(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】断熱容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20220124BHJP
【FI】
B65D81/38 N
B65D81/38 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531973
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 US2019065859
(87)【国際公開番号】W WO2020123743
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515284526
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Yeti Coolers,LLC
【住所又は居所原語表記】7601 Southwest Parkway,AustinTX 78735,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロック、ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】ルーデンスレイジャー、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バイレス、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン、エリック スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ウィンターホルター、アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン、ランス
(72)【発明者】
【氏名】シーズコ、マイク
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BA05A
3E067BB14A
3E067BC07A
3E067CA18
3E067EA25
3E067EA32
3E067EB17
3E067EE13
3E067EE16
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA11
(57)【要約】
基部と蓋とを有する断熱容器が提供される。蓋は、ヒンジを中心に閉じられた構成から開いた構成へと回転可能とすることができ、1つ又は複数のラッチング・デバイスを介して閉じられた構成で固定され得る。いくつかの実例では、断熱容器は圧力調節デバイスを更に含む。他の実例では、ラッチング・デバイスは、蓋が閉じられ固定された位置にあるときに断熱容器キーパに係合するように構成された、エラストマー製のラッチ上片及び半剛性のラッチ下片を更に含む。また更に他の実例では、ラッチ・デバイスが蓋を閉じられた位置で固定するとき、ラッチ上片及びラッチ下片は凹んだ位置で構成され、断熱容器蓋の前面と面一であり、且つ断熱容器の下側部の前面と面一である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱容器であって、
ベースであって、
複数の面を有する側壁構造と、
前記側壁構造の前記複数の面の各面の第1の端部に接続されている底部であって、前記断熱容器をある表面上に支持するように構成されている、底部と、を含み、
前記側壁構造の前記複数の面は、前記側壁構造の前記複数の面の各面の前記第1の端部の反対側の第2の端部に開口部を画定しており、前記開口部は、前記側壁構造及び前記底部によって形成される前記断熱容器の内部空間へのアクセスを可能にするように構成されており、ガスケットが、蓋が閉じられた位置にあるときに前記開口部を封止するように構成されており、前記ベースは更に、
前記蓋が閉じられた位置にあるときに前記蓋を固定するように構成されている少なくとも1つのラッチ・デバイスであって、前記ガスケットは前記ラッチ・デバイスが前記蓋を固定するときに水密シールを提供するように更に構成されており、前記ラッチ・デバイスは、
前記蓋に枢動可能に取り付けられているラッチ上片と、前記ラッチ上片に枢動可能に取り付けられているラッチ下片と、を更に含み、
前記ラッチ下片は係合タブを更に含み、
前記係合タブは前記蓋が前記閉じられた位置に固定されるときにキーパに係合するように構成されており、
前記キーパは前記断熱容器の下側部の前面上に位置付けられており、
前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片は閉じられた位置にあるときに前記蓋にある及び前記断熱容器の前記下側部にある凹部内に維持される、少なくとも1つのラッチ・デバイス、を含む、ベース、を備える、断熱容器。
【請求項2】
前記ラッチ・デバイスは前記蓋が前記閉じられた位置に固定されるときに実質的に矩形の形状となる、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項3】
前記ラッチ上片はエラストマー材料である、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項4】
前記ラッチ下片は剛性材料及びエラストマー材料を含み、前記ラッチ下片は前記ラッチ上片よりも高い剛性を有する、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項5】
前記キーパは、前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置で固定するとき前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片と面一である、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項6】
前記ラッチ・デバイスは、前記ラッチ上片を前記蓋に枢動可能に固定するように構成されているラッチ上片ピンと、前記ラッチ上片に前記ラッチ下片を枢動可能に固定するように構成されているラッチ下片ピンと、を更に含む、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項7】
前記ラッチ上片は基部と第1のアームと第2のアームとを更に含み、前記第1のアーム及び前記第2のアームは前記基部に対して実質的に垂直であり、前記第1のアーム及び前記第2のアームは互いに実質的に平行であり、前記ラッチ上片の前部は実質的に逆U字形状である、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項8】
前記ラッチ下片係合タブは、前記ラッチ下片が前記ラッチ上片に枢動可能に固定されるとき、前記ラッチ上片の前記第1のアームと前記第2のアームの間に位置する、請求項7に記載の断熱容器。
【請求項9】
前記ラッチ下片の前記係合タブは前記ラッチ下片の残りの部分よりも高い剛性を有する、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項10】
前記ガスケットは少なくとも1つのウィープ・ホールを更に含み、前記ガスケットは、前記蓋が前記閉じられた位置にあるときに、前記内部空間と大気の間の圧力の調節を受動的に実現するように構成されている、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項11】
断熱容器の蓋を固定するためのラッチ・デバイスであって、
ラッチ上片であって、前記ラッチ上片はラッチ上片ピンによって断熱容器蓋に枢動可能に固定されており、前記ラッチ上片はエラストマー材料である、ラッチ上片と、
ラッチ下片であって、前記ラッチ下片はラッチ下片ピンによって前記ラッチ上片に枢動可能に固定されており、前記ラッチ下片は前記ラッチ上片よりも高い剛性を有する、ラッチ下片と、を備え、
前記ラッチ下片は係合タブを更に含み、
前記係合タブは前記蓋が閉じられた位置に固定されるときに断熱容器キーパに係合するように構成されており、
前記キーパは前記断熱容器の下側部の前面上に位置付けられており、
前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片は閉じられた位置にあるときに前記蓋及び前記下側部によって画定される凹部内に維持される、ラッチ・デバイス。
【請求項12】
前記ラッチ・デバイスは前記蓋が前記閉じられた位置に固定されるときに実質的に矩形の形状となる、請求項11に記載のラッチ・デバイス。
【請求項13】
