(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】アイラッシュカーラー
(51)【国際特許分類】
A45D 2/48 20060101AFI20220125BHJP
【FI】
A45D2/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021520098
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(85)【翻訳文提出日】2021-04-06
(86)【国際出願番号】 FI2019050715
(87)【国際公開番号】W WO2020074774
(87)【国際公開日】2020-04-16
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521145646
【氏名又は名称】シデレウス オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルディン、ヴィオラ
(57)【要約】
アイラッシュカーラーは、第1の端部および第2の端部を有する手掌部(101)であって、該第1の端部から該第2の端部に向かう方向が縦方向(103)を規定する、手掌部(101)と、第1の端部および第2の端部を有する可動部(102)であって、該縦方向(103)に該手掌部(101)に対して該可動部(102)の移動を可能にするスライディング・ジョイントを備えた該手掌部(101)に取り付けられている、可動部(102)と、を備える。該手掌部(101)の第1の端部における第1のカール面(104)と、該可動部(102)の移動時に該第1のカール面(104)の少なくとも一部と係合するように構成された、該可動部(102)の第1の端部における第2のカール面(105)と、がある。電気加熱要素(712)は、該第2のカール面(105)を加熱するように構成されている。アイラッシュカーラーは、電池を受容するための電池収納部(702)と、該電池収納部(702)に受容された電池と該電気加熱要素(712)との間の電流の流れを制御するように構成された制御回路(1801)と、を備える。該電気加熱要素(712)、該電池収納部(702)、および該制御回路(1801)は、すべて該可動部(102)に位置づけられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部および第2の端部を有する手掌部(101)であって、前記第1の端部から前記第2の端部に向かう方向が縦方向(103)を規定する、手掌部(101)と、
第1の端部および第2の端部を有する可動部(102)であって、前記縦方向(103)に前記手掌部(101)に対して前記可動部(102)の移動を可能にするスライディング・ジョイントを備えた前記手掌部(101)に取り付けられている、可動部(102)と、
前記手掌部(101)の第1の端部における第1のカール面(104)と、
前記可動部(102)の移動時に前記第1のカール面(104)の少なくとも一部と係合するように構成された、前記可動部(102)の第1の端部における第2のカール面(105)と、
前記第2のカール面(105)を加熱するように構成された電気加熱要素(712)と、
電池を受容するための電池収納部(702)と、
前記電池収納部(702)に受容された電池と前記電気加熱要素(712)との間の電流の流れを制御するように構成された制御回路(1801)と、を備え、
前記電気加熱要素(712)、前記電池収納部(702)、および前記制御回路(1801)は、すべて前記可動部(102)に位置づけられている、アイラッシュカーラー。
【請求項2】
前記手掌部(101)および前記可動部(102)は一緒に、前記手掌部(101)の第1の端部よりも前記第2の端部に向かって厚くなっている細長体(elongated entity)を構成し、その結果、前記第2の端部に向かって前記細長体は、人間のユーザの手にフィットするように、直径が15~40mmであり、長さが60~160mmであるハンドルを構成する、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項3】
前記第1のカール面(104)は、第1の板(108)の一部であり、前記縦方向(103)に対して横方向に向けられ、前記手掌部(101)の一部として第1の支持アーム(109)によって支持され、
前記第1の支持アーム(109)は、前記第1の板(108)の中央部分に取り付き、前記第1の支持アーム(109)の横方向の厚さ(110)は、前記縦方向(103)に前記第1の板(108)の下の位置において10mm未満である、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項4】
前記第2のカール面(105)は、第2の板(111)の一部であり、前記縦方向(103)に対して横方向に向けられ、前記可動部(102)の一部として第2の支持アーム(112)によって支持される、請求項3に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項5】
前記第2の端部に向かって前記手掌部(101)は、管状区間(501)を備え、その結果、前記縦方向(103)に前記手掌部(101)に対する前記可動部(102)の移動は、前記可動部(102)の一部分(701)を前記管状区間(501)の内側に移動させることを伴う、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項6】
前記第1(104)および第2(105)のカール面のそれぞれは、凹状のまぶた側縁(1301、1302)によって片側で制限され、
少なくとも前記第1(104)のカール面は、それぞれの前記まぶた側縁(1301)からそれぞれの遠位縁(1303)に向かって8ミリメートルを超えて延びる、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項7】
前記第1(104)および第2(105)のカール面のうちの少なくとも一方は、それぞれの前記まぶた側縁(1301、1302)に平行に向けられた1つまたは複数の尾根部または溝部を備える、請求項6に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項8】
