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特表2022-511078様々な厚さプロファイルを有する失禁パッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】様々な厚さプロファイルを有する失禁パッド
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/535 20060101AFI20220121BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20220121BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20220121BHJP
   A61F 13/534 20060101ALI20220121BHJP
   A61F 13/537 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
A61F13/535 200
A61F13/15 200
A61F13/47 100
A61F13/534 100
A61F13/537 320
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532053
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2018084022
(87)【国際公開番号】W WO2020114612
(87)【国際公開日】2020-06-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ピーア・カレントゥン
(72)【発明者】
【氏名】マリー・クリステンソン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA14
3B200BB17
3B200CA11
3B200DA16
3B200DB05
3B200DB12
3B200DB23
3B200DF09
(57)【要約】
第1の態様による、本明細書に開示されるような尿失禁パッド(1)は、長手方向(L)に延びる長手方向側縁部(2、3)と、横断方向端縁部(4、5)とを有する。失禁パッド(1)は、流体透過性トップシート(8)と、バックシート(9)と、トップシート(8)とバックシート(9)との間に位置する吸収性コア(10)とを含み、吸収性コア(10)は、コア前縁部(10a)と、コア後縁部(10b)と、コアの第1の長手方向側縁部(10c)と、コアの第2の長手方向側縁部(10d)とを有する。吸収性コア(10)は、第1のコア層(11)と、流体制御層(12)とを含む。吸収性コア(10)は、長手方向(L)において、前方部分(13)と、後方部分(15)と、前方部分(13)と後方部分(15)との間に位置する中間部分(14)とを有する。前方部分(13)および後方部分(15)はそれぞれ、吸収性コア(10)の全長の約30%の長さを有し、中間部分(14)は、吸収性コア(10)の全長の約40%の長さを有し、第1のコア層(11)は、前方部分(13)、中間部分(14)、および後方部分(15)にわたって延びる。流体制御層(12)は、第1のコア層(11)より短く、前方部分(13)および中間部分(14)内を延びる。第1のコア層(11)は、100gsm以上の高吸収性材料を含む。吸収性コア(10)は、長手方向(L)で見られるように様々な厚さプロファイルを有し、中間部分(14)において第1の厚さ(T1)を有し、後方部分(15)において第2の厚さ(T2)を有する。0.5kPaの負荷下で測定した場合に、中間部分(14)の第1の厚さ(T1)は9mm以上であり、第2の厚さ(T2)は4mm以下である。第2の厚さ(T2)を有する領域は、コア後縁部(10b)からコア前縁部(10a)に向かって長手方向(L)に30mm以上延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向(L)に延びる長手方向側縁部(2、3)と、横断方向端縁部(4、5)とを有し、流体透過性のトップシート(8)と、バックシート(9)と、前記トップシート(8)と前記バックシート(9)との間に位置する吸収性コア(10)とを含む、尿失禁パッド(1)であって、前記吸収性コア(10)は、コア前縁部(10a)と、コア後縁部(10b)と、コアの第1の長手方向側縁部(10c)と、コアの第2の長手方向側縁部(10d)とを有し、前記吸収性コア(10)は、第1のコア層(11)と、流体制御層(12)とを含み、前記吸収性コア(10)は、前記長手方向(L)において、前方部分(13)と、後方部分(15)と、前記前方部分(13)と前記後方部分(15)との間に位置する中間部分(14)とを有し、前記前方部分(13)および前記後方部分(15)はそれぞれ、前記吸収性コア(10)の全長の約30%の長さを有し、前記中間部分(14)は、前記吸収性コア(10)の前記全長の約40%の長さを有し、前記第1のコア層(11)は、前記前方部分(13)、前記中間部分(14)、および前記後方部分(15)にわたって延び、前記流体制御層(12)は、前記第1のコア層(11)より短いとともに、前記前方部分(13)および前記中間部分(14)内を延び、前記第1のコア層(11)は、100gsm以上の高吸収性材料を含み、前記吸収性コア(10)は、前記長手方向(L)で見られるように様々な厚さプロファイルを有し、前記中間部分(14)において第1の厚さ(T1)を有し、前記後方部分(15)において第2の厚さ(T2)を有する尿失禁パッド(1)において、
