(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】リザーバに収容される液体、特に水を加熱するための加熱器、およびそのような加熱器を備える、温かい飲料、特にコーヒーまたはお茶を準備するための装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/047 20060101AFI20220121BHJP
A47J 31/58 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
A47J31/047
A47J31/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529841
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2019074853
(87)【国際公開番号】W WO2020119963
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102018131823.5
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507047481
【氏名又は名称】ピーアイ デザイン アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ボダム、ヨルゲン
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA22
4B104BA15
4B104BA23
4B104DA09
4B104DA29
4B104EA02
(57)【要約】
本発明は、リザーバ(20)に収容される液体、特に水を加熱するための加熱器(10)に関する。加熱器(10)は、ベースハウジング(14)を含むベース(12)と、ベースハウジング(14)に固定される電球ソケット(16)と、電球ソケット(16)に挿入されるまたは挿入可能であり、リザーバ(20)に収容される液体を加熱するための電磁放射を生成する電球(18)と、電球を取り囲み、ベースハウジング(14)に固定され、電球(18)によって生成された電磁放射を透過可能な開口部(30)を有する電球ハウジング(26)と、ベースハウジング(14)と電球ハウジング(26)との間の熱伝導を低減するために、ベースハウジング(14)と電球ハウジング(26)との間に配置される断熱層(36)と、を備える。本発明はさらに、そのような加熱器を備える、温かい飲料、特にコーヒーまたはお茶を準備するための装置(50)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバ(20)に収容される液体、特に水を加熱するための加熱器(10)であって、前記加熱器(10)は、
ベースハウジング(14)を含むベース(12)と、
前記ベースハウジング(14)に固定される電球ソケット(16)と、
前記電球ソケット(16)に挿入されるまたは挿入可能であり、リザーバ(20)に収容される液体を加熱するための電磁放射を生成する電球(18)と、
前記電球を取り囲み、前記ベースハウジング(14)に固定され、前記電球(18)によって生成された電磁放射を透過可能な開口部(30)を有する電球ハウジング(26)と、
前記ベースハウジング(14)と前記電球ハウジング(26)との間の熱伝導を低減するために、前記ベースハウジング(14)と前記電球ハウジング(26)との間に配置される断熱層(36)と、を備える、加熱器(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱器(10)において、
前記電球ハウジング(26)が第1のねじ(28)によって前記ベースハウジング(14)に固定され、前記断熱層(36)が前記第1のねじ(28)の固定時に圧縮されるように配置されることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項3】
請求項2に記載の加熱器(10)において、
前記断熱層(36)は、前記第1のねじ(28)が通ることが可能な孔(38)を有することを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の加熱器(10)において、
前記断熱層(36)は、第1の熱可塑性物質、または第1のエラストマー、特にシリコーンエラストマーからなることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の加熱器(10)において、
前記加熱器(10)が、前記電球ハウジング(26)を取り囲む熱保護ユニット(40)を備えることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項6】
請求項5に記載の加熱器(10)において、
