特表 2022-511064 パッチャーツール

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-01-28

(54)【発明の名称】パッチャーツール

(51)【国際特許分類】

   G06T 11/40 20060101AFI20220121BHJP

   G06T 13/40 20110101ALI20220121BHJP

【ＦＩ】

G06T11/40

G06T13/40

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021532011

(86)(22)【出願日】2019-12-05

(85)【翻訳文提出日】2021-06-04

(86)【国際出願番号】 US2019064641

(87)【国際公開番号】W WO2020118028

(87)【国際公開日】2020-06-11

(31)【優先権主張番号】62/775,838

(32)【優先日】2018-12-05

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(31)【優先権主張番号】16/654,981

(32)【優先日】2019-10-16

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】000002185

【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社

(71)【出願人】

【識別番号】596102126

【氏名又は名称】ソニー ピクチャーズ エンターテインメント インコーポレイテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100092093

【弁理士】

【氏名又は名称】辻居 幸一

(74)【代理人】

【識別番号】100109070

【弁理士】

【氏名又は名称】須田 洋之

(74)【代理人】

【識別番号】100067013

【弁理士】

【氏名又は名称】大塚 文昭

(74)【代理人】

【識別番号】100109335

【弁理士】

【氏名又は名称】上杉 浩

(74)【代理人】

【識別番号】100120525

【弁理士】

【氏名又は名称】近藤 直樹

(74)【代理人】

【識別番号】100158551

【弁理士】

【氏名又は名称】山崎 貴明

(72)【発明者】

【氏名】セント クレア ブレット

(72)【発明者】

【氏名】ダヴィニョン マーク－アンドレ

【テーマコード（参考）】

5B050

5B080

【Ｆターム（参考）】

5B050BA08

5B050BA09

5B050BA12

5B050CA07

5B050DA10

5B050EA06

5B050EA07

5B050EA14

5B050EA18

5B050EA24

5B050EA27

5B050FA02

5B050FA05

5B050FA09

5B080AA19

5B080BA02

5B080BA04

5B080CA01

5B080DA06

5B080FA02

5B080FA06

5B080FA14

5B080GA25

(57)【要約】

可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成することが、入力画像及びパターン画像を受け取ることと、パターン画像内の各パッチを各パッチの画素に対応する入力画像内の画素の平均色に置き換えて色平均出力を生成することと、歪み画像を使用して色平均出力に歪みを適用することと、を含む。
【選択図】 図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成するシステムであって、
入力画像及びパターン画像を受け取り、前記パターン画像内の各パッチを各パッチの画素に対応する前記入力画像内の画素の平均色に置き換えて色平均出力を生成するように構成されたモザイク生成器と、
前記色平均出力及び歪み画像を受け取り、前記色平均出力に歪みを適用するように構成された歪み生成器と、
を備えることを特徴とするシステム。

【請求項2】

前記歪み画像のＲ及びＧチャネルの値及び符号を使用して前記歪みを適用して画面空間ＵＶ座標をリマップするように構成されたリマッピングモジュールをさらに備える、
請求項１に記載のシステム。

【請求項3】

前記歪み画像は、各パッチの位置経路にノイズパターンを適用するのに十分なパラメータを含む、
請求項１に記載のシステム。

【請求項4】

前記ノイズパターンは、前記入力画像の３－Ｄ空間ＵＶ座標を前記歪み画像のＲ及びＧチャネルに対応するようにリマップすることによって適用される、
請求項３に記載のシステム。

【請求項5】

前記パターン画像は、同一色の固体領域のパターンを含む前記可視的ブラシストロークのパターンを表す、
請求項１に記載のシステム。

【請求項6】

前記パターン画像内の各パッチは同一色である、
請求項１に記載のシステム。

【請求項7】

可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成する方法であって、
入力画像及びパターン画像を受け取るステップと、
前記パターン画像内の各パッチを各パッチの画素に対応する前記入力画像内の画素の平均色に置き換えて色平均出力を生成するステップと、
歪み画像を使用して前記色平均出力に歪みを適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。

