(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】力指向支持部を有する自動レーシングフットウェアモータ
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20220124BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20220124BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
A43C11/00
A43B13/14 Z
H05K7/14 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531054
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 US2019063009
(87)【国際公開番号】W WO2020112637
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン ドノホー
【テーマコード(参考)】
4F050
5E348
【Fターム(参考)】
4F050BA36
4F050GA30
4F050MA28
5E348AA40
(57)【要約】
フットウェア製品、電動レーシングシステム、および方法は、モータ、モータに動作可能に結合されたトランスミッション、モータに動作可能に結合された電源、トランスミッションを介してモータに動作可能に結合され、モータの動作に基づいてレースを巻き取ったり巻き戻したりするように構成されたレーススプール、プリント回路基板、および筐体を含む。筐体は、モータ、トランスミッション、電源、レーススプールおよびプリント回路基板を含み、プリント回路基板は、筐体の内面と、電源およびモータの少なくとも1つとの間に配置され、筐体の内面には、 プリント回路基板に形成された穴を通って延びる支柱が含まれている。筐体の内面の屈曲により、筐体にかかる力が、電源、トランスミッション、およびモータの少なくとも1つに少なくとも部分的に加えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットウェア製品であって、
ミッドソールと、
前記ミッドソールに対して固定されたアッパーと、
前記アッパーを通って延在するレースと、
前記ミッドソール内に配置され、前記レースと係合して前記レースの張力を増減するように構成された電動レーシングシステムと、
を備え、
前記電動レーシングシステムは、
モータと、
前記モータに動作可能に結合されたトランスミッションと、
前記モータに動作可能に結合された電源と、
前記トランスミッションを介して前記モータに動作可能に結合され、前記モータの動作に基づいて前記レースを巻き取ったり巻き戻したりするように構成された、レーススプールと、
プリント回路基板と、
前記モータ、前記トランスミッション、前記電源、前記レーススプールおよび前記プリント回路基板を含む筐体と、
を備え、前記プリント回路基板は前記筐体の内面と前記電源および前記モータのうちの少なくとも1つと間に配置され、前記内面は前記プリント回路基板に形成された穴を通って延びる支柱を含み、前記内面の屈曲により前記筐体にかかる力が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つに少なくとも部分的に付与される、
ことを特徴とする、フットウェア製品。
【請求項2】
前記筐体の内面の屈曲により、前記支柱が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つに衝突する、請求項1に記載のフットウェア製品。
【請求項3】
前記内面は複数の支柱を含み、前記筐体の内面が屈曲すると、前記支柱のうちの少なくとも1つが前記電源、前記トランスミッションおよび前記モータの少なくとも1つに力を与えるように構成された、請求項1に記載のフットウェア製品。
【請求項4】
前記複数の支柱のうちの1つが前記トランスミッションに力を与えるように構成され、前記複数の支柱のうちの別の1つが前記モータに力を与えるように構成された、請求項3に記載のフットウェア製品。
【請求項5】
前記支柱と、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つとの間の間隔が、前記プリント回路基板と前記内面との間の間隔よりも小さい、請求項1に記載のフットウェア製品。
【請求項6】
前記支柱が、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つと常に接触している、請求項1に記載のフットウェア製品。
【請求項7】
前記支柱がプラス記号の形状に形成されている、請求項1に記載のフットウェア製品。
【請求項8】
ミッドソールに対してアッパーを固定する工程と、
前記アッパーを通してレースを延在させる工程と、
前記レースと係合して前記レースの張力を増減するように構成された電動レーシングシステムを前記ミッドソール内に配置する工程と、
を含み、
前記電動レーシングシステムは、
モータと、
前記モータに動作可能に結合されたトランスミッションと、
前記モータに動作可能に結合された電源と、
前記トランスミッションを介して前記モータに動作可能に結合され、前記モータの動作に基づいて前記レースを巻き取ったり巻き戻したりするように構成された、レーススプールと、
プリント回路基板と、
前記モータ、前記トランスミッション、前記電源、前記レーススプールおよび前記プリント回路基板を含む筐体と、
を備え、前記プリント回路基板は前記筐体の内面と前記電源および前記モータのうちの少なくとも1つと間に配置され、前記内面は前記プリント回路基板に形成された穴を通って延びる支柱を含み、前記内面の屈曲により前記筐体にかかる力が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つに少なくとも部分的に付与される、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記筐体の内面の屈曲により、前記支柱が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つに衝突する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記内面は複数の支柱を含み、前記筐体の内面が屈曲すると、前記支柱のうちの少なくとも1つが前記電源、前記トランスミッションおよび前記モータの少なくとも1つに力を与えるように構成された、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の支柱のうちの1つが前記トランスミッションに力を与えるように構成され、前記複数の支柱のうちの別の1つが前記モータに力を与えるように構成された、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記支柱と、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つとの間の間隔が、前記プリント回路基板と前記内面との間の間隔よりも小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記支柱が、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つと常に接触している、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記支柱がプラス記号の形状に形成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