0.5kPaの負荷下で測定した場合に、前記中間部分(14)の前記第1の厚さ(T1)は9mm以上であり、前記第2の厚さ(T2)は4mm以下であり、前記第2の厚さ(T2)を有する領域は、前記コア後縁部(10b)から前記コア前縁部(10a)に向かって前記長手方向(L)に30mm以上延びることを特徴とする、尿失禁パッド(1)。
【請求項2】
前記第2の厚さ(T2)は、4mm以下、例えば3.5~0.3mmまたは3~1mmである、請求項1に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項3】
前記第1の厚さは、9mm以上、例えば9mm~16mm、例えば9mm~12mmである、請求項1または2に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項4】
前記吸収性コア(10)は、前方領域(13)において第3の厚さ(T3)を有し、前記第3の厚さ(T3)は、4mm以下、例えば3.5mm以下であり、前記第3の厚さ(T3)を有する前記領域は、前記コア前縁部(10a)から前記コア後縁部(10b)に向かって延びる、請求項1から3のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項5】
前記第3の厚さ(T3)を有する領域は、コア前端縁部(10a)からコア後縁部(10b)に向かって15mm以上延びる、請求項4に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項6】
前記吸収性コア(10)の前記長手方向(L)で見た、前記様々な厚さプロファイルは、前記後方部分(15)において、または前記中間部分(14)の一部および前記後方部分(15)の一部を含む移行領域において、第4の厚さ(T4)を有し、前記第4の厚さ(T4)は、4.5mm~8.5mmである、請求項1から5のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項7】
前記中間部分は、0.5kPaの負荷下での第1の厚さ(T1)、および2.5kPaの負荷下での第1の圧縮厚さを有し、負荷下での前記第1の厚さ(T1)と前記第1の圧縮厚さとの差は、25%未満、例えば20%以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項8】
前記吸収性コア(10)は、前記中間部分(14)から前記コア前縁部(10a)に向かって延びる部分内で、前記前方部分(13)における前記吸収性コア(10)の長手方向全長の5~15%において、前記第1の厚さ(T1)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項9】
前記吸収性コア(10)は、少なくとも前記第1の厚さ(T1)を有する前記吸収性コア(10)の一部において、200gsm~1000gsmの高吸収性材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項10】
第1の層(11)は、100~200gsmの高吸収性材料を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項11】
前記第1のコア層(11)は、前記前方部分(13)内、または前記前方部分(13)と前記中間部分(14)との間に位置するくびれ部分(16)を有し、前記くびれ部分(16)の幅は、第1の吸収性層(11)の前記前方部分(13)の最も広い横断方向幅の50~75%である、請求項1から10のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項12】
第1の吸収性層(11)は、前記第1の吸収性層(11)の身体に面する側から前記第1の吸収性層(11)の衣類に面する側まで、前記第1の吸収性層(11)を通って延びる開口部を有し、前記開口部は、前記前方部分(13)および前記中間部分(14)内を延びる、請求項1から11のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項13】
前記後方部分(15)の最も広い横断方向幅は、80~120mmである、請求項1から12のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項14】
弾性部材(17~17')が、前記尿失禁パッド(1)の各長手方向側縁部(4、5)に沿って、少なくとも前記吸収性コア(10)の前記前方部分(13)と前記中間部分(14)との間の移行部の横方向外側に配置される、請求項1から13のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項15】
前記第1のコア層(11)より短い前記流体制御層(12)は、前記吸収性コア(10)の前記後方部分(15)内には延びない、請求項1から14のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項16】
前記第1のコア層(11)は、前記流体制御層(12)と流体透過性トップシート(8)との間に配置される、請求項1から15のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項17】
前記吸収性コア(10)は、前記流体制御層(12)と前記バックシート(9)との間に配置された流体貯蔵層(18)を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項18】
