(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)及び動的アクセス管理方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20220124BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/04 565
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2019562351
(86)(22)【出願日】2018-10-25
(85)【翻訳文提出日】2019-11-06
(86)【国際出願番号】 CN2018111777
(87)【国際公開番号】W WO2020082281
(87)【国際公開日】2020-04-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519396315
【氏名又は名称】黄國城
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】黄國城
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF24
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3F022LL38
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3F522JJ01
3F522JJ04
3F522LL14
3F522LL19
3F522LL58
3F522LL63
(57)【要約】
本発明は動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)に関し、ストレージエリア20、パワーシフト装置40、キャリア群30、キャリア検知装置22、動力輸送装置41、ゲート50、ゲート検知装置51、一時保存エリア60、一時保存検知装置61を有し、ストレージデバイスは中央制御システム10をさらに有し、上記各装置の作動を指揮、制御、命令、管理し、各装置のフィードバック情報を管理し、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を利用し動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)と動的アクセス管理方法を実現し、RFIDラベル32をキャリア31にラベリングし物件にラベリングせず、本発明のストレージデバイスと動的アクセス管理方法で管理される目標物はキャリア31とキャリア群30で、かつキャリア群30を構成する各キャリア31はRFIDラベル32により内部に搭載する物件の情報を記載され、キャリア31とキャリア群30の管理により物件管理の目的を達成し、ストレージデバイスの空間利用率を高め、中央制御システム10は正確かつ完全にすべての物件の所在ストレージロケーション21を記録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央制御システム、少なくとも1個のストレージエリア、キャリア検知装置、動力輸送装置、少なくとも1個のゲート、少なくとも1個の一時保存エリアを含む、動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)であって、
該少なくとも1個のストレージエリア中には、数個のパワーシフト装置を設置し、該中央制御システムは、該パワーシフト装置の移動行程、方向、固定位置を制御し、各パワーシフト装置上には、予定数のストレージロケーションを設立し、該ストレージロケーションは、該中央制御システムにより記録され、各ストレージロケーションは、キャリア群を動的指定設置し、該キャリア群は、重ねて置く予定数のキャリアにより構成され、該キャリアは、物件を搭載し、各キャリアには、RFID(Radio Frequency IDentification)ラベルを付加し、該ラベルは、繰り返し読み書き可能なラベル情報を有し、該ラベル情報には、該キャリア中の物件データを記載し、
該キャリア検知装置は、該ストレージエリアに設置され、該キャリア検知装置は、各ストレージロケーションがキャリア群を備えるか否かの感知結果、及び読み取った該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、ストレージロケーションに基づき、各キャリア群のラベル情報を記録し、
該動力輸送装置は、該パワーシフト装置と連通し、該中央制御システムは、該動力輸送装置の移動と固定を制御し、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置は、該キャリア群を制御し、該中央制御システムにより指定された1個のストレージロケーションに進入させ、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置も、該キャリア群を制御し、そのストレージロケーション中から移動させ、
少なくとも1個のゲートは、該輸送装置と連通し、該ストレージエリアから移動し、或いは該ストレージエリアへの進入を待つ該キャリア群は、該ゲートに位置し、該ゲートには、ゲート検知装置を設置し、該ゲート検知装置は、該ゲートがキャリア群を有するか否か、該キャリア群が有するキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送し、
少なくとも1個の一時保存エリアは、該ゲートと連通し、該ゲートから来たキャリアの数が予定値に未達のキャリア群を受け入れ、該一時保存エリアには、一時保存検知装置を設置し、該一時保存検知装置は、該一時保存エリアがキャリア群を有するか否か、該キャリア群のキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達することを特徴とする、
動的ストレージデバイス。
【請求項2】
前記パワーシフト装置及び該動力輸送装置は、ローラーコンベアであることを特徴とする請求項1に記載の動的ストレージデバイス。
【請求項3】
ステップ一:該ゲートは、物件受け取りプロセスにより構築されたキャリア群を受け取り、ステップ二:該ゲート検知装置は、該ゲートのキャリア群が含むキャリア数を検知し、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、該キャリアの数と、所定値とを比較し、ステップ三:キャリアの数が所定値に満たないなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を、該一時保存エリアに移すように命令し、キャリアの数が所定値に符合するなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置に、該ゲートのキャリア群を、該中央制御システムにより指定された空のストレージロケーションに輸送するように命令し、キャリアの数が所定値より多ければ、該中央制御システムは警告メッセージを発し、余分なキャリアが除去されるまで、該パワーシフト装置と該動力輸送装置に動かないよう命令し、ステップ四:該空のストレージロケーションは、該ゲートから来た該キャリア群を受け取った後、対応する該キャリア検知装置は、該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送して記録することを特徴とする請求項1に記載の動的ストレージデバイス。
