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特表2022-511022低温性能が向上した組成物、電極、鉛酸蓄電池
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  • 特表-低温性能が向上した組成物、電極、鉛酸蓄電池 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】低温性能が向上した組成物、電極、鉛酸蓄電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/14 20060101AFI20220121BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
H01M4/14 Q
H01M4/62 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531692
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 US2019063209
(87)【国際公開番号】W WO2020117555
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/774,969
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391010758
【氏名又は名称】キャボット コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】アタナソヴァ パオリナ
(72)【発明者】
【氏名】デュパスキエ オーレリアン エル
(72)【発明者】
【氏名】コン タオ
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA06
5H050BA09
5H050CA06
5H050CB15
5H050DA03
5H050DA09
5H050DA10
5H050EA10
5H050EA11
5H050EA22
5H050FA17
5H050HA00
5H050HA01
5H050HA07
5H050HA13
(57)【要約】
鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物は、(a)鉛ベースの活物質;(b)リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;ならびに(c1)90m2/g以上かつ900m2/g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積、および150mL/100g以上かつ300mL/100g以下の油吸着量(OAN)を有するカーボンブラック粒子、または(c2)40m2/g以上かつ500m2/g以下のBET表面積を有するカーボンブラック粒子、およびグラフェン粒子を含む。組成物は0.75m2/g以上かつ2m2/g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する。組成物は電極、例えば鉛酸蓄電池に使用される電極に使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物であって、
鉛ベースの活物質;
リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;ならびに
90m2/g以上かつ900m2/g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積、および150mL/100g以上かつ300mL/100g以下の油吸着量(OAN)を有するカーボンブラック粒子
を含み、
0.75m2/g以上かつ2m2/g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する、組成物。
【請求項2】
カーボンブラック粒子が、170mL/100g以上かつ250mL/100g以下のOANを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
0.75m2/g以上かつ1m2/g以下の理論上のNAM BET表面積を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
0.1質量%以上かつ0.5質量%以下のリグノスルホネートを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m2/g)/質量%)が2以上かつ4以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
0.7質量%以上かつ1.2質量%以下の硫酸バリウムを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
0.1質量%以上かつ1質量%以下のカーボンブラック粒子を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
カーボンブラック粒子が、熱処理を受けていない、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
カーボンブラック粒子が、10~30mJ/m2の範囲の表面エネルギーを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
カーボンブラック粒子が、10~25オングストロームの範囲のLa結晶子サイズを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
カーボンブラック粒子が、10~20オングストロームの範囲のLc結晶子サイズを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
カーボンブラック粒子が、20~35%の範囲の結晶化度%(IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
カーボンブラック粒子が、80~180m2/gの範囲の統計的厚さ表面積を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物を含む電極。
【請求項15】
請求項14に記載の電極を含む鉛酸蓄電池。
【請求項16】
鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物であって、
鉛ベースの活物質;
リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;
40m2/g以上かつ500m2/g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積を有するカーボンブラック粒子;ならびに
グラフェン粒子
を含み、
0.75m2/g以上かつ2m2/g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する、組成物。
【請求項17】
カーボンブラック粒子が、75mL/100g以上かつ300mL/100g以下のOANを有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
0.75m2/g以上かつ1m2/g以下の理論上のNAM BET表面積を有する、請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
0.1質量%以上かつ0.5質量%以下のリグノスルホネートを含む、請求項16~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m2/g)/質量%)が2以上かつ4以下である、請求項16~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
0.7質量%以上かつ1.2質量%以下の硫酸バリウムを含む、請求項16~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
0.1質量%以上かつ1質量%以下のカーボンブラック粒子を含む、請求項16~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
カーボンブラック粒子およびグラフェン粒子が、90m2/g以上かつ500m2/g以下の加重平均BET表面積を有する、請求項16~22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
グラフェン粒子が、100m2/g以上かつ500m2/g以下のBET表面積を有する、請求項16~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
グラフェン粒子とカーボンブラック粒子の濃度の比が0.25:1~1.5:1の範囲である、請求項16~24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
カーボンブラック粒子とグラフェン粒子の合計濃度が0.25質量%以上かつ1質量%以下である、請求項16~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
カーボンブラック粒子が、熱処理を受けていない、請求項16~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
カーボンブラック粒子が、10~30mJ/m2の範囲の表面エネルギーを有する、請求項16~27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
カーボンブラック粒子が、10~25オングストロームの範囲のLa結晶子サイズを有する、請求項16~28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
カーボンブラック粒子が、10~20オングストロームの範囲のLc結晶子サイズを有する、請求項16~29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
カーボンブラック粒子が、20~35%の範囲の結晶化度%(IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項16~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
カーボンブラック粒子が、80~180m2/gの範囲の統計的厚さ表面積を有する、請求項16~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
請求項16~32のいずれか1項に記載の組成物を含む電極。
【請求項34】