前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置に固定するとき、閉じられた位置にあるときの前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片は凹部内に維持され、前記断熱容器蓋の前面と面一であり、且つ前記断熱容器の下側部の前面と面一であり、前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置に固定するとき、前記断熱容器キーパは前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片と面一である、請求項12に記載のラッチ・デバイス。
【請求項14】
前記ラッチ下片の前記係合タブは剛性材料であり、前記ラッチ下片の残りの部分はエラストマー材料である、請求項12に記載のラッチ・デバイス。
【請求項15】
前記ラッチ上片は基部と第1のアームと第2のアームとを更に含み、前記第1のアーム及び前記第2のアームは前記基部に対して実質的に垂直であり、前記第1のアーム及び前記第2のアームは互いに実質的に平行であり、前記ラッチ上片は実質的に逆U字形状である、請求項11に記載のラッチ・デバイス。
【請求項16】
前記ラッチ下片係合タブは、前記ラッチ下片が前記ラッチ上片に枢動可能に固定されるとき、前記ラッチ上片の前記第1のアームと前記第2のアームの間に位置する、請求項14に記載のラッチ・デバイス。
【請求項17】
前記ラッチ下片は、前記係合タブの反対側に前記断熱容器蓋から遠位に位置付けられている指かけ部を更に含む、請求項15に記載のラッチ・デバイス。
【請求項18】
前記キーパは前記キーパの下側に構成されている溝を更に含み、前記ラッチ下片係合タブは、前記ラッチ・デバイスによって前記蓋が閉じられた位置で固定されるときに前記溝に係合するように構成されている、請求項11に記載のラッチ・デバイス。
【請求項19】
前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置に固定するとき前記ラッチ上片には張力がかけられる、請求項11に記載のラッチ・デバイス。
【請求項20】
断熱容器であって、
ベースであって、
複数の面を有する側壁構造と、
前記側壁構造の前記複数の面の各面の第1の端部に接続されている底部であって、前記断熱容器をある表面上に支持するように構成されている、底部と、
前記側壁構造の前記複数の面の各面の前記第1の端部の反対側の、前記側壁構造の前記複数の面の各面の第2の端部に形成されている開口部であって、前記側壁構造及び前記底部によって形成される前記断熱容器の内部空間へのアクセスを可能にするように構成されている、開口部と、を含み、ガスケットが、蓋が閉じられ固定された位置にあるときに水密シールを提供するように構成されており、前記ベースは更に、
前記蓋が閉じられた位置にあるとき前記蓋を固定するように構成されている少なくとも2つのラッチ・デバイスであって、
ラッチ上片であって、前記ラッチ上片は前記蓋に枢動可能に取り付けられており、前記ラッチ上片の前部は実質的に逆U字形状である、ラッチ上片、及び
前記ラッチ上片に枢動可能に取り付けられているラッチ下片を更に含み、
前記ラッチ下片は係合タブを更に含み、
前記係合タブはキーパに係合するように構成されており、
前記キーパは前記断熱容器の下側部の前面上に位置付けられている、少なくとも2つのラッチ・デバイス、を含む、ベース、を備える、断熱容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年12月12日に出願された米国特許出願第16/218,089号の利益を主張する。上記の出願は参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
食料又は他の物品を保存するために、様々なタイプの容器がしばしば使用されている。いくつかの実例では、容器内に保存されている内容物の温度を維持することが有利な場合がある。このために、断熱容器が使用される場合がある。しかしながら、従来の断熱容器のあるものは、多くの場合耐久性がそれほど高くなく、また蓋を閉じられた位置に固定するための適切な手段を有していない。例えば、それらが有する蓋は紛失又は破損するおそれがあり、取手は容器のベース部から突出している場合があり、及び/又は、ラッチは蓋の固定に使用するには効果的でない。これらの実例では、蓋、取手、及び/又はラッチは破損し易い場合があり、このため場合によっては、その断熱容器が実際には訳に立たなくなる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
この発明の概要は選択した概念を簡潔な形態で導入するために提供されており、それらの概念は後述の発明を実施するための形態において更に説明されている。発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することは意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0004】
様々な特徴を有する断熱容器が本明細書に記載されている。いくつかの実例では、断熱容器は、複数の面によって形成されるベース部又は下側部と、蓋と、を含み得る。蓋は、ベースを形成する複数の面の各々の一端よって形成される開口部を保護し得る。開口部は、側壁構造又は複数の面と底部とによってやはり形成され得る、断熱容器の内部空間へのアクセスを提供するように構成され得る。蓋は、1つ又は複数のヒンジを中心に、閉じられた位置又は構成から開いた構成へと回転可能であり得る。蓋はまた、開口部を封止するように構成され、蓋が閉じられ固定された構成にあるときに水密シールを提供するように構成された、ガスケットも含み得る。いくつかの実例では、断熱容器は、少なくとも1つのラッチング・デバイスを含み得る。ラッチング・デバイスは、蓋上に配置された部分とベース部又は下側部上に配置された部分とを有することができ、蓋を閉じられた構成で固定するように構成され得る。ラッチはまた、蓋に枢動可能に取り付けられ得るラッチ上片と、ラッチ上片に枢動可能に取り付けられ得るラッチ下片と、を更に含み得る。ラッチ下片はまた、蓋が閉じられた構成で固定されるときに断熱容器上のキーパ(keeper)に係合するように構成された、係合タブも含み得る。キーパもまた、断熱容器のベース部又は下側部の前面上に位置し得る。ラッチ・デバイスは、蓋が閉じられた構成で固定されるとき、実質的に矩形の形状となり得る。いくつかの実例では、ラッチング・デバイスは、エラストマー材料含を含む部分と、剛性材料及びエラストマー材料を含む別の部分と、を含み得る。いくつかの実例では、ラッチ下片はラッチ上片よりも高い剛性を有する。他の実例では、ラッチ下片の係合タブは剛性材料であり、ラッチ下片の残りの部分はエラストマー材料である。別の実例では、蓋が固定され閉じられた位置にあるとき、ラッチング・デバイスの一部には張力がかかっている。
【0005】
いくつかの実例では、ラッチ・デバイスが蓋を閉じられた構成で固定するとき、ラッチ上片及びラッチ下片は、凹んだ位置で蓋の前面と面一に、及び断熱容器の下側部の前面と面一に構成することができる。キーパはまた、ラッチ・デバイスが蓋を閉じられた構成で固定するとき、ラッチ上片及びラッチ下片と面一になるように構成されてもよい。他の実例では、ラッチ上片は、基部と、第1のアームと、第2のアームと、を含み得る。第1のアーム及び第2のアームは基部に対して実質的に垂直であってもよく、第1のアーム及び第2のアームは互いに実質的に平行であってもよい。そのような構成では、ラッチ上片は実質的に逆U字形状であり得る。別の実例では、ラッチ下片係合タブは、ラッチ下片がラッチ上片に枢動可能に固定されるとき、ラッチ上片の第1のアームと第2のアームの間に位置し得る。また更に他の実例では、断熱容器は、蓋のロックを防止するために、内部空間と大気の間の圧力の調節又は平衡化を受動的に実現するように構成された、圧力調節デバイスを含み得る。更に他の実例では、圧力調節デバイスはダックビル-アンブレラ弁を含み得る。
【0006】
いくつかの実例では、断熱容器は、複数のラッチング・デバイスを含み得る。ラッチング・デバイスは、ラッチ上片ピンによって断熱容器蓋に枢動可能に固定された、ラッチ上片を含み得る。特定の実例では、ラッチ上片はエラストマー・ゴムで構築される。他の実例では、ラッチ下片は、剛性プラスチック及びエラストマー・ゴムで構築され得る。更に他の実例では、ラッチ下片はラッチ下片ピンによってラッチ上片に枢動可能に固定され得る。別の実例では、ラッチ下片は、ラッチ・デバイスによって蓋が閉じられた構成で固定されるとき、キーパの下側に構成された溝又はスロットに係合するように構成された、係合タブを含み得る。別の実例では、ラッチ下片はまた、係合タブの直接の反対側の位置に、指かけ部(finger lift)も含み得る。更に別の実例では、指かけ部は、断熱容器蓋から離れる方に又は遠位へと延びている。いくつかの実例では、ラッチ上片は、基部と、第1のアームと、第2のアームと、を含み得る。第1のアーム及び第2のアームは基部に対して実質的に垂直であってもよく、第1のアーム及び第2のアームは互いに実質的に平行であってもよい。ラッチ上片は実質的に逆U字形状であってもよく、ラッチ下片係合タブは、ラッチ下片がラッチ上片に固定されるとき、ラッチ上片の第1のアームと第2のアームの間で枢動又は回転するように構成され得る。