前記流体貯蔵層(18)は、長手方向(L)で見て、前記前方部分(13)および前記後方部分(15)のそれぞれにおいて前記第1のコア層(11)より短く、前記前方部分(13)および前記中間部分(14)において前記流体制御層(12)より長い、請求項17に記載の尿失禁パッド(1)。
【請求項19】
個別に包まれた尿失禁パッドであって、尿失禁パッド(1)と、包装シートとを含み、尿失禁パッド(1)は、請求項1から18のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)であり、前記尿失禁パッド(1)は、前記長手方向(L)に延びる長さ(lp)と、横断方向(T)に延びる幅(wp)とを有し、前記包装シート(30)は、前記長手方向(L)に延びる長さ(lws)と、前記横断方向(T)に延びる幅(wwp)とを有し、前記包装シート(30)は、前記尿失禁パッド(1)の前記長さ(lp)の75~95%の、前記尿失禁パッド(1)の前記バックシート(9)を覆うように配置され、それによって、前記尿失禁パッド(1)の後端部分に対応する第1の端部分(19)は、前記包装シート(30)がない部分(24)を有し、前記尿失禁パッド(1)は、第1の横断方向折り目(22)の周りで折り畳まれ、前記第1の端部分(19)は、中央部分(21)に重なり、第2の端部分(20)は、第2の横断方向折り目(23)の周りで折り畳まれ、前記第1の端部分(19)に重なる、個別に包まれた尿失禁パッド。
【請求項20】
折り畳んだ失禁パッドの積み重ね(100)であって、請求項1から19のいずれか一項に記載の尿失禁パッド(1)を複数含み、複数の折り畳んだ尿失禁パッド(1)のうちの前記折り畳んだ尿失禁パッド(1)はそれぞれ、第1の横断方向折り目(22)の周りで折り畳まれ、第1の端部分(19)は、中央部分(21)に重なり、第2の端部分(20)は、第2の横断方向折り目(23)の周りで折り畳まれ、前記第1の端部分(19)に重なり、前記吸収性コア(10)は、前記第1の横断方向折り目(22)または前記第2の横断方向折り目(23)において前記第2の厚さ(T2)または第4の厚さ(T4)を有し、前記第1の横断方向折り目(22)または前記第2の横断方向折り目(23)のうちの他方において前記第1の厚さ(T1)を有し、前記折り畳んだ失禁パッドの積み重ね(100)は、頭対足先の関係で積み重ねられる、折り畳んだ失禁パッドの積み重ね(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輪郭をかたどった尿失禁パッド(profiled urine incontinence pad)に関する。本発明はまた、個別に包まれた尿失禁パッド、および折り畳まれた輪郭をかたどった尿失禁パッドの積み重ねに関する。
【背景技術】
【0002】
尿失禁パッドは、周知の商品である。このような物品は、よりひどい膀胱漏出のための吸収性パッド、または軽度の膀胱漏出のための、より薄いライナーとすることができる。
【0003】
失禁パッドは、概して、体液を受容し保持する吸収性コアを備える。よりひどい膀胱漏出を意図した失禁パッドが効率的に機能するために、吸収性コアは、適用時点から体液を構造体内に迅速に取得し、その後、体液を吸収性コア内部およびその全体にわたって分散させて最大の漏出抑制を提供しなければならない。このようなパッドは、快適であり、ぴったりフィットし、すなわち、下着のクロッチ部分において利用可能な限られた空間に適合すると共に、着用者に安心感を与えるようにサイズ決めされ、構成されることも望ましい。さらに、このような物品は、目立たず、薄く、ユーザがタイトな衣類を着用している場合であっても見えないことが望まれるが、これは、前述した目的に矛盾するとみなされ得る。
【0004】
失禁パッドが着用者によって使用されると、これは圧力にさらされ、この圧力は、物品を厚さ方向に圧縮する傾向がある。このような圧力は、典型的には、吸収性パッドの中心において、起立または歩行の際には約2~5kPaであり、座っている際には約10~20kPaであり、座って前方に上体を曲げた際には30kPaであり、自転車をこぐ際には最大で50kPaである。吸収性物品において優れた液体分配特性を維持するために、吸収性コアが圧力に耐えることができ、より高い圧力にさらされた際に潰れないことが重要である。
【0005】
パッドは、物品をバッグまたはポケットに入れて容易に持ち運び、使用後に容易に処分できるような、個々のパッケージサイズを得るために、すっきりとして、容易に折り畳み可能とすべきであることがさらに望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、より大きな尿侵襲(urine insult)を受けることができ、快適であり、日常活動の間、高い安心感をユーザに与えると共に、依然として目立たず薄い、改善された尿失禁パッドを提供することである。また、そのような失禁パッドの折り畳みおよびパッケージに関する解決策を改善する目的もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的のうちの1つまたは複数は、請求項1に記載の尿失禁パッド、請求項19に記載の個別に包まれた尿失禁パッド、および請求項20に記載の折り畳んだ失禁パッドの積み重ねで達成され得る。さらなる実施形態は、従属請求項、以下の説明、および図面において述べられている。
【0008】
