(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】ロボット外科システムのための拘束および非拘束関節運動リミット
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20220124BHJP
B25J 3/00 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
A61B34/35
B25J3/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021515481
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-03-19
(86)【国際出願番号】 US2019058480
(87)【国際公開番号】W WO2020092312
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ロックロール, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】テイラー, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ハーチ, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, コリン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707BS09
3C707BT01
3C707HS27
3C707JT01
3C707KS21
3C707KS36
3C707LV12
3C707LV15
(57)【要約】
外科器具に対して関節運動リミットを選択的に拘束するロボット外科システムおよび方法は、外科器具の近位または遠位直線運動を検出することと、近位または遠位直線運動後の外科器具のツール中心点と遠隔動心との間の距離を計算することと、検出された直線運動が遠位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、外科器具に関節運動リミットを割り当てて拘束することと、検出された直線運動が近位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、外科器具に非拘束関節運動リミットを割り当てることと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科器具に対して関節運動リミットを選択的に拘束する方法であって、
前記外科器具の近位または遠位直線運動を検出することと、
前記近位または前記遠位直線運動後の前記外科器具のツール中心点と、遠隔動心との間の距離を計算することと、
前記検出された直線運動が遠位直線運動である場合、前記計算された距離に基づいて、前記外科器具に拘束関節運動リミットを割り当てることと、
前記検出された直線運動が近位直線運動である場合、前記計算された距離に基づいて、非拘束関節運動リミットを外科器具に割り当てることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記検出された直線運動が近位直線運動である場合、前記外科器具の現在の関節運動角度を判定することと、
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合を判定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合、前記外科器具の前記現在の関節運動角度は影響を受けず、前記外科器具は前記非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット以下である場合、前記方法は、
受信したユーザコマンドに基づいて、前記外科器具を新しい関節運動角度に関節運動させることと、
前記外科器具の前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満である場合を判定することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満ではないと判定された場合、前記外科器具の前記新しい関節運動角度は影響を受けず、前記外科器具は前記非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満であると判定された場合、前記外科器具の前記新しい関節運動角度は影響を受けず、前記方法は、前記非拘束関節運動リミットを拘束関節運動リミットに変換することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記拘束関節運動リミットおよび前記非拘束関節運動リミットが、線形、二次、累乗曲線、または何らかの他の形状のうちの少なくとも1つを含む関節運動リミットランプに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ロボット外科システムであって、
外科ロボットアームであって、その遠位部分に配設された外科器具を含む外科ロボットアームと、
前記外科ロボットアームに動作可能に結合されたコントローラと、を含み、前記コントローラが、
前記外科器具が挿入される患者の外科ポータルの場所に基づいて、前記外科ロボットアーム前記外科器具のソフトウェアベースの遠隔動心を確立することと、
前記外科器具の近位または遠位直線運動を検出することと、
前記近位または前記遠位直線運動後の前記外科器具のツール中心点と、前記遠隔動心との間の距離を計算することと、
