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特表2022-511694プロセスチャレンジデバイスで使用されるテーパ状インジケータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(54)【発明の名称】プロセスチャレンジデバイスで使用されるテーパ状インジケータ
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/28 20060101AFI20220125BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
A61L2/28
A61L2/20 102
A61L2/20 104
A61L2/20 106
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021525252
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2018080902
(87)【国際公開番号】W WO2020098902
(87)【国際公開日】2020-05-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521031671
【氏名又は名称】ゲーカーエー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイザー、ウルリッヒ
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058AA24
4C058BB05
4C058BB07
4C058DD11
4C058DD12
4C058DD15
4C058JJ13
4C058JJ15
4C058JJ16
4C058JJ28
(57)【要約】
滅菌プロセスを監視するためのプロセスチャレンジデバイス(PCD)用のインジケータ(22)であって、滅菌剤と反応し、共通のキャリア要素(18)上でキャリア要素(18)の長手方向(70)に離間して配置された複数のインジケータ領域(50、54、58、62、66)を含み、キャリア要素(18)は、その長手方向(70)に沿ってテーパ状に構築されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌プロセスを監視するためのプロセスチャレンジデバイス(PCD)用のインジケータ(22)であって、
滅菌剤と反応し、共通のキャリア要素(18)上で前記キャリア要素(18)の長手方向(70)に離間して配置された複数のインジケータ領域(50、54、58、62、66)を含むインジケータ(22)において、
前記キャリア要素(18)は、その長手方向(70)に沿ってテーパ状に構築されていることを特徴とする、インジケータ(22)。
【請求項2】
前記キャリア要素(18)は平坦に構築され、それにより前記テーパが前記長手方向(70)に沿った前記キャリア要素(18)の幅の縮小を実現する、請求項1に記載のインジケータ(22)。
【請求項3】
前記キャリア要素(18)は、連続的にテーパ状になっている、請求項1または2に記載のインジケータ(22)。
【請求項4】
2~7個、特に5個のインジケータ領域(50、54、58、62、66)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のインジケータ(22)。
【請求項5】
長さが40mm~70mmの間、特に50mmである、および/または最大幅が4mm~8mmの間である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインジケータ(22)。
【請求項6】
化学的および/または生物学的および/または物理的インジケータとして構築された、請求項1~5のいずれか一項に記載のインジケータ(22)。
【請求項7】
前記キャリア要素(18)は、任意の厚さ、好ましくは0.5~1mmの厚さの平らな形状、または他の形状の、任意の材料、好ましくは紙、プラスチック箔、または任意の金属で作製される、請求項1~6のいずれか一項に記載のインジケータ(22)。
【請求項8】
前記化学的または物理的インジケータ(22)は、昼光および/またはUV光および/または赤外線および/またはX線および/またはγ線によって対応する検出ユニットで検出できるようになっている、請求項1~7のいずれか一項に記載のインジケータ(22)。
【請求項9】
複数のストリップ(4-14)が配置されたインジケータシート(2)であって、
前記シート(2)上に切断線が配置され、前記切断部に沿った前記シート(2)の分割により、請求項1~8のいずれか一項に記載の複数のインジケータ(22)がもたらされることを特徴とする、インジケータシート(2)。
