(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】ユーザ装置をセルラネットワークの基地局と共に動作させる方法
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20220125BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20220125BHJP
H04W 88/10 20090101ALI20220125BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20220125BHJP
【FI】
H04W48/16 130
H04W88/06
H04W88/10
H04W48/18 111
H04W48/16 132
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525150
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2019079464
(87)【国際公開番号】W WO2020094451
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196512
【氏名又は名称】タレス ディアイエス エイアイエス ドイツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブロイアー
(72)【発明者】
【氏名】ラルス ヴェメイアー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本発明は、セルラネットワークの共存モードで少なくとも2つのコアネットワークに割り当てられた基地局と共に、少なくとも1つのコアネットワークにおける直接接続終了を含むデータ通信モードで動作するユーザ装置を動作させる方法であって、ユーザ装置が、-異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワークにアクセス可能な基地局にキャンプオンするステップと、-第1及び第2のコアネットワークの利用可能な無線リソースを示すメッセージを基地局から受信するステップと、-想定される接続に適切なコアネットワークを選択するステップと、-選択されたコアネットワークに属する示された無線リソースの一部を使用して、想定される接続の接続要求を基地局に送信するステップと、-基地局から応答表示を受信するステップと、を含む方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラネットワーク(CN)の共存モードで少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)に割り当てられた基地局(eNB)と共に、少なくとも1つの前記コアネットワークにおける直接接続終了を含むデータ通信モードで動作するユーザ装置(UE)を動作させる方法であって、
前記ユーザ装置(UE)が、
-異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)にアクセス可能な基地局(eNB)にキャンプオンするステップと、
-第1及び第2のコアネットワーク(CON1,CON2)の利用可能な無線リソースを示すメッセージを前記基地局(eNB)から受信するステップと、
-想定される接続に適切な前記コアネットワーク(CON1)を選択するステップと、
-選択された前記コアネットワーク(CON1)に属する示された前記無線リソースの一部を使用して、想定される接続の接続要求を前記基地局(eNB)に送信するステップと、
-前記基地局(eNB)から応答表示を受信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記コアネットワーク(CON1,CON2)の選択が、コアネットワーク機能の可用性を考慮することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コアネットワーク機能が、
-ネットワークスライス、
-ネットワークサービス、
-所望の節電、
-所望のQoS、
-特殊な通信形態、
-ローミング基準、
のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コアネットワーク(CON1,CON2)のうちの1つのコアネットワークの高い利用率を示すメッセージを前記基地局(eNB)から受信するステップと、前記利用率表示を、前記コアネットワークを選択するステップのために考慮するステップとをさらに含む、請求項1乃至3の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コアネットワーク(CON1,CON2)のうちの1つのコアネットワークの規制を示すメッセージを前記基地局(eNB)から受信する方法ステップと、前記コアネットワークを選択するステップのために前記規制表示を考慮する方法ステップとをさらに含む、請求項1乃至4の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項6】
移動状態で動作し、前のサービング基地局(eNB1)との通信に無線リンク障害を検出した場合に、新しいサービング基地局(eNB2)を選択することができるユーザ装置(UE)について、前記方法がさらに、
-新しい基地局(eNB2)を選択するステップと、
-前記コアネットワーク(CON1,CON2)が前記前のサービング基地局と共に動作されていることを示す接続要求を前記新しい基地局(eNB2)に送信するステップと、
を含む、請求項1乃至5の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項7】
セルラネットワーク(CN)の共存モードで少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)に割り当てられた基地局(eNB)と共に動作するための、少なくとも1つの前記コアネットワークにおける直接接続終了を含むモードで動作するユーザ装置(UE)であって、前記ユーザ装置(UE)が、
-異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)にアクセス可能な基地局(eNB)にキャンプオンし、
-第1及び第2のコアネットワーク(CON1,CON2)のリソースを示すメッセージを前記基地局(eNB)から受信し、
-想定される接続に適切な前記コアネットワークを選択し、
-選択された前記コアネットワークに属する示された前記リソースを含む、想定される接続の接続要求を前記基地局に送信する
ように構成されたユーザ装置(UE)。
