(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】環状コンデンサRF、マイクロ波及びMM波システム
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20220124BHJP
H01G 4/33 20060101ALI20220124BHJP
H03H 7/38 20060101ALN20220124BHJP
【FI】
H01G4/30 547
H01G4/33 102
H03H7/38 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021503065
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(85)【翻訳文提出日】2021-04-23
(86)【国際出願番号】 US2019068590
(87)【国際公開番号】W WO2020139955
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516218823
【氏名又は名称】スリーディー グラス ソリューションズ,インク
【氏名又は名称原語表記】3D GLASS SOLUTIONS,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(72)【発明者】
【氏名】フレミング ジェブ エイチ.
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB06
5E082AB10
5E082EE23
5E082FF05
(57)【要約】
本発明は、ビア又は埋め込み金属構造に隣接する環状コンデンサを生成するための方法を含み、本発明によれば、グラウンドプレーンに接続するビアに近接してデバイスを作製することが可能になる。金属充填ビア又は埋め込み金属構造に近接した環状コンデンサにより、より小さなRFデバイス及び/又は信号を集積グラウンドプレーンに分流することが可能になるコンデンサ、フィルタ、又は能動デバイスの構築が可能になる。これにより、RF、電子ノイズが減少し、結果としてデバイスサイズが減少する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受動デバイス又は能動デバイス及び1又は2以上のグラウンドプレーンを接続する金属充填ビア又はトレンチベースの伝送線に少なくとも部分的に外接するRF、ミリ波又はマイクロ波デバイス用のコンデンサを生成するための方法であって、
基板の第1の表面にトレンチ又はビアを切削するステップと、
前記トレンチ又はビアを第1の金属層で充填し、任意で、前記基板の前記第1の表面の反対側の第2の表面上にグラウンドプレーンを形成するステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第1の環状形状にするステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第1の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第2の環状形状にするステップであって、前記第2の環状形状の内径が、前記金属充填ビア又はトレンチの外縁から2μmと300μmとの間であり、前記第2の環状形状の外径が10μmと500μmとの間である、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に誘電体材料を堆積させて誘電体層を形成するステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第3の環状形状のフォトレジストをコーティング、露光、及び現像するステップであって、前記第3の環状形状が前記誘電体層より少なくとも2μm大きく、前記第3の環状形状の少なくとも一部が回路の1又は2以上の能動又は受動デバイスに移行する、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第2の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1及び第2の表面間で前記第2の金属層を接続するステップと、
前記第1の金属層と前記基板の前記第2の表面上のグラウンドプレーンを接続する金属を堆積させて、前記基板の前記第1の表面上に電極を形成するステップと
を含む、前記方法。
【請求項2】
0.1μm未満の移行部をさらに作り出す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の金属層を堆積させる前に、基板におけるトレンチ又はビアの側部又は底部の少なくとも1つの間に接着層をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の金属層を堆積させる前に接着層を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
金属が銅、銀、金、アルミニウム、又は金属合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1又は2以上の能動又は受動デバイスが、1又は2以上の入力/出力ポートに対する基板の第1の表面上のRFフィルタ、RFサーキュレータ、RFアイソレータ、アンテナ、インピーダンス整合要素、50オーム終端要素、集積グラウンドプレーン、RF遮蔽要素、EMI遮蔽要素、RFコンバイナ、RFスプリッタ、トランス、スイッチ、パワースプリッタ、パワーコンバイナ、デュプレクサ、又はダイプレクサの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
デバイスが、基板から埋め込み金属への移行部に関連するRF寄生信号の少なくとも95%を排除するRF回路である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも85%を排除するRF回路である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも75%を排除するRF回路である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