【請求項10】
前記切断線が、前記シート(2)を分離して取り出すことができる穴あき線に置き換えられている、請求項9に記載のシート(2)。
【請求項11】
15~30個、特に25個のインジケータを前記シート(2)から別個に取り出すことができるようになっている、請求項9または10に記載のシート(2)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のインジケータ(22)を受け入れるように構成されたインジケータ容積(86)を備えた検出器チャンバ(80)を含むプロセスチャレンジデバイス(130)であって、
前記インジケータ容積(86)は、前記インジケータ(22)に嵌合するように長手方向にテーパ状になっていることを特徴とする、プロセスチャレンジデバイス(130)。
【請求項13】
前記検出器チャンバ(80)は終端(84)を含み、前記インジケータ容積(86)は、特に前記PCDの構造に応じて、その広い端部が前記終端(84)に位置するように、テーパ状になっている、請求項12に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)。
【請求項14】
2つの部分(100、102)、すなわち、ハウジング部分(100)および挿入部分(102)を含み、前記挿入部分(102)は、前記検出器チャンバ(80)が前記両方の部分(100、102)の内部にシールなしで配置されるように、少なくとも部分的に前記ハウジング部分(100)に挿入できるようになっている、請求項12または13に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)。
【請求項15】
請求項1~8のいずれか一項に記載のテーパ状インジケータホルダーを一端に含むカプセルを備えたチューブとして設計された、請求項12~14のいずれか一項に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に滅菌チャンバ内の負荷の最悪の場合の浸透条件をシミュレートする、プロセスチャレンジデバイス(PCD)用のインジケータについて言及する。本発明は、テーパ状インジケータを簡単に製造し、様々なプロセスチャレンジデバイスで使用するためのインジケータシートの設計についても言及する。
【背景技術】
【0002】
病院での無菌操作および産業での無菌充填のために、無菌操作器具または材料の使用が絶対的に必要である。したがって、必要な滅菌時に、滅菌剤、例えば、蒸気、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド、過酸化水素、および/またはオゾンは、通常、気相を介して滅菌される器具の表面に移され、既存の細菌の完全な不活化を保証する。この目的のために、滅菌チャンバを備えた滅菌器が通常使用され、その中に滅菌が必要な器具または材料(常に梱包されている)が入れられる。実際の滅菌では、滅菌チャンバは最初に空気を除去し、次に滅菌剤(sterilizing agent)とも呼ばれるガス状滅菌剤(sterilant)で満たされ、これには内部の空気を事前に除去する必要がある。滅菌剤は、細菌の所望の死滅が起こるように、滅菌される器具または材料の表面に接触しなければならない。
【0003】
例えば、多孔質パック、またはチューブおよび最小侵襲性器具のような中空デバイスにおいて、滅菌剤がすべての内面にも到達する場合にのみ、すべての表面領域での物品の完全な滅菌が保証されるので、物品内部および滅菌チャンバ内部の空気の除去は、滅菌プロセスを開始する前に、適切な空気除去手順によって確保する必要がある。その後、滅菌チャンバ内部の器具のすべての表面に滅菌剤を到達させるために、滅菌チャンバは滅菌剤で満たされる。これは、器具の梱包と幾何学的設計を通じて、滅菌剤の完全な浸透がすべての表面に保証されている場合にのみ可能である。
【0004】
滅菌剤は、好ましくは、蒸気、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド、またはHである。
【0005】
最小侵襲性外科(MIS)器具の複雑な構造は、滅菌プロセスにおいて問題があることが知られている。比較的長いパイプまたはチューブと比較的小さな自由断面を備えた医療デバイスがますます使用されているため、空気のような不活性ガスが残っていると、滅菌剤をすべての内面に確実に表面接触させることがますます困難になる。さらに、織物パッケージなどの複雑な内面を備えた材料および物品も滅菌が必要である。このような場合、残りの空気またはその他の非凝縮性ガス(NCG)の既存の蓄積により、それらの表面の完全または部分的な接触が妨げられる可能性がある。