【請求項8】
前記コアネットワーク(CON1,CON2)のうちの1つのコアネットワークの高い利用率を示すメッセージを前記基地局(eNB)から受信し、前記利用率表示を、前記コアネットワークを選択するステップのために考慮するようにさらに構成された、請求項7に記載のユーザ装置(UE)。
【請求項9】
さらに、移動状態で動作し、前のサービング基地局(eNB1)との通信に関連する無線リンク障害を検出した場合に、新しいサービング基地局(eNB2)を選択するように構成され、
前記ユーザ装置(UE)が、
-新しい基地局(eNB2)を選択し、
-前記コアネットワーク(CON1,CON2)が前記前のサービング基地局(eNB1)と共に使用されていることを示す接続要求を前記新しい基地局(eNB2)に送信するように構成された、請求項7又は8に記載のユーザ装置(UE)。
【請求項10】
セルラネットワーク(CN)の共存モードで少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)に割り当てられた基地局(eNB)を動作させる方法であって、前記基地局(eNB)にキャンプオンしている少なくとも1つのユーザ装置(UE)に、前記コアネットワークのうちの1つのコアネットワークへの直接接続終了アクセスを提供し、
前記方法が、
-前記少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)のうちの少なくとも2つのコアネットワークの利用可能なリソースを示すリソース表示メッセージを前記キャンプオンしているユーザ装置(UE)の少なくとも1つに送信するステップと、
-選択されたコアネットワークのリソース表示を含む接続要求を受信するステップと、
-選択されたリソースを前記選択されたコアネットワークに示すことを含む、前記選択されたコアネットワークとの接続を設定するステップと、
-要求している前記ユーザ装置(UE)に接続設定表示を送信するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記コアネットワーク(CON1,CON2)の少なくとも1つについて、一定の利用率レベルに達したかどうかを確認し、
これに応答して、少なくとも1つのユーザ装置(UE)に高利用率メッセージを送信するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基地局(eNB)がさらに、選択されたコアネットワークを含む接続要求をユーザ装置(UE)から取得するように構成され、
前記方法が、
-前記ユーザ装置(UE)が前記選択されたコアネットワーク内の隣接する基地局(eNB1)と共に以前に動作していたかどうかを確認し、
-前記利用率のレベルにもかかわらず、前記選択されたコアネットワークへのアクセスを許可するステップを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
セルラネットワーク(CN)の共存モードで少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)に割り当てられた前記セルラネットワークの基地局(eNB)であって、前記基地局(eNB)にキャンプオンしている少なくとも1つのユーザ装置(UE)に、前記コアネットワークのうちの1つのコアネットワークへの直接接続終了アクセスを提供し、
前記基地局が、
-前記少なくとも2つのコアネットワーク(CON1,CON2)のうちの少なくとも2つのコアネットワークの利用可能なリソースを示すリソース表示メッセージを、前記キャンプオンしているユーザ装置(UE)の少なくとも1つに送信し、
-選択されたコアネットワークのリソース表示を含む接続要求を受信し、
-選択されたリソースを前記選択されたコアネットワークに示すことを含む、前記選択されたコアネットワークとの接続を設定し、
-要求している前記ユーザ装置(UE)に接続設定表示を送信する、
ように構成された基地局(eNB)。
【請求項14】
前記コアネットワーク(CON1,CON2)の少なくとも1つについて、一定の利用率レベルに達したかどうかを確認し、これに応答して、少なくとも1つのユーザ装置(UE)に高利用率メッセージを送信するようにさらに構成された、請求項13に記載の基地局(eNB)。
【請求項15】
選択されたコアネットワークを示す接続要求をユーザ装置(UE)から取得し、
前記ユーザ装置が前記選択されたコアネットワーク内の隣接する基地局と共に以前に動作していたかどうかを確認し、
前記利用率のレベルにもかかわらず、前記選択されたコアネットワークへのアクセスを許可する
ようにさらに構成された、請求項13又は14に記載の基地局(eNB)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザ装置を動作させる方法に関する。本発明はまた、上記方法を用いるユーザ装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、基地局が上記ユーザ装置を動作させる方法に関する。本発明はまた、上記方法を用いる基地局に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、無線セルラ通信の分野において、ユーザ装置がセルラネットワークの複数の基地局の1つと共に動作していることが知られている。今日の2G(GSM)、3G(UMTS)、4G(LTE)のような各世代のセルラ技術標準のための複数の無線アクセスネットワークの共存において、ユーザ装置は、無線アクセスネットワークに割り当てられた基地局にキャンプオンすることによって、これらの無線アクセスネットワークの1つにアクセスする。2G用の基地局は基地局(BS)と呼ばれ、3GはnodeB、4GはeNodeB、5GはgNodeBと呼ばれる。基地局という用語は、各世代に応じて各タイプの基地局を含む。
【0004】
しかしながら、次世代5G(新無線)の到来に伴い、1つの基地局による少なくとも2つの無線アクセスネットワークへのアクセスが可能になることが想定される。これは、特にマシンタイプ通信又はIoT装置用のLTEのフレーバ(flavor)が5Gにも後方互換的に使用されるためである。つまり、LTEの変種LTE Cat Nb‐IoTを使用可能なユーザ装置が、エアインターフェイスプロトコルを変更することなく、エアインターフェイス、特に物理層のための共通のNB‐IoT構成及びレガシーユーザ装置のための関連する下位レベルのシグナリングの両方を提供する4GのeNodeB及び5GのgNodeBの両方にアクセスする場合がある。また、基地局は、一方のコアネットワーク又は両方のコアネットワークにアクセスする場合がある。したがって、ユーザ装置が現在4Gで動作しているのか5Gで動作しているのかという問題は、一義的に明確ではない。