基板又は誘電体が感光性ガラスである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
電極が第1及び第2のポートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
受動デバイス又は能動デバイス及び1又は2以上のグラウンドプレーンを接続する金属充填ビア又はトレンチベースの伝送線に少なくとも部分的に外接するRF、ミリ波又はマイクロ波デバイス用のコンデンサを含む電極であって、
基板の第1の表面にトレンチ又はビアを切削するステップと、
前記トレンチ又はビアを第1の金属層で、及び任意で、前記基板の前記第1の表面の反対側の第2の表面上で充填するステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第1の環状形状にするステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第1の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第2の環状形状にするステップであって、前記第2の環状形状の内径が、前記金属充填ビア又はトレンチの外縁から2μmと300μmとの間であり、前記第2の環状形状の外径が10μmと500μmとの間である、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に誘電体材料を堆積させて誘電体層を形成するステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第3の環状形状のフォトレジストをコーティング、露光、及び現像するステップであって、前記第3の環状形状が前記誘電体層より少なくとも2μm大きく、前記第3の環状形状の少なくとも一部が回路の1又は2以上の能動又は受動デバイスに移行する、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第2の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1及び第2の表面間で前記第2の金属層を接続するステップと、
前記第1の金属層と前記基板の前記第2の表面上のグラウンドプレーンを接続する金属を堆積させて、前記基板の前記第1の表面上に前記電極を形成するステップと、
を含む方法によって作製される、前記電極。
【請求項13】
0.1μm未満の移行部をさらに作り出す、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第1の金属層を堆積させる前に、基板におけるトレンチ又はビアの側部又は底部の少なくとも1つの間に接着層をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第2の金属層を堆積させる前に接着層を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
金属が銅、銀、金、アルミニウム、又は金属合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
1又は2以上の能動又は受動デバイスが、1又は2以上の入力/出力ポートに対する基板の第1の表面上のRFフィルタ、RFサーキュレータ、RFアイソレータ、アンテナ、インピーダンス整合要素、50オーム終端要素、集積グラウンドプレーン、RF遮蔽要素、EMI遮蔽要素、RFコンバイナ、RFスプリッタ、トランス、スイッチ、パワースプリッタ、パワーコンバイナ、デュプレクサ、又はダイプレクサの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
デバイスが、基板から埋め込み金属への移行部に関連するRF寄生信号の少なくとも95%を排除するRF回路である、請求項6に記載の方法。
【請求項19】
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも85%を排除するRF回路である、請求項6に記載の方法。
【請求項20】
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも75%を排除するRF回路である、請求項6に記載の方法。
【請求項21】
基板又は誘電体が感光性ガラスである、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
電極が第1及び第2のポートを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT国際特許出願は、2018年12月28日に出願された米国特許仮出願第62/786,165号に対する優先権を主張するものであり、その内容を、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
なし
【0003】
本発明は概して、ビアと他の構造との間に平坦面を生成する分野、及びデバイス/システムサイズを減少させるとともに寄生ノイズ及び信号を低減するRFマイクロ波及びミリ波の用途に用いられる基板に関する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の範囲を限定することなく、その背景を、ビアと他の構造との間に平坦面を生成すること、及びRF、マイクロ波、及びミリ波の用途に用いられる基板に関連して説明する。根本的な問題は、ビアを充填する金属又は基板内/上の他の金属構造である。平坦化は一般に、基板及び基板上/内の構造の化学機械研磨(CMP,chemical mechanical polishing)の形態を用いて表面を平坦且つ平行にする。課題は、基板上又は内の他の材料に対して基板が非常に硬いことである。一例として、ケイ酸ホウ素石英及びケイ素は6~7モースの間の硬度を有する一方、高周波用途において用いられる典型的な金属(銅、金及び銀)は2.5~3モースの硬度を有する。この硬度差により、CMPを用いて表面を平坦化するときに根本的な問題が起こる。より軟らかい金属構造は、より硬い基板より高速で除去される。これにより、より硬い基板の表面に対してより低い表面が金属構造に生成される。基板から金属構造への移行部(transition)は、0.5μm程に大きくなり得る。一般に、この移行部の深さの大きさは、ウエハ全体にわたって均一ではない。この移行部又はステップにより、基板の金属移行部の上に作製される、又はこれを横切る構造/デバイスの不揃いな薄化が生じる。
