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特表2022-510867ハイブリッドデジタルマルチバンド光受信器および送信器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】ハイブリッドデジタルマルチバンド光受信器および送信器
(51)【国際特許分類】
   H04J 14/02 20060101AFI20220121BHJP
   H04B 10/073 20130101ALI20220121BHJP
   H04B 10/516 20130101ALI20220121BHJP
   H04B 10/61 20130101ALI20220121BHJP
【FI】
H04J14/02 198
H04B10/073
H04B10/516
H04B10/61
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529320
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2019125867
(87)【国際公開番号】W WO2020177439
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】16/295,126
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】チュアンドン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ジュホン・ジャン
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA52
5K102AD05
5K102AH14
5K102AH26
5K102AH27
5K102PB00
5K102PH31
5K102PH50
5K102RD04
5K102RD26
(57)【要約】
方法は、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドの間でペイロードデータを分配するステップを含む。マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、マスターサブバンドは割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する。該方法は、分配されたペイロードデータに基づいてマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドのために変調されたデータを生成するステップと、変調されたデータに相当する光信号を光媒体へ送信するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドの間でペイロードデータを分配するステップであって、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、前記マスターサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する、ステップと、
前記分配されたペイロードデータに基づいて前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドのために変調されたデータを生成するステップと、
光信号を前記変調されたデータに相当する光媒体へ送信するステップとを含む、
方法。
【請求項2】
前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブ周波数帯に関連する機能を制御するため、前記ペイロードデータの制御データを生成するステップをさらに含み、前記ペイロードデータを分配する前記ステップは、前記マスターサブバンドに前記制御データが現れるように指定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御データは、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに関連する変調タイプを設定するデータを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変調タイプを制御する前記データを生成する前記ステップは、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに関連するデフォルト変調タイプを設定する第1のデフォルトデータを生成するステップと、その後、前記マスターサブバンドと前記スレーブサブバンドに関連する別の変調タイプを設定する第2のデータを生成するステップとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のマスターサブバンドは前記スレーブサブバンドの各々より幅が広い、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の数の前記スレーブサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルにおいて前記マスターサブバンドの上に延在し、第2の数の前記スレーブサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルにおいて前記マスターサブバンドの下に延在し、前記第1および第2の数は等しい、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
調節可能な局部発振器(LO)レーザーと、
前記LOレーザーに光学的に結合され、光ファイバから光信号を受信するため光ファイバに光学的に結合され、第2の信号を提供する、コヒーレント光受信器であって、前記光信号はマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドとを含み、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、前記マスターサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する、コヒーレント光受信器と、
前記コヒーレント光受信器によって提供される前記第2の信号の複数のスレーブサブバンドを前記光信号のマスターサブバンドと収束させるため、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて前記LOレーザーの位相調整を判断する
第1のプロセッサと、
前記マスターサブバンドの中に入っている前記情報から判断された前記位相調整に基づいて、前記第2の信号の複数のスレーブサブバンドからデータを回復する
第2のプロセッサとを含む、
光受信装置。
【請求項8】
前記第2の信号に相当するデジタル信号を提供するアナログ・デジタル変換器(ADC)と、
前記ADCにクロック信号を提供する電圧制御型発振器(VCO)とをさらに含み、
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて前記VCOを制御する、