【0005】
また、この問題は、ユーザ装置がいわゆるC‐IoT最適化(制御プレーンIoT最適化)を使用している場合に、アクセスがコアネットワークにおける接続を終了させるLTE Cat NB‐IoT(略してNB‐IoT)の場合と同様に重要である。C‐IoT最適化は、ユーザデータがコアネットワーク、それぞれ4GにおけるMMEと、これに対応する5GにおけるAMF(詳しく言うと、5GにおいてNB‐IoTを動作させるためのネットワークアーキテクチャはまだ存在しないが)で終了するNASベアラにカプセル化されることを意味する。したがって、ユーザ装置には、アクセスを希望するコアネットワークを選択する手段が必要である。このことは、利用可能なコアネットワークの1つだけが提供する(5Gの)特別サービス又はスライスを望む場合に特に重要である。
【0006】
また、NAS(C‐IoT)経由の非IPデータなどの特別なトラフィック上の理由から、データを対応するSCEF(サービス制御公開機能)に転送する4GのMMEとの接触が望まれる状況が発生することもある。
【0007】
次世代についても同じ状況が当てはまる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ユーザ装置がNB‐IoTの場合も所望のコアネットワークにアクセスすることを保証するための解決策が必要とされる。これに伴い、別の代替的かつ有利な解決策も当技術分野において望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これに対し、本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載のユーザ装置を動作させる方法が提案される。さらに、本発明の第2の態様によれば、請求項7に記載のユーザ装置が提案される。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、請求項10に記載の基地局を動作させる方法が提案される。さらに、本発明の第4の態様によれば、請求項13に記載の基地局が提案される。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、セルラネットワークの共存モードで少なくとも2つのコアネットワークに割り当てられた基地局と共に、少なくとも1つのコアネットワークにおける直接接続終了を含むデータ通信モードで動作するユーザ装置を動作させる方法であって、
ユーザ装置が、
-異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワークにアクセス可能な基地局にキャンプオンするステップと、
-第1及び第2のコアネットワークの利用可能な無線リソースを示すメッセージを上記基地局から受信するステップと、
-想定される接続に適切なコアネットワークを選択するステップと、
-選択されたコアネットワークに属する上記示された無線リソースの一部を使用して、想定される接続の接続要求を基地局に送信するステップと、
-基地局から応答表示を受信するステップと、
を含む方法が提案される。
【0012】
本発明の方法は、具体的には4G(LTE)、5G(新無線)又はそれ以降の無線技術標準を実施する、無線通信用のセルラネットワークの基地局と共に動作可能なユーザ装置に関する。
【0013】
本発明の方法は、直接接続終了を含むデータ通信モードで動作するそのようなユーザ装置に関する。これは、具体的にはLTEカテゴリのNB‐IoT(狭帯域モノのインターネット)に当てはまるが、他のモード、例えば5G以降の将来のモードであることがある。
【0014】
NB‐IoTは、狭帯域通信カテゴリを提供することによって、低機能のユーザ装置がセルラネットワークにアクセスできるようにすることが想定される。これは、具体的には、割り当てられた周波数バンドが狭いサブバンドのみにアクセスすることを含む、具体的には周波数バンドの残りの部分が割り当てられる以外の符号化方式で動作しているカテゴリ狭帯域IoTとして知られている。これは、低機能ユーザ装置が、最新世代のセルラネットワークの基地局と、好ましくはアップリンク及びダウンリンクの両方で処理能力の点ではるかに少ない労力で通信するのに役立つ。5Gでもこのカテゴリを維持することが既に決定されている。ただし、本発明は4G又は5GのNB‐IoTに限定されない。
【0015】
特にNB‐IoTの場合、直接それぞれのコアネットワークで終了するという特性が定義されている。関与する基地局は、パッシブエアインターフェイスの役割を果たすのみで受信データの転送についての決定を行わない。
【0016】
セルラネットワークのコアネットワークは、同じセルラネットワーク内で動作している若しくは異なるセルラネットワークで動作している、又は具体的にはインターネット経由でリモートサーバへのアクセスを確立しているユーザ装置間相互の接続性を保証するためのセルラネットワークの要素を備える。コアネットワークは、典型的にはコア要素と、サーバと、ホームロケーションレジスタ(HLR)、及び認証に必要であり、特定のセルラネットワークオペレータの特定のセルラネットワークにおけるユーザ装置のアクセス及びリソース使用を許可するその他のエンティティを含むゲートウェイを備える。
【0017】
ユーザ装置のコアネットワークとの通信はNAS(非アクセス層)と呼ばれるのに対し、ユーザ装置AS(アクセス層)通信は基地局、すなわち無線で終端する。
【0018】
換言すれば、コアネットワークは、必要に応じてNASシグナリング(4G EPCベアラ)を用いてユーザ装置によりアプローチされるエンティティであり、一方、ASシグナリング(無線ベアラ/無線プロトコル)はeNodeBで終端される。
【0019】
コアネットワーク、又は少なくともその主要部は、5Gでは5G NextGenコアと呼ばれ、4Gでは進化型パケットコアと呼ばれる。
【0020】
異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワークにアクセス可能な基地局の場合は、結果として、いずれのコアネットワークにアクセスするかについての決定を行わなければならないのはユーザ装置となる。
【0021】
ここで本発明が作用する。ユーザ装置がこの決定及びその後の各コアネットワークへのアクセスを実行する本発明の方法が提案される。
【0022】
本発明の方法は、ユーザ装置が、異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワークにアクセス可能な基地局にキャンプオンすることから始まる。
【0023】
ユーザ装置は、両コアネットワークの利用可能な無線リソースを示すメッセージを上記基地局から受信するとき、その最新の状況を知る。