【0005】
低周波数では、その解決策は単に、基板の平坦場にデバイスを生成し、ビア又は埋め込み金属構造のような金属構造に相互接続された金属を延ばすことである。残念ながら、RF、ミリメートル、及びマイクロ波周波数では、この金属の伝線はビア又は埋め込み金属構造に接続され、これは追加の誘導性寄生インダクタンスを生成して回路の性能を損なう。デバイスを物理的移行部上で移動させることは、デバイスが基板からビア又は埋め込み金属構造に移行するときの受動デバイス厚さのネッキングとしばしば呼ばれる、不揃いな厚さ変化をデバイスが有することになるということを意味する。この一例は、金属電極及び誘電体層が基板の金属移行部上で薄くなっているコンデンサの生成である。厚さが変化する結果、ダイ/基板にわたって不揃いなコンデンサが生じ、不揃いな静電容量が生成され、回路/デバイスを作製しているRF、ミリメートル、及びマイクロ波回路をフィルタリングする。フィルタ、コンデンサ、他の受動デバイス及び/又は能動デバイスをビアに隣接して、且つこれから250μmより大きく配置することにより、受動デバイスとビア/埋め込み金属構造との間の金属トレースから寄生インダクタンスが誘導される。
【0006】
受動デバイスは、能動デバイスと併せて配置することができ、組み合わせて、ビア並びに金属線及びビアによって互いに及びグラウンドプレーンに接続されているゲインを有するアンテナ、RFサーキュレータ、RFアイソレータ、RFコンバイナ、RFカプラ、RFスプリッタ、トランス、スイッチ、マルチプレクサ、デュプレクサ、及び/又はダイプレクサを含む幅広いRFシステム及びサブシステムを作製することができる。
【0007】
寄生及び電気ノイズをグラウンドプレーンに分流するビアのできるだけ近くに受動デバイスを構築することにより、性能が劇的に向上し、RF、マイクロ波、及びミリメートルの電子システムのためのダイサイズが減少する。本発明は、金属化ビア又は埋め込み構造に密接して受動デバイスを構築してグラウンドプレーンへの接続を排除するとともにデバイス基板の金属移行部にわたる不揃いなデバイス性能及び寄生を排除することに対する一般的な解決策を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の特徴及び利点をより完全に理解するため、ここで本発明の詳細な説明を添付の図面とともに参照する。
【
図2】隣接する環状要素とビアとの間の寸法情報を備えた環状RF分路コンデンサの概略図を示す。
【
図3】環状RF分路コンデンサについての断面の概略図を示す。
【
図4A-4F】本発明のデバイスを作製する段階的な方法を示す。
図4A及び4Bは、この方法のステップの2つの断面側面図を示す。
図4Cから4Fは、本発明の環状コンデンサRF、マイクロ波及びミリメートル(MM)波システムを作製するためのステップの残りを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の様々な実施形態の製造及び使用を以下で詳細に説明するが、本発明は、多種多様な具体的な文脈において具現化することができる多くの適用可能な発明の概念を提供するということが理解されるべきである。本明細書で説明する具体的な実施形態は、本発明を生成及び使用する具体的な方法の単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の理解を容易にするため、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書で定義する用語は、本発明に関連する領域における当業者によって通常理解されるような意味を有する。
【0010】
一実施形態おいて、本発明は、基板、環状コンデンサ構造を生成するための方法を含み、基板におけるビア又は埋め込み金属構造の250μm未満の容量性構造の隣接縁部により、金属線に関連するインダクタンスが排除又は最小化される。
【0011】
図1はデバイス10の一例を示し、これは、頂部金属16に接続するポート12及び14を含み、頂部金属16は、スルービアホール18へ接続、又は分流された銅層とすることができる。本発明の設計により、コンデンサ構成からの変動性が減少する。この設計において、スルービアホールは形成されるが、コンデンサには影響を与えず、したがってその変数が設計上の考慮事項から除外される。頂部絶縁体20を頂部金属16とビア18との間に配置し、第2の金属層22を絶縁体20上に堆積させる。この構造は、基板24において形成される。
【0012】
図2は、デバイス10の内部図を示し、これは、スルーホールビア18と第1の金属層16との間のギャップ26を示している。ポート12及び14は頂部金属16に接続し、これは、スルービアホール18へ接続、又は分流された銅層とすることができる。
【0013】
図3は、デバイス10の断面側面図である。ポート12及び14はこの構成において、スルーホールビア18の両側にあるとして示され、これは頂部金属層16及び第2の頂部金属層22から絶縁体20によって分離されている。底部金属グラウンドプレーン28が、スルーホールビア18に接続されて描かれている。
【0014】
表1及び
図4A~4Fは、本発明のデバイス10を作製する段階的な方法を示す。基板における平坦化表面を異種材料で生成して、基板から追加材料への垂直移行部を排除するプロセスフローは次のとおりである。
【0015】
【表1】
ステップ1. 金属構造で基板をラップ及び研磨する。
ステップ2. 断面側面図として
図4Aに示すように、基板においてビア又はトレンチを機械加工又はエッチングし、
図4Aは、トレンチ又はビア18が切削又はエッチングされた基板24を含む。
ステップ3.
