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特表2022-511673運動障害を処置するためのガボキサドール、ガナキソロンおよびアロプレグナノロンの使用
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  • 特表-運動障害を処置するためのガボキサドール、ガナキソロンおよびアロプレグナノロンの使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】運動障害を処置するためのガボキサドール、ガナキソロンおよびアロプレグナノロンの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/437 20060101AFI20220125BHJP
   A61K 31/57 20060101ALI20220125BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20220125BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20220125BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61K31/437
A61K31/57
A61P21/00
A61P25/02
A61P25/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523904
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 US2019059822
(87)【国際公開番号】W WO2020097045
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/755,674
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516365758
【氏名又は名称】オービッド・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ovid Therapeutics Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・デューリング
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086DA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA22
4C086ZA94
4C086ZC54
(57)【要約】
処置を必要とする対象体における、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの処置のための、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病およびジストニアからなる群より選択される運動障害を処置する方法であって、患者における頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法。
【請求項2】
改善が、投与後6時間超提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
患者が、約1mg~約15mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物を投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、50%超低下させる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のAUC6-12が、投与量の75%未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
組成物が、投与後12時間超の患者の改善を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
約0.01mg~約20mgのアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアからなる群より選択される運動障害を処置する方法であって、患者における頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法。
【請求項8】
改善が、投与後6時間超提供される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
患者が、約1mg~約10mgのアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物を投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、50%超低下させる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のAUC6-12が、投与量の75%未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、投与後12時間超の患者の改善を提供する、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
約5mg~約2000mgのガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアからなる群より選択される運動障害を処置する方法であって、患者における頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法。
【請求項14】
改善が、投与後6時間超提供される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
患者が、約200mg~約1000mgのガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物を投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、50%超低下させる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のAUC6-12が、投与量の75%未満である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
組成物が、投与後12時間超の患者の改善を提供する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
患者が、1日当たり最大1,800mgのガナキソロンを投与される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
組成物が、200mgまたは400mgのガナキソロンを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年11月5日出願の米国仮出願第62/755,674号に基づく利益および優先権を主張し、当該出願は、出典明示により全体として本明細書の一部とする。
【0002】
(発明の分野)
ガボキサドール、ガナキソロンおよびアロプレグナノロンまたはその医薬塩での運動障害の処置方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
運動障害は、運動の増加または運動の減少もしくは緩慢な運動などの運動に関する問題を引き起こす状態である。それらは痙攣性運動を生じ得る。運動障害は、筋緊張および運動制御の異常を伴い得る。それらは神経変性障害および神経発達障害を含み得る。以下の状態は、運動障害である。
【0004】
頚部ジストニアは、首の筋肉の長期的な収縮(痙攣)または断続的な収縮を引き起こし、これにより様々な方向に首が回転する。多系統萎縮症は、多くの脳系に影響を及ぼす珍しい進行性の神経障害である。多系統萎縮症は、運動障害、例えば運動失調またはパーキンソン症候群を引き起こす。また、低血圧および膀胱機能障害を引き起こし得る。ミオクローヌスは、筋肉または筋肉群の素早い稲妻のような(lightning-quick)痙攣を引き起こす。進行性核上性麻痺は、歩行、バランスおよび眼球運動に問題を起こす珍しい神経障害である。パーキンソン病に似ているかもしれないが、別個の状態である。下肢静止不能症候群は、リラックスしているかまたは横になっているときに、脚に不快で異常な感覚を引き起こし、多くの場合運動によって緩和される。ウィルソン病は、体内に過剰な量の銅が蓄積し、運動障害を引き起こす、珍しい遺伝性障害である。運動失調は、非協調的またはぎこちないバランス、発話または手足の動きにより特徴付けられる。舞踏病は、典型的には顔、口、胴体および手足を含む反復的、短時間、不規則、やや急速な不随意運動により特徴付けられる。ジストニアは、ねじりの反復運動を伴う持続的不随筋肉収縮を伴う。ジストニアは、全身(全身性ジストニア)または身体の一部(局所性ジストニア)に影響を及ぼし得る。
【0005】
ガボキサドール(4,5,6,7-テトラヒドロイソキサゾロ[5,4-c]ピリジン-3-オール)(THIP)は、欧州特許第0000338号、欧州特許第0840601号、米国特許第4,278,676号、米国特許第4,362,731号、米国特許第4,353,910号および国際公開第2005/094820号に記載されている。ガボキサドールは、GABAA受容体を含むδ-サブユニットを優先する選択的GABAA受容体アゴニストである。1980年代初頭、ガボキサドールは、鎮痛剤および抗不安剤、ならびに遅発性ジスキネジア、ハンチントン病、アルツハイマー病および痙縮のための処置剤としてその有効性を試験する一連のパイロット研究の対象であった。1990年代、ガボキサドールは、不眠症の処置のための後期開発に移行したが、当該化合物が3ヵ月の有効性試験において睡眠開始および睡眠維持に顕著な効果を示さなかった。また、ガボキサドールを受けた薬物濫用の病歴を有する患者は、精神的有害事象の急激な増加を経験した。これらの否定的な結果のために、ガボキサドールの開発はその時点で打ち切られた。
【0006】
アロプレグナノロンは、3α,5α-テトラヒドロプロゲステロン(THP)としても知られており、プロゲステロン由来の神経活性ステロイドである。プロゲステロンとは対照的に、アロプレグナノロンはプロゲステロン受容体に結合しないが、γ-アミノ酪酸(GABA)A受容体の正のモジュレーターである。アロプレグナノロンは脳から急速に再分布され、最初のコンパートメントの半減期は極めて短い。Turkmen et al., British Journal of Pharmacology (2011) 162(2) 311-327。アロプレグナノロンの半減期は、約35分である。Budimirovic, Neurotherapeutics (2017) 14:1070-1072。アロプレグナノロンは、外傷性脳損傷、アルツハイマー病による軽度認知障害、および脆弱性X随伴振戦/運動失調症候群(FXTAS)の処置のための臨床試験が行われている。
【0007】
ガナキソロンは、アロプレグナノロンの3β-メチル化合成アナログであり、神経ステロイドに分類される。ガナキソロンは、GABA-A受容体の正のアロステリックモジュレーターである。
【0008】
懸濁液で経口投与後のガナキソロンのTmaxは、1.2~2.5時間であり、血漿半減期は、約20時間である。Nohria and Giller, Neurotherapeutics (2007) Jan;4(1):102-105。ガナキソロンは、産後うつ病、PCDH19女児癲癇、CDKL5欠乏症、脆弱性X症候群および心的外傷後ストレス障害について臨床試験が行われている。
【発明の概要】
【0009】
頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを含む、運動障害の処置方法を提供する。ガボキサドール、ガナキソロンまたはアロプレグナノロンまたは前記いずれかの医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、前記運動障害の処置方法を提供する。
【0010】
頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与して、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供することを含む。ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの処置における使用のために提供される。頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む。一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与して、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与1日後に、患者における頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの症状の改善を提供することを含む。
【0011】
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、約400ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供し、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、約400ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供し、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、約900ng・時間/ml未満のAUC6-12を含むインビボ血漿プロファイルを提供し、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、約900ng・時間/ml未満のAUC6-12を含むインビボ血漿プロファイルを提供し、組成物が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第1医薬組成物とガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、第2医薬組成物が、第1医薬組成物より少なくとも20%低い平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0012】
頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与して、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供することを含む。アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの処置における使用のために提供される。頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む。一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与して、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与1日後に、患者における頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの改善を提供することを含む。アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。
【0013】
頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与して、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供することを含む。ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの処置における使用のために提供される。頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む。一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与して、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩の投与1日後に、患者における頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの改善を提供することを含む。ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施例1に記載する単回経口投与(2.5、5、10、15および20mg)後のガボキサドールの算術平均血漿濃度-時間プロファイルを示し、水平線Δは、6時間から12時間の変化を示す。
【0015】
図2図2は、実施例1に記載する単回経口投与(2.5、5、10、15および20mg)後のガボキサドールの算術平均血漿濃度-時間プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
運動障害、例えば頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置するための方法および組成物を提供する。本明細書に記載の方法および組成物は、ガボキサドール、ガナキソロンおよび/またはアロプレグナノロンまたは前記いずれかの医薬的に許容される塩を含む。
【0017】
一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含み得る。一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含み得る。一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含み得る。
【0018】
多くの医薬品は、治療効果を達成するために、一定間隔で固定投与量として投与される。作用の持続時間は、医薬品の血漿半減期に反映する。ガボキサドールは、選択的GABAA受容体アゴニストであり、半減期が比較的短い(t1/2=1.5時間)。アロプレグナノロンの半減期は、約35分である。ガナキソロンの半減期は、約20時間である。有効性は、中枢神経系内での十分な曝露にしばしば依存するため、半減期の短いCNS薬の投与は、頻繁な維持投与を必要とし得る。
【0019】
有利には、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与により、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。例えば、一実施態様において、約0.05mg~約75mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、患者への投与後6時間超の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、約0.05mg~約10mgのアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、患者への投与後6時間超の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、約0.05mg~約2000mgのガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、患者への投与後6時間超の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの改善を提供する、方法を提供する。
【0020】
約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法を提供する。約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与1日後に、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法を提供する。
【0021】
0.05mg~約10mgのアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法を提供する。約0.05mg~約10mgのアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩の投与1日後に、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法を提供する。
【0022】
約0.05mg~約2000mgのガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法を提供する。約0.05mg~約2000mgのガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩の投与1日後に、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する、方法を提供する。
【0023】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、約400ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供し、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、約900ng・時間/ml未満のAUC6-12を含むインビボ血漿プロファイルを提供し、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与後6時間超の患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第1医薬組成物とガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、第2医薬組成物が、第1医薬組成物より少なくとも20%低い平均AUC0-∞を含むインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0024】
明細書に記載の実施態様は、処置を必要とする患者に、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物が投与されることを提供する。ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、酸付加塩、双性イオン水和物、双性イオン無水物、塩酸塩または臭化水素酸塩として、または双性イオン一水和物の形態で、提供され得る。酸付加塩は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス-メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸またはテオフィリン酢酸の付加塩、および8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリンを含むが、これらに限定されない。一実施態様において、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸の付加塩を含むがこれらに限定されない無機酸付加塩が、用いられ得る。
【0025】
一実施態様において、ガボキサドールは、ガボキサドール一水和物として提供される。当業者は、医薬組成物中の活性成分の量は、提供されるガボキサドールの形態に依存することを容易に理解する。例えば、5.0、10.0または15.0mgのガボキサドールを含む医薬組成物は、5.6、11.3または16.9mgのガボキサドール一水和物に対応する。
【0026】
一実施態様において、ガボキサドールは、結晶、例えば塩酸塩結晶、臭化水素酸塩結晶または双性イオン一水和物結晶である。一実施態様において、ガボキサドールは、一水和物結晶として提供される。
【0027】
一実施態様において、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸などの酸付加塩、例えば硝酸塩として提供され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンは、硫酸ナトリウム塩またはテトラエチルアンモニウム塩であり得る。
【0028】
薬物動態(PK)、薬物動力学(PD)および毒性プロファイルを改善する医薬の重水素化は、いくつかのクラスの薬物で以前に示されている。したがって、重水素富化ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンの使用が、企図され、本明細書に記載の方法および組成物の範囲内である。重水素は、当該技術分野において公知の合成手順に従って、合成的に水素と代わって任意の位置に組み込まれ得る。例えば、重水素は、プロトン-重水素平衡交換により、アミンN--Hなどの交換可能なプロトンを有する様々な位置に組み込まれ得る。したがって重水素は、当該技術分野において公知な方法により選択的または非選択的に組み込まれ、重水素富化ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンを提供し得る。Journal of Labeled Compounds and Radiopharmaceuticals 19(5) 689-702 (1982)参照。
【0029】
重水素富化ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンは、水素の場所に分子中の所与の位置における重水素の組込みのパーセンテージにより記載され得る。例えば、所与の位置における1%の重水素富化は、所与の試料中の分子の1%がその特定される位置において重水素を含有することを意味する。重水素富化は、従来の分析方法、例えば質量分析および核磁気共鳴分光法を用いて決定され得る。ある実施態様において、重水素富化ガボキサドールは、特定される位置が天然に存在する分布よりも重水素で富化されている(すなわち、約0.0156%超である)ことを意味する。ある実施態様において、重水素富化は、特定される位置において約1%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上または約98%以上の重水素である。
【0030】
上記のとおり、一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む。
【0031】
例えば、服用量は、例えば、約0.05mg~約50mg、約1mg~約30mg、約1mg~約20mg、約1mg~約15mg、約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約15mg、約0.1mg~約30mg、約0.15mg~約12.5mgまたは約0.2mg~約10mgの範囲のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量を含み得て、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.5mg、1.0mg、1.75mg、2mg、2.5mg、2.75mg、3mg、3.5mg、3.75mg、4mg、4.5mg、4.75mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、10mg、11mg、12mg、15mg、20mg、25mgおよび30mgの投与量が、投与量の具体例である。
【0032】
一実施態様において、医薬組成物は、0.1mg~25mg、0.1mg~20mg、0.1mg~15mg、0.5mg~25mg、0.5mg~20mg、0.5~15mg、1mg~25mg、1mg~20mg、1mg~15mg、1.5mg~25mg、1.5mg~20mg、1.5mg~15mg、2mg~25mg、2mg~20mg、2mg~15mg、2.5mg~25mg、2.5mg~20mg、2.5mg~15mg、3mg~25mg、3mg~20mg、3mg~15mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
【0033】
一実施態様において、医薬組成物は、5mg~20mg、5mg~10mg、4mg~6mg、6mg~8mg、8mg~10mg、10mg~12mg、12mg~14mg、14mg~16mg、16mg~18mgまたは18mg~20mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
【0034】
一実施態様において、医薬組成物は、0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2.5mg、3mg、4mg、5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、10.5mg、11mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、17.5mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mgまたは30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩またはこのような用量の倍数である量を含む。一実施態様において、医薬組成物は、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、15mgまたは20mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
【0035】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の服用量は、処置を必要とする患者に1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与される。本明細書に記載の方法および組成物は、投与頻度の減少および有害事象の減少および/または有効性の増加を提供し得る。一実施態様において、服用量は、例えば、約0.05~30mg/日、約0.1~20mg/日または約0.2~15mg/日または約0.5~10mg/日または約0.75~5mg/日、例えば0.1mg/日、0.2mg/日、0.5mg/日、0.75mg/日、1mg/日、1.5mg/日、2mg/日、3mg/日、4mg/日、5mg/日、6mg/日、7mg/日、8mg/日、9mg/日、10mg/日、11mg/日、12mg/日、13mg/日、14mg/日、15mg/日、16mg/日、17mg/日、18mg/日、19mg/日、20mg/日、21mg/日、22mg/日、23mg/日、24mg/日、25mg/日、26mg/日、27mg/日、28mg/日、29mg/日または30mg/日である。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩、またはその誘導体またはアナログは、乳児では0.2mg~1mgまたは成人では1~20mgの投与量で1日1回投与される。
【0036】
一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはガボキサドールの総量は、1mg~50mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはガボキサドールの総量は、1mg~20mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはガボキサドールの総量は、5mg、10mg、15mgまたは20mgである。一実施態様において、24時間で対象体に投与されるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の総量は、1mg~50mgである。一実施態様において、対象体は、低投与量で開始され得て、服用量を漸増する。このようにして、薬物が対象体において忍容性良好であるかを決定し得る。小児の服用量は、成人より低くし得る。一実施態様において、小児のガボキサドールの投与量は、0.1mg/kg~1mg/kgであり得る。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、非経腸投与される。