本明細書に開示されるような、第1の態様による尿失禁パッドは、長手方向側縁部および横断方向端縁部を有する。尿失禁パッドは、流体透過性トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に位置する吸収性コアとをさらに含む。吸収性コアは、コア前縁部と、コア後縁部と、コアの第1の長手方向側縁部と、コアの第2の長手方向側縁部とを有する。吸収性コアは、第1のコア層と、流体制御層とを含む。吸収性コアは、その長手方向に、前方部分と、後方部分と、前方部分と後方部分との間に位置する中間部分とを有する。前方部分および後方部分はそれぞれ、吸収性コアの全長の約30%の長さを有する。中間部分は、吸収性コアの全長の約40%の長さを有し、第1のコア層は、前方部分、中間部分、および後方部分にわたって延びる。流体制御層は、第1のコア層より短く、前方部分および中間部分内を延びる。第1のコア層は、100gsm以上の高吸収性材料を含む。吸収性コアは、長手方向で見られるように様々な厚さプロファイル(varying thickness profile)を有し、中間部分は第1の厚さ、後方部分は第2の厚さであり、0.5kPaの負荷下で測定した場合に、中間部分の第1の厚さは9mm以上であり、第2の厚さは4mm以下である。第2の厚さを有する領域は、コア後端縁部からコア前端縁部に向かって30mm以上延びる。流体制御層を含むコアの部分は、第1の厚さT1を有し得、流体制御層の外側のコアの部分は、第2の厚さT2を有し得る。
【0009】
第2の厚さを有する領域は、吸収性コアの第1の長手方向側部から吸収性コアの第2の長手方向側部まで延びることができる。
【0010】
高吸収性材料は、例えば、第1のコア層内で実質的に均質的に混合されるか、または第1のコア層内に副層として提供され得る。
【0011】
本開示による尿失禁パッドは、着用者に快適さと漏れに対する安心感を与える、比較的厚い中間部分を有する。パッドが着用者の解剖学的構造に十分に合うので、フィット感も改善される。パッドは、より厚い中間部分により、股の領域において着用者と近接して身体接触し、それによって、排出された液体が吸収性コア中に直接吸収され得、横からの漏れのリスクが軽減される。しかしながら、本開示による解決策はまた、吸収性コアの後方部分が、コア後端縁部からコア前端縁部に向かって30mm以上延びる部分において4mm未満の厚さを有するので、非常に目立たない尿失禁パッドを提供する。中間部分の厚さが後方部分よりもかなり厚い、様々な厚さプロファイルは、漏れに対する安心感、ならびに、着用者による快適さの認識および漏れの良好な認識を改善すると同時に、後方部分がコア後端縁部から30mm以上延びる領域において非常に薄いので着用者による着用時にほとんど見えない、非常に目立たない尿失禁パッドをもたらすことが、発明者らによって発見されている。
【0012】
第2の厚さは、4mm以下、例えば3.5~0.3mmまたは3.0mm~1.0mmとすることができる。
【0013】
第1の厚さは、9mm以上、例えば9mm~16mmまたは9mm~12mmとすることができる。
【0014】
吸収性コアの長手方向で見られるように、様々な厚さプロファイルは、後方部分において、または中間部分の一部および後方部分の一部を含む移行領域において、第3の厚さを有し得、第3の厚さは、4.5mm~8.5mmとすることができる。このような第3の厚さは、第1の厚さおよび第2の厚さと比べて中間の厚さであるが、第1の厚さ領域と第2の厚さ領域との間で、より滑らかな移行を提供することによって、失禁パッドの快適さを増大させることができる。
【0015】
第3の厚さは、折り目が、最も厚い領域ではなくコアのこの領域にある場合は、積み重ねで提供される場合に物品の折り畳みを容易にすることもできる。
【0016】
吸収性コアは、中間部分からコア前縁部に向かって延びる部分内で、前方部分における吸収性コアの長手方向全長の15~40%において、第1の厚さを有し得る。
【0017】
したがって、第1の厚さを有する吸収性コアの部分は比較的大きくすることができ、前方領域の一部および後方領域の一部は非常に薄い。このような構成は、漏れに対する高い安心感につながると同時に、非常に目立たない失禁パッドを提供する。
【0018】
中間部分は、0.5kPaの負荷下での第1の厚さ、および2.5kPaの負荷下での第2の厚さを有し得、第1の厚さと第1の圧縮厚さとの差は、25%未満、例えば20%以下とすることができる。このような圧縮抵抗性の吸収性コアは、圧力が尿失禁パッドの使用中に吸収性コアに及ぼされた際にその構造および流体流動制御特性を維持する、有効な流体吸収力を提供する。
【0019】
吸収性コアは、少なくとも、第1の厚さを有する吸収性コアの部分および/または第3の厚さを有する吸収性コアの部分において、200gsm~1000gsmの高吸収性材料を含み得、着用者の股の領域に配置されるパッドの領域に、高い吸収力を有する中間部分を提供する。
【0020】
高吸収性材料は、吸収性コアを構成する層内部で均質的に混合され得るが、種々の層間で不均一に分配され得る。高吸収性材料はまた、例えば、吸収性コアを構成する層内部で副層として提供され得る。
【0021】
第1のコア層は、少なくとも第2の厚さを有する吸収性コアの部分において、100~200gsmの高吸収性材料を含み得、この薄い層は、後方部分および/または前方部分においても、かなり高い吸収力を有することができる。
【0022】
第1のコア層は、前方部分内に、または前方部分と中間部分との間に位置する、くびれ部分を有し得る。くびれ部分の幅は、第1の吸収性層の前方部分の最も広い横断方向幅の50~75%とすることができる。前方部分内に、または前方部分と中間部分との間に位置する、より狭いくびれ部分は、物品が着用者の鼠径部に適切にフィットし、使用中に所定の場所にとどまることをさらに確実にし得る。失禁パッドが使用中に所定の場所にとどまることにより、高い漏れ防止、および本開示による失禁パッドの目立たなさ(discretion)が確実になり、それは、失禁パッドが前方または後方に移動すると、より厚い領域がより多く露出され、また目立たなさが損なわれる場合があるためである。