前記検出された直線運動が遠位直線運動である場合、前記計算された距離に基づいて、関節運動リミットを前記外科器具に割り当てて拘束することと、
前記検出された直線運動が近位直線運動である場合、前記計算された距離に基づいて、非拘束関節運動リミットを前記外科器具に割り当てることと、を行うように構成されている、ロボット外科システム。
【請求項9】
前記コントローラが、
前記検出された直線運動が近位直線運動である場合、前記外科器具の現在の関節運動角度を判定し、
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合を判定するようにさらに構成されている、請求項8に記載のロボット外科システム。
【請求項10】
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合、前記外科器具の前記現在の関節運動角度は影響を受けず、前記外科器具は前記非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである、請求項9に記載のロボット外科システム。
【請求項11】
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット以下である場合、前記コントローラは、
受信したユーザコマンドに基づいて、前記外科器具を新しい関節運動角度に関節運動させることと、
前記外科器具の前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満である場合を判定することと、を行うようにさらに構成されている、請求項9に記載のロボット外科システム。
【請求項12】
前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満ではないと判定された場合、前記外科器具の前記新しい関節運動角度は影響を受けず、前記外科器具は前記非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである、請求項11に記載のロボット外科システム。
【請求項13】
前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満であると判定された場合、前記外科器具の前記新しい関節運動角度は影響を受けず、前記コントローラは前記非拘束関節運動リミットを拘束関節運動リミットに変換する、請求項11に記載のロボット外科システム。
【請求項14】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサによって実行されると、
外科器具の近位または遠位直線運動を検出することと、
前記近位または前記遠位直線運動後の前記外科器具のツール中心点と、遠隔動心との間の距離を計算することと、
前記検出された直線運動が遠位直線運動である場合、前記計算された距離に基づいて、関節運動リミットを前記外科器具に割り当てて拘束することと、
前記検出された直線運動が近位直線運動である場合、前記計算された距離に基づいて、非拘束関節運動リミットを前記外科器具に割り当てることと、を含む、方法を実行するプログラムで符号化されている、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記方法が、
前記検出された直線運動が近位直線運動である場合、前記外科器具の現在の関節運動角度を判定することと、
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合を判定することと、をさらに含む、請求項14に記載の非一時的なコンピュータ記憶媒体。
【請求項16】
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合、前記外科器具の現在の関節運動角度は影響を受けず、前記外科器具は前記非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記外科器具の前記現在の関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット以下である場合、前記方法は、
受信したユーザコマンドに基づいて、前記外科器具を新しい関節運動角度に関節運動させることと、
前記外科器具の前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満である場合を判定することと、をさらに含む、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満ではないと判定された場合、前記外科器具の前記新しい関節運動角度は影響を受けず、前記外科器具は前記非拘束関節運動リミットに拘束されないままである、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記新しい関節運動角度が、前記割り当てられた非拘束関節運動リミット未満であると判定された場合、前記外科器具の前記新しい関節運動角度は影響を受けず、前記方法は前記非拘束関節運動リミットを拘束関節運動リミットに変換することをさらに含む、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記拘束関節運動リミットおよび前記非拘束関節運動リミットが、線形、二次、累乗曲線、または何らかの他の形状のうちの少なくとも1つを含む関節運動リミットランプに基づいている、請求項14に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ロボット外科システムは、固定された進入点における外科ポータルまたはアクセスポートを通して、外科器具が患者の体内に挿入される低侵襲医療処置において使用されてきた。これらのシステムには、外科器具が患者の体内で操作される際に、外科器具がこれらの固定された進入点を超えて動かないようにするための遠隔動心(RCM)が組み込まれていた。これらの外科ロボットの多くは、ロボットアームの一部分が外科ポータルに直接取り付けられた機械式RCMを使用していた。機械的RCMを使用する外科ロボットとは異なり、ソフトウェアベースのRCMは通常、増加された可動域を提供し、かつ外科ロボットのロボットアーム間の衝突を低減するために、外科ポータルに機械的に接続されていなかった。