モータと、
前記モータに動作可能に結合されたトランスミッションと、
前記モータに動作可能に結合された電源と、
前記トランスミッションを介して前記モータに動作可能に結合され、前記モータの動作に基づいてレースを巻き取ったり巻き戻したりするように構成された、レーススプールと、
プリント回路基板と、
前記モータ、前記トランスミッション、前記電源、前記レーススプールおよび前記プリント回路基板を含む、筐体と、
を備え、前記プリント回路基板は前記筐体の内面と前記電源および前記モータのうちの少なくとも1つと間に配置され、前記内面は前記プリント回路基板に形成された穴を通って延びる支柱を含み、前記内面の屈曲により前記筐体にかかる力が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つに少なくとも部分的に付与される、
電動レーシングシステム。
【請求項16】
前記筐体の内面の屈曲により、前記支柱が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つに衝突する、請求項15に記載の電動レーシングシステム。
【請求項17】
前記内面は複数の支柱を含み、前記筐体の内面が屈曲すると、前記支柱のうちの少なくとも1つが前記電源、前記トランスミッションおよび前記モータの少なくとも1つに力を与えるように構成された、請求項15に記載の電動レーシングシステム。
【請求項18】
前記複数の支柱のうちの1つが前記トランスミッションに力を与えるように構成され、前記複数の支柱のうちの別の1つが前記モータに力を与えるように構成された、請求項15に記載の電動レーシングシステム。
【請求項19】
前記支柱と、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つとの間の間隔が、前記プリント回路基板と前記内面との間の間隔よりも小さい、請求項15に記載の電動レーシングシステム。
【請求項20】
前記支柱が、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つと常に接触している、請求項15に記載の電動レーシングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2018年11月30日に出願された米国仮出願第62/773,842号および2018年11月30日に出願された米国仮出願第62/73,867号に対する優先権の利益を主張するものであり、それらの内容は参照することによりすべて本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の主題は、概して、プリント回路基板(PCB)を通って延在してPCBへの応力を低減する支持体を有する、自動レーシング(紐締め)モータを有するフットウェア製品に関する。
【背景技術】
【0003】
靴などのフットウェア製品は、従来の構成要素および従来にない構成要素の両方の、様々な構成要素を含み得る。従来の構成要素は、フットウェア製品内に着用者の足を包み込み、固定するためのアッパー、ソール、およびレース(紐)または他の固定機構を含み得る。従来にない、電動レーシング(紐締め)システムはレースと係合してレースを締めたり緩めたりすることができる。追加または代替の電子機器は、フットウェア製品のための様々な機能、例えば、モータの動作および駆動、フットウェア製品の性質に関する情報の感知、照明式ディスプレイおよび/または他の知覚刺激等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
いくつかの実施形態は、例示として示されており、添付図面の図に限定されない。
【
図1】
図1は、例示的な実施形態における、フットウェア製品の電動レーシングシステムの構成要素の分解図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態における、電動レーシングシステムの構成要素の構成図を概略的に示す。
【
図3A】
図3Aは、例示的な実施形態における、レーシングエンジンの分解図である。
【
図3B】
図3Bは、メインPCBに対する筐体の底部を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、例示的な実施形態における、底部に力が加えられたときの支柱の機能を示す連続的なブロック図である。
【
図4B】
図4Bは、例示的な実施形態における、底部に力が加えられたときの支柱の機能を示す連続的なブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、例示的な実施形態における、レーシングエンジンの側面図及び斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、例示的な実施形態における、レーシングエンジンの側面図及び斜視図である。
【
図6】
図6は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダを示す図である。
【
図7】
図7は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダを含む、光学エンコーダを示す図である。
【
図8A】
図8Aは、例示的な実施形態における、光学エンコーダの主軸に対して中心から外れている光学エンコーダの動作を示す。
【
図8B】
図8Bは、例示的な実施形態における、光学エンコーダの主軸に対して中心から外れている光学エンコーダの動作を示す。
【
図8C】
図8Cは、例示的な実施形態における、光学エンコーダの主軸に対して中心から外れている光学エンコーダの動作を示す。
【
図9】
図9は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダの代替例を示す図である。
【
図10A】
図10Aは、例示的な実施形態における、3次元エンコーダの製造プロセスを示す図である。
【
図10B】
図10Bは、例示的な実施形態における、3次元エンコーダの製造プロセスを示す図である。
【
図10C】
図10Cは、例示的な実施形態における、3次元エンコーダの製造プロセスを示す図である。