図4Bにおける断面側面図に示すように、化学気相蒸着 (CVD,chemical vapor deposition)、シルクスクリーン、原子層堆積 (ALD,atomic layer deposition)又は他を含むいくつかのプロセスのいずれかを用いて、ビア、グラウンドプレーン又はトレンチを銅で充填し、
図4Bは、トレンチ又はビア18が切削又はエッチングされた基板24、及び金属充填スルーホールビア18及びグラウンドプレーン28を示す。一例は、ビア又はトレンチ構造の側壁にタンタルを選択的に堆積させ、次いでシルクスクリーン堆積によって有機金属銅を堆積させることである。充填された基板は次いでアルゴン中で加熱され、有機材料を追い出し/分解して銅を密集化する。堆積させた銅について、接着層は数百オングストロームのタンタルである。接着層は金属上で除去することができる。金属/非基板材料の厚さは、移行ステップの2倍と10倍との間である必要がある。堆積させた材料の厚さは、例えば、ビアの片側がグラウンドプレーンに接続されている、真空堆積プロセス中の水晶発振器を含む、様々な技術を用いてリアルタイムで測定することができる。
ステップ4. 基板の前面をフォトレジストでコーティングし、ビアに外接する環状形状を露光及び現像する。
ステップ5. DCスパッタリングシステムを用いて、数百オングストロームのタンタルの銅接着層でフォトレジストをコーティングする。デバイス10の上面図である
図4Cに示すように、2 μmの銅で基板を被覆して底部電極を形成する。基板24はスルーホールビア18とともに示され、これに接して底部金属環状パターン30が示されている。
ステップ6. フォトレジストを除去して、ビアに接続された底部電極を形成する。
ステップ7. 基板の前面をフォトレジストでコーティングし、ビアに外接する環状形状を露光及び現像し、内径は、金属充填ビアの外縁から2 μmと300 μmとの間であり、パターンの外径はそれぞれ10 μmと500 μmとの間である。
ステップ8. ALD又は他の堆積を用いて、デバイス10の上面図である
図4Dに示すように、0.1 μmと10μmとの間の誘電体材料を堆積させ、この誘電体材料は2と2,000との間の誘電率を有する。基板24は、スルーホールビア18と第2の金属層22との間にギャップ32が描かれて示されている。絶縁体20 (誘電体材料とも呼ばれる)も描かれている。
ステップ9. フォトレジストを除去して、底部電極より少なくとも1 μm大きい誘電体領域を形成する。
ステップ10. 基板の前面をフォトレジストでコーティングし、誘電体層より少なくとも2μm大きく、片側が回路における他の能動又は受動デバイスに移行する環状形状を露光及び現像する。
ステップ11. DCスパッタリングシステムを用いて、数百オングストロームのタンタルである銅接着層でフォトレジストをコーティングする。2 μmの銅で基板を被覆して頂部電極を形成する。
ステップ12. フォトレジストを除去して、コンデンサ構造のための頂部電極を形成し、これは
図4Eに示され、これは今や、絶縁体20上に配置された頂部金属層22を含むとともに、ギャップ26、底部金属層16、スルーホールビア18、及び第1の金属層16を含むデバイス10を示している。
ステップ13. 基板の前面をフォトレジストでコーティングし、環状構造の底部金属の両側に接続金属線を露出及び現像する。
ステップ14. DCスパッタリングシステムを用いて、数百オングストロームのタンタルである銅接着層でフォトレジストをコーティングする。2 μmの銅で基板を被覆して頂部電極を形成する。
図4Fはデバイス10を示しており、これは今やすべての層及びポート12及び14を含む。
【0016】
本明細書に記載の特定の実施形態は、本発明の限定としてではなく例示として示されているということが理解されよう。本発明の主な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態において使用することができる。当業者は、ただの日常的な実験を用いて、本明細書に記載の具体的な手順に対する多数の同等物を認識する、又は確認することができるであろう。このような同等物は、本発明の範囲内にあると見なされ、請求項によってカバーされる。
【0017】
本明細書に記載のすべての刊行物及び特許出願は、本発明が関係する当業者の技能のレベルを示している。すべての刊行物及び特許出願が、各個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれると具体的且つ個々に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
請求項及び/又は明細書において「含む(comprising)」という用語と併せて用いられるときの「a」又は「an」という単語の使用は、「1」を意味することができるが、これは「1又は2以上」、「少なくとも1つ」、及び「1又は1より多い」の意味とも一致する。請求項における「又は」という用語の使用は、本開示は代替物及び「及び/又は」のみに言及する定義を支持しているが、代替物のみを指すように明示的に示され、又はこれらの代替物が相互に排他的でない限り、「及び/又は」を意味するように用いられる。本出願を通して、「約」という用語は、ある値が、この方法がその値を決定するために使用され、デバイスについての固有の誤差の変動又は研究対象間に存在する変動を含むということを示すために用いられる。
【0019】