請求項7に記載の光受信装置。
【請求項9】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている前記情報によって表されるシンボルから導き出されるタイミングに基づいて前記VCOを制御する、請求項8に記載の光受信装置。
【請求項10】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンド内の情報によって表されるシンボルに関連する変調シンボルデマッピングを行う復調デマッパーを含み、
前記第2のプロセッサは、前記スレーブサブバンドに関連する変調シンボルをデマッピングする複数の復調マッパーを含む、
請求項7から9のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項11】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドに関連するデータを復号する復号器を含み、
前記第2のプロセッサは、前記光信号の前記スレーブサブバンドに関連する情報を復号する複数の復号器を含む、
請求項7から10のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項12】
前記第1のプロセッサの前記復号器は、前記第2のプロセッサの前記複数の復号器に合同で結合される、請求項11に記載の光受信装置。
【請求項13】
前記光信号の前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに関連するタイムスキュー、直交誤差、または周波数オフセットの少なくとも一つを補償するデジタル前処理エンジンをさらに含む、
請求項7から12のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項14】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて複数の復調タイプの復調タイプを判断し、前記判断した復調タイプを前記光信号の前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに適用する、請求項7から13のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項15】
前記第1のプロセッサは、前記第2の信号の前記マスターサブバンドが前記光信号の前記マスターサブバンドと収束することに応じて前記第2のプロセッサを始動させる、請求項7から14のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項16】
前記光信号の前記マスターサブバンドには、前記光信号の前記スレーブサブバンドの各々に対応付けられた周波数スペクトルより幅が広い周波数スペクトルが対応付けられている、請求項7から15のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項17】
マスターサブバンドに対応付けられ、前記マスターサブバンドに対応付けられたマスターキャリア周波数を変調する、第1のプロセッサと、
複数のスレーブサブバンドに対応付けられ、データと共に前記スレーブサブバンドに対応付けられたスレーブキャリア周波数を変調する、第2のプロセッサであって、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、前記マスターサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する、第2のプロセッサと、
前記第1のプロセッサと前記第2のプロセッサにペイロードデータを分配するデマルチプレクサと、
光信号を前記ペイロードデータに相当する光ファイバに提供するため、前記第1および第2のプロセッサの出力を組み合わせるマルチプレクサとを含む、
光送信装置。
【請求項18】
前記マスターサブバンドは前記スレーブサブバンドの各々より幅が広い、請求項17に記載の光送信装置。
【請求項19】
前記第1のプロセッサは符号化器を含み、
前記第2のプロセッサは複数の符号化器を含み、
前記第1のプロセッサの前記符号化器は、前記第2のプロセッサの前記複数の符号化器に合同で結合される、
請求項17または18に記載の光送信装置。
【請求項20】
前記割り当て周波数スペクトルは、前記複数のスレーブサブバンドの第1のスレーブサブバンドと、前記複数のスレーブサブバンドの第2のスレーブサブバンドと前記マスターサブバンドとの間の第2のヌルとの間に、ヌルを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の光送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年3月7日に提出された「ハイブリッドデジタルマルチバンド光受信器および送信器」と題する米国特許出願第16/295,126号の優先権を主張するものであり、同米国特許出願の内容は参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
データは光ファイバ上で1つまたは複数の帯域で伝送されることがある。このように、シングルバンド光通信の場合は、割り当てスペクトルが単一の光キャリアによるペイロードデータの変調によって生成される内容を含む。複数キャリアベース通信(すなわち「マルチバンド」通信)の場合は、割り当てスペクトルが「サブバンド」と呼ばれる複数のスペクトル部分に分割される。それぞれのサブバンドは光キャリアが対応付けられており、光キャリアによるペイロードデータの変調によって生成される内容を含み、割り当てスペクトルにおいて隣接するサブバンドはヌル点によって分離される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
デジタルマルチバンド光通信には、(シングルバンド光通信と比べて)光ファイバ上でより多くの情報を伝送できるという利点があるが、マルチバンド光受信器および送信器の設計にあたっては課題があり得る。例えば、一課題は、今なお多数のシングルキャリアネットワークが使用されているため、マルチバンド光受信器および送信器を後方互換性となるように設計することであり得る。シングルキャリア光受信器と比べて、マルチバンド光受信器は、受信光信号の中心ヌル点に受信器を整合させることを目的として、受信光信号に対して精密な調整を行う。中心ヌル点に対する受信器の不整合は、全サブバンドの不整合に結びつく可能性がある。
【0004】
ここで説明される例示的実装によると、複数のキャリアを使用する光ファイバ上でのデータ通信にハイブリッドデジタルマルチバンドが使用される。より具体的に述べると、例示的実装によると、ハイブリッドデジタルマルチバンドは割り当てスペクトルにまたがっており、ハイブリッドデジタルマルチバンドは、割り当てスペクトルの中心に位置する単一のマスターサブバンドと、中心マスターサブバンドの両側に位置するスレーブサブバンドとを含む。例示的実装によると、マスターサブバンドの帯域幅は、レガシーシングルキャリアシステムの単一の帯域と同じくらい広くてよく、スレーブサブバンドの各々より大幅に広くてもよい。
