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特表2022-510975血管アクセス器具のためのシリンジベースの送達装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】血管アクセス器具のためのシリンジベースの送達装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20220121BHJP
【FI】
A61M25/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531225
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 US2019063063
(87)【国際公開番号】W WO2020112666
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/773,029
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/691,217
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】デレク ジュエル
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ スパタロ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267AA31
4C267AA38
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB11
4C267CC08
(57)【要約】
器具をカテーテル組立体に送達するための送達装置は、バレルと、バレル内で移動可能なプランジャとを有するシリンジを含むことができる。バレル内でのプランジャの押し下げに応じて、器具を末端方向に前進させることができる。器具は、カテーテル、プローブ、消毒用の光管、または他の適切な器具を含んでもよい。バレル内のプランジャの押し下げに応じて、器具の末端端部が、送達装置に結合されたカテーテル組立体を通って、患者の血管系に移動してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具をカテーテル組立体内に送達するための送達装置であって、
バレルおよび前記バレル内で移動可能なプランジャを有するシリンジと、
前記バレル内に配置されて前記プランジャと共に移動可能なガイド特徴部であって、前記ガイド特徴部がチャネルを備え、前記チャネルが全体としてU形状である、ガイド特徴部と、
前記バレル内に配置されて前記チャネルを通って延在する器具であって、前記プランジャの押し下げに応答して、前記ガイド特徴部が末端方向に移動し、前記器具が前記チャネルを通って移動し、前記器具の第1の端部が前記末端方向に前進し、前記器具の第2の端部が固定されている、器具と、
を備える、送達装置。
【請求項2】
前記器具は、カテーテルまたはプローブを備える、請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
前記バレルが液体を備え、前記プランジャの押し下げに応答して、前記液体が前記シリンジの末端開口部を出て、前記シリンジの前記末端開口部の直径が前記器具の外径よりも大きい、請求項1に記載の送達装置。
【請求項4】
前記器具の前記第2の端部が、前記バレル内に固定されている、請求項1に記載の送達装置。
【請求項5】
前記シリンジに結合されたインターフェースアダプタをさらに備え、前記器具の前記第2の端部が、前記インターフェースアダプタ内に固定されている、請求項1に記載の送達装置。
【請求項6】
前記プランジャの押し下げに応答して、前記ガイド特徴部が前記末端方向に第1の距離を移動し、前記器具の第1の端部が前記末端方向に第2の距離を前進し、前記第2の距離が前記第1の距離よりも大きい、請求項1に記載の送達装置。
【請求項7】
前記器具の前記第1の端部が、前記プランジャが部分的または完全に押し下げられることに応答して、前記シリンジの末端端部を超えて前記末端方向に前進する、請求項1に記載の送達装置。
【請求項8】
前記シリンジは、前記シリンジの末端部分から外向きに延在する延長管をさらに備え、前記器具の前記第2の端部が前記延長管に結合されており、前記器具はカテーテルを備える、請求項1に記載の送達装置。
【請求項9】
前記器具がカテーテルを備え、前記カテーテル内に配置されたガイドワイヤをさらに備え、前記プランジャの押し下げに応答して、前記ガイドワイヤおよび前記カテーテルが前記チャネルを通って移動し、前記ガイドワイヤの第1の端部が末端方向に前進し、前記ガイドワイヤの第2の端部が固定されている、請求項1に記載の送達装置。
【請求項10】
前記ガイドワイヤの前記第1の端部が、前記プランジャが部分的または完全に押し下げられたことに応答して、前記シリンジの末端端部を超えて前記末端方向に前進する、請求項9に記載の送達装置。
【請求項11】
前記プランジャの押し下げに応答して、前記ガイド特徴部が前記末端方向に第1の距離を移動し、前記ガイドワイヤの前記第1の端部が前記末端方向に第2の距離を前進し、前記第2の距離が前記第1の距離よりも大きい、請求項9に記載の送達装置。
【請求項12】
前記ガイド特徴部から延在していて前記ガイド特徴部に結合された支持管をさらに備え、前記プランジャの押し下げに応答して、前記ガイド特徴部が末端方向に第1の距離を移動し、前記器具が前記支持管を通って移動し、前記支持管の第1の端部が前記末端方向に前記第1の距離を前進する、請求項1に記載の送達装置。
【請求項13】
器具をカテーテル組立体内に送達するための送達装置であって、
バレルおよび前記バレル内で移動可能なプランジャを有するシリンジと、
前記プランジャに結合されて前記プランジャに沿って前進位置に移動可能な器具であって、前記器具が前記バレル内に末端に延在しており、前記器具の末端端部が前記シリンジの末端端部に対して末端に前進するように構成されている、器具と、
を備える、送達装置。
【請求項14】
前記プランジャがリブを備え、前記器具が前記リブに結合されて前記リブに沿って移動可能である、請求項13に記載の送達装置。
【請求項15】
前記プランジャがスロットを備え、前記器具が前記バレル内に配置されて前記スロットに沿って移動可能な前進タブに結合されている、請求項13に記載の送達装置。
【請求項16】
前記プランジャがストッパを備え、前記器具が、前記プランジャが前記前進位置に移動するのに応じて、前記ストッパを通って移動する、請求項13に記載の送達装置。
【請求項17】
前記バレルが液体を備え、前記プランジャの押し下げに応答して、前記液体が前記シリンジの末端開口部を出て、前記シリンジの前記末端開口部の直径が前記器具の外径よりも大きい、請求項13に記載の送達装置。
【請求項18】
器具をカテーテル組立体内に送達するための送達装置であって、
外バレル、内バレル、前記内バレル内で移動可能な細長い本体、および前記内バレル内に配置されたプランジャヘッドを備えたシリンジであって、前記シリンジの末端端部が、末端開口部と、カテーテルアダプタの基端端部に結合するように構成された末端コネクタとを備え、前記細長い本体が前記内バレル内で末端方向に前進することに応答して、前記細長い本体の末端端部が前記プランジャヘッドに結合し、前記細長い本体が前記プランジャヘッドに結合することに応答して、前記細長い本体および前記プランジャヘッドが共に末端に前進して前記内バレルから前記開口部を通って液体を排出するように構成されている、シリンジと、
前記細長い本体の末端端部から前記プランジャヘッドを通って延在する器具であって、前記細長い本体が前記内バレル内で末端方向に前進することに応答して、前記器具の末端端部が末端方向に前進する、器具と、
を備える、送達装置。
【請求項19】
前記器具がカテーテルまたはプローブを備える、請求項18に記載の送達装置。
【請求項20】
前記細長い本体の前記プランジャヘッドへの結合に応答して、前記細長い本体および前記プランジャヘッドが、共に基端に後退して、前記内バレルから前記外バレル内に液体を排出するように構成されている、請求項18に記載の送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
カテーテルは、様々な注入療法に一般的に使用されている。例えば、カテーテルは、通常の生理食塩水、様々な医薬品、および完全非経口栄養などの液体を患者に注入するために使用されてもよい。また、カテーテルは、患者から血液を引き出すために使用されてもよい。
【背景技術】
【0002】
一般的なカテーテルのタイプは、オーバー・ザ・ニードル末梢静脈(「IV」)カテーテルである。その名前が示唆するように、オーバー・ザ・ニードルカテーテルは、鋭い末端先端を有する導入針の上に取り付けられてもよい。カテーテルと導入針は、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向いた状態で、導入針の末端先端がカテーテルの末端先端を超えて延在するように組み立てられる。カテーテルと導入針は、皮膚を介して患者の血管系に全体として浅い角度で挿入される。
【0003】
導入針および/またはカテーテルが血管内に適切に配置されていることを確認するために、医療者は一般的に、カテーテル組立体のフラッシュバックチャンバ内で血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されたら、医療者は血管内の流れを一時的に閉塞させて針を取り除き、将来の血液の引き出しや液体の注入のためにカテーテルを所定の位置に残してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
末梢IVカテーテルを使用して血液を引き出すことは、特にカテーテルの留置期間が1日を超える場合、いくつかの理由で困難であるかもしれない。例えば、カテーテルが長期間患者に挿入されたままであると、カテーテルまたは静脈が狭くなったり、倒れたり、キンクしたり、破片(例えば、フィブリンや血小板の塊)で閉塞したり、カテーテルの先端が血管系に付着したりしやすくなるかもしれない。このため、カテーテルは、カテーテル留置時に血液サンプルを採取するためにしばしば使用されるかもしれないが、カテーテルの滞留期間中に血液サンプルを採取するために頻繁に使用されることは非常に少ない。そのため、血液サンプルが必要とされるときは、追加の針刺しが静脈へのアクセスを提供して血液収集する必要があり、これは患者にとって苦痛であって材料費も高くなるかもしれない。したがって、追加の針刺しを行うことなく、例えばカテーテルやプローブなどの血液サンプル器具を患者の血管系に配置することを容易にするカテーテルシステムおよび方法が必要とされている。
【0005】
