(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】光散乱検出器及び光散乱検出器のための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/47 20060101AFI20220124BHJP
G01N 15/00 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
G01N21/47 Z
G01N15/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020522344
(86)(22)【出願日】2019-01-02
(85)【翻訳文提出日】2020-04-15
(86)【国際出願番号】 US2019012095
(87)【国際公開番号】W WO2020142096
(87)【国際公開日】2020-07-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520132377
【氏名又は名称】エム アンド ジェイ サイエンティフィック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘイニー マックス
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー マイケル ピー.
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA02
2G059AA03
2G059BB04
2G059DD12
2G059EE02
2G059GG01
2G059JJ11
2G059JJ12
2G059JJ13
2G059KK01
2G059MM01
(57)【要約】
光散乱検出器を使用して溶液内粒子の回転半径を求める方法が提供される。方法は、サンプルセル内の流路を通して溶液を通過させることと、検出器の第1の角度及び第2の角度についてそれぞれの角度正規化係数を求めることと、第1の角度における溶液内粒子の第1の散乱強度を取得することと、第2の角度における溶液内粒子の第2の散乱強度を取得することと、約10度の角度における溶液内粒子の10度散乱強度を取得することと、第1の粒子散乱係数を求めることと、第2の粒子散乱係数を求めることと、角度的非対称プロットをプロットすることと、角度的非対称プロットに線を当てはめることと、線上の選択されたロケーションにおける線の傾斜を求めることと、線の傾斜から溶液内粒子の回転半径を求めることと、回転半径を出力することとを含むことができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光散乱検出器を使用して溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法であって、
サンプルセル内の流路を通して前記溶液内粒子を通過させることであって、前記流路は前記検出器の光ビームに整列した中心ラインを有する、通過させることと、
前記検出器の第1の角度についての角度正規化係数(N
θ1)及び前記検出器の第2の角度の角度正規化係数(N
θ2)を求めることであって、前記第1の角度は前記中心ラインに対して約90度であり、前記第2の角度は前記中心ラインに対して約170度であること、求めることと、
前記第1の角度における前記溶液内粒子の第1の散乱強度(I
θ1)を取得することと、
前記第2の角度における前記溶液内粒子の第2の散乱強度(I
θ2)を取得することと、
約10度の角度における前記溶液内粒子の10度散乱強度(I
10)を取得することと、
前記第1の角度について、前記第1の散乱強度(I
θ1)、前記10度散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ1)によって第1の粒子散乱係数(P
θ1)を求めることと、
前記第2の角度について、前記第2の散乱強度(I
θ2)、前記10度散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ2)によって第2の粒子散乱係数(P
θ2)を求めることと、
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)及び前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)を含む角度的非対称プロットをプロットすることと、
前記角度的非対称プロットに線を当てはめることと、
前記線上の選択されたロケーションにおける前記線の傾斜を求めることと、
前記線の前記傾斜から前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)を求めることと、
前記回転半径(Rg)を出力することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記検出器の前記第1の角度及び前記第2の角度の前記角度正規化係数を求めることは、
前記サンプルセルの前記流路を通して複数の知られている溶液内粒子のそれぞれを通過させることと、
約10度の角度において、前記第1の角度において、及び前記第2の角度において、前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれについて散乱強度値を取得することと、
前記第1の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と約10度の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第1の角度についての前記角度正規化係数(N
θ1)を求めることと、
前記第2の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と約10度の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第2の角度についての前記角度正規化係数(N
θ2)を求めることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれは、知られている分子量を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)は、形式
【数1】
であり、
ここで、
I
θ1は前記第1の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は約10度の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ1は前記第1の角度についての前記角度正規化係数である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)は、形式
【数2】
であり、
ここで、
I
θ2は前記第2の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は約10度の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ2は前記第2の角度についての前記角度正規化係数である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記角度的非対称プロットをプロットすることは、
平面上に第1の点をプロットすることであって、前記第1の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第1の点の前記第1の座標は前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)であり、前記第1の点の前記第2の座標は形式
【数3】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
1は前記第1の角度であり、
λは前記光ビームの波長である、
プロットすることと、
前記平面上に第2の点をプロットすることであって、前記第2の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第2の点の前記第1の座標は前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)であり、前記第2の点の前記第2の座標は形式
【数4】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
2は前記第2の角度であり、
λは前記光ビームの前記波長である、
プロットすることと、
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記角度的非対称プロットに前記線を当てはめることは、最小2乗当てはめを含み、前記線は、3未満の多項式次数を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
光散乱検出器を使用して溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法であって、
サンプルセル内の流路を通して前記溶液内粒子を通過させることであって、前記流路は前記検出器の光ビームに整列した中心ラインを有する、通過させることと、
前記検出器の第1の角度について角度正規化係数(N
θ1)を求めることであって、前記第1の角度は、前記中心ラインに対して約90度又は約170度である、求めることと、
前記第1の角度における前記溶液内粒子の第1の散乱強度(I
θ1)を取得することと、
約10度以下の角度における前記溶液内粒子の10度散乱強度(I
10)を取得することと、
前記第1の角度について、前記第1の散乱強度(I
θ1)、前記10度散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ1)によって第1の粒子散乱係数(P
θ1)を求めることと、
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)を含む角度的非対称プロットをプロットすることと、
前記角度的非対称プロットに線を当てはめることと、
前記線上の選択されたロケーションにおける前記線の傾斜を求めることと、
前記線の前記傾斜から前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)を求めることと、
前記回転半径を出力することと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記検出器の前記第1の角度について前記角度正規化係数(N
θ1)を求めることは、
前記サンプルセルの前記流路を通して複数の知られている溶液内粒子のそれぞれを通過させることと、
約10度の角度において及び前記第1の角度において、前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値を取得することと、
前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する、前記第1の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と約10度の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第1の角度についての前記角度正規化係数(N
θ1)を求めることと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれは、知られている分子量を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)は、形式
【数5】
であり、
ここで、
I
θ1は前記第1の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は約10度の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ1は前記第1の角度についての前記角度正規化係数である、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記角度的非対称プロットをプロットすることは、
平面上に第1の点をプロットすることであって、前記第1の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第1の点の前記第1の座標は前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)であり、前記第1の点の前記第2の座標は形式
【数6】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
1は前記第1の角度であり、
λは前記光ビームの波長である、
プロットすることを含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記角度的非対称プロットに前記線は直線である、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)は10nm未満である、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記検出器の第2の角度の角度正規化係数(N
θ2)を取得することであって、第2の角度は、前記中心ラインに対して約90度又は約170度であり、前記第2の角度は前記第1の角度と異なる、取得することと、
前記第2の角度における前記溶液内粒子の第2の散乱強度(I
θ2)を取得することと、
前記第2の角度について、前記第2の散乱強度(I
θ2)、前記10度散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ2)によって第2の粒子散乱係数(P
θ2)を求めることと、
を更に含み、
前記角度的非対称プロットは前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)を更に含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記検出器の前記第2の角度の前記角度正規化係数を求めることは、
前記第2の角度において、前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値を取得することと、