【0005】
このアプローチにより、シングルキャリア後方互換性の目的のため(すなわち、ハイブリッドデジタルマルチバンド受信器および送信器がシングルキャリア光システムと共に稼働する場合)、受信器は、レガシーシングルキャリアシステムに使用される符号化および変調方式と併せてマスターサブバンドを使用できる。光システムが複数のサブバンドを収容するより広いスペクトルを許すことができる場合は、スレーブサブバンドを使用でき、スレーブサブバンドの帯域幅と数を調整することで性能とシステムキャパシティを最適化できる。従来のマルチバンド光通信と違って、ハイブリッドマルチバンドのマスターサブバンドは割り当てスペクトルの中心にヌル点を有さないため、光通信のキャパシティが増大し、受信光信号の中心ヌル点に受信器を整合させることにともなう問題は回避される。さらに、例示的実装によると、ハイブリッドマルチバンドの変調および符号化情報は、マスターサブバンドの内容に携えられる制御信号で携えることができる。割り当てスペクトルに集中されたマスターバンドに制御情報が携えられるため、光通信システムは制御信号に基づいてヒットレスに切り替えることができる。
【0006】
本開示の一態様によると、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドの間でペイロードデータを分配するステップを含む方法が提供される。マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、マスターサブバンドは割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する。該方法は、分配されたペイロードデータに基づいてマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドのために変調されたデータを生成するステップと、光信号を変調されたデータに相当する光媒体へ送信するステップとを含む。
【0007】
本開示の別の態様によると、調節可能な局部発振器(LO)レーザーと、コヒーレント光受信器と、第1のプロセッサと、第2のプロセッサとを含む、光受信装置が提供される。コヒーレント光受信器は、LOレーザーに光学的に結合され、光ファイバから光信号を受信するため光ファイバに光学的に結合され、第2の信号を提供する。光信号はマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドとを含み、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、マスターサブバンドは割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する。第1のプロセッサは、コヒーレント光受信器によって提供される第2の信号の複数のスレーブサブバンドを光信号のマスターサブバンドと収束させるため、光信号のマスターサブバンドの中に入っている情報に基づいてLOレーザーの位相調整を判断する。第2のプロセッサは、マスターサブバンドの中に入っている情報から判断された位相調整に基づいて、第2の信号の複数のスレーブサブバンドからデータを回復する。
【0008】
本開示の別の態様によると、光送信装置は、第1のプロセッサと、第2のプロセッサと、デマルチプレクサと、マルチプレクサとを含む。第1のプロセッサはマスターサブバンドに対応付けられ、マスターサブバンドに対応付けられたマスターキャリア周波数を変調し、第2のプロセッサは複数のスレーブサブバンドに対応付けられ、データからスレーブサブバンドに対応付けられたスレーブキャリア周波数を変調する。マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、マスターサブバンドは割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する。デマルチプレクサは第1のプロセッサと第2のプロセッサにペイロードデータを分配し、マルチプレクサは、光信号をペイロードデータに相当する光ファイバに提供するため、第1および第2のプロセッサの出力を組み合わせる。
【0009】
前述の態様のいずれかにおいて、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドに関連する機能を制御するため、ペイロードデータの制御されるデータが生成される。ペイロードデータを分配するステップは、マスターサブバンドに制御データが現れるように指定するステップを含む。
【0010】
前述の態様のいずれかにおいて、変調タイプを制御するデータを生成するステップは、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドに関連するデフォルト変調タイプを設定する第1のフォルトデータを生成するステップと、その後、マスターサブバンドとスレーブサブバンドに関連する別の変調タイプを設定する第2のデータを生成するステップとを含む。
【0011】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のマスターサブバンドはスレーブサブバンドの各々より幅が広い。
【0012】
前述の態様のいずれかにおいて、第1の数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにおいてマスターサブバンドの上に延在し、第2の数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにおいてマスターサブバンドの下に延在し、第1および第2の数は等しい。
【0013】
前述の態様のいずれかにおいて、光受信装置は、光信号のマスターサブバンドに対応する第2の信号に相当するデジタル信号を提供するアナログ・デジタル変換器(ADC)と、ADCにクロック信号を提供する電圧制御型発振器(VCO)とをさらに含む。第1のプロセッサは、光信号のマスターサブバンドの中に入っている情報に基づいてVCOを制御する。
【0014】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサは、光信号のマスターサブバンドの中に入っている情報によって表されるシンボルから導き出されるタイミングに基づいてVCOを制御する。
【0015】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサは、光信号のマスターサブバンド内の情報によって表されるシンボルに関連する変調シンボルデマッピングを行う復調デマッパーを含み、第2のプロセッサは、スレーブサブバンドに関連する変調シンボルをデマッピングする複数の復調マッパーを含む。
【0016】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサは、光信号のマスターサブバンドに関連するデータを復号する復号器を含み、第2のプロセッサは、光信号のスレーブサブバンドに関連する情報を復号する複数の復号器を含む。