【0006】
完全な滅菌は、滅菌プロセスの前に物品内の空気が完全に除去された場合、および/または真空段階中に漏れから空気が入らない場合、および/またはNCGが滅菌剤を有する滅菌チャンバに導入されない場合にのみ保証され、滅菌剤がすべての表面に到達できることを保証する。
【0007】
器具は梱包されており、したがって使用前に滅菌を直接テストすることはできないため、起動前の滅菌プロセスの検証と、滅菌プロセス中の定期的な監視が必要である。また、滅菌プロセスの成功を証明するために検出器が使用される。例えば、インジケータが滅菌プロセスのすべての重要な変数およびそれらの重要なパラメータにさらされたとき、例えば、時間の経過とともに蒸気および温度を凝縮するにつれて色を変える化学的インジケータが使用される。代替的または追加的に、生物学的インジケータは、ストライプ、懸濁液、または自己完結型生物学的インジケータ(SCBI)の形態で使用され得る。滅菌プロセスの後、負荷を解放するために滅菌をテストする必要がある。
【0008】
そのような化学的または生物学的インジケータは、滅菌チャンバ内のインジケータが配置されている場所で、すべての重要な滅菌変数およびそれらのパラメータを監視する。そのようなインジケータは、複雑な器具のアクセスできない表面の重要な領域に配置することはできず、したがって、滅菌が成功したことを直接証明することはできない。この問題を回避するために、代理テストデバイスが使用され、物品と共に滅菌されて、インジケータのアクセスできない場所での滅菌の成功を判断する。例えば、織物またはその他の材料の滅菌プロセスについては、Bowie and Dickの標準テストパックが説明されており(非特許文献1)、ここでは、DIN A4サイズの化学的インジケータテストシートが、EN 285に準拠した重量7kgの綿パッケージの中央に配置されている。この標準テストは、綿の品質、綿の履歴、およびパッケージの個別性のため、正確に再現することはできないが、その浸透特性は中空デバイスとは異なる。
【0009】
あるいはまた、いわゆるプロセスチャレンジデバイス(PCD)またはインジケータテストシステムが使用される。そのようなテストシステムでは、例えば特許文献1またはEN 867-5に記載されているように、複雑な器具のアクセスが困難な内面が適切なモデルによってシミュレートされ、複雑な器具への浸透プロセスの成功を同様の方法で監視できる。
【0010】
PCDおよび滅菌剤の浸透を証明するための適切な検出器からなるこれらの周知のインジケータシステムは、EN ISO規格11140-1に記載されるように、その入口端で開いているガス流入側で適切に選択された長さのチューブに接続されている。このインジケータシステムは、滅菌されることになっている同様に設計された器具の浸透特性をシミュレートし、特に、分画された真空および/または蒸気の凝縮による交互のガス交換中に、検出器の領域内のチューブの端部に最終的に残った空気または他の非凝縮性ガスが集まる。
【0011】
チューブの端部に接続されたそのようなシステムの検出器が滅菌剤を検出する場合、浸透特性に従ってセキュリティの補完を追加することで、器具の内面の最もアクセスできない点もまた滅菌剤に接触していたに違いないと仮定することができる。例えば生物学的または化学的インジケータを検出器として保持できるテストデバイスのようなチューブモデルはまた、ユーロ規格EN 867-5の滅菌プロセスの検証を目的としている。より複雑な器具の滅菌の成功を確認するために、例えばユーロ規格EN 285、EN 14180、EN 1422、またはEN 867-5にタイプテストとして記載されているように、寸法が適切に適合された異なる構造のテストデバイスを使用できる。
【0012】
検出器容積は、テストデバイスの閉じた端部に配置され、ガス収集容積への入口は、例えば、テストデバイスのもう一方の端部に配置される。検出器容積は、検出器が検出器容積内に配置されるように開き、再び閉じることができる。テストデバイスが滅菌チャンバ内に配置されると、検出器の入口が滅菌剤にさらされる。試験を無効にする滅菌剤の検出器容積への直接の侵入を防ぐために、検出器チャンバを開くことができる領域を密閉するための密閉要素を提供しなければならない。例えばガスケットとして構築されている密閉要素は、時間の経過とともに摩耗するため、交換する必要がある。検出されない誤動作は、無効なテスト結果につながる。デバイスは、器具の有効なシミュレーションを提供するのに十分な長さである必要がある。
【0013】