前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する、前記第2の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と約10度の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第2の角度についての前記角度正規化係数(N
θ2)を求めることと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)は、形式
【数7】
であり、
ここで、
I
θ2は前記第2の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は約10度の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ2は前記第2の角度についての前記角度正規化係数である、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記角度的非対称プロットをプロットすることは、
前記平面上に第2の点をプロットすることであって、前記第2の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第2の点の前記第1の座標は前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)であり、前記第2の点の前記第2の座標は形式
【数8】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
2は前記第2の角度であり、
λは前記光ビームの前記波長である、
プロットすることを更に含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記角度的非対称プロットの前記線は曲線である、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)は100nm未満、任意選択で10nmより大きい、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来の光散乱検出器は、しばしば、クロマトグラフィー技法と連携して利用されて、溶液中に懸濁された種々の分子又は溶質の1つ以上の物理的属性又は特徴を特定する。例えば、光散乱検出器は、しばしば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:gel permeation chromatography)とともに利用されて、ポリマー等の種々の粒子の分子重量及び回転半径を求める。光散乱検出器において、分子(例えば、ポリマー)を含むサンプル又は流出物は、サンプルセルを通して入口からサンプルセルの対向端に配設された出口まで流される。流出物は、サンプルセルを通って流されるときに、コリメートされた光ビーム(例えば、レーザー)によって照射される。光ビームと流出物のポリマーとの相互作用は散乱光を生成する。散乱光は、その後、強度及び角度等の様々な属性について測定及び分析されて、ポリマーの物理的特徴を特定する。
【0002】
従来の光散乱検出器は、多種多様の分子の物理的属性を特定するのに有効であることが分かっているが、小さい分子を分析するその能力が制限される。例えば、従来の光散乱検出器は、しばしば、約10nm未満の回転半径を有する分子のRgを測定するための感度及び/又は分解能に欠ける。上記を考慮して、従来の光散乱検出器は、しばしば、比較的大きいパワー又はエネルギーを有するレーザーを組み込んで、検出器の感度を上げる。しかしながら、より大きいパワーを有するレーザーを組み込むことは、法外な費用がかかり、また、レーザーのフットプリントが比較的大きいため、より大きい機器をしばしば必要とする。代替的に、従来の光散乱検出器内のサンプルセルの体積は、散乱光の強度を増すために増加され得る。しかしながら、従来のサンプルセルの体積を増加させることは、過剰なピークの幅広化をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、改良型光散乱検出器及びそのサンプルセル、ピーク幅広化を増加させることなく光散乱検出器の感度及び/又は分解能を増大させる方法、並びに粒子の回転半径を求めるための改良型方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本概要は、本開示の1つ以上の実装態様の幾つかの態様の簡略化した概要を導入することを単に意図される。本開示の利用可能性の更なる範囲は、以降で提供される詳細な説明から明らかになる。本概要は、広範な概略でもなく、本概要は、本教示の主要な又は極めて重要な要素を特定することも、本開示の範囲を詳しく説明することも意図されない。むしろ、その目的は、単に、以下の詳細な説明に対する前置きとして簡略化した形態で1つ以上の概念を提示することである。
【0005】
本開示において具現化される上記の態様及び有用性及び/又は他の態様及び有用性は、光散乱検出器を使用して溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法を提供することによって達成することができる。方法は、サンプルセル内の流路を通して溶液内粒子を通過させることを含むことができ、流路は検出器の光ビームに整列した中心ラインを有する。方法は、検出器の第1の角度についての角度正規化係数(Nθ1)及び検出器の第2の角度の角度正規化係数(Nθ2)を求めることを含むこともでき、第1の角度は中心ラインに対して約90度であり、第2の角度は中心ラインに対して約170度である。方法は、第1の角度における溶液内粒子の第1の散乱強度(Iθ1)を取得することを含むこともできる。方法は、第2の角度における溶液内粒子の第2の散乱強度(Iθ2)を取得することを含むこともできる。方法は、約10度の角度における溶液内粒子の10度散乱強度(I10)を取得することを含むこともできる。方法は、第1の角度について、第1の散乱強度(Iθ1)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ1)によって第1の粒子散乱係数(Pθ1)を求めることを含むこともできる。方法は、第2の角度について、第2の散乱強度(Iθ2)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ2)によって第2の粒子散乱係数(Pθ2)を求めることを含むこともできる。方法は、第1の粒子散乱係数(Pθ1)及び第2の粒子散乱係数(Pθ2)を含む角度的非対称プロットをプロットすることを含むこともできる。方法は、角度的非対称プロットに線を当てはめることを含むこともできる。方法は、線上の選択されたロケーションにおける線の傾斜を求めることを含むこともできる。方法は、線の傾斜から溶液内粒子の回転半径(Rg)を求めることを含むこともできる。方法は、回転半径(Rg)を出力することを含むこともできる。
【0006】
少なくとも1つの実装態様において、検出器の第1の角度及び第2の角度の角度正規化係数を求めることは、サンプルセルの流路を通して複数の知られている溶液内粒子のそれぞれを通過させることを含むことができる。検出器の第1の角度及び第2の角度の角度正規化係数を求めることは、約10度の角度において、第1の角度において、及び第2の角度において、複数の知られている溶液内粒子のそれぞれについて散乱強度値を取得することを含むこともできる。検出器の第1の角度及び第2の角度の角度正規化係数を求めることは、第1の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値と約10度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値との比のプロットによって、第1の角度についての角度正規化係数(Nθ1)を求めることを含むこともできる。検出器の第1の角度及び第2の角度の角度正規化係数を求めることは、第2の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値と約10度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値との比のプロットによって、第2の角度についての角度正規化係数(Nθ2)を求めることを含むこともできる。
【0007】
少なくとも1つの実装態様において、複数の知られている溶液内粒子のそれぞれは、知られている分子量を有する。
【0008】
少なくとも1つの実装態様において、第1の粒子散乱係数(P
θ1)は、形式
【数1】
であり、ここで、I
θ1は第1の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、I
10は約10度の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、N
θ1は第1の角度についての角度正規化係数である。
【0009】
少なくとも1つの実装態様において、第2の粒子散乱係数(P
θ2)は、形式
【数2】
であり、ここで、I
θ2は第2の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、I
10は約10度の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、N
θ2は第2の角度についての角度正規化係数である。
【0010】
少なくとも1つの実装態様において、角度的非対称プロットをプロットすることは、平面上に第1の点をプロットすることであって、第1の点は第1の座標及び第2の座標を含み、第1の点の第1の座標は第1の粒子散乱係数(P
θ1)であり、第1の点の第2の座標は形式
【数3】
であり、ここで、n
0は溶液の屈折率であり、θ
1は第1の角度であり、λは光ビームの波長である、プロットすることと、平面上に第2の点をプロットすることであって、第2の点は第1の座標及び第2の座標を含み、第2の点の第1の座標は第2の粒子散乱係数(P
θ2)であり、第2の点の第2の座標は形式
【数4】
であり、ここで、n
0は溶液の屈折率であり、θ
2は第2の角度であり、λは光ビームの波長である、プロットすることとを含む。
【0011】
少なくとも1つの実装態様において、角度的非対称プロットに線を当てはめることは、最小2乗当てはめを含む。線は、3未満の多項式次数を含むことができる。
【0012】
本開示において具現化される上記の態様及び有用性及び/又は他の態様及び有用性は、光散乱検出器を使用して溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法を提供することによって達成することができる。方法は、サンプルセル内の流路を通して溶液内粒子を通過させることを含むことができ、流路は検出器の光ビームに整列した中心ラインを有する。方法は、検出器の第1の角度について角度正規化係数(Nθ1)を求めることを含むこともでき、第1の角度は、中心ラインに対して約90度又は約170度である。方法は、第1の角度における溶液内粒子の第1の散乱強度(Iθ1)を取得することを含むこともできる。方法は、約10度以下の角度における溶液内粒子の10度散乱強度(I10)を取得することを含むこともできる。方法は、第1の角度について、第1の散乱強度(Iθ1)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ1)によって第1の粒子散乱係数(Pθ1)を求めることを含むこともできる。方法は、第1の粒子散乱係数(Pθ1)を含む角度的非対称プロットをプロットすることを含むこともできる。方法は、角度的非対称プロットに線を当てはめることを含むこともできる。方法は、線上の選択されたロケーションにおける線の傾斜を求めることを含むこともできる。方法は、線の傾斜から溶液内粒子の回転半径(Rg)を求めることを含むこともできる。方法は、回転半径を出力することを含むこともできる。
【0013】
少なくとも1つの実装態様において、検出器の第1の角度について角度正規化係数(Nθ1)を求めることは、サンプルセルの流路を通して複数の知られている溶液内粒子のそれぞれを通過させることと、約10度の角度において及び第1の角度において、複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値を取得することと、複数の知られている溶液内粒子のそれぞれ粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する、第1の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値と約10度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値との比のプロットによって、第1の角度についての角度正規化係数(Nθ1)を求めることとを含む。
【0014】
少なくとも1つの実装態様において、複数の知られている溶液内粒子のそれぞれは、知られている分子量を有する。
【0015】
少なくとも1つの実装態様において、第1の粒子散乱係数(P
θ1)は、形式
【数5】
であり、ここで、I
θ1は第1の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、I
10は約10度の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、N
θ1は第1の角度についての角度正規化係数である。
【0016】
少なくとも1つの実装態様において、角度的非対称プロットをプロットすることは、平面上に第1の点をプロットすることであって、第1の点は第1の座標及び第2の座標を含み、第1の点の第1の座標は第1の粒子散乱係数(P
θ1)であり、第1の点の第2の座標は形式
【数6】
であり、ここで、n
0は溶液の屈折率であり、θ
1は第1の角度であり、λは光ビームの波長である、プロットすることを含む。
【0017】
少なくとも1つの実装態様において、角度的非対称プロットの線は直線である。
【0018】
少なくとも1つの実装態様において、溶液内粒子の回転半径(Rg)は10nm未満である。
【0019】
少なくとも1つの実装態様において、方法は、検出器の第2の角度の角度正規化係数(Nθ2)を取得することであって、第2の角度は、中心線に対して約90度又は約170度であり、第2の角度は第1の角度と異なる、取得することと、第2の角度における溶液内粒子の第2の散乱強度(Iθ2)を取得することと、第2の角度について、第2の散乱強度(Iθ2)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ2)によって第2の粒子散乱係数(Pθ2)を求めることとを更に含むことができる。角度的非対称プロットは第2の粒子散乱係数(Pθ2)を更に含むことができる。