【0007】
これらの及び様々な他の特徴について、本明細書で更に十分に記載する。
【0008】
本発明は例示によって示されており付属の図面に限定されない。これらの図面では同様の参照符号は類似した要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱容器の正面斜視図である。
【
図1B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る断熱容器の背面斜視図である。
【
図2A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、ストラップ又はハンドルがハンドル・ピボットを介して断熱容器の一方側から他方へと回転され得るキャリー・ストラップ又はキャリー・ハンドルの構成に注目した、
図1A及び
図1Bの断熱容器の側面図である。
【
図2B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図2Aのハンドル・ピボットの分解図である。
【
図2C】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、ハンドル・ピボットの別の実例の拡大前面斜視図である。
【
図2D】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図2Cに示すハンドル・ピボットの後方斜視図である。
【
図3A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、断熱容器の別の実例の正面図である。
【
図3B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、断熱容器の別の実例の側面図である。
【
図3C】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、断熱容器の別の実例の後面図である。
【
図4A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図3A~
図3Cの断熱容器蓋の上面視正面図である。
【
図4B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図3A~
図3Cの断熱容器蓋の底面視正面図である。
【
図5A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、閉じられた構成から開いた構成へと蓋が回転され得る1ヒンジ構成を示す図である。
【
図5B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、例示的なガスケットを取り外した、脱着した蓋の斜視図である。
【
図5C】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、固定されていない構成の薄型のオーバー・センタ式ラッチング・デバイス又は機構の斜視図である。
【
図6A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、蓋を閉じられた構成で固定するためのラッチ又はラッチング・デバイスの構成の正面図である。
【
図6B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、蓋を閉じられた構成で固定するためのラッチ又はラッチング・デバイスの構成の斜視図である。
【
図6C】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、蓋を閉じられた構成で固定するためのラッチ又はラッチング・デバイスの構成の後面図である。
【
図7A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、断熱容器の背面又は後面に圧力調節デバイスを含む、蓋を取り外した断熱容器の別の実例の、前方上面斜視図である。
【
図7B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、断熱容器の背面又は後面に圧力調節デバイスを含む、蓋を取り外した断熱容器の別の実例の、後方斜視図である。
【
図8A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図7A~
図7Bに示す断熱容器の圧力調節デバイスの様々な拡大図である。
【
図8B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図7A~
図7Bに示す断熱容器の圧力調節デバイスの様々な拡大図である。
【
図9A】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図8A~
図8Dに示すような圧力調節デバイスを備えるダックビル-アンブレラ弁の様々な拡大図である。
【
図9B】本明細書に記載する1つ又は複数の態様に係る、
図8A~
図8Dに示すような圧力調節デバイスを備えるダックビル-アンブレラ弁の様々な拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
更に、これらの図面は1つの単独の実施例の異なる構成要素のスケールを表す場合があるが、開示される実施例はその特定のスケールに限定されないことが理解されるべきである。
【0011】
本開示の態様は、内容物又はある容積の液体を保存するように構成された断熱容器に関する。いくつかの実例では、断熱容器は、少なくとも1つのラッチ又は少なくとも1つのラッチング・デバイスを用いてロック可能又は固定可能な蓋を含んでもよく、蓋は、閉じられた位置からこの閉じられた位置から約115°である開いた位置への蓋の回転が可能になるようにヒンジ止めされ得る、並びに/又は、断熱容器のベース部から非破壊的に取り外し可能(例えば、取り外し及び交換可能)であり得る。追加として又は別法として、断熱容器は、断熱容器を通気させて圧力又は温度の変化に起因する蓋のロックを防止するための、圧力調節デバイスを含み得る。追加として又は別法として、断熱容器は、断熱容器のベース部に一体に形成される取手を有し得る。断熱容器のこれらの及び様々な他の特徴及び態様について、本明細書で更に十分に記載する。
【0012】
様々な実施例の続く説明では、その一部を形成する添付の図面を参照するが、これらの図面には例示として、本開示の態様が実施され得る様々な実施例が示されている。他の実施例を利用してもよく、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく構造的及び機能的変更を行うことができることを理解されたい。
【0013】
図1A及び
図1Bには断熱容器100の斜視図が描かれている。1つの実例では、断熱容器100は、ベース部102と、いくつかの実例ではこれに非破壊的に取り外し可能に連結される、蓋104と、を備え得る。ベース部102は、内容物又は液体を収容するための内部空間を形成する断熱構造であり得るが、これについては本明細書において更に十分に検討する。いくつかの実例では、ベース部102は、直方体の又は実質的に直方体の形状であり得る。また更に他の実例では、ベース部102は実質的に円筒形の形状であってもよく、又は実質的に矩形の断面を有してもよい。本発明から逸脱することなく様々な他の形状を使用できる。
【0014】
ベース部102は、底面108を有する第1の端部106を含み得る。底面108は、断熱容器をある表面、例えばテーブル、地面、車両の荷台、船舶のデッキなどの上で支持するように構成され得る。ベース部102はまた、キャリー・ハンドル又はキャリー・ストラップ107も含み得る。キャリー・ハンドル又はストラップ107は、ハンドル・ピボット109に接続され得る。特定の実例では、断熱容器は複数のハンドル・ピボット109を有して構成される。ハンドル又はキャリー・ストラップ107の各端部を、ハンドル又はキャリー・ストラップ107が断熱容器の前部から断熱容器の後部まで自由に回転できるように、ハンドル・ピボット109に取り付けることができる。