インジケータシステムは、EN ISO 11140-1に従って、プロセスチャレンジデバイスと、滅菌剤の存在を監視するための検出器としての生物学的、化学的、または物理的インジケータであり得る内部の検出器との組み合わせとして画定されている。それは、その梱包を含む滅菌負荷内の最悪の場合の浸透条件を表す代理モデルとして使用される。生物学的または化学的インジケータは、複雑な器具内の最悪の場合の浸透位置に配置できないため、代理インジケータシステムによって表される、負荷内で滅菌条件が達成されているかどうかを確認するための代理モデルとして使用される。
既知のインジケータの欠点は、プロセスチャレンジデバイスから取り外した後、インジケータのどちらの端部がガス経路の終端または最も遠い端部にあったかを認識できないことであり、この端部は、滅菌剤が到達するのが最も難しい場所に対応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0628814号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Bowie,I.W.ら、The Bowie+Dick autoclave tape test(「Bowie+Dickオートクレーブテープテスト」)、LancetI、1963、p.585-587
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、滅菌剤の通路の端部に位置するインジケータ部分の信頼できる識別を可能にすることである。滅菌プロセスの成功を監視するための精度を高めることが、さらなる発明である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様は、滅菌プロセスを監視するためのPCD用のインジケータであって、滅菌剤と反応し、共通のキャリア要素上でキャリア要素の長手方向に離間して配置された複数のインジケータ領域を含むインジケータにおいて、キャリア要素は、その長手方向に沿ってテーパ状に構築されているインジケータに関するものである。
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項および図に記載されている。
【0019】
本発明は、滅菌プロセスの成功の評価が最高の精度で評価されるべきであるという考察に基づいている。滅菌剤が到達するのが最も困難であるPCD内の位置内のインジケータが、滅菌剤と反応した場合、それは成功したと見なすことができる。したがって、インジケータのどちらの端部がガス通路の一番端に配置されているかを認識する可能性を有することが非常に望ましいであろう。
【0020】
出願人は、独特の向きでPCDの検出器チャンバ内にそれを配置することを可能にするテーパ状の形状を備えたインジケータを提供することによって、信頼できる認識を実現できることを認識した。このようにして、PCDからインジケータを抽出した後でさえも、滅菌剤がプロセスチャレンジデバイスの最も困難な位置に到達したかどうかを確実に判断できる。
【0021】
インジケータのどちらの端部がガス通路の端部に位置していたかという情報は、滅菌剤が到達するのが最も難しい位置を反映するので、滅菌プロセス中に到達した感度に関する有力なまたは重要な情報である。
【0022】
好ましい一実施形態では、キャリア要素は平坦に構築され、テーパ形状は、長手方向に沿ったキャリア要素の幅の縮小を実現する。インジケータのキャリア要素は、任意の材料と厚さで作製できる。
【0023】
キャリア要素は、有利には、連続的にテーパ状になる。
【0024】
好ましい一実施形態では、インジケータは、2~7個、特に5個のインジケータ領域を含む。
【0025】
好ましくは、インジケータは、長さが40mm~70mmの間、特に50mmである、および/または最大幅が3mm~8mmの間である。それは特に、4mmの小幅および6mmの大幅、テーパ状のインジケータの大幅で6mm、小幅の4mmの幅を有する。
【0026】
インジケータは、好ましくは、化学的および/または生物学的および/または物理的インジケータとして構築される。あるいはまた、これらのインジケータの2つまたは3つの組み合わせとして構築することもできる。このインジケータの組み合わせは、テーパ状または長方形とすることができる。
【0027】
有利には、キャリア要素は、任意の厚さ、好ましくは0.5~1mmの厚さの平らな形状、または他の形状の、任意の材料、好ましくは紙、プラスチック箔、または任意の金属で作製される。
【0028】
好ましくは、化学的または物理的インジケータは、昼光および/またはUV光および/または赤外線および/またはX線および/またはγ線によって対応する検出ユニットで検出され得る。
【0029】