前記熱保護ユニット(40)は、前記開口部(30)を除いて前記電球ハウジング(26)に固定されていることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項7】
請求項6に記載の加熱器(10)において、
前記熱保護ユニット(40)は、第2のねじ(42)によって前記電球ハウジング(26)に固定されていることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項8】
請求項6または7に記載の加熱器(10)において、
前記熱保護ユニット(40)は、前記熱保護ユニット(40)と前記ベースハウジング(14)との間に空隙(44)を残すようにして、前記電球ハウジング(26)に固定されることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項9】
請求項5~8に記載の加熱器(10)において、
前記熱保護ユニット(40)が凹部(46)を有することを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項10】
請求項5~7のいずれか一項に記載の加熱器(10)において、
前記熱保護ユニット(40)は、第2の熱可塑性物質、または第2のエラストマー、特にシリコーンエラストマーからなることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項11】
請求項4および10に記載の加熱器(10)において、
前記第1の熱可塑性物質と前記第2の熱可塑性物質とは同じである、または
前記第1のエラストマーと前記第2のエラストマーとは同じであることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項12】
請求項5~11のいずれか一項に記載の加熱器(10)において、
前記加熱器(10)は、前記熱保護ユニット(40)を補強するための補強構造(48)を備えることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の加熱器(10)において、
前記加熱器(10)は、予め設定された時間の後に前記電球(18)への電力供給を遮断するスイッチオフ手段(24)を備えることを特徴とする、加熱器(10)。
【請求項14】
温かい飲料、特にコーヒーまたはお茶を準備するための装置(50)であって、
水を収容するためのリザーバ(20)と、
コーヒー粉末または茶葉などを収容するための容器(52)であって、前記リザーバ(20)の上方に配置されるように該リザーバ(20)に接続可能な容器(52)と、を備え、
前記容器(52)は、該容器(52)が前記リザーバ(20)に接続されたときに、前記容器(52)の底部から前記リザーバ(20)内に下方へ延びる給水管(54)を有し、それによって、前記リザーバ(20)と前記容器(52)との間に流体連通が提供され、
開口部(30)が前記リザーバ(20)に面するように配置された、請求項1~13のいずれか一項に記載の加熱器(10)を備える、装置(50)。
【請求項15】
請求項14に記載の装置において、
前記装置は、前記リザーバ(20)が前記加熱器(10)の上方に配置されるように、前記リザーバ(20)に接続可能な保持具(64)を備えることを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リザーバに収容される液体、特に水を加熱するための加熱器に関する。本発明はさらに、そのような加熱器を備える、温かい飲料、特にコーヒーまたはお茶を準備するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーやお茶などの温かい飲み物を準備するときには、コーヒー粉末や茶葉に含まれる香料を抽出するために、沸点までまたはその近くまで水を加熱する必要がある。コーヒーやお茶を準備する最も簡単な方法は、コーヒー粉末や茶葉などの不溶性物質をポットに入れてお湯を注ぐことである。一定時間後に十分な香料が抽出されることによって、コーヒーやお茶を飲む準備ができる。
【0003】
コーヒーやお茶を準備するこの方法の1つの欠点は、不溶性物質が温かい飲み物に入ったままになることである。不溶性物質は飲用容器の底に沈殿しているが、飲料を飲むと不溶性物質が人の口に運ばれる可能性は、ある程度ある。口の中に不溶性物質が存在すると、不快さを感じて、飲む喜びが大幅に低下する可能性がある。
【0004】
対策として、不溶性物質はフィルターによって飲料から分離される。特にコーヒーを準備する際には、一方向フィルターが使用される。ただし、これらのフィルターは使用後の取り扱いが面倒であり、再利用可能なフィルターに比べて環境フットプリントが大きくなる。ただし、再利用可能なフィルターを使用するには、温かい飲料を作るための装置に特別な設計が必要となる。そのような設計の1つは、サイフォンの原理を利用した、いわゆるサイフォンコーヒーメーカーである。フラスコ形状のリザーバが加熱器上に配置されている。容器はリザーバの上に配置されており、給水管が固定される、開口した底部を有する。給水管はリザーバに挿入され、リザーバと容器との間の気密な連通を可能にする。給水管の上側開口端は、再利用可能なフィルターで覆われる。