ここで請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態または上述のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、ここに記載された幾つかの実装が実施され得る1つの例示的な技術分野を説明するために提供されるに過ぎない。
概要
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、全体として、血管アクセス器具をカテーテル組立体および/または患者の血管系内に送達するためのシリンジベースの送達装置、ならびに関連するシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、送達装置は、バレルと、バレル内で移動可能なプランジャとを有するシリンジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、送達装置は、ガイド特徴部を含んでもよく、これはバレル内に配置されおよび/またはプランジャに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ガイド特徴部は、プランジャとともに移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、ガイド特徴部はチャネルを含んでもよく、これは全体としてU字型であってもよい。いくつかの実施形態では、ガイド特徴部およびチャネルは、バレル内で様々な方向に配向されていてもよい。例えば、チャネルは、バレル内で水平方向または垂直方向に配向されてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、送達装置は、バレル内に配置されてガイド特徴部を通って延在する器具を含んでもよい。例えば、器具は、チャネルを通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、プランジャの押し下げまたはプランジャの末端移動に応答して、ガイド特徴部は末端方向に第1の距離を移動してもよく、器具はチャネルを通って移動してもよく、器具の第1の端部は末端方向に、第1の距離よりも大きい第2の距離を前進してもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離の少なくとも2倍であってもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、器具の第1の端部は、プランジャがバレル内で部分的および/または完全に末端方向に押し下げられることに応答して、シリンジの末端端部を超えて末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、器具の第2の端部が固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、器具の第2の端部は、バレル内に固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体のカテーテルアダプタがシリンジに結合されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、針なしコネクタが、シリンジとカテーテルアダプタとの間に配置されてもよく、シリンジをカテーテルアダプタに接続してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、針なしコネクタの末端端部は、カテーテル組立体のカテーテルアダプタに結合されてもよく、針なしコネクタの基端端部は、シリンジに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、シリンジの末端端部は、コネクタを含んでもよく、これはカテーテルアダプタおよび/または針なしコネクタの基端端部に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、インターフェースアダプタが、シリンジとカテーテルアダプタとの間に配置されてもよく、シリンジをカテーテルアダプタに接続してもよい。いくつかの実施形態では、器具の第2の端部は、インターフェースアダプタ内に固定されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、バレルは、例えば、生理食塩水または別の適切な洗浄液などの液体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、液体は、バレルを完全に満たしてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャの押し下げに応じて、液体がシリンジの末端開口部を出てもよい。いくつかの実施形態では、シリンジの末端開口部の直径は、器具の外径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャの押し下げに応答して、液体は器具の周りを流れてもよく、カテーテル組立体の中におよび/またはこれを通って流れてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、バレルは液体を含まなくてもよいが、シリンジは器具をカテーテル組立体に送達するために使用されてもよい。これらの実施形態および他の実施形態では、シリンジの末端開口部は、シリンジの末端開口部と器具との間にシールを形成するためのセプタムを含んでもよく、バレルまたはストッパは、プランジャを前進させる際の間に空気を逃がすためのベントを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、器具は、プローブ(これは、センサを含んでもよい)、消毒用の光管、または他の適切な器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、カテーテルを含んでもよい。これらの実施形態および他の実施形態では、シリンジは、延長管を含んでもよく、これはシリンジの末端部分から外向きに延在してもよい。いくつかの実施形態では、器具の第2の端部は、延長管に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、患者から収集された血液は、器具の第2の端部から延長管内に流れてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤが器具内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、バレル内のプランジャの末端方向への押し下げに応答して、ガイドワイヤおよび器具がチャネルを通って移動してもよい。いくつかの実施形態では、バレル内のプランジャの末端方向への押し下げに応答して、ガイドワイヤの第1の端部が末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、プランジャの押し下げに応答して、ガイド特徴部が末端方向に第1の距離を移動してもよく、ガイドワイヤの第1の端部が末端方向に第2の距離を前進してもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離の少なくとも2倍であってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの第1の端部は、プランジャが部分的および/または完全に押し下げられることに応答して、シリンジの末端端部を超えて末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの第2の端部は、固定されていてもよい。例えば、ガイドワイヤの第2の端部は、バレルまたはインターフェースアダプタ内に固定されていてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、送達装置は、支持管を含んでもよく、これはガイド特徴部から延在してガイド特徴部に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャの押し下げに応答して、ガイド特徴部が末端方向に第1の距離を移動してもよく、器具が支持管を通って移動してもよく、器具の第1の端部が末端方向に第2の距離を前進してもよく、支持管の第1の端部が末端方向に第1の距離を前進してもよい。これらの実施形態では、第2の距離は、第1の距離よりも大きくてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、送達装置は、例えば患者の血管系内に挿入されても良いカテーテル組立体などの別の血管アクセス装置を通って、器具が患者の血管系にアクセスすることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、器具が送達装置を介してカテーテル組立体内に導入されると、器具はカテーテル組立体の流体経路にアクセスしてもよく、および/または、器具はカテーテル組立体を通って延在してもよく、患者の血管系にアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタと、カテーテルアダプタから末端に延在する別のカテーテルとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、他のカテーテルの基端端部がカテーテルアダプタ内に固定されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、器具は、プランジャに結合されてプランジャに沿って前進位置に移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、器具は、バレル内に末端に延在していてもよい。いくつかの実施形態では、器具の末端端部は、シリンジの末端端部に対して末端に前進するように構成されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、プランジャは、リブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、リブに結合され、リブに沿って移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、プランジャは、スロットを含んでもよい。これらの実施形態および他の実施形態では、器具は、バレル内に配置されてスロットに沿って移動可能な前進タブに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャは、ストッパを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プランジャが前進位置に移動することに応答して、器具はストッパを通って移動してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、シリンジは、外バレルと、内バレルと、内バレル内で移動可能な細長い(elongated)本体と、内バレル内に配置されたプランジャヘッドとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体の末端端部は、プランジャヘッドに結合してもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体のプランジャヘッドへの結合に応答して、細長い本体およびプランジャヘッドは、共に末端に前進してシリンジの末端開口部を通って内バレルから液体を排出するように構成されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、器具が、細長い本体の末端端部からプランジャヘッドを通って延在していてもよい。いくつかの実施形態では、内バレル内での細長い本体の末端方向への前進に応答して、器具の末端端部は末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体のプランジャヘッドへの結合に応答して、細長い本体およびプランジャヘッドは、共に基端方向に後退して内バレルから外バレル内に液体を排出するように構成されてもよい。