前記第1(104)および第2(105)のカール面の一方の少なくとも1つの尾根部は、他方のカール面の対応溝部によって受け止められる、請求項7に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項9】
前記第1のカール面(104)は、前記第1のカール面(104)のまぶた側縁(1301)に平行であり、かつ前記まぶた側縁(1301)から3mm未満ずれている突出尾根部(1307)を備える、請求項6に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項10】
前記電気加熱要素(712)は、前記第2のカール面(105)の少なくとも1つの表面層(1101、1105)の下に位置づけられている、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項11】
前記第2のカール面(105)は、前記可動部(102)の第1の端部に位置づけられた支持体(1102)に着脱自在に取り付けられた弾性材料片(1101)を備える、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項12】
前記支持体(1102)は、底部(1103)および縁(1104)を有する支持ボックスであり、前記電気加熱要素(712)は、前記支持ボックス内に位置づけられ、前記底部(1103)の突起(1202)の配列によって前記底部(1103)から分離されている、請求項11に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項13】
前記可動部(102)は、前記電池収納部(702)から前記電気加熱要素(712)まで延び、前記アイラッシュカーラーの別個の電気部品間のすべての電気接続を運ぶフレックス回路(705)を備える、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項14】
前記電気加熱要素(712)は、前記可動部(102)の第1の端部まで延びる前記フレックス回路(705)のその端部に取り付けられた抵抗器(902)から構成される、請求項13に記載のアイラッシュカーラー。
【請求項15】
前記可動部(102)は、人間のユーザが前記可動部(102)を前記縦方向(103)に押すことを可能にするために、前記縦方向(103)に対して少なくとも部分的に斜めにまたは横方向に配向された表面で形成されたプッシュパッド(704)を備える、請求項1に記載のアイラッシュカーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧アイケアの技術に関する。特に、本発明は、持続的効果を伴う簡単かつ安全な方法で睫毛をカールさせるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者市場のほとんどの機械式アイラッシュカーラーは、一般的に使用されている鋏状のような構造原理に従っている。この原理では、2つのアーム間の単純なレバージョイントが、ループ状のハンドルのスイング移動を1対の湾曲したブレードの近位縁の往復移動に変換する。片方の縁上にシリコーンゴムなどの帯が溝部を形成し、他方の縁がその溝部の中に押し込まれ、両者間の睫毛が湾曲した形状になる。構造的解決策は比較的単純であり、その結果、デバイスは頑丈で安価に製造できるが、これらの既知のアイラッシュカーラーにはいくつもの欠点がある。例えば、各睫毛は一点でのみ曲げられるか、またはブレード間で押される点の周りでせいぜい非常に短い長さで曲げられる。これにより睫毛の繊細な構造が損傷する可能性があり、すべての場合に最適な結果をもたらすわけにはいかない。また、結果はそれほど長く続かないかもしれない。
【0003】
より永続的な結果を得るために、睫毛をカールさせながら熱を加えることが知られている。特許第4569993号明細書および対応する特開第2001340128号明細書には、押圧面の1つを構成する弾性材料に抵抗線が埋め込まれているアイラッシュカーラーが、開示されている。デバイスのハンドルの内側にある電池が電気エネルギー源として機能することにより、電流を該抵抗線に流すことができ、抵抗線を温め、押圧面間に睫毛が挟まれた箇所に、熱を送達させることができる。ただし、提案された構造は、洗浄が難しいことや、押圧面の移動を発生するための比較的複雑なメカニズムなど、いくつもの欠点を伴う。
【0004】
別の先行技術文書の英国特許出願公開第GB2516622A号は、アイラッシュカーラーが下からではなく前方向から水平に目に運ばれる、異なる機械的アプローチを提案している。ユーザは、自分の親指と人差し指で2つのアームの遠位端を一緒にバネに抗して締め付け、デバイスの近位端における押圧面を押し離す。目の近くで、ユーザは把持を解除し、これにより、バネが押圧面を互いに対して押し付け、睫毛を押圧面間に挟んで曲げさせる。また、ここでは、電池駆動の加熱抵抗器を使用して、カーリング効果を高めることができる。また、この構造的アプローチには欠点があり、その少なくとも一部は使用位置に関連している。デバイスを正しい操作位置の状態にするために、ユーザは肘を前方に押す必要があり、これにより、位置は不安定になり、ユーザは疲れを感じる。長期間使用している間、デバイスを衛生的に保つことも問題になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、使用が容易で安全であり、持続的効果を生み出し、そして心地よい外観を有するアイラッシュカーラーを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、直線移動と、有利に設計された押圧面と、加熱とを兼ね備えるアイラッシュカーラーで達成される。
【0007】
