(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】枢動可能な処置ヘッドを有するパーソナルケアデバイス
(51)【国際特許分類】
B26B 19/38 20060101AFI20220121BHJP
【FI】
B26B19/38 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531408
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(85)【翻訳文提出日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 IB2019059937
(87)【国際公開番号】W WO2020115592
(87)【国際公開日】2020-06-11
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ウェシュタ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジャンク
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ディール
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ サンチェス マルティネス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ハッセ
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056JA07
(57)【要約】
本開示は、パーソナルケアデバイスの本体に対して枢動軸線を中心として枢動装着されている処置ヘッドを有するパーソナルケアデバイスに関するものであり、本パーソナルケアデバイスは、ピンヘッドを有するピンであって、処置ヘッド又は本体のうちの一方に設けられているピンと、処置ヘッド又は本体のうちのもう一方に設けられているカム表面を有するカム要素と、ピンヘッドとカム表面とを互いに対して付勢するばね要素と、を有し、ピンヘッドはカム表面と接触し、カム表面は休止位置を規定するように形作られており、休止位置において、ピンヘッドとカム表面とが互いに対して押し当てられる、ばね要素によって与えられる付勢ばね力はゼロでない最小値を有し、枢動軸線を中心としたヘッドの枢動は、ピンヘッドをカム表面に沿って移動させることになり、カム表面は、ピンヘッドとカム表面とを互いに対して押し当てるばね力が枢動角度の増大に伴って増加するように更に形作られている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケアデバイスの本体に対して枢動軸線を中心として枢動装着されている処置ヘッドを有するパーソナルケアデバイスであって、
ピンヘッドを有するピンであって、前記処置ヘッド又は本体のうちの一方に設けられているピンと、
前記処置ヘッド又は本体のうちのもう一方に設けられているカム表面を有するカム要素と、
前記ピンヘッドと前記カム表面とを互いに対して付勢するばね要素と、を備え、
前記ピンヘッドは前記カム表面と接触し、前記カム表面は休止位置を規定するように形作られており、前記休止位置において、前記ピンヘッドと前記カム表面とが互いに対して押し当てられる、前記ばね要素によって与えられる付勢ばね力はゼロでない最小値を有し、
前記枢動軸線を中心とした前記ヘッドの枢動は、前記ピンヘッドを前記カム表面に沿って移動させることになり、前記カム表面は、前記ピンヘッドと前記カム表面とを互いに対して押し当てるばね力が枢動角度の増大に伴って増加するように更に形作られている、パーソナルケアデバイス。
【請求項2】
前記ピンは前記ピンマウントの中空部内で案内される、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項3】
前記ピンマウントは、前記ピンを案内するための少なくとも2つの案内表面を有し、具体的には、前記ピンマウントは少なくとも4つの案内表面を有し、ここで、反対向きに装置された2つの案内表面は前記ピンマウント内の第1の長手方向位置に設けられ、反対向きに装置された更なる2つの案内表面は第2の長手方向位置に装置される、請求項2に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項4】
前記ピンマウントによって案内されるピン部分は、本質的に円形の断面形状を有し、前記ピンを案内するための前記ピンマウント内の部分は、本質的に多角形の断面形状、具体的には六角形の形状を有する、請求項2又は3に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項5】
前記ピンマウント及び前記ピンの前記案内される部分は、少なくとも前記ピンが前記ピンマウントによって案内されるエリアにおいて、±0.03mm以下の公差を有する、請求項3又は4に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項6】