請求項33に記載の電極を含む鉛酸蓄電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された低温性能を有する鉛酸蓄電池(lead-acid batteries)の負極板、関連する電極、および関連する鉛酸蓄電池に適した組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛酸蓄電池は一般に、正極板、負極板、および硫酸水溶液を含む電解液を含む電気化学蓄電池である。極板は平行方向に保持され、荷電イオンの自由な移動を可能とする多孔質セパレーターによって電気的に絶縁される。正の電池極板は、表面に正の導電性二酸化鉛(PbO2)の層で覆われた集電体(すなわち、金属極板またはグリッド)を含んでいる。負の電池極板は、通常は鉛(Pb)金属である負極活物質で覆われた集電体を含んでいる。
放電サイクル中、負極板によって供給された鉛金属(Pb)は、イオン化された硫酸電解液と反応して、負極板の表面に硫酸鉛(PbSO4)を形成し、その一方で、正極板上に位置するPbO2は、正極板上またはその近くでPbSO4へと変換される。(外部電流からの電子供給による)充電サイクル中には、負極板の表面上のPbSO4は元のPb金属へと変換され、正極板の表面上のPbSO4は元のPbO2へと変換される。実際には、充電サイクルはPbSO4をPb金属とPbO2へと変換し、放電サイクルはPbO2とPb金属を元のPbSO4へと変換することにより、蓄積された電位を解放する。
鉛酸蓄電池は一般に、浸水セルおよび弁制御構成で製造される。浸水セル電池では、電解液に電極/極板が浸され、充電中に発生したガスは大気に放出される。制御弁式鉛酸蓄(VRLA)電池は、外部のガスが電池に侵入するのを防ぐが、内部圧力が特定の閾値を超えた場合には、充電中に生成される酸素などの内部のガスを逃がすことのできる一方向弁を含んでいる。VRLA電池では、電解液は通常、ガラスマットセパレーターへの電解液の吸収によって、または硫酸をシリカ粒子でゲル化することによって固定化されている。
【0003】
現在、鉛酸蓄電池の負極板は、硫酸中のμmサイズの酸化鉛(PbO2)粉末のペーストをグリッドとして知られる導電性鉛合金構造に塗布することによって製造されている。極板が硬化して乾燥した後、それらは電池に組み立てられて、PbO2をPbスポンジに変換するために充電される。いくつかの場合においては、最終的な負極の性能を向上させるために、膨張剤混合物が酸化鉛/硫酸ペーストに追加される。膨張剤混合物は一般に、硫酸バリウム、リグノスルホネート、および炭素を含む。硫酸バリウムは、極板の放電の際に生成される硫酸鉛の核剤としての機能を果たす。リグノスルホネートまたは他の有機物質は、活物質の表面積を増加させ、活物質の物理的構造の安定化を助ける。炭素は、放電状態での活物質の電気伝導度を高めて、それにより電荷受容性を改善し、また、硫酸鉛(PbSO4)の結晶子が動力学的に不可逆的に形成される現象を説明するために使用される用語である「負極板硫酸化」と呼ばれる故障モードを減らす。添加剤として、炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、活性炭)は、高い動的電荷受容性と、浸水セルおよびVRLA電池の両方の改善されたサイクル寿命を可能にすることが証明されている。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本発明は、改善された低温性能を有する鉛酸蓄電池の負極板、関連する電極、および関連する鉛酸蓄電池に適した導電性添加剤(例えば、特定の炭素および炭素の混合物)を含む組成物を特徴とする。
鉛酸蓄電池が新たな輸送用途においてより一般的に使用されるようになるにつれて、新たな要件が電池に課せられ、特定の既存の電池は新たな要件を満たすことができなくなる。例えば、電気自転車(例えば、電動自転車)、電気三輪車(例えば、電動三輪車)、およびその他の低速電気自動車の場合、長寿命のために深放電サイクル寿命が望ましく、そしてユーザーが寒い天候において範囲の大幅な損失を経験するのを防ぐために、特に低温での深放電容量が望ましい。出願人は、負極板の製造に使用される組成物に特定の炭素添加剤または炭素添加剤の混合物を使用することが、サイクル寿命と低温容量に有益な効果をもたらすことができ、そのどちらもが電動自転車や電動三輪車などの用途に役立つことを発見した。
【0005】
別の態様において、本発明は、鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物であって、鉛ベースの活物質;リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;ならびに90m2/g以上かつ900m2/g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積、および150mL/100g以上かつ300mL/100g以下の油吸着量(OAN)を有するカーボンブラック粒子を含み、0.75m2/g以上かつ2m2/g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する、組成物を特徴とする。
【0006】
実施形態は、以下の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい。カーボンブラック粒子は、170mL/100g以上かつ250mL/100g以下のOANを有する。組成物は0.75m2/g以上かつ1m2/g以下の理論上のNAM BET表面積を有する。組成物は0.1質量%以上かつ0.5質量%以下のリグノスルホネートを含む。理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m2/g)/質量%)は、2以上かつ4以下である。組成物は0.7質量%以上かつ1.2質量%以下の硫酸バリウムを含む。組成物は0.1質量%以上かつ1質量%以下のカーボンブラック粒子を含む。カーボンブラック粒子は、熱処理を受けていない。カーボンブラック粒子は、10~30mJ/m2の範囲の表面エネルギーを有する。カーボンブラック粒子は、10~25オングストロームの範囲のLa結晶子サイズを有する。カーボンブラック粒子は、10~20オングストロームの範囲のLc結晶子サイズを有する。カーボンブラック粒子は、20~35%の範囲の結晶化度%(IG/(IG+ID))×100%)を有する。カーボンブラック粒子は、80~180m2/gの範囲の統計的厚さ表面積を有する。
別の態様において、本発明は、鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物であって、鉛ベースの活物質;リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;40m2/g以上かつ500m2/g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積を有するカーボンブラック粒子;ならびにグラフェン粒子を含み、0.75m2/g以上かつ2m2/g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する、組成物を特徴とする。
【0007】
実施形態は、以下の特徴の1つまたは複数を含んでいてもよい。カーボンブラック粒子は、75mL/100g以上かつ300mL/100g以下のOANを有する。組成物は0.75m2/g以上かつ1m2/g以下の理論上のNAM BET表面積を有する。組成物は0.1質量%以上かつ0.5質量%以下のリグノスルホネートを含む。理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m2/g)/質量%)は、2以上かつ4以下である。組成物は0.7質量%以上かつ1.2質量%以下の硫酸バリウムを含む。組成物は0.1質量%以上かつ1質量%以下のカーボンブラック粒子を含む。カーボンブラック粒子およびグラフェン粒子は、90m2/g以上かつ500m2/g以下の加重平均BET表面積を有する。グラフェン粒子は、100m2/g以上かつ500m2/g以下のBET表面積を有する。グラフェン粒子とカーボンブラック粒子の濃度の比は、0.25:1~1.5:1の範囲である。カーボンブラック粒子とグラフェン粒子の合計濃度は、0.25質量%以上かつ1質量%以下である。カーボンブラック粒子は、熱処理を受けていない。カーボンブラック粒子は、10~30mJ/m2の範囲の表面エネルギーを有する。カーボンブラック粒子は、10~25オングストロームの範囲のLa結晶子サイズを有する。カーボンブラック粒子は、10~20オングストロームの範囲のLc結晶子サイズを有する。カーボンブラック粒子は、20~35%の範囲の結晶化度%(IG/(IG+ID))×100%)を有する。カーボンブラック粒子は、80~180m2/gの範囲の統計的厚さ表面積を有する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の組成物を含む電極を特徴とする。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の電極を含む鉛酸蓄電池を特徴とする。
特に明記されていない限り、本明細書の全ての百分率は質量百分率である。特に明記されていない限り、全ての範囲は端点を含む。
本発明の他の態様、特徴および利点は、その実施形態の説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】選択された炭素添加剤を負極活物質(NAM)中に含む20-Ah浸水鉛酸単一セルの周囲温度(20℃)の2時間容量を示すプロットである。
図2】選択された炭素添加剤をNAM中に含む20-Ah浸水鉛酸単一セルの周囲温度(20℃)の大電流容量と電荷受容性のプロットを示す図である。
図3】選択された炭素添加剤をNAM中に含む20-Ah浸水鉛酸単一セルの低温(-15℃および-20℃)の2時間率容量のプロットを示す図である。
図4】選択された炭素添加剤をNAM中に含む20-Ah浸水鉛酸単一セルの低温(-15℃および-20℃)の2時間率容量対(NAM BET表面積/リグノスルホネート質量%)比のプロットである。
図5】選択された炭素添加剤をNAM中に含む20-Ah浸水鉛単一セルのサイクル寿命(100%放電深度(DOD)、C/2、20℃)のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
電池(例えば、鉛酸蓄電池)用の電極を製造するために使用され得る組成物(例えば、NAM)、組成物の製造方法、ならびに電極(例えば、負極板)および電池における組成物の応用が本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、電極組成物は、1種または複数の(a)鉛ベースの活物質、(b)硫酸バリウム、(c)膨張剤としてのリグノスルホネート、および(d)導電性添加剤を含む。本明細書に記載されるように、導電性添加剤は、(1)特定のカーボンブラック粒子、または(2)特定のカーボンブラック粒子とグラフェン粒子の混合物を含むことができる。どちらの導電性添加剤も、組成物を含む電極および鉛酸蓄電池の低温性能を向上させることができる。
【0010】
(カーボンブラック粒子)
