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特表2022-511013浮遊ゲート、結合ゲート、及び消去ゲートを有するメモリセル、並びにその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】浮遊ゲート、結合ゲート、及び消去ゲートを有するメモリセル、並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11546 20170101AFI20220121BHJP
   H01L 27/11573 20170101ALI20220121BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
H01L27/11546
H01L27/11573
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531653
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(85)【翻訳文提出日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 US2019046312
(87)【国際公開番号】W WO2020117331
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】16/208,297
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デコベルト、キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】トラン、ヒュー、バン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP30
5F083EP47
5F083EP48
5F083ER04
5F083ER09
5F083ER19
5F083ER22
5F083ER29
5F083GA09
5F083NA01
5F083PR05
5F083PR29
5F083PR36
5F083PR40
5F083PR42
5F083PR52
5F083ZA01
5F083ZA28
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB02
5F101BC04
5F101BD02
5F101BD23
5F101BE07
5F101BH09
5F101BH15
5F101BH19
5F101BH21
(57)【要約】
半導体基板に形成されたソース領域及びドレイン領域を含み、基板の第1のチャネル領域は、ソース領域とドレイン領域との間に延在している、メモリデバイス。浮遊ゲートは、チャネル領域の上方に配設され、チャネル領域から絶縁され、チャネル領域の導電性は、浮遊ゲートによって単独で制御される。制御ゲートは、浮遊ゲートの上方に配設され、浮遊ゲートから絶縁される。消去ゲートは、ソース領域の上方に配設され、ソース領域から絶縁され、消去ゲートは、浮遊ゲートの縁部に面し、かつ浮遊ゲートの縁部から絶縁されるノッチを含む。論理デバイスは、同じ基板に形成される。各論理デバイスはソース領域及びドレイン領域を有し、チャネル領域はソース領域とドレイン領域との間に延在し、論理ゲートは論理デバイスのチャネル領域の上方に配設され、論理デバイスのチャネル領域を制御する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
半導体基板と、
該基板に形成された第1のソース領域及び第1のドレイン領域であって、前記基板の第1のチャネル領域は、前記第1のソース領域と前記第1のドレイン領域との間に延在している、第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、
前記第1のチャネル領域の上方に配設され、該第1のチャネル領域から絶縁された浮遊ゲートであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記浮遊ゲートによって単独で制御される、浮遊ゲートと、
前記浮遊ゲートの上方に配設され、該浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートと、
前記ソース領域の上方に配設され、該ソース領域から絶縁された消去ゲートであって、該消去ゲートは、前記浮遊ゲートの縁部に面し、前記浮遊ゲートの前記縁部から絶縁されるノッチを含む、消去ゲートと、を備えるメモリデバイス。
【請求項2】
前記基板に形成された第2のソース領域及び第2のドレイン領域であって、前記基板の第2のチャネル領域は、前記第2のソース領域と前記第2のドレイン領域との間に延在している、第2のソース領域及び第2のドレイン領域と、
前記第2のチャネル領域の上方に配設され、該第2のチャネル領域から絶縁された第1の論理ゲートであって、該第1の論理ゲートは、前記第2のチャネル領域の導電性を制御する、第1の論理ゲートと、を更に備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記基板に形成された第3のソース領域及び第3のドレイン領域であって、前記基板の第3のチャネル領域は、前記第3のソース領域と前記第3のドレイン領域との間に延在している、第3のソース領域及び第3のドレイン領域と、
前記第3のチャネル領域の上方に配設され、該第3のチャネル領域から絶縁された第2の論理ゲートであって、該第2の論理ゲートは、前記第3のチャネル領域の導電性を制御する、第2の論理ゲートと、を更に備え、
前記第1の論理ゲートは、第1の厚さを有する第1の絶縁体によって前記第2のチャネル領域から絶縁され、
前記第2の論理ゲートは、前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する第2の絶縁体によって前記第3のチャネル領域から絶縁され、
前記第3のソース領域は、前記基板の表面に対して、前記第2のソース領域より深く前記基板内に延在し、
前記第3のドレイン領域は、前記基板の前記表面に対して、前記第2のドレイン領域より深く前記基板内に延在する、請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
メモリデバイスであって、
半導体基板と、
該基板に形成された第1のソース領域と、
前記基板に形成された第1のドレイン領域及び第2のドレイン領域であって、前記基板の第1のチャネル領域は、前記第1のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在し、前記基板の第2のチャネル領域は、前記第2のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在する、第1のドレイン領域及び第2のドレイン領域と、
前記第1のチャネル領域の上方に配設され、該第1のチャネル領域から絶縁された第1の浮遊ゲートであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記第1の浮遊ゲートによって単独で制御される、第1の浮遊ゲートと、
