(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】現場超音波流量計検証
(51)【国際特許分類】
G01F 1/66 20220101AFI20220124BHJP
【FI】
G01F1/66 Z
G01F1/66 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531238
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 US2019063534
(87)【国際公開番号】W WO2020112950
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517318263
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ユーフォン
(72)【発明者】
【氏名】タオ、チョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ダニエル ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ウェリング、アニルダッハ エス.
(72)【発明者】
【氏名】コワル、アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】スイ、レイ
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035DA10
2F035DA14
2F035DA23
2F035HA03
(57)【要約】
現場超音波流量計検証の方法は、パイプ内の第1の経路に沿ったガス混合物を通して、第1の信号診断を特徴付けるデータ及び第1の音響信号の第1の速さを特徴付けるデータを受信することを含む。第1の音響信号の第1の速度は、第1の経路の第1の経路長によって分離される第1の対の変換器を含む、超音波流量計の第1のチャネルによって検出される。ガス混合物は、パイプ内の流路に沿って流れるように構成される。方法はまた、第1の信号診断を特徴付けるデータ及び/又は第1の音響信号の第1の速度と、独立して算出された音の速度との間の差に基づいて、超音波流量計と関連付けられた状態を判定することを含む。音の速度は、ガス混合物の1つ以上の特性に基づいて、算出される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
パイプ内の第1の経路に沿ったガス混合物を通して、第1の信号診断を特徴付けるデータ及び第1の音響信号の第1の速度を特徴付けるデータを受信することであって、前記第1の音響信号の前記第1の速度が、前記第1の経路の第1の経路長によって分離される第1の対の変換器を含む、超音波流量計の第1のチャネルによって検出され、前記ガス混合物が、前記パイプ内の流路に沿って流れるように構成される、受信することと、
前記第1の信号診断を特徴付ける前記データ及び/又は前記第1の音響信号の前記第1の速度と音の速度との間の差に基づいて、前記超音波流量計と関連付けられた状態を判定することであって、前記音の速度が、前記ガス混合物の1つ以上の特性に基づいて、算出される、判定することと、
前記判定された状態を含む通知をユーザに提供すること、及び/又は前記通知を電子記憶装置に保存することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ガス混合物の前記1つ以上の特性を特徴付けるデータを受信することであって、前記1つ以上の特性が、前記ガス混合物の組成、前記超音波流量計における前記ガス混合物の圧力、及び前記ガス混合物の温度のうちの1つ以上を含む、受信することと、
所定のアルゴリズムを使用して、前記ガス混合物の前記1つ以上の特性を特徴付ける前記データに基づいて、前記音の速度を算出することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定のアルゴリズムが、分子量ベースのアルゴリズム、AGA10法、及び理想気体の状態方程式のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記状態が、前記超音波流量計の識別情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の信号診断を特徴付ける前記データが、前記第1の経路長、前記第1の対の変換器の第1の変換器の時間遅延及び/又は第2の変換器の時間遅延、信号強度、並びに信号の雑音に対する比のうちの1つ以上を含み、
前記第1の音響信号の前記第1の速度を特徴付ける前記データが、前記第1の変換器から前記第2の変換器への第1の音の上流進行時間と、前記第2の変換器から前記第1の変換器への第1の音の下流進行時間と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パイプ内の第2の経路に沿ったガス混合物を通して、第2の信号診断を特徴付けるデータ及び第2の音響信号の第2の速度を特徴付けるデータを受信することを更に含み、前記第2の音響信号の前記第2の速度が、前記第2の経路の第2の経路長によって分離される第2の対の変換器を含む、前記超音波流量計の第2のチャネルによって検出され、
前記第2の信号診断を特徴付ける前記データが、前記第2の経路長、前記第2の対の変換器の第3の変換器の時間遅延及び/又は第4の変換器の時間遅延、並びに信号の雑音に対する比のうちの1つ以上を含み、
前記第2の音響信号の前記第2の速度を特徴付ける前記データが、前記第3の変換器から前記第4の変換器への第2の音の上流進行時間と、前記第4の変換器から前記第3の変換器への第2の音の下流進行時間と、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記状態を判定することが、
前記第1の音響信号の前記第1の信号診断が第1の所定の値を有すること、前記第2の音響信号の前記第2の信号診断が第2の所定の値を有すること、前記第1の音響信号の前記第1の速度と前記算出された音の速度との間の差がより高い閾値を上回ること、及び前記第2の音響信号の前記第2の速度と前記算出された音の速度との間の差が前記より高い閾値を上回ること、のうちの1つ以上を判定することと、
保守要求を示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記状態を判定することが、
前記第1の音響信号の前記第1の信号診断が第1の所定の値を有すること、前記第2の音響信号の前記第2の信号診断が第2の所定の値を有すること、前記第1の音響信号の前記第1の速度と前記算出された音の速度との間の前記差がより高い閾値を下回り、かつより低い閾値を上回ること、及び前記第2の音響信号の前記第2の速度と前記算出された音の速度との間の差が、前記より高い閾値を下回り、かつ前記より低い閾値を上回ること、のうちの1つ以上を判定することと、
前記超音波流量計が較正を要求することを示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の変換器の時間遅延及び/又は前記第2の変換器の時間遅延、前記第1の経路長、前記第3の変換器の時間遅延及び/又は前記第4の変換器の時間遅延、並びに前記第2の経路長のうちの1つ以上を変化させることによって、前記超音波流量計を較正することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記状態を判定することが、