【0005】
上記のサイフォンコーヒーメーカーを使用してコーヒーを準備するために、所望の量の水およびコーヒー粉末が、それぞれ、リザーバおよび容器に供給される。水は、加熱器によって沸点まで、または沸点近くまで加熱される。水を加熱すると、リザーバ内の空気圧が上昇することによって、給水管およびフィルターを介して温水が容器に供給される。温水は、容器内のコーヒー粉末と混合される。その後、加熱器のスイッチをオフにするか、リザーバを加熱器から取り外すと、リザーバが冷却され、その中の空気圧が低下し、それにより、容器内のコーヒー粉末と混合された温水がフィルターによって濾過されて、給水管を介してリザーバ内に戻る。次に、容器がリザーバから取り出され、リザーバ内のコーヒーが飲用容器に注がれる。
【0006】
水を加熱するために必要な熱は、アルコールや天然ガス、例えばブタン、などの燃料によって提供され得る。ただし、対応する加熱器の取り扱いは難しく、爆発や火災につながる可能性がある。熱を提供する別の方法は、取り扱いが簡単な電気エネルギーを使用することである。そのような加熱器は、特許文献1に開示されている。加熱器は、一般的な調理プレートを含み得る。あるいは、加熱器は、熱を提供する赤外線またはハロゲン電球などの電球を含み得る。そのような装置は、特許文献2、特許文献3、および、特許文献4に開示されている。そのような加熱器は、電球ソケットが固定されるベースハウジングを有するベースを備える。電球は、ベースハウジングに固定されている電球ハウジングによって囲まれている。電球の作動によって発生する熱により、電球ハウジングは著しく加熱される。熱はベースハウジングに伝達される。その結果、ユーザは、電球ハウジングまたはベースハウジングに不注意に触れたときに手を火傷する可能性がある。怪我のリスクを減らすために、特許文献3および特許文献4に開示されている装置には、電球ハウジングおよびベースハウジングから熱を除去するファンが装備されている。しかし、ファンを使用すると、加熱器の複雑さとエネルギー消費量が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4841849号明細書
【特許文献2】特開2001-078889号公報
【特許文献3】韓国公開特許第10-2013-0120289号公報
【特許文献4】韓国公開特許第10-2012-0085494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施形態の1つの課題は、製造が容易であり、エネルギー消費が低く、作動中の怪我のリスクを効果的に低減する、上記のタイプの加熱器を提供することである。さらに、本発明の一実施形態は、そのような加熱器で扱うことができる温かい飲料を準備するための装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1および14で特定された特徴によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の一実施形態は、リザーバに収容される液体、特に水を加熱するための加熱器に関し、その加熱器は、
ベースハウジングを含むベースと、
前記ベースハウジングに固定される電球ソケットと、
前記電球ソケットに挿入されるまたは挿入可能であり、リザーバに収容される液体を加熱するための電磁放射を生成する電球と、
前記電球を取り囲み、前記ベースハウジングに固定され、前記電球によって生成された電磁放射を透過可能な開口部を有する電球ハウジングと、
前記ベースハウジングと前記電球ハウジングとの間の熱伝導を低減するために、前記ベースハウジングと前記電球ハウジングとの間に配置される断熱層と、を備える。
【0010】
電磁放射は、開口部を通って電球ハウジングを出て、リザーバおよび同リザーバに収容される液体に到達することができ、それにより、電球と液体との間の熱伝達を可能にする。
【0011】
ベースハウジングと電球ハウジングとの間に配置された断熱層は、電球ハウジングとベースハウジングとの間の熱伝導を低減または遮断する。電球の作動によって生成されて、電球ハウジングによって吸収された熱は、ベースハウジングに伝達されないか、ベースハウジングに最小限の範囲でしか伝達されない。その結果、ベースハウジングの温度をユーザに無害なレベルに保つことができる。ユーザの手がベースハウジングに触れたときに火傷するリスクが大幅に減少する。
【0012】