前記第2のチャネル領域の上方に配設され、該第2のチャネル領域から絶縁された第2の浮遊ゲートであって、前記第2のチャネル領域の導電性は、前記第2の浮遊ゲートによって単独で制御される、第2の浮遊ゲートと、
前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、該第1の浮遊ゲートから絶縁された第1の制御ゲートと、
前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、該第2の浮遊ゲートから絶縁された第2の制御ゲートと、
前記第1のソース領域の上方に配設され、該第1のソース領域から絶縁された消去ゲートであって、該消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの縁部に面し、前記第1の浮遊ゲートの前記縁部から絶縁される第1のノッチと、前記第2の浮遊ゲートの縁部に面し、前記第2の浮遊ゲートの前記縁部から絶縁される第2のノッチとを含む消去ゲートと、を備えるメモリデバイス。
【請求項5】
前記基板に形成された第2のソース領域及び第3のドレイン領域であって、前記基板の第3のチャネル領域は、前記第2のソース領域と前記第3のドレイン領域との間に延在している、第2のソース領域及び第3のドレイン領域と、
前記第3のチャネル領域の上方に配設され、該第3のチャネル領域から絶縁され、前記第3のチャネル領域の導電性を制御する第1の論理ゲートと、を更に備える、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記基板に形成された第3のソース領域及び第4のドレイン領域であって、前記基板の第4のチャネル領域は、前記第3のソース領域と前記第4のドレイン領域との間に延在している、第3のソース領域及び第4のドレイン領域と、
前記第4のチャネル領域の上方に配設され、該第4のチャネル領域から絶縁され、前記第4のチャネル領域の導電性を制御する第2の論理ゲートと、を更に備え、
前記第1の論理ゲートは、第1の厚さを有する第1の絶縁体によって前記第3のチャネル領域から絶縁され、
前記第2の論理ゲートは、前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する第2の絶縁体によって前記第4のチャネル領域から絶縁され、
前記第3のソース領域は、前記基板の表面に対して、前記第2のソース領域より深く前記基板内に延在し、
前記第4のドレイン領域は、前記基板の前記表面に対して、前記第3のドレイン領域より深く前記基板内に延在する、請求項5に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
メモリデバイスを形成する方法であって、
半導体基板に第1のソース領域及び第1のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第1のチャネル領域は、前記第1のソース領域と前記第1のドレイン領域との間に延在している、ステップと、
前記第1のチャネル領域の上方に、該第1のチャネル領域から絶縁された浮遊ゲートを形成するステップであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記浮遊ゲートによって単独で制御される、ステップと、
前記浮遊ゲートの上方に、前記浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートを形成するステップと、
前記ソース領域の上方に、前記ソース領域から絶縁された消去ゲートを形成するステップであって、前記消去ゲートは、前記浮遊ゲートの縁部に面し、前記浮遊ゲートの前記縁部から絶縁されるノッチを含む、ステップと、を含む方法。
【請求項8】
前記基板に第2のソース領域及び第2のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第2のチャネル領域は、前記第2のソース領域と前記第2のドレイン領域との間に延在している、ステップと、
前記第2のチャネル領域の上方に、前記第2のチャネル領域から絶縁された第1の論理ゲートを形成するステップであって、前記第1の論理ゲートは、前記第2のチャネル領域の導電性を制御する、ステップと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基板に第3のソース領域及び第3のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第3のチャネル領域は、前記第3のソース領域と前記第3のドレイン領域との間に延在している、ステップと、
前記第3のチャネル領域の上方に、前記第3のチャネル領域から絶縁された第2の論理ゲートを形成するステップであって、前記第2の論理ゲートは、前記第3のチャネル領域の導電性を制御する、ステップと、を更に含み、
前記第1の論理ゲートは、第1の厚さを有する第1の絶縁体によって前記第2のチャネル領域から絶縁され、
前記第2の論理ゲートは、前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する第2の絶縁体によって前記第3のチャネル領域から絶縁され、
前記第3のソース領域は、前記基板の表面に対して、前記第2のソース領域より深く前記基板内に延在し、
前記第3のドレイン領域は、前記基板の前記表面に対して、前記第2のドレイン領域より深く前記基板内に延在する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記消去ゲート、前記第1の論理ゲート、及び前記第2の論理ゲートを形成するステップは、
前記基板の上方にポリシリコン層を形成するステップと、
前記ポリシリコン層をエッチングして、前記ポリシリコン層の別個の第1のブロック、第2のブロック、及び第3のブロックを形成するステップとを含み、前記第1のブロックは前記消去ゲートであり、前記第2のブロックは前記第1の論理ゲートであり、前記第3のブロックは前記第2の論理ゲートである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
メモリデバイスを形成する方法であって、
半導体基板に第1のソース領域を形成するステップと、
前記基板に第1のドレイン領域及び第2のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第1のチャネル領域は、前記第1のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在し、前記基板の第2のチャネル領域は、前記第2のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在する、ステップと、
前記第1のチャネル領域の上方に、該第1のチャネル領域から絶縁された第1の浮遊ゲートを形成するステップであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記第1の浮遊ゲートによって単独で制御される、ステップと、