【請求項4】
物件取り出し方法が、ステップ一:該中央制御システムは、物件取り出し命令に含まれる物件取り出し条件に基づき、該ストレージエリアの各ラベル情報を検索し、ステップ二:該中央制御システムは、該物件取り出し条件に符合するキャリア群のストレージロケーションを指摘し、ステップ三:該中央制御システムは、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置を制御し、指摘されたストレージロケーションからキャリア群を取り出し、キャリア群が、そのストレージロケーションを離れると、該ストレージロケーションのラベル情報は、自動的に消去され、ステップ四:該中央制御システムは、該動力輸送装置を制御し、該ストレージロケーションから取り出したキャリア群を、該ゲートへと輸送し、物件取り出し者は、該ゲートから該キャリア群を取り出し、或いは該キャリア群中から該物件取り出し条件に符合する1個、或いは数個のキャリアを取り出し、ステップ五:物件取り出し後、該ゲートに、物件取り出し条件に符合せず、取り出されないキャリアが残っているなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に命令し、該残りのキャリアを該一時保存エリアに移し、ステップ六:該一時保存エリアは、該ゲートから来た残りのキャリアを受け取り、該一時保存検知装置は、該一時保存エリアがキャリア群を有するか否か、該キャリア群のキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達し、これを記録することを特徴とする請求項2に記載の動的ストレージデバイス。
【請求項5】
ステップ一:該一時保存エリア中のキャリアをランダムに選択し、それをスタッキングし、予定数のキャリア群とし、ステップ二:該一時保存エリアの該キャリア群は該ゲートに輸送され、該キャリア群は該一時保存エリアを離れると、該キャリア群のラベル情報は該一時保存エリアから削除され、該ゲート検知装置は、該一時保存エリアから来た該キャリア群が含むキャリアの数を検知し、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、該キャリアの数と、所定値とを比較し、ステップ三:キャリアの数が所定値に満たないなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を、該一時保存エリアに戻すよう命令し、キャリアの数が所定値に符合するなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置に、該ゲートのキャリア群を、該中央制御システムにより指定された空のストレージロケーションに輸送するように命令し、キャリアの数が所定値より多ければ、該中央制御システムは警告メッセージを発し、余分なキャリアが除去されるまで、該パワーシフト装置と該動力輸送装置に動かないよう命令し、ステップ四:該空のストレージロケーションが該一時保存エリアから移された該キャリア群を受け取った後、該キャリア検知装置は、該ストレージロケーションの各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達し、これを記録することを特徴とする請求項2に記載の動的ストレージデバイス。
【請求項6】
中央制御システム、少なくとも1個のストレージエリア、キャリア検知装置、動力輸送装置、少なくとも1個のゲート、少なくとも1個の一時保存エリアを含む動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)であって、
該少なくとも1個のストレージエリアには、予定数のストレージロケーションを設立し、該ストレージロケーションは、該中央制御システムにより記録され、各ストレージロケーションには、キャリア群をランダムに置くことができ、該キャリア群は、予定数のランダム重ねて置くキャリアにより構成され、該キャリアは、物件を搭載し、各キャリアには、RFID(Radio Frequency IDentification)ラベルを付加し、該ラベルは、繰り返し読み書き可能なラベル情報を有し、該ラベル情報には、該キャリア中の物件データを記載し、
該キャリア検知装置は、該ストレージエリアに設置され、該キャリア検知装置は、各ストレージロケーションがキャリア群を備えるか否かの感知結果、及び読み取った該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、ストレージロケーションに基づき、各キャリア群のラベル情報を記録し、
該動力輸送装置は、該中央制御システムにより移動を制御され、該キャリア群を、該中央制御システムにより指定された1個のストレージロケーションに入れ、或いは該ストレージロケーション中から移し、
該少なくとも1個のゲートは、該ストレージエリアに近い位置にあり、該ストレージエリアから移動した、或いは該ストレージエリアへの進入を待つ該キャリア群は、該ゲートに位置し、該ゲートには、ゲート検知装置を設置し、該ゲート検知装置は、該ゲートがキャリア群を有するか否か、該キャリア群が有するキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送し、
該少なくとも1個の一時保存エリアは、該ゲートと連通し、該ゲートから来たキャリアの数が予定値に未達のキャリア群を受け入れ、該一時保存エリアには、一時保存検知装置を設置し、該一時保存検知装置は、該一時保存エリアがキャリア群を有するか否か、該キャリア群のキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達することを特徴とする、
動的ストレージデバイス。
【請求項7】
前記動力輸送装置は、クレーンであることを特徴とする請求項6に記載の動的ストレージデバイス。
【請求項8】
ステップ一:該ゲートは、物件受け取りプロセスにより構築されたキャリア群を受け取り、ステップ二:該ゲート検知装置は、該ゲートのキャリア群が含むキャリア数を検知し、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、該キャリアの数と、所定値とを比較し、ステップ三:キャリアの数が所定値に満たないなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を、該一時保存エリアに移すように命令し、キャリアの数が所定値に符合するなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を、該中央制御システムにより指定された1個の空のストレージロケーションに移動させるよう命令し、キャリアの数が所定値より多ければ、該中央制御システムは警告メッセージを発し、該パワーシフト装置は、余分なキャリアが除去されるまで待ち、ステップ四:該空のストレージロケーションは、該ゲートから来た該キャリア群を受け取った後、対応する該キャリア検知装置は、該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送して記録することを特徴とする請求項6に記載の動的ストレージデバイスの動的アクセス管理方法。