前記第1の音響信号の前記第1の信号診断が所定の値を有すること、前記第1の音響信号の前記第1の速度と前記算出された音の速度との間の前記差がより低い閾値を下回ること、及び前記第2の音響信号の前記第2の速度と前記算出された音の速度との間の差が前記より低い閾値を下回ること、のうちの1つ以上を判定することと、
前記超音波流量計の性能が検証されたことを示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記状態を判定することが、
前記第1の上流進行時間と前記第1の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第1の流体流の速さを算出することと、
前記第2の上流進行時間と前記第2の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第2の流体流の速さを算出することと、
前記第1の流体の速さと前記第2の流体の速さとの間の差がより高い閾値を上回ることを算出することと、
保守要求を示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記状態を判定することが、
前記第1の上流進行時間と、前記第1の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第1の流体流の速さを算出することと、
前記第2の上流進行時間と前記第2の下流進行時間との間の時間差に基づいて、流体流の第2の速さを算出することと、
前記第1の流体の速さと前記第2の流体の速さとの間の差が、より低い閾値を下回ることを算出することと、
現場検証における成功を示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記通知が、フレア用途又は工業プロセス用途において前記判定された状態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
システムであって、
少なくとも1つのデータプロセッサと、
前記少なくとも1つのデータプロセッサに結合されたメモリであって、前記メモリが、前記少なくとも1つのデータプロセッサに、
パイプ内の第1の経路に沿ったガス混合物を通して、第1の信号診断を特徴付けるデータ及び第1の音響信号の第1の速度を特徴付けるデータを受信することであって、前記第1の音響信号の前記第1の速度が、前記第1の経路の第1の経路長によって分離される第1の対の変換器を含む、超音波流量計の第1のチャネルによって検出され、前記ガス混合物が、前記パイプ内の流路に沿って流れるように構成される、受信することと、
前記第1の信号診断を特徴付ける前記データ及び/又は前記第1の音響信号の前記第1の速度と音の速度との間の差に基づいて、前記超音波流量計と関連付けられた状態を判定することであって、前記音の速度が、前記ガス混合物の1つ以上の特性に基づいて、算出される、判定することと、
前記判定された状態を含む通知をユーザに提供すること、及び/又は前記通知を電子記憶装置に保存することと、を含む、動作を実行させるための命令を記憶する、メモリと、を備える、システム。
【請求項15】
前記動作が、
前記ガス混合物の前記1つ以上の特性を特徴付けるデータを受信することであって、前記1つ以上の特性が、前記ガス混合物の組成、前記超音波流量計における前記ガス混合物の圧力、及び前記ガス混合物の温度のうちの1つ以上を含む、受信することと、
所定のアルゴリズムを使用して、前記ガス混合物の前記1つ以上の特性を特徴付ける前記データに基づいて、前記音の速度を算出することと、を更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の信号診断を特徴付ける前記データが、前記第1の経路長、前記第1の対の変換器の第1の変換器の時間遅延及び/又は前記第2の変換器の時間遅延、信号強度、並びに信号対雑音比のうちの1つ以上を含み、
前記第1の音響信号の前記第1の速度を特徴付ける前記データが、前記第1の変換器から前記第2の変換器への第1の音の上流進行時間と、前記第2の変換器から前記第1の変換器への第1の音の下流進行時間と、を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記動作が、前記パイプ内の第2の経路に沿ったガス混合物を通して、第2の信号診断を特徴付けるデータ及び第2の音響信号の第2の速度を特徴付けるデータを受信することを更に含み、前記第2の音響信号の前記第2の速度が、前記第2の経路の第2の経路長によって分離される第2の対の変換器を含む、前記超音波流量計の第2のチャネルによって検出され、
前記第2の信号診断を特徴付ける前記データが、前記第2の経路長、前記第2の対の変換器の第3の変換器の時間遅延及び/又は第4の変換器の時間遅延、並びに信号の雑音に対する比のうちの1つ以上を含み、
前記第2の音響信号の前記第2の速度を特徴付ける前記データが、前記第3の変換器から前記第4の変換器への第2の音の上流進行時間と、前記第4の変換器から前記第3の変換器への第2の音の下流進行時間と、を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記状態を判定することが、
前記第1の音響信号の前記第1の信号診断が第1の所定の値を有すること、前記第2の音響信号の前記第2の信号診断が第2の所定の値を有すること、前記第1の音響信号の前記第1の速度と前記算出された音の速度との間の前記差がより高い閾値を上回ること、及び前記第2の音響信号の前記第2の速度と前記算出された音の速度との間の差が、前記より高い閾値を上回ること、のうちの1つ以上を判定することと、
保守要求を示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記状態を判定することが、
前記第1の音響信号の前記第1の信号診断が第1の所定の値を有すること、前記第2の音響信号の前記第2の信号診断が第2の所定の値を有すること、前記第1の音響信号の前記第1の速度と前記算出された音の速度との間の前記差がより高い閾値を下回り、かつより低い閾値を上回ること、及び前記第2の音響信号の前記第2の速度と前記算出された音の速度との間の差が前記より高い閾値を下回り、かつ前記より低い閾値を上回ること、のうちの1つ以上を判定することと、
前記超音波流量計が較正を必要とすることを示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記動作が、前記第1の変換器の時間遅延及び/又は前記第2の変換器の時間遅延、前記第1の経路長、前記第3の変換器の時間遅延及び/又は前記第4の変換器の時間遅延、並びに前記第2の経路長のうちの1つ以上を変化させることによって、前記超音波流量計を較正することを更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記状態を判定することが、
前記第1の音響信号の前記第1の信号診断が所定の値を有すること、前記第1の音響信号の前記第1の速度と前記算出された音の速度との間の前記差がより低い閾値を下回ること、及び前記第2の音響信号の前記第2の速度と前記算出された音の速度との間の差が前記より低い閾値を下回ること、のうちの1つ以上を判定することと、
前記超音波流量計の性能が検証されたことを示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記状態を判定することが、