前記第2のチャネル領域の上方に、該第2のチャネル領域から絶縁された第2の浮遊ゲートを形成するステップであって、前記第2のチャネル領域の導電性は、前記第2の浮遊ゲートによって単独で制御される、ステップと、
前記第1の浮遊ゲートの上方に、該第1の浮遊ゲートから絶縁された第1の制御ゲートを形成するステップと、
前記第2の浮遊ゲートの上方に、該第2の浮遊ゲートから絶縁された第2の制御ゲートを形成するステップと、
前記第1のソース領域の上方に、該第1のソース領域から絶縁された消去ゲートを形成するステップであって、前記消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの縁部に面し、前記第1の浮遊ゲートの前記縁部から絶縁される第1のノッチと、前記第2の浮遊ゲートの縁部に面し、前記第2の浮遊ゲートの前記縁部から絶縁される第2のノッチとを含む、ステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記基板に第2のソース領域及び第3のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第3のチャネル領域は、前記第2のソース領域と前記第3のドレイン領域との間に延在している、ステップと、
前記第3のチャネル領域の上方に、該第3のチャネル領域から絶縁された第1の論理ゲートを形成するステップであって、前記第1の論理ゲートは、前記第3のチャネル領域の導電性を制御する、ステップと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板に第3のソース領域及び第4のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第4のチャネル領域は、前記第3のソース領域と前記第4のドレイン領域との間に延在している、ステップと、
前記第4のチャネル領域の上方に、該第4のチャネル領域から絶縁された第2の論理ゲートを形成するステップであって、前記第2の論理ゲートは、前記第4のチャネル領域の導電性を制御する、ステップと、を更に含み、
前記第1の論理ゲートは、第1の厚さを有する第1の絶縁体によって前記第3のチャネル領域から絶縁され、
前記第2の論理ゲートは、前記第1の厚さより大きい第2の厚さを有する第2の絶縁体によって前記第4のチャネル領域から絶縁され、
前記第3のソース領域は、前記基板の表面に対して、前記第2のソース領域より深く前記基板内に延在し、
前記第4のドレイン領域は、前記基板の前記表面に対して、前記第3のドレイン領域より深く前記基板内に延在する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記消去ゲート、前記第1の論理ゲート、及び前記第2の論理ゲートを形成するステップは、
前記基板の上方にポリシリコン層を形成するステップと、
前記ポリシリコン層をエッチングして、前記ポリシリコン層の別個の第1のブロック、第2のブロック、及び第3のブロックを形成するステップとを含み、前記第1のブロックは前記消去ゲートであり、前記第2のブロックは前記第1の論理ゲートであり、前記第3のブロックは前記第2の論理ゲートである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
メモリセルを動作させる方法であって、前記メモリセルは、
半導体基板と、
該基板に形成されたソース領域及びドレイン領域であって、前記基板のチャネル領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に延在している、ソース領域及びドレイン領域と、
前記チャネル領域の上方に配設され、該チャネル領域から絶縁された浮遊ゲートであって、前記チャネル領域の導電性は、前記浮遊ゲートによって単独で制御される、浮遊ゲートと、
該浮遊ゲートの上方に配設され、該浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートと、
前記ソース領域の上方に配設され、該ソース領域から絶縁された消去ゲートであって、該消去ゲートは、前記浮遊ゲートの縁部に面し、前記浮遊ゲートの前記縁部から絶縁されるノッチを含む、消去ゲートと、を含み、
前記方法は、
正電圧を前記消去ゲートに印加することによって、前記浮遊ゲートから電子を除去するステップを含む、方法。
【請求項16】
前記浮遊ゲートから電子を除去するステップは、負電圧を前記制御ゲートに印加するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記制御ゲート及び前記ソース領域に正電圧を印加することによって、前記浮遊ゲートに電子を付加するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記浮遊ゲートに電子を付加するステップは、前記消去ゲートに正電圧を印加するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ドレイン領域、前記制御ゲート、及び前記消去ゲートに正電圧を印加することにより、前記浮遊ゲートのプログラム状態を読み出すステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は2018年12月3日に出願された、「Memory Cell With Floating Gate,Coupling Gate And Erase Gate,And Method Of Making Same」と題する米国特許出願第16/208,297号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、不揮発性フラッシュメモリデバイスに関し、より具体的には、コア及び高電圧論理デバイスと同じチップに埋設されたフラッシュメモリのアレイに関する。
【背景技術】
【0003】
スプリットゲート型不揮発性メモリデバイスは、当技術分野において周知である。例えば、米国特許第7,927,994号は、スプリットゲート型不揮発性メモリセルを開示しており、チャネル領域の2つの異なる部分が、2つの異なるゲート(浮遊ゲート及び選択ゲート)によって制御される。メモリセルは、浮遊ゲートの上方にある制御ゲート及びソース領域の上方にある消去ゲートを更に含む。スプリットゲート型メモリセルは、動作電圧が比較的低いため、すなわち、基板上での電源供給をより小さく、より効率的にすることができるために有利である。スプリットゲート型メモリセルは、メモリセルサイズが拡大されて横方向に変位した2つの別個のゲートを収容し、チャネル領域の2つの別個の部分を制御するために不利である。
【0004】
当該技術分野においては、単一ゲート(浮遊ゲート)のみがチャネル領域を制御する積層ゲート不揮発性メモリデバイスが周知である。制御ゲートは、浮遊ゲートの上方に形成される。チャネル領域を制御するために単一ゲートのみが使用されることを前提とすると、メモリセルをより小さいサイズに縮小することができるために、積層ゲートメモリセルが有利である。積層ゲートメモリセルは、動作電圧が比較的高いために不利である。
