(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】スクリーン内指紋識別装置と電子機器
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20220124BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
G06T1/00 400G
G02F1/1333
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2019563898
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(85)【翻訳文提出日】2019-11-13
(86)【国際出願番号】 CN2019100560
(87)【国際公開番号】W WO2021026806
(87)【国際公開日】2021-02-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519405824
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司南京分公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING XIAOMI MOBILE SOFTWARE CO., LTD. NANJING BRANCH
【住所又は居所原語表記】Room 1001, 10th Floor, Building 3, No. 8 Bailongjiang East Street, Jianye District, Nanjing, Jiangsu 210019, China
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鄭 智仁
(72)【発明者】
【氏名】呉 倉志
(72)【発明者】
【氏名】許 哲叡
【テーマコード(参考)】
2H189
5B047
【Fターム(参考)】
2H189AA16
2H189LA02
2H189LA10
2H189LA14
2H189LA20
2H189LA27
2H189LA31
5B047AA25
5B047BB04
5B047BC04
5B047BC09
5B047BC11
5B047CA23
(57)【要約】
本発明は、スクリーン内指紋識別装置と電子機器に関し、スクリーン内指紋装置は、ディスプレイパネルと指紋識別モジュールを含み、ディスプレイパネルは、順次積層されたバックライトモジュールと、液晶層と、ガラスカバー板とを含み、ガラスカバー板は、指紋識別領域を含み、指紋識別モジュールは、光源と、受光素子と、導光層とを含み、導光層は、光源から発光した光をガラスカバー板内で反射させた後、指紋識別領域へ案内するように、少なくとも前記ガラスカバー板の対向する側面の一部をそれぞれ覆い、受光素子は、光源から発光した光が指紋識別領域において指で反射された後の光信号を受光するように、前記ディスプレイパネル内に設置されると共に、指紋識別領域に対応する。本発明は、指紋識別モジュールをバックライトモジュールを備えるディスプレイパネル内に設置することにより、スクリーン内の光学指紋検出を実現し、導光層により、光源から発光した光をガラスカバー板内での反射を経て光伝播を行わせることによって、光信号の検出回路を実現し、これにより、スクリーン内の光学指紋識別を実現する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルと指紋識別モジュールを含み、
前記ディスプレイパネルは、順次積層されたバックライトモジュールと、液晶層と、ガラスカバー板とを含み、前記ガラスカバー板は、指紋識別領域を含み、
前記指紋識別モジュールは、光源と、受光素子と、前記ガラスカバー板に設置された導光層とを含み、
前記導光層は、前記光源から発光した光を前記ガラスカバー板内で反射させた後、前記指紋識別領域へ案内するように、少なくとも前記ガラスカバー板の対向する側面の一部をそれぞれ覆い、
前記受光素子は、前記光源から発光した光が前記指紋識別領域において指で反射された後の光信号を受光するように、前記ディスプレイパネル内に設置されると共に、前記指紋識別領域に対応する、
ことを特徴とするスクリーン内指紋識別装置。
【請求項2】
前記光源から発光した光は、2n回の反射を経た後、前記指紋識別領域へ案内され、nは、1以上の自然数である
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項3】
前記導光層の屈折率は、前記ガラスカバー板の屈折率と空気の屈折率との間に介在し、且つ前記光源から発光した光と前記導光層との入射角は、前記導光層の臨界角よりも大きい
ことを特徴とする請求項2に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項4】
前記導光層は、前記ガラスカバー板の対向する側面の光反射点の位置に覆われている
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項5】
前記導光層は、前記ガラスカバー板に覆われ、且つ前記指紋識別領域に対応するように孔を開けて設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項6】