前記第1の上流進行時間と前記第1の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第1の流体流の速さを算出することと、
前記第2の上流進行時間と前記第2の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第2の流体流の速さを算出することと、
前記第1の流体の速さと前記第2の流体の速さとの間の差が、より高い閾値を上回ることを算出することと、
保守要求を示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記状態を判定することが、
前記第1の上流進行時間と前記第1の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第1の流体流の速さを算出することと、
前記第2の上流進行時間と前記第2の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第2の流体流の速さを算出することと、
前記第1の流体の速さと前記第2の流体の速さとの間の差が、より低い閾値を下回ることを算出することと、
現場検証における成功を示すように、前記超音波流量計と関連付けられた前記状態を設定することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
超音波測定システムは、導管(例えば、パイプ)を通って流れる流体の特性を判定するために使用することができる。これらのシステムは、音響信号パルスを生成することと、導管内の流体を通してパルスを送信することと、流体において経路に沿って進行した後の信号を受信することと、によって動作することができる。2つ以上の独立した経路(例えば、直交する中間半径経路、又は時計回り及び反時計回りの経路)は、音の速度、又は方向性流体流を示すことができる音響パルスを送信かつ受信するために使用され得る。流体の重要な特性は、音響信号の通過時間の関数として判定され得る。
【0002】
工業プロセスにおいて生成された流体の特性を検出することが望ましい場合がある。例えば、フレアガスの燃焼効率を示すことができる、フレアガスのエネルギー含有量又はイギリス熱単位(British thermal unit、BTU)値を判定することが望ましい場合がある。例えば、米国環境保護機関(Environmental Protection Agency、EPA)規制は、フレアガスの燃焼効率が定期的に検出され、望ましい範囲の値を有することが示されることを規定することができる。フレアガスの燃焼効率は、例えば、ガス分析器(例えば、ガスクロマトグラフ又は質量分析計)によって測定することができる、フレアガスの組成に基づいて、判定することができる。代替的に又は追加的に、フレアガスの燃焼効率は、フレアガス中の音(例えば、音響信号)の速度から算出することができる。
【発明の概要】
【0003】
開示される主題の様々な態様は、以下の機能のうちの1つ以上を提供することができる。現場超音波流量計検証システムは、超音波流量計の自動診断試験を可能にし、その精度を検証することができる。いくつかの実施形態では、自動診断試験は、流量計が保守を要求すること(例えば、流量計経路を再調整する必要がある、又は変換器をチェックする必要がある)を判定することができ、保守員に通知することができる。いくつかの実施形態では、自動診断試験は、流量計の望ましくない動作が、現場で(例えば、パイプから流量計を除去することなく)解決され得、流量計を再較正することができることを、判定することができる。現場超音波流量計検証システムは、エンドユーザがコンプライアンス要件を満たし、不要なダウンタイムを低減し、動作コストを低減することを可能にすることができる。これは、一定期間にわたって流量計の動作を追跡することを可能にし、流量計のより速い保守及び適時交換を可能にすることができる。
【0004】
現場超音波流量計検証の方法は、パイプ内の第1の経路に沿ったガス混合物を通して、第1の信号診断を特徴付けるデータ及び第1の音響信号の第1の速度を特徴付けるデータを受信することを含む。第1の音響信号の第1の速度は、第1の経路の第1の経路長によって分離される第1の対の変換器を含む、超音波流量計の第1のチャネルによって検出される。ガス混合物は、パイプ内の流路に沿って流れるように構成される。方法はまた、第1の信号診断を特徴付けるデータ及び/又は第1の音響信号の第1の速度と、算出された音の速度との間の差に基づいて、超音波流量計と関連付けられた状態を判定することを含む。音の速度は、ガス混合物の1つ以上の特性に基づいて、算出される。方法は、判定された状態を含む通知をユーザに提供すること、及び/又は通知を電子記憶装置に保存することを更に含む。
【0005】
以下の特徴のうちの1つ以上が、任意の実行可能な組み合わせに含まれ得る。
【0006】
一実施形態では、本方法は、ガス混合物の1つ以上の特性を特徴付けるデータを受信することを更に含む。1つ以上の特性は、ガス混合物の組成、超音波流量計内のガス混合物の圧力、及びガス混合物の温度のうちの1つ以上を含み、所定のアルゴリズムを使用して、ガス混合物の1つ以上の特性を特徴付けるデータに基づいて、音の速度を算出する。別の実施形態では、所定のアルゴリズムは、分子量ベースのアルゴリズム、AGA10法、及び理想気体の状態方程式のうちの1つ以上を含む。更に別の実施形態では、状態は、超音波流量計の識別情報を含む。
【0007】
一実施形態では、第1の信号診断を特徴付けるデータは、第1の経路長、第1の対の変換器の第1の変換器の時間遅延及び/又は第2の変換器の時間遅延、信号強度、並びに信号対雑音比のうちの1つ以上を含む。第1の音響信号の第1の速度を特徴付けるデータは、第1の変換器から第2の変換器への第1の音の上流進行時間と、第2の変換器から第1の変換器への第1の音の下流進行時間と、を含む。
【0008】
一実施形態では、本方法は、パイプ内の第2の経路に沿ったガス混合物を通して、第2の信号診断を特徴付けるデータ及び第2の音響信号の第2の速度を特徴付けるデータを受信することを更に含む。第2の音響信号の第2の速度は、第2の経路の第2の経路長によって分離される第2の対の変換器を含む、超音波流量計の第2のチャネルによって検出される。第2の信号診断を特徴付けるデータは、第2の経路長、第2の対の変換器の第3の変換器の時間遅延及び/又は第4の変換器の時間遅延、信号強度、並びに信号の雑音に対する比のうちの1つ以上を含む。第2の音響信号の第2の速度を特徴付けるデータは、第3の変換器から第4の変換器への第2の音の上流進行時間と、第4の変換器から第3の変換器への第2の音の下流進行時間と、を含む。
【0009】
一実施形態では、状態を判定することは、第1の音響信号の第1の信号診断が第1の所定の値を有すること、第2の音響信号の第2の信号診断が第2の所定の値を有すること、第1の音響信号の第1の速度と算出された音の速度との間の差がより高い閾値を上回ること、及び第2の音響信号の第2の速度と算出された音の速度との間の差がより高い閾値を上回ること、のうちの1つ以上を判定することを含む。状態を判定することは、保守要求を示すように、超音波流量計と関連付けられた状態を設定することを更に含む。
【0010】