本明細書及び請求項において用いられるとき、「comprising(含む)」(及び「comprise」及び「comprises」のような、comprisingのあらゆる形態)、「having(有する)」(及び「have」及び「has」のような、havingのあらゆる形態)、「including(含む)」(及び「includes」及び「include」のような、includingのあらゆる形態)又は「containing(含む)」(及び「contains」及び「contain」のような、containingのあらゆる形態)という語は、包括的すなわちオープンエンドであり、追加の、記載されていない要素又は方法ステップを除外しない。本明細書に提供される構成物及び方法のいずれかの実施形態において、「comprising(含む)」は、「consisting essentially of(本質的に~からなる)」又は「consisting of(~からなる)」に置き換えることができる。本明細書で用いられるとき、「consisting essentially of(本質的に~からなる)」という句には、指定された完全体(integer)又はステップ、並びに特許請求された発明の特徴又は機能に実質的に影響を及ぼさないものが要求される。本明細書で用いられるとき、「consisting(構成する)」という用語は、記載された完全体(integer)(例えば、特徴、要素、特色、特性、方法/プロセスステップ又は限定)又は完全体(integer)(例えば、特徴、要素、特色、特性、方法/プロセスステップ、又は限定)の群のみの存在を示すために用いられる。
【0020】
本明細書で用いられるような「又はこれらの組み合わせ」という用語は、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、又はこれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つを、そして特定の文脈において順序が重要であれば、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABも含むように意図されている。この例で続けると、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB、などのような、1又は2以上の項目又は用語の繰り返しを含む組み合わせが明示的に含まれる。当業者は、他が文脈から明らかでない限り、通常、任意の組み合わせにおける項目又は用語の数に制限がないということを理解するであろう。
【0021】
本明細書で用いられるとき、限定はしないが、「約」、「実質的な」又は「実質的に」のような近似の言葉は、そのように修正されたとき、必ずしも絶対的又は完全ではないと理解される状態であるが、その状態を存在するものとして指定することを保証するのに十分に近いと当業者に見なされるであろう状態を指す。説明が変動し得る程度は、どれくらい大きく変化が起こり、それでも当業者に、修正された特徴を、修正されていない特徴の要求される特色及び能力を依然として有するものとして認識させることができるかに依存することになる。一般に、しかし先行する議論を条件として、「約」のような近似の語によって修正される本明細書の数値は、記載された値から少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12又は15%だけ変動し得る。
【0022】
本明細書に開示及び特許請求された構成物及び/又は方法のすべては、本開示に照らして過度の実験なしに作製及び実行することができる。本発明の構成物及び方法を好ましい実施形態の観点において説明してきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の構成物及び/又は方法に、そして方法のステップ又はステップのシーケンスにおいて変形を適用することができるということは当業者には明らかであろう。当業者に明らかなすべてのこのような同様の代替例及び修正例は、添付の請求項によって定義されたような本発明の精神、範囲及び概念の範囲内であると見なされる。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受動デバイス又は能動デバイス及び1又は2以上のグラウンドプレーンを接続する金属充填ビア又はトレンチベースの伝送線に少なくとも部分的に外接するRF、ミリ波又はマイクロ波デバイス用のコンデンサを生成するための方法であって、
基板の第1の表面にトレンチ又はビアを切削するステップと、
前記トレンチ又はビアを第1の金属層で充填し、任意で、前記基板の前記第1の表面の反対側の第2の表面上にグラウンドプレーンを形成するステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第1の環状形状にするステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第1の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第2の環状形状にするステップであって、前記第2の環状形状の内
半径が、前記金属充填ビア又はトレンチの外縁から2μmと300μmとの間であり、前記第2の環状形状の外
半径が10μmと500μmとの間である、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に誘電体材料を堆積させて誘電体層を形成するステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第3の環状形状のフォトレジストをコーティング、露光、及び現像するステップであって、前記第3の環状形状が前記誘電体層より少なくとも2μm大きく、前記第3の環状形状の少なくとも一部が回路の1又は2以上の能動又は受動デバイスに移行する、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第2の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1及び第2の表面間で前記第2の金属層を接続するステップと、
前記第1の金属層と前記基板の前記第2の表面上のグラウンドプレーンを接続する金属を堆積させて、前記基板の前記第1の表面上に電極を形成するステップと
を含む、前記方法。
【請求項2】