前記ディスプレイパネルは、前記液晶層を駆動するTFT層をさらに含み、前記受光素子は、前記TFT層と前記液晶層との間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項7】
前記ディスプレイパネルは、前記液晶層と前記ガラスカバー板との間に設置されるカラーフィルタをさらに含み、前記受光素子は、前記液晶層と前記カラーフィルタとの間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項8】
前記ディスプレイパネルは、前記液晶層と前記ガラスカバー板との間に設置されるカラーフィルタをさらに含み、前記受光素子は、前記カラーフィルタと前記ガラスカバー板との間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項9】
前記受光素子は、複数の種類の光学センサーを含み、前記複数の種類の光学センサーは、前記光源から発光した異なる経路の光を対応的に受光する
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項10】
前記ガラスカバー板のサイズは、前記液晶層のサイズよりも大きく、
前記光源は、前記ガラスカバー板の前記液晶層を超える部分の下方に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項11】
前記指紋識別モジュールは、前記光源と前記ガラスカバー板との間に設置されるコリメータをさらに含み、前記コリメータは、前記ガラスカバー板の上記液晶層を超える部分の下方に位置し、前記光源から発光した光は、前記コリメータでコリメーション処理を行った後、前記ガラスカバー板へ照射される
ことを特徴とする請求項10に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項12】
前記光源が赤外線光源である場合、前記指紋識別モジュールは、前記ガラスカバー板に貼り付けられる赤外線透過膜をさらに含み、前記赤外線透過膜は、前記光源が前記ガラスカバー板に入射される入射側に対応的に設置されている
ことを特徴とする請求項10に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項13】
前記指紋識別モジュールは、前記受光素子と電気的に接続される信号検出回路をさらに含み、前記信号検出回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタとを含み、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、リセット信号に接続され、前記第1のトランジスタのドレイン電極は、リセット電圧に接続され、前記第1のトランジスタのソース電極は、受光素子に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、受光素子に接続され、前記第2のトランジスタのドレイン電極は、電源電圧に接続され、前記第2のトランジスタのソース電極は、前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、選択信号に接続され、前記第3のトランジスタのソース電極は、それぞれ電圧収集回路及びグランドに接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン内指紋識別装置。
【請求項14】
スクリーン内指紋識別装置を含み、
前記スクリーン内指紋識別装置は、ディスプレイパネルと指紋識別モジュールを含み、
前記ディスプレイパネルは、順次積層されたバックライトモジュールと、液晶層と、ガラスカバー板とを含み、前記ガラスカバー板は、指紋識別領域を含み、前記指紋識別モジュールは、光源と、受光素子と、前記ガラスカバー板に設置された導光層とを含み、
前記導光層は、前記光源から発光した光を前記ガラスカバー板内で反射させた後、前記指紋識別領域へ案内するように、少なくとも前記ガラスカバー板の対向する側面の一部をそれぞれ覆い、
前記受光素子は、前記光源から発光した光が前記指紋識別領域において指で反射された後の光信号を受光するように、前記ディスプレイパネル内に設置されると共に、前記指紋識別領域に対応する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項15】
前記光源から発光した光は、2n回の反射を経た後、前記指紋識別領域へ案内され、nは、1以上の自然数である
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記導光層の屈折率は、前記ガラスカバー板の屈折率と空気の屈折率の間に介在し、且つ前記光源から発光した光と前記ガラスカバー板との入射角は、前記ガラスカバー板と空気との間の臨界角に対応する入射角よりも大きい
ことを特徴とする請求項15に記載の電子機器。
【請求項17】
前記導光層は、前記ガラスカバー板の対向する側面の光反射点の位置に覆われている
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項18】