【請求項9】
ステップ一:該中央制御システムは、物件取り出し命令に含まれる物件取り出し条件に基づき、該ストレージエリアの各ラベル情報を検索し、ステップ二:該中央制御システムは、該物件取り出し条件に符合するキャリア群のストレージロケーションを指摘し、ステップ三:該中央制御システムは該動力輸送装置を制御し、指定されたストレージロケーションから該キャリア群を取り出し、キャリア群が、そのストレージロケーションを離れると、該ストレージロケーションのラベル情報は、自動的に消去され、ステップ四:該中央制御システムは、該動力輸送装置を制御し、該ストレージロケーションから取り出したキャリア群を該ゲートに移し、物件取り出し者は、該ゲートから該キャリア群を取り出し、或いは該キャリア群中から該物件取り出し条件に符合する1個、或いは数個のキャリアを取り出し、ステップ五:物件取り出し後、該ゲートに、物件取り出し条件に符合せず、取り出されないキャリアが残っているなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に命令し、該残りのキャリアを該一時保存エリアに移し、ステップ六:該一時保存エリアは、該ゲートから来た残りのキャリアを受け取り、該一時保存検知装置は、該一時保存エリアがキャリア群を有するか否か、該キャリア群のキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達し、これを記録することを特徴とする請求項6に記載の動的ストレージデバイスの動的アクセス管理方法。
【請求項10】
ステップ一:該一時保存エリア中のキャリアをランダムに選択し、それをスタッキングし、予定数のキャリア群とし、ステップ二:該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該一時保存エリアの該キャリア群を該ゲートに移すよう命令し、該キャリア群は、該一時保存エリアを離れると、該キャリア群のラベル情報は該一時保存エリアから削除され、該ゲート検知装置は、該一時保存エリアから来た該キャリア群が含むキャリアの数を検知し、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、該キャリアの数と、所定値とを比較し、ステップ三:キャリアの数が所定値に満たないなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を、該一時保存エリアに戻すよう命令し、キャリアの数が所定値に符合するなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を該中央制御システムにより指定された1個の空のストレージロケーションに輸送するよう命令し、キャリアの数が所定値より多ければ、該中央制御システムは警告メッセージを発し、該パワーシフト装置は、余分なキャリアが除去されるまで待ち、ステップ四:該空のストレージロケーションが該一時保存エリアから移された該キャリア群を受け取った後、該キャリア検知装置は、該ストレージロケーションの各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達し、これを記録することを特徴とする請求項6に記載の動的ストレージデバイスの一時保存エリア管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)及び動的アクセス管理方法に関し、特にRFID(Radio Frequency IDentification)技術を採用し行う物件の動的アクセス管理に関する。
【背景技術】
【0002】
物件アクセス管理方法は基本的に、物件受け取り、物件取り出し、物件保管の管理を含む。
現在の物件アクセス管理方法は、以下のように略述される。
二次元コード(バーコード、QRコード(登録商標))技術を採用し、二次元コード中に該物件に関する情報(物件シリアルナンバー、生産者データ、物件規格、生産時間、移転或いは提出時間、数、単価、合計価格、税額等を含むがこれに限定されない)を保存する。
物件受け取り段階で、バーコードスキャナーで各物件の二次元コードの情報内容を読み取り、情報内容を管理システム中に伝送して保存する。
管理システムは情報内容を受け取ると、該物件の所属カテゴリーを付与或いは判断し、所属カテゴリーに基づき、該物件に、物理ストレージデバイス中のストレージエリアとストレージロケーションを指定する。
物理ストレージデバイスのストレージエリアも、カテゴリーに基づき分配される。
ストレージデバイス管理者は、管理システムの指定に基づき、それが所属するストレージエリアとストレージロケーションに各物件をそれぞれ運送する。
物件取り出し時にも、管理システムが設定したストレージエリアとストレージロケーションに基づき、指定の物件を探し、取り出す。
【0003】
上述のストレージデバイスと物件アクセス管理方法の欠点は、以下の通りである。
一、各物件に1個の二次元コードを付予し、二次元コードはラベリング(即ちシール形式)により該物件或いはその包装或いはそのキャリア表面に付着するが、これには大量の労働時間が必要で、かつエラーが起き、物件実体と二次元コードの内容とが符合しないという状況が出現しやすい。この他、ラベリングは脱落しやすく、該物件について物件アクセス管理ができないという状況を招く。さらに、元のラベルが剥がされ改竄されたラベルが貼られるという状況も発生し得る。
二、物件受け取り時には各物件の二次元コードを一々スキャンしなければならないが、これも大量の労働時間が必要で、物件の一部をスキャンし忘れ、実際の物件受け取りと管理システムに登録されたデータが一致しないという可能性もある。
三、ストレージデバイス管理システムが物件のストレージエリアとストレージロケーションを指定しても、ストレージデバイス管理者(自然人)が物件を間違ったストレージロケーションに保管する問題をゼロにすることはできない。物理ストレージデバイスが膨大で、かつ動線が複雑なため、物件をひとたび間違ったストレージロケーションに保管すれば、その物件を見つけ出すのは難しく、かつ物件統計と管理システムに登録されたデータの不一致を招いてしまう。
四、物理ストレージデバイス中のストレージエリアとストレージロケーションも、カテゴリーに基づき分配されるが、あるカテゴリーの物件受け取りが比較的少ない、或いは取り出しが比較的多い時、該カテゴリーのストレージエリアには、多くのストレージエリアが残るが、余分なストレージエリアを、他カテゴリーの物件の保管に用いることはできない。或いは、あるカテゴリーの物件の受け取りが比較的多く、これにより元のストレージエリアが不足した場合、あぶれたストレージエリアの物件を保管する適当なストレージエリアがなく、このようなストレージデバイス管理システムでは、物理ストレージデバイスのストレージエリアを有効に使用できないのは明らかである。管理システム中のストレージエリアのプログラミングを変更することで、ストレージエリアのフレキシブルな使用を試みることはできるが、管理システムのストレージエリアを繰り返し変更すれば、管理が混乱する可能性がある。
五、物件の受け取りと取り出しの便を図るため、物理ストレージデバイスのストレージエリア或いはストレージロケーションの間には、ストレージデバイス管理者或いは運搬設備が通行する通路を残す必要があるが、これは物件受け取りと取り出しの動線の混乱を招き、使用可能なストレージエリアの面積を縮小してしまうという欠点もある。