特定の実施形態において、カーボンブラック粒子は、表面積および油吸着量(すなわち、構造)によって特徴付けられる。カーボンブラック粒子は、比較的広い範囲の総表面積を有し得る。理論に拘束されるものではないが、中程度の表面積を有する炭素は、リグノスルホネートの吸着を最小化し、電極の多孔性を維持することができると考えられており、そのどちらも低温性能にとって好ましい。いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、90m2/g以上、または900m2/g以下、例えば、90~900m2/gの範囲のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積を有する。BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:90~800m2/g、または90~700m2/g、または90~600m2/g、または90~500m2/g、または90~400m2/g、または90~300m2/g、または90~200m2/g、または200~900m2/g、または200~800m2/g、または200~700m2/g、または200~600m2/g、または200~500m2/g、または200~400m2/g、または200~300m2/g、または300~900m2/g、または300~800m2/g、または300~700m2/g、または300~600m2/g、または300~500m2/g、または300~400m2/g、または400~900m2/g、または400~800m2/g、または400~700m2/g、または400~600m2/g、または400~500m2/g、または500~900m2/g、または500~800m2/g、または500~700m2/g、または500~600m2/g、または600~900m2/g、または600~800m2/g、または600~700m2/g、または700~900m2/g、または700~800m2/g、または800~900m2/g。BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:200m2/g以上、または250m2/g以上、または300m2/g以上、または350m2/g以上、または400m2/g以上、または450m2/g以上、または500m2/g以上、または550m2/g以上、または600m2/g以上、または650m2/g以上、または700m2/g以上、または750m2/g以上、または800m2/g以上、または850m2/g以下、または800m2/g以下、または750m2/g以下、または700m2/g以下、または650m2/g以下、または600m2/g以下、または550m2/g以下、または500m2/g以下、または450m2/g以下、または400m2/g以下、または350m2/g以下、または300m2/g以下、または250m2/g以下。これらの範囲内の他の範囲も可能である。本明細書に開示される全てのBET表面積値は、BET窒素表面積を指し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるASTM D6556-10によって決定される。
【0011】
BET表面積の場合と同様に、カーボンブラック粒子は、粒子の構造または体積占有特性を示すある範囲の油吸収量(OAN)を有することができる。所与の質量に対して、高構造カーボンブラック粒子は、低構造を有する他のカーボンブラック粒子よりも多くの体積を占めることができる。電池電極において導電性添加剤として使用される場合、比較的高いOANを有するカーボンブラック粒子は、比較的低い負荷で電極全体に連続的な導電性ネットワーク(すなわち、浸透)を提供できる。その結果、より多くの電気活性物質を使用することができ、それにより電池の性能が向上する。いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、150mL/100g以上、または300mL/100g以下、例えば、150~300mL/100gのOANを有する。OANは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:150~270mL/100g、または150~250mL/100g、または150~230mL/100g、または150~210mL/100g、または150~190mL/100g、または150~170mL/100g、または170~300mL/100g、または170~270mL/100g、または170~250mL/100g、または170~230mL/100g、または170~210mL/100g、または170~190mL/100g、または190~300mL/100g、または190~270mL/100g、または190~250mL/100g、または190~230mL/100g、または190~210mL/100g、または210~300mL/100g、または210~270mL/100g、または210~250mL/100g、または210~230mL/100g、または230~300mL/100g、または230~270mL/100g、または230~250mL/100g、または250~300mL/100g、または250~270mL/100g、または2710~300mL/100g。OANは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:170mL/100g以上、または190mL/100g以上、または210mL/100g以上、または230mL/100g以上、または250以上mL/100g、または270mL/100g以上、または270mL/100g以下、または250mL/100g以下、または230mL/100g以下、または210mL/100g以下、または190mL/100g以下、または170mL/100g以下。これらの範囲内の他の範囲も可能である。本明細書で引用されている全てのOAN値は、ASTM D2414-16に記載の方法によって決定される。
【0012】
上記のBETおよびOAN特性に加えて、カーボンブラック粒子は、任意の組み合わせで、以下に記載される以下の追加の特性の1つまたは複数(例えば、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上)をさらに有しうる:任意の組み合わせで、統計的厚さ表面積(STSA)、表面エネルギー、結晶化度の特徴(Laおよび/またはLcラマン微晶質平面サイズおよび/または結晶化度%によって示される)、およびNAM BET表面積。
【0013】
BET表面積と同様に、カーボンブラック粒子は、ある範囲の統計的厚さ表面積(STSA)を有することができ、BET表面積とSTSAとの間に差がもしあれば、その差は粒子の多孔度を示す。いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、80m2/g以上、または180m2/g以下、例えば、80~180m2/gの範囲のSTSAを有する。STSAは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:100m2/g以上、または120m2/g以上、または140m2/g以上、または160m2/g以上、または160m2/g以下、または140m2/g以下、または120m2/g以下、または100m2/g以下。STSAは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:80~160m2/g、または80~140m2/g、または80~120m2/g、または80~100m2/g、または100~180m2/g、または100~160m2/g、または100~140m2/g、または100~120m2/g、または120~180m2/g、または120~160m2/g、または120~140m2/g、または140~180m2/g、または140~160m2/g、または160~180m2/g。これらの範囲内の他の範囲も可能である。本明細書に開示される統計的厚さ表面積は、そのような決定が合理的に可能である限り、ASTM D6556-10によって決定される。
【0014】
いくつかの実施形態では、カーボンブラック粒子は10mJ/m2以上、または30mJ/m2以下、例えば10~30mJ/m2の範囲の表面エネルギー(SEまたはSEP)を有する。表面エネルギーは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:10~26m2/g、または10~22m2/g、または10~18m2/g、または10~14m2/g、または14~30m2/g、または14~26m2/g、または14~22m2/g、または14~18m2/g、または18~30m2/g、または18~26m2/g、または18~22m2/g、または22~30m2/g、または22~26m2/g、または26~30m2/g。特定の実施形態において、DWSによって測定される表面エネルギーは、30mJ/m2以下、または26mJ/m2以下、または22mJ/m2以下、または18mJ/m2以下、または14mJ/m2以下、または14m2/g以上、または18m2/g以上、または22m2/g以上、または26m2/g以上である。これらの範囲内の他の範囲も可能である。
【0015】
本明細書に開示される表面エネルギーは、動的(水)蒸気吸着(DVS)または水拡散圧力によって測定され得る。水拡散圧力は、カーボンブラック(水を吸収しない)の表面と水蒸気との間の相互作用エネルギーの測定値である。拡散圧力は、制御された雰囲気からサンプルが水を吸着するときのその質量増加を観察することによって測定される。試験では、サンプルの周囲の雰囲気の相対湿度(RH)が、0%(純粋な窒素)~約100%(水で飽和した窒素)まで上げられる。サンプルと雰囲気が常に平衡状態にある場合、サンプルの水拡散圧力(πe)は次のように定義される:
【数1】
式中、Rは気体定数、Tは温度、Aは本明細書に記載のサンプルのBET表面積、Γはサンプルに吸着された水の量(モル/gmに変換)、Pは雰囲気中の水の分圧、およびPoは雰囲気中の飽和蒸気圧である。実際には、表面上の水の平衡吸着は、1つまたは(好ましくは)いくつかの個別の分圧で測定され、曲線下面積によって積分が推定される。
【0016】
水拡散圧力を測定する手順は、"Dynamic Vapor Sorption Using Water, Standard Operating Procedure", rev. Feb. 8, 2005に詳述されており(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、ここに概要を示す。分析の前に、分析するカーボンブラック100mgを125℃のオーブンで30分間乾燥させた。Surface Measurement Systems DVS1装置(SMS Instruments、Monarch Beach、Calif.により供給)のインキュベーターが25℃で2時間安定していることを確認した後、サンプルカップをサンプルチャンバーと参照チャンバーの両方に装填した。標的RHを10分間0%に設定して、カップを乾燥させて、安定した質量ベースラインを確立した。静電気を放電し、はかりを風袋引きした後、約10~12mgのカーボンブラックをサンプルチャンバーのカップに加えた。サンプルチャンバーを密閉した後、サンプルを0%RHで平衡化させた。平衡化後、サンプルの初期質量を記録した。次に、窒素雰囲気の相対湿度を約0、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、および95%RHのレベルに順次上げ、システムを各RHレベルで20分間平衡化させた。各湿度レベルで吸着された水の質量を記録し、そこから水拡散圧力を計算した(上記を参照)。測定は2つの別々のサンプルで2回行い、平均値が報告されている。
