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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】管要素を備えるステアラブル機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/94 20060101AFI20220125BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20220125BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61B17/94
A61B1/018 515
A61B17/29
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521139
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 NL2019050680
(87)【国際公開番号】W WO2020080938
(87)【国際公開日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】2021823
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517197509
【氏名又は名称】フォーティメディックス・アセッツ・ザ・セカンド・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】FORTIMEDIX ASSETS II B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】ティッセン、マテウス・ヘンドリック・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】フェルベーク、マルセル・アントニウス・エリサベート
(72)【発明者】
【氏名】フェルテル、ロイ・クリスティアーン・ルイサ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160GG29
4C160GG32
4C160MM32
4C160MM43
4C160NN02
4C160NN07
4C161GG15
(57)【要約】
ステアラブル機器は、近位端及び遠位端と、ステアリング装置(168)と、該近位端から該遠位端まで長手方向に延在する管状体(18)とを有する。管状体(18)は、中間可撓性ゾーン(12a)と、遠位偏向可能ゾーン(17)と、金属から作製された管要素とを有する。管要素は、可撓性ゾーン(12a)における第1のスロット付き構造(74)と、偏向可能ゾーン(17)における第2のスロット付き構造(72;106;136;156)とを有する。管状体(18)は、ケーブルチャネル(96;97;146;152)を形成する接線方向回転阻止要素を有し、各ケーブルチャネル(96;97)は、複数のケーブル(90)のうちの1つを収容する。ケーブル(90)は、ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、近位端においてステアリング装置(168)に連結され、遠位端において偏向可能ゾーン(17)に連結される。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記管状体(18)は、中間可撓性ゾーン(12a)及び少なくとも1つの遠位偏向可能ゾーン(17)を有し、
前記管状体(18)は、金属から作製された少なくとも1つの管要素を含み、前記管要素には、前記中間可撓性ゾーン(12a)における第1のスロット付き構造(74)と、前記少なくとも1つの遠位偏向可能ゾーン(17)における第2のスロット付き構造(72;106;136;156)とが設けられ、
前記管状体(18)には、複数のケーブルチャネル(96;97;146;152)を形成するように配置された接線方向回転阻止要素が設けられ、各ケーブルチャネル(96;97)は、複数のケーブル(90)のうちの1つを収容し、
前記ケーブル(90)は、前記ステアリング装置(168)による前記遠位偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において前記遠位偏向可能ゾーン(17)に連結される、ステアラブル機器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの管要素は、中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)であり、前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、
・内面及び外面を有し、前記内面は、第1のチャネル(94)を囲んでおり、
・前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、前記第2のスロット付き構造(106)を備え、
・前記接線方向回転阻止要素を提供するために、
a.前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び、
b.前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成されている、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項3】
各々が1つのケーブル(90)の少なくとも前記一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を有するように構成され、ここにおいて、前記管状体(18)には、前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を覆うように、前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d)を取り囲む外側管要素(86;130;134;150)が設けられている、請求項2に記載のステアラブル機器。
【請求項4】
前記外側管要素(86;130;134;150)には、前記遠位偏向可能ゾーン(17)における第1の外側管要素スロット付き構造(72;136)と、前記中間可撓性ゾーン(12a)における第2の外側管要素スロット付き構造(74)と、のうちの少なくとも1つが設けられている、請求項3に記載のステアラブル機器。
【請求項5】
前記外側管要素(150)は、複数の第3のケーブルチャネル(151)を形成するように成形され、各第3のケーブルチャネル(151)は、1つのケーブル(90)を収容する第4のケーブルチャネル(152)を共に形成するように、1つの第1のケーブルチャネル(96)に対向している、請求項3又は4に記載のステアラブル機器。
【請求項6】
前記複数の第1のケーブルチャネル(96)に隣接して、前記中間管要素(88;88a;88d)の前記外面は、接触エリアで前記外側管要素(86;130;150)に接触し、それにより、前記複数の第1のケーブルチャネル(96)は前記接触エリアにテーパ付き部分を有し、前記テーパ付き部分は、ケーブル(90)が前記テーパ付き部分で動けなくなることを防止するために材料で少なくとも部分的に充填されている、請求項3、4、又は5に記載のステアラブル機器。
【請求項7】
前記材料は、前記中心軸に向かって内側に延在する前記外側管要素(130)の部分と、前記中間管要素(88a)と外側管要素(130)との間に配置されたライナ(142)と、のうちの少なくとも1つである、請求項6に記載のステアラブル機器。
【請求項8】
前記外側管要素(86;134;150)は、その全長に沿って均一な厚さを有する、請求項3~7のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項9】
前記外側管要素(86;134;150)は、前記偏向可能セクションの近位端における少なくとも1つ又は複数の位置(75)で前記中間管要素(88;88a;88d)に取り付けられている、請求項3~8のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項10】
前記中間管要素(88;88a;88d)は、前記外面及び内面が同じ波形構造を有するように、その全長に沿って均一な厚さを有する断面構造を有する、請求項2~9のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項11】
前記複数の第2のケーブルチャネル(97)の各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように構成され、ここにおいて、前記管状体(18)には、前記複数の第2のケーブルチャネル(97)を覆うように、前記中間管要素(88)内に配置された内側管要素(92)が設けられる、請求項2~10のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項12】
前記中間管要素(88e)は、前記外面及び内面が同じ波形構造を有するように、その全長に沿って均一な厚さを有する断面構造を有し、前記中間管要素(88e)は、前記中間管要素(88e)の外周を形成する外側部分(88e2)と、本質的に閉鎖したチャネル(96)を取り囲むように各々成形された内側部分(88e1)とを備える、請求項2に記載のステアラブル機器。
【請求項13】
前記ケーブル(90)のうちの少なくとも1つは、別個の管(142)で取り囲まれている、請求項1~12のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項14】
前記少なくとも1つの管要素は、前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、及び内面及び外面を有する中間管要素(88b)を囲む外側管要素(134;134a)であり、前記内面は、第1のチャネル(94)を囲んでおり、前記外面は、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96a;96b)を形成する波形断面をその全長に沿って有する、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項15】
前記少なくとも1つの管要素は、外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は、内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、
・各々が1つのケーブル(90)を収容し、少なくともいくつかが所定の長手方向間隔をあけて前記外側管要素(134)及び内側管要素(92)の少なくとも1つに取り付けられた第1の可撓性管(131)のセットと、
・隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成され、少なくともいくつかが所定の長手方向間隔をあけて前記外側管要素(134)及び内側管要素(92)のうちの少なくとも1つに取り付けられた第2の可撓性管(133)のセットと、
・前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットと、
のうちの少なくとも1つによって実現される、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項16】
前記少なくとも1つの管要素は外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、各々が1つのケーブル(90)を収容する第1の可撓性管(131)のセットと、前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、2つ以上の可撓性管の間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットとによって実現される、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項17】
前記少なくとも1つの管要素は外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットによって実現され、それにより、前記内側管要素(92)及び前記外側管要素(134)は、前記ケーブル(90)の厚さよりも大きい半径方向間隔だけ分離されている、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項18】
前記リップ(149)の少なくともいくつかには、内側管要素(92)の好適な空洞又は貫通孔内に挿入されるリップ延長部(154)が設けられている、請求項16又は17に記載のステアラブル機器。
【請求項19】
可撓性管要素を製造する方法であって、
a.内面及び外面を有する管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)を提供することと、ここで、前記内面はチャネル(94)を囲んでおり、前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第1のケーブルチャネル(96;96a;96b)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び
・前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成され、
b.前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つのスロット付き構造(72;74;106;156)を製造することと、
を備える、方法。
【請求項20】
前記管要素は金属から作製され、前記少なくとも1つのスロット付き構造は、レーザ切断又は水切断のいずれかによって作製される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザ切断は、レーザビームを前記管要素の前記外面と直角に方向付けることによって実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
近位端及び遠位端を有するステアラブル機器を、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法で製造された可撓性管要素から製造する方法であって、前記近位端に少なくとも1つのステアリング装置(168)を設け、1つ又は複数のケーブルを設け、前記ステアリング装置(168)による前記偏向可能セクションの偏向を可能にするように、前記1つ又は複数のケーブルを前記近位端における前記ステアリング装置(168)及び前記偏向可能セクションに連結することによって行われる、ステアラブル機器の製造方法。
【請求項23】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで第1の中心軸(98)に沿って長手方向に延在する第1のチャネル(94)を囲む管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、前記管状体(18)は、可撓性ゾーン(12a)と、前記可撓性ゾーン(12a)から遠位に配置された少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)とを有し、前記少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)は、1つ又は複数のケーブル(90)によって前記ステアリング装置(168)に連結されて、前記ステアリング装置(168)による前記少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするものであり、
前記ステアリング装置(168)は支持部材(172)とステアリング部材(180)を備え、
・前記支持部材(172)は、前記第1の中心軸と同一直線上に配置された第2の中心軸を有する第2のチャネル(173)を有し、ここで、前記第2のチャネル(173)は、前記支持部材(172)の遠位側から近位側に延在し、前記管状体(18)は、前記支持部材(172)から遠位に延在し、前記支持部材(172)は、前記支持部材(172)の前記近位側で前記第2のチャネル(173)の周りに配置されたボール形状部材(181)を有するものであり、
・前記ステアリング部材(180)は、前記1つ又は複数のケーブル(90)に連結されたケーブル締結機構(175)を有し、前記1つ又は複数のケーブル(90)を引っ張るか又は弛緩させるかのいずれかを可能にするように前記ボール形状部材(181)上に回転可能に配置されている、ステアラブル機器。
【請求項24】
前記ステアリング部材(180)は、前記ステアリング部材(180)が前記支持部材(172)の中空空間(174)内で回転することができるように、前記支持部材(172)によって回転可能に支持された部分的にボール形状の外面を有する、請求項23に記載のステアラブル機器。
【請求項25】
前記ステアリング部材(180)は、前記第1及び第2の中心軸と同一直線上の第3の中心軸を有する第3のチャネル(179)と、前記ステアリング部材(180)から近位に延在する中空管(183)とを有し、前記中空管(183)は、前記第1、第2、及び第3の中心軸と同一直線上の第4の中心軸に沿って第4のチャネルを囲んでいる、請求項23又は24に記載のステアラブル機器。
【請求項26】
前記第2のチャネル(173)は、前記ボール形状部材(181)の近位端に向かって円錐形状の空間(177)を有する、請求項23~25のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項27】
前記ステアラブル機器は、前記近位端におけるハンドル(3)と、前記遠位端における器具(2)と、前記ハンドル(3)を操作することによって前記器具(2)の操作を可能にするための、前記ハンドル(3)から前記器具まで延在する作動ケーブル(184)とを備える、請求項23~26のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項28】
前記ハンドル(3)には回転可能なノブ(186)が設けられ、前記回転可能なノブ(186)は、前記回転可能なノブ(186)の回転が前記器具(2)の回転をもたらすが、前記管状体(18)が1つ又は複数の位置で屈曲された場合でも前記器具(2)がその向きを保つように配置されている、請求項27に記載のステアラブル機器。
【請求項29】
少なくとも1つの中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)を備え、前記少なくとも1つの中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、
・内面及び外面を有し、前記内面は、前記第1のチャネル(94)を囲んでおり、
・前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に、前記偏向可能ゾーン(17)と位置合わせされた少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、少なくとも1つのスロット付き構造(106)を備え、
・以下の、
a.前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する複数の第1のケーブルチャネル(96;96a;96b)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び、
b.前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成される、請求項23~28のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項30】
少なくとも1つのヒンジを含む管要素であって、前記少なくとも1つのヒンジの周りで前記管要素が屈曲することを可能にし、前記少なくとも1つのヒンジ構造は、スロット付き構造を備え、前記少なくとも1つのヒンジを回転させることによって、前記ヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することを可能にし、前記スロット付き構造の両側にある前記ヒンジの対向する部分は、前記ヒンジが回転されると破損するように設計された1つ又は複数の破断要素(89)によって互いに取り付けられている、管要素。
【請求項31】
破断した後、前記破断要素(89)の2つの対向部分は、それらの間の間隔が実質的に0μmとなるように互いに接触する、請求項30に記載の管要素。
【請求項32】
前記ヒンジは、前記破断要素が2つの対向する破断要素部分(89a、89b)に破断した後、前記破断要素部分(89a、89b)の少なくともいくつかが、前記所定の最大曲げ角度よりも小さい任意の曲げ角度で別の対向する破断要素部分(89a、89b)に接触するように設計されている、請求項31に記載の管要素。
【請求項33】
前記1つ又は複数の破断要素(89)は、隣接する破断要素(89)間の間隔(w(1))よりも大きい幅(w(2))を有する、請求項30~32のいずれか一項に記載の管要素。
【請求項34】
前記対向する部分は、それを超えると前記対向する部分の永久変形が生じる力を規定するそれぞれの降伏応力値を有し、各破断要素(89)は、前記破断要素(89)を破断するために加えられる力を規定するそれぞれの破断引張応力値を有し、各破断要素(89)の前記破断引張応力値は、前記対向する部分の前記降伏応力値よりも低い、請求項30~33のいずれか一項に記載の管要素。
【請求項35】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において偏向可能な端部における前記偏向可能ゾーン(17)に連結された1つ又は複数のケーブル(90)を有し、
前記管状体(18)は、請求項30~34のいずれか一項に記載の管要素を少なくとも1つ含む、ステアラブル機器。
【請求項36】
近位端、中間可撓性ゾーン(12a)、及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において前記偏向可能ゾーン(17)に連結された複数のケーブル(90)を有し、
前記複数のケーブル(90)は、前記近位端における近位接線方向の順序(90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6))と、前記中間可撓性ゾーン(12a)における中間接線方向の順序(90(1)、90(4)、90(2)、90(5)、90(6)、90(3))と、前記偏向可能ゾーン(17)における遠位接線方向の順序(90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6))とを有し、前記遠位接線方向の順序は、前記近位接線方向の順序と同じであるが、前記中間接線方向の順序は、前記近位接線方向の順序とは異なり、それにより、前記ケーブルの1つ又は複数に前記偏向可能ゾーン(17)を偏向させるために張力がかけられたときに、前記ステアラブル機器の湾曲部分における回転力を減少させる、ステアラブル機器。
【請求項37】
少なくとも1つのヒンジを含む管要素であって、前記少なくとも1つのヒンジの周りで前記管要素が屈曲することを可能にし、前記少なくとも1つのヒンジは、前記少なくとも1つのヒンジを回転させることによって前記ヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することを可能にするスロット付き構造を備え、前記スロット付き構造は、凹状セクション(75a)に配置された凸状セクション(77a)を備え、それにより、前記凸状セクション(77a)及び凹状セクション(75a)は中心点(83)を中心として互いに対して回転することができ、前記凹状セクション(75a)は、前記凸状セクション(77a)のノッチ(310)の内側に延在し、及び前記ノッチ(310)の側壁に接触する2つの角部(302、304)を備える延在部(300)を備え、前記2つの角部は、前記管要素の対向する側だが前記管要素の中心長手方向軸に平行な前記管要素の表面上に位置する仮想線から等間隔に位置する、管要素。
【請求項38】
前記スロット付き構造は、前記中心点(83)を中心として1つ又は複数の湾曲スロット(85、81)を備え、前記湾曲スロット(85、81)は、各々が1つのリップ(87、79)を収容し、各リップ(87、79)は、前記ヒンジが回転すると、前記中心点(83)を中心としてそのような湾曲スロット内で移動する、請求項37に記載の管要素。
【請求項39】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において偏向可能な端部における前記偏向可能ゾーン(17)に連結された1つ又は複数のケーブル(90)を有し、
前記管状体(18)は、請求項37又は38に記載の管要素を少なくとも1つ含む、ステアラブル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、外科手術などにおける侵襲及び非侵襲性の用途のためのステアラブル機器(steerable instrument)に関する。かかる機器は、例えば、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、内視鏡検査、腹腔鏡検査、及び他の医療用途の分野で使用することができる。しかしながら、本発明によるステアラブル機器は、非医療用途でも使用することができる。後者の例には、到達するのが困難な場所にある機械ハードウェア及び/又は電子ハードウェアの検査及び/又は修理が含まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 標的エリアを露出させるのに大きい切開を必要とする外科的介入から、最小侵襲の外科的介入、すなわち標的エリアへのアクセスを確立するのに自然孔又は小さい切開しか必要としない外科的介入への転換は、周知かつ進行中のプロセスである。最小侵襲の外科的介入を実行する際、医師などの操作者には、ヒト又は動物の体内にその身体のアクセスポートを介して侵襲機器を差し込みガイドするように構成されているアクセス装置が必要である。ヒト又は動物の患者への瘢痕組織形成及び痛みを低減するために、アクセスポートは、好ましくは、皮膚及び皮下組織の単一の小さい切開によって設けられる。この点から、身体の自然孔を使用する可能性は更に高くなる。更に、アクセス装置により、好ましくは、侵襲機器が提供する1つ又は複数の自由度を操作者が制御することが可能となる。このようにして、操作者は、人間工学的かつ正確に、ヒト又は動物の体内の標的エリアで必要な措置を実行することができる。
【0003】
[0003] 胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、内視鏡検査、腹腔鏡検査等の分野におけるステアラブル外科的侵襲機器が、当技術分野で周知である。侵襲機器は、そのナビゲーション及びステアリング能力を強化するステアラブルな管形状装置を備えることができる。かかるステアラブル管形状装置は、近位端部と、少なくとも1つの偏向可能ゾーンを含む遠位端部と、剛性又は可撓性がある中間部とを備え得、ステアラブル管形状装置は、その近位端に、遠位の偏向可能ゾーンを管形状装置の中心軸に対して偏向させるようになされたステアリング構成体を更に備える。そのようなステアリング構成体は、例えば、近位の偏向可能ゾーン、ボール形状要素、又はロボットを備え得る。
【0004】
[0004] 既知の機器の大部分は、製造するのが複雑であり、結果的に機器が高価となる。多くの場合、機器の遠位端は、ヒンジピン、コイル、又は可撓性プラスチック押出部を有する別個のリンクから構成される可撓性ゾーンを備える。ステアリングケーブルは、これらのリンクを貫通する穴を通って、及び/又はガイドアイ又はフックを通ってガイドされるべきである。
【0005】
[0005] ほとんどの先行技術の装置では、ステアリング構成体は、制御部材として、例えば直径が1mm以下の従来のステアリングケーブルを備え、ここにおいて、ステアリングケーブルは、管形状装置の近位端部にあるステアリング構成体と遠位端部にある関連する偏向可能ゾーンとの間に配置されている。代替的に、制御部材は、例えば、管要素へのレーザ切断によって形成される、長手方向要素の1つ又は複数のセットによって実現され得る。上述のステアラブルな管及びそのステアリング構成体の設計並びに製造に関する更なる詳細は、例えば、WO2009/112060A1、WO2009/127236A1、WO2017/213491A1、及びWO2018/067004に記載されている。このような機器は、有利には、長さが例えば1メートルを超える必要がない内視鏡手術において使用することができる。
【0006】
[0006] 場合によりケーブルを収容するための一体化チャネルと共にプラスチック押出管を使用することができる。これは、機器を単純な構造物にする。しかしながら、ほとんどのプラスチックはかなり弱い。したがって、例えば1メートルを超える非常に長い機器の場合には、機器の遠位端にある器具を操作するように構成された作動ケーブル及びステアリングケーブルの両方のケーブルにかけられる力が高いことに起因して問題が生じる恐れがある。問題は、望ましくない切断、プラスチックチューブのスリップスティック効果(slip stick effects)、及び多くの場合ケーブル上の過度に高い摩擦であり得、ステアリングケーブルによるステアリングを困難にし、管理しにくくする。更に、多くのプラスチックの機械的特性は、十分に高いねじり剛性を保証するには不十分であり得、高いねじり剛性は、機器が、機器全体の回転を妨げるいくつかの湾曲部を通ってガイドされ得る場合、使用中に回転可能であるべきなので必要なものである。プラスチックチューブの別の欠点は、機器の遠位端にある器具を操作するための作動ケーブルが設けられている場合に、作動ケーブル内の力が、押出プラスチックチューブで許容される最大縦力を超える程度まで増大する可能性があるということであり得る。その場合、許容可能な力で器具を操作することは不可能となる。更に、プラスチックチューブが湾曲した配置にあり、高い力が作動ケーブルにかけられる場合、ステアリングケーブルのためのチャネルは、特に屈曲/偏向部分が変形され得、その結果、ステアリングケーブルがクランプされ、チャネル内でそれ以上自由に移動することができなくなり、したがって、遠位の偏向可能ゾーン(deflectable zones)のステアリングの適切な操作を妨げる。