【0005】
より小さいサイズに縮小することができ、更に比較的低い電圧を使用して動作するメモリセル設計が必要とされている。低電圧論理デバイス(コアデバイス)及び高電圧論理デバイス(HVデバイス)など他の論理デバイスと同じチップにかかるメモリセルを作製する方法も必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
前述の問題及び必要性は、半導体基板と、該基板に形成された第1のソース領域及び第1のドレイン領域であって、前記基板の第1のチャネル領域は第1のソース領域と第1のドレイン領域との間に延在している、第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、前記第1のチャネル領域の上方に配設され、該第1のチャネル領域から絶縁された浮遊ゲートであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記浮遊ゲートによって単独で制御される、浮遊ゲートと、該浮遊ゲートの上方に配設され、該浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートと、前記ソース領域の上方に配設され、該ソース領域から絶縁された消去ゲートであって、該消去ゲートは、前記浮遊ゲートの縁部に面し、前記浮遊ゲートの前記縁部から絶縁されるノッチを含む、消去ゲートと、を含むメモリデバイスによって対処される。
【0007】
メモリデバイスは、半導体基板と、該基板に形成された第1のソース領域と、前記基板に形成された第1のドレイン領域及び第2のドレイン領域であって、前記基板の第1のチャネル領域は、前記第1のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在し、前記基板の第2のチャネル領域は、前記第2のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在する、第1のドレイン領域及び第2のドレイン領域と、前記第1のチャネル領域の上方に配設され、該第1のチャネル領域から絶縁された第1の浮遊ゲートであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記第1の浮遊ゲートによって単独で制御される、第1の浮遊ゲートと、前記第2のチャネル領域の上方に配設され、該第2のチャネル領域から絶縁された第2の浮遊ゲートであって、前記第2のチャネル領域の導電性は、前記第2の浮遊ゲートによって単独で制御される、第2の浮遊ゲートと、前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、該第1の浮遊ゲートから絶縁された第1の制御ゲートと、前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、該第2の浮遊ゲートから絶縁された第2の制御ゲートと、前記第1のソース領域の上方に配設され、該第1のソース領域から絶縁された消去ゲートであって、該消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの縁部に面し、前記第1の浮遊ゲートの前記縁部から絶縁される第1のノッチと、前記第2の浮遊ゲートの前記縁部に面し、前記第2の浮遊ゲートの縁部から絶縁される第2のノッチと、を含む消去ゲートと、を含む。
【0008】
メモリデバイスを形成する方法は、半導体基板に第1のソース領域及び第1のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第1のチャネル領域は、前記第1のソース領域と前記第1のドレイン領域との間に延在している、ステップと、前記第1のチャネル領域の上方に、該第1のチャネル領域から絶縁された浮遊ゲートを形成するステップであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記浮遊ゲートによって単独で制御される、ステップと、前記浮遊ゲートの上方に、該浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートを形成するステップと、前記ソース領域の上方に、該ソース領域から絶縁された消去ゲートを形成するステップであって、前記消去ゲートは、前記浮遊ゲートの縁部に面し、前記浮遊ゲートの前記縁部から絶縁されるノッチを含む、ステップと、を含む。
【0009】
メモリデバイスを形成する方法は、半導体基板に第1のソース領域を形成するステップと、前記基板に第1のドレイン領域及び第2のドレイン領域を形成するステップであって、前記基板の第1のチャネル領域は、前記第1のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在し、前記基板の第2のチャネル領域は、前記第2のドレイン領域と前記第1のソース領域との間に延在する、ステップと、前記第1のチャネル領域の上方に、該第1のチャネル領域から絶縁された第1の浮遊ゲートを形成するステップであって、前記第1のチャネル領域の導電性は、前記第1の浮遊ゲートによって単独で制御される、ステップと、前記第2のチャネル領域の上方に、該第2のチャネル領域から絶縁された第2の浮遊ゲートを形成するステップであって、前記第2のチャネル領域の導電性は、前記第2の浮遊ゲートによって単独で制御される、ステップと、前記第1の浮遊ゲートの上方に、該第1の浮遊ゲートから絶縁された第1の制御ゲートを形成するステップと、前記第2の浮遊ゲートの上方に、該第2の浮遊ゲートから絶縁された第2の制御ゲートを形成するステップと、前記第1のソース領域の上方に、該第1のソース領域から絶縁された消去ゲートを形成するステップであって、前記消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの縁部に面し、前記第1の浮遊ゲートの前記縁部から絶縁される第1のノッチと、前記第2の浮遊ゲートの縁部に面し、前記第2の浮遊ゲートの前記縁部から絶縁される第2のノッチとを含む、ステップと、を含む。
【0010】
半導体基板と、該基板に形成されたソース領域及びドレイン領域であって、前記基板のチャネル領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に延在している、ソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域の上方に配設され、該チャネル領域から絶縁された浮遊ゲートであって、前記チャネル領域の導電性は、前記浮遊ゲートによって単独で制御される、浮遊ゲートと、該浮遊ゲートの上方に配設され、該浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートと、前記ソース領域の上方に配設され、該ソース領域から絶縁された消去ゲートであって、該消去ゲートは、前記浮遊ゲートの縁部に面し、前記浮遊ゲートの前記縁部から絶縁されるノッチを含む、消去ゲートと、を含むメモリデバイスを動作させる方法。この方法は、正電圧を前記消去ゲートに印加することによって、前記浮遊ゲートから電子を除去するステップを含む。