【0004】
RFID(Radio Frequency IDentification)技術を採用し、二次元コードによるストレージデバイス管理に置換すれば、前述の一、二項の問題を解決することができる。
しかし、物理ストレージデバイスの物件分類保存及び物件取り出し方法が前述の通りなら、前述の三、四、五項の問題を解决することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記先行技術には、物理ストレージデバイスの物件分類保存及び物件取り出し方法が刷新されない限り、前述の三、四、五項の問題を解决することはできないという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)及び動的アクセス管理方法に関する。
【0007】
本発明による動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)は、中央制御システム、少なくとも1個のストレージエリア、キャリア検知装置、動力輸送装置、少なくとも1個のゲート、少なくとも1個の一時保存エリアを含む。
【0008】
該ストレージエリア中には、数個のパワーシフト装置を設置し、該中央制御システムは、該パワーシフト装置の移動行程、方向、固定位置を制御し、各パワーシフト装置上には、予定数のストレージロケーションを設立し、該ストレージロケーションは、該中央制御システムにより記録され、各ストレージロケーションには、キャリア群をランダムに置くことができ、該キャリア群は、重ねて置く予定数のキャリアにより構成され、該キャリアは、物件を搭載し、各キャリアには、RFID(Radio Frequency IDentification)ラベルを付加し、該ラベルは、繰り返し読み書き可能なラベル情報を有し、該ラベル情報には、該キャリア中の物件データを記載する。
該キャリア検知装置は、該ストレージエリアに設置され、該キャリア検知装置は、各ストレージロケーションがキャリア群を備えるか否かの感知結果、及び読み取った該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、ストレージロケーションに基づき、各キャリア群のラベル情報を記録する。
該動力輸送装置は、該パワーシフト装置と連通し、該中央制御システムは、該動力輸送装置の移動と固定を制御し、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置は、該キャリア群を制御し、該中央制御システムにより指定された1個のストレージロケーションに進入させ、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置も、該キャリア群を制御し、そのストレージロケーション中から移動させる。
少なくとも1個のゲートは、該輸送装置と連通し、該ストレージエリアから移動した、或いは該ストレージエリアへの進入を待つ該キャリア群は、該ゲートに位置し、該ゲートには、ゲート検知装置を設置し、該ゲート検知装置は、該ゲートがキャリア群を有するか否か、該キャリア群が有するキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送する。
少なくとも1個の一時保存エリアは、該ゲートと連通し、該ゲートから来た、かつキャリアの数が予定値に未達のキャリア群を受け入れ、該一時保存エリアには、一時保存検知装置を設置し、該一時保存検知装置は、該一時保存エリアがキャリア群を有するか否か、該キャリア群のキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達する。
【0009】
本発明による動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)の動的アクセス管理方法は、以下を含む。
ステップ一:該ゲートは、物件受け取りプロセスにより構築されたキャリア群を受け取る。
ステップ二:該ゲート検知装置は、該ゲートのキャリア群が含むキャリア数を検知し、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、該キャリアの数と、所定値とを比較する。
ステップ三:キャリアの数が所定値に満たないなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を、該一時保存エリアに移すように命令し、キャリアの数が所定値に符合するなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置に、該ゲートのキャリア群を、該中央制御システムにより指定された空のストレージロケーションに輸送するように命令し、キャリアの数が所定値より多ければ、該中央制御システムは警告メッセージを発し、余分なキャリアが除去されるまで、該パワーシフト装置と該動力輸送装置に動かないよう命令する。
ステップ四:該空のストレージロケーションは、該ゲートから来た該キャリア群を受け取った後、対応する該キャリア検知装置は、該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝送して記録する。
【0010】
前述の動的アクセス管理方法の物件取り出し方法は、以下を含む。
ステップ一:該中央制御システムは、物件取り出し命令が含む取り出し条件に基づき、該ストレージエリアの各ラベル情報を検索する。
ステップ二:該中央制御システムは、該物件取り出し条件に符合するキャリア群のストレージロケーションを指摘する。
ステップ三:該中央制御システムは、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置を制御し、指摘されたストレージロケーションからキャリア群を取り出し、キャリア群が、そのストレージロケーションを離れると、該ストレージロケーションのラベル情報は、自動的に消去される。
ステップ四:該中央制御システムは、該動力輸送装置を制御し、該ストレージロケーションから取り出したキャリア群を、該ゲートへと輸送する。ストレージデバイス管理者は、該ゲートから該キャリア群を取り出し、或いは該キャリア群中から該物件取り出し条件に符合する1個或いは数個のキャリアを取り出す。
ステップ五:物件取り出し後、該ゲートに、物件取り出し条件に符合せず、取り出されないキャリアが残っているなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に命令し、該残りのキャリアを該一時保存エリアに移す。
ステップ六:該一時保存エリアは、該ゲートから来た残りのキャリアを受け取り、該一時保存検知装置は、該一時保存エリアがキャリア群を有するか否か、該キャリア群のキャリアの数、及び該キャリア群の各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達し、これを記録する。
【0011】
前述の動的アクセス管理方法の一時保存エリア管理方法は、以下を含む。
ステップ一:該一時保存エリア中のキャリアをランダムに選択し、それをスタッキングし、予定数のキャリア群とする。