【0007】
[0007] 長尺の機器が必要な医療用途、例えば長さが1.5メートル(又はそれ以上)の機器が適用され得る大腸内視鏡検査では、ステアリング性(steerability)、可撓性、剛性、及び精度に関する要件が極めて増大する。エンドエフェクタ作動下でのステアリング性、縦剛性、ねじり剛性、遠位端にある機械的に作動される器具の耐久性及び適用可能性に関して、先行技術の装置よりも良好な性能を有する機器を開発することが望まれている。更に、好ましくは使い捨てとなるくらいに低コストで製造することができるようにかかる機器を設計する必要があり、それにより、使用するたびに機器の洗浄及び滅菌利用が必要となる、費用効率のために再使用する必要が回避される。不適切な洗浄及び滅菌により、望ましくない術後合併症が生じる恐れがあり、これは周知であり頻繁に生じる問題である。
【0008】
[0008] US2004/0236316は、身体の領域内での又は領域への様々な外科用機器及び診断器具の遠隔操作のための関節機構を開示している。機構の近位端におけるセグメントの移動により、機構の遠位端におけるセグメントの対応する相対移動が生じる。近位セグメント及び遠位セグメントは、ケーブルのセットによって、各近位セグメントが遠位セグメントと別個の対を形成するような様式で連結されている。この構成により、各セグメント対が互いに独立して移動することが可能となる。各セグメントは、閉鎖したチャネルを有するリンク要素と、任意選択的に外側表面に向かって開放しているチャネルとを備える。チャネルは、異なる目的のためのケーブルを収容する。隣接するリンクは互いに接触し、機器の長手方向中心軸に対して任意の角度方向に互いに対して移動可能である。機器は多くの別個のリンクから作製されなければならず、すべてのケーブルは個々にすべてのリンクのすべてのチャネルを通ってガイドされなければならないので、この先行技術文献による機器の製造は、時間がかかり複雑である。
【0009】
[0009] US2005096694は、遠位器具と、遠位器具を支持する剛性又は可撓性のある細長いシャフトと、近位ハンドル又は制御部材とを含む内視鏡又は腹腔鏡機器を開示しており、ここで、器具及びハンドルは、屈曲可能な運動部材を介して細長いシャフトのそれぞれの遠位端及び近位端に結合されている。この文献は、図21A図23Dにおいて、ケーブルを収容するために長手方向にチャネルがつくられた固体要素から作製され、及び必要な屈曲性を与えるためにスロット付き構造を有する屈曲可能なセクションを示す。この文献には、屈曲可能なセクションを作製するために使用される材料は記載されていない。更に、図示の構造は、金属から作製することが極めて困難であり、したがって、典型的にはプラスチックから作製されることになる。この材料及び図示の構造は両方とも、製造コストが高く、縦剛性及び回転剛性に対する機械的特性が低すぎるので、長尺の装置には好適でない。
【0010】
[0010] WO2005/067785は、遠位に位置付けられた方向付け可能なヘッドと、ヘッドが位置付けられたシャフトと、ヘッドを操作するための近位に位置付けられたハンドグリップとを備える、最小侵襲性の高精度又は外科的用途のための機器を開示している。長手方向に延在するケーブルを備えるケーブルのリングがヘッドに連結される。ケーブルリングの各ケーブルは、両側の少なくとも一部がケーブルリングの別のケーブルと直接接触するように配設されている。ケーブルは、例えば、外側管及び内側コイルによって半径方向に固定される。この既知の機器の欠点は、ケーブルリングが外側管及び/又は内側コイルに対する接線方向の回転を阻止されないことであり、これは、機器が異なる方向に2つの湾曲をつくるように作動されるときに機器のステアリング性が不十分になる恐れがある。作動時に、引っ張られたケーブルは、ステアリング端部から遠位端までの最短経路を求める傾向を有し、したがって、機器の内側湾曲部に移動する傾向を有し、したがって、機器の長手方向軸を中心として接線方向に回転する。これはステアリングの損失をもたらす。更に、ケーブルリングのケーブルは隣接するケーブルと少なくとも部分的に接触するので、隣接するケーブル間に摩擦がある。更に、操作中、機器の屈曲/偏向した部分において、いくつかのケーブルに力がかけられ得、その結果、ケーブルは、「くさび」効果により、隣接するケーブルと外側管/内側コイルとの間にクランプされる傾向を有する。第2に、湾曲部において、内側湾曲部のステアリングワイヤは、張力が外側ステアリングワイヤに加えられた場合、内側管と外側管との間にクランプされる。これは、ステアリングの不制御をもたらし得る。
【0011】
[0011] 本願では、「近位」及び「遠位」という用語は、機器又は内視鏡を操作する医師などの操作者に対して定義されている。例えば、近位端部は、医師の近くに位置する部分として解釈され、遠位端部は、医師から離れたところに位置する部分として解釈されるべきである。
【0012】
[0012] 本文書のコンテキストにおいて、本発明を説明するために、「大腸内視鏡検査機器」という用語を使用する。この用語は、その用途を体内又は他の場所での特定のタイプの手術に限定するために使用されるものではない。
【発明の概要】
【0013】
[0013] 本発明の目的は、機器が、例えば2メートルもの長さでなければならない場合及びエンドエフェクタが作動される場合でもステアリング性の高い、医療手術及び非医療動作のためのステアラブル機器を提供することである。
【0014】
[0014] このことは、請求項1で特許請求されるステアラブル機器によって達成される。
【0015】
[0015] したがって、本発明による管状体は、回転剛性、縦剛性、その全長に沿った可撓性と可変曲げ剛性、及び特に比較的小さい直径で1mを超える長さの機器の場合に問題となる、偏向可能ゾーンにおける偏向可能性に関する高い要求を満たすように設計することができる。器具の制御(適用される場合)、器具の回転、先端セクションの偏向、大腸内視鏡検査及び胃内視鏡検査で必要な、より長い管の湾曲部への適応などのいくつかの機能を組み合わせて、単回使用機器を公正なコストで作製することが可能となる。この機器は、複雑な操作に好適であり、最小侵襲の胃腸手術における前進である。
【0016】
[0016] 本発明はまた、独立方法請求項において規定される可撓性管要素を製造する方法に関する。
【0017】
[0017] 第2の態様では、本発明は、近位端及び遠位端を有し、該近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置と、該近位端から該遠位端まで第1の中心軸に沿って長手方向に延在する第1のチャネルを囲む管状体とを備えるステアラブル機器に関し、管状体は、可撓性ゾーンと、該可撓性ゾーンから遠位に配置された少なくとも1つの偏向可能ゾーンとを有し、該少なくとも1つの偏向可能ゾーンは、1つ又は複数のケーブルによって該ステアリング装置に連結されて、該ステアリング装置による該少なくとも1つの偏向可能ゾーンの偏向を可能にし、該ステアリング装置は、
・該第1の中心軸と同一直線上に配置された第2の中心軸を有する第2のチャネルを有する支持部材と、該第2のチャネルは、支持部材の遠位側から近位側に延在し、管状体は、支持部材の遠位側から延在し、支持部材は、支持部材の近位側で該第2のチャネルの周りに配置されたボール形状部材を有し、
・該1つ又は複数のケーブルに連結されたケーブル締結機構を有し、該1つ又は複数のケーブルを引っ張るか又は弛緩させるかのいずれかを可能にするように該ボール形状部材上に回転可能に配置されたステアリング部材と
を備える。
【0018】
[0018] したがって、ステアラブル機器には、高い安定性とステアリング能力を有する近位に配置されたステアリング装置が設けられる。
【0019】
[0019] 本発明の実施形態は、従属請求項で特許請求されている。
【0020】
[0020] 本発明の更なる特徴及び利点が、非限定的かつ非排他的な実施形態による本発明の説明から明らかとなる。これらの実施形態は、保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、本発明の他の代替形態及び同等の実施形態が、本発明の範囲から逸脱することなく着想及び実施化されることができることを理解するであろう。更に、図面で明示されていない又は明細書で説明されていない場合でも、組合せが物理的に不可能でない限り、異なる実施形態の別個の特徴を組み合わせることができる。本発明の範囲は、請求項及びそれらの技術的同等物のみによって限定される。
【0021】
[0021] 本発明について、添付図面を参照して以下でより詳細に説明する。ここで、同様又は同一の参照記号は、同様、同一、又は対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】[0022] 各々が2つの遠位偏向可能ゾーンを有する2つの偏向可能機器が使用される、手術用の一般的なセットアップを示す。
図2】[0023] 2つの偏向可能ゾーンを有する1つの偏向可能機器を示す。
図3】[0024] 使用中の大腸内視鏡検査機器の概略図を示す。
図4】[0025] 使用中の胃内視鏡検査機器の概略図を示す。
図5A】[0026] 例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図5B】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図5C】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図6A】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図6B】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図6C】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図7A】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図7B】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図7C】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図7D】例えばステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを画定するために波形断面を有する管が使用される、本発明の実施形態の異なる図の1つを示す。
図8A】[0027] 一体化されたプラスチックライナで覆われたケーブルチャネルを有する波形断面を有する管を示す。
図8B】一体化されたプラスチックライナで覆われたケーブルチャネルを有する波形断面を有する管を示す。
図8C】一体化されたプラスチックライナで覆われたケーブルチャネルを有する波形断面を有する管を示す。
図9A】[0028] ステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを有する特別に成形されたライナを有する中空管を示す。
図9B】ステアリングケーブルのためのケーブルチャネルを有する特別に成形されたライナを有する中空管を示す。
図9C】[0029] 図9A及び図9Bの実施形態の代替構造を示す。
図10A】[0030] 互いに挿入された2つの中空管の断面を示し、内側管は、その外側表面にケーブルチャネルを有するように押出/機械加工/レーザ彫刻されており、外側ライナは、チャネルを閉鎖し、内側管を保護する。
図10B】[0031] 互いに挿入された2つの中空管の断面を示し、内側管は、その外側表面にケーブルチャネルの部分を有するように押出/機械加工/レーザ彫刻されており、外側管は、その内側表面におけるケーブルチャネルの部分が内側管の外側表面におけるケーブルチャネルの部分と位置合わせされるように押出/機械加工されている。
図11A】[0032] ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図11B】ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図11C】ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図11D】ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図11E】ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図11F】ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図11G】ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図11H】ケーブルの接線方向の移動が中間管要素以外の手段によって阻止される代替実施形態を示す。
図12】[0033] 2つの管形状要素が互いに挿入された本発明の実施形態の断面図を示し、内側管がケーブルチャネルの部分を画定するような断面を有し、外側管がケーブルチャネルの部分を画定するような断面を有し、内側管及び外側管のケーブルチャネルが位置合わせされている。
図13A】[0034] ステアリングケーブルのための完全なケーブルチャネルを画定するような断面をもつ1つの管を有する本発明の実施形態の断面図を示す。
図13B】ステアリングケーブルのための完全なケーブルチャネルを画定するような断面をもつ1つの管を有する本発明の実施形態の断面図を示す。
図14A】[0035] 管のケーブルチャネルに埋め込まれ、管に取り付けられた追加の管中にステアリングケーブルが配置された実施形態を示す。
図14B】管のケーブルチャネルに埋め込まれ、管に取り付けられた追加の管中にステアリングケーブルが配置された実施形態を示す。
図15A】[0036] 近位ステアリング構成体の3Dを示す。
図15B】近位ステアリング構成体の断面図を示す。
図16A】[0037] 機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図16B】機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図16C】機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図16D】機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図16E】機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図16F】機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図16G】機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図16H】機器の可撓性セクション及び偏向可能なセクションにおいて使用することができる、いくつかの代替のスロット付き構造を示す。
図17A】[0038] 偏向位置にある管状体の偏向可能ゾーンを示す。
図17B】矢印XVIIBによって示された位置における、そのような偏向された管状体の断面を示す。
図18A】[0039] スロット付きヒンジ構造における破断要素の例を示す。
図18B】スロット付きヒンジ構造における破断要素の例を示す。
図18C】スロット付きヒンジ構造における破断要素の例を示す。
図18D】スロット付きヒンジ構造における破断要素の例を示す。
図18E】スロット付きヒンジ構造における破断要素の例を示す。
図19A】[0040] ケーブルを管状体の遠位端に連結するために使用される圧着ブッシングの例を示す。
図19B】ケーブルを管状体の遠位端に連結するために使用される圧着ブッシングの例を示す。
図19C】ケーブルを管状体の遠位端に連結するために使用される圧着ブッシングの例を示す。
図20A】[0041] 機器の遠位端を偏向させるようにいくつかのケーブルに張力がかけられたときの機器に対する望ましくない回転力を打ち消すために中間ゾーンにおいてケーブルが再配置された実施形態を示す。
図20B】機器の遠位端を偏向させるようにいくつかのケーブルに張力がかけられたときの機器に対する望ましくない回転力を打ち消すために中間ゾーンにおいてケーブルが再配置された実施形態を示す。
図20C】機器の遠位端を偏向させるようにいくつかのケーブルに張力がかけられたときの機器に対する望ましくない回転力を打ち消すために中間ゾーンにおいてケーブルが再配置された実施形態を示す。
【実施形態の説明】
【0023】
[0042] 図1は、2つのステアラブル侵襲機器10を収容する導入器(introducer)を有する侵襲機器アセンブリ1の非限定的な実施形態を示す。図2は、ステアラブル侵襲機器10の側面図を示す。
【0024】
[0043] 各ステアラブル機器10(図2参照)は、2つの作動偏向可能ゾーン14、15を含む近位端部11と、2つの遠位偏向可能ゾーン16、17を含む遠位端部13と、剛性のある中間部12を有する細長い管状体18を備える。本実施形態における作動偏向可能ゾーン14、15は、偏向可能な近位ゾーンとして構成されており、更に偏向可能近位ゾーンと呼ぶ。これらの偏向可能近位ゾーン14、15は、好適な長手方向要素(図2に図示せず)によって、遠位偏向可能ゾーンに連結されている。このような長手方向要素はケーブルであり得る。代替的に、このような長手方向要素は、例えばWO2009/112060A1、WO2009/127236A1、WO2017/213491A1、及びWO2018/067004に詳細に説明されているように、円筒管に所定のパターンをレーザ切断することからもたらされる長手方向スロットによって分離された、管要素内の長手方向ストリップ形状要素によって実現されてもよい。レーザ切断の代替として、他の技法、例えば水ビームによる切断を使用してもよい。また、3Dレーザプリンティングを使用してもよい。これは、レーザ切断についての言及がある以下で説明する他の実施形態にも当てはまる。
【0025】
[0044] 1つのそのような近位偏向可能ゾーン14、15を、機器の長手方向軸から角度方向にそれぞれ偏向させることによって、対応する偏向可能遠位ゾーン16、17も偏向する。剛性のある中間部12はまた、可撓性ゾーンをもう1つ有し得る。しかしながら、これらの可撓性ゾーンは、単に可撓性があるだけであり、それらの屈曲は、別の屈曲可能ゾーンによって制御されない。所望であれば、1つ又は複数のステアラブル偏向可能遠位ゾーン16、17を設けることができる。
【0026】
[0045] 遠位端部13には、鉗子2などの器具が配置される。近位端部11にはハンドル3が配置されており、このハンドル3は、例えば、機器内に配置された好適な作動ケーブル(図示せず)を介して、鉗子2のジョーを開閉するようになされている。そうするためのケーブル配置は、当技術分野において周知である。
【0027】
[0046] ステアラブル機器は、典型的には、管をステアリングするため及び/又はステアラブルな管の遠位端部に配置された鉗子2などの器具を操作するために、ステアラブルな管の近位端部に配置されたハンドル3を備える。代替的に、そのような器具は、例えば、カメラ、1つのはさみなどの手動マニピュレータ、電気、超音波、若しくは光エネルギー源などのエネルギー源を使用するマニピュレータとすることができる。機器は、遠位端に適用される器具のタイプに関して限定しない。ハンドル3のタイプは、当業者には明らかなように、遠位端に適用される器具のタイプに依存して選択される。
【0028】
[0047] 図1は、導入器20に挿入された2つの図2の機器18を示す。このような導入器20は、手術中に、例えば人間の腹壁に配置されたトロカール(図示せず)に挿入することができる。このような導入器20の例の更なる詳細は、WO2015/084157に開示されている。両方の機器18は、近位偏向可能ゾーン14、15で偏向され、これにより遠位偏向可能ゾーン16、17も偏向する。図2のセットアップは、典型的には、腹腔鏡用途で使用することができる。
【0029】
[0048] 体内で操作されることになるいくつかの位置には、特別に設計された機器が必要である。例えば、図2の機器の中間部12を完全に可撓性があるようにすることによって、機器は、大腸、食道を介する胃、又は湾曲した血管を介する心臓などの、湾曲した自然のアクセスガイド/チャネルを介してしかアクセス可能でない体内のエリアにおいても使用することができる。
【0030】
[0049] 図3は、使用中の大腸内視鏡42の概略図を示す。大腸内視鏡42は、人体の大腸30に挿入される。典型的には、大腸30は、いくつかのほぼ直角のセクション32、34、36、及び38を有する。外科医が、直角セクション32より上流の大腸30のエリアを手術する必要がある場合、大腸内視鏡42は、最大1.5メートルの距離に沿って大腸30に挿入される必要がある。更に、大腸内視鏡42は、大腸30の内壁を傷つけるリスクなしに、肛門から大腸30のすべての直角セクション32~38を通って容易にガイドされることができるくらいに可撓性がある必要がある。
【0031】
[0050] 手術中では、通常、いくつかの侵襲機器が大腸内視鏡42を通して挿入されて、その遠位端44において何らかの機能のための1つ又は複数の器具を提供する。大腸内視鏡検査では、そのような器具には、典型的には、カメラレンズ及び照明要素が含まれる。外科医がカメラ視野を大腸30内の所望の位置及び視野にステアリングするのを助けるために、典型的には、遠位端は、長手方向軸から全角度方向に偏向可能である。このことは、器具2を有する挿入される機器にも当てはまる。これは、図2に示す機器の偏向可能ゾーン16、17などの1つ又は複数の偏向可能ゾーンを有する機器を提供することによって実現することができる。これらの遠位偏向可能ゾーンは、機器の近位端における好適なステアリング機構に連結された、機器に収容された好適なステアリングケーブルによって制御される。
【0032】
[0051] 図4は、使用中の胃内視鏡56の概略図を示す。胃内視鏡56は、口、口腔/のど54、及び食道52を介して人体の胃50に挿入される。特に、外科医が胃50の下部を手術する必要があるとき、胃内視鏡56は、いくつかの湾曲した/角度のついたセクションを通ってガイドされる必要がある。したがって、胃内視鏡56は、口/のど54、食道52、及び胃50の内壁を傷つけるリスクがほとんどないように可撓性がある必要がある。
【0033】
[0052] 手術中では、通常、いくつかの侵襲機器が胃内視鏡56を通して挿入されて、その遠位端60において何らかの機能のための1つ又は複数の器具を提供する。胃内視鏡検査では、そのような器具には、典型的には、カメラレンズ及び照明要素が含まれる。外科医がカメラ視野を胃50内の所望の位置及び方向にステアリングするのを助けるために、典型的には、遠位端60は、長手方向軸から全角度方向に偏向可能である。このことは、器具2を有する挿入される機器にも当てはまる。これは、図2に示す機器の偏向可能ゾーン16、17などの1つ又は複数の偏向可能ゾーンを有する機器を提供することによって実現することができる。これらの遠位偏向可能ゾーンは、これらの機器の好適なステアリング機構に連結された、機器に収容された好適なステアリングケーブルによって制御される。
本発明による機器は、このような大腸内視鏡及び胃内視鏡で使用することができる。したがって、本機器に対する大まかな要件は、それらが、例えば長さが1mを超える長尺の機器であり、大腸内視鏡及び胃内視鏡内の又はそれらに取り付けられたワーキングチャネルに合う比較的小さい直径を有する場合でも、高い回転剛性、高い縦剛性、その全長に沿った可撓性、及びその偏向可能ゾーンにおける偏向可能性を示すことである。また、そのような機器は、かなり容易に製造することができるように設計されるべきである。本発明によれば、これは、金属から作製され、かつ機器にその全長に沿って十分な可撓性を与えるために好適なスロット付き構造が設けられた少なくとも1つの管要素を備えた管状体を有する機器を用いて達成することができる。
【0034】
[0053] 図5A図5Cは、本発明の第1の実施形態を示す。図5Cは、図5Aに示す機器の先端部の拡大バージョンである。図5Bは、図5A及び図5Cにおいて2つの矢印VBで示された位置における先端部の断面図である。
【0035】
[0054] 図5Aは、器具と、本実施形態によるステアラブル機器の近位端との間のステアラブル機器の細長い管状体18の遠位端70の3D図を示す。細長い管状体18は、外側管要素86と、中間管要素88と、内側管要素92とを備える。細長い管状体18は、外側管要素86の外側若しくは内側管要素92の内側、又は中間管要素88の両側の内側管要素92と外側管要素86との間に位置する管要素をより多く備えてもよい。内側管要素92は、管状体18の遠位端70から近位端に向かって延在する細長いチャネル94を囲んでいる。好ましくは、すべての管要素86、88、92は、管状体18の中心長手方向軸98に対して対称である。それらは、実質的に円形の断面を有する円筒形要素として示されている。しかしながら、それらは、楕円形、六角形、矩形等のような他の断面を有してもよい。更に、本発明のいくつかの管要素の断面が、理想的な円、又は楕円若しくは六角形等から逸脱してもよいことがわかる。
【0036】
[0055] 中間管要素88は、ケーブル90のための接線方向回転ブロッカとして機能する。
【0037】
[0056] 図示の実施形態では、管状体18は1つの偏向可能ゾーン17を有する。この偏向可能ゾーン17と近位端との間に、管状体は可撓性ゾーン12aを有する。偏向可能ゾーン17及び可撓性ゾーン12aでは、すべての管要素86、88、及び92は可撓性がある。偏向可能ゾーン17の偏向は、ステアリングケーブル90によって制御される。ステアリングケーブル90を操作すると、可撓性ゾーン12aも偏向する傾向を示す。しかしながら、好ましくは、ステアリングケーブル90が操作されたときに、偏向可能ゾーン17が可撓性ゾーン12aよりも容易に屈曲するように、偏向可能ゾーン17は可撓性ゾーン12aよりも可撓性がある。更に、ケーブル90は、典型的には、管状体18が対象物の標的位置まで挿入されたときに操作されることになり、この場合、偏向可能ゾーン17は、管状体18が延びていく対象物の1つ又は複数の湾曲セクション(大腸など)によって決定される、かなり固定された向きに位置し得る可撓性ゾーン12aよりも多くの対象物内の自由空間を有する。例えば、管状体18が、偏向可能ゾーン17を含む遠位端が大腸内視鏡又は胃内視鏡の遠位端から延びる程度まで大腸内視鏡又は胃内視鏡に挿入されたとき、可撓性ゾーン12aは、大腸内視鏡又は胃内視鏡の湾曲部及びその周囲の大腸又は上部腸管の湾曲部にかなり固定されているが、偏向可能ゾーン17は自由に偏向することができる。これは、ステアリングケーブル90を操作するときに偏向可能ゾーン17のみを偏向させることを助ける。
【0038】
[0057] 中間管要素88は、内面及び外面を有し、管状体18の長手方向に長手方向ケーブルチャネル96、97を画定するように成形される。図5A図5Cは、中間管要素88の外側にあるそのような6つのケーブルチャネル96と、中間管要素88の内側にあるそのような6つのケーブルチャネル97とを示している。図5Aに示す実施形態では、各ケーブルチャネル96、97は、1本のステアリングケーブル90を収容している。1つの実施形態では、すべてのケーブルチャネル96、97は、中心軸98と並行して直線方向に延在する。しかしながら、ケーブルチャネル96、97は、代替的に、中間管要素88の長手方向に螺旋状であってもよい。螺旋形状は、管状体18の遠位端におけるチャネル96、97の接線位置と近位端における同じチャネル96、97の接線位置とが、例えば90°、180°、又は270°の回転角度だけ相対的にシフトされるようなものであり得る。しかしながら、所望であれば、他の任意の回転角度を実現することができる。
【0039】
[0058] 外側管要素86の先端部は、複数の長手方向スロット80を備える。図示の実施形態では、それらは6つあり、接線方向に等間隔で配置されている。それらは、外側管要素86の外側遠位縁部に向かって開放している。2つの隣接する各スロット80間には、外側管要素86の最遠位端にストリップ84がある。したがって、合計6つのストリップ84が存在する。各スロット80は、1本のケーブル90と位置合わせされている。これらのスロット80は、ケーブル90が最遠位端においてそれ以上近位方向にそれらのケーブルチャネル内で移動することができないように、遠位端においてケーブル90をクランプするために適用される圧着ブッシング(crimp bushings)との位置合わせのために使用される。そのような圧着ブッシングとの連結を、図19A及び図19Bに示す。当然ながら、ケーブル90の遠位端を管状体18の先端部に締結する他の任意の既知の手段、例えばケーブル90に好適なビードを設けること又は溶接を代わりに使用してもよい。
【0040】
[0059] 各ストリップ84にはリップ82が設けられている。各リップ82は、中間管要素88の外側部分と位置合わせされており、ストリップ84のレーザ溶接部分としての役割をする。各リップ82は、先端部において、外側管要素86が中間管要素88にしっかりと取り付けられるように、中間管要素88のこのような外側部分にレーザ溶接される。それによって、中間管要素88及び外側管要素86は、管状体の遠位端において互いに対して回転又は移動することができず、したがって安定性を与える。したがって、遠位端において、ケーブル90は、外側管要素86に対する接線方向の回転が阻止される。これは、代替的に、リップなしでのレーザ溶接、又は中間管要素88及び外側管要素86のうちの少なくとも一方に存在し、これらの管要素86、88のうちの他方における好適な位置合わせされた開口部に屈曲されるリップなどの、他の特徴によって確立することができる。接着又はろう付けも、取り付けのための可能な選択肢である。