【
図11】
図11は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
例示的な方法及びシステムは、自動レーシングモータを有するフットウェア製品を対象とする。これらの例は、取り得る形態を単に代表するものである。特に明記しない限り、構成要素及び機能は、任意のものであり、組み合わされても細分化されてもよく、動作は、順序が変わってもよく、組み合わされても細分されてもよい。以下の説明では、説明の目的のために、例示的な実施形態の完全な理解を提供するように、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、本主題は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは当業者には明らかであろう。
【0006】
概して、特に運動活動の実施のためのフットウェア製品では、フットウェア製品のサイズ、形状、頑強性及び重さなどの特徴が特に重要となり得る。フットウェア製品の構成要素が、例えば、フットウェア製品を比較的背が高く、重く、及び/又は脆弱にする場合、運動活動の実施に効果的であるフットウェア製品の能力が損なわれ得る。
【0007】
自動レーシングシステムの構成要素は、筐体内に含まれ、フットウェア製品の上又は内部に配置されてもよく、例えばソール構造の内部に配置されてもよい。しかしながら、電子部品は、フットウェア製品にかかる通常の力の影響を受けやすい場合がある。例えば、着用者が岩又は他の硬い突起を踏んだ場合、ソールを介して筐体に力が加えられ、筐体が屈曲して筐体内に収容された構成要素に力を加え得る。特定の構成要素は、他の構成要素よりも比較的機械的に頑強であり得る。このため、例えば、電池又はモータに力が加えられる場合、システムへの損傷の危険性は、プリント回路基板(PCB)又は電子コネクタに力が加えられる場合よりも少なくなり得る。
【0008】
しかしながら、高さ及び製造の容易さに関する設計上の考慮により、一般的にソールに最も近い筐体の表面に概ね近接した位置にPCBを配置することが望ましい場合がある。したがって、筐体を屈曲させるような力がソールに加えられた場合、望ましくない量の力がPCBに加えられる結果になり得る。PCBに加えられる傾向のある力を低減し、代わりにPCBよりも比較的頑強であり得る自動レーシングシステムの構成要素に力を向けるために、PCBを通って延在し、自動レーシングシステムの別の構成要素、例えばモータの近傍にある、1つ又は複数の支持体が、ソールに近接する筐体内に設計されている。筐体に力が加えられ、筐体が屈曲すると、支持体は、他の構成要素と接触し、PCB上ではなく、その構成要素に力の少なくとも一部を加える。支持体は、PCBにいかなる力も加わらないようにできなくとも、支持体は、PCBに加えられる力を許容限度に制限するために、十分な力をPCBから離れる方向に向けることができる。
【0009】
図1は、例示的な実施形態における、フットウェア製品の電動レーシングシステムの構
成要素の分解図である。本システムは、フットウェア製品に関して説明されるが、フットウェア製品に関して説明される原理は、様々な着用可能な製品のいずれにも同様に適用され得ることは認識及び理解されよう。
図1に示される電動レーシングシステム100は、筐体構造103を有するレーシングエンジン102、蓋104、アクチュエータ106、ミッドソールプレート108、ミッドソール110及びアウトソール112を含む。
図1は、自動レーシングフットウェアプラットホームの構成要素の基本的な組立順序を示す図である。電動レーシングシステム100は、まず、ミッドソールプレート108がミッドソール内に固定された状態にされる。次に、アクチュエータ106が、アウトソール112に埋め込み可能なインタフェースボタンとは反対側のミッドソールプレートの横側の開口部に挿入される。次に、レーシングエンジン102が、ミッドソールプレート108のレーシングエンジンキャビティ内に配置される。一実施例では、レーシングシステム100は、レーシングケーブルの連続ループの下に挿入され、レーシングケーブルは、(後述する)レーシングエンジン102内のスプールと整列される。最後に、蓋104は、ミッドソールプレート108の溝に挿入され、閉鎖位置に固定され、ミッドソールプレート108の凹部に留められる。蓋104は、レーシングエンジン102を捕捉することができ、動作中にレーシングケーブルのアライメントの維持を補助することができる。
【0010】
図2は、例示的な実施形態における、電動レーシングシステム100の構成要素の構成図を概略的に示す。システム100は、レーシングエンジン102、ミッドソールプレート108、及びフットウェア底部198などの電動レーシングシステムの構成要素を含むが、必ずしも全てを含まなくてもよい。図示されるシステム100は、インタフェースボタン200と、インタフェースボタンアクチュエータ201と、足存在センサ202と、メインPCB204およびユーザインタフェースPCB206を収容するレーシングエンジン筐体103とを含む。ユーザインタフェースPCB206は、ボタン200と、ボタンアクチュエータ201を照明し得る、或いはフットウェア製品の外部可視照明を提供し得る1つ又は複数の発光ダイオード(LED)208と、光学エンコーダユニット210と、LED208に電力を供給し得るLEDドライバ212とを含む。メインPCB204は、プロセッサ回路214と、電子データストレージ216と、バッテリ充電回路218と、無線トランシーバ220と、加速度計及びジャイロスコープなどの1つ又は複数のセンサ222と、モータドライバ224とを含む。
【0011】
レーシングエンジン102は、静電容量センサなどの足存在センサ226、モータ228、トランスミッション230、スプール232、電池又は電源234、及び充電コイル236を更に含む。プロセッサ回路214は、電子データストレージ216からの命令を用いて、モータドライバ224にモータ228を作動させるように構成され、トランスミッション230を介してスプール232を回転させて、スプール232の周囲に巻かれたレース238に所望の量の張力を加える。プロセッサ回路214は、足存在センサ226、センサ222、及びボタン200などの様々なソースからの入力を受信し、命令に従って、レース238の張力を増加又は減少させることを決定し得る。例えば、足存在センサ226は、フットウェア198内の足の存在を検出することができ、プロセッサ回路216は、張力を現在の張力レベルに設定することができる。センサ222は、例えば、カジュアルな歩行、激しい身体活動などの、特定の活動レベルと合致する動きを検出することができ、プロセッサ回路214は、例えば、カジュアルな歩行の場合には比較的緩く、激しい身体活動の場合には比較的きつく、張力をその活動レベルと合致するレベルに設定することができる。ユーザは、ボタンアクチュエータ201を押して、必要に応じて、張力の段階的又は線形的な増加又は減少を手動で命令することができる。