【請求項8】

歪みを適用するステップは、前記入力画像の画面空間ＵＶ座標をリマップするステップを含む、
請求項７に記載の方法。

【請求項9】

リマップするステップは、前記歪み画像のＲ及びＧチャネルの値及び符号を使用して前記歪みを適用するステップを含む、
請求項８に記載の方法。

【請求項10】

前記リマップするステップは、前記入力画像の前記画面空間ＵＶ座標を前記歪み画像の前記Ｒ及びＧチャネルにリマップする、
請求項９に記載の方法。

【請求項11】

前記歪み画像は、各パッチの位置経路に適用されるノイズパターンを導入する、
請求項７に記載の方法。

【請求項12】

前記入力画像は３－Ｄでレンダリングされる、
請求項７に記載の方法。

【請求項13】

前記入力画像はＣＧアニメ映画のフレームである、
請求項７に記載の方法。

【請求項14】

可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成する装置であって、
入力画像及びパターン画像を受け取り、前記パターン画像内の同一色の各パッチを各パッチの画素に対応する前記入力画像内の画素の平均色に置き換えて色平均出力を生成する色平均化手段と、
歪み画像を使用して前記色平均出力に歪みを適用する歪み適用手段と、
を備えることを特徴とする装置。

【請求項15】

前記歪み適用手段は、前記入力画像の画面空間ＵＶ座標をリマップするリマッピング手段を含む、
請求項１４に記載の装置。

【請求項16】

前記リマッピング手段は、前記歪み画像のＲ及びＧチャネルの値及び符号を使用して前記歪みを適用する手段を含む、
請求項１５に記載の装置。

【請求項17】

前記リマッピング手段は、前記入力画像の前記画面空間ＵＶ座標を前記歪み画像の前記Ｒ及びＧチャネルにリマップする、
請求項１６に記載の装置。

【請求項18】

前記歪み画像は、各パッチの位置経路に適用されるノイズパターンを導入する、
請求項１４に記載の装置。

【請求項19】

前記入力画像は３－Ｄでレンダリングされる、
請求項１４に記載の装置。

【請求項20】

前記入力画像はＣＧアニメ映画のフレームである、
請求項１４に記載の装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

〔関連出願との相互参照〕
本出願は、２０１８年１２月５日に出願された「パッチャーツール（Ｐａｔｃｈｅｒ Ｔｏｏｌ）」という名称の同時係属中の米国仮特許出願第６２／７７５，８３８号の米国特許法第１１９条に基づく優先権の利益を主張するものである。上記出願の開示は、引用により本明細書に組み入れられる。

【0002】

本開示はアニメ映画に関し、具体的には、アニメ映画において可視的ブラシストローク（ｖｉｓｉｂｌｅ ｂｒｕｓｈ ｓｔｒｏｋｅｓ）を使用してキャラクタの見た目（ｌｏｏｋ ｏｆ ｃｈａｒａｃｔｅｒｓ）を作成することに関する。

【背景技術】

【0003】

コンピュータグラフィックス（ＣＧ）アニメ映画の「絵の見た目」の基本原則は、題材の実際の表面特性を維持しながら皮膚を定型化して色調及び表面下の「良好な見た目」を生成することを含むことができる。しかしながら、一般的表面に写実的詳細（ｇｒａｐｈｉｃ ｄｅｔａｉｌｓ）を適用できるように開発されたこれらの解決法は、キャラクタの顔に適用した時に活動的すぎて気が散るように感じられることがある。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0004】

本開示は、アニメ映画におけるキャラクタの見た目の作成を可能にするものである。１つの実装では、可視的ブラシストロークを使用して皮膚を描写することによってキャラクタの見た目が作成される。

【0005】

１つの実装では、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成するためのシステムを開示する。システムは、入力画像及びパターン画像を受け取り、パターン画像内の各パッチを各パッチの画素に対応する入力画像内の画素の平均色に置き換えて色平均出力を生成するように構成されたモザイク生成器と、色平均出力及び歪み画像を受け取り、色平均出力に歪みを適用するように構成された歪み生成器とを含む。