【0011】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】基板のメモリアレイエリア、コアデバイスエリア、及びHVデバイスエリアの側断面図である。
図2A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図2B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図2C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図2D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図3A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図3B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図3C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図3D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図4A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図4B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図4C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図4D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図5A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図5B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図5C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図5D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図6A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図6B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図6C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図6D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図7A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図7B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図7C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図7D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図8A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図8B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図8C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図8D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図9A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図9B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図9C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図9D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図10A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図10B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図10C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図10D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図11A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図11B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図11C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図11D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図12A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図12B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図12C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図12D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図13A】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ワード線(WL)方向)である。
図13B】メモリセルを形成するステップを示す、基板のメモリアレイエリア部分の側断面図(ビット線(BL)方向)である。
図13C】コアデバイスを形成するステップを示す、基板のコアデバイスエリア部分の断面図である。
図13D】HVデバイスを形成するステップを示す、基板のHVデバイスエリア部分の断面図である。
図14】基板のメモリアレイエリアに形成されたメモリセルの側断面図である。
図15】基板のコアデバイスエリアに形成された論理デバイスの側断面図である。
図16】基板のHVデバイスエリアに形成された論理デバイスの側断面図である。
図17】基板のメモリアレイエリアに形成されたメモリセルの例示的な動作電圧の表である。