【0012】
バッテリ234は、一般にレーシングエンジン102の構成要素に電力を供給し、例示的な実施形態では、充電式バッテリである。しかしながら、非充電式バッテリ、スーパーキャパシタ等の代替電源も考えられる。図示例では、バッテリ234は、充電回路218及び再充電コイル236に連結されている。再充電コイル236が外部充電器240の近傍に配置されると、充電回路242が送信コイル244に給電して再充電コイル236に電流を誘導し、その電流が充電回路218によってバッテリ234を再充電するために利用される。例えばフットウェア198内に配置された圧電発生器などの代替的な再充電機構が考えられる。
【0013】
無線トランシーバ220は、スマートフォン、ウェアラブル装置、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどのリモートユーザ装置246と無線で通信するように構成される。一実施例では、無線トランシーバ220は、ブルートゥースローエナジー方式で通信するように構成されるが、無線トランシーバ220は、近距離無線通信(NFC)、802.11 WiFiなどを含む任意の適切な無線方式で通信してもよい。更に、無線トランシーバ220は、複数の外部ユーザ装置246と通信するように、及び/又は複数の異なる無線方式で通信するように構成されてもよい。無線トランシーバ220は、例えば、所定の動作モードに入ること、或いはレース238の張力を段階的又は線形的に増加又は減少させることを含む、レーシングエンジン102の制御を行うために、ユーザ装置246上で動作するアプリケーションを使用して、ユーザ装置246から命令を受信し得る。無線トランシーバ220は、更に、例えば、レース238の張力の大きさ、又はスプール232の向き、バッテリ234に残っている充電の量、及び一般にレーシングエンジン102に関する望ましい他の情報などの、レーシングエンジン102に関する情報をユーザ装置246に送信し得る。
【0014】
図3Aは、例示的な実施形態における、レーシングエンジン102の分解図である。レーシングエンジン102は筐体103を含み、筐体103は上部103A及び底部103Bを含み、一般に、筐体103の外側に位置する特定の構成要素を除いて、レーシングエンジン102を収容する。これらの構成要素には、ボタンアクチュエータ201(及び、湿気などの環境条件からレーシングエンジン102を保護するための関連するOリング300)と、止めねじ302を介してトランスミッション230に固定され、蓋104で囲まれるスプール232と、足存在センサ226の誘電発泡体304とが含まれる。筐体103内には、メインPCB204、ユーザインタフェースPCB206、モータ228、トランスミッション230、バッテリ234、再充電コイル236、並びに足存在センサ226の電極306及び発泡体308が封入されている。
【0015】
分解図で部分的に見えるのは、光学エンコーダユニット210である。具体的には、光学エンコーダユニット210の3次元エンコーダ310は、モータ228に連結され、モータの回転に伴って回転する。3次元エンコーダ310の具体的な実施形態は、本明細書に示されている。
【0016】
図3Bは、メインPCB204に対する筐体103の底部103Bの図である。底部103Bには、筐体103の底部103Bの内面314から延びる支柱(支柱)312が含まれる。本明細書に示されるように、少なくとも1つの支柱312は、メインPCB204の穴(図示せず)を通って延在する。例えば、フットウェア198の着用者が物体を踏むことでミッドソール110及びプレート108(
図1)を介して力が付与され、筐体103の底部103Bの外側に外力が加えられると、底部103Bが屈曲し得る。支柱312は、底部103Bの屈曲によって、1つ又は複数の支柱312が、メインPCB204などの比較的弾力性の低い構成要素ではなく、モータ228、トランスミッション230、又はバッテリ234などの、レーシングエンジン102の比較的硬い又は弾力性の高い構成要素に接触するに配置される。図示のように、支柱312は、力を効率的に分散するためにプラス記号の形状である。しかしながら、中部312は、任意の適切な形状またはサイズにし得ることは認識および理解されたい。
【0017】
図4A及び
図4Bは、例示的な実施形態において、力400が底部103Bに加えられたときの支柱312の機能を示す連続的なブロック図である。ブロック図は、説明の目的のために簡略化され誇張されている。
図3Bに示されるように、複数の支柱312は本明細書に示される原理に従って様々な位置に配置され得ること、および本明細書に記載されるように、支柱312は、任意の適切な弾力性を有する構成要素に接触するように配置及び構成され得ることは理解されたい。
【0018】
図4Aは、上部103Aに連結された底部103Bを示し、底部103Bの内面314から支柱312が投影している。支柱312は、メインPCB204に形成された穴402を貫通して延在する。図示されるように、支柱は、トランスミッション230に接触せず、その間にギャップ404を有する。様々な実施例では、ギャップ404は、メインPCB204と内面314との間のギャップ406よりも小さい。しかしながら、ギャップ404はなくてもよく、或いはギャップ404はギャップ406と略同一であってもよいことを理解されたい。底部103Bに力が加えられていないので、底部103Bは実質的に平坦で直線状である。
【0019】
図4Bは、底部103Bに加えられた力400のために湾曲した底部103Bを示す。底部103Bの湾曲は、支柱312をトランスミッション230に接触させ、力400の少なくとも一部をトランスミッション230に伝達する。支柱312とトランスミッション230との間のギャップ404が排除されている間、少なくともいくらかのギャップ406が、内面314とメインPCB204との間に残される。その結果、本実施例では、力400は、比較的脆弱なメインPCB204には付与されず、その代わりに、より弾力性の高いトランスミッション230に付与される。
【0020】
この誇張された説明では底部103BとメインPCB204との間の接触は示さないが、実際の実装では、底部103BとメインPCB204との間に何らかの接触が生じ得ること、及び/又は力400の少なくとも一部がメインPCB204に付与されることは認識及び理解されよう。しかしながら、少なくとも、支柱312の存在は、力400の少なくとも一部を、メインPCB204ではなく、トランスミッション230に付与させやすくする。支柱312がない場合に比べてメインPCB204に付与される力400の大きさが相対的に減少することによって、底部103Bに付与される力400によってメインPCB204が損傷する可能性が依然として減少し得る。
【0021】
図5A及び