【0006】

１つの実装では、システムが、歪み画像のＲ及びＧチャネルの値及び符号を使用して歪みを適用して画面空間ＵＶ座標をリマップするように構成されたリマッピングモジュールをさらに含む。１つの実装では、歪み画像が、各パッチの位置経路にノイズパターンを適用するのに十分なパラメータを含む。１つの実装では、ノイズパターンが、入力画像の３－Ｄ空間ＵＶ座標を歪み画像のＲ及びＧチャネルに対応するようにリマップすることによって適用される。１つの実装では、パターン画像が、同一色の固体領域のパターンを含む可視的ブラシストロークのパターンを表す。１つの実装では、パターン画像内の各パッチが同一色である。

【0007】

別の実装では、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成する方法を開示する。方法は、入力画像及びパターン画像を受け取るステップと、パターン画像内の各パッチを各パッチの画素に対応する入力画像内の画素の平均色に置き換えて色平均出力を生成するステップと、歪み画像を使用して色平均出力に歪みを適用するステップとを含む。

【0008】

１つの実装では、歪みを適用するステップが、入力画像の画面空間ＵＶ座標をリマップするステップを含む。１つの実装では、リマップするステップが、歪み画像のＲ及びＧチャネルの値及び符号を使用して歪みを適用するステップを含む。１つの実装では、リマップするステップが、入力画像の画面空間ＵＶ座標を歪み画像のＲ及びＧチャネルにリマップする。１つの実装では、歪み画像が、各パッチの位置経路に適用されるノイズパターンを導入する。１つの実装では、入力画像が３－Ｄでレンダリングされる。１つの実装では、入力画像がＣＧアニメ映画のフレームである。

【0009】

別の実装では、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成する装置を開示する。装置は、入力画像及びパターン画像を受け取り、パターン画像内の同一色の各パッチを各パッチの画素に対応する入力画像内の画素の平均色に置き換えて色平均出力を生成する色平均化手段と、歪み画像を使用して色平均出力に歪みを適用する歪み適用手段とを含む。

【0010】

１つの実装では、歪み適用手段が、入力画像の画面空間ＵＶ座標をリマップするリマッピング手段を含む。１つの実装では、リマッピング手段は、歪み画像のＲ及びＧチャネルの値及び符号を使用して歪みを適用する手段を含む。１つの実装では、リマッピング手段が、入力画像の画面空間ＵＶ座標を歪み画像のＲ及びＧチャネルにリマップする。１つの実装では、歪み画像が、各パッチの位置経路に適用されるノイズパターンを導入する。１つの実装では、入力画像が３－Ｄでレンダリングされる。１つの実装では、入力画像がＣＧアニメ映画のフレームである。

【0011】

本開示の態様を一例として示す本明細書からは、他の特徴及び利点も明らかになるはずである。

【0012】

同じ部分を同じ参照数字によって示す添付図面を検討することにより、本開示の詳細をその構造及び動作の両方に関して部分的に収集することができる。

【図面の簡単な説明】

【0013】

【図1】本開示の１つの実装による、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成するパッチングシステムのブロック図である。

【図2】本開示の１つの実装による、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成するプロセスのフロー図である。

【図3】本開示の１つの実装による、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成する装置のブロック図である。

【図4A】本開示の実装による、コンピュータシステム及びユーザの表現である。

【図4B】本開示の実装による、パッチングアプリケーションをホストするコンピュータシステムを示す機能ブロック図である。

【発明を実施するための形態】

【0014】

上述したように、ＣＧアニメ映画では、キャラクタの適切な見た目（例えば、キャラクタの皮膚）を作成することが難しい場合があり、従ってグラフィック処理の適用においてより慎重になる方法を発見することが必要とされている。