図18】基板のメモリアレイエリアに形成されたメモリセルの例示的な動作電圧の表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施形態は、改善されたメモリセル、並びに同一チップに改善されたメモリセル、低電圧論理デバイス(コアデバイス)、及び高電圧論理デバイス(HVデバイス)を有するメモリアレイデバイスを同時に形成するためのプロセスである。具体的には、半導体基板10(例えば、p型基板)は、図1に示すように、メモリセルが形成されるメモリアレイエリア(メモリエリア)14、コア論理デバイスが形成されるコアデバイスエリア(コアエリア)16、及びHV論理デバイスが形成されるHVデバイスエリア18(HVエリア)の3つのエリアを含む。基板10は、3つのエリア14、16、及び18にそれぞれ対応する3つの領域10a、10b、10cを含む。
【0022】
図2A図13A(ワード線(WL)方向での基板領域10aのメモリエリア14部分の断面図を含む)及び図2B図13B(WL方向に直交するビット線(BL)方向での基板領域10aのメモリエリア14部分の断面図を含む)に、メモリセルの形成プロセスを示す。図2C図13C(基板領域10bのコアデバイスエリア16部分の断面図を含む)に、コアデバイスの形成プロセスを示す。図2D図13D(基板領域10cのHVデバイスエリア18部分の断面図を含む)に、HVデバイスの形成プロセスを示す。
【0023】
このプロセスは、基板表面に二酸化シリコン(酸化物)層20を形成することによって始まる。酸化物層20に窒化シリコン(窒化物)層22を形成する。窒化物層22に、酸化物層24などハードマスク絶縁体を形成する。これら3層は、図2A図2Dに示すように、3つの基板領域10a、10b、及び10cの全てに形成される。フォトリソグラフィマスキングステップ(マスキングステップ)を実行して、基板10の上方に、特に酸化物層24の上方にフォトレジストを形成し、フォトレジストの選択的露光及びフォトレジストの一部の選択的除去を実行し、下層の材料(この場合は酸化物24)の選択部分を露出したままにする。フォトレジストによって露出したままのエリアで異方性酸化物エッチング、窒化物エッチング、及びシリコンエッチングを実行して、酸化物24、窒化物22、及び酸化物20の各層を通ってシリコン基板10内へと延在するトレンチ26を形成する。3つの基板領域10a~10c全てにおいて、これらのトレンチ26を形成する。結果として得られた構造体を、図3A図3D(フォトレジスト除去後)に示す。
【0024】
トレンチ26のシリコン壁に沿って酸化物のライナー層28を形成する。構造体の上方に酸化物を形成し、続いて、合わせてSTI(シャロートレンチアイソレーション)酸化物絶縁体30でトレンチ26を充填し、窒化物22上の酸化物24を除去する酸化物化学機械研磨(CMP)を実行する。窒化物エッチングを使用して、窒化物層22を除去する。基板の異なるエリアに対して一連の注入を実行して(例えば、標的エロアを除く基板の全エリアをフォトレジストで被覆し、注入を実行し、他のエリアに対して繰り返す)、HVエリア18にHNWLウェル(HV NMOSデバイスウェル)及びHPWLウェル(HV PMOSデバイスウェル)を形成する。次いで、酸化物エッチングを使用して、酸化物層20を除去する。STI酸化物積層体30間の露出したシリコン表面に酸化物層32(FG酸化物)を形成する。構造体の上方にポリシリコン層34(FGポリ、すなわち浮遊ゲートを形成するポリシリコン)を堆積させ、続いてポリ注入又はその場でドープされたポリ注入アニール、及びポリシリコンCMP(研磨停止部としてSTI酸化物30を使用する)を実行する。結果として得られた構造体を、図4A図4Dに示す。この時点で(フォトレジストでコアエリア16及びHVデバイスエリア18を保護しながら)、メモリエリア14でポリ層34を更に注入することができる。STI酸化物30及びFGポリ34はまた、自己整合STIプロセスを使用して形成することができ、FGポリ34は、STIエッチング中に画定される第1のポリ層、及び従来のリソグラフィプロセスによって画定される第2のポリ層を含むことに留意されたい。
【0025】
STI酸化物ブロック30は、酸化物エッチングによってポリ層34の上面の下方に窪んでいる。次いで、構造体の上方にゲート絶縁体36を形成する。好ましくは、ゲート絶縁体36は、酸化物、窒化物、酸化物の副層(ONO)を有する複合絶縁体である。構造体の上方に、ポリシリコン(CGポリ、すなわち、制御ゲートを形成するポリシリコン)の層38を堆積させる。注入及びアニール、又はその場でドープされたポリを使用できることが好ましい。CGポリ層38の上方に、酸化物、窒化物、又はこれらの両方の複合体などハードマスク絶縁体(HM)40を形成する。任意選択的に、緩衝酸化物を添加することができる。このステップを経て、酸化物32、ポリ34、ONO36、ポリ38、及びHM絶縁体40の各層が、3つの基板領域10a~10cの全ての上方に形成されている。次いで、マスキングステップを使用して、メモリエリア14の一部をフォトレジストで選択的に被覆する(コアエリア16及びHVデバイスエリア18の全ては、露出させたままである)。次いで、一連の酸化物エッチング、窒化物エッチング、及びポリエッチングを使用して、メモリエリア14の緩衝酸化物(使用する場合)の露出部分、HM絶縁体40、ポリ38、ONO36、及びポリ34の上部を除去し、これらの層を通って延在するトレンチ42を形成する。コアエリア16及びHVデバイスエリア18から、緩衝酸化物(使用する場合)、HM絶縁体40、ポリ38、ONO36、及びポリ34の上部を除去する。結果として得られた構造体を、図5A図5D(フォトレジスト除去後)に示す。
【0026】
窒化物堆積及び窒化物エッチングによって、メモリエリア14のトレンチ42の側壁に沿って窒化物スペーサ44を形成する。酸化物堆積及び酸化物エッチングによって、メモリエリア14のトレンチ42内の窒化物スペーサ44に沿って酸化物スペーサ46を形成する。次いで、ポリエッチングを使用して、トレンチ42の底部(酸化物スペーサ46の間)及びコアエリア16/HVエリア18において露出したポリ層34の一部を除去する。高温酸化物堆積(HTO)、アニール、及び酸化物エッチングによって、ポリ層34の露出側に酸化物スペーサ48を形成する。結果として得られた構造体を、図6A図6Dに示す。
【0027】
異なるエリアに対して一連の注入を実行して(例えば、標的エリアを除く基板の全エリアをフォトレジストで被覆し、注入を実行し、他のエリアに対して繰り返す。)、コアエリア16にPWELウェル及びNWELウェルを形成する。マスキングステップを使用して、メモリエリア14及びコアエリア16をフォトレジストで被覆し、HVエリア18を露出したままにする。酸化物エッチングによって、HVエリア18の残りの酸化物32を除去する。フォトレジストの除去後、(例えば、RTO/HTO堆積によって)基板の上方に酸化物層50を形成する。フォトレジストの除去後、マスキングステップを使用して、メモリエリア14のトレンチ42を除いて、メモリエリア14、コアエリア16、及びHVエリア18をフォトレジスト52で被覆する。次いで、図7A図7Dに示すように、注入を使用して、メモリエリア14のトレンチ42の下の基板にソース領域54を形成する。