前記ばね要素は、前記ピン内において、長手方向に延在する中心中空部内に部分的に装置され、また前記ピンマウントの前記中空部内に部分的に装置される、請求項2~5のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項7】
前記ばね要素は、前記ピンマウントの凹部内に装置される第1の端部を有する、長手方向に延在するコイルバネであり、前記凹部は、前記第1の端部が本質的に移動し得ないようにするため、第1の端部を拘束するように寸法決めされている、請求項2~6のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項8】
前記ピンヘッドは、前記カム表面と接触するための接触表面を有し、該接触表面は球体表面又は円柱体表面の少なくとも一部分であり、前記カム表面は、前記休止位置を規定するためのくぼみ部を有し、前記くぼみ部は、前記球体表面を画定する球体の直径又は前記円柱体表面を画定する円柱体の直径よりも小さい、請求項1~7のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項9】
前記カム表面は、前記休止位置を規定する前記カム表面の部分に向かって先細となる略凹面状の形状を有し、具体的には、前記カム表面は、前記休止位置に対して対照的に形作られている、請求項1~8のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項10】
前記カム表面は、式D(α)=D
0-ΔD(α/Δα)で与えられる、前記枢動軸線に対する関数によって画定され、ここでDは、前記ピンヘッドと前記カム表面との接触点から前記枢動軸線までの距離であり、αは、前記休止位置に対する枢動角度であり、D
0は、前記休止位置における対応する距離であり、ΔD及びΔαは、前記関数の傾きを定義するパラメータである、請求項1~9のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項11】
少なくとも前記ピンヘッドは、次の材料、すなわち、プラスチック材料、具体的には、少なくとも40のショアD硬度を有する硬質プラスチック材料、更に具体的には強化プラスチック材料;チタン若しくはアルミニウムなどの2g/cm
3~5g/cm
3の範囲の比密度を有する軽量金属若しくは金属合金;鋼、黄銅、若しくは青銅などの5g/cm
3~20g/cm
3の範囲の比密度を有する重金属若しくは金属合金のうちの1つから作製されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項12】
少なくとも前記カム表面は、次の材料、すなわち、プラスチック材料、具体的には、少なくとも40のショアD硬度を有する硬質プラスチック材料、更に具体的には強化プラスチック材料;チタン若しくはアルミニウムなどの2g/cm
3~5g/cm
3の範囲の比密度を有する軽量金属若しくは金属合金;鋼、黄銅、若しくは青銅などの5g/cm
3~20g/cm
3の範囲の比密度を有する重金属若しくは金属合金;炭化ケイ素若しくは炭化タングステンなどのセラミック材料のうちの1つから作製されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項13】
前記ばね要素のばね定数は、0.05N/mm~1.0N/mmの範囲、具体的には0.1N/mm~0.4N/mmの範囲、更に具体的には0.15N/mm~0.25N/mmの範囲にある、請求項1~12のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項14】
前記カム表面に対して前記ピンヘッドが押し当てられる付勢力が、1.025倍~1.5倍の範囲、具体的には1.05倍~1.25倍の範囲、更に具体的には1.08倍~1.15倍の範囲で、前記中心位置から最大枢動角度位置にかけて増大する、請求項1~13のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項15】
前記休止位置において前記カム表面に対して前記ピンヘッドが押し当てられる付勢力は、0.5N~8Nの範囲、具体的には1N~5Nの範囲、更に具体的には1.5N~4.0Nの範囲、更により具体的には2.0N~3.0Nの範囲にある、請求項1~14のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、パーソナルケアデバイスの本体に対して枢動軸線を中心に枢動するように装置された処置ヘッドを有するパーソナルケアデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第1 372 428(A1)号の文書は概して、ヘッドとハウジングとを有する脱毛器に関して記載したものであり、そのヘッドは、休止位置の周囲で枢動し得るようにハウジングに装着される。