一実施形態によれば、電球ハウジングは、いくつかの第1のねじによってベースハウジングに固定され、断熱層は、第1のねじの固定時に圧縮されるように配置される。この実施形態では、断熱層を固定する方法が単純である。いずれにせよ電球ハウジングをベースハウジングに固定しなければならないので、この実施形態では、第1のねじは電球ハウジングをベースハウジングに固定するだけでなく、同時に断熱層も固定する。加熱器の製造工程がシンプルに保たれるとともに、部品点数も少なく抑えられる。
【0013】
さらなる実施形態では、断熱層は、第1のねじを通すことができるいくつかの孔を有する。この実施形態では、第1のねじは、摩擦によってだけでなく、フォームクロージャによっても断熱層を加熱器に固定する。したがって、第1のねじを強く締めなくても、断熱層の位置も固定される。
【0014】
さらなる実施形態は、断熱層が第1の熱可塑性物質、または第1のエラストマー、特にシリコーンエラストマーからなることを特徴とする。第1の熱可塑性物質は、ポリスチレンまたはポリプロピレンであり得る。シリコーン、ポリスチレン、およびポリプロピレンは、熱伝導率が低く(<0.15W/(m・K))、かつ、この用途に十分に高い融点(>70℃)を有している。特にシリコーンは200℃以上の非常に高い融点を有している。同時に、材料費が許容できるほど低い。あるいは、セラミック、コルク、またはガラス繊維強化プラスチックも、熱伝導率および融点に関して前述の材料と類似の特性を有するため、使用することができる。
【0015】
別の実施形態によれば、加熱器は、電球ハウジングを取り囲む熱保護ユニットを備える。上記のように、電球ハウジングは電球の作動中に熱を吸収する。結果として、ユーザが電球ハウジングに触れると手を火傷するリスクがある。電球ハウジングの径方向外側に配置された熱保護ユニットは、ユーザが電球ハウジングに触れることを防止する。加熱器の操作上の安全性が向上する。
【0016】
さらなる実施形態では、熱保護ユニットは、開口部を除いて電球ハウジングに固定される。この実施形態では、さらなる固定構造は必要なく、よって、加熱器の設計をシンプルに保つことができる。開口部を除くことにより、構造は電球とリザーバに収容される液体との間の熱伝達を悪化させることがない。
【0017】
さらなる実施形態は、熱保護ユニットが第2のねじによって電球ハウジングに固定されることを特徴とする。固定は簡単かつ費用効果の高い方法で実現される。ねじを使用することで、熱保護ユニットを簡単に交換することができる。
【0018】
別の実施形態によれば、熱保護ユニットは、熱保護ユニットとベースハウジングとの間に空隙を残すようにして電球ハウジングに固定される。空隙を小さく、例えば5mm未満に保つことができる。その結果、熱保護ユニットとベースハウジングとは接触しない。熱保護ユニットとベースハウジングとの間の熱伝導が遮断されるため、熱保護ユニットとベースハウジングとの間で伝達される可能性のある熱が最小限に抑えられる。
【0019】
さらなる実施形態では、熱保護ユニットは、いくつかの凹部を有する。上記のように、加熱器は、サイフォン原理を利用して温かい飲料を準備するための装置と組み合わせて使用することができる。そのような装置は、リザーバを加熱器の上方に配置するための保持具を備えることがある。保持具の脚は、凹部内に延びることができる。この実施形態では、熱保護ユニットが保持具の障害物にならない。本加熱器に特別に合わせた保持具を提供する必要はない。その代わりに、市販の保持具を使用することができる。
【0020】
さらなる実施形態は、熱保護ユニットが第2の熱可塑性物質、または第2のエラストマー、特にシリコーンエラストマーからなることを特徴とする。第2の熱可塑性物質は、ポリスチレンまたはポリプロピレンであり得る。シリコーン、ポリスチレン、およびポリプロピレンは、熱伝導率が低く(<0.15W/(m・K))、かつ、本用途に十分に高い融点(>70℃)を有している。特にシリコーンは200℃以上の非常に高い融点を有している。同時に、材料費が許容できるほど低い。
【0021】
別の実施形態によれば、第1の熱可塑性物質と第2の熱可塑性物質とは同じである、または第1のエラストマーと第2のエラストマーとは同じである。断熱層と熱保護ユニットとは、特に熱伝導を低減するために同様の機能を有しているので、それらを両方とも同じ材料で形成することによって、製造工程を容易にし、コストを削減することができる。
【0022】
さらなる実施形態では、加熱器は、熱保護ユニットを補強するための補強構造を備える。特に、熱保護ユニットがエラストマーからなる場合、自立するように熱保護ユニットを設計することは難しい可能性がある。補強構造を使用することで、熱保護ユニットの設計の自由度が向上する。
【0023】
別の実施形態によれば、加熱器は、予め設定された時間の後に電球への電力供給を遮断するスイッチオフ手段を備える。スイッチオフ手段は、ユーザが加熱器をオンおよびオフにすることができるスイッチに統合することができる。スイッチオフ手段は、反対の指令が受信されない場合には、予め設定された時間の後、例えば15分または30分の後に、加熱器を自動的にオフにするように構成され得る。この実施形態では、加熱器を損傷する可能性のある過熱が防止される。さらに、加熱器の熱負荷が低減され、それにより加熱器の耐久性が向上する。その上、不必要なエネルギー消費が削減される。