ステップ二:該一時保存エリアの該キャリア群は該ゲートに輸送され、該中央制御システムは、該キャリア群のラベル情報を、該一時保存エリアから削除し、該ゲート検知装置は、該一時保存エリアから来た該キャリア群が含むキャリアの数を検知し、該中央制御システムに伝送し、該中央制御システムは、該キャリアの数と、所定値とを比較する。
ステップ三:キャリアの数が所定値に満たないなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置に、該ゲートのキャリア群を、該一時保存エリアに戻すよう命令し、キャリアの数が所定値に符合するなら、該中央制御システムは、該動力輸送装置及び該パワーシフト装置に、該ゲートのキャリア群を、該中央制御システムにより指定された空のストレージロケーションに輸送するように命令し、キャリアの数が所定値より多ければ、該中央制御システムは警告メッセージを発し、余分なキャリアが除去されるまで、該パワーシフト装置と該動力輸送装置に動かないよう命令する。
ステップ四:該空のストレージロケーションが該一時保存エリアから移された該キャリア群を受け取った後、該キャリア検知装置は、該ストレージロケーションの各ラベル情報を、該中央制御システムに伝達し、これを記録する。
【発明の効果】
【0012】
RFIDは、繰り返し読み書き可能なラベルを採用することで、ストレージデバイス管理者が繰り返しラベルを剥がし、ラベリングする問題を回避できる。
ラベル情報は、該キャリア中の物件データを記録し、キャリアの物件が交換されると、元のラベル情報を消去し、新しいラベル情報を書き入れる。
本発明は、RFIDラベルをキャリアにラベリングするのであって、物件にラベリングするのではない。
本発明によるストレージデバイスと各方法で管理される目標物はキャリアとキャリア群で、かつキャリア群を構成する各キャリアはすべて、RFIDのラベルを利用し、該キャリア内部に搭載される物件情報を詳細に記載するため、キャリアとキャリア群の管理によって、物件管理の目的を達成される。
キャリア群は、物件受け取りプロセスにおいて構築され、各キャリアは、ストレージデバイスに入る前に、1個のRFIDのラベルが付与され、完全なラベル情報が構築される。
この前提の下、物件受け取りプロセス中のストレージデバイス管理者は物件内容を知る必要がなく、物件を分類する必要もなく、予定数のキャリアがスタッキングされて垂直列を呈すれば、前述の1個のキャリア群を構成することができる。
【0013】
本発明による動的アクセス管理方法において、ストレージエリアとストレージロケーション及びキャリア群、キャリアを置く行為はすべて動的で、予め分類と配列の編成を行う必要はない。
【0014】
本発明による動的アクセス管理方法では、各ストレージロケーションは確実に、キャリア群がある形態とキャリア群がない形態(即ち空)の2種の形態のみを有し、かつ各キャリア群はすべて中央制御システムが指定するキャリアの数を有する。
このような動的アクセス管理方法は、ストレージエリアの各ストレージロケーションをすべて完全に使用することができるため、ストレージエリアの利用率を高められ、中央制御システムは各キャリア中の物件を、その所在のストレージエリアに確実に記録し、記録漏れの問題が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第一実施形態の装置の俯視平面模式図である。
【
図3】
図2のIII-III線でカットした断面模式図である。
【
図4】本発明の第一実施形態の動的アクセス管理方法の模式図一である。
【
図5】本発明の第一実施形態の動的アクセス管理方法の模式図二である。
【
図6】本発明の第一実施形態における物件取り出し方法の模式図一である。
【
図7】本発明の第一実施形態における物件取り出し方法の模式図二である。
【
図8】本発明の第一実施形態における一時保存エリア管理方法の模式図一である。
【
図9】本発明の第一実施形態における一時保存エリア管理方法の模式図二である。
【
図10】本発明の第一実施形態における一時保存エリア管理方法の模式図三である。
【
図11】本発明の第一実施形態における一時保存エリア管理方法の模式図四である。
【
図12】本発明の第二実施形態の装置の俯視平面模式図である。
【
図13】本発明の第二実施形態のストレージデバイス方法の模式図一である。
【
図14】本発明の第二実施形態のストレージデバイス方法の模式図二である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(一実施形態)
第一実施形態
本発明による動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)及び動的アクセス管理方法(物件受け取り、物件取り出し、物件保管のプロセス及び一時保存エリアの管理を含む)は、
図1~
図3に示す。
【0017】
動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)は、ストレージエリア20、パワーシフト装置40、キャリア群30、キャリア検知装置22、動力輸送装置41、ゲート50、ゲート検知装置51、一時保存エリア60と一時保存検知装置61を有する。
該ストレージデバイスは、中央制御システム10をさらに有し、上記各装置の作動を指揮、制御、命令、管理し、各装置のフィードバック情報を管理する。
該パワーシフト装置40及び該動力輸送装置41は、ローラーコンベアである。
【0018】
該ストレージエリア20中には、数個の該パワーシフト装置40を並列設置する。
該中央制御システム10は、プログラミングを介して、該パワーシフト装置40の移動行程、方向、固定位置を制御する。
各パワーシフト装置40上には、予定数のストレージロケーション21を設立し、該ストレージロケーション21は、該中央制御システム10により記録され、各ストレージロケーション21には、キャリア群30を置く。
【0019】
キャリア群30は、重ねて置く予定数のキャリア31により構成される。
該キャリア31は、バスケット、パレット、キャビネット、ボックス、物件を搭載可能なあらゆる構造を含むが、これに限定されない。
但し、その共通条件は、堅固でスタッキング可能ということである。
該キャリア31中の搭載物件は、単一物件或いは多種類の物件である。
各キャリア31には、RFID(Radio Frequency IDentification)ラベル32を付加する。
該ラベル32は、そのラベル情報を繰り返し読み書きでき、該ラベル情報には、該キャリア31中の物件データを記載する。
該物件データは、物件シリアルナンバー、生産者データ、物件規格、生産時間、移転或いは提出時間、数、単価、合計価格、税額等を含むが、これに限定されない。
【0020】
キャリア検知装置22は、該ストレージエリア20に設置され、各ストレージロケーション21がキャリア群30を備えるか否かを検知し、及び該キャリア群30の各ラベル情報を読み取り、検知及び読み取り結果を、該中央制御システム10に伝送する。
該中央制御システム10は、ストレージロケーション21に基づき、各キャリア群30の各ラベル情報を記録する。
こうして、該中央制御システム10は、各キャリア31が位置する指定ストレージエリア20の指定ストレージロケーション21、及び各ストレージロケーション21が保存する物件(或いは物件グループ)を明確に記録する。
【0021】
動力輸送装置41は、公知の工業技術と装置によって、該動力輸送装置41と該パワーシフト装置40を連通させる。