第2の態様では、本発明は、複数のインジケータストリップが配置されたインジケータシートであって、シート上に切断部が配置され、これらの切断部に沿ったシートの分割が、前記請求項のいずれか一項に記載の複数のインジケータをもたらすインジケータシートに関するものである。キャリアストリップは、検出可能な方法で、特に視覚的に認識可能な方法で、滅菌剤と反応するインジケータを備えているが、UV光および/または赤外線および/またはX線および/またはγ線でも検出できる。
【0030】
好ましくは、切断部は、シートに印刷された線を含む。切断部は、穿孔されてシートから分離され得る。
【0031】
好ましい一実施形態では、20~30個、特に25個のインジケータをシートから取り出すことができる。
【0032】
第3の態様では、本発明は、前記のインジケータを受け入れるように構成されたインジケータ容積を備えた検出器チャンバを含むPCDであって、インジケータ容積は、インジケータに嵌合するように長手方向にテーパ状になっているPCDに関するものである。インジケータは非対称に構築されているため、インジケータは1つの向きでのみインジケータ容積に嵌合する。このようにして、どのインジケータ端部がガス通路の端部にあったかを一意に識別することが可能になる。
【0033】
好ましい一実施形態では、検出器チャンバは終端を含み、インジケータ容積はテーパ状であり、PCDがどのように構築されているかに応じて、その狭いまたは広い端部がこの終端に位置する。
【0034】
好ましい一実施形態では、PCDは、(少なくとも)2つの部分、すなわち、ハウジング部分および挿入部分を含み、挿入部分は、検出器チャンバがこれらの両方の部分の内部にシールなしで配置されるように、少なくとも部分的にハウジング部分に挿入可能である。
【0035】
PCDは、上記のテーパ状インジケータホルダー/インジケータを一端に含むカプセルを備えたチューブとして設計され得る。
【0036】
PCDは、上記のテーパ状のインジケータホルダー/インジケータを含むように直列に接続される様々なチューブの長さおよび直径を有することができる。
【0037】
本発明の利点は、特に以下の通りである。インジケータの非対称設計により、インジケータのどちらの端部がガス通路の遠端にあったかを明確に判断できるため、滅菌プロセスの品質と成功の評価を強化できる。インジケータを簡単に取り外せるシートを用意することで、便利なインジケータの梱包が実現される。このようなインジケータを独自の向きで受け入れるように構築された検出器チャンバを備えたPCDにより、滅菌プロセスの評価を強化できる。
【0038】
本発明のさらなる構成および利点は、添付の概略図を参照して作成され、限定目的ではなくインジケータとして与えられた、その好ましい実施形態のいくつかの以下の詳細な説明からより明確になる。
【0039】
特に、添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は説明とともに本発明の原理を説明している。図面では、対応する特性および/または構成要素は同じ符号で識別される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】複数のストリップを備えた好ましい一実施形態におけるインジケータシートを示す。
図2図1に係るシートを別の表現で示す。
図3】好ましい一実施形態におけるインジケータを示す。
図4図3に係るインジケータが挿入されたプロセスチャレンジデバイスの検出器チャンバを示す。
図5】好ましい一実施形態におけるプロセスチャレンジデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1において、感知インジケータ色のいくつかのストリップ4、6、8、10、12が上に配置されている支持要素18aを含むインジケータシート2が示されている。シート2は、したがって支持要素18aもまた、長方形の形状を有する。好ましくは、ストリップ4~12は、それぞれ、長方形の形状を有し、支持要素18aの全幅wにわたって延びる。ストリップ4~12は、支持要素18aの高さhの方向に距離を置いて配置されている。図示の好ましい実施形態では、5つのストリップ4~12が支持要素18a上に配置されている。
【0042】
図2において、シート2は、異なるビュー/表現で示されている。このシート2には、現在、一例として、線32、34、36、38がラベル付けされている線を含む切断部が配置されている。あるいはまた、切断部はそれぞれの線32~38に沿ったミシン目である。ミシン目は、シート2の2つの境界22、24の間のシート2の全高hに沿って延びる。シート2が、隣接する部分を分離することによって穴あき線32に沿って分割されると、1つのインジケータ22(図3を参照)が、シート2から取り外され、すぐに使用することができる。シート2が穴あき線34に沿ってさらに分割されると、さらなるインジケータ24が取り外される。このようにして、図示の好ましい実施形態では、25個のインジケータ22を1枚のシート22から取り外すことができる。このようにインジケータシート2を提供する利点は、インジケータの便利な切断/穿孔/梱包を可能にする。