【0024】
本発明の別の実施形態は、温かい飲料、特にコーヒーまたはお茶を準備するための装置に関し、その装置は、
水を収容するためのリザーバと、
コーヒー粉末または茶葉などを収容するための容器であって、前記リザーバの上方に配置されるように該リザーバに接続可能な容器と、を備え、
前記容器は、該容器が前記リザーバに接続されたときに、前記容器の底部から前記リザーバ内に下方へ延びる給水管を有し、それによって、前記リザーバと前記容器との間に流体連通が提供され、
前記装置は、前記開口部が前記リザーバに面するように配置された、前述の実施形態の1つによる加熱器をさらに備える。
【0025】
本加熱器に関して論じられた技術的効果および利点は、装置に等しく適用される。その結果、ベースハウジングの温度をユーザに無害なレベルに保つことができる。加熱器および温かい飲料を準備するための装置全体における操作上の安全性が向上する。
【0026】
さらなる実施形態では、装置は、リザーバが加熱器の上方に配置されるように、リザーバに接続可能な保持具を備える。保持具によって、リザーバを加熱器の上方に配置することができる。リザーバを加熱器の上端に直接配置する必要はない。したがって、ボール形状のリザーバでも使用できる。最初に述べたように、サイフォンの原理を利用して温かい飲料を準備するための装置は、燃料を使用する加熱器で実施することもできる。通常、リザーバを加熱器のバーナーの上に直接置くことはできないため、バーナーの上方にリザーバを配置するために保持具が必要である。したがって、同じ器具を本加熱器と組み合わせて使用することができるので、特別に設計された器具は必要ない。
【0027】
本発明は、添付の図面を参照して詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明に係る液体を加熱するための加熱器の一実施形態の斜視図。
【
図4A】
図1から
図3に示される加熱器を備える、温かい飲料を準備するための装置の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、添付の図面に示されている本開示の1つの例示的な実施形態を詳細に参照。可能な限り、同じまたは類似の参照番号が全体を通して使用される。
図1および
図2には、本発明の一実施形態に係る加熱器10が、それぞれ斜視図および断面図によって示されている。加熱器10は、電球ソケット16が固定されるベースハウジング14を有するベース12を備える。電球18、この場合はハロゲン電球18は、電球ソケット16に挿入される。電球18は、リザーバ20に収容される液体を加熱するために使用される電磁放射を提供する(
図4Aおよび
図4Bを参照)。電球18は、ベースハウジング14に間接的に固定されるスイッチ22によって、オンおよびオフに切り替えられ得る。電球18に電気エネルギーを供給するための配線は示されていない。スイッチ22は、予め設定された時間の後、例えば、15分または30分後に電球18をオフにするためのスイッチオフ手段24を備える。
【0030】
電球18は、第1のねじ28によってベースハウジング14に固定される電球ハウジング26によって囲まれる。電球ハウジング26は、電球18によって生成された電磁放射を透過する開口部30を有する。示される実施形態では、開口部30は、電球ハウジング26にも固定されているガラス板32によって覆われている。開口部30およびガラス板32は、電球18の自由端34の近くに配置されている。
【0031】
特に
図3に見られるように、断熱層36が、ベースハウジング14と電球ハウジング26との間に配置されている。断熱層36は、第1のねじ28が通過することができる孔38を有する。断熱層36は、5mmから10mmの間、特に5mmから7mmの間の厚さdを有する。断熱層36は、ポリスチレンまたはポリプロピレンのような第1の熱可塑性物質、または第1のエラストマー、特にシリコーンエラストマーからなる。第1のねじ28が固定されると、断熱層36が圧縮され、その結果、断熱層36は、ベースハウジング14および電球ハウジング26に対して固定される。
【0032】
その上、加熱器10は、電球ハウジング26の周りに配置された熱保護ユニット40を備えている。示される実施形態では、保護ユニットは筒状であり、第2のねじ42によって電球ハウジング26に固定されている。熱保護ユニット40は、電球ハウジング26の開口部30を覆っていない。さらに、熱保護ユニット40は、熱保護ユニット40とベースハウジング14との間に1mmから5mmの空隙44が形成されるように、電球ハウジング26に固定されている。特に
