場合によって、乗客が車両に物品を置き忘れる場合がある。そうである場合、乗客は、乗客のクライアントコンピューティングデバイスを介してアプリケーションで、それらの物品を、後で、車両のサービスエリア内の特定の場所にいる乗客へ配達させるオプションを与えられ得る。もちろん、これには制限があり得、物品が乗客の自宅、乗客の職場、サービスが管理するまたはサービスと提携している乗客にとって便利な場所（つまり、車両保管庫、サービスと提携するコーヒーショップもしくはレストラン、またはその他のそのような場所）、特定の場所の物理的なロッカー、またはその他の手ごろ場所のような、所定の場所に物品が配達または預けられる妥当な時間などである。配達は、乗客の物品を盗難から保護するために、乗客が物品にアクセスすることを許可する前に、乗客（むしろ乗客のクライアントコンピューティングデバイス）に車両への認証、話しかけ、および／または遠隔の顧客サービスエージェントによる視認などを要求することによって達成され得る。加えて、乗客が中間目的地にいる間、乗客が車両に物品を安全に残す能力を容易にするために、車両は、物品を安全に保管するための施錠可能なコンパートメントを含み得る。

【0069】

上記の例では、待ち時間を決定することは、移動ごとまたは中間目的地ごとに１回発生し得ることを示唆しているが、待ち時間は実際に更新され得る。これらの更新は定期的、例えば、１分以上またはそれ以下ごとであってもよく、または状況が待ち時間が変更されたことを示し得るいつでもよい。例えば、上述のように、乗客が、例えば、乗客のクライアントコンピューティングデバイス上のアプリケーションのオプションを使用して、予想される待ち時間を増加または減少させることによってのように変更する場合、待ち時間は更新され得るか、または、上述の要因のいずれかを使用して再計算され得る。

【0070】

場合によって、中間目的地は、移動をスケジュールした乗客の前に起こる乗車場所であり得る。この点に関して、中間目的地は、乗客が車両に乗っていない場合に、その乗客と一緒に乗る第三者を乗車させることを伴い得る。正しい第三者が車両に乗車する（または車両に貨物を積み込む）ことを確実にするために、フリート管理システム４１０はまた、トークン（例えば、一旦乗客によって識別された第三者へのテキストメッセージまたは電子メールを介して）を使用して、超音波（ウィスパーネット）を使用して、乗客に送信された第三者のカメラ画像またはビデオ画像で第三者を確認して、顧客サービスへの電話などで、認証を実施することができ得る。

【0071】

図１１は、上述のように移動サービスを提供する自律型車両のフリートを管理するためのいくつかの例の例示的なフロー図１１００を含む。この例では、フロー図のステップは、フリート管理システム４１０のサーバコンピューティングデバイスのプロセッサなど、１つ以上のコンピューティングデバイスの１つ以上のプロセッサによって実行され得る。ブロック１１１０において、移動の中間目的地および最終目的地を識別する情報が識別される。この例では、中間目的地は、自律型車両が乗客を降車させ、かつ移動を続けるために待っている目的地であり、最終目的地は車両が乗客を降車させて移動が終了する目的地である。ブロック１１２０にて、車両が中間目的地でどのくらい乗客に待たされそうかを決定する。ブロック１１３０にて、決定された時間を自律型車両のフリートの車両がどのように費やすべきかが決定される。車両がその時間をどのように費やすべきかの決定に基づいて、ブロック１１４０にて指示が車両に送信される。

【0072】

ここで説明する機能により、自律型車両サービスは複数の目的地を伴う移動に対応できる。さらに、フリート管理システムは、車両が非生産的に待機して費やす時間をフリート管理システムが削減できるように、中間目的地で乗客を待っている間に車両が何をすべきかを決定し得る。さらに、上述のように、提供される移動の数を最適化するために、そうでなければ、車両が待機していたかもしれない間、および／または乗客が乗車する準備が出来た場合、車両がすぐに戻って中間目的地で乗客を乗車させることができるように、車両が行うことを選択し得る。さらに、本明細書に記載の特徴により、乗客は、車両の疑似ディスパッチャとしてふるまうことができ、この車両を、乗客は所有していなくてもよいが、運転手、または乗客が中間の目的地にいる場合に車両が何をするかについて心配することなしに、乗客の裁量で、乗客および／または第三者を乗車させ、および降車させるために使用することができる。さらに、本明細書に記載の特徴は、乗客が車両を必要としない時間（すなわち、乗客が中間目的地にいる時間）に基づいて、乗客が事実上車両をサービス停止状態にすることを可能にすることができる様々な所有モデルを可能にし得る。

【0073】

特段の記述がない限り、前述の代替的な例は、相互に排他的ではないが、独自の有益点を達成するために様々な組み合わせで実施され得る。上述した特徴のこれらおよび他の変形および組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用することができるので、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題を限定するものとしてではなく、例示としてみなされるべきである。加えて、本明細書に記載された実施例、ならびに「など」、「含む」などと表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、実施例は、多くの可能な実施形態のうちの１つだけを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を特定することができる。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【手続補正書】

【提出日】2021-10-21

【手続補正1】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図1】

【手続補正2】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図５

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図5】

【手続補正3】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図６

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図6】

【手続補正4】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図７

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図7】

【手続補正5】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図８

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図8】

【手続補正6】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図９

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図9】

【手続補正7】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１０

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図10】

【国際調査報告】