【0021】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものであり、請求項に記載の発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置および器具に限定されないことを理解すべきである。また、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、実施形態を組み合わせたり、他の実施形態を利用したり、請求項に記載されていない構造的な変更を行ったりすることができることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
例示的な実施形態は、以下の添付の図面を使用することによって、さらに具体的かつ詳細に説明される。
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある送達装置の例示的なプランジャを示す、例示的なカテーテル組立体に結合された例示的な送達装置の上面図である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、基端位置にあるプランジャを示す、図1Aのカテーテル組立体に結合された図1Aの送達装置の断面図である。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、図1Aの線1C-1Cに沿った図1Aの送達装置の断面図である。
図1D図1Dは、いくつかの実施形態による、図1Aの線1C-1Cに沿った図1Aの送達装置の別の断面図である。
図1E図1Eは、いくつかの実施形態による、図1Aのカテーテル組立体の例示的なカテーテルの末端端部の断面図である。
図1F図1Fは、いくつかの実施形態による、例示的なバレル内で垂直に配向された例示的なチャネルを示す、カテーテル組立体に結合された別の例示的な送達装置の側面図である。
図1G図1Gは、いくつかの実施形態による、バレル内で垂直に配向されたチャネルを示す、図1Fの送達装置の断面図である。
図1H図1Hは、いくつかの実施形態による、図1Fの線1H-1Hに沿った図1Fの送達装置の断面図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、末端位置にあるプランジャを示す、図1Aのカテーテル組立体に結合された図1Aの送達装置の上部透視図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、末端位置にあるプランジャを示す、図1Aのカテーテル組立体に結合された図1Aの送達装置の断面図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある送達装置のプランジャを示す、例示的な支持管を有する送達装置の断面図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、末端位置にあるプランジャを示す、図3Aの送達装置の断面図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある送達装置の例示的なプランジャを示す、例示的なインターフェースアダプタ内に配置された固定端を有する例示的な器具を有する別の送達装置の断面図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、末端位置にあるプランジャを示す、図4Aの送達装置の断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にあるプランジャを示す、例示的な支持管を有する図4Aの送達装置の断面図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、末端位置にあるプランジャを示す、図5Aの送達装置の断面図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある例示的なプランジャおよび例示的な器具をそれぞれ示す、別の例示的な送達装置の上部透視図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施形態による、部分的に前進した位置にある器具の各々を示す、例示的な位置決め特徴部を有する図6Aの送達装置の上部透視図である。
図6C図6Cは、いくつかの実施形態による、図6Aの線6C-6Cに沿った図6Aの送達装置の断面図である。
図6D図6Dは、いくつかの実施形態による、前進位置にある器具を示す、図6Aの送達装置の上部透視図である。
図6E図6Eは、いくつかの実施形態による、完全に前進した位置にある器具およびプランジャのそれぞれを示す、図6Aの送達装置の上部透視図である。
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による、例示的な代替の器具前進機構を示す、図6Aの送達装置の上部透視図である。
図7B図7Bは、いくつかの実施形態による、図7Aの送達装置の断面図である。
図7C図7Cは、いくつかの実施形態による、部分的に前進した位置にある器具を示す、図7Aの送達装置の断面図である。
図8A図8Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある例示的な細長い本体を示す、別の例示的な送達装置の断面図である。
図8B図8Bは、いくつかの実施形態による、末端に前進して例示的なプランジャヘッドと結合した細長い本体を示す、図8Aの送達装置の断面図である。
図8C図8Cは、いくつかの実施形態による、プランジャヘッドに結合された細長い本体と、末端に前進したプランジャヘッドと細長い本体を示す、図8Aの送達装置の断面図である。
図8D図8Dは、いくつかの実施形態による、プランジャヘッドに結合された細長い本体と、基端に後退したプランジャヘッドと細長い本体を示す、図8Aの送達装置の断面図である。
図8E図8Eは、いくつかの実施形態による、プランジャヘッドに結合された細長い本体と、細長い本体およびプランジャヘッドが基端に後退した状態を図示しているものである図8Aの送達装置の別の断面図である。
図9A図9Aは、別の例示的な送達装置の断面図であり、いくつかの実施形態による、初期位置にある例示的なプランジャを図示している。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態による、部分的に前進した位置にあるプランジャを例示する、図9Aの送達装置の断面図である。
図9C図9Cは、いくつかの実施形態による、部分的に後退した位置にあるプランジャを示す、図9Aの送達装置の断面図である。
図10A図10Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある例示的プランジャを示す、別の例示的送達装置の断面図である。
図10B図10Bは、いくつかの実施形態による、末端位置にあるプランジャを例示する、図10Aの送達装置の断面図である。
図10C図10Cは、いくつかの実施形態による、プランジャ内に統合された例示の延長管を例示する、図10Aの送達装置の断面図である。
図11図11は、いくつかの実施形態による、例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで図1A~1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、送達装置10は、バレル14およびバレル14内で移動可能なプランジャ16を有するシリンジ12を含んでもよい。図1A-1Bは、いくつかの実施形態によれば、基端位置にあるシリンジ12のバレル14を示している。いくつかの実施形態では、送達装置10は、ガイド特徴部18を含んでもよく、これはバレル14内に配置されてもよく、および/またはプランジャ16に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18は、プランジャ16とともに移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18は、チャネル20を含んでもよく、これは全体としてU字型であってもよい。他の実施形態では、チャネル20の一部17が取り除かれてもよく、チャネル20は、全体として半円形を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、プランジャ16の末端端部は、ストッパ21を含んでもよく、これはゴムまたは他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18は、プランジャ16とともに移動可能であってもよい。例えば、ガイド特徴部18は、ストッパ21に結合されてもよく、プランジャ16とともに基端におよび/または末端に移動してもよい。別の例として、ストッパ21は、ガイド特徴部18を含んでもよく、ガイド特徴部18は、プランジャ16とともに基端におよび末端に移動してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、チャネル20は、ストッパ21内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の基端への移動に応答して、ガイド特徴部18が基端に移動されてもよく、器具22が基端に後退してまたは引き出されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、送達装置10は、器具22を含んでもよく、これはバレル14内に配置されてもよくガイド特徴部18を通って延在していてもよい。例えば、器具は、チャネル20を通って延在してもよい。いくつかの実施形態では、器具22は、プローブ(これはセンサを含んでもよい)、消毒用の光管、または別の適切な器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具22はカテーテルを含んでいてもよい。