【0028】
次いで、酸化物エッチング(好ましくはウェットエッチング)を実行して、メモリエリア14のトレンチ42内の酸化物スペーサ46及び48、並びに酸化物層32を除去し、ポリ層34の側壁及び基板10aの表面を露出させる。次いで、フォトレジスト52を除去し、その後、酸化物堆積及びエッチングによって、スペーサのようにトレンチ42の側壁に沿って、かつメモリエリア14の基板10aの表面に沿って酸化物56を形成する。マスキングステップ及び酸化物エッチング/形成ステップを実行して、コアエリア16の基板に第1のゲート酸化物58を形成し、HVエリア18に第2のゲート酸化物60を形成する。第2のゲート酸化物60(酸化物層50と酸化物層56と酸化物層58との組み合わせである)は、第1のゲート酸化物58より厚い。ソース領域54の上方の酸化物は、酸化物層56と酸化物層58との組み合わせである。次いで、構造体の上方にポリシリコン層62を形成する。ポリ層62の上方に酸化物層64を形成する。マスキングステップ及びエッチングステップを使用して、メモリエリア14から酸化物層64を除去する。次いで、ポリシリコン堆積を実行して、メモリエリア14のポリ層62を厚くし、コアエリア16及びHVエリア18にダミーポリ層66を形成する。結果として得られた構造体を、図8A図8Dに示す。
【0029】
ポリシリコンCMPを実行して、コアエリア16及びHVエリア18のダミーポリ層66を除去し、トレンチ42内のポリ層62のブロック(ソース領域54の上方)を除いて、メモリエリアのポリ層62を除去する。酸化物エッチングを使用して、コアエリア16及びHVエリア18の酸化物層64を除去する。マスキングステップを使用して、メモリエリア14のストラップ領域70を除いて、構造体の上方にフォトレジスト68を形成する。ポリエッチングを使用して、ストラップ領域70のポリブロック62を除去する。結果として得られた構造体を、図9A図9Dに示す。
【0030】
フォトレジスト68の除去後、マスキングステップを実行して、ポリブロック62間のメモリエリア14の部分を除いて、フォトレジストで構造体を被覆する。一連のエッチングを実行して、HM絶縁体40の露出部分、ポリ層38、ONO36、及びポリ層34を除去し、メモリエリア14にこれらの層のメモリ積層体構造体S1及びS2の対(ポリブロック62の各側面に1つの積層体)を残す。これらは、最終的に、メモリセルの対、並びに制御ゲート線及びソース線のストラッピングに使用され得るストラップ領域70内の追加構造体72を形成する。この結果得られた構造体を、図10A図10D(フォトレジスト除去後)に示す。
【0031】
マスキングステップを使用して、コアエリア16及びHVエリア18の上方にフォトレジストを形成し、メモリエリア14を露出したままにする。次いで、メモリエリア14で注入を実行し、隣接する積層体S1/S2の対の間の基板にドレイン領域74を形成する。フォトレジストの除去後、図11A図11Dに示すように、(例えば、HTOスペーサ堆積、アニール、及びエッチングによって)積層体S1/S2の側面に沿って酸化物スペーサ76を形成する。次に、マスキングステップを使用して、全エリアをフォトレジスト78で被覆し、コアエリア16及びHVエリア18の部分からフォトレジスト78を除去して、これらのエリアを露出したままにする。次に、図12A図12Dに示すように、ポリエッチングによってポリ層62の露出部分を除去し、コアエリア16及びHVエリア18のポリ層62のブロックを残す。
【0032】
フォトレジスト78の除去後、一連のマスキングステップ及び注入を実行して、基板のコア領域10bのポリブロック62に隣接する基板にソース領域80及びドレイン領域82を形成し、基板のHV領域10cのポリブロック62に隣接する基板にソース領域84及びドレイン領域86を形成する。HVエリア18のソース領域84及びドレイン領域86は、より高い電圧で動作するために、コアエリア16のソース領域80及びドレイン領域82より深く基板に形成される。酸化物堆積及びエッチングによって、ポリブロック62の側壁に沿って酸化物スペーサ88及び90を形成する。図13A図13Dに示すように、構造体の上方に絶縁材料(例えば、ILD酸化物)の厚い層92を形成する。次いで、ポストエンド処理を実行する。この処理は、絶縁体92を貫通するホール又はトレンチを形成して、メモリセルのドレイン領域、並びに論理デバイスのソース、ドレイン、及びゲートを露出させることと、導電性材料(すなわち、任意の適切な金属)でホール又はトレンチを充填して、当該技術分野において周知である、垂直に延在している接点を形成することと、を含む。
【0033】
図14は、メモリエリア14のメモリセルの最終構造を示す。メモリセルの対は、端から端まで形成され、各メモリセルは、ソース領域54及びドレイン領域74を含み、基板のチャネル領域94がソース領域54とドレイン領域74との間に延在している。浮遊ゲート34は、チャネル領域94の上方に配設され、チャネル領域94から絶縁される。浮遊ゲート34は、チャネル領域94の導電性を単独で制御する(すなわち、浮遊ゲートはチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、チャネル領域の第1の部分の導電性を制御し、別のゲートがチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、チャネル領域の第2の部分の導電性を制御するスプリットゲート構成と比較して、浮遊ゲート34は、チャネル領域のすぐ上方に存在し、チャネル領域から絶縁されている唯一のゲートである)。制御ゲート38は、浮遊ゲート34の上方に配設され、つ浮遊ゲート34から絶縁される。消去ゲート62は、ソース領域54の上方に配設され、ソース領域54から絶縁され、浮遊ゲート34に隣接し、浮遊ゲート34から絶縁される。消去ゲート62aは、浮遊ゲート34の縁部34aに面するノッチ63を含む。各メモリセル対は、共通のソース領域54及び消去ゲート62aを共有する。隣接するメモリセル対は、共通のドレイン領域74を共有する。メモリセルのアレイは、好ましくは、メモリセルが行及び列に配置された状態で、同時に形成される。図14に示すメモリセルの対は、列方向に延在する。メモリセルの各列は、メモリセルの列内の全ドレイン領域74に電気的に接続するビット線(BL)を含む。メモリセルの各行は、メモリセルの行内の全消去ゲート62aに電気的に接続する消去ゲート線(EGL)を含む。メモリセルの各行は、メモリセルの行内の全制御ゲート38に電気的に接続する制御ゲート線(CGL)を含む。メモリセルの各行は、メモリセルの行内の全ソース領域54に電気的に接続するソース線(SL)を含む。
【0034】
図15は、コア領域16の論理デバイスの最終構造を示す。各論理デバイスは、ソース領域80及びドレイン領域82を含み、基板のチャネル領域96がソース領域54とドレイン領域74との間に延在している。論理ゲート62bは、(チャネル領域96の導電性を制御するために)チャネル領域96の上方に配設され、かつチャネル領域96から絶縁されている。
