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特表2022-511557振動検出および分析用組み込みシステム
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  • 特表-振動検出および分析用組み込みシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】振動検出および分析用組み込みシステム
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20220124BHJP
   G01P 15/00 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
G01P15/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021532318
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 US2019064821
(87)【国際公開番号】W WO2020118130
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】16/213,530
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505194077
【氏名又は名称】アイティーティー マニュファクチャーリング エンタープライジズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マッキンタイア、スティーブン・エー.
(72)【発明者】
【氏名】マトゥセック、ロバート・ディー.
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064CC29
2G064CC43
(57)【要約】
センサーデバイスは、センサーデータを、コンピューター装置によって処理されるスペクトルデータに変換し得る。一実施例では、センサーデバイスは、振動によって引き起こされる加速力を検出し得る。センサーデバイスは、加速力をセンサーデータに変換し得る。センサーデバイスは、センサーデータをスペクトルデータに変換し得る。センサーデバイスは、スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行し得る。センサーデバイスは、スペクトル分析の結果をパケットのペイロードとして含むパケットを生成し得る。パケットのフォーマットは、センサーデバイスとコンピューター装置との間の通信リンクのプロトコルに基づいてもよい。センサーデバイスは、通信リンクを介してコンピューター装置にパケットを送信し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーデータを、コンピューター装置によって処理される周波数スペクトルデータに変換する方法であって、
センサーデバイスによって、振動によって引き起こされる加速力を検出することと、
前記センサーデバイスによって、前記加速力を時間領域で表されるセンサーデータに変換することと、
前記センサーデバイスによって、前記センサーデータを、周波数領域で表されるスペクトルデータに変換することと、
前記センサーデバイスによって、前記スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行することと、
前記センサーデバイスによって、前記スペクトル分析の結果をパケットのペイロードとして含むパケットを生成することであって、前記パケットのフォーマットが、前記センサーデバイスと前記コンピューター装置との間の通信リンクのプロトコルに基づく、生成することと、
前記センサーデバイスによって、前記通信リンクを介して前記パケットを前記コンピューター装置に送信することとを含む、方法。
【請求項2】
前記通信リンクが、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサーデータを前記スペクトルデータに変換することが、
前記センサーデバイスによって、前記センサーデータをサンプリング速度でサンプリングして、サンプリングされたデータを生成することと、
前記サンプリングされたデータを前記スペクトルデータに変換することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記センサーデバイスによって、前記センサーデータを異なるサンプリング速度でサンプリングすることによって、前記スペクトルデータの周波数分解能を調整することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記センサーデバイスによって、一つまたは複数のアプリケーションパラメーターを受信することをさらに含み、前記サンプリング速度が、前記受信したパラメーターに基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記センサーデバイスによって、一つまたは複数のアプリケーションパラメーターを受信することと、
前記センサーデバイスによって、前記スペクトルデータを、前記一つまたは複数のアプリケーションパラメーターに基づいて、一つまたは複数のセクションに分割することと、
前記センサーデバイスによって、一つまたは複数のパケットを生成することであって、各パケットが前記スペクトルデータのセクションをペイロードとして含む、生成することと、
前記センサーデバイスによって、前記一つまたは複数のパケットを前記通信リンクを介して前記コンピューター装置に送信することとをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
コンピューター装置と、
前記コンピューター装置と通信するように構成されるセンサーデバイスと、