【0037】
一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む。アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、例えば、0.01mg/kg~20mg/kg、0.02mg/kg~19mg/kg、0.03mg/kg~18mg/kg、0.04mg/kg~17mg/kg、0.05mg/kg~16mg/kg、0.06mg/kg~15mg/kg、0.07mg/kg~14mg/kg、0.08mg/kg~14mg/kg、0.09mg/kg~13mg/kg、0.1mg/kg~12mg/kg、0.2mg/kg~11mg/kg、0.3mg/kg~10mg/kg、0.4mg/kg~9mg/kg、0.5mg/kg~8mg/kg、0.6mg/kg~7mg/kg、0.7mg/kg~6mg/kg、0.8mg/kg~5mg/kg、0.9mg/kg~4mg/kgまたは1mg/kg~3mg/kgの範囲の投与量で投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロン投与量は、例えば、0.01mg、0.05mg、0.75mg、0.1mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、4.5mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mgまたは20mgであり得る。
【0038】
アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、例えば1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、1週間に1回投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、非経腸投与され得る。一実施態様において、アロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩は、漸増投与量で非経腸投与され得る。
【0039】
一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む。ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、10mg/kg~40mg/kg、例えば、11mg/kg~39mg/kg、12mg/kg~38mg/kg、13mg/kg~37mg/kg、14mg/kg~36mg/kg、15mg/kg~35mg/kg、16mg/kg~34mg/kg、17mg/kg~33mg/kg、18mg/kg~32mg/kg、19mg/kg~31mg/kg、20mg/kg~30mg/kg、21mg/kg~29mg/kg、22mg/kg~28mg/kg、23mg/kg~27mg/kgまたは24mg/kg~26mg/kgの範囲の投与量で投与され得る。一実施態様において、ガナキソロン投与量は、例えば、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mg、1000mg、1225mg、1250mg、1275mg、1300mg、1325mg、1350mg、1375mg、1400mg、1425mg、1450mg、1475mg、1500mg、1525mg、1550mg、1575mg、1600mg、1625mg、1650mg、1675mg、1700mg、1725mg、1750mg、1775mg、1800mg、1825mg、1850mg、1875mg、1900mg、1925mg、1950mg、1975mgまたは2000mgであり得る。
【0040】
ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、例えば1日1回、1日2回、1日3回または1日4回投与され得る。一実施態様において、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、1週間に1回投与され得る。一実施態様において、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、非経腸投与され得る。一実施態様において、ガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩は、漸増投与量で非経腸投与され得る。
【0041】
一実施態様において、有効量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、単独またはアロプレグナノロンまたは医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログとの組合せで、処置を必要とする対象体に投与することにより、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。一実施態様において、有効量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、単独またはガナキソロンまたは医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログとの組合せで、処置を必要とする対象体に投与することにより、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。一実施態様において、有効量のアロプレグナノロンまたは医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログまたはその組合せを、単独またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩との組合せで、処置を必要とする対象体に投与することにより、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。一実施態様において、有効量のガナキソロンまたは医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログまたはその組合せを、単独またはガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩との組合せで、処置を必要とする対象体に投与することにより、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。
【0042】
有効量または治療上有効量は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上のそれぞれの症状を処置、抑制または軽減する、例えば、運動の増加の頻度または重症度を減少させる、運動の減少または緩慢な運動の頻度または重症度を減少させる、および/または痙攣性運動の頻度または重症度を減少させるのに十分な服用量であり得る。他の症状としては、首の筋肉の長期的な収縮(痙攣)または断続的な収縮(頚部ジストニアの場合)、運動失調またはパーキンソン病(多系統萎縮症の場合)、筋肉または筋肉群の素早い稲妻のような痙攣(ミオクローヌスの場合)、歩行、バランスおよび眼球運動の問題(進行性核上性麻痺の場合)、リラックスしているかまたは横になっているときの脚に不快で異常な感覚(下肢静止不能症候群の場合)、非協調的またはぎこちないバランス、発話または手足の動き(運動失調)、典型的には顔、口、胴体および手足を含む反復的、短時間、不規則、やや急速な不随意運動(舞踏病)、およびねじりの反復運動を伴う持続的不随筋肉収縮(ジストニア)が挙げられる。
【0043】
有効量または治療上有効量は、所望の薬理学的および/または生理的効果を提供することができ、例えば、運動障害の神経機能不全の根底にある根本的な病態生理学的メカニズムの1つ以上を軽減、抑制または回復する。正確な服用量は、様々な要因、例えば対象体に依存する変数(例えば年齢、免疫系の健康状態、臨床症状など)によって変化する。一実施態様において、対象体は、低投与量で開始され得て、服用量を漸増する。このようにして、薬物が対象体において忍容性良好であるかを決定し得る。小児の服用量は、成人より低くし得る。
【0044】
一実施態様において、本明細書に記載の方法は、上記の頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の他の臨床的症状を軽減、遅延または防止するのに有効である。例えば、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および/またはアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログおよび/またはガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログの、特定の症状、薬理学的または生理的指標に対する効果は、未処置の対象体または処置前の対象体の状態と比較され得る。一実施態様において、症状、薬理学的および/または生理的指標は、処置前の対象体においておよび再度処置開始後1回以上測定される。一実施態様において、対照は、処置されるべき疾患または状態を有しない1人以上の対象体(例えば健常な対象体)における症状、薬理学的または生理的指標の測定に基づいて決定される参照レベルまたは平均である。一実施態様において、処置の効果は、当該技術分野で公知である従来の処置と比較される。
【0045】
上記の運動障害に関連する1つ以上の有益な効果を患者に提供するように、低服用量のガボキサドールおよび/またはアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログおよび/またはガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩、誘導体またはアナログで組成物および方法を提供する。負の副作用、例えば痙攣および/または睡眠障害が潜在的に限られているかまたは実質的にほとんどない運動障害の効果的な処置を可能にする投与レジメンを提供する。したがって、本明細書に記載の方法は、驚くべきかつ予想外と考えられ得る運動障害の処置を提供し得る。例えば、睡眠障害を引き起こし得ない、処置を必要とする患者において運動障害を処置する方法を提供する。一実施態様において、本明細書に記載の方法は、徐波睡眠を妨げない運動障害の効果的な処置を提供し得る。一実施態様において、不眠症または入眠障害を引き起こさない運動障害を処置する方法を提供する。
【0046】
一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、患者への医薬組成物の投与後4時間超の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後6時間超の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善は、本開示に従って提供される。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後、例えば8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間または24時間を超える、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善は、本開示に従って提供される。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後、少なくとも例えば8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間または24時間の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善は、本開示に従って提供される。一実施態様において、患者への医薬組成物の投与後12時間の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善は、本開示に従って提供される。
【0047】
図1は、単回経口投与(2.5、5、10、15および20mg)(下記実施例1参照)後のガボキサドールの算術平均血漿濃度-時間プロファイルを示し、水平線Δは、6時間から12時間の変化を示す。一実施態様において、約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、インビボ血漿プロファイルを提供し、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、50%超低下させ、該方法が、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、インビボ血漿プロファイルを提供し、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、55%超低下させ、該方法が、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、インビボ血漿プロファイルを提供し、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、60%超低下させ、該方法が、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、インビボ血漿プロファイルを提供し、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、65%超低下させ、該方法が、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、インビボ血漿プロファイルを提供し、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、70%超低下させ、該方法が、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、約0.05mg~約30mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、該方法が、インビボ血漿プロファイルを提供し、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の投与6時間後の患者のインビボ血漿プロファイルを、75%超低下させ、該方法が、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。
【0048】
一実施態様において、医薬組成物の投与約4時間後の患者内のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量が、投与量の約75%未満である、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。一実施態様において、例えば医薬組成物の投与約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約15時間または約20時間後の、患者内のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の量が、約75%未満である方法を提供する。
【0049】
一実施態様において、医薬組成物の投与約4時間後の患者内のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量が、投与量の約80%未満である、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。一実施態様において、例えば医薬組成物の投与約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約15時間または約20時間後の、患者内のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の量が、投与量の約80%未満である方法を提供する。