図2Aに示すように、ハンドル107はハンドル・ピボット109に係合する。ハンドル・ピボット109は、ハンドル107が断熱容器100の前部から断熱容器100の後部まで回転するのを可能にするべく、約240°回転するように構成されている。別の実例では、ハンドル107はハンドル・ピボット109に係合し、蓋107の上を弧を描いて移行するように構成されている。他の実例では、ハンドル・ピボット109は、少なくとも220°、225°、230°、235°、240°、245°、又は250°移行するように構成されている。他の実例では、ハンドル・ピボット109は、約220°から240°まで移行するように構成されている。特定の実例では、インサート109bは、
図2Bに示すように、ベース部102に一体成形されている。ハンドル・ピボット109は、インサート109bに係合するように構成されている。インサート109bは、ハンドル・ピボット109上の突出部109dに係合するように構成された、停止部109cを更に含む。ハンドル107の移動は、突出部109dと停止部109cの係合によって制限される。いくつかの実例では、ハンドル・ピボット109は、ピボット金具109aによってベース部102及びインサート109bに固定される。特定の実例では、ピボット金具109aは、ねじ、ボルト、リベット、等であり得る。他の実例では、ハンドル・ピボット109は、ハンドル・ピボット109へのキャリー・ストラップ又はハンドル107の取り付けを可能にするように構成された、ストラップ・ループ111を更に含む。いくつかの実例では、ハンドル又はキャリー・ストラップ107は、1種又は複数種のプラスチックなどの、様々な好適な材料で形成され得る。例えば、ハンドル107は、ポリ塩化ビニルで形成されたコアと、エチレン酢酸ビニルで形成された外側部分とを有し得る。他の実例では、ハンドル又はキャリー・ストラップ107は、ロープ(例えばポリエステル製のロープ)又はナイロン製の網体で形成され得る。更に他の実例では、ハンドル又はキャリー・ストラップ107は、1つ又は複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、又は繊維強化材料などの、様々な材料で構築され得る。また更に他の実例では、ハンドル又はキャリー・ストラップ107は、肩に掛けての又は手でのより容易な運搬を助けるための、パッド材を含み得る。
【0015】
図2C及び2Dは、ハンドル・ピボット109の別の実例を示す。ハンドル・ピボット109は、ハンドル又はキャリー・ストラップ107の取り付け箇所115を含み得る。他の実例では、
図2Dに示すように、ハンドル・ピボット109は、第1及び第2の停止部113を含み得る。停止部113は、ハンドル・ピボット109がインサート109bに係合するときに、少なくとも1つの若しくは複数の停止部109c又は突出部(図示せず)に係合するように構成される。インサート109b及びハンドル・ピボット109のこの構成及び幾何形状によって、キャリー・ストラップ又はハンドル107が断熱容器100の下で回転するのを防止できる。
【0016】
ベース部102は、断熱容器の内部空間にアクセスするために使用できる開口部112(
図5Aに示す)を画定している、第2の端部110を更に含む。断熱容器の使用中に(例えば、断熱容器が閉じられた構成にあるとき)に、開口部112を蓋104で覆うことができる。ベース部102は、底面に接続された複数の側部114を更に含むことができ、これらは断熱容器102内に内容物を受け入れるための空間を画定する。側部114は底面108から略垂直に延びるように配置され得る。
【0017】
いくつかの実例では、1つ又は複数の側部114(又はベース部102の他の領域)に、1つ又は複数の側部ポケット取手190が配置され得る。側部ポケット取手はベース部102と一体に形成することができ、一般に、ベース102の側部114に形成されるアンダーカット又はくり抜き部であり得る。いくつかの実例では、
図1A及び
図1Bに示すように、側部ポケット取手を成形するアンダーカット又はくり抜き部は、側部114の実質的に全部又は大部分に沿って延在する凹部を含み得る。このことにより、一体成形された取手190を有するベース102の製造が容易になり得る。いくつかの実例では、破損のリスクを下げるために、側部ポケット取手190はベース102の外面と面一とすることができる。
【0018】
上で検討したように、断熱容器100は、ある体積の内容物又は場合によっては液体の、収容、保存、運搬、等を行うように構成され得る。いくつかの実例では、断熱容器100は、20.812から26.488l(22から28クォート)の内容物を保存するように構成され得る。いくつかの実例では、断熱容器は、約22.704l(24クォート)の内容物を保存するように構成され得る。他の実例では、断熱容器は、少なくとも20.812l(22クォート)の内容物を保存するように構成され得、又は断熱容器は、とりわけ少なくとも26.488l(28クォート)の内容物を保存するように構成され得る。更に他の実例では、断熱容器は、約15.136l(16クォート)の内容物、22.704l(24クォート)の内容物、34.056から35.948l(36から38クォート)の内容物、又は45.408から54.868l(48から58クォート)の内容物を保存するように構成され得る。また更に他の実例では、断熱容器100は、約13.224から約42.57l(約14から約45クォート)の内容物を保存するように構成され得る。追加として又は別法として、断熱容器100は、本明細書に記載する開示の範囲から逸脱することなく、固体状態、液体状態、若しくは気体状態、又はこれらの組合せの材料を保存するように構成され得る。
【0019】
少なくともいくつかの実例では、断熱容器100(及び本明細書に記載する様々な他の容器)は、上記した内容物の体積に対応できるようなサイズとすることができる。例えば、断熱容器100は、高さが少なくとも43.18cm(17インチ)、幅が少なくとも40.64cm(16インチ)、深さが少なくとも35.56cm(14インチ)であり得る。追加として又は別法として、断熱容器100は、本明細書に記載する開示の範囲から逸脱することなく、異なるサイズ(すなわち高さ、幅、及び深さ)で構成され得る。
【0020】
既に検討したように、断熱容器100は蓋104を含む。いくつかの実例では、蓋104は、プレス嵌めを用いてベース102に閉じられた構成で接続し得る。追加として又は別法として、蓋104をベースに固定するために、他の固定システム又はデバイスを使用してもよい。断熱容器100は
図1Aに示すように、容器の前面に、蓋104を閉じられた位置に固定するためのラッチング・デバイス120及びベース102のキーパ140を含み得る。いくつかの実例では、断熱容器100は、ベース102の頂部に一体成形された少なくとも1つの又は複数のラッチ・スロット141を含む。ラッチ・スロット141は、蓋104が閉じられ固定された構成にあるときにラッチ120がラッチ・スロット141と面一になるような、ラッチ120を収容するのに適当なサイズの凹部を提供するように構成され得る。他の実例では、ラッチ120は、蓋104が閉じられ固定された構成にあるとき、ラッチ・スロット141及びキーパ140と面一である。他の構成では、断熱容器100は蓋104とベース102とを含むことができ、これらは、蓋を容易に掴んで開けられるようにするための、少なくとも1つのコーナー持ち上げレッジ(corner lift ledge)192を形成する。他の実例では、断熱容器は複数のコーナー持ち上げレッジ192を含み得る。特定の実例では、持ち上げレッジ192は、蓋104のコーナーの一体成形された部分と、ベース102の頂部の前方コーナーの一体成形された部分と、によって形成され得る。また更に他の構成では、断熱容器100は、ベース102に一体成形された前面持ち上げレッジ191を含み得る。前面持ち上げレッジ191は、ベース102の頂部に一体成形され得る。持ち上げレッジは、容易に開放できるように(すなわち片手の動作)個人が蓋104を把持可能とするための容易にアクセス可能な領域を、断熱容器に提供するように構成されている。
【0021】