前記コンピューター装置と前記センサーデバイスとの間の通信リンクとを含み、
前記センサーデバイスが、
振動によって引き起こされる加速力を検出し、
前記加速力を、時間領域で表されるセンサーデータに変換し、
前記センサーデータを、周波数領域で表されるスペクトルデータに変換し、
前記スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行し、
パケットのフォーマットが前記通信リンクのプロトコルに基づくように、前記スペクトル分析の結果を前記パケットのペイロードとして含む前記パケットを生成し、
前記パケットを前記通信リンクを介して前記コンピューター装置に送信するように構成される、システム。
【請求項8】
前記通信リンクがコントローラーエリアネットワーク(CAN)バスである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記通信リンクを介して前記コンピューター装置と通信するように構成される複数のセンサーデバイスをさらに含み、前記センサーデバイスが、前記複数のセンサーデバイスのうちの一つであり、前記複数のセンサーデバイスが、前記コンピューター装置を含む機械の一つまたは複数の位置に位置する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピューター装置が、
前記スペクトル分析が一つまたは複数のアプリケーションパラメーターに基づくように、アプリケーションに関連付けられる前記一つまたは複数のアプリケーションパラメーターを前記センサーデバイスに送信し、
前記スペクトル分析の前記結果をペイロードとして含む前記パケットを受信し、
前記スペクトル分析の前記結果を前記パケットの前記ペイロードから読み取り、
前記スペクトル分析の前記結果を用いて機械を操作するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記センサーデバイスが、
前記センサーデータをサンプリング速度でサンプリングして、サンプルデータを生成し、
前記サンプリングされたデータを、前記スペクトルデータに変換するようにさらに構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサーデバイスが、前記センサーデータを異なるサンプリング速度でサンプリングして、前記スペクトルデータの周波数分解能を調整するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記センサーデバイスが、一つまたは複数のアプリケーションパラメーターを受信するようにさらに構成され、前記サンプリング速度が、前記受信したパラメーターに基づく、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記センサーデバイスが、
一つまたは複数のアプリケーションパラメーターを受信し、
前記スペクトルデータを、一つまたは複数のアプリケーションパラメーターに基づいて、一つまたは複数のセクションに分割し、
各パケットが前記スペクトルデータのセクションをペイロードとして含むように、一つまたは複数のパケットを生成し、
前記一つまたは複数のパケットを前記通信リンクを介して前記コンピューター装置に送信するようにさらに構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピューター装置が、
前記一つまたは複数のセクションを含む前記一つまたは複数のパケットを受信し、
前記スペクトルデータの中で最大の振幅を有する周波数ビンに対応する周波数を識別し、
前記識別された周波数に基づいて、調整された質量ダンパーを動作させるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
加速度計と、
メモリーデバイスと、
前記加速度計および前記メモリーデバイスと通信するように構成されるプロセッサーとを含み、
前記加速度計が、
振動によって引き起こされる加速力を検出し、
前記振動の前記加速力を、時間領域で表されるセンサーデータに変換し、
前記センサーデータを前記プロセッサーに送信するように構成され、
前記プロセッサーが、
前記センサーデータを、周波数領域で表されるスペクトルデータに変換し、
前記スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行し、
パケットのフォーマットが、デバイスとコンピューター装置との間の通信リンクのプロトコルに基づくように、前記スペクトル分析の結果を前記パケットのペイロードとして含むパケットを生成し、
前記パケットを前記通信リンクを介して前記コンピューター装置に送信するように構成される、デバイス。
【請求項17】
前記プロセッサーが、
前記センサーデータをサンプリング速度でサンプリングして、サンプリングされたデータを生成し、
前記サンプリングされたデータを、前記スペクトルデータに変換するようにさらに構成される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記プロセッサーが、異なるサンプリング速度で前記センサーデータをサンプリングして、前記スペクトルデータの周波数分解能を調整するようにさらに構成される、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記プロセッサーが、一つまたは複数のアプリケーションパラメーターを受信するようにさらに構成され、前記サンプリング速度が、前記受信したパラメーターに基づく、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記プロセッサーが、
一つまたは複数のアプリケーションパラメーターを受信し、
前記スペクトルデータを、一つまたは複数のアプリケーションパラメーターに基づいて、一つまたは複数のセクションに分割し、
各パケットが前記スペクトルデータのセクションをペイロードとして含むように、一つまたは複数のパケットを生成し、