図5Bは、例示的な実施形態における、レーシングエンジン102の側面図及び斜視図である。メインPCB204、ユーザインタフェースPCB206、モータ228、トランスミッション230、バッテリ234、電極306、発泡体308、及び再充電コイル236などの構成要素は、筐体103の上部103A及び底部103B内に収容される。スプール232は、止めねじ302を介してトランスミッション230に固定される。上部103Aは、概して、モータ228の湾曲した輪郭に適合する。
【0022】
一実施例では、上部103A及び底部103Bは、各々略1.5ミリメートルの厚さである。再充電コイル236は、フェライトバッキングを含めて、略0.7ミリメートルの厚さである。バッテリ234は、経時的なバッテリ234の膨張を考慮して、略7.5ミリメートルの厚さである。一実施例では、電極306は略0.25ミリメートルの厚さであり、発泡体308は略0.5ミリメートルの厚さであり、バッテリ234に近接するレーシングエンジン102の全体的な厚さは略11.75ミリメートルである。一実施例では、モータ228は略8.5ミリメートルの厚さであり、モータ228に近接するレーシングエンジン102は略14.55ミリメートルの最大厚さを有する。一実施例では、スプール232に近接するレーシングエンジン102は、略14.7ミリメートルの厚さを有する。
【0023】
図6は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ600を示す図である。3次元エンコーダ600は、光学エンコーダユニット210の3次元エンコーダ310として機能し得る。3次元エンコーダ600は、ドラムエンコーダであり、ドラム部602と、円筒部に連結され、3次元エンコーダ600をモータシャフトなどに固定するように構成された、固定部604とを含む。固定部は中実であってもよく、或いは、ドラム部602とモータとの間に延在するスポークなどの個々の部分であってもよい。
【0024】
図示されているように、ドラム部602は円筒形であり、円形断面を有するが、円錐形、八角形などを含む様々な適切な幾何学的形状のいずれかであってもよい。2次元ディスク300と同様に、ドラム600は、例えば暗セグメントである、複数の第1のセグメント606を含み、複数の第1のセグメント606は、例えば反射セグメントである、複数の第2のセグメント608と交互に配置される。複数の第1及び第2のセグメント606、608は、ドラム部602の外面610上に配置される。
【0025】
図7は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ600を含む、光学エンコーダユニット700を示す図である。光学エンコーダ700は、
図2のブロック図において、光学エンコーダ210として動作し得る。光学エンコーダ700は、3次元エンコーダ600に加えて光学センサ702を含み、光学センサ702は、各々が3次元エンコーダ600の光学範囲708内にある第1の光学センサ704及び第2の光学センサ706を含み、光学範囲708は、第1及び第2の光学センサ704、706が複数の第1及び第2のセグメント606、608を区別し得る距離である。したがって、光学範囲708は、異なるタイプの第1及び第2の光学センサ704、706の間で異なり得る。外部の設計要件により光学センサ702と3次元エンコーダ600との間に特定の距離が必要とされる場合、第1及び第2の光学センサ704、706は、少なくともその距離と同じ長さの光学範囲708を有するように選択することができる。
【0026】
第1の光学センサ704は、メインPCB204の第1の主面710上に配置され、一方、第2の光学センサ708は、メインPCB204の第2の主面712上に配置される。図示例では、第1及び第2の光学センサ704、706の垂直間隔714は、複数の第1及び第2のセグメント606、608の各々1つの高さ716に略等しく、例えば、高さ716の略5%以内である。したがって、第1及び第2の光学センサ704、706の各々は、ともに同一タイプのセグメントを検出しようとし、すなわち、暗いセグメント又は反射セグメントをともに検出する。第1及び第2の光学センサ704、706の各々が同一タイプのセグメントを検出しない場合、例えば、第1の光学センサ704が複数の第1のセグメント606のうちの1つを検出し、第2の光学センサ706が複数の第2のセグメント608のうちの1つを検出する(又はその逆である)場合、この不一致はすぐに解消されて、第1及び第2の光学センサ704、706の両方が同一タイプのセグメント606、608を検出するようになることが期待される。
【0027】
光学センサ702の特定の構成が図示されているが、光学センサの数及び向きは、異なる実装の間で変更してもよいことを指摘し、強調したい。したがって、一実施例では光学センサ702の代替例は、1つの個々の光学センサのみを有してもよく、一方、光学センサ702の更なる代替例は、3つ以上の個々の光学センサを含んでもよい。しかしながら、様々な実施例では、各々の光学センサは、メインPCB204の主面710、712のうちの一方の上に配置される。
【0028】
図8A~
図8Cは、例示的な実施形態における、光学エンコーダ700の主軸800に対して中心から外れている光学エンコーダユニット700の動作を示す。
図8Aにおいて、モータシャフト306が通過する、固定部604内の開口804の中心802は、主軸800に対して所定の距離だけオフセットされている。
図8Bにおいて、開口804がシャフトの周囲に固定された状態で、外面610、より具体的には、複数の第1及び第2のセグメント606、608は、光学センサ702から第1の距離806に来る。
図8Cにおいて、光学エンコーダ700が
図8Bに対して半回転を完了して、外面610が光学センサ702から第2の距離808に来ており、第2の距離808は、中心から外れた開口804がモータシャフトの周囲に固定されているため、第1の距離806よりも大きい。
【0029】
主軸800と開口の中心802とのオフセットは、製造プロセスの意図しない結果であり得る。しかしながら、光学センサ700の特性のために、複数の第1及び第2のセグメント606、608の各々の見掛けの高さ716(
図7)は、同じままであり得る。その結果、そのような同心性の問題は、単に光学センサ702の焦点距離の差をもたらすだけであり得る。焦点距離の差は、光学センサ702の光学範囲708内において光学センサ702により解決され得る。このように、光学エンコーダ700は、光学エンコーダ300の製造工程において許容され得るよりも大きなばらつきを製造工程において許容するとともに、使用中の通常の摩耗及び損傷に対して、よりロバストであり得る。
【0030】
図9は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ900の代替例を示す図である。3次元エンコーダ900は、3次元エンコーダ600と同じ特性を有し得る。しかしながら、3次元エンコーダ900は、複数の第1及び第2のセグメント606、608をドラム部602の外面に有するのではなく、複数の第1及び第2のセグメント606、608を内面902に含む。3次元エンコーダ900は、光学センサ702が内面902を感知するように配置され、光学センサ700の配置と同様の配置で利用され得る。