【0041】
[0060] 外側管要素86は、スロット80から近位に位置し、偏向可能ゾーン17と位置合わせされた偏向可能セクション72を備える。この偏向可能セクション72は、非可撓性セクション78によって外側管要素86の先端部から分離されている。好ましくは、セクション78は、屈曲することができないように穴もスロットも全く又はほとんど有さない、外側管要素86のリング形状部分である。セクション78は任意選択であり、省くことができる。
【0042】
[0061] 図5Aに示す実施形態では、偏向可能セクション72は、外側管要素86の材料に所定のパターンのスロットをレーザ切断することによって実現される。これらのスロットは、材料の厚さ全体にわたって延在する。スロットは、偏向可能セクション72がヒンジとして動作し、可撓性ゾーン12aに対する偏向可能性に関して最適化されるように配置される。それとは別に、偏向可能セクション72は、特定の最小回転剛性及び最小縦剛性を有するべきである。好ましくは、偏向可能セクション72は、長手方向及び接線方向の遊び(play)を示さない。しかしながら、偏向可能セクション72については、これは絶対的な要件ではない。そのため、先行技術から既知の任意の好適なスロット付き構造を使用することができる。好ましい偏向可能セクション72に関する更なる詳細を図16Aに示し、それを参照して説明する。
【0043】
[0062] 可撓性ゾーン12aにおいて、外側管要素86は可撓性セクション74を有する。好ましい実装形態では、可撓性セクション74もまた、外側管要素86の材料に所定のパターンのスロットをレーザ切断することによって実現される。これらのスロットは、材料の厚さ全体にわたって延在する。スロットは、可撓性セクション74がある所定の程度まで可撓性があるが、回転剛性に関して最適化されるように配置される。またこの可撓性セクション74も、特定の最小縦剛性を有するべきである。好ましくは、可撓性セクション74は、長手方向及び接線方向の遊びを示さない。そのため、先行技術から既知の任意の好適なスロット付き構造を使用することができる。好ましい可撓性セクション74に関する更なる詳細を図16Bに示し、それを参照して説明する。
【0044】
[0063] 一実施形態では、可撓性セクション74の可撓性は、偏向可能セクション72の可撓性よりも小さい。
【0045】
[0064] 偏向可能セクション72と可撓性セクション74との間に、外側管要素86は、リング形状の非可撓性セクション76を有し得る。したがって、好ましくは、リング形状セクション76は、屈曲することができないように、穴もスロットも全く又はほとんど有さない。リング形状セクション76は任意選択であり、省くことができる。
【0046】
[0065] 偏向可能セクション72の近位側に、外側管要素86は、複数のリップ75を備える。リップ82と同様に、それらは、中間管要素88の外側部分と位置合わせされており、レーザ溶接部分としての役割をする。各リップ75は、偏向可能セクション72の近位側において、外側管要素86が中間管要素88にしっかりと取り付けられるように、中間管要素88のこのような外側部分にレーザ溶接される。外側管要素86を中間管要素88に連結するための他の機構、例えば、直接溶接、又は管要素86、88のうちの一方にあって管要素86、88のうちの他方における位置合わせされた開口部に屈曲されるリップを使用することを、代わりに適用してもよい。接着又はろう付けも、取り付けのための可能な選択肢である。
【0047】
[0066] また、可撓性ゾーン12aに沿った位置において、外側管要素86は、例えば、リップ75のように成形された好適な溶接リップを中間管要素88の外側部分にレーザ溶接することによって、又は一方の管要素にあって他方の管要素における好適な位置合わせされた開口部に屈曲されるリップを使用することによって、中間管要素88に取り付けられてもよい。接着又はろう付けも、取り付けのための可能な選択肢である。これにより、管状体18により安定性が与えられ、使用中に変形するリスクが少なくなる。このようにして、中間管要素88は、外側管要素86に対して接線方向に回転することができず、ケーブル90のための接線方向回転ブロッカとして更に良好に機能する。
【0048】
[0067] 機器の全長に沿っていくつかの位置ですべての適用された管要素86、88、92を互いに取り付ける必要性は、機器が長くなるほど増加する。すなわち、すべての適用された管要素86、88、92の同じ長手方向位置におけるヒンジが、このような長尺の機器において、長手方向及び接線方向の両方で常に位置合わせされているべきである。適用された管要素は、可能な限り互いに対して回転しないようにするべきである。また、長尺の機器では、ケーブル90が接線方向に回転するのを防止するために、中間管要素88が内側管要素92及び/又は外側管要素86(いずれか適用される方)に対して回転可能となるのを防止することも必要である。適用された管要素が接線方向の回転において固定されない場合、多くの緩み及び遊びが生じる恐れがあり、制御性が不安定となる。したがって、レーザ溶接は、結果として遊びがなくなるので好ましい方法である。
【0049】
[0068] 外側管要素86は、好ましくは均一な厚さを有し、好ましくは金属から作製される。好適な材料は、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金である。しかしながら、上述したスロット/スロット付き構造に関する回転剛性、縦剛性、遊び、及び製造可能性に関する要件を満たすことができる他の任意の材料、例えばプラスチック、ポリマー、複合材、又はヒンジを作製することができる他の切断可能な材料を選択することもできる。好ましくは、材料は、ケーブル90に対して可能な限り低い摩擦係数を有し、UHMWPE及び/又はテフロン(登録商標)などの材料である。
【0050】
[0069] 外側管要素86の厚さは、その用途に依存する。医療用途では、厚さは、0.02~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。外側管要素86の直径は、その用途に依存する。医療用途では、直径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。
【0051】
[0070] 外側管要素86のスロット付き構造72、74のスロットは、レーザ切断によって作製することができる。隣接する要素を単に分離するために作製されるこれらのスロットは、好ましくは、0~50μm、より好ましくは0~30μmの範囲の幅を有し得る。0μm又はそれに非常に近い幅を有するスロットは、スロットが来るべき位置にノッチを切り込むことによって作製することができ、このノッチは、材料の厚さ全体にわたって延在するのではなく、ノッチに沿って材料を容易に破損することができる程度に材料を弱める。このようなノッチの切り込みは、レーザ彫刻又は切断経路の中断によって行うことができる。これについては、以下で図19を参照してより詳細に説明する。
【0052】
[0071] 図5A図5Cの実施形態では、中間管要素88の断面は、その長手方向全体に沿って波形構造を有する。ここで、中間管要素88は均一な厚さを有する。したがって、その内面及び外面の両方とも波形構造を有する。
【0053】
[0072] 波形構造は、正弦形状であり得、完全に対称であり得る。ここで、「正弦形状」という用語は、正弦のように見えるが、実際には理想的な正弦ではない形状を指すために使用される。波形構造は、複数の外側ピーク100を有する。図示の実施形態では、6つの外側ピーク100がある。これらはすべて、中心軸98から同じ半径方向間隔をあけて位置し、外側管要素86の内側に接触し得る。外側管要素86のリップ75及び82は、このような外側ピーク100において中間管要素88に取り付けられる。外側管要素86はまた、例えば外側ピーク100と位置合わせされた外側管要素86に好適な溶接リップをレーザ溶接することによって、可撓性ゾーン12a内の位置で中間管要素88に取り付けられ得る。
【0054】
[0073] 外側管要素86と中間要素88との連結が、上述したような、リップ及び好適な位置合わせされた開口部によって行われるとき、そのようなリップは、好ましくは、外側管要素86に作製され、そのような開口部は中間要素88に作製される。この場合、開口部は、このようなピーク100に位置する。接着又はろう付けも、取り付けのための可能な選択肢である。
【0055】
[0074] 波形構造はまた、複数の内側ピーク102も有する。図示の実施形態では、6つの内側ピーク102がある。これらはすべて、中心軸98から同じ半径方向間隔をあけて位置し、内側管要素92の外側に接触し得る。好ましくは、これらの内側ピーク102のうちの1つ又は複数は、先端部のどこかで、例えば遠位縁部からリップ82と同じ間隔をあけて、内側管要素92に取り付けられている。内側管要素92及び中間管要素88の両方が金属から作製されているとき、そのような取り付けは、レーザ溶接によって実現され得る。しかしながら、上述したような、接着若しくはろう付け、又は管要素の一方におけるリップと他方の管要素における好適な位置合わせされた開口部などの、他の任意の好適な取り付け技法を代わりに使用してもよい。上述したように、隣接する管要素間のそのような連結/取り付けは、機器の全長に沿って存在し得る。
【0056】
[0075] 中間管要素88の波形構造は、その全長に沿って同じであり、ケーブル90を収容するための、管状体18の遠位端から近位端に延在する長手方向チャネルを画定する。波形構造は、複数の外側に面するケーブルチャネル96と複数の内側に面するケーブルチャネル97を有する。ここでは、6つのケーブルチャネル96及び6つのケーブルチャネル97がある。しかしながら、他の任意の数を代わりに使用してもよい。偏向可能ゾーン17の全方向への偏向を可能にするために、3本のステアリングケーブル90を収容する少なくともこのような3つのケーブルチャネル96、97が必要である。すべてのケーブルチャネル96、97は、好ましくは、接線方向に等間隔に配置される。
【0057】
[0076] 波形構造は、螺旋状ケーブルチャネル96、97を画定するように、長手方向に螺旋状であり得る。
【0058】
[0077] 中間管要素88には、偏向可能ゾーン17内の偏向可能セクションと、可撓性ゾーン12a内の可撓性セクションとが設けられている。任意の好適な技術的実装形態を使用することができる。例えば、外側管要素86における72及び74で示されるものなどのスロット付き構造を使用することができる。図7Aに示す波形中間管要素88には、代替のスロット付き構造106が示されている。図7Aの例示的なスロット付き構造106を、図16Cにより詳細に示す。更なる代替として、図16A図16Cに詳細に示すスロット付き構造のうちのいずれかを、中間円筒形セクション88の偏向可能セクションで使用することができるが、中間管要素88の構造の残りの部分は、大腸内視鏡検査などの特定の想定される用途のために十分容易に屈曲するように可撓性がある。
【0059】
[0078] 中間管要素88は、好ましくは均一な厚さを有し、好ましくは金属から作製される。好適な材料は、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金である。しかしながら、上述したスロット/スロット付き構造に関する回転剛性、縦剛性、遊び、及び製造可能性に関する要件を満たすことができる他の任意の材料、例えばプラスチック、ポリマー、複合材、又はヒンジを作製することができる他の切断可能な材料を選択することもできる。好ましくは、材料は、ケーブル90に対して可能な限り低い摩擦係数を有する。UHMWPE及び/又はテフロン(登録商標)などを使用してもよい。中間管要素88は、円形断面を有する元々は円筒形の管を所望の形状に成形することによって作製することができる。
【0060】
[0079] 中間管要素88の厚さは、その用途に依存する。医療用途では、厚さは、0.02~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。中間管要素88の内径及び外径は、その内部ピーク102及び外側ピーク100によって画定され、その用途に依存する。医療用途では、内径及び外径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。中間管要素88の外径は、外側管要素86の内径と実質的に同じになるように選択される。この場合、外側管要素86は、中間管要素88に、その外側ピーク100で接触する。同様に、中間管要素88の内径は、内側管要素92の外径と実質的に同じになるように選択される。この場合、内側管要素92は、中間管要素88に、その内部ピーク102で接触する。
【0061】
[0080] 中間管要素88が波形断面を有しても、実験によれば、中間管要素88のスロット付き構造106のスロットをレーザビームによるレーザ切断によって作製できることがわかった。このようなレーザビームは、中心軸98と直角に方向付けられ得る。しかしながら、そのようなレーザビームを、中心軸98と直角であり、及び中間管88の外面と実質的に直角である平面に位置するように方向付けることも可能である。ここで「実質的に」とは、90の角度の±10%以内を意味する。隣接する要素を単に分離するために作製されるこれらのスロットは、好ましくは、0~50μm、より好ましくは0~30μmの範囲の幅を有し得る。
【0062】
[0081] ケーブル90は、それらの直径がチャネル96、97の高さよりもわずかに小さくなるように選択され、チャネル96、97の高さは、それらの半径方向の断面幅として規定される。好適なケーブル直径は、例えば0.1~1.0mmの範囲内である。チャネル96、97の断面幅は、チャネル96、97のどの位置でもケーブル直径よりも大きくなるべきである。この場合、ケーブル90は、実質的に摩擦なしに長手方向にチャネル96、97内で移動することができる。管状体18の屈曲した部分においてのみ、ケーブル90のいくつかが、後述するように、摩擦を受ける。
【0063】
[0082] ケーブル90は、可能な限り低い曲げ剛性及び可能な限り高い縦剛性と組み合わせて可能な限り高い引張強度を有するように選択されるべきである。したがって、好ましくは、ケーブル90は、中実の単一ワイヤの代わりに、いくつかの金属撚線から作製される。代替的に、ケブラー(登録商標)、アラミド、又はダイニーマなどの材料を使用することができる。このようなケーブルは、いくつかの撚線を含むことができ、円形断面又は更には楕円形若しくは平坦な断面を有し得る。
【0064】
[0083] 中間管要素88の波形構造は、本質的に、外部機械力によって半径方向及び接線方向の両方に変形しにくいので、変形しにくいチャネル96、97の壁として機能する。これは、管状体18が1メートル以上の長さを有し、人間の大腸などの湾曲した管に挿入され、遠位端の器具を所望の向きにするために近位端で外科医によって回転されるときでも、管状体18全体を可能な限り元の形状に保つことを著しく支援する。
【0065】
[0084] 内側管要素92は、内部チャネル94を有する。内部チャネル94の断面寸法は、意図した目的に好適なものである。多くの用途では、内部チャネル94は、ステアリングケーブル90よりも厚さ及び強度があり得る作動ケーブル184(図15B参照)を収容する。このような作動ケーブル184は、その近位端において、ハンドル3に連結され、ハンドル3のグリップによって操作される。すなわち、グリップを互いに近づけたり遠ざけたりすることにより、作動ケーブルの長手方向移動が生じ、この移動は、1つのはさみ又はクランプ装置のジョーの開閉運動に変換されることができる。このような技法は当業者に広く知られており、ここで更に説明する必要はない。
【0066】
[0085] チャネル94は、1つ又は複数の導電性又は光ワイヤを収容し得る。そのような電気又は光ワイヤは、電気又は光エネルギーを器具に移送し得、器具は、例えば、加熱、焼灼、照明、感知(観察)等の所定の機能を実行するためにそのエネルギーを使用する。
【0067】
[0086] 内側管要素92は、好ましくは、均一な厚さを有し、少なくとも偏向可能ゾーン17及び可撓性ゾーン12aにおいて可撓性がある必要がある。したがって、管要素92は、その全長に沿って完全に可撓性があり得る。それは、例えば、ばね又はコイルで作製することができる。代替的に、プラスチックなどの可撓性材料で作製することができる。更なる代替として、それは、金属から作製することができ、その可撓性は、例えば、先行技術から既知の、又は以下で図16A図16Cを参照して説明する、好適なスロット付き構造によって偏向可能ゾーン17及び可撓性ゾーン12aにおいて増大する。
【0068】
[0087] 内側管要素92のための好適な材料は、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金である。しかしながら、上述したスロット/スロット付き構造に関する回転剛性、縦剛性、及び遊び、及び製造可能性に関する要件を満たすことができる他の任意の材料、例えばプラスチック、ポリマー、複合材、又はヒンジを作製することができる他の切断可能な材料を選択することもできる。好ましくは、材料は、ケーブル90に対して可能な限り低い摩擦係数を有し、UHMWPE及び/又はテフロン(登録商標)などの材料である。
【0069】
[0088] 内側管要素92の厚さは、その用途に依存する。医療用途では、厚さは、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。内側管要素の直径は、その用途に依存する。医療用途では、直径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。内側管要素92の外径は、内部ピーク102によって画定される中間管要素88の内径と実質的に同じになるように選択される。この場合、内側管要素92は、中間管要素88に、その内部ピーク102で接触する。
【0070】
[0089] 内側管要素92のスロット付き構造のスロットは、適用される場合、レーザ切断によって作製することができる。隣接する要素を単に分離するために作製されるこれらのスロットは、好ましくは、0~50μm、より好ましくは0~30μmの範囲の幅を有し得る。
【0071】
[0090] 管状体18に十分な回転剛性及び縦剛性を与えるために、外側管要素86、中間管要素88、及び内側管要素92のうちの少なくとも1つは、合金鋼、コバルトクロム合金、及びニチノール(登録商標)などの金属から作製される。
【0072】
[0091] 図6A図6B図6Cは、外側ケーブルチャネル96のみがケーブル90を収容している実施形態を示す。したがって、内側チャネル97は、空であるか、又は電気ワイヤ、光ファイバ、若しくは何らかの種類の機械的作動のためのワイヤを含むように設計されている。したがって、図6A図6B図6Cの実施形態では、ケーブル90を適所に保つための内側管要素92は必要ない。残りのすべての要素は、図5A図5B図5Cの実施形態のものと同じである。それらについては同じ参照符号で示す。
【0073】
[0092] 管状体18に十分な回転剛性及び縦剛性を与えるために、ここでは、外側管要素86及び中間管要素88のうちの少なくとも1つが、合金鋼、コバルトクロム合金、及びニチノール(登録商標)などの金属から作製される。
【0074】
[0093] 図7A図7B図7Cは、外側チャネル96が空であり、ケーブル90を収容しない実施形態を示す。それらは、電気ワイヤ、光ファイバ、又は何らかの種類の機械的作動のためのワイヤを含み得る。したがって、図7A図7B図7Cの実施形態では、ケーブル90を適所に保つための外側管要素86は必要ない。残りのすべての要素は、図5A図5B図5Cの実施形態のものと同じである。それらについては同じ参照符号で示す。
【0075】
[0094] したがって、図7Aでは、中間管要素88の外側をはっきりと見ることができる(これは図5A図5C及び図6A図6Cの同じ中間管要素88であることに留意されたい)。中間管要素88は、遠位端に先端セクション104を有する。先端セクション104から近位に、中間管要素88は、ここではヒンジ構造106として実現され、偏向可能ゾーン17と位置合わせされた偏向可能セクションを有する。ヒンジ構造106から近位に、中間管要素88は、中間セクション108を有する。
【0076】
[0095] ケーブル90を先端セクションに連結するために、圧着ブッシング又はレーザ溶接ブッシングが設けられ得る。
【0077】
[0096] 図示の実施形態では、ヒンジ構造106は、複数のスロットを備えるスロット付き構造によって作製される。ヒンジ構造106は、中間管要素88の材料に所定のパターンのスロットをレーザ切断することによって製造され得る。これらのスロットは、材料の厚さ全体にわたって延在する。スロットは、ヒンジ構造106が、可撓性ゾーン108に対する偏向可能性に関して最適化されるように配置される。それとは別に、偏向可能セクションは、特定の最小回転剛性及び最小縦剛性を有するべきである。好ましくは、ヒンジ構造106は、長手方向及び接線方向の遊びを示さない。しかしながら、ヒンジ構造106については、これは絶対要件ではない。そのため、先行技術から既知の任意の好適なスロット付き構造を使用することができる。好ましいヒンジ構造106に関する更なる詳細を図16Cに示し、それを参照して説明する。
【0078】
[0097] 中間セクション108は、可撓性ゾーン12aと位置合わせされており、可撓性があるべきである。したがって、それは、可撓性材料から作製するか、又は、例えばこの中間セクション108に好適なスロット付き構造を設けることによって可撓性があるようにするべきである。先行技術から既知の任意の好適なスロット付き構造を使用してもよい。有利には、スロット付き構造は、図16Cに示し、それを参照して説明するように使用される。
【0079】
[0098] 一実施形態では、偏向可能セクション106は、中間セクション108よりも可撓性がある。
【0080】
[0099] 図5A図5C図6A図6C、及び図7A図7Cに示す構造は、管状体18の屈曲又は偏向した部分におけるくさび効果によりケーブル90が動けなくなる(getting stuck)という欠点を有し得る。これについては、次に図17A及び図17Bを参照してより詳細に説明する。
【0081】
[00100] 図17Aは、屈曲位置にある管状体18の屈曲可能ゾーン12を示す。管状体18は、(反対側から見た)図9A図9Bで更に詳細に説明するようなものである。図17Bは、矢印XVIIBによって示された位置における、そのような屈曲した管状体18の断面を示す。
【0082】
[00101] 図17Aの場合、偏向可能端部17の先端部が、図面の平面で見て下方に偏向されることが望ましいと想定している。これは、図面の表面で見て中間管要素88の下側部分に位置するケーブル90に引張り力をかけ、図面の表面で見て中間管要素88の上側部分にあるケーブル90を弛緩又は押圧することによって行われる。言い方を変えれば、下側に位置するケーブル90は、図17Aの図面の表面で近位端から左に向かって引っ張られ、上側に位置するケーブル90は、右方向に移動することができるように近位端から弛緩される。
【0083】
[00102] 図17Bの断面位置における屈曲状態により、これは、図17Bに示すようにケーブル90に対して下向きの力110、112、120、122、114、118を引き起こす(ここでは、外側チャネル96に位置するケーブルに対する力のみが示されている)。ケーブル90が、屈曲した管状体18の下側近くに位置するほど、ケーブル90に対する下向きの力110、112、120、122、114、118は大きくなる。チャネル96は円形ではなく、ケーブル90の中心軸と実質的に一致するそれらの中心軸から、中間管要素88と外側管要素86の接触エリアに向かって先細になっている。管状体18の下側及び中央側では、かけられた力110、112、120、及び122はそれぞれ、チャネル96のテーパ付きセクション99に向かって方向付けられた成分111、113、121、及び123をそれぞれ有し、それにより、「くさび」効果が生じ、ケーブル90がクランプされてケーブル90に長手方向の摩擦が生じるか、又は更には中間管要素88と外側管要素86との間で動けなくなるリスクがある。管状体18がより短く、ケーブル90にかけられる力が比較的に小さい場合、これは深刻でない場合もあるが、大腸内視鏡検査などの使用中に多くの位置が既に湾曲している長尺の機器の場合、このケーブル90上の摩擦の増大はより深刻なものとなり、偏向可能ゾーン17の適切な偏向可能性を妨げ得る。
【0084】
[00103] 当業者には明らかなように、この効果は、偏向可能ゾーン17自体においても生じ得る。
【0085】
[00104] 本発明のいくつかの実施形態は、この問題を解決する。かかる1つの解決法を、図7A図7Cの実施形態の変形形態を示す図7Dに概略的に示す。図7Dは、内向きケーブルチャネル97を画定するように成形された中間管要素88fを示す。各ケーブルチャネル97は、ケーブル管部分101によって部分的に囲まれている。2つの隣接する各ケーブル管部分101は、中心軸98を中心とする同じ円上にすべて位置する中間管要素部分103を介して相互に連結されている。
【0086】
[00105] 内側管要素92aが、中間管要素88fの内側に設けられている。内側管要素92aには複数のリム105が設けられており、ケーブルチャネル97ごとに1つのリム105が設けられている。各リム105は、中心軸98に向かって面する1つのケーブルチャネル97の開放部分の中に、ある所定の程度延在する。更に、各リム105は、内側管要素92aの全長に沿って延在する。2つの隣接する各リム105は、中心軸98を中心とする同じ円上にすべて位置する内側管要素部分107を介して相互に連結されており、その結果、中間管要素部分103は、内側管要素部分107と位置合わせされて、1つの中間管要素部分103は、1つの内側管要素部分107に接触している。
【0087】
[00106] 図7Dに示すように、内側管要素92aと中間管要素88fとの間にケーブルチャネル97の小さいテーパ付きセクション99があり得る。しかしながら、リム105がチャネル97の中にわずかに延在しケーブル90を支持しているので、ケーブル90がこれらのテーパ付きセクション99で動けなくなるリスクは低減される。
【0088】
[00107] 更なる代替として、内側管要素92に、ケーブル90ごとに2つずつ、複数の長手方向リムが設けられてもよい。そのようなリムの各々は、内側管要素92の外面から外側に延在し、管状体18の全長に沿って1つのテーパ付きセクション99と位置合わせされる。したがって、各ケーブル90は、このような2つのリムによって支持される。
【0089】
[00108] 残りの部分については、内側管要素92と同じ特性が内側管要素92aに適用され得る。
【0090】
[00109] 別の解決法は、チャネル96、97に追加の管、例えば、図14A図14Bに示す追加の管166を設けることであり得、それらを参照して以下に説明する。
【0091】
[00110] 管状体18に十分な回転剛性及び縦剛性を与えるために、中間管要素88及び内側管要素92/92aのうちの少なくとも1つが、合金鋼、コバルトクロム合金、及びニチノール(登録商標)などの金属から作製される。
【0092】
[00111] 別の解決法を図8A図8B図8Cに示す。図8Bは、矢印VIIIBで示される位置における断面であり、図8Cは、管状体18の先端セクションの拡大図である。ここで、管状体18は、外側管要素130及び中間管要素88aを備える。内側管要素は設けられない。中間管要素88aの代わりに、代替的に、中間管要素88が使用されてもよいし、別の好適な形態であってもよい。
【0093】
[00112] 外側管要素130は、ケーブル90を収容するための複数の内部チャネル132を有するように成形される。好ましくは、これらのチャネル132は、ケーブル90と同様に円形断面を有する。図8Cは、ケーブル90のない、これらのチャネル132を示す。チャネル132は、外側管要素130の材料によって完全に囲まれている。これもまた、チャネル132は、管状体18の長手方向に螺旋形状を有してもよい。この実施形態では、すべてのケーブル90は、チャネル132によって半径方向に完全に取り囲まれている。したがって、管状体18の偏向されたゾーン17におけるケーブル90の張力の増大によって引き起こされて、ケーブル90が、それ自体の中心軸から見て半径方向力を受ける場合、ケーブル90は、くさび効果による増大した摩擦を受けないし、またチャネル132のテーパ付き部分で動けなくならず、常にチャネル132によって完全に支持されたままである。
【0094】
[00113] 代替の外側管要素130は、中心軸98に向かって開放チャネル132を画定するように設計されてもよい。これらのチャネル132は、内側U字形状部分88a1の内面と共に、ケーブル90を収容するためのチャネルを画定する。別の言い方をすれば、外側管要素130には、複数のリムがケーブル90ごとに2つずつ設けられ、チャネル132と位置合わせされる。このようなリムの各対は、この場合、その全長に沿って両側で1本のケーブル90を支持する。
【0095】
[00114] ケーブル90は、先行技術から既知の方法で、例えばチャネル断面よりもはるかに厚い、より厚いセクションを最遠位端に設けることによって、外側管要素に固定することができる。これは、例えば、ケーブル90の最遠位端上にビード状要素又は圧着ブッシングをクランプすることによって行うことができ、それはクランプ動作後クランプされたままである。
【0096】