一実施形態では、状態を判定することは、第1の音響信号の第1の信号診断が第1の所定の値を有すること、第2の音響信号の第2の信号診断が第2の所定の値を有すること、第1の音響信号の第1の速度と算出された音の速度との間の差がより高い閾値を下回りかつより低い閾値を上回ること、及び第2の音響信号の第2の速度と算出された音の速度との間の差がより高い閾値を下回りかつより低い閾値を上回ること、のうちの1つ以上を判定することを含む。状態を判定することは、超音波流量計が較正を必要とすることを示すように、超音波流量計と関連付けられた状態を設定することを更に含む。別の実施形態では、本方法は、第1の変換器の時間遅延及び/又は第2の変換器の時間遅延、第1の経路長、第3の変換器の時間遅延及び/又は第4の変換器の時間遅延、並びに第2の経路長のうちの1つ以上を変化させることによって、超音波流量計を較正することを更に含む。
【0011】
一実施形態では、状態を判定することは、第1の音響信号の第1の信号診断が所定の値を有すること、第1の音響信号の第1の速度と算出された音の速度との間の差がより低い閾値を下回ること、及び第2の音響信号の第2の速度と算出された音の速度との間の差がより低い閾値を下回ること、のうちの1つ以上を判定することを含む。状態を判定することは、超音波流量計の性能が検証されたことを示すように、超音波流量計と関連付けられた状態を設定することを更に含む。
【0012】
一実施形態では、状態を判定することは、第1の上流進行時間と、第1の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第1の流体流の速さを算出することを含む。状態を判定することはまた、第2の上流進行時間と第2の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第2の流体流の速さを算出することを含む。状態を判定することは、第1の流体の速さと第2の流体の速さとの間の差がより高い閾値を上回ることを算出することと、保守要求を示すように、超音波流量計と関連付けられた状態を設定することと、を更に含む。
【0013】
一実施形態では、状態を判定することは、第1の上流進行時間と、第1の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第1の流体流量の速さを算出することを含む。状態を判定することはまた、第2の上流進行時間と第2の下流進行時間との間の時間差に基づいて、流体流の第2の速さを算出することを含む。状態を判定することは、第1の流体の速さと第2の流体の速さとの間の差がより低い閾値を下回ることを算出することと、現場検証における成功を示すように、超音波流量計と関連付けられた状態を設定することと、を更に含む。別の実施形態では、通知は、フレア用途又は工業プロセス用途において判定された状態を含む。
【0014】
命令を記憶する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載されており、命令は、1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書に記載の動作を実行させる。同様に、1つ以上のデータプロセッサ及び1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリを含み得るコンピュータシステムも記載されている。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を実行させる命令を一時的又は永続的に記憶し得る。加えて、方法は、1つ以上のデータプロセッサによって、単一のコンピューティングシステム内か、又は2つ以上のコンピューティングシステム間に分散されるか、のいずれかで実装され得る。このようなコンピューティングシステムは、接続され得、かつネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続を含む1つ以上の接続、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接接続などを経由して、データ及び/若しくはコマンド又は他の命令などを交換し得る。
【0015】
開示される主題のこれらの能力及び他の能力は、以下の図面、発明を実施するための形態、及び特許請求の範囲の閲覧後により完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
【0017】
【
図1】現場超音波流量計検証のための例示的な方法のフロー図である。
【0018】
【0019】
【
図3】パイプに結合された単一のチャネルを有する例示的な流量計の図である。
【0020】
【
図4】パイプに結合された別の例示的な流量計の図である。
【0021】
【
図5】パイプに結合された2つのチャネルを有する流量計を有する例示的な検証システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
工業プロセスは、1つ以上の流体(例えば、副生成物又は廃棄物として)を生成し得る。生成された流体の組成を判定することが望ましい場合がある。例えば、フレアガス(油及び天然ガスの製造中に生成され得る)の生成及び環境配置は、フレア排気の組成物が産業規格(例えば、EPA規制)に準拠することを確実にするために規制される必要があり得る。超音波流量計は、産業機械/パイプライン内の流体(例えば、フレアガス)を通して音の速度を判定することができる。音の速度は、流体の特性(例えば、組成、流れの速さなど)を判定するために使用することができる。音測定の速度は、産業機械/パイプラインから流量計(又は内部の変換器)を取り外すことを必要とする現場外方法を介して検証することができる。これは、保守員が危険領域内にアクセスするような対応を必要とし、及び機械/パイプラインのダウンタイムを引き起こし、生産性の損失をもたらし得る可能性がある。更に、流体組成物、圧力及び温度の実際のプロセス条件下での変換器の較正は、現場外検証システムにおいて達成することが困難であり得、これは、後者の精度を限定する場合がある。したがって、現場超音波流量計検証システム及び対応する方法が、提供され、産業機械/パイプラインから超音波流量計を取り外すことなく、超音波流量計の動作を検証することができる。
【0023】
流量計は、産業機械内の流体の体積を通して進行することができる音響信号を生成/受信することができる、1つ以上の変換器を含むことができる。いくつかの実施形態では、音の速度は、流体内の既知の経路長を横断するための音響信号によって得られた時間に基づいて、検出することができる。経路長は、流量計の設置(例えば、パイプ上への設置)時に所定の値に設定することができ、これは、コンピューティングデバイス内に記憶することができる。経路長は、(例えば、流量計の応力/ひずみ、温度の変化、設置エラーなどに起因して)経時的に変化し得、これにより、音の速度の判定においてエラーを引き起こす可能性がある。経路長を横断する音響信号によって取られる時間は、流体の流れ(例えば、パイプ内の流体の平均流)に依存し得る。異なる経路(例えば、流体流の方向に関して異なる配向を有する経路)に沿って進行する音響信号は、異なる横断時間を有することができる。例えば、流体流の方向に沿って進行する音響信号は、流体流方向に抗して進行する場合よりも早く、所与の距離を横断するであろう。
【0024】
変換器時間遅延(Tw)は、現場検証中に考慮され得る別の因子であり得る。Twは、工場で判定することができ、各変換器に対して固有であり得る。Twは、パイプライン内の変換器表面上の温度及び/又は不純物の蓄積によって影響され得る。Twと温度との関係は、変換器のタイプに依存し得る。時には、経路長が既知である場合(例えば、確認された)場合、Twは、流量計検証中のフィールドにおいて調整される必要があってもよい。