前記導光層は、前記ガラスカバー板に覆われ、且つ前記指紋識別領域に対応するように孔を開けて設置されている
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項19】
前記ディスプレイパネルは、前記液晶層を駆動するTFT層をさらに含み、前記受光素子は、前記TFT層と前記液晶層との間に位置する
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項20】
前記ディスプレイパネルは、前記液晶層と前記ガラスカバー板との間に設置されるカラーフィルタをさらに含み、前記受光素子は、前記液晶層と前記カラーフィルタとの間に位置する
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項21】
前記ディスプレイパネルは、前記液晶層と前記ガラスカバー板との間に設置されるカラーフィルタをさらに含み、前記受光素子は、前記カラーフィルタと前記ガラスカバー板との間に位置する
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項22】
前記受光素子は、複数の種類の光学センサーを含み、前記複数の種類の光学センサーは、前記光源から発光した異なる経路の光を対応的に受光する
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項23】
前記ガラスカバー板のサイズは、前記液晶層のサイズよりも大きい、
前記光源は、前記ガラスカバー板の前記液晶層を超える部分の下方に位置する
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項24】
前記指紋識別モジュールは、前記光源と前記ガラスカバー板との間に設置されるコリメータをさらに含み、前記コリメータは、前記ガラスカバー板の上記液晶層を超える部分の下方に位置し、前記光源から発光した光は、前記コリメータでコリメーション処理を行った後、前記ガラスカバー板へ照射される
ことを特徴とする請求項23に記載の電子機器。
【請求項25】
前記光源が赤外線光源である場合、前記指紋識別モジュールは、前記ガラスカバー板に貼り付けられる赤外線透過膜をさらに含み、前記赤外線透過膜は、前記光源が前記ガラスカバー板に入射される入射側に対応的に設置されている
ことを特徴とする請求項23に記載の電子機器。
【請求項26】
前記指紋識別モジュールは、前記受光素子と電気的に接続される信号検出回路をさらに含み、前記信号検出回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタとを含み、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、リセット信号に接続され、前記第1のトランジスタのドレイン電極は、リセット電圧に接続され、前記第1のトランジスタのソース電極は、受光素子に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、受光素子に接続され、前記第2のトランジスタのドレイン電極は、電源電圧に接続され、前記第2のトランジスタのソース電極は、前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、選択信号に接続され、前記第3のトランジスタのソース電極は、それぞれ電圧収集回路及びグランドに接続されている
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物識別技術分野に係り、特に、スクリーン内指紋識別装置と電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
フルスクリーン時代の到来に伴い、スクリーン内指紋識別技術は、日々進歩している。現在、スクリーン内指紋識別は、主に有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)スクリーンに適用されており、その原理は、OLEDスクリーン内の指紋識別モジュールがOLEDスクリーン自体の備える光透過特性を利用して、OLEDスクリーン自体から発した指の反射により形成された反射光を受光して、指紋を検出することである。
【0003】
しかしながら、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)スクリーンの発光原理と具体的な構造は、OLEDスクリーンと異なるため、LCDスクリーンのバックライトモジュールは、光非透過特性を備える。したがって、OLEDスクリーン内指紋識別方式は、LCDスクリーンに適用することができない。
【0004】
したがって、LCDスクリーン内の光学指紋識別をどのように実装するのは、当該分野で早急に解決する必要がある技術的な問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような技術的な問題を解決するために、本発明は、LCDスクリーンに適用することができるスクリーン内指紋識別装置と電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によると、