[00115] 中間管要素88aは波形断面を有する。図示の実施形態では、それは、円上に配置されるように設計された6つの外側部分88a2と、U字形状を有する6つの内側部分88a1とを有する。6以外の任意の数を適用してもよい。U字形状の各内側部分88a1は、2つの隣接する外側部分88a2を連結している。外側管要素130の内側は、中間管要素88aの外面に適合するように成形されている。チャネル132は、中間管要素88aのU字形状内側部分88a1内に少なくとも部分的に配置された外側管要素130の内側に延在する部分に位置する。この波形構造によって、中間管要素88aは、外側管要素130を支持し、半径方向力(管状体18の屈曲によって引き起こされる)又は接線方向力(例えば、使用中に近位端で管状体18を回転させることによって引き起こされる)による外側管要素130の変形を抑制する。したがって、管状体18が屈曲され回転されても、その元の断面形状を可能な限り保ち、チャネル132についても同様である。その結果、ケーブル90が使用中に動けなくなることはない。
【0097】
[00116] 外側管要素130は、好ましくは、所定の回転剛性、縦剛性、及び製造可能性を示す、ポリマーなどの可撓性プラスチックから作製される。このような管要素は、偏向可能ゾーン17で偏向されることができ、可撓性ゾーン12aで可撓性があるように十分に可撓性があり、それでいて剛性があるように設計することができる。それは、押出成形、3Dプリンティング等によって作製することができる。好ましくは、材料は、ケーブル90に対して可能な限り低い摩擦係数を有し、UHMWPE及び/又はテフロン(登録商標)などの材料である。
【0098】
[00117] 外側管要素130の厚さは、その用途に依存する。医療用途では、厚さは、0.02~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。外側管要素130の内径及び外径は、その用途に依存する。医療用途では、内径及び外径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。外側管要素130の厚さは、チャネル132間の位置において、0.02~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。チャネル132を含む位置における外側管要素130の厚さは、0.1mmであり得る。チャネル132は、ケーブル90よりもわずかに大きい直径、したがって、例えば0.1mm~1.0mmの範囲の直径を有する。
【0099】
[00118] 中間管要素88aには、偏向可能ゾーン17内の偏向可能セクションと、可撓性ゾーン12a内の可撓性セクションとが設けられている。任意の好適な技術的実装形態を使用することができる。例えば、図5A図5C又は図6A図6Cの実施形態の外側管要素86における72及び74で示すものなどのスロット付き構造を使用することができる。代替的に、図7Aの波形中間管要素88に示すスロット付き構造106を使用することができる。可能な実装形態を図14A図14Bに示す。
【0100】
[00119] 中間管要素88aは、好ましくは、均一な厚さを有し、管状体18の回転剛性、縦剛性、遊び、及び製造可能性に関する要件を満たすように金属から作製される。好適な材料は、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金である。中間管要素88aは、円形断面を有する元々は円筒形の管を所望の形状に成形することによって作製することができる。好ましくは、材料は、ケーブル90に対して可能な限り低い摩擦係数を有する。
【0101】
[00120] 中間管要素88aの厚さは、その用途に依存する。医療用途では、厚さは、0.02~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。U字形状の内側部分88a1及び外側部分88a2の最も内側の点によってそれぞれ画定される中間管要素88aの内径及び外径はそれぞれ、その用途に依存する。医療用途では、内径及び外径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。
【0102】
[00121] 中間管要素88aが波形断面を有しても、実験では、中間管要素88aのスロット付き構造106のスロットが、中心軸98と直角なレーザビーム、又は中間管要素88aの外側表面と直角いずれかの平面に方向付けられ得るレーザビームを用いたレーザ切断によって作製することができることがわかった。隣接する要素を単に分離するために作製されるこれらのスロットは、好ましくは、0~50μm、より好ましくは0~30μmの範囲の幅を有し得る。
【0103】
[00122] ここでも、ケーブル90は0.1~1.0mmの厚さを有し得る。
【0104】
[00123] 図9A及び図9Bに示す実施形態は、図8A図8Cの実施形態の代替形態である。図9Bは、図9Aの矢印IXBによって画定される断面図である。ここで、管状体18は、均一な厚さを有する外側管要素134を備える。外側管要素134は中間管要素88aを取り囲んでいる。中間管要素88aの代わりに、代替的に、中間管要素88が使用されてもよいし、別の好適な形態であってもよい。
【0105】
[00124] 外側管要素134は、回転剛性、縦剛性、及び製造可能性、及び偏向可能ゾーン17における偏向可能性並びに可撓性ゾーン12aにおける可撓性に関する要件を満たす限り、任意の好適な材料から作製され得る。
【0106】
[00125] 図9A及び図9Bに示す実施形態では、外側管要素134は、図5A図5Cの外側管要素86と同様である。しかしながら、代わりに、図5A図5C、又は図6A図6C、又は図8A図8Cに示すものと同じ外側管要素を使用することができる。
【0107】
[00126] 可撓性ゾーン12aにおいて、外側管要素134は、図5Aに示すものと同じスロット付き構造をもつ可撓性セクション74を有する(図16Bも参照)。他のスロット付き構造を代わりに使用することができる。
【0108】
[00127] 偏向可能ゾーン17において、外側管要素134は、図16Dにより詳細に示すスロット付き構造をもつ偏向可能セクション72を有する。他のスロット付き構造を代わりに使用することができる。
【0109】
[00128] 偏向可能ゾーン17に対して遠位の先端セクションにおいて、外側管要素134は、好ましくは外側管要素134のリング形状部分である非可撓性セクション78を備え、これは、屈曲することができないように、穴もスロットも全く又はほとんど有さない。外側管要素134には、非可撓性セクション78から遠位にあり、非可撓性セクション78に連結/取り付けられた、ストリップ138が設けられており、これらストリップ138は、それらの間のスロット139を画定する。ストリップ138はすべて、それらの遠位端において、非可撓性セクション140に連結/取り付けられており、この非可撓性セクション140も、好ましくは、屈曲することができないように穴もスロットも全く又はほとんど有さない、外側管要素134のリング形状部分である。好ましくは、中間管要素88aの外側部分88a2と同数のストリップ138がある。そして、好ましくは、各ストリップ138は、例えば、レーザ溶接、接着若しくはろう付け、又は屈曲リップ/開口部連結によって、このような1つの外側部分88a2に取り付け又は連結される。
【0110】
[00129] 外側管要素134はまた、溶接リップ75において中間管要素88aに取り付けられる。各溶接リップ75は、中間管要素88aの1つの外側部分88a2に溶接される。また、可撓性ゾーン12aに沿った他の位置において、外側管要素134は、例えば、接着若しくはろう付け、又は好適な溶接リップの外側部分88a2へのレーザ溶接、又は屈曲リップ/開口部連結によって、中間管要素88aに取り付けられ得る。
【0111】
[00130] 外側管要素134は、好ましくは金属から作製される。好適な材料は、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金である。しかしながら、上述したスロット/スロット付き構造に関する回転剛性、縦剛性、遊び、及び製造可能性に関する要件を満たすことができる他の任意の材料、例えばプラスチック、ポリマー、複合材、又はヒンジを作製することができる他の切断可能な材料を選択することもできる。
【0112】
[00131] 好ましくは均一である外側管要素134の厚さは、その用途に依存する。医療用途では、厚さは、0.02~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。外側管要素134の直径は、その用途に依存する。医療用途では、直径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。
【0113】
[00132] 外側管要素134のスロット付き構造72、74のスロットは、レーザ切断によって作製することができる。隣接する要素を単に分離するために作製されるこれらのスロットは、好ましくは、0~50μm、より好ましくは0~30μmの範囲の幅を有し得る。
【0114】
[00133] 内側U字形状部分88a1は、チャネル96を取り囲む(図5Bも参照)。これもまた、これらのチャネル96は、管状体18の長手方向に直線状又は螺旋状であり得る。この実施形態では、各チャネル96はライナ142を収容している。ライナ142の外面は、中心軸98から見て外側に方向付けられた第1の部分を有し、この第1の部分は、外側管要素134の内側表面と適合する形状を有する。したがって、第1の部分は円の一部分の形状を有する。ライナ142の外面は、中心軸98から見て内側に方向付けられた第2の部分を有し、この第2の部分は、内側U字形状部分88a1の内側表面と適合する形状を有する。したがって、各ライナ142は、内側U字形状部分88a1の内側表面又は外側管要素134の内側表面のいずれかによってすべての側面でしっかりと支持されている。更に、各ライナ142は、外側部分88a2が外側管要素134に接触するチャネル96のテーパ付きセクション99を充填する。
【0115】
[00134] 各ライナ142には、長手方向に延在し、ケーブル90を収容する内部チャネル144が設けられている。
【0116】
[00135] 代替のライナ142が、中心軸98に向かって開放チャネル144を画定するように設計されてもよい。これらの開放チャネル144は、内側U字形状部分88a1の内面と共に、ケーブル90を収容するためのチャネルを画定する。開放チャネル144の内面は、ケーブル90を支持するために円の一部分の形状を有する。
【0117】
[00136] ライナ142は、更なる代替として、ワイヤ形状要素によって実現されてもよい。このようなワイヤ形状要素は、円形、楕円形、三角形等の断面を有し得る。
【0118】
[00137] ライナ142は、所定の回転剛性、縦剛性、及び製造可能性を示す、ポリマーなどの可撓性プラスチックから作製され得る。代替的に、金属、例えば上述の金属のうちの1つから作製することができる。これは、押出成形、3Dプリンティング等によって作製することができる。好ましくは、材料は、ケーブル90に対して可能な限り低い摩擦係数を有する。UHMWPE及び/又はテフロン(登録商標)。その寸法は、選択されたケーブル90、中間管要素88a、及び外側管要素134の寸法と適合するようなものである。
【0119】
[00138] その波形構造により、中間管要素88aは、半径方向力(管状体18の屈曲によって引き起こされる)又は接線方向力(例えば、使用中に近位端で管状体18を回転させることによって引き起こされる)によるそれ自体の変形を抑制する。したがって、内側U字形状部分88a1によって画定されるチャネル96は、管状体18がいくつかの位置でその長さ方向に沿って屈曲/偏向されたときでも、その形状を保つ。したがって、これらのチャネル96内に位置するライナ142も、管状体18がその長さ方向に沿って屈曲/偏向されたときに、その形状を保ち、ライナ142内に画定されるチャネル144、又は開放チャネル144とケーブル90を収容するチャネル96との間に画定されるチャネルも同様である。更に、外側部分88a2が外側管要素134に接触する位置におけるチャネル96のテーパ付き部分は、ライナ142で充填されている。その結果、ケーブル90は、増大した摩擦を受けないし、また使用中にこれらのテーパ付き部分で動けなくならない。
【0120】
[00139] 図9A図9Bの実施形態では、外側管要素134及び中間管要素88aのうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金などの金属から作製される。
【0121】
[00140] 図9Cは、図9A及び図9Bのものに対する代替の解決法を示す。中間管要素88aは、図9A及び図9Bのものと同じである。しかしながら、代替の外側管要素135が適用される。外側管要素135には複数のリム141が設けられており、ケーブルチャネル96ごとに1つのリム141が設けられている。各リム141は、中心軸98から離れるほうに面する1つのケーブルチャネル96の開放部分の中に、ある所定の程度延在する。更に、各リム141は、外側管要素135の全長に沿って延在する。2つの隣接する各リム141は、中心軸98を中心とする同じ円上にすべて位置する外側管要素部分137を介して相互に連結されており、その結果、中間管要素部分88a2は、外側管要素部分137と位置合わせされて、1つの中間管要素部分88a2は、1つの外側管要素部分137に接触している。
【0122】
[00141] 図9Cに示すように、外側管要素135と中間管要素88aとの間にケーブルチャネル96の小さいテーパ付きセクション99があり得る。しかしながら、リム141がチャネル96の中にわずかに延在しケーブル90を支持するので、ケーブル90が増大した摩擦を受ける、又はこれらのテーパ付きセクション99で動けなくなるリスクが低減される。
【0123】
[00142] 残りの部分については、外側管要素134(又は86)と同じ特性が外側管要素135に適用され得る。
【0124】
[00143] 図9Cの実施形態では、外側管要素135及び中間管要素88aのうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金などの金属から作製される。それらは、それらの長さ方向に沿った所定の位置で互いに取り付けられ、管状体に十分な回転剛性及び縦剛性を与える。
【0125】
[00144] 図10Aは、本発明の更なる実施形態を示す。それは、図9A、9Bの実施形態と同じ外側管要素134を有する。しかしながら、中間管要素88bは異なる形状を有する。すなわち、中間管要素88bは、概して、内部と外部両方の円形断面及び均一な厚さを有するが、その外側表面に配置された複数のチャネル96aを、ここでは6つ有する。チャネル96aは開放U字形状を有し、その開放端は中心軸98から見て外側に面している。それらの各々はケーブル90を収容する。U字形状チャネルは、その内側に、好ましくは、ケーブル90を適切に支持するために半円の形状を有する。中間管要素88bの外面に向かって、U字形状チャネル96aは、平面断面が外側表面と直角に向けられた壁を有する。このような90の向きから最大+/-10%まで、好ましくは+/-5%未満の偏差が許容可能であり得る。
【0126】
[00145] チャネル96a間に、中間管要素88bは、管状体18の組立状態において外側管要素134の内側表面に接触する円形状を有する外面部分88b1を有する。外面部分88b1は、図9A図9Bの実施形態における外側部分88a2と同じ方法で、例えば接着若しくはろう付け又はリップによって、所定の位置で外側管要素134に取り付けられる。
【0127】
[00146] チャネル96aは、管状体18の長さ方向に沿って直線状又は螺旋状であり得る。
【0128】
[00147] 中間管要素88bには、偏向可能ゾーン17内の偏向可能セクションと、可撓性ゾーン12a内の可撓性セクションとが設けられている。任意の好適な技術的実装形態を使用することができる。例えば、図5A図5C又は図6A図6Cの実施形態の外側管要素86における72及び74で示すものなどのスロット付き構造を使用することができる。代替的に、図7Aの波形中間管要素88に示すスロット付き構造106を使用することができる。
【0129】
[00148] 中間管要素88bは、好ましくは均一な厚さを有し、好ましくは金属から作製される。好適な材料は、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金である。しかしながら、上述したスロット/スロット付き構造に関する回転剛性、縦剛性、遊び、及び製造可能性に関する要件を満たすことができる他の任意の材料を選択することもできる。好ましくは、材料は、ケーブル90に対して可能な限り低い摩擦係数を有し、UHMWPE及び/又はテフロン(登録商標)などの材料である。
【0130】
[00149] 中間管要素88bの厚さは、その用途に依存する。医療用途では、チャネル96aのない位置の厚さは、0.3~1.5mm、好ましくは0.4~0.8mm、より好ましくは0.5~0.7mmの範囲であり得る。
【0131】
[00150] チャネル96aに起因して、中間管要素88bは厚さが変化する断面を有するが、実験では、中間管要素88bの72、74、106、136などのスロット付き構造のスロットが、中心軸98と直角に実質的に方向付けられたレーザビームを用いたレーザ切断によって作製することができることがわかった。隣接する要素を単に分離するために作製されるこれらのスロットは、好ましくは、0~50μm、より好ましくは0~30μmの範囲の幅を有し得る。
【0132】
[00151] チャネル96aは、その外側表面と直角に方向付けられたレーザビームによって金属管要素をレーザ彫刻することによって、中間管要素88b内に作製することができる。中間管要素88bの利点は、スロット付き構造及びチャネル96aを同じレーザ機械を用いて1つの単一プロセスで作製することができるということであり、結果として妥当なコスト及び高い信頼性で生産することができる中間管要素88bが得られる。他の技法を代わりに使用してもよい。例えば、3Dレーザプリンティングを使用してもよく、又は中間管要素88bは、押出成形によって作製されてもよい。
【0133】
[00152] ここでも、ケーブル90は0.1~1.0mmの厚さを有し得る。
【0134】
[00153] その本質的に円形の断面により、中間管要素88bは、半径方向力(管状体18の屈曲によって引き起こされる)又は接線方向力(例えば、使用中に近位端で管状体18を回転させることによって引き起こされる)によるそれ自体の変形を抑制する。更に、チャネル96aのない位置では、中間管要素88bの厚さはかなり大きくなり得、これは、その回転剛性、縦剛性、及びスロット付き構造によって構成されるヒンジの強度にとって有利である。これは、中間管要素88bが金属で作製される場合に特に当てはまる。したがって、U字形状チャネル96aによって画定されるチャネル96aは、管状体18がいくつかの位置でその長さ方向に沿って屈曲/偏向されたときでも、その形状を保つ。更に、チャネル96aは、U字形状チャネル96aが外側部分88b1と交わる位置にテーパ付き部分を有さない。その結果、ケーブル90は、増大した摩擦を受けないし、またU字形状チャネル96aから外側部分88b1への移行エリアで動けなくならない。
【0135】
[00154] チャネル96aが、外側表面の代わりに、又はそれに加えて、中間管要素88b1の内側表面に設けられてもよいことが、当業者によって理解されよう。その内側表面に適用される場合、内側管要素92も適用されるべきである。
【0136】
[00155] 図10Aの実施形態では、外側管要素134及び中間管要素88bのうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金などの金属から作製される。それらは、それらの長さ方向に沿った所定の位置で互いに取り付けられ、管状体に十分な回転剛性及び縦剛性を与える。
【0137】
[00156] 図10Bは、更なる代替の実施形態を示す。ここでは、内側管要素88cは、外側部分88c1によって画定される半円の断面を有する外側表面に複数のチャネル96bを、ここでは6つ有する。これらの外側部分88c1の間に、中間管要素88cは、図10Aに示す外側部分88b1と同等又は同一の断面を有する外側部分88c2を有する。残りの部分については、中間管要素88cは、図10Aの中間管要素88bと同一であり得る。チャネル96bは、それらの断面が円の小さいほうの部分又は大きいほうの部分を形成するように形成され得る。
【0138】
[00157] 図10Bでは、外側管要素134aは、本質的に均一な厚さを有するが、内側部分134a1によって画定される、好ましくは半円の断面を有する内側表面に複数のチャネル148が、ここでは6つ設けられる。これらの内側部分134a1の間に、外側管要素134は、円形断面を有する外側部分134a2を有する。チャネル148は、外側管要素134aの内側表面に形成された長手方向スロットであり得る。残りの部分については、外側管要素134は、図10Aの外側管要素134と同一であり得る。チャネル148は、1つのチャネル96bがその対応するチャネル148と共に円形断面を有する1つのチャネル146を形成する限り、それらの断面が円の小さいほうの部分又は大きいほうの部分を形成するように形成され得る。外側管要素134aは、例えば、プラスチックから作製され、押出成形又は3Dプリンティング技法によって製造され得る。
【0139】
[00158] 1つのチャネル96b及び1つのチャネル148は共に、1本のケーブル90(図10Bには図示せず)を収容する円形断面を有する1つのチャネル146を形成する。円形以外の断面も同様に適用することができる。このような各チャネル146は、管状体18の長手方向に直線状又は螺旋状であり得る。
【0140】
[00159] 図10Bの構造は、縦剛性及び回転剛性に関して図10Aのものと同じ利点を有するように設計され得る。チャネル96bは、その外側表面と直角に方向付けられたレーザビームによって金属管要素をレーザ彫刻することによって、中間管要素88c内に作製することができる。中間管要素88cの利点は、スロット付き構造及びチャネル96bを同じレーザ機械を用いて1つの単一プロセスで作製することができるということであり、結果として妥当なコスト及び高い信頼性で生産することができる中間管要素88cが得られる。他の技法を代わりに使用してもよい。例えば、3Dレーザプリンティングを使用してもよく、又は中間管要素88bは、押出成形によって作製されてもよい。
【0141】
[00160] 図10Bの実施形態では、外側管要素134a及び中間管要素88cのうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金などの金属から作製される。それらは、それらの長さ方向に沿った所定の位置で互いに取り付けられ、管状体に十分な回転剛性及び縦剛性を与える。
【0142】
[00161] 図11A図11B図11C図11D図11E図11Fは、ケーブル90が中間管要素以外の接線方向ブロッカによって接線方向の移動を阻止される実施形態を示す。図11Bは、図11Aの矢印XIBで示す中心軸98と直角の図11Aの実施形態の断面を示す。図11Dは、図11Bの矢印XIDで示す中心軸98と直角の図11Cの実施形態の断面を示す。図11Fは、図11Eの矢印XIFで示す中心軸98と直角の図11Eの実施形態の断面を示す。
【0143】
[00162] 図11A図11Bの実施形態では、外側管要素134は図9Aのものと同じである。図示のように、図11A及び11Bの実施形態では、ストリップ138は、2つの異なるタイプ、すなわち、交互のストリップ138a及び138bとして実現される。ストリップ138aは、その遠位端でリング形状部分140に取り付けられるように設計される。その近位端145では、ストリップ138aは、リング形状部分78から切断されている。更に、近位端145には、追加のリップ147が設けられ得る。ストリップ138aに隣接して、両側に、ストリップ138bが存在し、これらは、それらの遠位端及び近位端の両方で、それぞれ、リング形状部分140及びリング形状部分78それぞれに取り付けられる。図示の実施形態では、3つのストリップ138aと3つのストリップ138bがある。しかしながら、他の数が適用されてもよい。
【0144】
[00163] 実施形態は、6本の隣接するケーブル90を有する(他の数が適用されてもよい)。それらの各々は、管131内に収容されている。これらの管131は可撓性があり、一実施形態では、内側管要素92と外側管要素134との間にわずかにクランプされるように、内側管要素92及び外側管要素134の両方に接触する。これらの管131の各々は、1本のケーブル90を収容する内部中空チャネルを有する。これらの中空チャネルの断面サイズは、それらの内側のケーブル90が可能な限り低い摩擦で長手方向に自由に移動することができるようなものである。
【0145】
[00164] 長手方向において、ケーブル90を内側に有する管131の各々は、上述した目的のために、完全に直線状又は螺旋状に延在して、本体18に沿って接線方向に回転した位置をケーブル90に提供し得る。
【0146】
[00165] 管131の断面形状は、図11Bに示すように円形であり得る。しかしながら、本発明はこのような実装形態に限定されない。その断面は、楕円形、矩形等であってもよい。このことは、その中の中空チャネルにも当てはまる。
【0147】
[00166] 管131は、図11Aに示すように、ストリップ138a、138bより下で偏向可能ゾーン17から長手方向に延在する、例えば金属で作製されたコイルによって実現され得る。金属は、例えば、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニチノール(登録商標)等の合金鋼であり得る。このような場合、ストリップ138bのリップ147の各々は、好ましくは、1つの管131に溶接されている。そうすることによって、ストリップ138a、138bの位置において、管131及びケーブル90は、外側管要素134に対する接線方向の回転を阻止される。本体18全体に沿った外側管134に対する管131及びケーブル90のこのような接線方向の回転を阻止するために、管131はまた、管状体18に沿った他の位置で外側管要素134に取り付けられる。このような取り付けの数は、必要とされる回転剛性、及び遊び、並びに中間ゾーン12aの可撓性に依存する。更に、このような外側管134への取り付けは、縦剛性を支持する。したがって、ここでは、管131は、ケーブル90のための接線方向回転ブロッカとして機能する。
【0148】
[00167] 管131は、代替的に、ポリマー、UHMWPE、及び/又はテフロン(登録商標)を含む他の好適な材料から作製されてもよい。これらの材料を外側管要素134に溶接することはできない。したがって、管131が外側管134に対して接線方向に回転するのを防止するために、他の接線方向ブロッカを適用するべきである。そのような接線方向ブロッカは、外側管要素134に沿った所定の位置に配置されたリップによって実現されてもよく、リップは、管131の接線方向位置を固定するために中心軸98に向かって内側に屈曲されている。代替形態は、外側管要素134の内面上に長手方向リムが設けられるというものであり得、その各々は、中心軸98に向かって先細になっており、管131の接線位置を固定するために2つの隣接する管131に接触し得る。また内側管92にも、所定の位置において、例えば長手方向のリム又は延長部の形態で、その外面にそのような接線方向ブロッカが設けられてもよい。このような(追加の)接線方向ブロッカは、管131が金属から作製される場合にも適用することができる。
【0149】
[00168] 外側管要素134がその内面上にそのようなリムを有する実施形態は、図8A図8Cを参照して説明した代替の実施形態に対応することがわかり、ここで、代替の外側管要素130は、中心軸98に向かって開放チャネル132を画定するように設計される。
【0150】
[00169] ケーブル90には、圧着ブッシング143などの圧着ブッシングが設けられ得る(図19A及び図19B参照)。
【0151】
[00170] 図11C図11Dは、更なる代替の実施形態を示す。ここで、本体18は、先の図を参照して説明したように、外側管要素134及び内側管要素92を備える。この実施形態については、外側管要素134を参照して説明することがわかる。しかしながら、例えばここで説明したような他の任意の外側管要素を代わりに使用することができる。隣接するケーブル90は、接線方向スペーサ要素133によって互いに分離されている。それらは、可撓性管、可撓性及び伸縮性ケーブル等として実現され得る。可撓性管133は、中空又は中実であり得る。それらは、好ましくは、ケーブル90に可能な限り低い摩擦を提供する材料、例えば、ポリマー、UHMWPE、及び/又はテフロン(登録商標)から作製される。しかしながら、それらはまた、例えば、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニチノール(登録商標)等の合金鋼から作製することもできる。それらは、図11Cに示すように、コイルとして作製され得る。それらの主な機能は、機器の操作中のケーブル90の接線方向の移動/回転を防止することである。したがって、接線方向スペーサ要素133は、機器の用途によって決定される、それらの断面方向の最小剛性を有するべきである。
【0152】
[00171] これもまた、ケーブル90及び接線方向スペーサ要素133の両方は、上述したように、本体18の長手方向に直線状に延在し得、又はある所定の程度に螺旋状であり得る。
【0153】
[00172] 接線方向スペーサ要素133は、金属で作製されている場合、好ましくは、例えばレーザ溶接によって、本体18に沿った所定の位置で外側管要素134及び/又は内側管要素92に取り付けられて、ケーブル90に好適な接線方向阻止効果を提供する。代替的に、又はそれに加えて、外側管要素134には、接線方向スペーサ要素133が外側管134に対して接線方向に回転するのを阻止するための接線方向ブロッカが設けられる。そのような接線方向ブロッカは、外側管要素134に沿った所定の位置に配置されたリップによって実現されてもよく、リップは、接線方向スペーサ要素133の接線方向位置を固定するために中心軸98に向かって内側に屈曲されている。代替形態は、外側管要素134の内面上に長手方向リムが設けられるというものであり得、その各々は、中心軸98に向かって先細になっており、1本のケーブル90と1つの接線方向スペーサ要素133の隣接する対に接触して、それらの接線位置を固定し得る。また内側管92にも、所定の位置において、例えば長手方向のリム又は延長部の形態で、その外面にそのような手段が設けられてもよい。