【0024】
このような無線リソースは、好ましくは時間又は周波数領域にあるか、又は特に5Gコアへのアクセスに専ら使用される新しいフォーマットである。いずれの場合でも、ユーザ装置は、どの無線リソースがどちらのコアネットワークに属しているのかを検出可能である。これまでにリソースは割り当てられ、RSRPレベル、すなわちあるリソースカテゴリに対応する受信レベルに依存してシステムにアクセスするために使用されると想定されるNB‐IoTに示すことができる。このことは、これまでにrsrp-ThresholdsPrachInfoListとして定義され、ブロードキャストシステム情報(SIB)の一部として提供される。
【0025】
カバレッジ拡張(CE)におけるNB‐IoTユーザ装置がPRACHリソースセットを選択する基準は、最大3つのRSRP閾値がPRACHのCEレベルを決定するためにシグナリングされる(TS 36.213参照)。第1の要素はRSRP閾値1に対応し、第2の要素はRSRP閾値2に対応する、といった具合である(TS 36.321[6]参照)。
【0026】
RSRPレベルに依存してシステムにアクセスするためにNB‐IoTユーザ装置により使用され得るリソースに加えて、好ましくは、新しいコアネットワークにアクセスするために使用されるリソースを示す第2のリソースセットが導入される。この点で、両コアネットワークをサポートするユーザ装置は、どちらにアクセスするかを決定する立場にあり、レガシーユーザ装置は、SIB2のrsrp‐ThresholdsPrachInfoListに示されたリソースを使用することによって直接アクセスすることがある。新しいコアネットワークにアクセスするためのリストは、別のSIBにNextGenCore‐rsrp‐ThresholdsPrachInfoListとして定義することができる。
【0027】
上記情報は、PRACH構成システム情報ブロードキャスト又は上記システム情報に対する各拡張コンテナでユーザ装置に伝達される。
【0028】
次のステップとして、ユーザ装置は、ユーザ装置がアクセスすることになっているコアネットワークに属する無線リソースを選択することが想定される。選択を行うために、ユーザ装置は、どちらのコアネットワーク、すなわちそのリソースが、想定される接続、具体的にはデータパケットの計画された送受信に適切であるかを評価する。
【0029】
この選択は、事前に、又は基地局からの無線リソース情報の受信に応答して引き起こされることがある。このため、ユーザ装置は、コアネットワークが適切であるかどうか、すなわち想定される接続の要件を満たすかどうか判断する手段を有する。
【0030】
第1の実施形態では、コアネットワークの選択は、コアネットワーク機能の可用性を考慮することを含むことが提案される。
【0031】
この有利な実施形態はユーザ装置の事前設定に関する。
【0032】
コアネットワークの選択のために、選択されるコアネットワークに関してユーザ装置が有する少なくとも1つの要件を考慮する。これは具体的にはユーザ装置の事前設定を通じて提供される。したがって、ユーザ装置が、例えばある所望の事前設定されたサービスにアクセスしようとするとき、このようなサービスは、適切であると評価されるように、選択されたコアネットワークによってサポートされている必要がある。
【0033】
その結果、コアネットワーク機能は把握されている必要がある。そのために、基地局はこのようなコアネットワーク機能に関する情報を提供する。5Gの有利な例として、このような機能は特にスライス発見として知られている。これによってユーザ装置は、どのスライス、ひいてはどのサービスが利用可能であるかを把握する。ネットワークスライシングとは、5Gのために導入された仮想ネットワークアーキテクチャの一種であり、一定のアプリケーション要件又はサービス要件のために仮想エンドツーエンドネットワークを調整することができる。好ましくは、特定の利用率の高いスライスが原因でネットワーク全体の安定性に影響を及ぼさないように、様々な要素が関与する。
【0034】
或いは以上で詳しく示したように、上記セル、具体的にはシステム情報内のPRACH構成を特定するのに使用される要素PRACH‐ConfigSIB及びIE PRACH‐Config上でRACHアクセスを実行することに関する情報がプロビジョニングされた基地局から、ユーザ装置はrsrp‐ThresholdsPrachInfoListを、或いはまた5G NextGenコアがNB‐IoT装置に直接到達可能である場合には、NextGenCore‐rsrp‐ThresholdsPrachInfoListをも受信する。
【0035】
したがって、ユーザ装置は、ある基地局において利用可能なコアネットワークを選択又は破棄することがある。
【0036】
上記コアネットワーク機能は、好ましい実施形態によれば、
-ネットワークスライス、
-ネットワークサービス、
-所望の節電、
-所望のQoS、
-特殊な通信形態、
-ローミング基準、
のうちの少なくとも1つである。
【0037】
ネットワークスライス、すなわちネットワークサービスは特に、5Gネットワークを通じて利用可能であるが、将来のネットワークでも利用可能である。
【0038】
所望の節電は、例えばスリープモードに移行するeDRXなどの、シグナリング労力を回避する可能性を提供するネットワーク機能に関連する。
【0039】
所望のQoSによって、ユーザ装置により期待される特定のサービス品質が意味される。サービス品質は、特に利用可能性、転送遅延、又は帯域幅などの属性によって特定される。トラフィッククラスによって表されることが多い。ネットワーク機能は一定のQoSを提供し、これがユーザ装置の要件を十分に満たしていない場合、他方のコアネットワークがより適切であるかどうかを決定しなければならない。
【0040】
特殊な通信形態によって、特にIP又は非IPネットワークトラフィックを含むことが想定される。後者は特に、現在は4Gでのみ利用可能なMMEからSCEFで終端する特定の種類の非IPネットワーク機能に関連する。データをアプリケーションに送信するために、進化型パケットシステム(EPS)のセルラモノのインターネット(CIoT)用の2つの最適化、すなわちユーザプレーンCIot EPS最適化及び制御プレーンCIoT EPS最適化が定義された。一般に、NIDD/非IPデータがCIoT EPS最適化の一部である。PDNタイプ“非IP”は非IPデータに使用される。制御プレーンを介した非IPデータ配信はSCEFによって行われる。PDNタイプ非IPを選択することによって、MMEはこれが非IPデータであることを知り、関連パケットをSCEFに転送する。SCEFは、関連情報を有しているか又はホームロケーションレジスタから上記情報の受信者に関する情報を取得することができる。SCEFは、この知識を用いることによってパケットのルーティングを行う。つまり、簡単な言葉で言うと、SCEFは、コアネットワークでのルーティングに適したデータの変換を行う。この方法の利点は、ユーザ装置が40バイトのIPヘッダIPv6を送信する必要がないため、ペイロード及び電力が節約されることである。SCEFは、対応する情報をデータパケットに追加する。