該中央制御システム10は、該動力輸送装置41の移動行程、方向、固定位置を制御する。
該動力輸送装置41及び該パワーシフト装置40は、1個のキャリア群30を制御し、該中央制御システム10により指定された1個のストレージロケーション21へ進入させる。
該動力輸送装置41及び該パワーシフト装置40は、1個のキャリア群30の、それが所属するストレージロケーション21中からの移動を制御する。
【0022】
ゲート50は、該輸送装置と連通し、物件受け取りと物件取り出しの出入り口となる。
ストレージエリア20からの移動、或いは該ストレージエリア20への進入を待つキャリア群30は、該ゲート50に置かれる。
【0023】
該ゲート検知装置51は、該ゲート50がキャリア群30を備えるか否か、該キャリア群30が含むキャリア31の数、及び該キャリア群30の各ラベル情報を、該中央制御システム10に伝送し、これにより該中央制御システム10は、各キャリア31の所在位置を詳細に管理する。
【0024】
一時保存エリア60は、該ゲート50と連通し、該ゲート50から来た、かつキャリア31の数が予定値に未達のキャリア群30を受け入れる。
【0025】
一時保存検知装置61は、該一時保存エリア60がキャリア群30を備えるか否か、該キャリア群30のキャリア31の数、及び該キャリア群30の各ラベル情報を、該中央制御システム10に伝送する。
これにより該中央制御システム10は、各キャリア31の所在位置を詳細に管理する。
【0026】
本発明では、RFID繰り返し読み書き可能なラベル32を採用することで、ストレージデバイス管理者が、繰り返しラベルを剥がし、ラベルを貼り、ラベルを貼り間違え、或いはラベルが脱落する問題を回避できる。
ラベル情報は、該キャリア31中の物件データを記録し、キャリア31の物件が交換されると、元のラベル情報を消去し、新しいラベル情報を書き入れる。
【0027】
ストレージエリア20及びストレージロケーション21の管理方法及びプログラミング設計は、多種とすることができ、パワーシフト装置40及び動力輸送装置41の違いに応じて交換できる。
説明書開示性の要求に基づき、本発明は実施形態を運用して説明するが、本発明の実現方法を制限するものではない。
例えば、ストレージエリア20は、1個の専属コーディング(大文字のA、B、Cなど)を付与される。
各ストレージロケーション21も、1個の専属コーディング(数字の01、02、03、04など)を付与される。
よって、「A01」とは、Aストレージエリア20の01号ストレージロケーション21を表し、A09とは、Aストレージエリア20の第09号ストレージロケーション21を表す。
これら専属コーディングは、中央制御システム10中において、記録される。
【0028】
キャリア群30は、ストレージデバイス物件受け取りプロセスにおいて構築され、各キャリア31はストレージデバイスに入る前に、1個のRFIDのラベル32を付与され、完全なラベル情報が構築される。
この前提の下、物件受け取りプロセス中のストレージデバイス管理者は、キャリア内の物件を知る必要がなく、物件を分類する必要がなく、予定数の(6個などの数は中央制御システム10が予め設定)のキャリア31がスタッキングされて垂直列を呈すれば、前述の1個のキャリア群30を構成する。
各キャリア31は、1個のRFIDラベル32を有し、ラベル情報は、物件データ(小文字のa、b、cなど)である。
キャリア群30のキャリア31構築は、ランダムで、分類或いは配列編成を経由しない。
仮に1個のキャリア群30が6個のキャリア31を有するなら、a、b、c、d、e、fの6個のラベル情報を有する。
このキャリア群30は、前述のA01位置に置かれ、キャリア検知装置22は、ストレージロケーション21とラベル情報を読み取り、中央制御システム10に伝送する。
中央制御システム10は、この6個のラベル情報を、A01位置に付加し、記録する。
中央制御システム10において、ラベル情報を備えるストレージロケーション21は、キャリア群30を備えることを示し、ラベル情報を備えないストレージロケーション21は、空だということである。
【0029】
図4、
図5に示す通り、上述の装置及びキャリア群30の構築原則に基づき、本発明による動的アクセス管理方法(物件受け取りプロセス管理に関する部分)を実現する。
本発明による動的アクセス管理方法は以下のステップを含む。
ステップ一:該ゲート50は、前述の物件受け取りプロセスにより構築されたキャリア群30を受け取る。
ステップ二:該ゲート検知装置51は、該ゲート50のキャリア群30が含むキャリア31数を検知し、該中央制御システム10に伝送し、該中央制御システム10は、該キャリア31の数と所定値とを比較する。
ステップ三:キャリア31の数が所定値に満たないなら、該中央制御システム10は、該動力輸送装置41に、該キャリア31の数が不足しているキャリア群30を、該一時保存エリア60へ移し、ストレージエリア20に進入してはならないと命令する。キャリア31の数が所定値に符合するなら、該中央制御システム10は、該動力輸送装置41及び該パワーシフト装置40に、該ゲート50のキャリア群30を、該中央制御システム10により指定された空のストレージロケーション21に輸送するように命令する。キャリア31の数が所定値より多ければ、該中央制御システム10は警告メッセージを発し、該パワーシフト装置40と該動力輸送装置41は作動せず、ストレージデバイス管理者が余分なキャリア31を取り除くまで待つ。
ステップ四:該空のストレージロケーション21は、該ゲート50から来た該キャリア群30を受け取った後、該キャリア検知装置22は、ストレージロケーション21とラベル情報を、中央制御システム10に伝送して記録する。
【0030】
本発明による動的アクセス管理方法では、各ストレージロケーション21は確実に、キャリア群30がある形態とキャリア群30がない形態(即ち空)の2種の形態のみを有し、かつ各キャリア群30はすべて中央制御システム10が指定するキャリア31の数を有する。
こうすることで、ストレージデバイス方法は、ストレージエリア20の各ストレージロケーション21をすべてフル搭載にすることができる。
各ストレージロケーション21にどのような物件を保管するかは、中央制御システム10の位置情報とラベル情報により管理する。
中央制御システム10は確実に、各キャリア31中の物件が一切遺漏することなく、すべて、その所在のストレージロケーション21に記録されるようにする。
本発明による動的アクセス管理方法において、ストレージエリア20とストレージロケーション21及びキャリア群30、キャリア31の設置はすべて動的に管理され、事前の分類及び配列編成を行うことはない。
【0031】
図6、
図7に示す通り、本発明の物件取り出し方法は、上述のストレージデバイス及び動的アクセス管理方法に基づき、以下のステップを含む。
ステップ一:該中央制御システム10は、物件取り出し命令に含まれる物件取り出し条件に基づき、該ストレージエリア20の各ラベル情報を検索する。
ステップ二:該中央制御システム10は、該物件取り出し条件に符合するキャリア群30のストレージロケーション21を指摘する。ストレージロケーション21は1個であり、また数個である可能性がある。それは、物件取り出し条件に符合するキャリア31は、ストレージエリア20中にランダムに分布しているからである。