【0015】

本開示のいくつかの実装は、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目の作成を可能にするものである。１つの実装では、パッチングアプリケーション（例えば、パッチャーツール）が、微妙ではあるが写実的な方法で明細への分解（ｂｒｅａｋｕｐ ｔｏ ｔｈｅ ｓｐｅｃｉｆｉｃａｔｉｏｎ）を特異的に制御する。その後、キャラクタの見た目を（皮膚の）全ての陰影成分（ｓｈａｄｉｎｇ ｃｏｍｐｏｎｅｎｔｓ）に適用して、より凝集された見た目（ｍｏｒｅ ｃｏｈｅｓｉｖｅ ｌｏｏｋ）を維持する。これらの説明を読んだ後には、様々な実装及び応用における本開示の実施方法が明らかになるであろう。本明細書では本開示の様々な実装について説明するが、これらの実装は一例として示すものにすぎず、限定ではないと理解されたい。従って、この様々な実装の詳細な説明は、本開示の範囲又は外延を限定するものとして解釈すべきではない。

【0016】

１つの実装では、パッチングアプリケーションが、第１及び第２の画像を使用してモザイクを形成した後に、後述する「絵画的な見た目又は効果」を注入するように第３の画像を使用して歪みを適用する。第１の画像は、モザイク（すなわち、定型化される予定の画像）として表される入力画像である。第２の画像は、モザイクのパターン（又はブラシストロークのパターン）を表すパターン画像である。パターン画像は、（何らかの許容範囲内の）何らかのパターンの同一色の固体領域を含む目標解像度の画像である。パターン画像の「色」チャネルは、入力画像においてレンダリングされているオブジェクトの３－Ｄ空間内の位置情報（ＵＶ）を含む（すなわち、入力画像の色はレンダーの結果であり、パターン画像の色は、３Ｄレンダー中にその出力画素を生成したオブジェクトの位置である）。

【0017】

パッチングアプリケーションは、（複数のパッチで構成された）入力画像及びパターン画像を受け取って、パターン画像内の同一色の各パッチを入力画像内の対応する画素の平均色に置き換える。従って、上述した色置換は、入力パターンの色領域の形状を操作することによってパターンを歪める。しかしながら、色置換単独では、結果として得られる画像にしばしばエイリアシングのように見えるエッジが生じてしまう。１つの実装では、第３の画像を使用して、第３の画像のＲ及びＧチャネルの値（及び符号）を使用することによって歪みを適用して、細部が押されて又は引かれて結果がリサンプリングされるように画面空間ＵＶ座標をリマップする。

【0018】

図１は、本開示の１つの実装による、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成するパッチングシステム１００のブロック図である。１つの実装では、パッチングシステム１００が、３次元（３－Ｄ）でレンダリングされた入力画像１１０（例えば、ＣＧアニメ映画）を受け取り、２－Ｄ風のペイントストロークを使用して手描き画像の見た目をもたらす。すなわち、パッチングシステム１００は、３－Ｄレンダリングされた画像を２－Ｄでレンダリングされたかの如く見えるように２－Ｄ環境で塗りつぶすのを自動化する。

【0019】

図１に示す実装では、パッチングシステム１００が、モザイク生成器１２０及び歪み生成器１３０を含む。１つの実装では、モザイク生成器１２０が、入力画像１１０及びパターン画像１１２を受け取って、パターン画像１１２内の同一色の各パッチを各パッチの画素に対応する入力画像内の画素の平均色に置き換える。上述したように、パターン画像１１２は、何らかのパターンの同一色の固体領域を含むブラシストロークのパターンを表す。すなわち、モザイク生成器１２０は、入力画像１１０の３－Ｄレンダリングされたモデル内の領域の平均色を使用してパターン画像１１２内の対応する領域又はパッチ（すなわち、同じ画素位置）に適用する。従って、モザイク生成器１２０によって実行される色平均化には、ＣＧアニメ映画のフレームに沿ってパッチが移動した時に、パッチの滑らかな色勾配を単一の平均色にぼやけさせる効果がある。しかしながら、上述したように、色置換単独では、結果として得られる画像にしばしばエイリアシングのように見えるエッジが生じてしまう。