【0041】
ローミング基準によって、ユーザ装置が訪問先ネットワークで動作しているため、一定のサービス、すなわちスライスにアクセスし得るかどうか判断する必要がある状況が意味される。つまり、NB‐IoTユーザ装置は、4G基地局から提供されているか5G基地局から提供されているかにかかわらず、NB‐IoT無線を介したアクセスが訪問先PLMNによって認められることがあるが、背後のコアネットワークは、PLMNインタワーキングが既に確立及び提供されている場合、レガシー4Gコアのローミングユーザのみを受け入れることがある。さらに、スライスへのアクセスは、オペレータ独自のユーザ装置、又は同等のPLMNに登録されているが、ローミングユーザではないユーザ装置に制限されることがある。
【0042】
また、コアネットワークの選択は、各コアネットワークの可用性に基づくことがある。
【0043】
これは、特に第1の実施形態において、上記コアネットワークのうちの1つのコアネットワークの高い利用率を示すメッセージを上記基地局から受信すること、及び、上記利用率表示を、コアネットワークを選択するステップのために考慮することを含む。
【0044】
この情報は、各コアネットワークが既に高率で利用され、保留中の接続セッション用のリソースの数が手元にない可能性があることをユーザ装置に示す。このような情報は、特に、利用可能な無線リソースを示すメッセージによって入手可能となる。全く又はほとんどアクセスされ得ないコアネットワークは、そういう意味ではユーザ装置に適切であるとは見なされない。
【0045】
また、別の実施形態において、上記コアネットワークのうちの1つのコアネットワークの規制を示すメッセージを上記基地局から受信すること、及びコアネットワークを選択するステップのために上記規制表示を考慮することが特に想定される。
【0046】
この情報は、各コアネットワークが、具体的には属するユーザ装置のタイプについて規制されることをユーザ装置に示す。
【0047】
典型的には、規制は、具体的にはSIB1内のシステム情報によって示される。装置固有のシステム情報、具体的にはマシンタイプ(M‐SIB)の場合、その装置タイプに属するユーザ装置に対して(選択的)規制が適用可能である。これは特に、多くのIoT装置が不利なシグナリング周期に起因してネットワークに同時にアクセスを試みる場合に役に立つ。
【0048】
ユーザ装置は、そのようなメッセージの1つを受信することによって、示されたコアネットワークへのアクセスを回避するであろうことは明らかである。規制されたコアネットワークは、ユーザ装置に適切なものとは見なされない。
【0049】
この実施形態は、ユーザ装置が、当初アクセスすることを計画していたコアネットワークからこのようなメッセージを受信した場合に、当初の計画にもかかわらず、他方のネットワークのリソースを選択することが合理的であるかどうかをその場でその場で決めることが可能になるため特に有利である。ユーザ装置は、他方のコアネットワークが所望のサービス又は完全にこれに類するものをサポートできるならば、全く接続がなくなるのを避けるために、少なくとも他方のコアネットワークで利用可能なサービスを利用することを選ぶことがある。
【0050】
これは具体的には、利用可能なコアネットワークが適切であることに対するユーザ装置の要件の優先順位に含まれる。このような優先順位は、特に、ある要件があるコアネットワークで利用できない場合に、このコアネットワークとの接続を要求し得るか否かを規定する。
【0051】
一旦選択が実行されると、本発明の方法に係るユーザ装置は、所望の無線リソースを示す接続要求を基地局に送信する。この表示によって、基地局は、無線リソースを介して示された各コアネットワークにこの要求を転送する。
【0052】
この接続要求が成功した場合、ユーザ装置は、接続要求の状態に関する情報、具体的には、接続が設定されたか又は拒絶されたかについての応答表示を基地局から受信することを期待する。
【0053】
好ましい実施形態では、非固定状態で動作し、前のサービング基地局との通信に無線リンク障害を検出した場合に、新しいサービング基地局を選択することができるユーザ装置について、方法はさらに、
-新しい基地局を選択するステップと、
-コアネットワークが前のサービング基地局と共に動作されていることを示す接続要求を新しい基地局に送信するステップと、
を含むことが提案される。
【0054】
この実施形態は、主に移動式のユーザ装置に関する。多くのNB‐IoTユーザ装置は、例えば電子計器として、自動販売機などの一部として固定式に設置されることが知られている。そういう意味で固定式とは、少なくとも当面の間動かないことを意味する。しかし、NB‐IoTユーザ装置が移動し、したがって、一方の基地局から他方の基地局に切り替える必要が生じる可能性がある。
【0055】
間接費を削減するために、及び主として固定状態で動作するユーザ装置を見越して、NB‐IoTのモビリティ処理は、具体的には携帯電話の通常動作と比べて大幅に削減される。
【0056】
結果として、ハンドオーバ/再選択が、現在サービス中の基地局上での無線リンク障害(RLF)の単純な検出によって置き換えられる。一度これが起こると、ユーザ装置は最適な基地局を探し、動作の継続を試みる。
【0057】
中断されない接続がNB‐IoTユーザ装置の第1の優先順位でないとき、これは与える影響が小さいと判断されるが、かなりの電力とリソースが節約される。しかしながら、本発明を用いて解決される課題について、第1の基地局上で一度選択されたコアネットワークと共に動作しており、次に次の基地局にアクセスするときに、ユーザ装置が前に使用されていたのと同じコアネットワークを選択する、特に選択することが許されることを保証する必要性があるという問題が提起される。NB‐IoTモビリティが無線リンク障害に基づいている、すなわち中断するまで接続を維持し、新しい接続を設定し、前の基地局から通信セッションを取得することを求めるが、その結果、通信セッションは途切れないままである、すなわち伝送を終了させることができる。今や通信セッションを取得できる1つの基地局だけでなく、関連性がある、すなわち通信セッション継続のために同じコアにアクセスする、前に使用されていたコアネットワークに関する情報も存在する。これは、コアネットワークが、空きリソース不足のために新しい接続を設定することを新しいユーザ装置に許可しない場合に特に関連性がある。