【0025】
現場超音波流量計検証システムは、診断試験を実行して、流量計の経路長における変化を検出することができる。これは、流量計によって検出された音の速度と、流体の特性(例えば、流体の組成、流量計付近の流体によって及ぼされる圧力、流体の温度など)に基づいて、算出された音の速度を比較することによって行うことができる。いくつかの実施形態では、検証システムは、(例えば、検出された音の速度と算出された音の速度との間の差が閾値よりも大きいとき)流量計が保守を必要とすることを、指定された人員に通知することができる。通知(例えば、指定された人員のコンピューティングデバイスに送信されたメッセージ)に基づいて、指定された人員は、保守要求に対処することができる。いくつかの実施形態では、検証システムは、流量計の望ましくない動作(例えば、経路長及び/又は変換器時間遅延(Tw)の変化)を特定し、対処するための、補正測定を実行することができる。例えば、検証システムは、流量計の電子構成要素(例えば、変換器)上で診断試験を実行し、変換器時間遅延(Tw)などの電子部品の動作を修正することができる。いくつかの実施形態では、検証システムはまた、経路長が所定の値から変化する場合(例えば、経路長と所定の値との間の差が閾値を超えるとき)、流量計の経路長パラメータを調整することができる。検証システムは、診断試験の報告を生成し、報告をオペレータに提供し、記録保存のためにデータ記憶デバイスに記録を保存することができる。代替的に、検証システムは、(例えば、検出された速度と算出された速度との差が閾値よりも小さいとき)流量計が所望通りに動作していることを示す通知を生成することができる。
【0026】
図1は、現場超音波流量計検証のための例示的な方法のフロー図である。102において、パイプ内の第1の経路に沿ったガス混合物を通して、音響信号の第1の速度及び/又はその診断を特徴付けるデータが、(例えば、コンピューティングデバイスによって)受信され得る。音響信号の第1の速度は、所定の経路長によって分離された一対の変換器を含むことができる、パイプに結合された流量計の第1のチャネルによって測定することができる。第1のチャネルは、第1の経路に沿って配置することができ、パイプ内のガス混合物は、流路に沿って流れることができる。音響信号及び流路の第1の経路は、ある角度で配向され得、又は互いに対して平行であり得る。
図2は、パイプ250を通って流れるガス混合物を通して音響信号の第1の速度を検出するように構成された流量計202を含むことができる、例示的な現場検証システム200の概略図である。現場検証システム200は、検出された音響信号の第1の速度を特徴付けるデータを受信することができる、コンピューティングデバイス204を含むことができる。
【0027】
図3は、パイプ350に結合された例示的な流量計300を示す。流量計300は、パイプにわたって(例えば、パイプの直径にわたって)延在することができる経路長Pによって分離され得る、一対の変換器302及び304を有する第1のチャネルを含むことができる。流体(例えば、ガス混合物)は、流路310に沿ってパイプ350を通って流れることができる。変換器302及び304は、音響信号(例えば、音響パルス)を送信及び/又は受信するように構成することができる。流量計は、経路長Pに沿って(例えば、変換器302から変換器304へ、又はその逆に)進行するための音響信号(又は音波)に関して取得された時間を測定することができる検出システムを含むことができる。音響信号の進行時間は、流路310に沿った流体流の速さに依存し得る。例えば、(例えば、変換器304から変換器302への流体の流れに抗する)上流方向に沿った音波の進行時間は、(例えば、変換器302から変換器304への流体の流れに沿う)下流方向に沿った音波の進行時間よりも大きくなり得る。進行時間(例えば、上流進行時間、下流進行時間など)及び変換器間の経路長に基づいて、音響信号の第1の速度が、判定され得る。経路長は、予め定めることができる(例えば、流量計がパイプ350上に設置されたときに所定の値に設定され得る)。しかしながら、経路長は、(例えば、流量計の応力/ひずみ、温度の変化、設置エラーなどに起因して)変化し得る。これにより、音響信号の速度(例えば、音響信号の第1の速度)の判定においてエラーを引き起こす可能性がある。変換器時間遅延(Tw)は、所定の値に設定することができる。Twは、(例えば、温度変化及び/又はヒューマンエラーに起因して)変更することができ、調整する必要があり得る。ガス混合物は、パイプ350を通って流れることができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス204)によって受信された第1の速度を特徴付けるデータは、経路長(例えば、経路長P)、経路長に沿った音響信号の進行時間などを含むことができる。
【0028】
図4は、流量計400の別の実施形態を示す。この実施形態では、変換器取り付け固定具が、パイプの上部に設置され、変換器402及び404は、互いに対向するパイプ内部で90度回転される。この構成は、同じパイプに対して異なる経路長を実装する柔軟性を提供する。この構成は、
図3に記載されている例示的な流量計300では、経路長が長すぎる場合があるため、より大きいパイプサイズ、又は音響信号伝送の大きい減衰を伴う流体の流れを測定するために必要とされ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、超音波流量計は、2つのチャネルを含むことができ、2つのチャネルの各々は、音響信号を独立して送信及び検出することができる。パイプ内の流体の流れ(例えば、流体経路に沿った効果的な流体の速さ)のより正確な検出を可能にすることができるため、2つのチャネルを含むことが望ましい場合がある。流れる流体を通って進行するために音響信号によって取得される時間は、音響信号の進行方向に対する流体流の速さに基づいて、変化し得る。所与のチャネルに関して、上流に進行する(例えば、変換器304から変換器302へ)ために音響信号によって取得される時間は、下流に進行する(例えば、変換器302から変換器304へ)ために取得される時間とは異なり得る。代替的に、音響信号の進行時間は、経路長及びパイプ内の流体の速さのプロファイルに応じてチャネル間で変化し得る。
【0030】
流体の流れ(例えば、流体の速さ)を判定することにより、超音波流量計(例えば、測定精度)の検証を改善することができる。例えば、パイプ内の流体の流れが閾値を超えることを防止することが望ましい場合がある。2つのチャネルを有する超音波流量計は、流体の流れのより正確な検出を可能にすることができ、これにより、超音波流量計による工業プロセスの改善された監視をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、2つのチャネルの各々は、音響信号の上流進行時間と下流進行時間との間の差に基づいて、流体流の速さ(例えば、パイプの断面にわたる平均の流体の速さ)を検出することができる。2つのチャネルによって検出された流体流の速さの間の差が閾値を下回る場合、超音波流量計による測定値は、許容可能であると見なすことができる。追加的に又は代替的に、2つ以上のチャネルは、超音波流量計の堅牢性を改善し(臨界用途に望ましい場合がある)、(例えば、音響信号検出の時間分解能を改善することによって)測定不確定性を低減し、流体の非対称の流れプロファイルの判定における不確実性を低減することなどができる。
【0031】