【0020】
少なくとも1つの実装態様において、検出器の第2の角度の角度正規化係数を求めることは、第2の角度において、複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値を取得することと、複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する、第2の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値と約10度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値との比のプロットによって、第2の角度についての角度正規化係数(Nθ2)を求めることとを含む。
【0021】
少なくとも1つの実装態様において、第2の粒子散乱係数(P
θ2)は、形式
【数7】
であり、ここで、I
θ2は第2の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、I
10は約10度の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、N
θ2は第2の角度についての角度正規化係数である。
【0022】
少なくとも1つの実装態様において、角度的非対称プロットをプロットすることは、平面上に第2の点をプロットすることであって、第2の点は第1の座標及び第2の座標を含み、第2の点の第1の座標は第2の粒子散乱係数(P
θ2)であり、第2の点の第2の座標は形式
【数8】
であり、ここで、n
0は溶液の屈折率であり、θ
2は第2の角度であり、λは光ビームの波長である、プロットすることを更に含む。
【0023】
少なくとも1つの実装態様において、角度的非対称プロットの線は曲線である。
【0024】
少なくとも1つの実装態様において、溶液内粒子の回転半径(Rg)は100nm未満、任意選択で10nmより大きい。
【0025】
本開示の利用可能性の更なる範囲は、以降で提供される詳細な説明から明らかになる。詳細な説明及び特定の例が、本開示の幾つかの典型的な態様を示しながら、単に例証のために意図され、本開示の範囲を制限することを意図されないことが理解されるべきである。
【0026】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の様々な実装態様を示す。本開示の実装態様におけるこれらの態様及び利点及び/又は他の態様及び利点は、添付図面と併せた、種々の実装態様の以下の説明から明らかになるとともにより容易に認識される。図面の一部の詳細が、簡略化されており、厳密な構造的精度、詳細、及び縮尺を維持するためにではなく本開示の理解を容易にするために描かれていることが留意されるべきである。これらの図面/図は、制限的ではなく、例示的であることを意図される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】開示される1つ以上の実装態様による、例示的なサンプルセルを含む例示的な光散乱検出器の概略図である。
【
図1B】開示される1つ以上の実装態様による、
図1Aの例示的なサンプルセルの概略図である。
【
図1C】開示される1つ以上の実装態様による、分析物(analyte)散乱光がない
図1Aの例示的なサンプルセルの概略図である。
【
図1D】開示される1つ以上の実装態様による、
図1Cにおいて1Dとラベル付けされたボックスで示すサンプルセルの部分の拡大図である。
【
図2】開示される1つ以上の実装態様による、複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する比(I
θ/I
10)のプロットである。
【
図3】開示される1つ以上の実装態様による角度的非対称プロットである。
【
図4】開示される1つ以上の実装態様による角度的非対称プロットである。
【
図5】開示される1つ以上の実装態様による、光散乱検出器からのデータを受信及び/又は分析するコンピューターシステム又は電子プロセッサを示す図である。
【
図6】開示される1つ以上の実装態様による
図5のコンピューターシステム又は電子プロセッサのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
種々の典型的な態様(複数の場合もある)の以下の説明は、単に本質的に例示であり、本開示、その適用、又は使用を制限することを決して意図しない。
【0029】
本開示全体を通して使用されるとき、範囲は、その範囲内にあるそれぞれの又は全ての値を述べるために省略表現として使用される。範囲フォーマットでの記述が、便宜のためまた簡潔にするためのものにすぎず、本明細書で開示する任意の実施形態又は実装態様の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきでないことが認識されるとともに理解されるべきである。したがって、開示される範囲は、その範囲内の考えられる全ての部分範囲及び個々の数値を具体的に開示しているものと考えられるべきである。したがって、その範囲内の任意の値は、その範囲の終端として選択することができる。例えば、1~5等の範囲の記述は、1.5~3、1~4.5、2~5、3.1~5等のような部分範囲、及び、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、3.2、4、5等を具体的に開示しているものと考えられるべきである。これは、範囲の幅によらず当てはまる。
【0030】
さらに、全ての数値は、「約(about)」又は「ほぼ(approximately)」示す値であり、当業者であれば予想される実験的誤差及び変動を考慮したものである。本明細書で開示される全ての数値及び範囲は、「約」がその数値及び範囲とともに使用されるか否かによらず、近似の値及び範囲であることが認識されるべきである。数値とともに本明細書で使用される用語「約」は、その数値の±0.01%(両端の数値を含む)、±0.1%(両端の数値を含む)、±0.5%(両端の数値を含む)、±1%(両端の数値を含む)、その数値の±2%(両端の数値を含む)、その数値の±3%(両端の数値を含む)、その数値の±5%(両端の数値を含む)、その数値の±10%(両端の数値を含む)、又はその数値の±15%(両端の数値を含む)とすることができる値を指すことも認識されるべきである。或る数値範囲が本明細書で開示されるとき、その範囲に入る任意の数値もまた具体的に開示されることが更に認識されるべきである。
【0031】
本明細書で引用される全ての参考文献は、引用することによりその全体の内容が本明細書の一部をなす。本開示の定義及び引用される参考文献の定義において不一致がある場合、本開示が統括する。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語又は表現「感度(sensitivity)」は、信号対雑音比を指すことができる。レーザーパワーを増加させることが必ずしも感度を改善しないことが当業者によって認識されるべきである。
【0033】
図1Aは、1つ以上の実装態様による、例示的なサンプルセル102を備える例示的な光散乱検出器(LSD)100の概略図を示す。LSD100は、サンプル源又はデバイス104に動作可能に結合し、サンプル源又はデバイス104からのサンプル又は流出物を受け取ることが可能である又は受け取るように構成することができる。例えば、
図1Aに示すように、LSD100は、ライン106を介してサンプル源又はデバイス104に流体結合し、サンプル源又はデバイス104からの流出物を受け取るように構成することができる。例証的なサンプル源又はデバイス104は、サンプル又は溶離液の1つ以上の分析物を互いから分離することが可能である又は分離するように構成されるクロマトグラフィー機器を含むことができるが、それに限定されない。例えば、サンプル源又はデバイス104は、溶離液の分析物を、それらの分析物のそれぞれの電荷(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)、サイズ(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー又はゲル浸透クロマトグラフィー)等に基づいて、互いから分離することが可能である又は分離するように構成される液体クロマトグラフィー機器とすることができる。例示的な実装態様において、LSD100は、分析物を、それらの分析物のそれぞれのサイズに基づいて、互いから分離するように構成される液体クロマトグラフィー機器に動作可能に結合される。例えば、LSD100は、ゲル浸透クロマトグラフィーカラムを備える液体クロマトグラフィー機器に動作可能に結合される。
【0034】
LSD100は、例示的なサンプルセル102、レーザー108等のコリメートされた光ビーム源、及び、互いに動作可能に結合された1つ以上の検出器110、112、114(3つが示される)を含むことができる。検出器110、112、114は、分析物散乱光を受信することが可能である又は受信するように構成される任意の適した検出器とすることができる。例えば、検出器110、112、114のうちの任意の1つ以上の検出器は、シリコン光検出器等の光検出器とすることができる。LSD100は、LSD100を通して透過された光を屈折、集束、減衰させる、及び/又は収集することが可能である又はそうするように構成される1つ以上のレンズ116、118、120、122、124(5つが示される)、及び、LSD100を通して透過された光を反射させる又は再方向付けすることが可能である又はそうするように構成される1つ以上のミラー126、128(2つが示される)を備えることができる。
【0035】
少なくとも1つの実装態様において、第1のレンズ116及び第2のレンズ118は、サンプルセル102の対向する側面又は軸方向端部に配設し、レンズを通して透過された光を屈折、集束、減衰させる、及び/又は収集するように構成することができる。別の実装態様において、サンプルセル102の本体130が、第1のレンズ116及び第2のレンズ118を収容するように構成される凹所132、134を画定することができる。例えば、
図1Aに示し、
図1Bに詳細に更に示すように、サンプルセル102の本体130は、本体130を通して長手方向に又は軸方向に延在し、第1のレンズ116及び第2のレンズ118をそれぞれ収容するように構成される第1の凹所132及び第2の凹所134を画定することができる。
図1A及び
図1Bに示すように、第1のレンズ116及び第2のレンズ118のそれぞれは、レンズのそれぞれの第1の又は外側の端部分136、138に沿って凸表面を画定することができる。第1のレンズ116及び第2のレンズ118の第1の端部分136、138は、凸表面を画定するものとして示されるが、第1のレンズ116及び第2のレンズ118のそれぞれの第1の端部分136、138のうちの任意の第1の端部分が、代替的に平坦表面を画定することができることが認識されるべきである。
図1Aに更に示すように、第1のレンズ116及び第2のレンズ118のそれぞれは、レンズのそれぞれの第2の又は内側の端部分140、142に沿って平坦表面を画定することができる。本明細書で更に述べるように、第1のレンズ116及び第2のレンズ118のそれぞれの第2の端部分140、142は、サンプルセル102を通して延在するチャネル又は流路144をシールする及び/又は少なくとも部分的に画定することができる。
【0036】
レーザー108は、十分な波長及び/又はパワーを有する光ビーム146を提供することが可能である又は提供するように構成される任意の適したレーザーとすることができる。例えば、レーザー108は、ダイオードレーザー、固体レーザー等とすることができる。レーザー108は、サンプルセル102を通して光ビーム146を放射するように構成することができる。例えば、
図1Aに示すように、レーザー108は、レーザー108から放射された光ビーム146がサンプルセル102を通して透過されるようにLSD100の周りに配置又は配設することができる。
図1Aに更に示すように、第3のレンズ120を、サンプルセル102とレーザー108との間に挿入し、サンプルセル102にかつサンプルセル102を通して方向付けられる光ビーム146を集束させるように構成することができる。
【0037】
少なくとも1つの実装態様において、ミラー126、128のうちの少なくとも一方は、それぞれの検出器110、112に関連付け、それぞれの検出器110、112に向かって光(例えば、散乱光又は分析物散乱光)を反射させる又は再方向付けするように構成することができる。例えば、
図1Aに示すように、第1のミラー126は、第1のレンズ116に近接して配設し、第1のレンズ116からの光の少なくとも一部分を第1の検出器110に向かって反射させるように構成することができる。別の例において、第2のミラー128は、第2のレンズ118に近接して配設し、及び/又は、第2のレンズ118と第3のレンズ120との間に挿入し、第2のレンズ118からの光の少なくとも一部分を第2の検出器112に向かって反射させるように構成することができる。少なくとも1つの実装態様において、1つ以上のレンズ122、124は、第1のミラー126及び第2のミラー128と第1の検出器110及び第2の検出器112との間に挿入して、ミラー126、128からの光を集束、屈折させる、又は別の方法で検出器110、112に方向付けることができる。例えば、
図1Aに示すように、第4のレンズ122を、第1の検出器110と第1のミラー126との間に挿入することができ、第5のレンズ124を、第2の検出器112と第2のミラー128との間に挿入することができる。
【0038】
少なくとも1つの実装態様において、検出器110、112、114のうちの少なくとも1つの検出器は、ミラー126、128のうちの一方の助け又は反射なしでサンプルセル102からの光(例えば、散乱光又は分析物散乱光)を受信するように構成することができる。例えば、
図1A及び
図1Bに示すように、第3の検出器114を、サンプルセル102に隣接して配設するか又はサンプルセル102に結合し、光ビーム146に対して約90度の角度をなす、サンプルセル102からの光(例えば、散乱光)を受信するように構成することができる。本明細書で更に論じるように、光学的に透明な材料又は第6のレンズ186を、散乱光を第3の検出器114に向けて屈折させるか又は方向付けるように構成することができる。
【0039】