【0050】
一実施態様において、医薬組成物の投与約4時間後の患者内のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量が、投与量の約65%~約85%である、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。一実施態様において、例えば医薬組成物の投与約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約15時間または約20時間後の、患者内のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の量は、投与量の約65%~約85%である。
【0051】
一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の75%未満である、投与6時間後のインビボ血漿濃度を提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の80%未満である、投与6時間後のインビボ血漿濃度を提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の85%未満である、投与6時間後のインビボ血漿濃度を提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の90%未満である、投与6時間後のインビボ血漿濃度を提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の95%未満である、投与6時間後のインビボ血漿濃度を提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の100%未満である、投与6時間後のインビボ血漿濃度を提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。
【0052】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、約500ng/ml未満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、組成物は、患者への投与後6時間超の改善を提供する。
【0053】
一実施態様において、組成物は、例えば、約450ng/ml、約400ng/ml、約350ng/mlまたは約300ng/ml満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を投与1日後に提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約250ng/ml、約200ng/ml、約150ng/mlまたは約100ng/ml満のCmaxを有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を投与1日後に提供する。
【0054】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、約900ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を投与1日後に提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約850ng・時間/ml、約800ng・時間/ml、約750ng・時間/mlまたは約700ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、ここで組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を投与1日後に提供する。一実施態様において、組成物は、投与後6時間超の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する。
【0055】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、例えば、約650ng・時間/ml、約600ng・時間/ml、約550ng・時間/ml、約500ng・時間/mlまたは約450ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約400ng・時間/ml、約350ng・時間/ml、約300ng・時間/ml、約250ng・時間/mlまたは約200ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約150ng・時間/ml、1約00ng・時間/ml、約75ng・時間/mlまたは約50ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、組成物は、患者への組成物の投与後例えば4時間、6時間、8時間、10時間または12時間を超える、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの症状の改善を提供する。
【0056】
一実施態様において、一定量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、Cmaxの75%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、一定量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、Cmaxの80%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、一定量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、Cmaxの85%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、一定量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、Cmaxの90%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、一定量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、Cmaxの95%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、一定量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、Cmaxの100%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。
【0057】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、Cmaxの75%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、Cmaxの80%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、Cmaxの85%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、Cmaxの90%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、Cmaxの95%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、Cmaxの100%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。
【0058】
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の75%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の80%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の85%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の90%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の95%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与量の100%未満のAUC6-12を有するインビボ血漿プロファイルを提供し、投与後6、8、10、12、14、16、18、20、22または24時間を超える患者の改善を提供する、方法を提供する。
【0059】
一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む第1医薬組成物と、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む第2医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、第2医薬組成物が、第1医薬組成物より少なくとも約20%低い平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0060】
一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、坐剤、フィルム剤、吸入剤、液剤、懸濁剤または乳剤の形態で提供され得る。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、例えば筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)またはくも膜下腔内(i.t.)を含む、非経腸投与に適する。本明細書における非経腸組成物は、体内への注射、点滴または移植による投与のために無菌でなければならず、単回投与または複数回投与のいずれかの容器に包装され得る。非経腸組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトルに含まれ得る。
【0061】
一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、1日1回、2回、3回もしくは4回、2日に1回または1週間に1回投与される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、晩に患者に提供される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、朝に患者に提供される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、昼に患者に提供される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、晩に1回および朝に1回患者に提供される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、発症後できるだけ早く提供される。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、例えば点滴により、連続的に提供される。
【0062】
医薬組成物は、従来の放出プロファイルまたは放出調節(modified release)プロファイルで提供され得る。従来(または未調節)の放出経口剤形、例えば錠剤またはカプセル剤は、典型的には、錠剤またはカプセル剤が溶解するときに、薬物を胃または腸に放出する。放出調節(MR)剤形からの薬物放出のパターンは、所望の治療目的および/またはより良好な患者コンプライアンスを達成するために、従来の剤形から意図的に変更される。MR医薬品の種類には、即時放性、遅放性および徐放性の剤形が含まれる。口腔内崩壊剤形(ODDF)は、薬物の即時放出を提供する。一実施態様において、異なる薬物放出プロファイルを有する医薬組成物は組み合わされて、2段階または3段階放出プロファイルを生じ得る。例えば、医薬組成物は、速放性および徐放性プロファイルを提供し得る。一実施態様において、医薬組成物は、徐放性および遅放性プロファイルを提供し得る。当該組成物は、錠剤、ビーズ、顆粒などを含有する、パルス製剤、多層錠剤またはカプセル剤として提供され得る。腸溶コーティング剤形は、遅放性剤形の一例である。組成物は、安全で有効と考えられる材料から構成される医薬的に許容される「担体」を用いて製造され得る。「担体」は、1または複数の活性成分以外の医薬製剤に存在するすべての成分を含む。用語「担体」は、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤およびコーティング組成物を含むが、これらに限定されない。
【0063】
ODDFは、舌の上に置くと、通常は数秒以内に急速に崩壊する医薬物質または活性成分を含む固体剤形である。ODDFの崩壊時間は、一般には1または2秒から約1分の範囲である。ODDFは、唾液と接触すると急速に崩壊または溶出するように設計されている。この投与様式は、身体障害によるものかまたは精神疾患によるものかにかかわらず、錠剤の嚥下に問題を有し得る患者に有益であり得る。一実施態様において、口腔に投与された場合、本明細書におけるODDFは、1分未満、55秒未満、50秒未満、45秒未満、40秒未満、35秒未満、30秒未満、25秒未満、20秒未満、15秒未満、10秒未満または5秒未満で崩壊する。
【0064】
口腔内崩壊錠(ODT)は、舌の上に置くと、通常は数秒以内に急速に崩壊する医薬物質または活性成分を含む固体剤形である。ODTの崩壊時間は、数秒から約1分の範囲である。ODTは、唾液と接触すると急速に崩壊または溶出するように設計されており、それ故に錠剤を噛んだり、そのまま錠剤を飲み込んだり、または錠剤を液体と共に服用する必要性を排除する。一実施態様において、本明細書におけるODTは、例えば2008年8月1日付のRevision Bulletin Officialのセクション701に記載されている米国薬局方(USP)の崩壊試験法に基づいて、1分未満、55秒未満、50秒未満、45秒未満、40秒未満、35秒未満、30秒未満、25秒未満、20秒未満、15秒未満、10秒未満または5秒未満で崩壊する。
【0065】
本明細書で用いられ得る他のODDFには、口腔への投与後直ぐに、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩などの薬物を放出する、薄い経口ストリップである急速崩壊性フィルム剤が含まれる。フィルム剤が、患者の舌またはその他の粘膜表面に置かれ、唾液により直ぐに濡れ、それによりフィルム剤は、急速に水和し、崩壊して、薬物を放出する。Fastcapは、ゼラチンカプセルに基づく急速崩壊性薬物送達システムである。凍結乾燥ウエハーは、医薬物質を含む急速に崩壊する薄いマトリックスである。ウエハーまたはフィルム剤は、口腔で急速に崩壊し、唾液中に溶解または分散する薬物を放出する。当業者は、ODDFの製造に利用される様々な技術、例えば凍結乾燥、噴霧乾燥、相転移処理、溶融造粒、昇華、大量押出、綿菓子処理、直接圧縮に精通している。
【0066】
投与されると、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、単独または本明細書で説明される1つ以上の更なる薬物との組合せで含む(本明細書ではまとめて「薬物(drug)」、「薬物(drugs)」、「活性薬剤(active agent)」または「活性薬剤(active agents)」と称される)ODDFは、急速に崩壊して、唾液中に溶解または分散する薬物を放出する。薬物は、口腔内で、例えば舌下、頬側、咽頭および食道から、または唾液が下に移動するときに消化管の他の部分から吸収され得る。このような場合、バイオアベイラビリティは、薬物が放出され得る胃または腸へ移動する従来の錠剤の投与形態から観察されるものより著しく大きくなり得る。