ディスプレイパネルと指紋識別モジュールを含み、
前記ディスプレイパネルは、順次積層されたバックライトモジュールと、液晶層と、ガラスカバー板とを含み、前記ガラスカバー板は、指紋識別領域を含み、
前記指紋識別モジュールは、光源と、受光素子と、前記ガラスカバー板に設置された導光層とを含み、
前記導光層は、前記光源から発光した光を前記ガラスカバー板内で反射させた後、前記指紋識別領域へ案内するように、少なくとも前記ガラスカバー板の対向する側面の一部をそれぞれ覆い、
前記受光素子は、前記光源から発光した光が前記指紋識別領域において指で反射された後の光信号を受光するように、前記ディスプレイパネル内に設置されると共に、前記指紋識別領域に対応するスクリーン内指紋識別装置を提供する。
【0007】
本発明の第2の態様によると、
スクリーン内指紋識別装置を含み、
前記スクリーン内指紋識別装置は、ディスプレイパネルと指紋識別モジュールを含み、
前記ディスプレイパネルは、順次積層されたバックライトモジュールと、液晶層と、ガラスカバー板とを含み、前記ガラスカバー板は、指紋識別領域を含み、前記指紋識別モジュールは、光源と、受光素子と、前記ガラスカバー板に設置された導光層とを含み、
前記導光層は、前記光源から発光した光を前記ガラスカバー板内で反射させた後、前記指紋識別領域へ案内するように、少なくとも前記ガラスカバー板の対向する側面の一部をそれぞれ覆い、
前記受光素子は、前記光源から発光した光が前記指紋識別領域において指で反射された後の光信号を受光するように、前記ディスプレイパネル内に設置されると共に、前記指紋識別領域に対応する電子機器を提供する。
【0008】
本発明の実施例で提供される技術方案は、以下のような有益な効果を含んでもよい。本発明は、スクリーン内指紋識別装置と電子機器を提供し、指紋識別モジュールをバックライトモジュールを備えるディスプレイパネル内に設置することで、スクリーン内の光学指紋検出を実現し、その指紋識別モジュールの光源から発光した光は、ガラスカバー板に覆われた導光層によりガラスカバー板上の指紋識別領域に案内されて、指で反射された後、受光素子により受光される。本発明は、ガラスカバー板上に設置される導光層により、光源から発光した光をガラスカバー板内での反射を経て光伝播を行わせることによって、光信号の検出回路を実現し、これにより、LCDのスクリーン内の光学指紋識別を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、本発明の実施例における技術案をさらに明瞭に説明するために、実施例の説明に使用する必要がある図面に対して簡単に紹介する。なお、以下の記載における図面はただ本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者の場合、創造的な労働をしない前提で、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一例示的な実施例に係る電子機器の構造模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の一例示的な実施例に係るスクリーン内指紋識別装置の構造模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の一例示的な実施例に係るスクリーン内指紋識別装置における指紋識別モジュールの構造模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の一例示的な実施例に係るスクリーン内指紋識別装置における受光素子が信号を収集する回路模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例における図面を結合して、本発明の実施例における技術案をより明確且つ完全に説明する。なお、説明される実施例は、単に本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて、創造的な労働をしていない前提で獲得する他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0012】
以下、図面を結合して、本発明のいくつかの実施方式に対して詳細な説明を行い、互いに矛盾しない限り、下記の実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施例に係るスクリーン内指紋識別装置は、様々な電子機器100に適用されることができ、具体的には、ディスプレイスクリーンを備える電子機器100に適用することができ、当該電子機器100は、例えば、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPC、ゲーム機器などの携帯型または移動型のコンピューティング機器、電子データベース、自動車、銀行の現金自動預け払い機(automated teller machine、ATM)など他の電子機器であってもよいが、本発明の実施例は、これに対して限定せず、図面では、スマートフォンを例として示している。
【0014】