図1Aに示すように、サンプルセル102、第1のレンズ116、第2のレンズ118、及び第3のレンズ120、並びに、第1のミラー126及び第2のミラー128は、レーザー108によって放射される光ビーム146の方向に沿って平行に、同軸に、又は別の方法で互いに整列して配設することができる。
図1Aに更に示すように、第1の検出器110及び第2の検出器112のそれぞれは、レーザー108によって放射される光ビーム146の略垂直な方向において、それぞれのミラー126、128からの光(例えば、散乱光又は分析物散乱光)を受信するように配設又は位置決めすることができる。第1のミラー126及び第2のミラー128のそれぞれは、ミラーを通って延在するそれぞれのボア又は通路150、152を画定することができる。例えば、第1のミラー126は、光ビーム146に平行な、同軸な、又は別の方法で光ビーム146に整列する方向において、第1のミラー126を通して延在するボア150を画定することができる。同様に、第2のミラー128は、光ビーム146に平行な、同軸な、又は別の方法で光ビーム146に整列する方向において、第2のミラー128を通して延在するボア152を画定することができる。レーザー108から放射された光ビーム146が第1のミラー126及び第2のミラー128を透過し、それにより、光ビーム146が第1の検出器110及び第2の検出器112に向かって反射することを防止することを、それぞれのミラー126、128を通って延在するボア150、152が可能にすることができることが認識されるべきである。
【0040】
図1Dは、1つ以上の実装態様による、
図1Cの1Dとラベル付けされたボックスで示す例示的なLSD100の部分の拡大図を示す。上記で論じたように、サンプルセル102の本体130は、本体130を通して延在するチャネル又は流路144を少なくとも部分的に画定することができる。例えば、
図1Dに示すように、本体130の内側表面154は、本体130を通して延在する流路144を少なくとも部分的に画定することができる。流路144はサンプルセル102の体積を画定することができる。流路144は、流路144を通して延在する中心軸又は中心ライン156を含み、流路144の全体的な向きを規定するように構成することができる。
図1Bに示すように、流路144及びその中心軸156は、レーザー108から放射された光ビーム146に整列する又は同軸であるとすることができる。サンプルセル102の流路144は、第1のレンズ116と第2のレンズ118との間に挿入することができる。少なくとも1つの実装態様において、第1のレンズ116及び第2のレンズ118は、サンプルセル102の本体130に本体130の対向する側面上で密閉式に係合し、それにより、本体130とそれぞれの第1のレンズ116及び第2のレンズ118との間の界面を介する流路144からのサンプル又は流出物の流れを防止することができる。別の実装態様において、シール(例えば、ガスケット、Oリング等)(図示せず)を、本体130と第1のレンズ116及び第2のレンズ118との間に配設して、両者の間に液密シールを提供することができる。
【0041】
流路144は、流路144の中心ライン156に沿って配設された内側セクション158及び2つの外側セクション160、162を含むことができる。
図1Dに示すように、内側セクション158は、2つの外側セクション160と162との間に挿入することができる。内側セクション158は、サンプル源104に流体結合し、サンプル源104からのサンプル又は流出物を受け取るように構成することができる。例えば、
図1Aを引き続き参照しながらだと
図1Dに示されるように、サンプルセル102の本体130は、本体130を通して延在する入口164を画定し、ライン106を介してサンプル源104を内側セクション158に流体結合させるように構成することができる。好ましい実装態様において、入口164は、サンプル源104からのサンプルが、流路144又は流路144の内側セクション158の中央又は中心に方向付けられるように構成される。
【0042】
少なくとも1つの実装態様において、内側セクション158は、円柱とするか又は円柱体積を画定することができ、また、円形断面プロファイルを有することができる。しかしながら、断面プロファイルを任意の適した形状及び/又はサイズで示すことができることが認識されるべきである。例えば、断面プロファイルは、楕円形、角丸長方形等の長方形等とすることができる。内側セクション158は、任意の適した寸法を有することができる。少なくとも1つの実装態様において、内側セクション158は、約4mm~約12mm又はそれより大きい、2つの外側セクション160と162との間に延在する長さを有することができる。例えば、内側セクション158は、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、又は約7.5mmから、約8.5mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm又はそれより大きい長さまでの長さを有することができる。別の例において、内側セクション158は、約4mm~約12mm、約5mm~約11mm、約6mm~約10mm、約7mm~約9mm、又は約7.5mm~約8.5mmの長さを有することができる。好ましい実装態様において、内側セクション158は、約7mm~約9mm、好ましくは約7.5mm~約8.5mm、より好ましくは約8mmの長さを有することができる。少なくとも1つの実装態様において、内側セクション158は、約1.2mm~約2.0mm又はそれより大きい直径を有することができる。例えば、内側セクション158は、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、又は約1.55mmから、約1.65mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm又はそれより大きい直径までの直径を有することができる。別の例において、内側セクション158は、約1.2mm~約2.0mm、約1.3mm~約1.9mm、約1.4mm~約1.8mm、約1.5mm~約1.7mm、又は約1.55mm~約1.65mmの直径を有することができる。好ましい実装態様において、内側セクション158は、約1.5mm~約1.7mm、好ましくは約1.55mm~約1.65mm、より好ましくは約1.6mmの直径を有することができる。
【0043】
流路144の外側セクション160、162は、内側セクション158と流体結合し、内側セクション158からのサンプル又は流出物を受け取るように構成することができる。少なくとも1つの実装態様において、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162のうちの少なくとも一方は、円柱とするか又は円柱体積を画定することができ、また、円形断面プロファイルを有することができる。例えば、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162のうちの少なくとも一方は、
図1Dの内側セクション158と同様にサイズ決定し、形作ることができる。別の実装態様において、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162のうちの少なくとも一方は、外側セクションのそれぞれの第1の端部分又は入口166、168の断面積を、外側セクションのそれぞれの第2の端部分又は出口170、172の断面積より相対的に小さくすることができるように円錐状又は円錐台状とすることができる。好ましい実装態様において、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162はともに、円錐台状とするか又は円錐台を画定することができ、それぞれの第1の端部分又は入口166、168は内側セクション158からのサンプルを受け取るように構成され、それぞれの第2の端部分又は出口170、172は、サンプルを廃棄ライン174(
図1A参照)に送出するように構成される。
【0044】
本体130の内側表面154は、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162のそれぞれのテーパー角度(θ
1,θ
2)を少なくとも部分的に規定することができる。例えば、
図1Dに示すように、流路144の第1の外側セクション160を規定又は形成する内側表面154の部分及び流路144の中心ライン156は第1の外側セクション160のそれぞれのテーパー角度(θ
1)を規定することができる。別の例において、流路144の第2の外側セクション162を規定又は形成する内側表面154の部分及び流路144の中心ライン156は第2の外側セクション162のそれぞれのテーパー角度(θ
2)を規定することができる。第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162は、LSD100及びその検出器110、112、114が、任意の所望の角度で散乱光を受信することを可能にすることが可能である又は受信するように構成される任意のテーパー角度(θ
1,θ
2)を有することができる。
図1Dは、互いに相対的に等しい第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162のテーパー角度(θ
1,θ
2)を示すが、テーパー角度(θ
1,θ
2)のうちの一方が他方より相対的に大きいとすることができることが認識されるべきである。第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162の任意の1つ以上の属性(例えば、長さ、テーパー角度、直径、形状、サイズ等)が異なるとすることができることが更に認識されるべきである。好ましい実装態様において、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162の属性(例えば、長さ、テーパー角度、直径、形状、サイズ等)は同じ又は実質的に同じである。
【0045】
外側セクション160、162のそれぞれは廃棄ライン174に流体結合することができる。例えば、
図1A及び
図1Dに示すように、本体130は、第1の出口176及び第2の出口178を画定することができ、第1の出口176及び第2の出口178は、本体130を通して延在し、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162をそれぞれ第1の出口ライン180及び第2の出口ライン182を介して廃棄ライン174に流体結合するように構成される。
図1Dに更に示すように、第1の出口176及び第2の出口178は、外側セクション160、162のそれぞれの第2の端部分170、172に流体結合することができる。入口164並びに第1の出口176及び第2の出口178の向き(例えば、円周の向き)又はロケーションが変動することができることが認識されるべきである。例えば、入口164は、第1の出口176及び第2の出口178のうちの少なくとも一方に円周方向に整列することができる。別の例において、入口164は、第1の出口176及び第2の出口178のうちの少なくとも一方から円周方向にオフセットすることができる。更に別の例において、第1の出口176及び第2の出口178は、互いに円周方向に整列するか、又は、互いに円周方向にオフセットすることができる。
【0046】
図1Dに示すように、サンプルセル102の本体130は、アパーチャ184を画定することができ、アパーチャ184は、本体130の少なくとも一部分を通して延在し、内側セクション158からの光(例えば、散乱光)が第3の検出器114に方向付けられるか又は透過することを可能にするように構成される。アパーチャ184は、石英結晶等の光学的に透明な材料186でシールされ、それにより、内側セクション158からの光が第3の検出器114に方向付けられることを可能にすることができる。
図1B及び
図1Dに示す例示的な実装態様において、光学的に透明な材料186は、第3の検出器114に向けて光の一部分を屈折させるように形作ることができる。例えば、光学的に透明な材料186は、アパーチャ184をシールし、第3の検出器114に向けて光を少なくとも部分的に屈折させるように構成される第6のレンズ(例えば、ボールレンズ)とすることができる。
【0047】
本体130は、任意の適した材料を含むことができるか又は任意の適した材料から作製することができる。本体130は、本体130の内側表面154が光の反射を減衰させるように構成することができる。例えば、本体130は非反射性材料から作製することができる。別の例において、本体130を、反射性材料から少なくとも部分的に作製し、非反射性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。少なくとも1つの実装態様において、サンプルセル102は、黒石英等の石英から作製することができる。例示的な実装態様において、本体130は、ポリマーを含むことができるか又はポリマーから作製することができる。例証的なポリマーは、ポリオレフィンベースポリマー、アクリルベースポリマー、ポリウレタンベースポリマー、エーテルベースポリマー、ポリエステルベースポリマー、ポリアミドベースポリマー、ホルムアルデヒドベースポリマー、シリコンベースポリマー、その任意のコポリマー、又はその任意の組み合わせとするか又はそれを含むことができるが、それに限定されない。例えば、ポリマーは、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、TORLON(登録商標)、ポリアミドイミド、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(1-ブテン)、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンターポリマー、エチレン-メタクリル酸コポリマー、スチレン-ブタジエンゴム、テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカルバゾール、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エポキシ樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリジヒドロキシメチルシクロヘキシルテレフタレート、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、その任意のコポリマー、又はその任意の組み合わせを含むことができるが、それに限定されない。ポリマーは、エラストマー又はエラストマー材料、合成ゴム等とするか又はそれを含むことができるが、それに限定されない。例証的なエラストマー材料及び合成ゴムは、VITON(登録商標)、ニトリル、ポリブタジエン、アクリロニトリル、ポリイソプレン、ネオプレン、ブチルゴム、クロロプレン、ポリシロキサン、スチレン-ブタジエンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー、その任意のコポリマー、又はその任意の組み合わせを含むことができるが、それに限定されない。