図5は、2つのチャネルを有する流量計502と、分析システム506と、を含む例示的な検証システム500の図である。流量計502及び分析システム506は、パイプ550に結合され得る。パイプ550は、流路510に沿って流れる流体を含むことができる。流量計500は、(経路長Q1を有する)第1の経路によって分離され得る一対の変換器512及び514を有する第1のチャネルと、(経路長Q2を有する)第2の経路によって分離され得る一対の変換器516及び518を有する第2のチャネルと、を含むことができる。変換器512、514、516及び518は、コンピューティングデバイス504と通信することができる(例えば、音響信号の伝送/検出の時間を送信することができる)。各チャネルについて、上流横断時間及び下流横断時間を検出することができる。上流の速さ/下流の速さは、経路長を上流横断時間/下流横断時間で分割することによって判定することができる。流体の速さは、上流の速さと下流の速さとの間の差から判定することができる。例えば、流体の速さは、2つのチャネルの各々について算出することができる。コンピューティングデバイス504は、第1のチャネル及び第2のチャネル内の音響信号の速度を特徴付けるデータ(例えば、第1の経路及び第2の経路に沿った音波の上流進行時間/下流進行時間)、及びその信号診断(例えば、第1の経路長/第2の経路長、変換器512、514、516、518の時間遅延など)を受信することができる。
【0032】
現場検証システム200(又は500)はまた、パイプ250(又はパイプ550)内のガス混合物の様々な特性を測定し、測定された特性に関連する情報をコンピューティングデバイス204(又はコンピューティングデバイス504)に提供することができる、ガス混合物分析器(「分析システム」)206(又は分析システム506)を含むことができる。例えば、分析システム206/506は、パイプ250/550内のガス混合物の組成を検出することができるガス分析器(例えば、ガスクロマトグラフ、質量分析計など)を含むことができる。分析システムは、ガス混合物の圧力及び温度をそれぞれ測定することができる、圧力検出器及び/又は温度検出器を含むことができる。分析システム206/506は、ガス混合物の1つ以上の特性(例えば、ガス混合物の組成/圧力/温度)を特徴付けるデータを、コンピューティングデバイス204/504に送信することができる。コンピューティングデバイス204/504は、データを受信し、受信したデータに基づいて、ガス混合物中の音の速度を(例えば、ガス混合物をその流量から独立して)算出することができる。音の速度は、所定のアルゴリズムを使用して算出することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、所定のアルゴリズムは、ガス混合物の1つ以上の特性を特徴付けるデータを受信することができ、第2の音響信号の速度を出力することができる。所定のアルゴリズムは、(例えば、米国特許第6,216,091号に記載されるような)分子量ベースのアルゴリズムを含むことができる。分子量ベースのアルゴリズムは、炭化水素混合物の平均分子量の関数として、炭化水素混合物の定数のデータベースに基づくことができる。分子量ベースのアルゴリズムは、仮定上の分子量を反復的に設定し、対応する臨界特性を判定し、予測される音の速度を算出するように構成することができる。2つの速度が異なる場合、新しい重量が設定され、手順は、予測された音の速度が測定された速度と一致するまで繰り返され、現在の推定値が正確な平均分子量であることを示す。
【0034】
所定のアルゴリズムは、AGA10法及び/又は理想気体の状態方程式を含むことができる。AGA10は、(例えば、メタン又はエタンなどのアルカン基(C-C)から)天然ガス産業において炭化水素のために使用することができる。AGA10は、アルカンガス組成物を入力として取ることができる。フレアガスは、製油所及び石油化学工場における様々な化学プロセスの生成物であり、それらの組成物は、非常に複雑であり得る。アルカン基からのガスに加えて、フレアガスは、エチレン又はプロピレンなどのアルケン基(C=C)からのガスを含むことができる。いくつかの実施形態では、分子量ベースのアルゴリズムは、はるかに広い範囲のガスを対象にすることができるため、フレア用途のための好ましいアルゴリズムである。プロセス圧力が周囲圧力に非常に近いとき、理想気体の状態方程式を使用することができる。いくつかの実施形態では、より高い圧力で、理想気体の状態方程式を使用して算出された音の速度は、より多くのエラーを生み出す。例えば、10PSIG圧力において、理想気体の状態方程式を使用する音の速度のエラーは、+/-1%であり得、これは超音波流量計の検証目標に対して、かなり大きな割合の超音波流量計の精度である。
【0035】
図1に戻ると、104において、コンピューティングデバイス204/504は、第1の音響信号の信号診断及び/又は音響信号の第1の速度と算出された音の速度との間の差に基づいて、流量計(例えば、流量計202、502など)と関連付けられた状態を判定することができる。いくつかの実施形態では、状態は、流量計が保守を必要とすること(例えば、流量計の経路長を調整する必要がある、及び/又は変換器をチェックする必要がある)を示すことができる。これは、例えば、第1の音響信号の信号診断が許容可能ではないとき(例えば、信号診断は、所定の値/値の範囲を有しない)、及び音響信号の第1の速度と算出された音の速度との間の差(例えば、差の絶対値)が、より高い閾値を上回るとき、行われる可能性がある。検証システム500に関して、コンピューティングデバイス504は、第1のチャネルにおける音響信号の速度と算出された音の速度との間の第1の速度差、及び第2のチャネル内の音響信号の速度と算出された音の速度との間の第2の速度差を算出することができる。流量計504の状態は、(例えば、算出された速度差の一方又は両方が、より高い閾値を上回るとき)算出された差のうちの一方又は両方に基づくことができる。より高い閾値は、(例えば、人員によってコンピューティングデバイス204にプログラムされて)予め定めることができる。より低い閾値は、(例えば、流量計202の特徴に基づいて、流れの読み取りにおけるエラーが音速度エラーなどに起因するとき)、予め定義される場合がある。より低い閾値は、流量計202の構成及び設置許容差から判定することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の音響信号の信号診断が許容可能である場合(例えば、信号診断が所定の値/値の範囲を有する)及び音響信号の第1の速度と、算出された音の速度との間の差(又は、流量計502の2つのチャネルにおける第1の速度差及び/若しくは第2の速度差)は、より低い閾値を下回り、検証は合格と見なされ、調整は必要とされない。第1の音響信号の信号診断が許容可能である場合(例えば、信号診断が所定の値/値の範囲を有する)及び/又は音の第1の速度と算出された速度との間の差(又は、流量計502の2つのチャネルにおける第1の速度差及び/若しくは第2の速度差)が、より低い閾値とより高い閾値との間にある場合、コンピューティングデバイス204(又は504)は、流量計202(又は502)に信号を送信して、変換器時間遅延(Tw)又は流量計の経路長のいずれかを調整することによって、現場の音速度較正を実行することができる。変換器遅延時間は、変換器302、304、512、514、516、518などと関連付けることができる。現場較正後、流量計202(又は502)からの補正された音速度が、検証され、記録され得る。