【0058】
この問題を解決するために、好ましい実施形態は、ユーザ装置があるコアネットワーク上の前のサービング基地局と共に動作していたことを接続要求で新しい基地局に示すことを提案する。
【0059】
このために、UEは、提供されている場合に、新しい基地局上で前に使用されていたコアネットワークと関連付けられた無線上のリソースを使用する。
【0060】
より進歩したケースでは、対応する表示も含むことができるが、これは追加のシグナリング負荷を生じさせる可能性があり、限られた利益しかもたらさない。特に、新たにアクセスするユーザ装置が対応する過負荷表示に従い、必要とは限らない場合、すなわち、もっと早い段階に上記コアネットワークとの接続を有していた場合に対応するコアを選択せず、通信セッションがまだ終了していないという事実に頼る場合。
【0061】
次に、コアネットワークが、前にユーザ装置に割り当てられていたリソースを、新しい基地局を介して同様にユーザ装置に割り当てることが想定される。
【0062】
これは、所望のコアネットワークが再度選択されること、また、ユーザ装置が、たとえ新しい接続要求でいっぱいであるように見受けられたとしても、コアネットワークにアクセスし続けられることを保証する。
【0063】
コアネットワークについて、この実施形態は、次にあらかじめ確保されたリソースが使用され、通信セッションを終了させるときにユーザ装置によって定期的に解放される可能性があるという利点を有する。無線リンク障害が発生すると、そのような定期的な終了は行われず、割り当てられたリソースは、提案される実施形態から大きく遅れて他のユーザ装置に利用可能になる可能性が高い。
【0064】
本発明の第2の態様によれば、セルラネットワークの共存モードで少なくとも2つのコアネットワークに割り当てられた基地局と共に動作するための、少なくとも1つのコアネットワークにおける直接接続終了を含むモードで動作するユーザ装置であって、ユーザ装置が、
-異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワークにアクセス可能な基地局にキャンプオンし、
-第1及び第2のコアネットワークのリソースを示すメッセージを上記基地局から受信し、
-想定される接続に適切なコアネットワークを選択し、
-選択されたコアネットワークに属する上記示されたリソースを含む、想定される接続の接続要求を基地局に送信する
ように構成されたユーザ装置が提案される。
【0065】
ユーザ装置は、無線通信を実行するための2つのコンポーネントを提供する。これは、少なくともオペレーションソフトウェアを実行するための処理回路、具体的には本発明の第1の態様の方法を実行するものを含む。
【0066】
さらに、ユーザ装置は、少なくとも1つのアンテナと接続する送受信回路、典型的にはセルラネットワークの基地局と無線通信信号のやりとりを行うためのトランシーバを備える。さらに、実行可能ソフトウェア、構成データ、及び、例えばサービス中の基地局からメッセージを受信する前に測定されたデータを揮発性及び/又は永久記憶するためのメモリユニット。
【0067】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の利点を共有する。
【0068】
本発明の第3の態様によれば、セルラネットワークの共存モードで少なくとも2つのコアネットワークに割り当てられた基地局を動作させる方法であって、基地局にキャンプオンしている少なくとも1つのユーザ装置に、上記コアネットワークのうちの1つのコアネットワークへの直接接続終了アクセスを提供し、
方法が、
-少なくとも2つのコアネットワークのうちの少なくとも2つのコアネットワークの利用可能なリソースを示すリソース表示メッセージをキャンプオンしているユーザ装置の少なくとも1つに送信するステップと、
-選択されたコアネットワークのリソース表示を含む接続要求を受信するステップと、
-選択されたリソースを選択されたコアネットワークに示すことを含む、選択されたコアネットワークとの接続を設定するステップと、
-要求しているユーザ装置に接続設定表示を送信するステップと、
を含む方法が提案される。
【0069】
本発明のこの態様は、取り組まれる課題に到達するための本発明の第2の態様に係るユーザ装置に対するエアインターフェイス上の相手である基地局に関する。したがって、取り組まれる課題を解決するために、基地局が尽力してユーザ装置をサポートすることも期待される。
【0070】
基地局は、セルラネットワークの複数の基地局のうちの1つであり、4G又は5Gの技術標準を実施するように構成される。さらに、狭帯域通信カテゴリ、すなわちNB‐IoTで動作することができる。
【0071】
NB‐IoTが5Gで継続するため、NB‐IoTで動作するユーザ装置は5G又は4G基地局にキャンプオンすることがある。その結果、1つの基地局が、同時に4G及び5Gを、又は他の任意の組み合わせをサポートするセルラネットワークのコアコンポーネントにアクセスすることができる。したがって、基地局は少なくとも2つのコアネットワークへの通信接続を有する。このような通信接続は、典型的には有線接続である。
【0072】
基地局は通常、NB‐IoTだけでなく、4G又は5G若しくはそれ以降の他のカテゴリもサポートしている。
【0073】
しかしながら、ユーザ装置は、特定のコアネットワークへのNB‐IoTアクセスについて、どのコアネットワークにアクセスするかの決定を行わない。ただし、この決定を行い、実行することによってユーザ装置をサポートするためのステップを実行する。
【0074】
これは、当該基地局により供給されるリソース表示メッセージをユーザ装置に送信することによって行われる。このリソース表示メッセージは、少なくとも2つのアクセス可能なコアネットワークについてのリソース表示を含む。
【0075】
基地局がリソース表示を含む接続要求メッセージをキャンプオンしているユーザ装置から受信するとき、基地局は、どのコアネットワークへの接続設定を実行するかを決定する。接続要求メッセージは、典型的には通信エンドポイントの表示、具体的にはサーバURL又はその他の任意のタイプの表示を含む。
【0076】
基地局は、好ましくはユーザ装置に対する接続を設定し、選択されたリソースをリソースの出所であるコアネットワークに確保するための定められたステップを行う。
【0077】
これが上手く実行されたとき、基地局は要求しているユーザ装置に接続設定表示を送信し、その結果、ユーザ装置は、選択されたコアネットワークを介した示された通信エンドポイントとの接続モードで動作することになる。
【0078】
それ以外の場合は、接続拒絶表示がユーザ装置に送信される。
【0079】
このような拒絶は、特に各コアネットワークの利用率が高い場合に送信される。
【0080】