【0017】
本明細書に記載の表面エネルギーを有する代わりに、またはそれに加えて、特定の実施形態では、カーボンブラック粒子は、比較的低い程度から中程度の黒鉛化度を示す結晶子サイズを有する。より高い黒鉛化度は、ラマン分光法によって決定されるより高いLa結晶子サイズ値によって示されるように、特定の結晶ドメインと相関し、ここでLaは43.5×(Gバンドの面積/Dバンドの面積)として定義される。Laのラマン測定は、参照により本明細書に組み込まれるGruber et al., "Raman studies of heat-treated carbon blacks," Carbon Vol. 32 (7), pp. 1377-1382, 1994に基づいていた。炭素のラマンスペクトルは、約1340cm-1と1580cm-1に2つの主要な「共鳴」バンドまたはピークを含み、それぞれ「D」および「G」バンドとして表示される。一般に、Dバンドは不規則なsp2炭素に起因し、Gバンドはグラファイトのまたは「規則的」なsp2炭素に起因すると考えられている。経験的アプローチを用いて、X線回折(XRD)によって測定されたG/Dバンドの比とLaは高度に相関しており、回帰分析は経験的関係を与える:
a=43.5×(Gバンドの面積/Dバンドの面積)、
ここで、Laはオングストロームで計算される。したがって、より高いLa値は、より規則的な結晶構造に対応する。
【0018】
いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は10Å以上、または25Å以下、例えば10Å~25ÅのLa結晶子サイズを有する。La結晶子サイズは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:10Å~22Å、または10Å~19Å、または10Å~16Å、または10Å~13Å、または13Å~25Å、または13Å~22Å、または13Å~19Å、または13Å~16Å、または16Å~25Å、または16Å~22Å、または16Å~19Å、または19Å~25Å、または19Å~22Å、または22Å~25Å。いくつかの実施形態において、La結晶子サイズは、13Å以上、または16Å以上、または19Å以上、または22Å以上、または22Å以下、または19Å以下、または16Å以下、または13Å以下である。
結晶ドメインは、Lc結晶子サイズによってさらに特徴付けられうる。Lc結晶子サイズは、銅管を備えた管電圧45kV、および管電流40mAのX線回折計(PANalytical X’Pert Pro、PANalytical B.V.)を使用して、X線回折によって決定された。カーボンブラック粒子のサンプルをサンプルホルダー(回折計の付属品)に充填し、10°~80°の角度(2θ)範囲で0.14°/分の速度で測定した。ピーク位置と半値全幅は、回折計のソフトウェアを使用して計算した。測定角度の校正には、X線標準として六ホウ化ランタン(LaB6)が使用された。得られた測定値から、シェラー方程式を使用してLc結晶子サイズを決定した:Lc(Å)=K×λ/(β×cosθ)、ここでKは形状因子定数(0.9)であり;λはCuKα1(1.54056Å)の特性X線の波長であり;βはラジアンで表した半値全幅であり;そしてθは測定角度のピーク位置(2θ)の半分を取ることによって決定される。
【0019】
より高いLc値は、より規則的な結晶構造に対応する。いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、20Å以下、または10Å以上、例えば10Å~20ÅのLc結晶子サイズを有する。Lc結晶子サイズは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:10Å~18Å、または10Å~16Å、または10Å~14Å、または10Å~12Å、または12Å~20Å、または12Å~18Å、または12Å~16Å、または12Å~14Å、または14Å~20Å、または14Å~18Å、または14Å~16Å、または16Å~20Å、または16Å~18Å、または18Å~20Å。いくつかの実施形態において、Lc結晶子サイズは、12Å以上、または14Å以上、または16Å以上、または18Å以上、または18Å以下、または16Å以下、または14Å以下、または12Å以下である。
【0020】
様々な実施形態において、カーボンブラック粒子は、Gバンドの面積とGおよびDバンドの面積の比(IG/(IG+ID))としてラマン測定から得られる高い結晶化度%によって示されるように、中程度の黒鉛化度を有する。結晶化度%は、特定の熱処理温度および時間を使用することによって達成することができ、いくつかの実施形態では、より長い熱処理時間(後述)により、比較的高い結晶化度%を提供することができる。特定の実施形態では、カーボンブラック粒子は、ラマン分光法によって決定されるように、20%~35%の範囲の結晶化度%((IG/(IG+ID))×100%)を有する。結晶化度%((IG/(IG+ID))×100%)は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:20%~32%、または20%~29%、または20%~26%、または20%~23%、または23%~35%、または23%~32%、または23%~29%、または23%~26%、または26%~35%、または26%~32%、または26%~29%、または23%~35%、または23%~32%、または26%~35%、または26%~32%、または26%~29%、または29%~35%、または29%~32%、または29%~35%、または32%~35%。結晶化度%((IG/(IG+ID))×100%)は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:20%超、または23%超、または26%超、または29%超、または32%超、または35%未満、または32%未満、または29%未満、または26%未満、または23%未満。ラマン測定は、Horiba LabRAM Aramisラマン顕微鏡と付属のLabSpec6ソフトウェアを使用して行った。
【0021】
様々な実施形態において、カーボンブラック粒子は、熱処理されたカーボンブラック粒子ではない。「熱処理されたカーボンブラック粒子」は、本明細書で使用される場合、一般に、例えばファーネスブラック処理によって、あらかじめ形成されたベースカーボンブラック粒子の後処理を指す「熱処理」を受けたカーボンブラック粒子である。熱処理は、不活性条件下(すなわち、実質的に酸素がない雰囲気中)で行うことができ、一般には、ベースカーボンブラック粒子が形成された容器以外の容器中で行われる。不活性条件は、真空、および窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気を含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、不活性条件下でのカーボンブラック粒子の熱処理は、不純物(例えば、残留油および塩)、カーボンブラック結晶中の欠陥、転位および/もしくは不連続性の数を減らすこと、ならびに/または黒鉛化度を増やすことができる。
熱処理温度は変動し得る。様々な実施形態において、(例えば、不活性条件下での)熱処理は、少なくとも1000℃、または少なくとも1200℃、または少なくとも1400℃、または少なくとも1500℃、または少なくとも1700℃、または少なくとも2000℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、熱処理は1000℃~2500℃、例えば1400℃~1600℃の範囲の温度で行われる。ある温度で行われる熱処理は、本明細書に開示される1つまたは複数の温度範囲を指し、定常温度で加熱すること、または段階的および/または別の方法で温度を上昇または下降させながら加熱することを含み得る。
【0022】
熱処理期間は変動し得る。特定の実施形態において、熱処理は、本明細書に開示の温度範囲の1つまたは複数で少なくとも15分、例えば少なくとも30分、または少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも6時間、または少なくとも24時間、または最長48時間のこれらの期間のいずれかの間行われる。いくつかの実施形態において、熱処理は、15分~少なくとも24時間、例えば15分~6時間、または15分~4時間、または30分~6時間、または30分~4時間の範囲の期間行われる。
カーボンブラック粒子は、市販の粒子でもあり得る。カーボンブラック粒子の例は、Cabot Corporationから入手可能なPBX(登録商標)22、PBX(登録商標)16、PBX(登録商標)55、PBX(登録商標)135、およびPBX(登録商標)09カーボンブラック粒子を含む。
【0023】
(カーボンブラック粒子とグラフェン粒子の混合物)
他の実施形態では、導電性添加剤の混合物を形成するために、上記のカーボンブラック粒子を使用するのではなく、他のカーボンブラック粒子がグラフェン粒子と組み合わせて使用される。これらの他のカーボンブラック粒子は、異なる特性によって特徴付けられる:表面積;油吸着量;および以下に記述される1つまたは複数の特性。特性は、上記の方法に従って決定される。カーボンブラック粒子は、比較的小さい総表面積を有し得る。理論に拘束されるものではないが、小さい表面積を有する炭素は、リグノスルホネートの吸着を最小化し、電極の多孔性を維持することができると考えられており、そのどちらもが低温性能にとって好ましい。いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、40m2/g以上、または500m2/g以下、例えば、40~500m2/gの範囲のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積を有する。BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:40~450m2/g、または40~400m2/g、または40~350m2/g、または40~300m2/g、または40~250m2/g、または40~200m2/g、または40~150m2/g、または40~100m2/g、または100~500m2/g、または100~450m2/g、または100~400m2/g、または100~350m2/g、または100~300m2/g、または100~250m2/g、または100~200m2/g、または100~150m2/g、または150~500m2/g、または150~450m2/g、または150~400m2/g、または150~350m2/g、または150~300m2/g、または150~250m2/g、または150~200m2/g、または200~500m2/g、または200~450m2/g、または200~400m2/g、または200~350m2/g、または200~300m2/g、または200~250m2/g、または250~500m2/g、または250~450m2/g、または250~400m2/g、または250~350m2/g、または250~300m2/g、または300~500m2/g、または300~450m2/g、または300~400m2/g、または300~350m2/g、または350~500m2/g、または350~450m2/g、または350~400m2/g、または400~500m2/g、または400~450m2/g、または450~500m2/g。BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:100m2/g以上、または150m2/g以上、または200m2/g以上、または250m2/g以上、または300m2/g以上、または350m2/g以上、または400m2/g以上、または450m2/g以上、または450m2/g以下、または400m2/g以下、または350m2/g以下、または300m2/g以下、または250m2/g以下、または200m2/g以下、または150m2/g以下、または100m2/g以下。これらの範囲内の他の範囲も可能である。