【0020】

１つの実装では、歪み生成器１３０が、モザイク生成器１２０の出力と歪み画像１１４とを受け取って出力に歪み（例えば、ランダムノイズ）を適用する。この歪み生成器１３０による適用は、フレームの移動中にもパッチが変化せず、レンダリングされた出力が色平均化単独よりもさらに自然に見えるようにすることができる。１つの実装では、歪み生成器１３０が、歪み画像１１４のＲ及びＧチャネルの値（及び符号）を使用することによって歪みを適用して、細部が押されて又は引かれて結果がリサンプリングされるように画面空間ＵＶ座標をリマップするリマップモジュール１３２を含む。従って、歪み画像１１４は、入力画像の３－Ｄ空間ＵＶ座標を歪み画像のＲ及びＧチャネルに対応するようにリマップすることによってパッチの位置経路に適用されるノイズパターンを導入するのに十分なパラメータを含む。従って、歪み生成器１３０は、２－Ｄペイントストロークを使用して、手描き画像の見た目を有する出力画像１５０を生成する。

【0021】

従って、モザイク生成器１２０は、セルノイズ（ｃｅｌｌ ｎｏｉｓｅ）のばらつきを使用してパターン画像１１２のＵＶからパッチを形成する。これにより、パッチサイズのばらつきが導入されて、よりランダムな（しかしより人間らしい）塗料の適用がシミュレートされる。この処理は位置データに対して行われるので、結果として得られる（歪み生成器１３０によって生成される）ペイントストロークは形状をたどり、オブジェクト境界には滲み出ない。モザイク生成器１２０からの各パッチ出力は単一の座標で構成され、歪み生成器１３０においてパッチの境界を決定するための識別子として使用することができる。パッチ内の全ての画素は必ずしもつながっておらず、ソース形状（ｓｏｕｒｃｅ ｇｅｏｍｅｔｒｙ）によって関連付けられる。

【0022】

パッチが識別されると、歪み生成器１３０は、テクスチャカラーソース（ｔｅｘｔｕｒｅ ｃｏｌｏｒ ｓｏｕｒｃｅ）を受け取り、１つの実装では入力画像１１０内のパッチを構成する色値の平均である所与のパッチについて、離散的な値の組を同一出力色にリマップする。例えば、このリマッピングは、パッチ内に出力色のばらつきを導入する方法として現在の画素からの距離を使用することができる。すなわち、結果として得られる絵画的効果により自然な見た目を与えるために、ユーザによって変調された入力値として範囲の概念を導入して、より大きなパッチ内により多くのばらつきを導入することができる。

【0023】

図２は、本開示の１つの実装による、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成するプロセス２００のフロー図である。１つの実装では、プロセス２００が、３次元（３－Ｄ）でレンダリングされた入力画像（例えば、ＣＧアニメ映画）を受け取り、２－Ｄ風のペイントストロークを使用して手描き画像の見た目をもたらす。すなわち、プロセス２００は、３－Ｄレンダリングされた画像を２－Ｄでレンダリングされたかの如く見えるように２－Ｄ環境で塗りつぶすのを自動化する。

【0024】

図２に示す実装では、ブロック２１０において、プロセス２００が、入力画像及びパターン画像を受け取って、パターン画像内の同一色の各パッチを各パッチの画素に対応する入力画像内の画素の平均色に置き換える。上述したように、パターン画像は、何らかのパターンの同一色の固体領域を含むブラシストロークのパターンを表す。すなわち、入力画像の３－Ｄレンダリングされたモデル内の領域の平均色を使用して、パターン画像内の対応する領域又はパッチ（すなわち、同じ画素位置）を適用して色平均出力を生成する。従って、この色平均化には、ＣＧアニメ映画のフレームに沿ってパッチが移動した時に、パッチの滑らかな色勾配を単一の平均色にぼやけさせる効果がある。しかしながら、上述したように、色置換単独では、結果として得られる画像にしばしばエイリアシングのように見えるエッジが生じてしまう。