いくつかの実例では、蓋104は、ヒンジ116においてベース102に(取り外し可能に又は恒久的にのいずれかで)接続されヒンジ116を中心に回転できるように、ヒンジ止めされ得る。ヒンジは、長尺ピアノ・ヒンジ、二重ヒンジ、ボール・ジョイント・ヒンジ、一体成形ヒンジなどを含む、様々なタイプのヒンジのうちの1つとすることができる。ヒンジ116によって、ベース部102によって画定される内側空間への(例えば、開口部112を介した)アクセスを可能にするために、蓋104を開き、ベース部102から離れる方に回転させることが可能になり得る。すなわち、ヒンジは、断熱容器の閉じられた構成(例えば蓋が、ベースによって形成される内側空間を覆う所定位置にある)から開いた構成(例えば蓋が、ベースによって形成される内側空間を覆っていない)への、及びその逆の、蓋104の回転を容易にし得る。いくつかの実例では、断熱容器100は少なくとも1つのヒンジ116を有して構成される。別の実例では、断熱容器は複数のヒンジを有して構成される。また更に他の構成では、ヒンジ116は、蓋104に一体成形された第1の部分と、ベース102に一体成形された第2の部分と、を備える。更に他の実例では、ヒンジ116は、蓋104を少なくとも1つのヒンジ・ピン195を介してベース102に固定するための、少なくとも1つのピン・ポケット194又は複数のピン・ポケット194を更に含むことができ、この結果、閉じられた位置から開いた位置への蓋の回転が可能になる。他の実例では、複数のヒンジ・ピン195によって蓋104がベース102に固定される。
【0022】
本明細書に記載する実例では、ベース102及び蓋104は、
図1C及び5Aに示すように、断熱部118を包囲し封入する外面又は外側シェル117を含み得る。シェル117は通常、1つ又は複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、又は繊維強化材料などの、様々な材料から形成される。いくつかの実例では、シェル117は、ベース部102及び蓋部104の両方を形成するように成形される、ポリエチレンなどのプラスチック材料で形成され得る。いくつかの実例では、断熱部118は、低い熱伝導率を呈する断熱材料で形成される。例えば、断熱部118は、ポリウレタン・フォームなどのポリマー・フォームで形成(又は充填)され得る。本発明から逸脱することなく追加の又は他の断熱材料を使用できる。いくつかの実例では、ベース部102及び蓋部104は、当業者であれば理解するであろうロトモールド工程を使用して形成される(図示せず)。しかしながら、断熱容器を形成するために、本発明から逸脱することなく、様々な他のタイプの成形工程又は他の製造工程(例えば、プレス加工、鋳造、鍛造など)を使用できる。
【0023】
他の実施例では、
図3A~
図3Cに示すように、断熱容器200は、
図1A及び
図1Bに関して検討したものと同様のラッチング・デバイス220を含む。すなわち、ラッチング・デバイスは、容器200の前部上にベース202のキーパ240を含む(例えば、
図1Aに示すような、蓋104を閉じられた位置に固定するためのラッチング・デバイス120を含む容器100上のキーパ140と同様)。したがって、蓋204が完全に閉じられた位置にあるとき、ラッチの係合部分(図示せず)は、(
図3Aに示すような)断熱容器200の前部上に形成されたキーパ240内に受けられ、これに係合されることになる。他の構成では、断熱容器200は蓋204とベース202とを含むことができ、これらは、蓋を容易に掴んで開けられるようにするための、少なくとも1つの一体成形されたコーナー持ち上げレッジ292を形成する。また更に他の構成では、断熱容器200は、ベース202に一体成形された前面持ち上げレッジ291を含み得る。
【0024】
上で検討した実例と同様、キーパ140及び240は、
図1A及び3Aにそれぞれ示すように、ベース102及び202に成形され得る。キーパ240を用いてラッチ220と係合/係脱するために、以下に記載するものと同様のプロセスを使用してもよい。また更に他の実施例では、ベース部202はまた、キャリー・ハンドル又はキャリー・ストラップ207(図示せず)も含み得る。キャリー・ハンドル又はストラップ207はピボット209に接続され得る。また更に他の実施例では、断熱容器は、キャリー・ハンドル又はストラップ及びピボットを有さなくてもよい。他の実施例では、断熱容器200は、
図3Cに示すように、ベース202の後面又は背面214に配置された圧力調節デバイス210を含み得る。更に他の実例では、圧力調節デバイス210は蓋204に構成され得る。
【0025】
他の実施例では、断熱容器200の蓋204は、
図4Aに示すように、複数の付属の磁石205を含み得る。磁石205は、蓋204の外側上面203上に配置され得る。いくつかの実例では、磁石は実質的に円盤形状又は実質的にリング形状であり得る。他の実例では、磁石は、蓋の頂部に追加の付属品を固定するように構成されている。更に他の実例では、磁石205は、蓋の頂部にプレス嵌め又は接着剤を介して固定される。別の実例では、磁石205はねじ切りされ蓋204にねじ込まれる。また更に他の実例では、磁石205は、ねじ、ボルト、リベットなどの(
図10に示すような)固定具205aによって、蓋の頂部に固定される。取り付け可能及び取り外し可能な付属品のいくつかの実例としては、蓋パック、プラスチック製若しくは木製のカッティング・ボード、シート・クッション、又は蓋ネットを挙げることができる。ベース部202は、底面208を有する第1の端部206を含み得る。底面208は、断熱容器をある表面、例えばテーブル、地面、車両の荷台、船舶のデッキなどの上で支持するように構成することができ、
図4Bに示すように複数の足部212を含み得る。足部212は、滑り防止又はスリップ防止表面を提供するように構成することができ、断熱容器200を地面から持ち上げられた状態に保つように構成することができる。別の実例では、足部212は、容器が地上にあるときに断熱容器を容易に移動できる(すなわち、断熱容器が地上で容易に摺動し得る又は容易に押し進められ得る)ように、地面又は表面との摩擦を低減するように構成され得る。足部212は、ゴム、フォーム、プラスチック、又は他の好適な材料で構築され得る。また更に他の実施例では、底面208は、
図4Bに示すように、外側シェル217にエンボス加工された、一体成形された、又はプレス成形された、断熱容器の会社又は製造者のロゴ又は名称を含み得る。いくつかの実施例では、底部ポケット216は、ベース部202の底面208に一体成形され得る。底部ポケット216によって、個人がベース部202を底面208から把持することが可能になり、断熱容器の内容物(例えば、氷、溶けた氷、水、等)を容易に空にする又は捨てるのに役立つ。
【0026】
図5Aは、実質的に開いた位置にある断熱容器100の蓋104を示す。
図5Cに示すように、蓋104は、実質的に閉じられているが固定されていない位置にある。すなわち、蓋104はベース102に対して実質的に垂直であり、開口部を覆っている。蓋104を開きそれによって断熱容器100のベース102によって画定される内側空間にアクセスするために、蓋104を
図5Aに示す矢印の方向へと上向きに持ち上げることができる。蓋104が閉じられ固定された位置に構成されると、蓋は開口部112を封止する。蓋は、完全に閉じられた位置から完全に開いた位置へと約115°移行するように構成されている。いくつかの実例では、蓋は、完全に閉じられた位置から完全に開いた位置へと、少なくとも90°、95°、100°、105°、110°、115°、又は120°移行するように構成されている。他の実例では、蓋104は、完全に開いた位置において約90°から120°まで移行するように構成され得る。いくつかの実例では、蓋は、完全に直立した位置に構成されているとき、直立状態を維持する。また更に他の実例では、
図1A、
図1B、
図3A~
図3C、及び
図5Aを更に参照すると、(例えば、ベース102によって形成される内部空間にアクセスするために)蓋104を開けるために、ヒンジ止めされた蓋104をベース部102から離れる方に回転させることができ、この蓋はベース部102の後面114に沿って留まることができる(例えば、蓋は、閉じられた構成(例えば、
図1A、
図1B、
図3A~
図3C、及び
図5Cに示す位置)から、開いた構成(例えば、
図5Aに示す位置)へと、少なくとも90°回転し得る。いくつかの実例では、完全に開いた位置又は構成は、蓋104の外側上面の少なくとも一部が断熱容器100のベース部102の後ろの(又は他の)側部114と接触していることを含み得る。
【0027】
図5Aに示すように、断熱容器のいくつかの実例は、蓋104の下面に複数のフォーム製プラグ130を含み得る。他の実例では、フォーム製プラグ130は、付属クリップ132を更に含み得る。付属クリップは、保存に便利なように、追加の付属品又はデバイスと係合しそれを蓋104の底部(すなわち下面)に固定するように構成され得る。例えば、網メッシュ付属品を複数のクリップ132に取り付けることができる。いくつかの実例では、網メッシュ(図示せず)は可撓性を有するゴムで構築することができ、これにより、特定の物品が断熱容器の内部空間内にある水又は氷に曝されるのを防止できる。トレイ又はバスケットなどの他の付属品を、断熱容器の内部空間の底に格納することができる、及び/又は、内部空間の頂部に定置されるように構成することができる。いくつかの実例では、トレイ又はバスケットは、トレイ(図示せず)の周囲に沿って、断熱容器の内部空間内にあるときにトレイを開口部112の縁部から懸架できるようにする、リップを含み得る。そのような構成は、蓋104を閉じられ固定された位置に構成し、このことにより、トレイ又はバスケットが断熱容器100の内側/断熱容器100内の所定位置に固定されるときに、内部空間を封止することを可能にする。