ステップ三:該中央制御システム10は、該動力輸送装置41及び該パワーシフト装置40を制御し、指摘されたストレージロケーション21からキャリア群30を取り出す。キャリア群30が、そのストレージロケーション21を離れると、該ストレージロケーション21のラベル情報は、自動的に消去される。ステップ二のように、数個のストレージロケーションが物件取り出し条件に符合するキャリア31を有するなら、該動力輸送装置41及び該パワーシフト装置40は、該中央制御システム10の指定順序に則り、指摘されたストレージロケーション21からキャリア群30を一つ一つ取り出す。
ステップ四:該中央制御システム10は、該動力輸送装置41を制御し、該ストレージロケーション21から取り出したキャリア群30を、該ゲート50へと輸送する。物件取り出し者(自然人或いはロボット)は、該ゲート50から該キャリア群30を取り出し、或いは該キャリア群30中から該物件取り出し条件に符合する1個、或いは数個のキャリア31を取り出す。本実施形態において、物件取り出し者がロボットなら、中央制御システム10は予め物件取り出しのラベル32のデータをロボットに伝送し、ロボットは、ラベル32データに基づき、目標キャリア31を迅速に探し出し、取り出す。
物件取り出し者が自然人なら、RFIDリーダーを使用して、ラベル32を読み取り、目標キャリア31を確認する。
該ゲート検知装置51が、ラベル情報読み取り後に、目標キャリア31を表示し、自然人物件取り出し者は目標キャリア31を取り出す。
ステップ五:物件取り出し後、該ゲート50に、物件取り出し条件に符合せず、取り出されないキャリア31が残っているなら、該中央制御システム10は、該動力輸送装置41に命令し、該残りのキャリア31を該一時保存エリア60に移す。
ステップ六:該一時保存エリア60は、該ゲート50から来た残りのキャリア31を受け取り、一時保存検知装置61は、該一時保存エリア60がキャリア群30を備えるか否か、該キャリア群30のキャリア31の数、及び該キャリア群30の各ラベル情報を、該中央制御システム10に伝送する。
これにより、該中央制御システム10は、詳細かつ確実に、各キャリア31を管理することができる。
【0032】
本発明の物件取り出し方法は、各ストレージロケーション21は確実に、キャリア群30がある形態とキャリア群30がない形態(即ち空)の2種の形態のみを有し、かつ各キャリア群30はすべて中央制御システム10が指定するキャリア31の数を有する。
こうすることで、ストレージデバイス方法は、ストレージエリア20の各ストレージロケーション21をすべてフル搭載にすることができ、キャリア31の数が不足しているキャリア群30は、一時保存エリア60中に組み入れられ、かつ中央制御システム10により管理される。
【0033】
図8~
図11に示す通り、本発明の一時保存エリア管理方法は、上述のストレージデバイスと動的アクセス管理方法に基づき、以下を含む。
ステップ一:該一時保存エリア60中のキャリア31をランダムに選択し、それをスタッキングし、予定数のキャリア群30とする。キャリア群30の構築は、発明を実施する形態に示す。
ステップ二:該一時保存エリア60に構築された該キャリア群30を該ゲート50に移し、該キャリア群が該一時保存エリア60を離れると、そのラベル情報は、該一時保存エリアから削除され、該ゲート検知装置51は、該一時保存エリア60から来た該キャリア群30が含むキャリア31の数を検知し、該中央制御システム10に伝送し、該中央制御システム10は、該キャリア31の数と所定値とを比較する。
ステップ三:キャリア31の数が所定値に満たないなら、該中央制御システム10は、該動力輸送装置41に、該キャリア31の数が不足しているキャリア群30を、該一時保存エリア60へ移し、ストレージエリア20に進入してはならないと命令する。キャリア31の数が所定値に符合するなら、該中央制御システム10は、該動力輸送装置41及び該パワーシフト装置40に、該ゲート50のキャリア群30を、該中央制御システム10により指定された空のストレージロケーション21に輸送するように命令する。キャリア31の数が所定値より多ければ、該中央制御システム10は警告メッセージを発し、該パワーシフト装置40と該動力輸送装置41は作動せず、ストレージデバイス管理者が余分なキャリア31を取り除くまで待つ。
ステップ四:該空のストレージロケーション21が該一時保存エリア60から移された該キャリア群30を受け取った後、該キャリア検知装置22は、該ストレージロケーション21の各ラベル情報を、該中央制御システム10に伝達し記録する。
【0034】
本発明による一時保存エリア管理方法は、一時保存エリア60に分散しているキャリア31を統合して1個(或いは多数)の完全なキャリア群30とし、こうして前述のキャリア群30の構築目的を維持する。ストレージデバイス管理者は、一時保存エリア60のキャリアの内容物件を事前に知る必要はなく、一時保存エリア60で物件を分類する必要もなく、予定数のキャリア31がスタッキングされて垂直列を呈すれば、前述の1個のキャリア群30を構成する。
キャリア群30、キャリア31の設置はすべて動的に指定され、事前の分類と配列編成を行う必要はない。
一時保存エリア60の分散キャリア31を統合して1個のキャリア群30とし、ストレージエリア20に輸送して保存し、前述の目的を維持し、各ストレージロケーション21は確実に、キャリア群30がある形態とキャリア群30がない形態(即ち空)の2種の形態のみを有し、かつ各キャリア群30はすべて中央制御システム10が指定するキャリア31の数を有する。
このようなストレージデバイス方法により、ストレージエリア20の各ストレージロケーション21はすべて完全に使用される。
【0035】
第二実施形態
本発明の第二実施形態と第一実施形態の最大の違いは、第二実施形態のストレージエリアは、パワーシフト装置を備えず、キャリア群を動かす動力輸送装置は、クレーンである。
キャリア群30、キャリア検知装置22、ゲート50、ゲート検知装置51、一時保存エリア60と一時保存検知装置61は、第一実施形態と同様であるため、ここでは詳述しない。
【0036】
図12~
図14に示す通り、第二実施形態のストレージエリア200には、予定数のストレージロケーション210を設立し、該ストレージロケーション210は、該中央制御システム100により記録され、各ストレージロケーション210には、キャリア群30を置く。
第二実施形態の動力輸送装置410は、クレーンである。
図に示す通り、クレーンのY軸軌道412、Y軸軌道412に沿って往復運行するX軸の軌道411、及びX軸軌道411に沿って往復運行し、かつ垂直(Z軸)に昇降する吊り具413を有する。
該中央制御システム100は、該吊り具413のX、Y、Zの三軸運動を制御し、これにより該キャリア群30を搭載し、ストレージロケーション210、ゲート50、或いは一時保存エリア60の範囲の上で移動させ、或いはストレージロケーション210、ゲート50、或いは一時保存エリア60においてキャリア群30を取り出し或いは設置する。
【0037】
本発明の第二実施形態は、動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)及び動的アクセス管理方法(物件受け取り、物件取り出し、物件保管のプロセス及び一時保存エリアの管理を含む)を提供する。
【0038】