前記一つまたは複数のパケットを前記通信リンクを介して前記コンピューター装置に送信するようにさらに構成される、請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に別段の示唆がない限り、本節に記載される材料は、本出願における特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本節に包含することによって先行技術であるとは認められない。
【0002】
一実施例では、加速度計などのセンサーは、振動によって引き起こされる加速力を示す生データを検出および収集し得る。収集された生データは、電気信号に変換され得る。分析は、経時的な振動の変化を分析するために、電気信号の時間領域表現で行われてもよい。分析はまた、振動の異なる周波数を分析するために、電気信号の周波数領域表現で行われてもよい。時間領域内および周波数領域内の電気信号について分析を実施するために、一つまたは複数のデバイスを採用し得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施例では、センサーデータを、コンピューター装置によって処理される周波数スペクトルデータに変換する方法が一般に記述される。方法は、センサーデバイスによって、振動によって引き起こされる加速力を検出することを含み得る。方法は、センサーデバイスによって、加速力を時間領域で表されるセンサーデータに変換することをさらに含み得る。方法は、センサーデバイスによって、センサーデータを、周波数領域で表されるスペクトルデータに変換することをさらに含み得る。方法は、センサーデバイスによって、スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行することをさらに含み得る。方法は、センサーデバイスによって、スペクトル分析の結果をパケットのペイロードとして含むパケットを生成することをさらに含み得る。パケットのフォーマットは、センサーデバイスとコンピューター装置との間の通信リンクのプロトコルに基づいてもよい。方法はさらに、通信リンクを介して、センサーデバイスによって、パケットをコンピューター装置に送信することを含み得る。
【0004】
いくつかの実施例では、センサーデータを、コンピューター装置によって処理される周波数スペクトルデータに変換するのに有効なシステムが一般に記述される。システムは、コンピューター装置、センサーデバイス、およびコンピューター装置とセンサーデバイスとの間の通信リンクを含み得る。センサーデバイスは、コンピューター装置と通信するように構成され得る。センサーデバイスは、振動によって引き起こされる加速力を検出するように構成され得る。センサーデバイスは、加速力を時間領域で表されるセンサーデータに変換するようにさらに構成され得る。センサーデバイスは、センサーデータを、周波数領域で表されるスペクトルデータに変換するようにさらに構成され得る。センサーデバイスは、スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行するようにさらに構成され得る。センサーデバイスは、スペクトル分析の結果をパケットのペイロードとして含むパケットを生成するようにさらに構成され得る。パケットのフォーマットは、通信リンクのプロトコルに基づいてもよい。センサーデバイスは、通信リンクを介してパケットをコンピューター装置に送信するようにさらに構成され得る。
【0005】
いくつかの実施例では、センサーデータを、コンピューター装置によって処理される周波数スペクトルデータに変換するように構成されるデバイスが一般に記述される。デバイスは、加速度計、メモリーデバイス、およびプロセッサーを含み得る。プロセッサーは、加速度計およびメモリーデバイスと通信するように構成され得る。加速度計は、振動によって引き起こされる加速力を検出するように構成され得る。加速度計は、振動の加速力を時間領域で表されるセンサーデータに変換するようにさらに構成され得る。加速度計は、センサーデータをプロセッサーに送信するようにさらに構成され得る。プロセッサーは、センサーデータを、周波数領域で表されるスペクトルデータに変換するように構成され得る。プロセッサーは、スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行するようにさらに構成され得る。プロセッサーは、スペクトル分析の結果をパケットのペイロードとして含むパケットを生成するようにさらに構成され得る。パケットのフォーマットは、デバイスとコンピューター装置との間の通信リンクのプロトコルに基づいてもよい。プロセッサーは、シリアルポートおよび通信リンクを介して、パケットをコンピューター装置に送信するようにさらに構成され得る。
【0006】
概要は例示のみであり、限定することは意図されていない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになる。図面では、同様の参照番号は、同一または機能的に類似した要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態における、振動検出および分析のための組み込みシステムを実装し得る例示的なシステムを示す。
図2図2は、一実施形態における、図1の例示的なシステムの実施例を示す。
図3図3は、一実施形態における、振動検出および分析のための組み込みシステムを実施するプロセスに関するフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本出願のさまざまな実施形態の理解を提供するために、特定の構造、構成要素、材料、寸法、処理ステップおよび技術など、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、本出願のさまざまな実施形態が、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解するであろう。他の例では、周知の構造または処理ステップは、本出願を遮蔽することを避けるために詳細に記載されていない。