【0024】
いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、75mL/100g以上、または300mL/100g以下、例えば、75~300mL/100gのOANを有する。OANは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:75~275mL/100g、または75~250mL/100g、または75~225mL/100g、または75~200mL/100g、または75~175mL/100g、または75~150mL/100g、または75~125mL/100g、または75~100mL/100g、または100~300mL/100g、または100~275mL/100g、または100~250mL/100g、または100~225mL/100g、または100~200mL/100g、または100~175mL/100g、または100~150mL/100g、または100~125mL/g、または125~300mL/100g、または125~275mL/100g、または125~250mL/100g、または125~225mL/100g、または125~200mL/100g、または125~175mL/100g、または125~150mL/100g、または150~300mL/100g、または150~275mL/100g、または150~250mL/100g、または150~225mL/100g、または150~200mL/100g、または150~175mL/100g、または175~300mL/100g、または175~275mL/100g、または175~250mL/100g、または175~225mL/100g、または175~200mL/100g、または200~300mL/100g、または200~275mL/100g、または200~250mL/100g、または200~225mL/100g、または225~300mL/100g、または225~275mL/100g、または225~250mL/100g、または250~300mL/100g、または250~275mL/100g、または275~300mL/100g。OANは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:75mL/100g以上、または100mL/100g以上、または125mL/100g以上、または150mL/100g以上、または175以上mL/100g、または200mL/100g以上、または225mL/100g以上、または250mL/100g以上、または275mL/100g以上、275mL/100g以下、または250mL/100g以下、または225mL/100g以下、または200mL/100g以下、または175mL/100g以下、または150mL/100g以下、または125mL/100g以下、または100mL/100g以下。これらの範囲内の他の範囲も可能である。
【0025】
いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、50m2/g以上、または500m2/g以下、例えば、50~500m2/gの範囲のSTSAを有する。STSAは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:100m2/g以上、または150m2/g以上、または200m2/g以上、または250m2/g以上、または300m2/g以上、または350m2/g以上、または400m2/g以上、または450m2/g以上、または450m2/g以下、または400m2/g以下、または350m2/g以下、または300m2/g以下、または250m2/g以下、または200m2/g以下、または150m2/g以下、または100m2/g以下。STSAは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:50~400m2/g、または50~300m2/g、または50~200m2/g、または100~500m2/g、または100~400m2/g、または100~300m2/g、または100~200m2/g、または200~500m2/g、または200~400m2/g、または200~300m2/g、または300~500m2/g、または300~400m2/g、または400~500m2/g。これらの範囲内の他の範囲も可能である。統計的厚さ表面積は、そのような決定が合理的に可能である限り、ASTM D6556-10によって決定される。
【0026】
いくつかの実施形態では、カーボンブラック粒子は20mJ/m2以上、または30mJ/m2以下、例えば20~30mJ/m2の範囲の表面エネルギー(SEまたはSEP)を有する。表面エネルギーは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:20~28m2/g、または20~26m2/g、または20~24m2/g、または20~22m2/g、または22~30m2/g、または22~28m2/g、または22~26m2/g、または22~24m2/g、または24~30m2/g、または24~28m2/g、または24~26m2/g、または26~30m2/g、または26~28m2/g、または28~30m2/g。特定の実施形態において、DWSによって測定される表面エネルギーは、28mJ/m2以下、または26mJ/m2以下、または24mJ/m2以下、または22mJ/m2以下、または22m2/g以上、または24m2/g以上、または26m2/g以上、または28m2/g以上である。これらの範囲内の他の範囲も可能である。
【0027】
いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は10Å以上、または25Å以下、例えば10Å~25ÅのLa結晶子サイズを有する。La結晶子サイズは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:10Å~22Å、または10Å~19Å、または10Å~16Å、または10Å~13Å、または13Å~25Å、または13Å~22Å、または13Å~19Å、または13Å~16Å、または16Å~25Å、または16Å~22Å、または16Å~19Å、または19Å~25Å、または19Å~22Å、または22Å~25Å。いくつかの実施形態において、La結晶子サイズは、13Å以上、または16Å以上、または19Å以上、または22Å以上、または22Å以下、または19Å以下、または16Å以下、または13Å以下である。
いくつかの実施形態において、カーボンブラック粒子は、20Å以下、または10Å以上、例えば10Å~20ÅのLc結晶子サイズを有する。[Lc結晶子サイズは、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:10Å~18Å、または10Å~16Å、または10Å~14Å、または10Å~12Å、または12Å~20Å、または12Å~18Å、または12Å~16Å、または12Å~14Å、または14Å~20Å、または14Å~18Å、または14Å~16Å、または16Å~20Å、または16Å~18Å、または18Å~20Å。いくつかの実施形態において、Lc結晶子サイズは、12Å以上、または14Å以上、または16Å以上、または18Å以上、または18Å以下、または16Å以下、または14Å以下、または12Å以下である。
【0028】
特定の実施形態では、カーボンブラック粒子は、ラマン分光法によって決定されるように、20%~35%の範囲の結晶化度%((IG/(IG+ID))×100%)を有する。結晶化度%((IG/(IG+ID))×100%)は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:20%~32%、または20%~29%、または20%~26%、または20%~23%、または23%~35%、または23%~32%、または23%~29%、または23%~26%、または26%~35%、または26%~32%、または26%~29%、または23%~35%、または23%~32%、または26%~35%、または26%~32%、または26%~29%、または29%~35%、または29%~32%、または29%~35%、または32%~35%。結晶化度%((IG/(IG+ID))×100%)は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:20%超、または23%超、または26%超、または29%超、または32%超、または35%未満、または32%未満、または29%未満、または26%未満、または23%未満。
カーボンブラック粒子は、市販の粒子でもあり得る。カーボンブラック粒子の例は、Cabot Corporationから入手可能なPBX(登録商標)4、PBX(登録商標)7、PBX(登録商標)22、およびPBX(登録商標)16カーボンブラック粒子を含む。
【0029】
グラフェン粒子または本明細書で使用される「グラフェン」は、互いに結合してハニカム格子を形成するsp2混成炭素原子の単一原子厚シートを少なくとも1つ含む炭素質物質である。グラフェンは単層グラフェン、少数層グラフェン、および/またはグラフェン凝集体を含み得る。特定の実施形態では、グラフェンは2つ以上の積層グラフェンシート、例えば2~50層のグラフェン、または20~50層のグラフェンを有する少数層グラフェン(FLG)を含む。いくつかの実施形態において、グラフェンは単層グラフェンおよび/または2~20層のグラフェン(または本明細書に開示の他の範囲)を含む。他の実施形態において、グラフェンは3~15層のグラフェンを含む。層の数は、グラフェンシートのBET表面積との既知の関係から推定される。
【0030】
グラフェンの寸法は一般に、厚さと横方向のドメインサイズによって定義される。グラフェンの厚さは、一般に層状のグラフェンシートの数に依存する。厚さに対して横向きの寸法は、本明細書では「横方向の」寸法と呼ぶ。様々な実施形態において、グラフェンは、10nm~10μm、例えば10nm~5μm、または10nm~2μm、または100nm~10μm、または100nm~5μm、または100nm~2μm、または0.5μm~10μm、または0.5μm~5μm、または0.5μm~2μm、または1μm~10μm、または1μm~5μm、または1μm~2μmの範囲の横方向のサイズを有する。