【0067】
一実施態様において、調節放出プロファイルを有する医薬組成物は、作用の急速な開始および作用時間の持続の両方をもたらす薬物動態特性を提供する。このような医薬組成物は、即放性の側面および徐放性の側面を備える。即放性の側面は、ODDFに関連して上記で説明されている。徐放性の剤形(ERDF)は、徐放性プロファイルを有し、従来の剤形、例えば液剤または放出未調節剤形により提供されるものと比較して投与頻度の低減を可能にするものである。ERDFは、薬物の作用時間の持続を提供する。一実施態様において、本明細書における放出調節剤形は、ODDFの側面を有しないERDFである。一実施態様において、本明細書における放出調節剤形は、負荷投与量の即時放出を提供するODDFの側面と、薬物の単回投与により生じる活性を超える所望の時間、所望の治療範囲内に血中の薬物レベルを維持するための持続放出を提供するERDFの側面を組み込む。一実施態様において、ODDFの側面は薬物を即時に放出し、その後、ERDFの側面は持続作用のために薬物の連続放出を提供する。
【0068】
徐放性プロファイルを提供する適切な製剤は当該技術分野で周知である。例えば、コーティングされた徐放性ビーズまたは顆粒(「ビーズ」および「顆粒」は本明細書において相互交換可能に用いられる)では、例えば、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、単独または1つ以上の薬物との組合せで、ビーズ、例えば製菓用ノンパレイルビーズに適用され、その後、ワックス、腸溶コーティングなどの従来の放出遅延(retarding)材料でコーティングされる。一実施態様において、いくつかのビーズは1つの薬物を組み込み、他のビーズは異なる薬物を組み込む。一実施態様において、1つ以上の薬物が材料と混合されて、薬物が浸出する塊を提供する、ビーズが形成され得る。一実施態様において、ビーズは、異なる材料を用いてコーティングまたは質量の特性、例えば厚さ、多孔性を変化させることにより、異なる放出速度を提供するように設計され得る。異なる放出速度を有するビーズは、単一の剤形中に組み合されて、可変または連続した放出を提供し得る。ビーズは、カプセル剤に含まれてもよく、あるいは錠剤へ打錠されてもよい。一実施態様において、徐放性プロファイルは、各層が異なる放出特性を有する多層錠により提供され得る。多層打錠機は、1つ以上の薬物を異なる速度で放出させるように製造され得る、2層以上の別個の層を有する1錠に組み込むことを可能にする。
【0069】
一実施態様において、1つ以上の薬物は、徐放性プロファイルを提供する多孔性不活性担体に組み込まれる。一実施態様において、多孔性不活性担体は、薬物が周囲の流体に拡散するチャネルまたは流路を組み込んでいる。一実施態様において、1つ以上の薬物は、徐放性プロファイルを提供するイオン交換樹脂に組み込まれる。持続作用は、薬物-樹脂複合体が胃腸液およびそこに溶解したイオン成分と接触したとき、所定の速度で薬物が樹脂から放出されることにより生じる。一実施態様において、膜は、薬物含有リザーバーからの放出速度を制御するために利用される。一実施態様において、液製剤はまた、徐放性プロファイルを提供するために利用され得る。例えば、粒子が溶解しない液相全体に分散した固体粒子からなる液製剤である。懸濁液は、従来の剤形(例えば液剤または即時薬物放出の従来の固形剤形)として存在する薬物と比較して投与頻度を少なくとも低減できるように製剤化される。例えば、イオン交換樹脂成分またはマイクロビーズの懸濁液である。一実施態様において、吸収性(例えばグリコリド)または非吸収性ポリマーを用いてERDFを形成し得る。上記で説明したものおよび本明細書で利用できる他のものを含む様々なERDFは、当業者に公知である。
【0070】
一実施態様において、本明細書における調節剤形は、遅延放出プロファイルを有する遅放性剤形を組み込む。遅放性剤形は、遅放性錠剤または遅放性カプセル剤を含み得る。遅放性錠剤は、薬物、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、投与直後以外の時点で放出する固形剤形を含む。遅放性カプセル剤は、薬物が適切な形態のゼラチンでできた硬いまたは柔らかい可能性の容器内に封入されおり、投与直後以外の時点で薬物を放出する固形剤形である。例えば、錠剤またはカプセル剤に関して、腸溶コーティングされたものは、遅放性剤形の例である。一実施態様において、遅放性錠剤は、投与直後以外の時点で薬物を放出する医薬粒子の集合体を含有する固形剤形である。一実施態様において、医薬粒子の集合体は、薬物の放出を遅延させるコーティングで覆われている。一実施態様において、遅放性カプセル剤は、投与直後以外の時点で薬物を放出する医薬粒子の集合体を含有する固形剤形である。一実施態様において、医薬粒子の集合体は、薬物の放出を遅延させるコーティングで覆われている。
【0071】
遅放性剤形は、当業者に公知である。例えば、コーティングされた遅放性ビーズまたは顆粒(「ビーズ」および「顆粒」は本明細書において相互交換可能に用いられる)では、例えば、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および/または他の薬物が、ビーズ、例えば製菓用ノンパレイルビーズに適用され、その後、ワックス、腸溶コーティングなどの従来の放出遅延(delaying)材料でコーティングされる。一実施態様において、薬物が材料と混合されて、薬物が浸出する塊を提供する、ビーズが形成され得る。一実施態様において、ビーズは、異なる材料を用いてコーティングまたは質量の特性、例えば厚さ、多孔性を変化させることにより、異なる放出速度を提供するように設計され得る。一実施態様において、薬物の腸溶コーティング顆粒は、小腸で顆粒を放出する、腸溶コーティング錠剤またはカプセル剤中に含まれ得る。一実施態様において、顆粒は、コーティング顆粒が少なくも回腸に到達するまでそのままであり、その後結腸において薬物の遅延放出を提供する、コーティングを有する。適切な腸溶コーティング材料は、当該技術分野で周知であり、例えばEudragit(登録商標)コーティング、例えばメタクリル酸およびメタクリル酸メチルなどである。顆粒は、カプセル剤に含まれてもよく、あるいは錠剤へ打錠されてもよい。
【0072】
一実施態様において、本明細書における放出調節医薬組成物は、パルス放出投与製剤(PRDF)を含む。パルス薬物放出は、薬物の初期放出後のラグタイム後に、所定の量または分離量の薬物、例えばガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の急速な放出を含む。一実施態様において、PRDFは、1回のパルスを提供し得る。一実施態様において、PRDFは、経時的な複数回のパルスを提供し得る。様々なPRDFが当業者に公知である。
【0073】
一実施態様において、対象体への非経腸投与のための液体医薬組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、約0.005μg/ml~約500μg/mlの濃度で含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、例えば、約0.005μg/ml~約250μg/ml、約0.005μg/ml~約200μg/ml、約0.005μg/ml~約150μg/ml、約0.005μg/ml~約100μg/mlまたは約0.005μg/ml~約50μg/mlの濃度で含む。
【0074】
一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、例えば、約0.05μg/ml~約50μg/ml、約0.1μg/ml~約50μg/ml、約0.05μg/ml~約25μg/ml、約0.05μg/ml~約10μg/ml、約0.05μg/ml~約5μg/mlまたは約0.05μg/ml~約1μg/mlの濃度で含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、例えば、約0.05μg/ml~約15μg/ml、約0.5μg/ml~約10μg/ml、約0.5μg/ml~約7μg/ml、約1μg/ml~約10μg/ml、約5μg/ml~約10μg/mlまたは約5μg/ml~約15μg/mlの濃度で含む。一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、例えば、約10ml、約20ml、約25ml、約50ml、約100ml、約200ml、約250mlまたは約500mlの総容量として製剤化される。一実施態様において、組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトル中に含まれる。
【0075】
一実施態様において、非経腸投与のための組成物は、約0.05mg~約100mgの活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.1mg~約25mg、約0.1mg~約20mg、約0.1mg~約15mg、約0.5mg~約25mg、約0.5mg~約20mg、約0.5mg~約15mg、約1mg~約25mg、約1mg~約20mg、約1mg~約15mg、約1.5mg~約25mg、約1.5mg~約20mg、約1.5mg~約15mg、約2mg~約25mg、約2mg~約20mg、約2mg~約15mg、約2.5mg~約25mg、約2.5mg~約20mg、約2.5mg~約15mg、約3mg~約25mg、約3mg~約20mg、約3mg~約15mgの活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む。
【0076】
一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約5mg~約20mg、約5mg~約10mg、約4mg~約6mg、約6mg~約8mg、約8mg~約10mg、約10mg~約12mg、約12mg~約14mg、約14mg~約16mg、約16mg~約18mgまたは約18mg~約20mgの活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.1mg、約0.25mg、約0.5mg、約1mg、約2.5mg、約3mg、約4mg、約5mg、約7mg、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mgの活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩、または該投与量の複数である量を含む。組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトル中に含まれ得る。
【0077】
一実施態様において、対象体への非経腸投与のための医薬組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、約0.005mg/ml~約500mg/mlの濃度で含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、例えば、約0.05mg/ml~約50mg/ml、約0.1mg/ml~約50mg/ml、約0.1mg/ml~約10mg/ml、約0.05mg/ml~約25mg/ml、約0.05mg/ml~約10mg/ml、約0.05mg/ml~約5mg/mlまたは約0.05mg/ml~約1mg/mlの濃度で含む。一実施態様において、組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、例えば、約0.05mg/ml~約15mg/ml、約0.5mg/ml~約10mg/ml、約0.25mg/ml~約5mg/ml、約0.5mg/ml~約7mg/ml、約1mg/ml~約10mg/ml、約5mg/ml~約10mg/mlまたは約5mg/ml~約15mg/mlの濃度で含む。一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、例えば、約10ml、約20ml、約25ml、約50ml、約100ml、約200ml、約250mlまたは約500mlの総容量として製剤化される。一実施態様において、組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトル中に包装および貯蔵される。
【0078】
一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含み、ここで活性物質は、約1.0M未満のモル濃度で存在する。一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩は、例えば、約0.0001M、約0.001M、約0.01M、約0.1M、約0.2Mを超える、約0.5超、約1.0M超、約1.2M超、約1.5M超、約1.75M超、約2.0M超または約2.5M超モル濃度で存在する。一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩は、例えば、約0.00001M~約0.1M、約0.01M~約0.1M、約0.1M~約1.0M、約1.0M~約5.0Mまたは約5.0M~約10.0Mのモル濃度で存在する。一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩は、例えば、約0.01M、約0.1M、約1.0M、約5.0Mまたは約10.0M未満のモル濃度で存在する。
【0079】
一実施態様において、組成物中の活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の溶解度は、例えば25℃にて水中で測定するとき、例えば、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL、約50mg/mL、約75mg/mL、約100mg/mL、約150mg/mLである。
【0080】
一実施態様において、組成物中の活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の溶解度は、例えば25℃にて水中で測定するとき、例えば、約1mg/ml~約50mg/mL、約5mg/ml~約50mg/mL、約10mg/ml~約50mg/mL、約20mg/ml~約50mg/ml、約20mg/ml~約30mg/mLまたは約10mg/ml~約45mg/mLである。
【0081】
一実施態様において、医薬組成物が少なくとも6ヵ月間安定である非経腸投与のための医薬組成物を提供する。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、例えば3ヵ月間または6ヵ月間に、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩のわずか約5%の減少を示す。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の分解量は、わずか例えば、約2.5%、約1%、約0.5%または0.1%である。一実施態様において、分解は、少なくとも6ヵ月間で、例えば、約5%、約2.5%、約1%、約0.5%、約0.25%、約0.1%未満である。
【0082】
一実施態様において、医薬組成物が可溶性のままである非経腸投与のための医薬組成物を提供する。一実施態様において、安定で、可溶性で、局所適合性でおよび/または使用準備済み(ready-to-use)である医薬組成物を提供する。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、処置を必要とする患者への直接投与のために使用準備済みである。
【0083】
本明細書で提供される非経腸組成物は、1つ以上の添加剤、例えば、溶媒、溶解性向上剤、懸濁化剤、緩衝剤、等張化剤、安定化剤または抗菌性防腐剤を含み得る。用いられるとき、非経腸組成物の添加剤は、組成物中に用いられるガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の安定性、バイオアベイラビリティ、安全性および/または有効性に悪影響を及ぼさない。したがって、剤形の構成要素のいずれかの間で不適合性がない非経腸組成物を提供する。