【0048】
LSD100の例示的な動作において、
図1A~
図1Dを継続して参照すると、サンプル源104(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィーカラムを備える液体クロマトグラフ)は、サンプル又は流出物(例えば、希薄粒子及び/又はポリマー溶液)をライン106及び入口164を介してサンプルセル102の流路144にかつ流路144を通して注入するか又は方向付けることができる。
図1Dに示すように、サンプル源104からのサンプルは、サンプルセル102の流路144及び/又は内側セクション158の中心又は中央に向けて方向付けることができる。サンプルが内側セクション158の中心に流れるとき、サンプルの流れを、サンプルの第1の部分が第1の外側セクション160に向かって流れ、サンプルの第2の部分が第2の外側セクション162に向かって流れるように分割することができる。第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162内のサンプルの部分は、その後、それぞれ、第1の出口176及び第2の出口178並びに第1の出口ライン180及び第2の出口ライン182を介してサンプルセル102から出て廃棄ライン174に方向付けることができる。
【0049】
第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162を通るサンプルの流量は、第1の出口ライン180及び第2の出口ライン182のそれぞれの長さを調整することによって、修正又は調整する(すなわち、増加又は減少させる)ことができる。少なくとも1つの実装態様において、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162を通るサンプルの第1の部分及び第2の部分の流量は、同じ又は実質的に同じとすることができる。例えば、第1の外側セクション160を通るサンプルの第1の部分の流量は第2の外側セクション162を通るサンプルの第2の部分の流量と同じ又は実質的に同じである。別の実装態様において、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162を通るサンプルの第1の部分及び第2の部分の流量は異なるとすることができる。しかしながら、第1の外側セクション160及び第2の外側セクション162を通る流量が異なる場合、時間補正を適用することができることが認識されるべきである。
【0050】
サンプルがサンプルセル102の流路144を通って流れるとき、レーザー108は、第2のミラー128のボア152を介して流路144の中心ライン156に沿ってかつ中心ライン156を通して光ビーム146を放射することができる。
図1Aに示す少なくとも1つの実装態様において、光ビーム146は、第3のレンズ120を通して透過することができ、第3のレンズ120は、光ビーム146を、流路144の中心ライン156に沿って少なくとも部分的に集束させることができる。別の実装態様において、第3のレンズ120を省略することができる。少なくとも1つの実装態様において、任意選択的なスクリーン又はダイアフラム188を、レーザー108とサンプルセル102との間に配設し、光ビーム146からの迷光(例えば、光輪(halo of light))を、「クリーンアップする(cleanup)」、分離する、又は別の方法でフィルタリングするように構成することができる。例えば、ダイアフラム188は、光ビーム146からの迷光をフィルタリング除去することが可能であるか又はフィルタリング除去するように構成されるホール又はアパーチャ(例えば、調整可能なアパーチャ/アイリス)を画定することができる。
【0051】
光ビーム146の少なくとも一部分は、レーザー108から、サンプルセル102、第1のレンズ116、第2のミラー128のボア152、及び/又は任意選択的なダイアフラム196にかつそれを通して進行又は透過することができる。例えば、光ビーム146の少なくとも一部分は、妨害されず又はサンプル内の分析物のいずれの分析物とも相互作用することなく、レーザー108から、サンプルセル102、第1のレンズ116、第2のミラー128のボア152、及び/又は任意選択的なダイアフラム188にかつそれを通して透過し得る。流路144を通して透過された光ビーム146の残りの部分は、サンプル内で懸濁、分散、又は別の方法で配される及び/又はサンプルセル102を通して流れる分析物と相互作用するか又は別の方法で接触し得る。
【0052】
光ビーム146とサンプル内の分析物との間の接触は散乱光又は分析物散乱ビーム190、192、194を生成又は誘発することができる(
図1A及び
図1B参照)。例えば、光ビーム146とサンプル内に含まれるか又はサンプルセル102の流路144を通って流れる分析物との間の接触は、前方分析物散乱ビーム190及び後方分析物散乱ビーム192を生成することができる。別の例において、光ビーム146とサンプル内に含まれるか又はサンプルセル102の流路144を通って流れる分析物との間の接触は、光ビーム146に略垂直な方向において直角(例えば、中心ライン156に対して約90度)散乱ビーム194を生成することができる。
【0053】
入口164を介した流路144の中心へのサンプルの流れにより、サンプルが光ビーム146と即座に相互作用することを可能になり、それにより、ピーク幅広化が最小になることが認識されるべきである。例えば、流路144の中心にサンプルを直接流すことは、サンプルセル102及びサンプルセル102の流路144の長さ又は体積の(例えば、側部又は軸方向において)少なくとも半分を通して流れることなく、サンプルが光ビーム146と相互作用することを可能にする。流路144の中心にサンプルを直接流すことは、サンプルが、光ビーム146と相互作用し、分析物散乱ビーム190、192、194を生成するために必要な時間量も最小にする。LSD100の1つ以上のコンポーネントが、流路144の中心から散乱された光のみが検出器110、112、114によって収集されるように構成されることが更に認識されるべきである。例えば、第1のレンズ116、第1のミラー、及び第4のレンズ122のうちの少なくとも1つは、流路144の中心から生じる前方光散乱190を流路144の他の領域から生じる前方光散乱190から分離するように構成することができ、それにより、第1の検出器110は、流路144の中心から生じる前方光散乱190のみを受信する。同様に、第2のレンズ116、第2のミラー128、及び第5のレンズ124のうちの少なくとも1つは、流路144の中心から生じる後方光散乱192を流路144の他の領域から生じる後方光散乱192から分離するように構成することができ、それにより、第2の検出器112は、流路144の中心から生じる後方光散乱192のみを受信する。
【0054】
図1Aに示すように、前方分析物散乱ビーム又は前方散乱光190は、第1のレンズ116、第1のミラー126、及び第4のレンズ122を介して第1の検出器110に向けて方向付けることができる。前方散乱光190の少なくとも一部分は、第1のレンズ116の第1の端部分136に沿って画定される凸表面によって少なくとも部分的に屈折することができる。
図1Aに示すように、前方散乱光190は、凸表面によって第1のミラー126に向かって屈折することができ、第1のミラー126は、前方散乱光190を、第4のレンズ122を介して第1の検出器110に向けて屈折させることができる。第4のレンズ122は、前方散乱光190を収集し、前方散乱光190を第1の検出器110に向けて方向付ける及び/又は集束させることができる。
【0055】
前方散乱光190は、レーザー108から放射された光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に対して0度より大きい値から90度より小さい値の様々な角度で散乱することができる。例えば、前方散乱光190は、0度より大きい値、約5度、約10度、約15度、約20度、約25度、約30度、約35度、約40度、又は約45度から、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度、又は約90度より小さい値までの任意の角度で散乱することができる。別の例において、前方散乱光190は、レーザー108から放射された光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に対して約5度、約6度、約7度、約8度、約9度、又は約9.5度から、約10.5度、約11度、約12度、約13度、約14度、又は約15度までの任意の角度で散乱することができる。更に別の例において、前方散乱光190は、約5度~約15度、約6度~約14度、約7度~約13度、約8度~約12度、約9度~約11度、又は約9.5度~約10.5度の角度で散乱することができる。LSD100及びその任意のコンポーネントが0度より大きくかつ90度より小さい任意の角度で散乱した前方散乱光190を受信するように構成することができることが認識されるべきである。例えば、第1の検出器110、第1のレンズ116、第1のミラー126、第4のレンズ122、及び/又は任意の更なる任意選択的なダイアフラムの1つ以上の任意の属性(例えば、形状、ロケーション、向き等)は、第1の検出器110が前方散乱光190の任意の前方散乱光を受信できるように、調整、修正、又は別の方法で構成することができる。好ましい実装態様において、LSD100及びその第1の検出器110は、光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に対して約9度~約11度の角度で、好ましくは約9.5度~約10.5度の角度で、より好ましくは約10度の角度で前方散乱光190を受信又は収集するように構成される。
【0056】
図1Aに示すように、後方分析物散乱ビーム又は後方散乱光192は、第2のレンズ118、第2のミラー128、及び第5のレンズ124を介して第2の検出器112に向けて方向付けることができる。後方散乱光192の少なくとも一部分は、第2のレンズ118の凸表面によって少なくとも部分的に屈折することができる。
図1Aに示すように、後方散乱光192は、凸表面によって第2のミラー128に向かって屈折することができ、第2のミラー128は、後方散乱光192を、第5のレンズ124を介して第2の検出器112に向かって屈折することができる。第5のレンズ124は、後方散乱光192を収集し、後方散乱光192を第2の検出器112に向けて方向付ける及び/又は集束させることができる。
【0057】
後方散乱光192は、レーザー108から放射された光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に対して90度より大きい値から180度より小さい値の様々な角度で散乱することができる。例えば、後方散乱光192は、90度より大きい値、約95度、約100度、約105度、約110度、約115度、約120度、約125度、約130度、又は約135度から、約140度、約145度、約150度、約155度、約160度、約165度、約170度、約175度、又は約180度より小さい値までの任意の角度で散乱することができる。別の例において、後方散乱光192は、レーザー108から放射された光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に対して約165度、約166度、約167度、約168度、約169度、又は約169.5度から、約170.5度、約171度、約172度、約173度、約174度、又は約175度までの任意の角度で散乱することができる。更に別の例において、後方散乱光192は、約165度~約175度、約166度~約174度、約167度~約173度、約168度~約172度、約169度~約171度、又は約169.5度~約170.5度の角度で散乱することができる。LSD100及びその任意のコンポーネントが90度より大きくかつ180度より小さい任意の角度で散乱した後方散乱光192を受信するように構成することができることが認識されるべきである。例えば、第2の検出器112、第2のレンズ118、第2のミラー128、第5のレンズ124、及び/又は任意の更なる任意選択的なダイアフラムの1つ以上の任意の属性(例えば、形状、ロケーション、向き等)は、第2の検出器112が後方散乱光192の任意の後方散乱光を受信できるように、調整、修正、又は別の方法で構成することができる。好ましい実装態様において、LSD100及びその第2の検出器112は、光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に対して約169度~約171度の角度で、好ましくは約169.5度~約170.5度の角度で、より好ましくは約170度の角度で後方散乱光192を受信又は収集するように構成される。
【0058】
図1Dに示すように、直角分析物散乱ビーム又は直角散乱光194は、第3の検出器114と流路144の内側セクション158との間に延在するアパーチャ184を介して第3の検出器114に向けて方向付けることができる。少なくとも1つの実装態様において、第3の検出器114は、内側セクション158に隣接してアパーチャ184内に配設することができる。
図1Dに示す別の実装態様において、光学的に透明な材料186は、アパーチャ184内に配設して、流路144の内側セクション158をシールすることができる。光学的に透明な材料186は、直角散乱光194が第3の検出器114に透過することを可能にする任意の適した材料とすることができる。光学的に透明な材料186は、直角散乱光194の少なくとも一部分を第3の検出器114に向けて屈折させるように形作ることができる。例えば、上記で論じたように、光学的に透明な材料186は、直角散乱光194を第3の検出器114に向けて屈折させるように形作られたボールレンズとすることができる。
【0059】