【0154】
[00173] 図11A図11B図11C図11Dの実施形態では、外側管要素134及び内側管要素92のうちの少なくとも1つは、上述の金属のうちの1つから作製され、管131/接線方向スペーサ133に取り付けられる。
【0155】
[00174] 図11E図11Fは、接線方向スペーサ要素149を有する別の実施形態を示す。図11E図11Fは、外側管要素134の小さい部分を示す。しかしながら、例えばここで説明したような他の任意の外側管要素を代わりに使用することができる。外側管要素134の小さい部分は、その長手方向に沿ったどこにでも位置することができる。
【0156】
[00175] 図11Eは、分解組立3D図を示し、図11Fは、図11Eの矢印XIFによって示される中心軸98と直角の断面を示す。
【0157】
[00176] この実施形態は6本のケーブル90を有するが、他の任意の所望の数を適用してもよい。先に説明したように、ケーブル90は、上述したように、本体18の近位端から遠位端に直線状又は螺旋状に延在し得る。隣接するケーブル90の各対は、接線方向スペーサ要素を形成するリップ149によって相互に分離されている。リップ149は、外側管要素134に好適なスロット157をレーザ(又は水)切断することによって形成され得る。各リップ149は、ストリップ153によって外側管要素134の本体に取り付けられている。ストリップ153の反対側において、各リップ149の接線方向の幅は、ストリップ153の接線方向の幅よりも大きくてよい。各リップ149は、その内面159(図11F参照)が内側管要素92に接触するように内側に屈曲される。リップ149は外側管要素134から切り取られているので、その内面は、それが接触する内側管要素92の外面の円形状に適合する円形状を有する。リップ149を内側管要素92に取り付ける厳密な必要性はないが、所望であれば、例えばレーザ溶接又は接着又はろう付けによって取り付けることができる。このような取り付けは、内側管要素92及び外側管要素134を互いに対して回転不能にさせる。この効果は、内側管要素92の穴に嵌合するリップ延長部をリップ149に設けることによって確立することもできる。そのような穴は空洞であってもよいが、代替的に貫通孔であってもよい。これについては図11Hを参照して更に説明する。
【0158】
[00177] 2つの隣接するリップ149の接線方向の側部161間の接線方向の間隔は、ケーブル90が本体18の長手方向に自由に移動することができるように設計される。すべてのリップ149は、ケーブル90のための半径方向スペーサも形成する程度に内側に屈曲されている。すなわち、それらは、ケーブル90が本体18の長手方向に自由に移動することができるように、内側管要素92の外面と外側管要素134の内面との間に半径方向間隔を確立する。内側管要素92の外面と外側管要素134の内面との間の半径方向間隔は、ケーブル90の直径よりも、例えば2~30%の範囲で大きい、又は好ましくは2~15%の範囲で大きい。
【0159】
[00178] 一実施形態では、内側管要素92の外面と外側管要素134の内面との間の半径方向間隔は、外側管要素134の厚さ、したがってリップ149の厚さよりもわずかに大きく、例えば2~30%の範囲で大きい、又は好ましくは2~15%の範囲で大きい。しかしながら、本発明はこのような実施形態に制限されない。
【0160】
[00179] このようなリップ149のセットが、ケーブル90のためのチャネルを形成するように、外側管要素134に沿った所定の長手方向間隔をあけて適用される。ケーブル90が本体18の周りに螺旋状になる必要がある場合、そのようなリップ149の後続のセットは、所望の螺旋形状を提供するために接線方向にシフトされる。
【0161】
[00180] 図11Gは、本発明による機器の更なる実施形態を示す。同じ参照番号は、先の図中の同じ要素を指す。この実施形態は、図11E及び図11Fの実施形態の代替である。
【0162】
[00181] 図11Gは、図11Fのものと同様の機器の断面を示す。図11E及び図11Fの実施形態との違いは、2つの隣接するリップ149間に2つの管131を備えることである。各管131は、ケーブル90をガイドするためのチャネルを形成する。ケーブル90を管131で取り囲むことは、移動可能なケーブル90への摩擦を低下させる効果を有する(隣接するケーブルは互いに接触しない)。同時に、リップ149を、ケーブル90ごとに1つのリップ149が存在する状況よりも広くすることができる。
【0163】
[00182] リップ149は、複数のリップ149が内側管要素92をクランプする程度まで内側管要素92に向かって内側に屈曲されることができ、それにより、内側管要素92が、かけられた摩擦により外側管要素134に対して回転することが困難になる。この効果を増大させるために、代替的に、リップ149を内側管要素92に溶接又は接着することができる。更なる代替として、図11Hに概略的に示すように、リップ149に、内側管要素92の好適な空洞又は貫通孔に挿入されるリップ延長部154を設けることができる。これは、溶接又は他の取り付け手段(接着)と組み合わせることができる。
【0164】
[00183] 図11E図11Hの実施形態では、外側管要素134は、好ましくは、リップ149の内側屈曲を容易にし、それらが内側に屈曲した位置に留まることを確実にするように、好適な金属から作製される。好適な材料は、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金である。外側管要134並びに内側管要素92及びケーブル90の厚さは、他の実施形態のものと同じであり得る。
【0165】
[00184] 図12の実施形態では、管状体18は、中間管要素88d及び外側管要素150を有する。中間管要素88dは、中間管要素88と同様の断面を有する。その構造には、外側部分88d2及び内側部分88d1が設けられている。内側部分88d1は、円形部分の断面を有する。外側部分88d2は、部分的に円形の断面を有する外側表面を有し、外側管要素150の内側部分150bに接触する。
【0166】
[00185] 外側管要素150も波形断面を有する。すなわち、それは、内側部分150bとは別に、外側部分150aを備える。各外側部分150aは、円形部分の断面を有し、1つの内側部分88d1に対向して配置される。したがって、各外側部分150aは、チャネル96に対向してチャネル151を形成し、共に、1本のケーブル90(図12には図示せず)を収容するチャネル152を形成する。
【0167】
[00186] したがって、中間管要素88dは、1本のケーブル90の一部分のみを収容するように設計される。残りの部分については、中間管要素88dは、中間管要素88又は88aと同じ構造及び特徴を有し得る。中間管要素88dは、円形断面を有する元々は円筒形の管を所望の形状に成形することによって作製することができる。
【0168】
[00187] 外側管要素150は、1本のケーブル90の一部分を収容するように設計される。残りの部分については、外側管要素150は、外側管要素86又は134と同じ構造及び特徴を有し得る。外側管要素150は、円形断面を有する元々は円筒形の管を所望の形状に成形することによって作製することができる。
【0169】
[00188] 中間管要素88dの内側部分88d1から外側部分88d2への移行部は、製造プロセスによりわずかに湾曲し得る。同様に、外側管要素150の内側部分150bから外側部分150aへの移行部は、製造プロセスによりわずかに湾曲し得る。その結果、中間管要素88dの外側部分88d2が外側管要素150の内側部分150bと交わるエリアにおいて、チャネル152は、小さいテーパ付き部分を示し得、これは管状体18が屈曲又は偏向される位置においてケーブル90のいくらかのスタック効果(stucking effect)をトリガし得る。
【0170】
[00189] このような可能性のあるスタック効果を防止するために、可撓性管が各チャネル152に挿入され得、その中に1本のケーブル90が配置される。これは、図14A図14Bに示す可撓性管166などの可撓性管であり得る。可撓性管は、可撓性コイルとして実現されてもよい。代替的に、テーパ付き部分を充填するためにライナなどの材料を使用してもよい。
【0171】
[00190] 内側部分150bは、図9A図9Bにおいて外側管要素134が中間管要素88aの外側部分88a2に取り付けられるのと同様の方法で、所定の位置で外側部分88d2に取り付けられる。
【0172】
[00191] 図12による実施形態では、外側管要素150及び中間管要素88dのうちの少なくとも1つは、上述の金属のうちの1つから作製される。
【0173】
[00192] 図13A及び図13Bに示す実施形態は、単一の中間管要素88eを有する。それが適切に機能するのに、外側管要素及び/又は内側管要素は必要ない。当然ながら、電気的要件又は滅菌要件により、中間管要素88eの内側及び/又は外側に好適なライナ(例えばプラスチック製)を設けることができる。図13Bは、図13Aの矢印XIIIBによって画定される断面図である。
【0174】
[00193] 中間管要素88eは、回転剛性、縦剛性、及び製造可能性、及び偏向可能ゾーン17における偏向可能性並びに可撓性ゾーン12aにおける可撓性に関する要件を満たす、上述の材料のいずれかから作製される。
【0175】
[00194] 可撓性ゾーン12aにおいて、中間管要素88eは、図5Aに示すスロット付き構造で作製され得る可撓性セクションを有する(図16Bも参照)。他のスロット付き構造を代わりに使用することができる。
【0176】
[00195] 偏向可能ゾーン17において、中間管要素88eは、図16Dにより詳細に示すスロット付き構造をもつ偏向可能セクション156を有する。他のスロット付き構造を代わりに使用することができる。
【0177】
[00196] 偏向可能ゾーン17に対して遠位の先端セクションにおいて、中間管要素88eは、好ましくは中間管要素88eのリング形状部分である非可撓性セクション164を備え、これは、屈曲することができないように、穴もスロットも全く又はほとんど有さない。中間管要素88eには、非可撓性セクション164から遠位にあり、非可撓性セクション164に連結/取り付けられた、ストリップ160が設けられており、これらストリップ160は、それらの間のスロット158を画定する。ストリップ160はすべて、それらの遠位端において、非可撓性セクション162に連結/取り付けられており、この非可撓性セクション162も、好ましくは、屈曲することができないように穴もスロットも全く又はほとんど有さない、中間管要素88eのリング形状部分である。好ましくは、ケーブル90と同数のストリップ160及びスロット158がある。
【0178】
[00197] 中間管要素88eは波形断面を有する。それには、外側部分88e2及び内側部分88e1が設けられている。外側部分88e2は、中間管要素88eの外周を画定し、円上に位置し得る。隣接する外側部分88e2は、1つの内側部分88e1によって互いに連結されている。内側部分88e1は、ほぼ完全円形の断面を有する。すなわち、内側部分88e1が外側部分88e2と交わる位置において、内側部分88e1は、本質的に閉鎖したチャネル96を形成するように互いに接触する対向側部を有する。各チャネル96は、1本のケーブル90を収容し、長手方向に直線状又は螺旋状であり得る。
【0179】
[00198] 中間管要素88eの内側部分88e1から外側部分88e2への移行部は、製造プロセスによりわずかに湾曲し得る。その結果、内側部分88e1の2つの対向側部が互いに接触するエリアにおいて、チャネル96は、小さいテーパ付き部分を示し得、これは管状体18が屈曲又は偏向される位置においてケーブル90のいくらかのスタック効果をトリガし得る。
【0180】
[00199] このような可能性のあるスタック効果を防止するために、可撓性管が各チャネル96に挿入され得、その中に1本のケーブル90が配置される。これは、図14A図14Bに示す可撓性管166などの可撓性管であり得る。代替的に、テーパ付き部分を充填するために何らかの形態のライナを使用してもよい。可撓性管は、可撓性コイルとして実現されてもよい。
【0181】
[00200] 好ましくは均一である中間管要素88eの厚さは、その用途に依存する。医療用途では、厚さは、0.02~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲であり得る。中間管要素88eの直径は、その用途に依存する。医療用途では、直径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲であり得る。
【0182】
[00201] 中間管要素88eのスロット付き構造156のスロットは、上述のようにレーザ切断によって作製することができる。隣接する要素を単に分離するために作製されるこれらのスロットは、好ましくは、0~50μm、より好ましくは0~30μmの範囲の幅を有し得る。
【0183】
[00202] その波形構造により、中間管要素88aは、半径方向力(管状体18の屈曲によって引き起こされる)又は接線方向力(例えば、使用中に近位端で管状体18を回転させることによって引き起こされる)によるそれ自体の変形を抑制する。したがって、内側U字形状部分88e1によって画定されるチャネル96は、管状体18がいくつかの位置でその長さ方向に沿って屈曲/偏向されたときでも、その形状を保つ。
【0184】
[00203] 図14A図14Bは、図8A図8B図8C図9A図9Bの中間管要素88aを再度示す。図8A図8Cは、特別に設計された外側管要素130を示し、図9A図9Bは、ケーブル90がチャネル96の先細のエリアで動けなくなるのを防止するように特別に設計されたライナ142を示す。図14A図14Bは、代替の解決法を示す。すなわち、図14A図14Bの実施形態では、追加の管166が各チャネル96に設けられる。このような各管166は1本のケーブル90を収容する。
【0185】
[00204] 管166は、好適な材料から作製され、縦剛性並びに半径方向剛性及びケーブル90との摩擦に関する特定の所定の要件を満たすような好適な厚さを有する。一例は、超高密度ポリエチレンである。その摩擦が低いことにより、そのような材料もまた、一旦準備できれば、ケーブル90を中間管要素のチャネル内に挿入することを簡易にする。管166は、偏向可能ゾーン17及び可撓性セクション12aが、許容可能な力を伴う使用中に偏向/屈曲し、依然としてそれらの断面形状を本質的に保つことが可能となるくらい十分に強く、それでいて可撓性があるように作製され得る。
【0186】
[00205] 図14Aに示す実施形態では、中間管要素88aには、図7Aの中間管要素88に適用されたものと同じスロット付き構造をもつ偏向可能セクション106が設けられている。
【0187】
[00206] 管166は、円形断面を有し、好ましくは均一な厚さを有する。それらは、ポリマーなどの好適なプラスチックから作製され得る。代替的に、ステンレス鋼などの合金鋼、コバルトクロム合金、又はニチノール(登録商標)などの形状記憶合金から作製されてもよい。所望であれば、管166には、それらの可撓性を増大させるためにスロット付き構造が設けられてもよい。医療用途では、典型的な厚さは、0.05~0.5mm、好ましくは0.05~0.3mmの範囲であり得る。
【0188】
[00207] 追加の管166は、近位端にある好適なステアリング部材によって制御されるように、その遠位端のステアラブル機器の機能を制御する要素として使用されることができる。
【0189】
[00208] 図15A図15Bは、ステアラブル機器の近位端の実装例を示す。図15Bは、図15Aに示す構造の断面図を示す。
【0190】
[00209] ケーブル90は、その近位端において、任意の好適なステアリング機構によって制御、すなわち引っ張られ得る。このようなステアリング機構は、例えば、遠位に配置された偏向可能ゾーン17と同様の近位に配置された偏向可能ゾーンであり、ケーブル90に好適な方法で取り付けられ得る。代替的に、近位ステアリング機構は、ロボットによって実現されてもよい。更なる例として、近位ステアリング機構は、ボール形状ステアリング装置180を有するステアリング装置168として実現されてもよい。このようなステアリング装置168は、任意の好適な設計を有し得る。一例を図15A図15Bに示す。
【0191】
[00210] ステアリング装置168はハウジング169を備える。ハウジング169は、その遠位端に向かって先細になり、その近位端に向かって直径が増大する。一例では、ハウジング169は、中心軸に対して対称な円錐形状を有する。ハウジング169は、中空空間171を取り囲んでおり、その遠位端及び近位端の両方に向かって開放している。
【0192】
[00211] 中空空間171は、その遠位端において、管状体18の近位端部分を収容するチャネルで終端する。ハウジング169は、その近位端において、支持部材172に連結/取り付けられている。支持部材172は、管状部材18の最近位端を収容するチャネル173をその中心軸に有する。クランプリング形状要素187が、チャネル173内で管状体18をクランプするように、チャネル173内で管状体18を囲んでいる。管状体18は、ハウジング169の中心軸に沿って支持部材172の遠位端に延在するように、他の任意の方法で支持部材172に取り付けることができる。一実施形態では、ハウジング169は適用されない。
【0193】
[00212] 支持部材172は、その近位端に向かう中空空間174を有する。この中空空間174の内側に、支持部材172は、近位方向に延在するピン形状部材176を備える。ピン形状部材176に、その最近位端において、ボール形状外面を有するボール形状部材181が設けられている。チャネル173が、支持部材172の中心軸に沿って、このピン形状部材176及びボール形状部材181を通って延在する。ボール形状部材181の内側では、チャネル173は、近位端に向かって増大する直径を有し、円錐形空間177を画定する。
【0194】
[00213] 支持部材172は、ボール形状ステアリング部材180を支持する。ステアリング部材180は、ボール形状の外面を部分的に有し、この外面は、ボール形状のステアリング部材180の中心軸に対して対称であり、支持部材172の好適に設計された近位内面部分によって支持されている。ボール形状ステアリング部材180は、支持部材172のボール形状部材181によって支持されたボール形状内面182を有する。
【0195】
[00214] 中空空間174は、ボール形状ステアリング部材180が支持部材172の中心軸に向かうほうや離れるほうにボール形状部材181の周りを回転することができるように設計されており、それにより、ボール形状ステアリング部材180の中心軸が支持部材172の中心軸から任意の所望の方向に偏向する。一実施形態では、ボール形状ステアリング部材180及び支持部材172は、ボール形状ステアリング部材180がその中心軸を中心として接線方向に回転した場合に、支持部材172及びハウジング169も、管状体18と共にそれらの中心軸を中心として強制的に回転するように配置されている。これは、例えば、ボール形状部材180及び支持部材172に好適な協働スロット及びリブ/ピンを設けることによって実現することができる。
【0196】
[00215] ボール形状部材180には、その近位側に、ケーブル締結機構175が設けられている。図示の実施形態では、ケーブル締結機構175は、複数のスロットを有するフランジを備える。各スロットは、1本のケーブル90を収容し、その近位端をクランプする。これは、先行技術から既知のいくつかの方法で行うことができる。特定の実装形態に関して限定はない。このクランプ効果を提供するためにフランジ175以外の構造を実現することができる。
【0197】
[00216] 図15Bに示すように、ボール形状181内のチャネル173は、その近位端に向かって広がっており、近位端に向かって円錐形状の空間177を画定する。
【0198】
[00217] ボール形状部材180は、その中心軸に、中空管183の遠位端を収容するチャネル179を有する。中空管183の近位端は、ノブ185などの回転要素によって収容される。中空管183は、ボール形状部材180及びノブ185に連結されており、それにより、ノブ185がその中心軸を中心として回転すると、中空管183及びボール形状部材180もそれらの中心軸を中心として回転する。したがって、ノブ185を回転させると、ステアリング装置168全体が同じ角度量で回転する。管状体18がクランプリング形状要素187によって支持部材172に固定又はクランプされているので、同じことが管状体18に適用される。
【0199】
[00218] ノブ185は、内部に、作動ケーブル184の近位端に取り付けられたケーブル締結部材189を収容する中空空間を有する。作動ケーブル184は、中空管183、ボール形状部材180のチャネル179、支持部材172のチャネル173、及び管状体18の細長いチャネル94を通って、その最遠位端に向かって延在する。管状体18の最遠位端で、作動ケーブル184は、器具に連結又は取り付けられており、作動ケーブル184の長手方向移動により、器具、例えば鉗子2のジョーが操作される。これは当業者に既知であり、ここで更に説明する必要はない。
【0200】
[00219] ボール形状部材180が回転して、その中心軸が支持部材172の中心軸から偏向されると、作動ケーブル184もまた、作動ケーブル184が延びている円錐形状空間177により、ボール形状部材181内で偏向することができる。
【0201】
[00220] ハンドル3が、回転ノブ186と、手の2本の指によって操作することができる2つのジョー190とを備えることが示されている。回転ノブ186は、例えば、ねじ山又はバヨネット連結によって、回転ノブ185に連結される。すなわち、回転ノブ185は、回転ノブ186を回転させることによって強制的に回転するが、ハンドル3の残りの部分は、その向きを保つ。
【0202】
[00221] ハンドル3は、図示の実施形態では、ケーブル締結部材189上にクリックされ得る作動ロッド188を備え、それにより、作動ロッド188の任意の長手方向移動が、ケーブル締結部材189の、したがって作動ケーブル184の長手方向移動に変換される。作動ロッド188自体はグリップ190によって操作される。本発明は、図15A及び図15Bに示すハンドルに限定されない。当技術分野で既知の他の好適なハンドルも同様に適用してよい。
【0203】
[00222] 例えば、長手方向チャネル94が作動ケーブル184を収容するためではなく他の目的のために使用されるとき、中空管183の近位端が、ハンドル3の代わりに、別の装置に連結又は取り付けられ得る。例えば、長手方向チャネル94は、管状体18の遠位端にある電気器具に電流を供給するための電気ケーブル、又はガス及び/又は液体を供給又は排出するための気密管及び/又は液密管を収容し得る。
【0204】
[00223] ハンドル3の操作者は、以下の動作を行い得る。
【0205】
[00224] 2本の指で、操作者は、グリップ190を操作し、それにより、作動ケーブル184を長手方向に移動させ、次いで、管状体18の遠位端にある器具2を作動させることができる。
【0206】
[00225] 操作者は、回転ノブ186を回転させ、それによってステアリング装置168全体及び管状体18を回転させることができる。図示の実施形態では、次いで作動ケーブル184も回転するが、ケーブル締結部材189が次いで作動ロッド188に対して回転し、したがってジョー190がその向きを保つことが可能となる。このような管状体18の回転は、当業者には明らかなように、使用中に屈曲/偏向される管状体18の部分の周りでも管状体18の遠位端に伝達される。管状体18の遠位端にある器具2は、管状体18と共に回転するように、管状体18に取り付け又は連結される。したがって、ノブ185、186を回転させることによって器具を回転させることができる。当然ながら、所望であれば、ノブ185、186から遠位端の器具まで延在する可撓性ロッドなどの他の回転機構を使用してもよい。このような可撓性ロッドは中空管であり得る。2つのノブ185、186の代わりに、1つのノブを使用してもよい。単数又は複数のノブは、ハンドル3上の他の場所に位置してもよい。
【0207】
[00226] 操作者は、2つの矢印192a、192bで示されるように、中空管183を管状体18の中心軸から偏向させることができ、これは次いで、ボール形状部材181の中心点によって画定される回転点を中心としてボール形状部材180を回転させる。この回転によって、機器の近位方向に移動する、フランジ175の一部分に連結されたケーブル90の一部が引っ張られ、遠位方向に移動する他のケーブル90は弛緩される。当業者には明らかなように、これは、いくつかのケーブル90が近位方向に移動し、次いで、これらのケーブル90に遠位端で連結された管状体18の偏向可能ゾーン17の屈曲/偏向が生じるということになる。好ましくは、偏向可能ゾーン17を全方向に偏向させることができるように接線方向に等しく分配された3本以上のケーブル90が存在する。
【0208】
[00227] 図示の状況では、ケーブル90は、偏向可能ゾーン17におけるケーブル90の連結点よりも、管状体18の中心軸から大きい間隔をあけたフランジ175上の位置で連結される。
【0209】
[00228] 次に、外側、中間、及び/又は内側管要素の偏向可能/可撓性セクションにおいて使用され得るスロット付き構造のいくつかの例を、図16A図16Dを参照してより詳細に説明する。これらの偏向可能/可撓性セクションのいくつかは、WO2018/067004に非常に詳細に図示及び説明されている。また、WO2018/067004の他のスロット付き構造をここで使用してもよい。ここで、「スロット付き構造」という用語は、材料の厚さ全体にわたって延在する1つ又は複数のスロットを有する構造を指すことがわかる。
【0210】
[00229] 図16Aは、スロット付き構造72をより詳細に示す。このスロット付き構造72は、左側に示すように、管要素に周方向スロット73を備える。スロット73は周方向に延在する。
【0211】
[00230] スロット73は、2つの対向する側壁を有し、両方が周方向に延在する。スロット73は、湾曲スロット85を有し、これは、1つのそのような側壁から長手方向に、ここでは遠位方向に延在し、中心点83を有する円の一部分に沿ったチャネルとして形成される。円の一部分として成形され、湾曲スロット85の形状に適合するリップ87が、対向する側壁からこの湾曲スロット85内に延在する。
【0212】
[00231] スロット73は、更なる湾曲スロット81を有し、これは、1つの側壁から長手方向に、ここでは遠位方向に延在し、湾曲スロット85がそれに沿って延在する同じ円の一部分に沿ったチャネルとして形成される。円の一部分として成形され、湾曲スロット81の形状に適合するリップ79が、対向する側壁からこの湾曲スロット81内に延在する。
【0213】
[00232] スロット付き構造は、リップ87、79の間に対称的に位置し、円形の外側表面を有する凸状セクション77を備え、それは対向して位置する凹状円形セクション75に当接する。凸状セクション77及び凹状セクション75は、凸状セクション77が中心点83を中心として凹状セクション75内で回転することができるように、適合する円形の外側表面を有する。
【0214】
[00233] スロット付き構造は、接線方向に離れるほうに180回転した管要素の他方の側面に、2つの更なるリップ及び嵌合する凸状セクションと凹状セクションを有する同一の形状を有する。したがって、スロット73の両側にある管要素の2つの部分は、2つの中心点83を中心として互いに対して「回転」することができ、その結果、それらは互いに対して偏向する。リップ79、87は、このような回転中に湾曲スロット81、85内で移動し、余分な摩擦を提供しない。リップ79、87は、管要素全体をその長手方向中心軸を中心として回転させたときに管要素に追加の接線方向の安定性を与える。これは、トルク剛性を増大させるのに重要な助けとなる。それらは、リップ79、87を囲むスロット81、85の幅によって決定される所定の接線方向の遊びを画定する。
【0215】
[00234] 以下では、少なくとも1つのヒンジを含み、少なくとも1つのヒンジを中心とした管要素の屈曲が可能となる管要素についてより詳細に説明する。少なくとも1つのヒンジ構造は、該少なくとも1つのヒンジを回転させることによってヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することが可能となるスロット付き構造を備える。スロット付き構造の両側にあるヒンジの反対側部分は、一旦ヒンジが回転すると破損するように設計された1つ又は複数の破断要素によって互いに取り付けられる。
【0216】
[00235] 図16Aに示すように、凸状セクション77と凹状セクション75との間のスロット73は、1回又は複数回中断されており、凸状セクション77と凹状セクション75とが1つ又は複数の小ブリッジ89によって互いに連結されている。これらの小ブリッジ89は、図18A図18Cを参照してより詳細に説明する「破断要素」として動作する。すなわち、これらの破断要素89は、機器が製造されるときに意図的に作製されるが、一旦凸状セクション77が所定の力で凹状セクション75に対して回転されると破損するほど弱いものである。破損する前は、破断要素89は、管要素に所定の追加の剛性を与え、それにより、管要素を他の管要素の内側に挿入するとき、又は他の管要素を管要素に挿入するときに、管要素をより容易に操ることができる。一旦破損すると、破断要素89はそれ以上役割を果たさず、凸状セクション77は凹状セクション75内で自由に回転することができる。