【0028】
図5A及び
図5Bに示すように、蓋104の下面は、蓋104の底部にエンボス加工された、一体成形された、又はプレス成形された、断熱容器の会社又は製造者のロゴ又は名称を含み得る。
【0029】
更に、いくつかの実例では、断熱容器はガスケット又は他の封止デバイスを含み得る。ガスケットは蓋又はベースのいずれかに配置することができ、蓋が閉じられ固定された構成にあるときに蓋及びベースを封止するのに役立ち得る。他の実例では、ガスケットは蓋又はベースのいずれかに配置することができ、蓋が閉じられ固定された構成にあるときに水密シールを提供し得る。いくつかの実例では、ガスケットを、ベース及び蓋の少なくとも一方に形成されベース又は蓋の少なくとも一方の周囲に沿って延在する凹部内に設置することができる。他の実例では、
図5Bに示すように、ガスケット150を、ベース102又は蓋104の少なくとも一方に形成されベース又は蓋の少なくとも一方の周囲に沿って延在する、ガスケット・アダプタ152内に設置することができる。他の実例では、ガスケット150は、ゴム、シリコーン、又は他の好適な材料で構築され得る。ガスケットは、断熱容器内に収容された内容物又は液体の温度を維持するのに役立ち得る。本明細書に記載する任意の断熱容器と一緒に、様々な他のガスケットの実例を使用できる。
【0030】
いくつかの実例では、ガスケットは、ベント(例えば、蓋のロックを防止するベント)の必要性を低減又は排除し得る、戦略的に据え付けられた切り欠きを含み得る、これについては本明細書において以下で更に十分に検討する。いくつかの実例では、ガスケットは実質的に円形の断面を有する従来のガスケットであってもよい。他の実例では、ガスケットは、断熱容器の通気を助けるように構成された特定の断面を有し得る。いくつかの実例では、断面は、ガスケットのV形状の又は実質的にV形状の部分である。更に他の実例では、ガスケットはまた、蓋のロックを防止するために、断熱容器が閉じられ固定された構成にあるときに、内部空間を出入りする空気又は流体の受動的な通気を可能にする、少なくとも1つのウィープ・ホールも含み得る。他の実例では、ガスケットは複数のウィープ・ホールを含み得る。また更に他の実例では、ガスケットは、蓋が閉じられ固定された構成にあるときに、水密シールを提供するように構成されている。
【0031】
いくつかの実例では、蓋104は、ラッチング・デバイス120を使用して、閉じられた位置に固定又はロックされたままとなるように構成され得る。ラッチング・デバイス120は、ラッチ部とベース102上のキーパ部とを有するラッチ、及び様々な他のタイプのラッチを含む、様々なタイプのラッチであり得る。
【0032】
図1Aは閉じられ固定された位置にあるラッチング・デバイス120を示し、一方
図5Cは、蓋104が閉じられているが固定されていない構成にあるときの、固定されていない位置にあるラッチング・デバイス120を示す。固定された位置にあるとき、ラッチング・デバイス120は、蓋104が断熱容器100のベース102に当接するように位置付けられ、これにより容器を閉鎖、固定、及び/又は封止する。ラッチング・デバイス120を係脱するために、把持部又はラッチ下片124は
図6Aに示すように、容器100のベース102から離れる方に引っ張られる/裏返される。言い換えれば、ラッチ上片123は、ラッチ下片係合タブ125がラッチ・キーパ140から係脱するように伸長する。係合タブ125がラッチ・キーパ140を越えると、ラッチ120は容器から離れる方に弧を描いて上向きにスイングする。
図6A~
図6Cに示すように、ラッチ下片124をラッチ上片123に枢動可能に取り付け、固定することができる。ラッチ上片123を断熱容器100の蓋104に枢動可能に取り付け、固定することができる。
【0033】
同様に、容器100を閉じるために、ラッチ・デバイス120は容器100に向けて下向きの弧を描いて移動される。
図5Cに示すように、ラッチ上片123及びラッチ下片124の移動がラッチ・キーパ140に達すると、係合タブ125がベース102に向かって下向きに位置付けられるようにラッチ下片124が回転され、係合タブ125はキーパ140の底部にあるキーパ溝142内に設置される/位置付けられる。ラッチ下片124は次いで、ラッチ下片124及びラッチ上片123が設置及び固定されるまで、下向きに回転される/押される。設置及び固定された位置では、ラッチ上片123は伸長され張力がかかり、これにより蓋104に対する一定の下向きの力が維持されて、それを閉じられた構成で固定及び封止する。特定の実例では、ラッチ下片はラッチ上片よりも高い剛性を有し得る。いくつかの実例では、ラッチ上片はラッチ下片よりも高い剛性を有し得る。また更に他の実例では、係合タブは剛性材料で形成することができ、ラッチ下片はエラストマー材料で形成することができる。ラッチ下片及び係合タブは、共成形又は射出成形(例えば、複数材料射出成形)によって形成され得る。他の実例では、ラッチ下片の係合タブは剛性材料であり、ラッチ下片の残りの部分はエラストマー材料である。いくつかの実例では、ラッチ下片と係合タブは同じ材料で形成され得る。別の実例では、ラッチ上片及びラッチ下片は弾性を有さなくてもよく、並びに/又は、ラッチ上片及びラッチ下片は半剛性であってもよい。この実例では、ガスケットは圧縮されるように更に構成されて、係合タブがキーパの底部にあるキーパ溝内に設置され/位置付けられてその結果蓋を閉じられた構成で固定するように、ラッチ下片が回転されるのを可能にする。特定の実例では、ガスケットは、ラッチ下片係合タブをラッチ・キーパと係合させるために要求される必要なクリアランスを提供するための、弾性を有する構成要素として(すなわち、ラッチ上片又は下片の代わりとして)、更に構成され得る。設置及び固定された位置にあるとき、ラッチ上片及びラッチ下片は、ガスケットを圧縮する位置に蓋を維持する。ガスケットはこの結果、蓋に対して一定の力を維持して、蓋を閉じられた構成で固定し封止する。更に、設置された位置にあるとき、ラッチ120のラッチ上片123及びラッチ下片124は大部分がラッチ・スロット141内に落ち込んでおり、いくつかの実例では、ラッチ機構120はその表面を越えて延在又は突出しない。他の実例では、ラッチ・デバイス/機構120は、蓋104が閉じられた位置/構成で固定されるとき、実質的に矩形の形状となる。
【0034】
当業者に理解されるように、ラッチ上片123は、閉じられた/設置及び固定された位置にあるときに容器蓋104の閉じられた位置を維持するのに十分な力が残るような材料から作製され、そのようなサイズとされる。言い換えれば、閉じられた位置では、ラッチ上片123はその伸長していない位置/状態に完全には復帰していないので、それに対して特定の量の張力が維持される。いくつかの実例では、ラッチ上片123はエラストマー・ゴムであってもよく、ラッチ下片124は剛性プラスチック又は複合材料であってもよい。他の実例では、ラッチ上片123は剛性プラスチック又は複合材料であってもよく、ラッチ下片124はエラストマー・ゴムであってもよい。更に他の実例では、ラッチ上片123は、エラストマー・ゴム及び/又は剛性プラスチック若しくは複合材料の両方で構築され得る。また更に他の実例では、ラッチ下片124は、エラストマー・ゴム及び/又は剛性プラスチック若しくは複合材料の両方で構築され得る。特定の実例では、ラッチ上片123及び/又はラッチ下片の全部又は一部が、半剛性及び/又は半エラストマー材料で構築され得る。別の実例では、ラッチ上片123及びラッチ下片124の両方がエラストマー・ゴムである。また更に別の実例では、ラッチ上片123及びラッチ下片124の両方が、剛性プラスチック又は複合材料である。閉じられた位置では、ラッチ下片124の係合タブ125は、ラッチ・キーパ140の凹状の溝142内に受けられる。いくつかの実例では、係合タブ125は、凹状の溝142との最大限の接触が行われるようなサイズ及び形状となっており、これにより容易に維持できる閉鎖部が確保される。
【0035】
断熱容器100と一緒に使用され得るラッチング・デバイス120の1つの実例について、
図6A~
図6Cを参照して記載する。示され記載されているラッチング・デバイス120は使用され得るラッチの単なる1つの実例であり、本発明から逸脱することなく様々な他のタイプのラッチを使用できる。
【0036】
図6A~