【0043】
2つの隣接する穴あき線、例えば線34および34は、それぞれ、互いに向かって傾斜している、すなわち、それらは平行に走っていない。シート2がこれらの隣接する線に沿って分割されると、長手方向に交互に広いおよび狭いインジケータ22が取り外される。
【0044】
好ましい一実施形態におけるシート2から取り外されたインジケータ22が図3に示されている。インジケータ22は、残りのシート2から分離されたインジケータシート2の支持要素18aの一部であるキャリア要素18を含む。キャリア要素18上に、いくつかの感知領域またはインジケータ領域50、54、58、62、66が、滅菌剤の存在に応答して反応するように配置されている。これらのインジケータ領域50~66は、それぞれ、シート2のストリップ4~12の一部である。感知領域50~66の間に、支持要素18aの領域56、60、64が配置され、それによって、インジケータ領域50~66は、互いに離間している。
【0045】
図3に見られるように、インジケータ22の幅、すなわち横方向74でのその延長は、長手方向70に沿って減少する。図示の好ましい実施形態では、幅は、連続的に、特に2次元で円錐状に減少する。このようにして、第1の端部90では、インジケータ22は、第2の端部92よりも広い幅を有する。したがって、インジケータ22は非対称に構築され、第1の端部90は、第2の端部92と容易に区別できる。
【0046】
インジケータ22は、好ましくは化学的インジケータであり、それにより、インジケータ22のキャリア要素18は、紙、金属、ガラス繊維、プラスチック、ステンレス鋼、任意のプラスチック箔、タイベック、または任意の組み合わせから作製される。あるいはまた、それは生物学的インジケータストリップであり、それにより、胞子のキャリア要素18は、紙、金属、ガラス、ガラス繊維、プラスチック、またはこれらの材料の任意の組み合わせで作製される。インジケータ22は、表面保護するか、または両面を異なる化学的インジケータの色で覆って、異なる滅菌プロセスを監視するために使用することができる。
【0047】
図4において、インジケータ容積86を含む、図5に示されるPCD130の検出器チャンバ80が示される。検出器チャンバまたはホルダー80は、ガス通路の終端である終端84を含む。インジケータ容積86は、1つの向きにのみインジケータ22に嵌合するように寸法が決められている、すなわち、インジケータ22の狭い端部92は、終端または閉じた端部84に配置される。
【0048】
図5は、好ましい一実施形態におけるプロセスチャレンジデバイス(PCD)130を示している。好ましい一実施形態におけるPCD130は、第1の部分100またはハウジング部分と、第2の部分102または挿入部分とを含み、それにより、第2の部分102は、第1の部分100に挿入可能である。図4に示される検出器ホルダー80は、第2の部分102に挿入可能である。次に、頭部部分104を含む第2の部分102は、第2の部分102のエッジ122が第1の部分100のエッジ124と接触するまで、第1の部分100に挿入される。ハウジングおよび/または前記挿入部分は、金属、プラスチック、または金属-プラスチック結合系で作製されることが好ましい。
【0049】
頭部104は、部分100、102の便利な取り扱い、特に第2の部分102の第1の部分100への挿入および取り外しを可能にする。滅菌プロセスが終了した後、第2の部分102は第1の部分100から引き抜かれ、検出器チャンバ80が抽出される。インジケータは非対称の形状、特に円錐形の設計であるため、検出器チャンバ80からインジケータを抽出した後も、滅菌剤が到達するのが最も難しいインジケータの位置に対応する検出器チャンバ80の終端に滅菌剤が到達したかどうかを確実に判断することができる。このようにして、滅菌プロセスの品質と精度の非常に正確な評価を行うことができる。
【0050】
好ましくは、2つの部分100、192は、滅菌剤に特定の浸透特性を提供するために、密閉することなしに互いに係合し、共に組み合わされて直列に接続された容積を形成する。有利なことに、一連の容積は、接続されたチャネルを提供し、それにより、これらのチャネルの一端は滅菌チャンバに接続可能となり、他端は、その代わりに滅菌剤の存在を検出するための1つ以上の化学的、生物学的、または物理的インジケータ22を収容するように構成された検出器チャンバに接続される。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)であって、