【0217】
[00236] スロット73から所定の長手方向間隔だけ離れて、管要素は、同一のスロットだがスロット73に対して接線方向に90回転されたスロットを備える。したがって、2つの更なる回転点が、管要素が回転することができる該所定の長手方向間隔をあけて、ただし、中心点83によって許容される回転方向と直角の方向に設けられる。
【0218】
[00237] スロット73から更なる所定の長手方向間隔だけ離れて、スロット73によって画定される構造が再び繰り返されるが、ここではスロット73によって形成されるものと同一である。これらの交互の構造は、長手方向に数回繰り返される。したがって、管要素は、互いから所定の長手方向間隔だけ離れて接線方向に90回転した回転中心を備え、管要素が全方向に偏向することを可能にする。
【0219】
[00238] 図16Bは、スロット付き構造74の実施形態を示す(図6A及び図9A参照)。スロット付き構造74は、中間セクション282を備える周方向スロット243と、中間セクション280を備える周方向スロット245とを有する。
【0220】
[00239] 図16Bは、周方向スロット245が、一端において、長手方向スロット219で終端する様子を示す。長手方向スロット219に対向して、更なる長手方向スロット217がある。長手方向スロット217、219は、長手方向ブリッジ215の側部を画定する。
【0221】
[00240] 周方向スロット245は、その他端において、長手方向スロット219から接線方向に離れるほうに90から160回転した位置で終端する。中間セクション280は、U字形状の部分を備える。U字形状は、基部側で互いに連結された2つの平行の長辺によって画定される。両方の長辺は、好ましくは、一方の長辺の湾曲形状が、第1の円C1の一部分と一致するように湾曲している。第2の長辺は、好ましくは第2の円C2の一部分と一致する湾曲形状を有する。第1の円C1及び第2の円C2は、好ましくは、ブリッジ215の中心点と一致する共通の中心点を有する。これは、以下の通り実現される。
【0222】
[00241] 中間セクション280は、第1の湾曲スロット288を介して周方向スロット245に連通されている(communicatively connected)。更に、中間セクション280は、第2の湾曲スロット290を介して周方向スロット245に連通されている。第1の湾曲スロット288は、第2の湾曲スロット290と同じ又は異なる長さを有し得る。第1の湾曲スロット288は、第2の湾曲スロット290よりも短くてよい。第1の湾曲スロット288は、周方向スロット245における第1の端部と第2の端部との間に延在する。第2の湾曲スロット290は、周方向スロット245における第1の端部と第2の端部との間に延在し、ここにおいて、第1の湾曲スロット288の第2の端部は、中間スロット292を介して第2の湾曲スロット290の第2の端部に連通されている。第1の湾曲スロット288及び第2の湾曲スロット290は、ブリッジ215の周りで湾曲している。すなわち、第1の湾曲スロット288及び第2の湾曲スロット290の凹状側部は、ブリッジ215の長手方向スロット219に面している。
【0223】
[00242] 第1の湾曲スロット288は、第1の円C1に沿ってその第1の端部と第2の端部との間に延在し、ここにおいて、第1の円C1は、ブリッジ215の中心点と一致する中心を有する。第2の湾曲スロット290は、第2の円C2に沿ってその第1の端部と第2の端部との間に延在し、ここにおいて、第2の円C2は、円C1と同じ中心を有する。
【0224】
[00243] 図16Bは、周方向スロット243が、一端において、長手方向スロット217で終端する様子を示しており、この長手方向スロット217は、上述したように、長手方向スロット219と共にブリッジ215を形成する。
【0225】
[00244] 周方向スロット243は、その他端において、長手方向スロット217から接線方向に離れるほうに90から160回転した位置で終端する。中間セクション282は、U字形状の部分を備える。U字形状は、基部側で互いに連結された2つの平行の長辺によって画定される。両方の長辺は、好ましくは、一方の長辺の湾曲形状が、第1の円C1の一部分と一致するように湾曲している。第2の長辺は、好ましくは第2の円C2の一部分と一致する湾曲形状を有する。これは、以下の通り実現される。
【0226】
[00245] 中間セクション282は、第3の湾曲スロット298を介して周方向スロット243に連通されている。更に、中間セクション282は、第4の湾曲スロット200を介して周方向スロット243に連通されている。第3の湾曲スロット298は、第4の湾曲スロット200と同じ又は異なる長さを有し得る。第3の湾曲スロット298は、第4の湾曲スロット200よりも短くてよい。第3の湾曲スロット298は、周方向スロット243における第1の端部と第2の端部との間に延在する。第4の湾曲スロット200は、周方向スロット243における第1の端部と第2の端部との間に延在し、ここにおいて、第3の湾曲スロット298の第2の端部は、中間スロット202を介して第4の湾曲スロット200の第2の端部に連通されている。第3の湾曲スロット298及び第4の湾曲スロット200は、ブリッジ215の周りで湾曲している。すなわち、第3の湾曲スロット298及び第4の湾曲スロット200の凹状側部は、ブリッジ215の長手方向スロット217に面している。
【0227】
[00246] 第3の湾曲スロット298は、第1の円C1に沿ってその第1の端部と第2の端部との間に延在する。第4の湾曲スロット200は、第2の円C2に沿ってその第1の端部と第2の端部との間に延在する。
【0228】
[00247] したがって、第1の中間セクション280は、円C1‘及びC2によって画定される第1の円方向に延在する第1のリップ286を取り囲むU字形状を画定する。第2の中間セクション282は、これも円C1及びC2によって画定される第2の円方向だが、第1のリップ286の反対方向に延在する第2のリップ284を取り囲むU字形状を画定する。
【0229】
[00248] 周方向スロット243及び245の両方は、図16Bの見える側面を越えて、すなわち図16Bでは見えない管要素の側面に向かって管要素の周りに延在する。
【0230】
[00249] 管要素は、2つの更なる周方向スロット513及び549を備える。周方向スロット513及び549は、それぞれ、周方向スロット245及び243それぞれと同一の形状を有するが、それらは管要素の周りに接線方向に180回転されている。したがって、2つの更なる周方向スロット513及び549は、長手方向ブリッジ215と同様に成形され、かつ長手方向ブリッジ215に対して接線方向に正確に180回転して位置する、更なる長手方向ブリッジを画定する。
【0231】
[00250] 周方向スロット513は、接線方向ブリッジ244を画定するように、周方向スロット243と部分的に並行して延在する。したがって、周方向スロット243及び513の両方は、管要素の中心軸と直角の平面に対してわずかに角度を付けた平面に延在する。同様に、周方向スロット549は、接線方向ブリッジ246を画定するように、周方向スロット245と部分的に並行して延在する。したがって、周方向スロット245及び549も、管要素の中心軸と直角の平面に対してわずかに角度を付けた平面に延在する。
【0232】
[00251] 周方向スロット243、245、513、及び549の長手方向両側における管要素の部分は、長手方向ブリッジ215及び長手方向ブリッジ215の反対側の更なる長手方向ブリッジの中心点が回転点として動作するので、互いに対して偏向することができる。そのような長手方向ブリッジの中心点を中心とした偏向によって、周方向スロット245及び549は閉じて、周方向スロット243及び513は更に開くことになるか、又は偏向の方向に依存して逆になる。リップ284及び286は、同じ中心点を中心として円形チャネル内で自由に移動することができるので、そのような偏向中に摩擦を全く又はほとんどもたらさない。
【0233】
[00252] 周方向スロット243、245、513、及び549によって画定される構造からある所定の間隔だけ離れて、管要素は、4つの更なる周方向スロットを有する同一の構造を備える。湾曲リップ296及び294をそれぞれ有する、これらの4つの更なる周方向スロットのうちの2つ643及び645それぞれもまた、図16Bに示す。これらの4つの更なる周方向スロット643、645は、周方向スロット243、245、513、及び549の位置に対して管要素の周りに接線方向に90回転されている。周方向スロット643及び645は、それらの間に長手方向ブリッジ649を画定する。
【0234】
[00253] したがって、これらの4つの更なる周方向スロット643、645は、管要素の両側に90回転して位置する、長手方向ブリッジ215と同一の構造を有する2つの更なる長手方向ブリッジ(図16Bでは見えない)とその対応するものとを画定する。これらの4つの更なる周方向スロット643、645は、2つの更なる回転点を形成し、それらの両方の長手方向側面における管要素の部分が互いに対して偏向することが可能となる。しかしながら、この偏向は、周方向スロット243、245、513、及び549によって許容される偏向の表面に対して90回転した表面にある。全体として、図16Bに示すスロット付き構造により、全方向への偏向が可能となる。
【0235】
[00254] 管要素の長手方向に所定の間隔をあけて、4つの周方向スロットを有するそのような構造をより多く追加することによって、ヒンジを設けることができ、管要素が所定の立体角内で全方向に偏向することを可能にする。
【0236】
[00255] 図16Bに示すスロット付き構造を有する管要素が、改善したトルク剛性を有することがわかる。理由は以下の通りである。まず第1に、周方向スロット243、245、513、549、643、645は、いくつかの先行技術の構造及び図16Aの構造のように、接線方向にほとんど180延在していない。
【0237】
[00256] 更に、使用者が、図16Bの実施形態に示す管要素を回転しようと試みると、ピン284、286、294、296は、1つの湾曲スロット288、290、298、200の最大間隔で周方向にのみ移動することができ、次いで、それらを囲むスロットの幅によって決定されるように更なる周方向移動を阻止されることになる。したがって、弾性変形及び張力は、中間セクション280、282、294、296の設計によって決定される特定の閾値を決して超えない。
【0238】
[00257] また、図16Bに示す管要素は、長手方向ブリッジ215に起因して非常に良好な縦剛性を有する。すなわち、周方向スロット243、245、513、549、643、645のいずれも、360の周方向距離に延在しない。
【0239】
[00258] 図16Bの構造は、スロット513、245/549、643/645間の接線方向ブリッジ244、246が偏向中に弾性的に変形されるので、図16Aに示す構造よりも可撓性が低い。このような接線方向ブリッジは、図16Aの実施形態には存在しない。
【0240】
[00259] 図16Cは、代替のブリッジ272を有する管要素のスロット付き構造106(図7A及び図14A参照)の実施形態を示す。図16Cは、周方向スロット245が長手方向スロット219で終端する様子を示す。しかしながら、ここで長手方向スロット219は、U字形状スロットを形成するように、湾曲スロット262を介して長手方向スロット260に連通されている。周方向スロット243は、長手方向スロット217で終端する。しかしながら、ここでは、長手方向スロット217は、湾曲スロット258を介して長手方向スロット256に連通されており、その結果、U字形状スロット219、262、260の長手方向に対向する方向にU字形状スロットを形成する。したがって、鏡文字(mirrored)のS字形状を有するブリッジ272が存在する。当然ながら、形状は、代替的にS字形状と同等のものであってもよい。代替的に、形状は、Z字形状又は鏡文字のZ形状であってもよい。
【0241】
[00260] スロット243及び245は、中心軸と直角の平面に対してわずかに角度を付けた平面に延在する。それらは接線方向に角度<180に沿って延在する。ブリッジ272に対して180回転した位置には、同一のスロット構造によって形成された同一の構造がある。周方向スロット243と共に接線方向ブリッジ244を画定する、その同一構造の1つの周方向スロット513の一部分が図16Cで見ることができる。
【0242】
[00261] スロット243、245、513は、図16Bに示す方法とは反対の方法で中心軸と直角の平面に対して角度を付けた平面に延在していることがわかる。
【0243】
[00262] 管要素の両側にある2つのこのようなS字形状ブリッジ272は、優れた回転点を形成し、それにより、S字形状ブリッジ272の長手方向両側にある管要素の部分が互いに対して偏向することができるように。
【0244】
[00263] 構造は、図16Bのリップ284及び286などの湾曲リップと組み合わせることができる。
【0245】
[00264] 図16Cの右側に示すスロット付き構造は、所定の長手方向間隔だけ離れて1回又は複数回繰り返され得、好ましくは、毎回隣接するものに対して接線方向に90回転される。1つのそのような90回転した構造が、更なる参照符号はないが図16Cの左側に示されている。
【0246】
[00265] 図16Cに示すS字形状又はZ字形状のブリッジ272を有する管要素が、図16Bのブリッジ215などの単一の直線状の長手方向ブリッジを有する実施形態よりもはるかに大きい曲げ角度を有することがわかる。
【0247】
[00266] 図16Dは、スロット付き構造156の実装形態を示す(図13A参照)。リップ284、286、294、296以外は、図16Bに示すものと同一である。図16Dは、スロット付き構造の接線方向に対称の3Dの構造を示すように、管要素の内側が部分的に見えるように配向されている。同様の接線方向の対称性が、図16A図16B図16Cのスロット付き構造に適用される。
【0248】
[00267] 図16Eは、管要素134のスロット付き構造91の更なる例を示す。図16Eは、同一の構造だが、互いに対して接線方向に約90回転した2つの隣接するヒンジを示す。したがって、2つのヒンジは、互いに直角の2つの異なる平面で管要素134の隣接する部分を屈曲させることができる。互いに対して約90連続的に回転したそのようなヒンジをより多く設けることによって、管要素134は、全方向に可撓性があるようになる。
【0249】
[00268] 各ヒンジ91は、図16Aに示すヒンジの変形形態である。同じ参照番号は、図16A中の同じ要素を指す。図16Aに示すヒンジが、管要素134を完全に囲む1つの単一スロット73によって形成されるのに対して、各ヒンジ91は、両方が管要素134を完全には囲んでいない2つのスロット73a及び73bによって形成される。スロット73aは、接線方向に対して小さい角度をつけて周方向に延在する部分を有し、その部分は湾曲スロット85に連結する。湾曲スロット85は、凸状セクション77と凹状セクション75との間のスロット73aの更なる部分の一端にも連結しており、この更なる部分は、その他端において、湾曲スロット81に連結する。湾曲スロット81は、スロット73aの最後の部分にも連結されており、この最後の部分もまた、接線方向に対して小さい角度をつけて周方向に延在する。全体として、スロット73aは、180を超える円弧に沿って周方向に延在する。
【0250】
[00269] 湾曲スロット85及び81は、それぞれ、図16Aと同様に、湾曲リップ87及び79それぞれを収容している。
【0251】
[00270] 接線方向に180回転した位置において、管要素134には、スロット73aと同一の更なるスロット73bが設けられている。スロット73a及び73bの両方は、180を超える円弧に沿って接線方向に対して小さい角度をつけて周方向に延在するので、それらは、スロット73a及び73bの円周部分の間に周方向に延在するブリッジ73c及び73dを画定する。
【0252】
[00271] ヒンジ91は単一のスロット73によって形成されていないので、図16Aのヒンジよりも高い縦剛性を与える。それらはまた、上述したように、湾曲スロット85、81内の湾曲リップ87、79によって与えられる、いくらかの追加のトルク剛性も与える。
【0253】
[00272] 凸状セクション77は、凹状セクション75内で、スロット73a及び73bの円周部分の幅並びに湾曲スロット85及び81の長さによって決定される所定の最大範囲まで回転することができる。
【0254】
[00273] 破断要素89(図16Eには示していないが、更なる詳細を図18B図18Eに示す)が、図16Aの実施形態と同じ方法で適用され得る。
【0255】
[00274] 図16Fは、更なる代替のヒンジ実施形態を示す。図16Fは、管要素134を完全に囲む単一スロット73eによって形成されるヒンジ93を示す。図16Fの同じ参照番号は、図16A中の同じ要素を指す。スロット73eは、凸状セクション77aと凹状セクション75aとの間の部分以外、図16Aに示すヒンジのスロット73と同一であり、凸状セクション77a及び凹状セクション75aは、それぞれ、凸状部分77及び凹状セクション75とそれぞれ形状が異なる。これは、図16FにおいてXVIGによって示される部分の拡大図である図16Gにより詳細に示す。
【0256】
[00275] 図16Gの実施形態では、凸状セクション77aの凸状外側表面には、V字形状ノッチ310が設けられている。V字形状ノッチ310は、図16Hの更なる拡大図に示すように、2つの長辺310(1)及び310(3)と、両方の長辺310(1)及び310(3)を連結する基部310(2)とを有する。図示の実施形態では、基部310(2)は直線状であるが、本発明はこの例に限定されない。基部310(2)は、基部が中心点83から離れるほうを向いているV字形状又はU字形状を有するなど、わずかに湾曲していてもよい。
【0257】
[00276] 凹状セクション75aには、ここではV字形状ノッチ310によって収容されているV字形状延長部300として示されている延長部が設けられている。V字形状延長部300には、その基部に、2つの角部302及び304が設けられており、これら角部は、管要素134の対向する側だが、管要素134の中心長手方向軸98に平行な管要素134の表面上の仮想線から等間隔に位置する。図示の実施形態では、角部302及び304は、V字形状延長部300の基部に、基部が中心点83から離れるほうを向いているV字形状を設けることによって形成される。しかしながら、本発明はこの例に限定されない。凸状セクション77a及び凹状セクション75aが互いに対して回転していない図16Gの状況では、角部302及び304は、それぞれ、基部310(2)が長辺310(1)及び310(3)それぞれに移行するV字形状ノッチ310の位置に接触するか、又は極めて近い。ここで、「極めて近い」とは、0.5μm未満、好ましくは0.1μm未満の間隔を指す。角部302及び304は、それら各々がV字形状ノッチ310と一点でのみ接触することができるように形成されることができる。一実施形態では、これらの角部302及び304は、レーザ又は水切断プロセスの後、V字形状ノッチ310の対向する壁に依然として取り付けられ得る。これらの取り付けは、ヒンジ構造の他の任意の部分を変形させることなく、ヒンジ93に曲げ力がかけられると容易に破断するように設計される(破断要素89についてこれを説明する図18も参照)。次いで、破断後、角部302及び304は、V字形状ノッチ310の対向する壁に依然として接触し、構造を更により安定させる。
【0258】
[00277] しかしながら、図16Hに示す状況では、凸状セクション77a及び凹状セクション75aは互いに対して回転しており、その結果、V字形状ノッチ310の内側のV字形状延長部300が角部302の周りで傾斜することになり、次いで、傾斜点として作用する。したがって、角部302は、基部310(2)及び長辺310(1)の移行点と接触したままであり、角部304は、基部310(2)及び長辺310(3)の移行点から離れるほうに傾斜している。
【0259】
[00278] 図16F図16Hの実施形態では、管要素134には、接線方向に90回転した位置に同じ(又は同様の)構造が設けられる。
【0260】
[00279] 図16E図16Hに示す構造は、以下の問題を解決することができる。管要素134が、作動ケーブル184が設けられた機器の一部であり、そのような作動ケーブル184に、機器の先端における何らかの作動動作のために張力がかけられた場合に、そのような動作ケーブル184が管要素134の正確に中心に位置しない位置では、管要素134は、屈曲する傾向を有し得る。図16F図16Hに示す構造の効果は、休止位置において、V字形状延長部300がその基部において2つの角部302、304によって支持されているので、凸状セクション77a及び凹状セクション75aが互いに対して回転し始める前に、特定の閾値の曲げ力がヒンジ93にかけられるべきであるということである。この効果は、椅子又はテーブルの場合と同じであり、椅子又はテーブルを傾斜させるのに閾値の力が必要である。その結果、軸外(off-axis)作動ケーブル184に張力がかけられても、ヒンジ93は回転しない傾向がある。管要素134の少なくとも一部分に沿って複数の同一又は同様のヒンジ93を適用する場合、その部分は直線状のままである傾向がより大きくなる。これもまた、長手方向に隣接するヒンジ93を接線方向に互いに対して約90回転させて、管要素134に全方向の可撓性を与え得る。
【0261】
[00280] 図16F図16Hは、より一般の概念の1つの例を示しているにすぎないことは明らかであろう。一般概念は、以下のように表現することができる。ヒンジ93のスロット付き構造は、管要素134の一方の側において、スロット73eの対向する側に管要素134の2つの部分77a、75aを備えるように構成され、2つの部分77a及び75aは、中心点83を中心として回転することができるように構成される。休止状態では、これら部分の一方、ここでは75aは、2つの点で、他方の部分、ここでは77aによって支持され、それら2つの点は、管要素134の対向する側に、中心長手方向軸98に平行な管要素134の表面上の仮想線から等間隔に位置する。
【0262】
[00281] スロット付き構造72、74、106、136、156のスロットの最小幅は、非常に小さく、すなわち0μmに等しいか、又はそれに非常に近くすることができる。これは、例えば、凸状セクション77が凹状セクション75に当接するスロット付き構造72において好ましい(図16A参照)。
【0263】
[00282] 図18Aは、例えば、凸状セクション77が凹状セクション75に当接する位置における外側管要素134のスロット73が、破断要素89を使用しながら狭くされ得る様子を示す。図18Aは、製造直後の図16Aに示すスロット付き構造72の拡大部分を示す。この図は、凸状セクション77が複数の破断要素89によって凹状セクション75に依然として取り付けられていることを示している。更に、リップ87及び79が、1つ又は複数の破断要素89によって管要素134の対向する部分に依然として取り付けられている。
【0264】
[00283] このような破断要素89は、以下のように作製することができる。スロット73は、例えば、管要素の厚さ全体を切断するように所定のエネルギー及び幅を有するレーザビーム又は水ビームを管要素に方向付けることによって作製される。レーザビームは、管要素外面に対してレーザ光源を移動させることによって、該外面に対して移動する。しかしながら、破断要素89が形成されることになる位置では、レーザビームは特定の時間期間中断されるが、レーザ光源は依然として管要素外面に対して移動する。
【0265】
[00284] 上述したように、スロット付き構造72の様々な部分を互いに対して最初に偏向させたとき、これらの破断要素89は破断する。このような破断要素89の大きい利点は、破断した後、破断要素89の2つの対向する側面間の間隔が実質的に0μmであり、その結果、それらの間の遊びが極めて小さくなることである。
【0266】
[00285] 図18B及び図18Cは、第1の実施形態のそのような破断要素89をより詳細に示す。すなわち、図18Bは、図18Aに示す部分XIIXBの拡大図である。湾曲スロット85は、3つの部分85(1)、85(2)、及び85(3)を有するように示されている。これら3つの部分85(1)、85(2)、及び85(3)は共にU字形状チャネルを形成し、部分85(1)及び85(3)は、U字形状チャネルの長辺を形成し、部分85(2)は短い下底側を形成する。リップ87は、部分85(1)、85(2)、及び85(3)によって囲まれている。
【0267】
[00286] スロット73と同様に、部分85(1)、85(2)、及び85(3)は、例えば、管要素134をレーザ又は水切断することによって形成される。部分85(1)及び85(3)の幅h(2)は、これらの部分85(1)、85(3)を生産するために使用されるレーザ(又は水)ビームの幅と同じであり、実質的に等しくてもよい。部分85(2)のサイズは、リップ87が湾曲スロット85内で移動可能であるべき経路長に依存する。このような切断動作の直後は、リップ87は、破断要素89によって管要素134の対向する部分に依然として取り付けられている。上述したように、これは、例えば別の管要素が管要素134に挿入されるとき、又は管要素134が別の管要素に挿入されるときに、管要素134をより容易に扱うことができるように、切断プロセス後により高い剛性を管要素134に与える。
【0268】
[00287] 使用中、図18A図18Cに示すスロット付き構造は、上述したようにヒンジ構造の一部である。スロット付き構造が位置する管要素134の部分が屈曲されると、力Fdがかけられ、それによってリップ87が湾曲スロット85内で移動する。力Fdは、リップ87及び管要素134の対向する側が互いに対して移動されることを示すために、図18Bにおいて2つの矢印で示されている。実際の力Fdは、図18Bに示す方向とは反対の方向であってもよい。管要素134を屈曲させることによって生じる力Fdにより、破断要素89は破断し、その結果、リップ87は湾曲スロット85内で自由に移動することができる。
【0269】
[00288] 図18Cは、破断要素89の各々が2つの対向する分離した破断要素部分89a及び89bに破断することを示す。一実施形態では、各破断要素89は、所定の幅を有し、破断要素部分89a、89bは、互いに面する外面において実質的に同じ幅を有する。したがって、使用中、これらの破断要素部分89a、89bは、破断要素部分89a、89bの互いに対する移動がこの幅よりも大きくない限り、互いに面する外面で互いに接触している。有利な実施形態では、幅は、スロット73の幅によって許容される最大可能相対移動でも、破断要素部分89a、89bが依然として互いに接触するくらいに大きい。したがって、スロット付き構造における接線方向の遊びは最小限に保たれる。
【0270】
[00289] 図18D及び図18Eは、破断要素89の更なる実施形態を示す。図18D及び図18Eの破断要素89は、図18B及び図18Cと同じ形態を有し得る。しかしながら、隣接する破断要素89間の間隔w(1)が、ここでは破断要素89自体の幅w(2)よりも小さい。図18B及び図18Cでは、隣接する破断要素89間のこの相互間隔が個々の破断要素89の幅よりも大きい状況が示されている。その結果、図18D及び図18Eの実施形態では、リップ87及び管要素134の対向する側が、幅w(1)に等しい間隔よりも大きい間隔に沿って互いに対して移動したときでも(図18E参照)、破断要素部分89a、89bの1つ又は複数は、隣接する破断要素89間の空間内で移動することができないので、依然として互いに接触し得る。すなわち、その空間は、そのような破断要素89を収容するには小さすぎる。これにより、接線方向の遊びのない能力(playless capacity)が更に大きくなる。
【0271】
[00290] 再び図18Aを参照すると、凸状セクション77と凹状セクション75との間の破断要素89が、同じ方法で設計されている。したがって、凸状セクション77を凹状セクション75の内側で所定の力で回転させることによって、破断要素89が破断し、各破断要素89は2つの破断要素部分89a及び89bを残す。これらの後者の破断要素部分89a及び89bは、図18Cに示すものと同じ形態及び機能を有する。すなわち、スロット付き構造は、回転が構造によって阻止されるまで凸状セクション77が凹状セクション75内で回転することができるように構成される。破断要素89は、破断された後、破断要素部分89a及び89bが、互いに面して最大可能回転の間ずっと常に互いに接触している表面を有するような幅を有する。その結果、図から分かるように、製造後でも、凸状セクション77及び凹状セクション75が互いに接触しており、それにより、凸状セクション77と凹状セクション75との間の長手方向の遊びが最小限に保たれる。
【0272】
[00291] ヒンジを形成する可撓性管要素134のより多くのスロット付き構造が、そのような破断要素89を用いて生産され、より多くのヒンジは、接線方向及び長手方向の両方において遊びのない特性を示す。その結果、接線方向及び長手方向の両方の遊びが劇的に低減された可撓性管要素134を作製することができ、これは、長尺の機器、例えば長さが1メートルを超える機器にとって特に有利な特徴である。
【0273】
[00292] 破断要素89は、以下の方法で設計されるべきである。破断される前に、各破断要素89が管要素134の対向部分に取り付けられる。管要素134のこれらの対向部分は、それを超えるとこれらの対向部分の永久変形が生じる力を規定するそれぞれの降伏応力値を有する。更に、各破断要素89は、破断要素89を破断するために加えられる力を規定するそれぞれの破断引張応力値を有する。各破断要素89の引張応力値は、管要素134のこれらの対向部分の降伏応力値よりも低くなるべきである。例えば、各破断要素89の引張応力値は、管要素134のこれらの部分の降伏応力の1%~80%の範囲である。この範囲は、代替的に、1%~50%であってもよい。