【0025】

１つの実装では、ブロック２２０において、プロセス２００が、歪み画像を使用して色平均出力に歪み（例えば、ランダムノイズ）を適用する。１つの実装では、プロセス２００が、歪み画像のＲ及びＧチャネルの値（及び符号）を使用することによって歪みを適用して、細部が押されて又は引かれて結果がリサンプリングされるように画面空間ＵＶ座標をリマップする。従って、歪み画像は、入力画像の３－Ｄ空間ＵＶ座標を歪み画像のＲ及びＧチャネルに対応するようにリマップすることによって、パッチの位置経路に適用されるノイズパターンを導入する。従って、プロセス２００は、２－Ｄペイントストロークを使用して、手描き画像の見た目を有する出力画像を生成する。

【0026】

図３は、本開示の１つの実装による、可視的ブラシストロークを使用してキャラクタの見た目を作成する装置３００のブロック図である。１つの実装では、装置３００が、３次元（３－Ｄ）でレンダリングされた入力画像（例えば、ＣＧアニメ映画）を受け取り、２－Ｄ風のペイントストロークを使用して手描き画像の見た目をもたらす。すなわち、装置３００は、３－Ｄレンダリングされた画像を２－Ｄでレンダリングされたかの如く見えるように２－Ｄ環境で塗りつぶすのを自動化する。

【0027】

図２に示す実装では、装置３００が、色平均化手段３１０及び歪み適用手段３２０を含む。１つの実装では、色平均化手段３１０が、入力画像３０２及びパターン画像３０４を受け取って、パターン画像３０４内の同一色の各パッチを各パッチの画素に対応する入力画像内の画素の平均色に置き換える。上述したように、パターン画像３０４は、何らかのパターンの同一色の固体領域を含むブラシストロークのパターンを表す。

【0028】

１つの実装では、色平均化手段３１０が、入力画像３０２の３－Ｄレンダリングされたモデル内の領域の平均色を使用して、パターン画像３０４内の対応する領域又はパッチ（すなわち、同じ画素位置）に適用する。従って、色平均化手段３１０によって実行される色平均化には、ＣＧアニメ映画のフレームに沿ってパッチが移動した時に、パッチの滑らかな色勾配を単一の平均色にぼやけさせる効果がある。

【0029】

別の実装では、色平均化手段３１０が、入力画像３０２の３－Ｄレンダリングされたモデル内の領域の平均色を使用して、パターン画像３０４内の対応する領域又はパッチ（すなわち、同じ画素位置）に適用する。上述したように、パターン画像は、何らかのパターンの同一色の固体領域を含むブラシストロークのパターンを表す。すなわち、入力画像の３－Ｄレンダリングされたモデル内の領域の平均色を使用して、パターン画像内の対応する領域又はパッチ（すなわち、同じ画素位置）を適用して平均色出力を生成する。しかしながら、上述したように、色置換単独では、結果として得られる画像にしばしばエイリアシングのように見えるエッジが生じてしまう。

【0030】

１つの実装では、歪み適用手段３２０が、歪み画像３０６を使用して色平均出力に歪み（例えば、ランダムノイズ）を適用する。１つの実装では、歪み適用手段３２０が、歪み画像のＲ及びＧチャネルの値（及び符号）を使用することによって歪みを適用して、細部が押されて又は引かれて結果がリサンプリングされるように画面空間ＵＶ座標をリマップする。従って、歪み画像は、入力画像の３－Ｄ空間ＵＶ座標を歪み画像のＲ及びＧチャネルに対応するようにリマップすることによって、パッチの位置経路に適用されるノイズパターンを導入する。従って、歪み適用手段３２０は、２－Ｄペイントストロークを使用して、手描き画像の見た目を有する出力画像を生成する。

【0031】

図４Ａは、本開示の実装による、コンピュータシステム４００及びユーザ４０２の表現である。ユーザ４０２は、コンピュータシステム４００を使用して、図１に示すブロック図のシステム１００及び図２に示すプロセス２００に関して図示し説明したようにパッチングアプリケーション４９０を実行する。