【0084】
一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の非経腸組成物は、安定化量の少なくとも1つの添加剤を含む。例えば、添加剤は、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤および防腐剤からなる群より選択され得る。当業者は、添加剤が2つ以上の機能を有し、1つ以上の所定のグループに分類され得ることを理解するだろう。
【0085】
一実施態様において、医薬組成物は、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤を含み、ここで添加剤が、例えば、約10%、約5%、約2.5%、約1%または約0.5%未満の重量パーセント(w/v)で存在する。一実施態様において、添加剤は、例えば、約1.0%~約10%、約10%~約25%、約15%~約35%、約0.5%~約5%、約0.001%~約1%、約0.01%~約1%、約0.1%~約1%または約0.5%~約1%の重量パーセントで存在する。一実施態様において、添加剤は、例えば、約0.001%~約1%、約0.01%~約1%、約1.0%~約5%、約10%~約15%または約1%~約15%の重量パーセントで存在する。
【0086】
一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が、例えば、約0.01:1~約0.45:1、約0.1:1~約0.15:1、約0.01:1~約0.1:1および約0.001:1~約0.01:1の添加剤対ガボキサドールまたは医薬的に許容される塩のモル比で存在する、医薬組成物を提供する。一実施態様において、添加剤は、約0.0001:1~約0.1:1または約0.001:1~約0.001:1の添加剤対ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩のモル比で存在する。
【0087】
一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が安定化量の緩衝剤を含む、医薬組成物を提供する。緩衝剤は、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩が、可溶性な、安定なおよび/または生理学的に適合性なままである、医薬組成物のpHを維持するために用いられ得る。例えば、一実施態様において、非経腸組成物は、顕著なガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の分解なしで安定なままである組成物を含む。一実施態様において、緩衝液の添加は、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を顕著に触媒または分解するおよび/または点滴時に患者に痛みを引き起こすことなく、安定性を向上するためにpHを制御するのに所望される。
【0088】
一実施態様において、緩衝剤は、クエン酸、リン酸、酢酸、酒石酸、炭酸、グルタミン酸、乳酸、コハク酸、重炭酸緩衝液、およびそれらの組合せであり得る。例えば、クエン酸ナトリウム、無水クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム脱水和物、トリエタノールアミン(TRIS)、クエン酸三ナトリウム五水和物二水和物(すなわち、クエン酸三ナトリウム脱水和物)、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、リン酸が、緩衝剤として用いられ得る。一実施態様において、緩衝剤は、アミノ酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属緩衝液であり得る。例えば、緩衝剤は、酢酸ナトリウムまたはリン酸水素塩であり得る。
【0089】
一実施態様において、組成物のpHが約4.0~約8.0である活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の非経腸組成物を提供する。一実施態様において、組成物のpHは、例えば、約5.0~約8.0、約6.0~約8.0、約6.5~約8.0である。一実施態様において、組成物のpHは、例えば、約6.5~約7.5、約7.0~約7.8、約7.2~約7.8または約7.3~約7.6である。一実施態様において、水溶液のpHは、例えば、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.7、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4または約8.6である。
【0090】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が可溶化剤を含む医薬組成物を提供する。例えば、本発明による可溶化剤は、例えば、水酸化ナトリウム、L-リシン、L-アルギニン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、および/またはリン酸カリウムを含み得る。組成物中の可溶化剤の量は、溶液がすべての濃度で可溶性なままである、すなわち濁らないおよび/または沈殿を形成しないように十分である。
【0091】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が粒子形成阻害剤を含む医薬組成物を提供する。粒子形成阻害剤は、非経腸組成物における粒子の形成を阻害する所望の特性を有する化合物を指す。本発明の粒子形成阻害剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩(例えば水和物として);エチレンジアミン四酢酸二カリウム塩(例えば二水和物として);エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(例えば二水和物として、必要に応じて、無水形態として);エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(例えば水和物として);エチレンジアミン四酢酸三カリウム塩(例えば二水和物として);エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩(例えば水和物として)およびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、USP(例えば二水和物として)が含まれる。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、有効量の粒子形成阻害剤を有する。一実施態様において、添加剤は、例えば、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質、例えば血清アルブミン、コラーゲンおよびゼラチン;塩、例えばEDTAまたはEGTAおよび塩化ナトリウム、リポソーム、ポリビニルピロリドン、糖、例えばデキストラン、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(例えば、PEG-4000、PEG-6000)、グリセロール、グリシンおよび/または脂質を含み得る。
【0092】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が可溶化剤を含む医薬組成物を提供する。例えば、可溶化剤としては、酸、例えばカルボン酸、アミノ酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。他の例において、可溶化剤は、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、脂肪酸、ケト酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、α-ヒドロキシ酸、アミノ酸、およびそれらの組合せであり得る。
【0093】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が、可溶化剤、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、ドコサヘキサエン酸、イコサペンタエン酸、ピルビン酸、安息香酸、サリチル酸、アルダル酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、乳酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン(praline)、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、およびそれらの組合せを含む、医薬組成物を提供する。
【0094】
一実施態様において、可溶化剤は、酢酸、その塩、およびそれらの組合せ、(例えば、酢酸/酢酸ナトリウム)、クエン酸、その塩およびそれらの組合せ(例えば、クエン酸/クエン酸ナトリウム)、DLアルギニン、L-アルギニンおよびヒスチジン(histadine)より選択される。一実施態様において、可溶化剤はDL-アルギニンである。一実施態様において、可溶化剤はL-アルギニンである。一実施態様において、可溶化剤は酢酸/酢酸ナトリウムである。一実施態様において、可溶化剤はクエン酸/クエン酸ナトリウムである。
【0095】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が組成物を等張にする医薬組成物を提供する。本明細書における等張な医薬組成物は、適正量の塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、デキストロース、マンニトール、または塩化カリウム、または塩化カルシウム、またはグルコノグルコヘプトン酸カルシウムカルシウム、またはそれらの混合物を加えることにより達成され得る。例えば、添加剤は、1つ以上の等張化剤、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、マンニトールおよび/またはデキストロースを含み得る。等張化剤は、組織損傷および刺激を最小限にする、血液細胞の溶血を減少させるおよび/または電解質平衡異常を防ぐために用いられ得る。例えば、非経腸組成物は、組成物が等張である塩化ナトリウムを含む水溶液であり得る。一実施態様において、等張化剤は塩化ナトリウムである。一実施態様において、等張化剤の濃度は、約0.01~約2.0重量%である。一実施態様において、医薬組成物は、約10%までの等張化剤を含み得る。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.25%、約0.5%、約1%、約2.5%までの等張化剤を含み得る。一実施態様において、医薬中の等張化剤の量は、例えば、約0.01%~約1%、約0.1%~約1%、約0.25%~約1%または約0.5%~約1%である。
【0096】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤がフリーラジカルアンタゴニストを含む医薬組成物を提供する。一実施態様において、フリーラジカルアンタゴニストは、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、少なくとも1つのチオールを有する有機化合物、ポリ水酸化アルキルおよびポリ水酸化シクロアルキル化合物、およびそれらの組合せである。
【0097】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が、チオールグリコール酸(thiolyglycolic acid)、チオール酢酸、ジチオトレイトール、還元グルタチオン、チオ尿素、α-チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、メルカプトエタンスルホン酸およびそれらの組合せより選択されるフリーラジカルスカベンチャーを含む、医薬組成物を提供する。
【0098】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が、ジチオトレイトール、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素、アスコルビン酸、メチレンブルー、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、没食子酸プロピル・アセチルシステイン、フェノール、アセトン硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、システイン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、モノチオグリセロール、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、トコフェノールおよび/またはグルタチオンを含む、医薬組成物を提供する。
【0099】
一実施態様において、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および添加剤の医薬組成物であって、添加剤が防腐剤を含む医薬組成物を提供する。一実施態様において、防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、クロロクレゾール、メタクレゾール、フェノール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、p-オキシ安息香酸メチル、p-オキシ安息香酸プロピル、p-オキシ安息香酸ブチルおよびチメロサールより選択される。他の実施態様において、防腐剤は、フェノール、メタクレゾール、ベンジルアルコール、パラベン類(例えば、メチル、プロピル、ブチル)塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀塩(例えば、酢酸塩、ホウ酸塩または硝酸塩)、およびそれらの組合せからなる群より選択される。
【0100】
一実施態様において、本明細書における組成物は、共溶媒を含み得る。例えば、いくつかの例において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の溶解性は、治療投与量より十分下であり得て、それ故に共溶媒系が用いられ得る。共溶媒は、十分高い溶解性を達成するために用いられ得て、安定性を増加させ得る溶媒の混合物である。例えば、共溶媒は、水混和性有機溶媒、例えばエタノール、プロピレン、グリコール、Capmul PG、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ジメチルアセトアミドおよび/またはジメチルスルホキシド(DMSO)であり得る。一実施態様において、共溶媒は、医薬組成物の約75%までを含み得る。他の実施態様において、用いられる共溶媒の量は、医薬組成物の例えば約1%、約5%、約10%、約15%、約25%、約40%、約50%までを含み得る。
【0101】
剤形は、例えば、均一な混合物が得られるまで無菌条件下混合機においてガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩および1つ以上の添加剤(例えば、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤および/または防腐剤)を混合することにより製造され得る。その後、予め滅菌されたバイアルに適正量の無菌混合物を充填し得る。その後、所与の量の無菌混合物は、投与前に溶媒、例えば、水、生理食塩水、約5~10%糖(例えば、グルコース、デキストロース)溶液およびそれらの組合せと混合され得る。また、溶液は、更なる処理の前に凍結および融解され得る。
【0102】