このスクリーン内指紋識別装置は、ディスプレイパネル10と指紋識別モジュールを含み、当該ディスプレイパネル10は、液晶ディスプレイスクリーン(Liquid Crystal Display、LCD)または他の受動発光ディスプレイであってもよい。ここで、具体的には、当該ディスプレイパネル10は、タッチディスプレイスクリーンであってもよい、当該ディスプレイパネル10は、画面表示を行うだけでなく、ユーザーのタッチまたは押圧操作を検出することができ、これにより、ユーザーにインタラクティブインタフェースを提供する。例えば、一実施例において、当該ディスプレイパネル10は、タッチセンサーを含んでもよく、具体的には、タッチセンサーは、タッチパネル(Touch Panel、TP)であってもよい、ディスプレイスクリーンの表面に設置されてもよく、前記ディスプレイスクリーンの内部に部分的に集積または全体的に集積されることで、タッチディスプレイスクリーンを形成してもよい。
【0015】
図2に示すように、当該ディスプレイパネル10は、順次積層されたバックライトモジュール(図示せず)と、TFT(Thin Film Transistor、薄膜電界効果トランジスタ)層12と、液晶層13と、ガラスカバー板15とを含み、そのTFT層12は、液晶層13を駆動するためのものである。もちろん、本発明のディスプレイパネル10は、このような構造の層に限定されず、使用の必要に応じて、偏光板、ITO透明導電層及びゴムフレームなどの構造層をさらに含んでもよい。
【0016】
本発明のガラスカバー板15は、指紋識別領域151を含み、その指紋識別領域151は、指紋識別モジュールが指紋を識別することができるように、ユーザーが対応的に指紋を押圧するための光透過領域である。ここで、当該指紋識別領域151は、使用の需要に応じて前記ガラスカバー板15の任意の位置に設置されてもよく、当該ガラスカバー板15は、透明保護カバー板である。
【0017】
その指紋識別モジュールは、光源21と、受光素子25と、ガラスカバー板15に設置された導光層24とを含む。ここで、導光層24は、光源21から発光した光をガラスカバー板15内で反射させた後、指紋識別領域151へ案内するように、少なくともガラスカバー板15の対向する側面の一部をそれぞれ覆っている。本実施例において、当該光源21は、赤外線光源であってもよく、当該赤外線光源は、赤外線LED光源、赤外線垂直キャビティ面発光レーザー、赤外線レーザーダイオードなどを選択して使用してもよい。もちろん、その他の実施例において、当該光源21は、他の可視光等であってもよい。
【0018】
一実施形態において、当該導光層24は、光源21から発光した光をガラスカバー板15内で反射させた後、指紋識別領域151へ案内することができるように、ガラスカバー板15の対向する側面の光反射点の位置に覆っている。その光反射点の位置は、光源21の入射光とガラスカバー板15との間の角度と関連し、入射光とガラスカバー板15との間の角度及びガラスカバー板15の厚さに基づいて、ガラスカバー板15上の光反射点の位置を計算することができる。他の好ましい実施例において、当該導光層24は、ガラスカバー板15に覆うことができると共に、指紋識別領域151に対応するように孔を開けて設置され、即ち、当該ガラスカバー板15の両側の当該指紋識別領域151以外の他の位置は、いずれも導光層24で覆われ、これにより、ディスプレイパネル10は、色調が均一化される表示効果を有し、視覚色差により観覧効果に影響を与えることを回避することができる。
【0019】
本発明の実施例において、光源21から発光した光は、2n回の反射を経た後、指紋識別領域151へ案内され、nは、1以上の自然数である。ユーザーが指紋識別を行う時、指をガラスカバー板15の上面に押圧するため、光源21から発光した光は、2n回の反射を経て指へ照射される必要がある。具体的には、当該光源21から発光した光は、ガラスカバー板15の下面からガラスカバー板15内に入射され、先にガラスカバー板15の上面で反射し、その後、ガラスカバー板15の下面に照射され、再び反射された後、ガラスカバー板15の上面に照射され、このように繰り返す。
【0020】
なお、ガラスカバー板15の上面と下面は、ディスプレイパネル10の光出射方向によって定義される。具体的には、ガラスカバー板15のバックライトモジュールに近い側の面は、下面であり、バックライトモジュールから離れた側の面は、上面である。
【0021】
ここで、当該導光層24の屈折率は、ガラスカバー板15の屈折率と空気の屈折率との間に介在し、これにより、当該導光層24は、光がガラスカバー板15内で全反射を起こしように制限されることを満足することができる。さらに、当該光源21から発光した光と導光層24との入射角は、導光層24の臨界角よりも大きい必要があり、光と導光層との入射角は、光源21の発射光がガラスカバー板15において導光層24との間の角度であり、これにより、本発明の導光層24を用いることにより、光源21の光をガラスカバー板15内で全反射させることができ、その導光層24は、ガラスカバー板15の表面の凹凸やいくつかの微粒が存在することによって光の全反射に影響を与えない。
【0022】