ばねがヘッドとハウジングとの間に装着され、その結果、ヘッドが枢動されて休止位置から離れると、ヘッドは休止位置へと押し戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第1 372 428(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本説明の目的は、整列をもたらす復帰力を改善するか又は少なくとも代替的に提供するデバイスの本体に対して旋回軸線を中心に旋回するように装置されたヘッドを有するパーソナルケアデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、パーソナルケアデバイスの本体に対して枢動軸線を中心として枢動装着されている処置ヘッドを有するパーソナルケアデバイスであって、本パーソナルケアデバイスは、ピンヘッドを有するピンであって、処置ヘッド又は本体のうちの一方に設けられているピンと、処置ヘッド又は本体のうちのもう一方に設けられているカム表面を有するカム要素と、ピンヘッドとカム表面とを互いに対して付勢するばね要素と、を有し、ピンヘッドはカム表面と接触し、カム表面は休止位置を規定するように形作られており、休止位置において、ピンヘッドとカム表面とが互いに対して押し当てられる、ばね要素によって与えられる付勢ばね力はゼロでない最小値を有し、枢動軸線を中心としたヘッドの枢動は、ピンヘッドをカム表面に沿って移動させることになり、カム表面は、ピンヘッドとカム表面とを互いに対して押し当てるばね力が枢動角度の増大に伴って増加するように更に形作られている、パーソナルケアデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示を、例示的実施形態の詳細な説明及び図面の参照によって更に明らかにする。図中、
【
図1】脱毛デバイスとして実現された例示的なパーソナルケアデバイスの図である。
【
図2】パーソナルケアデバイスの取り外し式アタッチメントの図であり、アタッチメントは、ばね押しピン及びカム表面を有するカム要素が視認可能となるように部分的に切断されて示されている。
【
図3A】
図2に示されたばね押しピン及びカム要素の断面の詳細図であり、ばね押しピンは中心又は休止位置にある。
【
図3B】ばね押しピン及びカム要素の断面の詳細図であり、ピンは枢動位置にあり、ばね要素はより圧縮された状態にある。
【
図4A】ピンマウント内に案内されたばね押しピンの断面の詳細図である。
【
図4B】
図4Aの断面に垂直な平面A-Aで取られた、
図4Aに示されたピン及びピンマウントの断面の詳細図であり、表示されている平面A-Aは
図4Aに示されたものである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書の文脈において、「パーソナルケア」とは、皮膚及びその付属器(すなわち、毛及び爪)並びに、歯及び口腔(舌、歯茎などを含む)の育成(又はケア)を意味するものとし、一方では、疾病の予防並びに健康の維持及び増強(「ケア」)を目指し、また一方では、皮膚及びその付属器の美容的処置並びに外観の改善を目指すものである。これは、ウェルビーイングの維持及び強化を含む。これは、スキンケア、ヘアケア、口腔ケア、及びネイルケアを含む。これは、顎ひげケア、シェービング、及び脱毛など、その他の整容動作も更に含む。したがって、「パーソナルケアデバイス」とは、このような育成又は整容動作を実行するための任意のデバイス、例えば、皮膚マッサージデバイス又は皮膚ブラシなどの(美容)皮膚処置デバイス;湿式かみそり;電気シェーバー又はトリマー;電動脱毛器;及び手動又は電動の歯ブラシ、(電気)フロスサー、(電気)洗浄器、(電気)舌クリーナー、又は(電気)歯肉マッサージ器などの口腔ケアデバイスを意味する。これは、本提案のパーソナルケアシステムが、このような育成又はデバイスの領域のうちの1つ又は複数の領域で、これらの育成又はデバイスの領域のうちのそれ以外の1つ又は複数においてよりも、より顕著な利点を有し得ることを除外するものでない。図に関連する以下の説明では、提案されるパーソナルケアデバイスの詳細を示すために、脱毛デバイスが選定されている。詳細が脱毛デバイスに特定されない限り、提案される技術は、任意の他のパーソナルケアデバイスにおいて用いられ得る。
【0008】