【0032】

コンピュータシステム４００は、図４Ｂのパッチングアプリケーション４９０を記憶して実行する。また、コンピュータシステム４００は、ソフトウェアプログラム４０４と通信することもできる。ソフトウェアプログラム４０４は、パッチングアプリケーションのためのソフトウェアコードを含むことができる。以下でさらに説明するように、ソフトウェアプログラム４０４は、ＣＤ、ＤＶＤ又はストレージドライブなどの外部媒体にロードすることができる。

【0033】

さらに、コンピュータシステム４００は、ネットワーク４８０に接続することができる。ネットワーク４８０は、例えばクライアント－サーバアーキテクチャ、ピアツーピアネットワークアーキテクチャ又はその他のタイプのアーキテクチャなどの様々な異なるアーキテクチャで接続することができる。例えば、ネットワーク４８０は、パッチングアプリケーション４９０内で使用されるエンジン及びデータを協調させるサーバ４８５と通信することができる。また、ネットワークは、異なるタイプのネットワークとすることもできる。例えば、ネットワーク４８０は、インターネット、ローカルエリアネットワーク又はローカルエリアネットワークのいずれかの変形形態、ワイドエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、イントラネット又はイーサネット、又は無線ネットワークとすることができる。

【0034】

図４Ｂは、本開示の実装による、パッチングアプリケーション４９０をホストするコンピュータシステム４００を示す機能ブロック図である。コントローラ４１０はプログラマブルプロセッサであり、コンピュータシステム４００及びそのコンポーネントの動作を制御する。コントローラ４１０は、メモリ４２０又は埋め込みコントローラメモリ（図示せず）から（例えば、コンピュータプログラムの形態の）命令をロードし、これらの命令を実行してシステムを制御する。コントローラ４１０は、その実行中に、取り込みアプリケーション内のエンジン及びデータ抽出器の生成及び構成を可能にするようなソフトウェアシステムをパッチングアプリケーション４９０に提供する。或いは、このサービスは、コントローラ４１０内又はコンピュータシステム４００内の独立ハードウェアコンポーネントとして実装することもできる。

【0035】

メモリ４２０は、コンピュータシステム４００の他のコンポーネントが使用するデータを一時的に記憶する。１つの実装では、メモリ４２０がＲＡＭとして実装される。１つの実装では、メモリ４２０が、フラッシュメモリ及び／又はＲＯＭなどの長期的又は永続的メモリも含む。

【0036】

ストレージ４３０は、コンピュータシステム４００の他のコンポーネントが使用するデータを一時的に又は長期にわたって記憶する。例えば、ストレージ４３０は、パッチングアプリケーション４９０が使用するデータを記憶する。１つの実装では、ストレージ４３０がハードディスクドライブである。

【0037】

媒体装置４４０は、取り外し可能媒体を受け取って、挿入された媒体に対するデータの読み取り及び／又は書き込みを行う。１つの実装では、例えば媒体装置４４０が光ディスクドライブである。

【0038】

ユーザインターフェイス４５０は、コンピュータシステム４００のユーザからのユーザ入力を受け入れてユーザ４０２に情報を提示するためのコンポーネントを含む。１つの実装では、ユーザインターフェイス４５０が、キーボード、マウス、オーディオスピーカ及びディスプレイを含む。コントローラ４１０は、ユーザ４０２からの入力を使用してコンピュータシステム４００の動作を調整する。

【0039】

Ｉ／Ｏインターフェイス４６０は、外部ストレージ又は補助装置（例えば、プリンタ又はＰＤＡ）などの対応するＩ／Ｏ装置に接続するための１又は２以上のＩ／Ｏポートを含む。１つの実装では、Ｉ／Ｏインターフェイス４６０のポートが、ＵＳＢポート、ＰＣＭＣＩＡポート、シリアルポート及び／又はパラレルポートなどのポートを含む。別の実装では、Ｉ／Ｏインターフェイス４６０が、外部装置と無線で通信するための無線インターフェイスを含む。