直角散乱光194は、光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に略垂直な方向に散乱することができる。例えば、直角散乱光194は、約87度、約88度、約89度、約89.5度、又は約90度から、約90.5度、約91度、約92度、又は約93度までの角度で散乱することができる。別の例において、直角散乱光194は、約87度~約93度、約88度~約92度、約89度~約91度、又は約89.5度~約90.5度の角度で散乱することができる。LSD100及びその任意のコンポーネントが光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に略垂直な方向に散乱する直角散乱光194を受信するように構成することができることが認識されるべきである。例えば、光学的に透明な材料186(例えば、第6のレンズ)及び/又は第3の検出器114の形状、ロケーション、向き、又は任意の他の属性は、第3の検出器114が直角散乱光194の任意の直角散乱光を受信できるように、調整、修正、又は別の方法で構成することができる。好ましい実装態様において、LSD100及びその第3の検出器114は、光ビーム146及び/又は流路144の中心ライン156に対して約89度~約91度の角度で、好ましくは約89.5度~約90.5度の角度で、より好ましくは約90度の角度で直角散乱光194を受信又は収集するように構成される。
【0060】
本開示は、本明細書で開示されるLSD100等の光散乱検出器を使用して溶液内粒子(例えば、ナノ粒子、マイクロ粒子等)の回転半径(Rg)を求める方法を提供することができる。粒子は、例えば、ポリマー、タンパク質、タンパク質結合体、又はDNAフラグメントとすることができる。例えば、本開示は、光散乱検出器(例えば、LSD100)からのデータを(例えば、電子プロセッサ又はコンピューターシステムによって)分析することによって、溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法を提供することができる。本明細書で述べるLSD100及びそのコンポーネントに対して参照を行う場合があるが、回転半径(Rg)を求める方法を任意の適した光散乱検出器によって行う又は実施することができることが認識されるべきである。
【0061】
光散乱検出器(例えば、LSD100)を使用して溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、LSD100のサンプルセル102内の流路144を通して溶液内粒子を通過させる又は流すことを含むことができ、流路144の中心ライン156はLSD100の光ビーム146に整列する。方法は、光散乱検出器(例えば、LSD100)の1つ以上の角度を正規化すること、又は、光散乱検出器の1つ以上の角度について角度正規化係数(Nθ)を求めることを含むこともできる。例えば、方法は、第1の角度について角度正規化係数(Nθ)を求めることを含むことができる。別の例において、方法は、第1の角度及び第2の角度について角度正規化係数(Nθ)を求めることを含むことができる。本明細書で更に論じるように、第1の角度は流路144の中心ライン156に対して約90度又は約170度とすることができ、第2の角度は約90度又は約170度であり、第1の角度と異なるものとすることができる。方法は、第1の角度における溶液内粒子の第1の散乱強度(Iθ1)を取得することを含むこともできる。方法は、任意選択で、第2の角度における溶液内粒子の第2の散乱強度(Iθ2)を取得することを含むこともできる。方法は、約10度以下の角度における溶液内粒子の10度散乱強度(I10)を取得することを更に含むことができる。方法は、第1の角度について、第1の散乱強度(Iθ1)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ1)によって第1の粒子散乱係数(Pθ1)を求めることを含むこともできる。方法は、任意選択で、第2の角度について、第2の散乱強度(Iθ2)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ2)によって第2の粒子散乱係数(Pθ2)を求めることを含むこともできる。方法は、角度的非対称プロットをプロットすることと、角度的非対称プロットに線を当てはめることと、選択されたロケーションにおける角度的非対称プロットの線の傾斜を求めることとを含むこともできる。方法は、線の傾斜から溶液内粒子の回転半径(Rg)を求めることと、任選択で、回転半径を出力又は表示することとを含むこともできる。
【0062】
上記で論じたように、溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、光散乱検出器の1つ以上の角度を正規化すること、又は、LSD100の1つ以上の角度について角度正規化係数(Nθ)を求めることを含むことができる。LSD100の1つ以上の角度について角度正規化係数(Nθ)を求めることは、LSD100の散乱体積差又は検出器110、112、114のうちの任意の1つ以上の検出器の変動する感度を反映するために実施することができる。
【0063】
少なくとも1つの実装態様において、LSD100の1つの角度のみが正規化される。正規化することができるLSD100の1つの角度又は第1の角度は約90度又は約170度の角度を含むことができる。別の実装態様において、LSD100の2つの角度又は第1の角度及び第2の角度が正規化される。例えば、約90度の第1の角度及び約170度の第2の角度が正規化される。正規化される角度の数は、粒子のサイズ又は回転半径によって少なくとも部分的に求めることができる。例えば、LSD100の1つの角度又は第1の角度のみを、約10nm以下のRgを有する粒子のRgを求めるために正規化することができる。別の例において、LSD100の2つの角度又は第1の角度及び第2の角度を、約10nm以上~約100nmのRgを有する粒子のRgを求めるために正規化することができる。LSD100の第1の角度及び第2の角度を、10nm未満のRgを有する粒子のRgを求めるために同様に正規化することができることが認識されるべきである。
【0064】
LSD100の角度(例えば、90度、170度等)を正規化すること又は角度について角度正規化係数(Nθ)を求めることは、サンプルセル102の流路144を通して複数の知られている溶液内標準粒子(例えば、知られている標準ポリマー)を通過させることと、流路144の中心ライン156を通して光ビーム146を通過させることと、上記角度において分析物散乱光192、194を収集することと、上記角度において収集された分析物散乱光192、194によって上記角度における散乱強度(Iθ)を求めることとを含むことができる。例えば、約90度又は約170度の角度について角度正規化係数(Nθ)を求めることは、サンプルセル102の流路144を通して複数の知られている溶液内標準粒子を通過させることと、流路144の中心ライン156を通して光ビーム146を通過させることと、それぞれ約90度又は約170度の角度において分析物散乱光192、194を収集することと、それぞれ約90度又は約170度の角度において収集された分析物散乱光192、194によって約90度(I90)又は約170度(I170)の角度における散乱強度(Iθ)を求めることとを含むことができる。
【0065】
角度(例えば、90度、170度等)について角度正規化係数(Nθ)を求めることは、光ビーム146に近い又は光ビーム146に入射する角度(例えば、0度)において分析物散乱光190を収集することと、光ビームに近い又は光ビームに入射する角度における散乱強度(I0)を求めることとを含むこともできる。光ビーム146からの信号が、約0度の角度におけるいずれの分析物散乱光よりも比較的大きく、したがって、約0度の角度におけるいずれの分析物散乱光もマスクすることになるため、中心ライン156に対して約0度の角度において分析物散乱光190を収集することが可能でないことが認識されるべきである。したがって、分析物散乱光190は、光ビーム146に近い角度で収集される。例えば、約10度以下の角度において収集される分析物散乱光190が、約0度において収集される分析物散乱光と同等であることが仮定される。したがって、約10度の角度における散乱強度(I10)は約0度における散乱強度(I0)と同等又は実質的に同等である。
【0066】
角度(例えば、90度、170度等)について角度正規化係数(N
θ)を求めることは、複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対して、角度(例えば、90度、170度等)における複数の知られている粒子のそれぞれの散乱強度値と約10度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度(I
10)値との比、すなわち(I
θ/I
10)の比をプロットすることを含むこともできる。複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する、比(I
θ/I
10)の例証的なプロットが
図2に示される。例えば、約90度の角度について角度正規化係数(N
90)を求めることは、複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対して、約90度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度(I
90)値と約10度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度(I
10)値との比(I
90/I
10)をプロットすることを含むことができる。別の例において、約170度の角度について角度正規化係数(N
170)を求めることは、複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対して、約170度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度(I
170)値と約10度の角度における複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の散乱強度(I
10)値との比(I
170/I
10)をプロットすることを含むことができる。
【0067】
角度(例えば、90度、170度等)について角度正規化係数(N
θ)を求めることは、複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する比(I
θ/I
10)のプロットに線を当てはめることを含むこともできる。例えば、
図2に示すように、約90度の角度について角度正規化係数(N
90)を求めることは、複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する比(I
90/I
10)のプロットに線202を当てはめることを含むことができる。
図2に示す別の例において、約170度の角度について角度正規化係数(N
170)を求めることは、複数の知られている粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する比(I
170/I
10)のプロットに線204を当てはめることを含むことができる。
【0068】
角度(例えば、90度、170度等)について角度正規化係数(N
θ)を求めることは、角度正規化係数(N
θ)を求めるためにプロットの各プロットのそれぞれの線202、204を外挿することを更に含むことができる。角度についての角度正規化係数(N
θ)を0の分子量又はx値における外挿値とすることができることが認識されるべきである。例えば、それぞれの角度についての角度正規化係数(N
θ)は、線202、204のそれぞれの線のそれぞれのy切片206、208の値とすることができる。例えば、
図2に示すように、約90度の角度についてのy切片206によって求められる角度正規化係数(N
90)は約1.0099である。
図2に更に示すように、約170度の角度についてのy切片208によって求められる角度正規化係数(N
170)は約0.7807である。
【0069】
上記で論じたように、溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、第1の角度(例えば、90度、170度等)における溶液内粒子(例えば、未知の溶液内粒子)の第1の光散乱強度(Iθ1)を取得することと、任意選択で、第2の角度における溶液内粒子の第2の光散乱強度(Iθ2)を取得することとを含むことができる。例えば、方法は、サンプルセル102内の流路144を通して溶液内粒子を通過させることと、第1の角度及び/又は第2の角度において分析物散乱光192、194を収集することと、第1の角度における散乱強度(Iθ1)及び/又は第2の角度における散乱強度(Iθ2)を求めることとを含むことができる。
【0070】
方法は、中心ライン156に対して約0度の角度において分析物散乱光190を収集することによって、光ビーム146に近い又は光ビーム146に入射する角度における溶液内粒子の散乱強度(I0)を取得することを含むこともできる。上記で論じたように、光ビーム146からの信号が、約0度の角度におけるいずれの分析物散乱光よりも比較的大きく、したがって、約0度の角度におけるいずれの分析物散乱光もマスクすることになるため、中心ライン156に対して約0度の角度において分析物散乱光190を収集することは可能でない。したがって、溶液内粒子の分析物散乱光190は、光ビーム146に近い角度において収集される。例えば、約10度以下の角度において収集される分析物散乱光190が、約0度において収集される分析物散乱光と同等であることが仮定される。したがって、約10度の角度における溶液内粒子の散乱強度(I10)は約0度における溶液内粒子の散乱強度(I0)と同等である。
【0071】
上記で論じたように、溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、第1の角度について、第1の散乱強度(Iθ1)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ1)によって又はそれを利用して第1の粒子散乱係数(Pθ1)を求めることを含むことができる。溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、任意選択で、第2の角度について、第2の散乱強度(Iθ2)、10度散乱強度(I10)、及び角度正規化係数(Nθ2)によって又はそれを利用して第2の粒子散乱係数(Pθ2)を求めることを含むこともできる。