図6Cは、蓋を閉じられた構成で固定するためのラッチング・デバイス120の実例の、前面図、斜視図、及び後面図である。ラッチング・デバイス120は、ラッチ上片123とラッチ下片124とを含む。ラッチ下片は、キーパ部140の底部に形成された溝又はスロット142に係合するように構成された、係合タブ125を更に含む。ラッチ下片は、係合タブ125の反対側に位置付けられている、指かけ部126を更に含み得る。他の実例では、指かけ部126は、断熱容器蓋104から離れる方に又は遠位へと外に延びていてもよい。
【0037】
本発明の一態様によれば、ラッチ上片123は、可撓性を有し、延伸可能で、復元力を有する、エラストマー製のワンピース成形された材料から作製されており、これは通常、容器100の蓋部104に枢動可能/ヒンジ式に取り付けられ、通常は容器100に一体成形される、凹んだ細長いラッチ・スロット145内に受けられる。いくつかの実例では、ラッチ・スロットは、蓋104及び下側部102の両方の一部として一体成形され得る。ラッチ上片123及びラッチ下片124はゴム状材料から単一ピース構造で成形され得るが、このことは当業者には理解されるであろう。ラッチ上片123及びラッチ下片124はまた、プラスチック材料又はある形状に形成若しくは成形できその場合に形成された形状を維持する別の好適な材料から、形成又は作製される材料で形成されてもよい。ラッチ上片123及びラッチ下片124は、ラッチ120が長い時間にわたってラッチ・キーパ140と係合/係脱する際に繰り返される応力のサイクルに耐えるのに十分な、構造のサイズ、厚さ、及び材料で作製され得る。
【0038】
図6A~
図6Cに更に描かれているように、ラッチ上片123は、基部300と、第1のアーム302と、第2のアーム304と、を含み得る。第1のアーム302及び第2のアーム304は、基部300に対して実質的に垂直であり得る。第1のアーム302は第2のアーム304と実質的に平行であり得る。ラッチ上片123は実質的に逆U字のような形状であり得る。他の実例では、ラッチ下片124は係合タブ125を含む。係合タブ125は、ラッチ上片の第1のアーム302及びラッチ上片の第2のアーム304内で/これらの間で、枢動可能に回転するように構成され得る。別の実例では、キーパ140は、
図1Aに示すように、ラッチ上片の第1のアーム302とラッチ上片の第2のアーム304の間で且つラッチ上片の基部300の下に位置し得る。
図1Aは更に、断熱容器蓋が閉じられ固定された構成にあるときに、キーパ140が、ラッチ上片の基部300、第1のアーム302、第2のアーム304、及びラッチ下片124と面一であり得ることを示す。
【0039】
図6B及び
図6Cは、ラッチ下片124をラッチ上片123に枢動可能に取り付け、ラッチ下片ピン122によってラッチ上片123に固定できることを示す。
図5Cに示すように、ラッチ上片123を蓋104に枢動可能に取り付け、ラッチ上片ピン121によって蓋104に固定できる。
【0040】
いくつかの実例では、ラッチ120は、指かけ部126がラッチ下片124からラッチ120の平面から逸れていく角度で延びるように構成されている。指かけ部126とラッチ下片124及びラッチ上片123との間の角度は、使用者が指かけ部126を把持するのに役立ち得るか又はそれを容易にし得る。この角度では、使用者は、ラッチ120をキーパ140から係脱するために、指かけ部126と断熱容器100のベース部102の側面との間に、自身の指を容易に滑り込ませることができる。更に、ラッチ上片123は弾性材料で作製されているので、指かけ部126は、容器の本体から延びている場合であっても、容易に外れたり破損したりしない。
【0041】
指かけ部126は通常、
図6Bに最もよく示されているように、使用者によって容易に把持又はアクセスされる形状に形成される。これによって限定されることは意図しておらず、指かけ部126についてはラッチ120を操作するための他の形状及び幾何学的構成が企図される。
【0042】
上で検討した実例と同様に、ラッチング機構又はデバイス120のもう1つの特徴であるラッチ・キーパ140は、ベース部102に一体成形され得る。ラッチ・キーパ140は、細長いキーパ・スロット141内に位置付けられ得る。既に検討したように、ラッチ・キーパは、キーパ140の底部に形成される溝又はスロット142を含み得る。凹状の溝142は通常、ラッチ下片124の係合タブ125を受けるように構成されている。他の実例では、ラッチ・キーパ140は実質的に正方形又は実質的に矩形の形状であり得る。同様に、細長いキーパ・スロット141は実質的に矩形の形状であってもよい。この特徴の組合せによって、強固で非常に確実な蓋ラッチング・システムが得られる。
【0043】
図7A~
図7Bは、内部空間412をより良好に示すように蓋を取り外した、断熱容器400の別の実例を示す。いくつかの実例では、少なくとも1つの圧力調節デバイス410が、ベース402の後側部分414に構成され得る。圧力調節デバイス410は、外気圧を用いて内部空間412の内圧を調節するように構成され得る。圧力調節デバイス410は、後側部分414に一体成形された孔(図示せず)内に、恒久的に固止されても取り外し可能に挿入されてもよい。特定の実例では、圧力調節デバイスは、内部後側部分414上及び内部空間412内に位置付けられた、ベント402を含み得る。いくつかの実例では、ベント402は、
図8A及び
図8Bに示すように、アンブレラ弁500を介した内部空間412からの空気の一方向の通過及び放出を可能にするように構成された、複数のアンブレラ弁ベント411を含み得る。圧力調節弁はまた、
図8Bに示すように、ベント・ガスケット406、アンブレラ弁ガスケット408、及びベント胴部404も含み得る。特定の実例では、ベント胴部404は、後側部分414に一体成形された実質的に円筒形形状の孔内での摩擦嵌め又はプレス嵌めを実現するように構成された、複数のリブを含み得る。また更に他の構成では、圧力調節デバイスは、接着剤、RF溶接、等によって、後側部分414に固定され得る。別の実例では、アンブレラ弁500は、胴部404の中に及びアンブレラ・ガスケット408を覆うように構成され得る。他の実例では、圧力調節デバイスはまた、胴部404内にダックビル弁504も含み得る。
【0044】
図8A、
図9A、及び
図9Bに示すように、圧力調節デバイス500は、アンブレラ弁500及びダックビル弁504を含み得る。ダックビル弁504及びアンブレラ弁500は、断熱容器400の内部空間412を出入りする空気の受動的な送達を可能にして、断熱容器400の内圧を大気圧によって調節し場合によっては平衡化するように構成され得る。1つの実例では、アンブレラ弁500は、アンブレラ弁ベント411を覆うシールを作り出すダイヤフラム形状の封止ディスク506を有する、エラストマー製の弁である。内部空間412内の圧力が所定のレベルに達すると、アンブレラ弁ベント411から凸状のダイヤフラム506を持ち上げて、一方向への(すなわち内部空間412から出る)空気の流れを可能にするのに適切な力に達する。ダイヤフラム506は更に、直接の反対方向への空気の逆流を防止するように構成される。圧力調節デバイスはこの結果、例えば、大気圧が下がった(例えば、山に登る又は乗り物で丘を上がる)ときに、断熱容器内の圧力を下げる。また更に他の実例では、圧力調節デバイス410はダックビル弁504も含み得る。ダックビル弁504は、内部空間412の内圧が大気圧よりも小さいときに断熱容器400の外部から内部空間412内への空気の通過を可能にするように構成された、チャネル502を含む。別の実例では、ダックビル弁504は、チャネル502を含むワンピースのエラストマー製構成要素であり得る。弁504は、内部空間412から流体が逆流して出るのを防止するように構成され、大気圧が断熱容器400の内圧よりも高くなる(例えば、山から下りる又は丘を乗り物で下る)ときに、内部空間412内への空気の流れを可能にするように構成された、実質的にカモノハシの口に似た形状のエラストマー製リップ508を含むことができる。
【0045】
追加として又は別法として、本発明から逸脱することなく、様々な他の通気又は圧力調節構成を使用できる。例えば、ベースの一部は、空気は出入り可能だが水又は他の液体の浸入は許さない材料を含み得る。このメッシュ材料によって、断熱容器内に収容されている液体を漏出させることなく、通気が可能になり得る。
【0046】
本明細書に記載する断熱容器は、断熱容器の容易且つ効率的な製造を保証し、同時に耐久性及び摩耗耐性を実現する、様々な特徴を含む。断熱容器と、側部ポケット取手、圧力調節機構又はデバイス、ラッチ・デバイス、等といった様々な一体成形された特徴とは、耐久性及び摩耗耐性を改善するのに有利であり得る。
【0047】