【0002】
ロボット外科システムの操作者が外科手術部位内で外科器具を操作すると、外科手術部位内の制限、外科器具がアクセスポートから突出する量、およびRCMからの外科器具の遠位部分の距離により、ジョイント拘束に急激な変化が起こり得る。
【0003】
したがって、ロボット外科処置中にリアルタイムで器具の関節運動制御制限を容易にする、ソフトウェアベースおよび機械ベースのRCMを備えたロボット外科システムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、外科器具に対して関節運動リミットを選択的に拘束するためのシステムおよび方法を対象とする。
【0005】
1つの態様では、外科器具に対して関節運動リミットを選択的に拘束する方法は、外科器具の近位または遠位直線運動を検出することと、近位または遠位直線運動後の外科器具のツール中心点と遠隔動心との間の距離を計算することと、検出された直線運動が遠位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、外科器具に関節運動リミットを割り当てて拘束することと、検出された直線運動が近位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、外科器具に非拘束関節運動リミットを割り当てることと、を含む。
【0006】
この方法は、検出された直線運動が近位直線運動である場合、外科器具の現在の関節運動角度を判定することと、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合を判定することと、をさらに含み得る。一態様では、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合、外科器具の現在の関節運動角度は影響を受けず、外科器具は非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである。追加的または代替的に、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット以下である場合、この方法は、受信したユーザコマンドに基づいて、外科器具を新しい関節運動角度に関節運動させることと、外科器具の新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満である場合を判定することと、をさらに含む。追加的または代替的に、新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満ではないと判定された場合、外科器具の新しい関節運動角度は影響を受けず、外科器具は、非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである。追加的または代替的に、新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満であると判定された場合、外科器具の新しい関節運動角度は影響を受けず、この方法は、非拘束関節運動リミットを拘束関節運動リミットに変換することをさらに含む。
【0007】
拘束関節運動リミットおよび非拘束関節運動リミットは、線形、二次、累乗曲線、または何らかの他の形状のうちの少なくとも1つを含む関節運動リミットランプに基づくことができる。
【0008】
本開示の別の態様では、ロボット外科システムが提供される。ロボット外科システムは、その遠位部分に配設された外科器具を含む外科ロボットアームと、外科ロボットアームに動作可能に結合されたコントローラと、を含む。コントローラは、外科器具が挿入される患者の外科ポータルの位置に基づいて、外科ロボットアームの外科器具のソフトウェアベースの遠隔動心を確立することと、外科器具の近位または遠位直線運動を検出することと、近位または遠位直線運動後の外科器具のツール中心点と遠隔動心との間の距離を計算することと、検出された直線運動が遠位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、関節運動リミットを外科器具に割り当てて拘束することと、検出された直線運動が近位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、非拘束関節運動リミットを外科器具に割り当てることと、を行うように構成されている。
【0009】
一態様では、コントローラはさらに、検出された直線運動が近位直線運動である場合、外科器具の現在の関節運動角度を判定することと、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合を判定することと、を行うように構成されている。一態様では、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合、外科器具の現在の関節運動角度は影響を受けず、外科器具は、非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである。
【0010】