【0031】
図10A~10Cは、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ700、900の製造工程を示す。
【0032】
図10Aでは、細長い複数の第1及び第2のセグメント606、608のシート1000が、個々のストリップ1002に切断される。シート1000は、マイラー(Mylar)などの任意の適切な材料で作られ、複数の第1のセグメント606などの暗セグメントは、シート1000の主面1004上に印刷される。複数の第2のセグメント608などの反射セグメントは、未処理又は実質的に未処理のマイラーである。
【0033】
図10Bでは、ストリップ1002が折り曲げられて、主面1004、すなわち印刷面が必要に応じて外面708又は内面902のいずれかとされる。第1の端部1006は、ループを作るために第2の端部1008に固定される。
【0034】
図10Cでは、ストリップ1002が必要に応じてフレーム1010に連結されて、3次元エンコーダ700、900を形成する。フレーム1010は、固定部604と、ドラム部602を形成するためにストリップ1002を固定するドラム1012とを含む。
【0035】
図11は、例示的な実施形態における、3次元エンコーダ1100の図である。3次元エンコーダ700、900とは異なり、3次元エンコーダ1100は、タブ1102及びギャップ1104を使用し、タブ1102の場合には光を反射する表面を提供し、ギャップの場合には光を反射しない表面欠落部を提供する。光学センサ1106、1108は、タブ1102から反射される光を検出し、ギャップ1104が光学センサ1106、1108と整列するとき、反射光は存在しない。一実施例では、光学センサ1106、1108は、互いの間に略54度の角度を形成する。ビームブレイク1110は、光学センサ1106、1108による検出のために光を集束させるためにスリット1112を含み、スリットを通過した光を集束する。3次元エンコーダ1100は、他のエンコーダ700、900と同様に、モータ228に回転可能に連結される。
【0036】
実施例:
実施例1では、フットウェア製品であって、ミッドソールと、前記ミッドソールに対して固定されたアッパーと、前記アッパーを通して延在するレースと、前記ミッドソール内に配置され、前記レースと係合して前記レースの張力を増減するように構成された電動レーシングシステムと、を含み、前記電動レーシングシステムは、モータと、前記モータに動作可能に結合されたトランスミッションと、前記モータに動作可能に結合された電源と、前記トランスミッションを介して前記モータに動作可能に結合され、前記モータの動作に基づいて前記レースを巻き取ったり巻き戻したりするように構成された、レーススプールと、プリント回路基板と、前記モータ、前記トランスミッション、前記電源、前記レーススプールおよび前記プリント回路基板を含む筐体と、を備え、前記プリント回路基板は前記筐体の内面と前記電源および前記モータのうちの少なくとも1つと間に配置され、前記内面は前記プリント回路基板に形成された穴を通って延びる支柱を含み、前記内面の屈曲により前記筐体にかかる力が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つに少なくとも部分的に付与されるものである。
【0037】
実施例2では、実施例1のフットウェア製品は、任意で更に、前記筐体の内面の屈曲により、前記支柱が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つに衝突する、ことを含む。
【0038】
実施例3では、実施例1および2のいずれか1つまたは複数のフットウェア製品は、任意で更に、前記内面は複数の支柱を含み、前記筐体の内面が屈曲すると、前記支柱のうちの少なくとも1つが前記電源、前記トランスミッションおよび前記モータの少なくとも1つに力を与えるように構成されている、ことを含む。
【0039】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で更に、前記複数の支柱のうちの1つが前記トランスミッションに力を与えるように構成され、前記複数の支柱のうちの別の1つが前記モータに力を与えるように構成されている、ことを含む。
【0040】
実施例5では、実施例1~4のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で更に、前記支柱と、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つとの間の間隔が、前記プリント回路基板と前記内面との間の間隔よりも小さい、ことを含む。
【0041】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で更に、前記支柱が、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つと常に接触している、ことを含む。
【0042】
実施例7では、実施例1~6のいずれか1つ又は複数のフットウェア製品は、任意で更に、前記支柱がプラス記号の形状に形成されている、ことを含む。
【0043】
実施例8では、方法であって、ミッドソールに対してアッパーを固定する工程と、前記アッパーを通してレースを延在させる工程と、前記レースと係合して前記レースの張力を増減するように構成された電動レーシングシステムを前記ミッドソール内に配置する工程と、を含み、前記電動レーシングシステムは、モータと、前記モータに動作可能に結合されたトランスミッションと、前記モータに動作可能に結合された電源と、前記トランスミッションを介して前記モータに動作可能に結合され、前記モータの動作に基づいて前記レースを巻き取ったり巻き戻したりするように構成された、レーススプールと、プリント回路基板と、前記モータ、前記トランスミッション、前記電源、前記レーススプールおよび前記プリント回路基板を含む筐体と、を備え、前記プリント回路基板は前記筐体の内面と前記電源および前記モータのうちの少なくとも1つと間に配置され、前記内面は前記プリント回路基板に形成された穴を通って延びる支柱を含み、前記内面の屈曲により前記筐体にかかる力が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つに少なくとも部分的に付与されるものである。
【0044】
実施例9では、実施例8の方法は、任意で更に、前記筐体の内面の屈曲により、前記支柱が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つに衝突する、ことを含む。
【0045】
実施例10では、実施例8および9のいずれか1つ又は複数の方法は、任意で更に、前記内面は複数の支柱を含み、前記筐体の内面が屈曲すると、前記支柱のうちの少なくとも1つが前記電源、前記トランスミッションおよび前記モータの少なくとも1つに力を与えるように構成されている、ことを含む。