図1に見られるように、熱保護ユニット40は、熱保護ユニット40とベースハウジング14との間の距離が空隙44内よりも著しく大きいいくつかの凹部46をさらに備える。その距離は10mmから25mmの間である。熱保護ユニット40は、第2の熱可塑性物質、または第2のエラストマー、特にシリコーンエラストマーからなる。絶縁層36を形成する第1の熱可塑性物質または第1のエラストマーと、熱保護ユニット40を形成する第2の熱可塑性物質または第2のエラストマーとは同じである。
【0033】
加熱器10は、熱保護ユニット40を補強するための補強構造48を備える。示される実施形態の補強構造48は環状であり、熱保護ユニット40の径方向内側に配置されている。第2のねじ42は補強構造48を貫通している。補強構造48は金属製である。
【0034】
図4Aおよび
図4Bには、温かい飲料、特にコーヒーまたはお茶を準備するための装置50が、それぞれ、側断面図および斜視図によって示されている。装置50は、サイフォン原理を利用し、所望の量の水を注ぐことができる前述のリザーバ20を備える。さらに、装置50は、コーヒー粉末または茶葉のような不溶性材料(図示せず)が供給され得る容器52を含む。容器52は、気密な態様でリザーバ20に挿入される給水管54を備える。そのために、シール部材56が、リザーバ20と容器52との間に配置されている。給水管54の上側開口端は、再利用可能なフィルター58で覆われる。
図4Aから特に明らかなように、フィルター58は、把持部62を有するばね60に接続されている。把持部62を引っ張ることにより、フィルター58を給水管54に挿入することができ、それにより、必要に応じて、容器52に対して位置決めすることができる。
【0035】
リザーバ20内の水を、加熱器10の電球18によって生成された電磁放射に曝すために、リザーバ20は、電球ハウジング26の開口部30の近くに配置されなければならない。その目的のために、装置50は、リザーバ20に接続可能な保持具64を備える。保持具64は、ベースハウジング14の上面66に配置されている。
図4Bを参照すると、保持具64の脚68は、熱保護ユニット40の凹部46を通って延びる。
【0036】
コーヒーを準備するために、所望の量の水およびコーヒー粉末が、それぞれ、リザーバ20および容器52に供給される。水は、加熱器10によって沸点まで、または沸点近くまで加熱される。加熱すると、リザーバ20内の空気圧が上昇し、その結果、温水が給水管54およびフィルター58を介して容器52に供給される。温水は、容器52内のコーヒー粉末と混合される。加熱装置10のスイッチが切られるか、またはリザーバ20が加熱装置10から取り外されるとすぐに、リザーバ20は冷却され、その中の空気圧が低下し、それによって、容器52内のコーヒー粉末と混合された温水がフィルター58によって濾過されて、給水管54を介してリザーバ20に戻る。次に、容器52がリザーバ20から取り出され、リザーバ20内のコーヒーが飲用容器に注がれる。
【0037】
加熱装置10の作動において、電球18によって生成された電磁放射は、リザーバ20に収容される水を加熱するだけでなく、電球ハウジング26によっても吸収される(
図2を参照)。断熱層36は、熱がベースハウジング14に伝達されるのを防ぐ。結果として、ベースハウジング14、特にベースハウジング14の上面66の温度は、ユーザに無害なレベルに保たれる。さらに、スイッチ22のようにベースハウジング14の内側に配置された、または保持具64のようにベースハウジング14の上面66に配置された構成要素への熱負荷が低く保たれる。すでに述べたように、スイッチ22およびスイッチオフ手段24は、ベースハウジング14に間接的に固定されている。結果として、ベースハウジング14とスイッチ22またはスイッチオフ手段24との間にそれぞれ直接の熱伝導がないので、スイッチ22およびスイッチオフ手段24はベースハウジング14の温度による影響をほとんど受けない。
【0038】
さらに、熱保護ユニット40は、ユーザの手が電球ハウジング26に直接接触するのを防ぎ、怪我のリスクを低減する。スイッチオフ手段24は、反対の指令が受信されない場合には、予め設定された時間の後、例えば15分後、電球18をオフにする。それによって、加熱器10を損傷する可能性のある過熱が防止される。さらに、加熱器10の熱負荷が低減され、それにより加熱器10の耐久性が向上する。その上、不必要なエネルギー消費が削減される。
【符号の説明】
【0039】
10 加熱器
12 ベース
14 ベースハウジング
16 電球ソケット
18 電球
20 リザーバ
22 スイッチ
24 スイッチオフ手段
26 電球ハウジング
28 第1のねじ
30 開口部
32 ガラス板
34 自由端
36 断熱層
38 孔
40 熱保護ユニット
42 第2のねじ
44 空隙
46 凹部
48 補強構造
50 装置
52 容器
54 給水管
56 シール部材
58 フィルター
60 ばね
62 把持部
64 保持具
66 上面
68 脚
d 距離
【国際調査報告】