追加的または代替的に、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット以下である場合、コントローラは、受信したユーザコマンドに基づいて、外科器具を新しい関節運動角度に関節運動させ、外科器具の新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満である場合を判定するようにさらに構成され得る。追加的または代替的に、新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満ではないと判定された場合、外科器具の新しい関節運動角度は影響を受けず、外科器具は、非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである。追加的または代替的に、新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満であると判定された場合、外科器具の新しい関節運動角度は影響を受けず、コントローラは、非拘束関節運動リミットを拘束関節運動リミットに変換する。
【0011】
拘束関節運動リミットおよび非拘束関節運動リミットは、線形、二次、累乗曲線、または何らかの他の形状のうちの少なくとも1つを含む関節運動リミットランプに基づくことができる。
【0012】
本開示のさらに別の態様では、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、外科器具の近位または遠位直線運動を検出することと、近位または遠位直線運動後の外科器具のツール中心点と遠隔動心との間の距離を計算することと、検出された直線運動が遠位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、外科器具に関節運動リミットを割り当てて拘束することと、検出された直線運動が近位直線運動である場合、計算された距離に基づいて、非拘束関節運動リミットを外科器具に割り当てることと、を含む方法を実行するプログラムで符号化されている。
【0013】
この方法は、検出された直線運動が近位直線運動である場合、外科器具の現在の関節運動角度を判定することと、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合を判定することと、をさらに含み得る。一態様では、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合、外科器具の現在の関節運動角度は影響を受けず、外科器具は非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである。追加的または代替的に、外科器具の現在の関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット以下である場合、この方法は、受信したユーザコマンドに基づいて、外科器具を新しい関節運動角度に関節運動させることと、外科器具の新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満である場合を判定することと、をさらに含む。追加的または代替的に、新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満ではないと判定された場合、外科器具の新しい関節運動角度は影響を受けず、外科器具は、非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである。追加的または代替的に、新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満であると判定された場合、外科器具の新しい関節運動角度は影響を受けず、この方法は、非拘束関節運動リミットを拘束関節運動リミットに変換することをさらに含む。
【0014】
拘束関節運動リミットおよび非拘束関節運動リミットは、線形、二次、累乗曲線、または何らかの他の形状のうちの少なくとも1つを含む関節運動リミットランプに基づくことができる。
【0015】
本開示の例示的な実施形態のさらなる詳細および態様が、添付の図を参照して、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に組み込まれており、かつその一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、上記の本開示の一般的な説明、および以下の実施形態(複数可)の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0017】
【
図1】本開示による、ロボット外科システムの概略図である。
【
図2】本開示の一態様による、外科器具に対して関節運動リミットを選択的に拘束する方法を示すフローチャートである。
【
図3A】
図2の方法に従って外科器具が制御されている間の、外科器具の近位直線後退中の外科器具の遠位部分の図である。
【
図3B】
図2の方法に従って外科器具が制御されている間の、外科器具の近位直線後退中の外科器具の遠位部分の図である。
【
図3C】
図2の方法に従って外科器具が制御されている間の、外科器具の近位直線後退中の外科器具の遠位部分の図である。
【
図3D】
図2の方法に従って外科器具が制御されている間の、外科器具の近位直線後退中の外科器具の遠位部分の図である。
【
図4】外科器具の近位直線後退中の、RCMの遠位での関節運動リミット対外科器具の距離を示すグラフである。
【
図5A】
図2の方法に従って外科器具が制御されている間の、外科器具の遠位直線前進中の外科器具の遠位部分の図である。
【
