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特表2022-511154TENS治療機能を有する骨伝導装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】TENS治療機能を有する骨伝導装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20220124BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20220124BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20220124BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
A61N1/36
H04R1/00 317
G10K15/04 302F
G10K15/04 302M
H04R1/10 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020543097
(86)(22)【出願日】2019-08-19
(85)【翻訳文提出日】2020-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2019010464
(87)【国際公開番号】W WO2020040497
(87)【国際公開日】2020-02-27
(31)【優先権主張番号】10-2018-0096809
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】520295649
【氏名又は名称】モビフレン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ヘオ ジョー ウォン
【テーマコード(参考)】
4C053
5D005
5D017
5D208
【Fターム(参考)】
4C053BB23
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ04
4C053JJ05
4C053JJ27
5D005BB01
5D005BB08
5D005BB11
5D017AB13
5D208DC02
5D208DE01
(57)【要約】
本発明に係る骨伝導装置は、オーディオデータを復号化する復号化部と;前記復号化されたオーディオデータをアナログ信号に変換して、アナログオーディオ信号を出力するデジタルアナログコンバータと;前記アナログオーディオ信号を骨伝導信号に変換して出力する骨伝導ユニットと;前記骨伝導ユニットを収容するハウジングの外側に設置される金属電極と;TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)信号を生成する周波数発生器と;前記TENS信号を増幅して前記金属電極に印加するTENS信号増幅部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオデータを復号化する復号化部と、
前記復号化されたオーディオデータをアナログ信号に変換して、アナログオーディオ信号を出力するデジタルアナログコンバータと、
前記アナログオーディオ信号を骨伝導信号に変換して出力する骨伝導ユニットと、
前記骨伝導ユニットを収容するハウジングの外側に設置される金属電極と、
TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)信号を生成する周波数発生器と、
前記TENS信号を増幅して前記金属電極に印加するTENS信号増幅部とを含む、骨伝導装置。
【請求項2】
前記骨伝導ユニットは、第1骨伝導ユニット及び第2骨伝導ユニットを含み、
前記第1骨伝導ユニットと前記第2骨伝導ユニットは、それぞれ、第1ハウジング及び第2ハウジングに収容され、前記金属電極は、前記第1ハウジングの外側に設置される第1金属電極と、前記第2ハウジングの外側に設置される第2金属電極とを含む、請求項1に記載の骨伝導装置。
【請求項3】
前記TENS信号増幅部は、
前記TENS信号を同位相で増幅する第1増幅部と、
前記TENS信号を逆位相で増幅する第2増幅部とを含み、
前記第1増幅部は、同位相で増幅された前記TENS信号を前記第1金属電極に印加し、
前記第2増幅部は、逆位相で増幅された前記TENS信号を前記第2金属電極に印加する、請求項2に記載の骨伝導装置。
【請求項4】
前記TENS信号増幅部の増幅レベルが可変的であり、
ユーザーが前記増幅レベルを調整することができるようにするユーザーインターフェースをさらに含む、請求項1に記載の骨伝導装置。