【0017】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサの復号器は、第2のプロセッサの複数の復号器に合同で結合される。
【0018】
前述の態様のいずれかにおいて、光受信装置は、光信号のマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドに関連するタイムスキュー、直交誤差、または周波数オフセットの少なくとも一つを補償するデジタル前処理エンジンをさらに含む。
【0019】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサは、光信号のマスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて復調タイプと複数の復調タイプを判断し、判断した復調タイプを光信号のマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドに適用する。
【0020】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサは、第2の信号のマスターサブバンドが光信号のマスターサブバンドと収束することに応じて第2のプロセッサを始動させる。
【0021】
前述の態様のいずれかにおいて、割り当て周波数スペクトルは、第1のスレーブサブバンドと、第2のスレーブサブバンドとマスターサブバンドとの間の第2のヌルとの間にヌルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例示的実装によるハイブリッドデジタルマルチバンド光通信に使用するパワースペクトル密度の図である。
図2】例示的実装によるハイブリッドデジタルマルチバンド光送信器の概略図である。
図3】例示的実装によるハイブリッドデジタルマルチバンド光受信器の概略図である。
図4】例示的実装によるハイブリッドデジタルマルチバンド受信器を起動するため該受信器によって使用される手法を示す流れ図である。
図5】例示的実装によるマスターサブバンド上で伝送されて変調識別子を含む制御文字列の図である。
図6】例示的実装によるハイブリッドデジタルマルチバンド受信器の変調タイプを設定するため該受信器によって使用される手法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照し、ここで説明される例示的実装によると、光送信器と光受信器は、ハイブリッドデジタルマルチバンド光通信を使用して光ファイバなどの光媒体上で通信するように構成される。より具体的に述べると、図1は、例示的実装に従って、ハイブリッドデジタルマルチバンド光通信が使用される割り当てスペクトル104のパワースペクトル密度100を示している。通常、パワースペクトル密度100は、中心マスターサブバンド106(割り当てスペクトル104の中心波長114に配置された中心波長を有する)と、マスターサブバンド106の両側に配置された周辺スレーブサブバンドとを含む。
【0024】
特定の実装しだいでは、光送信器と光受信器は、単一のマスターサブバンド106と、割り当てスペクトル104で通信に使用されるキャリアの数に応じて0(レガシーシングルキャリア後方互換性のため)、2(図1に図示)、4などと数を選択できるスレーブサブバンドとを使用して通信できる。図1に示された例示的なスペクトル密度100の場合は、割り当てスペクトル104が、中心マスターサブバンド106と、2つの隣接スレーブサブバンドに、すなわち低周波数スレーブサブバンド110(ここでは「低サブバンド」と呼ぶ)と高周波数サブバンド108(ここでは「高サブバンド」と呼ぶ)に、分割されている。同じく図1に示されているように、ヌル点がサブバンドを分離しており、ヌル点118はマスターサブバンド106と低スレーブサブバンド110を分離しており、ヌル点120はマスターサブバンド106と高スレーブバンド108を分離している。
【0025】
割り当てスペクトル104で中心波長114を中心とすることに加え、マスターサブバンドは、その相対的な幅によってスレーブサブバンドからさらに区別することもできる。このように、例示的実装によると、マスターサブバンド106の帯域幅は、シングルキャリアシステムの割り当てスペクトルの帯域幅と同じくらい広くてよく、図1に示されているように、いずれか一方のスレーブサブバンド108または110より大幅に広くてもよい(一例として、スレーブサブバンドより2乃至3倍であってよい)。
【0026】
ここでは、マスターおよびスレーブサブバンド上で複数のキャリアを使用してデータを伝送する受信器と送信器が説明されているが、シングルキャリアネットワークとの後方互換性の目的のため、受信器と送信器は、スレーブサブバンドを使用せず、シングルキャリア通信のためにマスターサブバンド106を使用する形に設計されてもよい。しかしながら、ネットワークがマルチバンド通信を許す場合は、性能とシステムキャパシティを最適化するためにスレーブサブバンドの数と幅を指定するパラメータなど、マルチバンド光通信のためのパラメータで光受信器および送信器が構成されてもよい。
【0027】
通常、マスターサブバンド106は、マスターサブバンドとスレーブサブバンドについて内容の変調と符号化を指定する制御内容を含んでいる。より具体的に述べると、例示的実装によると、マスターサブバンド106は、マスターサブバンドとスレーブサブバンドで使用される変調タイプと符号化に関する情報を携える具体的に指定された制御文字列として、かかる制御内容を含んでよい。このように、受信器と送信器との光通信に使用される実際の変調タイプ(QPSK、QAM8、QAM16など)は、予めプログラムされなくてよく、あるいは予め構成されなくてよい。むしろ、例示的実装によると、光受信器は多様な変調タイプに対応できるため、光受信器は起動時にデフォルトの復調を使用して初期化でき、光受信器は、マスターサブバンド上で伝送される制御文字列に含まれている情報に基づいて、光通信で使用される別の変調タイプを確認でき、受信器によって適用される復調を相応に調整できる。マスターサブバンド106が割り当てスペクトル104の中心にあるため、サブバンドのヌル点に受信器を整合させることに関する課題は回避され、受信器へ制御情報を伝送するよりロバストな方法が可能となり、不整合の問題が回避されることに注意されたい。
【0028】
図2は、例示的実装によるハイブリッドデジタルマルチバンド送信器200の概略図200を示す。この例示的実装で、送信器200はクライアントペイロードデータ260を受信し、例えば図1との関係で示されているような対応するハイブリッドデジタルマルチバンドスペクトル密度100を有する対応する光信号280(光ファイバ281に提供される)を生成する。
【0029】
通常、送信器200は、マスターサブバンドプロセッサ230(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))と、スレーブサブバンドプロセッサ214(例えば、別のDSP)とを含む。送信器200は、所定の構成に従ってクライアントペイロードデータ260をマスターおよびスレーブサブバンドに分配するデマルチプレクサ210を含む。一例として、デマルチプレクサ210は、制御情報(一例として、符号化と変調タイプを表す内容)を含むマスターチャネルの内容をマスターサブバンドプロセッサ230へ送り、スレーブチャネルの内容をスレーブサブバンドプロセッサ214へ送るように構成されてよい。