図5B】
図2の方法に従って外科器具が制御されている間の、外科器具の遠位直線前進中の外科器具の遠位部分の図である。
【
図5C】
図2の方法に従って外科器具が制御されている間の、外科器具の遠位直線前進中の外科器具の遠位部分の図である。
【
図6】外科器具の遠位直線前進中の、RCMの遠位での、関節運動リミット対外科器具の距離を示すグラフである。
【
図7】本開示の一態様による、外科器具の選択的ジョイントの関節運動を選択的に制限するための方法である。
【
図8A】アクセスポイントから様々な距離にあり、
図7の方法によって制御される外科器具の遠位部分の図である。
【
図8B】アクセスポイントから様々な距離にあり、
図7の方法によって制御される外科器具の遠位部分の図である。
【
図8C】アクセスポイントから様々な距離にあり、
図7の方法によって制御される外科器具の遠位部分の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面の中で同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一のまたは対応する要素を示す。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、ユーザまたはロボット構成要素からより遠いデバイスの部分を示し、「近位」という用語は、ユーザまたはロボット構成要素により近いデバイスの部分を示す。
【0019】
最初に
図1を参照すると、例えば、ロボット外科システムなどの外科システムは、概して、ロボット外科システム1として示されており、概して、複数のロボットアーム2、3と、コントローラまたは制御デバイス4と、制御デバイス4と結合された操作コンソール5と、を含む。操作コンソール5は、三次元画像を表示するように設定され得る表示デバイス6と、手動入力デバイス7、8とを含み、これによって、例えば、外科医などの人(図示せず)が、当業者には原理的に知られているように、第1の操作モードでロボットアーム2、3を遠隔操作することができる。
【0020】
ロボット外科システム1はまた、ロボットアーム2、3のそれぞれの遠位端に接続された外科アセンブリ100を含む。外科アセンブリ100は、以下でより詳細に説明されるように、外科器具200などの1つ以上の外科器具を支持することができる。ロボットアーム2、3の各々は、ジョイントを通して接続される複数の部材から成る。ロボットアーム2(および/またはロボットアーム3)は、外科器具200を支持するように機能する取り付け部分を含む。
【0021】
ロボットアーム2、3は、制御デバイス4に接続されている、電気駆動装置(図示せず)によって駆動され得る。制御デバイス4(例えば、コンピュータ)は、ロボットアーム2、3、それらの外科アセンブリ100、および/または外科器具200が、手動入力デバイス7、8によって規定される運動に従って所望の運動を実行するように、特にコンピュータプログラムによって、駆動装置を作動させるために設定される。制御デバイス4は、ロボットアーム2、3および/または駆動装置の運動を調整するように設定することもできる。上記のように、コントローラまたは制御デバイス4に電気的に結合されている間、ロボットアーム2、3は、ソフトウェアベースであり得る制御デバイス4から信号を受信して、いずれかの好適な場所に遠隔動心「RCM」を確立するように構成されている。
【0022】
ロボット外科システム1は、1つ以上の外科器具200、300のエンドエフェクタによって低侵襲的に治療される、患者テーブル12上に横たわる患者「P」に対して使用されるように構成されている。外科システム1はまた、3つ以上のロボットアーム2、3を含んでもよく、追加のロボットアームは、同様に制御デバイス4に接続され、操作コンソール5によって遠隔操作可能である。1つ以上の追加の外科アセンブリ100および/または外科器具200もまた、追加のロボットアームに取り付けることができる。
【0023】
制御デバイス4は、複数のモータを制御することができ、各モータは、外科器具200、300の1つ以上のケーブルの弛緩または引張を駆動するように構成されている。使用中、これらのケーブルが弛緩されるか、または引っ張られると、1つ以上のケーブルが、外科器具200、300のエンドエフェクタの動作および/または運動をもたらす。制御デバイス4は、外科器具200、300のエンドエフェクタの動作および/または運動(例えば、直線運動、関節運動、回転など)を調整するために、これらのケーブルの弛緩または引張の動きを調整するように、様々なモータの作動を調整することが企図されている。エンドエフェクタの構築および動作、ならびにロボット外科システムの他の態様の詳細な考察については、2014年10月20日に出願された国際出願第PCT/US2014/61329号、発明の名称「Wrist and Jaw Assemblies for Robotic Surgical Systems」を参照することができ、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
制御デバイス4は、一組の命令に従って計算を実行し、および/または動作するように適合された任意の好適な論理制御回路を含むことができる。制御デバイス4は、無線(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、LTEなど)および/または有線接続のいずれかを介して、遠隔システム「RS」と通信するように構成することができる。遠隔システム「RS」は、システム1の様々な構成要素、アルゴリズム、および/または動作に関連するデータ、命令、および/または情報を含むことができる。遠隔システム「RS」は、任意の好適な電子サービス、データベース、プラットフォーム、クラウドなどを含むことができる。制御デバイス4は、メモリに動作可能に接続された中央処理ユニットを含んでもよい。メモリは、一時的なタイプのメモリ(例えば、RAM)および/または非一時的なタイプのメモリ(例えば、フラッシュ媒体、ディスク媒体など)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリは、遠隔システム「RS」の一部であり、および/またはそれに動作可能に結合される。