【0046】
実施例11では、実施例8-10のいずれか1つ又は複数の方法は、任意で更に、前記複数の支柱のうちの1つが前記トランスミッションに力を与えるように構成され、前記複数の支柱のうちの別の1つが前記モータに力を与えるように構成されている、ことを含む
【0047】
実施例12では、実施例8-11のいずれか1つ又は複数の方法は、任意で更に、前記支柱と、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つとの間の間隔が、前記プリント回路基板と前記内面との間の間隔よりも小さい、ことを含む。
【0048】
実施例13では、実施例8-12のいずれか1つ又は複数の方法は、任意で更に、前記支柱が、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つと常に接触している、ことを含む。
【0049】
実施例14では、実施例8-13のいずれか1つ又は複数の方法は、任意で更に、前記支柱がプラス記号の形状に形成されている、ことを含む。
【0050】
実施例15では、電動レーシングシステムであって、モータと、前記モータに動作可能に結合されたトランスミッションと、前記モータに動作可能に結合された電源と、前記トランスミッションを介して前記モータに動作可能に結合され、前記モータの動作に基づいて前記レースを巻き取ったり巻き戻したりするように構成された、レーススプールと、プリント回路基板と、前記モータ、前記トランスミッション、前記電源、前記レーススプールおよび前記プリント回路基板を含む、筐体と、を備え、前記プリント回路基板は前記筐体の内面と前記電源および前記モータのうちの少なくとも1つと間に配置され、前記内面は前記プリント回路基板に形成された穴を通って延びる支柱を含み、前記内面の屈曲により前記筐体にかかる力が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つに少なくとも部分的に付与されるものである。
【0051】
実施例16では、実施例15の電動レーシングシステムは、任意で更に、前記筐体の内面の屈曲により、前記支柱が前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つに衝突する、ことを含む。
【0052】
実施例17では、実施例15および16のいずれか1つ又は複数の電動レーシングシステムは、任意で更に、前記内面は複数の支柱を含み、前記筐体の内面が屈曲すると、前記支柱のうちの少なくとも1つが前記電源、前記トランスミッションおよび前記モータの少なくとも1つに力を与えるように構成されている、ことを含む。
【0053】
実施例18では、実施例15~17のいずれか1つ又は複数の電動レーシングシステムは、任意で更に、前記複数の支柱のうちの1つが前記トランスミッションに力を与えるように構成され、前記複数の支柱のうちの別の1つが前記モータに力を与えるように構成されている、ことを含む。
【0054】
実施例19では、実施例15~18のいずれか1つ又は複数の電動レーシングシステムは、任意で更に、前記支柱と、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータの少なくとも1つとの間の間隔が、前記プリント回路基板と前記内面との間の間隔よりも小さい、ことを含む。
【0055】
実施例20では、実施例15~19のいずれか1つ又は複数の電動レーシングシステムは、前記支柱が、前記電源、前記トランスミッション、および前記モータのうちの少なくとも1つと常に接触している、ことを含む。
【0056】
実施例21では、実施例15~20のいずれか1つ又は複数の電動レーシングシステムは、任意で更に、前記支柱がプラス記号の形状に形成されている、ことを含む。
【0057】
本明細書を通じて、1つのインスタンスとして説明した構成要素、動作、又は構造を複数のインスタンスによって実装することができる。1つ又は複数の方法の個々の動作は個別の動作として図示及び説明されているが、1つ又は複数の個々の動作は同時に実行されてもよく、動作が図示の順序で実行される必要はない。例示的な構成において個別の構成要素として提示された構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実装されてもよい。同様に、1つの構成要素として提示された構造及び機能は、個別の構成要素として実装されてもよい。これらの及び他の変形、修正、追加、及び改善は、本明細書の主題の範囲内にある。
【0058】
本明細書では、特定の実施形態が、ロジック、或いは複数の構成要素、モジュール、又はメカニズムを含むものとして記載されている。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体又は伝送信号に実装されるコード)又はハードウェアモジュールのいずれかを構成してもよい。「ハードウェアモジュール」は、特定の動作を実行可能な有形のユニットであり、特定の物理的な方法で構成又は配置され得る。様々な例示的な実施形態では、1つ又は複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、又はサーバコンピュータシステム)又はコンピュータシステムの1つ又は複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ又はプロセッサのグループ)は、本明細書で説明されるような特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーション又はアプリケーション部分)によって構成され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、ハードウェアモジュールは、電子的に、機械的に、又はこれらの任意の適切な組み合わせにより実現され得る。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように恒久的に構成された専用の回路又はロジックを含んでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はASICなどの専用プロセッサであってもよい。ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するためにソフトウェアによって一時的に構成される、プログラム可能なロジック又は回路を含んでもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、汎用プロセッサ又は他のプログラム可能なプロセッサに含まれるソフトウェアを含んでもよい。ハードウェアモジュールを機械的に専用の恒久的に構成された回路で実装するか、或いは一時的に構成された(例えば、ソフトウェアで構成された)回路で実装するかの判断は、コスト及び時間の考慮により行われてもよい。
【0060】