前記プロセスチャレンジデバイス(130)は、2つの部分(100、102)、すなわち、ハウジング部分(100)および挿入部分(102)を含み、インジケータ容積(86)を備えた検出器チャンバ(80)である別個の第3の部分をさらに含み、
前記挿入部分(102)は、前記検出器チャンバ(80)が前記両方の部分(100、102)の内部にシールなしで配置されるように、少なくとも部分的に前記ハウジング部分(100)に挿入できるようになっており、
前記インジケータ容積(86)は、滅菌プロセスを監視するためのインジケータ(22)を受けるようになっており、
前記インジケータ(22)は、滅菌剤と反応し、共通のキャリア要素(18)上で前記キャリア要素(18)の長手方向(70)に離間して配置された複数のインジケータ領域(50、54、58、62、66)を含み、
前記キャリア要素(18)は、その長手方向(70)に沿ってテーパ状に構築され
前記キャリア要素(18)は平坦に構築され、それにより前記テーパが前記長手方向(70)に沿った前記キャリア要素(18)の幅の縮小を実現しており、
前記インジケータ容積(86)は、前記インジケータ(22)に嵌合するように長手方向にテーパ状になっており、前記インジケータ容積(86)は、前記インジケータ(22)に1つの方向でのみ嵌合するようになっている、プロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【請求項2】
プロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)であって、
前記プロセスチャレンジデバイス(130)は、2つの部分(100、102)、すなわち、ハウジング部分(100)および挿入部分(102)を含み、インジケータ容積(86)を備えた検出器チャンバ(80)である別個の第3の部分をさらに含み、
前記挿入部分(102)は、頭部部分(104)を有し、前記挿入部分(102)のエッジ(122)が前記ハウジング部分(100)のエッジ(124)と接触するまで前記ハウジング部分(100)に挿入できるようになっており、
前記インジケータ容積(86)は、滅菌プロセスを監視するためのインジケータ(22)を受けるようになっており、
前記インジケータ(22)は、滅菌剤と反応し、共通のキャリア要素(18)上で前記キャリア要素(18)の長手方向(70)に離間して配置された複数のインジケータ領域(50、54、58、62、66)を含み、
前記キャリア要素(18)は、その長手方向(70)に沿ってテーパ状に構築され、
前記キャリア要素(18)は平坦に構築され、それにより前記テーパが前記長手方向(70)に沿った前記キャリア要素(18)の幅の縮小を実現しており、
前記インジケータ容積(86)は、前記インジケータ(22)に嵌合するように長手方向にテーパ状になっており、前記インジケータ容積(86)は、前記インジケータ(22)に1つの方向でのみ嵌合するようになっている、プロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【請求項3】
前記キャリア要素(18)は、連続的にテーパ状になっている、請求項1または2に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【請求項4】
前記インジケータ(22)2~7個、特に5個のインジケータ領域(50、54、58、62、66)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【請求項5】
前記インジケータの長さが40mm~70mmの間、特に50mmである、および/または最大幅が4mm~8mmの間である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【請求項6】
前記インジケータ(22)は、化学的および/または生物学的および/または物理的インジケータとして構築された、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【請求項7】
前記キャリア要素(18)は、任意の厚さ、好ましくは0.5~1mmの厚さの平らな形状、または他の形状の、任意の材料、好ましくは紙、プラスチック箔、または任意の金属で作製される、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【請求項8】
前記化学的または物理的インジケータ(22)は、昼光および/またはUV光および/または赤外線および/またはX線および/またはγ線によって対応する検出ユニットで検出できるようになっている、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセスチャレンジデバイス(130)およびインジケータ(22)。
【国際調査報告】