差が、より高い閾値よりも高い場合、「保守要求」メッセージが、人間の介入のためにユーザコンピューティングデバイス208(又は508)に送信され得る。例えば、現場較正は、流量計202(又は502)内の予めプログラムされた経路長又は変換器時間遅延(Tw)を変更することによって行うことができる。物理経路長を調整する必要がある場合、「保守要求」通知が、人の介入のために送信され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、状態は、流量計が所望の通りに動作していないこと(例えば、準最適動作)、及び/又は自動診断試験が実行されている、又は流量計を較正するために実行されることを示すことができる。これは、例えば、音響信号の第1の速度と、算出された音の速度との間の差(例えば、絶対差)(又は、流量計502の2つのチャネルにおける第1の速度差及び/若しくは第2の速度差)が、所定の値の範囲内(例えば、より低い閾値とより高い閾値との間)にあるとき、行うことができる。コンピューティングデバイス204(又は504)は、第1の音響信号の速度と音の速度との差が所定の範囲内にあるとき、1つ以上の診断試験を実行することができる。例えば、コンピューティングデバイス204(又は504)は、流量計内の変換器が所望に応じて動作していると判定することができる、診断試験を実行することができる。いくつかのタイプの変換器に関して、エコー自己診断試験を実行して、変換器の性能を検証することができる。診断試験のための命令は、予め定めることができ、コンピューティングデバイス204(又は504)上の記憶デバイス内に記憶することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス204(又は504)は、流量計内の変換器の場所/配向を変化させることによって、経路長を変化させることができる。例えば、変換器(例えば、変換器302、304、512、514、516、518など)は、コンピューティングデバイス204(又は504)によって制御され得るアクチュエータ上に取り付けることができる。コンピューティングデバイス204(又は504)は、制御信号をアクチュエータに送信して、変換器を移動/再配向させることができる。いくつかの実施形態では、制御デバイス204(又は504)は、変換器の動作を変更するために制御信号を送信することができる。例えば、変換器動作は、信号伝送を最大化させるために、改善(例えば、最適化)することができる。コンピューティングデバイス204(又は504)は、分析システム206(又は506)からの任意のガス組成入力に関する信号減衰を推定し、それに応じて送信された音響信号の中心周波数を調整することができる。送信された信号周波数を低下させることにより、伝送効率及び信号振幅は、水素又は二酸化炭素などの高減衰ガスに対して、改善され得る。より高い圧力での重質炭化水素などの低減衰ガスの場合、時間分解能及び測定精度は、送信された信号周波数を上昇させることにより改善され得る。送信された電力強度はまた、異なる減衰を有するガスの濃度が変化するとき、信号振幅を最大化するように変更することができる。変換器信号形状及び信号平均化は、信号品質を改善するために改善(例えば、最適化)することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス204(又は504)は、経路長を反復的に調整することができる。例えば、コンピューティングデバイス204(又は504)は、第1の音響信号及び/若しくは第2の音響信号の信号診断が許容可能である(例えば、信号診断は、所定の値/値の範囲を有しない)ことを検出した後、並びに/又は第1の音響信号及び/若しくは第2の音響信号の第1の速度を、算出された音の速度と比較した後に、経路長(例えば、P、Q1、Q2など)を変化させることができる。経路長が変更された後、測定及び比較工程が繰り返され得、次に経路長の再調整が続く場合がある。これらの工程は、第1の音響信号の速度と音の速度との間の差が閾値を下回るまで繰り返され得る。上記の閾値(例えば、より高い閾値、より低い閾値など)は、パイプ250を通して流れる流体の速さに依存し得る。例えば、流体の速さが増加するにつれて、より高い閾値は増加し得、より低い閾値は、減少し得る。
【0040】
図1に戻ると、106において、通知が、(例えば、コンピューティングデバイス204によって)ユーザに提供され、及び/又はデータ記憶デバイスに保存され得る。通知は、(例えば、工程104において記載されるように)流量計の判定された状態を含むことができる。通知は、ユーザコンピューティングデバイス208(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータなど)に提供され得る。いくつかの実施形態では、通知は、後の伝送のために硬化され得る。いくつかの実施形態では、状態は、(例えば、第1の音響信号の速度と算出された音の速度との間の差が、より低い閾値を下回るとき)流量計が所望通りに動作していることを示すことができる。通知は、状態判定の時間、流量計の識別情報(例えば、流量計と関連付けられた識別番号)などを含むことができる。
【0041】
状態は、(例えば、第1の音響信号の信号診断が許容可能ではないとき、例えば、信号診断が所定の値/値の範囲を有しないとき)流量計が保守を必要とすること、及び/又は第1の音響信号の速度と算出された音の速度との間の差(又は、流量計502の2つのチャネルにおける第1の速度差及び/若しくは第2の速度差)が、より高い閾値を上回ることを示すことができる。通知は、流量計(例えば、エコー自己診断試験からの欠陥変換器)上で実行される1つ以上の診断試験の結果を有する報告を含むことができる。通知はまた、保守要求と関連付けられた緊急性のレベル(例えば、高い優先度、低い優先度など)、流量計上で実行される前回の保守作業(例えば、前回の保守の時間、前回の保守を実行した人員のIDなど)などを含むことができる。
【0042】
状態は、流量計が所望通りに動作していないこと(例えば、準最適動作)、及び/又は(例えば、第1の音響信号の信号診断が許容可能であり、第1の音響信号の速度と、算出された音の速度との間の差[又は、流量計502の2つのチャネルにおける第1の速度差及び/又は第2の速度差]が、より高い閾値とより低い閾値との間にあるとき)自動診断試験が実行されているか、若しくは流量計を較正するために実行されることを示すことができる。通知は、流量計と関連付けられた問題に対処するために、コンピューティングデバイスによって取られた/取られる予定である診断工程を含むことができる。通知は、流量計内の電子機器上の診断報告(例えば、変換器の健康)を含むことができる。通知は、現場較正の前及び後の、第1の音響信号の速度と算出された音の速度との間の差を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、流量計502の状態は、(例えば、第1のチャネル、第2のチャネルなどにおける)上流進行時間と下流進行時間との間の差に基づいて、コンピューティングデバイス504によって判定することができ、これは同様に流体速度を判定する。例えば、コンピューティングデバイス504は、第1の上流進行時間と第1の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第1の流体の速さを算出し、第2の上流進行時間と第2の下流進行時間との間の時間差に基づいて、第2の流体の速さを算出することができる。コンピューティングデバイス504は、第1の流体の速さと第2の流体の速さとの間の差を算出し、それが所定の閾値を上回るかどうかを判定することができる。この閾値は、比較される2つのチャネル/経路の幾何学的構成に依存し得る。この差が閾値(例えば、より高い閾値)を上回る場合、流量計502の状態は、保守要求を示すように設定され得る。