【0030】
例示的実装によると、マスターサブバンドプロセッサ230は、特定の変調タイプに応じて、マスターサブバンドチャネルの受信データに符号化を適用する符号化器234を含む。例えば、16-QAM変調タイプが使用されてよく、この場合は4つのビットが各シンボルにマッピングされ、符号化器234はマスターサブバンドチャネルのクライアントペイロードデータを相応に符号化する。この符号化されたデータは次にマスターサブバンドプロセッサ230の変調シンボルマッパー238へ提供され、変調シンボルマッパー238は符号化されたビットを適切な変調シンボルにマッピングする。マスターサブバンドプロセッサ230のアップサンプリング・パルス整形コンポーネント242は、アップサンプリングし、パルス整形を行って、マスターサブバンドチャネルの内容を表す対応する信号を生成する。
【0031】
同じく図2に示されているように、スレーブサブバンドプロセッサ214は複数の符号化器218を含んでよく、それぞれの符号化器218は特定のスレーブサブバンドチャネルが対応付けられており、使用される特定の変調タイプ(すなわち、マスターサブバンドチャネルに使用されるものと同じ変調タイプ)に応じてビットを符号化する。対応する変調マッパー222は符号化されたビットを変調シンボルにマッピングし、アップサンプリング・パルス整形コンポーネント224はパルスの対応するアップサンプリングと整形を行って対応するスレーブサブバンドの対応する光信号を生成する。送信器200のマルチプレクサ250は、光ファイバ281に提供される複合光信号280を提供するため、マスターおよびスレーブサブバンドチャネルの光成分を組み合わせる。
【0032】
図3を参照し、例示的実装によると、ハイブリッドデジタルマルチバンド光受信器300はフロントエンド処理コンポーネント303を含み、フロントエンド処理コンポーネント303は、統合コヒーレント受信器304と、局部発振器(LO)レーザー306と、アナログ・デジタル変換器(ADC)308と、電圧制御型発振器312と、デジタル前処理エンジン316とを含む。統合コヒーレント受信器304は光ファイバ281から光信号360を受信する。統合コヒーレント受信器304は光信号360をLOレーザー306によって生成されるレーザー信号と混合することで、統合コヒーレント受信器304の出力にて混合光信号に相当する電気信号を生成する。前処理コンポーネント303は、統合コヒーレント受信器304によって提供される電気信号をサンプルして保持するサンプル・保持回路(図示せず)をさらに含み、VCO 312によって提供されるクロック信号によってクロックされるADC 308は、サンプル・保持回路の出力を統合コヒーレント受信器304によって提供される電気信号のデジタル版に相当するデジタル信号に変換する。
【0033】
デジタル前処理エンジン316は、例えばDSPであってよく、例示的実装によると、タイムスキュー、直交誤差、周波数オフセットといった障害を取り除くことを目的として、ADC 308によって提供されるデジタル信号を前処理する。図3に示されているように、デジタル前処理エンジン316の出力はデマルチプレクサ320の入力に提供され、デマルチプレクサ320は前処理エンジン316からの信号をスレーブおよびマスターサブバンドチャネルに提供する。
【0034】
例示的実装によると、受信器300は、マスターサブバンドに関連する信号360の内容の処理を行うマスターサブバンドプロセッサ330を含み、処理された内容はマルチプレクサ331の入力に提供され、マスターサブバンドの復調された内容に相当する。
【0035】
受信器300は、対応するスレーブサブバンドチャネルの内容を処理し、復調された内容をマルチプレクサ331の対応する入力に提供するスレーブサブバンドプロセッサ322をさらに含む。マルチプレクサ331は、スレーブサブバンドとマスターサブバンドの内容を組み合わせることで、光ファイバ281から受信された内容に相当するデータ390を(マルチプレクサ331の出力にて)提供する。
【0036】
例示的実装によると、マスターサブバンドプロセッサ330は、タイミング回復エンジン332と、等化エンジン334と、位相回復エンジン336と、デマッピング・復号エンジン338とを含む。位相回復エンジン336は、キャリア位相回復アルゴリズムを実行することでLO周波数オフセット(LOFO)を回復する。通常、比較的大きいLOFOは、サブバンドを含むビンとLOFOに応じて、部分的に、または完全に、ある特定のサブバンドを間違ったサブバンドビンに合わせることがあり、これが受信器の性能に大きく影響することがある。しかしながら、比較的大きいマスターサブバンドと、割り当てスペクトルの中心波長と一致するマスターサブバンドの中心波長により、これらの問題は回避でき、位相回復エンジン336はLOFOを精密に測定できる。図3に示されているように、位相回復エンジン336は測定されたLOFOを使用してLOレーザー306を制御する信号を提供する。さらに、同じく図3に示されているように、例示的実装によると、位相回復エンジン336は、デジタル前処理エンジン316によって適用される周波数偏移アルゴリズムを制御するため、LOFOに基づいて信号を提供できる。
【0037】
マスターサブバンドプロセッサ330のタイミング回復エンジン332は、VCO 312に制御信号を提供することによってADC 308をクロックするために使用されるクロック信号の位相を制御する。デマッパー・復号器エンジン338は、その名が示唆するように、変調シンボルをデマッピングし、すなわちシンボルを符号化済みデータにマッピングし、符号化済みデータを復号することで、マスターサブバンドのマルチプレクサ331の入力に提供される復調済み復号済みデータを生成する。
【0038】
例示的実装によると、スレーブサブバンドプロセッサ332は、それぞれのスレーブサブバンドチャネルごとに等化エンジン324、ならびにそれぞれのスレーブサブバンドごとに位相回復エンジン326、およびそれぞれのスレーブサブバンドチャネルごとにデマッピング・復号エンジン328を含む。デマッピング・復号エンジン328は復調された内容に相当するそれぞれの出力をマルチプレクサ331の入力に提供し、マルチプレクサ331はこれをデータ390の一部として提供する。
【0039】
例示的実装によると、コントローラ301は受信器300の起動を制御する。より具体的に述べると、図3と併せて図4を参照し、例示的実装によると、コントローラ301は、受信器300の初期化時に、または起動時に、手法400を遂行する。手法400に従い、コントローラ301は最初に、ブロック404に従い、マスターサブバンドプロセッサ330を起動し、これにより等化エンジン334が収束し、位相回復エンジン336によって実行されるキャリア位相回復アルゴリズムによってLOFOを判断することが可能となる。等化エンジン334が収束しLOFOが判断されたと判断したことに応じて(決定ブロック408)、マスターサブバンドプロセッサ330はLOレーザー306を調整する(ブロック412)。次に、コントローラ301は、ブロック416に従い、スレーブサブバンドプロセッサ332による位相回復を開始する(ブロック416)(すなわち、位相回復エンジン326を始動させる)。手法400は次に、コントローラ301がマスターおよびスレーブ・バンド・デマッピング・復号器エンジン328および330を始動させること(ブロック420)を含む。