【0009】
一実施例では、一つまたは複数のセンサーによって収集された生データ(例えば、センサー測定値)の分析は、一つまたは複数の異なる装置によって行われてもよい。生データに対する分析を行うために異なるデバイスを採用することによって、分析の作業負荷は、異なるデバイスに分散され得る。作業負荷の分布は、異なるデバイスが特定のコンピューター装置に代わって分析を行うことを可能にし得る。いくつかの実施例では、作業負荷の分布によって、異なるデバイスが、分析を実施するための特定の機能または構成要素を欠く場合がある特定のコンピューター装置の代わりに分析を行うことが許容され得る。さらに、特定のコンピューター装置に代わって分析を行うために異なるデバイスを使用することによって、特定のコンピューター装置を変更する必要性を低減することができる。
【0010】
以下でより詳細に説明するように、本開示によるシステム100は、一つまたは複数のセンサーによって収集された生データの分析を行うように構成される一つまたは複数のセンサーデバイスを含み得る。本開示によるセンサーデバイスは、解析結果を機械(例えば、航空機、回転翼航空機、および/または他のタイプの機械)のコンピューターシステムまたはデバイスに送信し得る。従って、システム100は、機械のコンピューターシステムの代わりに生データの分析を実行し得るセンサーデバイスのネットワークを提供する。例えば、システム100のセンサーデバイスは、振動に関連する生データに対して高速フーリエ変換(FFT)分析を実施することができ、FFT分析の結果は振動をプロファイリングし得る。センサーデバイスは、FFT分析の結果を、機械のコンピューターシステムに送信してもよく、その結果は、機械を動作させるために、機械のコンピューターシステムによって使用され得る。
【0011】
図1は、本明細書に提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置される、振動検出および分析のための組み込みシステムを実装し得る、例示的なシステムを示す。システム100は、機械101上に実装されてもよく、機械101は、航空機、回転翼航空機、またはコンピューター装置105を含む機械であり得る。一実施例では、コンピューター装置105は、旧式とみなされ得るレガシーデバイスであってもよく、または処理能力、速度、メモリー容量、計算機能、および/または他の能力などの特定の能力が欠落し得る。一実施例では、コンピューター装置105は、回転翼航空機(例えば、機械101)のマスター制御ユニット(MCU)であり得る。システム100は、コンピューター装置105およびセンサーデバイス110、111、112などの一つまたは複数のセンサーデバイスを含み得る。センサーデバイス110、111、112は、通信リンク109などの通信接続または通信リンクを介して、コンピューター装置105と通信するように構成され得る。センサーデバイス110、111、112はそれぞれ、同じプリント回路基板上に埋め込まれた感知および処理コンポーネントを含む、個々の組み込みシステムであり得る。感知コンポーネントのいくつかの実施例は、加速度計などの動作および/または振動を検出するよう動作可能なセンサーを含み得る。処理コンポーネントのいくつかの実施例は、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラー、および/または他のタイプの処理コンポーネントまたは要素を含み得る。通信リンク109は、標準化された通信接続、リンクまたはバス(例えば、特定のフォーマットのパケットを送信するために使用され得る通信バス)であり得る。例えば、通信リンク109のプロトコルは、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バス、イーサネット(登録商標)、RS-232、またはRS-485バス、および/または他の標準化されたシリアル通信バスなどの、業界標準の通信プロトコルであり得る。センサーデバイス110、111、112は、機械101の異なる位置に位置し得る。例えば、機械101が回転翼航空機である場合、センサーデバイス110、111、112、および/または追加のセンサーデバイスは、例えば、パイロットの座席に近接して、コックピット内、エンジンに近接して、回転翼航空機の尾部に沿って、尾部ローターに近接して、および/または回転翼航空機上の他の位置に位置し得る。
【0012】
センサーデバイス110、111、112の各センサーは、類似の構成要素を含み得る。センサーデバイス110を実施例として使用することで、センサーデバイス110は、プロセッサー120、メモリー122、加速度計130、および/またはシリアルポート150を含んでもよく、プロセッサー120はマイクロプロセッサーであり得る。メモリー122は、命令124の集合を保存するように構成されてもよく、命令124は、実行可能コードを含む実行可能命令の集合であり得る。命令124は、プロセッサー120によって実行され得る。命令124は、離散時間フーリエ変換(DTFT)、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズム、大きさおよび位相スペクトル分析技術、フィルターリングまたはウィンドウイング技術、および/または時間領域解析および/または周波数領域解析に関連する他のアルゴリズムおよび技術などの振動解析と関連付けられ得る。シリアルポート150は、センサーデバイス110に、またはセンサーデバイス110から、シリアル(例えば、一度に1ビットずつ)でデータを送信するのに有効なシリアル通信インターフェイスであり得る。メモリー122は、通信リンク109を使用して送信され得るパケットのフォーマットを含む、通信リンク109のシリアルバス通信プロトコルを記憶するようにさらに構成され得る。加速度計130は、機械101または機械101の一部によって経験される振動によって引き起こされる加速力を検出するように構成される装置であり得る。いくつかの実施例では、加速度計130は、機械101の動作中に機械101によって経験される振動など、振動によって生じた加速力をリアルタイムで検出するように構成され得る。いくつかの実施例では、センサーデバイス110は、シリアルポート150を通した電力伝送およびシリアル通信を容易にするコネクターに接続されたピグテールハーネスを有する取り付け可能筐体に収容され得る。いくつかの実施例では、センサーデバイス110は、さまざまな交流(AC)または直流(DC)入力電力信号を受けいれるように構成される制御器をさらに含み得る。