【0025】
制御デバイス4は、駆動回路を通すなど、ロボット外科システム1の構成要素とインターフェース接続するための複数の入力および出力を含むことができる。制御デバイス4は、入力信号を受信し、および/または出力信号を生成して、ロボット外科システム1の様々な構成要素(例えば、1つ以上のモータ)のうちの1つ以上を制御するように構成され得る。出力信号は、ユーザにより事前にプログラムおよび/もしくは入力され得るアルゴリズム命令を含み得、ならびに/またはそれに基づき得る。制御デバイス4は、遠隔システム「RS」に結合され得るユーザインターフェース(例えば、操作コンソール5のスイッチ、ボタン、タッチスクリーンなど)からの複数のユーザ入力を受け付けるように構成され得る。
【0026】
ロボット外科システム1の構成要素の構造および動作の詳細な考察については、2011年11月3日に出願された米国特許第8,828,023号、発明の名称「Medical Workstation」を参照することができ、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
次に、
図2、
図3A~
図3D、
図4、
図5A~
図5C、および
図6に目を向けると、外科器具200に選択的に関節運動リミットを拘束する方法が、ここで特に詳細に説明され、方法220と称される。本明細書において説明される方法のステップは、特定の順序で説明されているが、いずれの順序でも実施することができ、説明するステップの一部またはすべてを含むことができる。追加的に、本明細書において説明される方法は、ロボット外科システムの制御デバイス(例えば、遠隔システム「RS」、制御デバイス4など)によって実行されると説明されているが、外科器具または外科ロボットシステムのいずれの構成要素によっても実行され得る。
【0028】
方法220は、外科器具200の直線運動が検出されるステップ201で始まる。ステップ201での検出は、外科器具200の直線運動を引き起こすコマンドの受信から(例えば、外科器具200の実際の運動の前に)、または他の検出手段(例えば、外科器具200がある位置から別の位置に移動した後の外科器具200の直線運動を検出する画像ベースの分析)によって行うことができる。ステップ202において、制御デバイス4は、ステップ201で検出された外科器具200の直線運動が、外科器具200の近位後退であるか、または外科器具200の遠位前進である場合を判定する。制御デバイス4が外科器具200の直線運動が近位後退である場合(ステップ202において、はい)を判定するときに実行されると説明される方法220のステップの一部またはすべては、制御デバイス4が、外科器具200の直線運動が近位後退ではない場合(ステップ202において、いいえ)を判定するときに追加的または代替的に実行され得る。さらに、制御デバイス4が、外科器具200の直線運動が近位後退ではない場合(ステップ202において、いいえ)を判定するときに実行されると説明される方法220のステップの一部またはすべては、制御デバイス4が、外科器具200の直線運動が近位後退である場合(ステップ202において、はい)を判定するときに追加的または代替的に実行され得る。
【0029】
制御デバイス4が、直線運動が遠位前進ではなく、外科器具200の近位後退であると判定するとき(ステップ202において、はい)、方法220は、ステップ203に進み、ここでは、制御デバイス4は、近位後退が完了した後のツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の距離を計算する。
図3Aは、近位後退前の外科器具200の位置を示し、
図3Bは、近位後退後の外科器具200の位置を示し、ツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の距離が、距離「D」として示されている。そのような距離は、画像分析によって計算することができ、または一態様では、ツール中心点「TCP」および遠隔動心「RCM」の位置は既知であり得、制御デバイス4によって追跡することができ、距離は、既知の2つの位置の間の差として計算され得る。
【0030】
ステップ203でツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の距離が計算された後、方法220はステップ205に進み、ここで、制御デバイス4は、ツールの中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の計算された距離に基づいて、外科器具200に非拘束関節運動リミットを割り当てる。
【0031】
ステップ207において、制御デバイス4は、外科器具200が近位後退位置にある状態での外科器具200の現在の関節運動角度を判定する(
図3B)。そのような判定は、画像分析によって行うことができ、または一態様では、外科器具200の関節運動角度は既知であり得、制御デバイス4によって追跡することができる。ステップ208において、制御デバイス4は、ステップ207で判定した関節運動角度が、割り当てられたリミットよりも大きい場合を判定する。一態様では、割り当てられたリミットは、ステップ205で割り当てられた非拘束関節運動リミット(またはステップ206で割り当てられた拘束関節運動リミット)に等しい。