【請求項5】
前記金属電極は金メッキが施された銅板である、請求項1に記載の骨伝導装置。
【請求項6】
前記TENS信号の周波数が70~80Hzの間である、請求項1に記載の骨伝導装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨伝導装置に関し、より詳細には、TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)治療機能を有する骨伝導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人が音を聞くことができる方法は、空気伝導(air conduction)方式と骨伝導(bone conduction)方式の2つに分けられる。
【0003】
その中でも、空気伝導方式は、音が鼓膜を介して中耳(inner ear)に伝達される方式であって、通常、空気を伝わる音の振動は、耳の中の鼓膜へ伝達され、鼓膜の中に位置している3つの骨を介して蝸牛に伝達される。
【0004】
骨伝導方式は、頭蓋骨(cranial bone)を通じた音が蝸牛に伝達され、聴覚神経を経て脳に伝達される方式であって、音認識メカニズムにおける、振動が鼓膜と鼓膜の中に位置している3つの骨を経由する過程を省略したものである。
【0005】
つまり、耳の周りの皮膚表面に加わる音響振動が頭蓋骨を介して直接蝸牛に伝達されることにより、鼓膜や耳小骨に異常がある難聴者であっても、蝸牛と聴覚神経が正常であれば、皮膚を通じた骨伝導で確実に音を聞くことができるようになる。
【0006】
空気伝導型イヤホン及びヘッドホンの場合、耳を塞いで使用することにより、周囲の外部の騒音などを聞くことができなくて事故の危険性が増加するため、先進国では、耳を塞いで使用する空気伝導型イヤホン及びヘッドホンを着用して道路上で音楽などを聴取しないようにすることを法律的に規制している。
【0007】
また、最近、デジタル音響及び通信機器の目覚ましい普及により、世界的に人口比10%以上の若者が騒音性難聴を訴えており、世界的な高齢化時代においても、老人性難聴の増加が社会的に問題視されるため、受信されるスピーカーの音量及び使用時間を減らすことを代案として提示している。
【0008】
したがって、骨伝導スピーカーは、一般人の場合、耳を開いた状態で使用することにより周囲の騒音を同時に受信するので、事故を予防するだけでなく、鼓膜への直接影響を与えることなく骨伝導の原理を利用して使用するので、難聴を予防する。
【0009】
一方、電気鎮痛療法は、人の身体に内部的または外部的に電気を印加する疼痛治療の一形態である。一般には、電気鎮痛療法は、疼痛源の地点から脳まで疼痛信号が伝達されることを防ぐことを目的とする。
【0010】
電気鎮痛療法の一つの形態が周知の如く経皮的電気神経刺激治療(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation、以下、「TENS」という。)であるが、TENSは、様々な形態の疼痛を治療するか、或いはよく鍼治療と多少似ていると思われる方式であって、人に快適で楽しい反応を提供することができる。
【0011】
一般に、人の身体は、様々な所定の個別的周波数に良く反応するものと受け止められている。したがって、TENSを利用する装置は、人の体のさまざまな部分にわたって配置される電極に振動する経皮的エネルギーを提供することにより、このような目標を達成することが知られている。
【0012】
TENSの使用について、腰痛、筋肉筋膜及び関節炎の疼痛、交感神経関与疼痛、膀胱尿失禁、神経性疼痛、内臓痛、術後の疼痛など、様々な形態の疼痛に対する臨床レポートが多く存在する。
【0013】
TENSは、皮膚の表面に対する電気的刺激の応用であって、主に疼痛の軽減のためのものである。TENSは、周波数、パルス幅、振幅に特徴づけられる幾つかの種類の電気的波形を持って外部表面電極を介して処置される。
【0014】
電気を加えることにより疼痛を軽減することはかなり以前から知られているが、それが実質的な関心を得たのは、1965年にMelzack & Wallのゲートコントロール説(gate control theroy)の発表以降である。ゲートコントロール説は、疼痛緩和メカニズムに対する科学的基礎を提供する。TENSは、非薬物的、非侵襲的、非中毒性であり、使用禁止事由が殆どないという利点がある。
【0015】
通常のTENS治療は、比較的高い刺激周波数(例えば、50~150Hz)と低電流(例えば1~2mA)を使用するが、これは、ほとんどのユーザーが耐えられる数値である。これとは異なり、低い刺激周波数(例えば1~5Hz)と高い電流(例えば15~80mA)を使用する場合もあるが、これは一部のユーザーにとっては通常の治療よりもさらに良いことがある。