一態様によれば、アイラッシュカーラーが提供される。アイラッシュカーラーは、第1の端部および第2の端部を有する手掌部であって、該第1の端部から該第2の端部に向かう方向が縦方向を規定する、手掌部を備える。アイラッシュカーラーは、第1の端部および第2の端部を有する可動部であって、該縦方向に該手掌部に対して可動部の移動を可能にするスライディング・ジョイントを備えた該手掌部に取り付けられている、可動部を備える。該手掌部の第1の端部における第1のカール面と、該可動部の移動時に該第1のカール面の少なくとも一部と係合するように構成された、該可動部の第1の端部における第2のカール面と、がある。アイラッシュカーラーは、該第2のカール面を加熱するように構成された電気加熱要素と、電池を受容するための電池収納部と、該電池収納部に受容された電池と該電気加熱要素との間の電流の流れを制御するように構成された制御回路とを備える。該電気加熱要素、該電池収納部、および該制御回路は、すべて該可動部に位置づけられている。
【0008】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該手掌部および該可動部は一緒に、該手掌部の第1の端部よりも該第2の端部に向かって厚くなっている細長体(elongated entity)を構成し、その結果、該第2の端部に向かって該細長体は、人間のユーザの手にフィットするように、直径が15~40mmであり、長さが60~160mmであるハンドルを構成する。これは、アイラッシュカーラーの全体的な外観が自動的にユーザにデバイスの便利で人間工学的なグリップを取り、効果的な操作位置に保持するように促すという利点を伴う。
【0009】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該第1のカール面は、第1の板の一部であり、該縦方向に対して横方向に向けられ、該手掌部の一部として第1の支持アームによって支持される。該第1の支持アームは、該第1の板の中央部分に取り付き、該第1の支持アームの横方向の厚さは、該縦方向に該第1の板の下の位置において10mm未満であり得る。これは、鏡をユーザの目の前に置いている場合、ユーザの顔が障害物なしによく見えるという利点を伴う。
【0010】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該第2のカール面は、第2の板の一部であり、該縦方向に対して横方向に向けられ、該可動部の一部として第2の支持アームによって支持される。これは、カール面を該縦方向移動時に少なくとも部分的に係合させることが機械的に単純であるという利点を伴う。
【0011】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該第2の端部に向けて該手掌部は、管状区間を備え、その結果、該縦方向に該手掌部に対する該可動部の移動は、該可動部の一部分を該管状区間の内側に移動させることを伴う。これは、スライド移動が機械的に頑丈になって、心地よく便利なグリップをユーザに与えることができるという利点を伴う。
【0012】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該第1および第2のカール面のそれぞれは、凹状のまぶた側縁によって片側が制限され、少なくとも該第1のカール面は、それぞれのまぶた側縁からそれぞれの遠位縁に向かって8ミリメートルを超えて延びる。これは、ユーザの睫毛を全長にわたって処理できるという利点を伴う。
【0013】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該第1および第2のカール面うちの少なくとも一方は、それぞれのまぶた側縁に平行に向けられた1つまたは複数の尾根部または溝部を備える。これは、睫毛の望ましいカール形状を達成できるという利点を伴う。
【0014】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、第1および第2のカール面の一方の少なくとも1つの尾根部は、他方のカール面の対応溝部によって受け止められる。これは、結果として得られる睫毛のカール形状を非常に正確に制御できるという利点を伴う。
【0015】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該第1のカール面は、該第1のカール面のまぶた側縁に平行であり、かつ該まぶた側縁から3mm未満ずれている突出尾根部を備える。これは、各睫毛の付け根の近くに曲がりを生じさせるという利点を伴い、所望のカール形状を達成するのに役に立つ。
【0016】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該電気加熱要素は、該第2のカール面の少なくとも1つの表面層の下に位置づけられている。これは、電気加熱要素が十分に保護されたままである一方、第2のカール面の1つまたは複数の表面層を容易に交換可能にすることができるという利点を伴う。
【0017】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該第2のカール面は、該可動部の第1の端部に位置づけられた支持体に着脱自在に取り付けられた弾性材料片を備える。これは、睫毛の滑らかで注意深いカール付けを、アイラッシュカーラーの高レベルの衛生的で簡単な洗浄と組み合わせることができるという利点を伴う。
【0018】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該支持体は、底部および縁を有する支持ボックスであり、その結果、該電気加熱要素は、該支持ボックス内に位置づけられ、該底部の突起の配列によって該底部から分離されている。これは、電気加熱要素によって発生された熱を、エネルギーを無駄にすることなく、熱を必要とする領域だけに効果的に向けることができるという利点を伴う。
【0019】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該可動部は、該電池収納部から該電気加熱要素まで延び、アイラッシュカーラーの別個の電気部品間のすべての電気接続を運ぶフレックス回路を備える。これは、信頼性が高く安全な電気操作を製造および組立の利点と組み合わせることができるという利点を伴う。