【0274】
[00293] 図19A及び図19Bは、圧着ブッシングによってケーブル90を先端セクションに連結することができる様子を概略的に示す。図19Aは、そのような先端セクションの3D図を示し、図19Bは、図19Aの実施形態の正面図を示す。これらの図19A及び図19Bは、圧着ブッシングを使用する1つの可能な例を示すにすぎない。
【0275】
[00294] 図19Aに示す先端セクションは、図9Aに示す管状体18の先端セクションであり、同じ参照符号は、図9A中の同じ要素を指す。しかしながら、圧着ブッシングを使用する原理は、他のすべての実施形態にも同様に適用することができる。
【0276】
[00295] 図示のように、図19A及び19Bの実施形態では、ストリップ138は、2つの異なるタイプ、すなわち、交互のストリップ138a及び138bとして実現される。ストリップ138aは、その遠位端でリング形状部分140に取り付けられるように設計される。その近位端145では、ストリップ138aは、リング形状部分78から切断されている。更に、近位端145には、追加のリップ147が設けられ得る。ストリップ138aに隣接して、両側に、ストリップ138bが存在し、これらは、それらの遠位端及び近位端の両方で、それぞれ、リング形状部分140及びリング形状部分78それぞれに取り付けられる。
【0277】
[00296] 中間管要素88a(図19Aでは見えない)は、スロット139の最近位端と一致する中心軸98と直角の平面の位置にある外側管要素134内で終端する。圧着ブッシング143は、各圧着ブッシング143が1つのスロット139と位置合わせされるように、各ケーブル90の遠位端に押し込まれる。好ましくは、図19Bに明確に示すように、焼きばめプロセス(shrinking process)の前に、各圧着スリーブ143が1つのスロット139内に部分的に延在するような配置である。圧着スリーブ143の直径は非常に大きいので、その各々は、周囲の中間管要素材料を含めて1つのケーブルチャネル96を完全に覆う。したがって、正面から見ると、中間管要素88aの部分88a2のみを見ることができる(図19B参照)。
【0278】
[00297] 圧着スリーブ143は、任意の好適な金属などの変形可能な材料で作製される。ケーブル90上に押し込まれると、好適な力が各圧着スリーブ143の外面に加えられて、ケーブル90を圧着し、圧着スリーブの各々をケーブル90の1本にクランプする。これは、有利なことに、ケーブル90の一部分が外側管要素86、134の最遠位部分を越えて延びている間に行うことができる。ケーブル90上に圧着されると、ケーブル90の他端は、チャネル96、97のうちの1つに挿入され、圧着ブッシングがチャネル96、97の遠位端によって止められることによりケーブル90をそれ以上挿入できなくなるまで挿入されることができる。
【0279】
[00298] これについて、図19Cにより詳細に示す。図19Cは、図19A図19Bに示す機器の遠位部分の長手方向断面である。図19Cが示すように、中間管要素88aの遠位端の側面は、長手方向に見て、スロット139の最近位端に位置する。中間管要素88aの遠位端の側面、すなわちその外側部分88a2に、リップ147が溶接される。動作可能状態において、圧着ブッシング143は、中間管要素88aの遠位端の側面に当接する。更に、それらの断面サイズは、動作可能状態において、それらの長手方向が好ましくは本体18の長手方向と位置合わせされ、同時に、各々がスロット139のうちの1つに部分的にあるようなものである。
【0280】
[00299] 1本のケーブル90に対して圧着された後、各圧着ブッシング143は、ケーブルチャネル96内の対応するケーブル90の、ステアラブル機器の近位方向への長手方向移動を防止する。ここで、当業者には明らかなように、ケーブル90のいくつかを引っ張り、対向するケーブルを弛緩させることによって、偏向可能ゾーン17を偏向させることができる。
【0281】
[00300] 図20A図20Dは、別の実施形態を例示する。図20Aは、ケーブル90の1本又は複数にかけられた縦力が回転力、したがって場合によっては機器の一部分の回転運動をもたらすことができる様子を概略的に示す。
【0282】
[00301] 図20Aでは、湾曲した機器の管要素134の一部分が示されている。これは、機器が体内の湾曲したチャネルに挿入されるという事実に起因し得る。図20Aは、6本のケーブルのうちの3本90(1)、90(2)、及び90(6)を概略的に示す。図20Bは、図20Aの矢印XXBで示された機器の断面であるが、6本のケーブル90(1)~90(6)すべてを示す。それらの番号付けは時計回りの方向である。ケーブル90(1)~90(6)の各々は、1つの可撓性管131内に位置し、そのうちの1つが図20Aに示されている。図20A図20Dは6本のケーブル90(1)~90(6)を示すが、これらの図の解決法は、任意の複数のケーブルに適用することができる。
【0283】
[00302] 機器の遠位先端の所望の偏向移動を確立するために、縦力Fl(1)、Fl(2)、及びFl(6)それぞれが近位方向にケーブル90(1)、90(2)、及び90(6)それぞれにかけられると仮定する。一実施形態では、偏向は、3D空間内の全方向のうちの1つであり得る。ケーブル90(3)、90(4)、及び90(5)は弛緩状態に保たれる。機器の図示の部分は湾曲しているので、縦力Fl(1)、Fl(2)、及びFl(6)は、図20Bに示すように、図示の機器の湾曲部が位置する表面に平行な、ケーブル90(1)、90(2)、及び90(6)それぞれに対する力Fr(1)、Fr(2)、及びFr(6)それぞれに変換される。力Fr(1)、Fr(2)、及びFr(6)は軸外であるので、これらの力は、方向Mにおける機器に対する全回転力をもたらす。
【0284】
[00303] この回転力を打ち消す1つの方法が、図20C及び図20Dに示される。要するに、ここで提示される解決法は、機器の中間可撓性ゾーン12aにおけるケーブル90の接線方向の順序を、機器の近位端及び遠位端における接線方向の順序に対して変更することである。すなわち、機器の近位端におけるケーブル90の接線方向の順序が、90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6)である場合、遠位偏向可能ゾーン17における順序は同じであり、したがって、これも90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6)である。しかしながら、機器の中間可撓性ゾーン12aにおける接線方向の順序は異なる。図20C及び図20Dに示す実施形態では、中間可撓性ゾーン12aにおける接線方向の順序は、90(1)、90(4)、90(2)、90(5)、90(6)、90(3)に変更される。しかしながら、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0285】
[00304] 図20C及び図20Dの実施形態では、近位端における90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6)という接線方向の順序は、外側管要素134の入口での中間可撓性ゾーン12aでは90(1)、90(4)、90(2)、90(5)、90(6)、90(3)に変更される。同様に、図示の実施形態では、中間可撓性ゾーン12aにおける90(1)、90(4)、90(2)、90(5)、90(6)、90(3)という接線方向の順序は、移行部での遠位偏向可能ゾーン17では90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6)に変更される。これは、例えば、ケーブル90を好適な方法で互いに交差させることによって行われ得る。ケーブル90が可撓性管131内に位置する場合、そのような管131は、移行エリアでは交差関係で配置される必要がある。
【0286】
[00305] この解決法は以下のように作用する。図20Cに示すように、力Fr(1)、Fr(2)、及びFr(6)はそれぞれ、同じケーブル90(1)、90(2)、及び90(6)それぞれに依然としてかけられる。しかしながら、これらのケーブル90(1)、90(2)、及び90(6)は、ここでは異なる接線方向位置に位置しているので、ケーブル90(2)及び90(6)に対してかけられる個々の力Fr(2)及びFr(6)は、ここでは中心長手方向軸98の「他方側」の表面にある。すなわち、ケーブル90(1)にかけられる力Fr(1)が、中心長手方向軸98の第1の側に位置する第1の表面にある場合、ケーブル90(2)及び90(6)にかけられる力Fr(2)及びFr(6)は、中心長手方向軸98の反対側の他の表面にある。力Fr(1)、Fr(2)、及びFr(6)はすべて同じ方向であるので、かけられる全回転力は減少する。
【0287】
[00306] 図20A図20Dを参照して説明した本発明は、他のすべての図を参照して本文書で説明したすべての機器で実現することができる。
【0288】
[00307] 本発明による可撓性管要素を製造する方法は、
a.内面及び外面を有する管要素88;88a;88b;88c;88d;88eを提供することであって、内面は第1のチャネル94を囲んでおり、ここにおいて、管要素88;88a;88b;88c;88d;88eは、
・外面が、各々が1つのケーブル90の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第1のケーブルチャネル96;96a;96bを画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び、
・内面が、各々が1つのケーブル90の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第2のケーブルチャネル97を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成される、管要素を提供すること、及び、
b.管要素88;88a;88b;88c;88d;88eに少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、管要素88;88a;88b;88c;88d;88eに少なくとも1つのスロット付き構造72;74;106;156を製造すること
と要約することができる。
【0289】
[00308] 管要素が金属から作製されるとき、少なくとも1つのスロット付き構造が、有利にはレーザ切断によって作製される。このようなレーザ切断は、レーザビームを該管要素の該外面と直角に方向付けることによって実行され得る。レーザ切断中に管要素を回転させてもよいし、又は管要素の中心軸を中心としてレーザを回転させてもよい。したがって、管要素の波形構造に起因して、レーザビームは、時間とともに方向が変化し、少なくとも一部の切断時間の間は軸外である。
【0290】
[00309] 簡潔に述べると、ステアラブル機器が、近位端及び遠位端を有する可撓性管要素から製造され、該製造は、少なくとも1つのステアリング装置168を該近位端に設け、1つ又は複数のケーブルを設け、該ステアリング装置168による該偏向可能セクションの偏向を可能にするように、該1つ又は複数のケーブルを近位端にある該ステアリング装置168及び該偏向可能セクションに連結することによって行われる。
【0291】
[00310] いくつかの最終的な観察は以下の通りである。
【0292】
[00311] 上述した多くの実施形態は、各構成要素が複数の目的に役立ち、1部品の基材から一体的に製造される設計を目的とする。したがって、ケーブルチャネル、ヒンジ、可撓性ゾーン、及び層取り付け手段のための別個の部品の代わりに、すべての機能及び特徴を有する1つの部品を有することができる。これにより、部品製造及び組立てのコストが大幅に最小限に抑えられる。
【0293】
[00312] 上述の中間管要素は、ケーブルのためのガイドチャネルのうちの少なくとも一部分を有し、所望の可撓性及び偏向可能性を与えるためにスロット付き構造が設けられているので、ケーブル上の摩擦が低減される。これは、遠位端における偏向可能な先端の操作の制御を非常に容易にするが、近位端から延在するケーブルによって器具が操作される場合には、先端における器具の操作の制御も非常に容易にする。例えば、グリップする、移動させる、切断する、及び/又は針で組織を縫合するなどの、人体内での物体の操作の制御がより容易になっている。
【0294】
[00313] 遠位端は、2つ以上の偏向可能ゾーンを備え得る。最遠位の偏向可能ゾーンは関節接合ゾーンであるが、最遠位から次の遠位ゾーンは三角測量ゾーンであり得る。遠位端におけるこれらの偏向可能ゾーンの1つ又は複数は、上述の特許出願WO2009/112060A1、WO2009/127236A1、WO2017/213491A1、及びWO2018/067004に詳細に説明されるように、元々は円筒形の管にレーザ切断することによって作製された管要素の長手方向要素によって制御することができる。代替的に、これらの偏向可能ゾーンの1つ又は複数を、ボール形状のステアリング要素又はロボットによって制御することができる。
【0295】
[00314] 本明細書で説明した例及び実施形態は、本発明を限定するのではなく例示する働きをする。異なる実施形態からの要素は、組み合わせが矛盾しない場合を除いて、図面に示していない実施形態を形成するように組み合わせることができる。当業者は、特許請求の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態を設計することができる。特許請求の範囲における括弧内に置かれた参照符号は、特許請求の範囲を限定するようには解釈されないものとする。特許請求の範囲又は説明において別個のエンティティとして説明した項目は、説明した項目の特徴を組み合わせる単一項目又は複数のハードウェア項目として実現され得る。
【0296】
[00315] 本発明は、添付の特許請求の範囲及びその技術的同等物のみによってのみ限定されることを理解されたい。本文書及びその特許請求の範囲において、「備える」という動詞及びその活用形は、該用語に続く項目が、特に記載されていない項目を除外することなく含まれることを意味する、それらの非限定的な意味で使用される。加えて、不定冠詞「a」又は「an」による要素の参照は、コンテキストが該要素のちの1つ又は1つのみが存在することを明確に必要としていない限り、該要素が2つ以上存在する可能性を除外しない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は通常「少なくとも1つ」を意味する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図20D
【手続補正書】
【提出日】2021-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記管状体(18)は、中間可撓性ゾーン(12a)及び少なくとも1つの遠位偏向可能ゾーン(17)を有し、
前記管状体(18)は、金属から作製された少なくとも1つの管要素を含み、前記管要素には、前記中間可撓性ゾーン(12a)における第1のスロット付き構造(74)と、前記少なくとも1つの遠位偏向可能ゾーン(17)における第2のスロット付き構造(72;106;136;156)とが設けられ、
前記管状体(18)には、複数のケーブルチャネル(96;97;146;152)を形成するように配置された接線方向回転阻止要素が設けられ、各ケーブルチャネル(96;97)は、複数のケーブル(90)のうちの1つを収容し、
前記ケーブル(90)は、前記ステアリング装置(168)による前記遠位偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において前記遠位偏向可能ゾーン(17)に連結される、ステアラブル機器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの管要素は、中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)であり、前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、
・内面及び外面を有し、前記内面は、第1のチャネル(94)を囲んでおり、
・前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、前記第2のスロット付き構造(106)を備え、
・前記接線方向回転阻止要素を提供するために、
a.前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び、
b.前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成されている、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項3】
各々が1つのケーブル(90)の少なくとも前記一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を有するように構成され、ここにおいて、前記管状体(18)には、前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を覆うように、前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d)を取り囲む外側管要素(86;130;134;150)が設けられている、請求項2に記載のステアラブル機器。
【請求項4】
前記外側管要素(86;130;134;150)には、前記遠位偏向可能ゾーン(17)における第1の外側管要素スロット付き構造(72;136)と、前記中間可撓性ゾーン(12a)における第2の外側管要素スロット付き構造(74)と、のうちの少なくとも1つが設けられている、請求項3に記載のステアラブル機器。
【請求項5】
前記外側管要素(150)は、複数の第3のケーブルチャネル(151)を形成するように成形され、各第3のケーブルチャネル(151)は、1つのケーブル(90)を収容する第4のケーブルチャネル(152)を共に形成するように、1つの第1のケーブルチャネル(96)に対向している、請求項3又は4に記載のステアラブル機器。
【請求項6】
前記複数の第1のケーブルチャネル(96)に隣接して、前記中間管要素(88;88a;88d)の前記外面は、接触エリアで前記外側管要素(86;130;150)に接触し、それにより、前記複数の第1のケーブルチャネル(96)は前記接触エリアにテーパ付き部分を有し、前記テーパ付き部分は、ケーブル(90)が前記テーパ付き部分で動けなくなることを防止するために材料で少なくとも部分的に充填されている、請求項に記載のステアラブル機器。
【請求項7】
前記材料は、前記中心軸に向かって内側に延在する前記外側管要素(130)の部分と、前記中間管要素(88a)と外側管要素(130)との間に配置されたライナ(142)と、のうちの少なくとも1つである、請求項6に記載のステアラブル機器。
【請求項8】
前記外側管要素(86;134;150)は、その全長に沿って均一な厚さを有する、請求項に記載のステアラブル機器。
【請求項9】
前記外側管要素(86;134;150)は、前記偏向可能セクションの近位端における少なくとも1つ又は複数の位置(75)で前記中間管要素(88;88a;88d)に取り付けられている、請求項に記載のステアラブル機器。
【請求項10】
前記中間管要素(88;88a;88d)は、前記外面及び内面が同じ波形構造を有するように、その全長に沿って均一な厚さを有する断面構造を有する、請求項に記載のステアラブル機器。
【請求項11】
前記複数の第2のケーブルチャネル(97)の各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように構成され、ここにおいて、前記管状体(18)には、前記複数の第2のケーブルチャネル(97)を覆うように、前記中間管要素(88)内に配置された内側管要素(92)が設けられる、請求項に記載のステアラブル機器。
【請求項12】
前記中間管要素(88e)は、前記外面及び内面が同じ波形構造を有するように、その全長に沿って均一な厚さを有する断面構造を有し、前記中間管要素(88e)は、前記中間管要素(88e)の外周を形成する外側部分(88e2)と、本質的に閉鎖したチャネル(96)を取り囲むように各々成形された内側部分(88e1)とを備える、請求項2に記載のステアラブル機器。
【請求項13】
前記ケーブル(90)のうちの少なくとも1つは、別個の管(142)で取り囲まれている、請求項に記載のステアラブル機器。
【請求項14】
前記少なくとも1つの管要素は、前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、及び内面及び外面を有する中間管要素(88b)を囲む外側管要素(134;134a)であり、前記内面は、第1のチャネル(94)を囲んでおり、前記外面は、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96a;96b)を形成する波形断面をその全長に沿って有する、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項15】
前記少なくとも1つの管要素は、外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は、内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、
・各々が1つのケーブル(90)を収容し、少なくともいくつかが所定の長手方向間隔をあけて前記外側管要素(134)及び内側管要素(92)の少なくとも1つに取り付けられた第1の可撓性管(131)のセットと、
・隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成され、少なくともいくつかが所定の長手方向間隔をあけて前記外側管要素(134)及び内側管要素(92)のうちの少なくとも1つに取り付けられた第2の可撓性管(133)のセットと、
・前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットと、
のうちの少なくとも1つによって実現される、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項16】
前記少なくとも1つの管要素は外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、各々が1つのケーブル(90)を収容する第1の可撓性管(131)のセットと、前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、2つ以上の可撓性管の間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットとによって実現される、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項17】
前記少なくとも1つの管要素は外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットによって実現され、それにより、前記内側管要素(92)及び前記外側管要素(134)は、前記ケーブル(90)の厚さよりも大きい半径方向間隔だけ分離されている、請求項1に記載のステアラブル機器。
【請求項18】
前記リップ(149)の少なくともいくつかには、内側管要素(92)の好適な空洞又は貫通孔内に挿入されるリップ延長部(154)が設けられている、請求項16又は17に記載のステアラブル機器。
【請求項19】
可撓性管要素を製造する方法であって、
a.内面及び外面を有する管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)を提供することと、ここで、前記内面はチャネル(94)を囲んでおり、前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第1のケーブルチャネル(96;96a;96b)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び
・前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成され、
b.前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つのスロット付き構造(72;74;106;156)を製造することと、
を備える、方法。
【請求項20】
前記管要素は金属から作製され、前記少なくとも1つのスロット付き構造は、レーザ切断又は水切断のいずれかによって作製される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザ切断は、レーザビームを前記管要素の前記外面と直角に方向付けることによって実行される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
近位端及び遠位端を有するステアラブル機器を、請求項19に記載の方法で製造された可撓性管要素から製造する方法であって、前記近位端に少なくとも1つのステアリング装置(168)を設け、1つ又は複数のケーブルを設け、前記ステアリング装置(168)による前記偏向可能セクションの偏向を可能にするように、前記1つ又は複数のケーブルを前記近位端における前記ステアリング装置(168)及び前記偏向可能セクションに連結することによって行われる、ステアラブル機器の製造方法。
【請求項23】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで第1の中心軸(98)に沿って長手方向に延在する第1のチャネル(94)を囲む管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、前記管状体(18)は、可撓性ゾーン(12a)と、前記可撓性ゾーン(12a)から遠位に配置された少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)とを有し、前記少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)は、1つ又は複数のケーブル(90)によって前記ステアリング装置(168)に連結されて、前記ステアリング装置(168)による前記少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするものであり、
前記ステアリング装置(168)は支持部材(172)とステアリング部材(180)を備え、
・前記支持部材(172)は、前記第1の中心軸と同一直線上に配置された第2の中心軸を有する第2のチャネル(173)を有し、ここで、前記第2のチャネル(173)は、前記支持部材(172)の遠位側から近位側に延在し、前記管状体(18)は、前記支持部材(172)から遠位に延在し、前記支持部材(172)は、前記支持部材(172)の前記近位側で前記第2のチャネル(173)の周りに配置されたボール形状部材(181)を有するものであり、
・前記ステアリング部材(180)は、前記1つ又は複数のケーブル(90)に連結されたケーブル締結機構(175)を有し、前記1つ又は複数のケーブル(90)を引っ張るか又は弛緩させるかのいずれかを可能にするように前記ボール形状部材(181)上に回転可能に配置されている、ステアラブル機器。
【請求項24】
前記ステアリング部材(180)は、前記ステアリング部材(180)が前記支持部材(172)の中空空間(174)内で回転することができるように、前記支持部材(172)によって回転可能に支持された部分的にボール形状の外面を有する、請求項23に記載のステアラブル機器。
【請求項25】
前記ステアリング部材(180)は、前記第1及び第2の中心軸と同一直線上の第3の中心軸を有する第3のチャネル(179)と、前記ステアリング部材(180)から近位に延在する中空管(183)とを有し、前記中空管(183)は、前記第1、第2、及び第3の中心軸と同一直線上の第4の中心軸に沿って第4のチャネルを囲んでいる、請求項23又は24に記載のステアラブル機器。
【請求項26】
前記第2のチャネル(173)は、前記ボール形状部材(181)の近位端に向かって円錐形状の空間(177)を有する、請求項23に記載のステアラブル機器。
【請求項27】
前記ステアラブル機器は、前記近位端におけるハンドル(3)と、前記遠位端における器具(2)と、前記ハンドル(3)を操作することによって前記器具(2)の操作を可能にするための、前記ハンドル(3)から前記器具まで延在する作動ケーブル(184)とを備える、請求項23に記載のステアラブル機器。
【請求項28】
前記ハンドル(3)には回転可能なノブ(186)が設けられ、前記回転可能なノブ(186)は、前記回転可能なノブ(186)の回転が前記器具(2)の回転をもたらすが、前記管状体(18)が1つ又は複数の位置で屈曲された場合でも前記器具(2)がその向きを保つように配置されている、請求項27に記載のステアラブル機器。
【請求項29】
少なくとも1つの中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)を備え、前記少なくとも1つの中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、
・内面及び外面を有し、前記内面は、前記第1のチャネル(94)を囲んでおり、
・前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に、前記偏向可能ゾーン(17)と位置合わせされた少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、少なくとも1つのスロット付き構造(106)を備え、
・以下の、