【0013】
一実施例では、機械101は、振動106を経験してもよく、振動106は、機械101に、三次元デカルト座標系(例えば、x、y、z方向)の方向など、一つまたは複数の方向における加速力を経験させ得る。いくつかの実施例では、加速度計130は、三方向(例えば、x、y、z方向)の加速力を検出するように構成される三軸加速度計であり得る。一実施例では、加速度計130は、振動マスを有するカンチレバービームなどの構成要素を含む、マイクロ電気機械システム(MEMS)であり得る。加速度計130は、加速力によって引き起こされる加速度計の構成要素の動きを検出することによって、振動106によって引き起こされる加速力を検出するように構成され得る。加速度計130は、検出された加速力または検出された動きを、センサーデータ132として表される電気信号に変換してもよく、センサーデータ132は、時間領域で表されるデータ(例えば、ある範囲にわたる信号の大きさ)を含み得る。加速度計130は、センサーデータ132をプロセッサー120に送信し得る。
【0014】
プロセッサー120は、センサーデータ132を受信してもよく、命令124の中でFFTアルゴリズムを実行して、センサーデータ132をスペクトルデータ134に変換してもよく、スペクトルデータ134は、周波数領域内にデータを含み得る。例えば、センサーデータ132は、ある時間の範囲にわたって振動106の信号の大きさを表すデータを含んでもよく、センサーデータ132から変換されたスペクトルデータ134は、ある周波数の範囲にわたって振動106の信号の大きさを表すデータを含んでもよい。いくつかの実施例では、プロセッサー120はまた、FFTアルゴリズムを実行して、センサーデータ132を、振動の方向106を示し得る相スペクトルなど、振動106の他の特性を表すスペクトルデータに変換し得る。
【0015】
実施例では、プロセッサー120は、一つまたは複数のサンプリング速度でセンサーデータ132をサンプリングし、サンプリングされたセンサーデータ132をスペクトルデータ134に変換し、スペクトルデータ134に対してスペクトル分析(例えば、周波数領域の分析)を実施するように構成され得る。プロセッサー120は、最大振動の大きさ106が発生する周波数、振動の相106、および/または振動106の他の属性など、スペクトルデータ134に対するスペクトル分析に基づいて、振動106の一つまたは複数の属性を識別し得る。プロセッサー120は、通信リンク109のシリアル通信プロトコルに特有の形式で、パケット142などの一つまたは複数のパケットを生成するように構成され得る。例えば、プロセッサー120は、通信リンク109がCANバスである場合、CANバスのプロトコルに基づいた形式でパケット142を生成し得る。
【0016】
プロセッサー120は、スペクトル分析の結果(例えば、振動106の最大の大きさ位相に対応する識別された周波数)を、パケット142のペイロードに挿入し得る。プロセッサー120は、シリアルポート150および通信リンク109を通して、パケット142をコンピューター装置105に送信し得る。コンピューター装置105は、パケット142を受信してもよく、パケット142からスペクトル分析の結果(ペイロード)を読み取ることができる。コンピューター装置105は、スペクトル分析の結果を使用して、機械101を操作することができる。例えば、コンピューター装置105は、機械101によって経験される振動106に対抗するために、スペクトル分析の結果に基づいて、機械101のさまざまな減衰構成要素を制御し得る(以下にさらに説明される)。
【0017】
図2は、本明細書に提示される少なくともいくつかの実施形態による、図1のシステム100の実施例を示す。図2は、明確にするために再び説明されない、図1の構成要素と同一に標識された構成要素を含み得る。図2の記述は、図1の構成要素の少なくとも一部を参照し得る。
【0018】
図2に示す例では、センサーデータ132の生成は、それぞれx方向、y方向、およびz方向の振動106によって引き起こされる加速力に対応する、センサーデータ202、204、206の生成を含み得る。センサーデータ202、204、206はそれぞれ、連続時間信号を含み得る。プロセッサー120は、一つまたは複数の異なるサンプリング速度を使用して、センサーデータ202、204、206をサンプリングするように構成され得る。実施例としてセンサーデータ206に焦点を当てると、プロセッサー120は、サンプリング速度Sでセンサーデータ206をサンプリングして、サンプリングされたデータ208を生成してもよく、サンプリング速度Sでセンサーデータ206をサンプリングして、サンプリングされたデータ209を生成し得る。プロセッサー120は、(命令124のうちの)FFTアルゴリズムを実行して、サンプリングされたデータ208、209をそれぞれスペクトルデータ220、222に変換し得る。スペクトルデータ220、222はそれぞれ、周波数の範囲にわたる振動106の加速力の大きさに対応し得る。各スペクトルデータ(例えば、スペクトルデータ220、222)は、一つまたは複数の周波数ビン(またはビン)を含んでもよく、各ビンは、スペクトルデータ内の周波数の範囲に対応し得る。スペクトルデータ220、222の中のビンは、等しい幅(例えば、周波数の数である幅)であり得る。プロセッサー120は、スペクトルデータ220、222に対してスペクトル分析を実行するように構成され得る。