【0023】
第1のコア層は、流体制御層と流体透過性トップシートとの間に配置され、よって、上部コア層となることができる。
【0024】
吸収性コアは、流体貯蔵層の形態をした少なくとも1つの下部コア層をさらに含み得る。流体貯蔵層は、流体流動制御層とバックシートとの間に位置し得る。
【0025】
第1のコア層は、第1の吸収性層の身体に面する側から第1の吸収性層の衣類に面する側まで、第1のコア層を通って延びる開口部を有し得、この開口部は、前方部分および中間部分内に配置されている。第1のコア層内の開口部は、この層を完全に貫通して延びることができ、それによって、物品内にキャビティを形成する。開口部は、物品の湿潤地点に対する開口部の適切な配置を確実にするために、開口部の長手方向の広がりの80~100%または90~100%が第1のコア層の前方部分および中間部分に位置するように、配置され得る。開口部の長手方向の広がりの約5~20%は、第1のコア層の前方部分に位置し得る。第1のコア層内の開口部の長手方向の広がりは、トップシートの外側ではなく、開口部内に流体が流れることを確実にするために、第1のコア層の長手方向の広がりの20~40%とすることができる。開口部を通ってさらに流体流動制御構造体に入る流体摂取率を改善するために、開口部の横断方向寸法は、第1のコア層の中間部分内の開口部の横断方向寸法よりも第1のコア層の前方部分において大きくすることができる。これによって、液体が開口部に導かれて、流体流動制御構造体およびコアに入ることを確実にする、吸収性物品が達成される。第1のコア層は、漏れに対する安心感、およびユーザの安全感の改善のため、1つの開口部のみを有し得る。
【0026】
吸収性コアの後方部分の最も広い横断方向幅は、80~120mmとすることができる。これは、快適さおよび漏れからの保護を改善することが示されている。
【0027】
弾性部材が、物品の各長手方向側縁部に沿って、コアの前方部分と中間部分との間の移行領域において、コアの少なくとも横方向外側に、配置され得る。弾性部材は、トップシートとバックシートとの間に位置し得る。物品は隙間を有し得、この隙間は、吸収性材料がなく、コアの前方部分と中間部分との間の移行領域において弾性部材とコアとの間に、さらに具体的には、物品の周辺部に位置する弾性材と第1のコア層の周辺部との間の領域内に、位置する。各弾性部材は、少なくとも吸収性コアの前方部分の最も広い部分の横方向縁部までの広がりを有して、物品の第1の端部分の折り畳みを容易にし、促進することができる。これに対応して、弾性部材は、失禁パッドの第1の端部分の折り畳みを容易にし、促進するために、より短い下部コア層の後方部分の後方横断方向縁部を越えて長手方向に延びないように、配置され得る。弾性部材は、物品の第1の折り目を越えて延びずに、折り目の周りでの折り畳みを容易にすることができる。
【0028】
失禁パッドは、失禁パッドを、支持用のパンツ衣類、例えばパンツの内側に固定するための固定手段をさらに含み得る。固定手段は、接着剤および機械的ファスナーを含む任意の従来の固定手段とすることができ、解放可能な保護層によって覆われ得る。
【0029】
第1のコア層より短い流体制御層は、吸収性コアの後方部分内に延びないように配置され得る。
【0030】
吸収性コアは、流体貯蔵層の形態をした少なくとも1つの下部コア層をさらに含み得る。流体貯蔵層は、流体流動制御層とバックシートとの間に位置し得る。
【0031】
流体貯蔵層は、前方部分および後方部分のそれぞれにおいて第1のコア層より短く、前方部分および後方部分のそれぞれにおいて流体制御層より長くすることができる。
【0032】
第1のコア層、およびさらに流体貯蔵層を含む、流体制御層の外側のコアの部分は、第4の厚さT4を有し得る。
【0033】
流体流動制御構造体は、例えば、穿孔されていない繊維状ポリマー層と、第1の穿孔されたポリマー層とを含む層状構造体とすることができ、第1の穿孔されたポリマー層中のポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ならびにそれらのブレンドおよび組み合わせから選択される。第1の穿孔されたポリマー層は、50g/m2~150g/m2の坪量、または60g/m2~140g/m2の坪量を有し得る。第1の穿孔されたポリマー層は、不織布、フィルム、またはフィルム/不織布積層物とすることができる。第1の穿孔されたポリマー層は、例えば、貫通アパーチャを有する、三次元的に形成された層とすることができる。穿孔されていない繊維状ポリマー層は、50g/m2~150g/m2、または60g/m2~140g/m2の坪量の高ロフト材料(high loft material)とすることができる。穿孔されていない繊維状ポリマー層のポリマーは、ポリエステルとすることができる。流体流動制御構造体は、穿孔されていない繊維状ポリマー層と、第1の穿孔されたポリマー層と、第2の穿孔されたポリマー層とからなる3層構造体とすることもできる。穿孔されていない繊維状ポリマー層は、第1の穿孔されたポリマー層と第2の穿孔されたポリマー層との間に挟まれ得る。第2の穿孔されたポリマー層は、ウェブの第1の表面からウェブの第2の表面に向かって延びるアパーチャを有し、第2の表面上に突出部を形成する、三次元的に形成された層とすることもできる。
【0034】