本発明の受光素子25は、光源21から発光した光が指紋識別領域151において指で反射された光信号を受光するように、ディスプレイパネル10内に設置されると共に、指紋識別領域151に対応する。具体的には、光源21からのガラスカバー板15での入射光とガラスカバー板15とは、角度を形成し、且つガラスカバー板15は、一定の厚さを有するため、指紋識別領域151は、全体として傾斜に設置され、その指紋識別領域151の中心線とガラスカバー板15との角度と、光源21の入射光とガラスカバー板15との角度とは、相補的である。対応的に、当該受光素子25の中心点は、指紋識別領域151の中心線上に位置する。
【0023】
さらに、当該受光素子25は、受光された光信号に基づいて、指の指紋情報を生成する。したがって、ユーザーは、電子機器に対してロックを解除し、または、他の指紋検証を行う必要がある場合、指をガラスカバー板15の指紋識別領域151に押圧するだけで、スクリーン内の指紋識別モジュールの作用により、指紋入力を実現することができ、これにより、フルスクリーンの方式を実現することができる。
【0024】
もちろん、本発明の実施例の技術案は、指紋識別に加え、例えば、生体識別などの他の生物特徴の識別を行うこともでき、本発明の実施例は、これに限定されない。
【0025】
本発明の実施例において、当該ガラスカバー板15のサイズは、液晶層13のサイズよりも大きく、その光源21は、ガラスカバー板15の液晶層13を超過した部分の下方に位置することにより、当該光源21は、液晶層13の表示効果に影響を及ぼさない。この実施例において、当該光源21は、ディスプレイパネル10の縁に設置され、且つ液晶層13およびTFT層12の少なくとも1つの側端または他の構造層の側端に位置することにより、光源21がディスプレイパネル10における表示領域に影響を与えることを回避することができる。
【0026】
もちろん、他の実施例において、ディスプレイパネル10のレイアウト需要に基づいて、その光源21は、液晶層13とバックライトモジュールとの間に設置されてもよい。具体的には、当該光源21は、液晶層13とTFT層12との間に設置され、または、TFT層12とバックライトモジュールとの間に設置されてもよい。
【0027】
その指紋識別モジュールは、光源21とガラスカバー板15との間に設置されるコリメータ22(collimator)をさらに含み、当該コリメータ22も、ガラスカバー板15の液晶層13を超過した部分の下方に位置することにより、コリメータ22がディスプレイパネル10の表示効果に影響を与えることを回避する。具体的には、当該コリメータ22は、液晶層13およびTFT層12の少なくとも1つの側端または他の構造層の側端に設置されてもよい。ここで、光源21から発光した光は、コリメータ22でコリメーション処理を経た後、ガラスカバー板15へ照射され、そのコリメータ22は、光源21から発光した発散光を平行光に変換し、これにより、光信号を最大効率で受光素子25によって受光することができる。
【0028】
図3に示すように、受光素子25は、複数の種類の光学センサー251を含み、複数の種類の光学センサー251は、光源21から発光した異なる経路の光を対応的に受光するためのものであり、その異なる経路の光の色や波長などは、異なっても良い。本実施例において、複数の種類の光学センサー251が対応的に設置されて、異なる光路上の光線を受光することにより、コリメータ22でコリメーション処理を行った後の光は、コリメートされて混光しない効果を実現する。
【0029】
なお、再び
図2を参照すると、光源21が赤外線光源である場合、その指紋識別モジュールは、ガラスカバー板15に貼り付けられた赤外線透過膜23をさらに含み、当該赤外線透過膜23は、光源21がガラスカバー板15に入射される入射側に対応的に設置され、即ち、ガラスカバー板15の液晶層13を超える部分の下面に設置される。この赤外線透過膜23の設計により、他の迷光をフィルタリングすることができ、赤外線光のみをガラスカバー板15内に透過させる。ここで、その赤外線透過膜としては、赤外線透過インクを選択して使用してもよい。
【0030】
本発明において、導光層24とガラスカバー板15との屈折率及び光源21の光入射角を設計することにより、光源21から発光した光は、コリメータ22のコリメーション処理を経た後、赤外線透過膜23の層を通過してガラスカバー板15に進入し、導光層24を用いることにより、入射光をガラスカバー板15内で全反射させて指紋識別領域151に到達する。指を指紋識別領域151に押圧した後、光路は、指の谷の全反射とリッジの吸収を経て、コントラストの強い信号光強度を形成し、この信号は、同様の角度により、ディスプレイパネル10内の受光素子25に進入することにより、受光素子25により光信号を収集し、このように、指紋結像を実現する。
【0031】
受光素子25の位置設定について、本発明は、さらに限定を行う。
【0032】
一実施形態において、本発明の受光素子25は、TFT層12と液晶層13との間に位置し、その受光素子25の具体的な位置は、光源21の入射光の角度及びガラスカバー板15内での反射経路に基づいて設定され、最終的には、指で反射される光信号がいずれも受光素子25により受光されることを満足する必要がある。
【0033】
他の一実施例において、当該ディスプレイパネル10は、液晶層13とガラスカバー板15との間に設置されるカラーフィルタ14をさらに含む。ここで、当該受光素子25は、液晶層13とカラーフィルタ14との間に位置し、または、カラーフィルタ14とガラスカバー板15との間に位置してもよい。この受光素子25の具体的な位置は、光源21の入射光の角度及びガラスカバー板15内での反射経路に基づいて設定され、最終的には、指で反射される光信号がいずれも受光素子25により受光されることを満足する必要がある。