これらの実施形態および他の実施形態において、シリンジ12は、延長管24を含んでもよく、これは例えばバレル14などのシリンジ12の末端部分から外向きに延在していてもよい。いくつかの実施形態では、バレル14の末端端部は、末端コネクタ34に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、バレル14は、均一な内径を含んでいてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、血液収集装置23は、延長管24に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置23は、真空管、試験管、またはシリンジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置は、例えば図1A~1Bに示されているように、アダプタを含んでもよく、これは試験管を保持するように構成されていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、器具22の第1の端部25は、プランジャ16がバレル14内で末端方向に部分的および/または完全に押し下げられることに応答して、シリンジ12の末端開口部46を超えて末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、器具22の第2の端部28は、固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、器具22の第2の端部28は、バレル14または末端コネクタ34内に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、器具22の第2の端部28は、延長管24に結合されて、カテーテル組立体30を介して患者から採取された血液が、器具22の第2の端部28から延長管24内に流れ込むようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、器具22の第1の端部25は、尖っておらずおよび/またはテーパ状であってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30のカテーテルアダプタ32は、シリンジ12に結合されてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、シリンジ12の末端端部26は、末端コネクタ34を含んでもよく、これはカテーテルアダプタ32の基端端部に結合するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、末端コネクタ34は、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または他の適切なコネクタを含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、針なしコネクタは、シリンジ12をカテーテルアダプタ32に結合してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、末端コネクタ34は、針なしコネクタの基端端部に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、針なしコネクタの末端端部は、カテーテルアダプタ32の基端端部に結合してもよい。いくつかの実施形態では、針なしコネクタは、雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または他の任意の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、針なしコネクタは、臨時(「PRN」)コネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、針なしコネクタは、Becton,Dickinson and Companyから入手可能なSMARTSITE(商標)針なしコネクタ、Becton,Dickinson and Companyから入手可能なQ-SYTE(商標)ルアーアクティブスプリットセプタム、Baxterから入手可能なINTERLINK(商標)針なしシステム、または他の適切な針なしコネクタを含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30は、カテーテル36を含んでもよく、これはカテーテルアダプタ32内に固定されてもよく、カテーテルアダプタ32から末端に延在してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル36は、末梢静脈カテーテルを含んでもよく、これは患者の血管系内に留置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ32は、一体化された延長管(図示せず)を有する一体化されたものであってもよいし、非一体化されたものであってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、送達装置10は、器具22がカテーテル36を介して患者の血管系にアクセスすることを可能にしてもよく、これは患者の血管系内に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、器具22が送達装置10を介してカテーテル組立体内に導入されるとき、器具は、カテーテル組立体30の流体経路にアクセスしてもよく、および/または、器具22は、カテーテル組立体30を通って延在してもよく、患者の血管系にアクセスしてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体30は、カテーテルアダプタ32の基端端部に結合された針ハブと、針ハブから末端に延在する導入針(図示せず)とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、針ハブおよび導入針は、患者の血管系内にカテーテル36を配置することに応答して、カテーテル組立体30から取り外されてもよく、送達装置10は、針ハブおよび導入針が取り外された後に、カテーテルアダプタ32の基端端部に結合されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18およびチャネル20は、バレル14内で様々な方法および角度で配向されてもよい。例えば、チャネル20は、送達装置10が患者内への挿入のために配置されたカテーテルアダプタ32と結合されたときに、バレル14内で全体として水平または垂直に配向されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、バレル14は、例えば、生理食塩水または他の適切な洗浄液体などの液体38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、液体38は、バレル14を完全に満たしてもよい。いくつかの実施形態では、液体38は、さらに詳細に説明するように、カテーテル組立体30のすべてまたは一部を洗浄するために使用されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40が器具22内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40の第1の端部42は、プランジャ16が部分的におよび/または完全に押し下げられることに応答して、シリンジ12の末端端部を超えて末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40の第2の端部44は固定されていてもよい。例えば、ガイドワイヤ40の第2の端部44は、バレル14内に固定されていてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40は、患者の血管系内への器具22の配置を容易にするために使用されてもよく、その結果、静脈に関連する外傷が少なくてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40は、第2のカテーテル(例えば、図1A~1Bに図示されているカテーテル36など)を通って前進する際に器具22の崩壊または座屈を防止するために、前進中にカテーテルなどの器具22を支持してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40は、器具22の全てまたは一部に沿って器具22を支持して、構造的信頼性を向上させ、適切な血液収集充填時間性能を提供し、許容可能な血液の溶血リスクを維持し、器具22のキンクのリスクを最小化してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40および器具22は、血液採取の完了時に送達装置10内に封入されてもよい。いくつかの実施形態では、送達装置10はガイドワイヤ40を含まなくてもよいことが理解される。
【0037】
ここで図1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、チャネル20は、器具22に接触して支持してもよい。いくつかの実施形態では、チャネル20の形状は、器具22がチャネルを通って移動する際に、器具22のキンクまたは屈曲のリスクを減少させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40の外径は、器具22の内径よりも小さくてもよく、流体が器具22を容易に流れるようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、U形状の曲率は、例えば器具22が構成される材料の曲げ半径に応じて、変化してもよい。いくつかの実施形態では、U形状の曲率は、器具22のキンクまたは損傷を防止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、チャネル20は、例えばリップまたは戻り止めなどの1つまたは複数の突出部27を含んでもよく、これはチャネル20内での器具22の固定を容易にしてもよい。
【0038】
次に図1Dを参照すると、ガイド特徴部18がバレル14のルーメンを部分的にのみ渡っている(span)図1Cに図示されたガイド特徴部構成の代替として、いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18はバレル14のルーメンの全体に渡っていでもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18は、例えば図1Dに示されているように、バレルの断面においてバレルの内表面の全体に接触してもよい。
【0039】