【0020】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該電気加熱要素は、可動部の第1の端部まで延びるフレックス回路のその端部に取り付けられた抵抗器から構成される。これは、その電気的特性を正確に制御しながら、電気加熱要素を構造的に単純にすることができるという利点を伴う。
【0021】
アイラッシュカーラーの一実施形態において、該可動部は、人間のユーザが該可動部を該縦方向に押すことを可能にするために、該縦方向に対して少なくとも部分的に斜めにまたは横方向に配向された表面で形成されたプッシュパッドを備える。これは、ユーザがアイラッシュカーラーを最も適切に把持し、適切な縦方向移動を実行することが簡単で直感的であるという利点を伴う。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のさらなる理解を提供し、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、記載とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【
図2】
図1のアイラッシュカーラーの正面図である。
【
図3】カール面を共に押し付けた状態の、
図1のアイラッシュカーラーの側面図である。
【
図4】
図3のアイラッシュカーラーの正面図である。
【
図5】アイラッシュカーラーの手掌部の側面図である。
【
図7】アイラッシュカーラーの可動部の側面図である。
【
図9】アイラッシュカーラーの詳細の側面図である。
【
図11】アイラッシュカーラーの詳細の分解図である。
【
図14】別の実施形態における2つの係合するカール面の切欠図である。
【
図15】別の実施形態における第1のカール面の切欠図である。
【
図16】カール面を開いた状態のアイラッシュカーラーの側面図である。
【
図17】カール面を共に押し付けた状態の、
図16のアイラッシュカーラーの側面図である。
【
図18】アイラッシュカーラーの電気部品の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、2つの基本的な構造部品(手掌部101および可動部102)からなるアイラッシュカーラーの側面図である。
図2は、同アイラッシュカーラーの正面図である。手掌部101は、通常の操作位置でユーザの手掌に載せることを目的としているため、このように呼ばれている。手掌部101は、一般に細長い形状であり、第1の端部(
図1および
図2の上端)および第2の端部(
図1および
図2の下端)を有する。該第1の端部から該第2の端部への方向、すなわち
図1および
図2の垂直方向は、縦方向103を規定すると言うことができる。また、可動部102は、第1の端部および第2の端部を有し、これらは同様に方向付けられる(
図1および
図2において可動部102の第1の端部はその上端であり、可動部102の第2の端部はその下端である)。
【0024】
可動部102は、スライディング・ジョイントを用いて手掌部101に取り付けられている。スライディング・ジョイントは、可動部102が手掌部101に対して縦方向103に移動することを可能にする。
図3および
図4は、それぞれ、可動部102が(図面に示される方向に対して)10~20ミリメートルのように数ミリメートルの距離だけ上方に移動したときの、同アイラッシュカーラーの側面図および正面図である。距離の重要性については、後で詳しく考察する。
【0025】
手掌部101と可動部102との間のスライディング・ジョイントが実装される正確な方法は、この説明の範囲外である。2つの構造部品間のスライディング・ジョイント自体は知られており、レールと溝部の嵌合対;相互に係合するスライダー表面;などを含むがこれに限定されない任意の適切な機械的手段を使用することができる。
【0026】
第1のカール面104は、手掌部101の第1の端部に設けられ、第2のカール面105は、可動部102の第1の端部に設けられる。第1および第2のカール面は互いに向き合い、それにより第2のカール面105は、手掌部101に対して可動部102の適切な縦方向移動時に、第1のカール面104の少なくとも一部と係合するように構成されている。これは
図3および
図4において起こり、可動部102は、第1および第2のカール面が係合するのに十分な距離まで(図面に示される方向に対して)上方に移動する。これを可能にするために、手掌部101と可動部102との間にスライディング・ジョイントを実装する機械的手段は、縦方向移動の前に、第2のカール面105から見て、第1のカール面104が位置づけられているその方向に正確に可動部102の縦方向のスライド移動が起こるように設計されなければならない。同様に、第1および第2のカール面は、互いに十分に平行でなければならなく(または、可動部102の縦方向のスライド移動は、両カール面を互いに十分に平行にさせなければならなく)、その結果、移動の終わりに、両カール面は互いに対して、カール面として機能することになる全表面積にわたって押し付けられる。
【0027】
通常の操作位置では、手掌部101がユーザの手掌に載るようにアイラッシュカーラーを配置するべきであることが指摘された。アイラッシュカーラーの操作位置は一般的に直立である。正しく行うとき、ユーザは、アイラッシュカーラーが
図2に示す位置において自分の顔に近づいているのを確認するべきである。ユーザに快適な把持を提供するために、手掌部101および可動部102は一緒に、第1の端部よりも第2の端部に向かって一般に厚い細長体を構成する。図面では、第2の端部が下方に向いており、該細長体が第2の端部に向かってハンドル(該ハンドルは、ユーザの把持箇所となる)をどのように構成するかが示される。通常の人間のユーザが手で寸法をとると、人間のユーザの手に快適にフィットするように、ハンドルの直径106は15~40mm、ハンドルの長さ107は60~160mmの範囲にあるべきでる。
【0028】
アイラッシュカーラーの直立操作位置は、ユーザが人間工学的で直感的に体験できるため有利である。アイラッシュカーラーを顔に近い正しい操作位置に持ち上げるのに、肘を前に押す必要はないが、腕全体を体に近づけた状態に保つことができるため、疲れを回避することができる。ユーザがアイラッシュカーラーをどちらの手に持っているかに拘わらず、同直立操作位置を使用できる。これは、アイラッシュカーラーの右利きと左利きのユーザがその使いごこちの違いに気付かないため、有利である。