【0019】
各サンプリングされたデータ208、209は、それぞれサンプリング速度S、Sで、センサー106からサンプリングされた点の数を含み得る。サンプリング速度が異なると、異なる時間間隔でプロセッサー120のサンプリングセンサーデータ206がもたらされ、サンプリングされたデータの各ピースに対して異なる数の点が生成され得る。センサーデータ206がサンプリングされる時間間隔は、対応するスペクトルデータの一ピースの周波数間隔、または周波数ビンの幅に対応し得る。例えば、スペクトルデータ220、222はそれぞれ、0ヘルツ(Hz)~1024Hzなどの周波数の範囲に対応し得る。図2に示す例では、サンプリング速度Sは、サンプリング速度Sよりも大きい場合がありその結果、サンプリングされたデータ208は、サンプリングされたデータ209よりも多くの点を含み得る。さらに、サンプリング速度Sがサンプリング速度Sよりも大きいため、サンプリングされたデータ208内の点間の時間間隔は、サンプリングされたデータ209内の点間の時間間隔よりも短くてもよい。さらに、サンプリング速度Sがサンプリング速度Sよりも大きいため、スペクトルデータ222間の各ビンの幅は、スペクトルデータ220間の各ビンの幅より大きくてもよい。例えば、Sは4096Hzであってもよく、Sは8192Hzであり得る。FFTサイズ(例えば、所望の周波数ビンの数)が1024である場合、スペクトルデータ220間の各ビンの幅は4Hz(4096Hz/1024)であり、スペクトルデータ222間の各ビンの幅は8Hz(8192Hz/1024)である。
【0020】
従って、プロセッサー120は、FFTの適用から生じるスペクトルデータの周波数分解能を調整し得る。いくつかの実施例では、センサーデータ206をサンプリングするためにプロセッサー120によって使用されるサンプリング速度は、異なるアプリケーションに関連付けられる周波数スペクトルウィンドウおよびビン解像度に基づくなど、アプリケーション固有であり得る。実施例では、サンプリング速度は、スペクトル分析で監視される周波数スペクトルウィンドウ(例えば、周波数の範囲)を画定する。従って、比較的低いサンプリング速度は、監視される周波数の範囲を制限し得るが、ビン解像度も増加し得る。例えば、プロセッサー120が、固定FFTサイズ(例えば、所望のビンの数)で、SおよびSを使用してセンサーデータ206をサンプリングする場合、スペクトルデータ220の周波数範囲は、スペクトルデータ222の周波数範囲の半分であり得る。いくつかの実施例では、比較的低いサンプリング速度を使用することは、より長い期間にわたってセンサーデータ206をサンプリングすることをもたらし、プロセッサー120が、センサーデータ206のスペクトルデータへの変換を完了するための応答時間を減少させ得る。例えば、プロセッサー120によって分析される時間または周波数の範囲が固定される場合、プロセッサー120は、サンプリングされたデータ209の(より多くの点を含むサンプリングされたデータ208による)スペクトルデータ222への変換と比較して、サンプリングされたデータ208をスペクトルデータ220に変換するのにより多くの時間を使用する必要があり得る。実施例では、機械101の振動減衰構成要素は、20hz~30hzなどの比較的低い周波数範囲における振動の減衰に焦点を当てるように実装され得る。従って、プロセッサー120は、周波数範囲20hz~30hzのビン解像度を改善するために、比較的低い速度でセンサーデータ206をサンプリングし得る。さらに、FFTサイズは、周波数スペクトルウィンドウによって画定される周波数の範囲に影響を与え得る。
【0021】
図2に示す例では、スペクトルデータ220間のビンの幅は、スペクトルデータ222間のビンの幅よりも小さい。スペクトルデータ220とスペクトルデータ222との周波数分解能の間の差は、スペクトルデータ220のセクション220xおよびスペクトルデータ222のセクション222xによって示され得る。セクション220xは、スペクトルデータ220中の周波数F-w、F、F+wの振動106の大きさを表す三つのビン(ビン221a、221b、221c)の存在を含み、ここで、wは、スペクトルデータ220中のビンの幅である。セクション222xは、スペクトルデータ222の周波数F、F+wの振動106の大きさを表す二つのビン(ビン224a、221b)をそれぞれ含み、ここで、wは、スペクトルデータ222のビンの幅である。従って、スペクトルデータ220は、スペクトルデータ222よりも高い周波数分解能を有し、(固定FFTサイズで)サンプリング速度を減少させることで、周波数分解能を増加させ得る。別の実施例では、サンプリング速度が固定される場合、FFTサイズの増加は、周波数分解能を増加させることになる。
【0022】
実施例では、プロセッサー120は、周波数F-wに対応するビン225の振幅(大きさ)とビン224aの振幅との間の差が、メモリー122に画定され、記憶され得る閾値よりも大きいことをさらに決定し得る。ビン225とビン224aとの間の差が閾値よりも大きい場合、周波数漏れの存在の含意がある。プロセッサー120は、差が閾値よりも大きいことに応答して、Sなどのより低いサンプリング速度でセンサーデータ206をサンプリングして、より高い周波数分解能のスペクトルデータを取得し得る。従って、プロセッサー120は、スペクトルデータの周波数分解能を改善し、スペクトル分析の実行におけるサンプリング中の周波数漏れの潜在的リスクを減少させるために、異なるサンプリング速度でスペクトルデータをサンプリングするように構成され得る。実施例では、プロセッサー120は、スペクトル分析中にビン解像度を切り替えることができる。例えば、プロセッサー120は、初期サンプリング速度で開始して、特定のアプリケーションに対するスペクトルデータを生成してもよく、特定のアプリケーションによって要求されるとき、サンプリング速度を減少させて、ビン解像度を改善し得る。