【0040】
図5を参照し、例示的実装によると、マスターサブバンドで送信される制御信号は、特定の変調形式またはタイプと、マスターおよびスレーブサブバンドの両方に使用される符号化方式とを表す、所定の変調識別(MID)文字列520を含んでよい。図5に示されているように、例示的なデータシーケンス500で、MID文字列520は時間的にトレーニングシーケンス510に隣接してよく、これは変調形式と符号化方式のどの組み合わせでも同じであってよい。MID文字列520は(図5に示されているように)トレーニングシーケンス510の前でも後ろでもよく、これは通常、文字列MID 520検出のロバスト性を高める。
【0041】
さらに、図5に示されているように、いくつかの実装によると、MID文字列520は、そのロバスト性をさらに高めるため、数フレームにわたって繰り返してよい。繰り返しとフレーム長は、FEC符号化やクライアントデータといったペイロード構造しだいであってよい。
【0042】
MDI文字列520は、様々な変調形式と符号化方式を受信器300へ伝送することを可能にする。このように、一例として、いくつかの実装によると、受信器300はデフォルトとしてデフォルト変調タイプ(例えば、QPSKまたはBPSK変調タイプ)で予め設定することができ、受信器300の初期化時に受信器300へMID文字列520を伝送することで、受信器300の変調形式を別の形式に変えることができる。したがって、例示的実装によると、受信器300のために特定の変調形式を予め設定することは不要にできる。
【0043】
図3と併せて図6を参照し、いくつかの実装によると、受信器300は、受信器300の変調形式と符号化方式を初期化することを目的として手法600を遂行できる。手法600に従い、マスターサブバンドプロセッサ330は(ブロック604に従い)、特定の復調のために、例えばここではQPSK変調のために、初期化され、このため、ブロック608に示されているように、QPSK復調を使用して最初の復調が適用される。等化器334が収束したとマスターサブバンドプロセッサ330が判断したことに応じ(決定ブロック612)、マスターサブバンドプロセッサ330は、ブロック616に示されているように、復調済み復号済みデータから文字列520を検出でき、ブロック620に従い、文字列によって示される復調形式と符号化に従ってマスターおよびスレーブサブバンドの復調と符号化を設定できる。
【0044】
限られた数の実装に関して本開示を説明したが、本開示の恩恵に浴する当業者なら、そこから多数の変更とバリエーションを理解するであろう。添付の請求項がそのようなあらゆる変更とバリエーションを含むことが意図される。
【符号の説明】
【0045】
100 パワースペクトル密度
104 割り当てスペクトル
106 マスターサブバンド
108 高周波数サブバンド
110 低周波数サブバンド
114 中心波長
118 ヌル点
120 ヌル点
200 ハイブリッドデジタルマルチバンド送信器
210 デマルチプレクサ
214 スレーブサブバンドプロセッサ
218 符号化器
222 変調マッパー
224 アップサンプリング・パルス整形コンポーネント
230 マスターサブバンドプロセッサ
234 符号化器
238 変調シンボルマッパー
242 アップサンプリング・パルス整形コンポーネント
260 クライアントペイロードデータ
280 光信号
281 光ファイバ
300 ハイブリッドデジタルマルチバンド光受信器
301 コントローラ
303 フロントエンド処理コンポーネント
304 統合コヒーレント受信器(ICR)
306 局部発振器(LO)レーザー
308 アナログ・デジタル変換器(ADC)
312 電圧制御型発振器(VCO)
316 デジタル前処理エンジン
320 デマルチプレクサ
322 スレーブサブバンドプロセッサ
324 等化エンジン
326 位相回復エンジン
328 デマッピング・復号エンジン
330 マスターサブバンドプロセッサ
331 マルチプレクサ
332 タイミング回復エンジン
334 等化エンジン
336 位相回復エンジン
338 デマッピング・復号エンジン
360 光信号
390 データ
520 変調識別(MID)文字列
500 データシーケンス
510 トレーニングシーケンス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドの間でペイロードデータを分配するステップであって、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、前記マスターサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する、ステップと、
前記分配されたペイロードデータに基づいて前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドのために変調されたデータを生成するステップと、
前記変調されたデータに相当する光信号を光媒体へ送信するステップとを含む、
方法。
【請求項2】
前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブ周波数帯に関連する機能を制御するため、前記ペイロードデータの制御データを生成するステップをさらに含み、前記ペイロードデータを分配する前記ステップは、前記マスターサブバンドに前記制御データが現れるように指定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御データは、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに関連する変調タイプを設定するデータを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変調タイプを制御する前記データを生成する前記ステップは、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに関連するデフォルト変調タイプを設定する第1のデフォルトデータを生成するステップと、その後、前記マスターサブバンドと前記スレーブサブバンドに関連する別の変調タイプを設定する第2のデータを生成するステップとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
記マスターサブバンドは前記スレーブサブバンドの各々より幅が広い、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の数の前記スレーブサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルにおいて前記マスターサブバンドの上に延在し、第2の数の前記スレーブサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルにおいて前記マスターサブバンドの下に延在し、前記第1および第2の数は等しい、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