【0029】
第1のカール面104は、第1の板状部、または略して第1の板108の一部である。第1の板108は、縦方向103に対して横方向に向けられ、手掌部101の一部として第1の支持アーム109によって支持される。第1の支持アーム109は、一般に、逆Jまたは逆Lの形状を有し、第1の板108の中央部分に取り付く、その結果、第1の板108および第1の支持アーム109の全体の配置は、
図2および
図4の正面図において本質的に対称である。この種の対称性は、使用時の別の人間工学的要素であり、ユーザは、操作位置を変更することなく、両方の目を簡単に扱うことができる。対称性は、右利きと左利きのユーザ両方にとって、アイラッシュカーラーを使いやすくするための要素にもなる。
【0030】
第1の支持アーム109の横方向の厚さ110は、(縦方向103に考慮して)第1の板108の下の位置で10mm未満である。これは、ユーザがアイラッシュカーラーを目に近づけて使用するときに、通常は鏡に映った自分の姿をのぞいている部分であるため、これは、追加の別の人間工学的要素である。第1の支持アーム109の狭い横方向の厚さ110は、ユーザの視野内にほとんど障害物がないことを意味する。第1の支持アーム109の「逆J」または、「逆L」形状は同じ機能を発揮する。これは、ユーザの頬のレベル上で、アイラッシュカーラーの本体が目より十分下にあっても、第1の支持アーム109がユーザの目の上から第1の板108を支持することを可能にするからである。
【0031】
第2のカール面105は、第2の板状部、または略して第2の板111の一部である。第1の板108と同様に、第2の板111は、縦方向103に対して横方向に向けられている。これは、可動部102の一部として第2の支持アーム112によって支持されている。また、第2の支持アーム112の横方向の厚さを狭くするのは有利であるが、横方向の厚さは、操作位置でのユーザの視野ではそれほどではなく、その結果、その厚さは、使用時の人間工学にとってそれほど意味がない。
【0032】
手掌部101の一般的な構造の例は、
図5および
図6(ここでは、可動部が省略されている)によく示す。その第2の端部(図面の下端)に向かって、手掌部101は管状区間501を備え、その結果、手掌部101に対する可動部102の該縦方向103への前述の移動は、該管状区間501内側の可動部102の一部分の移動を伴う。唯一の可能な構造的アプローチではないが、これはいくつもの利点を伴う。これにより、目に見えて触れることができる「ハンドル」部分の表面を、ほとんど手掌部101の表面のみで構成することが可能になり、その結果、ユーザはアイラッシュカーラーをしっかりと快適に握ることができ、可動部102を移動させるためにユーザの手に良好なサポートが提供される。それはまた、手掌部101の機械的構造を薄くて軽量にすることを可能にし、製造および使用時の人間工学において、有利かつ明らかな結果をもたらす。さらに、そのことは、スライド機構を正確にさせ、機械的に安定にさせ、構造的にシンプルではあるが耐摩耗性を実現させることを可能にする。
【0033】
開口部502は、管状区間501の第1の端部(ここでは、上端)に設けられている。
図1~
図4に示すように、可動部102の第1の端部は、開口部502から第1のカール面104に向かって突出している。手掌部101の他方側には、開口部502と縦方向103にほぼ同じレベル上に、へこみ503、そうでなければ平滑な表面からいくらか他の例外区域が設けられてもよい。したがって、ユーザは、自分の親指が開口部502の位置にあるように、そして自分の人差し指および/または中指がへこみ503などに載るように、手掌部101を手掌に直観的に掴むことになる。デザインの対称性により、ユーザが右利きであるか左利きであるかに関係なく、ユーザの利き手の中のアイラッシュカーラーのこの位置が同じで、同じように直感的であることが確保される。
【0034】
別の開口部504は、管状区間501の第2の端部(ここでは、下端)に設けられている。この別の開口部504を通して、ユーザは、可動部の第2の端部にアクセスすることができ、そこでは、後でより詳細に説明するように、電池収納部の蓋が有利に設けられる。
【0035】
可動部102の一般的な構造の例は、
図7および
図8(ここでは、手掌部が省略されている)に示す。可動部102のこの例は、
図5および
図6の例と同様に手掌部101とフィットするように設計されている。したがって、可動部102の下部701は、本質的に一定の断面を有し、手掌部101の管状区間501の内側にフィットおよびスライドするように設計されかつ寸法付けられている。電池収納部702は、電池を受容するために可動部102の下部701に設けられており、該電池からは、加熱機能および可能な他の電子機能のために電力が取り出される。例えば、電池収納部702は、1つの「単三(AA)」形の電池を受容するように寸法付けられ、その標準寸法は、直径が14.5mmであり、長さが50.5mmである。再充電電池を含む、他の種類の1つまたは複数の電池向けに電池収納部702の寸法を決めることができる。
【0036】
アイラッシュカーラーをユーザが交換可能な電池(または、再充電のために取り出す必要のある再充電電池)で動作する場合は、可動部102のアクセス可能な位置に、着脱可能な電池収納部カバー703を有することが有利である。ここに示す例では、電池収納部カバー703は可動部102の第2の端部にあり、その結果、可動部102が手掌部101内の所定位置にあるとき、ユーザは管状区間501の下端部にある開口部504を通じて電池収納部カバー703にアクセスすることができる。アイラッシュカーラーが内蔵再充電電池を備える場合、電池収納部カバー703の代わりに充電器インターフェースを設けることができる。アイラッシュカーラーを交換可能な再充電電池で動作させる場合は、充電器インターフェースと電池収納部カバーの両方を設けることも可能である。
【0037】