【0032】
制御デバイス4が、(
図3Bに示される近位後退位置にある)外科器具200の現在の関節運動角度が割り当てられたリミットより大きい(ステップ208では、はい)と判定すると、方法220は、ステップ210に進み、ここでは、制御デバイス4は、外科器具200の関節運動角度に対して何も行わない。特に、ステップ210において、外科器具200の現在の関節運動角度が、割り当てられた非拘束関節運動リミットよりも大きい場合、外科器具200の現在の関節運動角度は影響を受けず、外科器具200は、非拘束関節運動リミットによって拘束されないままである。
【0033】
代替的に、制御デバイス4が、(
図3Bに示される近位後退位置にある)外科器具200の現在の関節運動角度が割り当てられたリミット以下である(ステップ208では、いいえ)と判定した場合、方法220はステップ209に進み、ここでは、制御デバイス4は、(外科器具200を関節運動させるために受信したコマンドに基づいて)外科器具200を新しい関節運動角度に関節運動させ、ステップ212では、外科器具200の新しい関節運動角度が、割り当てられた非拘束関節運動リミット未満である場合を判定する。
図3Cおよび
図3Dは、
図3Bに表されるその初期関節運動角度からそれぞれの新しい関節運動角度に関節運動された後の外科器具200を示す。
【0034】
制御デバイス4が、外科器具200(
図3Cに示される)の新しい関節運動角度が、割り当てられた非拘束関節運動リミット未満ではない(ステップ212では、いいえ)と判定すると、方法220は、ステップ214に進み、ここでは、制御デバイス4は、外科器具200を非拘束関節運動リミットに割り当てたままにする。特に、ステップ214において、外科器具200の関節運動角度への影響はなく、外科器具200は、関節運動リミットによって拘束されないままである。したがって、この状況では、割り当てられたリミットが拘束されていないため、外科器具200は、操作者または制御デバイス4が望むときに、割り当てられたリミットを超えて依然として関節運動することができる(例えば、より低い角度値に関節運動することができる)。
【0035】
代替的に、制御デバイス4が、外科器具200(
図3Dに示される)の新しい関節運動角度が割り当てられた非拘束関節運動リミット未満であると(ステップ212では、はい)判定した場合、方法220はステップ213に進み、ここでは、制御デバイス4は、非拘束関節運動リミットを拘束関節運動リミットに変換する。特に、ステップ213において、外科器具200の関節運動角度は影響を受けないが、外科器具200がここで非拘束関節運動リミットを超えて(例えば、非拘束リミット角度値未満の角度値に)関節運動するようになったため、外科器具200はここで関節運動リミットによって拘束される。
【0036】
したがって、方法220によるこの構成では、外科器具200は、(遠隔中心点からの特定の距離において)関節運動リミットを超えて関節運動することができ、外科器具200がすでに、割り当てられた非拘束関節運動リミットを超えて(例えば、より低い角度値に)関節運動された後にのみ関節運動リミットに拘束されることになる。
図4は、
図3A~
図3D全体に示される外科器具200の運動(例えば、近位後退および関節運動)中に、外科器具200に割り当てられる例示的な拘束(および非拘束)関節運動リミットのグラフである。
【0037】
方法220のステップ201に戻ると、制御デバイス4が、直線運動が外科器具200の(近位後退ではなく)遠位前進であると判定すると(ステップ202では、はい)、方法220はステップ204に進み、ここでは、制御デバイス4は、遠位前進が完了した後、ツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の距離を計算する。
図5Aは、遠位前進前の外科器具200の位置を示し、
図5Bは、遠位前進後の外科器具200の位置を示しており、ツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の距離は、距離「D」として示されている。そのような距離は、画像分析によって計算することができ、または一態様では、ツール中心点「TCP」および遠隔動心「RCM」の位置は既知であり得、制御デバイス4によって追跡することができ、距離は2つの既知の位置の差として計算することができる。
【0038】
ステップ204でツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の距離が計算された後、方法220はステップ206に進み、ここでは、制御デバイス4は、遠位前進した位置でのツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の計算された距離に基づいて、外科器具200に関節運動リミットを割り当てて拘束する(
図5B)。次に、制御デバイス4が、外科器具200を新しい角度に関節運動させるためのコマンドを受信すると、関節運動角度は、割り当てられた拘束リミットに制限され、拘束リミット角度を超えて関節運動することが防止される。
図5Cは、新しい関節運動角度に関節運動され、拘束された関節運動リミットによって制限されている外科器具200を示している。
【0039】
図6は、
図5A~
図5C全体に示される外科器具200の運動(例えば、遠位前進および関節運動)中に、外科器具200に割り当てられる例示的な拘束関節運動リミットのグラフである。
【0040】