【0023】
プロセッサー120は、スペクトルデータ220、222に基づいて、振動106の特定の属性を識別し得る。実施例では、プロセッサー120は、スペクトルデータ220によって示される最大大きさに対応する周波数Fを識別し得る。別の実施例では、プロセッサー120は、各スペクトルデータ220、222に対して、振動106のパワースペクトル密度を決定してもよく、パワースペクトル密度は、振動106の中のランダムな振動信号を特徴付け得る。プロセッサー120は、例えば、スペクトルデータ中の各ビンにその複素共役を乗じることによって、パワースペクトル密度を決定し得る。プロセッサー120は、センサーデータ202、204、206からそれぞれ変換されたスペクトルデータに対応するパケット240a、240b、240cを生成し得る。パケット240a、240b、および240cの各パケットは、対応する方向(例えば、x、y、z方向)で、振動106の一つまたは複数の属性をペイロードとして、含んでもよい。プロセッサー120は、パケット240a、240b、240cをシリアルポート150に送信してもよく、その結果、センサーデバイス110が、通信リンク109を介してパケット240a、240b、240cをコンピューター装置105に順次送信することができる。従って、センサーデバイス110は、コンピューター装置105が、スペクトル分析の結果に基づいて、コンピューター装置105およびセンサーデバイス110を格納する機械を動作させるために、スペクトル分析の結果をコンピューター装置105に提供し得る。
【0024】
別の実施例では、スペクトルデータ220は、セクション220a、220xなどの一つまたは複数のセクションに分割または区画化され得る。スペクトルデータ220の各セクションは、特定の数のビンを含み得る。例えば、スペクトルデータ220が0Hzから1023Hzの範囲である場合、スペクトルデータ220は、16個のセクション(220a、220xを含む)を含んでもよく、スペクトルデータ220の各セクションは、サンプリング速度Sを使用してサンプリングされるセンサーデータ206により、16の周波数ビンを含む(各セクションは64Hzの範囲に渡り、各セクションの各ビンは4Hzの幅を有する)。プロセッサー120は、スペクトルデータ220の各セクションをパケットにペイロードとしてそれぞれの挿入することができる。従って、スペクトルデータ220が16個のセクションを含む場合、プロセッサー120は、スペクトルデータ220用の16個のパケットを生成してもよく、各パケットは、スペクトルデータ220のセクションをペイロードとして含む。16個のパケットは、シリアルポート150および通信リンク109を介してコンピューター装置105に送信され得る。コンピューター装置105は、16個のパケットを受信し、機械101の動作に関連する特定のタスクまたは動作を実施するために、16個のパケットについて分析または比較を行ってもよい。いくつかの実施例では、スペクトルデータ220を異なるセクションに分割することは、システム100の特定のアプリケーションに基づいてもよい。コンピューター装置105は、一つまたは複数のアプリケーションパラメーターをセンサーデバイス110に送信するように構成されてもよく、アプリケーションパラメーターは特定のアプリケーションに対して固有であり得る。例えば、機械101のモーターは、特定の大きさの特定の範囲の周波数の振動がモーターに適用される場合、故障に対して脆弱であり得る。コンピューター装置105は、特定の範囲の周波数、特定の大きさ、データ取り込み情報および手順、および/またはモーターの正常性の監視に関連する他の情報を送信し得る。センサーデバイス110は、機械101のモーターに近接して位置して、モーターに近接する位置に適用される特定の範囲の周波数における振動の振幅を監視することができる。プロセッサー120は、スペクトルデータ220を、少なくとも一つのセクションが特定の範囲の周波数に対応するように、異なるセクションに分割し得る。特定の範囲の周波数に対応するセクション内のビンの振幅が所定の閾値を超える場合、モーターの損傷または故障のリスクがある。従って、プロセッサー120は、モーターの正常性を示すメッセージ、例えば、“正常”または“正常ではない”と記載するメッセージを生成してもよく、このメッセージをコンピューター装置105に送信されるパケットのペイロードに挿入し得る。
【0025】
一実施例では、コンピューター装置105は、スペクトルデータ220のセクション220aおよび220xを受信し得る。コンピューター装置105は、セクション220a内のビンの振幅を互いに比較するなど、セクション220aの中のビンを分析してもよく、セクション220aの中のビンの振幅が実質的に類似している(例えば、ビンの各対間の振幅の差が閾値を下回る)と決定し得る。コンピューター装置105は、セクション220xの中のビンを分析してもよく、ビン221a、221b、221cの振幅が、セクション220x内の他のビンの振幅よりも有意に大きいと決定し得る(例えば、セクション220xの中のビン221a、221b、221cおよび他のビン間の振幅差は、閾値よりも大きい)。セクション220xが、セクション220x内の他のビンよりも有意に大きな振幅を有する一つまたは複数のビンを含むという決定に基づいて、コンピューター装置105は、セクション220xで最大の振幅を有するビンを識別し得る。図2に示す例では、コンピューター装置105は、ビン221bが、セクション220xのビンの振幅の中で最大の振幅を有し、周波数Fはビン221bに対応することを識別する。コンピューター装置105は、振動106のz方向の加速力によって引き起こされる臨界周波数として、周波数Fを識別し得る。
【0026】