ユーザが前述の縦方向移動を実行することを容易にするために、可動部102にプッシュパッド704を備えさせることは有利である。このような理由で、ユーザの親指が直感的に通常の操作位置にある領域に、プッシュパッド704を位置づけると有利である。
図7および
図8を
図1および
図2ならびに
図5および
図6と比較すると、プッシュパッド704が開口部502から部分的に突出する様子を容易に見ることができる。この実施形態において、人間のユーザが可動部102を親指で縦方向103に押すことを可能にするため、プッシュパッド704は、縦方向103に対して少なくとも部分的に斜めにまたは横方向に配向された表面で形成されている。代替的または追加的に、プッシュパッド704は、軟質ゴムのような多くの摩擦を生じさせる材料片、および/または同じ目的のための、碁盤の目のような尾根もしくはハッチパターンを含むことができる。
【0038】
可動部102は電気部品を備えるので、その様々な部品の間で電流および信号を伝導するための手段が必要である。構造の単純さおよび製造の容易さは、電気加熱要素712が位置づけられている可動部102に電池収納部702(少なくともその近く)から可動部102の第1の端部まで延びるフレックス回路705を備えさせることによって、達成することができる。単一のフレックス回路705は、アイラッシュカーラーの別個の電気部品間のすべての電気接続を運ぶように作製することができる。フレックス回路705は、
図7の側面、および
図8の正面に示すが、可動部102の内側に位置づけられるため、両方とも破線で描かれている。
【0039】
フレックス回路705が電気接続に有利に使用され得る場所の例は、
図7に楕円印でマークされている。位置706および707では、電池収納部702に受容されている電池の負端子および正端子に電気接続をそれぞれ行うことができる。この目的のために、フレックス回路705の接触パッド上にはんだ付けされた電池コネクタを使用することができるか、またはフレックス回路705自体の一部を曲げて、電池の1つまたは複数の極と接続することができる。位置708では、制御エレクトロニクスが構築され、フレックス回路705に接続することができる。制御エレクトロニクスの例には、電力変換器、タイマー、および処理回路が含まれるが、これらに限定されない。制御エレクトロニクスは、フレックス回路705の接触パッドに直接はんだ付けすることができ、および/またはワイヤの断片を使用して接続を行うことができる。位置709では、1つまたは複数の操作スイッチへの接続を行うことができ、その例は、
図8に示される操作スイッチ801である。操作スイッチを、プッシュパッド704の領域内に位置づけることも可能である。位置710では、
図8に例として示されるインジケータLED802および803のような、1つまたは複数の他のユーザインターフェース要素への接続を行うことができる。位置711では、1つまたは複数の電気加熱要素への接続を行うことができ、その例については後でより詳細に説明する。
【0040】
図7および
図8に示されるように、フレックス回路705の上端部は、可動部102の第1の端部に位置づけられた第2の板111内に何らかの方法で埋め込まれている。
図9および
図10は、フレックス回路705の該上端部がどのように見えるかの例を示している。フレックス回路705の狭いネック901は、第2の板111を支持する第2のアーム112を通って延びる。第2の板111の内側で、フレックス回路は2つのペタル1001および1002に分岐し、第2の板111のそれぞれの端部まで延びる。フレックス回路705上の導電性トラックは、図面に別個に示されていないが、フレックス回路の一般な分岐形態に従い、フレックス回路705のこの部分と共に電気加熱要素712を構成する抵抗器902への電気接続を提供する。抵抗器902は、別個の、好ましくはフレックス回路705上の表面実装型構成要素であり得るか、あるいは抵抗器902は、それらの電気抵抗をフレックス回路上の正規の導電性トラックの抵抗よりも高くさせるように特別に設計されたフレックス回路705上の導電性トラックの部分から少なくとも部分的に構成され得る。
【0041】
図11および
図12は、電気加熱要素712がその一部である第2の板111の構造の或る有利な例示的特徴を示している。
図11および
図12の分解図に部品が示されており、実際の製品では、各部品が垂直方向に互いにしっかりと重なるように配置される。電気加熱要素712は、直接目に見えなくなってアクセスできないようになるが、第2のカール面105の少なくとも1つの表面層の下に配置することが有利であり、このような方式で電気加熱要素712はよく保護される。
図11および
図12の配置において、そのような表面層(複数可)は、可動部の第1の端部に位置づけられた支持体1102に着脱自在に取り付けられた弾性材料片1101を含む。弾性材料の使用は、カール面の間に挟まれた睫毛への、非常に柔らかく繊細な押圧効果を得ることができるという利点を伴う。弾性材料片1101を着脱自在にすることは、アイラッシュカーラーの長期使用中または別のユーザがアイラッシュカーラーを借りるときに高水準の衛生状態を維持するために、ユーザがそれを定期的に簡単に着脱して交換できるという利点を伴う。
【0042】
弾性であると同時に、弾性材料片1101の材料は、適度に良好な熱伝導体でなければならない。好適な材料は、例えばシリコーンゴムの中にあり、それらの熱伝導特性は、必要に応じて、製造中に基材と混合された添加剤で調整することができる。
【0043】
図11および
図12の実施形態において、支持体1102は、底部1103および縁1104を備えた支持ボックスである。支持体1102における弾性材料片1101の着脱自在な取り付けは、弾性材料片1101を支持体1102内に押し付けるのと同じくらい簡単にし得る。その結果、該弾性材料片の弾性および該弾性材料片と支持体の壁1104との間の摩擦が、該弾性材料片を所定の位置に保つようにする。
【0044】
図11および
図12の電気加熱要素712は、
図9および