a.前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する複数の第1のケーブルチャネル(96;96a;96b)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び、
b.前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成される、請求項23に記載のステアラブル機器。
【請求項30】
少なくとも1つのヒンジを含む管要素であって、前記少なくとも1つのヒンジの周りで前記管要素が屈曲することを可能にし、前記少なくとも1つのヒンジ構造は、スロット付き構造を備え、前記少なくとも1つのヒンジを回転させることによって、前記ヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することを可能にし、前記スロット付き構造の両側にある前記ヒンジの対向する部分は、前記ヒンジが回転されると破損するように設計された1つ又は複数の破断要素(89)によって互いに取り付けられている、管要素。
【請求項31】
破断した後、前記破断要素(89)の2つの対向部分は、それらの間の間隔が実質的に0μmとなるように互いに接触する、請求項30に記載の管要素。
【請求項32】
前記ヒンジは、前記破断要素が2つの対向する破断要素部分(89a、89b)に破断した後、前記破断要素部分(89a、89b)の少なくともいくつかが、前記所定の最大曲げ角度よりも小さい任意の曲げ角度で別の対向する破断要素部分(89a、89b)に接触するように設計されている、請求項31に記載の管要素。
【請求項33】
前記1つ又は複数の破断要素(89)は、隣接する破断要素(89)間の間隔(w(1))よりも大きい幅(w(2))を有する、請求項30~32のいずれか一項に記載の管要素。
【請求項34】
前記対向する部分は、それを超えると前記対向する部分の永久変形が生じる力を規定するそれぞれの降伏応力値を有し、各破断要素(89)は、前記破断要素(89)を破断するために加えられる力を規定するそれぞれの破断引張応力値を有し、各破断要素(89)の前記破断引張応力値は、前記対向する部分の前記降伏応力値よりも低い、請求項30に記載の管要素。
【請求項35】
近位端、中間可撓性ゾーン(12a)、及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において前記偏向可能ゾーン(17)に連結された複数のケーブル(90)を有し、
前記複数のケーブル(90)は、前記近位端における近位接線方向の順序(90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6))と、前記中間可撓性ゾーン(12a)における中間接線方向の順序(90(1)、90(4)、90(2)、90(5)、90(6)、90(3))と、前記偏向可能ゾーン(17)における遠位接線方向の順序(90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6))とを有し、前記遠位接線方向の順序は、前記近位接線方向の順序と同じであるが、前記中間接線方向の順序は、前記近位接線方向の順序とは異なり、それにより、前記ケーブルの1つ又は複数に前記偏向可能ゾーン(17)を偏向させるために張力がかけられたときに、前記ステアラブル機器の湾曲部分における回転力を減少させる、ステアラブル機器。
【請求項36】
少なくとも1つのヒンジを含む管要素であって、前記少なくとも1つのヒンジの周りで前記管要素が屈曲することを可能にし、前記少なくとも1つのヒンジは、前記少なくとも1つのヒンジを回転させることによって前記ヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することを可能にするスロット付き構造を備え、前記スロット付き構造は、凹状セクション(75a)に配置された凸状セクション(77a)を備え、それにより、前記凸状セクション(77a)及び凹状セクション(75a)は中心点(83)を中心として互いに対して回転することができ、前記凹状セクション(75a)は、前記凸状セクション(77a)のノッチ(310)の内側に延在し、及び前記ノッチ(310)の側壁に接触する2つの角部(302、304)を備える延在部(300)を備え、前記2つの角部は、前記管要素の対向する側だが前記管要素の中心長手方向軸に平行な前記管要素の表面上に位置する仮想線から等間隔に位置する、管要素。
【請求項37】
前記スロット付き構造は、前記中心点(83)を中心として1つ又は複数の湾曲スロット(85、81)を備え、前記湾曲スロット(85、81)は、各々が1つのリップ(87、79)を収容し、各リップ(87、79)は、前記ヒンジが回転すると、前記中心点(83)を中心としてそのような湾曲スロット内で移動する、請求項36に記載の管要素。
【請求項38】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において偏向可能な端部における前記偏向可能ゾーン(17)に連結された1つ又は複数のケーブル(90)を有し、
前記管状体(18)は、請求項36又は37に記載の管要素を少なくとも1つ含む、ステアラブル機器。
【請求項39】
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において偏向可能な端部における前記偏向可能ゾーン(17)に連結された1つ又は複数のケーブル(90)を有し、
前記管状体(18)は、少なくとも1つのヒンジを含む少なくとも1つの管要素を含み、前記少なくとも1つのヒンジの周りで前記管要素が屈曲することを可能にし、前記少なくとも1つのヒンジ構造は、スロット付き構造を備え、前記少なくとも1つのヒンジを回転させることによって、前記ヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することを可能にし、前記スロット付き構造の両側にある前記ヒンジの対向する部分は、前記ヒンジが回転されると破損するように設計された1つ又は複数の破断要素(89)によって互いに取り付けられている、ステアラブル機器。
【請求項40】
破断した後、前記破断要素(89)の2つの対向部分は、それらの間の間隔が実質的に0μmとなるように互いに接触する、請求項39に記載のステアラブル機器。
【請求項41】
前記ヒンジは、前記破断要素が2つの対向する破断要素部分(89a、89b)に破断した後、前記破断要素部分(89a、89b)の少なくともいくつかが、前記所定の最大曲げ角度よりも小さい任意の曲げ角度で別の対向する破断要素部分(89a、89b)に接触するように設計されている、請求項40に記載のステアラブル機器。
【請求項42】
前記1つ又は複数の破断要素(89)は、隣接する破断要素(89)間の間隔(w(1))よりも大きい幅(w(2))を有する、請求項39~41のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
【請求項43】
前記対向する部分は、それを超えると前記対向する部分の永久変形が生じる力を規定するそれぞれの降伏応力値を有し、各破断要素(89)は、前記破断要素(89)を破断するために加えられる力を規定するそれぞれの破断引張応力値を有し、各破断要素(89)の前記破断引張応力値は、前記対向する部分の前記降伏応力値よりも低い、請求項39に記載のステアラブル機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0296
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0296】
[00315] 本発明は、添付の特許請求の範囲及びその技術的同等物のみによってのみ限定されることを理解されたい。本文書及びその特許請求の範囲において、「備える」という動詞及びその活用形は、該用語に続く項目が、特に記載されていない項目を除外することなく含まれることを意味する、それらの非限定的な意味で使用される。加えて、不定冠詞「a」又は「an」による要素の参照は、コンテキストが該要素のちの1つ又は1つのみが存在することを明確に必要としていない限り、該要素が2つ以上存在する可能性を除外しない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は通常「少なくとも1つ」を意味する。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1]
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記管状体(18)は、中間可撓性ゾーン(12a)及び少なくとも1つの遠位偏向可能ゾーン(17)を有し、
前記管状体(18)は、金属から作製された少なくとも1つの管要素を含み、前記管要素には、前記中間可撓性ゾーン(12a)における第1のスロット付き構造(74)と、前記少なくとも1つの遠位偏向可能ゾーン(17)における第2のスロット付き構造(72;106;136;156)とが設けられ、
前記管状体(18)には、複数のケーブルチャネル(96;97;146;152)を形成するように配置された接線方向回転阻止要素が設けられ、各ケーブルチャネル(96;97)は、複数のケーブル(90)のうちの1つを収容し、
前記ケーブル(90)は、前記ステアリング装置(168)による前記遠位偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において前記遠位偏向可能ゾーン(17)に連結される、ステアラブル機器。
[2]
前記少なくとも1つの管要素は、中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)であり、前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、
・内面及び外面を有し、前記内面は、第1のチャネル(94)を囲んでおり、
・前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、前記第2のスロット付き構造(106)を備え、
・前記接線方向回転阻止要素を提供するために、
a.前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び、
b.前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成されている、[1]に記載のステアラブル機器。
[3]
各々が1つのケーブル(90)の少なくとも前記一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を有するように構成され、ここにおいて、前記管状体(18)には、前記複数の第1のケーブルチャネル(96)を覆うように、前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d)を取り囲む外側管要素(86;130;134;150)が設けられている、[2]に記載のステアラブル機器。
[4]
前記外側管要素(86;130;134;150)には、前記遠位偏向可能ゾーン(17)における第1の外側管要素スロット付き構造(72;136)と、前記中間可撓性ゾーン(12a)における第2の外側管要素スロット付き構造(74)と、のうちの少なくとも1つが設けられている、[3]に記載のステアラブル機器。
[5]
前記外側管要素(150)は、複数の第3のケーブルチャネル(151)を形成するように成形され、各第3のケーブルチャネル(151)は、1つのケーブル(90)を収容する第4のケーブルチャネル(152)を共に形成するように、1つの第1のケーブルチャネル(96)に対向している、[3]又は[4]に記載のステアラブル機器。
[6]
前記複数の第1のケーブルチャネル(96)に隣接して、前記中間管要素(88;88a;88d)の前記外面は、接触エリアで前記外側管要素(86;130;150)に接触し、それにより、前記複数の第1のケーブルチャネル(96)は前記接触エリアにテーパ付き部分を有し、前記テーパ付き部分は、ケーブル(90)が前記テーパ付き部分で動けなくなることを防止するために材料で少なくとも部分的に充填されている、[3]、[4]、又は[5]に記載のステアラブル機器。
[7]
前記材料は、前記中心軸に向かって内側に延在する前記外側管要素(130)の部分と、前記中間管要素(88a)と外側管要素(130)との間に配置されたライナ(142)と、のうちの少なくとも1つである、[6]に記載のステアラブル機器。
[8]
前記外側管要素(86;134;150)は、その全長に沿って均一な厚さを有する、[3]~[7]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[9]
前記外側管要素(86;134;150)は、前記偏向可能セクションの近位端における少なくとも1つ又は複数の位置(75)で前記中間管要素(88;88a;88d)に取り付けられている、[3]~[8]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[10]
前記中間管要素(88;88a;88d)は、前記外面及び内面が同じ波形構造を有するように、その全長に沿って均一な厚さを有する断面構造を有する、[2]~[9]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[11]
前記複数の第2のケーブルチャネル(97)の各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように構成され、ここにおいて、前記管状体(18)には、前記複数の第2のケーブルチャネル(97)を覆うように、前記中間管要素(88)内に配置された内側管要素(92)が設けられる、[2]~[10]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[12]
前記中間管要素(88e)は、前記外面及び内面が同じ波形構造を有するように、その全長に沿って均一な厚さを有する断面構造を有し、前記中間管要素(88e)は、前記中間管要素(88e)の外周を形成する外側部分(88e2)と、本質的に閉鎖したチャネル(96)を取り囲むように各々成形された内側部分(88e1)とを備える、[2]に記載のステアラブル機器。
[13]
前記ケーブル(90)のうちの少なくとも1つは、別個の管(142)で取り囲まれている、[1]~[12]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[14]
前記少なくとも1つの管要素は、前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、及び内面及び外面を有する中間管要素(88b)を囲む外側管要素(134;134a)であり、前記内面は、第1のチャネル(94)を囲んでおり、前記外面は、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する前記複数の第1のケーブルチャネル(96a;96b)を形成する波形断面をその全長に沿って有する、[1]に記載のステアラブル機器。
[15]
前記少なくとも1つの管要素は、外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は、内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、
・各々が1つのケーブル(90)を収容し、少なくともいくつかが所定の長手方向間隔をあけて前記外側管要素(134)及び内側管要素(92)の少なくとも1つに取り付けられた第1の可撓性管(131)のセットと、
・隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成され、少なくともいくつかが所定の長手方向間隔をあけて前記外側管要素(134)及び内側管要素(92)のうちの少なくとも1つに取り付けられた第2の可撓性管(133)のセットと、
・前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットと、
のうちの少なくとも1つによって実現される、[1]に記載のステアラブル機器。
[16]
前記少なくとも1つの管要素は外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、各々が1つのケーブル(90)を収容する第1の可撓性管(131)のセットと、前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、2つ以上の可撓性管の間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットとによって実現される、[1]に記載のステアラブル機器。
[17]
前記少なくとも1つの管要素は外側管要素(134)であり、前記ステアラブル機器は内側管要素(92)も備え、前記ケーブルは、前記内側管要素(92)と前記外側管要素(134)との間に配置され、前記接線方向回転阻止要素は、前記外側管要素(134)から前記内側管要素(92)に内側に屈曲され、隣接するケーブル(90)間の接線方向スペーサとして構成されたリップ(149)のセットによって実現され、それにより、前記内側管要素(92)及び前記外側管要素(134)は、前記ケーブル(90)の厚さよりも大きい半径方向間隔だけ分離されている、[1]に記載のステアラブル機器。
[18]
前記リップ(149)の少なくともいくつかには、内側管要素(92)の好適な空洞又は貫通孔内に挿入されるリップ延長部(154)が設けられている、[16]又は[17]に記載のステアラブル機器。
[19]
可撓性管要素を製造する方法であって、
a.内面及び外面を有する管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)を提供することと、ここで、前記内面はチャネル(94)を囲んでおり、前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第1のケーブルチャネル(96;96a;96b)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び
・前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容するように配置された複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成され、
b.前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、前記管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に少なくとも1つのスロット付き構造(72;74;106;156)を製造することと、
を備える、方法。
[20]
前記管要素は金属から作製され、前記少なくとも1つのスロット付き構造は、レーザ切断又は水切断のいずれかによって作製される、[19]に記載の方法。
[21]
前記レーザ切断は、レーザビームを前記管要素の前記外面と直角に方向付けることによって実行される、[19]に記載の方法。
[22]
近位端及び遠位端を有するステアラブル機器を、[19]~[21]のいずれか一項に記載の方法で製造された可撓性管要素から製造する方法であって、前記近位端に少なくとも1つのステアリング装置(168)を設け、1つ又は複数のケーブルを設け、前記ステアリング装置(168)による前記偏向可能セクションの偏向を可能にするように、前記1つ又は複数のケーブルを前記近位端における前記ステアリング装置(168)及び前記偏向可能セクションに連結することによって行われる、ステアラブル機器の製造方法。
[23]
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで第1の中心軸(98)に沿って長手方向に延在する第1のチャネル(94)を囲む管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、前記管状体(18)は、可撓性ゾーン(12a)と、前記可撓性ゾーン(12a)から遠位に配置された少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)とを有し、前記少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)は、1つ又は複数のケーブル(90)によって前記ステアリング装置(168)に連結されて、前記ステアリング装置(168)による前記少なくとも1つの偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするものであり、
前記ステアリング装置(168)は支持部材(172)とステアリング部材(180)を備え、
・前記支持部材(172)は、前記第1の中心軸と同一直線上に配置された第2の中心軸を有する第2のチャネル(173)を有し、ここで、前記第2のチャネル(173)は、前記支持部材(172)の遠位側から近位側に延在し、前記管状体(18)は、前記支持部材(172)から遠位に延在し、前記支持部材(172)は、前記支持部材(172)の前記近位側で前記第2のチャネル(173)の周りに配置されたボール形状部材(181)を有するものであり、
・前記ステアリング部材(180)は、前記1つ又は複数のケーブル(90)に連結されたケーブル締結機構(175)を有し、前記1つ又は複数のケーブル(90)を引っ張るか又は弛緩させるかのいずれかを可能にするように前記ボール形状部材(181)上に回転可能に配置されている、ステアラブル機器。
[24]
前記ステアリング部材(180)は、前記ステアリング部材(180)が前記支持部材(172)の中空空間(174)内で回転することができるように、前記支持部材(172)によって回転可能に支持された部分的にボール形状の外面を有する、[23]に記載のステアラブル機器。
[25]
前記ステアリング部材(180)は、前記第1及び第2の中心軸と同一直線上の第3の中心軸を有する第3のチャネル(179)と、前記ステアリング部材(180)から近位に延在する中空管(183)とを有し、前記中空管(183)は、前記第1、第2、及び第3の中心軸と同一直線上の第4の中心軸に沿って第4のチャネルを囲んでいる、[23又は24に記載のステアラブル機器。
[26]
前記第2のチャネル(173)は、前記ボール形状部材(181)の近位端に向かって円錐形状の空間(177)を有する、[23]~[25]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[27]
前記ステアラブル機器は、前記近位端におけるハンドル(3)と、前記遠位端における器具(2)と、前記ハンドル(3)を操作することによって前記器具(2)の操作を可能にするための、前記ハンドル(3)から前記器具まで延在する作動ケーブル(184)とを備える、[23]~[26]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[28]
前記ハンドル(3)には回転可能なノブ(186)が設けられ、前記回転可能なノブ(186)は、前記回転可能なノブ(186)の回転が前記器具(2)の回転をもたらすが、前記管状体(18)が1つ又は複数の位置で屈曲された場合でも前記器具(2)がその向きを保つように配置されている、[27]に記載のステアラブル機器。
[29]
少なくとも1つの中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)を備え、前記少なくとも1つの中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)は、
・前記管状体(18)の少なくとも一部分に配置され、
・内面及び外面を有し、前記内面は、前記第1のチャネル(94)を囲んでおり、
・前記中間管要素(88;88a;88b;88c;88d;88e)に、前記偏向可能ゾーン(17)と位置合わせされた少なくとも1つの偏向可能セクションを設けるために、少なくとも1つのスロット付き構造(106)を備え、
・以下の、
a.前記外面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する複数の第1のケーブルチャネル(96;96a;96b)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、及び、
b.前記内面が、各々が1つのケーブル(90)の少なくとも一部分を収容する複数の第2のケーブルチャネル(97)を画定する波形断面をその全長に沿って有する形状、
のうちの少なくとも1つで構成される、[23]~[28]のいずれか一項に記載のステアラブル機器。
[30]
少なくとも1つのヒンジを含む管要素であって、前記少なくとも1つのヒンジの周りで前記管要素が屈曲することを可能にし、前記少なくとも1つのヒンジ構造は、スロット付き構造を備え、前記少なくとも1つのヒンジを回転させることによって、前記ヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することを可能にし、前記スロット付き構造の両側にある前記ヒンジの対向する部分は、前記ヒンジが回転されると破損するように設計された1つ又は複数の破断要素(89)によって互いに取り付けられている、管要素。
[31]
破断した後、前記破断要素(89)の2つの対向部分は、それらの間の間隔が実質的に0μmとなるように互いに接触する、[30]に記載の管要素。
[32]
前記ヒンジは、前記破断要素が2つの対向する破断要素部分(89a、89b)に破断した後、前記破断要素部分(89a、89b)の少なくともいくつかが、前記所定の最大曲げ角度よりも小さい任意の曲げ角度で別の対向する破断要素部分(89a、89b)に接触するように設計されている、[31]に記載の管要素。
[33]
前記1つ又は複数の破断要素(89)は、隣接する破断要素(89)間の間隔(w(1))よりも大きい幅(w(2))を有する、[30]~[32]のいずれか一項に記載の管要素。
[34]
前記対向する部分は、それを超えると前記対向する部分の永久変形が生じる力を規定するそれぞれの降伏応力値を有し、各破断要素(89)は、前記破断要素(89)を破断するために加えられる力を規定するそれぞれの破断引張応力値を有し、各破断要素(89)の前記破断引張応力値は、前記対向する部分の前記降伏応力値よりも低い、[30]~[33]のいずれか一項に記載の管要素。
[35]
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において偏向可能な端部における前記偏向可能ゾーン(17)に連結された1つ又は複数のケーブル(90)を有し、
前記管状体(18)は、[30]~[34]のいずれか一項に記載の管要素を少なくとも1つ含む、ステアラブル機器。
[36]
近位端、中間可撓性ゾーン(12a)、及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において前記偏向可能ゾーン(17)に連結された複数のケーブル(90)を有し、
前記複数のケーブル(90)は、前記近位端における近位接線方向の順序(90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6))と、前記中間可撓性ゾーン(12a)における中間接線方向の順序(90(1)、90(4)、90(2)、90(5)、90(6)、90(3))と、前記偏向可能ゾーン(17)における遠位接線方向の順序(90(1)、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)、90(6))とを有し、前記遠位接線方向の順序は、前記近位接線方向の順序と同じであるが、前記中間接線方向の順序は、前記近位接線方向の順序とは異なり、それにより、前記ケーブルの1つ又は複数に前記偏向可能ゾーン(17)を偏向させるために張力がかけられたときに、前記ステアラブル機器の湾曲部分における回転力を減少させる、ステアラブル機器。
[37]
少なくとも1つのヒンジを含む管要素であって、前記少なくとも1つのヒンジの周りで前記管要素が屈曲することを可能にし、前記少なくとも1つのヒンジは、前記少なくとも1つのヒンジを回転させることによって前記ヒンジの反対側の管要素部分が所定の最大角度まで屈曲することを可能にするスロット付き構造を備え、前記スロット付き構造は、凹状セクション(75a)に配置された凸状セクション(77a)を備え、それにより、前記凸状セクション(77a)及び凹状セクション(75a)は中心点(83)を中心として互いに対して回転することができ、前記凹状セクション(75a)は、前記凸状セクション(77a)のノッチ(310)の内側に延在し、及び前記ノッチ(310)の側壁に接触する2つの角部(302、304)を備える延在部(300)を備え、前記2つの角部は、前記管要素の対向する側だが前記管要素の中心長手方向軸に平行な前記管要素の表面上に位置する仮想線から等間隔に位置する、管要素。
[38]
前記スロット付き構造は、前記中心点(83)を中心として1つ又は複数の湾曲スロット(85、81)を備え、前記湾曲スロット(85、81)は、各々が1つのリップ(87、79)を収容し、各リップ(87、79)は、前記ヒンジが回転すると、前記中心点(83)を中心としてそのような湾曲スロット内で移動する、[37]に記載の管要素。
[39]
近位端及び遠位端を有し、前記近位端に配置された少なくとも1つのステアリング装置(168)と、前記近位端から前記遠位端まで中心軸(98)に沿って長手方向に延在する管状体(18)とを備えるステアラブル機器であって、
前記ステアラブル機器は、前記ステアリング装置(168)による偏向可能ゾーン(17)の偏向を可能にするように、前記近位端において前記ステアリング装置(168)に連結され、前記遠位端において偏向可能な端部における前記偏向可能ゾーン(17)に連結された1つ又は複数のケーブル(90)を有し、
前記管状体(18)は、[37]又は[38]に記載の管要素を少なくとも1つ含む、ステアラブル機器。
【国際調査報告】