グラフェンは、離散粒子および/または凝集体として存在し得る。「凝集体」は、互いに接着する少数層グラフェンを含む複数のグラフェン粒子(小板)を指す。グラフェン凝集体の場合、「横方向のドメインサイズ」は、凝集体の最長の分割できない寸法を指す。凝集体の厚さは、個々のグラフェン粒子の厚さとして定義される。グラフェン凝集体は、例えばグラファイトの剥離によって、機械的に生成され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、グラフェンの表面積は、互いに積み重なったシートの数の関数であり、層の数に基づいて計算することができる。特定の実施形態では、グラフェンは微細孔性を有さない。例えば、多孔性のないグラフェン単層の表面積は2700m2/gである。多孔性のない2層グラフェンの表面積は、1350m2/gと計算され得る。他の実施形態では、グラフェンの表面積は、積層シートの数とアモルファスの空洞または細孔との組み合わせの結果として生じる。様々な実施形態において、グラフェンは、0%超~50%、例えば20%~45%、または20%~30%の範囲の微細孔性を有する。いくつかの実施形態において、グラフェンは、100m2/g以上、または500m2/g以下、例えば、100~500m2/gの範囲のBET表面積を有する。BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:100~450m2/g、または100~400m2/g、または100~350m2/g、または100~300m2/g、または100~250m2/g、または100~200m2/g、または150~500m2/g、または150~450m2/g、または150~400m2/g、または150~350m2/g、または150~300m2/g、または150~250m2/g、または200~500m2/g、または200~450m2/g、または200~400m2/g、または200~350m2/g、または200~300m2/g、または250~500m2/g、または250~450m2/g、または250~400m2/g、または250~350m2/g、または300~500m2/g、または300~450m2/g、または300~400m2/g、または350~500m2/g、または350~450m2/g、または400~500m2/g。BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:150m2/g以上、または200m2/g以上、または250m2/g以上、または300m2/g以上、または350m2/g以上、または400m2/g以上、または450m2/g以上、または450m2/g以下、または400m2/g以下、または350m2/g以下、または300m2/g以下、または250m2/g以下、または200m2/g以下、または150m2/g以下。これらの範囲内の他の範囲も可能である。
【0032】
電極組成物がカーボンブラック粒子とグラフェン粒子の混合物を含む実施形態では、導電性添加剤の混合物のBET表面積は、添加剤のBET表面積の加重平均、すなわち、[(カーボンブラック粒子のBET表面積)×(カーボンブラック粒子の質量%)+(グラフェン粒子のBET表面積)×(グラフェン粒子の質量%)]として表され得る。特定の実施形態において、混合物のBET表面積の加重平均は、90m2/g~500m2/g、例えば、90~280m2/gの範囲であり得る。
グラフェンは、当技術分野で周知のグラファイトの剥離(機械的、化学的)を含む様々な方法によって生成され得る。あるいは、グラフェンはメタンおよびアルコールなどの有機前駆体の反応によって、例えば、気相、プラズマ処理、および当技術分野で既知の他の方法によって合成され得る。
グラフェンは、例えば、米国特許出願公開第2018-0021499号、国際公開第2017/139115号;および米国仮特許出願第62/566,685号に記載されている。グラフェンの例は、Super CのPAS1001製品;Cabot CorporationのPBX(登録商標)300G製品;HaoxinのHX-GS1およびHX-G8製品;SUSNから入手可能なGNCおよびGNPグラフェン;ならびにXGSciencesのxGnP(登録商標)製品を含む。
【0033】
ここで組成物の他の成分に目を向けると、いくつかの実施形態では、膨張剤は有機分子膨張剤を含む。本明細書で定義される「有機分子膨張剤」は、鉛含有種の表面に吸着または共有結合して、鉛含有種の表面におけるPbSO4の滑らかな層の形成率を防げるまたは実質的に減少させる多孔性ネットワークを形成することのできる分子である。特定の実施形態において、有機分子膨張剤は300g/molを超える分子量を有する。例示的な有機分子膨張剤は、リグノスルホネート、リグニン、木粉、パルプ、フミン酸、および木製品、ならびにそれらの誘導体または分解生成物を含む。いくつかの実施形態において、膨張剤はリグノスルホネート、リグニン構造を含む実質的な部分を有する分子から選択される。リグニンは、主にフェニルプロパン基と、いくつかのメトキシ、フェノール、硫黄(有機および無機)、およびカルボン酸基を有する高分子種である。通常、リグノスルホネートはスルホン化されたリグニン分子である。一般的なリグノスルホネートは、Borregard Lignotech製品のUP-393、UP-413、UP-414、UP-416、UP-417、M、D、VS-A(Vanisperse A)、Vanisperse-HTなどを含む。他の有用な例示的なリグノスルホネートは"Lead Acid Batteries", Pavlov, Elsevier Publishing, 2011に列挙されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
様々な実施形態において、有機分子膨張剤、例えばリグノスルホネートは、組成物(例えば、NAM)の総質量に対して、0.05質量%~1.5質量%、例えば、0.2質量%~1.5質量%、または0.3質量%~1.5質量%、または0.2質量%~0.5質量%の範囲の量で存在する。存在する有機分子膨張剤の量は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:組成物の総質量に対して、0.1~1.5質量%、または0.1~1質量%、または0.1~0.5質量%、または0.2~1質量%、または0.1~0.5質量%、または0.2から0.4質量%、または0.5~1.5質量%、または0.5~1質量%。存在する有機分子膨張剤の量は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:0.05質量%以上、または0.1質量%以上、または0.2質量%以上、または0.5質量%以上、または1.5質量%以下、または1質量%以下、または0.5質量%以下。
鉛含有物質は一般に、鉛、PbO、鉛含有酸化物、Pb34、Pb2O、およびPbSO4、水酸化物、酸、およびそれらの金属錯体(例えば、水酸化鉛および鉛酸錯体)から選択される。いくつかの実施形態では、鉛含有物質は鉛含有酸化物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、電極組成物の総質量に対して、_95~99____質量%の鉛含有物質を含む。様々な実施形態において、組成物(例えば、均質な混合物)はBaSO4、例えば、組成物の総質量に対して、例えば0.7~1.2質量%、例えば0.8~1質量%のBaSO4をさらに含む。
【0035】
組成物は、導電性添加剤についてある範囲の濃度を含み得る。カーボンブラック粒子のみを含む実施形態では、組成物は、電極組成物(例えば、NAM)の総質量に対して、0.1質量%~1質量%のカーボンブラック粒子を含む。存在するカーボンブラック粒子の量は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:0.1~0.8質量%、または0.1~0.6質量%、または0.1~0.4質量%、または0.2~1質量%、または0.2~0.8質量%、または0.2~0.6質量%、または0.4~1質量%、または0.4~0.8質量%、または0.6~1質量%。存在するカーボンブラック粒子の量は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:0.1質量%以上、または0.2質量%以上、または0.4質量%以上、または0.6質量%以上、または0.8質量%以上、または1質量%以下、または0.8質量%以下、または0.6質量%以下、または0.4質量%以下、または0.2質量%以下。カーボンブラック粒子とグラフェンの混合物を含む実施形態では、組成物は、電極組成物の総質量に対して、0.25質量%~1質量%の混合物を含む。存在する混合物の量は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:0.25~0.75質量%、または0.25~0.5質量%、または0.5~1質量%、または0.5~0.75質量%、または0.75~1質量%。グラフェン粒子とカーボンブラック粒子の濃度の比は、0.25:1~9:1の範囲であり得る。グラフェン粒子とカーボンブラック粒子の濃度の比は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:0.25:1~7:1、または0.25:1~5:1、または0.25:1~3:1、または0.25:1~2:1、または1:1~9:1、または1:1~7:1、または1:1~5:1、または1:1~3:1、または1:1~2:1、または2:1~9:1、または2:1~7:1、または1:1~5:1、または1:1~3:1、または3:1~9:1、または3:1~7:1、または3:1~5:1、または5:1~9:1、または5:1~7:1、または7:1~9:1、または0.25:1~1.25:1、または0.25:1~1:1、または0.25:1~0.75:1、または0.5:1~1.5:1、または0.5:1~1.25:1、または0.5:1~1:1、または0.75:1~1.5:1、または0.75:1~1.25:1、または1:1~1.5:1。グラフェン粒子とカーボンブラック粒子の濃度の比は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:0.25:1以上、または0.5:1以上、または0.75:1以上、または1:1以上、または1.25:1以上、または2:1以上、または3:1以上、または4:1以上、または5:1以上、または6:1以上、または7:1以上、または8:1以上、または9:1以下、または8:1以下、または7:1以下、または6:1以下、または5:1以下、または4:1以下、または3:1以下、または2:1以下、または1.5:1以下、または1.25:1以下、または1:1以下、または0.75:1以下、または0.5:1以下。
【0036】
いくつかの実施形態では、電極組成物は均質な水性スラリーである。他の実施形態では、均質な組成物は多孔質固体である。例えば、水性スラリーを乾燥および硬化させることにより、多孔質固体を形成することができる。一実施形態において、多孔質固体は、少なくとも4m2/g、例えば、少なくとも5m2/gの表面積を有する。