【0044】
ここでは、本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解をもたらすために、特定の例示的な実施形態を記載する。これらの実施形態の1つ以上の例が、添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して、類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態において類似する名称の各々の構成要素の各々の特徴については、必ずしも完全には詳述していない。
【0045】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含むデジタル電子回路に、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアに、又はそれらの組み合わせに実装され得る。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は多数のコンピュータ)による実行のため又はその動作を制御するため、情報キャリアで(例えば、機械可読記憶デバイスで)明白に具現化されるか、又は伝播信号で具現化される、1つ以上のコンピュータプログラムなどの、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても知られる)は、コンパイル又は解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとしてなど、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部分に、当該のプログラム専用の単一ファイルに、又は多数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの部分を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で若しくは1つのサイトの多数のコンピュータ上で実行されるように、又は多数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。
【0046】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を実行するために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実行され得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって実行され得、本明細書に記載される主題の装置は、かかる専用論理回路として実装され得る。
【0047】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。概して、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそこからデータを受信する、そこにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報キャリアとしては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)と、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)と、光磁気ディスクと、光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)と、を含む、不揮発性メモリの全ての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0048】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供するのに利用し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0049】
本明細書に記載される技術は、1つ以上のモジュールを使用して実装され得る。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されていないか、又は非一時的プロセッサの読み取り可能で記録可能な記憶媒体(すなわち、モジュールはソフトウェアそれ自体ではない)上に実装されていないソフトウェアとして解釈されるべきではない。実際に、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの少なくとも何らかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むものと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有し得る(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用し得る)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために組み合わせ、統合、分離、及び/又は複製が可能である。また、特定のモジュールで実行されるものとして本明細書に記載される機能は、特定のモジュールで実行される機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は1つ以上の他のデバイスによって実行され得る。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの多数のデバイス及び/又は他の構成要素にまたがって実装され得る。加えて、モジュールを1つのデバイスから移動し、別のデバイスに追加することができ、かつ/又は両方のデバイスに組み込むこともできる。
【0050】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース若しくはウェブインターフェースを有するクライアントコンピュータであって、ユーザはそれらを通して、本明細書に記載される主題の実装と相互作用することができる)、又はかかるバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)及び広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)、例えばインターネットが挙げられる。
【0051】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似言語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用されてもよい。したがって、「約」及び「実質的に」などの用語(単数又は複数)によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例において、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換が行われてもよく、かかる範囲は識別され、文脈又は言語が別段の指示をしていない限り、そこに含まれる全ての部分範囲を含む。
【国際調査報告】