ここで図1F~1Hを参照すると、いくつかの実施形態では、例えば図1A~1Bに図示されているように水平に配向されるのとは対照的に、例えば図1F~1Gに図示されているように、チャネル20はシリンジ12内で縦方向に配向されてもよい。いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18は、例えば図1Hに例示されるように、バレル14のルーメンの全体に渡り、バレルの断面でバレルの内表面の全体に接触してもよい。他の実施形態では、ガイド特徴部18は、バレル14のルーメンを部分的にのみ渡っていてもよい。
【0040】
ここで図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、プランジャ16は、基端位置から末端方向に押し下げられまたは移動されてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、ガイド特徴部18が末端方向に第1の距離を移動されてもよく、器具22がチャネル20を通って移動してもよく、器具22の第1の端部25が末端方向に第1の距離よりも大きい第2の距離を前進してもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、チャネル20のU形状のために、第1の距離の少なくとも2倍(「1:2の前進比」)であってもよい。いくつかの実施形態では、送達装置10と、ガイド特徴部18および器具22の第1の端部25の間の1:2の前進比(または、第2の距離が第1の距離よりも大きい別の前進比)とは、器具22が末端に前進する際の信頼性および構造的な支持を提供しながら、長いリーチを有する器具22をも提供してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、液体38は、シリンジ12の末端開口部46から出てもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ12の末端開口部46の直径は、器具22の外径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、液体38は、器具22の周りを、およびカテーテル組立体30の中へおよび/またはそれを通って、流れてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、器具22は、ガイドワイヤ40および/または、例えば、「マルチ直径カテーテル及び関連する装置並びに方法」と題された2018年4月20日出願の米国特許出願第62/660,646号に記載されているようなマルチ直径カテーテルを含んでもよく、これは参照によりここに組み込まれる。いくつかの実施形態では、マルチ直径カテーテルは、採血中の血液流速度の改善を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ40の末端端部は、マルチ直径カテーテルの移行部に近接して配置されて、ガイドワイヤ40の外面とマルチ直径カテーテルの内面との間の環状空間に流体が流れることを可能にしてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、バレル14内のプランジャ16の末端方向への押し下げに応答して、ガイドワイヤ40が器具22内のチャネル20を通って移動してもよく、ガイドワイヤ40の第1の端部42が末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、ガイド特徴部18が末端方向に第1の距離を移動してもよく、ガイドワイヤ40の第1の端部42が末端方向に第2の距離を前進してもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離の少なくとも2倍であってもよい。
【0044】
図1Eに戻ると、いくつかの実施形態では、カテーテル36の末端端部48は、カテーテル36の壁を通って延在する1つまたは複数のフロー穴50を含んでもよい。いくつかの実施形態では、液体38は、プランジャ16の押し下げに応答して、フロー穴50から流出してもよい。
【0045】
ここで図3A~3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、送達装置10は、支持管54を含んでもよく、これはガイド特徴部18から延在していてもよい。いくつかの実施形態では、支持管54は、ガイド特徴部18に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、ガイド特徴部18は、末端方向に第1の距離を移動してもよく、器具22は、支持管54を通って移動してもよく、支持管54の第1の端部56は、末端方向に第1の距離を前進してもよい。いくつかの実施形態では、支持管54は、支持管54の長さの全部または一部に沿って、均一な内径および/または均一な外径を含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、送達装置10が支持管54を含む場合、器具22は、ポリイミドよりも軟らかい材料で構成されたカテーテルを含んでもよく、これは静脈壁に対する損傷がより少なくてもよい。これらおよび他の実施形態では、器具22は、ポリウレタン、シリコン、熱可塑性エラストマー(「TPE」)、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)、および別の適切なコンプライアント材料のうちの1つまたは複数で構成された管を含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、支持管54は、器具22の外径よりも大きな内径を含んでいて、器具22が支持管54の中を容易に移動できるようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、支持管54は、器具22の第1の端部25または自由端への支持を提供してもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げおよびガイド特徴部18の第1の距離の移動に応答して、支持管54の第1の端部56は、第1の距離に等しい距離(「1:1の前進比」)を末端方向に前進してもよく、一方、器具22の第1の端部25は、例えば第1の距離の2倍(「1:2の前進比」)など、第1の距離よりも大きな距離を前進してもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部25に対するガイド特徴部18の異なる前進比と、支持管54に対するガイド特徴部18の異なる前進比とが、支持管54が器具22の一部を越えて末端に前進せず、器具22の一部がカテーテル組立体30を通って末端に前進し、血管系に入ってもよい。これらおよび他の実施形態では、器具22の部分は、減少した外径を有してもよく、または器具22は、器具22の長さの全てまたは一部に沿って均一な直径を含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、ガイド特徴部18と器具22の第1の端部25との間の1:2の前進比(または、第2の距離が第1の距離よりも大きい別の前進比)と、ガイド特徴部18と支持管54の第1の端部56との間の1:1の前進比とが与えられると、器具22の第1の端部25は、支持管54の第1の端部56を出てもよい。いくつかの実施形態では、器具22の第1の端部25は、支持管54の第1の端部56を出て、支持管54が入るには狭すぎるかもしれないカテーテル組立体30の部分内への器具22の進入を容易にしてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、送達装置10は、器具22が支持管54から時間を測ってまたは遅延して出ることを容易にしてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、例えば図3Aに図示されているように、ガイド特徴部18が完全に後退したときに、器具22の第1の端部25が短くされて、支持管54の第1の端部56と平らにまたは近接して配置されるようになっていてもよい。
【0050】
ここで図4A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態による、別の送達装置58が図示されている。いくつかの実施形態では、送達装置58は、図1~3に関して議論された、送達装置10を含むかまたはそれに対応してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、送達装置58は、送達装置10の1つ以上の特徴を含んでもよく、および/または送達装置10は、送達装置58の1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、器具22の第2の端部28は、インターフェースアダプタ60内に固定されてもよく、これは送達装置58を針なしコネクタの基端端部または、例えば、図1~3に関して議論されたカテーテルアダプタ32などのカテーテルアダプタの基端端部に接続してもよい。いくつかの実施形態では、針なしコネクタは、インターフェースアダプタ60とカテーテルアダプタとの間に配置されてもよく、インターフェースアダプタ60をカテーテルアダプタに接続してもよい。いくつかの実施形態では、インターフェースアダプタ60の基端端部62は、送達装置58の末端コネクタ34と結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基端端部62は、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または他の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、インターフェースアダプタ60の基端端部62は、末端コネクタ34に取り外し可能または非取り外し可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、インターフェースアダプタ60の末端端部63は、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または別の適切なコネクタを含んでもよく、これは針なしコネクタの基端端部またはカテーテルアダプタの基端端部を結合するように構成されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、インターフェースアダプタ60は、側部ポート64を含んでもよく、これは、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または別の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、送達装置58は、第1のキャップおよび/または第2のキャップ(図示せず)を含んでもよい。第1のキャップは、プランジャ16が基端位置にあるときに器具22がシリンジ12内に完全に収容されるいくつかの実施形態において、シリンジ12の末端開口部46に結合され、これをシールしてもよい。