組成物は、導電性添加剤を本明細書に記載の1種または複数の成分と組み合わせて混合物を形成することによって作製され得る。スラリーを形成するために、硫酸と水が混合物に加えられる。
特定の実施形態では、スラリー(例えば、ペースト)は乾燥される。乾燥は、制御された湿度条件と適度な量の熱(例えば、30~80℃または35~60℃)など、制御された湿度の下で、ゆっくりと硬化させることで達成することができ、その結果、多孔質固体が生じる。それから、この硬化工程に続いて、高温(例えば、50~140℃または65~95℃)における極度に低い湿度または湿度0での第2の加熱工程(乾燥)が行われ得る。様々な実施形態において、組成物はモノリスである。他のペースト化、硬化、および形成手順は"Lead Acid Batteries," Pavlov, Elsevier Publishing, 2011に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
いくつかの実施形態において、スラリー(例えば、ペースト)は、極板またはグリッドなどの基板上に沈着(または他の方法でペースト化)され、基板上で乾燥させられ、ここで乾燥は本明細書に開示のようにして実行され得る。様々な実施形態において、極板またはグリッドは、無数のデザインおよび形状(例えば、シートから打ち抜かれた、または広げられたもの)の金属構造であり、活物質の固体永久支持体として機能する。グリッドはまた、電気または電子を活物質へと、また活物質から伝導する。グリッドは、純金属(例えば、Pb)またはその合金を含み得る。これらの合金の成分は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる"Lead Acid Batteries, Pavlov, Elsevier Publishing, 2011に記載されている金属の中でもとりわけ、Sb、Sn、Ca、Agを含むことができる。
特定の実施形態において、電極は、極板上に沈着した硬化物質が、酸化鉛が還元されて鉛金属になる充電プロセスを受けるときに形成される。例えば、このプロセスはH2SO4溶液を含むタンクに硬化して沈着した物質を浸し、そして例えば、少なくとも2時間、例えば、2時間~25時間などの一定期間、物質を理論容量の120%~400%まで充電することを含み得る。
【0038】
本明細書に開示されるのは、電気活性物質(例えば、鉛含有物質)および本明細書に記載の1種または複数の炭素添加剤を含む均質な混合物を含む電極組成物である。最初に、混合物はペーストの形態、例えば負極ペーストである。このような混合物が硬化または形成された場合、それは負極活物質(NAM)と呼ばれる。様々な実施形態において、NAMは0.75m2/g以上、または2m2/g以下、例えば、0.75~2m2/gの範囲である理論上のNAM BET表面積を有する。理論上のNAM BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:0.75~1.75m2/g、または0.75~1.5m2/g、または0.75~1.25m2/g、または0.75~1m2/g、または1~2m2/g、または1~1.75m2/g、または1~1.5m2/g、または1~1.25m2/g、または1.25~2m2/g、または1.25~1.75m2/g、または1.25~1.5m2/g、または1.5~2m2/g、または1.5~1.75m2/g、または1.75~2m2/g。理論上のNAM BET表面積は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:1m2/g以上、または1.25m2/g以上、または1.5m2/g以上、または1.75m2/g以上、または1.75m2/g以下、または1.5m2/g以下、または1.25m2/g以下、または1m2/g以下。NAMの理論上のNAM BET表面積は、以下の実施例1に示される式によって決定される。
【0039】
以下の実施例に記載されているように、いくつかの実施形態において、理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m2/g)/質量%)が2以上かつ4以下(例えば、2~3.5、または2~3、または2.5~4、または2.5~3.5、または3~4)である組成物は、良好な低温での電池性能を提供できる。理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m2/g)/質量%)は、例えば、以下の範囲の1つを有するか、または含むことができる:2以上、または2.5以上、または3以上、または3.5以上、または4以下、または3.5以下、または3以下、または2.5以下。
このような電極組成物を導電性基板上に沈着させて、セル、例えば鉛酸蓄電池に組み込むことができる電極(例えば、アノード)を形成することができる。
【実施例
【0040】
(実施例1)
負極活物質(NAM)調合物:表1に列挙されている様々なNAM調合物(n=5)を用いて、20Ah浸水鉛酸単一セルを調製した。理論上のNAM表面積は、次の式で計算される:
炭素BET表面積×酸化鉛に対する炭素質量%+鉛BET表面×鉛質量%=理論上のNAM BET表面積[m2/g]
例えば、炭素が1,000m2/gのBET表面積を有し、その負荷が1質量%(または総質量の0.01)である場合、NAMの鉛負荷は99%(または総質量の0.99)である。リグノスルホネートとBaSO4の表面積は、NAM表面積への寄与が小さいため、含められていない。NAM中のPbの表面積は一般に約0.5m2/gであり、これは以下の理論上のNAM BET表面積を導く:
1000×0.01+0.5×0.99=10+0.495=10.495m2/gまたは約10.5m2/g
【0041】
【表1】
【0042】
(実施例2)
ペーストの調製:一般的なNAMペーストの調製(対照)では、2.5kgの鉛含有酸化物をミキサー容器に加え、2.5gの短繊維(ポリエチレンテレフタレート(PET)、Jinkeli)をその容器に加えた。次に、6.25gの対照のカーボンブラック(CB)、20gのBaSO4、および7.5gのVanisperse Aリグノスルホネートを容器に加えた。粉末を5分間、事前混合した。次に、285gの脱イオン水を2分かけて容器に加え、5分間混合した。次に、200gの1.4g/mlのH2SO4を10分かけて容器に加え、2分間混合した。混合後、密度と浸透性を測定することにより、ペーストの品質を試験した。ペーストの配合とその特性が表2にまとめられている。全てのペースト密度が非常に近く、4.39~4.53g/ccの範囲であった。ペーストの浸透性には、より多くのばらつきがあり、値は11.51~5.54mmの範囲であった。しかしながら、ペースト密度または浸透性と低温性能との間に相関関係は見出されなかった。
【0043】
【表2】
【0044】
(実施例3)
電極の2時間率容量:セルを周囲温度(20℃)で3回、完全に充電し、2時間率(10A電流)で1.75Vまで放電させた。全てのセルが定格容量の20-Ahrを超える容量を示す。結果が図1に示されており、これは2回目と3回目に測定したときに、炭素DとEが最も高いサイクル容量を示したことを示している。
【0045】
(実施例4)
高電流放電容量および電荷受容性:セルの高電流放電能力を周囲温度(20℃)で3.6×i(2時間)電流を用いて試験した。セルの静止電荷受容性は、2.47Vで10分間充電した後の静止電流として測定した。図2を参照すると、最も高いBET表面積の炭素BおよびCで、最高の電荷受容性が達成された。しかしながら、より低いBET表面積の炭素AおよびF、ならびにグラフェンとカーボンブラックの混合物である炭素Eでも、高電流放電能力が観察された。試験した全ての炭素が、対照と同等またはそれよりも良好な大電流容量を持ち、電荷受容性は対照よりも大幅に高かった。これらの結果は、これらの調合物が低温でも良好に機能しうること、また、低温性能のために大きな炭素表面積は不要であり得ることを示している。
【0046】
(実施例5)
低温容量:セルを周囲温度(20℃)で完全に充電し、-15℃および-20℃の温度において2時間率(10A電流)で1.75Vまで放電させた。このプロセスを最初、50サイクル後、および100サイクル後に実行した。図3を参照すると、炭素A、E、およびFは、最も高い低温容量を示し、100サイクル後の低温容量の保持に最も優れていた。これらの炭素は、0.75~1m2/gの間の範囲の理論上のNAM BET表面積を有していた。電極中のリグノスルホネート含有量も、低温性能を達成するために重要であり、電極のNAMに合わせて調整すべきであると考えられる。試験した全ての配合において、最適なNAM/リグノスルホネート負荷率(m2/g)/(質量%リグノスルホネート)は2~4、例えば2.5~3.5の間の範囲であることが見出された(図4)。
【0047】
(実施例6)
サイクル寿命試験:対照および炭素A、E、およびFについて、サイクル寿命試験を2.47Vで4時間の充電と1.75VまでC/2の100%放電深度(DOD)で実施した。前に示したように、セルの低温容量は最初、50サイクル後、および100サイクル後にチェックした。図5を参照すると、対照と比較して、最初の50サイクル内において、3つの最良の低温調合物(炭素A、E、およびF)のセルは、同様なサイクル容量を有している。サイクル50から100まで、炭素A、E、およびFを有するセルは、対照よりも高い放電容量を示した。
【0048】
用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「この(the)」の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、特に明記しない限り、制限のない用語(すなわち、「含むがそれに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は単に、本明細書で別段の指示がない限り、その範囲内にあるそれぞれの個別の値を個別に参照する略記法として機能することを意図したものであり、各個別の値は、あたかも個別に本明細書に記載されているかのように、明細書に組み込まれる。本明細書に記載されている全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適当な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な文言(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる文言も、請求の範囲に記載されていない要素が本発明の実施に不可欠であることを示していると解釈すべきではない。
【0049】
本明細書において言及されている全ての刊行物、出願、ASTM規格、および特許は、参照によりその全体が組み込まれる。
本発明の他の実施形態も、本明細書および本明細書に開示される本発明の実施の考慮から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は、以下の請求の範囲およびその均等物によって示されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物であって、
鉛ベースの活物質;
リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;ならびに