図10のものと同じ種類のものである。フレックス回路の狭いネック901は、支持体1102の開口部1201を通り抜けて、第2の支持アーム112の内側のコンジットに至る。したがって、組み立てられた構成では、電気加熱要素712は、壁1104によって区切られた空間内の支持ボックスに位置づけられている。第2のカール面以外の構造の他の部分に伝導される無駄な熱を低減するために、電気加熱要素712は、上記下部に突起1202の配列によって支持体1102の底部1103から分離され得る。突起の形状および分布は、それが断熱機能を果たしている限り重要ではなく、点状の突起の代わりに、例えば平行なリブなどがあり得る。
【0045】
追加の保護層1105は、弾性材料片1101と電気加熱要素712との間に提供され得る。保護層1105は、例えば、接着テープ片であり得る。その目的は、ユーザが弾性材料片1101を交換するときに、電気加熱要素712の抵抗器を被覆状態および保護状態に保つことである。
【0046】
次に、主に
図13~
図15を参照して、カール面の寸法とデザインを検討することができる。カール面の寸法決定に際して、人はみなサイズが異なる目を持っているという事実を考慮に入れる必要がある。
【0047】
一種の最適なケースでは、カール面の寸法決定は、片方の目の睫毛の配列全体が2次元領域と見なされる場合、この領域全体を1回の操作で便利に覆うことができる(つまり、カール面間に挟むことができる)ようなものになるであろう。言い換えれば、まぶたの水平幅に追従する方向に、カール面はユーザの目で睫毛があるところまで正確に延びる必要があり、カール面の近位縁の湾曲はまぶたの外縁に密接に追従する必要がある。実際には、これは、異なる幅と湾曲のカール面を備えたまぶたカーラーを異なるユーザ向けに製造する必要があるという要件につながる。
【0048】
より実用的なアプローチは、カール面を、典型的な人間のまぶたの平均水平幅よりも水平方向にわずかに狭くすることである。このように、小さな目を持つユーザは、アイラッシュカーラーが自分にとって広すぎたりぎこちないと感じることなく、1回の操作でそれぞれ片目の睫毛の配列全体をカバーすることができる。大きな目を持つユーザは、各目の睫毛をサイドバイサイド(side-by-side)に2回続けて押圧することでカールさせる必要があるかもしれないが、同時にユーザは、押圧間にアイラッシュカーラーの横方向移動を利用して、ユーザの目の湾曲にぴったりと一致させる可能性があるため、これは深刻な欠点ではない。
【0049】
自然に遭遇した人間の最も長い睫毛でさえ、その全長にわたってカール面間に残っているように、カール面の少なくともある部分が、個々の睫毛の縦方向に、十分に遠くまで延びている必要がある。ここでは、比較的短い睫毛がカール面間の少しの距離に達するだけであり、カール面の長さがさらに伸びても不便を引き起こすことはないため、様々なユーザの睫毛の長さの違いは問題にならない。
【0050】
第2のカール面の一部については、
図12に示すように、第1および第2のカール面のそれぞれが、凹状のまぶた側縁によって片側で制限される。
図13の断面において、これは、第1のカール面に対しては縁1301であり、第2のカール面に対しては縁1302である。第1および第2のカール面のそれぞれは、それぞれのまぶた側縁からそれぞれの遠位縁(
図13において第1のカール面に対して縁1303および第2のカール面に対して縁1304である)に向かって8ミリメートルを超えて延びる。この寸法は、いかなる自然発生の個々の人間の睫毛の全長も受け入れることが好ましい。両矢印は、
図13において8ミリメートルを超える距離を示している。
【0051】
まぶた側縁1301または1302とそれぞれの遠位縁1303または1304との間で、該第1および第2のカール面は、それぞれのまぶた側縁に平行に向けられた1つまたは複数の尾根部または溝部を備え、第1および第2のカール面の片方における少なくとも1つの尾根部が、他方における対応溝部によって受け止められる。
図13の例では、カール面の一方におけるすべての尾根部が、まぶた側縁に最も近い狭いゾーンを除いて、他方の対応溝部によって受け止められる。第1のカール面の上部ベベル1305は、第2のカール面の対応するが異なる方向に向けられた下部ベベル1306に面している。上部および下部ベベル1305および1306は、ユーザのまぶたの敏感な外縁がカール面の間に挟まれるのを防ぐためにそこにある。
【0052】
上部ベベル1305のすぐ隣で、第1のカール面は、第1のカール面のまぶた側縁1301に平行であり、それから3mm未満ずれている突出尾根部1307を備える。この尾根部1307は、概してV字形であり、第2のカール面の対応溝部によって受け止められる。個々の睫毛の付け根に近づいてくる位置でのこの種の目立つ尾根部は、睫毛の素敵で長持ちするカール形状を作るのに非常に効率的であることがわかっている。
【0053】
図14は、1つの代替実施形態におけるカール面の断面を示している。
図13の実施形態に共通する特徴は、まぶた側縁1301および1302と、対応する遠位縁1303および1304と、の存在、ならびにそれらの間の8ミリメートルを超える距離である。また、
図14の実施形態において、第1のカール面は、該第1のカール面のまぶた側縁1301に平行であり、それから3mm未満ずれている、目立つV字形の突出尾根部1307を含む。
図13の実施形態との違いとして、第2のカール面は、第1のカール面の形状と正確には一致しないが、まぶた側縁1301と遠位縁1303との間の輪郭にほぼ追従する。
図14では、第2のカール面の断面が凹状に湾曲しているが、平坦または凸状である可能性があり、および/または異なる方向のファセットを含む可能性がある。
【0054】
図14のように正確に一致していない第2のカール面が対応する第1のカール面に押し付けられる場合、第2のカール面を弾性材料で作製することが有利である(必須ではない)。なぜならば、睫毛の最終のカール形状に最も影響を与えるのは、第1のカール面のデザインであることが確実であるからである。したがって、可動部の縦方向移動時にカール面が少なくとも部分的に係合すると言われる場合、この係合はおおよそであってもよく、それは、カール面のうちの片方の弾性変形を少なくとも部分的に伴い得る。
【0055】
図14の実施形態のカール面は、