【0072】
少なくとも1つの実装態様において、粒子散乱係数(P
θ)は、式1によって表すことができる。
【数9】
ここで、
I
θはそれぞれの角度(例えば、約90度又は約170度)における溶液内粒子の散乱強度とすることができ、
I
10は約10度以下の角度における溶液内粒子の散乱強度であり、
N
θはそれぞれの角度についての角度正規化係数である。
0度における粒子散乱係数(P
0)を、1に等しい、約10度における同じ粒子散乱係数(P
10)であると仮定することができることが認識されるべきである。
【0073】
上記で論じたように、溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、角度的非対称プロットをプロットすることを更に含むことができる。例証的な角度的非対称プロットは
図3及び
図4に示される。角度的非対称プロットは、平面上に1つ以上の点を含むことができる。例えば、角度的非対称プロットは、平面上に1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれより多い数の点を含むことができる。
図3に示すように、角度的非対称プロットは、第1の点302及び第2の点304を含むことができる。
図4に更に示すように、角度的非対称プロットは、第1の点402、第2の点404、及び第3の点406を含むことができる。点302、304、402、404、406のそれぞれは、x座標等の第1の座標及びy座標等の第2の座標を含むことができる。第1の座標又はx座標はμ
2で表すことができ、μ
2は式(2)で表現することができる。
【数10】
ここで、
n
0は粒子がその中に含まれる溶液の屈折率であり、
θはそれぞれの角度(例えば、約90度又は約170度)であり、
λは光ビームの波長である。
第2の座標又はy座標は、それぞれの粒子散乱係数(P
θ)で表すことができる。光ビームが任意の適した波長を有することができることが認識されるべきである。少なくとも1つの実装態様において、波長は約400nm~約600nmとすることができる。例えば、光ビームの波長は、約400nm、約450nm、又は約500nmから、約550nm、又は約600nmまでとすることができる。好ましい実装態様において、光ビームの波長は、約450nm~約550nm、約500nm~約530nm、又は約515nmとすることができる。一実装態様において、光ビームの波長は、約600nm以上~約700nmの波長を排除することができる。
【0074】
図3に示すように、角度的非対称プロットは、上記で論じた仮定に基づいて0度又は約10度の角度に対応する第1の点302、及び、約90度の角度又は約170度の角度に対応する第2の点304を含むことができる。第1の点302の第1の座標又はx座標はμ
2に等しく、μ
2は、式2によれば0に等しい。第1の点302の第2の座標は粒子散乱係数(P
10)に等しく、粒子散乱係数(P
10)は1に等しい。同様に、第2の点304の第1座標の又はx座標は、約90度又は約170度において計算されるμ
2に等しく、第2の点304の第2の座標又はy座標はそれぞれの粒子散乱係数(P
θ)に等しい。
図4に示すように、角度的非対称プロットは、上記で論じた仮定に基づいて0度又は約10度の角度に対応する第1の点402、約90度の角度に対応する第2の点404、及び約170度の角度に対応する第3の点406を含むことができる。
図4の角度的非対称プロットの第1の点402、第2の点404、及び第3の点406のそれぞれの点のそれぞれの第1の座標及び第2の座標は、上記で論じたように求めることができる。
【0075】
上記で論じたように、溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、角度的非対称プロットに線306、408を当てはめることを含むこともできる。角度的非対称プロットに線306、408を当てはめることは最小2乗当てはめを含むことができる。線306、408は3未満の多項式次数を含むことができる。線306、408は直線又は曲線とすることができる。例えば、
図3に示すように、線306は、直線であり、1の多項式次数を含むことができる。
図4に示す別の例において、線408は、2次的関係及び2の多項式次数を有することができる曲線とすることができる。
【0076】
上記で論じたように、溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、線306、408上の選択されたロケーションにおける線306、408の傾斜を求めることを含むができる。線306、408上の選択されたロケーションは、線に沿う任意の場所とすることができる。少なくとも1つの実装態様において、線306、408上の選択されたロケーションは、y切片又はx値がゼロである場所とすることができる。
【0077】
溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、選択されたロケーションにおける線306、408の傾斜によって又は傾斜から溶液内粒子の回転半径(Rg)を計算する又は求めることを含むこともできる。溶液内粒子の回転半径(Rg)は式(3)で表すことができる。
【数11】
ここで、bは選択されたロケーションにおける線の傾斜である。
【0078】
溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法は、回転半径(Rg)を出力又は表示することを含むこともできる。例えば、方法は、本明細書で述べるコンピューティングシステム等のコンピューティングシステムのディスプレイ(例えば、コンピューターディスプレイ)、読み出し、レポート、ディスクストレージ上に回転半径(Rg)を出力することを含むことができる。
【0079】
図5は、1つ以上の実装態様による、LSD100からのデータを受信及び/又は分析するコンピューターシステム又は電子プロセッサ500を示す。コンピューターシステム又は電子プロセッサ500は、汎用コンピューターとすることができ、また、ユーザー又はクロマトグラファーが、データを処理する、データを分析する、データを解釈する、データを記憶する、データを取り出す、データを表示する、結果を表示する、結果を解釈する、結果を記憶する、又はその任意の組み合わせを行うことを可能にすることができる。結果は、グラフィカル形式及び/又は表形式とすることができる。電子プロセッサ500は、
図1AのLSD100に動作可能に及び/又は通信可能に結合して示されるが、電子プロセッサ500が当該技術分野で知られている任意の適した光散乱検出器に動作可能に及び/又は通信可能に結合することができることが認識されるべきである。
【0080】
コンピューターシステム又は電子プロセッサ500は、LSD100の1つ以上の任意のコンポーネントを動作させる、それと通信する(例えば、データを送信/受信する)、それを修正する、それを変調する、又は別の方法でそれを実行することが可能である又はそうするように構成することができる。例えば、電子プロセッサ500は、ポンプ(図示せず)、レーザー108、サンプル源104、検出器110、112、114のうちの1つ以上の任意の検出器、又はLSD100の任意の他のコンポーネントに動作可能に及び/又は通信可能に結合し、また、それを動作させる、それと通信する、それを修正する、それを変調する、又は別の方法でそれを実行することが可能である又はそうするように構成することができる。
【0081】
図5に示す少なくとも1つの実装態様において、電子プロセッサ500は、検出器110、112、114に動作可能に及び/又は通信可能に結合し、また、信号及び/又はデータ502を送信及び/又は検出器から受信することが可能である又はそうするように構成することができる。1つ以上の検出器110、112、114からのデータ502は、変動性アナログ電圧等のアナログデータである又はそれを含むことができる。少なくとも1つの実装態様において、電子プロセッサ500は、アナログデータをデジタルデータに変換することが可能である又はそうするように構成することができる。例えば、電子プロセッサ500はアナログ対デジタル変換器(図示せず)を含むことができる。別の実装態様において、アナログ対デジタル変換器はLSD100又はその検出器110、112、114と電子プロセッサ500との間に挿入することができる。
【0082】
電子プロセッサ500は、LSD100の1つ以上の任意のコンポーネントからのデータ502を受信する、収集する、記録する、及び/又は記憶することが可能である又はそうするように構成することができる。例えば、
図5に示すように、電子プロセッサ500は、LSD100の1つ以上の検出器110、112、114からのデータ502を受信する、任意選択でデータ502を変換する、及び、ローカルドライブ又はネットワークドライブ(例えば、クラウドドライブ)等のコンピューターメモリ内にデータ502を記録及/又は記憶することができる。
【0083】
電子プロセッサ500は、データ502を分析する、処理する、表示する、及び/又は出力することが可能である又はそうするように構成することができる。例えば、電子プロセッサ500は、データ502を分析する、処理する、表示する、及び/又は出力することが可能である又はそうするように構成することができるソフトウェアを含むことができる。ソフトウェアは、同様にデータ502を処理し、ワークステーション又はディスプレイ504上でデータ502を出力又は表示することが可能である又はそうするように構成することができる。ソフトウェアは、本明細書で開示するアルゴリズム、式、方法、ステップ、プロセス、又は定式の任意の1つ以上を含むことができる。電子プロセッサ500は、結果を準備するために、データ502からの情報を処理及び/又は抽出し、レポートにおいて又はディスプレイ504上で等で、データ502及び/又は結果を提示することができる。電子プロセッサ500は、ユーザー又はクロマトグラファーが、電子プロセッサ500及び/又はLSD100の全てのシステム、サブシステム、及び/又はコンポーネントと相互作用することを可能にするグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含むことができる。
【0084】
図6は、LSD100を含む1つ以上の光散乱検出器及び/又は本明細書で開示される1つ以上の方法と共に使用することができる
図5のコンピューターシステム又は電子プロセッサ500のブロック図を示す。例えば、コンピューティングシステム500(又はシステム又はサーバー又はコンピューティングデバイス又はデバイス)は、本開示のプロセス、動作、又は方法の任意のものを実施する本明細書で述べるデバイス又はシステムのうちの任意のものを示すことができる。コンピューティングシステム500が、種々のコンポーネントを示すが、コンポーネントを相互接続する任意の特定のアーキテクチャ又は方法を示すことを意図されず、なぜならば、そのような詳細は本開示に密接な関連がないからであることに留意されたい。示すよりも少数の又は多数のコンポーネントを有する他のタイプのシステムを、本開示と共に使用することもできることが同様に認識されるであろう。
【0085】
示すように、コンピューティングシステム500は、プロセッサ604、ROM(読み出し専用メモリ)608、RAM(又は揮発性メモリ)610、及びストレージ(又は不揮発性メモリ)612に結合することができるバス602を備えることができる。プロセッサ604はメモリ608、610、612のうちの1つ以上のメモリ内にデータ502(
図5参照)を記憶することができる。プロセッサ604は、メモリ608、610、及び612のうちの1つ以上のメモリから、記憶データを取り出すこともできる。1つ以上のメモリ608、610、612は、本明細書で開示するソフトウェアを記憶することができ、そのソフトウェアは、本明細書で述べるプロセス、動作、又は方法のうちの1つ以上の任意のものを実施する命令を含むことができる。プロセッサ604は、同様に、メモリ608、610、及び612の1つ以上のメモリから、記憶されたソフトウェア又はその命令を取り出し、命令を実行して、本明細書で述べるプロセス、動作、又は方法のうちの1つ以上の任意のものを実施することができる。これらのメモリは、プロセッサ604(又はシステム又はコンピューティングシステム)によって実行されると、プロセッサ604に、本明細書で述べるプロセス、動作、又は方法のうちの1つ以上の任意のものを実施させる命令を含む非一時的コンピューター可読媒体(又は機械可読媒体)又はストレージの例を示す。RAM610は、例えば、ダイナミックRAM(DRAM)、又は、メモリ内でデータをリフレッシュ又は維持するために連続して電力を要求する他のタイプのメモリとして実装することができる。ストレージ612は、例えば、磁気ストレージ、半導体ストレージ、テープストレージ、光ストレージ、取り外し可能ストレージ、取り外し不能ストレージ、及び/又は、コンピューターシステム500から電力が除去された後でもデータを維持する他のタイプのストレージを含むことができる。ストレージ612は、システム500からリモートにある(例えば、ネットワークを介してアクセス可能である)ことができることが認識されるべきである。
【0086】
ディスプレイコントローラー614は、バス602に結合して、ディスプレイ504上で表示されるデータを受信することができ、ディスプレイ504は、本明細書で述べるユーザーインターフェース特徴又は実装態様のうちの任意のものを表示することができ、また、ローカル又はリモートディスプレイデバイス504とすることができる。コンピューティングシステム500は、マウス、キーボード、タッチスクリーン、ネットワークインターフェース、プリンター、スピーカー、及び他のデバイスを含む1つ以上の入力/出力(I/O)コンポーネント616も備えることができる。通常、入力/出力コンポーネント616は、入力/出力コントローラー618を通してシステム500に結合される。
【0087】
モジュール620(又は、プログラムコード、命令、コンポーネント、サブシステム、ユニット、関数、若しくはロジック)は、上述した命令、サブシステム、ステップ、方法、式、計算、プロット、又はエンジンのうちの任意のものを示すことができる。モジュール620は、コンピューティングシステム500によるモジュールの実行中に、上述したメモリ(例えば、非一時的コンピューター可読媒体)内に又はプロセッサ604内に完全に又は少なくとも部分的に存在することができる。さらに、モジュール620は、コンピューティングシステム500内のソフトウェア、ファームウェア、又は関数回路として、又は、その組み合わせとして実装することができる。