ステップ206に続いて、方法220は、ステップ201に戻る。したがって、外科器具200のさらなる遠位前進が検出されると、制御デバイス4は、ツール中心点「TCP」と遠隔動心「RCM」との間の新しい距離を計算し(ステップ204を繰り返す)、したがって、新たに計算された距離に基づいて、外科器具200の新しい(例えば、より高い)拘束関節運動リミットを割り当てる。ステップ206に続いて、特定の例において、方法220はまた、上記のステップ207に戻る。
【0041】
ここで
図7および
図8A~
図8Cに目を向けると、外科器具200の複数の令状ジョイントの関節運動を選択的に制限する方法が、ここで特に詳細に説明され、方法700と称される。本明細書において説明される方法のステップは、特定の順序で説明されているが、いずれの順序でも実施することができ、説明するステップの一部またはすべてを含むことができる。追加的に、本明細書において説明される方法は、ロボット外科システムの制御デバイス4によって実行されると説明されているが、外科器具または外科ロボットシステムのいずれの構成要素によっても実行され得る。
【0042】
方法700は、ステップ701で始まり、ここでは、制御デバイス4は、外科器具200の遠位部分801(
図8A~
図8C)と、外科器具200が位置づけられるアクセスポート852の遠位部分850(
図8A~
図8C)との間の距離を計算する。
図8A~
図8Cを参照すると、外科器具200は、アクセスポート852を通して配置され、アクセスポート852の遠位部分850から出現する。外科器具200は、遠位部分801、第1の手首ジョイント803、および第2の手首ジョイント805を含む。第1の手首ジョイント803および第2の手首ジョイント805は、それぞれの枢動軸の周りでの外科器具200の関節運動を可能にするように機能する。ステップ701において、そのような距離は、画像分析によって計算され得、または一態様では、外科器具200の遠位部分801、アクセスポート852の遠位部分850の位置は既知であり得、制御デバイス4によって追跡することができ、距離は、2つの既知の位置の差として計算することができる。
【0043】
ステップ702において、制御デバイス4は、ステップ701で計算された距離が第1の閾値距離未満である場合を判定する。距離が第1の閾値距離未満である場合(ステップ702では、はい)、方法700は、ステップ703に進み、ここでは、制御デバイス4は、第1の手首ジョイントおよび第2の手首ジョイントの両方の関節運動を制限する。代替的に、距離が第1の閾値距離(ステップ702では、いいえ)未満ではない場合、方法700は、ステップ704に進み、ここでは、制御デバイス4は、ステップ701で計算された距離が第2の閾値距離未満である場合を判定する。第2の閾値距離は、第1の閾値距離を超える距離値である。
【0044】
距離が第2の閾値距離未満である場合(ステップ704において、はい)、方法700は、ステップ705に進み、ここでは、制御デバイス4は、第2の手首ジョイントのみの関節運動を制限し、第1の手首ジョイントの関節運動を可能にする。代替的に、距離が第2の閾値距離未満ではない場合(ステップ704において、いいえ)、方法700は、ステップ707に進み、ここでは、制御デバイス4は、第1の手首ジョイントおよび第2の手首ジョイントの両方の完全な関節運動を可能にする。
【0045】
図8Aは、外科器具200の遠位部分801と、それが位置づけられるアクセスポート852の遠位部分850との間の距離「d1」が、第1の閾値距離未満であるときの外科器具200を示している。この状況において、第1の手首ジョイント(図示せず)および第2の手首ジョイント(図示せず)の両方に関節運動リミットが割り当てられている。例えば、この状況では、第1および第2の手首ジョイント(図示せず)は、制御デバイス4によっていかなる関節運動も防止される。
【0046】
図8Bは、外科器具200の遠位部分801と、それが位置づけられるアクセスポート852の遠位部分850との間の距離「d2」が、第1の閾値距離よりも大きいが、第2の閾値距離未満である場合の外科器具200を示している。この状況では、第2の手首ジョイント(図示せず)のみに関節運動リミットが割り当てられ、第1の手首ジョイント803は、制御デバイス4によって自由に関節運動される。
【0047】
図8Cは、外科器具200の遠位部分801と、それが位置づけられるアクセスポート852の遠位部分850との間の距離「d3」が、第1の閾値距離および第2の閾値距離の両方よりも大きい場合の外科器具200を示している。この状況では、第1の手首ジョイント803および第2の手首ジョイント805の両方が、制御デバイス4によって自由に制御され、関節運動リミットが割り当てられていない。
【0048】
当業者であれば、本明細書において具体的に記載され、添付の図に示される構造および方法が、非限定的で例示的な実施形態であり、説明、開示、および図が、単に特定の実施形態の例示にすぎないと解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、説明される厳密な実施形態に限定されることがなく、種々の他の変更および修正を、本開示の範囲または主旨から逸脱することなく、当業者が行うことができることを理解されよう。追加的に、特定の実施形態に関連して図示または説明される要素および特徴は、特定の他の実施形態の要素および特徴と、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせることができ、このような修正および変形もまた、本開示の範囲に含まれる。したがって、本開示の主題は、具体的に図示および説明されているものによって限定されない。
【国際調査報告】