第1のキャップは、器具22の第1の端部がインターフェースアダプタ60内に固定されるいくつかの実施形態において、インターフェースアダプタ60の末端端部に結合され、これをシールしてもよい。いくつかの実施形態では、第2のキャップは、側部ポート64をシールしてもよい。いくつかの実施形態では、第1のキャップは、送達装置58のインターフェースアダプタ60への接続を可能にするために取り外し可能であってもよく、および/または、第2のキャップは、例えば、血液収集装置の側部ポート64への結合を可能にするために取り外し可能であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、例えば、図1A-1Bおよび図2A-2Bの血液収集装置23などの血液収集装置は、側部ポート64のルアーアダプタに結合されて、患者から血液を収集してもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置は、シリンジ、血液収集管、または別の適切な装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長管24は、側部ポート64に結合されてもよく、側部ポート64から延在してもよい。いくつかの実施形態では、延長管24の基端端部は、血液収集装置に結合されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、側部ポート64は、インターフェースアダプタ60のルーメン68からシールされてもよいキャビティ66を含んでもよく、これにより、血液または他の流体がルーメン68内に漏れることを防止してもよい。いくつかの実施形態では、キャビティ66は、壁70によってルーメン68からシールされてもよく、これを通って器具22の第2の端部28および/またはガイドワイヤ40の第2の端部44(図4A~4Bには図示せず)が延在していてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、図1A-1Cおよび2A-2Bに図示されているガイドワイヤ40は、器具22内に配置されてもよく、図1A-1Cおよび2A-2Bに関して議論されたのと同様の方法で動作してもよい。
【0055】
ここで図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、送達装置58は、ガイド特徴部18から延在してもよい支持管54を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持管54は、ガイド特徴部18に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、例えば図5Bに示されるように、ガイド特徴部18が末端方向に第1の距離を移動してもよく、器具22が支持管54を通って移動してもよく、支持管54の第1の端部56が末端方向に第1の距離を前進してもよい。いくつかの実施形態では、支持管54は、支持管54の長さの一部の全てに沿って、均一な内径および/または均一な外径を含んでもよい。
【0056】
ここで図6A~6Eを参照すると、いくつかの実施形態による、別の例示的な送達装置72が図示されている。いくつかの実施形態では、送達装置72は、図1~3に関して議論された送達装置10、および/または図4~5に関して議論された送達装置58を含むか、またはそれらに対応してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、送達装置72は、送達装置10および/または送達装置58の1つまたは複数の特徴を含んでもよい。一部の実施形態では、送達装置10および/または送達装置58は、送達装置72の1つまたは複数の特徴を含んでもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、器具22は、プランジャ16に結合されてもよく、プランジャ16に沿って末端方向に前進位置まで移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、器具22はまた、プランジャ16に沿って基端に移動して器具22を後退させてもよい。これらの実施形態および他の実施形態において、器具22は、プランジャとは独立して移動してもよい。いくつかの実施形態では、器具22は、バレル14内に末端に延在してもよい。いくつかの実施形態では、器具22の末端端部74は、例えば図6D~6Eに図示されているように、シリンジ12の末端開口部46まで末端に前進するように構成されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、プランジャ16は、少なくとも1つのリブ76を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具22は、リブ76に結合され、リブ76に沿って移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、器具22は、例えば図6Cに図示されているように、リブ76に前進タブ81を介して結合されてもよく、これはリブ76の上に延在してもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16は、ストッパ78を含んでもよく、これはゴムまたは別の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16が前進位置に移動することに応答して、器具22は、ストッパ78を通って移動してもよい。
【0059】
図6Bに示されているように、いくつかの実施形態では、位置決め特徴部80は、前進タブ81に結合された基端端部を含んでもよく、これは器具22に結合されて器具22を基端におよび/または末端に移動させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、位置決め特徴部80は、剛性であってもよい。いくつかの実施形態では、位置決め特徴部80の末端端部82は、シリンジ12の上面に接触して、前進タブ81および器具22の末端への移動を防止してもよい。いくつかの実施形態では、位置決め特徴部80の末端端部82は、自由に浮遊していてもよく、前進タブ81および器具22の末端方向への移動に応答して、シリンジ12の上面に接触してもよい。いくつかの実施形態では、位置決め特徴部80の末端端部82は、シリンジ12に取り付けられるか、または選択的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、位置決め特徴部80は、送達装置72が包装されているときおよび/または使用前に、器具22の位置を固定してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、液体38は、シリンジ12の末端開口部46から流出してもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ12の末端端部26は、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または別の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ12は、カテーテル組立体30のカテーテルアダプタ32の基端端部に結合されてもよく(例えば、図1A-1Bおよび図2A-2Bに図示)、器具22は、末端方向に前進して、器具22がカテーテル組立体30の流体経路に配置されるように、および/またはカテーテル36の末端端部48を超えて前進するように、なっていてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、送達装置72を操作する方法は、送達装置72をカテーテルアダプタ32の基端端部に結合することを含んでもよく、これは留置カテーテル36を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具22をその後末端方向に前進させてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16を押し下げて、液体38が器具22の周りを流れ、カテーテル36を通って、カテーテル36およびカテーテル組立体30を洗浄するようにしてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、バレル14および/またはプランジャ16は、1つまたは複数のマーキング19を含んでもよく、これは器具の位置の視覚的および/または触覚的な表示をユーザに提供してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、マーキング19は、器具22が前進および/または後退する距離を示してもよい。いくつかの実施形態では、バレル14および/またはプランジャ16は透明であってもよい。他の実施形態のバレル14および/またはプランジャ16がマーキングを含んでいてもよいことが理解される。
【0063】
ここで図7A~7Cを参照すると、いくつかの実施形態では、送達装置72のプランジャ16は、スロット84を含んでもよい。これらおよび他の実施形態では、器具22は、バレル14内に配置されて、スロット84に沿って移動可能な前進タブ86に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、前進タブ86は、器具22に結合されて、器具22を基端および/または末端に移動させるように構成されてもよい。
【0064】