第二実施形態の動的ストレージデバイス(Dynamic storage device)は、中央制御システム100と、以下を含む。
ストレージエリア200には、予定数のストレージロケーション210を設立し、該ストレージロケーション210は、該中央制御システム100により記録され、各ストレージロケーション210には、キャリア群30をランダムに設置する。
キャリア検知装置200は、該ストレージエリア200に設置され、該キャリア検知装置200は、各ストレージロケーション210がキャリア群30を備えるか否かの感知結果、及び該キャリア群30の各ラベル情報を読み取り、該中央制御システム100に伝達する。
該中央制御システム100は、ストレージロケーション210に基づき、各キャリア群30のラベル情報を記録する。
該中央制御システム100は、該動力輸送装置410の移動を制御し、該キャリア群30を、該中央制御システム100により指定される1個のストレージロケーション210に置き、或いは該ストレージロケーション210中から移動させる。
ゲート500は、該ストレージエリア200に近い位置に位置する。
該ストレージエリア200から移動させられる、或いは該ストレージエリア200への進入を待つ該キャリア群30は、該ゲート500に位置する。
該ゲート500には、ゲート検知装置510を設置し、該ゲート検知装置510は、該ゲート500がキャリア群30を備えるか否か、該キャリア群30が含むキャリア31の数、及び該キャリア群30の各ラベル情報を、該中央制御システム100に伝達する。
一時保存エリア600は、該ゲート500と連通し、該ゲート500から来て、かつキャリア31の数が予定値に未達のキャリア群30を受け取る。
該一時保存エリア600には、一時保存検知装置610を設置し、該一時保存検知装置610は、該一時保存エリア600がキャリア群30を備えるか否か、該キャリア群30のキャリア31の数、及び該キャリア群30の各ラベル情報を、該中央制御システム100に伝達する。
【0039】
第二実施形態の動的アクセス管理方法は、以下を含む。
ステップ一:該ゲート500は、物件受け取りプロセスにより構築されたキャリア群30を受け取る。
ステップ二:該ゲート検知装置510は、該ゲート500のキャリア群30が含むキャリア31の数を検知し、該中央制御システム100に伝達し、該中央制御システム100は、該キャリア31の数と所定値とを比較する。
ステップ三:キャリア31の数が所定値に満たないなら、該中央制御システム100は、該動力輸送装置410に、該ゲート500のキャリア群30を該一時保存エリア600に移すよう命令する。
キャリア31の数が所定値に符合するなら、該中央制御システム100は該動力輸送装置410に、該ゲート500のキャリア群30を、該中央制御システム100が指定する1個の空のストレージロケーション210に移すよう命令し、キャリア31の数が所定値より多ければ、該中央制御システム100は警告メッセージを発し、該パワーシフト装置は、余分なキャリア31が除去されるまで待つ。
ステップ四:該空のストレージロケーション210は、該ゲート500から来た該キャリア群30を受け取った後、対応する該キャリア検知装置200は、該キャリア群30の各ラベル情報を、該中央制御システム100に伝達し、これを記録する。
【0040】
第二実施形態の物件取り出し方法は、以下を含む。
ステップ一:該中央制御システム100は、物件取り出し命令に含まれる物件取り出し条件に基づき、該ストレージエリア200の各ラベル情報を探す。
ステップ二:該中央制御システム100は、該物件取り出し条件に符合するキャリア群30のストレージロケーション210を指示する。
ステップ三:該中央制御システム100は、該動力輸送装置410を制御し、指摘されたストレージロケーション210から、該キャリア群30を取り出し、キャリア群30が、そのストレージロケーション210を離れると、該ストレージロケーション210のラベル情報は、自動的に消去される。
ステップ四:該中央制御システム100は、該動力輸送装置410を制御し、該ストレージロケーション210から取り出したキャリア群30を該ゲート500に移し、物件取り出し者は、該ゲート500から該キャリア群30を取り出し、或いは該キャリア群30中から該物件取り出し条件に符合する一或いは数個のキャリア31を取り出す。
ステップ五:物件取り出し後、該ゲート500に、物件取り出し条件に符合せず、取り出されないキャリア31が残っているなら、該中央制御システム100は、該動力輸送装置410に、該残りのキャリア31を、該一時保存エリア600に移すように命令する。
ステップ六:該一時保存エリア600は、該ゲート500から来た残りのキャリア31を受け取り、該一時保存検知装置610は、該一時保存エリア600がキャリア群30を備えるか否か、該キャリア群30のキャリア31の数、及び該キャリア群30の各ラベル情報を、該中央制御システム100に伝達し、これを記録する。
【0041】
第二実施形態の一時保存エリア600管理方法は、以下を含む。
ステップ一:該一時保存エリア600中のキャリア31をランダムに選択し、それをスタッキングし、予定数のキャリア群30とする。
ステップ二:該中央制御システム100は、該動力輸送装置410に、該一時保存エリア600の該キャリア群30を該ゲート500に移すよう命令し、該キャリア群30が該一時保存エリア600を離れると、該キャリア群30のラベル情報は、該一時保存エリア600から削除され、該ゲート検知装置510は、該一時保存エリア600から来た該キャリア群30が含むキャリア31の数を検知し、該中央制御システム100に伝達し、該中央制御システム100は、該キャリア31の数と所定値とを比較する。
ステップ三:キャリア31の数が所定値に満たないなら、該中央制御システム100は、該動力輸送装置410に、該ゲート500のキャリア群30を、該一時保存エリア600に戻すように命令し、キャリア31の数が所定値に符合するなら、該中央制御システム100は、該動力輸送装置410に、該ゲート500のキャリア群30を該中央制御システム100が指定する1個の空のストレージロケーション210に輸送するよう命令し、キャリア31の数が所定値より多ければ、該中央制御システム100は警告メッセージを発し、該パワーシフト装置は、余分なキャリア31が除去されるまで待つ。
ステップ四:該空のストレージロケーション210は、該一時保存エリア600から移された該キャリア群30を受け取った後、該キャリア検知装置200は、該ストレージロケーション210の各ラベル情報を、該中央制御システム100に伝達し、これを記録する。
【0042】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0043】
10 中央制御システム
20 ストレージエリア
21 ストレージロケーション
22 キャリア検知装置
30 キャリア群
31 キャリア
32 ラベル
40 パワーシフト装置
41 動力輸送装置
50 ゲート
51 ゲート検知装置
60 一時保存エリア
61 一時保存検知装置
100 中央制御システム
200 ストレージエリア
210 ストレージロケーション
220 キャリア検知装置
410 動力輸送装置
411 X軸軌道
412 Y軸軌道
413 吊り具
500 ゲート
510 ゲート検知装置
600 一時保存エリア
610 一時保存検知装置
【国際調査報告】