0.1μm未満の移行部をさらに作り出す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の金属層を堆積させる前に、基板におけるトレンチ又はビアの側部又は底部の少なくとも1つの間に接着層をさらに含む
か、或いは、
第2の金属層を堆積させる前に接着層を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
金属が銅、銀、金、アルミニウム、又は金属合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1又は2以上の能動又は受動デバイスが、1又は2以上の入力/出力ポートに対する基板の第1の表面上のRFフィルタ、RFサーキュレータ、RFアイソレータ、アンテナ、インピーダンス整合要素、50オーム終端要素、集積グラウンドプレーン、RF遮蔽要素、EMI遮蔽要素、RFコンバイナ、RFスプリッタ、トランス、スイッチ、パワースプリッタ、パワーコンバイナ、デュプレクサ、又はダイプレクサの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
デバイスが、基板から埋め込み金属への移行部に関連するRF寄生信号の少なくとも95%を排除するRF回路である
か、
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも85%を排除するRF回路であるか、又は、
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも75%を排除するRF回路である、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
基板又は誘電体が感光性ガラスである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
電極が第1及び第2のポートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
受動デバイス又は能動デバイス及び1又は2以上のグラウンドプレーンを接続する金属充填ビア又はトレンチベースの伝送線に少なくとも部分的に外接するRF、ミリ波又はマイクロ波デバイス用のコンデンサを含む電極であって、
基板の第1の表面にトレンチ又はビアを切削するステップと、
前記トレンチ又はビアを第1の金属層で、及び任意で、前記基板の前記第1の表面の反対側の第2の表面上で充填するステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第1の環状形状にするステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第1の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1の表面上の前記トレンチ又はビアに外接する第2の環状形状にするステップであって、前記第2の環状形状の内
半径が、前記金属充填ビア又はトレンチの外縁から2μmと300μmとの間であり、前記第2の環状形状の外
半径が10μmと500μmとの間である、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に誘電体材料を堆積させて誘電体層を形成するステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第3の環状形状のフォトレジストをコーティング、露光、及び現像するステップであって、前記第3の環状形状が前記誘電体層より少なくとも2μm大きく、前記第3の環状形状の少なくとも一部が回路の1又は2以上の能動又は受動デバイスに移行する、ステップと、
前記基板の前記第1の表面上に第2の金属層を堆積させるステップと、
フォトレジストをコーティング、露光、及び現像して、前記基板の前記第1及び第2の表面間で前記第2の金属層を接続するステップと、
前記第1の金属層と前記基板の前記第2の表面上のグラウンドプレーンを接続する金属を堆積させて、前記基板の前記第1の表面上に前記電極を形成するステップと、
を含む方法によって作製される、前記電極。
【請求項10】
0.1μm未満の移行部をさらに作り出す、請求項
9に記載の
電極。
【請求項11】
第1の金属層を堆積させる前に、基板におけるトレンチ又はビアの側部又は底部の少なくとも1つの間に接着層をさらに含む
か、或いは、
第2の金属層を堆積させる前に接着層を堆積させるステップをさらに含む、請求項
9に記載の
電極。
【請求項12】
金属が銅、銀、金、アルミニウム、又は金属合金である、請求項
9に記載の
電極。
【請求項13】
1又は2以上の能動又は受動デバイスが、1又は2以上の入力/出力ポートに対する基板の第1の表面上のRFフィルタ、RFサーキュレータ、RFアイソレータ、アンテナ、インピーダンス整合要素、50オーム終端要素、集積グラウンドプレーン、RF遮蔽要素、EMI遮蔽要素、RFコンバイナ、RFスプリッタ、トランス、スイッチ、パワースプリッタ、パワーコンバイナ、デュプレクサ、又はダイプレクサの少なくとも1つである、請求項
9に記載の
電極。
【請求項14】
デバイスが、基板から埋め込み金属への移行部に関連するRF寄生信号の少なくとも95%を排除するRF回路である
か、
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも85%を排除するRF回路であるか、又は、
デバイスが、基板へのマウント要素のパッケージングに関連するRF寄生信号の少なくとも75%を排除するRF回路である、請求項
13に記載の
電極。
【請求項15】
基板又は誘電体が感光性ガラスである、請求項
9に記載の
電極。
【請求項16】
電極が第1及び第2のポートを含む、請求項
9に記載の
電極。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
【国際調査報告】