【0016】
このようなTENS治療には、一定周波数の電流を発生させる装備が必要であり、伝導性パッドなどの電極を身体の額や頭の後ろ部分に付けなければならないので、治療を行うことができる場所と時間の制約が大きいため、日常で行われず、病院または介護施設などでのみ制限的に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする技術的課題は、日常で音楽鑑賞または音楽治療とTENS治療を一緒に提供することができる骨伝導装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記技術的課題を解決するための本発明に係る骨伝導装置は、
オーディオデータを復号化する復号化部と、前記復号化されたオーディオデータをアナログ信号に変換して、アナログオーディオ信号を出力するデジタルアナログコンバータと、前記アナログオーディオ信号を骨伝導信号に変換して出力する骨伝導ユニットと、前記骨伝導ユニットを収容するハウジングの外側に設置される金属電極と、TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)信号を生成する周波数発生器と、前記TENS信号を増幅して前記金属電極に印加するTENS信号増幅部と、を含む。
【0019】
前記骨伝導ユニットは、第1骨伝導ユニット及び第2骨伝導ユニットを含み、前記第1骨伝導ユニットと前記第2骨伝導ユニットは、それぞれ、第1ハウジング及び第2ハウジングに収容され、前記金属電極は、前記第1ハウジングの外側に設置される第1金属電極と、前記第2ハウジングの外側に設置される第2金属電極とを含むことができる。
【0020】
前記TENS信号増幅部は、前記TENS信号を同位相で増幅する第1増幅部と、前記TENS信号を逆位相で増幅する第2増幅部とを含み、前記第1増幅部は、同位相で増幅された前記TENS信号を前記第1金属電極に印加し、前記第2増幅部は、逆位相で増幅された前記TENS信号を前記第2金属電極に印加することができる。
【0021】
前記TENS信号増幅部の増幅レベルは可変的であり、前記骨伝導装置は、ユーザーが前記増幅レベルを調整することができるようにするユーザーインターフェースをさらに含むことができる。
【0022】
前記金属電極は、金メッキが施された銅板であり得る。
【0023】
前記TENS信号の周波数は、70~80Hzの間であり得る。
【発明の効果】
【0024】
上述した本発明によれば、骨伝導ユニットを収容するハウジングの外側に金属電極を設置し、この金属電極にTENS信号を印加することにより、日常で音楽鑑賞または音楽治療とTENS治療を一緒に提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る、TENS治療機能を有する骨伝導装置の機能ブロック図を示す。
図2】本発明の一実施形態に係る骨伝導装置の実現形態の一例を示す。
図3】本発明の一実施形態に係る骨伝導装置の使用形態の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。以下の説明および添付図面において、実質的に同一の構成要素は、それぞれ同一の符号で示すことにより、重複説明を省略する。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがあると判断された場合、それについての詳細な説明は省略する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態による、TENS治療機能を有する骨伝導装置の機能ブロック図を示す。
【0028】
本実施形態に係る骨伝導装置は、図示の如く、ブルートゥース通信モジュール110、メモリ115、復号化部120、デジタルアナログコンバータ125、オーディオ増幅部130、骨伝導ユニット141、142、周波数発生器150、TENS信号増幅部160、金属電極171、172、ユーザーインターフェース180、及び制御部190を含むことができる。
【0029】
ブルートゥース通信モジュール110は、ブルートゥース通信を利用して音楽再生装置(図示せず)からオーディオデータを受信する。このため、音楽再生装置と骨伝導装置は、事前にブルートゥースペアリングを行うことができる。音楽再生装置は、例えば、ブルートゥース通信機能を保有するmp3プレーヤー、CDプレーヤー、スマートフォン、タブレット、TVなどであり得る。
【0030】