コンピューター装置105は、識別された周波数Fに基づいて、機械101の構成要素を動作させ得る。例えば、コンピューター装置105は、機械101内または上に位置する調整された質量ダンパー上の重量の位置を調整するように構成され得る。調整された質量ダンパー上の重量の各位置は、異なる振動周波数を減衰し得る。重量の複数の位置と異なる振動周波数との間のマッピングは、機械101のメモリーに記憶され得る。コンピューター装置105は、周波数Fにマッピングされる重量の位置を識別するために、保存されたマッピング上に検索機能を実行するように構成され得る。コンピューター装置105は、振動106を減衰させるために、識別された位置に重量を調整し得る。
【0027】
一実施例では、センサーデバイス110、111、112などの二つ以上のセンサーデバイスは、通信リンク109を介して、スペクトル分析結果を含むそれぞれのパケットをコンピューター装置105に通信し得る。従って、センサーデバイス110、111、112が、回転翼航空機などの機械内の異なる位置に位置する実施例では、各センサーデバイスは、振動効果を示すそれぞれのスペクトル分析結果を、回転翼航空機の異なる位置へ出力するように構成され得る。いくつかの実施例では、センサーデバイス110、111、112がそれぞれのスペクトル分析結果をコンピューター装置105に送信する順序は、通信リンク109のプロトコルに基づいてもよい。例えば、通信リンク109がCANバスである場合、センサーデバイス110、111、112がデータをコンピューター装置105に送信する順序は、CANバスのプロトコルの仲裁スキームに基づいてもよい。従って、標準化されたシリアル通信バスを使用することで、センサーデバイス110、111、112が、それぞれのスペクトル分析結果を、整理された様式でコンピューター装置105に送信することができる。さらに、本開示によるセンサーデバイスは、機械上に振動センサーデバイスの柔軟なネットワークを提供するために、機械内の異なる位置に再配置され得る。
【0028】
図3は、本明細書に提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置される、適応調整質量吸収装置を実施するためのプロセスに関するフロー図を示す。図3のプロセスは、例えば、上で論じたシステム100を使用して実施され得る。例示的なプロセスは、ブロックS2、SS4、SS6、SS8、S10、および/またはS12のうちの一つまたは複数によって図示されるように、一つまたは複数の動作、アクション、または機能を含んでもよい。離散ブロックとして図示されるが、さまざまなブロックは、所望の実装に応じて、追加のブロックに分割され、より少ないブロックに結合され、除去され、または並列に行われてもよい。
【0029】
処理は、ブロックS2、「振動によって引き起こされる加速力を検出する」で開始され得る。ブロックS2で、センサーデバイスは、振動によって引き起こされる加速力を検出し得る。
【0030】
処理は、ブロックS2からブロックS4、「加速力を時間領域で表されるセンサーデータに変換する」まで続けられる。ブロックS4で、センサーデバイスは、加速力を時間領域で表されるセンサーデータに変換し得る。
【0031】
処理は、ブロックS4からブロックS6、「センサーデータを周波数領域で表されるスペクトルデータに変換する」まで継続し得る。ブロックS6で、センサーデバイスは、センサーデータを、周波数領域で表されるスペクトルデータに変換し得る。
【0032】
処理は、ブロックS6からブロックS8、「スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行する」まで継続し得る。ブロックS8では、センサーデバイスは、スペクトルデータに対してスペクトル分析を実行し得る。スペクトルデータに対するスペクトル分析の実行は、スペクトルデータをサンプリング速度でサンプリングすることを含み得る。センサーデバイスは、スペクトルデータを異なるサンプリング速度でサンプリングすることによって、スペクトルデータの周波数分解能をさらに調整し得る。
【0033】
処理は、ブロックS8からブロックS10、「スペクトル分析の結果をパケットのペイロードとして含むパケットを生成する」まで継続し得る。ブロックS10で、センサーデバイスは、スペクトル分析の結果をパケットのペイロードとして含むパケットを生成し得る。パケットのフォーマットは、センサーデバイスとコンピューター装置との間の通信リンクのプロトコルに基づいてもよい。いくつかの実施例では、通信リンクは、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バスであり得る。
【0034】
処理は、ブロックS10からブロックS12、「通信リンクを介してパケットをコンピューター装置に送信する」まで継続し得る。ブロックS12で、センサーデバイスは、通信リンクを介してコンピューター装置にパケットを送信し得る。
【0035】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」、および/または「含む(comprising)」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定するが、一つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0036】
以下の特許請求の範囲の全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に請求される他の特許請求の要素と組み合わせて、機能を実行するための構造、材料または行為を含むことを意図している。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されてきたが、本発明に開示された形態で網羅的または限定されるものではない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理および実際の応用を最もよく説明し、当業者が、考えられる特定の用途に適したさまざまな修正を有するさまざまな実施形態について本発明を理解できるように選択および説明された。
図1
図2
図3
【国際調査報告】