調節可能な局部発振器(LO)レーザーと、
前記LOレーザーに光学的に結合され、光ファイバから光信号を受信するため光ファイバに光学的に結合され、第2の信号を提供する、コヒーレント光受信器であって、前記光信号はマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドとを含み、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、前記マスターサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する、コヒーレント光受信器と、
前記コヒーレント光受信器によって提供される前記第2の信号の複数のスレーブサブバンドを前記光信号のマスターサブバンドと収束させるため、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて前記LOレーザーの位相調整を判断する
第1のプロセッサと、
前記マスターサブバンドの中に入っている前記情報から判断された前記位相調整に基づいて、前記第2の信号の複数のスレーブサブバンドからデータを回復する
第2のプロセッサとを含む、
光受信装置。
【請求項8】
前記第2の信号に相当するデジタル信号を提供するアナログ・デジタル変換器(ADC)と、
前記ADCにクロック信号を提供する電圧制御型発振器(VCO)とをさらに含み、
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて前記VCOを制御する、
請求項7に記載の光受信装置。
【請求項9】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている前記情報によって表されるシンボルから導き出されるタイミングに基づいて前記VCOを制御する、請求項8に記載の光受信装置。
【請求項10】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンド内の情報によって表されるシンボルに関連する変調シンボルデマッピングを行う復調デマッパーを含み、
前記第2のプロセッサは、前記スレーブサブバンドに関連する変調シンボルをデマッピングする複数の復調マッパーを含む、
請求項7から9のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項11】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドに関連するデータを復号する復号器を含み、
前記第2のプロセッサは、前記光信号の前記スレーブサブバンドに関連する情報を復号する複数の復号器を含む、
請求項7から10のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項12】
前記第1のプロセッサの前記復号器は、前記第2のプロセッサの前記複数の復号器に合同で結合される、請求項11に記載の光受信装置。
【請求項13】
前記光信号の前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに関連するタイムスキュー、直交誤差、または周波数オフセットの少なくとも一つを補償するデジタル前処理エンジンをさらに含む、
請求項7から12のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項14】
前記第1のプロセッサは、前記光信号の前記マスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて複数の復調タイプから復調タイプを判断し、前記判断した復調タイプを前記光信号の前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドに適用する、請求項7から13のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項15】
前記第1のプロセッサは、前記第2の信号の前記マスターサブバンドが前記光信号の前記マスターサブバンドと収束することに応じて前記第2のプロセッサを始動させる、請求項7から14のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項16】
前記光信号の前記マスターサブバンドには、前記光信号の前記スレーブサブバンドの各々に対応付けられた周波数スペクトルより幅が広い周波数スペクトルが対応付けられている、請求項7から15のいずれか一項に記載の光受信装置。
【請求項17】
マスターサブバンドに対応付けられ、前記マスターサブバンドに対応付けられたマスターキャリア周波数を変調する、第1のプロセッサと、
複数のスレーブサブバンドに対応付けられ、データと共に前記スレーブサブバンドに対応付けられたスレーブキャリア周波数を変調する、第2のプロセッサであって、前記マスターサブバンドと前記複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、前記マスターサブバンドは前記割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する、第2のプロセッサと、
前記第1のプロセッサと前記第2のプロセッサにペイロードデータを分配するデマルチプレクサと、
前記ペイロードデータに相当する光信号を光ファイバに提供するため、前記第1および第2のプロセッサの出力を組み合わせるマルチプレクサとを含む、
光送信装置。
【請求項18】
前記マスターサブバンドは前記スレーブサブバンドの各々より幅が広い、請求項17に記載の光送信装置。
【請求項19】
前記第1のプロセッサは符号化器を含み、
前記第2のプロセッサは複数の符号化器を含み、
前記第1のプロセッサの前記符号化器は、前記第2のプロセッサの前記複数の符号化器に合同で結合される、
請求項17または18に記載の光送信装置。
【請求項20】
前記割り当て周波数スペクトルは、前記複数のスレーブサブバンドの第1のスレーブサブバンドと、前記複数のスレーブサブバンドの第2のスレーブサブバンドと前記マスターサブバンドとの間の第2のヌルとの間に、ヌルを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の光送信装置。
【請求項21】