メモリ115は、オーディオデータを保存する。メモリ115には、音楽治療のための瞑想音楽または治療音響データが基本的に保存でき、ユーザー所望の音楽をメモリ115に保存するようにすることもできる。メモリ115は、骨伝導装置に内蔵されていてもよい。この場合、オーディオデータがコンピュータなどの他の装置から有線または無線でメモリ115に移されることが可能である。これとは異なり、メモリ115は、例えばSDカードのように着脱可能なメモリであってもよい。この場合、コンピュータなどの他の装置を介してメモリ115にオーディオデータが保存され、このメモリ115が骨伝導装置に挿入されることも可能である。
【0031】
上述したようなブルートゥース通信モジュール110とメモリ115は、選択的に備えられてもよく、両方とも備えられてもよい。例えば、ブルートゥース通信モジュール110のみ備えられる場合には、オーディオデータは、ブルートゥース通信を介して提供され、メモリ115のみ備えられる場合には、オーディオデータは、メモリ115から提供され、両方とも備えられる場合には、オーディオデータは、ユーザーの選択に応じてブルートゥース通信を介して提供されるか或いはメモリ115から提供される。
【0032】
ブルートゥース通信を介して受信されるオーディオデータまたはメモリ115に保存されたオーディオデータは、一般に、所定の方式で圧縮されたデジタルデータである。したがって、復号化部120は、ブルートゥース通信モジュール110を介して入力されるオーディオデータ、またはメモリ115に保存されたオーディオデータを復号化してデジタルアナログコンバータ125に伝達する。
【0033】
デジタルアナログコンバータ125は、復号化部120からのデジタルオーディオデータをアナログ信号に変換してアナログオーディオ信号を出力する。
【0034】
オーディオ増幅部130は、アナログオーディオ信号をユーザーが聴取するのに適したレベル(またはユーザーが設定するレベル)で増幅して、骨伝導ユニット141、142、例えば左側骨伝導ユニット141と右側骨伝導ユニット142に出力する。オーディオ増幅部130の増幅レベルは、ユーザーインターフェース180を介してのユーザーの設定に応じて調節できる。
【0035】
骨伝導ユニット141、142は、オーディオ増幅部130が提供するアナログオーディオ信号を骨伝導信号に変換して出力する。骨伝導ユニット141、142は、通常、フレーム、ボイスコイル、マグネット、振動板などからなる。
【0036】
周波数発生器150は、TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)に該当する周波数の信号であるTENS信号を生成する。周波数発生器150は、水晶振動子を用いてTENS信号を発生させることもでき、マイコン(Micom)で当該周波数信号を作ってTENS信号を発生させることもできる。
【0037】
TENSに該当する周波数は、通常のTENS治療に使用される周波数であって、例えば、1~150Hzの間の周波数であり得る。人ごとに若干の差異はあり得るが、TENS療法においてエンドルフィン、特にベータエンドルフィンを最も活性化させる周波数は、約70~80Hzであると知られている。したがって、最大エンドルフィン誘発のために、TENS信号の周波数は70~80Hz(例えば76Hz)になり得る。
【0038】
周波数発生器150を介して生成されるTENS信号は、典型的には非常に小さいサイズの信号(例えば、数十mV)であるので、TENS信号増幅部160は、TENS信号を、適切な刺激を与えることができる所定のレベル(例えば、10~30V)に増幅する。TENS信号増幅部160の増幅レベルは、ユーザーインターフェース180を介してのユーザーの設定に応じて調節できる。
【0039】
TENS信号増幅部160は、周波数発生器150からのTENS信号を同位相で増幅する第1増幅部161と、周波数発生器150からのTENS信号を逆位相で増幅する第2増幅部162とを含むことができる。このため、第1増幅部161と第2増幅部162を介して互いに逆位相のTENS信号が出力できる。
【0040】
すなわち、第1増幅部161を介して(+)極性のTENS信号が出力され、第2増幅部162を介して(-)極性のTENS信号が出力されてもよい。第1増幅部161と第2増幅部162は、ユーザーの設定に応じて増幅度が調節される可変増幅器であり、例えば、可変抵抗器と演算増幅器などで実現できる。第1増幅部161を介して出力される(+)極性のTENS信号は第1金属電極171に印加され、第2増幅部162を介して出力される(-)極性のTENS信号は第2金属電極172に印加されてもよい。