したがって、「ハードウェアモジュール」という用語は、有形エンティティを包含すると理解されるべきであり、物理的に構成され、恒久的に構成され(例えば、ハードワイヤード)、或いは一時的に構成され(例えば、プログラムされ)、本明細書に記載されるように、一定の方法で動作し、或いは、所定の動作を実行するエンティティであると理解されるべきである。本明細書において、「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェアモジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考慮すると、各々のハードウェアモジュールは、必ずしも、任意の1つのインスタンスで構成又はインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、専用プロセッサになるようにソフトウェアによって構成された汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは、様々な時点において、それぞれ異なる専用プロセッサとして(例えば、異なるハードウェアモジュールを含むものとして)構成され得る。したがって、ソフトウェアは、プロセッサに、例えば、ある時点では特定のハードウェアモジュールを構成させ、異なる時点では異なるハードウェアモジュールを構成させることができる。
【0061】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに対して、情報を提供し、情報を受信することができる。したがって、説明されたハードウェアモジュールは、通信可能に接続されていると見なすことができる。複数のハードウェアモジュールが同時に存在する場合、2つ以上のハードウェアモジュール間での(例えば、適切な回路及びバスを介した)信号送信によって通信が実現されてもよい。複数のハードウェアモジュールが異なる時点に構成又はインスタンス化される実施形態では、これらのハードウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造内への情報の格納及び取得を通じて達成されてもよい。例えば、あるハードウェアモジュールが、ある動作を実行し、その動作の出力を、通信可能に接続されたメモリデバイスに格納してもよい。それから、更なるハードウェアモジュールが、後で、メモリデバイスにアクセスして、格納された出力を取得し、処理してもよい。ハードウェアモジュールは、入力又は出力デバイスとの通信を開始することもでき、リソース(例えば、情報のコレクション)を操作することができる。
【0062】
本明細書に記載された例示的な方法の様々な動作は、(例えば、ソフトウェアによって)一時的に構成された、或いは関連する動作を実行するように恒久的に構成された、1つの又は複数のプロセッサによって、少なくとも部分的に、実行されてもよい。一時的に構成されているか又は恒久的に構成されているかに関わらず、これらのプロセッサは、本明細書で説明される1つ又は複数の動作又は機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成することができる。本明細書では、「プロセッサ実装モジュール」は、1つ又は複数のプロセッサを使用して実装されたハードウェアモジュールを指す。
【0063】
同様に、本明細書に記載された方法は、ハードウェアの一例としてプロセッサに、少なくとも部分的に実装されてもよい。例えば、方法の動作の少なくとも一部は、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールによって実行され得る。さらに、1つ又は複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境において、或いは「ソフトウェアアズアサービス」(SaaS)として、関連する動作の実行をサポートするように動作してもよい。例えば、少なくとも一部の動作は、(プロセッサを含むマシンの一例として)コンピュータのグループによって実行されもよく、これらの動作は、(インターネットなどの)ネットワーク及び(アプリケーションプログラムインタフェース(API)などの)1つ又は複数の適切なインタフェースによってアクセスされてもよい。
【0064】
特定の動作の実行は、1つ又は複数のプロセッサの間で分散されてもよく、1つのマシン内に存在するだけでなく、複数のマシンを横断して配置されてもよい。ある例示的な実
施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、(家庭環境、オフィス環境、又はサーバファーム内などの)1つの地理的場所に配置されてもよい。他の例示的な実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、複数の地理的場所にわたって分散されてもよい。
【0065】
本明細書のいくつかの部分は、(コンピュータメモリなどの)マシンのメモリ内にビット又はバイナリデジタル信号として格納されたデータに対する動作のアルゴリズム又は記号表現として提示さている。これらのアルゴリズム又は記号表現は、データ処理分野において、当業者が自分たちの仕事の内容を他の当業者に伝えるために使用する技法の例である。本明細書において、「アルゴリズム」は、所望の結果をモータらす首尾一貫した一連の動作又は同様の処理である。このコンテキストでは、アルゴリズム及び操作には物理量の物理的な操作が含まれる。通常、必ずしもそうではないが、これらの量は、マシンによって、記憶、アクセス、転送、結合、比較、或いは操作可能な、電気的、磁気的又は光学的信号の形をとり得る。主に一般的な使用の理由から、「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数」、「数量」などの単語を使用して、これらの信号を参照することが便利な場合がある。ただし、これらの単語は、便利なラベルにすぎず、適切な物理量に関連付けられている。
【0066】
特に明記しない限り、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「判定」、「提示」、「表示」などの単語を用いた本明細書の説明は、1つ又は複数の(揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はこれらの適切な組み合わせなど)メモリ、レジスタ、或いは情報を受信、保存、送信、又は表示するその他のマシンの構成要素にて、物理(例えば、電子、磁気、又は光学)量として表されるデータを操作又は変換する(コンピュータなどの)マシンの処理を指し得る。さらに、特に明記しない限り、本明細書において、「a」又は「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、1つ又は複数のインスタンスを含む。最後に、本明細書において、特に明記しない限り、「又は」という用語は、非排他的な「又は」を指す。
【国際調査報告】