【0034】
図4及び
図5と
図2を併せて参照されるように、指紋識別モジュールは、受光素子25と電気的に接続される信号検出回路をさらに含み、その信号検出回路は、受光素子25と協力して前記受光素子25により受光された光信号を取得する。具体的には、当該信号検出回路は、第1のトランジスタM1と、第2のトランジスタM2と、第3のトランジスタM3とを含む。ここで、第1のトランジスタM1のゲート電極Gは、リセット信号に接続され、第1のトランジスタM1のドレイン電極Dは、リセット電圧に接続され、第1のトランジスタM1のソース電極Sは、受光素子25に接続され、第2のトランジスタM2のゲート電極Gは、受光素子25に接続され、第2のトランジスタM2のドレイン電極Dは、電源電圧に接続され、第2のトランジスタM2のソース電極Sは、第3のトランジスタM3のドレイン電極Dに接続され、第3のトランジスタM3のゲート電極Gは、選択信号に接続され、第3のトランジスタM3のソース電極Sは、それぞれ電圧収集回路及びグランドに接続される。ここで、当該第1のトランジスタM1と第3のトランジスタM3は、スイッチとして使用される。
【0035】
受光素子25が光信号の検出を行う場合、当該第1のトランジスタM1のドレイン電極Dは、リセット電圧を受信して受光素子25をリセットし、同時に、時間t1において電圧収集回路によりP点の電圧(P点の電圧は、M2を経てQ点の電圧を反映する)を読み出して、T1時間の光蓄積を経た後、t2において第3のトランジスタM3を再びオンにしてP点の電圧を読み出して、最後にこの2つの時刻の電圧を減算することで、蓄積された光信号を得ることができる。この信号検出回路の設計構造は、リセットと読み出しシーケンスの制御が非常に大きい柔軟性を備えるようにする。
【0036】
本発明は、スクリーン内指紋識別装置と電子機器を提供し、指紋識別モジュールをバックライトモジュールを備えるディスプレイパネル内に設置することで、スクリーン内の光学指紋検出を実現し、その指紋識別モジュールの光源から発光した光は、ガラスカバー板に覆われた導光層によりガラスカバー板上の指紋識別領域に案内されて、指で反射された後、受光素子により受光され、受光素子は、受光された光信号に基づいて、指の指紋情報を生成する。なお、受光素子の信号検出回路の構造を設計することにより、指紋識別のリセットと読み出しシーケンスの制御が非常に大きい柔軟性を備えるようにする。本発明は、ガラスカバー板に設置される導光層により、光源から発光した光をガラスカバー板内での反射を経て光伝播を行わせることによって、光信号の検出回路を実現し、これにより、LCDのスクリーン内の光学指紋識別を実現する。
【0037】
装置の実施例において、当該実施例は、基本的に方法の実施例と対応するため、関連する内容は、方法の実施例の部分の説明を参照すればよい。以上に説明した装置の実施例は、単に例示的なものであり、ここで、分離部品として説明したユニットは、物理的に分離されてもよく、物理的に分離されないでもよく、ユニットに表示された部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットではなくてもよい。即ち、1つの箇所に位置してもよく、または、複数のネットワークユニットに分布されてもよく、実際の必要に応じて、その中の一部または全部のモジュールを選択して、本発明の実施例の目的を達成することができ、当業者は、創造的な労働をすることなく、これを理解して実施することができる。
【0038】
なお、本発明において、第1の、第2のなどの関係的な用語は、1つの実体または操作を他の1つの実体または操作と区別するだけで使用されるものであり、これらの実体または操作の間に任意の実際的な関係または順序が存在することを要求したり暗示したりするものではない。「含む」という用語またはその任意の他の変形的な用語は、非排他的な包含の場合を含めて、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置がこれらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含み、このようなプロセスは、方法、物品、または装置に固有する要素をさらに含むことができる。特に制限されない場合、「1つの…を含む」という用語により限定する要素は、上記の要素を含むプロセス、方法、物品または装置において他の同じ要素があることを排除するものではない。
【0039】
以上、本発明の実施例で提供される方法と装置について詳細に説明した。本発明において、具体的な示例を適用して、本発明の原理及び実施形態について説明した。上記の実施例の説明は、単に本発明の方法及びその核心思想の理解を助けるためのものであり、本分野の当業者は、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態および適用範囲の適切な変更が可能であり、以上のように、本明細書の内容は、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】