【0088】
本開示は例示的な実装態様を参照して述べられた。制限された数の実装態様が示されるとともに述べられたが、先行する詳細な説明の原理及び趣旨から逸脱することなく、これらの実装態様において変更を行うことができることが当業者であれば認識されるであろう。そのような全ての修正及び変更が添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内に入る限り、本開示がそれらの修正及び変更を含むものとして解釈されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光散乱検出器を使用して溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法であって、
サンプルセル内の流路を通して前記溶液内粒子を通過させることであって、前記流路は前記検出器の
一部を通して方向付けられる光ビームに整列した中心ラインを有する、通過させることと、
前記検出器の第1の角度についての角度正規化係数(N
θ1)及び前記検出器の第2の角度の角度正規化係数(N
θ2)を求めることであって、前記第1の角度は前記中心ラインに対して約90度であり、前記第2の角度は前記中心ラインに対して約170度であること、求めることと、
前記第1の角度における前記溶液内粒子の第1の散乱強度(I
θ1)を取得することと、
前記第2の角度における前記溶液内粒子の第2の散乱強度(I
θ2)を取得することと、
前記中心ラインに対して約10度の
第3の角度における前記溶液内粒子の
第3の散乱強度(I
10)を取得することと、
前記第1の角度について、前記第1の散乱強度(I
θ1)、前記
第3の散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ1)によって第1の粒子散乱係数(P
θ1)を求めることと、
前記第2の角度について、前記第2の散乱強度(I
θ2)、前記10度散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ2)によって第2の粒子散乱係数(P
θ2)を求めることと、
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)及び前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)を含む角度的非対称プロットをプロットすることと、
前記角度的非対称プロットに線を当てはめることと、
前記線上の選択されたロケーションにおける前記線の傾斜を求めることと、
前記線の前記傾斜から前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)を求めることと、
前記回転半径(Rg)を出力することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記検出器の前記第1の角度及び前記第2の角度の前記角度正規化係数を求めることは、
前記サンプルセルの前記流路を通して複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれを通過させることと、
前記第1の角度において
、前記第2の角度において、
及び前記第3の角度において、前記複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれについて散乱強度値を取得することと、
前記第1の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と
前記第3の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第1の角度についての前記角度正規化係数(N
θ1)を求めることと、
前記第2の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と
前記第2の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第2の角度についての前記角度正規化係数(N
θ2)を求めることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれは、知られている分子量を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)は、形式
【数1】
であり、
ここで、
I
θ1は前記第1の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は
前記第3の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ1は前記第1の角度についての前記角度正規化係数である、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)は、形式
【数2】
であり、
ここで、
I
θ2は前記第2の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は
前記第3の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ2は前記第2の角度についての前記角度正規化係数である、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記角度的非対称プロットをプロットすることは、
平面上に第1の点をプロットすることであって、前記第1の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第1の点の前記第1の座標は前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)であり、前記第1の点の前記第2の座標は形式
【数3】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
1は前記第1の角度であり、
λは前記光ビームの波長である、
プロットすることと、
前記平面上に第2の点をプロットすることであって、前記第2の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第2の点の前記第1の座標は前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)であり、前記第2の点の前記第2の座標は形式
【数4】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
2は前記第2の角度であり、
λは前記光ビームの前記波長である、
プロットすることと、
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記角度的非対称プロットに前記線を当てはめることは、最小2乗当てはめを含み、前記線は、3未満の多項式次数を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
光散乱検出器を使用して溶液内粒子の回転半径(Rg)を求める方法であって、
サンプルセル内の流路を通して前記溶液内粒子を通過させることであって、前記流路は前記検出器の
一部を通して方向付けられる光ビームに整列した中心ラインを有する、通過させることと、
前記検出器の第1の角度について角度正規化係数(N
θ1)を求めることであって、前記第1の角度は、前記中心ラインに対して約90度又は約170度である、求めることと、
前記第1の角度における前記溶液内粒子の第1の散乱強度(I
θ1)を取得することと、
約10度以下の角度における前記溶液内粒子の10度散乱強度(I
10)を取得することと、
前記第1の角度について、前記第1の散乱強度(I
θ1)、前記10度散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ1)によって第1の粒子散乱係数(P
θ1)を求めることと、
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)を含む角度的非対称プロットをプロットすることと、
前記角度的非対称プロットに線を当てはめることと、
前記線上の選択されたロケーションにおける前記線の傾斜を求めることと、
前記線の前記傾斜から前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)を求めることと、
前記回転半径を出力することと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記検出器の前記第1の角度について前記角度正規化係数(N
θ1)を求めることは、
前記サンプルセルの前記流路を通して複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれを通過させることと、
約10度
以下の角度において及び前記第1の角度において、前記複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値を取得することと、
前記複数の知られている溶液内粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する、前記第1の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と約10度の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第1の角度についての前記角度正規化係数(N
θ1)を求めることと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれは、知られている分子量を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)は、形式
【数5】
であり、
ここで、
I
θ1は前記第1の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は約10度
以下の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ1は前記第1の角度についての前記角度正規化係数である、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記角度的非対称プロットをプロットすることは、
平面上に第1の点をプロットすることであって、前記第1の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第1の点の前記第1の座標は前記第1の粒子散乱係数(P
θ1)であり、前記第1の点の前記第2の座標は形式
【数6】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
1は前記第1の角度であり、
λは前記光ビームの波長である、
プロットすることを含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項13】
前記角度的非対称プロットをプロットすることは、
前記平面上に第2の点をプロットすることであって、前記第2の点は第1の座標及び第2の座標を含み、前記第2の点の前記第1の座標は前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)であり、前記第2の点の前記第2の座標は形式
【数7】
であり、
ここで、
n
0は前記溶液の屈折率であり、
θ
2は前記第2の角度であり、
λは前記光ビームの前記波長である、
プロットすることを更に含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記角度的非対称プロット
の前記線は直線である、請求項
8に記載の方法。
【請求項15】
前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)は10nm未満である、請求項
8に記載の方法。
【請求項16】
前記検出器の第2の角度の角度正規化係数(N
θ2)を取得することであって、第2の角度は、前記中心ラインに対して約90度又は約170度であり、前記第2の角度は前記第1の角度と異なる、取得することと、
前記第2の角度における前記溶液内粒子の第2の散乱強度(I
θ2)を取得することと、
前記第2の角度について、前記第2の散乱強度(I
θ2)、前記10度散乱強度(I
10)、及び前記角度正規化係数(N
θ2)によって第2の粒子散乱係数(P
θ2)を求めることと、
を更に含み、
前記角度的非対称プロットは前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)を更に含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項17】
前記検出器の前記第2の角度の前記角度正規化係数を求めることは、
前記第2の角度において、前記複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれの粒子の散乱強度値を取得することと、
前記複数の知られている
前記溶液内粒子のそれぞれの粒子のそれぞれの重量平均分子量に対する、前記第2の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値と約10度
以下の角度における前記複数の知られている粒子のそれぞれの粒子の前記散乱強度値との比のプロットによって、前記第2の角度についての前記角度正規化係数(N
θ2)を求めることと、
を含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の粒子散乱係数(P
θ2)は、形式
【数8】
であり、
ここで、
I
θ2は前記第2の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
I
10は約10度
以下の角度における前記溶液内粒子の前記散乱強度であり、
N
θ2は前記第2の角度についての前記角度正規化係数である、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記角度的非対称プロットの前記線は曲線である、請求項
16に記載の方法。
【請求項20】
前記溶液内粒子の前記回転半径(Rg)は100nm未満、任意選択で10nmより大きい、請求項
16に記載の方法。
【国際調査報告】