これは、1つ又は全てのアクセス可能なコアネットワークにおいて一定の利用率レベルに達した場合に当てはまり、このことは基地局とコアネットワークとによって把握される。
【0081】
これによって、ユーザ装置はアクセス可能なコアネットワークにおけるリソース不足について知らされる。これは、ユーザ装置がデータ伝送を別の時点に遅延させることを考慮するのに役立つために有利である。好ましくは、ユーザ装置は、例えば計測アプリケーションのための、データ伝送スケジュールを調整するための手段を有する。上記拒絶メッセージの表示により、ある所定の時刻に所望のコアネットワークがいつも占有されていることが判明した場合は、ユーザ装置はその伝送スケジュールを後の時刻に調整する場合がある。
【0082】
別の好ましい実施形態によれば、基地局はさらに、選択されたコアネットワークを含む接続要求をユーザ装置から取得するように構成され、方法が、
-ユーザ装置が上記選択されたコアネットワーク内の隣接する基地局と共に以前に動作していたかどうかを確認し、
-利用率のレベルにもかかわらず、上記選択されたコアネットワークへのアクセスを許可するステップを含む方法が提案される。
【0083】
この実施形態は、ユーザ装置のモビリティをサポートする。前にサービスしていなかったユーザ装置からの接続要求を受信する基地局に関する。したがって、コアネットワークが最大限の利用率を示す場合、通常、上記コアネットワークへのユーザ装置の接続要求は拒絶される必要がある。
【0084】
これは、ユーザ装置、特に非固定式、すなわち移動式のユーザ装置が、別の基地局、具体的には隣接する基地局上でその接続を設定する場合には当てはまらない。以上で示したように、この設定中に、隣接する基地局は、どのアクセス可能なコアネットワークとの接続を設定するかを決定する際にユーザ装置をサポートする。
【0085】
ユーザ装置は、当該基地局の方に移動しているとき、基地局にコアネットワークへのアクセスを要求することになる。特にリソースを利用できないことに起因する拒絶が行われないことを保証するために、基地局は、ユーザ装置が上記選択されたコアネットワーク内の隣接する基地局と共に以前に動作していたことの表示を受信する。
【0086】
これは、ユーザ装置が以前に既に接続されていたことを十分に示す。したがって、コアネットワークの利用率のレベルは、新しいサービング基地局を介した接続を設定又は継続するために無視されることがある。
【0087】
これは、NB‐IoTに対して共通のモビリティ尺度、具体的にはハンドオーバがサポートされていないために重要なステップである。したがって、別の基地局への切り替えが、以前にキャンプオンしていた基地局との無線リンク障害を検出したときに、移動中のユーザ装置によって実行される。
【0088】
本発明の第4の態様によれば、セルラネットワークの共存モードで少なくとも2つのコアネットワークに割り当てられたセルラネットワークの基地局であって、基地局にキャンプオンしている少なくとも1つのユーザ装置に、上記コアネットワークの1つに直接接続終了アクセスを提供し、
基地局が、
-少なくとも2つのコアネットワークの少なくとも2つのコアネットワークの利用可能なリソースを示すリソース表示メッセージをキャンプオンしているユーザ装置の少なくとも1つに送信し、
-選択されたコアネットワークのリソース表示を含む接続要求を受信し、
-選択されたリソースを選択されたコアネットワークに示すことを含む、選択されたコアネットワークとの接続を設定し、
-要求しているユーザ装置に接続設定表示を送信する、
ように構成された基地局が提案される。
【0089】
本発明のこの態様に係る基地局は、送受信回路及び少なくとも1つのアンテナを備える。さらに、異なる技術標準の少なくとも2つのコアネットワークに通信可能に接続される。さらに、基地局の動作を制御するための処理回路を備える。また、少なくとも設定及びオペレーティングソフトウェアを格納するための揮発性及び/又は永久メモリを備える。
【0090】
本発明のこの態様に係る基地局は、本発明の第3の態様の利点を共有する。
【0091】
示されているように、本発明は、有利には示された課題を解決し、ユーザ装置及び基地局が、あまり多くの付加的な労力をユーザ装置に費やすことなく、新しいセルラネットワークトポロジーに適合している方法で動作する解決策を提案する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
以下の説明及び添付図面はいくつかの例示的な態様を詳細に示しているが、実施形態の原理を使用することができる種々の方法のほんの一部しか示していない。本発明の特徴及び利点は、限定的ではなく例示的な例として与えられる有利な実施形態の以下の説明及び添付図面を読むときに現れるだろう。
【0093】
【
図1】本発明が適用されるタイプのユーザ装置を、本発明の第4の態様に係る基地局と共に実施形態として示す図。
【
図2】本発明の方法の好適な実施形態のシーケンス図。
【
図3】別の例示的な実施形態である、非固定状態で2つの基地局と共に動作するユーザ装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1は、本発明が適用されるタイプのユーザ装置UEを実施形態として模式的に示している。ユーザ装置UEは、NB‐IoTカテゴリをサポートする基地局eNBにキャンプオンしている。したがって、この実施形態に係る基地局eNBは、NB‐IoTが定められた両技術標準について少なくとも後方互換性を持つとき、4G又は5Gの基地局であることがある。
【0095】
基地局は、少なくとも2つのコアネットワーク、この場合は5G(新無線)をサポートするコアネットワークCON1と4G(LTE)をサポートするコアネットワークCON2とに接続される。各技術標準のコアネットワークは、4Gが進化型パケットコア(EPC)と呼ばれ、5GがNextGenコアと呼ばれる。
【0096】
各コアネットワークは異なる機能を提供する。例えば、5GコアネットワークCON1は、例えば超高信頼通信のための又はマシンタイプ通信に特化した特定のスライスをサポートする機能を有することがある。
【0097】
しかしながら、ユーザ装置UEがNB‐IoTにおいて基地局eNBと共に動作しているとき、接続がコアネットワークで直接終了することは事実である。したがって、ユーザ装置UEは、示された状況において接続を希望するコアネットワークの選択決定を行う必要がある。
【0098】
これを行うための本発明の方法は、
図2の例示的な実施形態に示されている。これは例示的な実施形態の主ステップを示すシーケンス図である。
【0099】
このシーケンスは、ユーザ装置UEがメッセージM1を使用して基地局eNBにキャンプオンすることから始まる。これは典型的には、最適な基地局を見出すユーザ装置UEの測定結果に基づいて実行される。