【0041】
左側骨伝導ユニット141と右側骨伝導ユニット142は、それぞれユーザーの人体(例えば、耳の周りの皮膚表面)に密着できるように製作された第1ハウジング310と第2ハウジング320に収容されるが、第1金属電極171と第2金属電極172は、それぞれのユーザーの人体に密着できるように、第1ハウジング310と第2ハウジング320の外側に設置できる(図2及び図3を参照)。もちろん、第1金属電極171が第2ハウジング320に設置され、第2金属電極172が第1ハウジング310に設置されてもよい。
【0042】
第1金属電極171と第2金属電極172は、金属板の形態であってもよく、皮膚と直接接触するので、皮膚トラブルを防止するために金メッキの施された銅板で実現できる。
【0043】
ユーザーインターフェース180は、本発明の実施形態に係る骨伝導装置の動作をユーザーが操作することができるようにするインターフェースを提供する。例えば、ユーザーインターフェース180は、装置のオン/オフ、オーディオデータの入力ソースの選択(ブルートゥースまたはメモリ)、選曲、オーディオレベル、TENS信号のオン/オフ、TENS信号レベル、TENS信号の周波数、オーディオ再生タイマーの設定、TENS信号タイマーの設定などを操作することが可能なインターフェースを提供することができる。
【0044】
制御部190は、予め設定されたロジックまたはユーザーインターフェース180を介してのユーザーの操作に応じて、装置の構成要素、例えば、ブルートゥース通信モジュール110、復号化部120、デジタルアナログコンバータ125、オーディオ増幅部130、周波数発生器150、TENS信号増幅部160などを全般的に制御する。
【0045】
本発明の実施形態によれば、骨伝導ユニット141、142を介して音楽鑑賞や瞑想音楽による音楽治療を行うのと同時に、金属電極171、172を介して耳の周りの皮膚表面にTENS信号の電気刺激を与えてTENS治療を行うことができる。但し、必ずしも治療または疼痛予防の目的でなくても、骨伝導ユニット141、142を介して音楽鑑賞をしながらTENS信号の電気刺激を与えて日常生活でユーザーにエンドルフィンを誘発するのに利用することもできる。
【実施例
【0046】
図2は本発明の一実施形態に係る骨伝導装置の実現形態の一例を示し、図3は本発明の一実施形態に係る骨伝導装置の使用形態の一例を示す。
【0047】
図1の構成のうち、ブルートゥース通信モジュール110、メモリ115、復号化部120、デジタルアナログコンバータ125、オーディオ増幅部130、周波数発生器150、TENS信号増幅部160、ユーザーインターフェース180、制御部190などは、コントローラ200に備えられ、骨伝導ユニット141、142と金属電極171、172は、イヤホン形態で別のハウジング310、320に備えられ得る。コントローラ200、骨伝導ユニット141、142及び金属電極171、172は、ケーブルを介して接続できる。そして、図3に示すように、ユーザーは、例えばヘアバンド形態の機構物を用いて(あるいは機構物なしで耳にかける方式)イヤホン形態のハウジング310、320を金属電極171、172が耳の周りの皮膚表面に密着するように着用したまま、コントローラ200を携帯することができる。
【0048】
また、図2を参照すると、ユーザーインターフェース180は、オン/オフスイッチ(側面に設けられて表示されない)、第1ボタン181、第2ボタンセット182、第3ボタンセット183、動作状態表示部184などを含むことができる。
【0049】
オン/オフスイッチは、オンモード及びオフモードを設定するが、ここで、オフモードは、TENS機能をオフさせ、ブルートゥースを介してオーディオを再生するモードであり、オンモードは、TENS機能をオンさせ、メモリ115に保存されたオーディオを再生するモードであり得る。
【0050】
第1ボタン181は、オフモードではブルートゥースオーディオの再生及び停止を制御し、オンモードではTENS機能の動作、及びメモリ115に保存されたオーディオの再生及び停止を制御することができる。
【0051】
第2ボタンセット182は、オフモードではオーディオのボリュームを調節し、オンモードではTENS動作時間を設定し、オーディオのボリュームを調節することができる。例えば、オフモードでの(+)ボタンと(-)ボタンは、ボリュームを増加または減少させ、オンモードでの(+)ボタンと(-)ボタンは、短く押すと、TENS動作時間を増加または減少させ、長く押すと、ボリュームを増加または減少させることができる。
第3ボタンセット183は、オフモードでは次の曲または前の曲などに選曲を制御し、オンモードではTENS刺激強さを調節し且つ選曲を制御することができる。例えば、オフモードでの