次に図8A~8Eを参照すると、いくつかの実施形態による、別の例示的な送達装置88が図示されている。いくつかの実施形態では、送達装置88は、図1~3に関して議論された送達装置10、図4~5に関して議論された送達装置58、および図6~7に関して議論された送達装置72のうちの1つ以上を含むか、またはそれらに対応してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、送達装置88は、以下の送達装置10、送達装置58、および送達装置72のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、以下の送達装置10、送達装置58、および送達装置72の1つまたは複数が、送達装置88の1つまたは複数の特徴を含んでもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、シリンジ12は、外バレル90と、内バレル92と、内バレル92内で移動可能な細長い本体94と、内バレル92内に配置されたプランジャヘッド96とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94は、例えば図8Aに図示されている基端位置から末端方向に前進してもよく、細長い本体94の末端端部98は、例えば図8Bに図示されているように、プランジャヘッド96に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94が基端位置から末端方向に前進してプランジャヘッド96に結合することに応答して、液体38の一部が内バレル92から排出されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94のプランジャヘッド96への結合に応答して、細長い本体94およびプランジャヘッド96は、例えば図8Cに示されるように、共に末端に前進して液体38を内バレル92からシリンジ12の末端開口部46を通って排出するように、構成されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94とプランジャヘッド96とが共に結合されるとき、それらが一体のプランジャ16を形成してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、器具22は、細長い本体94の末端端部98から、プランジャヘッド96を通って延在していてもよい。いくつかの実施形態では、内バレル92内での細長い本体94の末端方向への前進に応答して、器具22の末端端部74が末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94のプランジャヘッド96への結合に応答して、細長い本体94およびプランジャヘッド96は、共に基端に後退して、例えば図8Dに示されているように、液体38を内バレル92から外バレル90内に排出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94は、例えば、スナップ嵌め、干渉嵌め、ねじ込み、鉤状嵌めなどの様々な方法でプランジャヘッド96に結合されてもよい。図8A~8Dは、例えば、鉤状嵌めを示している。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の一方向弁100が、内バレル92と外バレル90との間に配置されてもよく、液体38が、共に結合された細長い本体94およびプランジャヘッド96の後退に応答して、内バレル92から外バレル90へと一方向弁を通って流れてもよい。いくつかの実施形態では、内バレル92の末端端部および/または外バレル90の末端端部は、セプタム93を含んでもよい。いくつかの実施形態では、送達装置88は、プランジャが基端に後退する際に真空が形成されるのを防ぐための通気要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通気要素は、プランジャヘッド96から末端の内バレル92の部分に通気を提供してもよく、細長い本体94およびプランジャヘッド96が基端に後退するときに真空が形成されるのを防止してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、外バレル90の基端端部は、外バレル90の開口部に近接したシール97を含んでもよく、これを通って細長い本体94が延在してもよい。いくつかの実施形態では、シール97は、外バレル90の基端端部からの流体漏れを防止してもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、外バレル90は、複数のピースを含んでもよく、それらは共に結合されてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、外バレル90は、第1のピースおよび第2のピースを含んでもよく、これらは、溶接、接着、ピン、圧入、または別の適切な手段を介して共に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、外バレル90は、単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、内バレル92は、1つ以上の保持特徴部を介して外バレル90内に固定されてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、内バレル92の1つまたは複数の保持特徴部は、外バレル90の1つまたは複数の保持特徴部と機械的な嵌め合い(例えば、スナップ嵌め、圧入、または別の適切な嵌め合いなど)で係合してもよい。いくつかの実施形態では、保持特徴部は、内バレル92から外バレル90まで延在するリブ99を含んでもよい。例示的なリブ99は、図8A~8Dに示されている。いくつかの実施形態では、リブ99は、剛性または半剛性であってもよい。いくつかの実施形態では、保持特徴部は、環状であってもよく、内バレル92の周囲の周りに延在してもよい。これらの実施形態および他の実施形態において、保持特徴部は、開口部および/または弁を含んでもよく、これは流体の圧力に応じて開いて、流体の通過を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、保持特徴部の周りを流れてもよい。
【0071】
前述のように、いくつかの実施形態では、細長い本体94は、例えば、スナップ嵌め、干渉嵌め、ねじ込み、鉤状嵌めなどの様々な方法でプランジャヘッド96に結合されてもよい。図8Eは、いくつかの実施形態による、1つまたは複数のねじを含む細長い本体94およびプランジャヘッド96のそれぞれを示す。いくつかの実施形態では、細長い本体94は、プランジャヘッド96にねじ込まれている。いくつかの実施形態では、ユーザが細長い本体94をプランジャヘッド96にねじ込んだ後、細長い本体94およびプランジャヘッド96を共に末端方向に前進して、液体38を内バレル92からシリンジ12の末端開口部46を介して排出し、器具22を前進してもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94のプランジャヘッド96へのねじ込みに応答して、細長い本体94およびプランジャヘッド96は、共に基端に後退して、液体38を内バレル92から外バレル90内に排出し、器具22を後退させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、細長い本体94およびプランジャヘッド96が基端方向に部分的または完全に後退したことに応答して、ユーザは、細長い本体94をプランジャヘッド96からねじ外して、細長い本体94および器具22が送達装置88から取り外されてもよい。
【0072】
ここで図9A~9Cを参照すると、いくつかの実施形態による、別の送達装置102が図示されている。いくつかの実施形態では、送達装置102は、図1~3に関して議論された送達装置10、図4~5に関して議論された送達装置58、図6~7に関して議論された送達装置72、および図8に関して議論された送達装置88のうちの1つまたは複数を含むか、または対応してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、送達装置102は、送達装置10、送達装置58、送達装置72、および送達装置88のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、以下の送達装置10、送達装置58、送達装置72、および送達装置88のうちの1つまたは複数が、送達装置102の1つまたは複数の特徴を含んでもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、送達装置102のシリンジ12は、外バレル104と、液体38を含んでいて基端位置と末端位置との間で外バレル104内で移動可能な内バレル106と、内バレル106内で押し下げ可能なプランジャ16と、外バレル104と内バレル106との間に配置された第1の弁108とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、内バレル106は、例えば図9Aに例示されるように、液体38で予め充填されていてもよい。図9Aは、いくつかの実施形態による、初期位置にある送達装置102、またはパッケージから送達装置102を取り出す際の送達装置102を示す。
【0074】
いくつかの実施形態では、プランジャ16は、例えば図9Bに図示されているように、内バレル106内でのプランジャ16の押し下げに応答して、液体38が内バレル106から外バレル104へ末端方向に流れることを可能にするように構成された第2の弁110を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の弁108は、例えば図9Bに図示されているように、内バレル106が末端位置にあり、プランジャ16の押し下げ中に閉じてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の基端方向への後退に応答して、第1の弁108は開いてもよく、液体38は、例えば、図9Cに図示されるように、シリンジ12の末端開口部46を通って流れてもよい。いくつかの実施形態では、送達装置102は、例えば図9Aに例示されるように、複数の第1の弁108および/または複数の第2の弁110を含んでもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、器具22は、プランジャ16を通って延在していてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の押し下げに応答して、器具22の末端端部74が末端方向に前進してもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ12の末端端部26は、例えば、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタ、または別の適切なコネクタなどの末端コネクタ34を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具22の末端端部74は、尖っておらずおよび/または先細りであってもよい。