請求項17から20のいずれか一項に記載の光送信装置と請求項7から16のいずれか一項に記載の光受信装置とを含む光受信光通信システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示の一態様によると、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドの間でペイロードデータを分配するステップを含む方法が提供される。マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドには別々のキャリア周波数が対応付けられており、マスターサブバンドは割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する。該方法は、分配されたペイロードデータに基づいてマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドのために変調されたデータを生成するステップと、変調されたデータに相当する光信号を光媒体へ送信するステップとを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本開示の別の態様によると、光送信装置は、第1のプロセッサと、第2のプロセッサと、デマルチプレクサと、マルチプレクサとを含む。第1のプロセッサはマスターサブバンドに対応付けられ、マスターサブバンドに対応付けられたマスターキャリア周波数を変調し、第2のプロセッサは複数のスレーブサブバンドに対応付けられ、データからスレーブサブバンドに対応付けられたスレーブキャリア周波数を変調する。マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドは割り当て周波数スペクトルにわたって集合的に延在し、マスターサブバンドは割り当て周波数スペクトルの中心周波数と一致する中心周波数を有する。デマルチプレクサは第1のプロセッサと第2のプロセッサにペイロードデータを分配し、マルチプレクサは、ペイロードデータに相当する光信号を光ファイバに提供するため、第1および第2のプロセッサの出力を組み合わせる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
前述の態様のいずれかにおいて、変調タイプを制御するデータを生成するステップは、マスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドに関連するデフォルト変調タイプを設定する第1のフォルトデータを生成するステップと、その後、マスターサブバンドとスレーブサブバンドに関連する別の変調タイプを設定する第2のデータを生成するステップとを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前述の態様のいずれかにおいて、マスターサブバンドはスレーブサブバンドの各々より幅が広い。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサは、光信号のマスターサブバンド内の情報によって表されるシンボルに関連する変調シンボルデマッピングを行う復調デマッパーを含み、第2のプロセッサは、スレーブサブバンドに関連する変調シンボルをデマッピングする複数の復調マッパーを含む。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
前述の態様のいずれかにおいて、第1のプロセッサは、光信号のマスターサブバンドの中に入っている情報に基づいて複数の復調タイプから復調タイプを判断し、判断した復調タイプを光信号のマスターサブバンドと複数のスレーブサブバンドに適用する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
特定の実装しだいでは、光送信器と光受信器は、単一のマスターサブバンド106と、割り当てスペクトル104で通信に使用されるキャリアの数に応じて0(レガシーシングルキャリア後方互換性のため)、2(図1に図示)、4などと数を選択できるスレーブサブバンドとを使用して通信できる。図1に示された例示的なスペクトル密度100の場合は、割り当てスペクトル104が、中心マスターサブバンド106と、2つの隣接スレーブサブバンドに、すなわち低周波数スレーブサブバンド110(ここでは「低スレーブサブバンド」と呼ぶ)と高周波数スレーブサブバンド108(ここでは「高スレーブサブバンド」と呼ぶ)に、分割されている。同じく図1に示されているように、ヌル点がサブバンドを分離しており、ヌル点118はマスターサブバンド106と低スレーブサブバンド110を分離しており、ヌル点120はマスターサブバンド106と高スレーブサブバンド108を分離している。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
マスターサブバンドプロセッサ330のタイミング回復エンジン332は、VCO 312に制御信号を提供することによってADC 308をクロックするために使用されるクロック信号の位相を制御する。デマッパー・復号エンジン338は、その名が示唆するように、変調シンボルをデマッピングし、すなわちシンボルを符号化済みデータにマッピングし、符号化済みデータを復号することで、マスターサブバンドのマルチプレクサ331の入力に提供される復調済み復号済みデータを生成する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
例示的実装によると、コントローラ301は受信器300の起動を制御する。より具体的に述べると、図3と併せて図4を参照し、例示的実装によると、コントローラ301は、受信器300の初期化時に、または起動時に、手法400を遂行する。手法400に従い、コントローラ301は最初に、ブロック404に従い、マスターサブバンドプロセッサ330を起動し、これにより等化エンジン334が収束し、位相回復エンジン336によって実行されるキャリア位相回復アルゴリズムによってLOFOを判断することが可能となる。等化エンジン334が収束しLOFOが判断されたと判断したことに応じて(決定ブロック408)、マスターサブバンドプロセッサ330はLOレーザー306を調整する(ブロック412)。次に、コントローラ301は、ブロック414に従い、スレーブサブバンドプロセッサ332による位相回復を開始する(ブロック414)(すなわち、位相回復エンジン326を始動させる)。手法400は次に、コントローラ301がマスターおよびスレーブ・バンド・デマッピング・復号エンジン328および338を始動させること(ブロック420)を含む。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
図3と併せて図6を参照し、いくつかの実装によると、受信器300は、受信器300の変調形式と符号化方式を初期化することを目的として手法600を遂行できる。手法600に従い、マスターサブバンドプロセッサ330は(ブロック604に従い)、特定の復調のために、例えばここではQPSK変調のために、初期化され、このため、ブロック602に示されているように、QPSK復調を使用して最初の復調が適用される。等化器334が収束したとマスターサブバンドプロセッサ330が判断したことに応じ(決定ブロック612)、マスターサブバンドプロセッサ330は、ブロック616に示されているように、復調済み復号済みデータから文字列520を検出でき、ブロック620に従い、文字列によって示される復調形式と符号化に従ってマスターおよびスレーブサブバンドの復調と符号化を設定できる。
【国際調査報告】