【0040】

ネットワークインターフェイス４７０は、イーサネット接続をサポートするＲＪ－４５又は（限定するわけではないが８０２．１１を含む）「Ｗｉ－Ｆｉ」インターフェイスなどの有線及び／又は無線ネットワーク接続を含む。

【0041】

コンピュータシステム４００は、コンピュータシステムに典型的なさらなるハードウェア及びソフトウェア（例えば、電力システム、冷却システム、オペレーティングシステム）も含むが、これらのコンポーネントは、単純化のために図４Ｂには具体的に示していない。他の実装では、コンピュータシステムの異なる構成（例えば、異なるバス又はストレージ構成、又はマルチプロセッサ構成）を使用することもできる。

【0042】

上述した実装は、娯楽コンテンツ、映画、テレビ、個人的使用、ゲーム、防犯カメラ映像及び医用撮像のためのカメラシステムを含む用途で使用される。

【0043】

本明細書に開示した実装の説明は、本発明をあらゆる当業者が実施又は利用できるように行ったものである。当業者には、これらの実装の数多くの修正が容易に明らかになると思われ、また本明細書で定める原理は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実装にも適用することができる。従って、本開示は、本明細書に示す実装に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示する原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を許容すべきものである。

【0044】

本開示の様々な実装は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこれらの技術の組み合わせで実現される。いくつかの実装は、１又は２以上のコンピュータ装置によって実行される１又は２以上のコンピュータプログラムを含む。一般に、コンピュータ装置は、１又は２以上のプロセッサ、１又は２以上のデータストレージコンポーネント（例えば、揮発性又は不揮発性メモリモジュール、並びにハードディスクドライブ及びフロッピーディスクドライブ、ＣＤ－ＲＯＭドライブ及び磁気テープドライブなどの永続的光学及び磁気記憶装置）、１又は２以上の入力装置（例えば、ゲームコントローラ、マウス及びキーボード）、並びに１又は２以上の出力装置（例えば、ディスプレイ装置）を含む。

【0045】

コンピュータプログラムは、通常はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されて実行時にメモリにコピーされる実行可能コードを含む。このコードは、少なくとも１つのプロセッサがメモリから所定の順序でプログラム命令を読み出すことによって実行される。プログラムコードを実行する場合、コンピュータは、入力装置及び／又は記憶装置からデータを受け取り、データに対して処理を実行し、結果として得られたデータを出力装置及び／又は記憶装置に提供する。

【0046】

当業者であれば、本明細書で説明した様々な例示的なモジュール及び方法ステップは、電子ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせとして実装することができると理解するであろう。このハードウェアとソフトウェアとの互換性を明確に説明するために、本明細書では様々な例示的なモジュール及び方法ステップを一般にこれらの機能の面で説明した。このような機能がハードウェアとして実装されるか、それともソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課せられる特定の用途及び設計制約に依存する。当業者であれば、説明した機能を特定の用途毎に様々な方法で実装することができるが、このような実装決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈すべきではない。また、モジュール又はステップ内の機能をグループ化しているのは、説明を容易にするためである。本開示から逸脱することなく、特定の機能を１つのモジュール又はステップから別のモジュール又はステップに移行させることもできる。

【0047】

本開示の特定の実装では、必ずしも上述した各実施例の全ての特徴が必要なわけではない。さらに、本明細書に示す説明及び図面は、本発明によって幅広く検討される主題を表すものであると理解されたい。さらに、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実装を完全に含み、従って添付の特許請求の範囲以外のものによって限定されるものではないと理解されたい。

【符号の説明】

【0048】

１００ パッチングシステム
１１０ 入力画像
１１２ パターン画像
１１４ 歪み画像
１２０ モザイク生成器
１３０ 歪み生成器
１３２ リマップ
１５０ 出力画像

【図1】

【図2】

【図3】

【図4A】

【図4B】

【国際調査報告】