本開示は、処置ヘッドとハンドルとを有するパーソナルケアデバイスに関するものであるが、その処置ヘッドは、旋回軸線又は枢動軸線を中心としてハンドルに対して旋回又は枢動され得るものである。処置ヘッドは休止位置(休止位置が2つの旋回方向に対して概ね中心にある場合は中心位置とも呼ばれることがある)を有し、この休止位置からヘッドは、ばね要素によって提供される戻しばね力に対抗して少なくとも1つの角方向へと旋回又は枢動され得る。処置ヘッドと本体は、ヘッドを休止位置から旋回させるために克服する必要がある付勢力によって、休止位置において互いに付勢される。付勢力及び戻しばね力は、ピンとカム要素との間に作用するばね要素によって提供され、ピンは、カム要素のカム表面と接触するピンヘッドを有する。ばね要素は、特定のゼロでない最小値(例えば、2N)でピンヘッドとカム表面を互いに対して付勢する。本明細書では、パーソナルケアデバイスが1つのばね要素を有するということが言及されているが、これは単に、1つのばね要素が必要であることを意味するものであり、これは、更なるバネ要素が全てのばね戻し力を提供するために使用されることを除外するものではない。枢動軸線を中心として処置ヘッドを枢動させるために、最初に付勢力が克服される必要があり、次いで、加えられる力が更に増加する場合にピンヘッドがカム表面の上を滑動する。したがって、最初に、ヘッドが実際に枢動する前に付勢力が克服される必要があるため、付勢力はユーザーに良好なフィードバックを提供する。ばねが単に戻し力を提供し、付勢力を提供しない場合、枢動は力が加えられると開始する。限定を意図するものではないが、付勢力は、一般に、0.5N~8Nの範囲、具体的には1.0N~5.0Nの範囲、更に具体的には1.5N~4.0Nの範囲、更により具体的には2.0N~3.0Nの範囲にあってよい。限定を意図するものではないが、ばね要素のばね定数は、0.05N/mm~1.0N/mmの範囲、具体的には0.1N/mm~0.4N/mmの範囲、更に具体的には0.15N/mm~0.25N/mmの範囲にあってもよい。説明される実施形態では、付勢力はピンヘッドをカム表面に対して押し当てているが、これは、カム表面がピンヘッドに対して付勢されることを排除するものではなく、すなわち、カム要素は移動することができ、ピンヘッドは枢動のみをし得る。
【0009】
カム表面は、ばね要素によって加えられるばね力が枢動角度の増大と共に増加するように、特定的に形作られている。ここで、カム表面の形状は、枢動軸線とカム表面との間の距離が減少し、したがってピンが枢動軸線に向かって移動するように強制される(あるいは、カム要素が枢動軸線から離れて移動するように強制される)ようになっており、この運動によって、ばね要素は、ピンヘッドがカム表面に対して押圧されるばね力が増加されるように変形される。カム表面が枢動軸線に対して円関数に追従する(すなわち、カム表面が、枢動軸線が円の中心にある円の一部分となる)場合、ピンもカム要素も移動しなくなり、ばね力は変化しない。カム表面は、カム表面と枢動軸線との間の距離が本質的に単調に増加する限り、枢動角度に依存して任意の任意関数に追従し得る。増加するばね力は、処置ヘッドの偏向に対抗して作用し、処置ヘッドを休止位置へと戻そうとする。ばね要素は、ばね力を増加させるためにピンが旋回軸線に向かって移動するときに圧縮されるコイルばねであってもよい。しかしながら、ばね要素は、曲げられた板ばね、ねじられたねじりばねなどであってもよい。既に述べられたように、1つのばね要素の代わりに、2つ以上のばね要素が使用されてもよい。カム表面は、カム表面と枢動軸線との間の距離が枢動角度と共に線形に減少するように形作られてもよい。カム表面はまた、任意の他の距離減少機能が達成されるように形作られてもよい。これは、カム表面がロック枢動角度で1つ又は複数のロック位置を提供することを除外するものではなく、枢動角度は外力を加えずに維持される。
【0010】
いくつかの実施形態では、処置ヘッドは、1つの枢動方向、すなわち休止位置に対して時計回りの方向か又は反時計回りの方向にのみ、休止位置から枢動され得るが、いくつかの実施形態では、処置ヘッドは、休止位置から時計回り及び反時計回りの方向に、平面内で枢動され得る。時計回りの方向における最大枢動角度は、反時計回りの方向(例えば、13度)における最大枢動角度と同じ値を有してもよい。代替的に、最大枢動角度は、時計回りの方向と反時計回りの方向とで異なる値(例えば、6度と20度)を有してもよい。パーソナルケアデバイスは、最大枢動角度が超過され得ないように、休止位置からの処置ヘッドの偏向を機械的に制限するための少なくとも1つのストッパ要素を備えてもよい。処置ヘッドが時計回り及び反時計回りの方向に枢動され得る場合、2つのストッパ要素が存在してもよい。
【0011】
ピンヘッドは、カム表面に接触するための接触表面を有してもよい。接触表面は、ピンヘッドの接触表面とカム表面との間に本質的に点状又は線状の接触領域を提供するように形作られてもよい。ピンヘッドの接触表面は、球体の一部分又は円柱体の一部分として形作られてもよい。いくつかの実施形態では、ピンヘッドは、ピンに特定的に枢動可能に装着された円柱体又は球体である。このような設計は、ピンヘッドの接触表面とカム表面との間の摩擦を低減するのに役立ち得る。カム表面は、休止位置を規定するくぼみ部を有してもよい。くぼみ部は、ピンヘッドの接触表面が、休止位置にあるカム表面との2つの点状又は線状の接触領域を有するように、直径においてピンヘッドの直径よりも小さくてもよく、具体的には接触面のサイズよりも小さくてもよい。具体的に言えば、くぼみ部は、ピンヘッドの接触表面のカム表面との接触点又は接触線で開始及び終了してもよい。これにより、休止位置がより明確となり、許容範囲外のバランスが取られることになる。