【0100】
通常、キャンプオンするステップは、基地局からのアクティビティを含むより多くのサブステップを経ることがあるが、単純化するために、1つのメッセージM1で示されている。ユーザ装置はこのときアイドルモードで基地局eNBにキャンプオンすることが予測される。つまり接続は設定されていない。ユーザ装置及び基地局はいずれもカテゴリNB-IoTで通信することになっている。
【0101】
基地局は、2つのコアネットワークCON1(5G、NextGenコア)及びCON2(LTE,EPC)にアクセスできる。
【0102】
ユーザ装置は、基地局にキャンプオンしているとき、基地局eNBからのブロードキャスト信号をモニタする。ブロードメッセージM2の1つは、コアネットワークCON1及びコアネットワークCON2の両方において利用可能なリソースに関する表示を含む。
【0103】
以下に2つの結果が示される。メッセージM3を使用する第1のオプションでは、ユーザ装置は、メッセージM2のブロードキャストに示された選択されたリソースを含む接続要求を送信する。この選択によって、ユーザ装置は、接続の設定を希望するコアネットワークを基地局に示す。第1のオプションでは、これは5GコアネットワークCON1であったため、基地局はメッセージM4を使用して接続要求をコアネットワークに直接転送する。典型的には、特定のコアネットワーク要素がこのような要求を処理するように指定されている。
【0104】
メッセージM5を使用して、コアネットワークは、要求しているユーザ装置に基地局を介して接続設定メッセージ又は接続拒絶で応答する。技術的に言えば、ユーザ装置は基地局から送信されたメッセージを受信するが、コアネットワークCON1によって直接トリガされる。
【0105】
(破線より下の)他の代替案では、接続要求メッセージM6を使用してユーザ装置により選ばれたリソースは、コアネットワークCON2、この例ではLTEに属している。したがって、基地局eNBは、メッセージM7を使用してこの要求をコアネットワークCON2に転送する。応答メッセージM8において、ユーザ装置は接続を設定できたか否かについて知らされる。
【0106】
2つのオプションの選択は、どちらのコアネットワークが想定される接続に適切であるかという質問によって引き起こされる。これは具体的には各コアネットワークの可用性及び機能性を考慮する。あるコアネットワークが少なくともNB‐IoTユーザ装置について規制されている場合、ユーザ装置はほぼ確実に他方のコアネットワークを選択することになる。ただし、その要件が適切であることについて高い優先順位を有する場合は、それぞれの要件に対応する機能を提供するコアネットワークだけが選択されることを意味する。極端な場合、何も選択されないことを意味することがある。
【0107】
これは特に、例えば5Gコアネットワークが、プロビジョニングされていないユーザ装置がアクセスし得るリモートプロビジョニングスライスを含む場合に適用される。しかしながら、5Gコアネットワークが規制される場合、ユーザ装置はそのように利用可能なものがない4Gコアにアクセスしない。
【0108】
接続設定がメッセージM5又はM8に従って成功した場合は、ユーザ装置は接続モードで各コアネットワークと共に動作している。ここで、具体的には各コアネットワークを介してアクセス可能なリモートサーバへのデータ伝送を上り方向及び下り方向の両方で実行することが可能である。
【0109】
示されている例示的な実施形態は接続の初期設定に関連する。接続が設定された場合に、主としてデータパイプである基地局がどういう意味で関与し、コアネットワークがアドレスするユーザ装置、及び各コアネットワークで決定が行われることを示す。
【0110】
図3には、接続を設定した後のその後の通信が、別の例示的な実施形態で示されている。移動しない固定式のユーザ装置の状況では、一旦接続が設定されると、もともとキャンプオンしていた基地局にとどまり続けるのがおそらく有利である。
【0111】
しかしながら、
図3に示すユーザ装置UEは、非固定状態で動作している、すなわち移動している。示されている例では、基地局eNB1にキャンプオンし、時刻t
1にコアネットワークCON1、CON2のうちの1つを選択して接続を設定した後、ユーザ装置UEは基地局eNB1から離れた。
【0112】
時刻t2において、基地局eNB1からの信号の受信が不良であり、無線リンク障害(RLF)が現れたことが判明した。これは、NB‐IoTで動作しているユーザ装置UEに、上記現在サービス中の基地局と共に動作し続けることができないことを示す。
【0113】
したがって、ユーザ装置UEは、より適切な基地局、この場合は基地局eNB2を選択する。
【0114】
基地局eNB2もまた2つのコアネットワークCON1及びCON2にアクセスできる。
【0115】
ユーザ装置は、その結果、2つのコアネットワークのリソースを利用可能な基地局eNB2からブロードキャストを受信する。そして、選択されたリソースを含む接続要求を基地局に送信する。
【0116】
しかし、少なくともNB‐IoTユーザ装置について、選択されたコアネットワークが完全に占有されている状況が起こり得る。ユーザ装置UEが、単に基地局eNB1を介して設定された新しい基地局eNB2との既存の接続を継続することを希望するとき、ユーザ装置は、接続が既に確立されていることを基地局に知らせる表示を接続要求と共に送信する。したがって、結果として、アドレスされたコアネットワークはこのユーザ装置との接続の継続を決定することができる。
【0117】
この実施形態によれば、NB‐IoTユーザ装置UEについての継続的な接続が確保されることが保証される。接続は、一旦確立されると、通常は新しい接続の設定を希望するユーザ装置と比べて優先されることになる。これは、本発明の方法のこの実施形態で解決される。
【0118】
以上の詳細な説明において、例示により、本発明が実施される特定の実施形態を示す添付図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に記載される。異なっていたとしても、本発明の様々な実施形態は必ずしも互いに排他的ではないことは理解されるべきである。例えば、一実施形態と関連して本明細書に記載される特定の特徴、構造、又は特性は、本発明の範囲を逸脱することなく、別の実施形態において実現されてもよい。加えて、開示される各実施形態の範囲内の個別要素の位置又は配置は、本発明の範囲を逸脱することなく変更されてもよいことは理解されるべきである。したがって、以上の詳細な説明は、限定的な意味で受け取られるべきではなく、本発明の範囲は、請求項が権利を得ることができる全範囲の同等物とともに、適切に解釈された、添付の請求項によってのみ定義される。
【国際調査報告】