流体流動制御構造体は、比較的高い曲げ剛性を有し得る。高い曲げ剛性は、物品の着用者の大腿部間の横断方向圧縮に抵抗する、改善された能力を吸収性物品に与え、着用中の物品の望ましくない変形を阻止する。流体流動制御構造体における積層材料の曲げ剛性または屈曲抵抗は、改変されたASTM D 4032-82円形曲げ手順(CIRCULAR BEND PROCEDURE)によって測定した場合に、0.5~5N、好ましくは1~4Nとすることができる。
【0035】
本明細書に開示され、第2の態様によるものは、個別に包まれた尿失禁パッドであり、これは、尿失禁パッドと、包装シートとを含む。尿失禁パッドは、第1の態様による尿失禁パッドである。失禁パッドは、長手方向に延びる長さと、横断方向に延びる幅とを有する。包装シートは、前記長手方向(L)に延びる長さと、横断方向に延びる幅とを有する。包装シートは、失禁パッドの長さの75~95%の、失禁パッドのバックシートを覆うように配置され、それによって、失禁パッドの後端部分に対応する第1の端部分は、包装シートがない部分を有する。失禁パッドは、第1の横断方向折り目の周りで折り畳まれ、第1の端部分は、中央部分に重なり、第2の端部分は、第2の横断方向折り目の周りで折り畳まれ、第1の端部分に重なる。
【0036】
よって、失禁パッドは、最初に失禁パッド後端部分が折り畳まれ、前端部分がパッド後端部分に重なり、それによって、前端部分のトップシートは、包装シートがない部分のバックシートと接触し、包装シートは、パッド後端部分の残りの部分を覆う。
【0037】
包装シートはまた、例えば、失禁パッド後端部分を覆う包装シートをシールするための接着剤を、前縁部分に備えることもできる。
【0038】
本明細書に開示され、第3の態様によるものはまた、第1または第2の態様による折り畳んだ失禁パッドの積み重ねである。この積み重ねは、複数の尿失禁パッドを含み、複数の折り畳んだ失禁パッドのうちの折り畳んだ失禁パッドはそれぞれ、第1の横断方向折り目の周りで折り畳まれ、第1の端部分は中央部分に重なり、第2の端部分は、第2の横断方向折り目の周りで折り畳まれ、第1の端部分に重なる。第1または第2の横断方向折り目のうちの一方において、吸収性コアは、第2の厚さまたは第3の厚さを有し、第1または第2の横断方向折り目のうちの他方において、吸収性コアは第1の厚さを有する。折り畳んだ失禁パッドは、頭対足先の関係で積み重ねられる。
【0039】
第1の端部分は、失禁パッド前端部分または失禁パッド後端部分のいずれかに対応することができ、第2の端部分は、前端部分または後端部分のうちの他方に対応する。
【0040】
第1の端部分および第2の端部分はそれぞれ、失禁パッドの全長の約30%に対応することができ、中央部分は、失禁パッドの全長の約40%に対応することができる。
【0041】
吸収性コアが第1および第2の横断方向折り目において異なる厚さを有するという事実は、折り畳んだ物品の対向する縁部のうちの2つにおける不均一な厚さにより、不安定で不均一な積み重ねを生じさせ得る。これはまた、折り畳んだ物品をパッケージ内に包装する際の問題、ならびに外装内部における非最適な空間使用および魅力のないパッケージにつながり得る。折り畳んだ失禁パッドを頭対足先の関係で積み重ねることによって、本開示による失禁パッドを積み重ねることに関するこの問題は克服される。
【0042】
本発明は、非限定的な実施例によって、また添付図面を参照して、以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本明細書に開示されるような尿失禁パッドを示す。
図2】本明細書に開示されるような尿失禁パッドの平面図を示す。
図3】本明細書に開示されるような尿失禁パッドの平面図を示す。
図4a】本明細書に開示されるような尿失禁パッドを折り畳む連続したステップの立面図を示す。
図4b】本明細書に開示されるような尿失禁パッドを折り畳む連続したステップの立面図を示す。
図4c】本明細書に開示されるような尿失禁パッドを折り畳む連続したステップの立面図を示す。
図5】本明細書に開示されるような複数の尿失禁パッドを含む、折り畳んだ失禁パッドの積み重ねの斜視図である。
図6】尿失禁パッドおよび包装シートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、例示的な実施形態を参照して以下でさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化され得、図面およびその説明で述べる実施形態に制限されるものとして解釈すべきではない。
【0045】
図1は、失禁パッド1を概略的に示し、これは、パッド1が着用されているときに着用者の身体に面することが意図された側から見たものである。パッド1は、等しい長さを有し、かつ概して同じ方向に延びる、2つの長手方向側縁部2、3を有する。前端縁部4および後端縁部5は、パッド1の端部において横断方向に延びる。後端縁部5は、パッド1の使用中に着用者の臀部に向かって後方に向けられることが意図されており、前端縁部4は、着用者の腹部に向かって前方に向くことが意図されている。パッド1は、流体透過性トップシート8と、流体不透過性バックシート9と、コア前縁部10a、コア後縁部10b、コアの第1の長手方向側縁部10cおよびコアの第2の長手方向側縁部10dを有する吸収性コア10とを含む。吸収性コア10は、3つのコア層11、12、および18を含む。第1のコア層11は、トップシート8と、流体流動制御構造体12の形態の下部コア層との間に位置する。流体流動制御構造体12は、第1のコア層11と、流体流動制御構造体12とバックシート9との間に位置する流体貯蔵構造体18の形態の下部コア層との間に位置する。