【0012】
ピンは、いくつかの実施形態において、枢動方向に応じて枢動軸線に向かう直線方向(及び枢動軸線から離れる直線方向)に移動するとき、ピンは、特定的にピンと一緒に枢動する任意の好適なリニアベアリングによって案内され得る。いくつかの実施形態では、ピンはピンマウントの中空内に案内され、ピンマウントは滑り軸受を提供する。ピン及びピンマウントの材料は、自己潤滑を可能にするように選択されてもよい。ピンマウントの内側中空部がピンを正確に受容し得るようにするため、非常に低い公差が実現するように、金属ブロック、プラスチックブロック、又はセラミックブロックを機械加工することによってピン及びピンマウントを製造することも可能であり得るが、多数のピンマウントが同時にかつ短サイクル時間で作製され得るプラスチック射出成形によって中空のピンマウントが作製され得るように、少なくとも中空のピンマウントを熱可塑性材料から実現すると、より低コストとなり得る。このような射出されたピンマウント内の中空部は次いで、ピンとは異なって形作られてもよい。例えば、ピンは円形の断面を有してもよく、ピンマウントの中空部は、多角形、例えば六角形の断面を有してもよい。いくつかの実施形態では、ピンマウントは、ピンを案内する少なくとも2つの、特に反対に装置された案内表面を有する。加えて、ピンマウントは、少なくとも4つの案内表面を有してもよく、それぞれ、2つの案内表面は第1の長手方向位置に配設され、2つの案内表面は第2の長手方向位置に配設される。このような装置により、ピンは、その長さ延長部に沿った2つの位置で案内され、ピンマウントがピンマウントの内側のその全長に沿ってピンを案内する必要がないため、正確で直線的な案内が得られ、またピンマウントの設計に余裕が得られる。ピンマウント内の中空部は、止まり穴として実現されてもよい。純粋な止まり穴の代わりに、中空部は、より小径の穴として継続してもよく、この穴は、ばね要素を装着する工程において使用されてもよい。
【0013】
ばね要素は、ピンの中空部内に少なくとも部分的に装置されてもよく、ここでピン内の中空部は、ピンの長手方向軸線と同心であってもよい。ばね要素は概して、コイルばねとして実現され得る。ばね要素の一方の端部は、ピン内の中空部の当接表面に当接してもよく、ばね要素の第2の端部は、ピンマウントの中空部内の当接表面に当接してもよい。ばね要素の第2端部がピンマウントに対して移動し得ないようにするため、ピンマウント内の当接表面は、ばね要素の第2の端部をしっかりと受容するように正確に寸法決めされ得る。ピンマウント内の当接表面は、ピンマウント内の凹部によって提供され得る。既に示されているように、中空部は、より小径の穴として継続してもよい。金属ピンがより小径の穴を通じて滑動され得るが、ピンばね要素(pin the spring element)(例えば、コイルばね)は、ばね要素を圧縮するピンが中空部に装着されるまで、その穴に装着され得る。ピンとばね要素の装着が生じた時点で、金属ピンはより小径の穴から後退され得る。
【0014】
ピンマウント内の中空部は、ピンマウントのプラスチック射出成形において精密に機械加工されたコアによって画定され得る。具体的には、中空部の案内表面(すなわち、案内表面間の距離)は、高度な品質で実現され得、例えば、案内表面に対して±0.03mmの公差が適用されてもよい。同じ若しくは同様の小さな公差が、ピン自体のそれぞれの協働する外側表面部分に適用されてもよく、それにより、ピンは最終的に、高精度でかつ無視可能な遊び又は間隙を伴って案内される。
【0015】
ピンヘッド又はカム要素は、少なくともピン又はカム表面の接触面の領域においては、次の材料、すなわち、プラスチック材料、具体的には少なくとも40のショアD硬度を有する硬質プラスチック材料、更に具体的には強化プラスチック材料、チタン若しくはアルミニウムなどの2g/cm3~5g/cm3の範囲の比密度を有する軽量金属若しくは金属合金、鋼、黄銅、若しくは青銅などの5g/cm3~20g/cm3の範囲の比密度を有する重金属若しくは金属合金、又は炭化ケイ素若しくは炭化タングステンなどのセラミック材料のうちの1つから作製され得る。
【0016】