図13の参照符号1305および1306でマークされたものと同様の上部および下部ベベルを提示しない。それにもかかわらず、まぶた側縁1301および1302に最も近いカール面は、互いの正確な相手面ではないため、ユーザのまぶたの敏感な外縁がカール面間に挟まれないようにするという目的は達成される。これらのカール面を一緒に押し付けると、この実施形態においても、まぶた側縁間にくさび状の保護ギャップが残る。
【0056】
図15は、別の代替実施形態における第1のカール面の断面を示している。
図13および
図14の実施形態に共通する特徴は、まぶた側縁の存在(
図15の点Aで見られる)、および対応する遠位縁の存在(点Gで見られる)、ならびにそれらの間の8ミリメートルを超える距離である。また、
図15の実施形態において、第1のカール面は、該第1のカール面のまぶた側縁に平行であり、それから3mm未満ずれている、目立つV字形の突出尾根部を含む。V字形の突出尾根部の先端は、
図15の点Bとして示す。
【0057】
まぶた側縁の位置(
図15の断面の点Aで見られる)を原点とする場合、
図15のマークされた点のデカルト座標の例は、A(0.0,0.0);B(1.3,-0.6);C(1.7,1.0);D(1.0,2.6);E(1.0,3.7);F(0.2,5.0);G(5.5,6.3)である。点Cの水平座標は点D、EおよびFの水平座標よりも大きいため、
図15の第1のカール面と正確に一致し、かつ下からの直接の垂直方向の移動によって第1のカール面への完全係合に利用可能な第2のカール面を作製することは可能ではない。それにもかかわらず、この第2のカール面は、
図15の点A、B、およびCによって示される縁間の領域の少なくともほとんどに係合し得、適切に弾性的に変形可能な第2のカール面は、第1のカール面のさらに別の部分と係合するように作製され得る。さらに別の可能性は、可動部の上端が移動の上端で外側に傾斜するように手掌部と可動部との間にスライディング・ジョイントを形成することである。その結果、この傾斜移動は第2のカール面を、
図15に示す種類の第1のカール面のさらに大きな部分に係合させる。
【0058】
図16および
図17は、手掌部の一端に管状区間を有することが、どのようにして決して必須ではないかの例を示している。
図16および
図17の実施形態において、手掌部101の下端は、クレードル形成区間1601を含み、そこで可動部101が、その縦方向移動を実行するように構成される。同時に、「手掌部」および「可動部」という呼称は、一貫して簡潔な方法でアイラッシュカーラーの2つの主要な機械部分を指すために、このテキストで使用される単なる名称であることに留意されたい。これらの名称は、ユーザがアイラッシュカーラーを手に掴む方法を制限するものではない。
【0059】
図18に、アイラッシュカーラーの電気部品が回路図でどのように見えるかの例を示している。制御回路1801は中央機能部であり、例えば集積回路として実現することができる。アイラッシュカーラーの電池収納部に受容される電池1802は、動作電力を提供し、操作スイッチ1803は1つまたは複数の表示灯1804および1805と共に、簡単なユーザインターフェースを構成する。電気加熱要素は、抵抗器1806によって表され、熱センサ1807は、制御回路1801が電気加熱要素の温度からフィードバック測定値を取得することができるように提供される。
【0060】
制御回路1801は、ユーザが操作スイッチ1803を押すことへの応答として、電池1802から電気加熱要素1806へ調整電流を誘導するように有利に構成される。電圧1.5ボルトの電池が使用され、調整電流の大きさが約1Aである場合、電気加熱要素を加熱する電力は約1.5Wである。1オームに近い抵抗値が、第2のカール面を約1分で約60℃の温度に加熱することを可能にするのに適切であるかもしれないことが見出された。電池寿命については、単三形のアルカリ電池がその一例として見なされ得る。このテキストを書いている時点で、単三形のアルカリ電池の容量は、例えば約2800mAhである可能性がある。1Aの電流を1分間流すと約17mAhが消費されるため、電池は約165回の使用に耐えることができる。
【0061】
制御回路1801は、表示灯1804および1805を使用して、加熱の進行についてユーザに通知することができ、例えば、表示灯1804および1805で与えられる第1の信号は、スイッチ1803の押下が認められたこと、および加熱が行われていることの確認応答である。表示灯1804および1805で与えられる第2の異なる種類の信号は、準備完了信号であり得、アイラッシュカーラーの実際の使用を開始することができるように、所望の温度に達したことをユーザに伝える。
【0062】
他の種類の信号は、表示灯1804および1805で与えることができ、その目的は、例えば電池が少なくなっていること、あるいは加熱の時限スイッチオフが差し迫っていることをユーザに通知する。一般に、操作スイッチ1803がトグルスイッチとして機能することは有利であり、その結果、スイッチ1803を押すと、デバイスがオフの場合はオンに切り換え、逆もまた同様である。また、ユーザが一定期間デバイスを使用してなかった場合に加熱をオフにするために使用できるタイマー付きの制御回路1801を装備するのが望ましい。
【0063】
制御回路1801に、例えば、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、ジグビー(Zigbee(登録商標))、またはNFC標準のような短距離無線通信規格を実装する短距離無線トランシーバを装備することが可能である。そのような制御回路は、アイラッシュカーラーのユーザインターフェースを、例えばスマートフォンのような近くの別の電子デバイスに拡張することを可能にするであろう。このような別の電子デバイスは、構成パラメータの値の設定;使用ログの記録;更新されたソフトウェアのダウンロード;使用中の可能な問題の分類整理など、拡張ユーザインターフェース機能を実装するために使用できる。
【0064】
技術の進歩により、本発明の基本的な考え方が様々な方法で実装され得ることは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明およびその実施形態は、前述の実施例に限定されず、代わりに、それらは、特許請求の範囲内で変わり得る。
【国際調査報告】