吸収性コア10は、その長手方向において、前方部分13と、中間部分14と、後方部分15とに分割される。吸収性コア10の前方部分13および後方部分15はそれぞれ、前記吸収性コア10の全長の約30%の長さを有する。中間部分14は、吸収性コア10の全長の約40%の長さを有する。吸収性コア10は、中間部分14に、9mm以上、例えば約11mmの第1の厚さT1を有する。吸収性コアは、吸収性コア10の後方部分15に、4mm以下、例えば約3mmである第2の厚さT2をさらに有する。この図面における吸収性コアは、前方領域に、4mm以下、例えば約3mmである第3の厚さT3を、また中間部分14の一部および後方部分の一部を含む移行領域に第4の厚さT4を、さらに有し、第4の厚さT4は、4.5mm~8.5mmである。これらの厚さは、0.5kPaの負荷下で測定したものである。
【0046】
第1のコア層11は、吸収性コア10の前方部分13、中間部分14、および後方部分15にわたって延びる。流動制御構造体12は、部分的に前方部分13にわたって延び、また吸収性コア10の中間部分14にわたって延びる。流動制御構造体12の後端縁部は、中間部分14と後方部分15との間の移行部に位置する。流体貯蔵層18は、中間部分14にわたって延び、部分的に後方15および前方部分13にわたって延びる。第1のコア層11および流体貯蔵層18は、例えば、高吸収性粒子とパルプ繊維との混合物を含み得る。流体流動制御構造体は、例えば、穿孔されていない繊維状ポリマー層と、第1の穿孔されたポリマー層と、第2の穿孔されたポリマー層とからなる3層構造とすることができる。穿孔されていない繊維状ポリマー層は、第1の穿孔されたポリマー層と第2の穿孔されたポリマー層との間に挟まれ得る。第1および第2の穿孔されたポリマー層は、ウェブの第1の表面からウェブの第2の表面に向かって延びるアパーチャを有し、第2の表面上に突出部を形成する、三次元的に形成された層とすることができる。
【0047】
トップシート8およびバックシート9は共に、吸収性コア10の周辺部全体に沿って吸収性コア10の外側を横方向に延びており、パッド1の周辺部に沿って縁部接合点において互いに接続される。縁部接合点は、当技術分野で既知の任意の適切な方法で、例えば接着剤、超音波接着、熱接着などによって、形成され得る。トップシート8およびバックシート9は、本明細書に開示されるような目的に適切な任意の材料、例えば不織布またはフィルム材料からなることができる。
【0048】
弾性材料のバンドまたはストリングなどの、弾性部材17、17'、例えば発泡弾性材が、トップシート8とバックシート9との間に、パッド1の長手方向側縁部2、3に沿って配置される。物品は隙間を有し得、この隙間は、吸収性材料がなく、コア10の前方部分13と中間部分14との間の移行部において、弾性部材17、17'と吸収性コア10との間に横方向に位置する。各弾性部材17、17'は、吸収性コア10の前方部分13の最も広い部分の横方向縁部まで延びる。
【0049】
本開示の物品の例は、本開示によるコアと、18gsmのスパンボンド熱可塑性不織布材料のトップシートと、プラスチックフィルムと熱可塑性不織布材料との25gsmの積層物のバックシートとを有する、図1の失禁パッドである。物品の構成要素は、接着剤および溶接によって互いに接続される。
【0050】
図2および図3は、本開示による失禁パッドの平面図であり、両方とも、パッド1が着用されているときに着用者の身体に面することが意図された側から見たものである。パッド1は、等しい長さを有し、かつ概して同じ方向に延びる、2つの長手方向側縁部2、3を有する。前端縁部4および後端縁部5は、パッド1の端部において横断方向に延びる。後端縁部5は、パッド1の使用中に後方に向けられることが意図されており、前端縁部4は、着用者の腹部に向かって前方に向くことが意図されている。パッド1は、流体透過性トップシート8と、流体不透過性バックシート9と、3つのコア層11、12、および18を含む吸収性コア10とを含む。第1のコア層11は、トップシート8と流体流動制御構造体12との間に位置する。流体流動制御構造体12は、第1のコア層11と流体貯蔵構造体18との間に位置する。吸収性コア10は、その長手方向において、前方部分13と、中間部分14と、後方部分15とに分割される。第1のコア層11は、吸収性コア10の前方部分13、中間部分14、および後方部分15にわたって延びる。流動制御構造体12は、前方部分13の一部にわたって延び、また吸収性コア10の中間部分14にわたって延びる。吸収性コア10は、吸収性コア10の前方部分13と中間部分14との間に、狭い横断方向幅16を有する。
【0051】
弾性部材17、17'は、トップシート8とバックシート9との間に、パッド1の長手方向側縁部2、3に沿って配置される。物品は、弾性部材17、17'間に横方向に位置する、吸収性材料がない隙間を有する。
【0052】
T2でマークされた後方部分15内の矢印で図2に示されるように、第2の厚さT2を有する領域は、コア後縁部10bからコア前縁部10aに向かって少なくとも30mm以上、例えば吸収性コア10の長手方向全長の約5~40%を延びる領域内を、延びる。第3の厚さT3を有する領域は、コア前縁部10aからコア後縁部10bに向かって延び、T3でマークされた前方部分13内の矢印で示されている。この領域は、コア前縁部からコア後縁部10bに向かって約15mm以上、例えば、吸収性コア10の長手方向全長の約5~15%まで、延びる。
【0053】
T1でマークされた矢印内部の領域は、厚さT1を有する吸収性コア10の領域に対応する。吸収性コアは、中間部分14からコア前縁部10aに向かって延びる部分内で、前方部分13における吸収性コア10の長手方向全長の15~40%において、第1の厚さT1を有する。