図1は、機械的脱毛器として実現されたパーソナルケアデバイス1の例示的な実施形態の図である。パーソナルケアデバイス1は、取り外し式アタッチメント10と、ハンドル20とを備える。取り外し式アタッチメント10は処置ヘッド100を備えており、処置ヘッド100は、パーソナルケアデバイス1の本体200に対して枢動軸線Aを中心として枢動可能となるように装置されており、そのため、処置ヘッド100は、両矢印R1によって指示されるように枢動軸線Aを中心として、時計回りの方向及び反時計回りの方向に枢動し得る。治療ヘッド100は、ここでは、処置ヘッドハウジング101と、機械的脱毛器シリンダーとして実現された処置ユニット120と、を備える脱毛器ヘッドとして実現されている。図示の例では、処置ヘッド100は、両矢印R2によって指示されるように、枢動軸線Sを中心として枢動可能となるように装置された皮膚接触要素110を備えている。枢動軸線Sは、回転式機械的脱毛シリンダー120の中心軸線と整列される。追加の枢動可能な皮膚接触要素110は、任意選択の特徴部である。カラー180が、処置ヘッドのヘッドハウジング101と固定的に接続されている。カラー180は、処置ヘッド100が枢動軸線Aを中心として枢動されるときにフレーム190の中へと沈み込むように装置されている。図示の実施形態では、フレーム190は、取り外し式アタッチメント10の一部であるが、取り付け状態においては、具体的には1つ又は複数のスナップフックなどの機械的固定手段によってハンドル20に固定的に係留される。したがって、フレーム190は取り外し式アタッチメント10の一部であるが、ハンドル20に固定的に係留されるものであり、すなわち、処置ヘッドが移動されるときにも枢動又は移動することはなく、またハンドル20とフレーム190は一緒に、パーソナルケアデバイス1の本体200を形成する。別の実施形態では、処置ヘッドのみが取り外し式アタッチメントとして実現されてもよく、フレーム及びカラーはハンドルに提供される。別の実施形態では、処置ヘッドはカラーと一緒に、取り外し式アタッチメントを形成し、フレームはハンドルの一部分として実現される。
【0017】
ハンドル200は、電池又は充電式アキュムレータを収容し得るハンドルハウジング201と、処理ユニット120を駆動するための駆動ユニットと、を有する。いくつかの実施形態では、処理ユニットは駆動されず、電気エネルギーのみを供給されてもよい。いくつかの実施形態では、処理ユニットは駆動され、エネルギーを供給される。いくつかの実施形態では、処理ユニットは、能動的に駆動されることもなく、エネルギーを供給されることもない。ハンドル200は、オン/オフスイッチ又はモードスイッチなどの1つ又は複数のスイッチ210を備えてもよい。ハンドルは、当業者がハンドルに設ける任意の他の特徴部、例えば、処置されるエリアを照明するための光源220を備えてもよい。
【0018】
図2は、カラー180Aが固定的に装着される処置ヘッドハウジング101Aを有する処置ヘッド100Aを備えた、部分的に切開された例示的な取り外し式アタッチメント10Aの図を示す。フレーム190Aは、処置ヘッド100A及びカラー180Aに対して枢動可能に装置されている。支持構造体170Aがフレーム190Aに装着されている。支持構造体170A及び/又はフレーム190Aは、
図1に関して論じられたように、取り外し式アタッチメント10Aをパーソナルケアデバイスのハンドルに連結するための連結手段を有している。支持構造体170Aはカム要素150Aを担持する。ピンユニット160Aは、処置ヘッド100A及び/又はカラー160Aに固定的に装着されている。ピンユニット160Aは、ピンマウント161Aとピン165Aとを備え、ばね要素169Aがピンマウント161Aとピン165Aとの間に配設されている。ピン165Aは、カム要素150Aのカム表面151Aと接触する。ピン165Aは、ここでは休止位置に示されている。ここではコイルバネとして実現されているばね要素169Aは、圧縮され、所定の付勢力Fでカム要素150Aのカム表面151Aに対してピン165Aを押し当てる。ピンユニット160Aの技術的設計、及びピン165Aとカム要素150Aとの間の相互作用については、
図3A、
図3B、
図4A、及び
図4Bに関連して以下でより詳細に説明される。上述のように、図に関して論じられた実施形態はばね押しピンを示しているが、カム要素がばね押し式であること、またカム要素が次いでリニアガイドによって案内され得ることも同様に企図される。
【0019】
図3Aは、ピン165Aが休止位置にあるときのピンユニット160A及びカム要素150Aの詳細断面図である。既に説明したように、ピンユニット160Aは、
図4A及び
図4Bを参照してより詳細に説明される、中空部162Aを有するピンマウント161Aと、中空部162A内に少なくとも部分的に配設されたピン165Aと、付勢力Fでカム要素150Aのカム表面151Aに対してピンヘッド166Aを付勢するばね要素169Aと、を備えている。ピン165Aは、ばね要素169Aが中に配設される中心中空部又は穴167Aを有している。ばね要素169Aは、ここではコイルばねとして実現されているが、このことは他の実現例を除外するものではなく、例えば、ばね要素は弾性的に変形可能な弾性ゴム要素であってもよい。ばね要素169Aの一方の端部1692Aは、中空部167Aに設けられた当接表面1651Aに当接する。
【0020】
ピンヘッド166Aは、カム表面151Aと摩擦接触する外側接触表面1661Aを有している。カム要素150Aのカム表面151Aは、ピンユニット160Aの休止位置を規定する。ピンユニット160Aを休止位置から枢動させるために、ピンヘッド166Aは、ピン165Aが