添加剤は、固形または溶液形態で用いられ得る。固形形態で用いられるとき、添加剤およびガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩は、上記のように一緒に混合され、非経腸投与前に溶媒が加えられ得る。液体形態で用いられるとき、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩は、非経腸投与前に添加剤の溶液と混合され得る。
【0103】
ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む非経腸溶液は、必要量のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩(使用前に精製されていてもよい)を非経腸液体、例えばD5W、蒸留水、生理食塩水またはPEG中で混合し、この溶液のpHを6.8~8に調節することにより製造され得る。工程は、室温で実施され得るか、または濃度を増加させるために、溶液は適切に温められ得る。他の溶媒、例えばPEG 400、600、ポリプロピレングリコールまたは他のグリコールが、溶解性を向上させるために用いられ得る。室温に冷却後得られた溶液は、公知の方法、例えば限外ろ過、例えば0.45μmフィルターを用いてまたはエチレンオキシド処理または加熱によって滅菌され得て、無菌非経腸製剤を投薬するのに適するアンプル、バイアルまたはプレフィルドシリンジに包装され得る。
【0104】
投与されるとき、本明細書における非経腸組成物は、ヒト患者における約1時間以上(例えば、約1.5時間以上)のガボキサドールの最高血漿濃度到達時間(Tmax)を提供する。一実施態様において、ヒト患者におけるガボキサドールのTmaxは、例えば、約1~約5時間、約1~約4時間、約1~約3時間、約1~約2時間の範囲である。一実施態様において、約1.5超のヒト患者におけるガボキサドールのTmaxが観察される。一実施態様において、約3時間未満のヒト患者におけるガボキサドールのTmaxが観察される。注入が完了すると、最高血漿濃度到達時間は測定される。
【0105】
一実施態様において、本明細書における剤形は、約1mg~約500mgのガボキサドールを含み、ここで当該剤形の非経腸投与(例えば、筋肉内、静脈内、皮下、腹腔内またはくも膜下腔内)は、約25ng・時間/mlを越える平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、剤形の単回投与量投与は、例えば、50ng・時間/ml、約75ng・時間/ml、約150ng・時間/ml、約250ng・時間/ml、約500ng・時間/ml、約1000ng・時間/mlまたは約1500ng・時間/mlを越える平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0106】
一実施態様において、剤形は、約1mg~約500mgのガボキサドールを含み、ここで当該剤形の投与は、約10000ng/ml未満の平均Cmaxを含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、組成物の単回投与量投与は、例えば、約5000ng/ml、約2500ng/ml、約1000ng/ml、約500ng/ml、約250ng/mlまたは約100ng/ml未満の平均Cmaxのガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。
【0107】
一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含み、ここで当該非経腸投与は、非経腸組成物の投与後約1~約120分のTmax;続いて、約90~約360分間持続して少なくとも50%のCmaxの血漿薬物濃度の薬物動態プロファイルを示す。一実施態様において、ガボキサドールの非経腸投与は、例えば、約10~約60分間、約15~約90分間、約30~約120分間、約60~約180分間、約90~約180分間続いて少なくとも50%のCmaxの血漿薬物濃度が続く。
【0108】
一実施態様において、非経腸投与に適するバイアルまたはアンプル中の単位剤形の安定な医薬組成物であって、治療上有効量のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩が滅菌水に溶解されて溶液を形成し、組成物が、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩以外の任意の添加剤、有機溶媒、緩衝剤、酸、塩基、塩を実質的に有しない、医薬組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、十分に可溶性なままであり、直接投与することができる。一実施態様において、医薬組成物は、不活性雰囲気の不存在下で少なくとも6ヵ月間保存することができる。
【0109】
一実施態様において、非経腸投与に適するバイアルまたはアンプル中の単位剤形の安定な医薬組成物であって、治療上有効量のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩が滅菌水に溶解されて溶液を形成し、組成物が、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩以外の任意の添加剤、有機溶媒、緩衝剤、酸、塩基、塩を有しない、医薬組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、十分に可溶性なままであり、直接投与することができる。一実施態様において、医薬組成物は、不活性雰囲気の不存在下で少なくとも6ヵ月間保存することができる。
【0110】
一実施態様において、非経腸投与に適する安定な医薬組成物は、225~350mOsm/kgのオスモル濃度を有し、7.0~8.0の範囲のpHである水溶液中に、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む。一実施態様において、水溶液は、270~310のオスモル濃度を有する。一実施態様において、水溶液は、7.2~7.8の範囲のpHを有する。
【0111】
一実施態様において、治療量以下の服用量のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む第1医薬服用量を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与後6時間超の改善を提供する、方法を提供する。
【0112】
一実施態様において、治療量以下の服用量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第1医薬服用量を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、組成物が、投与後6時間超の改善を提供する、方法を提供する。
【0113】
一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む第1医薬組成物と、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む第2医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法であって、約900ng・時間/ml未満の平均AUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。一実施態様において、第2医薬組成物は、例えば、約800ng・時間/ml、約750ng・時間/ml、約700ng・時間/ml、約650ng・時間/mlまたは約600ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、第2医薬組成物は、例えば、約550ng・時間/ml、約500ng・時間/ml、約450ng・時間/ml、約400ng・時間/mlまたは約350ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、第2医薬組成物は、例えば、約300ng・時間/ml、約250ng・時間/ml、約200ng・時間/ml、約150ng・時間/mlまたは約100ng・時間/ml未満のAUC0-∞を有するインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、患者の症状の改善を提供する第1および第2医薬組成物を投与する。一実施態様において、第1医薬組成物は、第1医薬組成物の投与後例えば、6時間、8時間または12時間超の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの1つ以上の症状の改善を提供する。
【0114】
一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、3時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、2.5時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、2時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、1.5時間未満である。一実施態様において、第1医薬組成物のTmaxは、1時間未満である。
【0115】
一実施態様において、第1医薬組成物は、処置を必要とする患者への投与の最初の20分以内に少なくとも約80%の溶出を提供する。一実施態様において、第1医薬組成物は、処置を必要とする患者への投与の最初の20分以内に少なくとも例えば、約85%、約90%または約95%の溶出を提供する。一実施態様において、第1医薬組成物は、処置を必要とする患者への投与の最初の10分以内に少なくとも80%の溶出を提供する。
【0116】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、治療量以下の服用量である。治療量以下の服用量は、治療効果に必要とされる量未満である、活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の量である。一実施態様において、治療量以下の服用量は、単独では頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善を提供し得ないが、このような改善を維持するのに十分である、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の量である。一実施態様において、方法は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善を提供する第1医薬組成物、および改善を維持する第2組成物を投与することを提供する。一実施態様において、第1医薬組成物の投与後、第2医薬組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供し得る。一実施態様において、第2医薬組成物は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供し得る。
【0117】
一実施態様において、組成物が投与後6時間超の改善を提供する第1医薬服用量を含む医薬組成物と、治療量以下の服用量のガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を含む第2医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。
【0118】
第1および第2医薬組成物の投与は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の即時的、中間的または長期的な改善を達成するために同時または一定時間離され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、6時間空けて投与され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、12時間空けて投与され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、例えば15分、30分、1時間、2時間、6時間、12時間、18時間、24時間など以内に投与され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、一緒に投与され得る。一実施態様において、第1および第2医薬組成物は、少なくとも、例えば15分、30分、1時間、2時間、12時間、18時間、24時間など離して投与され得る。一実施態様において、患者への投与後8時間超の、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状の改善が提供される。一実施態様において、患者への投与後、例えば約10時間、約12時間、約15時間、約18時間、約20時間または約24時間を超える改善が提供される。
【0119】
一実施態様において、第1および第2医薬組成物の投与は、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの少なくとも1つの症状を改善する相乗効果を提供し得る。
【0120】
一実施態様において、第1および/または第2医薬組成物は、上記の量の活性物質、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩のいずれかを含む。
【0121】
開示される化合物、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩は、唯一の活性薬剤として独立して単剤療法として用いられ得る。一実施態様において、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を用いて、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法を提供する。一実施態様において、頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアを処置する方法は、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩を、1つ以上の他の活性薬剤、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩と組み合わせて投与することを含む。併用療法は、同一混合物中で一緒に、または別々の混合物中で活性薬剤、例えばガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の投与を含み得る。一実施態様において、医薬組成物は、2つ、3つまたはそれ以上の活性薬剤を含む。一実施態様において、組合せは、疾患または障害の処置に対して相加効果以上の効果を生じる。したがって、組み合わせた薬剤の組合せで提供される頚部ジストニア、多系統萎縮症、ミオクローヌス、進行性核上性麻痺、下肢静止不能症候群、ウィルソン病、運動失調、舞踏病またはジストニアの処置は、有効性を向上させる相乗効果を提供し得る。
【0122】
他に断らない限り、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は、本明細書における開示が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0123】
本明細書で用いられる用語「約」または「およそ」は、当業者により決定されるように特定の値の許容され得る誤差範囲内を意味し、これは、当該値がどのように測定または決定されるか、すなわち測定システムの限界に部分的に依存する。例えば、「約」は、当該技術分野における慣習につき、3以上の標準偏差内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらにより好ましくは1%までの範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、当該用語は、ある値の1桁内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0124】