いくつかの実施形態では、末端コネクタ34は、カテーテルアダプタの基端端部に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ12は、カテーテル組立体30のカテーテルアダプタ32の基端端部に結合されてもよく(例えば、図1A-1Bおよび図2A-2Bに図示)、プランジャ16は、器具22がカテーテル組立体30の流体経路に配置されるように、および/またはカテーテル36の末端端部48を超えて前進するように、押し下げられて末端方向に器具22を前進させてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、送達装置102を操作する方法は、送達装置102をカテーテルアダプタ32の基端端部に結合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16は押し下げられて器具22を末端方向に前進させてもよく、これにより、液体38が内バレル106から第1の弁108を通って外バレル104に流れるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16を押し下げることで、内バレル106を末端位置に移動させ、第2の弁110を閉じてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16は、その後、基端に後退してまたは移動して、器具22を基端方向に少なくとも部分的に後退してもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ16の基端方向の移動は、内バレル106を基端に移動させて、第2の弁110を開いてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャが基端に移動すると、外バレル104内に配置された液体38が、シリンジ12の末端開口部46を出て、カテーテル組立体30を洗浄してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、外バレル104の内面は、内バレル106が基端位置を超えて基端に移動するのを防止してもよいストップまたはキャッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、外バレル104の基端端部は、外バレル104の開口部に近接したシール97を含んでもよく、これを通ってプランジャ16が延在してもよい。いくつかの実施形態では、シール97は、外バレル194の基端端部からの流体漏れを防止してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、内バレル106は、1つまたは複数の保持特徴部を介して外バレル104内に固定されてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、内バレル106の1つまたは複数の保持特徴部は、外バレル104の1つまたは複数の保持特徴部と機械的な嵌め合い(例えば、スナップ嵌め、圧入、または別の適切な嵌め合いなど)で係合してもよい。いくつかの実施形態では、保持特徴部は、内バレル106から外バレル104に延在する1つ以上のリブ99(例えば、図8A~8Dに図示)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リブ99は、剛性または半剛性であってもよい。いくつかの実施形態では、保持特徴部は、環状であってもよく、内バレル106の周囲の周りに延在してもよい。これらの実施形態および他の実施形態において、保持特徴部は、流体圧力に応答して開いて流体の通過を可能にする開口部および/または弁を含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体は、保持特徴部の周囲を流れてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、内バレル106の基端端部は、1つまたは複数の保持特徴部111を含んでもよい。いくつかの実施形態では、内バレル106の基端端部は、単一の環状の保持特徴部111を含んでもよい。いくつかの実施形態では、保持特徴部111は、プランジャ16に接触してプランジャ16の基端移動を防止してもよい。いくつかの実施形態では、末端開口部46は、逆流防止弁を含んでもよく、これが血液の逆流が送達装置102に入るのを防止してもよい。
【0080】
ここで図10A~10Bを参照すると、いくつかの実施形態による別の例示的な送達装置112が図示されている。いくつかの実施形態では、送達装置112は、図1~3に関して議論された送達装置10、図4~5に関して議論された送達装置58、図6~7に関して議論された送達装置72、図8に関して議論された送達装置88、および図9に関して議論された送達装置102のうちの1つまたは複数を含むか、または対応してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、送達装置112は、送達装置10、送達装置58、送達装置72、送達装置88、および送達装置102のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、以下の送達装置10、送達装置58、送達装置72、送達装置88、および送達装置102のうちの1つまたは複数が、送達装置112の1つまたは複数の特徴を含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、プランジャ16は、コネクタ114を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ114は、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または他の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、チャネル115が、コネクタ114からプランジャ16の末端端部を通って延在していてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ114は、プランジャ16内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ114は、プランジャ16の基端端部116に対して末端に配置されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、器具22は、プランジャ16の末端端部118から延在していてもよい。いくつかの実施形態では、チャネル115は、流体注入および/または血液引き出しのための流体経路を提供してもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置または流体注入装置が、コネクタ114に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、延長管の末端端部が、コネクタ114に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、延長管120の基端端部が、血液収集装置または注入装置に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、延長管120は、チャネル115と流体接続して、流体注入および/または血液引き出しのための流体経路を提供してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、シリンジ12の末端端部26は、例えば、スリップまたはネジ雄または雌ルアーアダプタ、または他の適切なコネクタなどの末端コネクタ34を含んでもよい。いくつかの実施形態では、末端コネクタ34は、カテーテルアダプタの基端端部に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ12は、カテーテル組立体30のカテーテルアダプタ32の基端端部に結合されてもよく(例えば、図1A-1Bおよび図2A-2Bに図示)、プランジャ16は、押し下げられて末端方向に器具22を前進させて、器具22がカテーテル組立体30の流体経路に配置されるように、および/またはカテーテル36の末端端部48を超えて前進するように、なっていてもよい。
【0084】
次に図10Cを参照すると、いくつかの実施形態では、延長管120の末端端部は、プランジャ16に一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、延長管120の基端端部は、血液収集装置または注入装置に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、延長管120は、チャネル115と流体接続されて、流体注入および/または血液引き出しのための流体経路を提供してもよい。
【0085】
次に図11を参照すると、いくつかの実施形態による例示的な方法100が図示されている。いくつかの実施形態では、方法100は、ブロック102で開始してもよい。ブロック102では、送達装置がカテーテルアダプタに結合されてもよい。送達装置は、図1~10の1つまたは複数の送達装置を含むか、またはそれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、送達装置は、例えば、図4A~4Bのインターフェースアダプタ60などの針なしコネクタおよび/またはインターフェースコネクタを介して、カテーテルアダプタに結合されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、ブロック102の後にブロック104が続いてもよい。ブロック104では、送達装置の器具が末端方向に前進しながら、カテーテルアダプタが、例えば、生理食塩水または別の適切な洗浄液などの液体で洗浄されてもよい。いくつかの実施形態では、送達装置の器具は、患者の血管系の中に末端に前進してもよい。器具は、図1~10の1つまたは複数の器具22を含むか、またはそれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは液体で洗浄されてもよく、器具は送達装置のプランジャを押し下げることによって末端に前進してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、ブロック104に続いてブロック106が行われてもよい。ブロック106では、血液サンプルが送達装置を用いて採取されてもよい。いくつかの実施形態では、血液サンプルは、送達装置に結合された血液収集装置に収集されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、ブロック106の後にブロック108が続いてもよい。ブロック108では、器具は基端に後退してもよい。いくつかの実施形態では、器具の末端端部は、器具が基端に後退したときに、送達装置またはインターフェースアダプタ内に配置されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、ブロック108の後にブロック110が続いてもよい。ブロック110では、送達装置がカテーテルアダプタから切り離されてもよい。別々のブロックとして図示されているが、方法100の様々なブロックは、所望の実施に応じて、追加のブロックに分割されたり、より少ないブロックにまとめられたり、取り除かれたりしてもよい。例えば、ブロック108は、いくつかの実施形態では取り除かれてもよい。
【0090】
ここに記載されているすべての例および条件付きの言語は、教育的な目的のために、本発明および本発明者が本技術を促進するために貢献した概念を読者が理解するのを助けるものであり、そのような具体的に記載された例および条件に限定されないものとして解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変がここで行われ得ることを理解すべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
【国際調査報告】