図3Bに示されるように枢動角度の増大と共に枢動軸線Rに向かって移動するように形作られたカム表面151Aに沿って移動しなければならず、このことは、ばね要素169Aの圧縮につながり、したがってピンヘッド161Aがカム要素150Aに対して押し当てられる力Fの増加につながる。カム要素150Aは、カム要素150A上に中心に装置されたくぼみ部152Aを有し、すなわち、休止位置を規定する軸線L1に対して中心に装置される。中央くぼみ部152Aがなければ、右側のカム表面と左側のカム表面が鋭角をなして会合するであろう。ピンヘッド166Aの接触表面1661Aは、少なくともカム表面151Aと接触する領域においては円柱状である。くぼみ部152Aのサイズは、ピンヘッド166Aの接触表面1661Aの延長部よりも小さく、そのため、ピンヘッド166Aは、くぼみ部152Aの左及び右の2つの接触点CP1及びCP2においてカム要素150Aと接触する(カム表面151A及び接触表面1661Aは3次元空間内で延在するので、接触点CP1及びCP2は本質的には接触線又は接触エリアであるが、簡潔にするため、ここでは接触点と称されている)。具体的に言えば、くぼみ部152Aは、接触点CP1及びCP2がくぼみ部152Aのちょうど境界線に位置するように寸法決めされている。くぼみ部152Aは、部品間における公差のバランスを取る傾向がある。
【0021】
図示の実現例において、カム要素150A及びカム表面151Aは、休止位置に対して対照的であり、したがって休止位置もまた中心位置である。ピンヘッド166Aがカム要素150Aの端部を越えて枢動されることを回避するために、パーソナルケアデバイスは、最大枢動角度を越えたいかなる枢動をも阻止するストッパ要素を備えてもよい。パーソナルケアデバイスは、そのような2つのストッパ要素を備えてもよく、一方のストッパ要素は時計回りの方向への枢動範囲を制限するものであり、もう一方のストッパ要素は反時計回りの方向における枢動範囲を制限するものであり、ここで時計回り及び反時計回りは紙面に対して定義されている。カム要素150Aはここでは対照的であるが、ストッパ要素は、時計回り及び反時計回りの方向において非対称的な枢動範囲を提供してもよい。
【0022】
ピン165Aは、ピンマウント161Aの溝又は切り欠き内に装置される延長部を備えてもよく(あるいはその逆であってもよく)、それにより、ピン165Aはアセンブリプロセスの間にピンマウント161Aに係留される。
【0023】
図3Bには、ピンユニット160A及びカム要素150Aのいくぶんかより大きな細部が示されており、ピンユニット160Aは、時計回りに枢動した状態に示されている。ピンユニット160Aの長手方向延長方向は軸線L2によって指示されており、軸線L2は、枢動角度αだけ休止位置の軸線L1に対して枢動されている。ピンユニットは処置ヘッドに対して係留されているので、ピンユニット160Aの図示の枢動状態は言うまでもなく、処置ヘッドがパーソナルケアデバイスの本体に対して枢動角度αだけ同様に枢動されることを意味する。枢動は、パーソナルケアデバイスの処置ヘッドと本体とを枢動可能に接続する軸受及び/又はリンク仕掛によって規定される枢動軸線Rの周りで生じ、例えば、処置ヘッドと本体は、カルダン継手によって枢動可能に接続されてもよい。ピンヘッド166Aの接触表面1661Aは、接触点CP3においてカム表面151Aと接触する。
図4Aに示されるピンヘッド166Aの接触表面1661A上の接触点CP1は、ピン165Aが休止位置から枢動されるときにわずかに移動する。明らかに、ピンヘッド165Aは、休止位置から枢動されると、カム要素150Aとの1つのみの接触点CP3を有する。カム表面151Aは、接触点CP3と枢動軸線Rとの間の距離D(α)が枢動角度αの増大に伴って単調に減少するように形作られている。このように減少する距離D(α)により、ピン165Aは、ピンマウント161Aの中空部167Aの止まり穴端部に向かって移動され、その結果、ばね要素169Aが圧縮され、これによって、カム要素150Aに対してピンヘッド166Aが押し当てられる力F2が増大することになる。この増大する付勢力は、結果として、ピンユニット160Aをその休止位置へと戻そうとする戻し力を生じさせる。端部1692Aの反対側のばね要素169Aの端部1961Aは、ピンマウント161Aの中空部162Aの止まり穴端部に設けられた凹部163A内に設けられた当接表面1631Aと当接する。凹部163Aは、ばね要素169Aの端部1961Aが凹部163A内に本質的に緊密に受容され、したがって移動し得ないように寸法決めされている。
【0024】
前述のように、カム表面は、接触点CP3と枢動軸線Rとの間の距離D(α)が結果的に枢動角度αの増大に伴って単調に減少するように形作られている。いくつかの実施形態では、この数学的関係は、線形方程式によって表現され得る。
D(α)=D0-k・α