【0054】
図4a図4cは、図1による失禁パッド1の連続する折り畳みステップを示す。図4aでは、パッド1の第1の端部分19は、第1の折り畳みステップにおいて、第1の端部分19が失禁パッド1の中央領域21と接触するまで、第2の厚さT2または第4の厚さT4を有する吸収性コア10の一部と一致する第1の横断方向折り目22の周りで折り畳まれ、すなわち、第1の端部分19のトップシート8が中央領域21のトップシート8と接触するまで折り畳まれる。この実施例では、第1の端部分19および第2の端部分20は、失禁パッド1の全長の約30%に対応し、中央部分21は、失禁パッド1の全長の約40%に対応する。
【0055】
図4bは、第2の折り畳みステップを示し、ここでは、失禁パッド1の第2の端部分20は、既に折り畳まれた失禁パッド1の部分19と接触する、すなわち、第2の端部分20のトップシート8が第1の端部分19のバックシートに面するまで、9mm以上、例えば約11mmの第1の厚さT1を有する吸収性コア10の一部と一致する第2の横断方向折り目23の周りで折り畳まれる。図4cは、最終的な折り畳んだ失禁パッド1を示す。失禁パッド1が包装シートに個々に包まれると、トップシートは、バックシートに面するが、包装シートとも直接接触する。
【0056】
第2の端部分20を第1の端部分19上に折り畳むことによって、第2の横断方向折り目23は、より柔らかく、かつ、あまり明確でなくなり、失禁パッド1の前方部分は、広げられた後および失禁パッド1の使用中に、より容易にカップ形状をとる。
【0057】
図5は、本開示による失禁パッド1の積み重ね100を示す。失禁パッド1は、頭対足先の関係で、頭対足先の積み重ね100に積み重ねられる。失禁パッド1は第1および第2の横断方向折り目において異なる厚さを有するという事実により、いくつかのこのような失禁パッドの積み重ねにおける頭対頭の関係は、各横断方向折り目における不均一な高さ、したがって、折り畳んだ失禁パッドの不安定な積み重ね100をもたらす。
【0058】
図6は、包装シート30が取り付けられた、広げられた失禁パッド1の平面図を示す。尿失禁パッド1は、先の図面による尿失禁パッドである。失禁パッド1は、長手方向Lに延びる長さlpと、横断方向Tに延びる幅wpとを有する。包装シート30は、長手方向Lに延びる長さlwsと、横断方向Tに延びる幅wwsとを有し、包装シートの幅wwsは、失禁パッド1の幅wpより大きい。図6で分かるように、包装シート30は、失禁パッドの長さlpの75~95%の、失禁パッド1のバックシート9を覆うように配置され、それによって、この図面では失禁パッド1の後端部分に対応する、第1の端部分19は、包装シート30がない部分24を有する。よって、包装シート30は、第2の端部分20および中央部分21を完全に覆うが、第1の端部分19を完全には覆わず、包装シート30がない、失禁パッド1の後端部の部分24を残す。よって、包装シート30の長さlwsは、失禁パッド1の長さlpと等しいか、またはこれよりわずかに短くすることができる。
【0059】
失禁パッド1は、第1の横断方向折り目22の周りで折り畳まれることが意図され、第1の端部分19は中央部分21に重なり、第2の端部分20は、第2の横断方向折り目23の周りで折り畳まれ、第1の端部分19に重なる。包装シート30は、失禁パッド1および包装シート30がいったん折り畳まれたら、失禁パッド1の第1の端部分19を覆う包装シート30をシールするための接着剤25を、上縁部領域に備える。
【0060】
よって、失禁パッドは、最初に失禁パッド後端部分が折り畳まれ、前端部分が後端部分に重なり、それによって、前端部分のトップシートは、包装シートがない部分のバックシートと接触し、包装シートは、失禁パッド後端部分の残りの部分を覆う。
【0061】
厚さ測定
厚さは、0.5kPaまたは2.5kPaの負荷が取り付けられた測定フット(measuring foot)によって決定される。フットは、13mm/sの速度でサンプル上に降ろされる。厚さは、測定フットがサンプルの表面に接触してから5秒後にデジタル厚さゲージ/テスターにおいて読み取られる。前記中間部分および/または前方部分の少なくとも一部における第1の吸収性層が、身体に面する側から衣類側に延びる開口部を有する場合、厚さは、開口部の外側の部分において決定され、それによって、第1の吸収性層の厚さは、厚さT1に含められる。
【符号の説明】
【0062】
1 失禁パッド、尿失禁パッド
2 長手方向側縁部
3 長手方向側縁部
4 前端縁部、横断方向端縁部
5 後端縁部、横断方向端縁部
8 トップシート、流体透過性トップシート
9 バックシート、流体不透過性バックシート
10 吸収性コア
10a コア前縁部
10b コア後縁部
10c 第1の長手方向側縁部
10d 第2の長手方向側縁部
11 第1のコア層
12 コア層、流体流動制御構造体
13 前方部分
14 中間部分
15 後方部分
16 横断方向幅
17 弾性部材
17' 弾性部材
18 コア層、流体貯蔵構造体、流体貯蔵層
19 第1の端部分
20 第2の端部分
21 中央領域、中央部分
22 第1の横断方向折り目
23 第2の横断方向折り目
24 部分
25 接着剤
30 包装シート
100 積み重ね
L 長手方向
T1 第1の厚さ
T2 第2の厚さ
T3 第3の厚さ
T4 第4の厚さ
lp 長さ
lws 長さ
wp
wws
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
【国際調査報告】