本明細書で用いられる用語「処置する」または「処置」は、疾患または病態に罹患しているかまたは罹患している可能性があるが、疾患または病態の臨床的または亜臨床的症状をまだ経験していないかまたは示していない、対象体における疾患または病態の臨床的症状の出現を緩和するかまたは遅延させることを指す。ある特定の実施態様において、「処置する」または「処置」は、疾患または病態に罹患しているかまたは罹患している可能性があるが、疾患または病態の臨床的または亜臨床的症状をまだ経験していないかまたは示していない、対象体における疾患または病態の臨床的症状の出現を防止することを指し得る。「処置する」または「処置」はまた、疾患または病態を抑制すること、例えば、本明細書における運動障害またはその少なくとも1つの臨床的もしくは亜臨床的症状を阻止するかまたは減少させることを指し得る。「処置する」または「処置」はさらに、疾患または病態を緩和すること、例えば、疾患もしくは病態または少なくとも1つのその臨床的もしくは亜臨床的症状の後退を引き起こすことを指す。処置される対象体の利益は、統計学的に有意であるか、数学上有意であるか、または対象体および/または医師に少なくとも知覚可能であり得る。それでもなお、予防的処置と治療的処置は、本開示の2つの別々の実施態様である。
【0125】
「処置を必要とする患者」は、本明細書における運動障害と診断された個人を含み得る。「患者」および「対象体」は、明細書において相互交換可能に用いられる。
【0126】
「有効量」または「治療上有効量」は、処置されている障害、疾患または病態の1つ以上の症状を軽減するか、または別な方法で所望の薬理学的および/または生理的効果を提供するのに十分な服用量を意味する。「有効量」または「治療上有効量」は、疾患およびその重症度、ならびに処置されるべき対象体の年齢、体重、体調および反応性に応じて変化し得る。一実施態様において、治療上有効量の活性薬剤は、本明細書における運動障害を処置するのに有効な量である。薬理学的作用のための薬物の有効量、したがって服用量の強度は、疾患自体の進行に依存し得る。「有効量」または「治療上有効量」は、明細書において相互交換可能に用いられる。
【0127】
「改善」は、運動障害の少なくとも1つの症状または状態に対して測定される、本明細書における運動障害に関連する症状または状態の処置を指す。
【0128】
「翌日の機能の改善」、「翌日の機能の改善がある」または「投与1日後に改善」は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩単独、またはガナキソロンまたはその医薬的に許容される塩単独、またはアロプレグナノロンまたはその医薬的に許容される塩単独、またはガボキサドールとガナキソロンまたはアロプレグナノロンの組合せの1つ以上の投与の有益な効果が、起床後一定時間、例えば、即時、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、24時間などに本明細書における運動障害に関連する少なくとも1つの症状または状態に適用され、患者によって主観的にまたは観察者によって客観的に識別可能である、一晩の睡眠時間からの起床後の改善を指す。
【0129】
「組成物」、「医薬組成物」、「製剤」、「医薬製剤」は、本明細書において相互交換可能に用いられる。「組成物」、「医薬組成物」、「製剤」、「医薬製剤」は、剤形を包含する。剤形は、単位投与量を包含し得る。
【0130】
「医薬的に許容される」は、「一般的に安全と見なされる」、例えば、ヒトに投与されるとき、生理的に忍容性であり、典型的にはアレルギー性または同様の有害反応、例えば胃の不調を生じない、分子および組成物を指す。ある実施態様において、この用語は、FDAによる市販前調査および承認を受ける、連邦食品・医薬品・化粧品法の項204(s)および409の下のGRASリストまたは類似リスト、米国薬局方、または動物、より具体的にはヒトにおける使用のために一般的に認められている別の薬局方に関して、連邦または州政府の規制機関により承認された分子および組成物を指す。
【0131】
本明細書で用いられる用語「防止」または「防止する」は、疾患または障害により引き起こされる1つ以上の症状の危険性があるかまたはその素因を有する対象体またはシステムに組成物を投与し、疾患または障害の特定の症状の停止、疾患または障害の1つ以上の症状の減少または防止、疾患または障害の重症度の低下、疾患または障害の完全消失、疾患または障害の進行の安定化または遅延を容易にすることを意味する。
【0132】
「アナログ(analog)」、「アナログ(analogue)」および「誘導体」は、本明細書において相互交換可能に用いられ、親化合物と同じ核を有するが、結合順序、1つ以上の原子および/または原子群、およびその組合せの有無において親化合物と異なり得る化合物を指す。誘導体は、1つ以上の原子、官能基または部分構造を含み得る、例えば核に存在する1つ以上の置換について親化合物と異なり得る。一般的に、誘導体は、化学的および/または物理的プロセスによって親化合物から、少なくとも理論的に、形成されると想像し得る。
【0133】
本明細書で用いられる用語「医薬的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基塩を作ることにより修飾された、本明細書で定義される化合物の誘導体を指す。
【0134】
「添加剤」は、医薬組成物の活性な原薬以外の物質であって、安全性について適切に評価され、そして、製造中の薬物送達システムの処理を助ける;保護する;支える;安定性、バイオアベイラビリティもしくは患者の忍容性を向上させる;製品同定を助ける;または保存または使用中の薬物送達システムの全体的な安全性および有効性の他の特質を向上させるために薬物送達システムに含まれる、物質である。
【0135】
「安定化剤」または「安定化量」は、十分な安定性を提供するが、組成物中に用いられるガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩のバイオアベイラビリティ、安全性および/または有効性に悪影響を及ぼさない、非経腸組成物に含まれる1つ以上の添加剤の量を指す。
【0136】
「安定な」は、特定の時間後、例えば3ヵ月または6ヵ月後、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の分解が実質的にないことを意味する。
【0137】
「可溶性」は、ガボキサドール、アロプレグナノロンまたはガナキソロンまたは前記いずれかの医薬塩の溶液が濁らないおよび/または溶液中に沈殿が実質的にないことを意味する。
【0138】
「十分に可溶性」は、粒子含有量が十分に低く、物質が非経腸投与に有用であるように十分に無菌であることを意味する。例えば、液体組成物中の粒子数は、10mlの溶媒の容積中に存在する10μm粒子が例えば、6,000個未満であるべきであり、好ましくは10μm粒子が10,000個未満、5,000個未満、3,000個未満、1,000個未満または400個未満である。いくつかの例において、液体組成物中の粒子数は、10mlの容積中の25μm粒子が1000個未満、600個未満または200個未満であるべきである。
【0139】
本明細書における「局所適合性」は、組成物が、注射または点滴の部位において忍容性であるため、副作用、例えば局所皮膚刺激または静脈刺激(点滴部位における炎症反応を含む)を最小限にすることを意味する。本明細書における非経腸組成物は、従来の製品より皮膚刺激または静脈炎などの副作用が少なくなり得る。
【0140】
本明細書において用いる「精製された」は、無関係の物質、すなわち夾雑物(物質が得られる元の物質を含む)の存在を減少または排除する条件下単離された物質を指す。本明細書において用いる用語「実質的に有さない」は、物質の分析試験との関連で操作上用いられる。好ましくは、夾雑物を実質的に有さない生成された物質は、少なくとも95%純粋;より好ましくは少なくとも97%純粋、さらにより好ましくは少なくとも99%純粋である。純度は、例えばクロマトグラフィーまたは当該技術分野において公知の他の方法により評価され得る。一実施態様において、精製されたは、夾雑物のレベルがヒトまたは非ヒト動物への安全な投与のために規制当局に許容されるレベル未満であることを意味する。
【0141】
本明細書における組成物に関して「使用準備済み(Ready-to-use)」は、再構成された形態であって、標準化された濃度および品質を有し、単回使用容器、例えばガラスバイアル、点滴バッグまたはシリンジに予め充填され、患者への直接投与の準備ができている、製剤を意味する。
【0142】
本明細書における組成物に関して「直接投与」は、即時投与、すなわち更なる希釈、他の物質との予混合または組成物もしくは組成物の製剤の他の変更がない投与を意味する。このような組成物は、典型的には、点滴デバイスから直接放出され、血管アクセスポートまたはセントラルラインを介して投与される。
【0143】
「服用量(dosage)」は、μg/kg/日、μg/kg/時間、mg/kg/日またはmg/kg/時間の点で表される製剤を包含することが意図される。服用量は、特定の投与レジメンに従って投与される成分の量である。「投与量(dose)」は、単位容積または量における哺乳類に投与される薬剤の量、例えば、薬剤のmgまたはμgで表される絶対的な単位投与量である。投与量は、例えば、リットル当たりのモル(M)、容積当たりの量(m/v)または量当たりの量(m/m)における、製剤中の薬剤の濃度に依存する。特定の服用量が製剤の1つまたは複数の投与量の投与のレジメンにより生じるように、2つの用語は密接に関連している。いずれかの場合における特定の意味は、文脈から明らかである。
【0144】
「と共投与される」、「と組み合せて」、「と組み合せて投与される」、「の組合せ」、「と一緒に投与される」または「共治療」は、相互交換可能に用いられ得て、2つ以上の薬剤が治療過程で投与されることを意味する。薬剤は、同時に一緒に投与されてもよく、または間隔をあけて別々に投与されてもよい。薬剤は、単一剤形または別々の剤形で投与され得る。
【0145】
「PK」は、薬物動態プロファイルを指す。Cmaxは、実験中に推定される最高血漿薬物濃度(ng/ml)として定義される。Tmaxは、Cmaxが推定されるときの時点(分)として定義される。AUC0-∞は、薬物投与から薬物排出までの血漿薬物濃度-時間曲線下総面積(ng・時間/mlまたはμg・時間/ml)である。曲線下面積は、クリアランスにより管理される。クリアランスは、単位時間当たりの薬物含有量が完全に除去された血液または血漿の容量(ml/分)として定義される。
【実施例
【0146】
本明細書で提供される実施例は、本開示を補強するためにのみ含まれており、いかなる点においても限定的とみなされるべきでない。
【0147】
実施例1 ガボキサドールの血漿濃度プロファイル
以下の実施例は、2.5~20mgの範囲の単回経口投与後のガボキサドール一水和物の血漿濃度プロファイルおよび用量比例性を提供する。2.5~20mgの範囲のガボキサドール一水和物カプセル錠の絶対的バイオアベイラビリティもまた評価する。
【0148】
この試験は、2.5~20mgの用量範囲にわたるガボキサドールの5つの単回経口投与の用量比例性および絶対的バイオアベイラビリティを評価するように設計された、6期間、二重盲検、無作為化、クロスオーバー試験に参加した、10名の健常な成人(各性別少なくとも4名)から構成された。対象体がガボキサドールの5つの単回経口投与(2.5;5;10;15;および20mg)を受ける順序は、処置期間1~5内で無作為化された。各対象体は、すべての6つ処置期間を完了すると予想され、各処置期間の間に少なくとも4日間の休薬があった。
【0149】
処置期間内の各経口投与は、各スケジュールされた投与において同時摂取される、2カプセルの試験薬物からなる。経口投与される試験薬物の処置名は、以下のとおりである:処置A - 1つの2.5mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;処置B - 1つの5mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;処置C - 1つの10mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;処置D - 1つの15mgガボキサドールカプセル剤および1つの釣り合うプラセボカプセル剤;ならびに処置E - 20mgガボキサドール(2つの10mgガボキサドールカプセル剤)。一晩絶食後、朝の午前8:00頃に240mLの水と共に対象体はそれらの試験薬物を受けた。水は、試験薬物投与前後1時間以内を除き自由に許可された。食事は投与後4時間認められなかった。
【0150】
各処置における各対象体について、薬物動態パラメーター(必要に応じて、例えば、AUC、Cmax、Tmax、見かけのt1/2、累積尿中排泄、腎クリアランス、クリアランスおよび定常状態の分布量)の決定のために、投与後16時間にわたり血漿および尿検体を採取した。ガボキサドールのAUCおよびCmaxについては、試験環の薬物動態データの比較を容易にするために効力を調整した。表1は、単回経口投与(2.5、5、10、15および20mg)後のガボキサドールの個々の効力調整薬物動態パラメーターを提供する。
【表1】
【0151】
図1は、実施例1に記載する単回経口投与(2.5、5、10、15および20mg)後のガボキサドールの算術平均血漿濃度-時間プロファイルを示し、水平線Δは、6時間から12時間の変化を示す。図2は、単回経口投与(2.5、5、10、15および20mg)後のガボキサドールの算術平均血漿濃度-時間プロファイルを示す。
【0152】
実施例2 ガボキサドール投与による残存効果の評価
この試験は、健常な高齢の男性および女性対象体における、二重盲検、ダブルダミー、無作為化、活性-およびプラセボ-対照、単回投与、3期間クロスオーバー試験、それに続くオープンラベル、単回投与、1期間試験であった。対象体は、各々の3つの処置(処置A、BおよびC)に無作為化されて、最初の3処置期間にわたりクロスオーバー法で投与された。処置Aについて、対象体は、ガボキサドール10mgの単回投与を受け;処置Bについて、対象体は、フルラゼパム30mgの単回投与を受け;および処置Cについて、対象体は、プラセボの単回投与を受けた。投与は、1日目の就寝時に経口投与された。対象体を、各処置期間中投与する晩早くから投与後約36時間(3日目の朝)まで在宅させた。処置期間1~3に参加した対象体は、第4の処置期間に参加した。この期間において、ガボキサドール10mgの単回投与(処置D)が、ガボキサドールのPKのために1日目の朝にオープンラベル法で経口投与された。連続する処置期間の投与間に少なくとも14日の休薬があった。試験参加者には、65~80歳で、ミニメンタルステートで24を有し、体重が少なくとも55kgある、健常な高齢の男性および女性対象体が含まれた。すべての対象体は、10mgガボキサドール一水和物カプセル剤および30mgのフルラゼパム(2×15mgカプセル剤として提供される)を受け、釣り合うプラセボが、ガボキサドールおよびフルラゼパムの両方について提供された。
【0153】
評価した主要評価項目には、(精神運動能力、記憶、注意力および午後の投与後の日中の眠気の測定)、ガボキサドール薬物動態および安全性が含まれる。ガボキサドール(単回投与10mg)は、主要評価項目の選択反応時間および臨界フリッカー融合に対する投与後9時間の残存効果を示さなかったが、活性対照のフルラゼパム(30mg単回投与)は、同一試験において顕著な効果を示した。またガボキサドールは、当該試験で適用された他の測定(Multiple Sleep Latency Test(MSLT);Digit symbol substitution test(DSST)、トラッキング、記憶検査、身体の揺れおよびリーズ睡眠評価質問票)に対する残存効果の何れの兆候も示さなかった。
【0154】
当業者は、本明細書に記載の特定の実施態様の多くの等価物を認識するかまたはルーチンの実験のみを用いて確かめることができるだろう。当該等価物は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。
図1
図2
【国際調査報告】