【0035】
図16は、HVエリア18の論理デバイスの最終構造を示す。各論理デバイスは、ソース領域84及びドレイン領域86を含み、基板のチャネル領域98がソース領域84とドレイン領域86との間に延在している。論理ゲート62cは、(チャネル領域98の導電性を制御するために)チャネル領域98の上方に配設され、かつチャネル領域98から絶縁されている。HVエリア18の論理デバイスは、より高い電圧で動作することができる。これは、ゲート62cの下方の酸化物層60が、コアエリア16の論理ゲート62bの下のより薄い酸化物層58と比較して厚く、HVエリア18のソース84/ドレイン86の接合部が、コアエリア14のソース80/ドレイン82の接合部と比較して深いためである。
【0036】
図17は、選択した(sel)線及び非選択の(uns)線(「選択した」とは、標的セルが示した線に接続されていることを意味する)について消去動作、プログラム動作、及び読み出し動作を行うためのメモリエリア14のメモリセルの非限定的な例示的な動作電圧の第1のセットを示す。消去動作は、浮遊ゲート34から電子を除去することを含む。消去動作では、(リーキーセルを回避するために消去済みの全セルのための)プリプログラムステップと、(消去ゲート62a上での高圧正電圧により、浮遊ゲート34上の電子に、介在する絶縁体を通って消去ゲート62aへとトンネリングさせる)消去ステップと、(過消去された全セルのための)ソフトプログラムステップと、を含む。消去ステップは、好ましくは、別個のパルスで消去電圧を印加することによって実施される。好ましくは、ページ全体(行)、ブロック、セクタ、又はチップが同時に消去される。消去パルス間で、読み出し動作を各ビット線BLで実行して、メモリセルの列から電流を読み出し、それを消去基準セルからの基準電流と比較することができる。消去パルスは、読み出し電流が、消去基準セルからの基準電流のものを超えるまで継続する。ソフトプログラミングステップはまた、読み出し動作によって分離されたパルスで適用され得る。ソフトプログラミングパルスは、メモリセルが、ソフトプログラム基準セルからの基準電流より低い読み出し電流を呈するまで継続する。
【0037】
プログラム動作は、浮遊ゲート34に電子を注入することを含む。プログラム動作の場合、ドレイン領域74にゼロ電圧が印加され、ソース領域54及び消去ゲート62aに正電圧が印加され、制御ゲート38により高い正電圧が印加される。チャネル領域94に沿って移動する電子は加熱され、周知のホット電子注入技術によって浮遊ゲート34に注入される。読み出し動作は、ドレイン領域74、制御ゲート38、及び消去ゲート62aに正電圧を印加し、チャネル領域94に沿って全ての電流のレベルを感知することを伴う。浮遊ゲート34の電子が消去された場合、電流はチャネル領域94に沿って流れ、それによって消去されたプログラミング状態が感知される。浮遊ゲート34が電子でプログラムされている場合、電流はチャネル領域94に沿ってほとんど又は全く流れず、それによってプログラム状態が感知される。
【0038】
図18は、消去動作、プログラム動作、及び読み出し動作を行うためのメモリエリアのメモリセルの非限定的な例示的な動作電圧の第2のセットを示す。図17の電圧に対する図18の電圧の1つの著しい違いは、消去ステップ中に負電圧が制御ゲート38線に印加されることであり、これにより、当該ステップ中の消去ゲート62aでのより低い正電圧が可能になる。
【0039】
本実施形態は、多くの利点をもたらす。メモリセルは、チャネル領域全体の上方の浮遊ゲートゲート、浮遊ゲートの上方の制御ゲート、及びソース領域の上方の消去ゲートの3つのゲートのみを有し、2つのメモリセル間で単一の消去ゲート62a及びソース領域54を共有する。この構成により、スプリットゲート型メモリセル構成と比較して、メモリセルのサイズを効果的に縮小することができる。別個の消去ゲート62aを含めることにより、専用消去ゲートを有さない、従来の積層ゲートメモリセル構成と比較して、メモリセルの消去に必要な電圧を低減し、より小型かつ低電圧の動作電圧電源を可能にする。消去中に制御ゲート38で負電圧を使用することにより、より低い消去電圧が更に可能になる。浮遊ゲート34の縁部34aに面する消去ゲート62aのノッチ63は、浮遊ゲートと消去ゲートとの間のトンネリング効率を向上させる。従来技術で使用されるより浅い基板のウェル領域は、より低い消去電圧のおかげで実現可能となる。単一のポリ層62を使用してメモリエリア14の消去ゲート62a、コアエリア16の論理ゲート62b、HVエリア18の論理ゲート62cを形成して、メモリデバイスの製造コスト及び複雑性を低減する。
【0040】
本発明は、上述の、及び本明細書に例証の実施形態(複数可)に限定されないことが理解されるべきである。例えば、本明細書で本発明又は実施形態に言及することは、任意の請求項又は請求項の用語の範囲を限定することを意図しておらず、その代わり、単に、1つ以上の最終的な請求項によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するものである。上記で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、全ての方法のステップを例示した、又は特許請求した順序で実施する必要はなく、むしろ、本明細書に記載のようにメモリセル及び論理デバイスを適切に形成することができる任意の順序で実施する。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0041】
本明細書で使用される場合、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は両方とも、「に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されない)、及び「の上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設される)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設される)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設される)を含み、「電気的に結合された」は、「に直接電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にない)、及び「に間接的に電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にある)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を基板に直接、中間材料/要素をそれらの間に何ら伴わずに、形成すること、及びその要素を基板に間接的に、1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って、形成することを含み得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】