式中、D0は休止位置における距離であり、kは、距離が枢動角度毎にどのくらい急速に減少するかを規定する勾配係数であり、すなわち、k=ΔD/Δαである。当然のことながら、これは、カム表面が他の形状、すなわち、距離が潜在的な様式で減少する形状、又はロック角度における中間ロック位置をサポートする形状を取り得ることを除外するものではない。
【0025】
ピンヘッド166Aが少なくとも接触表面1661Aにおいて作製される材料、及びカム要素150Aが少なくともカム表面151Aの領域において作製される材料は、それら2つの部分の間の摩擦が自己ロックを引き起こさないように選定され得る。具体的には、両方の材料間の摩擦係数は、0.4未満、具体的には0.3又は0.25又は0.2など、0.35未満となるように選定され得る。前の段落で述べられたように、ピンヘッドは、ピンに枢動可能に装着された円柱体又は球体として実現されてもよく、したがって、セルフロックの問題が克服され得る。
【0026】
一般に、ピンがピンマウント内に滑らかに嵌合することを除外するものではない。例えば、ピン及びピンマウントは、精密に形作られたアルミニウム部品などであってもよく、またそれらは好適な潤滑剤で潤滑されてもよい。
図4A及び
図4Bを参照すると、ピン165Aとピンマウント161Aとを備えるピンユニット160Aの例示的な実施形態が論じられており、これは、プラスチック射出成形によって部品を作製することを可能にするものであり、プラスチック射出成形において、公差は金属の成形プロセスよりも大きく、またその製造プロセスでは、この設計によって対処される変形角度などの特定の必要性が強いられる。この実施形態では、ピン165A及びピンマウント161Aは、互いに滑らかに嵌合する部分として実現されていないが、それでもなお、ピン165Aの直線運動の良好な案内品質が達成される。
図4Aは、ピンユニット160Aの断面詳細図であり、
図4Bは、
図4Aに示されるように平面A-Aに沿って取られたピンユニット160Aの別の断面詳細図である。
【0027】
ピンユニット160Aは、ピンマウント161Aと、ピン165Aと、ばね要素169Aと、を含んでいる。ばね要素169Aに関しては、前の段落を参照されたい。ピン165Aはピンマウント161Aによって案内される。ピンマウント161Aは、止まり穴端部164Aを有する穴として実現された中空部162Aを有している。
図4Aから分かるように、ピンマウント161A内の中空部162Aは、ピン165Aがカム要素150Aに向かって突出するピンマウント161Aの前方にある開放端部から、止まり穴端部164Aにかけて先細となっている。この先細りは、プラスチック射出成形プロセスの終わりに、コアからピンマウント161Aを変形させて中空部162Aを画定することを可能にするために必要である。前方から止まり穴端部164Aにかけて一様に先細となる代わりに、抜き勾配は、中空部162Aの長手延在長さにわたって変動している。前方から止まり穴端部164Aに向かって、抜き勾配はまず前方領域1611Aにおいて非常に小さく、次いで抜き勾配は中間領域1612Aにおいて相対的に大きく、また抜き勾配は止まり穴端部領域1613Aにおいて再び非常に小さくなっている。抜き勾配の低い領域1611A及び1613Aには、低い指定公差を有する案内表面が設けられている。ピンマウント161Aの前方に近接して位置する長手延在方向にある領域1611Aには、反対に装置された2つの案内表面GS21及びGS22が設けられている。ピンマウント161Aの止まり穴端部164Aに近接して位置する長手延在方向にある領域1613Aには、反対に装置された2つの案内表面GS11及びGS12が設けられている。
【0028】
ピン165Aもまた、前方領域1653Aから後方端部領域1654Aにかけて概ね先細になっている。しかしながら、ピンマウント161Aの中空部162Aに関連して説明されたように、ピン165Aは、装着状態において中空部162A内の案内表面の長手位置と一致する低公差エリアを前方及び後方に有している。
図4Bに最良に示され得るように、ピン165Aは、本質的に円形の断面外部形状を有し、中空部162Aは、本質的に六角形の断面内部形状を有している。したがって、案内表面は、それらのうちのGS11及びGS12が
図4Bに示されているが、ピン165Aとの本質的に線状の案内接触をもたらす。非案内表面NGS11~NGS14には、ピン165Aまでの公称距離が設けられている。同じタイプの装置が前方領域161Aに設けられている。これによって、z方向におけるピンの移動の精密な案内(z方向は
図4Aに示されている)、及びx方向におけるピン165Aの正確な配置がもたらされる。ピン165Aとカム要素150Aとの接触によって、ピン165Aが傾き得ることが回避され、y方向におけるわずかな自由度のみが許容される(y方向は
図4Bに示されている)。
【0029】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【国際調査報告】