は次の曲または前の曲に移動させ、オンモードでの

は、短く押すと、TENS信号のレベルを増加または減少させ、長く押すと、次の曲または前の曲に移動させることができる。
【0052】
動作状態表示部184は、TENS動作時間及びTENS刺激強さを表示することができる。例えば、図2の(a)に示すように、基本的には、第1色(例えば緑)で残りのTENS動作時間を表示し(前述したように、オンモードで(+)ボタンと(-)ボタンを短く押すことによって増加または減少する)、オンモードで
または
を短く押すと、図2の(b)に示すように、増加または減少したTENS信号のレベルを第2色(例えば赤)で表示した後、数秒後に再びTENS動作時間を表示する状態に復帰することができる。
【0053】
図4は本発明の一実施形態に係る骨伝導装置の実現形態の他の例を示す。図示の如く、上述したコントローラ200の代わりに、ネックバンド形状の機構物400に、ブルートゥース通信モジュール110、メモリ115、復号化部120、デジタルアナログコンバータ125、オーディオ増幅部130、周波数発生器150、TENS信号増幅部160、制御部190などを収容し、機構物400の両端に設けられるハウジング310、320に骨伝導ユニット141、142と金属電極171、172を設置して、ユーザーがネックバンド形態で骨伝導装置を着用するようにすることもできる。この場合、骨伝導装置とブルートゥースを介して連動するスマートフォンアプリケーションを提供して、ユーザーインターフェース180の機能の全部又は一部をスマートフォンのアプリケーションで実現することもできる。
【0054】
本発明の実施例形態は、機能的なブロック構成及び様々な処理段階で表現できる。このような機能ブロックは、特定の機能を実行する様々な個数のハードウェアおよび/またはソフトウェアの構成で実現できる。例えば、実施形態は、一つ以上のマイクロプロセッサの制御または他の制御装置によってさまざまな機能を実行することができる、メモリ、プロセッシング、ロジック(logic)、ルックアップテーブル(look-up table)などの集積回路構成を採用することができる。
【0055】
本発明における構成要素がソフトウェアプログラミングまたはソフトウェア要素で実行できるものと同様に、実施形態は、データ構造、プロセス、ルーチンまたは他のプログラミング構成の組み合わせで実現される様々なアルゴリズムを含むことにより、C、C++、Java、assemblerなどのプログラミングまたはスクリプト言語で実現できる。
【0056】
機能的な側面は、一つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムで実現できる。また、実施形態は、電子的な環境設定、信号処理および/またはデータ処理などのために従来の技術を採用することができる。「メカニズム」、「要素」、「手段」、「構成」などの用語は、広く使用でき、機械的且つ物理的な構成に限定されるものではない。
【0057】
前記用語は、プロセッサなどと連携して、ソフトウェアの一連の処理(routines)の意味を含むことができる。
【0058】
実施形態で説明する特定の実行は、一実施形態であって、いずれの方法によっても実施形態の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は省略できる。また、図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結および/または物理的または回路的な連結を例示的に示すものであり、実際の装置では、代替可能であるか、或いは追加の様々な機能的連結、物理的連結または回路連結で表現できる。また、「本質的な」、「重要に」などのように具体的な記載がなければ、本発明の適用のために必ずしも必要な構成要素ではない。
【0059】
以上、本発明についてその好適な実施形態を中心に説明した。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱することなく変形形態で実現できることを理解することができるだろう。よって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、骨伝導ユニットを収容するハウジングの外側に金属電極を設置し、この金属電極にTENS信号を印加することにより、日常で音楽鑑賞または音楽治療とTENS治療を一緒に提供することができるという利点を有する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】