本開示は、上記及び添付の図面において様々な実例を参照して開示されている。しかしながら、本開示が果たす目的は、本発明の範囲を限定することではなく、本開示に関連する様々な特徴及び概念の実例を提供することである。上記した実例に対して、本開示の範囲を逸脱することなく多数の変形及び変更を行い得ることを、当業者は認識するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱容器であって、
ベースであって、
複数の面を有する側壁構造と、
前記側壁構造の前記複数の面の各面の第1の端部に接続されている底部であって、前記断熱容器をある表面上に支持するように構成されている、底部と、を含み、
前記側壁構造の前記複数の面は、前記側壁構造の前記複数の面の各面の前記第1の端部の反対側の第2の端部に開口部を画定しており、前記開口部は、前記側壁構造及び前記底部によって形成される前記断熱容器の内部空間へのアクセスを可能にするように構成されており、ガスケットが、蓋が閉じられた位置にあるときに前記開口部を封止するように構成されており、前記ベースは更に、
前記蓋が閉じられた位置にあるときに前記蓋を固定するように構成されている少なくとも1つのラッチ・デバイスであって、前記ガスケットは前記ラッチ・デバイスが前記蓋を固定するときに水密シールを提供するように更に構成されており、前記ラッチ・デバイスは、
前記蓋に枢動可能に取り付けられているラッチ上片と、前記ラッチ上片に枢動可能に取り付けられているラッチ下片と、を更に含み、
前記ラッチ下片は係合タブを更に含み、
前記係合タブは前記蓋が前記閉じられた位置に固定されるときにキーパに係合するように構成されており、
前記キーパは前記断熱容器の下側部の前面上に位置付けられており、
前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片は閉じられた位置にあるときに前記蓋にある及び前記断熱容器の前記下側部にある凹部内に維持される、少なくとも1つのラッチ・デバイス、を含む、ベース、を備える、断熱容器。
【請求項2】
前記ラッチ・デバイスは前記蓋が前記閉じられた位置に固定されるときに実質的に矩形の形状となる、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項3】
前記ラッチ下片は剛性材料及びエラストマー材料を含み、前記ラッチ下片は前記ラッチ上片よりも高い剛性を有する、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項4】
前記キーパは、前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置で固定するとき前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片と面一である、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項5】
前記ラッチ・デバイスは、前記ラッチ上片を前記蓋に枢動可能に固定するように構成されているラッチ上片ピンと、前記ラッチ上片に前記ラッチ下片を枢動可能に固定するように構成されているラッチ下片ピンと、を更に含む、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項6】
前記ラッチ上片は基部と第1のアームと第2のアームとを更に含み、前記第1のアーム及び前記第2のアームは前記基部に対して実質的に垂直であり、前記第1のアーム及び前記第2のアームは互いに実質的に平行であり、前記ラッチ上片の前部は実質的に逆U字形状である、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項7】
前記ラッチ下片係合タブは、前記ラッチ下片が前記ラッチ上片に枢動可能に固定されるとき、前記ラッチ上片の前記第1のアームと前記第2のアームの間に位置する、請求項
6に記載の断熱容器。
【請求項8】
前記ラッチ下片の前記係合タブは前記ラッチ下片の残りの部分よりも高い剛性を有する、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項9】
前記ガスケットは少なくとも1つのウィープ・ホールを更に含み、前記ガスケットは、前記蓋が前記閉じられた位置にあるときに、前記内部空間と大気の間の圧力の調節を受動的に実現するように構成されている、請求項1に記載の断熱容器。
【請求項10】
断熱容器の蓋を固定するためのラッチ・デバイスであって、
ラッチ上片であって、前記ラッチ上片はラッチ上片ピンによって断熱容器蓋に枢動可能に固定されており、前記ラッチ上片はエラストマー材料である、ラッチ上片と、
ラッチ下片であって、前記ラッチ下片はラッチ下片ピンによって前記ラッチ上片に枢動可能に固定されており、前記ラッチ下片は前記ラッチ上片よりも高い剛性を有する、ラッチ下片と、を備え、
前記ラッチ下片は係合タブを更に含み、
前記係合タブは前記蓋が閉じられた位置に固定されるときに断熱容器キーパに係合するように構成されており、
前記キーパは前記断熱容器の下側部の前面上に位置付けられており、
前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片は閉じられた位置にあるときに前記蓋及び前記下側部によって画定される凹部内に維持される、ラッチ・デバイス。
【請求項11】
前記ラッチ・デバイスは前記蓋が前記閉じられた位置に固定されるときに実質的に矩形の形状となる、請求項
10に記載のラッチ・デバイス。
【請求項12】
前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置に固定するとき、閉じられた位置にあるときの前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片は凹部内に維持され、前記断熱容器蓋の前面と面一であり、且つ前記断熱容器の下側部の前面と面一であり、前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置に固定するとき、前記断熱容器キーパは前記ラッチ上片及び前記ラッチ下片と面一である、請求項
11に記載のラッチ・デバイス。
【請求項13】
前記ラッチ下片の前記係合タブは剛性材料であり、前記ラッチ下片の残りの部分はエラストマー材料である、請求項
11に記載のラッチ・デバイス。
【請求項14】
前記ラッチ上片は基部と第1のアームと第2のアームとを更に含み、前記第1のアーム及び前記第2のアームは前記基部に対して実質的に垂直であり、前記第1のアーム及び前記第2のアームは互いに実質的に平行であり、前記ラッチ上片は実質的に逆U字形状である、請求項
10に記載のラッチ・デバイス。
【請求項15】
前記ラッチ下片係合タブは、前記ラッチ下片が前記ラッチ上片に枢動可能に固定されるとき、前記ラッチ上片の前記第1のアームと前記第2のアームの間に位置する、請求項
13に記載のラッチ・デバイス。
【請求項16】
前記ラッチ下片は、前記係合タブの反対側に前記断熱容器蓋から遠位に位置付けられている指かけ部を更に含む、請求項
14に記載のラッチ・デバイス。
【請求項17】
前記キーパは前記キーパの下側に構成されている溝を更に含み、前記ラッチ下片係合タブは、前記ラッチ・デバイスによって前記蓋が閉じられた位置で固定されるときに前記溝に係合するように構成されている、請求項
10に記載のラッチ・デバイス。
【請求項18】
前記ラッチ・デバイスが前記蓋を閉じられた位置に固定するとき前記ラッチ上片には張力がかけられる、請求項
10に記載のラッチ・デバイス。
【請求項19】
断熱容器であって、
ベースであって、
複数の面を有する側壁構造と、
前記側壁構造の前記複数の面の各面の第1の端部に接続されている底部であって、前記断熱容器をある表面上に支持するように構成されている、底部と、
前記側壁構造の前記複数の面の各面の前記第1の端部の反対側の、前記側壁構造の前記複数の面の各面の第2の端部に形成されている開口部であって、前記側壁構造及び前記底部によって形成される前記断熱容器の内部空間へのアクセスを可能にするように構成されている、開口部と、を含み、ガスケットが、蓋が閉じられ固定された位置にあるときに水密シールを提供するように構成されており、前記ベースは更に、
前記蓋が閉じられた位置にあるとき前記蓋を固定するように構成されている少なくとも2つのラッチ・デバイスであって、
ラッチ上片であって、前記ラッチ上片は前記蓋に枢動可能に取り付けられており、前記ラッチ上片の前部は実質的に逆U字形状である、ラッチ上片、及び
前記ラッチ上片に枢動可能に取り付けられているラッチ下片を更に含み、
前記ラッチ下片は係合タブを更に含み、
前記係合タブはキーパに係合するように構成されており、
前記キーパは前記断熱容器の下側部の前面上に位置付けられている、少なくとも2つのラッチ・デバイス、を含む、ベース、を備える、断熱容器。
【国際調査報告】