90m2/g以上かつ900m2/g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積、および150mL/100g以上かつ300mL/100g以下の油吸着量(OAN)を有するカーボンブラック粒子
を含み、
0.75m2/g以上かつ2m2/g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する、組成物。
【請求項2】
0.75m2/g以上かつ1m2/g以下の理論上のNAM BET表面積を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
0.1質量%以上かつ0.5質量%以下のリグノスルホネートを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m2/g)/質量%)が2以上かつ4以下である、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
0.7質量%以上かつ1.2質量%以下の硫酸バリウムを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
0.1質量%以上かつ1質量%以下のカーボンブラック粒子を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
カーボンブラック粒子が、熱処理を受けていない、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
カーボンブラック粒子が、10~30mJ/m2の範囲の表面エネルギーを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
カーボンブラック粒子が、10~25オングストロームの範囲のLa結晶子サイズを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
カーボンブラック粒子が、10~20オングストロームの範囲のLc結晶子サイズを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
カーボンブラック粒子が、20~35%の範囲の結晶化度%(IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
カーボンブラック粒子が、80~180m2/gの範囲の統計的厚さ表面積を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物を含む電極。
【請求項14】
請求項13に記載の電極を含む鉛酸蓄電池。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
本明細書において言及されている全ての刊行物、出願、ASTM規格、および特許は、参照によりその全体が組み込まれる。
本発明の他の実施形態も、本明細書および本明細書に開示される本発明の実施の考慮から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は、以下の請求の範囲およびその均等物によって示されることが意図されている。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物であって、
鉛ベースの活物質;
リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;ならびに
90m 2 /g以上かつ900m 2 /g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積、および150mL/100g以上かつ300mL/100g以下の油吸着量(OAN)を有するカーボンブラック粒子
を含み、
0.75m 2 /g以上かつ2m 2 /g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する、組成物。
〔2〕カーボンブラック粒子が、170mL/100g以上かつ250mL/100g以下のOANを有する、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕0.75m 2 /g以上かつ1m 2 /g以下の理論上のNAM BET表面積を有する、前記〔1〕または〔2〕に記載の組成物。
〔4〕0.1質量%以上かつ0.5質量%以下のリグノスルホネートを含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔5〕理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m 2 /g)/質量%)が2以上かつ4以下である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔6〕0.7質量%以上かつ1.2質量%以下の硫酸バリウムを含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔7〕0.1質量%以上かつ1質量%以下のカーボンブラック粒子を含む、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔8〕カーボンブラック粒子が、熱処理を受けていない、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔9〕カーボンブラック粒子が、10~30mJ/m 2 の範囲の表面エネルギーを有する、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔10〕カーボンブラック粒子が、10~25オングストロームの範囲のL a 結晶子サイズを有する、前記〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔11〕カーボンブラック粒子が、10~20オングストロームの範囲のL c 結晶子サイズを有する、前記〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔12〕カーボンブラック粒子が、20~35%の範囲の結晶化度%(I G /(I G +I D ))×100%)を有する、前記〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔13〕カーボンブラック粒子が、80~180m 2 /gの範囲の統計的厚さ表面積を有する、前記〔1〕~〔12〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔14〕前記〔1〕~〔13〕のいずれか1項に記載の組成物を含む電極。
〔15〕前記〔14〕に記載の電極を含む鉛酸蓄電池。
〔16〕鉛酸蓄電池の負極板に適した組成物であって、
鉛ベースの活物質;
リグノスルホネートおよび硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種の物質;
40m 2 /g以上かつ500m 2 /g以下のブルナウアー・エメット・テラー(BET)表面積を有するカーボンブラック粒子;ならびに
グラフェン粒子
を含み、
0.75m 2 /g以上かつ2m 2 /g以下の理論上の負極活物質(NAM)BET表面積を有する、組成物。
〔17〕カーボンブラック粒子が、75mL/100g以上かつ300mL/100g以下のOANを有する、前記〔16〕に記載の組成物。
〔18〕0.75m 2 /g以上かつ1m 2 /g以下の理論上のNAM BET表面積を有する、前記〔16〕または〔17〕に記載の組成物。
〔19〕0.1質量%以上かつ0.5質量%以下のリグノスルホネートを含む、前記〔16〕~〔18〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔20〕理論上のNAM BET表面積とリグノスルホネートの濃度の比((m 2 /g)/質量%)が2以上かつ4以下である、前記〔16〕~〔19〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔21〕0.7質量%以上かつ1.2質量%以下の硫酸バリウムを含む、前記〔16〕~〔20〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔22〕0.1質量%以上かつ1質量%以下のカーボンブラック粒子を含む、前記〔16〕~〔21〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔23〕カーボンブラック粒子およびグラフェン粒子が、90m 2 /g以上かつ500m 2 /g以下の加重平均BET表面積を有する、前記〔16〕~〔22〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔24〕グラフェン粒子が、100m 2 /g以上かつ500m 2 /g以下のBET表面積を有する、前記〔16〕~〔23〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔25〕グラフェン粒子とカーボンブラック粒子の濃度の比が0.25:1~1.5:1の範囲である、前記〔16〕~〔24〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔26〕カーボンブラック粒子とグラフェン粒子の合計濃度が0.25質量%以上かつ1質量%以下である、前記〔16〕~〔25〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔27〕カーボンブラック粒子が、熱処理を受けていない、前記〔16〕~〔26〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔28〕カーボンブラック粒子が、10~30mJ/m 2 の範囲の表面エネルギーを有する、前記〔16〕~〔27〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔29〕カーボンブラック粒子が、10~25オングストロームの範囲のL a 結晶子サイズを有する、前記〔16〕~〔28〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔30〕カーボンブラック粒子が、10~20オングストロームの範囲のL c 結晶子サイズを有する、前記〔16〕~〔29〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔31〕カーボンブラック粒子が、20~35%の範囲の結晶化度%(I G /(I G +I D ))×100%)を有する、前記〔16〕~〔30〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔32〕カーボンブラック粒子が、80~180m 2 /gの範囲の統計的厚さ表面積を有する、前記〔16〕~〔31〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔33〕前記〔16〕~〔32〕のいずれか1項に記載の組成物を含む電極。
〔34〕前記〔33〕に記載の電極を含む鉛酸蓄電池。
【国際調査報告】